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特許7502141発光素子モジュール、防爆照明器具、及び発光素子モジュールの製造方法
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  • 特許-発光素子モジュール、防爆照明器具、及び発光素子モジュールの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】発光素子モジュール、防爆照明器具、及び発光素子モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20240611BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240611BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240611BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20240611BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240611BHJP
【FI】
F21V19/00 150
H01L33/00 L
F21S2/00 100
F21V19/00 170
F21V15/01 100
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020170025
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061831
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591046238
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 清悟
(72)【発明者】
【氏名】丸田 晃三
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/059047(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0226552(US,A1)
【文献】国際公開第2019/027698(WO,A1)
【文献】特開2018-046284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
H01L 33/00
F21S 2/00
F21V 15/01
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板の実装面の導体部に、複数の発光素子パッケージを直線状に配列した発光素子モジュールであって、
複数の前記発光素子パッケージは表面実装型であり、
前記絶縁基板の実装面における前記導体部と前記発光素子パッケージとの異極接点のうち、間隔が1.6mm以下の異極接点の箇所が絶縁塗膜で被覆されており、
前記絶縁塗膜は前記発光素子パッケージの側面のみ被覆している
ことを特徴とする発光素子モジュール。
【請求項2】
前記発光素子パッケージは平面視矩形状であり、
前記発光素子パッケージ同士の間隔は、当該発光素子パッケージの配列方向と直交する方向における前記発光素子パッケージの幅より小さい、
ことを特徴とする請求項に記載の発光素子モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の発光素子モジュールを有することを特徴とする防爆照明器具。
【請求項4】
絶縁基板の実装面に表面実装型の複数の発光素子パッケージを直線状に配列した発光素子モジュールの製造方法において、
前記発光素子パッケージ同士の間隔は、前記発光素子パッケージの配列方向と直交する方向における前記発光素子パッケージの幅より小さくなっており、
前記発光素子パッケージの配列を挟んだ両側に、前記発光素子パッケージの配列方向に沿って、一定速度で連続的に電気絶縁性を有するコーティング材を塗布する、
