IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リープヘル マイニング イクイップメント カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-自動走行車両用インターロックシステム 図1
  • 特許-自動走行車両用インターロックシステム 図2
  • 特許-自動走行車両用インターロックシステム 図3
  • 特許-自動走行車両用インターロックシステム 図4
  • 特許-自動走行車両用インターロックシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】自動走行車両用インターロックシステム
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/12 20120101AFI20240611BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20240611BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20240611BHJP
【FI】
B60W50/12
B60W40/08
B60W50/10
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020081689
(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公開番号】P2020192975
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】16/412,128
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508108578
【氏名又は名称】リープヘル マイニング イクイップメント ニューポート ニューズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィットフィールド ジェイムズ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ハーパー ブライアン
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-52458(JP,A)
【文献】実開平4-33240(JP,U)
【文献】特開平8-104240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を自動モードと手動モードとで操作するよう構成された車両制御システムを備える車両であって、
前記車両制御システムは、
前記自動モードと前記手動モードとを切り換える第1選択スイッチと、
前記自動モードと前記手動モードとを切り換える第2選択スイッチと、
前記第1選択スイッチと前記第2選択スイッチとが異なるモードに切り換えられているときに、機械の推進力を停止させるように構成されているインターロック回路と、
を有する車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両において、
前記車両を前記手動モードで操作するための入力要素を有する、運転者用の車室を更に備え、
前記第1選択スイッチは前記車室内に配置され、
前記第2選択スイッチは前記車室外に配置され、
前記第2選択スイッチはまた、前記車両における、前記車両の隣の地面に立っている人がアクセスできかつ前記車室からはアクセスできない領域に配置されている車両。
【請求項3】
請求項1に記載の車両において
前記車両を前記手動モードで操作するための入力要素を有する、運転者用の車室と、
前記車室まで登るためのはしご又は階段の少なくとも一方を更に備え、
前記第1選択スイッチは、前記はしご又は前記階段の少なくとも一方を登ることでアクセスできる第1領域に配置され、
前記第2選択スイッチは、前記はしご又は前記階段の少なくとも一方を降りることでアクセスできる第2領域に配置されている車両。
【請求項4】
請求項1に記載の車両において、
前記インターロック回路は第1リレーを有し、
前記第1リレーは、該第1リレーの制御ポートに電力が供給されていないときに、前記機械の推進力を停止させるように構成され、
前記第1及び第2選択スイッチは、前記第1リレーの前記制御ポートへに電力の供給を制御するように構成され、
前記第1及び第2選択スイッチはまた、同じモードに切り換えられているときに、直列に接続されて、前記第1リレーの前記制御ポートに電力を供給する一方、異なるモードに切り換えられているときに、前記第1リレーの前記制御ポートへの電力の供給を遮断する車両。
【請求項5】
請求項4に記載の車両において、
前記インターロック回路は、前記第1リレーと直列に並べされた第2リレーを有し、
前記第1及び第2リレーは、互いに独立して前記車両の推進力を停止させることが可能であり、
