(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240611BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
(21)【出願番号】P 2020072783
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】520132458
【氏名又は名称】株式会社アタックス・エッジ・コンサルティング
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】酒井 悟史
(72)【発明者】
【氏名】新川 真代
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-186987(JP,A)
【文献】国際公開第2004/003804(WO,A1)
【文献】特開平11-120232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記監査ルールは、役員報酬に関する時系列の複数の会計データの金額の変動に関するものである
、情報処理装置。
【請求項2】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記監査ルールは、第1の区分に関する時系列の複数の会計データの金額と第2の区分に関する時系列の複数の会計データの金額との相関に関するものである
、情報処理装置。
【請求項3】
前記監査ルールは、敷金に関する時系列の複数の会計データの金額と家賃に関する時系列の複数の会計データの金額との相関に関するものである、請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
2以上の会計データは、それぞれ、日付に関する日付情報に対応付いており、
前記監査ルールは、当該ルールが用いられる有効期間に対応付いており、
前記抽出部は、前記2以上の会計データのうち、対応する日付情報が前記1以上の監査ルールに対応する有効期間に含まれる1以上の会計データを抽出する
、情報処理装置。
【請求項5】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記第一種ルールについての使用フラグが、ユーザを識別するユーザ識別子に対応付けられて前記格納部に格納されており、
前記抽出部は、使用するユーザのユーザ識別子に対応する前記使用フラグが所定の状態である前記第一種ルールを用いて、前記会計データを抽出する
、情報処理装置。
【請求項6】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記受付部は、前記格納部に格納されている他のユーザのユーザ識別子に対応付けられている前記第二種ルールを引用するための引用操作を行ったユーザのユーザ識別子をさらに受け付け、
前記引用操作に対応する前記第二種ルールを、前記受付部により受け付けられたユーザ識別子にさらに対応付ける監査ルール設定部をさらに備える
、情報処理装置。
【請求項7】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記区分は、勘定科目に関する
、情報処理装置。
【請求項8】
前記監査ルールは、前記勘定科目毎に設定された、前記勘定科目の下位分類である補助科目に関する条件と会計データに対応する所定の記帳者入力項目に関する条件との少なくとも一方を有する分割条件を有するものである、請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記受付部は、ユーザによる、前記抽出データ出力部により出力された会計データに対する入力情報の入力操作をさらに受け付け、
前記抽出部により抽出された会計データのうち少なくとも一部の、前記入力情報に対応する会計データを出力する二次出力部をさらに備える
、情報処理装置。
【請求項10】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
前記格納部には、監査報告書に関するテンプレート情報が格納されており、
前記抽出部により抽出された会計データのうち少なくとも一部の会計データと前記テンプレート情報とを用いた報告内容を少なくとも一部に含む監査報告書を構成する報告書構成部をさらに備える
、情報処理装置。
【請求項11】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備え、
過去の会計データについて仕分けに用いられた区分に対応付けられた区分使用情報が前記格納部に格納されており、
前記区分使用情報を用いて前記2以上の会計データを検査し、新規に仕分けに用いられた区分に対応する会計データの有無に基づいて、新規に仕分けに用いられた区分を特定する新規区分特定部と、
前記新規区分特定部により特定された区分又は当該区分に対応する会計データを抽出して出力する新規情報出力部とをさらに備える
、情報処理装置。
【請求項12】
前記新規区分特定部は、新規に仕分けに用いられた区分を特定した場合に、当該区分に対応付けて、新規に仕分けに用いられた区分に対応する会計データの取引日を示す情報を前記区分使用情報として前記格納部に蓄積する、請求項
11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、受付部と、抽出部と、抽出データ出力部とによって実現される情報処理方法であって、
前記受付部が、前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付ステップと、
前記抽出部が、特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出ステップと、
前記抽出データ出力部が、前記抽出ステップにより抽出された会計データを出力する抽出データ出力ステップとを備え
、
前記区分は、勘定科目に関する、情報処理方法。
【請求項14】
2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部を備えるコンピュータを、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、
前記特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、前記2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、前記2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部と
、として機能させ
、
前記区分は、勘定科目に関する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の組織に関する2以上の会計データに関する監査業務に利用することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特定の組織に関する2以上の会計データに関する監査業務が行われる際に利用可能な情報処理装置が種々提案されている。例えば、複数の関与先からの会計仕訳ファイルを用いて、関与先毎に共通の会計処理をするために会計仕訳ファイルのデータを標準化するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の情報処理装置において、会計データの監査にかかる手間がさらに少なくなるようにすること、及び、監査を行う者が異なっても監査結果のばらつきが小さくなるようにすることが要求されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の情報処理装置は、2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部と、特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける受付部と、特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部とを備える、情報処理装置である。
【0006】
かかる構成により、監査の目的に応じた監査ルールを用いて、容易に、ばらつきの少ない監査を行うことができる。
【0007】
また、本第二の発明の情報処理装置は、第一の発明に対して、監査ルールは、一の区分に関する会計データの金額と所定の閾値との大小関係に関するものである、情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、容易に、一の区分に関する会計データの金額についての監査を行うことができる。
【0009】
また、本第三の発明の情報処理装置は、第二の発明に対して、監査ルールは、固定資産に関する会計データの金額又は租税公課に関する会計データの金額と、所定の閾値との大小関係に関するものである、情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、容易に、固定資産に関する会計データの金額又は租税公課に関する会計データの金額についての監査を行うことができる。
【0011】
また、本第四の発明の情報処理装置は、第一の発明に対して、監査ルールは、一の区分に関する時系列の複数の会計データの金額の変動に関するものである、情報処理装置である。
【0012】
かかる構成により、会計データの推移に基づいて容易に監査を行うことができる。
【0013】
また、本第五の発明の情報処理装置は、第四の発明に対して、監査ルールは、役員報酬に関する時系列の複数の会計データの金額の変動に関するものである、情報処理装置である。
【0014】
かかる構成により、役員報酬に関する会計データの推移に基づいて容易に監査を行うことができる。
【0015】
また、本第六の発明の情報処理装置は、第一の発明に対して、監査ルールは、第1の区分に関する時系列の複数の会計データの金額と第2の区分に関する時系列の複数の会計データの金額との相関に関するものである、情報処理装置である。
【0016】
かかる構成により、2以上の会計データの相関に基づいて容易に監査を行うことができる。
【0017】
また、本第七の発明の情報処理装置は、第六の発明に対して、監査ルールは、敷金に関する時系列の複数の会計データの金額と家賃に関する時系列の複数の会計データの金額との相関に関するものである、情報処理装置である。
【0018】
かかる構成により、敷金に関する会計データと家賃に関する会計データとの相関に基づいて容易に監査を行うことができる。
【0019】
また、本第八の発明の情報処理装置は、第一から七のいずれかの発明に対して、2以上の会計データは、それぞれ、日付に関する日付情報に対応付いており、監査ルールは、ルールが用いられる有効期間に対応付いており、抽出部は、2以上の会計データのうち、対応する日付情報が1以上の監査ルールに対応する有効期間に含まれる1以上の会計データを抽出する、情報処理装置である。
【0020】
かかる構成により、監査を行う前提状況の変更に対応した監査を容易に行うことができる。
【0021】
また、本第九の発明の情報処理装置は、第一から八のいずれかの発明に対して、第一種ルールについての使用フラグが、ユーザを識別するユーザ識別子に対応付けられて格納部に格納されており、抽出部は、使用するユーザのユーザ識別子に対応する使用フラグが所定の状態である第一種ルールを用いて、会計データを抽出する、情報処理装置である。
【0022】
かかる構成により、複数のユーザが共通して使用するように設定された第一種ルールを用いるか否かを柔軟に設定して、容易に監査を行うことができる。
【0023】
また、本第十の発明の情報処理装置は、第一から九のいずれかの発明に対して、受付部は、第二種ルールを引用するための引用操作を行ったユーザのユーザ識別子をさらに受け付け、格納部に格納されている他のユーザのユーザ識別子に対応付けられている第二種ルールを、使用するユーザのユーザ識別子にさらに対応付ける監査ルール設定部をさらに備える、情報処理装置である。
【0024】
かかる構成により、一のユーザが他のユーザに対応付けられた第二種ルールを用いて容易に監査を行うことができる。
【0025】
また、本第十一の発明の情報処理装置は、第一から十のいずれかの発明に対して、区分は、勘定科目に関する、情報処理装置である。
【0026】
かかる構成により、勘定科目への仕分けが行われた会計データについて、容易に監査を行うことができる。
【0027】
また、本第十二の発明の情報処理装置は、第十一の発明に対して、監査ルールは、勘定科目毎に設定された、勘定科目の下位分類である補助科目に関する条件と会計データに対応する所定の記帳者入力項目に関する条件との少なくとも一方を有する分割条件を有するものである、情報処理装置である。
【0028】
かかる構成により、勘定科目毎に、監査の目的に応じたより細かな監査ルールを設定して、より容易に、ばらつきの少ない監査を行うことができる。
【0029】
また、本第十三の発明の情報処理装置は、第一から十二のいずれかの発明に対して、受付部は、ユーザによる、抽出データ出力部により出力された会計データに対する入力情報の入力操作を受け付け、抽出部により抽出された会計データのうち少なくとも一部の、入力情報に対応する会計データを出力する二次出力部をさらに備える、情報処理装置である。
【0030】
かかる構成により、ユーザによる入力操作を反映した二次的な出力結果を用いて、容易に監査を行うことができる。
【0031】
また、本第十四の発明の情報処理装置は、第一から十三のいずれかの発明に対して、格納部には、監査報告書に関するテンプレート情報が格納されており、抽出部により抽出された会計データのうち少なくとも一部の会計データとテンプレート情報とを用いた報告内容を少なくとも一部に含む監査報告書を構成する報告書構成部をさらに備える、情報処理装置である。
【0032】
かかる構成により、監査報告書をより容易に作成することができる。
【0033】
また、本第十五の発明の情報処理装置は、第一から十四のいずれかの発明に対して、過去の会計データについて仕分けに用いられた区分に対応付けられた区分使用情報が格納部に格納されており、区分使用情報を用いて2以上の会計データを検査し、新規に仕分けに用いられた区分に対応する会計データの有無に基づいて、新規に仕分けに用いられた区分を特定する新規区分特定部と、新規区分特定部により特定された区分又は区分に対応する会計データを抽出して出力する新規情報出力部とをさらに備える、情報処理装置である。
【0034】
かかる構成により、新規に使用された区分について容易に注目して、容易に監査を行うことができる。
【0035】
また、本第十六の発明の情報処理装置は、第十五の発明に対して、新規区分特定部は、新規に仕分けに用いられた区分を特定した場合に、区分に対応付けて、新規に仕分けに用いられた区分に対応する会計データの取引日を示す情報を区分使用情報として格納部に蓄積する、情報処理装置である。
