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特許7502018構造アセンブリ向けの免震継手及び荷重を減衰させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】構造アセンブリ向けの免震継手及び荷重を減衰させるための方法
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/08 20060101AFI20240611BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
F16F15/08 K
E04H9/02 331Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019222102
(22)【出願日】2019-12-09
(65)【公開番号】P2020115036
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】16/214,638
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アストン, リチャード ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ラングマック, マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トムジンシュカ, アンナ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ, エミリー シー.
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-296626(JP,A)
【文献】特開平07-187349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0183995(US,A1)
【文献】特開平11-334388(JP,A)
【文献】特開2013-256991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/08
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能要素(204)を支持構造物(202)に連結するための免震継手(100)であって、
幾つかの第1のブラケット側部(106)を備えた第1のブラケット(102)であって、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)が、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する、第1のブラケット(102)、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれ1つに連結された幾つかの免震器(110)、及び
前記免震器(110)に連結された幾つかの第2のブラケット側部(108)を備えた第2のブラケット(104)であって、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)の数が、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)の数に等しく、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)が、平面図で見たときに、前記閉じた多角形状を形成する、第2のブラケット(104)を備え、
前記第2のブラケット側部(108)のそれぞれ1つが、第1の側壁(114)及び第2の側壁(116)を備え、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれ1つの一部分が、前記第2のブラケット側部(108)のうちの対応する1つの前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間に位置付けられており、且つ
前記免震器(110)が、前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれ1つを、前記第2のブラケット側部(108)のうちの対応する1つから分離して、前記第1のブラケット(102)から前記第2のブラケット(104)に伝達される荷重を減衰させる、免震継手(100)。
【請求項2】
前記第1のブラケット(102)が、幾つかの免震器開口部(112)を更に備え前記免震器開口部(112)のそれぞれ1つが、前記第1のブラケット側部(106)のうちの1つを貫通して延在、且つ
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間で、前記免震器開口部(112)のうちの対応する1つ内に位置付けられる、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項3】
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、免震器本体(118)及び周面(120)を備え、且つ
前記免震器(110)のそれぞれ1つの前記周面(120)が、前記免震器開口部(112)のうちの対応する1つの外周面(146)に係合する、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項4】
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、前記免震器本体(118)を貫通して延在する中央開口部(122)を更に備え、且つ
前記第2のブラケット(104)が、
幾つかのファスナ開口部(128)であって、それぞれ1つが、前記第1の側壁(114)及び前記第2の側壁(116)を貫通して延在する、幾つかのファスナ開口部(128)、並びに
幾つかのファスナ(130)であって、それぞれ1つが、前記ファスナ開口部(128)のうちの対応する1つ、及び、前記免震器(110)のうちの対応する1つの前記中央開口部(122)を貫通して延在する、幾つかのファスナ(130)を更に備える、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項5】
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、
第1の側面(124)であって、一部分が前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第1の側壁(114)に接触する、第1の側面(124)、及び
前記第1の側面(124)の反対側の第2の側面(126)であって、一部分が前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第2の側壁(116)に接触する、第2の側面(126)を更に備える、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項6】
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、
前記第1の側面(124)から延在し、前記中央開口部(122)を囲む、第1のフランジ(132)であって、前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第1の側壁(114)に接触する、第1のフランジ(132)、及び
前記第2の側面(126)から延在し、前記中央開口部(122)を囲む、第2のフランジ(134)であって、前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第2の側壁(116)に接触する、第2のフランジ(134)を更に備える、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項7】
前記免震器本体(118)が、エラストマー材料から作製される、請求項からのいずれか一項に記載の免震継手(100)。
【請求項8】
前記エラストマー材料が、フルオロエラストマー材料である、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項9】
前記第1のブラケット(102)が、前記支持構造物(202)に連結されるように構成され、且つ
前記第2のブラケット(104)が、前記機能要素(204)に連結されるように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の免震継手(100)。
【請求項10】
幾つかのストラット(142)を更に備え前記幾つかのストラット(142)のそれぞれ1つが、前記第2のブラケット(104)に連結されており、且つ前記支持構造物(202)に連結されるように構成されている、請求項に記載の免震継手(100)。
【請求項11】
支持構造物(202)、
前記支持構造物(202)に連結され、幾つかの第1のブラケット側部(106)を備えた、第1のブラケット(102)であって、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)が、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する、第1のブラケット(102)、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれ1つに連結された幾つかの免震器(110)、
前記免震器(110)に連結された幾つかの第2のブラケット側部(108)を備えた第2のブラケット(104)であって、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)数が、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)の数に等しく、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)が、平面図で見たときに、前記閉じた多角形状を形成する、第2のブラケット(104)、及び
前記第2のブラケット(104)に連結された機能要素(204)を備え、
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、前記第1のブラケット側部(106)のうちの1つを、前記第2のブラケット側部(108)のうちの対応する1つから分離して、前記第1のブラケット(102)から前記第2のブラケット(104)に伝達される荷重を減衰させる、構造アセンブリ(200)。
