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特許7502167基板対基板コネクタ、コネクタアッセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】基板対基板コネクタ、コネクタアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20240611BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20240611BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R12/71
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020205016
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092291
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】大坂 純士
(72)【発明者】
【氏名】横山 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松永 章宏
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-193949(JP,A)
【文献】特開2018-022631(JP,A)
【文献】国際公開第2020/150075(WO,A1)
【文献】特許第6638873(JP,B1)
【文献】特開平08-241762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/56-13/72
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に取り付けることのできる基板対基板コネクタであって、
枠構造を有し且つ導電性を有するシェルと、
電気絶縁性を有するインシュレータと、
導電性を有する少なくとも個のコンタクトと、ただし、当該少なくとも2個のコンタクトのうちの少なくとも1個のコンタクトは高周波電流のための高周波コンタクトであり、当該少なくとも2個のコンタクトのうちの少なくとも1個のコンタクト、ただし当該高周波コンタクトを除く、は、低周波電流のための低周波コンタクトであり、
を含み、
上記少なくとも個のコンタクトは、上記インシュレータに取り付けられており、
上記シェルは、上記インシュレータに取り付けられており、
上記インシュレータは、上記シェルの内部に位置しており、
上記シェルは、上記インシュレータに沿う側壁部を持っており、
上記シェルの上記側壁部は、上記基板に取り付けることのできる部位を持っており、
上記シェルの上記側壁部は、スリットを持っており、
上記シェルの上記側壁部は、上記スリットに位置しており、且つ、自由端と上記シェルの上記側壁部に固定されている固定端を持っている、片持ちばねを持っており、
上記片持ちばねは、上記シェルの高さ方向に伸びており、
上記片持ちばねの上記固定端は上記シェルの上記部位に近く、上記片持ちばねの上記自由端は上記シェルの上記部位から離れており、
上記片持ちばねは、上記低周波コンタクトよりも上記高周波コンタクトに近い、
基板対基板コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の基板対基板コネクタにおいて、
上記片持ちばねは、上記シェルの外側に向かって膨らむ湾曲形状を持っており、
上記片持ちばねの部位、ただし当該部位は上記自由端と上記固定端との間に位置する、は、上記シェルの上記側壁部の外側に位置しており、
上記片持ちばねの上記自由端は、上記シェルの上記側壁部の外側に位置していない
ことを特徴とする基板対基板コネクタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板対基板コネクタにおいて、
上記シェルの上記側壁部は、上記シェルの外側に向かって突出する凸部を持っており、
上記凸部は、上記シェルの高さ方向と垂直な方向に伸びている
ことを特徴とする基板対基板コネクタ。
【請求項4】
コネクタアッセンブリであって、
第1基板に取り付けることのできる第1基板対基板コネクタと、
第2基板に取り付けることができ、且つ、上記第1基板対基板コネクタと嵌合している第2基板対基板コネクタと
を含み、
上記第1基板対基板コネクタは、
枠構造を有し且つ導電性を有する第1シェルと、
電気絶縁性を有する第1インシュレータと、
導電性を有する2個以上の第1コンタクトと、ただし、当該2個以上の第1コンタクトのうちの少なくとも1個の第1コンタクトは高周波電流のための高周波コンタクトであり、当該2個以上の第1コンタクトのうちの少なくとも1個の第1コンタクト、ただし当該高周波コンタクトを除く、は、低周波電流のための低周波コンタクトであり、
を含み、
上記2個以上の第1コンタクトは、上記第1インシュレータに取り付けられており、
上記第1シェルは、上記第1インシュレータに取り付けられており、
上記第1インシュレータは、上記第1シェルの内部に位置しており、
上記第1シェルは、上記第1インシュレータに沿う第1側壁部を持っており、
上記第1シェルの上記第1側壁部は、上記第1基板に取り付けることのできる第1部位を持っており、
上記第1シェルの上記第1側壁部は、スリットを持っており、
