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▶ 細谷 隆の特許一覧

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  • 特許-投てき装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】投てき装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 65/08 20060101AFI20240611BHJP
   A63H 27/127 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A63B65/08
A63H27/127 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020083901
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021177874
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】520169052
【氏名又は名称】細谷 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】細谷 隆
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-093660(JP,A)
【文献】特開2002-078837(JP,A)
【文献】特許第6114455(JP,B1)
【文献】特開2003-284873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0098768(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 61/00-65/12
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内環部及び当該内環部の周囲に設けられる翼部を備えたブーメランを投てきするために用いられる投てき装置であって、
内輪及び外輪を有するベアリングと、
前記ベアリングの回転中心軸方向の一方側から前記内輪に固定される固定軸と、
前記ベアリングの回転中心軸方向の他方側から前記内輪に固定される案内軸と、
前記外輪に設けられ、径方向外側に突出すると共に、前記内環部に前記案内軸挿入させた状態で前記翼部が表面に接触するようにして前記ブーメランが載置されるプレート部と、
固定軸の下方において当該固定軸の外周を被覆するように設けられた把持部と、
前記ベアリングの回転中心軸方向の他方向側に当該ベアリングと重ねて設けられ、前記固定軸及び前記案内軸のうち少なくともいずれか一方に内輪が固定され、前記ベアリングとは独立に回転可能な他のベアリングと、
を備え、
前記案内軸の外径は前記内環部の内径より小さく構成され、前記プレート部を前記ベアリングの回転中心軸周りに回転させることで、前記翼部を共に回転させて前記ブーメランに回転力を付与する投てき装置。
【請求項2】
前記プレート部の前記表面には滑り止め部材が設けられる請求項1に記載の投てき装置。
【請求項3】
前記プレート部は、前記ベアリングの回転中心軸を回転対称軸として、径方向外側に突出すると共に前記翼部が載置される載置部を少なくとも2以上備える請求項1又は請求項2に記載の投てき装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投てき装置に関し、特に、ブーメラン等の投てき具を投てきするための投てき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブーメラン、フラィングディスクなどの投てき具が知られている。例えば、ブーメランは古くよりオーストラリアのアボリジニが狩猟や儀礼に用いた「く」の字形のものがよく知られてきたが、近年では、3枚又は4枚の翼部が中心部から放射状に延出されたものが玩具或いは競技用のブーメランとして普及している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