【0036】
かかる構成により、特定の期間の会計データに関する監査を、容易にかつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明による情報処理装置によれば、容易に、ばらつきの少ない監査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の実施の形態の1つに係る情報処理装置を用いた情報システムの概要を示す図
【
図4】同情報処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【
図5】同情報処理装置のデータ登録処理の一例を示すフローチャート
【
図6】同情報処理装置の新規区分チェックの一例を示すフローチャート
【
図7】同情報処理装置のルール確認処理の一例を示すフローチャート
【
図8】同情報処理装置の分割条件確認処理の一例を示すフローチャート
【
図9】同情報処理装置の監査ルール確認処理の一例を示すフローチャート
【
図10】同情報処理装置の監査ルール確認処理の一変形例を示すフローチャート
【
図11】同情報処理装置の報告書出力動作の一例を示すフローチャート
【
図12】同情報処理装置により出力される画面の遷移の一具体例について説明する図
【
図13】同情報処理装置により出力されるデータ登録画面の一具体例について説明する図
【
図14】同情報処理装置における新規区分の特定の一具体例について説明する図
【
図15】同情報処理装置により出力される分割条件一覧画面の一具体例について説明する図
【
図16】同情報処理装置により出力される分割条件設定画面の一具体例について説明する図
【
図17】同情報処理装置により出力される分割指示画面の一具体例について説明する図
【
図18】同情報処理装置により出力される分割結果表示画面の一具体例について説明する図
【
図19】同情報処理装置により出力される第二の出力態様の分割結果表示画面の具体例について説明する図
【
図20】同情報処理装置により出力される第三の出力態様の分割結果表示画面の具体例について説明する図
【
図21】同情報処理装置により出力される第四の出力態様の分割結果表示画面の具体例について説明する図
【
図22】同情報処理装置により出力される監査ルール一覧画面の一具体例について説明する図
【
図23】同情報処理装置により出力される監査ルール編集画面の一具体例について説明する図
【
図24】同情報処理装置により出力される第二の出力態様の監査ルール編集画面の具体例について説明する図
【
図25】同情報処理装置により出力される第三の出力態様の監査ルール編集画面の具体例について説明する図
【
図26】同情報処理装置により出力される一次抽出指示画面の一具体例について説明する図
【
図27】同情報処理装置により出力される一次抽出結果出力画面の一具体例について説明する図
【
図28】同情報処理装置において用いられるテンプレート情報の一具体例を示す図
【
図29】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0040】
なお、以下において用いる用語は、一般的には次のように定義される。なお、これらの用語の語義は常にここに示されるように解釈されるべきではなく、例えば以下において個別に説明されている場合にはその説明も踏まえて解釈されるべきである。
【0041】
ある事項について識別子とは、当該事項を一意に示す文字又は符号等である。識別子は、例えば、IDであるが、対応する事項を識別しうる情報であれば種類は問わない。すなわち、識別子は、それが示すものそのものの名前であってもよいし、一意に対応するように符号を組み合わせたものであってもよい。
【0042】
会計データは、組織についての金銭や物品に係る出納を表す情報である。ここで組織とは、事業やその他の経済活動を行う主体であって、会社やその他の団体のほか、個人であってもよい。会計データには、例えば、金額に関する情報や、区分に関する情報に対応するものであるが、これに限られず、その他の情報にも対応するものであってもよい。なお、会計データが一の情報に対応していることとは、会計データに当該情報そのものが含まれていることであってもよいし、当該情報と会計データを構成する情報とが関連付けられていることであってもよい。
【0043】
会計データについて区分とは、会計データが仕分けられるカテゴリをいう。区分には、例えば、勘定科目や税区分など、種々の分類体系のものが該当しうる。区分には、会計に関して世間一般において標準的に用いられるもののほか、組織毎に独自に設定された分類体系に基づくものなどが用いられてもよい。また、区分には、勘定科目の下位分類である補助科目が該当してもよい。
【0044】
取得とは、ユーザ等により入力された事項を取得することを含んでいてもよいし、自装置又は他の装置に記憶されている情報(予め記憶されている情報であってもよいし当該装置において情報処理が行われることにより生成された情報であってもよい)を取得することを含んでいてもよい。他の装置に記憶されている情報を取得するとは、他の装置に記憶されている情報をAPI経由などで取得することを含んでいてもよいし、他の装置により提供されている文書ファイルの内容(ウェブページの内容なども含む)を取得することを含んでいてもよい。また、画像ファイルについて光学式文字読み取りを行うことにより情報を取得することなど、元の情報に基づいてそれとは異なるフォーマットの情報を取得することを含んでいてもよい。
【0045】
また、情報の取得には、いわゆる機械学習の手法を利用するようにしてもよい。機械学習の手法の利用については、例えば次のようにすることができる。すなわち、特定の種類の入力情報を入力とし、取得したい種類の出力情報を出力とする学習器を、機械学習の手法を用いて構成する。例えば、予め、入力情報と出力情報との組を2以上用意し、当該2組以上の情報を機械学習の学習器を構成するためのモジュールに与えて学習器を構成し、構成した学習器を格納部に蓄積する。なお、学習器は分類器ということもできる。なお、機械学習の手法としては、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、SVR等、問わない。また、機械学習には、例えば、fastText、tinySVM、random forest、TensorFlow等の各種の機械学習フレームワークにおける関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。なお、学習器は分類器ということもできる。
【0046】
情報を出力するとは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。具体的には、例えば、情報のウェブページへの表示を可能とすることや、電子メール等として送信することや、印刷するための情報を出力することなどを含む。
【0047】
情報の受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、他の装置等から有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0048】
情報処理装置等に格納されている各種の情報について、更新とは、格納されている情報の変更のほか、格納されている情報に新たな情報が追加されることや、格納されている情報の一部又は全部が消去されることなどを含む概念である。
【0049】
(実施の形態)
【0050】
本実施の形態に係る情報システム1について説明する。情報システム1において、情報処理装置100は、1以上の会計データ(仕訳データ)に対して、1以上の監査ルールに基づいて会計データを抽出し(一次抽出)、出力する。情報処理装置100は、一次抽出結果から、人手による選択操作を受け付け、二次抽出結果を出力する。また、情報処理装置100は、監査報告書に関するテンプレート情報に基づいて、一次抽出結果の一部の会計データとテンプレート情報とを用いた報告内容を少なくとも一部に含む監査報告書を構成可能に構成されている。
【0051】
本実施の形態において、監査ルールは、例えば、一の区分に関する会計データの金額に関するルールであって、例えば、固定資産に関する会計データの金額又は租税公課に関するルール、複数の会計データの推移に関するルール、役員報酬に関するルール、2以上の会計データの相関に関するルール、敷金と家賃とに関するルールなどである。また、監査ルールは、有効期間に対応していてもよい。また、監査ルールは、複数のユーザにより共通して用いられる第一種ルールを含んでいてもよく、当該第一種ルールに対して、利用しないように設定する除外フラグが対応付けられていてもよい。監査ルールは、他のユーザの監査ルールを引用して設定されるものであってもよい。監査ルールは勘定科目に関する情報を含んでいてもよく、さらに、補助科目に関する条件と摘要欄に関する条件との少なくとも一方に基づくものであってもよい。
【0052】
本実施の形態において、情報処理装置100は、会計データ集合を検査し、新規の取引に関する区分を特定し、特定された区分又は当該区分に対応する会計データを抽出して出力するようにしてもよい。
【0053】
また、本実施の形態においては、情報処理装置100は、補助科目に関する条件と摘要欄に関する条件との少なくとも一方に基づく分割条件毎に会計データを分割した分割済会計データに関する分割出力情報を出力するように構成されている。分割出力情報は、分割済会計データに対して統計処理を行った結果であるが、これに限られない。なお、統計処理結果は、例えば、各分割条件に対する金額、各分割条件に対する会計データ数、各分割条件に対する金額のカバーレッジ、各分割条件に対する会計データ数のカバーレッジ、各分割条件に対する金額の推移、各分割条件に対する会計データ数の推移などであるが、これに限られない。また、情報処理装置100は、分割済会計データに含まれない全ての会計データを少なくとも含む残余会計データに関する残余出力情報を出力するように構成されていてもよく、この場合、各分割条件に対応する分割済会計データが残余会計データに含まれるように扱われるか否かを設定可能であってもよい。2以上の分割条件間の優先順位が設定されており、優先順位に応じて各分割条件に対応する分割出力情報が異なるようにしてもよい。
【0054】
図1は、本発明の実施の形態の1つに係る情報処理装置100を用いた情報システム1の概要を示す図である。
【0055】
図1に示されるように、本実施の形態において、情報システム1は、情報処理装置100及び端末装置600などを備える。各装置は、例えばローカルエリアネットワークやインターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能である。情報システム1の構成はこれに限られるものではない。情報システム1に含まれるそれぞれの装置の数は問わないし、他の装置が情報システム1に含まれていてもよい。
【0056】
なお、
図1においては、例えばいわゆるスマートフォンなどの携帯情報端末装置や、タブレット型の情報端末装置、及びラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ(PC)などが端末装置600として示されているが、端末装置600として用いられるのはこれらのうちいずれであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。情報システム1のユーザは、端末装置600を利用して、情報システム1を利用することができる。以下の例においては、端末装置600として、キーボードやディスプレイ等を有するいわゆるパーソナルコンピュータが用いられることを想定して説明するが、これに限られるものではない。
【0057】
図2は、同情報システム1のブロック図である。
図3は、同情報処理装置100のブロック図である。
【0058】
まず、端末装置600の構成について説明する。
【0059】
図2に示されるように、端末装置600は、端末格納部610、端末受信部620、端末受付部630、端末処理部640、端末出力部660、及び端末送信部670を備える。
【0060】
端末装置600は、例えば一般的なパーソナルコンピュータであり、出力装置であるディスプレイや、ユーザの入力操作に用いられる入力装置(例えば、キーボードやポインティングデバイスなど)などを有しているが、これに限られるものではない。端末装置600は、ネットワークに接続可能であり、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように構成されている。
【0061】
端末格納部610は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。端末格納部610には、種々の情報やプログラム等が記憶されている。
【0062】
端末受信部620は、情報処理装置100や、その他の装置から送信された情報を、ネットワークを介して受信する。端末受信部620は、受信した情報を、例えば端末格納部610に蓄積し、端末処理部640などが取得できるようにする。
【0063】
端末受付部630は、端末装置600を使用するユーザによる、端末装置600に対する種々の入力操作を受け付ける。操作は、例えば、図示しない入力装置を用いて行われるが、これに限られない。端末受付部630は、例えば、マイクにより入力された音声による入力操作を受け付けるようにしてもよいし、端末装置600に接続した読み取り装置(例えば、コードリーダなど)を用いて行われた入力操作を受け付けるようにしてもよい。
【0064】
端末処理部640は、端末装置600の各部を用いて、種々の情報処理動作を行う。情報処理動作は、例えば、端末格納部610に格納されているプログラムを実行することなどにより行われるが、これに限られない。
【0065】
端末出力部660は、例えばディスプレイデバイスに表示することなどにより、情報の出力を行う。なお、情報の出力方法はこれに限られず、音声等をスピーカーなどから出力することなどにより行われるようにしてもよい。
【0066】
端末送信部670は、例えば端末処理部640等により取得した情報をネットワークを介して送信する。
【0067】
情報システム1において、ユーザは、端末装置600を操作して、情報処理装置100との間で情報の送受信を実行させることなどにより、情報処理装置100により提供される監査支援システムを利用することができる。
【0068】
次に、情報処理装置100の構成について説明する。本実施の形態において、情報処理装置100は、特定の組織の会計監査を行う際に活用することができる監査支援システムを提供可能に構成されている。
【0069】
情報処理装置100は、格納部110、受信部120、受付部130、処理部140、出力部160、及び送信部170を備える。情報処理装置100は、例えば、サーバ装置である。
