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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/60 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
E06B1/60
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020213925
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099873
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 丈志
(72)【発明者】
【氏名】石塚 和之
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-071978(JP,A)
【文献】実開昭63-111588(JP,U)
【文献】実開平07-029276(JP,U)
【文献】実開昭58-161085(JP,U)
【文献】実開平04-130689(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/56
E06B 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠と、中空部材と、ブラケットとを備え、
中空部材は、枠の上枠と下枠と左右竪枠の少なくとも何れか一つに設けられるものであり、
ブラケットは、中空部材の見付面に固定される中空部材側固定部と、中空部材側固定部から枠の見込方向に沿って枠に対して離間する位置へ延設された躯体側固定部とを備え、
躯体側固定部がブラケット固定具を介して枠に対して離間する位置で躯体に固定されている
ことを特徴とする建具。
【請求項2】
枠と、中空部材と、二つのブラケットとを備え、
中空部材は、枠の上枠と下粋と左右竪枠の少なくとも何れか一つに設けられるものであり、
一方のブラケットは、中空部材の見付面に固定される中空部材側固定部と、中空部材側固定部から枠の見込方向に沿って枠に対して離間する位置へ延設された枠側連結固定部とを備え、
他方のブラケットは、躯体に固定される躯体側固定部と、躯体側固定部から枠の見込方向に沿って躯体に対して離間する位置へ延設された躯体側連結固定部とを備え、
枠側連結固定部と躯体側連結固定部とが連結具を介して固定されている
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に設けられる建具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の開口部にサッシ窓等の建具を設置する一般的な工法として、開口部の周囲に埋設された挿し筋と建具側のサッシアンカーとを溶接により緊結することで、開口部に対して建具を固定する工法が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の工法では、溶接作業や溶接時の建具の位置合わせ作業等に時間や技術を要するため、開口部に対して迅速、且つ容易に設置できる建具が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題を解決するために請求項1記載による建具は、枠と、中空部材と、ブラケットとを備え、中空部材は、枠の上枠と下枠と左右竪枠の少なくとも何れか一つに設けられるものであり、ブラケットは、中空部材の見付面に固定される中空部材側固定部と、中空部材側固定部から枠の見込方向に沿って枠に対して離間する位置へ延設された躯体側固定部とを備え、躯体側固定部がブラケット固定具を介して枠に対して離間する位置で躯体に固定されていることを特徴とする。
また、請求項2記載による建具は、枠と、中空部材と、二つのブラケットとを備え、中空部材は、枠の上枠と下粋と左右竪枠の少なくとも何れか一つに設けられるものであり、一方のブラケットは、中空部材の見付面に固定される中空部材側固定部と、中空部材側固定部から枠の見込方向に沿って枠に対して離間する位置へ延設された枠側連結固定部とを備え、他方のブラケットは、躯体に固定される躯体側固定部と、躯体側固定部から枠の見込方向に沿って躯体に対して離間する位置へ延設された躯体側連結固定部とを備え、枠側連結固定部と躯体側連結固定部とが連結具を介して固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、以上の構成により、躯体の開口部に対して迅速、且つ容易に設置できる建具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る第1実施形態の建具の室内側から見た正面図であり、躯体の開口部に設置した状態を示す。