熟練者がブーメランを投てきすると、ブーメランは円弧状の軌跡を描くようにして手元に戻ってくる。また、熟練者であれば20m以上の飛距離を得ることも容易である。しかしながら、初心者にとって熟練者のように投てきすることは極めて困難である。また、ブーメランを投てきした際に上手く手元に戻ってくるようにするには、例えば、特許文献2に開示されるようにチューニングと称される作業が重要になる。厚紙製、プラスチック(発泡ポリプロピレン製薄板等含む)プレート等からなるブーメランにおいては、例えば、翼部に折り目や反りを加える等によりチューニングを行うが、初心者にとってはこのような作業も困難である。さらにブーメランを投てきして遊んだり、練習するための場所を確保することも難しいことから、ブーメランの競技人口の少なさにもつながっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-112382号公報
【文献】特開2002-159604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、ブーメラン等の投てき具で楽しく遊ぶことができる投てき装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る投てき装置は、内環部及び当該内環部の周囲に設けられる翼部を備えたブーメランを投てきするために用いられる投てき装置であって、内輪及び外輪を有するベアリングと、前記ベアリングの回転中心軸方向の一方側から前記内輪に固定される固定軸と、前記ベアリングの回転中心軸方向の他方側から前記内輪に固定される案内軸と、前記外輪に設けられ、径方向外側に突出すると共に、前記内環部に前記案内軸挿入させた状態で前記翼部が表面に接触するようにして前記ブーメランが載置されるプレート部と、固定軸の下方において当該固定軸の外周を被覆するように設けられた把持部と、前記ベアリングの回転中心軸方向の他方向側に当該ベアリングと重ねて設けられ、前記固定軸及び前記案内軸のうち少なくともいずれか一方に内輪が固定され、前記ベアリングとは独立に回転可能な他のベアリングと、を備え、前記案内軸の外径は前記内環部の内径より小さく構成され、前記プレート部を前記ベアリングの回転中心軸周りに回転させることで、前記翼部を共に回転させて前記ブーメランに回転力を付与することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る投てき装置において、前記プレート部の前記表面には滑り止め部材が設けられることが好ましい。
【0009】
本発明に係る投てき装置において、前記プレート部は、前記ベアリングの回転中心軸を回転対称軸として、径方向外側に突出すると共に前記翼部が載置される載置部を少なくとも2以上備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る投てき装置は、内環部及び当該内環部の周囲に設けられる翼部を備えた投てき具を投てきするために用いられる装置である。当該投てき装置は、固定軸に内輪が固定されたベアリングを有し、当該ベアリングの外輪には投てき具が載置されるプレート部が備えられている。プレート部を固定軸の軸まわりに回転させれば、翼部をプレート部と共に回転させて、投てき具に回転力を付与することができる。投てき具はプレート部に載置されているため、投てき装置を傾けつつ前方に投てき具を投てきしたり、投てき装置の姿勢を維持した状態で上方に投てき具を投てきすることができる。プレート部はベアリングの外輪に設けられているため、プレート部を一度回転させれば、ベアリングにより摩擦が低減されて、プレート部を長く回転させることができる。また、当該投てき装置は案内軸を備えているため、案内軸により投てき具を投てきする方向を案内すると共に、手元に戻ってきた投てき具を案内軸により内環部をキャッチして、プレート部上に再び載置させることができる。そのため、プレート部の回転が継続している間は、繰り返し投てき具を投てきすることができる。
【0011】
このように、本発明に係る投てき装置によれば、誰でもブーメラン等の投てき具で楽しく遊ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態の投てき装置の構成を説明するための模式図であり、(a)は側面図であり、(b)は(a)の上面図であり、(c)は(a)のAA矢視断面図である。
図2】本発明の実施の形態の投てき装置を用いて投てき可能な投てき具としてのブーメランの一例を示す上面図である。
図3図1(a)に示す投てき装置を用いて、図2に示す投てき具を投てきする際の手順の一の例を示す模式図である。
