(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】制御装置、及びロボット
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20240611BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240611BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240611BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240611BHJP
G06V 30/146 20220101ALI20240611BHJP
G06V 30/14 20220101ALI20240611BHJP
G06V 30/142 20220101ALI20240611BHJP
G06V 30/19 20220101ALI20240611BHJP
B25J 3/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G06F3/0488
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/37 310
G09G5/373
G06V30/146
G06V30/14 340K
G06V30/142
G06V30/19
B25J3/00 Z
(21)【出願番号】P 2020188618
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 章弥
(72)【発明者】
【氏名】チェ ユンジ
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160562(JP,A)
【文献】特開2009-290488(JP,A)
【文献】特開2014-235699(JP,A)
【文献】国際公開第2020/178960(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0146956(US,A1)
【文献】特開2018-056781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G09G 5/00
G09G 5/37
G06V 30/146
G06V 30/14
G06V 30/19
G06V 30/142
B25J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボットを、第2端末装置の表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて制御する制御装置であって、
前記ロボットが前記第1端末装置を撮像することによって生成された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記第2端末装置の表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する取得部と、
前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する検出部と、
前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記第2端末装置の表示領域に表示される第3画像を生成する生成部と、
前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する変換部と、
前記第3画像を前記第2端末装置の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記ロボットに前記第1タッチ操作を実行させる制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボットを制御する制御装置であって、
画像を表示する表示領域を備え、前記画像を表示する表示領域に対する第2タッチ操作を受け付ける表示部と、
前記ロボットが前記第1端末装置を撮像することによって生成された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記表示部の表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する取得部と、
前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する検出部と、
前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記表示部の表示領域に表示される第3画像を生成する生成部と、
前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する変換部と、
前記第3画像を前記表示部の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記ロボットに前記第1タッチ操作を実行させる制御部と、
を備える制御装置。
【請求項3】
第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボットに含まれ、第2端末装置の表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて前記第1タッチ操作を制御する制御装置であって、
前記ロボットが第1端末装置を撮像することによって生成された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記第2端末装置の表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する取得部と、
前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する検出部と、
前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記第2端末装置の表示領域に表示される第3画像を生成する生成部と、
前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する変換部と、
前記第3画像を前記第2端末装置の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記第1タッチ操作を実行する制御部と、
を備える制御装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記第1画像に基づいて、前記第1端末装置の輪郭線又は前記表示領域の輪郭線に基づいて前記傾きを検出する、請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1端末装置は、アプリケーションの実行指示を表示領域に表示されるアイコンに対する操作によって受け付け、
前記第1画像には、前記アイコンの画像が含まれており、
前記第2画像は、前記アイコンの画像であり、
前記検出部は、前記アイコンの画像に基づいて前記傾きを検出する、請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記アイコンの形状に基づいて前記傾きを検出する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1端末装置は、アプリケーションの実行指示を表示領域に表示される複数のアイコンのうち何れか一つのアイコンに対する操作によって受け付け、
前記第1画像には、前記複数のアイコンの画像が含まれており、
前記第2画像は、前記複数のアイコンの画像であり、
前記検出部は、前記複数のアイコンの配列に基づいて前記傾きを検出する、
請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1端末装置は、アプリケーションの実行指示を表示領域に表示されるアイコンに対する操作によって受け付け、
前記第1画像には、前記アイコン及び前記アイコンに関する文字列の画像が含まれており、
前記第2画像は、前記文字列の画像であり、
前記検出部は、前記文字列の画像に基づいて前記傾きを検出する、
請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を、第2端末装置の表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて実行するロボットであって、
撮像装置と、
前記第1端末装置と前記撮像装置との間に位置し、前記第1タッチ操作を行う操作装置と、
処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記撮像装置によって前記第1端末装置が撮像された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記第2端末装置の表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する取得部と、
前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する検出部と、
前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記第2端末装置の表示領域に表示される第3画像を生成する生成部と、
前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する変換部と、
前記第3画像を前記第2端末装置の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記第1タッチ操作を前記操作装置に実行させる制御部と、を備える、
ロボット。
【請求項10】
前記操作装置は、
前記第1端末装置に対する入力を行うための指示体と、
前記撮像装置の撮像範囲内で前記指示体を移動させるアームと、を含み、
前記アームは透明素材で形成される、
請求項9に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、及びロボット、に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スマートフォン等の端末装置に対するタッチ操作を実行するロボットが開示されている。このロボットは、治具によって位置が固定された端末装置に対してタッチ操作を実行することによって、端末装置の動作を検査できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のロボットは、予め定められた順番でタッチ操作を実行するだけで、遠隔地にいるユーザが手元の端末装置をタッチ操作する場合に、ロボットが存在する場所の端末装置に対して同じタッチ操作を実行できなかった。特に、遠隔操作される端末装置がロボットに対して傾いて配置されている場合、仮に、遠隔操作される端末装置の表示領域の画像をロボットに撮像させ、この画像を操作する側の端末装置に表示させたとしても、操作する側の端末装置の表示領域に表示される画像は傾いてしまう。従って、ロボットを用いた端末装置の遠隔操作において、操作性の低下及び操作精度の低下が発生する。
【0005】