上記第1シェルの上記第1側壁部は、上記スリットに位置しており、且つ、自由端と上記第1シェルの上記第1側壁部に固定されている固定端を持っている、片持ちばねを持っており、
上記片持ちばねは、上記第1シェルの高さ方向に伸びており、
上記片持ちばねの上記固定端は上記第1シェルの上記第1部位に近く、上記片持ちばねの上記自由端は上記第1シェルの上記第1部位から離れており、
上記片持ちばねは、上記低周波コンタクトよりも上記高周波コンタクトに近く、
上記第2基板対基板コネクタは、
枠構造を有し且つ導電性を有する第2シェルと、
電気絶縁性を有する第2インシュレータと、
導電性を有する2個以上の第2コンタクトと
を含み、
上記2個以上の第2コンタクトは、上記第2インシュレータに取り付けられており、
上記第2シェルは、上記第2インシュレータに取り付けられており、
上記第2インシュレータは、上記第2シェルの内部に位置しており、
上記第2シェルは、上記第2インシュレータを囲む第2側壁部を持っており、
上記第2シェルの上記第2側壁部は、上記第2基板に取り付けることのできる第2部位を持っており、
上記第1基板対基板コネクタと上記第2基板対基板コネクタが互いに嵌合している上記コネクタアッセンブリにおいて、上記第1基板対基板コネクタの上記第1シェルは上記第2基板対基板コネクタの上記第2シェルの内側に位置しており、且つ、上記第1基板対基板コネクタの上記片持ちばねは上記第2基板対基板コネクタの上記第2シェルの上記第2側壁部に接触している
コネクタアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2個の基板の平行接続のために使用される基板対基板コネクタ、および、この基板対基板コネクタとこの基板対基板プラグコネクタのカウンターパートである基板対基板コネクタが互いに嵌合しているコネクタアッセンブリに関し、特に、EMI(Electromagnetic Interference)が低減された基板対基板コネクタおよびコネクタアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
2個の基板の接続のために、通例、2個の基板対基板コネクタが使用される。第1基板対基板コネクタは第1基板の一面に固定されており、第2基板対基板コネクタは第2基板の一面に固定されている。平行接続の場合、第1基板の一面と第2基板の一面が平行に向かい合う状態で、第1基板対基板コネクタと第2基板対基板コネクタが互いに嵌合する。第1基板対基板コネクタと第2基板対基板コネクタが互いに嵌合しているコネクタアッセンブリによって、第1基板と第2基板が互いに電気的に接続する。
【0003】
このようなコネクタアッセンブリの先行技術として、特許文献1に開示されている2個の基板対基板コネクタ(特許文献1において、一方の基板対基板コネクタは第1の電気コネクタ10と呼称されており、他方の基板対基板コネクタは第2の電気コネクタ20と呼称されている)を図1に示す。図1は、特許文献1の図27の複写である。
【0004】
図1に示すように、第1の電気コネクタ10のシェルは片持ちばねである接触片12iを持っている。第1の電気コネクタ10と第2の電気コネクタ20が互いに嵌合した状態において、接触片12iは、第2の電気コネクタ20のシェルの内壁面に接触している。この接触によって、第1の電気コネクタ10と第2の電気コネクタ20が互いに電気的に接続している。第1の電気コネクタ10のシェルは一方の基板のグラウンドパッドに接合しており、第2の電気コネクタ20のシェルは他方の基板のグラウンドパッドに接合している。
【0005】
図1に示すように、通例、2個の基板対基板コネクタの嵌合を考慮して、一方の基板対基板コネクタが持っている片持ちばねの自由端は、一方の基板対基板コネクタが取り付けられる基板の近くに位置しており、片持ちばねの固定端は、基板対基板コネクタとこの基板対基板プラグコネクタのカウンターパートである基板対基板コネクタが互いに向かい合う状態において、カウンターパートである基板対基板コネクタに面する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本国特開2017-33654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、高画質な画像や映像などの大量のデジタル情報を高速処理できる高性能なポータブル通信機器などの電子機器が普及している。大量のデジタル情報を高速処理するために、電子機器の内部では高周波信号が使用されている。このような電子機器の内部では、通例、信号伝送回路と多数の小型電子部品が基板上に高密度実装されている。したがって、電子部品あるいは信号伝送回路から発生する電磁波が同じ電子機器の内部に存在する他の電子部分などの障害を誘発するイントラシステムEMI(Intrasystem Electromagnetic Interference)の低減が望まれる。
【0008】
ところで、放射された電磁波の伝達として、電磁波が基板上の信号伝送回路などを伝わる「導体伝導」と電磁波が空間を伝導する「空間伝導」が知られている。電子部品である基板対基板コネクタの場合、基板のグラウンドパッドに電気的に接続されている導電性シェルによって、基板対基板コネクタの内部からの電磁波の空間伝導を遮断することが重要である。
【0009】