ことを特徴とする、発光素子モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記コーティング材は、雰囲気温度が25℃のときの粘度が0.5~30(Pa・s)であることを特徴とする請求項に記載の発光素子モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子モジュール、防爆照明器具、及び発光素子モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性ガス雰囲気で使用される防爆照明器具について安全のための各種の規定を設けた規格があり、異極接点間の電気的な絶縁について規定した規格もある。例えば、IEC規格の60079シリーズ(JIS規格も同じ番号)には、異極接点同士が接近している箇所は空間距離および沿面距離の最小寸法が規定されている。かかる規定では、異極接点間の電位差が20V以下の場合、空間距離、及び沿面距離の最小寸法は1.6mm以上であることが求められている。
【0003】
また防爆照明器具において、空間距離、及び沿面距離の最小寸法以上の間隔が確保できない場合には、異極接点、及び異極接点間を絶縁材料で被覆することで、電気的な絶縁を確保する必要がある。
【0004】
かかる絶縁のための技術には、例えば特許文献1、2、及び3がある。
特許文献1は、光源ユニットの全体を槽に入れて透光性樹脂を充填して絶縁する構成を開示し、特許文献2は、給電端子部分のみを樹脂でポッティングして絶縁する構成を開示し、特許文献3は、電気絶縁性樹脂をペースト状にして給電端子に塗布した後に半硬化させて絶縁する構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-232641号公報
【文献】特開2012-54025号公報
【文献】国際公開2015/001667号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SMD(Surface Mount Device)型のLEDパッケージを光源に採用した照明器具が広く知られている。
しかしながら、一般に、LEDパッケージの裏面に設けられた給電電極の間隔は1.6mmよりも狭く、上記最小寸法を満足しないため、LEDパッケージを防爆照明器具の光源に、そのまま採用することは困難である。
【0007】
そこで、上記特許文献1から3の技術を用いて絶縁を図ることが考えられるが、それぞれの技術には次のような問題がある。
【0008】
すなわち、特許文献1は、光源素子の光照射面も含めた全体を透光性樹脂の中に固定する構成であるため、光源素子からの光は比較的厚肉の樹脂層を通して外部に射出されることになり、樹脂の透光性能を高めても光源ユニットの照射効率が低くなってしまう。
特許文献2は、給電端子部分だけをポッティングする構成であるため、特許文献1に比べて光源素子の照射面を露出できるが、ポッティング枠を給電端子の周りに設けるなどの余計な手間がかかる。また比較的長い硬化時間が必要となる。
特許文献3は、特許文献2について述べた欠点を除くために、実装基板、及び端子にペースト状の電気絶縁性コーティング剤を塗布する構成となっている。しかしながら、当該特許文献3では、チキソトロピック状態を有するペースト状のコーティング剤を立体的に塗布する必要があり、またコーティング後の絶縁塗膜を「半硬化状態」という中途半端な状態に保つ必要があるなど煩雑である。特許文献3では自動塗布が困難であり、自動塗布を実現するには複雑な装置が必要となる。
【0009】
本発明は、照明器具に適した絶縁が施された発光素子モジュール、防爆照明器具、及び発光素子モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、絶縁基板の実装面の導体部に、複数の発光素子パッケージを直線状に配列した発光素子モジュールであって、複数の前記発光素子パッケージは表面実装型であり、前記絶縁基板の実装面における前記導体部と前記発光素子パッケージとの異極接点のうち、間隔が1.6mm以下の異極接点の箇所が絶縁塗膜で被覆されており、前記絶縁塗膜は前記発光素子パッケージの側面のみ被覆していることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様は、上記発光素子モジュールにおいて、複数の前記発光素子パッケージが直線状に配列されている、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様は、上記発光素子モジュールにおいて、前記発光素子パッケージは平面視矩形状であり、前記発光素子パッケージ同士の間隔は、当該発光素子パッケージの配列方向と直交する方向における前記発光素子パッケージの幅より小さい、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様は、上記発光素子モジュールにおいて、前記絶縁塗膜は透光性を有し、前記異極接点の箇所とともに前記発光素子パッケージが前記絶縁塗膜で覆われている、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様は、上記のいずれかの発光素子モジュールを有することを特徴とする防爆照明器具である。