前記第2リレーは、前記車両制御システムのマイクロプロセッサにより制御され、
前記マイクロプロセッサは、メモリと指示部とを含む車両。
【請求項6】
請求項1に記載の車両において、
前記インターロック回路を遠隔制御するように構成されたリモコンを更に備える車両。
【請求項7】
請求項4に記載の車両において、
前記インターロック回路は、前記第1リレーの前記制御ポートに電力を供給する第1電源ラインに配置された第3リレーを含み、
前記第3リレーはリモコンにより制御される車両。
【請求項8】
請求項4に記載の車両において、
前記車両の推進力を停止させる第3スイッチを更に備え、
前記第3スイッチは、該第3スイッチが、前記第1及び第2選択スイッチとは独立して前記第1リレーの前記制御ポートへの電力の供給を遮断する構成となるように、前記第1及び第2選択スイッチと直列接続されている車両。
【請求項9】
請求項8に記載の車両において、
パークブレーキを更に備え、
前記車両制御システムは、前記第3スイッチにより前記車両の推進力が停止されているときには、前記パークブレーキが開放されないように構成されている車両。
【請求項10】
請求項1に記載の車両において、
励起装置を含むオルタネータを更に備え、
前記インターロック回路は、前記励起装置への電力供給を遮断して、前記車両の推進力を停止させるように構成されている車両。
【請求項11】
請求項10に記載の車両において、
前記インターロック回路は、前記励起装置への電力供給を遮断するように構成された第1リレーを有し、
前記第1及び第2選択スイッチは、前記第1リレーの制御ポートへに電力の供給を制御するように構成され、
前記第1及び第2選択スイッチはまた、同じモードに切り換えられているときに、直列に接続されて、前記第1リレーの前記制御ポートに電力を供給する一方、異なるモードに切り換えられているときに、前記第1リレーの前記制御ポートへの電力の供給を遮断する車両。
【請求項12】
車両であって、
エンジンと、
励起装置を有しかつ前記エンジンにより駆動して電気エネルギーを生成するオルタネータと、
前記オルタネータによって生成された電気エネルギーによって駆動されかつ車両を推進するように構成された電気駆動装置と、
前記励起装置への電力の供給を遮断するように構成されたインターロック回路を有する安全システムと、を備え、
前記インターロック回路は、前記励起装置に電力を供給する第1電源ラインに配置された第1リレーを有し、
前記第1リレーは、該第1リレーの制御ポートが駆動していないときには、前記励起装置への電力の供給を遮断するように構成されている車両。
【請求項13】
請求項12に記載の車両において、
前記第1リレーの前記制御ポートを遠隔操作で駆動するよう構成されたリモコンを備える車両。
【請求項14】
請求項12に記載の車両において、
前記第1リレーの前記制御ポートに電力を供給する第2電源ラインに配置された少なくとも1つのスイッチを備え、
前記スイッチは、前記制御ポートへの電力の供給の遮断をマニュアルで操作することができる車両。
【請求項15】
車両であって、
エンジンと、
励起装置を有しかつ前記エンジンにより駆動して電気エネルギーを生成するオルタネータと、
前記オルタネータによって生成された電気エネルギーによって駆動されかつ車両を推進するように構成された電気駆動装置と、
前記励起装置への電力の供給を遮断するように構成されたインターロック回路を有する安全システムと、を備え、
前記電気駆動装置と接続されかつ該電気駆動装置をブレーキモードで操作する電気リターダを更に備え、
前記電気リターダは、前記インターロック回路が作動しているときには、前記電気駆動装置との接続を維持するよう構成されている車両。
【請求項16】
車両であって、
エンジンと、
励起装置を有しかつ前記エンジンにより駆動して電気エネルギーを生成するオルタネータと、
前記オルタネータによって生成された電気エネルギーによって駆動されかつ車両を推進するように構成された電気駆動装置と、
前記励起装置への電力の供給を遮断するように構成されたインターロック回路を有する安全システムと、を備え、
パークブレーキを更に備え、
前記安全システムは、前記インターロック回路が作動しているときには、前記パークブレーキと連動するよう構成されている車両。
【請求項17】
車両を制御する手動モードと自動モードとの間の移行方法であって、
前記車両は、第1選択スイッチが手動モードに切り換えられかつ第2選択スイッチが手動モードに切り換えられた状態では、前記手動モードで操作され、前記第1選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられ、かつ前記第2選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えた状態では、前記自動モードで操作され、
