(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/64 20060101AFI20240611BHJP
A41D 13/002 20060101ALN20240611BHJP
【FI】
F04D29/64 E
A41D13/002 105
(21)【出願番号】P 2021002795
(22)【出願日】2021-01-12
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 憲
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-115646(JP,A)
【文献】特開2018-105226(JP,A)
【文献】特開2019-073846(JP,A)
【文献】米国特許第08696300(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/64
A41D 13/002
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服に取り外し可能に装着可能な送風装置であって、
モータと、
前記モータによって、前記送風装置の前後方向を規定する第1の軸周りに回転駆動されるファンと、
前記モータおよび前記ファンを収容するハウジン
グと、
円筒状のリン
グとを備え、
前記前後方向において、前記ファンの吸気側が前記送風装置の後側を規定し、且つ、前記ファンの排気側が前記送風装置の前側を規定し、
前記ハウジングは、前記ファンの周囲に配置された円筒状の周壁部と、前記周壁部の後端部から前記周壁部の径方向外側に突出する第1挟持部とを含み、
前記リングは、前記ハウジングの前記周壁部の周囲に取り外し可能に装着されており、前記第1挟持部の前側に配置され、前記第1挟持部と共に前記衣服の服地を挟持可能な第2挟持部を有し、
前記周壁部の外周面および前記リングの内周面のうち一方である第1の面には、前記周壁部の径方向に突出する少なくとも1つの突起が設けられ、
前記周壁部の前記外周面および前記リングの前記内周面のうち他方である第2の面には、前記径方向に夫々突出する少なくとも1つの係止壁と少なくとも1つのガイド壁とが設けられ、
前記少なくとも1つの係止壁は、前記
第1の軸周りの周方向において、前記少なくとも1つのガイド壁の一端に隣接して設けられ、且つ、前記前後方向において、前記リングと前記ハウジングとが互いから離れる方向に移動することを妨げるように構成された少なくとも1つの係止面を有しており、
前記少なくとも1つのガイド壁は、前記リングを前記ハウジングに対して後方に案内し、且つ、前記少なくとも1つの突起を、前記少なくとも1つの係止面に当接可能な少なくとも1つの係止位置に案内するように構成されたガイド面を有しており、
前記少なくとも1つのガイド壁が前記周壁部の前記外周面に設けられている場合には、前記ガイド面は、前記少なくとも1つのガイド壁の前面であって、前記ガイド面の前側には、前記ガイド面と前記第2の面の端との間に亘る開放空間が延びており、
前記少なくとも1つのガイド壁が前記リングの前記内周面に設けられている場合には、前記ガイド面は、前記少なくとも1つのガイド壁の後面であって、前記ガイド面の後側には、前記ガイド面
と前記第2
の面の端
との間に亘る開放空間が延びていることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
請求項1の送風装置であって、
前記ハウジングおよび前記リングのうち一方には、少なく
とも1つの第1回転規制部が設けられ、
前記ハウジングおよび前記リングのうち他方には、前記第1回転規制部に係合することで、前記ハウジングに対する前記リングの前記第1の軸周りの回転を規制するように構成された少なく
とも1つの第2回転規制部が設けられていることを特徴とする送風装置。
【請求項3】
請求項2の送風装置であって、
前記少なくとも1つの第1回転規制部は、前記少なくとも1つの突起を含み、
前記少なくとも1つの第2回転規制部は、前記第2の面から突出する少なくとも1つの規制壁を含み、
前記少なくとも1つの規制壁は、前記周方向において、前記少なくとも1つの係止位置に対して前記少なくとも1つのガイド壁側に配置されていることを特徴とする送風装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記ガイド面
が前記少なくとも1つのガイド壁の
前記前面で
ある場合、
前記ガイド面は、前記周方向において、前記一端に向かうにつれて少なくとも部分的に後方に傾斜しており、
前記ガイド面
が前記少なくとも1つのガイド壁の
前記後面で
ある場合、
前記ガイド面は、前記周方向において、前記一端に向かうにつれて少なくとも部分的に前方に傾斜していることを特徴とする送風装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記少なくとも1つの係止面は、前記前後方向および前記周方向において異なる位置に設けられた複数の係止面を含むことを特徴とする送風装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記少なくとも1つの突起は、前記周方向に等間隔で設けられた複数の突起を含み、
前記少なくとも1つのガイド壁は、前記周方向に等間隔で配置された複数のガイド壁を含み、
前記少なくとも1つの係止壁は、前記周方向に等間隔で配置された複数の係止壁を含み、