図4図1(a)に示す投てき装置を用いて、図2に示す投てき具を投てきする際の手順の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る投てき装置の実施の形態を説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態の投てき装置10と、投てき具としてのブーメラン20の構成を説明する。図1(a)は投てき装置10を正立姿勢に配置したときの側面図である。図1(a)に示すように当該投てき装置10はベアリング11と、ベアリング11の回転中心軸Oに沿う軸方向の一方側に設けられる固定軸12と、ベアリング11の他方側に設けられる案内軸13と、ベアリング11の外輪11aに設けられ、径方向外側に突出するように設けられるプレート部14とを備えている。以下、図1(a)に示すように投てき装置10を配置したときに、ベアリング11に対して固定軸12が配置される側を「下」側とし、ベアリング11に対して案内軸13が配置される側を「上」側とする。また、固定軸12及び案内軸13と、ベアリング11の回転中心軸Oとは同軸とされる。
【0014】
ベアリング11は、上記外輪11aと、図示しない内輪を備え、外輪11aと内輪との間には移動体を備えている。移動体はボールでもコロでもよく、当該ベアリング11はボールベアリング又はローラベアリングのいずれであってもよい。本実施の形態の投てき装置10ではボールベアリングを用いた。また、本実施の形態の投てき装置10では、プレート部14が設けられるベアリング11の上側に当該ベアリング11と同型の他のベアリング15を2つ備えている。これらのベアリング11、15の内輪はそれぞれ互いに固定されている。
【0015】
固定軸12は、ベアリング11の下側から、ベアリング11の内輪に固定される。固定軸12の下方には把持部12aが設けられている。把持部12aは固定軸12の外周を被覆するように設けられた弾性体等からなり、ユーザが把持部12aを把持することができるようになっている。なお、図1(c)において固定軸12の内部にハッチングを付しているが、固定軸12は中空であってもよい。中空の固定軸12を用いれば、投てき装置10の軽量化を図ることができる。また、固定軸12を中実とすれば投てき装置10の重量が増し、ブーメラン20を投てきするさいの安定性が増す場合もある。
【0016】
案内軸13はベアリング11の上側から、上記他のベアリング15を介してベアリング11の内輪に固定されている。案内軸13は最も上方に配置された上記他のベアリング15から上方に突出している。
【0017】
プレート部14はベアリング11の外輪11aに、径方向外側に突出するように設けられる。プレート部14の上面には滑り止め部材16が設けられている。図2に示すブーメラン20の内環部21を案内軸13及び他のベアリング15に挿入させると、ブーメラン20の翼部22がプレート部14の上面に滑り止め部材16を介して載置されるよう構成されている。
【0018】
他のベアリング15及びベアリング11の間にはそれぞれワッシャー(図示略)が設けられ、各ベアリング11,15はそれぞれ独立に回転可能である。
【0019】
より詳細に説明する。図1(b)に示すように、本実施の形態ではプレート部14は、環状に形成された環状載置部14a(載置部)を3つ備え、各環状載置部14aはベアリング11の回転中心軸Oを回転対称軸として等間隔に径方向外側に突出するように設けられている。滑り止め部材16は平面視において略円形を呈し、環状載置部14aの上面に設けられている。環状載置部14aは例えばプラスチック製成形体の内側にそれぞれ重りを内包させたもの、プラスチック製リング状枠体の内側にリング状又は環状の重りを嵌装させたもの、或いは金属製等、所定の程度重量を有するものとすることが好ましい。
【0020】
ユーザは隣接する環状載置部14aの間に指先を挿入して、一の環状載置部14aを回転中心軸Oの軸周りに押すことで、当該プレート部14を回転中心軸O周りに回転させることができるようになっている。プレート部14は、例えば、ハンドスピナー(登録商標)のような外観を呈する。また、プレート部14はベアリング11の外輪11aに設けられ、ハンドスピナーの様に、一度回転させると、回転中心軸Oの軸周りに長時間滑らかに回転させることができる。各環状載置部14aの形状や重量を適宜調整することで、プレート部14の回転持続可能時間を調整することができる。
【0021】
滑り止め部材16は、ブーメラン20を構成する材料に対して摩擦力の高い表面を有する材料からなり、表面に凹凸を有するゴム状部材又は弾性部材等により構成される。
【0022】
次に、図2を参照して、ブーメラン20について説明する。図2はブーメラン20の上面図である。ブーメラン20は本発明にいう投てき具である。ブーメラン20は、略重心位置に設けられた内環部21と、当該内環部21の周囲に設けられる翼部22とを備えている。本実施の形態では、内環部21の周囲に同形状の翼部22が等間隔で3つ設けられている。当該ブーメラン20は発泡ポリプロピレン製薄板を所定形状に切り抜いたものであり、各翼部22にはその長尺方向に沿って山折りの折り目(以下、第一の折り目23)が設けられており、その根元付近(内環部21に近い位置)には略三角形の谷折りの折り目(以下、第二の折り目24)が設けられており、当該第二の折り目24の外側には三角形の二辺を成す山折りの折り目(以下、第三の折り目25)が設けられている。図示は省略するが、翼部22は僅かな反りを有し、当該ブーメラン20を図2に示すように載置したとき、翼部22の先端が内環部21よりも上方に位置する。但し、これらの折り目(第一の折り目23~第三の折り目25)を設ける位置や山折りとするか谷折りとするか等は、当該ブーメラン20の重心位置や翼部22の形状等に応じて、適宜、変更することができる。
