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特許7502165熱電変換モジュール及びそれを備える熱電発電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】熱電変換モジュール及びそれを備える熱電発電装置
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/82 20230101AFI20240611BHJP
   H10N 10/17 20230101ALI20240611BHJP
   H02N 3/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H10N10/82
H10N10/17 Z
H02N3/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020200546
(22)【出願日】2020-12-02
(65)【公開番号】P2022088228
(43)【公開日】2022-06-14
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 暁拡
(72)【発明者】
【氏名】宗藤 伸治
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-088028(JP,A)
【文献】特開2018-137866(JP,A)
【文献】特開2005-268284(JP,A)
【文献】特開平08-254468(JP,A)
【文献】国際公開第2018/174173(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/118959(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/82
H10N 10/17
H02N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型半導体部と、pn接合界面を介して前記p型半導体部と接合されたn型半導体部とを有する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子と接触する複数の電極と、
を備える熱電変換モジュールであって、
前記複数の電極は、前記熱電変換素子から電力を取り出すための一対の第1出力電極及び一対の第2出力電極を含み、
前記熱電変換素子は、前記熱電変換素子に熱を供給する熱供給体の表面である加熱面の上に、前記加熱面に対して前記pn接合界面が垂直となるように配置され、
前記一対の第1出力電極は、前記加熱面と対向する前記p型半導体部の表面であるp側対向面の反対側に位置するp側反対面に配置された第1p側電極と、前記加熱面と対向する前記n型半導体部の表面であるn側対向面と反対側に位置するn側反対面に配置された第1n側電極であり、
前記一対の第2出力電極は、前記p側対向面に配置された第2p側電極と、前記n側対向面に配置された第2n側電極である
ことを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項2】
p型半導体部と、pn接合界面を介して前記p型半導体部と接合されたn型半導体部とを有する複数の熱電変換素子を電気的に直列に接続して得られる素子直列体と、
前記素子直列体と接触する複数の電極と、
を備える熱電変換モジュールであって、
前記複数の電極は、前記素子直列体から電力を取り出すための一対の第1出力電極及び一対の第2出力電極を含み、
前記素子直列体は、前記素子直列体に熱を供給する熱供給体の表面である加熱面の上に、前記素子直列体を構成する各熱電変換素子の前記pn接合界面が前記加熱面に対して垂直となるように配置され、
前記一対の第1出力電極は、前記素子直列体の一端に位置し、かつ前記加熱面と対向する前記p型半導体部の表面であるp側対向面の反対側に位置するp側反対面に配置された第1p側電極と、前記素子直列体の他端に位置し、かつ前記加熱面と対向する前記n型半導体部の表面であるn側対向面と反対側に位置するn側反対面に配置された第1n側電極であり、
前記一対の第2出力電極は、前記p側対向面に配置された第2p側電極と、前記n側対向面に配置された第2n側電極である
ことを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記複数の熱電変換素子は、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とを含み、
前記第1熱電変換素子と前記第2熱電変換素子とは、前記第1熱電変換素子の前記n型半導体部における前記pn接合界面と反対側の表面が前記第2熱電変換素子の前記p型半導体部における前記pn接合界面と反対側の表面と直接的に接続されていることにより、電気的に直列に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
前記複数の熱電変換素子は、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とを含み、
前記複数の電極は、前記第1熱電変換素子と前記第2熱電変換素子とを接続する素子間電極を含み、
前記第1熱電変換素子と前記第2熱電変換素子とは、前記第1熱電変換素子の前記n型半導体部と記第2熱電変換素子の前記p型半導体部とが直接的に接することなく前記素子間電極を介して接続されていることにより、電気的に直列に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の熱電変換モジュール。
【請求項5】
前記熱供給体は、熱流を有し、
前記素子直列体は、前記素子直列体を構成する各熱電変換素子の前記pn接合界面が前記熱流の方向と平行となるように配置されている
ことを特徴とする請求項2~4の何れか1つに記載の熱電変換モジュール。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の前記熱電変換モジュールと、
前記熱電変換モジュールから電力の供給を受ける負荷機器と、
前記第1p側電極及び前記第1n側電極を介して前記熱電変換モジュールと前記負荷機器とを接続する第1電気回路と、
前記第2p側電極及び前記第2n側電極を介して前記熱電変換モジュールと前記負荷機器とを接続する第2電気回路と、
前記第1電気回路を開閉する第1スイッチと、
前記第2電気回路を開閉する第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのそれぞれの開閉を制御する制御装置と、
前記第1電気回路に設けられ、前記第1電気回路を流れる電流を検知する電流検知部と、
を備える熱電発電装置であって、
前記負荷機器は、前記第1電気回路と前記第2電気回路との間で共用された共用導線上に配置され、
前記制御装置は、前記熱電変換モジュールから前記負荷機器への電力供給のために前記第1スイッチを閉じ、かつ前記第2スイッチを開くことで前記第1電気回路を利用している際に、前記電流検知部によって前記第1電気回路の断線を検知した場合には、前記第2スイッチを閉じる
ことを特徴とする熱電発電装置。
【請求項7】
前記p型半導体部及び前記n型半導体部のそれぞれは、直方体形状を有し、かつ、前記加熱面と垂直な方向の長さの方が前記pn接合界面と垂直な方向の長さよりも大きくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1つに記載の熱電変換モジュール。
【請求項8】
