(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】販売支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20240611BHJP
【FI】
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2020112334
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】520237649
【氏名又は名称】岸 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】岸 正
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150091(JP,A)
【文献】特表2019-505054(JP,A)
【文献】特開2004-94360(JP,A)
【文献】特開2002-189847(JP,A)
【文献】特開2002-236793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー識別情報と商品・サービスの購入順番である購入順番情報とを関連付けて記憶する購入順番記憶手段と、
前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、第1の金額で販売される前記商品・サービスの購入を希望する第1のユーザーに対応する前記購入順番情報を判定し、判定した前記購入順番情報と前記第1のユーザーに関する前記ユーザー識別情報とを対応付けて前記購入順番記憶手段に記憶させる購入順番登録手段と、
前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、
所定のタイミングにおいて、前記商品・サービスの購入者数を計数する購入者数計数手段と、
前記第1の金額の一部である第2の金額に前記購入者数を乗じた金額に基づき算出され、前記商品・サービスの購入者へ還元される還元総金額を算出する還元総金額算出手段と、
小さい前記購入順番情報と対応付けて記憶される前記ユーザー識別情報で識別されるユーザーほど受け取る金額が多くなるように前記還元総金額を各ユーザーに振り分けることによって、前記購入順番記憶手段に記憶される前記ユーザー識別情報によって識別されるユーザー毎に受け取る還元金額を算出する還元金額算出手段と、を有することを特徴とする販売支援装置。
【請求項2】
前記購入順番記憶手段において、前記ユーザー識別情報、前記購入順番情報及び前記商品・サービスの購入口数が関連付けて記憶される場合、
前記購入順番登録手段が、前記第1のユーザーに関し、前記購入順番情報、前記ユーザー識別情報及び前記購入口数を関連付けて登録し、
前記購入者数計数手段が、前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、前記商品・サービスの販売数量を計数し、
前記還元総金額算出手段が、前記購入者数に代えて、前記第2の金額に前記販売数量を乗じた金額に基づき前記還元総金額を算出することを特徴とする請求項
1に記載の販売支援装置。
【請求項3】
購入順番登録手段が、購入順番記憶手段において関連付けて記憶されるユーザー識別情報と商品・サービスの購入順番である購入順番情報とに基づいて、第1の金額で販売される前記商品・サービスの購入を希望する第1のユーザーに対応する前記購入順番情報を判定し、判定した前記購入順番情報と前記第1のユーザーに関する前記ユーザー識別情報とを対応付けて前記購入順番記憶手段に記憶させるステップと、
購入者数計数手段が、前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、
所定のタイミングにおいて、前記商品・サービスの購入者数を計数するステップと、
還元総金額算出手段が、前記第1の金額の一部である第2の金額に前記購入者数を乗じた金額に基づき算出され、前記商品・サービスの購入者へ還元される還元総金額を算出するステップと、
還元金額算出手段が、
小さい前記購入順番情報と対応付けて記憶される前記ユーザー識別情報で識別されるユーザーほど受け取る金額が多くなるように前記還元総金額を各ユーザーに振り分けることによって、前記購入順番記憶手段に記憶される前記ユーザー識別情報によって識別されるユーザー毎に受け取る還元金額を算出するステップと、を含むことを特徴とする販売支援方法。
【請求項4】
前記購入順番記憶手段において、前記ユーザー識別情報、前記購入順番情報及び前記商品・サービスの購入口数が関連付けて記憶される場合、
前記購入順番登録手段が、前記第1のユーザーに関し、前記購入順番情報、前記ユーザー識別情報及び前記購入口数を関連付けて登録し、
前記購入者数計数手段が、前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、前記商品・サービスの販売数量を計数し、
前記還元総金額算出手段が、前記購入者数に代えて、前記第2の金額に前記販売数量を乗じた金額に基づき前記還元総金額を算出することを特徴とする請求項
3に記載の販売支援方法。
【請求項5】
コンピューターに、請求項
3又は4に記載の方法を実行させるための販売支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
商品・サービスの販売活動を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品・サービスの開発スピードが上昇し、類似する特性を備える商品・サービスが短期間のうちに市場へ続々投入されるケースが散見される。
【0003】