【0015】
本発明の一態様は、絶縁基板の実装面の導体部に、複数の矩形の発光素子パッケージが互いに電気的に直列、及び/又は、並列に接続するように前記絶縁基板の実装面に配置された発光素子モジュールの製造方法において、雰囲気温度が25℃のときの粘度が0.5~30(Pa・s)の電気的絶縁性を有するコーティング材を、それぞれの前記発光素子パッケージの対向する2辺に塗布することを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様は、絶縁基板の実装面に表面実装型の複数の発光素子パッケージを直線状に配列した発光素子モジュールの製造方法において、前記発光素子パッケージ同士の間隔は、前記発光素子パッケージの配列方向と直交する方向における前記発光素子パッケージの幅より小さくなっており、前記発光素子パッケージの配列を挟んだ両側に、前記発光素子パッケージの配列方向に沿って、一定速度で連続的に電気絶縁性を有するコーティング材を塗布する、ことを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様は、上記発光素子モジュールの製造方法において、前記コーティング材は、雰囲気温度が25℃のときの粘度が0.5~30(Pa・s)であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、照明器具に適した絶縁が施された発光素子モジュール、及び防爆照明器具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るLEDモジュールの構成を示す図である。
図2】LEDモジュールの断面構成を模式的に示す図である。
図3】塗装装置を模式的に示す図である。
図4】絶縁塗膜形成工程におけるコーティング材の塗布態様を示す図である。
図5】本発明の変形例に係るLEDモジュールの構成を示す図である。
図6】絶縁塗膜形成工程におけるコーティング材の塗布態様の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るLEDモジュール2の構成を示す平面図である。
LEDモジュール2は、可燃性ガス雰囲気で使用される防爆照明器具の器具本体に収められ、照明光を放散する光源を構成するモジュールであり、LEDパッケージ4と、当該LEDパッケージ4を実装した矩形板状のモジュール基板5と、を備える。
なお、1台の防爆照明器具に、設けるLEDモジュール2の枚数は適宜(1又は複数)である。また、仕様が異なる複数のLEDモジュール2を組み合わせて、防爆照明器具の光源を構成してもよい。
【0021】
図2は、LEDモジュール2の断面構成を模式的に示す図である。
LEDパッケージ4は、発光素子の一例であるLED3を表面実装型(SMD型)にパッケージ化した平面視で矩形状の電子部品であり、パッケージ基板6と、当該パッケージ基板6に封止状態で実装された上記LED3と、正極電極及び負極電極から成る一対の給電電極7と、を有し、かかる給電電極7がパッケージ基板6の底面に配置されている。
【0022】
モジュール基板5は、配線を構成する銅箔等の導体部8が、電気的絶縁性を有した基板の表面に設けられた絶縁基板であり、この導体部8にLEDパッケージ4の一対の給電電極7のそれぞれが半田付けされることで、それぞれの半田付けの箇所が異極接点Kを構成している。
本実施形態では、LEDパッケージ4が所定間隔Taで直線状に配列されており(図1)、また、導体部8は、これらのLEDパッケージ4を電気的に直列に接続するパターン形状に形成されている。本実施形態において、所定間隔Ta(図1)は2,25mmであり、LEDパッケージ4の配列方向Daと直交する方向(以下、幅方向Dbという)におけるLEDパッケージ4の幅W(=3mm)よりも狭くなっている。
【0023】
なお、導体部8は、各LEDパッケージ4を並列に接続するパターン形状でもよく、また直列、及び並列に接続するパターン形状でもよい。
またLEDモジュール2に設けるLEDパッケージ4の個数や当該LEDパッケージ4の並びの全長は、LEDモジュール2に求められる配光形状などの仕様に基づいて適宜に決定される。またモジュール基板5には、LEDパッケージ4の他にも、電源等が接続される金属コネクタ11やキャパシタ12といった他の電子部品も導体部8に接続されている。
【0024】