図2図1の(2)-(2)線断面図であり、一部切欠して示す。
図3】(a)は図2の上枠部分を室内側から見た正面図、(b)は図2の下枠部分を室内側から見た正面図である。
図4図1の(4)-(4)線断面図である。
図5】(a)は本発明に係る第2実施形態の建具の上枠側の縦断面図、(b)は(a)を室内側から見た正面図である。
図6】本発明に係る第2実施形態の建具の横断面図である。
図7】本発明に係る第3実施形態の建具の縦断面図である。
図8】本発明に係る第3実施形態の建具の横断面図である。
図9】本発明に係る第4実施形態の建具の縦断面図である。
図10】本発明に係る第4実施形態の建具の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る第1実施形態~第4実施形態の建具A~Dを説明する。
以下の説明で、各実施形態の異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0008】
[第1実施形態の建具の構成]
建具Aは、図1及び図2に示すように引違い窓であり、内障子100及び外障子200を支持した枠1と、枠1を躯体300の開口部301に固定するための固定部材2及びブラケット3と、枠1の高さ位置を調節する自重受けボルト4とを備えている。
建具Aが取付けられる躯体300の開口部301は、図2に示すように「抱き」を有するものである。
枠1は、上枠10と下枠11と左右竪枠12、13とを四方に配置して連結したものであり、固定部材2及びブラケット3並びに自重受けボルト4を介して躯体300の開口部301に取付けられている。
【0009】
[固定部材の構成]
固定部材2は、図1に示すように枠1の上枠10に3個、左右竪枠12、13にそれぞれ2個設けられている。
固定部材2は、図2図4に示すように、ブラケット20、コンクリートアンカー(ブラケット固定具)21、スペーサー(ブラケット支持具)22、中空部材5を備えている。
また、全ての枠1に対して本発明の固定部材2を設ける必要はなく、例えば、上枠のみに本発明の固定部材2を用いて、下枠には既知の他の固定手段を設けるといった施工も行えるものである。
【0010】
[ブラケット20の構成]
上枠10のブラケット20は、図2及び図3(a)に示すようにアングル材であり、一片を中空部材5に固定される中空部材側固定部201とし、他片を躯体300に固定される躯体側固定部202としている。
中空部材側固定部201は、中空部材5の室内側の見付面50にビス23により固定されている。
躯体側固定部202は、中空部材側固定部201の上端から枠1の見込方向に沿うと共に、室内側に向って枠1に対して離間する位置へ延設され、離間した位置で躯体300の開口部301の上側の見込面302にコンクリートアンカー21により固定されている。
左右竪枠12、13(図4において右竪枠13側のみ図示)のブラケット20は、図4に示すように上枠10側のブラケット20と同じ形状のものである。
中空部材側固定部201は、右竪枠13に固定された中空部材5の室内側の見付面50にビス23により固定されている。
躯体側固定部202は、中空部材側固定部201の外周側端から枠1の見込方向に沿って室内側に向かうように延設され、躯体300の開口部301の右側の見込面302にコンクリートアンカー21により固定されている。
ブラケット20の躯体側固定部202には、図2において曲面状として形成された躯体当接部24が突設されている。
躯体当接部24は、躯体側固定部202の長手方向(押出方向)の全域にわたる範囲に設けられており、躯体当接部24の先端が開口部301の見込面302に当接するようにされている。
また、コンクリートアンカー21が、躯体当接部24を貫通して躯体300に埋め込まれるようにされている。
【0011】
なお、図4において図示していない左竪枠12にも、右竪枠13と同じ構成で中空部材5が固定され、ブラケット20の中空部材側固定部201が中空部材5の見付面50に対してビス23により固定されていると共に、躯体側固定部202が躯体300の開口部301の右側の見込面302にコンクリートアンカー21により固定されている。
ブラケット固定具は、例示したコンクリートアンカー21に限らず、ブラケット20を開口部301の見込面302に対してコンクリート鋲等の溶接を除く手段であればよい。
