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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ブームの移動制御方法及び作業機械
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/04 20060101AFI20240611BHJP
   F15B 11/042 20060101ALI20240611BHJP
   F15B 11/16 20060101ALI20240611BHJP
   B66C 13/48 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
E04G21/04
F15B11/042
F15B11/16 Z
B66C13/48 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020559407
(86)(22)【出願日】2019-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2019059974
(87)【国際公開番号】W WO2019206774
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】102018206271.4
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ツィーメンス
(72)【発明者】
【氏名】フランシーソ マルティン ブルーゲ
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01939134(EP,A2)
【文献】特開2002-038533(JP,A)
【文献】特開2002-179387(JP,A)
【文献】特開2009-144505(JP,A)
【文献】特開2008-267460(JP,A)
【文献】特開昭61-134467(JP,A)
【文献】特開昭62-244967(JP,A)
【文献】特表2009-503383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/00
B66C 13/48
F15B 11/042
F15B 11/16
E02F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーム(1)の移動を制御する方法であって、ブーム(1)が多数の油圧駆動装置(2から6、17)によって移動され、それぞれの油圧駆動装置(2から6、17)に油圧媒体が補給され、前記油圧媒体の圧力及び/又は体積流が調節可能であり、本方法が以下のステップを有する:
-ブームトップ(7)の所望の移動方向(R)と所望の速度(v)を設定し、
ブーム(1)の瞬間的な負荷を検出するセンサの測定値とブームモデルに基づいて、所望の移動方向(R)と所望の速度(v)のために必要な油圧駆動装置(2から6、17)のためにそれぞれ必要な圧力及び/又はそれぞれ必要な体積流を先見的に計算し、
-次に、先見的に計算された圧力に従って供給圧力(pV)を発生させ、かつ/又は次に、先見的に計算された体積流に従って供給体積流(QV)を発生させ、かつ
-次に、所望の移動方向(R)と所望の速度(v)のために必要な油圧駆動装置(2から6、17)に、それぞれの補給圧力(pS1、pS2)及び/又はそれぞれの補給体積流(QS1、QS2)を有する油圧媒体を、ブームトップ(7)が所望の移動方向(R)へ所望の速度(v)で移動するように、補給する、
ブームの移動を制御する方法。
【請求項2】
-供給導管(8)に供給圧力(pV)が供給され、かつ/又は供給導管(8)内で供給体積流(QV)が案内され、
-それぞれの補給圧力(pS1、pS2)が供給圧力(pV)から導き出され、かつ/又はそれぞれの補給体積流(QS1,QS2)が供給体積流(QV)から導き出される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-供給圧力(pV)の発生が、以下のステップを有する:
-それぞれ先見的に計算された圧力のもとで最大の負荷圧力を求め、かつ求められた最大の負荷圧力に従って供給圧力(pV)を発生させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
-油圧駆動装置(2から6)の少なくとも一部が、油圧シリンダである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
-供給圧力(pV)及び/又は供給体積流(QV)が、単一の油圧ポンプ(9)によって発生される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法を実施するために形成された作業機械(100)であって、前記作業機械が
-ブーム(1)を有し、
