(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20240611BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240611BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2020191189
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】新倉 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】前場 康太
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-177866(JP,A)
【文献】特開2016-009530(JP,A)
【文献】特開2000-242879(JP,A)
【文献】特開2005-337990(JP,A)
【文献】特開2015-146321(JP,A)
【文献】特開2014-194952(JP,A)
【文献】特開2019-175548(JP,A)
【文献】特開2005-291772(JP,A)
【文献】特開2018-206728(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0185752(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00/39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力系統から
照明器具への通電を制御するためのスイッチ装置であって、
ユーザの操作を受け付ける操作部と、
前記スイッチ装置の状態を通知するための通知部と、
外部機器と無線通信可能な無線通信部と、
時刻を計時する計時部を有し、当該計時部により計時される内部時刻に基づく制御が可能であり、前記
商用電力系統から電源供給される制御部と、を備え、
前記無線通信部は、前記外部機器から現在時刻を取得可能であり、
前記制御部は、前記内部時刻に異常が発生したとき、前記通知部から内部時刻の異常を通知する、
スイッチ装置。
【請求項2】
外部電源から負荷への通電を制御するためのスイッチ装置であって、
ユーザの操作を受け付ける操作部と、
前記スイッチ装置の状態を通知するための通知部と、
外部機器と無線通信可能な無線通信部と、
時刻を計時する計時部を有し、当該計時部により計時される内部時刻に基づく制御が可能であり、前記外部電源から電源供給される制御部と、を備え、
前記無線通信部は、前記外部機器から現在時刻を取得可能であり、
前記制御部は、前記内部時刻に異常が発生したとき、前記通知部から内部時刻の異常を通知し、
前記制御部は、停電からの復旧後に、前記外部機器から現在時刻を取得できないとき、前記通知部から内部時刻の異常をユーザに向けて通知する、
スイッチ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記無線通信部を介して前記外部機器から取得した現在時刻をもとに、内部時刻を修正する、
請求項
1に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記内部時刻を修正した後、修正後の内部時刻を、前記無線通信部を介して、別のスイッチ装置に送信する、
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記制御部は、別のスイッチ装置から、前記無線通信部を介して、前記別のスイッチ装置で修正後の内部時刻を受信する、
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記無線通信部は、前記別のスイッチ装置と、特定小電力無線で通信する、
請求項4または5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記外部機器は、ユーザが所持する携帯通信端末であり、
前記無線通信部は、前記携帯通信端末と、2.4GHz帯を使用した近距離無線通信で通信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記通知部は、ランプを含み、
前記制御部は、前記内部時刻の異常を通知する際、前記ランプを点滅させる、
請求項1から7のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記通知部は、前記照明器具の消灯時に点灯するランプを含み、
前記制御部は、前記内部時刻の異常を通知する際、前記ランプを点滅させる、
請求項
1に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記スイッチ装置は、二線式である、