前記第1選択スイッチが自動モードに切り換えられかつ前記第2選択スイッチが手動モードに切り換えられている移行期間の間に、前記車両のインターロック回路が、機械の推進力を停止させるステップを含む移行方法。
【請求項18】
請求項17に記載の移行方法において、
リモコンからの信号により前記インターロック回路を停止させるステップを更に含む移行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の側面において、本開示は、自動モードと手動モードとで車両を操作するように構成された車両制御システムを備える車両に関する。
【0002】
第2の側面において、さらに本開示は、エンジンと、励起装置を有しかつエンジンにより駆動して電気エネルギーを生成するオルタネータと、オルタネータによって生成された電気エネルギーによって駆動されかつ車両を推進するように構成された電気駆動装置と、を備える車両に関する。
【0003】
第3の側面において、本開示は、車両を制御するための手動モードと自動モードとの移行方法に関する。
【背景技術】
【0004】
ダンプカーのような車両は、車両制御システムが自動で車両を制御する自動モードと、車両が運転者により制御される手動モードとを有していることがある。運転者は、手動モードで車両を制御する際に車両の車室内に座る。車両は、手動モードから自動モードに切り換え可能である。
【0005】
ダンプカーのような車両の推進力は、オルタネータを駆動するエンジンによって電力供給される電気駆動装置によって提供されてもよい。このような推進システムは、ときどきディーゼル電気と呼ばれる。ディーゼル電気車両は、運転者が車両の推進力を停止することを可能にする緊急停止装置を備えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、車両の手動モードと自動モードとの間を移行する機能及び方法を提供することにある。さらに、本開示の目的は、運転者が、車両を手動モードで操作するために車両に近づくとき、又は車両を自動モードで操作できるように車両から離れるときに、運転者を保護する機能および方法を提供することにある。
【0007】
さらに、本開示の目的は、ディーゼル電気の推進力を有する車両用のインターロック回路機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的及び他の目的は、本開示の実施形態により解決され得る。
【0009】
本開示は、2つのハードウェア選択スイッチを用いて、車両の手動モードと自動モードとの間を移行するという概念を有する。
【0010】
本開示は、けん引式オルタネータの励起装置からの供給電圧を切断するリレーを含む回路という概念を有する。
【0011】
本開示は、けん引式オルタネータの励起装置からの供給電圧を切断する回路にインターロック回路トリガーを組み込むという概念を有する。
【0012】
本開示は、人が手動運転から自動運転への移行に従事していることを検出するモード選択スイッチを使用して、励起切断回路を作動させるという概念を有する。
【0013】
第1実施形態において、車両は、該車両を自動モードと手動モードとで操作するよう構成された車両制御システムを備え、該車両制御システムは、自動モードと手動モードとを切り換える第1選択スイッチと、自動モードと手動モードとを切り換える第2選択スイッチと、第1選択スイッチと第2選択スイッチとが異なるモードに切り換えられているときに、機械の推進力を停止させるように構成されているインターロック回路と、を有する。
【0014】
ある実施形態において、第1選択スイッチと第2選択スイッチとは、単一の操作者が両方のスイッチに同時にアクセスできないように、空間的に分離されていてもよい。ある実施形態では、第1及び第2選択スイッチの各位置は、一方が地上レベルで、他方が車室レベルであってもよい。
【0015】
第2実施形態において、車両は、エンジンと、励起装置を有しかつエンジンにより駆動して電気エネルギーを生成するオルタネータと、オルタネータによって生成された電気エネルギーによって駆動されかつ車両を推進するように構成された電気駆動装置と、励起装置への電力の供給を遮断するように構成されたインターロック回路を有する安全システムと、を備える。
【0016】
第3実施形態は車両を制御する手動モードと自動モードとの間の移行方法に関し、該移行方法は、第1選択スイッチが手動モードに切り換えられかつ第2選択スイッチが手動モードに切り換えられた状態で、車両を手動モードで操作するステップと、第1選択スイッチを手動モードから自動モードに切り換えるステップと、第2選択スイッチを手動モードから自動モードに切り換えるステップと、を含み、第1選択スイッチが自動モードに切り換えられかつ第2選択スイッチが手動モードに切り換えられている移行期間の間は、インターロック回路により機械の推進力が停止される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態に係る車両の側面図である。