【0023】
また、ブーメラン20の内環部21の内径は、投てき装置10の案内軸13の外径より大きく、上記他のベアリング15の外径よりも大きく形成されている。そのため、ブーメラン20をプレート部14に載置する際に、容易に内環部21が案内軸13に挿入されるようにすることができる。
【0024】
次に、図3及び図4を参照して、当該投てき装置10によりブーメラン20を投てきする際の動作を説明する。まず、図3を参照して、ブーメラン20を投てきする際の手順の一例を説明する。図3(a)に示すように、ブーメラン20の内環部21に案内軸13及び上記他のベアリング15が挿入されるようにして、ブーメラン20をプレート部14に載置する。このとき、ブーメラン20の翼部22はプレート部14の上面に滑り止め部材16を介して載置される。このようにブーメラン20をプレート部14に載置した状態で、ユーザが把持部12aを把持しつつ、指先等でプレート部14を回転中心軸Oの軸周りに回転させると、プレート部14と共にブーメラン20も回転する。このとき、滑り止め部材16により各環状載置部14aと翼部22との間には摩擦力が作用し、各環状載置部14aに対して翼部22は相対的静止状態となる。この状態で、図3(b)、(c)に示すように投てき装置10を傾けつつ、前方に勢いをつけるようにすると、内環部21が他のベアリング15及び案内軸13から外れて、ブーメラン20が立てた状態で前方に投てきされる。なお、図3(b)、(c)に一点鎖線で示すのは、それぞれ図3(a)、(b)に示す状態である。
【0025】
投てき装置10を用いて、このようにしてブーメラン20を投てきすれば、ブーメラン20に当該投てき装置10により十分な回転力が付与されていれば、ブーメラン20は円弧を描きながら飛翔し、ユーザの手元に戻ってくる。一方、ブーメラン20を投てきした後も、ベアリング11により摩擦力が低減されているため、プレート部14は回転し続けている。そのため、ブーメラン20がユーザの手元に戻ってきたとき、案内軸13を内環部21に挿入させることにより、ブーメラン20を再度プレート部14に載置させつつ、ブーメラン20をプレート部14と共に再び回転させることができる。そのため、再度、図3(a)に示す状態となる。従って、再度、図3(b)、(c)に示す動作を行うことで、ブーメラン20を投てきすることができる。プレート部14の回転が停止するまでの間、或いは、プレート部14の回転速度が低下してきたときにユーザが再びプレート部14を回転させることで、ユーザは何度も繰り返しブーメラン20を投てきすることができる。
【0026】
次に、図4を参照しながら、ブーメラン20を投てきする際の手順の他の例を説明する。まず、上述した例と同様に、ブーメラン20の内環部21に案内軸13及び上記他のベアリング15が挿入されるようにして、ブーメラン20をプレート部14に載置し、プレート部14を回転中心軸Oの軸周りに回転させて、ブーメラン20に回転力を付与する(図4(a)参照)。この状態で、図4(b)、(c)に示すように投てき装置10を勢いよく上方に持ち上げた後、下方に移動させる。すると、内環部21が他のベアリング15及び案内軸13から外れて、ブーメラン20が略水平状態で回転したまま投てきされる。このとき、ブーメラン20には揚力が働き、上方に移動する。ブーメラン20の回転速度が低下してくると、ブーメラン20は下方に落下する。ユーザがブーメラン20の落下位置に移動し、案内軸13を内環部21に挿入させることにより、ブーメラン20を再度プレート部14に載置させることで、上述した例と同様にブーメラン20をプレート部14と共に再び回転させることができる。そのため、再度、図4(b)、(c)に示す動作を行うことで、ブーメラン20を再び上方に投てきさせることができる。或いは、ブーメラン20を再びプレート部14に載置させた後に、図3(b)、(c)に示す動作を行えば、ブーメラン20が円弧を描くように投てきさせることができる。
【0027】