本実施形態のLEDパッケージ4は、異極接点Kを構成する一対の給電電極7の間の空間距離La(図2)がIEC規格、及びJIS規格で規定されている上記空間距離および沿面距離の最小寸法(=1.6mm)以下となっている。そして図1に示すように、モジュール基板5の実装面5Aの各LEDパッケージ4において、その全周が電気的絶縁性を有する透明又は非透明な絶縁塗膜20で被覆されている。LEDパッケージ4の全周が絶縁塗膜20によって被覆されることで、図2に示すように、上記最小寸法よりも空間距離Laが狭い各異極接点Kが絶縁塗膜20によって絶縁されることとなり、防爆照明器具の光源に適合するために必要な絶縁が得られる。なお、キャパシタ12については、絶縁塗膜20によって被覆されても、被覆されていなくても、どちらでもよい。
【0025】
図3は、塗装装置30を模式的に示す図である。
塗装装置30は、モジュール基板5がセットされるワーク台32と、絶縁塗膜20の材料である、電気的絶縁性を有したコーティング材を連続的に吐出する吐出ノズル34と、を備え、当該吐出ノズル34が一定の速度でモジュール基板5に対して相対移動可能に構成されている。
【0026】
LEDモジュール2の製造工程において、絶縁塗膜20をモジュール基板5に塗装装置30を用いて塗布する際は、先ず、LEDパッケージ4が実装済みのモジュール基板5をワーク台32にセットする。
次いで、塗装装置30は、モジュール基板5の実装面5Aから上方に所定距離Tb(本実施形態では0.05mm)以上離間した位置に吐出ノズル34を配置し、当該吐出ノズル34からコーティング材を連続的に吐出しながら、第1経路50、及び第2経路52の各々の経路上を所定回数(本実施形態では1回)に亘って一定の速度で吐出ノズル34を移動する。
【0027】
図4に示すように、第1経路50、及び第2経路52はそれぞれ、LEDパッケージ4の配列を挟む両側で、LEDパッケージ4の配列方向Daに延びるように設定された経路である。これら第1経路50、及び第2経路52はそれぞれ、LEDパッケージ4から所定距離Tc(本実施形態では1mm)だけ離間した位置に設定される。
【0028】
本実施形態において、コーティング材は、塗布工程の雰囲気温度において、モジュール基板5の実装面5A上で流動がみられるような所定粘度に調整されている。
【0029】
したがって、モジュール基板5の実装面5Aにおいて、第1経路50、及び第2経路52に沿ってコーティング材が連続的に塗布されると、当該コーティング材が適度に流動する。配列方向DaにおけるLEDパッケージ4同士の隙間に浸入する。LEDパッケージ4同士の所定間隔Taは、幅方向DbにおけるLEDパッケージ4の幅Wよりも小さいため、第1経路50、及び第2経路52の各コーティング材によってLEDパッケージ4同士の間が隙間無く埋められ、各LEDパッケージ4の全周が絶縁塗膜20によって確実に被覆されることとなる。
【0030】
本実施形態において、コーティング材の粘度は、好ましくは25℃の雰囲気温度において0.5~30(Pa・s)である。さらに、LEDモジュール2の生産性の観点において好ましい粘度は3Pa・s±10%である。
すなわち、この好ましい値よりも粘度が高い場合、コーティング材がLEDパッケージ4の全周に十分に広がらず、また好ましい値よりも粘度が低い場合、配列方向Daと直交する幅方向Dbにもコーティン材が流出し、幅方向Dbにおける絶縁塗膜20の幅が設計値よりも大幅に超えてしまい、実装面5A上の他の電子部品に影響を及ぼす虞が生じることとなる。
【0031】
本実施形態によれば次の効果を奏する。
【0032】
本実施形態のLEDモジュール2は、絶縁基板であるモジュール基板5の実装面5Aの導体部8に複数のLEDパッケージ4を互いに電気的に直列に接続するように配置したユニットである。また、LEDモジュール2は、モジュール基板5の実装面5Aにおける導体部8とLEDパッケージ4との異極接点Kのうち、空間距離が防爆照明器具について規定された沿面距離の最小寸法(本実施形態では1.6mm)以下の異極接点Kの箇所が絶縁塗膜20で被覆されている。
これにより、絶縁塗膜20を形成する簡単な構成で、防爆照明器具の光源に適合するために必要な絶縁が確保でき、給電電極7の空間距離Laが防爆照明器具についての規定以下のLEDパッケージ4を用いて防爆照明器具のLEDモジュール2を構成することができる。
【0033】
本実施形態のLEDモジュール2において、複数のLEDパッケージ4が直線状に配列されている。
これにより、各LEDパッケージ4の給電電極7及び導体部8が直線状のエリアに集合するので、給電電極7及び導体部8が実装面5Aに散在する場合に比べ、絶縁塗膜20を塗布して形成するための工程が単純化され、製造コストが比較的安くできる。