【請求項12】
前記第2のブラケット側部(108)のそれぞれ1つが、
第1の側壁(114)、及び
第2の側壁(116)を備え、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれ1つの一部分が、前記第2のブラケット側部(108)のうちの対応する1つの前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間に位置付けられ、
前記第1のブラケット(102)が、幾つかの免震器開口部(112)を更に備え前記幾つかの免震器開口部(112)のそれぞれ1つが、前記第1のブラケット側部(106)のうちの1つを貫通して延在、且つ
前記免震器(110)のそれぞれ1つが、前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間で、前記免震器開口部(112)のうちの対応する1つ内に位置付けられる、請求項11に記載の構造アセンブリ(200)。
【請求項13】
前記支持構造物(202)が、輸送体のフレームを備え、且つ
前記機能要素(204)が、カメラとエンジンのうちの少なくとも一方を備える、請求項11又は12に記載の構造アセンブリ(200)。
【請求項14】
支持構造物(202)から機能要素(204)への荷重を減衰させるための方法(1000)であって、
第1のブラケット(102)を前記支持構造物(202)に連結することであって、前記第1のブラケット(102)が、幾つかの第1のブラケット側部(106)を備え、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)が、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する、第1のブラケット(102)を前記支持構造物(202)に連結すること、
第2のブラケット(104)の幾つかの第2のブラケット側部(108)のそれぞれ1つを、前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれ1つに連結された幾つかの免震器(110)に連結することであって、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)の数が、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)の数に等しく、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)が、平面図で見たときに、前記閉じた多角形状を形成する、幾つかの免震器(110)に連結すること、
前記機能要素(204)を前記第2のブラケット(104)に連結すること、
前記支持構造物(202)から前記第1のブラケット(102)に前記荷重を加えること、及び
前記免震器(110)を介して前記荷重を伝達することによって、前記第1のブラケット(102)から前記第2のブラケット(104)への前記荷重を減衰させることを含む、方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、構造アセンブリに関し、特に、機能要素を支持構造物に連結する構造アセンブリ向けの免震継手に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な産業では、支持する構造物から機能装備の一部分に伝達される衝撃及び/又は振動を減衰させることが、望まれており或いは必要とさえなっている場合がある。衝撃荷重は、通常、大きくて期間が短い力である。衝撃荷重は、二三ヘルツから数キロヘルツ以上の範囲内にある振動周波数を有し、その性質が一時的であるか又は継続的であり、軸方向及び/又は横方向の成分を有し得る。例えば、航空宇宙産業では、航空宇宙輸送体(例えば、航空機、宇宙船、人工衛星、ロケットなど)の動作中に生成される大きな機械的振動及び/又は機械的衝撃が、輸送体の支持する構造物に取り付けられた機能装備に到達するのを防止する必要がある。大きな衝撃荷重が機能装備に伝達された場合、機械的な振動及び/又は機械的な衝撃は、機能装備に損傷を与えるか、又は機能装備を故障させる恐れがある。更に、航空宇宙産業では、輸送体の空間及び重量の制約、並びに強度及び荷重減衰要件に対する高度の柔軟性が必要であることから、既存の衝撃減衰方法の使用が制限され得る。
【0003】
したがって、荷重減衰の分野において当業者は研究開発を継続しており、そのため、上述の懸念に対処することが意図されたシステム及び方法は有用であろう。
【発明の概要】
【0004】
下記は、本開示による主題の実施例の非網羅的なリストであり、それらは、特許請求されることも或いはされないこともある。
【0005】
一実施例では、機能要素を支持構造物に連結するための本開示の免震継手が、第1のブラケットを含む。第1のブラケットは、幾つかの第1のブラケット側部を含む。幾つかの第1のブラケット側部は、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する。免震継手は、第1のブラケット側部のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器を更に含む。免震継手は、第2のブラケットも含む。第2のブラケットは、幾つかの第2のブラケット側部を含む。第2のブラケット側部は、免震器に連結されている。幾つかの第2のブラケット側部の数は、幾つかの第1のブラケット側部の数に等しく、幾つかの第2のブラケット側部は、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する。免震器は、第1のブラケット側部のそれぞれの1つを、第2のブラケット側部の対応する1つから分離して、第1のブラケットから第2のブラケットに伝達される荷重を減衰させる。
【0006】
一実施例では、本開示の構造アセンブリが、支持構造物を含む。構造アセンブリは、支持構造物に連結された第1のブラケットを更に含む。第1のブラケットは、幾つかの第1のブラケット側部を含む。幾つかの第1のブラケット側部は、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する。構造アセンブリは、第1のブラケット側部のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器も含む。構造アセンブリは、第2のブラケットを更に含む。第2のブラケットは、免震器に連結された幾つかの第2のブラケット側部を含む。幾つかの第2のブラケット側部の数は、幾つかの第1のブラケット側部の数に等しく、幾つかの第1のブラケット側部は、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する。構造アセンブリは、第2のブラケットに連結された機能要素を更に含む。免震器のそれぞれの1つは、第1のブラケット側部の1つを、第2のブラケット側部の対応する1つから分離して、第1のブラケットから第2のブラケットに伝達される荷重を減衰させる。
【0007】
一実施例では、構造アセンブリの支持構造物から機能要素への荷重を減衰させるための本開示の方法が、第1のブラケットを支持構造物に連結するステップを含む。第1のブラケットは、幾つかの第1のブラケット側部を含む。幾つかの第1のブラケット側部は、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する。幾つかの免震器が、第1のブラケット側部のそれぞれの1つに連結される。該方法は、第2のブラケットの幾つかの第2のブラケット側部のそれぞれの1つを、第1のブラケット側部のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器に連結するステップを含む。幾つかの第2のブラケット側部の数は、幾つかの第1のブラケット側部の数に等しく、幾つかの第2のブラケット側部は、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する。該方法は、機能要素を第2のブラケットに連結するステップも含む。該方法は、支持構造物から第1のブラケットに荷重を加えるステップを更に含む。該方法は、免震器を介して荷重を伝達することによって、第1のブラケットから第2のブラケットへの荷重を減衰させるステップを更に含む。
【0008】
開示されるシステム及び方法の他の実施例は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明確となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】機能要素を支持構造物に連結するための免震継手の一実施例を使用する構造アセンブリの一実施例の概略斜視図である。
図2】機能要素を支持構造物に連結するための免震継手の一実施例を使用する構造アセンブリの一実施例の概略斜視図である。
図3】機能要素を支持構造物に連結するための免震継手の一実施例を使用する構造アセンブリの一実施例の概略斜視図である。
図4】免震継手の一部分の一実施例の概略斜視図である。
図5】免震継手の一部分の概略斜視図である。
図6】免震継手の一実施例の概略立面断面図である。
図7】免震継手の一実施例の概略立面断面図である。
図8】免震継手の一実施例の概略斜視分解図である。
図9】免震継手の免震器の一実施例の概略斜視図である。
図10】免震継手の免震器の一実施例の概略斜視図である。
図11】荷重を減衰させるための方法の一実施例のフロー図である。
図12】例示的な航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
図13】航空機の一実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、添付の図面に言及している。添付の図面は、本開示によって説明された具体的な実施例を示している。異なる構造及び工程を有する他の実施例は、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号は、異なる図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表わし得る。
【0011】