図2図2は、車両制御システムのダイヤグラムを例示する概略図である。
図3図3は、車両の構成要素を示す概略図である。
図4図4は、第1実施形態に係る、手動モードと自動モードとの間の移行方法のステップを示す概略図である。
図5図5は、第2実施形態に係る、手動モードと自動モードとの間の移行方法のステップを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態の車両10を例示し、この車両10は、鉱山において輸送目的で使用されるダンプカーである。このダンプカーは、100メートルトン以上のペイロードを有していてもよい。本開示の概念は、他の種類の車両にも同様に適用可能である。
【0019】
ダンプカーは、車輪1上を移動可能なシャーシ2を備える。ホイール1は、少なくとも1つのエンジンを有する駆動ユニット6により駆動する。エンジンは、ディーゼルエンジンのような内燃機関であり得る。本実施形態において、駆動ユニット6は、ディーゼル電気駆動ユニットであってもよい。車輪は、ディーゼルエンジンによって駆動されるジェネレータから動力供給される電動モータにより駆動されるものであってもよい。
【0020】
図1に示すダンプカーは、シャーシ2に載置されたダンプボディ3を備える。ダンプボディは、水平方向の枢軸を用いてシャーシに取り付けられていて、ダンプボディに積載された材料をダンプボディからダンプトラックの後方に滑り出させるために、ホイストシリンダー4により旋回可能である。
【0021】
ダンプカーは、車両を制御する車両制御システム60を更に備える。第1実施形態の車両制御システム60は図2に示す。
【0022】
第1実施形態において、車両制御システムは、自動モードと手動モードとで車両を制御するように構成されている。車両制御システムは、自動モードと手動モードとを切り換える第1選択スイッチ30と、自動モードと手動モードとを切り換える第2選択スイッチ31と、第1選択スイッチ30と第2選択スイッチ31とが異なるモードに切り換えられているときに、機械の推進力を停止させるように構成されているインターロック回路70と、を備える。この機能は、第1及び第2選択スイッチにより作動及び停止されるインターロック回路の第1ステージを供給可能である。
【0023】
自動モードでは、車両制御システムは、所定の軌道を用いて、車両を始点から終点まで自動で移動させる。車両制御システムは、車両の現在位置を識別して、所定の軌道に沿って車両を自動で制御することができる。
【0024】
手動モードでは、車両は、車両に配置された入力要素を用いて、運転者により制御される。
【0025】
図1に示すように、ある実施形態では、車両は、該車両のマニュアル操作を可能にするために、ドライバー用の車室5を更に備える。車室は、車両を手動モードで操作するための入力要素が設けられていてもよい。例えば、ステアリングホイール500やアクセルペダル51は、車両の操舵角度及び速度を制御するために、車室に設けることができる。
【0026】
この構成では、第1選択スイッチ30は車室5に配置することができ、第2選択スイッチ31は車室5の外側に配置することができる。
【0027】
ある実施形態では、第2選択スイッチ31は、車両の隣の地面に立っている人がアクセスできかつ車室5からはアクセスできない領域に配置してもよい。図1に示す実施形態では、第2選択スイッチ31は、車両のバンパーに配置されている。
【0028】
図1に示すように、車両は、車室に登るための階段7を有していてもよい。この実施形態では、車室5には、階段7を介してアクセス可能なプラットフォーム8が設けられている。
【0029】
車両制御システムは、ドライブバイワイヤ機能を提供するコントローラ32を備えていてもよい。コントローラは、車両のブレーキシステム、ステアリングシステム、及び推進システムを制御することができる。コントローラは、車両を制御するソフトウェアを作動させるマイクロコントローラを有していてもよい。ソフトウェアは、メモリに保存されていてもよい。
【0030】
手動モードに切り換えられたとき、コントローラは、入力要素500,51により与えられるコマンドに基づいて車両を制御する。自動モードに切り換えられたときには、コントローラは、自動システムにより与えられるコマンドに基づいて車両を制御する。
【0031】
第1選択スイッチ30と第2選択スイッチ31とは、ハードウェアスイッチとして構成されていてもよい。ある実施形態では、第1選択スイッチ30と第2選択スイッチとは、第1位置から第2位置へ切り換え及びその逆を手動で行うことができるように構成されていてもよい。両方のスイッチが第1位置にあるときには、コントローラは手動モードい切り換えられる。両方のスイッチが第2位置にあるときには、コントローラは自動モードに切り換えられる。
【0032】
2つのスイッチが異なる位置にあるときには、コントローラは、車両が移動しないように該車両を制御する。さらに、安全機能として、2つのスイッチが異なる位置にあるときには、車両の推進力が停止される。