本開示は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、ロボットを用いた端末装置の遠隔操作において、操作性及び操作精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本開示の制御装置は、第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボットを、第2端末装置の表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて制御する制御装置であって、取得部、検出部、生成部、変換部、及び制御部を備える。取得部は、ロボットが前記第1端末装置を撮像することによって生成された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記第2端末装置の表示領域における位置を示す第2位置情報とを取得する。検出部は、前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する。生成部は、前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記第2端末装置の表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部は、前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部は、前記第3画像を前記第2端末装置の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記ロボットに前記第1タッチ操作を実行させる。
【0007】
以上の課題を解決するために、本開示の別の態様の制御装置は、第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボットを制御する制御装置であって、表示部、取得部、検出部、生成部、変換部、及び制御部を備える。表示部は、画像を表示する表示領域を備え、前記画像を表示する表示領域に対する第2タッチ操作を受け付ける。取得部は、前記ロボットが第1端末装置を撮像することによって生成された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記表示部の表示領域における位置を示す第2位置情報と、を取得する。検出部は、前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する。生成部は、前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記表示部の表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部は、前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部は、前記第3画像を前記表示部の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記ロボットに前記第1タッチ操作を実行させる。
【0008】
以上の課題を解決するために、本開示の更に別の態様の制御装置は、第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボットに含まれ、第2端末装置の表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて前記第1タッチ操作を制御する制御装置であって、取得部、検出部、生成部、変換部、及び制御部を備える。取得部は、前記ロボットが第1端末装置を撮像することによって生成された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記第2端末装置の表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する。検出部は、前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する。生成部は、前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記第2端末装置の表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部は、前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部は、前記第3画像を前記第2端末装置の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記第1タッチ操作を実行する。
【0009】
また、以上の課題を解決するために、本開示のロボットは、第1端末装置の表示領域に対して第1タッチ操作を、第2端末装置の表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて実行するロボットであって、撮像装置、操作装置、及び処理装置を備える。操作装置は、前記第1端末装置と前記撮像装置との間に位置し、前記第1タッチ操作を行う。処理装置は、取得部、検出部、生成部、変換部、及び制御部を備える。取得部は、前記撮像装置によって前記第1端末装置が撮像された第1画像と、前記第2タッチ操作によってタッチされた前記第2端末装置の表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する。検出部は、前記第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、前記ロボットに対する前記第1端末装置の傾きを検出する。生成部は、前記傾きに基づいて前記第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、前記補正済み画像に基づいて前記第2端末装置の表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部は、前記傾きに基づいて、前記第2位置情報を前記第1タッチ操作によってタッチされる前記第1端末装置の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部は、前記第3画像を前記第2端末装置の表示領域に表示させ、前記第1位置情報に基づいて前記第1タッチ操作を前記操作装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ロボットを用いた端末装置の遠隔操作において、操作性及び操作精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1実施形態による遠隔操作システム1Aの構成例を示す図である。
【
図5】ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを説明するための図である。
【
図6】端末装置40の表示領域の画像を端末装置20Aの表示装置230に表示させる表示動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】撮像装置130による端末装置40の撮像画像の一例を示す図である。
【
図8】制御装置30Aが生成する端末画像の一例を示す図である。
【
図9】端末装置20Aの表示装置230に対して為されたタッチ操作に応じて、端末装置40に対するタッチ操作をロボット10Aに実行させる遠隔操作動作の流れを示すフローチャートである。
【
図10】本開示の第2実施形態による遠隔操作システム1Bの構成例を示す図である。
【
図12】端末装置40の表示領域の画像を端末装置20Bの表示装置230に表示させる表示動作の流れを示すフローチャートである。
【
図13】端末装置20Bの表示装置230に対して為されたタッチ操作に応じて、端末装置40に対するタッチ操作をロボット10Aに実行させる遠隔操作動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】本開示の第3実施形態による遠隔操作システム1Cの構成例を示す図である。
【
図16】端末装置40の表示領域の画像を端末装置20Aの表示装置230に表示させる表示動作の流れを示すフローチャートである。
【
図17】端末装置20Aの表示装置230に対して為されたタッチ操作に応じて、ロボット10Cが端末装置40に対するタッチ操作を実行する遠隔操作動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本開示の実施形態は、以下に述べる形態に限られるものではない。
【0013】
A.第1実施形態
図1は、本開示の第1実施形態による遠隔操作システム1Aの構成例を示す図である。
図1に示すように、遠隔操作システム1Aは、ロボット10Aと、制御装置30Aとを、を含む。ロボット10Aは、通信網NWを介して制御装置30Aと通信する。通信網NWは、インターネット及び移動通信網を含む。遠隔操作システム1Aは、端末装置40を通信網NW経由で端末装置20Aを用いて遠隔操作するためのシステムである。端末装置20Aは、通信網NWを介して制御装置30Aと通信する。本実施形態では、端末装置20Aに対するユーザの操作に応じて制御装置30Aがロボット10Aを制御することで、端末装置40の遠隔操作が実現される。端末装置40は本開示における第1端末装置の一例である。端末装置20Aは本開示における第2端末装置の一例である。
【0014】
図1における端末装置40は、プログラム実行機能を備えた情報処理装置である。端末装置40は、例えばスマートフォンである。
図1では詳細な図示を省略したが、端末装置40の筐体の平面形状は長方形である。端末装置40の筐体の平面形状は、長方形以外の多角形、又は4つの角部が丸められた長方形のように少なくとも一部が曲線で形成された形状、であってもよい。端末装置40には、複数のアプリケーションプログラムが予めインストールされている。アプリケーションプログラムは、「アプリケーションソフトウェア」又は「アプリ」とも称され得る。端末装置40は、複数のアプリケーションに1対1に対応する複数のアイコンを表示領域に表示させる。端末装置40の表示領域に表示されるアイコンは本開示における第1アイコンの一例である。端末装置40は、表示領域に対するタッチ操作によって指定されたアイコンに対応するアプリケーションを実行する。
【0015】
図2は、ロボット10Aの構成例を示す図である。
図2に示すように、ロボット10Aは、処理装置100、通信装置110、記憶装置120、撮像装置130、及び操作装置140を備える。通信装置110は、無線通信モジュールである。通信装置110は、通信網NWの基地局との間で無線通信を行う。
【0016】
記憶装置120は、処理装置100が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置120は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Radom Access Memory)である。
【0017】
記憶装置120の不揮発性メモリには、処理装置100によって実行されるプログラム120a1が記憶される。記憶装置120の揮発性メモリはプログラム120a1を実行する際のワークエリアとして処理装置100によって利用される。プログラム120a1は、例えば、通信装置110を介して、通信網NWに接続された不図示のサーバ等から取得され、その後、記憶装置120に記憶される。プログラム120a1は、ロボット10Aの工場出荷時点で記憶装置120に予め記憶されてもよい。