前記p側反対面、前記n側反対面、前記p側対向面及び前記n側対向面のうちの少なくとも1つには、対応する前記複数の電極の設置用の接合材を溜める凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1~5及び7の何れか1つに記載の熱電変換モジュール。
【請求項9】
前記複数の電極の少なくとも1つには、前記p側反対面、前記n側反対面、前記p側対向面及び前記n側対向面のうちの何れかと対向する表面に、接合材を溜める凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1~5、7及び8の何れか1つに記載の熱電変換モジュール。
【請求項10】
前記熱電変換素子は、前記pn接合界面に形成されている空乏層におけるバンドギャップの大きさが、前記p型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ、及び前記n型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさの少なくとも一方よりも小さくなるように構成されている
ことを特徴とする請求項1~5、及び7~9の何れか1つに記載の熱電変換モジュール。
【請求項11】
前記熱電変換素子は、前記pn接合界面に形成されている空乏層におけるバンドギャップの大きさが、前記p型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ、及び前記n型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさの少なくとも一方よりも小さくなるように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の熱電発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱電変換モジュール及びそれを備える熱電発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、熱電変換素子が開示されている。この熱電変換素子は、p型半導体素子と、n型半導体素子と、電極とを備えている。p型半導体素子は、絶縁支持体の内部に隔壁を介した一方に充填され、ゼーベック効果を有する。n型半導体素子は、当該隔壁を介した他方に充填され、熱源側(高温側)の一端部においてp型半導体素子と直接電気的に接続され、ゼーベック効果を有する。電極は、熱源側と反対側に位置する絶縁支持体の側面に形成された開口部においてp型半導体素子及びn型半導体素子にそれぞれ設けられている。また、特許文献1には、上述の構成を有する複数の熱電変換素子を電気的に直列に接続して得られる熱電変換モジュールが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、熱電変換素子の内部に温度差がなくても発電できる半導体単結晶(熱電変換素子)として、チョクラルスキー法等の結晶成長法で製造されたBaAuSi46-y等のクラスレート化合物が開示されている。さらに、特許文献3には、同様に温度差がなくても発電できる熱電変換素子として、p型シリコンとn型シリコンとが接合された熱電変換素子が開示されている。また、特許文献4には、特許文献2に記載の半導体単結晶を熱電変換素子として用い、pn接合界面が加熱面(熱源)に対して垂直となるように当該熱電変換素子を配置した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-134940号公報
【文献】国際公開第2015/125823号公報
【文献】特開2020-88028号公報
【文献】特開2017-135152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の熱電変換モジュールの両端に設けられた電極(上述の複数の熱電変換素子のそれぞれの上記側面に設置された電極のうち、直列に接続された複数の熱電変換素子の集合体である熱電変換モジュールとして見た場合に両端に位置する2つの電極)と負荷機器とを接続する電気回路を構成することにより、熱電発電を行うことができる。しかしながら、この電気回路に断線が生じた場合には、熱電変換モジュールから電力を取り出せなくなる。したがって、熱電変換モジュールには、電力の取り出しに関する自由度を高めることが求められる。
【0006】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、電力の取り出しに関する自由度を高めることが可能な熱電変換モジュール及びそれを備える熱電発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る熱電変換モジュールは、熱電変換素子と、複数の電極とを備える。熱電変換素子は、p型半導体部と、pn接合界面を介してp型半導体部と接合されたn型半導体部とを有する。
複数の電極は、熱電変換素子と接触しており、熱電変換素子から電力を取り出すための一対の第1出力電極及び一対の第2出力電極を含む。
熱電変換素子は、熱電変換素子に熱を供給する熱供給体の表面である加熱面の上に、加熱面に対してpn接合界面が垂直となるように配置されている。
一対の第1出力電極は、加熱面と対向するp型半導体部の表面であるp側対向面の反対側に位置するp側反対面に配置された第1p側電極と、加熱面と対向するn型半導体部の表面であるn側対向面と反対側に位置するn側反対面に配置された第1n側電極である。
一対の第2出力電極は、p側対向面に配置された第2p側電極と、n側対向面に配置された第2n側電極である。
【0008】
本発明の他の態様に係る熱電変換モジュールは、素子直列体と、複数の電極とを備える、素子直列体は、p型半導体部とpn接合界面を介してp型半導体部と接合されたn型半導体部とを有する複数の熱電変換素子を電気的に直列に接続して得られる。
複数の電極は、素子直列体と接触しており、素子直列体から電力を取り出すための一対の第1出力電極及び一対の第2出力電極を含む。
素子直列体は、素子直列体に熱を供給する熱供給体の表面である加熱面の上に、素子直列体を構成する各熱電変換素子のpn接合界面が加熱面に対して垂直となるように配置されている。
一対の第1出力電極は、素子直列体の一端に位置し、かつ加熱面と対向するp型半導体部の表面であるp側対向面の反対側に位置するp側反対面に配置された第1p側電極と、素子直列体の他端に位置し、かつ加熱面と対向するn型半導体部の表面であるn側対向面と反対側に位置するn側反対面に配置された第1n側電極である。
一対の第2出力電極は、p側対向面に配置された第2p側電極と、n側対向面に配置された第2n側電極である。
【0009】
複数の熱電変換素子は、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とを含んでもよい。そして、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは、第1熱電変換素子のn型半導体部におけるpn接合界面と反対側の表面が第2熱電変換素子のp型半導体部におけるpn接合界面と反対側の表面と直接的に接続されていることにより、電気的に直列に接続されていてもよい。
【0010】
複数の熱電変換素子は、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とを含んでもよい。複数の電極は、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とを接続する素子間電極を含んでもよい。そして、第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは、第1熱電変換素子のn型半導体部と記第2熱電変換素子のp型半導体部とが直接的に接することなく素子間電極を介して接続されていることにより、電気的に直列に接続されていてもよい。