-多数の油圧駆動装置(2から6、17)を有し、前記油圧駆動装置が、ブーム(1)を移動させるように形成されており、それぞれの油圧駆動装置(2から6、17)に油圧媒体が補給され、前記油圧媒体の圧力及び/又はその体積流が調節可能であって、
-調節装置(10)を有し、前記調節装置によってブームトップ(7)の所望の移動方向(R)と所望の速度(v)が設定可能であり、
-計算ユニット(11)を有し、前記計算ユニットが、所望の移動方向(R)と所望の速度(v)のために必要な油圧駆動装置(2から6、17)のためにそれぞれ必要な圧力及び/又はそれぞれ必要な体積流を先見的に計算するように、形成されており、
-圧力発生装置(9)及び/又は体積流発生装置を有し、前記装置が先見的な計算に続いて、先見的に計算された圧力に従って供給圧力(pV)及び/又は先見的に計算された体積流に従って供給体積流(QV)を発生させるように、形成されており、かつ
-補給装置(12、13、14、15)を有し、前記補給装置が、次に、所望の移動方向(R)と所望の速度(v)のために必要な油圧駆動装置(2から6、17)に、ブームトップ(7)が所望の移動方向(R)へ所望の速度(v)で移動するように、それぞれの補給圧力(pS1、pS2)及び/又はそれぞれの補給体積流(QS1、QS2)を有する圧力媒体を補給するように、形成されている、
作業機械。
【請求項7】
-作業機械(100)が、移動式クレーン又は高所作業プラットフォームである、ことを特徴とする請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
-作業機械(100)が、自動コンクリートポンプである、ことを特徴とする請求項6に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブームの移動制御方法及びブームを有する作業機械に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、ブームのできる限り最適な移動制御を可能にする、ブームの移動制御方法及びブームを有する作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、この課題を請求項1に記載のブームの移動制御方法及び請求項6に記載の作業機械によって解決する。
【0004】
本発明に係る方法は、ブームの移動制御に用いられる。ブームは、多数の油圧駆動装置によって移動され、その場合にそれぞれの油圧駆動装置には油圧媒体、たとえば油圧オイルが補給されており、その圧力及び/又はその体積流が調節可能である。
【0005】
本発明によれば、まず、ブームトップの所望の移動方向と所望の速度が、たとえばジョイスティックの形式の、適切な入力装置を用いて設定され、それが最初に直接ブームトップの移動をもたらすことはない。
【0006】
その後、所望の移動方向と所望の速度のために必要とされる油圧駆動装置のためにそれぞれ必要な圧力及び/又はそれぞれ必要な体積流が、先見的に前もって計算される。必要な圧力及び/又は必要な体積流は、たとえばブーム全体のそのときの負荷を検出するセンサの測定値とブームモデルに基づいて前もって計算することができる。
【0007】
先行計算に続いて、先見的に計算された圧力に従って供給圧力が発生され、かつ/又は先見的に計算された体積流に従って供給体積流が発生される。
【0008】
次に、所望の移動方向及び所望の速度のために必要な油圧駆動装置に、それぞれの補給圧力及び/又はそれぞれの補給体積流を有する油圧媒体が、ブームトップが所望の速度で所望の移動方向へ移動するように、補給される。
【0009】
あらかじめ定められた移動もしくは部分移動が行われた後に、たとえば従来の負荷検出閉ループ制御を用いて、補給圧の閉ループ制御を行うことができる。その限りにおいて、たとえば、本発明の基礎となる油圧回路配置を開示する、独国特許出願公開第102005035981(A1)号明細書の開示を参照するよう指示する。
【0010】
実施形態によれば、唯一の供給導管に供給圧力が供給され、かつ/又は供給体積流が供給導管内で案内され、その場合にそれぞれの補給圧力が供給圧力から導き出され、かつ/又はそれぞれの補給体積流が供給体積流から導き出される。その場合に典型的に、唯一のポンプが複数の負荷へ補給を行う。
【0011】
実施形態によれば、供給圧力の発生は、以下のステップを有する:それぞれ先見的に計算された圧力のもとで最高の負荷圧力が求められ、かつ求められた最高の負荷圧力に従って供給圧力を、たとえば供給圧力が求められた最高の負荷圧力よりも大きいか、あるいは等しくなるように、発生させる。
【0012】
実施形態によれば、油圧駆動装置の少なくとも一部は、油圧シリンダもしくはブームシリンダである。付加的に油圧駆動装置は、たとえば油圧回転駆動装置を形成することができる。
【0013】
実施形態によれば、供給圧力及び/又は供給体積流は、唯一の制御可能な油圧ポンプを用いて発生される。
【0014】
本発明に係る作業機械は、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法を実施するように、形成されている。