請求項1から9のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイマー機能を有するスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明をオン/オフするためのスイッチ装置(例えば、特許文献1参照)に、タイマー機能と無線通信機能を持たせたスイッチ装置が普及してきている。タイマー機能を持つスイッチ装置を使用すると、所定時間後(例えば、30分後、60分後)に照明を消灯させることができたり、特定の時刻に照明を点灯/消灯させたりすることができる。また、無線通信機能を持つスイッチ装置を使用すると、当該スイッチ装置以外の機器から当該スイッチ装置を制御できるようになる。例えば、無線ルータ装置と無線アダプタ装置を介さずに、Bluetooth(登録商標)を介してスマートフォンから直接操作できるスイッチ装置も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチ装置は基本的に電池を搭載していないため、停電が発生すると、内部時刻がリセットされる。また、省電力で低コストなスイッチ装置の場合、現在時刻を高精度に維持することが難しい。そこで、外部機器から定期的に現在時刻を取得することが考えられる。なお、停電から復旧した際は、外部機器から可及的速やかに現在時刻を取得して、スイッチ装置の内部時刻を現在時刻に合わせることが望ましい。
【0005】
外部機器がスマートフォンの場合、スマートフォンの電源が入っていないと、停電から復旧しても、直ぐにはスイッチ装置の内部時刻を現在時刻に合わせることができない。その場合、スイッチ装置の内部時刻が現在時刻と合っていない状態が、長時間続くことになる。
【0006】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、スイッチ装置の内部時刻と現在時刻が合っていない期間を短縮する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のスイッチ装置は、外部電源から負荷への通電を制御するためのスイッチ装置であって、ユーザの操作を受け付ける操作部と、前記スイッチ装置の状態を通知するための通知部と、外部機器と無線通信可能な無線通信部と、時刻を計時する計時部を有し、当該計時部により計時される内部時刻に基づく制御が可能であり、前記外部電源から電源供給される制御部と、を備える。前記無線通信部は、前記外部機器から現在時刻を取得可能であり、前記制御部は、前記内部時刻に異常が発生したとき、前記通知部から内部時刻の異常を通知する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム等の間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、スイッチ装置の内部時刻と現在時刻が合っていない期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係るスイッチ装置の接続構成を説明するための図である。
【
図3】実施の形態に係るスイッチ装置による時刻合わせ処理の第1動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図4】実施の形態に係るスイッチ装置による時刻合わせ処理の第2動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、実施の形態に係るスイッチ装置10の接続構成を説明するための図である。戸建住宅、集合住宅の住戸、オフィスフロア等の建物内には、複数の照明器具2a-2cが設置される。照明器具2には、LED照明、白熱灯、蛍光灯等を使用することができる。複数のスイッチ装置10a-10cは、複数の照明器具2a-2cへの通電をそれぞれ制御するためのスイッチ装置である。
【0012】
スイッチ装置10は無線通信機能を有し、外部機器と接続することが可能である。
図1では、携帯通信端末5と接続する例を示している。携帯通信端末5は、ユーザが所持する無線通信機能を有する情報端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット等が該当する。ユーザが、照明器具2を制御するためのアプリケーションプログラムを携帯通信端末5に予めダウンロードし、携帯通信端末5と複数のスイッチ装置10a-10cとの間で、それぞれペアリング手続きを行うことにより、携帯通信端末5から複数のスイッチ装置10a-10cを操作できるようになる。
【0013】