このような技術的背景に鑑みて、本発明として、基板対基板コネクタの内部からの電磁波の空間伝導を効果的に遮断するシェルを持つ基板対基板コネクタ、および、当該基板対基板コネクタを含むコネクタアッセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このセクションで述べる技術事項は、特許請求の範囲に記載された発明を明示的にまたは黙示的に限定するためではなく、さらに、本発明によって利益を受ける者(例えば出願人と権利者である)以外の者によるそのような限定を容認する可能性の表明でもなく、単に、本発明の要点を容易に理解するために記載される。他の観点からの本発明の概要は、例えば、この特許出願の出願時の特許請求の範囲から理解できる。
簡単に述べると、本発明の基板対基板コネクタの導電性シェルは片持ちばねを持っており、この片持ちばねは、先行技術で採用されている片持ちばねの伸びる方向と反対方向に伸びている。
もう少し具体的に説明すると、片持ちばねは、導電性シェルのスリットに位置しており、且つ、自由端と導電性シェルに固定されている固定端を持っている。片持ちばねは、導電性シェルの高さ方向に伸びている。片持ちばねの固定端は、基板対基板コネクタが取り付けられる基板の近くに位置しており、片持ちばねの自由端は、基板対基板コネクタとこの基板対基板プラグコネクタのカウンターパートである基板対基板コネクタが互いに向かい合う状態において、カウンターパートである基板対基板コネクタに面する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、EMIの低減が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】特許文献1の図27
図2】第1基板対基板コネクタを斜め上から見たときの第1基板対基板コネクタの斜視図。
図3】第1基板対基板コネクタを斜め下から見たときの第1基板対基板コネクタの斜視図。
図4】第1基板対基板コネクタの第1インシュレータの斜視図。
図5】第1基板対基板コネクタの第1シェルの斜視図。
図6】第2基板対基板コネクタを斜め上から見たときの第2基板対基板コネクタの斜視図。
図7】第2基板対基板コネクタを斜め下から見たときの第2基板対基板コネクタの斜視図。
図8】第2基板対基板コネクタの第2インシュレータの斜視図。
図9】第2基板対基板コネクタの第2シェルの斜視図。
図10】実施形態のコネクタアッセンブリの構成を説明するための図。
図11】(a)実施形態のコネクタアッセンブリにおけるグラウンド性能を説明するための図。(b)実施形態のコネクタアッセンブリにおけるグラウンド性能を説明するための図。
図12】(a)先行形態のコネクタアッセンブリにおけるグラウンド性能を説明するための図。(b)先行形態のコネクタアッセンブリにおけるグラウンド性能を説明するための図。
図13】実施形態のコネクタアッセンブリのEMIを説明するためのグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2~13を参照して、実施形態の第1基板対基板コネクタ100および実施形態のコネクタアッセンブリ500の構造を説明する。コネクタアッセンブリ500は、第1基板1に取り付けることのできる第1基板対基板コネクタ100と、第2基板に取り付けることができ、且つ、第1基板対基板コネクタ100と嵌合することのできる第2基板対基板コネクタ200を含む(図10参照)。
【0014】
<第1基板対基板コネクタ>
図2および図3に示す第1基板対基板コネクタ100は、枠構造を有し且つ導電性を有する第1シェル110と、電気絶縁性を有する第1インシュレータ130と、導電性を有する8個の第1コンタクト150と、2個の導体部品170を含む。
【0015】
<第1インシュレータ、第1コンタクト、導体部品>
図4に示す第1インシュレータ130は、ワンピース(one-piece)の絶縁部品であり、平らなH字状の底部131と、底部131の4個の角部に立つL字状の側壁部132を含む。側壁部132が立つ底部131の4個の角部は、底部131が長方形であると仮定した場合の4個の角部に相当する。つまり、2個の側壁部132は、底部131の中央板部131aを挟む底部131の2個の側板部131bの一方に位置しており、残り2個の側壁部132は、他方の側板部131bに位置している。4個の側壁部132は、底部131から同じ方向(図4に示すZ方向)に伸びている。
【0016】
4個の側壁部132のそれぞれについて、側壁部132は、H字状の底部131の中央板部131aを正面に見る側壁部132の内側に、凹部132aを持っている。凹部132aは、第1インシュレータ130の上面に開口を持っている。説明における「上」と「下」は、図4に示す第1インシュレータ130の高さ方向(つまり、図4に示すZ方向)において紙面の「上」と「下」に従う。4個の側壁部132のそれぞれについて、側壁部132は、側壁部132の外側に、2個の凹部132bを持っている。2個の凹部132bのそれぞれは、第1インシュレータ130の上面に開口を持っている。
【0017】
H字状の底部131の中央板部131aに6個のL字状の第1コンタクト150が取り付けられており、H字状の底部131の2個の側板部131bのそれぞれに1個のL字状の第1コンタクト150が取り付けられている。中央板部131aに取り付けられている6個の第1コンタクト150は、同数の第1コンタクト150を持つ2個の平行なコンタクト列を形成している。2個のコンタクト列は中央板部131aの2縁の近傍に位置しており、コンタクト列の長さ方向は、中央板部131aの2縁が伸びる方向(つまり、Y方向)と平行である。側板部131bに取り付けられている2個の第1コンタクト150を結ぶ直線は、コンタクト列と平行であり、2個のコンタクト列の間を通る。