【0070】
なお、情報システム1において、情報処理装置100は、各端末装置600を使用するユーザを、種々の方法により特定可能に構成されている。例えば、端末装置600を使用するユーザが、情報処理装置100に情報を送信する際には、端末装置600は、そのユーザを特定可能な識別子を、送信する情報と共に情報処理装置100に送信することができる。この場合、情報処理装置100は、送信された識別子に基づいて、ユーザを特定可能になっている。なお、識別子としては、ユーザを識別するユーザ識別子や、端末装置600を識別する端末識別子等を用いることができるが、これに限られない。
【0071】
格納部110には、特定の組織に関する2以上の会計データと、会計データの区分に関する1以上の分割条件と、2以上の監査ルールとが格納される。
【0072】
本実施の形態において、2以上の会計データは、ユーザが所定の期間を対象にした会計監査を行う都度、ユーザの操作に基づいて情報処理装置100に送信され、格納部110に格納されるものである。なお、2以上の会計データは、ユーザが情報処理装置100を利用する機会とは関係なく、格納部110に蓄積されるように構成されていてもよい。
【0073】
2以上の会計データは、会計監査の対象となる組織毎に、複数の組織に関するものがそれぞれ格納されていてもよい。例えば、当該組織の組織識別子に対応付けられて格納部110に格納される。
【0074】
特定の組織に関する2以上の会計データのそれぞれは、区分に仕分けられたものである。各会計データは、仕分けられた区分に関する情報と、金額に関する情報(以下、単に金額ということがある)とに対応する。また、各会計データは、取引日等の日付に関する日付情報に対応付いている。また、各会計データは、摘要欄の内容に対応付いている。ここで摘要欄は、対応する取引についての具体的内容を特定するためなどに用いられる記帳者入力項目であり、例えば、取引相手、取引の性質や事情などについて、記帳者(帳票への情報の入力を行う作業者をいう)により入力された情報が含まれる。すなわち、摘要欄は、会計データに対応する所定の記帳者入力項目であるといえる。
【0075】
本実施の形態において、各会計データについて、区分として、勘定科目、補助科目、及び税区分などの区分が用いられている。すなわち、具体的には、一の会計データは、日付と、勘定科目と、補助科目と、摘要欄の内容と、金額とを特定可能な情報である。なお、これらの各項目の情報(属性値)のうち、補助科目や摘要欄の内容についての情報は、含まれていなくてもよい(例えば、NULL値であってもよい)。また、これら以外の項目の情報が会計データに含まれていてもよい。
【0076】
本実施の形態において、分割条件は、勘定科目に関する条件と、勘定科目の下位分類である補助科目に関する条件及び摘要欄への記載事項に関する条件のうち少なくとも一方とを含むものである。すなわち、分割条件は、勘定科目毎に設定されているものであって、補助科目に関する条件と会計データに対応する所定の記帳者入力項目に関する条件とのうち少なくとも一方を含むものである。なお、分割条件は、監査ルールに利用可能なものであるが、これに限られない。分割条件は、後述のように会計データに基づいて分割済会計データを取得するためのみに使用されるものであってもよい。
【0077】
本実施の形態において、2以上の監査ルールは、ユーザが監査を行うために用いるものである。監査ルールには、分割条件を含むものがある。すなわち、このような監査ルールは、勘定科目毎に設定されたものであって、分割条件に基づくものであるということができる。
【0078】
本実施の形態において、監査ルールは、金額に関する抽出条件を含むことが好ましい。すなわち、本実施の形態において、監査ルールは、会計データの金額に関するものとすることが好ましい。抽出条件としては、例えば、一の区分に関する会計データの金額と所定の閾値との大小関係に関するものや、一の区分に関する時系列に連続する2以上の会計データの金額の関係に関するものや、第1の区分に関する時系列の複数の会計データの金額の推移と第2の区分に関する時系列の複数の会計データの金額の推移との関係に関するものが挙げられる。
【0079】
より具体的には、監査ルールとして、例えば以下のようなものを設定可能である。
【0080】
例えば、固定資産に関する会計データの金額と所定の閾値との大小関係に関する監査ルールを設けることができる。これにより、固定資産に関する会計データを抽出し、固定資産に関して記帳すべき内容の漏れや記帳間違い等について確認することができる。具体的には、例えば、分割条件「勘定科目が消耗品費であって補助科目が少額固定資産である」と抽出条件「金額が30万円以上」とに該当する、という監査ルールを設定することができる。これにより、法規に従い、固定資産の計上漏れがあるか否かを検討することができる。
【0081】
また、例えば、租税公課に関する会計データの金額と所定の閾値との大小関係に関する監査ルールを設けることができる。これにより、租税公課に関する会計データを抽出し、租税公課に関して記帳すべき内容の漏れや記帳間違い等について、確認することができる。具体的には、例えば、分割条件「勘定科目が租税公課であって摘要欄に違反金を含む」と抽出条件「金額が1円以上」とに該当する、という監査ルールを設定することができる。これにより、損金不算入とすべき租税公課を抽出し、税務申告書における所得調整計算の漏れを防止することができる。
【0082】
また、例えば、一の区分に関する複数の会計データの金額の推移に関する監査ルールを設けることができる。すなわち、一の区分に関する時系列の複数の会計データの金額の変動に関する監査ルールを設けることができる。これにより、ある期間において、特定のタイミングにおいてイレギュラーな金額の出納があることなどの発見と状況の確認とを容易に行うことができる。具体的には、例えば、役員報酬に関する会計データの金額の推移に関する監査ルールを設けることができる。これにより、役員報酬に関する処理の異変の有無を容易に確認することができる。また、例えば、地代家賃に関する会計データの金額の推移に関する監査ルールを設けることができる。これにより、地代家賃に関する出納の発生の異常の有無を容易に確認することができる。
【0083】
また、例えば、第1の区分に関する時系列の複数の会計データの金額と第2の区分に関する時系列の複数の会計データの金額との相関に関する監査ルールを設けることができる。これにより、例えば、第1の区分についての出納に伴って第2の区分の出納が変動するというような、2系列の会計データの金額の推移が所定の関係にあるか否かに基づいて、両者がきちんと記帳されているか否かなどについて容易に確認を行うことができる。具体的には、例えば、敷金に関する会計データと家賃に関する会計データとの相関に関する監査ルールや、借入額に関する会計データと利子に関する会計データとの相関に関する監査ルールなどを設けることができる。
【0084】
なお、本実施の形態において、各監査ルールは、当該監査ルールを用いることができる有効期間に対応付けられて設定されている。有効期間は、例えば、監査ルールを設定するユーザによって設定可能である。例えば所定の法規が所定の日に施行、改正、又は廃止になるような場合に、有効期間の設定によって、当該法規が有効な場合に限定して当該法規に関する監査を行うための監査ルールを有効にすることができる。
【0085】
なお、監査ルールは、これらの条件のほか、その他の条件や情報を含んでいたり対応付けられていたりしてもよい。例えば、当該監査ルールを用いて監査を行う目的に関する情報が、監査ルールに対応付けられた状態で、格納部110に格納されるようにしてもよい。また、監査ルールには、分割条件を含まないものがあってもよい。具体的には、例えば受取利息の源泉所得税の計上漏れの検出を行うために、受取利息が計上されている同一の仕訳伝票において相手勘定に租税公課または法人税等の計上があること、いう監査ルールを設定することができる。また、なんらかの原因により、本来あり得ないマイナス残高となっている状態の勘定科目を検出するために、期首残高と期中合計金額との和がマイナスになっていること、という監査ルールを設定することができる。
【0086】
ここで、本実施の形態において、各組織を監査するための監査ルールは、第一種ルールと、第二種ルールとのいずれかに区別することができる。第一種ルールは、情報処理装置100を利用する2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように予め用意されている監査ルールである。また、第二種ルールは、1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして設定されている監査ルールである。換言すると、本実施の形態において、監査ルールには、情報処理装置100を利用する各ユーザが標準的に使用するように予め設定されている第一種ルールと、各ユーザや組織毎に使用されるように設定可能な第二種ルールとがある。第二種ルールは、使用対象となる組織である対象組織又は使用するユーザを識別する識別子に対応付けられて設定されている。なお、第一種ルールも、対象組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられていてもよい。
【0087】
第一種ルールは、2以上の異なる組織について、会計監査において標準的に着目する観点について、会計データを抽出するための監査ルールである。例えば、租税公課の加算漏れを検討するための監査ルールとして、上述のような、分割条件「勘定科目が租税公課であって摘要欄に違反金を含む」と抽出条件「金額が1円以上」とに該当する、という監査ルールが設定されうる。また、上述のような分割条件を含まない監査ルール(例えば、受取利息の源泉所得税の計上漏れの検出を行うためのものや、マイナス残高の勘定科目を検出するためのものなど)が、第一種ルールとして設定されうる。このような、対象組織の業種や大きさ等にかかわらず、会計の法規に照らして発生しがちな記帳誤りやその後の処理誤り(例えば、申告書の作成時における考慮漏れ)等のリスクが高い項目等を第一種ルールとして設定することができる。第一種ルールは、種々の組織について、標準的に用いることが検討されるべき監査ルールであり、第一種ルールが普遍的に使用されるように設定が行われていることで、個々の組織について会計監査を行う場合に、漏れなく、容易に、当該監査ルールを用いることができる。
【0088】
本実施の形態において、第一種ルールは、対象組織やユーザによって、利用しないことを選択可能である。例えば、監査ルールの設定時にデフォルトで使用されるように第一種ルールが設定されており、設定されている第一種ルールを使用しないようにするユーザの操作を受け付けた場合に、当該第一種ルールが使用されないようにしてもよい。このような制御は、例えば、第一種ルールについて使用するか否かを設定するための使用フラグが、ユーザを識別するユーザ識別子に対応付けられて格納部110に格納されていることにより、実現可能である。すなわち、使用フラグに基づいて、当該ユーザが第一種ルールを使用するか否かを設定することができる。なお、これに限られず、例えば、第一種ルールは、対象組織やユーザにかかわらず、強制的に利用されるように設定されるものであってもよい。
【0089】
第二種ルールは、第一種ルールのほかに、対象組織の監査について有用であると考えられる場合に設定されたり、監査を行うユーザが自身の監査業務について有用であると考える場合に設定されるものである。ユーザは、例えば、対象組織の経済活動について重点的に確認すべきであると思われる観点や、対象組織の記帳の癖(各区分への仕分けや、摘要欄の記入内容など)に応じて確認すべきであると思われる観点などについての第二種ルールを設定することができる。
【0090】
また、本実施の形態において、特定の対象組織又は特定のユーザについて設定された第二種ルールは、他の対象組織又は他のユーザのためにも引用可能となっている。詳細は、後述する。
【0091】
ここで、本実施の形態において、格納部110には、以下の情報も格納されている。
【0092】
格納部110には、2以上の分割条件間の優先順位を示す順位情報が格納されている。
【0093】
格納部110には、残余設定情報が、分割条件に対応付けて格納されている。残余設定情報は、各分割条件に対応する分割済会計データが、残余会計データに含まれるように扱われるか否かを設定する情報である。残余会計データは、後述のようにして母集団の会計データから種々の分割済会計データを取得した後に残る会計データである。
【0094】
格納部110には、過去の会計データについて仕分けに用いられた区分に対応付けられた区分使用情報が格納されている。区分使用情報は、当該区分が、過去の会計データにおいて使用されたことがあるか否かを示す情報である。区分使用情報は、例えば、当該区分が初めて使用された使用日付である。これにより、過去の任意の時点において、一の区分がそれまでに使用されたことがあるか否かを容易に判別することができる。なお、区分使用情報はこれに限られず、例えば、使用されたか否かを示すフラグや、使用された回数等であってもよい。
【0095】
本実施の形態において、格納部110には、それまでに仕分けに用いられた区分と区分使用情報とが対応付けられたテーブルが、格納されている。当該テーブルは、新規に用いられた区分がある度に更新される。
【0096】
格納部110には、監査報告書に関するテンプレート情報が格納される。テンプレート情報は、例えば、監査報告書を構成する定形の文言やレイアウトに関する情報や、処理部140による抽出された会計データに関する事項が配置される変数部分に関する情報等を含んでいる。テンプレート情報は、例えば、予め設定されているものであるが、各ユーザが新規に作成したり編集等をすることができるようになっていてもよい。
【0097】
受信部120は、他の装置から送信された情報を受信する。受信部120は、受信した情報を、例えば、格納部110に保存する。なお、受信部120は、端末装置600からこれらの情報を受信する場合に、送信された情報に基づいて、送信に係るユーザのユーザ識別子を特定可能である。
【0098】
受付部130は、ユーザによる入力操作を受け付ける。受付部130は、情報処理装置100に接続された図示しない入力手段を用いて入力された情報を受け付ける。受付部130は、受け付けた情報を、例えば、格納部110に保存する。なお、入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でもよい。受付部130は、情報処理装置100に接続された読み取り装置(例えば、コードリーダなど)を用いて行われた入力操作(例えば、装置により読み取られた情報も含む)により入力された情報を受け付けてもよい。
【0099】