【0018】
撮像装置130は、例えば、集光された光を電気信号に変換する撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を備えたカメラである。本実施形態では、撮像装置130は、端末装置40を含む動画像を撮像する。撮像装置130は、撮像した画像を表す画像データを処理装置100へ出力する。
【0019】
操作装置140は、
図1に示すように、端末装置40に対するタッチ操作を行うための指示体142と、アーム144とを含む。また、操作装置140は、アーム144を移動させる移動機構(図示略)を含む。移動機構は、指示体142を用いたタッチ操作を実行する場合、アーム144を下方向に移動させる。指示体142は棒状に形成されている。
図1では詳細な図示を省略したが、指示体142の一端には、端末装置40の表示領域を押下するための接触部が設けられている。指示体142の他端には、接触部が他の物体(例えば、端末装置40)に接触している場合に発光する発光部が設けられている。アーム144は、撮像装置130と端末装置40との間で指示体142を移動させる。アーム144は、撮像装置130による端末装置40の撮像の妨げとならないように、透明樹脂等の透明素材で形成される。なお、操作装置140は、指示体142及びアーム144を、複数組有してもよい。指示体142及びアーム144を二組有する操作装置140は、端末装置40に対してピンチイン又はピンチアウトといったピンチ操作を実行できる。ピンチインとは、端末装置40の表示領域に2本の指をタッチさせている状態において一方の指のタッチ位置と他方の指のタッチ位置との間隔を狭めるように2本の指を動かす操作のことをいう。ピンチインは、端末装置40に対して表示画像の縮小を指示する操作として一般に用いられる。ピンチアウトとは、端末装置40の表示領域に2本の指をタッチさせている状態において一方の指のタッチ位置と他方の指のタッチ位置との間隔を広げるように2本の指を動かす操作のことをいう。ピンチアウトは、端末装置40に対して表示画像の拡大を指示する操作として一般に用いられる。
【0020】
処理装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、即ちコンピュータを含んで構成される。処理装置100は、単一のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータで構成されてもよい。処理装置100は、ロボット10Aの電源投入を契機としてプログラム120a1を不揮発性メモリから揮発性メモリに読み出し、プログラム120a1の実行を開始する。プログラム120a1に従って作動中の処理装置100は、
図2に示す制御部100a1として機能する。
図2に示す制御部100a1は、処理装置100をプログラム120a1に従って動作させることで実現されるソフトウェアモジュールである。
【0021】
制御部100a1は、撮像装置130に端末装置40を撮像させる。撮像装置130は、端末装置40を撮像することによって撮像画像を生成する。撮像画像は本開示における第1画像の一例である。制御部100a1は、撮像装置130による端末装置40の撮像画像を、通信装置110を介して通信網NWへ送信する。また、制御部100a1は、通信網NWから与えられる更新指示に応じて、撮像装置130の設定を更新する。撮像装置130の設定としては、撮像画像のフレームレートと撮像画像の解像度との少なくとも一方が挙げられる。本実施形態における撮像装置130の設定は撮像画像のフレームレートである。更新指示には、撮像装置130の設定を示す設定情報が含まれる。
【0022】
制御部100a1は、通信網NWから受信する操作指示に応じて操作装置140を制御し、端末装置40の表示領域に対するタッチ操作を行う。ロボット10Aが行うタッチ操作は本開示における第1タッチ操作の一例である。本実施形態では、ロボット10Aに対して、ロボット10Aの中心を原点とする2次元座標系におけるタッチ位置を指定する操作指示が制御装置30Aから与えられる。操作指示は本開示における指示情報の一例である。
【0023】
次いで、端末装置20Aの構成を説明する。端末装置20Aは、端末装置40を遠隔操作するためのユーザの操作を受け付ける情報処理装置である。端末装置20Aは、例えばスマートフォンである。
図3は、端末装置20Aの構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置20Aは、処理装置200、通信装置210、記憶装置220、表示装置230、及び入力装置240を備える。処理装置200は、処理装置100と同様に、単一のコンピュータ又は複数のコンピュータで構成される。通信装置210は、通信装置110と同様に、無線通信モジュールである。通信装置210は、通信網NWの基地局との間で無線通信を行う。記憶装置220は、記憶装置120と同様に、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。
【0024】
記憶装置220の不揮発性メモリには、処理装置200によって実行されるプログラム220a1が記憶される。記憶装置220の揮発性メモリはプログラム220a1を実行する際のワークエリアとして処理装置200によって利用される。プログラム220a1は、例えば、通信装置210を介して、通信網NWに接続された不図示のサーバ等から取得され、その後、記憶装置220に記憶される。プログラム220a1は、端末装置20Aの工場出荷時点で記憶装置220に予め記憶されてもよい。
【0025】
表示装置230は、例えば液晶ディスプレイと、当該液晶ディスプレイの駆動回路とを含む。表示装置230は、処理装置200による制御の下で各種画像を表示する。表示装置230は本開示における第2端末装置の表示部の一例である。入力装置240は、例えば透明なシート状の接触検知センサである。入力装置240は表示装置230の表示領域を覆うように設けられる。本実施形態では、表示装置230と入力装置240とによりタッチパネルが形成される。入力装置240に対してユーザによってタッチ操作が為されると、入力装置240はユーザの操作を示す操作データを処理装置200へ出力する。操作データは、ユーザのタッチ操作を示すデータである。操作データには、ユーザのタッチ位置、即ち表示装置230の表示領域内のタッチ位置を示すデータが含まれる。タッチ操作を示す操作データを処理装置200へ出力することで、表示装置230の表示領域内のタッチ位置が処理装置200へ伝達される。なお、タッチ位置を押し続けた後に指を離す長押し操作が入力装置240に対して為された場合には、入力装置240は、タッチされていた時間を表すデータを更に含む操作データを処理装置200へ出力する。また、フリック操作のように指をタッチさせたまま移動させてその後離す操作が入力装置240に対して為された場合には、入力装置240は、タッチ開始位置、タッチ終了位置、及びタッチされていた時間の各々を示すデータを含む操作データを処理装置200へ出力する。
【0026】
処理装置200は、プログラム220a1の実行開始を指示する操作を示す操作データを入力装置240から受け取ったことを契機としてプログラム220a1を不揮発性メモリから揮発性メモリに読み出し、プログラム220a1の実行を開始する。プログラム220a1の実行開始を指示する操作の具体例としては、プログラム220a1を示すものとして表示装置230に表示されるアイコンに対するタッチ操作が挙げられる。なお、プログラム220a1は、プログラム220a1とは異なるプログラムからの呼び出しにより実行されてもよい。処理装置200が複数のプログラムを並列に実行可能である場合において、実行中のプログラムにプログラム220a1の呼び出しを指示するコードが含まれていた場合には、処理装置200は当該コードの実行を契機としてプログラム220a1の実行を開始する。プログラム220a1に従って作動中の処理装置200は、制御部200a1として機能する。
図3に示す制御部200a1は、処理装置200をプログラム220a1に従って動作させることで実現されるソフトウェアモジュールである。
【0027】
制御部200a1は、制御装置30Aから送信される端末画像を通信装置210を介して受信する。端末画像とは、端末装置40の表示領域の画像のことをいう。端末画像は、端末装置40の撮像画像から制御装置30Aによって生成される。端末画像は本開示における第3画像の一例である。また、制御部200a1は、受信した端末画像を表示装置230に表示することで、タッチ操作をユーザに促す。そして、制御部200a1は、表示装置230の表示領域に対して為されたタッチ操作の位置を示す位置情報を通信装置210を介して制御装置30Aへ送信する。表示装置230の表示領域には端末画像が表示されるのであるから、表示装置230の表示領域に対して為されるタッチ操作によって、端末画像内の位置が指定される。表示装置230の表示領域に対して為されたタッチ操作は本開示における第2タッチ操作の一例である。端末装置20Aから制御装置30Aに送信される位置情報は本開示における第2位置情報の一例である。
【0028】
次いで、制御装置30Aの構成を説明する。制御装置30Aは、端末装置20Aに対するユーザのタッチ操作に応じてロボット10Aを制御する情報処理装置である。制御装置30Aは、例えばサーバ又はパーソナルコンピュータである。
図4は、制御装置30Aの構成例を示す図である。
図4に示すように、制御装置30Aは、処理装置300、通信装置310、及び記憶装置320を備える。処理装置300は、処理装置100と同様に、単一のコンピュータ又は複数のコンピュータで構成される。通信装置310は、有線通信モジュールである。通信装置310は、通信線を介して通信網NWに接続される。通信装置310は、通信網NWとの間で有線通信を行う。記憶装置320は、記憶装置120と同様に、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。
【0029】
記憶装置320の不揮発性メモリには、処理装置300によって実行されるプログラム320a1が記憶される。記憶装置320の揮発性メモリはプログラム320a1を実行する際のワークエリアとして処理装置300によって利用される。プログラム320a1は、例えば、通信装置310を介して、通信網NWに接続された不図示のサーバ等から取得され、その後、記憶装置320に記憶される。プログラム320a1は、制御装置30Aの工場出荷時点で記憶装置320に予め記憶されてもよい。
【0030】
記憶装置320には、プログラム320a1の他に、第1変換情報320a2、第2変換情報320a3、アプリDB320a4、及びテーブル320a5が記憶される。第1変換情報320a2は、撮像画像内の位置と端末画像内の位置とを相互変換するための情報である。第1変換情報320a2の具体例としては、撮像画像の中心を原点とする座標系において、端末画像の中心が占める位置を示す情報、及びロボット10Aに対する端末装置40の傾きの角度が挙げられる。
【0031】
図5を参照して、傾きの角度を具体的に説明する。