【0018】
中央板部131aに取り付けられている6個の第1コンタクト150のそれぞれについて、第1コンタクト150の一端150aは、側壁部132が立つ方向に底部131から突出しており、第1コンタクト150の他端150bは、底部131と平行であって且つコンタクト列の長さ方向に垂直な方向に、中央板部131aから中央板部131aの外側に向かって突出している。
【0019】
側板部131bに取り付けられている2個の第1コンタクト150のそれぞれについて、第1コンタクト150の一端150cは、側壁部132が立つ方向に底部131から突出しており、第1コンタクト150の他端150dは、底部131と平行であって且つコンタクト列の長さ方向と平行な方向に、側板部131bから側板部131bの外側に向かって突出している。
【0020】
この実施形態では、側板部131bに取り付けられている2個の第1コンタクト150は高周波電流のためのコンタクトであり(高速伝送)、中央板部131aに取り付けられている6個の第1コンタクト150は低周波電流のためのコンタクトである(低速伝送)。高周波電流の周波数は、例えば数百MHz以上である。
【0021】
底部131の2個の側板部131bのそれぞれに1個の導体部品170が取り付けられている。導体部品170は、中央板部131aと側板部131bの境界近傍に位置している。ワンピースの導体部品170は、金属で作られており、細長い棒状部170aと、棒状部170aから同じ方向に垂直に伸びる2個の壁部170bを含む。
【0022】
壁部170bは、側壁部132が立つ方向に、底部131から突出しており、コンタクト列の長さ方向に垂直な方向に伸びる棒状部170aの両方の端部170cは、底部131と平行な方向に、側板部131bから側板部131bの外側に向かって僅かに突出している。一方の導体部品170の一方の壁部170bと、他方の導体部品170の一方の壁部170bは、一方のコンタクト列の仮想延長線上に位置しており、一方の導体部品170の他方の壁部170bと、他方の導体部品170の他方の壁部170bは、他方のコンタクト列の仮想延長線上に位置している。
【0023】
<第1シェル>
図4に示す第1インシュレータ130に取り付けられる第1シェル110は枠構造を持っており、第1インシュレータ130は第1シェル110の内部に位置する(図2参照)。第1シェル110は、第1インシュレータ130に沿う第1側壁部110Aを持っている。第1シェル110の第1側壁部110Aは、第1基板1に取り付けることのできる第1部位110Bを持っている。第1シェル110の第1側壁部110Aはスリット110Cを持っている。第1シェル110の第1側壁部110Aは、スリット110Cに位置し、且つ、自由端110Eと第1シェル110の第1側壁部110Aに固定されている固定端110Fを持っている、片持ちばね110Dを持っている。片持ちばね110Dは、第1シェル110の高さ方向に伸びている。片持ちばね110Dの固定端110Fは第1シェル110の第1部位110Bに近く、片持ちばね110Dの自由端110Eは第1シェル110の第1部位110Bから離れている。
【0024】
以下、このような特徴を有する第1シェル110の詳細を説明する。この実施形態では、図5に示す第1シェル110は2個の金属部品111によって構成されている。2個の金属部品111は互いに同じ構造を持っている。
【0025】
ワンピースの金属部品111は、ステープル(staple)状の外観を有しており、細長い矩形板状の第1板部111aと、2個の細長い矩形板状の第2板部111bを含む。2個の第2板部111bは、第1板部111aの長さ方向(つまり、図5に示すX方向)における両端の近傍から同じ方向(つまり、図5に示すY方向)に伸びている。第1板部111aの上端部および2個の第2板部111bの上端部は、金属部品111の内側に向かって90度湾曲している。説明における「上」と「下」は、図5に示す金属部品111の高さ方向(つまり、図5に示すZ方向)において紙面の「上」と「下」に従う。
【0026】
第1板部111aの上端部の長さ方向における一方の端から一方の第2板部111bの上端部の長さ方向における一端まで、一方の直角三角形状のブレース(brace)111dが伸びている。第1板部111aの上端部の長さ方向における他方の端から他方の第2板部111bの上端部の長さ方向における一端まで、他方の直角三角形状のブレース111dが伸びている。第1板部111aの上端部の長さ方向における両端の近傍から、2個の矩形板状のフック111cが下方に向かって伸びている。フック111cは、フック111cの伸長方向と垂直な方向に突出する爪111gを持っている。第2板部111bの下端部は、U字状ノッチ111b1を有している。
【0027】
第1板部111aは、第1板部111aの長さ方向における両端に、スリット110Cおよび片持ちばね110Dを持っている。第1板部111aが持つスリット110Cの一部は、金属部品111の折り曲げ加工によって生じる第1板部111aと第2板部111bとの間の隙間を兼ねている。舌状の片持ちばね110Dは、スリット110Cの内側に位置しており、自由端110Eと固定端110Fを持っている。片持ちばね110Dは第1板部111aの高さ方向(つまり、Z方向)に伸びており、片持ちばね110Dの固定端110Fは第1板部111aに固定されている。片持ちばね110Dの固定端110Fは第1板部111aの下端部の近傍に位置しており、片持ちばね110Dの自由端110Eは第1板部111aの上端部の近傍に位置している。
