IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イビデン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図1A
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図1B
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図1C
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図1D
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図1E
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図1F
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図2
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図3
  • 特許-プリント配線板の製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/40 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
H05K3/40 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020211387
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098063
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴秀
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-088202(JP,A)
【文献】特開2013-131731(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/092379(US,A1)
【文献】特開2018-078273(JP,A)
【文献】特開2005-072454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と反対側の第2面を有する絶縁基板と、前記絶縁基板の前記第1面上に積層されている第1銅箔と、前記第2面上に積層されている第2銅箔で形成されている両面銅貼積層板を準備することと、
前記両面銅貼積層板に第1のピッチで複数の第1貫通孔を形成することと、
前記複数の第1貫通孔の内部に第1スルーホール導体を形成することと、
前記第1銅箔上に第1めっき膜を形成することと、
前記第2銅箔上に第2めっき膜を形成することと、
前記第1面から露出する前記第1めっき膜と前記第1スルーホール導体の一部を除去することで、前記第1面側に前記第1銅箔と前記第1スルーホール導体で形成される第1平面を形成することと、
前記第2面から露出する前記第2めっき膜と前記第1スルーホール導体の一部を除去することで、前記第2面側に前記第2銅箔と前記第1スルーホール導体で形成される第2平面を形成することと、
前記両面銅貼積層板の前記複数の第1貫通孔が形成されていない箇所に、隣接する前記第1貫通孔に対して第2のピッチで、複数の第2貫通孔を形成することと、
前記複数の第2貫通孔の内部に第2スルーホール導体を形成することと、
前記第1平面から露出する前記第1銅箔上と前記第1スルーホール導体上に第3めっき膜を形成することと、
前記第2平面から露出する前記第2銅箔上と前記第1スルーホール導体上に第4めっき膜を形成することと、
前記第3めっき膜と前記第2スルーホール導体の一部を除去することで、前記第1面側に前記第1銅箔と前記第1スルーホール導体と前記第2スルーホール導体で形成される第3平面を形成することと、
前記第4めっき膜と前記第2スルーホール導体の一部を除去することで、前記第2面側に前記第2銅箔と前記第1スルーホール導体と前記第2スルーホール導体で形成される第4平面を形成することと、
前記第3平面から露出する前記第1銅箔上と前記第1スルーホール導体上と前記第2スルーホール導体上に第5めっき膜を形成することと、
前記第4平面から露出する前記第2銅箔上と前記第1スルーホール導体上と前記第2スルーホール導体上に第6めっき膜を形成することと、
前記第5めっき膜から第1導体回路を形成することと、
前記第6めっき膜から第2導体回路を形成することと、
を少なくとも含むプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板の製造方法であって、前記第1スルーホール導体を形成することと前記第1めっき膜を形成することと前記第2めっき膜を形成することは同時に行われ、前記第2スルーホール導体を形成することと前記第3めっき膜を形成することと前記第4めっき膜を形成することは同時に行われ、前記第5めっき膜を形成することと前記第6めっき膜を形成することは同時に行われる。