そのような商品・サービスを購入する側としては、購入対象の陳腐化及びそれに伴う価格下落のリスクを抱えることとなる。一方、製造・販売する側は、見込み客の長考・買い控え・目移りによって生じる投資回収タイミングの遅延又は投資未回収というリスクに曝されることとなる。
【0004】
こういった背景の下、特許文献1では、売り手には商品の開発費の早期回収を実現させ、買い手には割高な価格での買い急ぎになってしまうリスクを低減させる販売管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術においては、その動作原理の中に将来予測が入り込むため、販売者・購入者両方にとって当初シナリオ未実現のリスクがあり、また、販売者にとっては、そうした事態に伴う信用失墜のリスクが生じるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明では、上記問題点を鑑み、リスクを負って早期購入した者に報いると共に、商品・サービスに関する需要の顕在化を早め、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行うことができる販売支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示する販売支援装置の一形態は、ユーザー識別情報と商品・サービスの購入順番である購入順番情報とを関連付けて記憶する購入順番記憶手段と、前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、第1の金額で販売される前記商品・サービスの購入を希望する第1のユーザーに対応する前記購入順番情報を判定し、判定した前記購入順番情報と前記第1のユーザーに関する前記ユーザー識別情報とを対応付けて前記購入順番記憶手段に記憶させる購入順番登録手段と、前記購入順番記憶手段に記憶される情報に基づいて、所定のタイミングにおいて、前記商品・サービスの購入者数を計数する購入者数計数手段と、前記第1の金額の一部である第2の金額に前記購入者数を乗じた金額に基づき算出され、前記商品・サービスの購入者へ還元される還元総金額を算出する還元総金額算出手段と、小さい前記購入順番情報と対応付けて記憶される前記ユーザー識別情報で識別されるユーザーほど受け取る金額が多くなるように前記還元総金額を各ユーザーに振り分けることによって、前記購入順番記憶手段に記憶される前記ユーザー識別情報によって識別されるユーザー毎に受け取る還元金額を算出する還元金額算出手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
開示する販売支援装置は、リスクを負って早期購入した者に報いると共に、商品・サービスに関する需要の顕在化を早め、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る販売支援装置の概要を説明する図である。
【
図2】本実施の形態に係る販売支援装置の概要を説明する図である。
【
図3】本実施の形態に係る販売支援装置の機能ブロック図である。
【
図4】本実施の形態に係る購入順番記憶手段の一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る販売支援装置のハードウエア構成例を示す図である。
【
図6】本実施の形態に係る販売支援装置による購入時処理例の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本実施の形態に係る販売支援装置による還元時処理例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る販売支援装置の動作原理)
【0012】
図1乃至4を用いて、本実施の形態に係る販売支援装置(以下、単に「本装置」という。)100の動作原理について説明する。
図1及び2は、本装置100の概要を説明するための図であり、
図3は、本装置100の機能ブロック図である。
図4は、購入順番記憶手段110の一例を示した図である。
【0013】
図1で示すように、本装置100は、通信ネットワーク340を介して、商品・サービス240の購入者であるユーザー210が操作するユーザー端末230と接続される。ユーザー端末230は、スマートフォンのような携帯情報端末であっても良く、ノートブック型・デスクトップ型を特に限定しないパーソナルコンピューターであっても良い。
【0014】
本装置100は、ユーザー端末230からユーザー210の商品・サービス240に対する購入希望を受け付け、ユーザー210が何番目の購入者であるかを判定し記録する。なお、本装置100は、インターネット上の仮想店舗における電子商取引を実現させるサーバー装置と考えても良い場合がある。また、購入者210の順番は、任意の時点から数え始めることができる。
【0015】
一方、本装置100は、所定のタイミングにおいて、商品・サービス240の購入者数290を数えると共に、購入者数290に所定の金額270を掛けることによって、商品・サービス240の購入者へ還元する総金額310を算出する。所定の金額270とは、商品・サービス240の代金260の一部であって、商品・サービス240の販売計画における粗利益の額よりも小さく設定されることが好適である。事業者が、一回毎の販売において事業を成立させる(利益を出す)ことができるようにするためである。
【0016】
本装置100は、購入順番250が早いユーザー210ほど個々に還元される金額320が大きくなるように、還元総金額310を個々のユーザー210へ割り振った後、割り振った還元金額320を個々のユーザー210へ提供する。
【0017】