なお、受付部130は、受信部120が受信した情報を、情報処理装置100に入力された情報として受け付けると捉えてもよい。すなわち、情報処理装置100への情報の入力とは、これらの情報が端末装置600等を介してユーザによって間接的に情報処理装置100に入力されることを意味すると解釈してもよいし、ユーザによって、入力手段を用いて直接的に情報処理装置100に入力されることを意味すると解釈してもよい。また、ユーザが、情報を自動的に生成するプログラムを実行させたり種々の情報をプログラムに与えて機能させたりすることなどによって情報処理装置100に情報が与えられるようにすることを、情報処理装置100への情報の入力と捉えてもよい。
【0100】
本実施の形態において、ユーザは、例えば、端末装置600を用いて、分割条件や監査ルールの設定に関する操作、会計データの抽出実行に関する操作、及び監査報告書等を出力させるための操作など、種々の入力操作を行うことができる。これらの入力操作に基づく情報が情報処理装置100に送信され、受信部120により受信されると、当該入力操作を受付部130が受け付けることができる。例えば、受付部130は、ユーザの入力操作に関して、特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子を受け付ける。
【0101】
ここで、本実施の形態において、受付部130は、後述のように、抽出データ出力部153により出力された会計データに対する入力情報の入力操作がユーザにより行われたとき、当該入力操作を受け付けることができる。
【0102】
処理部140は、新規区分特定部141、新規情報出力部143、分割部145、分割データ出力部147、監査ルール設定部149、抽出部151、抽出データ出力部153、二次出力部155、及び報告書構成部157を備える。処理部140は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、以下のように処理部140の各部が行う処理である。
【0103】
新規区分特定部141及び新規情報出力部143は、後述のようなデータ登録処理において、新規区分アラート出力機能を実現可能である。
【0104】
新規区分特定部141は、区分使用情報を用いて2以上の会計データを検査し、新規に仕分けに用いられた区分に対応する会計データの有無に基づいて、新規に仕分けに用いられた区分を特定する。また、新規区分特定部141は、新規に仕分けに用いられた区分を特定した場合に、当該区分に対応付けて、新規に仕分けに用いられた区分に対応する会計データの取引日を示す情報を区分使用情報として格納部110に蓄積する。
【0105】
新規情報出力部143は、新規区分特定部141により特定された区分又は区分に対応する会計データを抽出して、抽出した区分又は会計データに関する情報を出力する。出力は、例えば、送信部170によりユーザが操作する端末装置600に情報を送信することにより行われるが、これに限られない。例えば、ユーザが情報処理装置100に接続されたディスプレイデバイス等に出力を行ったりしてもよい。
【0106】
分割部145は、格納部110に格納されている2以上の会計データから、1以上の各分割条件に対応する1以上の会計データを取得する。すなわち、分割部145は、監査対象となる母集団の会計データの中から、分割条件を満たす会計データを取得する。本実施の形態において、分割条件は、勘定科目毎に設定されている。すなわち、分割部145は、各勘定科目に仕分けされた会計データを母集団として、当該母集団の中から、分割条件に含まれる、補助科目に関する条件及び摘要欄の記入内容に関する条件の少なくとも一方を満たす会計データを取得する。このようにして各分割条件に基づいて取得されたそれぞれの会計データを、分割済会計データという。
【0107】
ここで、本実施の形態においては、分割部145は、格納部110に格納されている順位情報に基づいて、優先順位が一番目である分割条件に対応する1以上の会計データを、2以上の会計データから取得し、優先順位が二番目である分割条件に対応する1以上の会計データを、2以上の会計データの残りから取得することができる。分割条件が3以上ある場合にも、同様に、次の優先順位の分割条件に対応する会計データは、母集団の会計データのうち、それまでに取得されたものを除いた残りから取得されるようにすればよい。これにより、後述の統計処理の結果が優先順位に応じて異なるものとなる。なお、このような優先順位が設定されていなかったり、常に母集団の全体から各分割条件に応じた分割済会計データが取得されるようにしてもよい。
【0108】
本実施の形態において、分割データ出力部147は、分割条件毎に、分割部145によって取得された分割済会計データに関する分割出力情報を出力することができる。分割データ出力部147は、分割条件毎に、分割済会計データに対する統計処理を行い、統計処理結果を分割出力情報として出力する。
【0109】
ここで、統計処理は、例えば、各分割済会計データの件数や金額等に関して行われるようにすればよい。すなわち、例えば、統計処理結果は、各分割条件に対応する分割済会計データの合計金額であってもよい。また、例えば、統計処理結果とは、各分割条件に対応する分割済会計データの数であってもよい。また、例えば、統計処理結果とは、各勘定科目に仕分けされた母集団の会計データ全体の合計金額に占める、各分割条件に対応する分割済会計データの合計金額の割合であってもよい。また、例えば、統計処理結果とは、母集団の会計データ全体の数に占める各分割条件に対応する分割済会計データの数の割合であってもよい。また、例えば、統計処理結果とは、各分割条件に対応する分割済会計データの合計金額の推移であってもよい。また、例えば、統計処理結果とは、各分割条件に対応する分割済会計データの数の推移であってもよい。
【0110】
また、本実施の形態において、分割データ出力部147は、各勘定科目に仕分けされた母集団の会計データのうち、設定されているいずれの分割条件によっても分割されなかった全ての会計データを、残余会計データとして取得してもよい。そして、分割データ出力部147は、残余会計データに対する統計処理をも行い、統計処理結果を、残余会計データに関する残余出力情報として出力してもよい。統計処理は、分割済会計データについて行われるものと同様に、残余会計データの件数や金額等に関して行われるようにすればよい。なお、残余出力情報は、分割出力情報と共に出力されるのが好ましい。
【0111】
なお、分割データ出力部147は、残余会計データの取得を、格納部110に格納されている残余設定情報に基づいて行うことができる。すなわち、分割データ出力部147は、残余設定情報に基づいて、残余出力情報の出力を行うようにしてもよい。例えば、分割データ出力部147は、残余設定情報において設定された特定の分割条件に基づいて取得された分割済会計データについては残余会計データに含めるようにして、残余会計データの取得と残余出力情報の出力とを行うようにしてもよい。すなわち、残余会計データには、各勘定科目に仕分けされた母集団の2以上の会計データのうち分割済会計データに含まれない全ての会計データが少なくとも含まれていればよく、例えばそのほかに残余設定情報に対応する分割済会計データが含まれていてもよい。
【0112】
監査ルール設定部149は、格納部110に格納されている分割条件に基づく監査ルールを設定する。例えば、監査ルール設定部149は、ユーザにより行われた、分割条件の選択操作と、当該分割条件に対応する抽出条件の指定操作とに基づいて、第二種ルールである監査ルールを設定することができる。監査ルールの設定は、例えば、操作を行ったユーザのユーザ識別子に対応付けて、監査ルールを格納部110に蓄積することにより行われるが、これに限られるものではない。例えば、対象組織を識別する識別子に対応付けて監査ルールが格納部110に蓄積されるようにしてもよい。
【0113】
また、本実施の形態において、監査ルール設定部149は、格納部110に格納されている第一種ルールについて、ユーザの指示に基づいて、ユーザ識別子に対応する使用フラグを変更する。
【0114】
なお、本実施の形態において、監査ルール設定部149は、格納部110に格納されている他のユーザのユーザ識別子に対応付けられている第二種ルールを、使用するユーザのユーザ識別子にさらに対応付けることができる。例えば、ユーザにより、他のユーザの第二種ルールを検索するための操作が行われると、監査ルール設定部149は、当該操作に基づいて他のユーザの第二種ルールを検索する。そして、ユーザにより、検索された第二種ルールのうち選択されたものを引用するための引用操作が行われると、監査ルール設定部149は、選択された第二種ルールに、引用操作を行ったユーザのユーザ識別子を対応付けて、格納部110に蓄積する。引用操作を行ったユーザのユーザ識別子は、受付部130により受け付けられる。ユーザは、このようにして自身に対応付けた第二種ルール(引用した第二種ルール)を使用することができる。なお、本実施の形態においては、選択された第二種ルールと同内容の第二種ルールと操作を行ったユーザのユーザ識別子とを対応付けて、新たに格納部110に蓄積するようにしてもよい。この場合、ユーザは、引用した第二種ルールに変更を加えてもよいし、引用元の第二種ルールは引用を行ったユーザによっては変更不能にしてもよい。なお、監査ルール設定部149は、格納部110に格納されている他の組織の識別子に対応付けられている第二種ルールを、対象組織の識別子にさらに対応付けることができるようにしてもよい。
【0115】
換言すると、本実施の形態において、ユーザは、検索された監査ルールを使用する監査ルールとして設定することができる。例えば、同一の組織について設定された監査ルールを検索したり、業種等の特質が類似している他の組織について設定された監査ルールを検索したり、深いスキルを有する他のユーザによって設定された監査ルールを検索したりすることができる。そして、自身の担当する組織に用いる監査ルールとして、検索された監査ルールを引用して適用したり、検索された監査ルールに改変を加えた上で適用したりすることができる。
【0116】
抽出部151は、使用するユーザの識別子に基づいて、2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する。抽出部151は、監査ルール設定部149により設定された監査ルールを用いて、2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する。換言すると、抽出部151は、監査ルール設定部149により設定された監査ルールに合致する1以上の会計データを抽出する。これにより、各監査ルールについて、分割条件と抽出条件との両方を満たす会計データが抽出されることとなる。なお、監査ルール等が特定の組織の識別子に対応付けて格納部110に格納されている場合には、特定の組織の識別子に基づいて、監査ルールを用いて、1以上の会計データの抽出を行うようにすればよい。また、抽出部151は、監査ルールの内容等により、監査ルールに合致しない1以上の会計データを抽出するようにしてもよい。
【0117】
本実施の形態において、抽出部151は、格納部110に格納されている第一種ルールについて、ユーザ識別子に対応する使用フラグに基づいて、当該第一種ルールに基づく会計データの抽出を行うか否かを変更する。監査ルール設定部149は、対象組織を識別する識別子に対応する使用フラグに基づいて、対象組織に対して第一種ルールに基づいて会計データの抽出を行うか否かを変更するようにしてもよい。また、第二種ルールについても使用フラグが設定されているようにして、抽出部151が、第二種ルールについて使用フラグに基づいて会計データの抽出を行うか否かを変更するようにしてもよい。
【0118】
なお、本実施の形態において、抽出部151は、2以上の会計データのそれぞれに対応する日付情報と、1以上の監査ルールに対応する有効期間とに基づいて、抽出を行う。すなわち、各監査ルールに定められている有効期間内の日付情報に対応する会計データであって、当該監査ルールの分割条件と抽出条件との両方を満たす会計データが抽出されることとなる。このようにすることにより、法令等の制度が変更された場合において、本来適用されるべきでない観点の監査ルールを用いた抽出が行われないようにすることができ、便利である。
【0119】
抽出データ出力部153は、抽出部151により抽出された会計データを出力する(一次抽出ということがある)。出力は、例えば、送信部170によりユーザが操作する端末装置600に情報を送信することにより行われるが、これに限られない。例えば、ユーザが情報処理装置100に接続されたディスプレイデバイス等に出力を行ったりしてもよい。
【0120】
二次出力部155は、抽出部151により抽出された会計データのうち少なくとも一部の会計データを、ユーザによる入力情報に基づいて出力する。例えば、受付部130により受け付けられた、一次抽出結果に対して行われたユーザによる入力情報(取捨選択操作)に対応する会計データを、二次出力部155が出力する(二次抽出ということがある)。出力は、例えば、送信部170によりユーザが操作する端末装置600に情報を送信することにより行われるが、これに限られない。例えば、ユーザが情報処理装置100に接続されたディスプレイデバイス等に出力を行ったりしてもよい。
【0121】
報告書構成部157は、抽出部151により抽出された会計データのうち少なくとも一部の会計データとテンプレート情報とを用いた報告内容を少なくとも一部に含む監査報告書を構成する。
【0122】
出力部160は、送信部170等を用いて他の装置に情報を送信することにより情報を出力するが、これに限られず、例えば情報処理装置100に設けられたディスプレイデバイスに情報を表示することなどにより情報を出力してもよい。
【0123】
送信部170は、情報を、ネットワークを介して情報処理装置100を構成する他の装置に送信する。送信部170は、例えば、端末装置600やその他の装置に対して出力される情報の送信を行う。
【0124】
なお、上述の処理部140や端末処理部640は、通常、MPUやメモリ等から実現されうる。処理部140や端末処理部640の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0125】
また、受付部130や端末受付部630により受付可能な情報の入力に用いられうる入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるものなど、何でもよい。受付部130や端末受付部630は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されうる。
【0126】
また、受信部120や端末受信部620は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0127】
また、送信部170や端末送信部670は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0128】