【請求項3】
請求項1または2のプリント配線板の製造方法であって、前記第1めっき膜と前記第1スルーホール導体の一部を除去することと、前記第2めっき膜と前記第1スルーホール導体の一部を除去することと、前記第3めっき膜と前記第2スルーホール導体の一部を除去することと、前記第4めっき膜と前記第2スルーホール導体の一部を除去することは、研磨またはエッチングにより行われる。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1のプリント配線板の製造方法であって、前記第5めっき膜から前記第1導体回路を形成することおよび前記第6めっき膜から前記第2導体回路を形成することは、サブトラクティブ工法またはセミアディティブ工法により行う。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1のプリント配線板の製造方法であって、前記第1貫通孔の前記第1のピッチは600μm以上であり、隣接する前記第1貫通孔に対する前記第2貫通孔の前記第2のピッチは300μm以上である。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1のプリント配線板の製造方法であって、前記複数の第1貫通孔の孔径が150μm以上300μm以下であり、前記複数の第2貫通孔の孔径が100μm以上200μm以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔スルーホールを有するプリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多孔スルーホールを有するプリント配線板において、スルーホール配置の高密度化が求められている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-72454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図4(a)~(d)は、それぞれ、従来の多孔スルーホールを有するプリント配線板の製造方法を示す図である。まず、絶縁基板51とその両表面に形成された銅箔52とからなる両面銅貼積層板53にドリルで貫通孔54を形成し、露出する絶縁基板51上に筒状のスルーホール導体55と、銅箔52上にめっき膜59とを形成する(図4(a))。次に、スルーホール導体55内に充填樹脂56を充填し、充填樹脂56をスルーホール導体55とめっき膜59と面一になるように研磨する(図4(b))。次に、充填樹脂56とスルーホール導体55とめっき膜59とが面一となる両表面に、めっき膜57を形成する(図4(c))。さらに、めっき膜57に対し、例えばサブトラクティブ工法を適用して、導体回路58を形成している(図4(d))。
【0005】
上述した製造方法で製造したプリント配線板においては、スルーホール配置密度に偏りがあると、スルーホール密度が高い箇所ではスルーホール導体55およびめっき膜59のめっき厚が減少し、スルーホール密度が低い箇所ではスルーホール導体55およびめっき膜59のめっき厚が厚くなる。そのため、貫通孔54内壁のスルーホール導体55および絶縁基板51表面のめっき膜59のめっき厚にバラつきが生じる問題がある。その場合、めっき厚のバラつきにより、サブトラクティブ法での配線形成の工程能力が低下したり、配線形成そのものの障壁となったりしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリント配線板の製造方法は、第1面と、前記第1面と反対側の第2面を有する絶縁基板と、前記絶縁基板の前記第1面上に積層されている第1銅箔と、前記第2面上に積層されている第2銅箔で形成されている両面銅貼積層板を準備することと、前記両面銅貼積層板に第1のピッチで複数の第1貫通孔を形成することと、前記複数の第1貫通孔の内部に第1スルーホール導体を形成することと、前記第1銅箔上に第1めっき膜を形成することと、前記第2銅箔上に第2めっき膜を形成することと、前記第1面から露出する前記第1めっき膜と前記第1スルーホール導体の一部を除去することで、前記第1面側に前記第1銅箔と前記第1スルーホール導体で形成される第1平面を形成することと、前記第2面から露出する前記第2めっき膜と前記第1スルーホール導体の一部を除去することで、前記第2面側に前記第2銅箔と前記第1スルーホール導体で形成される第2平面を形成することと、前記両面銅貼積層板の前記複数の第1貫通孔が形成されていない箇所に、隣接する前記第1貫通孔に対して第2のピッチで、複数の第2貫通孔を形成することと、前記複数の第2貫通孔の内部に第2スルーホール導体を形成することと、前記第1平面から露出する前記第1銅箔上と前記第1スルーホール導体上に第3めっき膜を形成することと、前記第2平面から露出する前記第2銅箔上と前記第1スルーホール導体上に第4めっき膜を形