図5に示すY軸は、ロボット10Aの中心P1と撮像装置130の撮像範囲の中心P2とを通る座標軸である。Z軸は鉛直方向の座標軸である。X軸はY軸及びZ軸に直交する座標軸である。ロボット10Aに対して端末装置40が傾いているとは、X軸及びY軸によって表される2次元座標系において、端末装置40の筐体の長辺LとY軸とが平行ではない状態のことをいう。以下、本実施形態では、端末装置40の筐体の長辺LとY軸との為す角度θを、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きの角度と呼ぶ。
【0032】
詳細については後述するが、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きの角度は、撮像装置130による端末装置40の撮像画像に基づいて処理装置300によって検出される。端末装置40の傾きの角度は、プログラム320a1に従って作動している処理装置300によって検出されるため、第1変換情報320a2は、プログラム320a1に従って作動している処理装置300によって生成される。処理装置300によって生成された第1変換情報320a2は、揮発性メモリに書き込まれる。
【0033】
第2変換情報320a3は、撮像画像内の位置を、
図5に示すX軸及びY軸により表され、ロボット10Aの中心の位置を原点とする2次元座標系における位置に変換するための情報である。ロボット10Aの中心の位置とは、ロボット10AをZ軸の正から負に向けて平面視した場合に、ロボット10Aの重心を示す位置である。以下では、
図5に示すX軸及びY軸により表され、ロボット10Aの中心の位置を原点とする2次元座標系は、単に「XY座標系」と称される。第2変換情報320a3の具体例としては、XY座標系における撮像装置130の撮像範囲の中心の位置を示す情報と、撮像画像の拡大又は縮小の比率を示す情報とが挙げられる。なお、撮像画像が等倍で撮像されている場合には、第2変換情報320a3は、XY座標系における撮像装置130の撮像範囲の中心の位置を示す情報のみで構成される。第2変換情報320a3はロボット10Aの仕様により定まる情報である。第2変換情報320a3は、記憶装置320の不揮発性メモリに予め記憶されている。
【0034】
アプリDB320a4には、アプリのアイコンに対応付けてアプリの種類を示す情報が予め複数登録されている。本実施形態では、端末装置40にインストールされている各アプリのアイコンとアプリの種類を示す情報とがアプリDB320a4に予め登録されている。アプリDB320a4は記憶装置320の不揮発性メモリに予め記憶されている。アプリDB320a4は本開示における関係情報の一例である。テーブル320a5には、アプリDB320a4にアイコンが登録されているアプリの種類に対応付けて、アプリを実行中の端末装置40の表示領域の撮像に好適なフレームレートが予め格納されている。例えば動画閲覧アプリ又はゲームアプリについては高いフレームレートがテーブル320a5に格納されており、メールアプリ又はSNSアプリについては低いフレームレートがテーブル320a5に格納されている。動画閲覧アプリ又はゲームアプリを実行中の端末装置40を撮像する際のフレームレートを低くすると、端末装置20Aでの動画の閲覧又はゲーム操作に支障が生じる一方、メールアプリ又はSNSアプリであれば、フレームレートを低くしても遠隔操作に支障は生じないからである。テーブル320a5は記憶装置320の不揮発性メモリに予め記憶されている。
【0035】
処理装置300は、制御装置30Aの電源投入を契機としてプログラム320a1を不揮発性メモリから揮発性メモリに読み出し、プログラム320a1の実行を開始する。処理装置300は、プログラム320a1を実行することによって、
図4に示す制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7として機能する。
図4に示す制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7は、処理装置300をプログラム320a1に従って動作させることで実現されるソフトウェアモジュールである。制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7の各々の機能の詳細については、動作例にて説明する。
【0036】
処理装置300は、プログラム320a1に従って作動することにより、表示動作と遠隔操作動作とを実行する。表示動作とは、端末画像を端末装置20Aの表示装置230に表示させる動作である。表示動作は、通信装置310を介して撮像画像を受信したことを契機として開始される。
図6は、表示動作の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、表示動作は、第1取得処理SA110、検出処理SA120、生成処理SA130、及び表示制御処理SA140を含む。
【0037】
第1取得処理SA110では、処理装置300は取得部300a2として機能する。つまり、第1取得処理SA110は取得部300a2により実行される処理である。第1取得処理SA110では、取得部300a2は、ロボット10Aから送信された撮像画像を通信装置310から取得する。
【0038】
第1取得処理SA110に後続する検出処理SA120では、処理装置300は検出部300a3として機能する。つまり、検出処理SA120は検出部300a3により実行される処理である。検出部300a3は、取得部300a2により取得した撮像画像に基づいて、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する。ロボット10Aに対する端末装置40の傾きの検出方法の具体的な態様としては、以下の第1態様、第2態様、第3態様、及び第4態様が挙げられる。
【0039】
第1態様は、撮像画像に写っている端末装置40の輪郭線又は端末装置40の表示領域の輪郭線に基づいて、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する態様である。第1態様では、検出部300a3は、撮像画像のX軸方向及びY軸方向の各々について、画素値をスキャンし、画素値が急激に変動する箇所を端末装置40の輪郭線として抽出する。検出部300a3は、スキャン方向に隣接する2つの画素の画素値(輝度)の差分を算出し、算出された差分が所定値以上となる画素を輪郭線上の画素として検出する。次いで、検出部300a3は、端末装置40の輪郭線の内側について同様の処理を実行することによって抽出される輪郭線の内側を表示領域とする。本実施形態では、端末装置40の輪郭線及び端末装置40の表示領域の輪郭線は長方形を為す。撮像画像がY軸方向に縦長の画像である場合、例えば、検出部300a3は、撮像画像の長辺と端末装置40の輪郭線とが平行になるように後者を時計回りに回転させたときの角度を端末装置40の傾きの角度とする。
【0040】
第2態様は、撮像画像に写っているアイコンの形状を基づいて端末装置40の傾きを検出する態様である。第2態様では、検出部300a3は、表示領域の画像から第1態様と同様の方法によりアイコンの画像を抽出する。検出部300a3により抽出されるアイコンの画像は本開示における第2画像の一例である。そして、検出部300a3は、アイコンの輪郭線と撮像画像の輪郭線の為す角度を傾きの角度とする。撮像画像に複数のアイコンが写っている場合には、検出部300a3は、円形以外の形状のアイコンを選択して第1態様の方法により傾きを検出する。
【0041】
第3態様は、撮像画像に複数のアイコンが写っている場合において、複数のアイコンの配列に基づいて傾きを検出する態様である。スマートフォンでは、複数のアイコンは、表示領域の長辺及び短辺に沿ってマトリックス状に配列されて表示されることが多い。従って、複数のアイコンのうちの一のアイコンの中心点と、当該一のアイコンの最寄に配列されるアイコンの中心点と、を通る直線は、表示領域の長辺又は短辺と平行になる。検出部300a3は、複数のアイコンのうちの一のアイコンの中心点と、当該一のアイコンの最寄に配列されるアイコンの中心点とを通る直線と撮像画像の長辺とが為す角度によって傾きを検出する。複数のアイコンの画像も本開示における第2画像の一例である。
【0042】
第4態様は、アイコンとともに表示される文字列とアイコンとを利用して端末装置40の傾きを特定する態様である。アイコンは、アイコンに対応するアプリの名称等を表す文字列とともに表示されることが多い。この文字列において各文字が並ぶ方向と撮像画像の輪郭線の長辺又は短辺とが為す角度を傾きの角度とする。アイコンとともに表示される文字列の画像も本開示における第2画像の一例である。
【0043】
本実施形態では、検出部300a3は、第1態様の検出方法により、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する。しかし、検出部300a3は、第2態様、第3態様又は第4態様の検出方法により傾きを検出してもよい。また、検出部300a3は、第1態様の検出方法により傾きの検出を試み、傾きを検出できなかった場合に第2態様の検出方法により傾きの検出を試みるといったように、第1態様、第2態様、第3態様、及び第4態様のうちの任意の複数の態様を用いて傾きを検出してもよい。
【0044】
検出処理SA120に後続する生成処理SA130では、処理装置300は生成部300a4として機能する。つまり、生成処理SA130は生成部300a4により実行される処理である。生成部300a4は、取得部300a2により取得した撮像画像に基づいて端末画像を生成する。より詳細に説明すると、生成部300a4は、撮像画像のY方向及びX方向の各々について、画素値をスキャンし、画素値が急激に変動する箇所を端末装置40の輪郭線とする。そして、生成部300a4は、端末装置40の輪郭線の内側について同様の処理を実行することによって抽出される輪郭線の内側を表示領域とする。次いで、生成部300a4は、抽出した表示領域の画像を、検出部300a3により検出した傾きの角度だけ逆方向に回転させることで補正して端末画像を生成する。
【0045】
例えば、取得部300a2により、
図7に示す撮像画像G1が得られたとする。
図7に示す例では、斜め線のハッチングを付された領域が端末装置40における表示領域である。
図7において黒く塗りつぶされた長方形は、端末装置40の表示領域に表示されるアイコンを示す。生成部300a4は、
図7に示す撮像画像から、端末装置40における表示領域の画像、即ち
図7に示す例では斜め線のハッチングを付された領域の画像を抽出し、検出部300a3により検出した傾きの角度だけ逆方向に回転させて、
図8に示す端末画像G2を生成する。なお、通信装置310を介した通信によって生成部300a4が端末装置20Aから表示装置230の表示領域の大きさを示す情報を取得できる場合、生成部300a4は、撮像画像から抽出した端末装置40の表示領域の画像を表示装置230の表示領域の大きさに合わせて拡大又は縮小させて端末画像を生成してもよい。また、生成部300a4は、第1変換情報320a2を生成する。端末画像の生成の際に拡大又は縮小を行った場合、第1変換情報320a2には、当該拡大等の拡大率又は縮小率を示す情報も含まれる。生成部300a4は、第1変換情報320a2を記憶装置320の揮発性メモリに記憶させる。
【0046】
生成処理SA130に後続する表示制御処理SA140では、処理装置300は制御部300a1として機能する。つまり、表示制御処理SA140は制御部300a1により実行される処理である。制御部300a1は、端末画像を端末装置20Aへ送信することによって、端末画像を端末装置20Aに表示させる。これにより、端末装置40の表示領域に複数の第1アイコンが表示されている場合、端末装置20Aの表示領域に複数の第1アイコンに1対1に対応する複数の第2アイコンが表示される。端末装置20Aの表示装置230には傾きを補正済みの端末画像が表示され、傾きを補正済みの端末画像に対してタッチ操作が行われるので操作性が向上する。