【0011】
熱供給体は、熱流を有してもよい。そして、素子直列体は、素子直列体を構成する各熱電変換素子のpn接合界面が熱流の方向と平行となるように配置されていてもよい。
【0012】
本発明に係る熱電発電装置は、上述の熱電変換モジュールとともに、負荷機器と、第1電気回路と、第2電気回路と、第1スイッチと、第2スイッチと、制御装置と、電流検知部とを備える。
負荷機器は、熱電変換モジュールから電力の供給を受ける。第1電気回路は、第1p側電極及び第1n側電極を介して熱電変換モジュールと負荷機器とを接続している。第2電気回路は、第2p側電極及び第2n側電極を介して熱電変換モジュールと負荷機器とを接続している。第1スイッチは、第1電気回路を開閉する。第2スイッチは、第2電気回路を開閉する。制御装置は、第1スイッチ及び第2スイッチのそれぞれの開閉を制御する。電流検知部は、第1電気回路に設けられ、第1電気回路を流れる電流を検知する。
負荷機器は、第1電気回路と第2電気回路との間で共用された共用導線上に配置されている。
制御装置は、熱電変換モジュールから負荷機器への電力供給のために第1スイッチを閉じ、かつ第2スイッチを開くことで第1電気回路を利用している際に、電流検知部によって第1電気回路の断線を検知した場合には、第2スイッチを閉じる。
【0013】
p型半導体部及びn型半導体部のそれぞれは、直方体形状を有し、かつ、加熱面と垂直な方向の長さの方がpn接合界面と垂直な方向の長さよりも大きくなるように形成されていてもよい。
【0014】
p側反対面、n側反対面、p側対向面及びn側対向面のうちの少なくとも1つには、対応する複数の電極の設置用の接合材を溜める凹部が形成されていてもよい。
【0015】
複数の電極の少なくとも1つには、p側反対面、n側反対面、p側対向面及びn側対向面のうちの何れかと対向する表面に、接合材を溜める凹部が形成されていてもよい。
【0016】
熱電変換素子は、pn接合界面に形成されている空乏層におけるバンドギャップの大きさが、p型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ、及びn型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさの少なくとも一方よりも小さくなるように構成されていてもよい。
【0017】
熱電変換素子は、pn接合界面に形成されている空乏層におけるバンドギャップの大きさが、p型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ、及びn型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさの少なくとも一方よりも小さくなるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様又は他の態様に係る熱電変換モジュールにおける一対の第1出力電極の配置によれば、加熱面に対してpn接合界面が垂直となる方向において熱電変換素子の内部に生じ得る温度差を考慮して高い起電力を取り出すことが可能となる。そして、本熱電変換モジュールは、一対の第1出力電極だけでなく、もう一対の第2出力電極をも備えている。このため、1つの熱電変換モジュール1から2系統で起電力を取り出すことが可能となる。これにより、一対の第1出力電極と繋がる第1電気回路ともう一対の第2出力電極に繋がる第2電気回路とを備える熱電発電装置が構成された場合において、第1電気回路及び第2電気回路の一方に断線が生じたとしても、他方から電力を取り出すことが可能となる。また、種類の異なる2つの負荷機器が第1及び第2電気回路にそれぞれ接続された例では、1つの熱電変換モジュールによって種類の異なる2つの負荷機器を作動させることが可能となる。このように、本実施形態に係る熱電変換モジュール及びそれを備える熱電発電装置によれば、電力の取り出しに関する自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態1に係る熱電変換素子の構成を模式的に示す図である。
図2図1に示す熱電変換素子のエネルギーバンド図である。
図3図1に示す熱電変換素子の発電原理を説明するための模式図である。
図4】実施の形態1に係る熱電変換モジュールの構成を模式的に示す斜視図である。
図5図4に示す第1出力電極の配置場所が好ましいことを説明するための模式図である。
図6図5に示す電圧(起電力)A~Cのそれぞれと温度との関係を表したグラフである。
図7】比較例に係る熱電変換素子Aの斜視図である。
図8】実施の形態1に係る熱電発電装置の構成を示す模式図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る熱電発電装置の構成を示す模式図である。
図10】実施の形態2に係る制御装置によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施の形態3に係る熱電変換モジュールの構成を模式的に示す斜視図である。
図12】実施の形態3に係る素子直列体の他の構成例を示す模式図である。
図13】本発明の実施の形態4に係る素子直列体の配置について説明するための図である。
図14図1に示す熱電変換素子への電極設置に関する課題を説明するための模式図である。
図15】熱電変換モジュールの製造時に生じ得る接合材の液だれ抑制のために本発明の実施の形態5に係る対策を備える熱電変換素子の構成を示す模式図である。
図16】熱電変換モジュールの製造時に生じ得る接合材の液だれ抑制のために実施の形態5に係る他の対策を備える素子間電極の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に説明される各実施の形態において、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略又は簡略する。また、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
【0021】
1.実施の形態1
1-1.熱電変換素子の構成
図1は、実施の形態1に係る熱電変換素子10の構成を模式的に示す図である。図1に示す一例では、熱電変換素子10は、角柱形状で形成されている。熱電変換素子10は、p型半導体部12と、n型半導体部14とを備えている。p型半導体部12とn型半導体部14とは、pn接合界面16を介して直接的に接合されている。熱電変換素子10は、以下に説明するように、その内部に温度差が生じていなくても発電可能に構成されている。
【0022】
ここでいう「温度差がなくても発電可能な熱電変換素子」は、「pn接合界面に形成されている空乏層(真性半導体部)におけるバンドギャップの大きさが、p型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ、及びn型半導体部において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさの少なくとも一方よりも小さい」という関係(以下、便宜上、「関係R」と称する)を満たすように構成されたものをいう。特許文献2及び3のそれぞれには、このような関係Rを満たす熱電変換素子の構成例及び製造方法が詳述されている。
【0023】