こうして本装置100は、リスクを負って早期購入した者210に報いる。また、本装置100は、ユーザー210に早期購入のインセンティブを与え、その購買行動を早めることによって、商品・サービス240に関する需要の顕在化を早め、そして、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行わせる。
【0018】
本装置100は、別の形態での実施も可能である。
図2で示すように、例えば、ユーザー210がスーパーマーケットのような実店舗において、商品・サービス240を購入する場面が想定される。このとき、ユーザー210がPOSレジ(Point Of Sale system)において商品・サービス240を購入しようとするとき、本装置100は、POSレジからユーザー210の商品・サービス240に対する購入希望を受け付ける。そして、本装置100は、ユーザー210が何番目の購入者であるかを判定し記録する形態としても良い。
【0019】
本装置100は、所定のタイミングにおいて、商品・サービス240の購入者数290を数えると共に、購入者数290に所定の金額270を掛けることによって、商品・サービス240の購入者へ還元する総金額310を算出する。
【0020】
そして、本装置100は、購入順番250が早いユーザー210ほど個々に還元される金額320が大きくなるように、還元総金額310を個々のユーザー210へ割り振った後、割り振った還元金額320を個々のユーザー210へ提供する。
【0021】
こうして本装置100は、実店舗における商品・サービス240の購入についても、リスクを負って早期購入した者210に報いることができる。また、本装置100は、ユーザー210に早期購入のインセンティブを与え、その購買行動を早めることによって、商品・サービス240に関する需要の顕在化を早め、そして、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行わせることができる。
【0022】
図3で示すように、本装置100は、購入順番記憶手段110、購入順番登録手段120、購入者数計数手段130、還元総金額算出手段140、還元金額算出手段150、還元処理手段160を有する。
【0023】
購入順番記憶手段110は、ユーザー識別情報220、商品・サービス240の購入順番である購入順番情報250、商品・サービス240の購入口数280を関連付けて記憶する。ユーザー識別情報220とは、商品・サービス240の購入者であるユーザー210を識別する情報であり、その形態は特に限定されない。商品・サービス240は、第1の金額260で販売されるものとする。
【0024】
購入順番情報250は、任意の時点から順番を数え始められるものとする。購入口数280は、各ユーザー210による商品・サービス240の購入点数である。また、購入順番記憶手段110は、必ずしも本装置100が備えている必要は無く、本装置100以外の装置が備える構成であっても良い。
【0025】
図4で示すように、購入順番記憶手段110は、例えば、購入順番情報250:“1”、ユーザー識別情報220:“SATO”、購入口数280:“3(個)”を関連付けて記憶する。また、購入順番記憶手段110は、それら情報250、220、280に、後述する還元金額320の還元先に関する情報を関連付けて記憶する形態としても良い。還元金額320の還元先とは、預貯金口座情報、クレジットカードの番号情報、企業通貨のID情報等である。
【0026】
購入順番登録手段120は、第1の金額260で販売される商品・サービス240について、ユーザー210による購入希望を受け付ける。購入順番登録手段120は、購入順番記憶手段110に記憶される情報250、220、280に基づいて、商品・サービス240の購入を希望するユーザー210に対応する購入順番情報250を判定する。そして、購入順番登録手段120は、判定した結果の購入順番情報250、該当ユーザー210のユーザー識別情報220、購入口数280を対応付けて購入順番記憶手段110に記憶させる。
【0027】
図4で示すように、購入順番登録手段120は、判定した結果の購入順番情報250:“N”、該当ユーザー210のユーザー識別情報220:“SASAKI”、購入口数280:“2”を対応付けて購入順番記憶手段110に記憶させる。
【0028】
購入者数計数手段130は、購入順番記憶手段110に記憶される情報250、220、280に基づいて、商品・サービス210の購入者数290を計数する。また、購入者数計数手段130は、購入順番記憶手段110に記憶される情報280に基づいて、商品・サービス210の総販売数量300を計数する形態としても良い。
図4の例では、購入者数計数手段130は、購入順番記憶手段110に記憶される情報250に基づいて、購入者数290:“N(人)”を計数する。
【0029】
還元総金額算出手段140は、第1の金額260の一部である第2の金額270に購入者数290を乗じた金額に基づき算出され、商品・サービス240の購入者210へ還元される原資となる還元総金額310を算出する。
【0030】
還元総金額算出手段140は、第2の金額270に購入者数290を乗じた金額を還元総金額310とする形態であっても良い。また、還元総金額算出手段140は、第2の金額270に購入者数290を乗じた金額に、販売促進費など所定の金額を加算したものを還元総金額310とする形態であっても良い。
【0031】
還元総金額算出手段140は、第2の金額270に販売数量300を乗じた金額を還元総金額310とする形態であっても良い。また、還元総金額算出手段140は、第2の金額270に販売数量300を乗じた金額に、販売促進費など所定の金額を加算したものを還元総金額310とする形態であっても良い。
本装置100は、購入者210へ還元される原資となる還元総金額310を予め定めるため、事業者は、事業を計画的に行うことができる。
【0032】