【0028】
同様に、第2板部111bは、第1板部111aの近傍に位置する第2板部111bの部位に、スリット110Cおよび片持ちばね110Dを持っている。舌状の片持ちばね110Dは、スリット110Cの内側に位置しており、自由端110Eと固定端110Fを持っている。片持ちばね110Dは第2板部111bの高さ方向(つまり、Z方向)に伸びており、片持ちばね110Dの固定端110Fは第2板部111bに固定されている。片持ちばね110Dの固定端110Fは第2板部111bの下端部の近傍に位置しており、片持ちばね110Dの自由端110Eは第2板部111bの上端部の近傍に位置している。
【0029】
第1板部111aは、第1板部111aの外側に向かって突出する細長い半円筒型の凸部111eを持っている。第1板部111aの凸部111eは、第1板部111aの高さ方向と垂直な方向に伸びている。第1板部111aの凸部111eの両端は、片持ちばね110Dから少し離れている。同様に、第2板部111bは、第2板部111bの外側に向かって突出する細長い半円筒型の凸部111eを持っている。第2板部111bの凸部111eは、第2板部111bの高さ方向と垂直な方向に伸びている。第2板部111bの凸部111eの一端は、片持ちばね110Dから少し離れている。
【0030】
一方の金属部品111は、第1インシュレータ130の一方の側板部131bに位置している2個の側壁部132に取り付けられ、他方の金属部品111は、第1インシュレータ130の他方の側板部131bに位置している2個の側壁部132に取り付けられる。この際、爪111gを持つフック111cは、側壁部132の凹部132aに圧入される。この結果、2個の金属部品111は、一方の金属部品111の2個の第2板部111bの先端と他方の金属部品111の2個の第2板部111bの先端が互いに向き合う状態で、第1インシュレータ130に取り付けられている。このような状態の2個の金属部品111が第1シェル110を構成している。導体部品170の棒状部170aの端部170cは、第2板部111bのU字状ノッチ111b1に位置している。
【0031】
第1シェル110が第1インシュレータ130に取り付けられている状態において、第1板部111aと第2板部111bは第1インシュレータ130の外側に沿っている。つまり、第1板部111aと第2板部111bが第1側壁部110Aに相当する。第1板部111aの下端部および2個の第2板部111bの下端部(ただし、U字状ノッチ111b1を除く)は、第1基板1に取り付けることのできる部位であり、第1部位110Bに相当する。したがって、片持ちばね110Dの固定端110Fは第1シェル110の第1部位110Bに近く、片持ちばね110Dの自由端110Eは第1シェル110の第1部位110Bから離れている。
【0032】
各片持ちばね110Dは、第1シェル110の外側に向かって膨らむ湾曲形状を持っている。自由端110Eと固定端110Fとの間に位置する片持ちばね110Dの中央部110Gは、第1側壁部110Aの外側に位置している。片持ちばね110Dの自由端110Eは、第1シェル110の第1側壁部110Aの外側に位置していない。したがって、片持ちばね110Dに第1シェル110の高さ方向(つまり、Z方向)の外力を加えたときに、片持ちばね110Dは、固定端110Fを支点として、第1シェル110の内側に向かって傾くことができる。片持ちばね110Dが外力に応じて傾いたとき、片持ちばね110Dの自由端110Eは、側壁部132の凹部132bに入り込む。換言すれば、側壁部132の凹部132bのおかげで、片持ちばね110Dの動きが妨げられない。
【0033】
通例、電磁波の空間伝導を遮断する観点から、導電性シェルのスリットは、高周波電流のためのコンタクトからできるだけ遠くに位置することが好ましい。しかし、この実施形態から明らかなように、スリット110Cおよび片持ちばね110Dは、低周波コンタクト(つまり、中央板部に取り付けられている6個の第1コンタクト150)よりも高周波コンタクト(つまり、側板部に取り付けられている2個の第1コンタクト150)の近くに位置してよい。つまり、先行技術と比較して、スリットおよび片持ちばねの位置に関する設計上の制約が少ない。
【0034】
第1基板対基板コネクタ100は、第1基板1の一面に取り付けられる。第1基板1の一面は、グラウンドパッドと信号ラインを持っている。第1コンタクト150の他端150b,150dは第1基板1の信号ラインと接触している。導体部品170の棒状部170aおよび第1シェル110の第1部位110Bは第1基板1のグラウンドパッドと接触している。通例、第1基板対基板コネクタ100は、はんだを用いて、第1基板1に取り付けられる。
【0035】
<第2基板対基板コネクタ>
図6および図7示す第2基板対基板コネクタ200は、枠構造を有し且つ導電性を有する第2シェル210と、電気絶縁性を有する第2インシュレータ230と、導電性を有する8個の第2コンタクト250を含む。
【0036】
<第2インシュレータ、第2コンタクト>