以上のように、本実施の形態の投てき装置10によれば、内環部21及び内環部21の周囲に複数の翼部22を備えたブーメラン20をモータ等の電動機を用いることなく投てきすることができる。また、当該投てき装置10では、プレート部14を固定軸12の軸まわりに回転させることで、翼部22をプレート部14と共に回転させて、ブーメラン20に回転力を付与することができる。上述のとおり、ブーメラン20はプレート部14に単に載置されているため、投てき装置10を傾けつつ前方に勢いをつけたり、投てき装置10の姿勢を正立姿勢に維持したままで上下に勢いをつけて移動させることで、簡易にブーメラン20を投てきすることができる。
【0028】
また、上記投てき装置10によればプレート部14を一度回転させれば、ベアリング11により摩擦が低減されているため、プレート部14を長く回転させることができる。そして、上記投てき装置10は案内軸13を備えているため、案内軸13によりブーメラン20を投てきする方向を案内したり、手元に戻ってきたブーメラン20の内環部21を案内軸13に挿入させてキャッチすることで、プレート部14上にブーメラン20を再び載置させることができる。そのため、プレート部14の回転が継続している間は、繰り返しブーメラン20を投てきすることができる。
【0029】
さらに、上記投てき装置10では、プレート部14が設けられたベアリング11の上方に当該ベアリング11と同型の他のベアリング15を2つ備えている。他のベアリング15はベアリング11とは異なる回転速度で回転させることができる。そのため、ブーメラン20が投てきされるとき、或いは、ブーメラン20を当該投てき装置10によりキャッチするときに、内環部21が案内軸13に当接して摩擦力が生じてブーメラン20の回転速度が低下するのを抑制することができる。また、当該他のベアリング15を設けることで、案内軸13の外径を例えばベアリング11の外径よりも2/3以下、或いは1/2以下等に小さくして、案内軸13の外径とブーメラン20の内環部21の内径との差が大きくなったときも、ブーメラン20の内環部21の略中心がベアリング11の回転中心軸Oと一致またはその近傍に配置されるような状態として、ブーメラン20をプレート部14により回転させることが容易になる。
【0030】
このように、本実施の形態の投てき装置10によれば、誰でもブーメラン20で楽しく遊ぶことができ、ブーメラン20に回転力を付与しつつ投てきすることが容易である。そのため初心者であっても少し練習を行えば、手元に戻ってくるようにブーメラン20を投てきすることができる。
【0031】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施の形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0032】
例えば、上記実施の形態では、プレート部14は環状載置部14aを3つ備える構成としたが、プレート部14の構成は特に限定されるものではない。プレート部14はベアリング11の外輪11aに設けられ、ベアリング11の回転中心軸Oの軸周りに回転し、ブーメラン20等の翼部22が載置可能に構成されていればよい。
【0033】
プレート部14の好ましい形態として、上記実施の形態の投てき装置10のように、ベアリング11の回転中心軸Oを回転対称軸として、径方向外側に突出すると共にブーメラン20の翼部22等の投てき具の翼部が載置される載置部(環状載置部14a)を少なくとも2以上備えるようにすれば、ユーザが載置部を指先で押す等によりプレート部14を容易に回転させることができて好ましい。本発明において載置部の形状は、図1に示す環状の環状載置部14aに限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。また、例えば、プレート部14全体をベアリング11及び固定軸12と同軸であり、固定軸12の外径よりも外径が大きいリング状に構成してもよい。
【0034】
また、上記実施の形態では、投てき具として図2に示す形状のブーメラン20を採用したが、ブーメラン20の翼部22の数や翼部22の形状等の具体的な構成は図2に示す例に限定されるものではない。例えば、翼部22の数は2つであってもよいし、4つであってもよい。また、内環部21の周囲に環状の翼部(22)を備えたリング状のフラィングディスクであってもよい。このように投てき具は、内環部(21)と内環部(21)の周囲に翼部(22)が設けられたものであれば、投てき具の具体的な態様は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
10 :投てき装置
11 :ベアリング
11a :外輪
12 :固定軸
12a :把持部
13 :案内軸
14 :プレート部
14a :載置部(載置部)
15 :他のベアリング
16 :滑り止め部材
20 :ブーメラン
21 :内環部
22 :翼部
23 :第一の折り目
24 :第二の折り目
25 :第三の折り目
O :回転中心軸
図1
図2
図3
図4