特許請求され得るが特許請求されないこともあり得る、本開示による主題の例示的且つ非網羅的な実施例が以下で提供される。本明細書で「実施例」に言及することは、当該実施例に関連して説明される1以上の特徴、構造、要素、構成要素、特性、及び/又は動作ステップが、本開示に係る主題の少なくとも1つの実施形態及び/又は実装形態に含まれることを意味する。ゆえに、本開示全体にわたる「一実施例(one example)」、「別の実施例(another example)」という表現、及び類似の文言は、同一の実施例を指していることもあるが、必ずそうだというわけではない。更に、何れか1つの実施例を特徴付ける主題は、それ以外の実施例の何れかを特徴付ける主題を含み得るが、必ずしもそうだというわけではない。
【0012】
本明細書で使用する「幾つかの」アイテムは、それらのアイテムの1以上を意味する。例えば、幾つかのアイテムは、1以上のアイテムを含んでよい。話を簡略化する目的で、本開示の全体を通して、別段の示唆がない場合、アイテムに言及する際の複数形の使用は、幾つかのアイテムを意味する。例えば、別段の示唆がない場合、「アイテム(items)」の使用は、「幾つかのアイテム」を意味する。
【0013】
概して図1から図10を参照すると、本開示は、機能要素204と支持構造物202を共に連結するために使用され、且つ、支持構造物202と機能要素204の間で荷重の減衰を提供する、構造アセンブリ200(図1から図3)の免震継手100(図4から図8)の実施例を提供する。1以上の実施例では、免震継手100が、多角形状且つ実矧ぎ(a tongue and groove)接合部を有する2ピースの構造ブラケットである。多角形状実矧ぎ接合部は、2つの構造ブラケットを互いから分離し且つ一方のブラケットから他方のブラケットに伝達されている荷重を減衰させる、一連の免震器110(図9及び図10)を含む。多角形の側面の数と免震器110の数は、強度と荷重免震との最適なバランスを実現するために、特定の用途向けに調整可能である。したがって、免震接手100を使用する構造アセンブリ200は、高度の設計柔軟性を提供する。免震継手100を使用する構造アセンブリ200は、免震器110のエネルギー吸収特性のために、高度の構造荷重減衰を提供する。免震継手100を使用する構造アセンブリ200は、広い周波数スペクトルにわたり、高度の振動及び衝撃免震(例えば、近似的に3デシベル(dB)と20dBの間)を提供する。
【0014】
図1から図3を参照すると、本開示は、構造アセンブリ200の実施例を提供する。構造アセンブリ200は、支持構造物202を含む。構造アセンブリ200は、幾つかの機能要素204も含む。機能要素204は、支持構造物202に連結されている(例えば、取り付けられている)。構造アセンブリ200は、免震継手100も含む。免震継手100は、機能要素204を支持構造物202に連結する(例えば、機械的又は構造的に連結する)、衝撃減衰取り付けブラケットアセンブリである。免震継手100は、支持構造物202から機能要素204への、機械的な衝撃荷重及び/又は機械的な振動荷重などの、荷重を減衰させるように構成されている。
【0015】
概して図1から図3を参照し、特に図4から図8を参照すると、本開示は、機能要素204を支持構造物202に連結するための免震継手100の実施例も提供する。免震継手100は、第1のブラケット102を含む。第1のブラケット102は、幾つかの第1のブラケット側部106を含む。免震継手100は、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器110も含む。免震継手100は、第2のブラケット104を更に含む。第2のブラケット104は、幾つかの第2のブラケット側部108を含む。第2のブラケット側部108は、免震器110に連結されている。免震器110は、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つを、第2のブラケット側部108の対応する1つから分離して、第1のブラケット102から第2のブラケット104に伝達される荷重を減衰させる。
【0016】
免震継手100は、第1のブラケット102にかけられ且つ免震器110との相互作用を介して又は通じて第2のブラケット104に伝達される、荷重又は力の減衰を提供する。したがって、免震継手100は、支持構造物202から機能要素204に伝達されている荷重の減衰を提供する。ある実施例では、免震継手100が、支持構造物202にかけられる荷重が機能要素204に到達することを防止し得る。一実施例では、荷重が、機械的な衝撃(例えば、衝撃荷重)を含む。一実施例では、荷重が、機械的な振動(例えば、振動荷重)を含む。一実施例では、荷重が、機械的な衝撃及び機械的な振動を含む。荷重に関連付けられる機械的な力は、分散され得るか又は本体の小さいエリアにわたり集中し得、表面に対してある角度で(例えば、接線方向又は法線方向に)加えられ得る。
【0017】
本開示の目的において、「減衰(attenuation)」、「減衰させる(to attenuate)」、及び類似する用語は、当業者によって知られている通常の意味を有し、力、強度、又は効果を弱める又は低減させることを意味する。本明細書で使用される際に、「機械的な衝撃」という用語は、当業者によって知られている通常の意味を有し、比較的短い期間内で最大力に到達する、突発性及び重大性によって特徴付けられる、動作の変化による機械的システムの非周期的乱れを指してよい。本明細書で使用される際に、「機械的な振動」という用語は、当業者によって知られている通常の意味を有し、平衡状態からの機械的システムの時間変動する乱れを指してよい。
【0018】
図1から図3で示されているように、構造アセンブリ200は、動作の変化を原因として荷重を受ける任意の種類の可動プラットフォーム206であってよい。図12で示されているように、一実施例では、構造アセンブリ200が、航空機、宇宙船、人工衛星、ロケット、ミサイル、無人航空輸送体などの、航空宇宙輸送体1200である。他の実施例では、構造アセンブリ200が、地上輸送体、船舶、自律車両、ロボット、又は他の種類の可動プラットフォームである。
【0019】
図1から図3を参照すると、支持構造物202は、可動プラットフォーム206のフレーム208(例えば、航空宇宙輸送体1200の機体1202)(図12)などの、それに対して機能要素204が取付けられるところの、構造アセンブリ200のうちの任意の適切な支持する構造物であってよい。図1及び図2で示されているように、一実施例では、フレーム208が、取り付け支持プレートであり、又はそれを含む。図3で示されているように、別の一実施例では、フレーム208が、三脚、四脚などの、多脚支持スタンドであり、又はそれらを含む。
【0020】
図1から図3を参照すると、機能要素204は、構造アセンブリ200の動作中に機能を実行し、その機能が支持構造物202からの機械的な衝撃及び/又は機械的な振動によって悪影響を受け得る、機能装備の何れかの部分であってよい。図1及び図2で示されているように、一実施例では、機能要素204が、カメラ、センサなどの、視覚システム(例えば、航空宇宙輸送体1200の視覚システム1218)(図12)、若しくは可動プラットフォーム206の視覚システムの他の構成要素であり、又はそれらを含む。別の一実施例では、機能要素204が、エンジン、スラスタ(例えば、ホール効果スラスタ(HET))などの、推進システム(例えば、航空宇宙輸送体1200の推進システム1208)、若しくは可動プラットフォーム206の推進システムの他の構成要素であり、又はそれらを含む。別の一実施例では、機能要素204が、計算ハードウェアなどのコンピュータ処理システム(例えば、航空宇宙輸送体1200の処理システム1220)、若しくは可動プラットフォーム206のコンピュータ処理システムの他の構成要素であり、又はそれらを含む。別の一実施例では、機能要素204が、アビオニクスシステム、若しくは可動プラットフォーム206の他の電子システム(例えば、航空宇宙輸送体1200の電気システム1210の一部分)であり、又はそれらを含む。
【0021】
図1から図8で示されているように、第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット側部108の数は、互いに等しい。言い換えると、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、第1のブラケット102の多角形状の縁部又は側部を画定し、第2のブラケット側部108のそれぞれの1つが、第2のブラケット104の多角形状の縁部又は側部を画定する。
【0022】
一実施例では、第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット側部108の数が、閉じた多角形状を形成するように選択される。言い換えると、第1のブラケット102の第1のブラケット側部106は、平面図で見ると、閉じた多角形状を形成し、第2のブラケット104の第2のブラケット側部108は、平面図で見ると、同じ閉じた多角形状を形成する。本開示の目的のために、「閉じた多角形」、「閉じた多角形状」、及び類似の用語は、当業者によって知られている通常の意味を有し、平面図で見ると、閉じた多角形状を形成するようにループで閉じている直線区間の有限鎖によって境界付けられた平面図形を指す。一実施例では、閉じた多角形が、閉じた経路を形成するようにペアで結合された、直線的な交差しない線分又は辺から成る平坦な形状である単純な多角形を指す。
【0023】
図1から図8を参照すると、第1のブラケット102の第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット104の第2のブラケット側部108の数は、3つ以上などの免震継手100の選択された閉じた多角形状などの選択された又は所望の多角形状を形成するのに適した任意の数であってよい。第1のブラケット側部106と第2のブラケット側部108の特定の数の選択、したがって、特定の対応する多角形状の選択(すなわち、ブラケット側部の数及び相対的な配向)は、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間の所望の連結強度を提供する。概して、第1のブラケット側部106と第2のブラケット側部108の数が多くなると、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間に提供される連結強度のレベルが高くなる。
【0024】
一実施例では、第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット側部108の数が4つであり、閉じた多角形状が四角形である。図2及び図5で示されているように、別の一実施例では、第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット側部108の数が、6つであり、閉じた多角形状が六角形である。図1図3図4、及び図6から図8で示されているように、別の一実施例では、第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット側部108の数が、8つであり、多角形状が八角形である。