図8示す第2インシュレータ230は、ワンピースの絶縁部品であり、概ね直方体状の外観を有する。第2インシュレータ230は、第2インシュレータ230の中央部に、第2インシュレータ230の長さ方向(つまり、図8に示すY方向)と平行に伸びる2個の溝230aを持っている。一方の溝230aに沿って3個の第2コンタクト250が取り付けられており、他方の溝230aに沿って3個の第2コンタクト250が取り付けられている。これら6個の第2コンタクト250のそれぞれは、帯状の金属板を曲げた形状を持っており、U字状部250aと、U字状部250aの一端から伸びているL字状部250bを持っている。第2コンタクト250のU字状部250aは、第2インシュレータ230の溝230aに位置している。U字状部250aは上に向かって開口している。説明における「上」と「下」は、図8に示す第2インシュレータ230の高さ方向(つまり、Z方向)において紙面の「上」と「下」に従う。第2コンタクト250の端部(つまり、L字状部250bの端部)は、第2インシュレータ230の長さ方向における側壁の下端に位置している。
【0037】
第2インシュレータ230は、第2インシュレータ230の長さ方向における両端に2個の凹部230bを持っている。2個の凹部230bに、残り2個の第2コンタクト250が取り付けられている。これら2個の第2コンタクト250のそれぞれは、金属板を曲げた形状を持っており、U字状部250cと、U字状部250cの底部から伸びている脚部250dを持っている。U字状部250cは上に向かって開口している。第2コンタクト250の端部(つまり、脚部250dの端部)は、第2インシュレータ230の幅方向(つまり、X方向)における側壁の下端に位置している。
【0038】
第2インシュレータ230は、第2コンタクト250が位置する一方の凹部230bと6個の第2コンタクト250が位置する溝230aとの間、および、第2コンタクト250が位置する他方の凹部230bと6個の第2コンタクト250が位置する溝230aとの間のそれぞれに、第2インシュレータ230の幅方向に伸びるスリット230cを持っている。つまり、第2インシュレータ230は、2個のスリット230cを持っている。
【0039】
第2インシュレータ230は、第2インシュレータ230の中央部と第2インシュレータ230の長さ方向における端部をつなぐ橋梁部230dを持っている。スリット230cは2個の橋梁部230dの間に位置する。
【0040】
<第2シェル>
図9に示すワンピースの第2シェル210は、底部210bと、第2基板2に取り付けることのできる第2部位210Bを持っている矩形枠状の第2側壁部210Aを持っている。第2シェル210は、金属で作られている。底部210bは、4個の平板部210b1と2個の直立部210b2を持っている。平板部210b1は、第2側壁部210Aの隣り合う角部に位置する。直立部210b2は、第2シェル210の幅方向(つまり、図9に示すX方向)において隣り合う2個の平板部210b1の一方から他方まで伸びている。各直立部210b2は、第2シェル210の幅方向に伸びており、底部210bに対して垂直に立っている。
【0041】
各直立部210b2は、2個の逆U字状部210b21と、1個の橋梁部210b22と、2個の脚部210b23を持っている。逆U字状部210b21は、平板部210b1から垂直に第2シェル210の上に向かって伸び、さらに、垂直に第2シェル210の下に向かって折り返している。説明における「上」と「下」は、図9に示す第2シェル210の高さ方向(つまり、Z方向)において紙面の「上」と「下」に従う。橋梁部210b22は、一方の逆U字状部210b21から他方の逆U字状部210b21まで伸びている。2個の脚部210b23は橋梁部210b22の中央部から、第2シェル210の上に向かって伸びている。脚部210b23は、脚部210b23の先端に、第2シェル210の幅方向に突出する爪210b24を持っている。逆U字状部210b21は、逆U字状部210b21の内側に向かって突出する爪210b25を持っている。
【0042】
第2側壁部210Aの各辺は、第2側壁部210Aの外側に向かって突出する細長い半円筒型の凸部210eを持っている。凸部210eは、第2側壁部210Aの高さ方向と垂直な方向に伸びている。
【0043】
第2シェル210は第2インシュレータ230に取り付けられ、この結果、第2インシュレータ230は第2シェル210の内部に位置する(図6参照)。この際、第2シェル210の2個の直立部210b2は、第2インシュレータ230の2個のスリット230cに収容される。爪210b25を持つ逆U字状部210b21の間に、第2インシュレータ230の橋梁部230dが圧入される。第2シェル210の第2側壁部210Aは、第2インシュレータ230の外側を囲んでいる。第2シェル210の第2側壁部210Aの下端部が、第2基板2に取り付けることのできる第2部位210Bに相当する。
【0044】
第2基板対基板コネクタ200は、第2基板2の一面に取り付けられる。第2基板2の一面は、グラウンドパッドと信号ラインを持っている。上述の6個の第2コンタクト250のL字状部250bの端部および上述の2個の第2コンタクト250の脚部250dの端部は第2基板2の信号ラインと接触している。第2シェル210の第1部位210Bおよび第2シェル210の橋梁部210b22は第2基板2のグラウンドパッドと接触している。通例、第2基板対基板コネクタ200は、はんだを用いて、第2基板2に取り付けられる。
【0045】