【0047】
次いで、遠隔操作動作について説明する。遠隔操作動作は、表示装置230の表示領域に対して為されたタッチ操作に応じてロボット10Aを作動させ、端末装置40に対するタッチ操作をロボット10Aに実行させる際の動作である。
図9は遠隔操作動作の流れを示すフローチャートである。この遠隔操作動作は、端末装置20Aから送信された第2位置情報を通信装置310を介して受信したことを契機として開始される。
図9に示すように、遠隔操作動作には、第2取得処理SA210、変換処理SA220、特定処理SA230、更新処理SA240、及び操作制御処理SA150が含まれる。
【0048】
第2取得処理SA210では、処理装置300は取得部300a2として機能する。つまり、第2取得処理SA210は取得部300a2により実行される処理である。第2取得処理SA210では、取得部300a2は、端末装置20Aから送信された第2位置情報を通信装置310から取得する。
【0049】
第2取得処理SA210に後続する変換処理SA220では、処理装置300は変換部300a5として機能する。つまり、変換処理SA220は、変換部300a5により実行される処理である。変換部300a5は、取得部300a2により取得した第2位置情報を、第1変換情報320a2と第2変換情報320a3とを用いて、第1位置情報へ変換する。第1位置情報は、端末装置40に対して為されるべきタッチ操作のXY座標系におけるタッチ位置を示す。より詳細に説明すると、変換部300a5は、まず、取得部300a2により取得した第2位置情報を、第1変換情報320a2を用いて撮像画像内の位置を示す位置情報に変換する。次いで、変換部300a5は、当該位置情報を、第2変換情報320a3を用いてXY座標系における位置を示す第1位置情報に変換する。
【0050】
変換処理SA220に後続する特定処理SA230では、処理装置300は特定部300a6として機能する。つまり、特定処理SA230は、特定部300a6により実行される処理である。特定部300a6は、取得部300a2により取得した第2位置情報に基づいて、複数の第2アイコンのうち第2タッチ操作により選択された一の第2アイコンに対応する一の第1アイコンを特定する。特定部300a6は、第2位置情報の示す位置を一の第2アイコンの中心位置とする。特定部300a6は、当該中心位置を第1変換情報320a2を用いて撮像画像内の位置に変換する。特定部300a6は、第1変換情報320a2を用いて変換済の位置を中心とする所定の範囲の画像を撮像画像から抽出する。特定部300a6は、抽出した画像を、第2タッチ操作により選択された一の第2アイコンに対応する一の第1アイコンの画像とする。
【0051】
特定処理SA230に後続する更新処理SA240では、処理装置300は更新部300a7として機能する。つまり、更新処理SA240は更新部300a7により実行される処理である。更新部300a7は、特定部300a6により特定された第1アイコンに対応するアプリケーションの種類に基づいて、ロボット10Aによる撮像の設定を、当該第1アイコンに対応するアプリケーションの種類に応じた設定に更新する。更新部300a7は、まず、特定部300a6により特定された第1アイコンに対応するアプリケーションの種類を、アプリDB320a4を参照して特定する。
【0052】
次いで、更新部300a7は、特定部300a6により特定された第1アイコンに対応するアプリケーションの種類に応じたフレームレートを、テーブル320a5を参照して特定する。そして、更新部300a7は、撮像画像のフレームレートをテーブル320a5を参照して特定したフレームレートに更新することを指示する更新指示を通信装置310を介してロボット10Aへ送信することによって、撮像画像のフレームレートをロボット10Aに更新させる。
【0053】
更新処理SA240に後続する操作制御処理SA250では、処理装置300は制御部300a1として機能する。つまり、操作制御処理SA250は、制御部300a1により実行される処理である。操作制御処理SA250では、制御部300a1は、変換部300a5による変換で得られた第1位置情報を含む操作指示をロボット10Aへ送信することによって、当該第1位置情報の示す位置をタッチするタッチ操作をロボット10Aに実行させる。
【0054】
本実施形態の遠隔操作システム1Aでは、端末装置20Aでは、ロボット10Aに対する傾きを補正済みの端末画像に対してタッチ操作を行うことができるので、操作性が向上する。また、本実施形態の遠隔操作システム1Aでは、端末装置20Aの表示領域に対するタッチ位置を示す第2位置情報は第1変換情報320a2及び第2変換情報320a3を用いて第1位置情報に変換されるので、変換精度が向上し、遠隔操作の操作精度が向上する。また、本実施形態の遠隔操作システム1Aでは、端末装置40を撮像する際のフレームレートが、第2タッチ操作により実行を指示されたアプリケーションの種類に応じて設定されるので、通信量を無駄に増やすことなく、アプリケーションを実行中の端末装置40を当該アプリケーションに好適なフレームレートで撮像することが可能になる。
【0055】
以上説明した第1実施形態は以下のように変形されてもよい。
(A1)本実施形態ではロボット10Aは撮像装置130による撮像画像をそのまま制御装置30Aへ送信した。しかし、ロボット10Aは、撮像装置130による撮像画像から端末画像の抽出し、抽出した端末画像を制御装置30Aへ送信してもよい。
(A2)本実施形態では、一つの処理装置300が、制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7として機能した。しかし、通信網NWを介して互いに通信可能な複数の処理装置が、制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7の機能を分担してもよい。
(A3)変換部300a5は、第2位置情報を撮像画像内の位置へ変換する処理を実行し、撮像画像内の位置からXY座標系における位置への変換をロボット10Aが実行してもよい。
(A4)通信網NWを介して処理装置300がアプリDB320a4にアクセス可能であれば、アプリDB320a4が記憶装置320に記憶されている必要はない。
(A5)第2タッチ操作により実行を指示されたアプリケーションの種類に応じた設定の変更が不要である場合には、アプリDB320a4、テーブル320a5、特定部300a6及び更新部300a7は省略されてもよい。
【0056】
本開示は、上述した第1実施形態及び第1実施形態の各変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実現することができる。例えば、本開示は、以下の態様によっても実現可能である。以下に記載した各態様中の技術的特徴に対応する第1実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、或いは本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0057】
以上に説明した第1実施形態及び第1実施形態の各変形例から把握される本開示の制御装置の一態様は、端末装置40の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボット10Aを、端末装置20Aの表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて制御する制御装置であって、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、及び制御部300a1を備える。取得部300a2は、ロボット10Aが端末装置40を撮像した第1画像と、第2タッチ操作によってタッチされた端末装置20Aの表示領域における位置を示す第2位置情報を取得する。検出部300a3は、第1画像又は第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する。生成部300a4は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、補正済み画像に基づいて端末装置20Aの表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部300a5は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて、第2位置情報を第1タッチ操作によってタッチされる端末装置40の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部300a1は、第3画像を第2端末装置の表示領域に表示させ、第1位置情報に基づいてロボット10Aに第1タッチ操作を実行させる。本態様の制御装置によれば、第1画像又は第2画像に基づいて、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出し、検出された傾きに基づいて第3画像を生成するので、遠隔地にいるユーザが端末装置20Aを用いて、端末装置40を容易に操作することができる。更に、制御装置は、検出された傾きを考慮して、ロボット10Aに第1タッチ操作を実行させるので、ロボット10Aの操作精度が向上する。よって、制御装置は、端末装置20A及びロボット10Aを用いて端末装置40の遠隔操作を行う際の操作性、及び操作精度を向上できる。
【0058】
より好ましい態様において、検出部300a3は、端末装置40の輪郭線又は端末装置40の表示領域の輪郭線を第1画像から抽出してもよい。そして、検出部300a3は、第1画像から抽出した輪郭線に基づいて端末装置40の傾きを検出してもよい。本態様の制御装置は、第1画像から抽出される端末装置40の輪郭線又は端末装置40の表示領域の輪郭線に基づいて端末装置40の傾きを補正した補正済み画像を生成できる。
【0059】
別の好ましい態様において、端末装置40は、アプリケーションの実行指示を表示領域に表示されるアイコンに対する操作によって受け付けてもよい。アプリケーションの実行指示をアイコンに対する操作によって受け付ける場合、第1画像には、アイコンの画像が含まれ、当該アイコンの画像が第2画像とされてもよい。アイコンの画像が第2画像とされる態様では、検出部300a3は、アイコンの画像に基づいて、端末装置40の傾きを検出してもよい。本態様の制御装置は、第1画像に写っているアイコンの画像に基づいて補正済み画像を生成できる。
【0060】
更に好ましい態様においては、検出部300a3は、アイコンの形状に基づいてロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出してもよい。本態様の制御装置は、第1画像に写っているアイコンの形状に基づいて補正済み画像を生成できる。
【0061】