前記複数のガイド壁の各々は、前記複数の係止壁のうち隣接する2つの間で前記周方向に延びていることを特徴とする送風装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記少なくとも1つの突起は、前記リングの前記内周面から突出し、
前記少なくとも1つのガイド壁および前記少なくとも1つの係止壁は、前記ハウジングの前記周壁部の前記外周面から突出していることを特徴とする送風装置。
【請求項8】
請求項7に記載の送風装置であって、
前記ハウジングは、第1部材と第2部材とが互いから分離可能に前記前後方向に連結されることで形成されており、
前記第1部材は、前記第1挟持部と、複数の吸気口を有し、前記周壁部の後端の開口を覆う吸気側カバーとを少なくとも含み、
前記第2部材は、前記周壁部の少なくとも一部と、複数の排気口を有し、前記周壁部の前端の開口を覆う排気側カバーとを少なくとも含み、
前記少なくとも1つの係止壁は、前記第1部材に設けられていることを特徴とする送風装置。
【請求項9】
請求項8に記載の送風装置であって、
前記モータおよび前記ファンは、前記第2部材に収容されていることを特徴とする送風装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の送風装置であって、
前記少なくとも1つのガイド壁は、前記第2部材に設けられており、
前記リングの前記内周面には、前記少なくとも1つの突起よりも前方に、前記内周面から径方向内側に突出する付加突起が設けられていることを特徴とする送風装置。
【請求項11】
請求項8~10の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記第1部材は、前記周壁部の一部である第1周壁部を含み、
前記第2部材は、前記周壁部の別の一部であって、前記第1周壁部の周囲に部分的に嵌め込まれた第2周壁部を含み、
前記第2周壁部の外周面は、前記周壁部の前記外周面を形成し、
前記少なくとも1つの係止壁は、前記第1部材の前記第1周壁部に設けられ、前記第2周壁
部に形成された凹部を介して前記外周面から径方向外側に突出していることを特徴とする送風装置。
【請求項12】
請求項8~11の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記第2部材には、先端部に爪を有し、前記径方向に弾性変形可能な少なくとも1つの係止片が設けられており、
前記爪は、前記少なくとも1つの係止片の弾性変形に応じて取り外し可能な状態で、前記少なくとも1つの係止壁に係止されていることを特徴とする送風装置。
【請求項13】
請求項7~12の何れか1つに記載の送風装置であって、
前記少なくとも1つの突起は、前記周方向に等間隔で配置された複数の突起を含み、
前記少なくとも1つのガイド壁は、前記周方向に等間隔で配置された複数のガイド壁を含み、
前記少なくとも1つの係止壁は、前記周方向に等間隔で配置された複数の係止壁を含み、
前記複数のガイド壁の各々は、前記複数の係止壁のうち隣接する2つの間で前記周方向に延び、且つ、前記周方向に第1の端と第2の端とを有しており、
前記ガイド面は、前記複数のガイド壁の各々の前面であって、前記第1の端から前記第2の端へ向かう第1方向に前記突起を案内するように構成されており、
前記複数のガイド壁の各々は、前記ガイド面が、前記複数の係止壁のうち、前記ガイド壁に対して前記第1方向とは逆の第2方向側に配置されている1つの前面から実質的に連続的に前記第1方向に延びるように配置されていることを特徴とする送風装置。
【請求項14】
請求項13に記載の送風装置であって、
前記少なくとも1つのガイド壁は、前記周壁部を径方向外側からみたときに略直角三角形状であって、
前記第1の端は、前記複数の係止壁のうち、前記ガイド壁に対して前記第2方向側に配置されている前記1つの
一端に実質的に接続しており、
前記少なくとも1つのガイド壁の後端は、前記第1挟持部の前面に実質的に接続しており、
前記ガイド面は、前記第1の端から前記第2の端まで実質的に一定の角度で後方に傾斜していることを特徴とする送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服に取り外し可能に装着可能な送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高温環境下での作業時等に作業者が着用する衣服に取り外し可能に装着され、衣服内に送風することにより衣服内を通気する送風装置が知られている。例えば、特許文献1には、本体と、本体とは別個に形成され、本体に装着可能な保持リングとを備えた衣服用ファンが開示されている。本体は、ファンと、ファンを収容するハウジングとを含む。ハウジングおよび保持リングは、夫々、フランジ部を有する。保持リングの雌ネジ部がハウジングの周壁部の雄ネジ部に係合されると、ハウジングのフランジ部と保持リングのフランジ部の間に服地が挟み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の衣服用ファンを衣服に装着するとき、および衣服から取り外すときには、使用者は、保持リングをハウジングに対して一方向にある程度回転させ続ける必要がある。よって、この衣服用ファンには、装着時および取り外し時の操作性の点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、衣服に装着可能な送風装置の操作性の向上に資する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、衣服に取り外し可能に装着可能な送風装置が提供される。この送風装置は、モータと、ファンと、ハウジングと、リングとを備えている。