【0034】
本実施形態のLEDモジュール2において、LEDパッケージ4は平面視矩形状であり、LEDパッケージ4同士の所定間隔Taは、LEDパッケージ4の配列方向Daと直交する幅方向DbにおけるLEDパッケージ4の幅Wより小さい。
これにより、LEDパッケージ4の配列を挟んだ両側で当該LEDパッケージ4の配列方向Daに延びる第1経路50、及び第2経路52に沿ってコーティング材を連続的に塗布することで、第1経路50、及び第2経路52の各コーティング材によってLEDパッケージ4同士の間を隙間無く埋めることができ、各LEDパッケージ4の全周に絶縁塗膜20を形成することができる。
【0035】
本実施形態では、モジュール基板5の実装面5Aの導体部8に、複数のLEDパッケージ4を互いに電気的に直列に接続するように配置したLEDモジュール2の製造工程において、雰囲気温度が25℃のときの粘度が0.5~30(Pa・s)の電気的絶縁性を有するコーティング材を、LEDパッケージ4の配列を挟む両側にLEDパッケージ4の配列方向Daに沿って塗布する。
かかる塗布によって、各LEDパッケージ4の全周に絶縁塗膜20を確実に形成し、なおかつ、実装面5Aにおける絶縁塗膜20の流出による過度な拡がりを防止できる。
【0036】
本実施形態では、モジュール基板5の実装面5Aに表面実装型の複数のLEDパッケージ4を直線状に配列したLEDモジュール2の製造方法において、LEDパッケージ4同士の所定間隔Taは、LEDパッケージ4の配列方向Daと直交する幅方向DbにおけるLEDパッケージ4の幅Wより小さくなっており、LEDパッケージ4の配列を挟む両側に、LEDパッケージ4の配列方向Daに沿って、一定速度で連続的に電気絶縁性を有するコーティング材を塗布する。
かかる塗布によれば、直線状に配列された各LEDパッケージ4の全周を被覆する絶縁塗膜20を簡単に形成することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
【0038】
(変形例1)
上述した実施形態において、各LEDパッケージ4の全周とともに各LEDパッケージ4も(すなわち各LEDパッケージ4の全体を)、透光性を有した薄い厚みの絶縁塗膜20によって被覆してもよい。この場合、絶縁塗膜20の形成工程においては、各LEDパッケージ4の直上を横断するように吐出ノズル34を移動させることで、かかる絶縁塗膜20を簡単に形成できる。また絶縁塗膜20は厚さが薄いため、LEDパッケージ4の照射面に絶縁塗膜20が塗布された場合でも、絶縁塗膜20が透光性を有していれば、光照射量の減少を十分に抑えることができる。
【0039】
(変形例2)
上述した実施形態において、図5に示すように、LEDパッケージ4同士の所定間隔Taは幅Wよりも大きくてもよい(図5の例はTa=4.35mm、W=3mm)。この場合、絶縁塗膜20の形成工程においては、前掲図4に示したように、第1経路50、及び第2経路52のそれぞれでコーティング材が各LEDパッケージ4に亘って連続的に塗布するのではなく、図6に示すように、第1経路50、及び第2経路52での塗布を個々のLEDパッケージ4ごとに行うことで、各LEDパッケージ4の全周に絶縁塗膜20を形成することが好ましい。
【0040】
(変形例3)
上述した実施形態において、LEDモジュール2のモジュール基板5の形状は略矩形の長尺には限定されず、多角形や円盤状であってもよい。LEDパッケージ4の配置も、直線状配置に限らず、円形に並べられてもよいし、不規則に配置されていてもよい。これらの場合でも、個々のLEDパッケージ4の対向する2辺にコーティング材を塗布することで、各LEDパッケージ4の全周に絶縁塗膜20を形成することができる。
【0041】
(その他)
本発明は、防爆照明器具に限らず適宜の照明器具に適用することができる。
また上述した実施形態における水平、及び垂直等の方向や各種の数値、形状は、特段の断りがない限り、それら方向や数値、形状と同じ作用効果を奏する範囲(いわゆる均等の範囲)を含む。
【符号の説明】
【0042】
2 LEDモジュール(発光素子モジュール)
3 LED(発光素子)
4 LEDパッケージ(発光素子パッケージ)
5 モジュール基板(絶縁基板)
5A 実装面
7 給電電極
8 導体部
20 絶縁塗膜
30 塗装装置
34 吐出ノズル
50 第1経路
52 第2経路
Da 配列方向
Db 幅方向(配列方向と直交する方向)
K 異極接点
La 空間距離(間隔)
Ta 所定間隔
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6