本実施形態の熱電変換素子10は、一例として、特許文献3(特開2020-88028)に記載された例と同様に構成されている。具体的には、熱電変換素子10は、p型半導体部12、n型半導体部14及び空乏層18(後述の図2参照)の何れも、同一の半導体材料、例えばシリコン(バンドギャップ:約1.2eV)を用いて形成されている。そして、p型及びn型半導体部12、14は、それぞれp型及びn型のドーパントでドープされている。すなわち、p型及びn型半導体部12、14は、それぞれp型シリコン及びn型シリコンである。p型ドーパントは、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、パラジウム、及びそれらの組み合わせからなる群より選択でき、また、n型ドーパントは、リン、アンチモン、ヒ素、チタン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択できる。
【0024】
上記構成を有する熱電変換素子10は、例えば、p型ドーパントによってドープされているシリコン粉末、及びn型ドーパントによってドープされているシリコン粉末を提供し、それらを積層して堆積させ、そして放電プラズマ焼結等の焼結方法で焼結してpn接合を形成することによって得ることができる。
【0025】
図2は、図1に示す熱電変換素子10のエネルギーバンド図である。熱電変換素子10はpn接合界面16に形成されている空乏層18を有し、かつp型及びn型半導体部12、14の双方が縮退半導体として構成されている。図2に示すように、熱電変換素子10では、p型半導体部12、n型半導体部14及び空乏層18を構成する材料自体のバンドギャップの大きさ(矢印20、22及び24をそれぞれ参照)は略同一である。
【0026】
しかしながら、熱電変換素子10では、p型及びn型半導体部12、14の両方が縮退半導体であること、すなわちp型半導体部12においてフェルミ準位26が価電子バンド28内にあり、かつn型半導体部14においてフェルミ準位が伝導バンド30内にあることによって、p型半導体部12において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ(矢印32参照)、及びn型半導体部14において電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさ(矢印34参照)を大きくすることができる。
【0027】
その結果として、熱電変換素子10では、空乏層18におけるバンドギャップの大きさ(矢印24)が、上記エネルギの大きさ(矢印32、34)よりも小さくなっている。すなわち、上述の関係Rが満たされている。
【0028】
図3は、図1に示す熱電変換素子10の発電原理を説明するための模式図である。p型半導体部12とn型半導体部14とが図3中の左側の図から中央の図のように接合されると、pn接合界面16の近傍にあった電子と正孔とが結合し、pn接合界面16の近傍に空乏層18が形成される。n型半導体部14側の空乏層18では、そこに存在した電子がなくなったことでプラスに帯電し、p型半導体部12では逆にマイナスに帯電する。その結果、中央の図に示すように、紙面左から右の方向に電界が発生する。
【0029】
上述の関係Rが満たされるようにバンドギャップアライメントが調整された熱電変換素子10によれば、熱電変換素子10に熱エネルギが与えられた際に、pn接合界面16からの電子正孔対の励起が促進され、一方、両端のp型半導体部12及びn型半導体部14からの電子正孔対の励起は抑制される。その結果、熱電変換素子10全体が均一温度で加熱された場合であっても、入熱によりpn接合界面16から励起した電子正孔対は、上述の電界によって図3中の右側の図のように分極し、起電力が発生する。より詳細には、関係Rが満たされることにより、熱電変換素子10全体が均一温度で加熱された場合であっても、空乏層18(真性半導体部分)での電子励起確率が、縮退したp型及びn型半導体部12、14での電子励起確率よりも大きくなり、空乏層18のキャリア密度が相対的に大きくなる。このようにして空乏層18で生成されたキャリア(すなわち、電子及び正孔)は、エネルギの低いn側及びp型半導体部14、12側にそれぞれ拡散していくことになる。このように空間的な電荷分離が起こることにより、起電力が発生する。
【0030】
熱電変換素子10では、上述の関係Rが満たされている空乏層18が「狭バンドギャップ層」として機能することにより、温度差がなくても発電が可能となる。そこで、以下の説明では、このような狭バンドギャップ層を利用して起電力が生じる効果が「狭バンドギャップ(Narrow Band Gap)効果」と称され、温度差に基づいて起電力が生じる「ゼーベック効果」と区別される。
【0031】
なお、狭バンドギャップ効果を得るための関係Rは、例えば、熱電変換素子が空乏層を有し、かつp型及びn型半導体部の一方のみが縮退半導体であることによって、空乏層におけるバンドギャップの大きさが、p型半導体部及びn型半導体部の何れか一方のみにおいて電子正孔対を励起するためのエネルギの大きさよりも小さくなっていることで満たされてもよい。
【0032】
また、特許文献2(国際公開第2015/125823号公報)に記載されたBaAuSi46-y等のクラスレート化合物である半導体単結晶では、真性半導体部(空乏層)におけるバンドギャップが、p型及びn型半導体部の少なくとも一方におけるバンドギャップよりも小さくなっている。このため、上述の関係Rは、このような半導体単結晶によっても満たされる。したがって、当該半導体単結晶が本発明に係る熱電変換素子として用いられてもよい。この熱電変換素子の例においても、狭バンドギャップ効果を得ることができる。
【0033】
1-2.熱電変換モジュールの構成
図4は、実施の形態1に係る熱電変換モジュール1の構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態の熱電変換モジュール1は、上述の熱電変換素子10とともに、一対の第1出力電極36、38及び一対の第2出力電極40、42(本発明に係る「熱電変換素子と接触する複数の電極」)を備えている。これらの出力電極36~42は、熱電変換素子10から電力を取り出すために備えられている。出力電極36~42の配置の詳細は、図5及び6とともに後述される。
【0034】
図4には、熱電変換素子10に熱を供給する熱供給体44が図示されている。熱電変換モジュール1の設置対象は特に限定されないが、その一例は車両である。そして、内燃機関を備える車両の例では、熱供給体は、例えば、排気管、内燃機関本体(シリンダブロック若しくはシリンダヘッド)、又は、内燃機関を冷却するエンジン冷却水が流通する冷却水パイプ若しくは冷却水ホースである。また、熱供給体の他の例として、車両に搭載されたバッテリが挙げられる。本実施形態の熱供給体44は、一例として排気管であるものとする。
【0035】
熱電変換素子10は、熱供給体44の表面である加熱面46の上に、加熱面46に対してpn接合界面16が垂直となるように配置されている。図4に示す例では、熱電変換素子10は、絶縁材48を介して加熱面46の上に配置されている。より具体的には、熱電変換素子10は、一対の第2出力電極40、42及び絶縁材48を介して加熱面46と接触している。なお、金属製の排気管等と異なり、ゴム製の冷却水ホースのように熱供給体自体が絶縁性の高い材質で構成されている例では、絶縁材48は設けられていなくてもよい。
【0036】
付け加えると、狭バンドギャップ効果を有する熱電変換素子10において、加熱面46に対してpn接合界面16が垂直となる配置(本実施形態の配置)が、加熱面46に対してpn接合界面16が平行となる配置よりも好ましい理由は次の通りである。すなわち、後者の配置例では、p型半導体部12又はn型半導体部14におけるpn接合界面16と反対側の表面が加熱面46と対向するように配置されることになる。その結果、加熱面46と接したp型半導体部12又はn型半導体部14の温度が、空乏層18の温度よりも高くなる態様で温度差が生じてしまうことがある。それに伴い、加熱面46と接したp型半導体部12又はn型半導体部14において電子の熱励起が生じ易くなり、その結果として熱電変換素子10の起電力が低くなる。したがって、本実施形態では、前者の配置例が採用されている。