【0025】
一実施例では、第1のブラケット102の幾つかの第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、幾つかの第1のブラケット側部106の隣接する1つと接触している(例えば、直接的に繋がっている且つ/又は共通の境界を共有している)。同様に、一実施例では、第2のブラケット104の幾つかの第2のブラケット側部108のそれぞれの1つが、幾つかの第2のブラケット側部108の隣接する1つと接触している(例えば、直接的に繋がっている且つ/又は共通の境界を共有している)。
【0026】
代替的に、一実施例では、第1のブラケット102の幾つかの第1のブラケット側部106の1以上が、幾つかの第1のブラケット側部106の隣接する1つから分離されている(例えば、直接的に繋がっていない且つ/又は共通の境界を共有していない)。同様に、一実施例では、第2のブラケット104の幾つかの第2のブラケット側部108の1以上が、幾つかの第2のブラケット側部108の隣接する1つから分離されている(例えば、直接的に繋がっていない且つ/又は共通の境界を共有してない)。
【0027】
第1のブラケット102向けに選択された第1のブラケット側部106の数と第2のブラケット104向けに選択された第2のブラケット側部108の数は、とりわけ、免震継手100の所望の荷重容量(例えば、最大荷重要件)、(例えば、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間の接合部の)免震継手100の所望の堅さ、及び/又は免震継手100の所望の強度を含む、様々な要因に依存してよいが、それらに限定されるものではない。概して、第1のブラケット側部106の数、第2のブラケット側部108の数、第1のブラケット102と第2のブラケット104の全体的なサイズ及び/又は閉じた多角形状、第1のブラケット側部106と第2のブラケット側部108の二次元幾何学形状及び/又はサイズは、免震継手100の強度、免震継手100の堅さ、免震継手100の配置のための空間的な制約、免震継手100の重量の制約、並びに/又は機能要素204のサイズ及び重量の間のトレードオフに基づいて最適化される。したがって、本開示の免震継手100は、それらのような要因に基づいて、機能要素204と支持構造物202の間の連結を調整するための手段を提供する。
【0028】
図4から図8で最も良く示されているように、第1のブラケット側部106のうちの何れか1つ向けに選択された免震器110の数は、第1のブラケット側部106のうちの1つと第2のブラケット側部108のうちの対応する1つの任意のペアの間の荷重減衰の所望レベルを提供するのに適切な任意の数であってよい。免震器110の数の選択は、調整可能又は適合可能な、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間の荷重減衰のレベルを提供する。免震器110の数と免震器110の材料組成は、免震継手100の特定の用途向けの、免震器110の強度と免震器110によって提供される所望の内部減衰とを、バランスさせるように選択されてよい。
【0029】
図5から図8で最も良く示されているように、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つは、第1のブラケット側部106を対応する第2のブラケット側部108に連結させる、1つの免震器110を含む。図4で最も良く示されているように、別の一実施例では、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、第1のブラケット側部106を対応する第2のブラケット側部108に連結させる、2つの免震器110を含む。別の一実施例では、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、第1のブラケット側部106を対応する第2のブラケット側部108に連結させる、3つ以上の免震器110を含む。概して、免震器110の数が多くなると、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間で提供される荷重減衰のレベルが高くなる。
【0030】
図4から図8で最も良く示されているように、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つは、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つを、第2のブラケット側部108の対応する1つに連結させる、同じ数の免震器110を含む。別の一実施例では、第1のブラケット側部106の少なくとも1つが、第1のブラケット側部106の別の少なくとも1つとは異なる数の免震器110を有する。第1のブラケット側部106ごとの免震器110の数の選択は、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つと第2のブラケット側部108の対応する1つとの間の荷重減衰の調整可能なレベルを提供する。概して、第1のブラケット側部106ごとの免震器110の数が多くなると、第1のブラケット側部106と対応する第2のブラケット側部108との間で提供される荷重減衰のレベルが高くなる。
【0031】
図6から図8を参照すると、一実施例では、第2のブラケット側部108のそれぞれの1つが、第1の側壁114(例えば、内壁)と第2の側壁116(例えば、外壁)を含む。第1のブラケット側部106のそれぞれの1つの一部分が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114と第2の側壁116の間に位置付けられている。言い換えると、第2のブラケット側部108のそれぞれの1つの第1の側壁114と第2の側壁116は、対応する第1のブラケット側部106の一部分を補完する収納部144を画定し、又は形成する。本開示の目的のために、「補完」という用語は、シャンクと受け部、実矧ぎ、又はほぞとほぞ穴のような、密接に関係した構成にある相対精度で共にフィットする、幾何学的形状を表している。
【0032】
一実施例では、図1図2図4、及び図5で示されているように、第1のブラケット側部106の1以上及び/又は第2のブラケット側部108の1以上が、立面図で見たときに、実質的に直線的な縁部を有する、矩形の二次元形状を有する。別の一実施例では、図3図6図7、及び図8で示されているように、第1のブラケット側部106の1以上及び/又は第2のブラケット側部108の1以上が、立面図で見たときに、少なくとも1つの湾曲した縁部を有する、複雑な二次元形状を有する。第1のブラケット側部106及び/又は第2のブラケット側部108の二次元形状は、例えば、製造の方法(例えば、積層造形又は除去加工)、材料組成、又は重量の制約に基づいて、選択されてよい。例えば、材料が、荷重に対応するために必要な場所に配置され、不要な場所では排除される。
【0033】
図6から図8を参照すると、一実施例では、第1のブラケット102が、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つを貫通して延在する、幾つかの免震器開口部112を含む。免震器110のそれぞれの1つは、免震器開口部112の対応する1つ内に位置付けられる。図5から図8で最も良く示されているように、一実施例では、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、1つの免震器開口部112を含む。図4で最も良く示されているように、別の一実施例では、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、2つの免震器開口部112を含む。別の一実施例では、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つが、3つ以上の免震器開口部112を含む。概して、免震器開口部112の数が多くなると、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間で提供される荷重減衰の柔軟性の程度が高くなる。
【0034】
一実施例では、免震器開口部112の数は、免震器110の数と等しい。言い換えると、免震器開口部112のそれぞれの1つが、第1のブラケット102の範囲内に位置付けられ且つ第1のブラケット102に連結された対応する免震器110を有するように、免震器110の数が、(荷重減衰の所望のレベルを実現するために)免震継手100の特定の用途向けに選択される。別の一実施例では、免震器開口部112の数が、免震器110の数より多い。言い換えると、免震器開口部112の少なくとも1つ(例えば、幾つか)が、対応する免震器110を有さないように、免震器110の数が、(荷重減衰の所望のレベルを実現するために)免震継手100の特定の用途向けに選択される。
【0035】
図6及び図7で最も良く示されているように、一実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、第1のブラケット側部106の対応する1つの免震器開口部112の対応する1つ内で、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114と第2の側壁116の間にある。免震器110のそれぞれの1つが、第1のブラケット側部106のうちの1つと第2のブラケット側部108のうちの対応する1つに係合し又は接触して、第1のブラケット側部106から対応する第2のブラケット側部108に、したがって、第1のブラケット102から第2のブラケット104に、したがって、支持構造物202から機能要素204に伝達される荷重を減衰させる。
【0036】
図6及び図7で最も良く示されているように、一実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、免震器本体118と周面120を含む。免震器110のそれぞれの1つの周面120は、免震器開口部112の対応する1つの外周面146と係合し又は接触する。
【0037】