また、出力部160や端末出力部660は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えてもよい。出力部160や端末出力部660は、出力デバイスのドライバーソフト又は、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現されうる。
【0129】
なお、格納部110や端末格納部610に情報等が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部110や端末格納部610で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部110や端末格納部610で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部110や端末格納部610で記憶されるようになってもよい。
【0130】
なお、情報処理装置100は、1つのサーバにより構成されていてもよいし、互いに連携して動作する複数のサーバにより構成されていてもよいし、その他の機器に内蔵された電子計算機等であってもよい。なお、サーバは、いわゆるクラウドサーバでも、ASPサーバ等でもよく、その種類は問わないことは言うまでもない。
【0131】
次に、情報処理装置100を用いて実現される監査支援システムをユーザが用いる際に行われる情報処理装置100の動作の一例について説明する。本実施の形態において、ユーザは、例えば、端末装置600を介して情報処理装置100にアクセスを行ったり情報処理装置100から送信される情報を受信したりしながら、端末装置600において所定のアプリケーションを動作させることにより、監査支援システムを利用することができる。なお、所定のアプリケーションとは、例えば、情報処理装置100から送信される情報を用いて動作する専用のアプリケーションであってもよいし、情報処理装置100において提供されるウェブアプリケーションを使用可能に表示等するウェブブラウザ等であってもよい。
【0132】
図4は、同情報処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0133】
情報処理装置100は、例えば以下のようにして種々の動作を行う。以下の処理は、主に、処理部140が、所定のプログラム等に基づいて動作したり、情報処理装置100の各部の動作を制御することにより行われる。
【0134】
(ステップS101)処理部140は、使用するユーザのユーザ識別子に基づいて、格納部110に記録されている設定データを読み込む。すなわち、本実施の形態において、処理部140は、ユーザ毎に、設定データが、格納部110に格納されている。設定データには、例えば、ユーザが設定した第二種ルール、第一種ルール、これらの監査ルールの使用フラグ、分割条件、及び区分使用情報と区分とが対応付けられたテーブルなど、過去の使用時に設定された情報や生成された情報などを含む種々の情報が含まれる。なお、設定データはこれに限られず、他の情報があってもよいし、上述のうち含まれない情報があってもよい。例えば、過去に当該組織に関する分割済会計データについて行われた統計処理の結果が含まれていてもよい。また、これらの情報は、それぞれ、使用されるタイミングにおいて読み込まれるようにしてもよい。また、ユーザが使用する都度、ユーザにより情報処理装置100にこれらの情報が入力されるようにしてもよい。
【0135】
(ステップS102)処理部140は、データ登録処理を行う。これにより、処理対象となる組織についての処理対象となる会計データ等が情報処理装置100に登録されうる。なお、登録されるデータは、例えば、所定のフォーマットで記述されたデータであり、例えば、CSV形式、JSON形式、又はXML形式などが用いられうるが、データの形式はこれらに限られない。
【0136】
(ステップS103)処理部140は、ルール確認処理を行う。本実施の形態において、ルール確認処理では、分割条件の確認、設定が行われる。また、ルール確認処理では、監査ルールの確認、設定が行われる。これにより、会計監査のために会計データを抽出するために用いられる監査ルール等が設定される。
【0137】
(ステップS104)処理部140は、ユーザにより抽出実行指示が行われたか否かを判断する。受付部130により抽出実行指示が受け付けられた場合には、ステップS105に進む。そうでない場合には、ステップS103に戻る。
【0138】
(ステップS105)抽出部151は、一次抽出を行う。そして、抽出データ出力部153は、一次抽出結果を出力する。一次抽出結果は、監査ルールに基づいて抽出された会計データに関する情報を含む。
【0139】
(ステップS106)ユーザが、出力された一次抽出結果について取捨選択操作を行うと、受付部130は、当該取捨選択操作を受け付ける。取捨選択操作は、例えば、一次抽出結果に含まれる会計データのうち、監査業務において注目することが必要であると考えられるものを選択し、その他を抽出結果から捨てるための操作であるということができる。
【0140】
(ステップS107)二次出力部155は、受付部130により受け付けられた取捨選択操作に対応する会計データを二次抽出結果として出力する。これにより、一連の処理が終了する。
【0141】
図5は、同情報処理装置100のデータ登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0142】
(ステップS121)処理部140は、監査支援システムに読み込ませるデータ(登録されるべきデータ)のユーザによる指定が受け付けられたか否かを判断する。例えば、処理部140は、出力部160によってデータの指定を受け付けるための所定のデータ読み込み画面をユーザに出力させる。受付部130によって、データ読み込み画面を用いて行われるユーザの指定操作が受け付けられた場合に、処理部140は、データの指定が受け付けられたと判断する。データの指定が受け付けられた場合はステップS122に進み、そうでない場合にはステップS131に進む。
【0143】
(ステップS122)処理部140は、指定されたデータを読み込み、監査支援システムにおいて用いることができるように、仮に登録する。すなわち、処理部140は、指定されたデータを、格納部110に、一時的に蓄積したり、仮登録フラグと関連付けて蓄積したりする。読み込まれるデータとしては、例えば、監査を行う対象期間に取引日が属する2以上の会計データ、用いられる区分を示すテーブルである区分マスタ、及び監査を行う対象期間における期首残高データなどであるが、これらに限られない。区分マスタは、例えば、勘定科目マスタ、補助科目マスタ、及び税区分マスタなどであるが、これらに限られない。
【0144】
(ステップS123)処理部140は、格納部110に格納されている区分と区分使用情報とを対応付けたテーブルと仮登録された区分マスタとを突合させ、区分マスタに含まれる各区分に、区分使用情報を対応付ける。これにより、区分マスタには、区分使用情報が対応付けられた区分と区分使用情報が対応付けられなかった区分とがそれぞれ含まれることとなる。なお、区分使用情報がない(全ての区分について過去に使用されていない)場合や、全ての区分が過去に使用されている場合もありうる。
【0145】
本実施の形態において、区分使用情報として、対応する区分が初めて使用された使用日付が用いられる。なお、処理部140は、処理を行う基準のタイミングに基づいて、上述のようなテーブルと区分マスタとの突合を行うようにしてもよい。例えば、監査を行う対象となる期間の初日を基準のタイミングとして、それより前の使用日付についてのみ、区分と使用日付とを対応付けるようにしてもよい。
【0146】
(ステップS124)処理部140は、新規区分チェックを行う。新規区分チェックについては、後述する。
【0147】
(ステップS125)処理部140は、仮登録されたデータを登録するか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、データを登録すると判断する。データを登録すると判断した場合はステップS126に進み、そうでない場合はステップS121に戻る。
【0148】
(ステップS126)処理部140は、仮登録されたデータを登録する。すなわち、処理部140は、仮登録されたデータを、格納部110に、処理対象として一時的に又は恒久的に蓄積したり、関連付けられている仮登録フラグを解除して蓄積したりする。
【0149】
(ステップS127)処理部140は、登録された区分マスタに基づいて、格納部110に格納されている区分使用情報と区分とを対応付けたテーブルを更新する。当該テーブルにおいて、後述のようにして特定された新規区分について、区分使用情報が追加されることとなる。
【0150】
ステップS127の処理が終了すると、
図4の処理に戻る。
【0151】
図6は、同情報処理装置100の新規区分チェックの一例を示すフローチャートである。
【0152】
(ステップS131)新規区分特定部141は、カウンタiを1にセットする。
【0153】
(ステップS132)新規区分特定部141は、区分マスタの区分であって使用日付が対応付けられていない区分のうち、i番目の区分を取得する。すなわち、新規区分特定部141は、区分使用情報が対応付けられた区分のうちi番目の区分を取得する。
【0154】
(ステップS133)新規区分特定部141は、取得したi番目の区分に仕分けられた会計データを、仮登録された2以上の会計データ(期中仕訳)から検索し、取得した区分に仕分けられた会計データが期中仕訳中に存在するか否かを判断する。当該会計データが期中仕訳中に存在する場合にはステップS134に進み、そうでない場合はステップS135に進む。
【0155】
(ステップS134)新規区分特定部141は、検索された会計データの取引日を、区分使用情報(使用日付)として、i番目の区分に対応付けて格納部110に記録する。
【0156】
(ステップS135)新規区分特定部141は、カウンタiが、区分マスタの区分であって使用日付のないものの総数以上であるか否かを判断する。すなわち、新規区分特定部141は、カウンタiが、区分使用情報が対応付けられていない区分の数以上であるか否かを判断する。カウンタiが区分マスタの区分であって使用日付のないものの総数に以上である場合にはステップS137に進み、そうでない場合にはステップS136に進む。
【0157】
(ステップS136)新規区分特定部141は、カウンタiを1だけインクリメントする。ステップS132に戻る。
【0158】
(ステップS137)新規区分特定部141は、区分マスタの区分の中で、所定期間内の使用日付に対応する区分すなわち新規に使用された区分(新規区分)があるか否かを判断する。ここで所定期間内とは、例えば、監査を行う対象期間、すなわち前回の対象期間より後の期間とすることができるが、これに限られない。監査を行う対象となる期間が過去の所望の期間である場合には、当該期間を所定期間として判断をおこなうようにすればよい。新規区分がある場合には、ステップS138に進む。そうでない場合は、新規区分チェックを終了する。
【0159】
(ステップS138)新規情報出力部143は、新規区分に関するアラートを出力する。例えば、新規情報出力部143は、新規区分特定部141により特定された新規区分又は新規区分に対応する会計データを抽出して、抽出した新規区分又は会計データに関する情報を出力する。例えば、新規区分があることを示すメッセージや画像等をユーザに出力したり、仮登録された区分マスタにおいて、新規区分については他の区分と表示態様を変更することにより新規区分であることを示したりすることなどにより、新規情報出力部143がアラートを出力することができる。ステップS138の処理が終了すると、新規区分チェックが終了し、
図5の処理に戻る。
【0160】
このように新規区分についてアラートが出力されることにより、ユーザは、監査において、当該区分に仕分けられている会計データについて注意を払ったほうがよいことを知ることができ、監査漏れが発生することを防止したり、的確に監査を行ったりすることができる。
【0161】
なお、新規区分特定部141は、ステップS134において、これまで使用された区分と区分使用情報とが対応付けられているテーブルに、新規に使用された区分と区分使用情報とを対応付けて保存するようにし、ステップS137において、当該テーブルの区分の中で、所定期間内の使用日付に対応する区分すなわち新規に使用された区分(新規区分)があるか否かを判断するようにしてもよい。この場合、ステップS127の処理は行われなくてもよい。
【0162】
また、区分使用情報が新規であることを示すフラグ等である場合には、例えば、区分マスタの区分であって区分使用情報が対応付けられていない区分のうち、処理対象として読み込まれた期中仕訳において使用された区分を新規区分として、アラートの出力が行われるようにすればよい。
【0163】
図7は、同情報処理装置100のルール確認処理の一例を示すフローチャートである。
【0164】
(ステップS141)処理部140は、分割条件を確認するか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、分割条件を確認すると判断する。ここで所定の操作とは、例えば、監査支援システムの表示画面において、分割条件を確認したり設定したりするための画面を表示させるための操作であるが、これに限られない。分割条件を確認すると判断した場合はステップS142に進み、そうでない場合はステップS143に進む。
【0165】
(ステップS142)分割条件確認処理では、分割条件の確認、設定が行われる。分割条件確認処理の詳細については、後述する。
【0166】
(ステップS143)処理部140は、監査ルールを確認するか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、監査ルールを確認すると判断する。ここで所定の操作とは、例えば、監査支援システムの表示画面において、監査ルールを確認したり設定したりするための画面を表示させるための操作であるが、これに限られない。例えば、監査ルールを用いた抽出を行うための画面を表示させるための操作があったときに、処理部140が監査ルールを確認すると判断するようにしてもよい。監査ルールを確認すると判断した場合はステップS144に進み、そうでない場合はルール確認処理を終了する。
【0167】
(ステップS144)また、ルール確認処理では、監査ルールの確認、設定が行われる。
【0168】
ステップS144の処理が終了すると、ルール確認処理が終了し、
図4の処理に戻る。
【0169】
図8は、同情報処理装置100の分割条件確認処理の一例を示すフローチャートである。
【0170】