【0037】
1-2-1.一対の第1出力電極の配置
熱電変換モジュール1では、一対の第1出力電極36、38が主たる一対の出力電極として用いられる。一対の第1出力電極36、38の配置場所は、以下に説明する知見に基づいて決定されている。
【0038】
上述のように加熱面46に対してpn接合界面16が垂直となる向きで熱電変換素子10が配置されている場合、外気による冷却の影響により、熱電変換素子10の温度は、加熱面46に近い側の部位(図4では紙面下側)において高くなり、加熱面46から遠い側の部位(紙面上側)において低くなる。すなわち、p型半導体部12及びn型半導体部14のそれぞれに、pn接合界面16と平行な方向に温度差(以下、便宜上、「温度差A」と称する)が生じることになる。このような温度差Aが生じた場合には、p型半導体部12及びn型半導体部14の内部では、狭バンドギャップ効果に起因する電子及び正孔の分極だけでなく、ゼーベック効果に起因する電子及び正孔の分極も発生する。
【0039】
図5は、図4に示す第1出力電極36、38の配置場所が好ましいことを説明するための模式図である。なお、図5では、各出力電極36~42の図示は省略されている。図5には、上記温度差Aが生じている場合において、狭バンドギャップ効果及びゼーベック効果の双方に起因してp型及びn型半導体部12、14の内部にキャリア(電子及び正孔)が分極している様子が表されている。
【0040】
具体的には、まず、狭バンドギャップ効果によれば、pn接合界面16を介してキャリアの移動により、図5中に実線の丸印で示されるように、p型半導体部12の側において正孔の数が増え、かつn型半導体部14の側において電子の数が増えるようなキャリアの分布が形成される。さらに、ゼーベック効果により、図5中に破線の丸印で示されるように、p型半導体部12では加熱面46から遠い側において正孔の数が増え、かつn型半導体部14では加熱面46から遠い側において電子の数が増えるようなキャリアの分布も形成される。
【0041】
図5に示すキャリアの分布より、狭バンドギャップ効果及びゼーベック効果の双方に着目した場合には、p型半導体部12では加熱面46から遠い側の端部において正孔の密度が高くなり、また、n型半導体部14では加熱面46から遠い側の端部において電子の密度が高くなることが分かる。このことは、熱電変換素子10に温度差Aが生じている場合には、一対の出力電極の位置に応じて取り出せる起電力が大きく変化することを示している。
【0042】
図5には、熱電変換素子10からの起電力の取り出しに関する3つの例(電圧A~C)が表されている。電圧Aは、p側反対面12bとn側反対面14bとの間の電圧に相当する。p側反対面12bとは、加熱面46に対向するp型半導体部12の表面であるp側対向面12aの反対側に位置する表面であり、n側反対面14bとは、加熱面46に対向するn型半導体部14の表面であるn側対向面14aの反対側に位置する表面である。電圧Bは、p型半導体部12におけるpn接合界面16と反対側の表面12cの上端部(p側反対面12bの側の端部)と、n型半導体部14におけるpn接合界面16と反対側の表面14cの上端部(n側反対面14bの側の端部)との間の電圧に相当する。電圧Cは、表面12cの下端部(p側対向面12aの側の端部)と、表面14cの下端部(n側対向面14aの側の端部)との間の電圧に相当する。
【0043】
図6は、図5に示す電圧(起電力)A~Cのそれぞれと温度との関係を表したグラフである。なお、図6中に示す温度は、熱源である加熱面46の温度である。図6には、温度差Aが生じる環境下における各電圧A~Cの測定結果が表されている。ここで、狭バンドギャップ効果のみにより得られる起電力(図示せず)自体は、図6に一例として示される200℃~500℃の範囲(一例)では、電圧A~Cのどの計測位置であっても温度の上昇に伴って高くなる。
【0044】
これに対し、温度差Aが生じている環境下における図6に示す例では、電圧Aについては、ゼーベック効果に起因するキャリアの分極が起電力を高めるように作用しており、各温度において他の電圧B、Cよりも高くなっている。より詳細には、図6に示す温度範囲では、電圧Aは、温度が高いほど、他の電圧B、Cとの差が大きくなっている。また、電圧Cは、200℃では狭バンドギャップ効果により得られる起電力がゼーベック効果の作用によって打ち消されることによってゼロ付近の値を示し、かつ、さらに温度が高くなるにつれ、ゼーベック効果の影響が高まって負側に大きくなっている。
【0045】
図6に示す一例から、熱電変換素子10に温度差Aが生じた場合には、一対の出力電極を適切な場所に配置しないと、取り出せる起電力が極端に小さくなる可能性があることが分かる。換言すると、熱電変換素子10に温度差Aが生じることを考慮した場合には、一対の出力電極はp側反対面12b及びn側反対面14bに配置することが良いことが分かる。
【0046】
そこで、本実施形態の熱電変換モジュール1では、図4に示すように、主たる出力電極である一対の第1出力電極の第1p側電極36及び第1n側電極38は、それぞれ、p側反対面12b及びn側反対面14bに配置されている。
【0047】
1-2-2.一対の第2出力電極の配置
また、本実施形態の熱電変換モジュール1は、熱電変換素子10からの電力の取り出しに関する自由度を高めるために、もう一対の出力電極、すなわち、一対の第2出力電極40、42を備えている。図4に示すように、一対の第2出力電極の第2p側電極40及び第1n側電極42は、それぞれ、p側対向面12a及びn側対向面14aに配置されている。
【0048】
1-2-3.熱電変換素子の好ましい外形
上述のように、熱電変換素子10は、角柱形状で形成されており、広く言えば、立方体形状、又は任意の直方体形状を有していてもよい。
【0049】
具体的には、図7は、比較例に係る熱電変換素子Aの斜視図である(出力電極及び絶縁材48の図示は省略されている)。この熱電変換素子Aは、直方体形状を有し、かつ、p型半導体部及びn型半導体部のそれぞれは、加熱面46と垂直な方向の長さL1の方がpn接合界面と垂直な方向の長さL2よりも大きくなるように形成されている。本発明に係る熱電変換素子は、このような外形を有する熱電変換素子Aであってもよい。
【0050】
そのうえで、上述の図4に示すように、本実施形態の熱電変換素子10では、p型半導体部12及びn型半導体部14のそれぞれは、直方体形状を有し、かつ、加熱面46と垂直な方向の長さL1の方がpn接合界面16と垂直な方向の長さL2よりも大きくなるように形成されている。換言すると、p型半導体部12は、表面(pn接合界面16と反対側の表面)12cの面積の方がp側対向面12aの面積よりも大きくなるように形成されている。同様に、n型半導体部14は、表面(pn接合界面16と反対側の表面)14cの面積の方がn側対向面14aの面積よりも大きくなるように形成されている。
【0051】
上述の外形を有する熱電変換素子10によれば、加熱面46から所定の熱量を受け取ったときに、図7に示す熱電変換素子Aと比べて、加熱面46に対する熱電変換素子10の高さ方向(長さL1と平行な方向)の端部間(すなわち、対向面12a、14aと反対面12b、14bとの間)での温度差を大きくすることができる。これにより、上述の温度差Aが生じている場合に、一対の第1出力電極36、38を介して取り出せる起電力を大きくすることができる。
【0052】
1-3.熱電発電装置の構成例