【0007】
ファンは、モータによって、送風装置の前後方向を規定する第1の軸周りに回転駆動されるように構成されている。ハウジングは、モータおよびファンを収容する。ハウジングは、ファンの周囲に配置された円筒状の周壁部と、周壁部の後端部から周壁部の径方向外側に突出する第1挟持部とを含む。リングは、円筒状に形成され、ハウジングの周壁部の周囲に取り外し可能に装着されている。リングは、ハウジングの第1挟持部の前側に配置され、第1挟持部と共に衣服の服地を挟持可能な第2挟持部を有する。
【0008】
周壁部の外周面およびリングの内周面のうち一方である第1の面には、少なくとも1つの突起が設けられている。少なくとも1つの突起は、第1の面から周壁部の径方向に突出する。周壁部の外周面およびリングの内周面のうち他方である第2の面には、少なくとも1つの係止壁と、少なくとも1つのガイド壁とが設けられている。少なくとも1つの係止壁および少なくとも1つのガイド壁は、夫々、第2の面から径方向に突出する。少なくとも1つの係止壁は、周方向において、少なくとも1つのガイド壁の一端に隣接して設けられている。なお、「少なくとも1つの係止壁は、周方向において、少なくとも1つのガイド壁の一端に隣接して設けられている」とは、「少なくとも1つの係止壁の一端と、少なくとも1つのガイド壁の一端とが、周方向において実質的に同じ位置にある場合」、「少なくとも1つの係止壁の一端と、少なくとも1つのガイド壁の一端とが、周方向において若干の隙間をあけて配置されている場合」、「少なくとも1つの係止壁の一端部と、少なくとも1つのガイド壁の一端部とが、周方向において若干重なるように配置されている場合」を含みうる。また、少なくとも1つの係止壁は、少なくとも1つの係止面を有する。少なくとも1つの係止面は、前後方向において、リングとハウジングとが互いから離れる方向に移動することを妨げるように構成されている。
【0009】
少なくとも1つのガイド壁は、リングをハウジングに対して後方に案内し、且つ、少なくとも1つの突起を、少なくとも1つの係止面に当接可能な少なくとも1つの係止位置に案内するように構成されたガイド面を有する。前後方向において、ガイド面から突起が離れる方向側には、ガイド面から第2面の端に対応する位置まで開放空間が延びている。
【0010】
本態様の送風装置は、ハウジングの第1挟持部と、ハウジングの周壁部の周囲に装着されたリングの第2挟持部とによって、衣服の服地を前後方向に挟持することで衣服に装着される。リングがハウジングに装着された状態では、ハウジングおよびリングの一方に設けられた突起が、他方に設けられた係止壁の係止面に当接して係止されることで、リングがハウジングから外れることが防止される。
【0011】
また、リングがハウジングに装着される過程で、ガイド壁のガイド面が、リングをハウジングに対して後方に案内し、且つ、突起を係止位置に案内する。前後方向において、ガイド面から突起が離れる方向側には、ガイド面から第2面の端に対応する位置まで開放空間が延びている。具体的には、突起が前方からガイド面に当接する場合(ハウジングの周壁部の外周面にガイド壁が設けられている場合)には、ガイド面の前側に開放空間が延びている。一方、突起が後方からガイド面に当接する場合(リングの内周面にガイド壁が設けられている場合)には、ガイド面の後側に開放空間が延びている。言い換えると、第2の面には、ガイド面に対して前側または後側に、前後方向の突起の移動を妨げる突出物がない。
【0012】
よって、使用者は、リングを、ハウジングに対して周方向の特定の位置に厳密に位置決めすることなく、突起がガイド面に当接する位置まで後方へ移動させ、その後、突起がガイド面上を摺動するようにリングを周方向に回転させるだけで、リングを、突起が係止面に当接可能な係止位置に速やかに配置させることができる。このように、本態様によれば、ハウジングにリングを装着するときの操作性に優れた送風装置が提供される。
【0013】
本開示の一態様において、ハウジングおよびリングのうち一方には、少なくも1つの第1回転規制部が設けられ、ハウジングおよびリングのうち他方には、第1回転規制部に係合することで、ハウジングに対するリングの第1の軸周りの回転を規制するように構成された少なくも1つの第2回転規制部が設けられていてもよい。
【0014】
本態様によれば、第1回転規制部と第2回転規制部との係合によって、ハウジングに対するリングの回転が規制されるため、突起が係止位置から周方向に移動して係止壁から外れることで、リングがハウジングから外れる可能性を低減することができる。なお、ここでいう「規制」とは、回転を完全に妨げる(禁止する)ことのみならず、ある条件下で(例えば、外力が加えられた場合)回転を許容することを含む意であって、「選択的に妨げる」とも言い換えられる。
【0015】
本開示の一態様において、少なくとも1つの第1回転規制部は、少なくとも1つの突起を含んでもよい。少なくとも1つの第2回転規制部は、第2の面から突出する少なくとも1つの規制壁を含んでもよい。少なくとも1つの規制壁は、周方向において、少なくとも1つの係止位置に対して少なくとも1つのガイド壁側に配置されていてもよい。
【0016】