免震器110は、様々な形状及び/又はサイズのうちの何れか1つを有してよい。免震器110の特定の形状及び/又はサイズは、荷重減衰の所望のレベルを実現するように選択されてよい。同様に、免震器開口部112は、様々な形状及び/又はサイズのうちの何れか1つを有してよい。概して、免震器開口部112の形状及び/又はサイズは、免震器110の形状及び/又はサイズを補完する。それによって、免震器110が免震器開口部112内に位置付けられたときに、免震器110の周面120が、第1のブラケット側部106の外周面146と係合する。その外周面146は、免震器開口部112を画定し又は形成し、免震器110は、締まり嵌めを介して第1のブラケット側部106に連結される。本開示の目的のために、「締まり嵌め」という用語は、当業者によって知られている通常の意味を有し、免震器110の外寸法が、免震器開口部112の内寸法よりわずかに大きく、それによって、免震器110が、免震器開口部112内にフィットしたときに、第1のブラケット側部106に対して固定される、工学的なフィットを指してよい。
【0038】
図6から図8で最も良く示されているように、一実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、中央開口部122を含む。中央開口部122は、免震器本体118を貫通して延在する。第2のブラケット104は、幾つかのファスナ開口部128を含む。ファスナ開口部128のそれぞれの1つは、第2のブラケット側部108の対応する1つを貫通して延在する。一実施例では、ファスナ開口部128のそれぞれの1つが、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114と第2の側壁116を貫通して延在する。言い換えると、ファスナ開口部128のそれぞれの1つは、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114を貫通して延在する第1の部分(例えば、内側部分)、及び第2のブラケット側部108の対応する1つの第2の側壁116を貫通して延在する第2の部分(例えば、外側部分)を含む。
【0039】
第2のブラケット104は、幾つかのファスナ130も含む。ファスナ130のそれぞれの1つは、ファスナ開口部128の対応する1つと、免震器110の対応する1つの中央開口部122とを貫通して延在する。ファスナ130のそれぞれの1つは、免震器110の対応する1つを貫通して、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つと第2のブラケット側部108の対応する1つを、互いに機械的に連結する。したがって、ファスナ130は、免震器110を貫通して、第1のブラケット102と第2のブラケット104を互いに機械的に連結して、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間で伝達される荷重を減衰させる。
【0040】
一実施例では、免震器110に実質的に類似する更なる免震器(図示せず)が、ファスナ開口部128の1以上(例えば、それぞれの1つ)内に位置付けられて、第2のブラケット側部108(例えば、第1の側壁114と第2の側壁116)とファスナ130との間の機械的な衝撃及び/又は機械的な振動を減衰させる。
【0041】
一実施例では、免震器110が対応する免震器開口部112内にフィットしたときに、免震器110の中央開口部122、免震器開口部112、及びファスナ開口部128が、互いに同軸上で整列している。概して、免震器110の中央開口部122の形状及び/又はサイズは、ファスナ130の形状及び/又はサイズを補完する。それによって、ファスナ130が、ファスナ開口部128と中央開口部122を貫通して延在するときに、ファスナ130の周面が、免震器本体118の中央開口部122を画定し又は形成する外周面と係合し、ファスナ130は、締まり嵌めを介して免震器110に連結される。図6から図8で示されているように、一実施例では、ファスナ130が、ナットやボルトなどの機械的ファスナである。
【0042】
図6から図10で最も良く示されているように、一実施例では、免震器110のうちの1以上(例えば、それぞれの1つ)が、環形状を有する。言い換えると、免震器110は、中央開口部122の中心軸に沿って見られたときに、円形状の断面を有する。そのような一実施例では、免震器開口部112のうちの1以上(例えば、それぞれの1つ)が、免震器開口部112の中心軸に沿って見られたときに、補完的な円形状の断面を有する。他の実施例では、免震器110と免震器開口部112が、他の断面形状のうちの何れか1つを有してよい。
【0043】
他の実施例では、免震器110のうちの1以上が、中央開口部122の中心軸に沿って見られたときに、非円形状の断面を有する。そのような一実施例では、免震器開口部112のうちの1以上が、免震器開口部112の中心軸に沿って見られたときに、補完的な非円形状の断面を有する。例えば、免震器110のうちの1以上及び免震器開口部112のうちの1以上は、三角形状、矩形状、六角形状、星形状、又は任意の他の適切な幾何学的形状の断面を有してよい。
【0044】
図6から図10で最も良く示されているように、一実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、第1の側面124(例えば、内側面)、及び第1の側面124の反対側の第2の側面126(例えば、外側面)を含む。(例えば、免震器110が免震器開口部112内に位置付けられ、第1のブラケット側部106が第2のブラケット側部108の第1の側壁114と第2の側壁116の間に位置付けられ、ファスナ130が、免震器110を貫通して第1のブラケット側部106と第2のブラケット側部108に連結された状態で)第1のブラケット102と第2のブラケット104が共に連結されたときに、免震器110の第1の側面124は、第2のブラケット側部108の第1の側壁114の近傍にあり又はそれと係合し、免震器110の第2の側面126は、第2のブラケット側部108の第2の側壁116の近傍にあり又はそれと係合する。
【0045】
一実施例では、免震器110のそれぞれの1つの第1の側面124の少なくとも一部分が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114と係合し又は接触する。一実施例では、免震器110のそれぞれの1つの第2の側面126の少なくとも一部分が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第2の側壁116と係合し又は接触する。
【0046】
一実施例では、免震器110のそれぞれの1つの第1の側面124が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114から間隔を空けられ又はその近傍にあるが、接触していない。一実施例では、免震器110のそれぞれの1つの第2の側面126が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第2の側壁116から間隔を空けられ又はその近傍にあるが、接触していない。
【0047】
図6から図10で最も良く示されているように、一実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、第1のフランジ132(例えば、内側フランジ)、及び第2のフランジ134(例えば、外側フランジ)を含む。免震器110の第1のフランジ132を有する第1の側面124だけが、図9及び図10で視認可能である。第1のフランジ132は、第1の側面124から延在し、中央開口部122を囲んでいる。第2のフランジ134は、第1のフランジ132の反対側の第2の側面126から延在し、中央開口部122を囲んでいる。
【0048】
一実施例では、第1のフランジ132と第2のフランジ134が、荷重を減衰させるときにファスナ130が係合するための更なる接触表面積を提供する。
【0049】
一実施例では、第1のブラケット102と第2のブラケット104が共に連結されたときに、免震器110のそれぞれの1つの第1のフランジ132が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114と接触する。一実施例では、第1のブラケット102と第2のブラケット104が共に連結されたときに、免震器110のそれぞれの1つの第2のフランジ134が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第2の側壁116と接触する。
【0050】
一実施例では、第1のブラケット102と第2のブラケット104が共に連結されたときに、免震器110のそれぞれの1つの第1のフランジ132が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第1の側壁114と接触しない。一実施例では、第1のブラケット102と第2のブラケット104が共に連結されたときに、免震器110のそれぞれの1つの第2のフランジ134が、第2のブラケット側部108の対応する1つの第2の側壁116と接触しない。
【0051】
一実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、複数の免震器本体セクション140を含む。概して、免震器本体セクション140は、免震器本体118を形成する。図6及び図7で示されている実施例では、免震器110のそれぞれの1つが、2つの免震器本体セクション140を含む。他の実施例では、免震器110のうちの1以上が、2つより多い又は少ない免震器本体セクション140を含んでよい。免震器本体セクション140のそれぞれは、中央開口部122を含む。免震器本体セクション140は、積み重ね構成で配置されている。それによって、免震器本体セクション140の全てが、免震器開口部112内に位置付けられ(例えば、その範囲内にフィットし)、免震器本体セクション140の全ての中央開口部122が、同軸上で整列している。免震器本体セクション140の特定の数が、免震器110によって提供される減衰のレベルを変動させ又は調整するように選択されてよい。概して、免震器本体セクション140の数が多くなると、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間で提供される荷重減衰のレベルが高くなる。更に、免震器本体セクション140のそれぞれの1つは、同じ材料組成を有してよく、又は、免震器本体セクション140の少なくとも1つが、免震器本体セクション140の別の少なくとも1つとは異なる材料組成を有してよい。免震器本体セクション140の種々の材料組成の特定の組み合わせが、免震器110によって提供される減衰のレベルを変動させ又は調整するように選択されてよい。