【0033】
コントローラ32には、自動モードと手動モードとを切り換える第1入力部35と第2入力部36とが設けられ得る。第1入力部35が駆動しているときには、コントローラ32は手動モードで操作することができる。第2入力部36が駆動しているときには、コントローラ32は自動モードで操作することができる。第1入力部35も第2入力部36も駆動していないときには、コントローラは、車両が移動しないように該車両を制御する。
【0034】
ある実施形態では、第1及び第2選択スイッチは、第1入力部35及び第2入力部36をそれぞれ電源23に接続する電源ライン33,34と直列に配置されていてもよい。第1及び第2選択スイッチがライン33,34に配置される順序は、図2に示す構成とは逆にしてもよい。
【0035】
第1選択スイッチ30は、電源ライン33に配置された第1選択切換接続部30’と、電源ライン34に配置された第2選択切換接続部30’’とを有していてもよい。第2選択スイッチ31は、電源ライン33に配置された第1選択切換接続部31’と、電源ライン34に配置された第2選択切換接続部31’’とを有していてもよい。
【0036】
第1選択スイッチ30と第2選択スイッチ31とは、各スイッチの第1位置において、第1選択切換接続部30’,31’が閉じかつ第2選択切換接続部30’’,31’’が開くように(手動モード位置になるように)構成されており、各スイッチの第2位置において、第1選択切換接続部30’,31’が開きかつ第2選択切換接続部30’’,31’’が閉じるように(自動モード位置になるように)構成されている。
【0037】
コントローラ32を自動モードと手動モードとの間で切り換えることに加えて、第1及び第2選択スイッチは、それらが異なる位置にあるとき、機械の推進力を停止させることができる。
【0038】
ある実施形態では、車両の推進力の停止はコントローラ32とは独立している。
【0039】
ある実施形態では、車両の推進力の停止は、インターロック回路70が選択スイッチ30,31によって制御されるように、インターロック回路70に選択スイッチ30,31をハード配線することによって提供される。
【0040】
ある実施形態では、インターロック回路70は第1リレー21を有していてもよい。第1リレー21は、該第1リレーの制御ポート22が電力供給されていないときに、機械の推進力を停止させるように構成されている。
【0041】
ある実施形態では、第1選択スイッチ30と第2選択スイッチ31とは、第1リレー21の制御ポート22への電力供給を制御するように構成されている。第1及び第2選択スイッチ30,31は、同じモードに切り換えられているときに、第1リレー21の制御ポート22に電力を供給するように構成され、違うモードに切り換えられているときに、第1リレー21の制御ポート22への電力の供給を遮断するように構成されている。
【0042】
ある実施形態では、第1及び第2選択スイッチにより切り換えられる電源ライン33,34は、電源ライン52,53を介して第1リレー21の制御ポート22に接続されていてもよい、接続は並列接続であり得る。
【0043】
ある実施形態では、インターロック回路は、第1リレー21と直列に配置された第2リレー40を有していてよい、第1リレー21と第2リレー40とは、たがいに独立して車両の推進力を停止させることができる。ある実施形態では、第2リレー40は、コントローラ32のマイクロプロセッサにより制御されてもよい。コントローラ32は、推進力を停止させるようなアクションを実行するためのメモリ及び命令部を含む。
【0044】
コントローラには、第2リレー40の制御ポート41への電力供給を制御する出力部39が設けられていてもよい。
【0045】
ある実施形態では、車両制御システムは、インターロック回路70を遠隔操作するように構成されたリモコン26を有していてもよい。この機能は、インターロック回路70の第2ステージを提供することができる。この実施形態では、リモコン26は、無線インターフェースにより車両制御システムの受信部46に接続される。無線インターフェースは、無線通信により提供され得る。
【0046】
ある実施形態では、リモコン26は、車両が自動モードであるときに、車両の推進力を停止させる効果のみを有していてもよい。
【0047】
ある実施形態では、インターロック回路70の第2ステージは、第1リレー21の制御ポート22に電力を供給する第1電源ライン53に配置された第3リレー43を有してもよい。第3リレー43は、リモコン26により制御される。特に、受信部46は、第1電源ライン53に並べられた第3リレーの選択切換接続部44を閉じて、第3リレー43の制御ポート45を駆動させるためにリモコン26により制御され得る。
【0048】
第1電源ライン53は、第1及び第2選択スイッチ30,31が自動モードに切り換えられているときに、第1リレー21の制御ポート22を電源23に接続してもよい。
【0049】