【0015】
作業機械は、従来のように、互いに対して移動可能な多数のブームセグメントもしくはブームアームを備えたブームを有している。
【0016】
作業機械は、さらに、多数の油圧駆動装置を有しており、それらは、ブームを移動させるように形成されており、その場合にそれぞれの油圧駆動装置には油圧媒体が補給されており、その圧力及び/又はその体積流は調節可能である。
【0017】
ブームは、従来のいわゆる折り曲げブームとして形成することができ、それを用いて、ブームを支持する車両とコンクリート打ち箇所との間の到達距離と高低差を連続的に調節することができる。折り曲げブームは、互いにリンク結合されたブームアームもしくはブームセグメントを有することができ、それらは、互いに対して平行かつブームの垂直軸に対して直角に延びる軸線を中心に揺動可能である。油圧駆動装置によって、ブームもしくは折り曲げブームはコンクリート打ち箇所と車両設置場所との間の様々な距離及び/又は高低差において展開可能である。
【0018】
作業機械は、さらに、たとえばジョイスティックの形式の、調節装置を有しており、それを用いてブームトップの所望の移動方向と所望の速度を設定することができる。たとえばジョイスティックは所望の移動方向に変位することができ、その場合に変位の程度が所望の移動速度を定める。
【0019】
作業機械は、さらに、たとえばプロセッサ及び付属のプログラムメモリと作業メモリの形式の、計算ユニットを有しており、その計算ユニットは、所望の移動方向と所望の速度のために必要な油圧駆動装置について、それぞれ必要な圧力及び/又はそれぞれ必要な体積流を先見的に計算するように、形成されている。
【0020】
作業機械は、さらに、圧力発生装置及び/又は体積流発生装置を有しており、それは、先見的な計算に続いて、先見的に計算された圧力に従って供給圧力を、かつ/又は先見的に計算された体積流に従って供給体積流を発生させるように、形成されている。
【0021】
必要な供給体積流は、たとえば油圧ポンプの揺動角度を適切に調節することによって発生させることができ、その場合に適切な揺動角度は、モータ回転数、変速比及び最大の排水量に基づいて計算される。供給体積流がまだ必要とされない(負荷弁の開放前)短い期間の間、余分な体積流は典型的にポンプの圧力制限弁を介して流出する。
【0022】
必要な供給圧力は、たとえば油圧ポンプの圧力制御器を用いてしかるべく目標値設定することにより、発生させることができる。
【0023】
作業機械は、さらに、補給装置を有しており、その補給装置は、次に、所望の移動方向と所望の速度のために必要な油圧駆動装置にそれぞれの補給圧力及び/又はそれぞれの補給体積流を有する油圧媒体を、ブームトップが所望の速度で所望の移動方向へ移動するように、補給をもたらすように、形成されている。
【0024】
実施形態によれば、作業機械は移動式クレーン又は高所作業プラットフォームである。
【0025】
実施形態によれば、作業機械は自動コンクリートポンプである。
【0026】
ブームを、油圧駆動装置と個々の油圧ポンプの駆動を組み合わせて操作する場合に、必要とされる圧力構築によって、より小さい負荷を有する油圧シリンダがより大きい負荷を有する油圧シリンダよりも早期に反応する。それによって操作者にとっては、たとえばブームトップの軌跡カーブが不正確になり、あるいはブームが刺激されて振動するという欠点が生じる。
【0027】
本発明によれば、油圧駆動装置もしくはブームトップの先行計算された移動を、たとえばブームポンプの形式の圧力発生装置もしくは体積流発生装置を、圧力需要もしくは体積流需要の直前に先見的に、計算によって把握された需要に適合させ、かつたとえばブームポンプを必要に合わせて変位させるために、使用することができる。それによって負担の低い負荷の優先が無効にされ、それがユーザーにとって軌跡カーブの改良をもたらすだけでなく、ブームを取り外す際の制御パラメータの調節も容易にする。
【0028】
本発明によって、たとえば先見的なポンプ制御を用いて増大する圧力需要もしくは体積流需要を油圧駆動装置の補給弁の開放前にすでに準備することができ、それによって圧力構築の遅延及びそれに結びつく、負担の低い負荷の優先のシステムによる欠点を回避することができる。
【0029】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、折り曲げブームを有する自動コンクリートポンプの形式の作業機械を作業位置において図式的に示す側面図である。
図2図2は、制御のブロック回路図と図1に示す作業機械の油圧回路を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、(折り曲げ)ブームを有する自動コンクリートポンプの形式の作業機械100を作業位置において図式的な側面図で示している。ブーム1は、従来のように液体コンクリート用の分配ブームを形成している。
【0032】