還元金額算出手段150は、購入順番の早い購入者ほど受け取る金額が多くなるように、還元総金額310に基づいて、購入順番記憶手段110に記憶されるユーザー識別情報220によって識別されるユーザー210毎に受け取る還元金額320を算出する。
【0033】
還元金額算出手段150は、購入順番の早い購入者ほど受け取る金額が多くなるように還元総金額310を各ユーザー210に振り分けることによって還元金額320を算出する。そうすることによって、商品・サービス240の販売を行う事業者は、購入者210へ還元する原資を還元総金額310に限定することによって、計画的に事業を展開することが可能となる。
【0034】
また、第2の金額270は、商品・サービス240の販売における粗利益額を超えない金額として設定される金額であることが好適である。そうすることによって、商品・サービス240の販売を行う事業者は、1回毎の販売行為によって事業を成立させることができるため、計画的に事業を展開することが可能となる。
【0035】
還元処理手段160は、各ユーザー210に対し、ユーザー210毎に算出された(割り当てられた)還元金額320を提供する処理を行う。還元処理手段160は、具体的には、還元金額320について、預貯金口座等への送金(送金指示)処理、ポイント等企業通貨口座へのポイント加算(加算指示)処理を行う。
【0036】
還元処理手段160は、法定通貨、電子マネー、仮想通貨又は企業通貨によって還元金額320を各ユーザー210に提供する処理(他装置に送金・加算等の指示を行う処理を含む)を行う。
【0037】
上記した動作原理に基づいて、本装置100は、リスクを負って早期購入した者210に報いると共に、商品・サービス240に関する需要の顕在化を早め、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行う。
(本実施の形態に係る販売支援装置のハードウエア構成)
【0038】
図5を用いて、本装置100のハードウエア構成例について説明する。
図5は、本装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。
図5で示すように、本装置100は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read-Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、補助記憶装置440、通信I/F450、入力装置460、表示装置470、記録媒体I/F480を有する。
【0039】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本装置100全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0040】
補助記憶装置440は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置440は、記憶手段110を含み、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0041】
通信I/F450は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク340に接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0042】
入力装置460は、キーボードなど本装置100にデータ入力を行うための装置である。表示装置(出力装置)470は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本装置100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。記録媒体I/F480は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記録媒体490とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0043】
本装置100が有する各手段は、CPU410が、ROM420又は補助記憶装置440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本装置100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F450を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F480を介して記録媒体490から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る販売支援装置による処理例)
(1)本装置100による商品・サービス240の購入時処理例
【0044】
図6を用いて、本装置100による商品・サービス240の購入時処理例を説明する。
図6は、本装置100による商品・サービス240の購入時処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0045】
S10で購入順番登録手段120が、第1の金額260で販売される商品・サービス240について、ユーザー210による購入希望を受け付ける。
図4で示すように、例えば、購入順番登録手段120は、ユーザー識別情報220:“SASAKI”で識別されるユーザー210による商品・サービス240の購入希望を受け付ける。
【0046】
S20で購入順番登録手段120が、購入順番記憶手段110に記憶される情報250、220、280に基づいて、S10において購入希望を受け付けたユーザー210の購入順番情報250を判定する。