成することと、前記第3めっき膜と前記第2スルーホール導体の一部を除去することで、前記第1面側に前記第1銅箔と前記第1スルーホール導体と前記第2スルーホール導体で形成される第3平面を形成することと、前記第4めっき膜と前記第2スルーホール導体の一部を除去することで、前記第2面側に前記第2銅箔と前記第1スルーホール導体と前記第2スルーホール導体で形成される第4平面を形成することと、前記第3平面から露出する前記第1銅箔上と前記第1スルーホール導体上と前記第2スルーホール導体上に第5めっき膜を形成することと、前記第4平面から露出する前記第2銅箔上と前記第1スルーホール導体上と前記第2スルーホール導体上に第6めっき膜を形成することと、前記第5めっき膜から第1導体回路を形成することと、前記第6めっき膜から第2導体回路を形成することと、を少なくとも含む
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における一工程を説明するための図である。
図1B】本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における一工程を説明するための図である。
図1C】本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における一工程を説明するための図である。
図1D】本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における一工程を説明するための図である。
図1E】本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における一工程を説明するための図である。
図1F】本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における一工程を説明するための図である。
図2】(a)~(d)は、それぞれ、第5めっき膜および第6めっき膜から第1導体回路および第2導体回路を形成するサブトラクティブ工法を説明するための図である。
図3】(a)~(d)は、それぞれ、第5めっき膜および第6めっき膜から第1導体回路および第2導体回路を形成するセミアディティブ工法を説明するための図である。
図4】(a)~(d)は、それぞれ、従来のプリント配線板の製造方法の一実施形態における各工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A図1Fは、それぞれ、本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態における各工程を説明するための図である。なお、図1A図1Fに示す例において、各部材の寸法については、本発明の特徴をより良く理解できるようにするために、実際の寸法とは異なる寸法で記載している。以下、図1A図1Fを参照して、本発明のプリント配線板の製造方法の一実施形態を説明する。
【0009】
まず、図1Aに示すように、第1面1-1と、第1面1-1と反対側の第2面1-2を有する絶縁基板1と、絶縁基板1の第1面1-1上に積層されている第1銅箔2-1と、第2面1-2上に積層されている第2銅箔2-2で形成されている両面銅貼積層板3を準備し、両面銅貼積層板3に第1のピッチで複数の第1貫通孔4-1を形成する。その後、第1銅箔2-1上に第1めっき膜5-1と、第2銅箔2-2上に第2めっき膜5-2と、複数の第1貫通孔4-1から露出する絶縁基板1上に筒状の第1スルーホール導体5-3とを形成する。なお、第1貫通孔4-1の第1のピッチP1は、好ましくは600μm以上であれば、同じ距離のピッチでもよいし、ピッチ毎に異なる距離のピッチでもよい。図1Aに示す例では、示された3つの第1貫通孔4-1において、左側2つの第1貫通孔4-1の第1のピッチP1と、右側2つの第1貫通孔4-1の第1のピッチP1とは、距離が異なっている。
【0010】
ここで、両面銅貼積層板3としては、市販の両面銅貼積層板(CCL)を用いることができる。第1貫通孔4-1の形成は、両面銅貼積層板3に、従来から知られている方法、例えば、ドリル加工やレーザ(CO、UV-YAG、エキシマなど)加工を施すことで行うことができる。また、第1貫通孔4-1の形成後、第1スルーホール導体5-3の形成前に、絶縁基板1の第1銅箔2-1および第2銅箔2-2表面および第1貫通孔4の内壁の貫通孔形成で発生した残渣を、例えば、過マンガン酸+水酸化ナトリウムを用いるデスミア処理やCFを用いたプラズマを用いるデスミア処理で除去することが好ましい。さらに、第1めっき膜5-1および第2めっき膜5-2、第1スルーホール導体5-3は、無電解銅めっきとその後の電解銅めっきにより形成される。
【0011】