ユーザは、携帯通信端末5の電波がスイッチ装置10に届く範囲で、どこからでも、携帯通信端末5を操作することにより、照明器具2の点灯/消灯操作、並びに調光操作が可能である。また、ユーザは、携帯通信端末5に所望の日時を入力することにより、所望の日時に照明器具2を自動で点灯/消灯させるタイマー設定機能を利用可能である。タイマー設定機能により、例えば、起床時間に合わせて照明器具2を点灯させることができる。また、留守中にランダムに照明器具2を点灯させて防犯効果を持たせることもできる。このように、携帯通信端末5から照明器具2を操作する仕組みを導入すれば、照明器具2を操作するための専用のリモートコントローラが不要となる。
【0014】
なお、建物内に、外部ネットワーク(例えば、インターネット)に接続された無線ルータ装置と無線アダプタ装置が設置されていれば、外出先からも携帯通信端末5を使用して、照明器具2を操作することができる。以下、本実施の形態では、携帯通信端末5と複数のスイッチ装置10a-10cが、無線ルータ装置と無線アダプタ装置を介さずに直接、無線接続される例を想定する。
【0015】
図1に示す例では、複数の照明器具2a-2cと複数のスイッチ装置10a-10cが2線式で配線されている。建物内に既設されている旧式のスイッチ装置は2線式で配線されているものが多い。この既設のスイッチ装置を、本実施の形態に係るスイッチ装置10に交換する場合、新設するスイッチ装置10も2線式で配線したほうが施工が容易であり、交換のハードルが低い。
【0016】
複数のスイッチ装置10a-10cのそれぞれは、商用電力系統3の電圧線と中性線(アース線)Wに接続され、商用電力系統3から電源供給を受ける。複数の照明器具2a-2cのそれぞれは、商用電力系統3の電圧線と中性線Wとの間に接続される。より具体的には、各照明器具2a-2cの一端は、各スイッチ装置10a-10cを介して電圧線に接続され、各照明器具2a-2cの他端は中性線Wに接続される。
【0017】
例えば、商用電力系統3が200Vの単相3線で屋内に引き込まれている場合、スイッチ装置10と照明器具2は、単相3線の一方の電圧線と中性線Wに接続され、100Vの電圧を受ける。商用電力系統3が100Vの単相2線で屋内に引き込まれている場合、スイッチ装置10と照明器具2は、当該2線に接続され、100Vの電圧を受ける。
【0018】
スイッチ装置10は通常、建物の壁に設置される。ユーザは、壁から露出しているスイッチ装置10の前面に設置されたタッチパネル14pを操作することにより、照明器具2を制御することができる。例えば、タッチパネル14p上でユーザが指を上下方向にスライドさせることにより、調光を制御することができる。
【0019】
タッチパネル14pの中央部にはランプ151が設置されている。ランプ151は、照明器具2が消灯しているときも点灯しているランプ(例えば、白色LED)である。ランプ151は、暗闇でスイッチ装置10の位置をユーザに認識させることに貢献する。
【0020】
図2は、スイッチ装置10の構成例を示す図である。スイッチ装置10は、無線通信部11、制御部12、記憶部13、操作部14、通知部15、電源回路16、及びスイッチ素子17を備える。
【0021】
電源回路16は、商用電力系統3から供給される電源をもとに、制御部12の動作電源を生成する回路である。電源回路16は例えば、整流回路、DC/DCコンバータを含む。電源回路16は、100Vの交流電圧を、5V以下の直流電圧に変換して、制御部12に供給する。
【0022】
スイッチ素子17は、商用電力系統3の電圧線と、照明器具2の間に挿入されるスイッチ素子である。当該スイッチ素子には、半導体スイッチを使用することができる。半導体スイッチとして例えば、NチャンネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)とPチャンネルMOSFETが直列接続された双方向スイッチ、サイリスタ、トライアック等を使用することができる。
【0023】
無線通信部11は、第1無線通信部111及び第2無線通信部112を含む。第1無線通信部111は、第1通信方式で無線通信するための通信部である。第2無線通信部112は、第2通信方式で無線通信するための通信部である。
【0024】
第1通信方式として、例えば、2.4GHz帯を使用した近距離無線通信を使用することができる。当該近距離無線通信として、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)を使用することができる。なお、Wi-Fi(登録商標)を使用してもよい。本実施の形態では、スイッチ装置10は、第1通信方式を使用して携帯通信端末5と無線接続する。
【0025】
第2の通信方式として、例えば、ARIB STD-T108に準拠した920MHz帯の電波を使用した小電力無線(特定小電力無線)を使用することができる。なお、420MHz帯の電波を使用した小電力無線を使用してもよい。本実施の形態では、スイッチ装置10は、第2通信方式を使用して他のスイッチ装置10と無線接続する。