ブーム1は、それ自体知られているように、互いにリンク結合された5つのブームセグメントもしくはブームアームを有しており、それらが、互いに対して平行かつブームの垂直軸に対して直角に延びる軸線を中心に揺動可能である。油圧シリンダの形式の油圧駆動装置2から6によってブーム1は展開可能もしくは折りたたみ可能である。その限りにおいて、関連する専門文献も参照するよう指示する。
【0033】
図面では、油圧シリンダ2から6は、簡単にするためにシングル作用する油圧シリンダとして示されている。しかし実際においては、ブームアームを操作するために、典型的にダブル作用する油圧シリンダが使用される。
【0034】
油圧駆動装置2から6の他に、さらに回転駆動装置17も設けられており、それを用いてブーム1は従来のように垂直軸を中心に回転可能である。
【0035】
油圧駆動装置2から6と17は、従来のように油圧駆動媒体を補給され、その圧力及び/又はその体積流は調節可能である。
【0036】
ブーム1は、ブームトップ7を有しており、そのブームトップに終端ホース16が配置されており、駆動中にその終端ホースから液体コンクリートを放出することができる。そのことについては、関連する専門文献も参照するよう指示する。
【0037】
図2は、制御のブロック回路図と図1に示す作業機械100の油圧回路を図式的に示している。
【0038】
油圧回路内には、表示を簡単にする理由から、例として図1の油圧駆動装置2と3のみが負荷として示されている。なお、油圧駆動装置3から6と17には、同様なやり方で油圧オイルを補給することができ、もしくは補給されている。
【0039】
さらに他のコンポーネント、たとえば負荷弁、圧力制限弁などを設けることができるが、それらは本発明の原理を説明するために重要ではない。それについては、たとえば独国特許出願公開第102005035981(A1)号明細書の形式の、関連する専門文献もしくは従来技術も参照するよう指示する。
【0040】
油圧回路は、唯一の圧力発生装置、もしくはモータ駆動される油圧ポンプ9の形式の体積流発生装置9を有しており、それがタンク19から油圧オイルを補給導管もしくは供給導管8内へ移送する。油圧ポンプ9によって供給導管8内へ移送される体積流を調節するために、揺動可能な調節機構18が設けられている。
【0041】
供給導管8は、油圧駆動装置2もしくは3への2つの補給導管に分岐しており、その場合に油圧負荷2と供給導管8の間のパス内に弁12と駆動可能な比例弁13が配置されており、かつ油圧負荷3と供給導管8の間のパス内には、同様に弁14と駆動可能な比例弁15が配置されている。
【0042】
弁12と14は、比例弁13もしくは15において降下する圧力をほぼ一定に保つので、比例弁13もしくは15を通る体積流は、比例弁13もしくは15の開口横断面に実質的に依存する。部材12から15が、補給装置を形成する。
【0043】
圧力センサ20と21は、油圧駆動装置2もしくは3内の油圧力を検出する。
【0044】
さらに、選択的な圧力センサ22が設けられており、その圧力センサは油圧ポンプ9によって発生された供給圧力pVを測定する。
【0045】
作業機械の制御は、計算ユニット11を有している。計算ユニット11は、圧力センサ20、21及び22と接続されており、かつ圧力センサ20、21及び22から供給されたセンサ信号を評価する。計算ユニット11は、比例弁13と15及び調節機構18を駆動する。
【0046】
作業機械100の制御は、さらに、計算ユニット11と作用接続された調節装置10を有している。調節装置10は、たとえば制御レバーとして実現することができ、その制御レバーは計算ユニット11へ制御信号を出力しながら、たとえば3つのメイン操作位置へ変位することができる。調節装置10によって、ブームトップ7の所望の移動方向Rと所望の速度vを設定することができる。
【0047】
本発明によれば、計算ユニット11は次のように、すなわちそれぞれ所望の移動方向R及び所望の速度vのために必要な油圧駆動装置2から6のために、それぞれ必要な圧力又は圧力推移及び/又はそれぞれ必要な体積流又は体積流推移を先見的に計算するために、形成されている。
【0048】
圧力もしくは体積流の先見的な計算に応じて、計算ユニット11が調節機構18を次のように、すなわち供給圧力pVが先見的に計算された圧力に従って、かつ/又は供給体積流QVが先見的に計算された体積流に従って、適切に発生されるように、駆動する。
【0049】
次に、計算ユニットが比例弁13と15を次のように、すなわち所望の移動方向Rと所望の速度vのために必要な油圧駆動装置、ここでは例として2と3に、それぞれの補給圧力pS1もしくはpS2及び/又はそれぞれの補給体積流QS1もしくはQS2が供給されて、それによってブームトップ7が所望の移動方向Rへ所望の速度vで移動するように、制御する。
【0050】
計算ユニット11内で必要な供給圧力pVを求める場合に、それぞれ先見的に計算された圧力のもとで最大の負荷圧力を求めることができ、その場合に求められた最大の負荷圧力に従って供給圧力pVが発生される。
図1
図2