次に、図1Bに示すように、研磨またはエッチングにより、第1面1-1から露出する第1めっき膜5-1と第1スルーホール導体5-3の一部を除去することで、第1面1-1側に前記第1銅箔2-1と第1スルーホール導体5-3で形成される第1平面10-1を形成する。同様に、研磨またはエッチングにより、第2面1-2から露出する第2めっき膜5-2と第1スルーホール導体5-3の一部を除去することで、第2面1-2側に第2銅箔2-2と第1スルーホール導体5-3で形成される第2平面10-2を形成する。ここで、両面銅貼積層板3の両表面の研磨方法としては、従来から知られているように、バフ研磨、ベルト研磨、平面研磨などの方法を用いることができ、製品の仕様により研磨方法を使い分ける。また、両面銅貼積層板3の両表面のエッチング方法としては、従来から知られているように、エッチング液を用いて両面銅貼積層板3の両表面をエッチングする方法を用いることができる。
【0012】
次に、図1Cに示すように、両面銅貼積層板3の複数の第1貫通孔4-1が形成されていない箇所(本例では隣接する第1貫通孔4-1間)に、隣接する第1貫通孔4-1に対して第2のピッチで、複数の第2貫通孔4-2を形成する(本例では隣接する第1貫通孔4-1間毎に1所形成している)。その後、第1平面10-1に露出する第1銅箔2-1上と第1スルーホール導体5-3上に第3めっき膜5-4と、第2平面10-2に露出する第2銅箔2-2上と第1スルーホール導体5-3上に第4めっき膜5-5と、複数の第2貫通孔4-2の内部に第2スルーホール導体5-6とを形成する。なお、第2貫通孔4-2の第2のピッチは、好ましくは300μm以上であれば、同じ距離のピッチでもよいし、ピッチ毎に異なる距離のピッチでもよい。図1Cに示す例では、示された2つの第2貫通孔4-2において、左側の第2貫通孔4-2の左隣りの第1貫通孔4-1に対する第2のピッチP2と、右側の第2貫通孔4-2の左隣りの第1貫通孔4-1に対する第2のピッチP2とは、距離が異なっている。第2貫通孔4-2の形成、および、第3めっき膜5-4、第4めっき膜5-5、第2スルーホール導体5-6の形成は、第1貫通孔4-1および第1めっき膜5-1、第2めっき膜5-2、第1スルーホール導体5-3の形成と同様である。
【0013】
次に、図1Dに示すように、研磨またはエッチングにより、第3めっき膜5-4と第2スルーホール導体5-6の一部を除去することで、第1面1-1側に第1銅箔2-1と第1スルーホール導体5-3と第2スルーホール導体5-6で形成される第3平面10-3を形成する。同様に、研磨またはエッチングにより、第4めっき膜5-5と第2スルーホール導体5-6の一部を除去することで、第2面1-2側に第2銅箔2-2と第1スルーホール導体5-3と第2スルーホール導体5-6で形成される第4平面10-4を形成する。研磨方法、エッチング方法は、上述した例と同様である。
【0014】
次に、図1Eに示すように、第3平面10-3に露出する第1銅箔2-1上と第1スルーホール導体5-3上と第2スルーホール導体5-6上に第5めっき膜7-1と、第4平面10-4に露出する第2銅箔2-2上と第1スルーホール導体5-3上と第2スルーホール導体5-6上に第6めっき膜7-2とを形成する。第5めっき膜7-1および第6めっき膜7-2は、第1めっき膜5-1および第2めっき膜5-2、第3めっき膜5-4、第4めっき膜5-5の形成と同様に、無電解銅めっきとその後の電解銅めっきにより形成することができる。
【0015】
最後に、図1Fに示すように、第5めっき膜7-1を加工して、両面銅貼積層板3の第1面1-1に第1導体回路8-1を形成する。同様に、第6めっき膜7-2を加工して、両面銅貼積層板3の第2面1-2に第2導体回路8-2を形成する。第5めっき膜7-1および第6めっき膜7-2から第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成するには、従来から知られているサブトラクティブ工法またはセミアディティブ工法を用いることができる。その後、形成した表裏両面のパターン化した第1導体回路8-1および第2導体回路8-2上に層間絶縁層を形成し、その上に所定の層数だけ導体層および層間絶縁層を形成することで、ビルドアップ構造を所定の層だけ形成することができる。
【0016】
以下、第5めっき膜7-1および第6めっき膜7-2から第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成する際使用する加工方法として、サブトラクティブ工法およびセミアディティブ工法を、それぞれ、図2(a)~(d)および図3(a)~(d)を参照して説明する。図2(a)~(d)および図3(a)~(d)に示す例において、図1A図1Fに示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0017】