ブラケット20の躯体側固定部202に対するコンクリートアンカー21の貫通位置は、躯体当接部24以外の位置としてもよい。
【0012】
[ブラケットの効果]
このようなブラケット20は、躯体300の開口部301の見込面302に対する当接部位が、曲面状に突設された躯体当接部24の先端部の一点であるため、開口部301の見込面302側に凹凸があっても、ブラケット20を開口部301に対して平行にすることができる。
また、中空部材5に固定されたブラケット20を躯体300の開口部301の見込面302にコンクリートアンカー21で固定することで建具Aを設置しているため、開口部301の見込面302に挿し筋の埋設作業や挿し筋と建具側のサッシアンカーとの溶接作業が不要である。
【0013】
[スペーサーの構成]
スペーサー22は、図2図3(a)、図4に示すように、ブラケット20の躯体当接部24が開口部301の見込面302に当接した際に生じるブラケット20の躯体側固定部202と開口部301の見込面302との間の隙間sを埋めることで、ブラケット20をがたつきなく支持するものである。
スペーサー22は、図3(a)、図4に示すようにコ型に形成され、隙間sに挿し込まれる楔状部220と、挟持面部221と、挟持面部221に連設された固定面部222とを有している。
楔状部220と挟持面部221とは、楔状部220を隙間sに圧入することで、楔状部220が開口部301の見込面302とブラケット20に当接し、この楔状部220と挟持面部221とでブラケット20を挟むようにされている。
固定面部222は、楔状部220と挟持面部221とでブラケット20を挟んだ状態においてブラケット20に正対する位置に配置されており、ビス223によって固定面部222がブラケット20に固定されている。
【0014】
[スペーサーの効果]
このようなスペーサー22は、楔状部220により、ブラケット20の躯体当接部24の面と開口部301の見込面302との間の隙間sを埋めることで、ブラケット20をがたつきなく支持することができる。
また、楔状部220と挟持面部221とでブラケット20を挟むと共に、固定面部222をブラケット20にねじ止めすることによって、楔状部220が隙間sを埋めた状態を維持することができる。
【0015】
[ブラケット3の構成]
ブラケット3は、図2に示すようにアングル材であり、一片を中空部材5に固定される
中空部材側固定部30とし、他片を躯体側固定部31としている。
中空部材側固定部30は、下枠11に固定された下側の中空部材5の室内側の見付面50にビス23により固定されている。
躯体側固定部31は、中空部材側固定部30の下端から枠1の見込方向に沿うと共に、室内側に向かって枠1に対して離間する位置へ延設され、離間した位置で躯体300の開口部301の下側の見込面302にコンクリートアンカー25により固定されている。
また、図2及び図3(b)に示すように、ブラケット3の躯体側固定部31と開口部301の下側の見込面302との間には、下側の見込面302の傾斜面を平行面とするスペーサー26が挿入されており、このスペーサー26によってブラケット3の躯体側固定部31の平行状態を保持するようにされている。
コンクリートアンカー25は、ブラケット3の躯体側固定部31とスペーサー26を貫通して開口部301の下側の見込面302に埋め込まれている。
【0016】
[ブラケット3の効果]
このようなブラケット3は、中空部材5に固定されたブラケット3を躯体300の開口部301における下側の見込面302にコンクリートアンカー25で固定することで建具Aを設置しているため、開口部301の見込面302に挿し筋の埋設作業や挿し筋と建具側のサッシアンカーとの溶接作業が不要である。
【0017】
[自重受けボルトの構成]
自重受けボルト4は、図2に示すように、下側の中空部材5の下面に内蔵されたナット40に中空部材5の下面からねじ込まれたものであり、自重受けボルト4をナット40に対してねじ込む方向と緩める方向に回転させることによって、下側の中空部材5の下面と開口部301の下側の見込面302との間の高さを調整すると共に、建具Aの自重を受けて支持するようにされている。
【0018】
[自重受けボルトの効果]
このような自重受けボルト4は、自重受けボルト4自身を回転させることによって、建具Aの高さ位置を調節することができると共に、設定された建具Aの自重を受けて、その高さ位置を保持することができる。
【0019】
[中空部材の構成]
中空部材5は、図2及び図4に示すように、枠1の外周の見込面400に、ブラケット20及びブラケット3にそれぞれ対応するように設けられている。