本態様の送風装置では、突起が、前後方向においてリングがハウジングから外れる方向に移動することの防止、および、周方向において突起が係止壁から外れる方向にリングが回転することの規制という2つの機能を発揮することができる。よって、シンプルな構成によって、リングがハウジングから外れる可能性をより効果的に低減することができる。
【0017】
本開示の一態様において、少なくとも1つのガイド壁が周壁部の外周面に設けられている場合、ガイド面は、少なくとも1つのガイド壁の前面であって、周方向において、前記一端に向かうにつれて少なくとも部分的に後方に傾斜していてもよい。少なくとも1つのガイド壁がリングの内周面に設けられている場合、ガイド面は、少なくとも1つのガイド壁の後面であって、周方向において、前記一端に向かうにつれて少なくとも部分的に前方に傾斜していてもよい。本態様によれば、使用者は、ハウジングに対してリングを周方向に回転させつつ後方へ移動させるという人間工学的に自然な動きで、ハウジングに対するリングの装着操作を行うことができる。
【0018】
本開示の一態様において、少なくとも1つの係止面は、前後方向および周方向において異なる位置に設けられた複数の係止面を含んでもよい。本態様によれば、使用者は、装着される衣服の服地の厚みに応じて突起の係止位置を選択することで、第1挟持部と第2挟持部によって適切に服地を挟持することができる。また、複数の係止面が同じ係止壁に設けられているため、使用者は、リングをハウジングに対して周方向に回転させる間に、服地の厚みに応じて適切な係止面に係止させればよい。つまり、使用者は、リングをハウジングから一旦取り外して装着しなおす必要がないため、操作が容易である。
【0019】
本開示の一態様において、少なくとも1つの突起は、周方向に等間隔で設けられた複数の突起を含んでもよい。少なくとも1つのガイド壁は、周方向に等間隔で配置された複数のガイド壁を含んでもよい。少なくとも1つの係止壁は、周方向に等間隔で配置された複数の係止壁を含んでもよい。複数のガイド壁の各々は、複数の係止壁のうち隣接する2つの間で周方向に延びていてもよい。本態様によれば、複数の突起が複数の係止壁に夫々係止可能であるため、リングがハウジングから外れる可能性をより確実に低減することができる。また、複数の係止壁の夫々に対応する複数のガイド壁のガイド面が、複数の突起を夫々に適切な係止位置まで案内することができる。
【0020】
本開示の一態様において、少なくとも1つの突起は、リングの内周面から突出していてもよい。少なくとも1つのガイド壁および少なくとも1つの係止壁は、ハウジングの周壁部の外周面から突出していてもよい。ハウジングは、モータおよびファンを収容するため、ハウジングの前後方向の長さは、ある程度確保されている。本態様によれば、ハウジングにガイド壁および係止壁が設けられるため、突起が設けられるリングについては、前後方向の長さを最小限とすることができる。
【0021】
本開示の一態様において、ハウジングは、第1部材と第2部材とが互いから分離可能に前後方向に連結されることで形成されていてもよい。第1部材は、第1挟持部と、複数の吸気口を有し、周壁部の後端の開口を覆う吸気側カバーとを少なくとも含んでもよい。第2部材は、周壁部の少なくとも一部と、複数の排気口を有し、周壁部の前端の開口を覆う排気側カバーとを少なくとも含んでもよい。少なくとも1つの係止壁は、第1部材に設けられていてもよい。送風装置の使用を継続すると、ハウジングの内部およびファンに埃等が付着し、蓄積する場合がある。本態様によれば、使用者は、第1部材と第2部材とを分離し、ハウジングの内部およびファンを清掃することができる。また、係止壁が第1部材に設けられているため、リングは、第1部材が第2部材に連結されていない限り、ハウジングに装着できない。よって、ハウジングが不完全な状態で送風装置が衣服に装着され、使用されるのを防止することができる。
【0022】
本開示の一態様において、モータおよびファンは、第2部材に収容されていてもよい。本態様によれば、吸気側カバー(つまり、ファンのカバー)がない状態で、送風装置が使用されるのを防止することができる。
【0023】
本開示の一態様において、少なくとも1つのガイド壁は、第2部材に設けられていてもよい。リングの内周面には、少なくとも1つの突起よりも前方に、内周面から径方向内側に突出する付加突起が設けられていてもよい。本態様によれば、第1部材の係止壁にリングの突起が係止した状態で、第1部材と第2部材との連結が解除されてしまった場合、リングの付加突起がガイド壁に当接することで、第2部材がリングを通って抜け落ちるのを防止することができる。
【0024】
本開示の一態様において、第1部材は、周壁部の一部である第1周壁部を含んでもよい。第2部材は、周壁部の別の一部であって、第1周壁部の周囲に部分的に嵌め込まれる第2周壁部を含んでもよい。第2周壁部の外周面は、周壁部の前記外周面を形成してもよい。少なくとも1つの係止壁は、第1部材の第1周壁部に設けられ、第2周壁に形成された凹部を介して外周面から径方向外側に突出していてもよい。本態様によれば、第1部材に係止壁を合理的に設けることができる。
【0025】
本開示の一態様において、第2部材には、先端部に爪を有し、径方向に弾性変形可能な少なくとも1つの係止片が設けられていてもよい。爪は、少なくとも1つの係止片の弾性変形に応じて取り外し可能な状態で、少なくとも1つの係止壁に係止されていてもよい。本態様によれば、係止壁を利用した第1部材と第2部材の合理的な連結構造が実現される。