【0026】
なお、第2無線通信部112を省略し、スイッチ装置10が、第1通信方式を使用して携帯通信端末5と他のスイッチ装置10の両方と無線接続する仕様でもよい。また、スイッチ装置10間で無線接続しない仕様の場合も、第2無線通信部112を省略することができる。
【0027】
制御部12は、スイッチ装置10全体を統括的に制御する。制御部12は例えば、マイクロコンピュータを含んで構成される。記憶部13は、プログラムやデータを記憶する。記憶部13は例えば、不揮発性の半導体メモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリ)を含んで構成される。本実施の形態では記憶部13は、機器連携している、携帯通信端末5と他のスイッチ装置10の識別情報を保持する。
【0028】
制御部12は、操作部14から入力される操作信号に応じてスイッチ素子17を制御する。操作部14から入力される操作信号がオン/オフ信号の場合、制御部12は、スイッチ素子17をオン/オフ制御する。操作部14から入力される操作信号が調光信号の場合、制御部12は、調光レベルに応じた位相制御又は逆位相制御を実行する。制御部12は、第1無線通信部111を介して携帯通信端末5から制御コマンドを受信すると、制御コマンドに応じてスイッチ素子17を制御する。
【0029】
制御部12は、時刻を計時する計時部121を含む。計時部121は、水晶振動子、発振器、分周器、及びカウンタを含む。水晶振動子と発振器で生成された基準クロックを、分周器で分周することにより、1秒クロックが生成される。制御部12は、計時部121により計時される内部時刻に基づき、タイマー点灯/タイマー消灯を行っている。
【0030】
本実施の形態に係るスイッチ装置10は、小型化・低コスト化のため、電池を搭載していない。したがって、停電が発生すると商用電力系統3から電源回路16へ電力が供給されなくなり、電源回路16から制御部12への電源供給が途絶える。これにより、発振器、分周器、及びカウンタへの電源供給が途絶えるため、制御部12内の内部時刻の計時が停止する。
【0031】
また、本実施の形態に係るスイッチ装置10は、2線式のスイッチ装置10である。2線式は、3線式/4線式と比較して負荷容量が小さい。ここで、負荷には、電源回路16及び制御部12も含まれる。したがって、消費電流が大きい高精度な発振器及び分周器を用いることが難しく、高精度な1秒クロックを生成することが難しい。したがって、基本的に内部時刻がずれやすい仕様になっている。
【0032】
そこで、制御部12は、無線通信部11から定期的に外部機器(本実施の形態では、携帯通信端末5)に無線アクセスして、外部機器から現在時刻を取得し、内部時刻を現在時刻に合わせている。
【0033】
ここで、停電が発生すると、制御部12への通電が停止し、内部時刻がリセットされる。したがって、復電後は、可及的速やかに外部機器から現在時刻を取得して、内部時刻を合わせる必要がある。そこで、停電からの復旧により、制御部12が再起動すると、その直後に、無線通信部11から外部機器に無線アクセスして、現在時刻の取得を試みる。
【0034】
しかしながら、外部機器が携帯通信端末5である場合、現在時刻を取得できないケースが多く発生する。例えば、携帯通信端末5がスイッチ装置10から電波が届かない位置にある、携帯通信端末5の電源が入っていない、携帯通信端末5のBluetooth機能がオフになっている、時刻合わせに関するアプリケーションのバックグラウンドでの動作が不許可に設定されている等の場合、携帯通信端末5から現在時刻を取得できない。
【0035】
制御部12は、携帯通信端末5から現在時刻を取得できない場合、通知部15を使用して内部時刻の異常をユーザに向けて通知する。ユーザが当該通知を認識して、携帯通信端末5からスイッチ装置10に現在時刻を送信できる状態にすれば、制御部12は、携帯通信端末5から現在時刻を取得することができる。
【0036】
停電による内部時刻のリセットは、内部時刻の異常の一例である。例えば、スイッチ装置10が高温や過電流により一旦停止した場合も、内部時刻がリセットされる。この場合も、制御部12が再起動すると、その直後に、無線通信部11から外部機器に無線アクセスして、現在時刻の取得を試みる。
【0037】
通知部15は、ランプ151及びスピーカ152を含む。制御部12は、照明器具2の点灯状態に関わらず、ランプ151を点灯させ続ける。即ち、ランプ151は、照明器具2が消灯しているときも点灯している。なお、タッチパネル14pの操作時には、制御部12は、ランプ151を消灯させる。制御部12は、タッチパネル14pが操作されたとき、スピーカ152から操作音を出力させる。なお、操作音が鳴らない設定も可能である。