中空部材5は、室内側の見付面50及び室外側の見付面51が上枠10、下枠11、左右竪枠12、13(図4において右竪枠13側のみ図示)に対してそれぞれビス27によって固定されている。
また、中空部材5は、ブラケット20及びブラケット3に対してビス23によって固定されている。
なお、全ての枠1に対して本発明の中空部材5を設ける必要はなく、上枠10、下枠11、左右竪枠12、13の少なくとも何れか一つの枠に設けられていればよい。
【0020】
[中空部材の効果]
このような中空部材5は、枠1とブラケット20及びブラケット3との間に介在して両部材を一体にすることができるため、溶接を不要として躯体300の開口部301に設置できる建具Aにすることができる。
【0021】
[建具Aの施工手順]
次に、躯体300の開口部301に枠1を設置する施工手順を説明する。
第1工程:あらかじめ中空部材5を取付けた建具Aを所定の位置(高さ・より・出入り)に据付する。
第2工程:下枠11に設けられた自重受け用のボルトを回し、躯体300の開口部301の下側の見込面302に接地させて枠1の自重をあずける。
第3工程:中空部材5の室内側の見付面50にブラケット20の中空部材側固定部201及びブラケット3の中空部材側固定部30をねじ止めする。
第4工程:ブラケット20の躯体側固定部202及びブラケット3の躯体側固定部31をコンクリートアンカー21によって躯体300の開口部301の見込面302に固定する。
第5工程:ブラケット20の躯体側固定部202と躯体300の開口部301の見込面302との間の隙間sに楔状部220を圧入してスペーサー2を配置すると共に、ブラケット20に対して固定面部222をねじ止めする。
ブラケット3の躯体側固定部31と躯体300の開口部301の見込面302との間にスペーサー26を圧入して配置すると共に、躯体側固定部31を開口部301の見込面302にねじ止めする。
この第1工程~第5工程により、挿し筋の埋設や溶接をすることなく、枠1を躯体300の開口部301に設置することができる。
【0022】
以上の構成とした建具Aは、中空部材5の室内側の見付面50を、躯体300の開口部301の見込面302に固定されたブラケット20にねじ止めにより固定したので、抱きを有する躯体300に対して挿し筋の埋設や溶接を用いることなく設置することができ、これにより、建具Aの施工が迅速、且つ容易にできる。
また、開口部301の見込面302側に凹凸があっても、躯体当接部24の先端部の一点を躯体300の開口部301の見込面302に当接させて、ブラケット20を開口部301に対して平行にすることにより、建具Aを正確に設置することができる。
また、スペーサー22によって、ブラケット20の躯体側固定部202側の面と見込面302との間の隙間sを埋めることで、ブラケット20をがたつきなく支持したので、設置された建具Aの転びを防止することができる。
【0023】
[第2実施形態の建具の構成]
次に、第2実施形態の建具Bを図5及び図6を参照して説明する。
本実施形態における建具Bは、ブラケット支持具をスペーサー22に換えてねじとしたものであり、以下、ブラケット支持具をねじ22として説明する。
ねじ22は、ブラケット20の躯体側固定部202にコンクリートアンカー21を囲むように4本ねじ込んで、隙間sに位置するねじ22の先端を躯体300の開口部301の見込面302に当接させることで、ブラケット20を支持し、これによって、ブラケット20の転びを防止するようにしたものである。
ねじ22によるブラケット支持具を備えた建具Bは、第1実施形態の建具Aと同じ作用効果が期待できる。
また、本実施形態の建具Bは、第1実施形態の建具Aの施工手順と同じ手順で設置できる。
【0024】
[第3実施形態の建具の構成]
次に、第3実施形態の建具Cを図7及び図8を参照して説明する。
本実施形態の建具Cは、抱きが無い躯体300に設置する構成の固定部材2を備えたものである。
なお、固定部材2は、図7及び図8において、上枠10側と下枠11側とで同じ構成で対称に設置されるものであるので、上枠10側の固定部材2を図示して説明する。
固定部材2は、中空部材5に固定されたアングル材からなる連結ブラケット(一方のブラケット)28と、躯体300に固定されたブラケット(他方のブラケット)20、コンクリートアンカー21、スペーサー22、リベット(連結具)29、中空部材5とを備えている。
連結ブラケット28は、一片を中空部材5に固定される中空部材側固定部281とし、他片を中空部材側固定部281の上端から枠1の見込方向に沿うと共に、室内側に向って枠1から離間する位置へ延設された枠側連結固定部282としている。