(ステップS161)処理部140は、設定されている分割条件を取得する。また、処理部140は、取得した分割条件を、出力部160によりユーザに出力する。例えば、設定されている分割条件が、表示画面上に一覧表示される。分割条件は、例えば、勘定科目毎にまとめて表示されるのが好ましい。また、各勘定科目に対応する分割条件は、順位情報に基づいて表示されるのが好ましい。
【0171】
(ステップS162)処理部140は、分割条件の編集又は追加を行うか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、分割条件の編集又は追加を行うと判断する。ここで所定の操作とは、例えば、分割条件が出力された表示画面において、個々の分割条件を選択する操作や、編集を行うために設けられているボタンの操作などであるが、これに限られない。分割条件の編集又は追加を行うと判断した場合はステップS163に進み、そうでない場合はステップS164に進む。
【0172】
(ステップS163)処理部140は、ユーザにより行われ、受付部130により受け付けられた編集操作に応じて、編集された分割条件をユーザ識別子に対応付けて設定する(格納部110に記録する)。
【0173】
(ステップS164)分割部145は、分割結果表示指示が行われたか否かを判断する。分割部145は、例えば、ユーザによる分割結果表示指示が受付部130によって受け付けられた場合に、分割結果表示指示が行われたと判断する。分割部145が、分割結果表示指示が行われたと判断した場合には、ステップS165に進み、そうでない場合にはステップS166に進む。
【0174】
(ステップS165)分割部145は、設定されている分割条件のそれぞれについて、対応する会計データを、登録されている会計データから検索する。分割部145は、検索により、各分割条件に対応する会計データを、分割済会計データとして取得する。
【0175】
(ステップS166)分割データ出力部147は、分割条件毎に、分割部145によって取得された分割済会計データに対する統計処理を行う。
【0176】
(ステップS167)分割データ出力部147は、分割条件毎に、統計処理結果を分割出力情報として出力する。例えば、分割データ出力部147は、各分割条件と統計処理結果とを対応付けて表示する。これにより、ユーザは、分割条件毎の統計処理結果を容易に知ることができる。
【0177】
ステップS167の処理が終了すると、
図7の処理に戻る。
【0178】
図9は、同情報処理装置100の監査ルール確認処理の一例を示すフローチャートである。
【0179】
(ステップS181)処理部140は、設定されている監査ルールを取得する。また、処理部140は、取得した監査ルールを、出力部160によりユーザに出力する。例えば、設定されている監査ルールが、表示画面上に一覧表示される。監査ルールは、例えば、対応する勘定科目毎にまとめて表示されるのが好ましい。なお、本実施の形態においては、ある組織について初回の監査を行う場合には、第一種ルールが、設定されている監査ルールとして表示される。
【0180】
(ステップS182)処理部140は、監査ルールの編集を行うか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、監査ルールの編集を行うと判断する。ここで所定の操作とは、例えば、監査ルールが一覧表示された画面において、個々の監査ルールを選択する操作や、編集を行うために設けられているボタンの操作などであるが、これに限られない。監査ルールの編集を行うと判断した場合はステップS183に進み、そうでない場合はステップS184に進む。
【0181】
(ステップS183)監査ルール設定部149は、ユーザにより行われ、受付部130により受け付けられた編集操作に応じて、監査ルールをユーザ識別子に対応付けて設定する(格納部110に記録する)。
【0182】
(ステップS184)処理部140は、第二種ルールの追加を行うか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、第二種ルールの追加を行うと判断する。ここで所定の操作とは、例えば、監査ルールが一覧表示された画面に設けられている、監査ルールの新規追加ボタンの操作などであるが、これに限られない。第二種ルールの追加を行うと判断した場合はステップS185に進み、そうでない場合は監査ルール確認処理を終了し、
図7の処理に戻る。
【0183】
(ステップS185)監査ルール設定部149は、受付部130によって、分割条件の指定操作を受け付ける。分割条件の指定操作は、例えば、ユーザにより行われる、格納部110に格納されている分割条件のうち追加する第二種ルールに用いるものを指定する操作である。
【0184】
(ステップS186)監査ルール設定部149は、受付部130によって、当該分割条件に対応する抽出条件の指定操作を受け付ける。抽出条件の指定操作は、例えば、ユーザにより行われる、追加する第二種ルールに用いる、金額に関する条件を指定する操作である。
【0185】
(ステップS187)監査ルール設定部149は、受付部130によって受け付けられた分割条件の選択操作と抽出条件の指定操作とに基づいて、第二種ルールをユーザ識別子に対応付けて設定する(格納部110に記録する)。
【0186】
ステップS187の処理が終了すると、
図7の処理に戻る。
【0187】
なお、監査ルール確認処理において、以下の変形例のように、他のユーザ又は他の対象組織のための第二種ルールを引用して第二種ルールを追加することができるようにしてもよい。
【0188】
図10は、同情報処理装置100の監査ルール確認処理の一変形例を示すフローチャートである。
【0189】
ステップS281からステップS283の処理は、上述のステップS181からステップS183の処理と同様にして行われる。
【0190】
(ステップS284)処理部140は、上述のステップS184と同様に、第二種ルールの追加を行うか否かを判断する。第二種ルールの追加を行うと判断した場合はステップS285に進み、そうでない場合は監査ルール確認処理を終了し、
図7の処理に戻る。
【0191】
(ステップS285)本変形例において、監査ルール設定部149は、他者の第二種ルールの引用を行うか否かを判断する。監査ルール設定部149は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、他者の第二種ルールの引用を行うと判断する。ここで所定の操作とは、例えば、監査ルールが一覧表示された画面に設けられている、監査ルールの引用ボタンの操作などであるが、これに限られない。他者の第二種ルールの引用を行うと判断した場合はステップS288に進み、そうでない場合は、ステップS286に進む。
【0192】
(ステップS286,S287)上述のステップS185,S186と同様に、監査ルール設定部149は、分割条件の指定操作と、抽出条件の指定操作とを、受付部130によって受け付ける。その後、ステップS290に進む。
【0193】
(ステップS288)他方、第二種ルールの引用を行う場合には、監査ルール設定部149は、他のユーザの第二種ルールを検索する。そして、ユーザにより検索された第二種ルールのうち引用対象とするものを指定する操作を受付部130により受け付ける。
【0194】
(ステップS289)監査ルール設定部149は、引用対象として指定された第二種ルールについての、ユーザによる編集操作を受付部130により受け付ける。その後、ステップS290に進む。
【0195】
(ステップS290)監査ルール設定部149は、受付部130によって受け付けられた分割条件の選択操作と抽出条件の指定操作とに基づいて、又は受付部130によって受け付けられた編集操作に基づいて、第二種ルールをユーザ識別子に対応付けて設定する(格納部110に記録する)。
【0196】
ステップS290の処理が終了すると、
図7の処理に戻る。
【0197】
図11は、同情報処理装置100の報告書出力動作の一例を示すフローチャートである。
【0198】
図11に示されるような動作は、処理部140により、定期的に、繰り返し実行される。なお、時刻や時間間隔に基づく条件に限られず、所定の条件が満たされた場合に実行されるようにしてもよい。
【0199】
(ステップS191)処理部140は、報告書出力指示があったか否かを判断する。処理部140は、例えば、ユーザによる所定の操作が受付部130によって受け付けられた場合に、報告書出力指示があったと判断する。ここで所定の操作とは、例えば、監査ルールが一覧表示された画面に設けられている、報告書作成ボタンの操作などであるが、これに限られない。また、処理部140は、ユーザによる操作に関わらず、所定の出力開始条件が満たされた場合に、報告書出力指示があったと判断するようにしてもよい。例えば、設定データ等において、報告書出力を行うか否かの設定フラグなどが読み込まれた場合において、二次出力結果の出力が行われた場合に、処理部140は、報告書出力指示があったと判断するようにしてもよい。報告書出力指示があったと判断された場合はステップS191に進み、そうでない場合は報告書出力動作を終了する。
【0200】
(ステップS192)報告書構成部157は、二次出力部155が出力した二次抽出結果を取得する。
【0201】
(ステップS193)報告書構成部157は、格納部110に格納されているテンプレート情報を取得する。
【0202】
(ステップS194)報告書構成部157は、二次出力部155が出力した二次抽出結果と、テンプレート情報とを用いて、報告内容を少なくとも一部に含む報告書を構成する。報告書構成部157は、構成した報告書を出力し、報告書終了動作を終了する。
【0203】
次に、本実施の形態において情報処理装置100において取り扱われる情報や、ユーザに対して出力される画面例について示しながら、情報処理装置100の動作の具体例について説明する。
【0204】
ユーザは、端末装置600などに各種の画面を表示させながら、情報処理装置100を利用することができる。このような画面の遷移は、端末装置600と情報処理装置100とが適宜通信を行ったり、端末受付部630などにより受け付けられたユーザの操作に応じて情報処理装置100に送信された情報などに基づいて処理部140が制御動作を行ったりすることにより実現される。
【0205】
図12は、同情報処理装置100により出力される画面の遷移の一具体例について説明する図である。
【0206】
図12に示されるように、ユーザがログインすると、まず、データ登録画面S11が表示される。データ登録画面S11では、ユーザは、データの仮登録や、新規区分の確認を行うことができる。各データについてデータ登録操作が行われると、分割条件の設定や分割を行うための分割モードの表示画面に遷移する。
【0207】
例えば、分割モードでは、設定されている分割条件について確認可能な分割条件一覧画面S21が表示される。ここで、分割条件の編集や、新規作成のための操作が行われると、分割条件設定画面S22に遷移する。分割条件設定画面S22では、分割条件を新規に作成したり、既に設定されている分割条件の編集などを行うことができる。分割条件設定画面S22において分割条件が設定されると、分割条件設定画面S21に戻る。分割条件一覧画面S21において、分割画面遷移操作が行われると、分割指示画面S23に遷移する。分割指示画面S23では、設定されている分割条件に基づいて分割出力情報を表示させる分割結果表示指示を行うことができる。分割指示画面S23において分割結果表示指示が行われると、分割済会計データについての統計処理結果(分割出力情報)を表示する分割結果表示画面S24が表示される。分割指示画面S23や分割結果表示画面S24において一覧画面遷移操作が行われると、分割条件一覧画面S21に遷移する。
【0208】
このように、分割モードでは、ユーザは、分割条件を設定することと、設定した分割条件を用いた分割出力情報を確認することとを、適宜、繰り返し行うことができる。このような作業を行うことで、ユーザは、読み込まれた会計データの集合の特性について容易に把握することができる。そして、ユーザは、作成したい監査ルールを念頭においた分割条件を容易に設定することができる。
【0209】
分割モードの各表示画面において、監査モードに移行するための監査モード選択操作が行われると、監査を行うための監査モードの表示画面に遷移する。
【0210】
例えば、監査モードでは、まず、設定されている監査ルールについて確認可能な監査ルール一覧画面S31が表示される。ここで、監査ルールの編集や、新規作成のための操作が行われると、監査ルール編集画面S32に遷移する。監査ルール編集画面S32では、監査ルールを新規に作成したり、既に設定されている監査ルールの編集などを行うことができる。監査ルール編集画面S32において監査ルールが設定されると、監査ルール設定画面S31に戻る。監査ルール一覧画面S31において、抽出画面遷移操作が行われると、一次抽出指示画面S33に遷移する。一次抽出指示画面S33では、設定されている監査ルールを用いた抽出の実行指示を行うことができる。抽出指示が行われると、一次抽出結果を表示する一次抽出結果出力画面S34に遷移する。ユーザは、一次抽出結果出力画面S34では、一次抽出結果の各会計データについて、取捨選択操作等を行うことができる。その後、二次抽出指示や報告書作成指示が行われると、図示しない二次抽出結果出力画面や、報告書出力画面などに遷移するようにしてもよい。
【0211】
分割モードの各表示画面において、監査モードに移行するための監査モード選択操作が行われると、監査モードの表示画面に遷移する。
【0212】
図13は、同情報処理装置100により出力されるデータ登録画面S11の一具体例について説明する図である。
【0213】
図13に示されるように、データ登録画面S11には、監査支援システムに読み込ませるデータの指定を受け付けるためのインターフェースと、仮登録されたデータの内容を確認するためのインターフェースとが含まれている。また、データ登録画面S11には、仮登録されたデータを登録するためのデータ確定ボタン811が含まれている。ユーザは、各データが仮登録された状態でデータ確定ボタン811を操作することにより、各データを登録することができる。
【0214】
データ登録画面S11において仮登録されるデータとしては、期首残高データと、科目マスタ、補助科目マスタ、及び税区分マスタのマスタ情報と、期中仕訳データとがある。期中仕訳データは、監査対象となる2以上の会計データの集合である。これらのいずれのデータも、例えば、対象組織が用いている所定の会計ソフトウェアからエクスポートすることにより得ることができる。すなわち、これらのデータに含まれる項目同士は、整合しているものである。
【0215】
データ登録画面S11においては、新規情報出力部143によって、例えば、仮登録されたデータについての新規区分の抽出結果が表示される。これにより、ユーザは、容易に新規区分を確認することができる。