【0052】
更に、幾つかの免震器本体セクション140を使用して免震器110を形成することによって、製造費用及び構成要素のリードタイムを低減させることができる。例示的な一実施例として、荷重を十分に減衰させるために、免震器110が、近似的に1インチの断面厚さを必要とし得る。そのような一実施例では、それぞれが1インチの四分の一の厚さである、4つの免震器本体セクション140が、材料の四分の一インチの厚さのシートから素早く安価に製造されてよい。
【0053】
一実施例では、免震器110の免震器本体118が、エラストマー材料から作製される。一実施例では、免震器110の免震器本体セクション140(図6及び図7)の少なくとも1つが、エラストマー材料から作製される。
【0054】
一実施例では、エラストマー材料が、シリコーン材料(例えば、シリコーン)である。別の一実施例では、エラストマー材料が、天然ゴムや合成ゴムなどのゴム材料である。別の一実施例では、エラストマー材料が、米国デラウェア州ウィルミントンのChemours社から購入可能なViton(登録商標)などの、フルオロエラストマー材料(例えば、フッ化炭素ベースの合成ゴム)である。別の一実施例では、エラストマー材料が、ポリウレタン材料(例えば、熱硬化性ポリウレタン又は熱可塑性ポリウレタン)である。別の一実施例では、エラストマー材料が、オハイオ州ケントのSorbothane社から購入可能なSorbothaneなどの、合成粘弾性ウレタンポリマーである。
【0055】
一実施例では、免震器本体セクション140のそれぞれの1つが、同じエラストマー材料から作製される。別の一実施例では、免震器本体セクション140の少なくとも1つが、免震器本体セクション140の別の少なくとも1つとは異なるエラストマー材料から作製される。
【0056】
免震器110及び特に免震器本体118は、硬さ(hardness)、引張強度(tensile strength)、降伏力(yield strength)、伸び(elongation)、損失係数(loss factor)、脱気(outgassing)などの、様々な材料特性、特徴、及び/又はパラメータを有してよい。概して、免震器110の免震器本体118、又は免震器本体118の免震器本体セクション140の何れか1つを形成するエラストマー材料は、それらのような要因の間のバランスに基づいて選択される。
【0057】
一実施例では、免震器110のエラストマー材料が、ジュロメーター硬さ(Durometer hardness)に少なくとも部分的に基づいて選択される。一実施例では、エラストマー材料が、近似的に三十(30)と近似的に九十(90)の間のジュロメーター硬さを有する。別の一実施例では、エラストマー材料が、近似的に五十(50)と近似的に七十五(75)の間のジュロメーター硬さを有する。別の一実施例では、エラストマー材料が、近似的に三十(30)と近似的に五十(50)の間のジュロメーター硬さを有する。
【0058】
別の一実施例では、免震器110のエラストマー材料が、損失係数に少なくとも部分的に基づいて選択される。一実施例では、エラストマー材料が、近似的に十パーセント(10%)と近似的に六十パーセント(60%)の間の損失係数を有する。一実施例では、エラストマー材料が、近似的に二十五パーセント(25%)と近似的に六十パーセント(60%)の間の損失係数を有する。
【0059】
一実施例では、免震器110のエラストマー材料が、脱気に少なくとも部分的に基づいて選択される。一実施例では、エラストマー材料が、全質量の近似的に六パーセント(6%)未満の脱気を有する。一実施例では、エラストマー材料が、全質量の近似的に一パーセント(1%)未満の脱気を有する。
【0060】
一実施例では、免震器110のエラストマー材料が、最小引張強度、最小降伏力、及び最小伸びのうちの1以上に少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0061】
免震器110の特定の材料特性の選択は、例えば、荷重の力の種々の大きさ及び/又は種々の振動周波数向けの、荷重減衰の変動する程度を提供する。概して、免震器110のエラストマー材料は、所望の荷重減衰特性を実現するために、比較的高いジュロメーター硬さ、比較的高い損失係数、及び比較的低い脱気などの、特性を最適化するように選択される。
【0062】
図9で示されているように、一実施例では、免震器110のうちの少なくとも1つ又はそれぞれの1つが、ベアリング138であり又はベアリング138の形態を採る。ベアリング138のコアは、免震器本体118を形成し、免震器110の第1の側面124と第2の側面126(図8)を画定する。ベアリング138の内側レースは、免震器110の中央開口部122を画定し、免震器110の第1のフランジ132と第2のフランジ134を形成する。ベアリング138の外側レースは、免震器110の周面120を形成する。そのような一実施例では、ベアリング138のコアが、エラストマー材料から作製される。そのような一実施例では、ベアリング138の内側レースと外側レースが、金属材料から作製される。
【0063】
図10で示されているように、一実施例では、免震器110のうちの少なくとも1つ又はそれぞれの1つが、ブッシング136であり又はブッシング136の形態を採る。
【0064】
1以上の実施例では、ベアリング138又はブッシング136の選択が、製造費用、重量、及び他の要因に基づいてよい。
【0065】
免震継手100の特定の用途に応じて、支持構造物202及び機能要素204に対する第1のブラケット102及び第2のブラケット104の配向が変動してよい。図1図2、及び図4から図6で示されているように、一実施例では、第1のブラケット102が、支持構造物202に連結され又は連結されるように構成され、第2のブラケット104が、機能要素204に連結され、機能要素204に連結されるように構成されている。そのような一実施例では、第1のブラケット102が、支持構造物202に接触する固定ブラケットであり、第2のブラケット104が、機能要素204に接触する固定ブラケットである。図3図7、及び図8で示されているように、一実施例では、第2のブラケット104が、支持構造物202に連結され又は連結されるように構成され、第1のブラケット102が、機能要素204に連結され、機能要素204に連結されるように構成されている。そのような一実施例では、第2のブラケット104が、支持構造物202に接触する固定ブラケットであり、第1のブラケット102が、機能要素204に接触する固定ブラケットである。そのような実施例の何れかでは、第1のブラケット102が、第1のブラケット102と第2のブラケット104の間で伝達される荷重を減衰させる減衰ブラケットである。
【0066】
一実施例では、免震継手100が、支持体取り付けフレーム148及び装備取付けフレーム150も含む。支持体取り付けフレーム148は、支持構造物202に接触し又は連結されるように構成されている。装備取り付けフレーム150は、機能要素204に接触し又は連結されるように構成されている。例えば、支持体取り付けフレーム148の特定の構成は、支持構造物202の種類、可動プラットフォーム206の種類、免震継手100の特定の用途などに依存してよい。例えば、装備取り付けフレーム150の特定の構成は、機能要素204の種類、可動プラットフォーム206の種類、免震継手100の特定の用途などに依存してよい。図1図2、及び図4から図6で示されているように、一実施例では、支持体取り付けフレーム148が、第1のブラケット102に連結され、装備取付けフレーム150が、第2のブラケット104に連結されている。図3図7、及び図8で示されているように、一実施例では、支持体取り付けフレーム148が、第2のブラケット104に連結され、装備取付けフレーム150が、第1のブラケット102に連結されている。
【0067】
図1を参照すると、一実施例では、免震継手100が、幾つかのストラット142も含む。ストラット142のそれぞれの1つの第1の端部は、支持構造物202に連結されている。ストラット142のそれぞれの1つの反対側の第2の端部は、装備取付けフレーム150に連結され又は連結されるように構成されている。図1で示されている実施例では、ストラット142が、それに対して機能要素204が連結されるところの第2のブラケット104に連結されている。しかし、図3図7、及び図8で示されているように、第1のブラケット102と第2のブラケット104の逆構成において、ストラット142は、それに対して機能要素204が連結されるところの第1のブラケット102に連結されていることに留意されたい。
【0068】
概して、ストラット142は、機能要素204が大きく且つ/又は重く、更なる支持が必要とされるときに使用される。一実施例では、ストラット142の一方の端部又は両方の端部が、第1のブラケット102と第2のブラケット104のものと実質的に類似した免震器構成を利用するU字型ジョイント(clevis joint)を介して連結される。
【0069】
図11を参照すると、本開示は、支持構造物202から機能要素204への荷重を減衰させるための方法1000の実施例を提供する。本開示の方法1000の実施例は、図1から図10で示された本開示の免震継手100を使用する荷重減衰の動作実施態様を提供する。
【0070】
図11を参照すると、一実施例では、方法1000が、第1のブラケット102を支持構造物202に連結するステップ(ブロック1002)を含む。図1から図8で示されているように、第1のブラケット102は、幾つかの第1のブラケット側部106を含む。幾つかの第1のブラケット側部106は、平面図で見たときに、閉じた多角形状などの多角形状を形成する。幾つかの免震器110は、第1のブラケット102の第1のブラケット側部106のそれぞれの1つに連結されている。
【0071】
方法1000は、第2のブラケット104を第1のブラケット102に連結するステップ(ブロック1004)を更に含む。一実施例では、第2のブラケット104を第1のブラケット102に連結するステップ(ブロック1004)が、第2のブラケット104の幾つかの第2のブラケット側部108のそれぞれの1つを、第1のブラケット側部106のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器110に連結するステップを含む。幾つかの第2のブラケット側部108の数は、幾つかの第1のブラケット側部106の数に等しく、幾つかの第2のブラケット側部108は、平面図で見たときに、多角形状を形成する。
【0072】