第1電源ライン53は、リレー43を介して、第1リレー21の制御ポート22をライン34に接続してもよい。ライン34は、第1及び第2選択スイッチ30,31の両方が自動モードに切り換えられているときに、第1及び第2選択スイッチ30,31により駆動されてもよい。
【0050】
第1電源ライン53と並列に配置された更なる電源ライン52は、第1リレー21の制御ポート22をライン33に接続してもよい。ライン33は、第1及び第2選択スイッチ30,31の両方が手動モードに切り換えられているときに、第1及び第2選択スイッチ30,31により駆動されてもよい。これにより、リモコン26は、自動モードでのみ効果を発揮するようになる。
【0051】
コントローラ37は、受信部46と接続される第3入力部を有してもよい。これにより、コントローラは、遠隔操作されている第3リレー43のステータスを認識することができる。
【0052】
ある実施形態では、車両制御システムは、車両の推進力を停止させる第3スイッチ47を更に有していてもよい。第3スイッチ47は、第1及び第2選択スイッチ30,31と直列に接続されていて、第1及び第2選択スイッチ30,31とは独立して第1リレー21の制御ポート22への電力供給を遮断するよう構成されている。
【0053】
第3スイッチ47は、電源23と第1選択スイッチ30との間に配置され得る。第1選択スイッチ30は、第3スイッチ47の第1出力ターミナルに接続され得る。第3スイッチが閉じ状態であるときに、電源23と第1選択スイッチ30との接続が提供される。
【0054】
第3スイッチ47は、フィードバック要素49に接続される、更なる出力ターミナルを有する。フィードバック要素49は、第3スイッチにより車両の推進力が停止されていることを示す、音又は光の信号を有していてもよい。
【0055】
ある実施形態では、車両は、パークブレーキ27を更に有していてもよい。このとき、車両制御システムは、第3スイッチ47が車両の推進力を停止させているときには、パークブレーキ27が開放されないように構成されている。
【0056】
パークブレーキは、パークブレーキバルブ51を駆動させることにより開放される。ある実施形態では、リレー50が、パークブレーキバルブ51を作動させるための制御ライン58に設けられている。リレー50の制御ポートは、第3スイッチ47が閉じ状態になって、制御ライン58とパークブレーキバルブとの間の接続が形成されたときに駆動されてもよい。制御ライン58はコントローラ32に接続されていて、該コントローラ32はパークブレーキバルブ51を制御し得る。
【0057】
図2に示す実施形態では、リレー50の制御ポートは、スイッチ30に並列に接続されている。代わりの実施形態では、リレー50の制御ポートは、第1リレー21の制御ポート22に並列に接続されていてもよい。
【0058】
ある実施形態では、車両の推進システム80は、励起装置15を有するオルタネータ14を有する。インターロック回路70は、車両の推進力を停止させるために、励起装置15への電力供給を遮断するよう構成されている。励起装置15への電力供給を遮断することにより、オルタネータは車両の推進システムに電気エネルギーを供給しなくなる。
【0059】
第1リレー21の選択切換接続部28は、励起装置15を制御するフィールドレギュレータ16に電力を供給する電源ラインに配置されていてもよい。第1リレー21の制御ポート22への電力供給が遮断されたときには、選択切換接続部28が開き状態となって、フィールドレギュレータ16への電力供給を遮断する。これにより、励起装置15が停止する。励起装置15が停止することでオルタネータ14が停止する。
【0060】
第2リレー40の選択切換接続部42は、第1リレー21の選択切換接続部28に直列に配置されていてもよい。第2リレー40の制御ポート41への電力供給が遮断されるときには、選択切換接続部42が開き状態となって、フィールドレギュレータ16への電力供給が遮断される。
【0061】
代わりの実施形態では、第1及び第2リレーは、オルタネータと電気駆動装置との間の電気的接続を遮断するよう構成されていてもよい。
【0062】
代わりの実施形態では、第1及び第2リレーは、エンジンとオルタネータとを機械的に遮断するよう構成されていてもよい。
【0063】
図3は、推進システムと安全システムとを有する車両10の更なる実施形態を示す。
【0064】
ある実施形態では、車両は、エンジン11と、励起装置15を有しかつエンジン11により駆動して電気エネルギーを生成するオルタネータ14と、オルタネータ14によって生成された電気エネルギーによって駆動されかつ車両を推進するように構成された電気駆動装置18と、を備える。
【0065】
エンジン11は、クランクシャフト13を作動させる往復型ピストンを有するシリンダ12を有し得る。クランクシャフト13は、エンジンの出力軸を作動させることができる。エンジンはディーゼルエンジンであってもよい。
【0066】