図13に示される例においては、例えば、仮登録されているデータにおいて、各マスタ情報のうち、補助科目マスタに含まれる補助科目の中に新規に使用されたものがあり、他の区分について新規に使用されたものはない場合が示されている。すなわち、新規に使用された補助科目が、リスト化されて表示されている。なお、表示態様はこれに限られない。例えば、補助科目マスタに含まれる補助科目がすべて表示されている中で、新規に使用された補助科目が特異な態様で表示されるようにしてもよい。また、仮登録された各区分のマスタ情報を表示させたとき、マスタ情報に含まれている区分であって、対象期間(当期)の仕訳データには登場していない(当該科目の取引がない)科目が、例えばグレーや、その他の明度や彩度が異なる色で表示されたり、異なるフォントで表示されたり、異なる文字装飾を伴って表示されたりするなど、異なる表示態様で表示される。
【0216】
なお、本具体例において、各画面に共通して、メニューバー801が上部に表示される。メニューバー801においては、例えば、データ登録画面S11と、分割モードと、監査モードとを相互に切り替えるための、データ登録ボタン802、分割モードボタン803、及び監査モードボタン804が含まれる。なお、メニューバー801には、ログインしているユーザの名前や、対象組織の名称など、種々の状況表示が行われるが、これに限られない。
【0217】
データ登録画面S11において分割モードボタン803が操作されると、例えば、分割条件一覧画面S21が表示される。なお、データ確定ボタン811が操作された場合にも、分割条件一覧画面S21に遷移するようにしてもよい。
【0218】
図14は、同情報処理装置100における新規区分の特定の一具体例について説明する図である。
【0219】
図14においては、仮登録された補助科目マスタの例と、格納部110に格納されている区分使用情報と補助科目とが対応付けられているテーブル(区分使用情報テーブル)の例と、仮登録された期中仕訳データの例と、これらに基づいて新規区分特定部141により新規の区分が特定されて生成された、登録される補助科目マスタの例とが示されている。
【0220】
すなわち、補助科目マスタには、補助科目として用いられうる2以上の補助科目が含まれている。各補助科目は、同一の勘定科目に対応するものの中での識別に用いられる識別子である補助コードに対応付けられている。すなわち、勘定科目を識別する識別子(「コード」)と補助コードとの組合せにより、各補助科目は一意に特定されうる。区分使用情報テーブルには、各コード及び補助コードの組み合わせに対応付けて、区分使用情報が記録されている。区分使用情報は、例えば、使用日付である。補助科目マスタと区分使用情報テーブルとに基づいて、補助科目「XX銀行」と補助科目「△銀行」とは、それぞれ、使用日付の日において使用されたことがあることが特定される。
【0221】
ここで、上述のように、新規区分特定部141により、補助科目マスタの使用日付が対応付けられなかった補助科目のうち、新たに期中仕訳データの会計データにおいて用いられているものが特定される。そして、特定された会計データの取引日が、対応する補助科目に対応する使用日付として記録される。図に示される例においては、例えば、二点鎖線で囲った部分について、新たに使用日付が記録されたことがわかる。新規情報出力部143は、当該使用日付に基づいて、新規区分に関するアラートを出力する。なお、新たに記録された使用日付は、補助科目マスタが登録されるのに伴って、区分使用情報テーブルにも記録されるようにすればよい。
【0222】
図15は、同情報処理装置100により出力される分割条件一覧画面S21の一具体例について説明する図である。
【0223】
図15に示されるように、分割モードでは、各画面において、分割条件一覧画面S21に移行するためのボタン821と、分割指示画面S23に移行するためのボタン822と、分割結果表示画面S24に移行するためのボタン823とが含まれている。これらの各ボタン821,822,823が操作されると、それぞれに対応する画面に移行する。
【0224】
分割条件一覧画面S21においては、登録された科目マスタに含まれる勘定科目のリストが表示されている。リストには、補助科目と抽出欄の抽出条件とのそれぞれについて既に分割条件として設定されている内容が、勘定科目毎に表示されている。なお、既に分割条件として設定されている内容の有無等が表示されるようにしてもよい。また、当期の仕訳データには登場していない勘定科目(当期に当該科目の取引がない勘定科目)については、当期の仕訳データに登場している勘定科目とは異なる表示態様で表示されることが好ましい。また、すべての勘定科目を表示させるか当期において取引のある科目のみを表示させるかを選択できるようにしたり、すべての勘定科目を表示させるか分割条件が設定されている科目のみを表示させるかを選択できるようにすることが好ましい。
【0225】
ここで、本実施の形態においては、分割条件一覧画面S21において、各勘定科目毎、及び設定されている場合は各分割条件毎に、該当する会計データの金額や件数などに関する統計処理結果が表示されるようにしてもよい。ユーザは、統計処理結果を一覧し、当期の仕訳データの概要を把握することができる。また、ユーザは、統計処理結果を一覧することにより、分割条件に関する設定作業を行うべき勘定科目を発見して、分割条件に関する設定作業に移行することを、容易に行うことができる。
【0226】
分割条件一覧画面S21において、各勘定科目に対応して表示されている設定ボタン825が操作されると、当該勘定科目に対応する分割条件を設定するための分割条件設定画面S22に遷移する。
【0227】
図16は、同情報処理装置100により出力される分割条件設定画面S22の一具体例について説明する図である。
【0228】
図16においては、例えば、
図15において勘定科目「租税公課」に対応する設定ボタン825が操作された場合に表示される分割条件設定画面S22の具体例が示されている。この分割条件設定画面S22では、勘定科目「租税公課」についての分割条件の編集や設定を行うことができる。
【0229】
分割条件設定画面S22の左側の部分には、当該勘定科目について設定されている分割条件が示されている。分割条件のうち、当期の仕訳データにおいて該当する会計データがあるものは、他の分割条件とは異なる表示態様により表示されている。当該分割条件には、詳細ボタン826が対応付けて表示されている。詳細ボタン826が操作されると、例えば、分割部145及び分割データ出力部147によって、当該分割条件に該当する分割済会計データが表示されるようにすることが好ましい。これにより、ユーザは、分割済会計データを確認しながら分割条件を調整することができる。
【0230】
分割条件設定画面S22の右側の部分には、当該勘定科目について設定されている分割条件の設定状況が示されている。設定状況には、例えば、分割結果に反映させるか否かを設定するための項目である「使用」が含まれることが好ましい。また、設定状況には、当該分割条件に関する残余設定情報である「残余設定」が含まれることが好ましい。「残余設定」については、優先順位を設定することができるようにすることが好ましい。表示されている矢印を操作し、項目の並び順を変更することで、抽出する順番すなわち優先順が変更される。図に示される例においては、例えば、勘定科目「租税公課」である母集団の会計データから「違反金」を含むデータが抽出され、残りの集団から「延滞税」を含むデータが抽出され、さらにその残りの集団から「源泉所得税」を含むデータが抽出される。「残余設定」は、「上記以外」を抽出するために考慮することをいう。「残余設定」においてオフが設定された分割条件に対応するデータは、「上記以外」に含ませることができる。「残余設定」は、「NoMarks抽出」といってもよい。なお、各分割条件に対応して表示されている編集ボタン827や削除ボタン828が操作されると、当該分割条件の編集を行うことができたり、削除したりすることができる。なお、画面上部のメニュー項目が操作されると、分割条件が設定され、分割条件一覧画面S21に戻る。
【0231】
図17は、同情報処理装置100により出力される分割指示画面S23の一具体例について説明する図である。
【0232】
分割指示画面S23には、分割結果表示指示を行うための分割実行ボタン831が設けられている。分割実行ボタン831が操作されると、分割結果表示画面S24に遷移する。
【0233】
図18は、同情報処理装置100により出力される分割結果表示画面S24の一具体例について説明する図である。
【0234】
図18に示されるように、分割結果表示画面S24には、設定されている各分割条件について、それに対応する統計処理結果すなわち分割出力情報が表示される。また、勘定科目毎に、いずれの分割条件にも該当しなかった残余会計データについての統計処理結果すなわち残余出力情報が「上記以外」として表示される。なお、残余出力情報については、残余設定情報に基づいて出力されるようにすればよい。
【0235】
図18においては、例えば、分割済会計データの当期の期間における合計金額と、それぞれの全体に占める割合に関する情報(カバレッジ)とが、統計処理結果として表示される。表示される統計処理結果の内容は、例えば、処理方法設定ボタン834や、処理対象設定ボタン835により設定することができる。設定された内容は、例えば、集計反映ボタン836が操作されることにより、分割結果表示画面S24に反映される。例えば、処理方法設定ボタン834では、当期の期間の合計値を表示するか、所定の期間の合計値の推移(例えば月毎の合計値の推移)を表示するかを選択可能である。また、例えば、設定ボタン835では、金額について集計するか、会計データの件数について集計するかを選択可能である。これらのほか、残余設定情報に基づく集計方法を採用するかどうかを切り替えることができるようにしてもよい。
【0236】
図19は、同情報処理装置100により出力される第二の出力態様の分割結果表示画面S24bの具体例について説明する図である。
図20は、同情報処理装置100により出力される第三の出力態様の分割結果表示画面S24cの具体例について説明する図である。
図21は、同情報処理装置100により出力される第四の出力態様の分割結果表示画面S24dの具体例について説明する図である。
【0237】
分割結果表示画面S24bでは、例えば、分割済会計データの当期の期間における件数の合計値と、それぞれの全体に占める割合に関する情報(カバレッジ)とが、統計処理結果として表示される。分割結果表示画面S24cでは、例えば、分割済会計データの月毎の合計金額の推移が、統計処理結果として表示される。分割結果表示画面S24bでは、例えば、分割済会計データの月毎の件数の合計値が、統計処理結果として表示される。
【0238】
このように分割結果表示画面S24で多様な表示態様で統計処理結果が表示されるので、ユーザは、分割条件を適宜設定したり編集したりしながら、母集団である仕訳データの特性や異質な会計データが含まれる可能性について、覚知することができる。なお、このような分割出力情報や残余出力情報について、ユーザが選択する操作を行ったとき、その内訳となる分割済会計データの詳細情報が表示されるようにすることが好ましい。これにより、効果的に、ユーザが、母集団である仕訳データの特性や異質な会計データが含まれる可能性について、覚知することができる。
【0239】
図22は、同情報処理装置100により出力される監査ルール一覧画面S31の一具体例について説明する図である。
【0240】
図22に示されるように、監査モードでは、各画面において、監査ルール一覧画面S21に移行するためのボタン841と、抽出指示画面S33に移行するためのボタン842とが含まれている。これらの各ボタン841,842が操作されると、それぞれに対応する画面に移行する。
【0241】
監査ルール一覧画面S31においては、登録されている監査ルールのリストが表示されている。リストには、各監査ルールについて、ルール名、ルールの方針、監査ルールそれぞれの条件(「手続詳細」)、使用フラグ(「オン/オフ」)、及び有効期間が表示される。ユーザは、各監査ルールについて、使用フラグを切り替えることにより、抽出に用いるか否かを切り替えることができる。
【0242】
監査ルール一覧画面S31において、新規追加ボタン851が操作されると、新規に監査ルールを設定するための監査ルール編集画面S32に遷移する。また、監査ルール一覧画面S31において、引用ボタン852が操作されると、引用する監査ルールを検索する検索画面(図示せず)を経て、引用した監査ルールを設定するための監査ルール編集画面S32に遷移する。監査ルール一覧画面S31において、既存の各監査ルールに対応して表示されている編集ボタン853が操作されると、当該監査ルールを編集するための監査ルール編集画面S32に遷移する。
【0243】
図23は、同情報処理装置100により出力される監査ルール編集画面S32の一具体例について説明する図である。
【0244】
図23に示されるように、監査ルール編集画面S32では、個々の監査ルールの設定状況を示す。監査ルール編集画面S32には、監査ルールを設定する登録ボタン861と、監査ルールの設定をキャンセルするキャンセルボタン862とが表示される。登録ボタン861又はキャンセルボタン862が操作されると、監査ルール一覧画面S31に戻る。また、監査ルール編集画面S32には、ルールの方針を選択する方針選択ボタン863が含まれる。図においては、例えば、方針として「明細抽出」が選択されている状態が示されている。
【0245】
なお、本実施の形態において、監査ルール編集画面S32では、例えば、監査ルールについて、当該監査ルールに関する説明や、関連する資料を示す情報などの項目の入力を受け付け可能となっている。受け付けられた項目は、監査ルールに対応付けられて、格納部110などに記録される。ここで、関連する資料を示す情報として、例えば、当該監査ルールにより抽出された取引について証憑確認をもって追加検討を行う際に参照される根拠資料を示す情報を、監査ルールに対応付けて登録することができるようになっている。監査対象組織等において特有の呼び方で呼ばれている資料等を記録しておくことで、監査を行うユーザ間でその情報を効率的に共有することができ、例えば仮に監査担当ユーザの引継ぎ業務が発生した場合においても、円滑な監査を継続的に行うことができる。ここで入力された資料に関する情報は、監査報告書において当該監査ルールに関する報告項目が作成されるときに当該項目部分に転記されるようにすることが好ましい。これにより、ユーザや監査対象者にとって指摘される事項について確認したり検証したりすることが容易である監査報告書を、容易に作成することができる。
【0246】
監査ルール編集画面S32において、当該監査ルールについて、分割条件と抽出条件との組合せが示されている。抽出条件としては、例えば、金額の設定欄が含まれる。また、そのほか、貸方と借方との別を指定する欄や、有効期間を指定する欄などが含まれている。これにより、この監査ルールを用いることで、分割条件を満たす分割済会計データのうち抽出条件やその他の条件を満たす会計データが抽出されることになる。