熱供給体44から熱の供給を受けている熱電変換モジュール1を所定の負荷機器と電気的に接続することにより熱電変換モジュール1から電力を取り出すことができる。図8は、実施の形態1に係る熱電発電装置100の構成を示す模式図である。
【0053】
図8に示す例では、熱電発電装置100は、2つの負荷機器50、52と、第1電気回路54と、第2電気回路56とを備えている。負荷機器50、52は、熱電変換モジュール1から電力の供給を受ける機器であり、例えば、ランプ、エアコン等の車両の電装部品又は電動モータである。2つの負荷機器50、52は、同じ種類の機器(例えば、2つのランプ)であってもよいし、異なる種類の機器であってもよい。
【0054】
第1電気回路54は、第1p側電極36及び第1n側電極38を介して熱電変換モジュール1と一方の負荷機器50とを接続している。第2電気回路56は、第2p側電極40及び第2n側電極42を介して熱電変換モジュール1ともう一方の負荷機器52とを接続している。
【0055】
熱電発電装置100によれば、熱の供給を受けて熱電変換モジュール1が起電力を発生させている時、第1電気回路54では、熱電変換素子10全体が均一温度で加熱された場合及び上述の温度差Aが生じている場合の何れであっても、第1p側電極36から負荷機器50を介して第1n側電極38に向けて電流が流れる。また、第2電気回路56では、熱電変換素子10全体が均一温度で加熱された場合には、第1電気回路54と同様に、第2p側電極40から負荷機器52を介して第2n側電極42に向けて電流が流れる。一方、温度差Aが生じている場合には、第2電気回路56では、温度域によって(図6に示す例では、200℃よりも高い温度域において)第2n側電極42から負荷機器52を介して第2p側電極40に向けて電流が流れる。
【0056】
なお、熱電変換モジュール1が起電力を発生させている時に負荷機器50及び52の少なくとも一方への電力の供給と停止とを切り替えることが求められる場合には、熱電発電装置100は、第1電気回路54及び第2電気回路56の少なくとも一方を開閉するスイッチと、当該スイッチを制御する制御装置とを備えてもよい。
【0057】
1-2.効果
以上説明した熱電変換モジュール1における一対の第1出力電極36、38の配置によれば、温度差Aが生じた場合であっても、狭バンドギャップ効果に起因するキャリアの分極に対してゼーベック効果に起因するキャリアの分極が与える作用を効果的(相乗的)に利用して高い起電力を取り出すことが可能となる(図5、6参照)。
【0058】
そのうえで、熱電変換モジュール1は、一対の第1出力電極36、38だけでなく、もう一対の第2出力電極40、42をも備えている。このため、1つの熱電変換モジュール1から2系統で起電力を取り出すことが可能となる。これにより、第1電気回路54及び第2電気回路56の一方に断線が生じた場合であっても、他方から電力を取り出すことが可能となる。また、2つの負荷機器50、52が異なる種類の機器である例では、1つの熱電変換モジュール1によって種類の異なる2つの機器を作動させることも可能となる。このように、本実施形態の熱電変換モジュール1及びそれを備える熱電発電装置100によれば、電力の取り出しに関する自由度を高めることができる。
【0059】
2.実施の形態2
2-1.熱電発電装置の構成
図9は、実施の形態2に係る熱電発電装置200の構成を示す模式図である。この熱電発電装置200は、実施の形態1の熱電発電装置100と異なり、1つの負荷機器50に対して2つの電気回路、すなわち、第1電気回路60及び第2電気回路62を備えている。
【0060】
具体的には、第1電気回路60は、第1p側電極36及び第1n側電極38を介して熱電変換モジュール1と負荷機器50とを接続している。第2電気回路62は、第2p側電極40及び第2n側電極42を介して熱電変換モジュール1と上記負荷機器50とを接続している。そして、負荷機器50は、第1電気回路60と第2電気回路62の間で共用された共用導線64上に配置されている。
【0061】
熱電発電装置200は、さらに、第1スイッチ66、第2スイッチ68、制御装置70及び電流検知部72を備えている。第1スイッチ66は、第1電気回路60における共用導線64以外の導線上に配置され、第1電気回路60を開閉する。第2スイッチ68は、第2電気回路62における共用導線64以外の導線上に配置され、第2電気回路62を開閉する。
【0062】
制御装置70は、電子制御ユニット(ECU)であり、第1スイッチ66及び第2スイッチ68のそれぞれの開閉を制御するように構成されている。制御装置70は、熱電変換モジュール1以外の電源(例えば、車両に搭載されたバッテリ)から供給される電力によって動作する。
【0063】
電流検知部72は、第1電気回路60における共用導線64以外の導線上に配置され、第1電気回路60を流れる電流Iを検知する。電流検知部72の構成は、第1電気回路60を流れる電流値を検知できるものであれば特に限定されない。電流検知部72は、例えば、ホール素子を使用した非接触式の電流センサを用いて構成することができる。また、電流検知部72は、例えば、その内部に設けられた低抵抗値の電気抵抗と、当該電気抵抗の両端電圧を検出する電圧センサとを備え、当該両端電圧に基づいて電流Iを検知するように構成されてもよい。
【0064】
2-2.制御装置による制御
上述のように構成された熱電発電装置200では、負荷機器50に電力を供給する場合には、制御装置70は、基本的には、相対的に高い起電力を取り出し可能な第1電気回路60を利用する。具体的には、制御装置70は、第1スイッチ66が閉じ(第1スイッチON)、かつ第2スイッチ68が開く(第2スイッチOFF)ようにこれらのスイッチ66、68を制御する。このような制御状態(基本動作モード)では、負荷機器50への電力供給のために、第1電気回路60が利用され、第2電気回路62は利用されない。
【0065】
そのうえで、基本動作モードの実行中に電流検知部72によって第1電気回路60の断線を検知した場合には、制御装置70は、第2スイッチ68を閉じる(第2スイッチON)ように構成されている。また、制御装置70には、熱電変化モジュール1の異常を外部に知らせる警告灯74が接続されている。制御装置70は、上記の断線を検知した場合に警告灯74を作動させるように構成されている。
【0066】
図10は、実施の形態2に係る制御装置70によって実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、熱電変換モジュール1から負荷機器50への電力供給のために第1電気回路60を利用している時(上述の基本動作モードの実行中)に繰り返し実行される。
【0067】
図10では、制御装置70は、まずステップS100において、電流検知部72を用いて第1電気回路60を流れる電流Iを取得する。その後、処理はステップS102に進む。
【0068】
ステップS102では、制御装置70は、第1電気回路60に断線が生じたか否かを判定する。具体的には、制御装置70は、例えば、ステップS00において取得した電流Iが所定の閾値未満であるか否かに基づいて断線の有無を判定する。その結果、制御装置70は、断線が生じていないと判定した場合には今回の処理サイクルを終了する(すなわち、基本動作モードを継続する)。
【0069】
一方、ステップS102において断線が生じていると判定した場合には、処理はステップS104に進む。ステップS104では、制御装置70は、第2スイッチ68を閉じる(第2スイッチON)。その後、処理はステップS106に進み、制御装置70は、警告灯74を点灯させる(警告灯ON)。
【0070】
2-2.効果
以上説明した熱電発電装置200によれば、負荷機器50への電力供給のためのメインの第1電気回路60に断線が生じた場合に、熱電変換素子10が第2出力電極40、42から起電力を取り出し可能な温度環境下にあることを条件として、サブの第2電気回路62を利用して負荷機器50への電力供給を継続することができる。