中空部材側固定部281は、中空部材5の室内側の見付面50にビス23により固定されている。
ブラケット20は、一片を躯体300に固定される躯体側固定部202とし、他片を
躯体側固定部202から枠1の見込方向に沿うと共に、室内側に向って躯体300から離間する位置へ延設された躯体側連結固定部203としている。
躯体側固定部202は、躯体当接部24が設けられており、躯体300の開口部301周りの室外側の見付面303にコンクリートアンカー21により固定されている。
枠側連結固定部282と躯体側連結固定部203とは上下方向で正対しており、正対状態においてリベット29により固定されている。
本実施形態の建具Cにおける固定部材2は、ブラケット20の躯体当接部24を躯体300の見付面303に当接させていると共に、スペーサー22でブラケット20をがたつきなく支持することで、建具Cの転びを防止できる。
【0025】
[建具Cの施工手順]
次に、躯体300の開口部301に建具Cを設置する施工手順を説明する。
第1工程:あらかじめ中空部材5を取付けた枠1を所定の位置(高さ・より・出入り)に据付する。
第2工程:下枠11に設けられた自重受け用のボルトを回し、躯体300の開口部301の下側の見込面302に接地させて枠1の自重をあずける。
第3工程:躯体300の室内側の見付面303における四周の中空部材5に対応する位置に、ブラケット20の躯体側固定部202をコンクリートアンカー21でねじ止めする。
第4工程:ブラケット20の躯体側固定部202と躯体300の室内側の見付面303との間の隙間sに、第1実施形態と同様にスペーサー22を配置してブラケット20にねじ止めする。
第5工程:連結ブラケット28の中空部材固定部281を中空部材5の室内側の見付面50にねじ止めする。
第6工程:連結ブラケット28の枠側連結固定部282にあらかじめ設けられたリベット用の下穴に合わせて、ブラケット20の躯体側連結固定部203にリベット用の穿孔を行う。
第7工程:ブラケット20の躯体側固定部202と連結ブラケット28の中空部材固定部281とをリベット29により固定する。
この第1工程~第7工程により、挿し筋の埋設や溶接をすることなく、建具Cを躯体300の開口部301に設置することができる。
本実施形態の建具Cは、第1実施形態の建具Aと同じ作用効果が期待できる上に、抱きが無い躯体300に設置することができる。
【0026】
[第4実施形態の建具の構成]
次に、第4実施形態の建具Dを図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態における建具Dは、第3実施形態におけるブラケット支持具をスペーサー22に換えてねじとしたものであり、以下、ブラケット支持具をねじ22として説明する。
ねじ22は、ブラケット20の躯体側固定部202にコンクリートアンカー21を囲むように4本ねじ込んで、ねじ22の先端を躯体300の開口部301の見付面303に当接させることで、ブラケット20を支持し、これによって、ブラケット20の転びを防止するようにしたものである。
ねじ22によるブラケット支持具を備えた建具Dは、第3実施形態の建具Cと同じ作用効果が期待できる。
また、本実施形態の建具Dは、第3実施形態の建具Cの施工手順と同じ手順で設置できる。
【0027】
以上、本発明に係る実施形態の建具を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0028】
A~D:建具
1:枠
2:固定部材
3:ブラケット
4:自重受けボルト
5:中空部材
10:上枠
11:下枠
12:左竪枠
13:右竪枠
20:ブラケット(他方のブラケット)
21:コンクリートアンカー(ブラケット固定具)
22:スペーサー、ねじ(ブラケット支持具)
23:ビス
24:躯体当接部
25:コンクリートアンカー
26:スペーサー
27:ビス
28:連結ブラケット(一方のブラケット)
29:リベット(連結具)
40:ナット
50:見付面
51:見込面
100:内障子
200:外障子
201:中空部材側固定部
202:躯体側固定部
203:躯体側連結固定部
220:楔状部
221:挟持面部
222:固定面部
223:ビス
281:中空部材側固定部
282:枠側連結固定部
300:躯体
301:開口部
302:見込面
303:見付面
400:見込面
s:隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10