【0038】
制御部12は、内部時刻の異常を通知する場合、ランプ151を点滅させる。なお、ランプ151が複数色のLEDを含んでいる場合、ランプ151を点滅させる代わりに、制御部12はランプ151を目立つ色(例えば、赤色)で点灯させてもよい。また、制御部12は、ランプ151を赤色と青色で交互に点灯させてもよい。また、制御部12は、内部時刻の異常を通知する場合、スピーカ152から警告音を出力させてもよい。
【0039】
図3は、実施の形態に係るスイッチ装置10による時刻合わせ処理の第1動作例を説明するためのフローチャートである。以下に示す動作例では、スイッチ装置10が携帯通信端末5に8時間毎に時刻取得要求を送信する例を想定している。なお、時刻取得要求を送信する間隔は8時間に限定されるものではなく、6時間、12時間、24時間等でもよい。
【0040】
スイッチ装置10の制御部12は、携帯通信端末5への前回の時刻取得要求の送信時から8時間が経過すると(S10のY)、携帯通信端末5に時刻取得要求を送信する(S11)。携帯通信端末5から現在時刻を受信できた場合(S12のY)、制御部12は、受信した現在時刻で内部時刻を修正する(S13)。携帯通信端末5から現在時刻を受信できなかった場合(S12のN)、ステップS13がスキップされる。即ち、今回の時刻合わせはスキップされる。停電が発生しない間は(S14のN)、ステップS10に遷移する。
【0041】
停電が発生すると(S14のY)、制御部12への通電が停止し、制御部12がシャットダウンする(S15)。停電が復旧すると(S16のY)、制御部12が再起動する(S17)。制御部12は、携帯通信端末5に時刻取得要求を送信する(S18)。携帯通信端末5から現在時刻を受信できた場合(S19のY)、制御部12は、受信した現在時刻で内部時刻を修正する(S21)。ステップS10に遷移する。
【0042】
携帯通信端末5から現在時刻を受信できなかった場合(S19のN)、制御部12は、通知部15から内部時刻の異常を通知する(S20)。ユーザが当該通知を認識して、携帯通信端末5からスイッチ装置10に現在時刻を送信できる状態にすれば、制御部12は、携帯通信端末5から現在時刻を取得することができるようになる(S19のY)。
【0043】
図4は、実施の形態に係るスイッチ装置10による時刻合わせ処理の第2動作例を説明するためのフローチャートである。
図4に示す第2動作例は、
図3に示した第1動作例にステップS22の処理が追加された例である。
【0044】
制御部12は、受信した現在時刻で内部時刻を修正する(S21)。その後、制御部12は、修正後の内部時刻を、第2無線通信部112を介して他のスイッチ装置10に通知する(S22)。ステップS10に遷移する。これにより、停電からの復旧後、一つのスイッチ装置10が携帯通信端末5から現在時刻を取得できれば、携帯通信端末5からの電波が届かない位置に設置されたスイッチ装置10も、現在時刻を取得できたスイッチ装置10から、現在時刻を取得することができる。
【0045】
以上説明したように本実施の形態によれば、停電からの復旧後に、外部機器から現在時刻を取得できない場合、ユーザに内部時刻の異常を通知することにより、スイッチ装置10の内部時刻と現在時刻が合っていない期間を短縮することができる。現在時刻の要求先の外部機器が携帯通信端末5のように、移動を伴う機器である場合に、特に有効である。
【0046】
なお、現在時刻の要求先の外部機器は携帯通信端末5に限定されるものではない。現在時刻の要求先の外部機器が無線アダプタ装置であった場合でも、無線アダプタ装置が停電からの復旧時、適切に再起動できていない場合がある。その場合、適切に再起動するためにユーザの操作が必要となる。通知部15を使用して内部時刻の異常をユーザに向けて通知することにより、無線アダプタ装置の再起動をユーザに促すことができる。現在時刻の要求先の外部機器がスマートスピーカである場合も同様である。
【0047】
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
上述した実施の形態では、複数の照明器具2a-2cと複数のスイッチ装置10a-10cを2線式で配線する例を説明した。この点、3線式や4線式を排除するものではない。3線式や4線式であっても、低コスト化のため計時部121に低仕様の部品を使用した場合、内部時刻の精度は低くなる。また、停電時にリセットされるのは、2線式の場合と同様である。
【0049】
また、上述した実施の形態では、照明器具2への通電を制御するスイッチ装置10を説明した。この点、スイッチ装置10は別の負荷の通電を制御することにも使用可能である。例えば、換気扇への通電を制御するスイッチ装置としても使用可能である。
【0050】
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