<コネクタアッセンブリ>
第1基板1の一面に固定された第1基板対基板コネクタ100と第2基板2の一面に固定された第2基板対基板コネクタ200は、第1基板1の一面と第2基板2の一面が平行に向かい合う状態で、互いに嵌合する(図10参照)。互いに嵌合した第1基板対基板コネクタ100と第2基板対基板コネクタ200はコネクタアッセンブリ500を構成する。コネクタアッセンブリ500によって第1基板1と第2基板2の平行接続が実現し、第1基板1と第2基板2が互いに電気的に接続する。コネクタアッセンブリ500において、第1基板対基板コネクタ100の第1シェル110は第2基板対基板コネクタ200の第2シェル210の内側に位置している。
【0046】
コネクタアッセンブリ500において、第1インシュレータ130におけるコンタクト列を形成している6個の第1コンタクト150の一端150aは、第2インシュレータ230の溝に位置する6個の第2コンタクト250のU字状部250aに嵌っている。さらに、コネクタアッセンブリ500において、第1インシュレータ130の残り2個の第1コンタクト150の一端150cは、第2インシュレータ230の両端に位置する2個の第2コンタクト250のU字状部250cに嵌っている。
【0047】
コネクタアッセンブリ500において、第1インシュレータ130に取り付けられた導体部品170の壁部170bは、第2シェル210の直立部210b2における逆U字状部210b21と脚部210b23との間に嵌っている。第1インシュレータ130に取り付けられた導体部品170と第2シェル210の直立部210b2の組合体は、低周波コンタクトと高周波コンタクトを電磁気的に隔てるシールドの役割を果たす。
【0048】
第1基板対基板コネクタ100と第2基板対基板コネクタ200が互いに嵌合する過程において、第1シェル110の凸部111eは、第2シェル210の凸部210eを乗り越える。コネクタアッセンブリ500において、第1シェル110の凸部111eと第2シェル210の凸部210eは互いに接触している。これによって、第1シェル110と第2シェル210の間の隙間が減少するので、コネクタアッセンブリ500のシールド性能が向上している。
【0049】
さらに、コネクタアッセンブリ500において、第1基板対基板コネクタ100の片持ちばね110Dは第2基板対基板コネクタ200の第2シェル210の第2側壁部210Aに接触している。既述のとおり、片持ちばね110Dに第1シェル110の高さ方向の外力を加えたときに、片持ちばね110Dは、固定端110Fを支点として、第1シェル110の内側に向かって傾くことができる。したがって、第1基板対基板コネクタ100を第2基板対基板コネクタ200に嵌めるときに第2シェル210が第1シェル110の片持ちばね110Dにぶつかっても、片持ちばね110Dの座屈は生じない。
【0050】
上述の実施形態によると、第1基板対基板コネクタ100の第1部位110Bから第2基板対基板コネクタ200の第2部位210Bまでの距離は、先行技術における距離と比較して十分に短くなる。先行技術のように片持ちばねが上述の実施形態で採用されている片持ちばね110Dの伸びる方向と反対方向に伸びている場合(図12(b)参照)、第1基板対基板コネクタ100の第1部位110Bから第2基板対基板コネクタ200の第2部位210Bまでの最短経路は、図12において太い実線で示すように、折り返しを持つZ字状である。図12(a)において太い破線で示す経路は、図12(b)において太い実線で示す経路と同じである。上述の実施形態によると、第1基板対基板コネクタ100の第1部位110Bから第2基板対基板コネクタ200の第2部位210Bまでの最短経路は、図11において太い実線で示すように、折り返しの無いステップ状である。したがって、実施形態による片持ちばね110Dは、良好なグラウンド性能を発揮する。つまり、コネクタアッセンブリ500においてEMIの低減が実現する。
【0051】
図13に、実施形態のコネクタアッセンブリ500と第1比較例と第2比較例のそれぞれのEMIのグラフを示す。グラフの縦軸は放射電界強度(単位:dBμV/m)であり、横軸は周波数(単位:GHz)である。第1比較例は、片持ちばねが上述の実施形態で採用されている片持ちばね110Dの伸びる方向と反対方向に伸びていることを除いてコネクタアッセンブリ500と同じ構造を持っている。第2比較例は、上述の実施形態で採用されている片持ちばね110Dを持っていないことを除いてコネクタアッセンブリ500と同じ構造を持っている。グラフ中の実線は第1比較例の放射電界強度であり、破線は第2比較例の放射電界強度であり、二点鎖線はコネクタアッセンブリ500の放射電界強度である。コネクタアッセンブリ500と第1比較例との比較から、先行技術で採用されている片持ちばねの伸びる方向と反対方向に伸びている片持ちばね110Dを採用することによって、コネクタアッセンブリ500のEMIが大きく改善することがわかる。さらに、コネクタアッセンブリ500と第2比較例との比較から、第1シェル110の凸部111eと第2シェル210の凸部210eの接触に基づく隙間低減構造と片持ちばね110Dとの組み合わせがコネクタアッセンブリ500のEMIを大きく改善することがわかる。
【0052】
<補遺>