【0071】
3.実施の形態3
3-1.熱電変換モジュールの構成
図11は、実施の形態3に係る熱電変換モジュール2の構成を模式的に示す斜視図である。この熱電変換モジュール2は、複数(一例として3つ)の熱電変換素子10を用いて構成されている。
【0072】
具体的には、熱電変換モジュール2は、3つの熱電変換素子10(10A、10B、10C)を電気的に直列に接続して得られる素子直列体76を備えている。ここで、素子直列体76の具体的な構成を説明するために、便宜上、隣り合う2つの熱電変換素子10を「第1熱電変換素子」と「第2熱電変換素子」と称する。図11に示す例では、紙面左側の熱電変換素子10Aを「第1熱電変換素子」として見た場合、紙面中央の熱電変換素子10Bが「第2熱電変換素子」に相当する。また、紙面中央の熱電変換素子10Bを「第1熱電変換素子」として見た場合、紙面右側の熱電変換素子10Cが「第2熱電変換素子」に相当する。
【0073】
図11に示すように、第1の熱電変換素子と第2の熱電変換素子とは、第1の熱電変換素子のn型半導体部におけるpn接合界面と反対側の表面(例えば、熱電変換素子10Aの表面14cA)が第2の熱電変換素子のp型半導体部におけるpn接合界面と反対側の表面(例えば、熱電変換素子10Bの表面12cB)と直接的に接続されていることにより、電気的に直列に接続されている。
【0074】
そして、素子直列体76は、素子直列体76に熱を供給する熱供給体44の加熱面46の上に(絶縁材48を介して)、素子直列体76を構成する各熱電変換素子10(10A~10C)のpn接合界面16が加熱面46に対して垂直となるように配置されている。
【0075】
また、素子直列体76から電力を取り出すために、熱電変換モジュール2は、熱電変換モジュール1と同様に、1対の第1出力電極36、38及び1対の第2出力電極40、42(本発明に係る「素子直列体と接触する複数の電極」)を備えている。
【0076】
具体的には、1対の第1出力電極の一方である第1p側電極36は、素子直列体76の(積層方向(紙面左右方向)の)一端に位置するp側反対面(すなわち、熱電変換素子10Aのp側反対面12bA)に配置されている。1対の第1出力電極の他方である第1n側電極38は、素子直列体76の他端に位置するn側反対面(すなわち、熱電変換素子10Cのn側反対面14bC)に配置されている。
【0077】
また、1対の第2出力電極の一方である第2p側電極40は、素子直列体76の上記一端に位置するp側対向面(すなわち、p側対向面12aA)に配置されている。1対の第2出力電極の他方である第2n側電極42は、素子直列体76の上記他端に位置するn側対向面(すなわち、n側対向面14aC)に配置されている。
【0078】
3-2.効果
以上説明した熱電変換モジュール2によれば、複数の熱電変換素子10を電気的に直列に接続して得られる素子直列体76を備えることで、熱電変換モジュール2から取り出せる電力を高めつつ、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、熱電変換モジュール2は、実施の形態1及び2の熱電発電装置100及び200に対し、熱電変換モジュール1の代わりに適用することもできる。
【0079】
3-3.素子直列体の他の構成例
図12は、実施の形態3に係る素子直列体の他の構成例を示す模式図である。図12に示す熱電変換モジュール3が備える素子直列体78は、素子間電極80を利用して複数(一例として3つ)の熱電変換素子10(10A~10C)を電気的に直列に接続して得られるように構成されている。以下、図11に示す素子直列体76に対する素子直列体78の相違点について説明する。
【0080】
素子直列体78では、図12に示すように、上述のように定義された第1熱電変換素子と第2熱電変換素子とは、第1熱電変換素子のn型半導体部(例えば、n型半導体部14A)と第2熱電変換素子のp型半導体部(例えば、p型半導体部12B)とが直接的に接することなく(換言すると、隙間を有しつつ)素子間電極80を介して接続されていることにより、電気的に直列に接続されている。付け加えると、素子間電極80は、一対の出力電極36、38の配置と同様の理由により、p側反対面12b及びn側反対面14bの側に配置されている。
【0081】
なお、素子直列体78において対向し合う素子間(n型半導体部14Aとp型半導体部12Bの間、及び、n型半導体部14Bとp型半導体部12Cの間)には、絶縁材が介在していてもよい。
【0082】
以上説明した熱電変換モジュール3によっても、熱電変換モジュール2と同様の効果を奏する。
【0083】
なお、本発明に係る熱電変換モジュールは、熱電変換モジュール2又は3とは異なり、電気的に並列に接続された本発明に係る複数の熱電変換素子を用いて構成されてもよい。
【0084】
4.実施の形態4
本発明に係る熱電変換素子に熱を供給する熱供給体には、排気管である上述の熱供給体44の例のように、熱流(排気ガスの流れ)を有するものがある。実施の形態4では、このような熱流を有する熱供給体を利用する場合における素子直列体の適切な配置について説明される。以下の説明は、素子直列体76を備える熱電変換モジュール2を例示して行われるが、素子直列体78を備える熱電変換モジュール3(図12参照)についても同じことが言える。
【0085】
4-1.素子直列体の配置
図13は、実施の形態4に係る素子直列体の配置について説明するための図である。より詳細には、図13(A)は、熱流の方向を考慮したときに好ましくない配置例(比較例)を示し、図13(B)は、熱流の方向を考慮したときに好ましい配置例(実施の形態4)を示している。
【0086】
まず、比較例について説明する。この比較例では、図13(A)に示すように、素子直列体76は、素子直列体76を構成する各熱電変換素子10のpn接合界面16が排気ガスの流れ方向(すなわち、熱流の方向)と垂直になるように配置されている。排気ガスの温度は、下流側に向かうにつれて低下する。したがって、この配置が採用されると、各熱電変換素子10のp型半導体部12及びn型半導体部14のそれぞれの内部では、排気ガスの流れ方向と平行な方向(紙面左右方向)に温度差が生じる場合がある。以下の説明では、上述の温度差Aとの区別のために、ここでいう温度差を「温度差B」と称する。
【0087】
温度差Bが生じた場合、第1p側電極36が設置される紙面左端のp型半導体部12Aの内部温度は、pn接合界面16Aと反対側の表面12cAにおいて最も高くなり、pn接合界面16Aにおいて最も低くなる。その結果、表面12cAの側からpn接合界面16Aの側に向かう正孔の移動が生じる。すなわち、表面12cAの側に電子が集まり、pn接合界面16Aの側に正孔が集まるという態様の分極が生じる。その結果、第1p側電極36から符号の異なるキャリアを取り出すことになる。このため、温度差Bの存在は起電力の低下を招くと考えられる。
【0088】
一方、本実施形態では、図13(B)に示すように、素子直列体76は、pn接合界面16が排気ガスの流れ方向(熱流の方向)と平行となるように配置されている。
【0089】
4-2.効果
以上説明したように、素子直列体76は、pn接合界面16と垂直な方向の温度差Bが生じると、起電力が低下する。この点に関し、本実施形態では、素子直列体76は、pn接合界面16が排気ガスの流れ方向(熱流の方向)と平行となるように配置されている。これにより、起電力が低下する方向に温度差Bが生じにくくしつつ、熱流を有する熱供給体44からの熱を利用した熱電変換モジュール2による発電を行えるようになる。
【0090】
5.実施の形態5.