【0247】
図24は、同情報処理装置100により出力される第二の出力態様の監査ルール編集画面S32bの具体例について説明する図である。
【0248】
監査ルール編集画面S32bは、例えば、方針として「推移比較」が選択されている監査ルールについてのものである。監査ルール編集画面S32bでは、分割条件を満たす会計データについて比較対象とするデータを選択する比較対象選択ボタン865と、比較条件選択部866とが表示される。比較対象とするデータは、例えば、前月のデータ「前月比」、前年同月のデータ「前年同月比」、前期末のデータ「前期末比」のいずれかが選択されうる。また、比較条件としては、例えば、比較の結果変動があった場合に抽出するもの(「変動時抽出」)と、一致した場合に抽出するもの(「一致時抽出」)とのいずれかが選択されうる。
【0249】
図25は、同情報処理装置100により出力される第三の出力態様の監査ルール編集画面S32cの具体例について説明する図である。
【0250】
監査ルール編集画面S32cは、例えば、方針として「相関分析」が選択されている監査ルールについてのものである。監査ルール編集画面S32cでは、相関をとる対象とする2つの分割条件を指定可能となっている。
【0251】
図26は、同情報処理装置100により出力される一次抽出指示画面S33の一具体例について説明する図である。
【0252】
図26に示されるように、一次抽出指示画面S33には、設定されている全ての監査ルールを用いた一次抽出を実行させるための一括抽出実行ボタン871が設けられている。一括抽出実行ボタン871を押下する抽出画面遷移操作が行われると、一次抽出結果出力画面S34に遷移する。
【0253】
図27は、同情報処理装置100により出力される一次抽出結果出力画面S34の一具体例について説明する図である。
【0254】
図27に示されるように、一次抽出結果出力画面S34においては、各監査ルールに基づいて抽出された会計データに関する情報がリスト状にして表示される。本具体例において、各会計データに関する情報は、監査ルールに対応付けて表示される。抽出された会計データに関する情報としては、例えば、取引日、勘定科目、補助科目、金額、及び摘要のそれぞれの情報が含まれるが、これに限られず、例えば税区分や税率などに関する情報が含まれていてもよい。ユーザは、抽出された会計データに関する情報を用いて、監査を行うことができる。本具体例において、一次抽出結果出力画面S34には、抽出された各会計データに関する情報に対応付けて、報告対象選択部882と、付記事項記入部883とが表示される。報告対象選択部882では、ユーザにより行われる取捨選択操作により、報告書の作成に用いるかどうか(当該会計データを対象とした報告を行うか否か)に関する報告対象選択フラグが設定される。取捨選択操作は、例えば、チェックボックスである報告対象選択部882を用いて報告書の作成に用いるかどうかを切り替える操作であるが、これに限られない。付記事項記入部882には、当該会計データに対する覚え書きやコメントなどがユーザにより入力される。入力された事項は、当該会計データに対応付けて格納部110に記録されうる。なお、各会計データや各監査ルールを選択することにより、当該会計データについての詳細な事項を確認する確認画面に遷移可能に構成されていてもよい。
【0255】
一次抽出結果出力画面S34には、選択された二次抽出を実行させるための報告対象確定ボタン881が設けられている。本具体例において、報告対象確定ボタン881を操作すると、二次抽出結果出力画面(図示せず)に遷移する。このとき、二次抽出結果出力画面は、報告対象選択フラグに従って、報告書の作成に用いるとして選択された会計データを用いて出力される。ユーザは、二次抽出結果出力画面の内容を確認し、報告書を出力するための所定の操作を行うことができる。ユーザにより所定の操作が行われると、監査報告書が出力される。なお、二次抽出結果出力画面において、ユーザによる報告内容の編集操作が受け付けられるようにすることが好ましい。また、二次抽出結果出力画面の出力や報告書の出力においては、付記事項記入部882に入力された内容も用いられるようにすることがこのましい。なお、報告対象確定ボタン881の操作に応じて報告書の出力が行われるようにしてもよい。
【0256】
図28は、同情報処理装置100において用いられるテンプレート情報の一具体例を示す図である。
【0257】
図28に示されるように、テンプレート情報は、例えば、所定の書式のテキストデータとして監査報告書を出力するために用いられる情報である。例えば、監査報告書は、いわゆるMarkdown形式や、HTML形式や、CSV形式や、JSON形式や、XML形式などで出力されうるが、そのほかの形式で出力されるようにしてもよい。テンプレート情報において、二重の中括弧で囲まれた部分は、抽出された会計データに関する事項が配置される変数部分である。その他の部分は、報告書を構成する定形の文言や、レイアウトに関する情報である。
【0258】
以上、本実施の形態によれば、監査ルールに基づいて抽出された会計データが、一次抽出により出力される。したがって、監査の目的に応じた監査ルールを用いて、容易に、ばらつきの少ない監査を行うことができる。また、一次抽出された結果を用いて、容易に、二次抽出を行って監査業務を行ったり、監査報告書を出力したりすることができる。したがって、容易に監査業務を行うことができる。
【0259】
監査支援システムを利用することにより、監査業務に熟練したユーザが作成した監査ルールを経験が浅いユーザが参照したり、特定の組織の監査業務を行っていたユーザが作成した監査ルールを後任のユーザが引き継いだりすることができる。従前は各ユーザが備えていた暗黙知を監査ルールとして形式知化して、後日の業務や、他ユーザの業務に役立てることができる。したがって、業務品質を向上させることができ、経験が少ない若手担当者の育成を図ることができる。また、複数のユーザでチームを組んで特定の組織に関する監査業務を行うような場合にも、形式知化した監査ルールを利用することができるので、各ユーザの主観によらず、安定した品質で監査業務を行うことができ、また、担当ユーザ以外のユーザが作業結果のチェックを行うことも容易となる。
【0260】
また、本実施の形態においては、一の勘定科目に関する分割条件に基づいて、母集団となる会計データから分割した分割済会計データを得て、分割出力情報を出力することができる。したがって、ユーザは、会計データが膨大であっても、その母集団となる会計データに関する特性又は傾向や、特異なデータの存在有無などについて、容易に覚知することができる。例えば、組織毎に存在しうる、記帳に関する癖・傾向(科目等への振り分けに関する傾向、摘要欄への記載の傾向など)について、容易に知ることができる。したがって、ユーザは、例えば監査の計画立案などを効率的に行うなど、把握した事項を監査業務に役立てることができる。分割出力情報として統計処理結果を出力することができるので、母集団となる会計データに関する情報をより具体的に覚知することができる。分割出力情報と合わせて残余出力情報が出力されるので、分割条件の過不足や、分割条件が適切であるか否か等についても容易に判断することができ、適切な分割条件を効率的に設定することができる。
【0261】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、本実施の形態における、情報処理装置100を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、2以上の監査ルールであって、それぞれの監査ルールは2以上の組織又はユーザに関して共通して使用するように用意されている第一種ルール又は1以上の組織又は特定のユーザに関して使用するものとして当該組織又はユーザを識別する識別子に対応付けられている第二種ルールに該当する2以上の監査ルールと、特定の組織に関する2以上の会計データであって、それぞれ仕分けられた区分に関する情報及び金額に関する情報に対応する2以上の会計データと、が格納される格納部110を備える情報処理装置100のコンピュータで実行されるプログラムであって、情報処理装置100のコンピュータを、特定の組織の識別子又は使用するユーザの識別子に対応する、2以上の監査ルールのうち少なくとも1つの監査ルールを用いて、2以上の会計データのうち1以上の会計データを抽出する抽出部と、抽出部により抽出された会計データを出力する抽出データ出力部として機能させるための、プログラムである。また、このプログラムは、一の勘定科目に仕分けられた特定の組織に関する2以上の会計データと、勘定科目に対応付けられている1以上の分割条件とが格納される格納部110を備える情報処理装置100のコンピュータで実行されるプログラムであって、情報処理装置100のコンピュータを、2以上の会計データから、1以上の各分割条件に対応する1以上の会計データを取得する分割部と、分割条件毎に、分割部によって取得された分割済会計データに関する分割出力情報を出力する分割データ出力部として機能させるための、プログラムであって、ここで分割条件は、勘定科目の下位分類である補助科目に関する条件と会計データに対応する所定の記帳者入力項目に関する条件とのうち少なくとも一方を有するものである。
【0262】
(その他)
【0263】
図29は、上記実施の形態におけるコンピュータシステム800の概観図である。
図30は、同コンピュータシステム800のブロック図である。
【0264】
これらの図においては、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の情報処理装置100等を実現するコンピュータの構成が示されている。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現されうる。
【0265】
コンピュータシステム900は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを含む。
【0266】
コンピュータ901は、CD-ROMドライブ9012に加えて、MPU9013と、CD-ROMドライブ9012等に接続されたバス9014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM9015と、MPU9013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM9016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク9017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ901は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでもよい。
【0267】
コンピュータシステム900に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM9101に記憶されて、CD-ROMドライブ9012に挿入され、さらにハードディスク9017に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク9017に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM9016にロードされる。プログラムは、CD-ROM9101またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0268】
プログラムは、コンピュータ901に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等を、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム900がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0269】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0270】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0271】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の構成要素は、物理的に一の媒体で実現されてもよい。
【0272】
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい(この場合、分散処理を行う複数の装置により構成されるシステム全体を1つの「装置」として把握することが可能である)。
【0273】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、又は、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0274】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、又は長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、又は、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、又は、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0275】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、又は、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0276】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0277】
上述の実施の形態のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0278】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置は、容易に、ばらつきの少ない監査を行うことができるという効果を有し、情報処理装置等として有用である。
【符号の説明】
【0279】
1 情報システム
100 情報処理装置
110 格納部
120 受信部
130 受付部
140 処理部
141 新規区分特定部
143 新規情報出力部
145 分割部
147 分割データ出力部
149 監査ルール設定部
151 抽出部
153 抽出データ出力部
155 二次出力部
157 報告書構成部
160 出力部
170 送信部
600 端末装置
610 端末格納部
620 端末受信部
630 端末受付部
640 端末処理部
660 端末出力部
670 端末送信部