図4で示すように、例えば、購入順番登録手段120は、購入順番記憶手段110に記憶される情報250に基づいて、ユーザー識別情報220:“SASAKI”で識別されるユーザー210の購入順番情報250を“N(番目)”と判定する。
【0047】
S30で購入順番登録手段120が、判定した結果の購入順番情報250、該当ユーザー210のユーザー識別情報220、購入口数280を対応付けて購入順番記憶手段110に記憶させる。
図4で示すように、例えば、購入順番登録手段120は、S20において判定した購入順番情報250:“N”、該当ユーザー210のユーザー識別情報220:“SASAKI”、購入口数280:“2”を対応付けて購入順番記憶手段110に記憶させる。
【0048】
本装置100は、上記処理によって、リスクを負って早期購入した者210に報いると共に、商品・サービス240に関する需要の顕在化を早め、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行うための準備を行う。
(2)本装置100による購入代金の還元時処理例
【0049】
図7を用いて、本装置100による購入代金の還元時処理例を説明する。
図7は、本装置100による購入代金の還元時処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0050】
S110で購入者数計数手段130が、購入順番記憶手段110に記憶される情報250、220、280に基づいて、商品・サービス210の購入者数290を計数する。
図4の例では、購入者数計数手段130は、購入順番記憶手段110に記憶される情報250に基づいて、購入者数290:“N(人)”を計数する。
【0051】
なお、S110において購入者数計数手段130は、購入順番記憶手段110に記憶される情報280に基づいて、商品・サービス210の総販売数量300を計数する形態としても良い。
【0052】
S120で還元総金額算出手段140が、“第2の金額270”に“S110において求めた購入者数290”を乗じた金額に基づき算出され、商品・サービス240の購入者210へ還元される原資となる還元総金額310を算出する。
【0053】
ここで、還元総金額算出手段140は、第2の金額270に購入者数290を乗じた金額を還元総金額310とする形態であっても良い。また別形態として、還元総金額算出手段140は、第2の金額270に購入者数290を乗じた金額に、販売促進費など所定の金額を加算したものを還元総金額310とする形態であっても良い。
【0054】
なお、S120において還元総金額算出手段140は、第2の金額270に販売数量300を乗じた金額を還元総金額310とする形態であっても良い。また別形態として、還元総金額算出手段140は、第2の金額270に販売数量300を乗じた金額に、販売促進費など所定の金額を加算したものを還元総金額310とする形態であっても良い。
本装置100は、購入者210へ還元される原資となる還元総金額310を予め定めるため、事業者は、事業を計画的に行うことができる。
【0055】
S130で還元金額算出手段150が、購入順番の早い購入者ほど受け取る金額が多くなるように、S120において求めた還元総金額310に基づいて、各ユーザー210が受け取る還元金額320を個々に算出する。還元金額算出手段150は、購入順番の早い購入者ほど受け取る金額が多くなるように還元総金額310を各ユーザー210に振り分けることによって還元金額320を算出する。
【0056】
こうすることによって、商品・サービス240の販売を行う事業者は、購入者210へ還元する原資を還元総金額310に限定することによって、計画的に事業を展開することが可能となる。
【0057】
また、第2の金額270は、商品・サービス240の販売における粗利益額を超えない金額として設定される金額であることが好適である。そうすることによって、商品・サービス240の販売を行う事業者は、1回毎の販売行為によって事業を成立させることができるため、計画的に事業を展開することが可能となる。
【0058】
S140で還元処理手段160が、各ユーザー210に対し、S130においてユーザー210毎に算出した(割り当てた)還元金額320を提供する処理を行う。還元処理手段160は、具体的には、還元金額320について、預貯金口座等への送金(送金指示)処理、ポイント等企業通貨口座へのポイント加算(加算指示)処理を行う。
【0059】
還元処理手段160は、法定通貨、電子マネー、仮想通貨又は企業通貨によって還元金額320を各ユーザー210に提供する処理(他装置に送金・加算等の指示を行う処理を含む)を行う形態としても良い。
【0060】
本装置100は、上記の処理によって、リスクを負って早期購入した者210に報いると共に、商品・サービス240に関する需要の顕在化を早め、事業者が投下した資本の早期回収を計画的に行う。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
100 販売支援装置
110 購入順番記憶手段
120 購入順番登録手段
130 購入者数計数手段
140 還元総金額算出手段
150 還元金額算出手段
160 還元処理手段
210 ユーザー
220 ユーザー識別情報
230 ユーザー端末
240 商品・サービス
250 購入順番情報
260 第1の金額
270 第2の金額
280 商品・サービスの購入口数
290 商品・サービスの購入者数
300 商品・サービスの販売数量
310 還元総金額
320 還元金額
330 店舗端末
340 通信ネットワーク
410 CPU
420 ROM
430 RAM
440 補助記憶装置
450 通信インターフェース
460 入力装置
470 出力装置
480 記憶媒体インターフェース
490 記憶媒体