また別の好ましい態様においては、端末装置40は、アプリケーションの実行指示を表示領域に表示される複数のアイコンのうち何れか一つのアイコンに対する操作によって受け付けてもよい。アプリケーションの実行指示をアイコンに対する操作により受け付ける場合、第1画像には、複数のアイコンの画像が含まれ、これら複数のアイコンの画像が第2画像とされてもよい。複数のアイコンの画像が第2画像とされる態様では、検出部300a3は、複数のアイコンの配列に基づいて、端末装置40の傾きを検出してもよい。本態様の制御装置は、第1画像に写っている複数のアイコンの配列に基づいて補正済み画像を生成できる。
【0062】
また別の好ましい態様においては、端末装置40は、アプリケーションの実行指示を表示領域に表示されるアイコンに対する操作によって受け付けてもよい。アプリケーションの実行指示をアイコンに対する操作により受け付ける場合、第1画像には、アイコン及びアイコンに関する文字列の画像が含まれ、この文字列の画像が第2画像とされてもよい。文字列の画像が第2画像とされる態様では、検出部300a3は、文字列の画像に基づいて、端末装置40の傾きを検出してもよい。
【0063】
B.第2実施形態
次いで、本開示の第2実施形態について説明する。
図10は、本開示の第2実施形態に係る遠隔操作システム1Bの構成例を示す図である。
図10では
図1におけるものと同じ構成要素には同じ符号が付されている。
図10と
図1とを対比すれば明らかなように、遠隔操作システム1Bは、端末装置20Aに代えて端末装置20Bを有する点、及び制御装置30Aを有さない点において遠隔操作システム1Aと異なる。端末装置20Bは、端末装置20Aと同様に、端末装置40を遠隔操作するためのユーザの操作を受け付ける情報処理装置である。また、端末装置20Bは、制御装置30Aの役割を兼ねる。端末装置20Bは、例えばスマートフォンである。以下、本実施形態の特徴を顕著に示す端末装置20Bを中心に説明する。
【0064】
図11は、端末装置20Bの構成例を示す図である。
図11では、
図3におけるものと同じ構成要素には同一の符号が付されている。
図11と
図3とを対比すれば明らかなように、端末装置20Bのハードウェア構成は端末装置20Aのハードウェア構成と同一である。即ち、端末装置20Bは、処理装置200、通信装置210、記憶装置220、表示装置230、及び入力装置240を備える。端末装置20Bと端末装置20Aとの相違点は以下の二つである。第1の相違点はプログラム220a1に代えてプログラム220b1が記憶装置220に記憶されている点である。第2の相違点は、第1変換情報320a2、第2変換情報320a3、アプリDB320a4、及びテーブル320a5が記憶装置220に記憶される点である。
【0065】
端末装置20Bの処理装置200は、プログラム220b1の実行開始を指示する操作を示す操作データを入力装置240から受け取ったことを契機としてプログラム220b1を不揮発性メモリから揮発性メモリに読み出し、プログラム220b1の実行を開始する。プログラム220b1は、プログラム2201と同様に他のプログラムからの呼び出しにより実行さてもよい。プログラム220b1に従って作動中の処理装置200は、
図11に示すように、制御部300b1、取得部300b2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300b6、及び更新部300a7として機能する。制御部300b1、取得部300b2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300b6、及び更新部300a7は、プログラム220b1に従って処理装置200を作動させることで実現されるソフトウェアモジュールである。以下、第1実施形態との相違点である制御部300b1、取得部300b2、及び特定部300b6の各部が担う機能を、処理装置200がプログラム220b1に従って実行する動作に即して説明する。
【0066】
端末装置20Bの処理装置200がプログラム220b1に従って実行する動作は、第1実施形態と同様に、表示動作と、遠隔操作動作と、に大別される。表示動作とは、端末画像を表示装置230に表示させる動作である。遠隔操作動作とは、表示装置230の表示領域に対して為されたタッチ操作に応じてロボット10Aを作動させ、端末装置40に対するタッチ操作をロボット10Aに実行させる動作である。
【0067】
図12は、表示動作の流れを示すフローチャートである。
図12に示す表示動作は、通信装置210による撮像画像の受信を契機として開始される。
図12では、
図6におけるものと同じ処理には同じ符号が付されている。
図12と
図6とを対比すれば明らかなように、本実施形態における表示動作と第1実施形態における表示動作との相違点は以下の二つである。第1の相違点は、表示制御処理SA140に代えて表示制御処理SB140が実行される点である。そして、第2の相違点は、特定処理SB230及び更新処理SA240を含む点である。
【0068】
第1取得処理SA110では、端末装置20Bの処理装置200は取得部300b2として機能する。第1取得処理SA110では、取得部300b2は、ロボット10Aから送信された撮像画像を通信装置310から取得する。第1取得処理SA110に後続する検出処理SA120では、端末装置20Bの処理装置200は検出部300a3として機能する。検出部300a3は、取得部300b2により取得した撮像画像に基づいて、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する。本実施形態では、検出部300a3は、第1実施形態と同様に、第1態様の検出方法により、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する。検出処理SA120に後続する生成処理SA130では、端末装置20Bの処理装置200は生成部300a4として機能する。生成部300a4は、取得部300b2により取得した撮像画像に基づいて端末画像を生成する。また、生成部300a4は、第1変換情報320a2を生成し、生成した第1変換情報320a2を記憶装置220の揮発性メモリに記憶させる。
【0069】
本実施形態の表示動作において生成処理SA130に後続する表示制御処理SB140では、端末装置20Bの処理装置200は、制御部300b1として機能する。つまり、表示制御処理SB140は、制御部300b1により実行される処理である。表示制御処理SB140では、制御部300b1は、生成処理SA130にて生成された端末画像を表示装置230に表示させる。
【0070】
表示制御処理SB140に後続する特定処理SB230では、端末装置20Bの処理装置200は特定部300b6として機能する。つまり、特定処理SB230は、特定部300b6により実行される処理である。特定部300b6は、端末装置40の表示領域に表示されている複数の第1アイコンのうち第1タッチ操作によって選択された一の第1アイコンを、第1取得処理SA110にて取得した撮像画像に基づいて特定する。より具体的には、特定部300b6は、指示体142の発光部が発光状態となった撮像画像において指示体142の位置している第1アイコンを、第1タッチ操作によって選択された一の第1アイコンとして特定する。
【0071】
特定処理SB230に後続する更新処理SA240では、端末装置20Bの処理装置200は更新部300a7として機能する。更新部300a7は、特定部300b6により特定された第1アイコンに対応するアプリケーションの種類に応じたフレームレートを、テーブル320a5を参照して特定する。そして、更新部300a7は、撮像画像のフレームレートをテーブル320a5を参照して特定したフレームレートに更新することを指示する更新指示を通信装置310を介してロボット10Aへ送信することによって、撮像画像のフレームレートをロボット10Aに更新させる。
【0072】
図13は、本実施形態における遠隔操作動作の流れを示すフローチャートである。この遠隔操作動作は、入力装置240によるタッチ操作の検知を契機として開始される。
図13では、
図9におけるものと同じ処理には同じ符号が付されている。
図13と
図9とを対比すれば明らかなように、本実施形態における遠隔操作動作は、以下の二つの点において第1実施形態の遠隔操作動作と異なる。第1の相違点は、第2取得処理SA210に代えて第2取得処理SB210が実行される点である。第2の相違点は、特定処理SA230及び更新処理SA240を含まない点である。本実施形態における遠隔操作動作に特定処理SA230及び更新処理SA240が含まれていないのは、これらに対応する処理が表示動作に含まれているからである。
【0073】
第2取得処理SB210では、端末装置20Bの処理装置200は、取得部300b2として機能する。つまり、第2取得処理SB210は取得部300b2により実行される処理である。第2取得処理SB210では、取得部300b2は、表示装置230の表示領域に対するタッチ操作を示す情報、即ち第2位置情報、を入力装置240から取得する。
【0074】
第2取得処理SB210に後続する変換処理SA220では、端末装置20Bの処理装置200は変換部300a5として機能する。変換部300a5は、取得部300b2により取得した第2位置情報を、第1変換情報320a2と第2変換情報320a3とを用いて第1位置情報に変換する。
【0075】
変換処理SA220に後続する操作制御処理SA250では、端末装置20Bの処理装置200は制御部300b1として機能する。操作制御処理SA250では、制御部300b1は、変換部300a5による変換で得られた第1位置情報を含む操作指示をロボット10Aへ送信することによって、当該第1位置情報の示す位置をタッチするタッチ操作をロボット10Aに実行させる。
【0076】
本実施形態においても、端末装置20Bでは、ロボット10Aに対する傾きを補正済みの端末画像に対してタッチ操作を行うことができるので操作性が向上する。また、本実施形態では、端末装置20Bの表示領域に対するタッチ位置を示す第2位置情報は第1変換情報320a2及び第2変換情報320a3を用いて第1位置情報に変換されるので、変換精度が向上し、遠隔操作の操作精度が向上する。また、本実施形態の遠隔操作システム1Bでは、ロボット10Aが端末装置40を撮像する際のフレームレートが、第1タッチ操作により実行を指示されたアプリケーションの種類に応じた設定されるので、通信量を無駄に増やすことなく、アプリケーションを実行中の端末装置40を当該アプリケーションに好適なフレームレートで撮像することが可能になる。
加えて、本実施形態によれば、制御装置30Aを設けない分だけ、遠隔操作システム1Bの構築コストを遠隔操作システム1Aの構築コストよりも引き下げることが可能になる。
【0077】
以上説明した第2実施形態は以下のように変形されてもよい。
(B1)端末装置40に実行させるアプリは、取得部300b2により取得した第2位置情報に基づいて特定されてもよい。端末装置40に実行させるアプリを第2位置情報に基づいて特定する態様は、特定部300b6を特定部300a6に置き換えることにより実現される。
(B2)第1タッチ操作により実行を指示されたアプリケーションの種類に応じた設定の変更が不要である場合には、アプリDB320a4、テーブル320a5、特定部300b6及び更新部300a7は省略されてもよい。