方法1000は、幾つかの免震器110を用いて、第2のブラケット側部108のそれぞれの1つを、第1のブラケット側部106の対応する1つから分離するステップ(ブロック1006)も含む。
【0073】
方法1000は、機能要素204を第2のブラケット104に連結するステップ(ブロック1008)を更に含む。
【0074】
方法1000は、支持構造物202から第1のブラケット102に荷重を加えるステップ(ブロック1010)を更に含む。方法1000は、免震器110を介して第1のブラケット102から第2のブラケット104に荷重を伝達するステップ(ブロック1012)も含む。方法1000は、免震器110を介して荷重を伝達するときに、第1のブラケット102から第2のブラケット104への荷重を減衰させるステップ(ブロック1014)を更に含む。
【0075】
第1のブラケット102から第2のブラケット104への荷重を減衰させるステップ(ブロック1014)中に、軸方向と横方向の両方の荷重が減衰してよい。一実施例では、軸方向の荷重が、免震器110の第1の側面124又は第1のフランジ132と第2のブラケット側部108の第1の側壁114との間の接触を介して(図6から図8)、且つ、免震器110の第2の側壁126又は第2のフランジ134と第2のブラケット側部108の第2の側壁116との間の接触を介して(図6から図8)減衰する。一実施例では、横方向の荷重が、ファスナ130と免震器110の間の接触を介して、且つ、免震器110の周面120と免震器開口部112を画定する第1のブラケット側部106の外周面146との間の接触を介して減衰する。
【0076】
方法1000は、第1のブラケット102が支持構造物202に連結され、第2のブラケット104が機能要素204に連結される、免震継手100の構成に関して説明されたが、別の一実施例では、方法1000は、第2のブラケット104が支持構造物202に連結され、第1のブラケット102が機能要素204に連結される、免震継手100の逆構成に等しく適用可能である。
【0077】
本明細書で開示される免震継手100、構造アセンブリ200、及び方法1000の実施例は、様々な潜在的用途、特に(例えば航空宇宙の用途を含む)輸送産業において、有用であろう。次に図12及び図13を参照すると、免震継手100、構造アセンブリ200、及び方法1000の実施例が、図12のフロー図で示されるような航空機の製造及び保守方法1100、並びに図13で示されるような航空宇宙輸送体1200の文脈で使用され得る。本開示の実施例の航空宇宙の用途は、輸送体の支持する構造物と輸送体の機能装備の一部分との間の荷重減衰を含んでよい。
【0078】
図13は、輸送体1200の例示的な一実施例である。航空宇宙輸送体1200は、機体1202、複数の高レベルシステム1204、及び内装1206を含む。高レベルシステム1204の実施例には、推進システム1208、電気システム1210、液圧システム1212、環境システム1214、視覚システム1218、処理システム1220、及び通信システムのうちの1以上が含まれる。他の実施例では、航空宇宙輸送体1200が、任意の数の他の種類のシステムを含んでよい。
【0079】
図12で示されているように、製造前の段階では、例示的な方法1100は、航空宇宙輸送体1200の仕様及び設計(ブロック1102)、並びに材料調達(ブロック1104)を含んでよい。航空宇宙輸送体1200の製造段階では、航空宇宙輸送体1200の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)、並びにシステムインテグレーション(ブロック1108)が行われてよい。その後、航空宇宙輸送体1200は、認可及び納品(ブロック1110)を経て、運航(ブロック1112)に供されてよい。本開示のシステム及び方法は、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)、並びに/又はシステムインテグレーション(ブロック1108)の一部分を形成してよい。定期的な整備及び保守は、航空宇宙輸送体1200の1以上のシステムの修正、再構成、改修など(ブロック1114)を含んでよい。
【0080】
図12で示されている方法1100のプロセスのそれぞれは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行されてよい。この明細書の解釈上、システムインテグレータは、任意の数の製造業者及び主要システム下請業者を含み得るがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0081】
本明細書で示され又は説明された免震継手100、構造アセンブリ200、及び方法1000の実施例は、図12によって示される製造及び保守方法1100の1以上の任意の段階で利用されてよい。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)に対応する、免震継手100を有する構造アセンブリ200を含むものなどの構成要素又はサブアセンブリは、航空宇宙輸送体1200(図13)の運航(ブロック1112)中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の方法で製作又は製造されてよい。また、本明細書で開示されたシステム及び方法の1以上の実施例は、製造段階(ブロック1108及び1110)で利用されてよい。同様に、本明細書で開示されたシステム及び方法の1以上の実施例は、限定するものではないが例としては、航空宇宙輸送体1200の運航(ブロック1112)中、及び整備及び保守段階(ブロック1114)で利用されてよい。
【0082】
航空宇宙の実施例が示されたが、本明細書で開示される原理は、自動車産業、空間産業、建設産業、並びに他の設計及び製造産業にも適用されてよい。したがって、航空宇宙輸送体に加えて、本開示の原理は、他の輸送体構造物(例えば、地上輸送体、海洋輸送体、宇宙輸送体など)及び独立型の構造物にも適用されてよい。
【0083】
本明細書において、特定の機能を実施する「ように構成/設定された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際には、いかなる変更も伴わずにその特定の機能を実施することが可能であり、更なる改変の後にその特定の機能を実施する可能性があるにすぎないというものではない。換言すると、特定の機能を実施する「ように構成/設定された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、且つ/又は設計される。本明細書において、「構成された(configured to)」という表現は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる改変なしで特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を意味する。この開示の目的のために、特定の機能を実施するように「構成された」と記載されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的には、その機能を実施するよう「適合された(adapted to)」、且つ/又は「動作可能である(operative to)」と記載されてもよい。
【0084】
別途提示されない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が表すアイテムに対して、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図していない。更に、「第2の」アイテムに言及することによって、より小さい数のアイテム(例えば、「第1の」アイテム)及び/又はより大きい数のアイテム(例えば、「第3の」アイテム)の存在が必要とされるわけでもなく、除外されるわけでもない。
【0085】
本明細書において、「連結された(coupled)」、「連結する(coupling)」、及び類似の用語は、2つ以上の要素が、互いに(例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁気的に)結合、連接、締結、接続、連通、又はさもなければ関連付けられることを指す。様々な実施例では、これらの要素は、直接的又は間接的に関連付けられ得る。一実施例として、要素Aは、要素Bと直接的に結合されてよい。別の一実施例として、要素Aは、例えば別の要素Cを介して要素Bと間接的に結合されてよい。本開示の様々な要素の間の全ての結合が、必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。そのため、図面に示されているもの以外の連結も存在し得る。
【0086】
本明細書で使用される場合、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1以上の種々の組み合わせが使用されてもよく、且つ列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされてもよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。他の例として、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、並びに他の適切な組み合わせを含む。
【0087】
上述の図11及び図12では、ブロックは、工程及び/又はその一部を表すことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、工程群又はその一部の任意の特定の順序又は従属関係を示唆しない。破線で示されるブロックは、代替的な工程及び/又はその一部を示す。様々なブロックを接続する破線がある場合、その破線は工程又はその一部の代替的な従属関係を表わす。開示されている様々な工程間の全ての従属関係が必ずしも表わされている訳ではないことが、理解されよう。本明細書に提示された開示方法の工程を説明する図11及び図12、並びに付随する開示は、必ずしも工程を実行するべき順序を決定付けていると解釈すべきではない。むしろ、ある例示的な順序が示されているが、工程の順序は、適切な場合、修正することができることを理解されたい。したがって、図示されている工程には改変、追加、及び/又は省略が行われてよく、特定の工程群は、異なる順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよい。更に、当業者であれば、記載されている全ての工程を実行する必要はないことを理解されよう。
【0088】
更に、本発明は以下の条項による実施形態を含む。
条項1.