5-1.熱電変換素子の構成
上述した熱電変換素子10におけるp側反対面12b、n側反対面14b、p側対向面12a及びn側対向面14aには、それぞれに対応する電極(第1p側電極36、第1n側電極38、第2p側電極40及び第2n側電極42、並びに素子間電極80)が設置され得る(例えば、図4図12参照)。
【0091】
図14は、図1に示す熱電変換素子10への電極設置に関する課題を説明するための模式図である。図14には、p側反対面12b及びn側反対面14bのそれぞれに設置される素子間電極(以下、単に「電極」と略される)80が例示されているが、以下に説明される課題は、他の出力電極36、38、40、42の設置に関しても同様である。
【0092】
熱電変換素子10への電極80の設置には、接合材(例えば、銀ナノペースト)が用いられる。熱電変換モジュールの製造時に接合材を用いて電極80を熱電変換素子10に接合させる際に、電極80とこれに対向する熱電変換素子10の表面(p側反対面12b等)との隙間から接合材が周囲に漏れ出す(液だれ)ことが起こり得る。例えば、図14中に円C1を付して示す部位において液だれが生じると、p型半導体部12側の電極80とn型半導体部14側の電極80とが、漏れ出た接合材を介して導通してしまう。その結果、発電を行えなくなる。また、円C2を付して示す部位において液だれが生じると、表面12cに付着した接合材とこれに繋がっている電極80とによって、当該電極80を表面12cにまで延ばした構成と同じ作用が得られてしまう。このことは、図5及び6を参照して説明した電圧Aと電圧Bとの比較から分かるように、起電力の低下を招くことになる。
【0093】
図15は、熱電変換モジュールの製造時に生じ得る接合材の液だれ抑制のために実施の形態5に係る対策を備える熱電変換素子82の構成を示す模式図である。p型半導体部84とn型半導体部86とを備える熱電変換素子82は、以下の点を除き、熱電変換素子10と同様に構成されている。
【0094】
熱電変換素子82は、図15に示すように、電極80の設置面、すなわち、p側反対面84b及びn側反対面86bに、接合材を溜める凹部(湯溜まり)88及び90がそれぞれ形成されている。また、ここでは図示は省略されるが、このような凹部は、p側対向面84a及びn側対向面86aに第2出力電極40及び42が設置される場合には、p側対向面84a及びn側対向面86aに同様に形成されてもよい。付け加えると、本発明に係る「凹部」は、広く言えば、p側反対面、n側反対面、p側対向面及びn側対向面のうちの少なくとも1つを対象として形成されてもよい。
【0095】
5-2.効果
以上説明した熱電変換素子82によれば、電極80の設置面に凹部88、90を備えているため、熱電変換モジュールの製造時に電極80の設置面の周囲への接合材の液だれを抑制することができる。
【0096】
5-3.電極の他の形成例
図16は、熱電変換モジュールの製造時に生じ得る接合材の液だれ抑制のために実施の形態5に係る他の対策を備える素子間電極92の構成を示す模式図である。接合材の液だれ抑制のための対策は、図15に示す熱電変換素子側の対策に代え、或いはそれとともに、図16に示すように電極側において行われてもよい。すなわち、図16には、そのような対策を備える素子間電極92が表されている。素子間電極92は、p側反対面12bに対向する表面に、接合材を溜める凹部94が形成され、かつ、n側反対面14bに対向する表面に、同様の凹部96が形成されている。このような電極側への対策によっても、接合材の液だれを抑制することができる。
【0097】
付け加えると、電極側への凹部の形成は、図16に示す例以外にも、第1p側電極、第1n側電極、第2p側電極、第2n側電極及び素子間電極のうちの少なくとも1つを対象として同様に行われてもよい。
【0098】
6.他の実施の形態
本発明に係る「熱電変換モジュール」及びそれを備える「熱電発電装置」では、pn接合界面が加熱面に対して垂直となるように配置された熱電変換素子として、狭バンドギャップ効果を有する上述の熱電変換素子10、82の代わりに、狭バンドギャップ効果を有さずにゼーベック効果のみを利用する熱電変換素子が用いられてもよい。このゼーベック効果のみを利用する熱電変換素子の半導体材料としては、例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)、テルル化鉛(PbTe)、又はケイ化マグネシウム(MgSi)を用いることができる。
【0099】
以上説明した各実施の形態に記載の例及び他の各変形例は、明示した組み合わせ以外にも可能な範囲内で適宜組み合わせてもよいし、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1、2、3 熱電変換モジュール
10、82 熱電変換素子
12、84 p型半導体部
12a、84a p側対向面
12b、84b p側反対面
12c p型半導体部のpn接合界面と反対側の表面
14、86 n型半導体部
14a、86a n側対向面
14b、86b n側反対面
14c n型半導体部のpn接合界面と反対側の表面
16 pn接合界面
18 空乏層
26 フェルミ準位
28 価電子バンド
30 伝導バンド
36 第1p側電極(一対の第1出力電極の一方)
40 第1n側電極(一対の第1出力電極の他方)
40 第2p側電極(一対の第2出力電極の一方)
42 第2n側電極(一対の第2出力電極の他方)
44 熱供給体
46 熱供給体の加熱面
48 絶縁材
50、52 負荷機器
54、60 第1電気回路
56、62 第2電気回路
60 第1電気回路
62 第2 電気回路
64 第1及び第2電気回路の共用導線
66 第1スイッチ
68 第2スイッチ
70 制御装置
72 電流検知部
76、78 素子直列体
80、92 素子間電極
88、90 接合材を溜める凹部
100 熱電発電装置
200 熱電発電装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16