(B3)特定部300b6は、撮像画像において指示体142の発光部が発光状態となったことを検出し、検出された発光部の位置に位置している第1アイコンを、第1タッチ操作によって選択された一の第1アイコンとして特定したが、これに限定されない。移動機構は第1タッチ操作において、指示体142を下方向に移動させる。この移動において、指示体142が端末装置40と接触すると、移動機構は反力を検出し、検出したことを示す検出信号を出力する。特定部300b6は、検出信号が有効な状態において、撮像画像に基づいて指示体142の位置を検出し、検出した位置に位置している第1アイコンを、第1タッチ操作によって選択された一の第1アイコンとして特定してもよい。
【0078】
以上に説明した第2実施形態及び第2実施形態の各変形例から把握される本開示の制御装置の一態様は、端末装置40の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボット10Aを制御する制御装置であって、表示装置230及び入力装置240により構成されるタッチパネル、取得部300b2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、及び制御部300b1を備える。タッチパネルは、画像を表示する表示領域を備え、表示領域に対する第2タッチ操作を受け付ける。取得部300b2は、ロボット10Aが端末装置40を撮像した第1画像と、第2タッチ操作によってタッチされたタッチパネルの表示領域における位置を示す第2位置情報とを取得する。検出部300a3は、第1画像又は前記第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、ロボット10Aに対する端末装置40の傾きを検出する。生成部300a4は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、補正済み画像に基づいてタッチパネルの表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部300a5は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて、第2位置情報を第1タッチ操作によってタッチされる端末装置40の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部300b1は、第3画像をタッチパネルの表示領域に表示させ、第1位置情報に基づいてロボット10Aに第1タッチ操作を実行させる。本態様の制御装置によれば、ロボット10Aを用いて端末装置40の遠隔操作を行う際の操作性、及び操作精度が向上する。
【0079】
3.第3実施形態
次いで、本開示の第3実施形態について説明する。
図14は、本開示の第3実施形態に係る遠隔操作システム1Cの構成例を示す図である。
図14では
図1におけるものと同じ構成要素には同じ符号が付されている。
図14と
図1とを対比すれば明らかなように、遠隔操作システム1Cは、ロボット10Aに代えてロボット10Cを有する点、及び制御装置30Aを有さない点において遠隔操作システム1Aと異なる。ロボット10Cは、端末装置20Aに対するユーザの操作に応じて端末装置40に対するタッチ操作を行う点では制御装置30Aと同一である。ロボット10Cは、制御装置30Aの役割を兼ねる点においてロボット10Aと異なる。また、ロボット10Cは、撮像装置130の設定を自律更新する点においてもロボット10Aと異なる。以下、本実施形態の特徴を顕著に示すロボット10Cを中心に説明する。
【0080】
図15は、ロボット10Cの構成例を示す図である。
図15では、
図2におけるものと同じ構成要素には同一の符号が付されている。
図15と
図2とを対比すれば明らかなように、ロボット10Cのハードウェア構成はロボット10Aのハードウェア構成と同一である。即ち、ロボット10Cは、処理装置100、通信装置110、記憶装置120、撮像装置130、及び操作装置140を備える。ロボット10Cとロボット10Aとの相違点は以下の二つである。第1の相違点はプログラム120a1に代えてプログラム120c1が記憶装置120に記憶されている点である。第2の相違点は、第1変換情報320a2、第2変換情報320a3、アプリDB320a4、及びテーブル320a5が記憶装置120に記憶される点である。
【0081】
ロボット10Cの処理装置100は、ロボット10Cの電源投入を契機としてプログラム120c1を不揮発性メモリから揮発性メモリに読み出し、プログラム120c1の実行を開始する。プログラム120c1に従って作動中の処理装置100は、
図15に示すように、制御部300c1、取得部300c2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300b6、及び更新部300c7として機能する。制御部300c1、取得部300c2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300b6、及び更新部300c7は、プログラム120c1に従って処理装置100を作動させることで実現されるソフトウェアモジュールである。以下、第1実施形態及び第2実施形態との相違点である制御部300c1、取得部300c2、及び更新部300c7の各部が担う機能を、処理装置100がプログラム120c1に従って実行する動作に即して説明する。
【0082】
ロボット10Cの処理装置100がプログラム120c1に従って実行する動作は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、表示動作と、遠隔操作動作と、に大別される。
【0083】
図16は、本実施形態における表示動作の流れを示すフローチャートである。この表示動作は、撮像装置130による端末装置40の撮像を契機として開始される。
図16では、
図6におけるものと同じ処理には同じ符号が付されている。
図16と
図6とを対比すれば明らかなように、本実施形態における表示動作と第1実施形態における表示動作との相違点は以下の二つである。第1の相違点は、第1取得処理SA110に代えて第1取得処理SC110が実行される点である。そして、第2の相違点は、特定処理SB230及び更新処理SC240を含む点である。
【0084】
第1取得処理SC110では、ロボット10Cの処理装置100は、取得部300c2として機能する。つまり、第1取得処理SC110は、取得部300c2により実行される処理である。第1取得処理SC110では、取得部300c2は、撮像装置130から撮像画像を取得する。
【0085】
第1取得処理SC110に後続する検出処理SA120では、ロボット10Cの処理装置100は検出部300a3として機能する。検出部300a3は、取得部300c2により取得した撮像画像に基づいて、ロボット10Cに対する端末装置40の傾きを検出する。本実施形態では、検出部300a3は、第1実施形態と同様に、第1態様の検出方法により、ロボット10Cに対する端末装置40の傾きを検出する。検出処理SA120に後続する生成処理SA130では、ロボット10Cの処理装置100は生成部300a4として機能する。生成部300a4は、取得部300c2により取得した撮像画像に基づいて、検出部300a3により検出された傾きを補正済みの端末画像を生成する。また、生成部300a4は、第1変換情報320a2を生成し、生成した第1変換情報320a2を記憶装置120の揮発性メモリに記憶させる。
【0086】
生成処理SA130に後続する表示制御処理SA140では、ロボット10Cの処理装置100は、制御部300c1として機能する。つまり、本実施形態における表示制御処理SA140は、制御部300c1により実行される処理である。表示制御処理SA140では、制御部300c1は、生成処理SA130にて生成された端末画像を通信装置110を介して端末装置20Aへ送信することによって、端末画像を端末装置20Aに表示させる。端末装置40の表示領域に複数の第1アイコンが表示されている場合、端末装置20Aの表示領域に複数の第1アイコンに1対1に対応する複数の第2アイコンが表示される。端末装置20Aでは、傾きを補正済みの端末画像が表示装置230に表示される。本実施形態では、傾きを補正済みの端末画像に対してタッチ操作が為されるので、操作性が向上する。
【0087】
本実施形態の表示動作において表示制御処理SA140に後続する特定処理SB230では、ロボット10Cの処理装置100は特定部300b6として機能する。特定部300b6は、端末装置40の表示領域に表示されている複数の第1アイコンのうち第1タッチ操作によって選択された一の第1アイコンを、第1取得処理SA110にて取得した撮像画像に基づいて特定する。
【0088】
本実施形態の表示動作において特定処理SB230に後続する更新処理SC240では、ロボット10Cの処理装置100は、更新部300c7として機能する。つまり、更新処理SC240は、更新部300c7により実行される処理である。更新処理SC240では、更新部300c7は、特定部300b6により特定された第1アイコンに対応するアプリケーションの種類に応じたフレームレートを特定する。この特定方法は、第1実施形態における更新処理SA240における特定方法と同じである。更新部300c7は、撮像画像のフレームレートを特定部300b6により特定されたフレームレートに更新する。
【0089】
図17は、本実施形態における遠隔操作動作の流れを示すフローチャートである。この遠隔操作動作は、通信装置110を介して第2位置情報を受信したこと契機として実行される。
図17では、
図9におけるものと同じ処理には同じ符号が付されている。
図17と
図9とを対比すれば明らかなように、本実施形態における遠隔操作動作は、以下の二つの点において第1実施形態の遠隔操作動作と異なる。第1の相違点は、操作制御処理SA250に代えて操作制御処理SC250が実行される点である。第2の相違点は、特定処理SA230及び更新処理SA240を含まない点である。本実施形態における遠隔操作動作に特定処理SA230及び更新処理SA240が含まれていないのは、これらに対応する処理が表示動作に含まれているからである。
【0090】
本実施形態の遠隔操作動作における第2取得処理SA210では、ロボット10Cの処理装置100は取得部300c2として機能する。つまり、本実施形態における第2取得処理SA210は取得部300c2により実行される処理である。第2取得処理SA210では、取得部300c2は、端末装置20Aから送信された第2位置情報を通信装置310から取得する。第2取得処理SA210に後続する変換処理SA220では、ロボット10Cの処理装置100は変換部300a5として機能する。変換部300a5は、取得部300c2により取得した第2位置情報を第1変換情報320a2と第2変換情報320a3とを用いて第1位置情報に変換する。
【0091】
本実施形態の遠隔操作動作において変換処理SA220に後続して実行される操作制御処理SC250では、ロボット10Cの処理装置100は制御部300c1として機能する。つまり、操作制御処理SC250は、制御部300c1により実行される処理である。操作制御処理SC250では、制御部300c1は、変換処理SA220にて変換された第1位置情報に従って操作装置140の駆動制御を行い、第1位置情報の示す位置をタッチする。
【0092】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、遠隔操作における操作性、及び操作精度が向上する。また、本実施形態では、撮像画像のフレームレートを、第1タッチ操作により実行を指示されるアプリケーションの種類に応じてロボット10Cに自律更新させることができる。