機能要素(204)を支持構造物(202)に連結するための免震継手(100)であって、
幾つかの第1のブラケット側部(106)を備えた第1のブラケット(102)であって、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)が、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する、第1のブラケット(102)、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器(110)、及び
前記免震器(110)に連結された幾つかの第2のブラケット側部(108)を備えた第2のブラケット(104)であって、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)の数が、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)の数に等しく、前記幾つかのブラケット側部(108)が、平面図で見たときに、前記閉じた多角形状を形成する、第2のブラケット(104)を備え、
前記免震器(110)が、前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれの1つを、前記第2のブラケット側部(108)の対応する1つから分離して、前記第1のブラケット(102)から前記第2のブラケット(104)に伝達される荷重を減衰させる、免震継手(100)。
条項2.
前記第2のブラケット側部(108)のそれぞれの1つが、
第1の側壁(114)、及び
第2の側壁(116)を備え、且つ
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれの1つの一部分が、前記第2のブラケット側部(108)の対応する1つの前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間に位置付けられる、条項1に記載の免震継手(100)。
条項3.
前記第1のブラケット(102)が、幾つかの免震器開口部(112)であって、それぞれの1つが、前記第1のブラケット側部(106)のうちの1つを貫通して延在する、幾つかの免震器開口部(112)を更に備え、且つ
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間で、前記免震器開口部(112)の対応する1つ内に位置付けられる、条項2に記載の免震継手(100)。
条項4.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、免震器本体(118)及び周面(120)を備え、且つ
前記免震器(110)のそれぞれの1つの前記周面(120)が、前記免震器開口部(112)の対応する1つの外周面(146)に係合する、条項3に記載の免震継手(100)。
条項5.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、前記免震器本体(118)を貫通して延在する中央開口部(122)を更に備え、且つ
前記第2のブラケット(104)が、
幾つかのファスナ開口部(128)であって、それぞれの1つが、前記第1の側壁(114)及び前記第2の側壁(116)を貫通して延在する、幾つかのファスナ開口部(128)、並びに
幾つかのファスナ(130)であって、それぞれの1つが、前記ファスナ開口部(128)の対応する1つ、及び、前記免震器(110)の対応する1つの前記中央開口部(122)を貫通して延在する、幾つかのファスナ(130)を更に備える、条項4に記載の免震継手(100)。
条項6.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、
第1の側面(124)であって、一部分が前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第1の側壁(114)に接触する、第1の側面(124)、及び
前記第1の側面(124)の反対側の第2の側面(126)であって、一部分が前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第2の側壁(116)に接触する、第2の側面(126)を更に備える、条項5に記載の免震継手(100)。
条項7.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、
前記第1の側面(124)から延在し、前記中央開口部(122)を囲む、第1のフランジ(132)であって、前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第1の側壁(114)に接触する、第1のフランジ(132)、及び
前記第2の側面(126)から延在し、前記中央開口部(122)を囲む、第2のフランジ(134)であって、前記第2のブラケット側部(108)のうちの1つの前記第2の側壁(116)に接触する、第2のフランジ(134)を更に備える、条項6に記載の免震継手(100)。
条項8.
前記免震器(110)のそれぞれの1つの前記免震器本体(118)が、複数の免震器本体セクション(140)を備える、条項4から7のいずれか一項に記載の免震継手(100)。
条項9.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、環形状を有する、条項4から8のいずれか一項に記載の免震継手(100)。
条項10.
前記免震器本体(118)が、エラストマー材料から作製される、条項4から9のいずれか一項に記載の免震継手(100)。
条項11.
前記エラストマーの材料が、シリコーン材料である、条項10に記載の免震継手(100)。
条項12.
前記エラストマー材料が、フルオロエラストマー材料である、条項10に記載の免震継手(100)。
条項13.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、ブッシング(136)である、条項1から12のいずれか一項に記載の免震継手(100)。
条項14.
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、ベアリング(138)である、条項1から13のいずれか一項に記載の免震継手(100)。
条項15.
前記第1のブラケット(102)が、前記支持構造物(202)に連結されるように構成され、且つ
前記第2のブラケット(104)が、前記機能要素(204)に連結されるように構成されている、条項1から14のいずれか一項に記載の免震継手(100)。
条項16.
幾つかのストラット(142)であって、それぞれの1つが、前記第2のブラケット(104)に連結されており、前記支持構造物(202)に連結されるように構成されている、幾つかのストラット(142)を更に備える、条項15に記載の免震継手(100)。
条項17.
支持構造物(202)、
前記支持構造物(202)に連結され、幾つかの第1のブラケット側部(106)を備えた、第1のブラケット(102)であって、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)が、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する、第1のブラケット(102)、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器(110)、
前記免震器(110)に連結された幾つかの第2のブラケット側部(108)を備えた第2のブラケット(104)であって、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)の数が、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)の数に等しく、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)が、平面図で見たときに、前記閉じた多角形状を形成する、第2のブラケット(104)、及び
前記第2のブラケット(104)に連結された機能要素(204)を備え、
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、前記第1のブラケット側部(106)のうちの1つを、前記第2のブラケット側部(108)の対応する1つから分離して、前記第1のブラケット(102)から前記第2のブラケット(104)に伝達される荷重を減衰させる、構造アセンブリ(200)。
条項18.
前記第2のブラケット側部(108)のそれぞれの1つが、
第1の側壁(114)、及び
第2の側壁(116)を備え、
前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれの1つの一部分が、前記第2のブラケット側部(108)の対応する1つの前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間に位置付けられ、
前記第1のブラケット(102)が、幾つかの免震器開口部(112)であって、それぞれの1つが、前記第1のブラケット側部(106)のうちの1つを貫通して延在する、幾つかの免震器開口部(112)を更に備え、且つ
前記免震器(110)のそれぞれの1つが、前記第1の側壁(114)と前記第2の側壁(116)の間で、前記免震器開口部(112)の対応する1つ内に位置付けられる、条項17に記載の構造アセンブリ(200)。
条項19.
前記支持構造物(202)が、輸送体のフレームを備え、且つ
前記機能要素(204)が、カメラとエンジンのうちの少なくとも一方を備える、条項17又は18に記載の構造アセンブリ(200)。
条項20.
支持構造物(202)から機能要素(204)への荷重を減衰させるための方法(1000)であって、
第1のブラケット(102)を前記支持構造物(202)に連結することであって、前記第1のブラケット(102)が、幾つかの第1のブラケット側部(106)を備え、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)が、平面図で見たときに、閉じた多角形状を形成する、第1のブラケット(102)を前記支持構造物(202)に連結すること、
第2のブラケット(104)の幾つかの第2のブラケット側部(108)のそれぞれの1つを、前記第1のブラケット側部(106)のそれぞれの1つに連結された幾つかの免震器(110)に連結することであって、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)の数が、前記幾つかの第1のブラケット側部(106)の数に等しく、前記幾つかの第2のブラケット側部(108)が、平面図で見たときに、前記閉じた多角形状を形成する、幾つかの免震器(110)に連結すること、
前記機能要素(204)を前記第2のブラケット(104)に連結すること、
前記支持構造物(202)から前記第1のブラケット(102)に前記荷重を加えること、及び
前記免震器(110)を介して前記荷重を伝達することによって、前記第1のブラケット(102)から前記第2のブラケット(104)への前記荷重を減衰させることを含む、方法(1000)。
【0089】
開示されたシステム及び方法の様々な実施例を図示且つ説明してきたが、当業者は本明細書を読むことで、修正例を想起することができるであろう。本出願は、かかる修正例を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
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