エンジン11の出力軸は、オルタネータ14を回転駆動させる。オルタネータの励起装置15は、フィールドレギュレータ16により作動し得る。励起装置が作動するときには、オルタネータは、エンジン11により供給される機械エネルギーから電気エネルギーを生成することができる。励起装置が作動していないときには、オルタネータは電気エネルギーを生成することができない。
【0067】
車両は、インターロック回路20を有する安全システムを更に備えてもよい。インターロック回路20は、励起装置15への電力供給を遮断するように構成されている。
【0068】
ある実施形態では、インターロック回路20は、励起装置15に電力を供給する第1電源ライン29に配置された第1リレー21を有していてもよい。第1リレー21は、該第1リレーの制御ポート22が作動していないときには、励起装置15への電力供給を遮断するように構成されている。
【0069】
車両は、第1リレー21の制御ポート22への電力供給を遠隔操作するように構成されたリモコン26を有していてもよい。リモート制御部に遠隔で接続された受信部46は、制御ポート22に電力を供給する第2電源ライン29’での電力供給を遮断するように構成されていてもよい。すなわち、リモコンは、車両のインターロックを作動させるように構成されていてもよい。リモコンは、インターロック回路用のボタンを有していてもよい。
【0070】
車両は、第1リレー21の制御ポート22に電力を供給する第2電源ライン29’に配置された少なくとも1つのスイッチ25を有していてもよい。スイッチ25は、制御ポート22への電力供給を遮断するために手動で操作することが可能である。
【0071】
ある実施形態では、車両は、電気駆動装置18と接続されかつ電気駆動装置18をブレーキモードで操作する電気リターダ17を更に備えていてもよい。電気リターダ17は、インターロック回路20が作動しているときに、電気駆動装置18と接続したままになるように構成されている。
【0072】
電気リターダ17は、車両の電気駆動装置18のモータを操作して、車輪1にブレーキトルクを供給する。これにより、電気駆動装置18のモータは、電気エネルギーを生成する。この電気エネルギーは、抵抗器システム55により熱として放散され得るか、又はエネルギー貯蔵システムにより回収され得る。
【0073】
ある実施形態では、車両はパークブレーキ27を更に備えてもよい。安全システムは、インターロック回路20が作動しているときには、パークブレーキ27を係合状態にするように構成されている。
【0074】
図2及び図3に示す車両制御システムは、組み合わせてもよい。
【0075】
車両制御システムは、検出システムを更に有していてもよい。検出システムは、車両の位置を検出しかつ車両を取り囲むセンサを有し得る。
【0076】
車両制御システムは、軌道制御システム、ブレーキ制御システム、及びステアリング制御システムを更に有していてもよい。
【0077】
車両制御システムは、交通管理システム及び車両管理システムの少なくとも1つと通信してもよい。
【0078】
図4は、車両を制御するための手動モードと自動モードとの間の移行方法の第1実施形態を示す。この方法は以下のステップを有することができる。
【0079】
ステップS1では、車両は手動モードで操作されている。第1選択スイッチは手動モードに切り換えられており、第2選択スイッチは手動モードに切り換えられている。
【0080】
ステップS2では、第1選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられる。
【0081】
ステップS3では、第2選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられる。
【0082】
スイッチは、車両の制御を手動モードから自動モードに切り換えるために使用される。
【0083】
本方法では、機械の推進力は、第1選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられかつ第2選択スイッチが手動モードに切り換えられている移行期間の間、インターロック回路により停止される。
【0084】
インターロック回路は、第1及び第2選択スイッチにより制御される。
【0085】
ある実施形態では、本方法は更に以下のステップを含んでもよい。
【0086】
手動モードで車両を操作するステップS1と、第1選択スイッチを手動モードから自動モードに切り換えるステップS2とは、車両の車室内で実行されてもよい。
【0087】
本方法は、ステップS2の後に車室を離れるサブステップS2.1を含んでもよい。第2スイッチを手動モードから自動モードに切り換えるステップS3は、車両に隣接する地面に立ちながら実行される。
【0088】
ある実施形態では、第2スイッチを手動モードから自動モードに切り換えるステップS3の後に実行される更なるステップにおいて、運転者が車両から離れる。
【0089】
ある実施形態では、更なるステップにおいて、運転者が、遠隔操作部を用いてインターロック回路を停止させてもよい。