【0026】
本開示の一態様において、少なくとも1つの突起は、周方向に等間隔で配置された複数の突起を含んでもよい。少なくとも1つのガイド壁は、周方向に等間隔で配置された複数のガイド壁を含んもよい。少なくとも1つの係止壁は、周方向に等間隔で配置された複数の係止壁を含んでもよい。複数のガイド壁の各々は、複数の係止壁のうち隣接する2つの間で前記周方向に延び、且つ、周方向に第1の端と第2の端とを有していてもよい。ガイド面は、複数のガイド壁の各々の前面であって、第1の端から第2の端へ向かう第1方向に突起を案内するように構成されてもよい。複数のガイド壁の各々は、ガイド面が、複数の係止壁のうち、ガイド壁に対して第1方向とは逆の第2方向側に配置されている1つの前面から実質的に連続的に第1方向に延びるように配置されていてもよい。本態様によれば、1つのガイド壁の前面とその第2方向側の1つの係止壁の前面とが、全体として、そのガイド壁の第1方向側に位置する次の係止壁に対する連続的なガイド面として機能することができる。また、周方向の複数の位置で複数の突起と複数の係止壁とが夫々当接することで、リングがハウジングから外れる可能性をより確実に低減することができる。
【0027】
本開示の一態様において、少なくとも1つのガイド壁は、周壁部を径方向外側からみたときに略直角三角形状であってもよい。第1の端は、複数の係止壁のうち、ガイド壁に対して第2方向側に配置されている1つの端に実質的に接続していてもよい。少なくとも1つのガイド壁の後端は、第1挟持部の前面に実質的に接続していてもよい。ガイド面は、第1の端から第2の端まで実質的に一定の角度で後方に傾斜していてもよい。本態様によれば、使用者は、ハウジングに対してリングを第1方向に回転させつつ後方へ移動させるという人間工学的に自然な動きで、ハウジングに対するリングの装着操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】上着のファン取付け部、バッテリホルダ、接続ケーブルの説明図である。
【
図3】リングが本体から取り外された状態のファンユニット1の斜視図である。
【
図7】
図4のVII-VII線における断面図である。
【
図8】分離された状態の前側部材および後側部材と、リングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本開示に係る送風装置の一例として、ファンユニット1について説明する。また、送風装置を取り外し可能に装着可能な衣服の一例として、上着9について説明する。
【0030】
まず、本実施形態のファンユニット1の使用態様について簡単に説明する。
【0031】
図1および
図2に示すように、本実施形態のファンユニット1は、例えば、上着9に装着されて使用される。上着9は、着用者の上半身を覆う服地90を主体として構成された、前開きで長袖の上衣である。服地90は、後身頃の下部の2箇所に、ファンユニット1を取り付けるための取付け孔91を有する。つまり、上着9には、2つのファンユニット1を取り付け可能である。取付け孔91は、ファンユニット1のハウジング4(詳細には、筒状部41)(
図3参照)を挿入可能な開口である。なお、以下の説明では、取付け孔91の周縁部を、ファン取付け部93ともいう。上着9(例えば、前身頃)の内側には、バッテリホルダ95を収容可能なポケット94が設けられている。バッテリホルダ95には、充電式のバッテリ96が内蔵されている。バッテリホルダ95と2つのファンユニット1は、二股状の接続ケーブル97によって電気的に接続される。
【0032】
ファンユニット1は、取付け孔91から上着9の内部(使用者の身体側)に部分的に挿入され、吸気口471が上着9の外部に配置された状態で、上着9に装着される。ファンユニット1は、吸気口471を介して上着9の外部から空気を吸い込み、上着9の内部に配置された排気口481(
図3参照)から、上着9の内部に送出する。上着9の内部へ送出された空気は、使用者の身体を冷却しつつ上着9の内部を流れ、襟元や袖口から上着9の外部へ流出する。ファンユニット1の装着によって上着9内を通気可能とすることで、使用者は、快適な作業環境を得ることができる。
【0033】
次に、ファンユニット1の概略構成について説明する。
【0034】
図3~
図6に示すように、ファンユニット1は、本体3と、リング5とを備えている。本体3は、モータ33と、モータ33によって回転駆動されるファン36と、モータ33およびファン36を収容するハウジング4とを主体として構成されている。ハウジング4は、ファン36の回転軸A1の延在方向(以下、単に回転軸A1方向という)にみると、概ね円形の収容体として構成されている。回転軸A1方向におけるハウジング4の一端部には、径方向外側に突出するフランジ46が形成されている。リング5は、全体としては、中心軸A2を有する短尺の円筒体であって、ハウジング4の外周部に取り外し可能に装着可能である。中心軸A2の延在方向(以下、単に中心軸A2方向という)におけるリング5の一端部には、径方向外側に突出するフランジ55が形成されている。
【0035】
本実施形態では、ファンユニット1は、本体3のフランジ46が上着9の外側に配置された状態で、本体3のフランジ46以外の部分が取付け孔91から上着9の内部(つまり、使用者の背中に対向する側)に挿入される。そして、リング5が上着9の内部から本体3(ハウジング4)の外周部に同軸状に嵌め込まれる。ハウジング4のフランジ46とリング5のフランジ55とによって、取付け孔91の周囲で服地90(ファン取付け部93)が挟持されることで、ファンユニット1が上着9に装着される。