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い、その要素を均等物で置き換えることができることを理解するであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定のシステム、デバイス、またはそのコンポーネントを本発明の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むものとする。
【0053】
さらに、「第1」、「第2」などの用語の使用は順序や重要性を示すものではなく、「第1」、「第2」などの用語は要素を区別するために使用される。本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものでは決してない。用語「含む」とその語形変化は、本明細書および/または添付の請求の範囲で使用される場合、言及された特徴、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を明らかにするが、一つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。「および/または」という用語は、それがもしあれば、関連するリストされた要素の一つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。請求の範囲および明細書において、特に明記しない限り、「接続」、「結合」、「接合」、「連結」、またはそれらの同義語、およびそのすべての語形は、例えば互いに「接続」または「結合」されているか互いに「連結」している二つの間の一つ以上の中間要素の存在を必ずしも否定しない。請求の範囲および明細書において、「任意」という用語は、それがもしあれば、特に明記しない限り、全称記号∀と同じ意味を表す用語として理解されるべきである。例えば、「任意のXについて」という表現は「すべてのXについて」あるいは「各Xについて」と同じ意味を持つ。
【0054】
特に断りが無い限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、関連技術および本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明示的に定義されていない限り、理想的にまたは過度に形式的に解釈されるものではない。
【0055】
本発明の説明において、多くの技法およびステップが開示されていることが理解されるであろう。これらのそれぞれには個別の利点があり、それぞれ他の開示された技法の一つ以上、または場合によってはすべてと組み合わせて使用することもできる。したがって、煩雑になることを避けるため、本明細書では、個々の技法またはステップのあらゆる可能な組み合わせを説明することを控える。それでも、明細書および請求項は、そのような組み合わせが完全に本発明および請求項の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0056】
以下の請求項において手段またはステップと結合したすべての機能的要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、それらがあるとすれば、他の要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、または行為を含むことを意図する。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更と変形が許される。選択され且つ説明された実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を解説するためのものである。本発明は様々な変更あるいは変形を伴って様々な実施形態として使用され、様々な変更あるいは変形は期待される用途に応じて決定される。そのような変更および変形のすべては、添付の請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることが意図されており、公平、適法および公正に与えられる広さに従って解釈される場合、同じ保護が与えられることが意図されている。
【符号の説明】
【0058】
1 第1基板
2 第2基板
100 第1基板対基板コネクタ
110 第1シェル
110A 第1側壁部
110B 第1部位
110C スリット
110D 片持ちばね
110E 自由端
110F 固定端
110G 中央部
111 金属部品
111a 第1板部
111b 第2板部
111c フック
111d ブレース
111e 凸部
111g 爪
130 第1インシュレータ
131 底部
131a 中央板部
131b 側板部
132 側壁部
132a 凹部
132b 凹部
150 第1コンタクト
150a 一端
150b 他端
150c 一端
150d 他端
170 導体部品
170a 棒状部
170b 壁部
170c 端部
200 第2基板対基板コネクタ
210 第2シェル
210A 第2側壁部
210B 第2部位
210b 底部
210b1 平板部
210b2 直立部
210b21 逆U字状部
210b22 橋梁部
210b23 脚部
210b24 爪
210b25 爪
210e 凸部
230 第2インシュレータ
230a 溝
230b 凹部
230c スリット
230d 橋梁部
250 第2コンタクト
250a U字状部
250b L字状部
250c U字状部
250d 脚部
500 コネクタアッセンブリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13