【0090】
本方法のある実施形態では、運転者は、ステップS3において第2選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられる前の任意の時点で、リモコンを用いてインターロック回路を作動させることができる。
【0091】
図5は、第2実施形態に係る方法を示す。第2実施形態は、第1実施形態と組み合わされてもよい。第2実施形態に係る方法は以下のステップを含むことができる。
【0092】
ステップS4において、車両は手動モードで操作されている。第1選択スイッチは手動モードに切り換えられかつ第2選択スイッチは手動モードに切り換えられている。このステップは、第1実施形態のステップS1に対応する。
【0093】
ステップS5において、第1選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられる。これにより、機械の推進力を停止させるインターロック回路の第1ステージが作動する。ある実施形態では、インターロック回路の第1ステージは、インターロック回路への電力供給を遮断する第1選択スイッチにより作動する。このステップは、第1実施形態のステップS2に対応する。
【0094】
本方法のある実施形態では、ステップS6において、運転者がリモコンを用いてインターロック回路の第2ステージを作動させる。この代わりに、又はこれに加えて、第2ステージは、ステップS5において、第1選択スイッチが自動モードに切り換えられることで自動的に作動する。
【0095】
手動モードで車両を操作するステップS4と、第1選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられるステップS5とは、車両の車室内で実行されてもよい。すなわち、本方法は車室を離れるステップS7を含んでもよい。このステップは、第1実施形態のサブステップS2.1に対応する。
【0096】
ステップS8において、第2選択スイッチは、手動モードから自動モードに切り換えられる。これにより、インターロック回路の第1ステージが停止される。ある実施形態では、インターロック回路の第1ステージは、インターロック回路に電力供給するスイッチング状態にある第1及び第2選択スイッチによって停止され得る。電力は、第2ステージによりインターロック回路から、未だ遮断されている。このステップは、第1実施形態のステップS3に対応する。
【0097】
第2選択スイッチを手動モードから自動モードに切り換えるステップS5の後に実行されるステップS9では、運転者が車両から離れる。
【0098】
ステップS10では、運転者が、リモコンを用いてインターロック回路を停止させて、機械の推進力をアクティブにする。これは特に、第2ステージを停止させることにより、インターロック回路への電力供給をオンにすることを含む。ある実施形態では、これは特に、リモコンによりインターロック回路の第2ステージを停止させることを含む。
【0099】
ステップS6は、ステップS8において第2選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられる前の任意の時点で実行されてもよい。
【0100】
第2選択スイッチが手動モードから自動モードに切り換えられるステップS8は、車両に隣接する地面に立った状態で実行されてもよい。
【0101】
本方法は、自動モードから手動モードに移行するステップを更に含んでもよい。この目的のために、前述と同じ手順を逆の順序で実行すればよい。
【0102】
本方法は、図1に示すような車両、図2に示すような車両制御システム、及び図3に示すような車両の推進システム及び安全システムのうちの少なくとも1つで実行することができる。
【0103】
ある実施形態では、前述したインターロック回路は、車両の緊急停止機能を提供する。ある実施形態では、インターロック回路は緊急停止部として構成されている。
【0104】
したがって、本開示は、追加的な安全機能として、高い安全整合性レベルで電気駆動システムの電源を切るという概念を提供する。これは、計算機やソフトウェアを使用せずに、機械の動力源を確実にオフにするためである。これは、けん引式オルタネータの励起装置への電力を除去するリレーを備えた回路によって達成することができる。励起装置無しでは、機械が推進力を生成することはできない。 これにより、機械の意図しない推進が防止される。
【0105】
第1の使用例は、手動運転から自動運転(及びその逆)への安全な移行を含み、安全機能は、高い安全度の整合性レベルで機械の推進力を保証することができる。
【0106】
第2の使用例は、システムの誤動作が自動車両の暴走をもたらす可能性を含む。本開示の回路には、非常停止装置への接続が含まれており、遠隔監視者からの非常停止信号により、遠隔で励起装置の接続を切断させて、機械から推進力を取り除くことができる。

図1
図2
図3
図4
図5