【0036】
なお、以下の説明では、便宜上、ファンユニット1の方向に関しては、ファンユニット1が上着9に装着され、更に上着9が着用されたときの使用者の向きを基準として定義する。具体的には、ファン36の回転軸A1およびリング5の中心軸A2方向を前後方向と定義する。前後方向において、吸気口471が位置する側を後側と定義し、排気口481が位置する側を前側と定義する。かかる方向定義に基づき、以下では、ハウジング4のフランジ46を後側フランジ46ともいい、リング5のフランジ55を前側フランジ55ともいう。また、回転軸A1および中心軸A2周りの周方向に関しては、ファンユニット1を前側からみたときの時計回り方向を第1方向D1と定義し、反時計回り方向を第2方向D2と定義する。
【0037】
以下、ファンユニット1の本体3およびリング5の詳細な構成について、順に説明する。
【0038】
まず、リング5について説明する。
図3、
図4、
図6および
図7に示すように、リング5は、筒状部51と、上述の前側フランジ55と、タブ58とを含む。なお、本実施形態では、筒状部51と前側フランジ55とタブ58とは、合成樹脂によって一体成形されている。リング5は、少なくとも径方向に、少なくとも部分的に若干弾性変形する(撓む)ことが可能である。
【0039】
筒状部51は、短尺状の円筒体である。筒状部51は、ハウジング4の筒状部41の周囲に嵌め込み可能に構成されている。筒状部51の後端部の内周部には、3つの突起52が設けられている。各突起52は、筒状部51の内周面510から筒状部51の径方向内側に突出しており、後述する本体3の筒状部41の係止壁42および回転規制部43に係止可能に構成されている。本実施形態では、各突起52は概ね直方体状であって、リング5の中心軸A2に略直交する前面520を有する。また、3つの突起52は、周方向に略等間隔で配置されている。本実施形態では、突起52の突出長さは、リング5がハウジング4に装着されたときに、突起52の先端(突出端)がハウジング4の筒状部41の外周面410に実質的に接しないように設定されている。但し、後述の回転規制部43が設けられない場合には、突起52は、筒状部41の外周面410に対して接触可能であってもよい。
【0040】
また、筒状部51の前端部の内周部には、3つの突条53が設けられている。各突条53は、周方向において、隣接する2つの突起52の間の領域に対応して延びている。つまり、突条53は、周方向において、突起52とは異なる位置(突起52がない領域)に設けられている。なお、突条53の突出長さは、リング5がハウジング4に装着されたときに、突条53の先端(突出端)がハウジング4の筒状部41の外周面410に実質的に接するように設定されている(
図10参照)。
【0041】
前側フランジ55は、本体3の後側フランジ46と共に、上着9のファン取付け部93を挟持する部分である。前側フランジ55は、筒状部51の中心軸A2方向における一端部(具体的には、後端部)から径方向外側に突出している。本実施形態では、前側フランジ55は、円環状に形成されている。前側フランジ55は、中心軸A2に略直交する方向に延在する後面550を有する。なお、本実施形態では、前側フランジ55の後面550は、前後方向において、突起52の後端と略同一位置にある。
【0042】
タブ58は、前方からみて略台形状の突出片であって、筒状部51のうち、前側フランジ55が設けられている端部とは反対側の端部(つまり前端部)から径方向外側に突出している。本実施形態では、6つのタブ58が、筒状部51の周方向に略等間隔で設けられている。使用者は、ハウジング4に対してリング5を回転させるときにタブ58に指を掛けることができる。これにより、本体3に対するリング5の回転操作が容易となる。なお、タブ58のうち3つは、リング5の周方向において、3つの突起52の夫々と同じ位置に配置されている。これら3つのタブ58の前面には、突起52の位置を示すマークが付されている。
【0043】
以下、本体3について説明する。上述のように、本体3は、モータ33と、ファン36と、ハウジング4とを主体として構成されている。
【0044】
図6に示すように、モータ33およびファン36は、ハウジング4内に、同軸状に配置されている。なお、本実施形態では、モータ33には、ブラシレス直流モータが採用されているが、ブラシ付きのモータが採用されてもよい。ファン36には、軸流ファンが採用されている。より詳細には、ファン36は、カップ状のベース部361と、ベース部361から突出する複数の羽根363とを備えている。ベース部361は、モータ33を後方から覆うように配置され、モータ33の出力シャフト331に同軸状に取り付けられている。ファン36は、モータ33の駆動に伴って、回転軸A1周りに出力シャフト331と一体的に回転される。なお、ファン36の構成(ベース部361の形状、羽根363の数、モータ33に対する配置等)は、適宜変更されてもよい。
【0045】
図3~
図5に示すように、全体としてみると、ハウジング4は、筒状部41と、後側フランジ46と、吸気側カバー47と、排気側カバー48とを含む。また、
図6および