加えて、本実施形態によれば、制御装置30Aを設けない分だけ、遠隔操作システム1Cの構築コストを遠隔操作システム1Aの構築コストよりも引き下げることが可能になる。
【0093】
以上説明した第3実施形態は以下のように変形されてもよい。
(C1)端末装置40に実行させるアプリは、取得部300b2により取得した第2位置情報に基づいて特定されてもよい。端末装置40に実行させるアプリを第2位置情報に基づいて特定する態様は、特定部300b6を特定部300a6に置き換えることにより実現される。
(C2)第1タッチ操作により実行を指示されたアプリケーションの種類に応じた設定の変更が不要である場合には、アプリDB320a4、テーブル320a5、特定部300b6及び更新部300c7は省略されてもよい。
【0094】
以上に説明した第3実施形態及び第3実施形態の各変形例から把握される本開示のロボットの一態様は、端末装置40の表示領域に対して第1タッチ操作を、端末装置20Aの表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて実行するロボットであって、撮像装置130、操作装置140、及び処理装置100を含む。操作装置140は、端末装置40と撮像装置130との間に位置し、端末装置40に対して第1タッチ操作を行う。処理装置100は、取得部300c2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、及び制御部300c1を備える。取得部300c2は、撮像装置130によって端末装置40が撮像された第1画像と、第2タッチ操作によってタッチされた端末装置20Aの表示領域における位置を示す第2位置情報とを取得する。検出部300a3は、第1画像又は第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、当該ロボットに対する端末装置40の傾きを検出する。生成部300a4は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、補正済み画像に基づいて端末装置20Aの表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部300a5は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて、第2位置情報を第1タッチ操作によってタッチされる端末装置40の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部300c1は、第3画像を端末装置20Aの表示領域に表示させ、第1位置情報に基づいて第1タッチ操作を操作装置140に実行させる。本態様のロボットによれば、端末装置20Aを用いて端末装置40を遠隔操作する際の操作性、及び操作精度が向上する。
【0095】
より好ましい態様のロボットにおいては、操作装置140は、端末装置40に対する入力を行うための指示体142と、撮像装置130の撮像範囲内で指示体142を移動させるアーム144と、を含でもよい。操作装置140が、指示体142と、指示体142を移動させるアーム144とを含む場合、アーム144は透明素材で形成されることが好ましい。本態様によれば、アーム144が、撮像装置130による端末装置40の撮像の妨げとなることを回避できる。
【0096】
以上に説明した第3実施形態及び第3実施形態の各変形例から把握される本開示の制御装置の一態様は、端末装置40の表示領域に対して第1タッチ操作を行うロボット10Cに含まれ、端末装置20Aの表示領域に対する第2タッチ操作に基づいて第1タッチ操作を制御する制御装置であって、取得部300c2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、及び制御部300c1を備える。取得部300c2は、ロボット10Cが端末装置40を撮像した第1画像と、第2タッチ操作によってタッチされた端末装置20Aの表示領域における位置を示す第2位置情報とを取得する。検出部300a3は、第1画像又は第1画像から一部が抽出された第2画像に基づいて、ロボット10Cに対する端末装置40の傾きを検出する。生成部300a4は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて第1画像の傾きを補正することによって補正済み画像を生成し、補正済み画像に基づいて端末装置20Aの表示領域に表示される第3画像を生成する。変換部300a5は、検出部300a3により検出された傾きに基づいて、第2位置情報を第1タッチ操作によってタッチされる端末装置40の表示領域における位置を示す第1位置情報に変換する。制御部300c1は、第3画像を端末装置20Aの表示領域に表示させ、第1位置情報に基づいて第1タッチ操作を実行する。本態様の制御装置によれば、端末装置20A及びロボット10Cを用いて端末装置40を遠隔操作する際の操作性、及び操作精度が向上する。
【0097】
D.他の変形例
各実施形態は、以下のように更に変形されてもよい。
(D1)上記各実施形態における端末装置40はスマートフォンであったが、タブレット端末であってもよい。同様に、第1実施形態及び第3実施形態における端末装置20Aもタブレット端末であってもよい。第2実施形態における端末装置20Bも、同様にタブレット端末であってもよい。第1実施形態における制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7の一部又は全部がハードウェアであってもよい。このハードウェアの一例としては、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。制御部300a1、取得部300a2、検出部300a3、生成部300a4、変換部300a5、特定部300a6、及び更新部300a7の一部又は全部がハードウェアであっても、上記第1実施形態と同一の効果が奏される。同様に、制御部100a1、200a1、300b1、及び300c1もハードウェアであってもよい。また、取得部300b2、取得部300c2、特定部300b6、及び更新部300c7もハードウェアであってもよい。
つまり、上記実施形態に開示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組合せによって実現される。また、各機能は、単体の装置によって実現されてもよいし、相互に別体で構成された2個以上の装置によって実現されてもよい。
【0098】
(D2)検出部300a3は、アプリDB320a4に格納された各アプリのアイコンと端末装置40の撮像画像から抽出したアイコンの画像との突合により端末装置40の傾きを検出してもよい。具体的には、検出部300a3は、撮像画像から抽出したアイコンの画像を所定の角度ずつ回転させながら、アプリDB320a4に格納された各アイコンの画像とのパターンマッチングを行い、アプリDB320a4に格納された複数のアイコンの画像の何れかと一致したときの角度を、端末装置40の傾き角度とする。
【0099】
(D3)上記第1実施形態では、プログラム320a1が記憶装置320に記憶済であった。しかし、プログラム320a1は単体で製造又は配布されてもよい。プログラム320a1の具体的な配布方法としては、フラッシュROM(Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラム320a1を書き込んで配布する態様、又はインターネット等の電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様が考えられる。当該プログラム320a1をパーソナルコンピュータ等の一般的な情報処理装置にインストールし、当該情報処理装置のCPU等のコンピュータを当該プログラム320a1に従って作動させることで当該情報処理装置を本開示の制御装置として機能させることが可能になる。プログラム220b1及びプログラム120c1も単体で製造又は配布されてもよい。
【0100】
(D4)上記各実施形態では、記憶装置120は、処理装置100が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。記憶装置220及び記憶装置320も同様である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されても良い。なお、基地局は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
【0101】
(D5)上記各実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0102】
(D6)上記各実施形態において、説明した情報及び信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0103】
(D7)上記各実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0104】
(D8)上記各実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0105】
(D9)上記各実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称によって呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順又は機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0106】
(D10)上記各実施形態において、端末装置20A、20B、又は40は、移動局である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0107】
(D11)上記各実施形態において、「接続された(connected)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」されると考えることができる。
【0108】
(D12)上記各実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0109】
(D13)「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0110】
(D14)本願の全体において、例えば、英語におけるa、an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数を含む。
【0111】
(D15)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1A,1B,1C…遠隔操作システム、10A,10C…ロボット、20A,20B,40…端末装置、30A…制御装置、100,200,300…処理装置、110,210,310…通信装置、120,220,320…記憶装置、130…撮像装置、140…操作装置、142…指示体、144…アーム、230…表示装置、240…入力装置、100a1,200a1,300a1,300b1,300c1…制御部、300a2,300b2,300c2…取得部、300a3…検出部、300a4…生成部、300a5…変換部、300a6,300b6…特定部、300a7,300c7…更新部、320a2…第1変換情報、320a3…第2変換情報、320a4…アプリDB、320a5…テーブル。