【0051】
[項目1]
外部電源(3)から負荷(2)への通電を制御するためのスイッチ装置(10)であって、
ユーザの操作を受け付ける操作部(14)と、
前記スイッチ装置(10)の状態を通知するための通知部(15)と、
外部機器(5)と無線通信可能な無線通信部(11)と、
時刻を計時する計時部(121)を有し、当該計時部(121)により計時される内部時刻に基づく制御が可能であり、前記外部電源(3)から電源供給される制御部(12)と、を備え、
前記無線通信部(11)は、前記外部機器(5)から現在時刻を取得可能であり、
前記制御部(12)は、前記内部時刻に異常が発生したとき、前記通知部(15)から内部時刻の異常を通知する、
スイッチ装置(10)。
これによれば、内部時刻の異常をユーザに通知することができ、早期の時刻合わせをユーザに促すことができる。
[項目2]
前記制御部(12)は、停電からの復旧後に、前記外部機器(5)から内部時刻を取得できないとき、前記通知部(15)から内部時刻の異常をユーザに向けて通知する、
項目1に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、停電からの復旧後に、早期の時刻合わせをユーザに促すことができる。
[項目3]
前記制御部(12)は、前記無線通信部(11)を介して前記外部機器(5)から取得した現在時刻をもとに、内部時刻を修正する、
項目1または2に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、内部時刻の精度を確保することができる。
[項目4]
前記制御部(12)は、前記内部時刻を修正した後、修正後の内部時刻を、前記無線通信部(11)を介して、別のスイッチ装置(10)に送信する、
項目3に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、外部機器(5)から電波が届かない位置にあるスイッチ装置(10)も、早期に時刻合わせを行うことができる。
[項目5]
前記制御部(12)は、別のスイッチ装置(10)から、前記無線通信部(11)を介して、前記別のスイッチ装置(10)で修正後の内部時刻を受信する、
項目3に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、外部機器(5)から電波が届かない位置にあるスイッチ装置(10)も、早期に時刻合わせを行うことができる。
[項目6]
前記無線通信部(11)は、前記別のスイッチ装置(10)と、特定小電力無線で通信する、
項目4または5に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、2.4GHz帯を使用した近距離無線通信より、広範囲な無線通信が可能であり、建物内に設置された複数のスイッチ装置(10)間の無線通信が確保される。
[項目7]
前記外部機器(5)は、ユーザが所持する携帯通信端末(5)であり、
前記無線通信部(11)は、前記携帯通信端末(5)と、2.4GHz帯を使用した近距離無線通信で通信する、
項目1から6のいずれか1項に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、市販のスマートフォンやタブレットを、リモートコントローラとして使用することができる。
[項目8]
前記通知部(15)は、ランプ(151)を含み、
前記制御部(12)は、前記内部時刻の異常を通知する際、前記ランプ(151)を点滅させる、
項目1から7のいずれか1項に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、ユーザの注意を引くことができる。
[項目9]
前記負荷(2)は照明器具(2)であり、
前記通知部(15)は、前記照明器具(2)の消灯時に点灯するランプ(151)を含み、
前記制御部(12)は、前記内部時刻の異常を通知する際、前記ランプ(151)を点滅させる、
項目1から7のいずれか1項に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、照明器具(2)のユーザの注意を引くことができる。
[項目10]
前記スイッチ装置(10)は、二線式である、
項目1から9のいずれか1項に記載のスイッチ装置(10)。
これによれば、旧式のスイッチ装置と置き換える際の施工が容易である。
【符号の説明】
【0052】
2 照明器具、 3 商用電力系統、 5 携帯通信端末、 10 スイッチ装置、 11 無線通信部、 111 第1無線通信部、 112 第2無線通信部、 12 制御部、 121 計時部、 13 記憶部、 14 操作部、 15 通知部、 151 ランプ、 152 スピーカ、 16 電源回路、 17 スイッチ素子。