図8に示すように、本実施形態では、ハウジング4は、前側部材401と後側部材402とによって形成されている。前側部材401と後側部材402の各々は、合成樹脂で一体成形された単一部材である。前側部材401は、円筒状の外側筒状部411と、上述の排気側カバー48とを含む。後側部材402は、円筒状の内側筒状部416と、上述の後側フランジ46および吸気側カバー47とを含む。前側部材401と後側部材402とは、後側部材402の内側筒状部416の外周に前側部材401の外側筒状部411が嵌め込まれた状態で互いに連結されている。内側筒状部416および外側筒状部411は、一体的に筒状部41を形成する。なお、本実施形態では、前側部材401と後側部材402とは分離可能に連結されているが、この点については後で詳述する。
【0046】
筒状部41は、円筒状に形成された壁部(周壁部)である。なお、上述のように、本実施形態では、筒状部41は、外側筒状部411と内側筒状部416とによって形成されるため、筒状部41の大部分は、二重壁構造を有する。筒状部41の外周面410は、外側筒状部411の外周面によって形成されている。筒状部41は、ファン36の回転軸A1と同軸状に、ファン36の少なくとも一部の周囲に(ファン36を取り囲むように)配置されている。筒状部41の外径は、リング5の筒状部51の内径よりも小さく設定されている。つまり、ファン36の回転軸A1(筒状部41の中心軸)と筒状部41(詳細には、外側筒状部411)の外周面410との間の距離は、リング5の筒状部51の中心軸A2と内周面510との間の距離とよりも小さい。よって、ハウジング4にリング5が装着された状態において、筒状部41の外周面410は、リング5の内周面510から離間している(
図7参照)。
【0047】
また、
図3に示すように、筒状部41の外周部には、係止壁42、回転規制部43、およびガイド壁44が設けられている。係止壁42、回転規制部43、およびガイド壁44については、後で詳述する。
【0048】
図3および
図6に示すように、後側フランジ46は、前後方向においてリング5の前側フランジ55に対向し、前側フランジ55と共にファン取付け部93(服地90)を挟持する部分である。後側フランジ46は、筒状部41のうち、回転軸A1方向(前後方向)においてファン36の吸気側に位置する一端部(つまり、後端部)から、筒状部41の径方向外側に突出している。本実施形態では、後側フランジ46は、円環状に形成されている。なお、本実施形態では、後側フランジ46の外径は、リング5の前側フランジ55の外径より若干大きく設定されている。後側フランジ46は、回転軸A1に略直交する方向に延在する前面460を有する。
【0049】
図5および
図6に示すように、吸気側カバー47は、筒状部41の後端部の開口(つまり、ファン36の吸気側の開口)を覆う円形のカバーとして構成されている。吸気側カバー47には、多数の吸気口471が形成されている。ファン36が回転されると、吸気口471を通ってハウジング4内へ空気が吸い込まれる。
【0050】
図3および
図6に示すように、排気側カバー48は、筒状部41の前端部の開口(つまり、ファン36の排気側の開口)を覆うように配置されている。本実施形態では、排気側カバー48は、全体としては、筒状部41の前端から前方に突出する円形ドーム状に形成されている。排気側カバー48には、多数の排気口481が形成されている。ファン36が回転されると、吸気口471からハウジング4内へ流入した空気は、排気口481からハウジング4の外部へ排出される。排気側カバー48の周方向における一部には、凹部489が設けられている。凹部489に対して回転軸A1側には、コネクタ37が配置されている。コネクタ37は、モータ33に電気的に接続されている。バッテリホルダ95に接続された接続ケーブル97のコネクタ973(
図2参照)は、凹部489に配置され、コネクタ37に接続される。これにより、バッテリホルダ95とファンユニット1とが電気的に接続される。
【0051】
以下、筒状部41の外周部に設けられた係止壁42、回転規制部43、ガイド壁44の詳細構成について、順に説明する。
【0052】
まず、係止壁42について説明する。
図3、
図6、
図7、
図9および
図10に示すように、係止壁42は、筒状部41(より詳細には、外側筒状部411)の外周面410よりも筒状部41の径方向外側に突出する(つまり、径方向の厚みを有する)壁部(突出部)である。係止壁42は、筒状部41の回転軸A1方向(前後方向)において後側フランジ46から離間して配置され、筒状部41の周方向に延びている。係止壁42を筒状部41の側方(径方向外側)からみると、係止壁42は、前後方向に幅が狭く、周方向に細長い形状を有する。係止壁42の前端は、筒状部41の前後方向における中央部近傍に位置している。本実施形態では、3つの係止壁42が、筒状部41の周方向に略等間隔で設けられている。
【0053】
ファン36の回転軸A1(筒状部41の中心軸)と係止壁42の外周面との間の距離は、リング5の筒状部51の中心軸A2と内周面510との間の距離と概ね等しいか僅かに小さい。本体3にリング5が装着されると、係止壁42の外周面は、少なくとも部分的に、リング5の内周面510に実質的に接触する。
【0054】
更に、係止壁42の前面420の前方には、前面420から筒状部41の前端まで、開放空間425が延在する。開放空間425は、円筒の周方向の一部に対応する形状を有する。より詳細には、開放空間425は、係止壁42の外周面を含む仮想的な湾曲面と、筒状部41の外周面410とによって、径方向外側の端と径方向内側の端とが夫々規定され、且つ、係止壁42の周方向の一方の端の位置から他方の端の位置まで周方向に延びる空間である。つまり、本実施形態では、係止壁42の前方には、筒状部41の外周面410から突出するものは特にない。言い換えると、筒状部41の外周面410のうち、係止壁42の前方、且つ、周方向において係止壁42に対応する領域(周方向において係止壁42の一端から他端までの範囲)は、突出物のない滑らかな面(湾曲面)である。