図2(a)~(d)は、それぞれ、サブトラクティブ工法に従って第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成する一実施形態の工程を示す図である。まず、図2(a)に示す第5めっき膜7-1および第6めっき膜7-2を形成した状態の両面銅貼積層板3(図1Eに対応)に対し、図2(b)に示すように、第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成すべき位置にレジスト9を形成する。その後、レジスト9を形成した両面銅貼積層板3に対しエッチングを行い、図2(c)に示すように、レジスト9以外の部分の第5めっき膜7-1および第6めっき膜7-2および第1銅箔2-1および第2銅箔2-2を除去して、絶縁基板1を露出させる。最後に、レジスト9を除去して、図2(d)に示すように、第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成する。レジスト9の形成、エッチング、レジスト9の除去は、いずれも公知の方法をとることができる。
【0018】
図3(a)~(d)は、それぞれ、セミアディティブ工法に従って第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成する一実施形態の工程を示す図である。まず、図3(a)に示すように、図1Dに示す状態の両面銅貼積層板3の表面上において、第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成しない位置にレジスト9を形成する。次に、図3(b)に示すように、レジスト9の存在しない両面銅貼積層板3の第1銅箔2-1および第2銅箔2-2表面およびスルーホール導体5-3(5-6)の表面に第5めっき膜7-1および第6めっき膜7-2を形成する。次に、図3(c)に示すようにレジスト9を除去して第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成する。最後に、図3(d)に示すように、表面をエッチングして、第1導体回路8-1および第2導体回路8-2の部分以外の第1銅箔2-1および第2銅箔2-2を除去して、絶縁基板1を露出させて、最終的な第1導体回路8-1および第2導体回路8-2を形成する。本例においても、レジスト9の形成、エッチング、レジスト9の除去は、いずれも公知の方法をとることができる。セミアディディブ工法は、サブトラクティブ工法と比較して、狭ピッチの導体パターンの形成に向いている。
【0019】
上述した本発明のプリント配線板の製造方法において、第1貫通孔4-1の第1のピッチは600μm以上であり、隣接する第1貫通孔4-1に対する第2貫通孔4-2の第2のピッチは300μm以上であることが好ましい。各段階で形成されるスルーホール密度が分散され、第1及び第2コアスルーホール導体のめっき厚を均一にすることができる。また、複数の第1貫通孔4-1の孔径が150μm以上300μm以下であり、複数の第2貫通孔4-2の孔径が100μm以上200μm以下であることが好ましい。複数の第1貫通孔は、複数の第2貫通孔より孔径を大きくすることができるため、電源用導体とすることができる。複数の第2貫通孔は、複数の第1貫通孔より孔径が小さいため、信号用導体とすることができる。
【0020】
本発明において、第1スルーホール導体5-3、第1めっき膜5-1、第2めっき膜5-2の形成順序は特に限定しないが、第1スルーホール導体5-3を形成することと第1めっき膜5-1を形成することと第2めっき膜5-2を形成することは、同時に行われることが好ましい。同様に、第2スルーホール導体5-6、第3めっき膜5-4、第4めっき膜5-5の形成順序は特に限定しないが、第2スルーホール導体5-6を形成することと第3めっき膜5-4を形成することと第4めっき膜5-5を形成することは同時に行われることが好ましい。同様に、第5めっき膜7-1、第6めっき膜7-2の形成順序は特に限定しないが、第5めっき膜7-1を形成することと第6めっき膜7-2を形成することは同時に行われることが好ましい。
【0021】
上述した本発明のプリント配線板によれば、スルーホール形成を2段階に分けて形成することにより、スルーホール配置密度に偏りがあった場合でも、めっきを均一に形成することが可能となる。また、同一層内のスルーホールで、孔径、導体厚みを変えることができ、スルーホール設計デザインの自由度が上がる。
【0022】
なお、本発明のプリント配線板の製造方法においては、スルーホール形成を2段階に分けているが、2段階以上に分けてスルーホール形成を行った場合でも、本発明と同様の効果を得ることができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0023】
1 絶縁基板
1-1 第1面
1-2 第2面
2-1 第1銅箔
2-2 第2銅箔
3 両面銅貼積層板
4-1 第1貫通孔
4-2 第2貫通孔
5-1 第1めっき膜
5-2 第2めっき膜
5-3 第1スルーホール導体
5-4 第3めっき膜
5-5 第4めっき膜
5-6 第2スルーホール導体
7-1 第5めっき膜
7-2 第6めっき膜
8-1 第1導体回路
8-2 第2導体回路
9 レジスト
10-1 第1平面
10-2 第2平面
10-3 第3平面
10-4 第4平面
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4