【0055】
本実施形態では、係止壁42は、リング係止部421と、爪係止部427とを含む。爪係止部427は、係止壁42のうち、第1方向D1側の端部である。リング係止部421は、爪係止部427以外の部分であって、係止壁42のうち、第2方向D2側の端から概ね三分の二を占めている。
【0056】
リング係止部421は、リング5の突起52に当接することで、回転軸A1方向において、リング5が本体3(ハウジング4)から離れる方向(言い換えると、前側フランジ55と後側フランジ46とが互いから離れる方向)に移動するのを妨げる(禁止する)ように構成されている。つまり、リング係止部421は、リング5がハウジング4に対して前方へ移動するのを妨げるように構成されている。
【0057】
より詳細には、リング係止部421の後面(つまり、後側フランジ46に対向する面)は、2つの係止面423、424を含む。係止面423、424は、前後方向および周方向の夫々において、異なる位置にある。以下、2つの係止面423、424のうち、より前方(つまり、後側フランジ46からより離れた位置)にある係止面423を前側係止面423、より後方(つまり、後側フランジ46により近い位置)にある係止面424を、後側係止面424ともいう。後側係止面424は、前側係止面423に対して第1方向D1側にある。
【0058】
前側係止面423および後側係止面424は、夫々、回転軸A1に略直交する方向に延びる平面であって、突起52の前面520(平面)と安定した状態で面接触可能(あるいは複数の点または線で接触可能)である。本実施形態では、前側係止面423と後側係止面424とは、周方向に緩やかに傾斜する傾斜面によって周方向に接続されている。但し、前側係止面423と後側係止面424とは、これらに略直交する面で接続されていてもよい。
【0059】
上述の配置に起因して、前側係止面423と後側フランジ46の前面460との間の前後方向の距離d1は、後側係止面424と前面460との間の前後方向の距離d2よりも大きい(
図3参照)。また、距離d1および距離d2は、リング5の突起52の前面520から前側フランジ55の後面550との間の前後方向における距離d3(
図9参照)よりも大きく設定されている。よって、突起52の前面520が前側係止面423に接触している状態、および、後側係止面424に接触している状態の何れにおいても、突起52は、後側フランジ46から前方に離間する。言い換えると、リング5の前側フランジ55の後面550と、ハウジング4の後側フランジ46の前面460との間には隙間が形成される。この隙間に服地90が配置され、前側フランジ55と後側フランジ46とによって挟持される。
【0060】
爪係止部427は、前側部材401と後側部材402とを連結するための連結構造の一部であって、後述する係止片413の爪414を係止可能に構成されている。爪係止部427の後面は、回転軸A1に略直交する方向に延びる平面である。爪係止部427には、前後方向に爪係止部427を貫通し、係止片413を挿通可能な挿入孔428が形成されている。
【0061】
また、爪係止部427の後方には、2つの仕切り壁429が設けられている。仕切り壁429の各々は、筒状部41(より詳細には、外側筒状部411)の外周面410よりも筒状部41の径方向外側に突出する壁部(突出片)として構成されている。2つの仕切り壁429は、筒状部41の周方向において爪係止部427の挿入孔428の両側に配置されており、係止壁42の後面と後側フランジ46の前面460とをつなぐように前後方向に延びている。また、ファン36の回転軸A1(筒状部41の中心軸)と仕切り壁429の先端(突出端)との間の距離は、リング5の筒状部51の中心軸A2と内周面510との間の距離と概ね等しいか僅かに小さい。本体3にリング5が装着されると、仕切り壁429の先端は、少なくとも部分的に、リング5の内周面510に実質的に接触する。
【0062】
以下、回転規制部43について説明する。回転規制部43は、リング5の突起52に当接することで、リング5がハウジング4に対して回転軸A1周りの周方向に移動する(回転する)のを規制するように構成されている。より詳細には、回転規制部43は、周方向において、前側係止面423に対応する位置(以下、第1係止位置という)または後側係止面424に対応する位置(以下、第2係止位置という)に配置された突起52が、係止壁42から外れる方向(具体的には、第2方向D2)に移動することを規制するように構成されている。
【0063】
図3および
図7に示すように、回転規制部43は、2つの規制壁431、432を含む。規制壁431、432の各々は、筒状部41(より詳細には、外側筒状部411)の外周面410よりも筒状部41の径方向外側に突出する壁部(突出片)として構成されている。規制壁431、432の各々は、係止壁42の後面と後側フランジ46の前面460とをつなぐように前後方向に延びている。規制壁431、432は、夫々、前側係止面423、後側係止面424に対して第2方向D2側に配置されている。以下では、前側係止面423に対応する規制壁431を第1規制壁431ともいい、後側係止面424に対応する規制壁432を第2規制壁432ともいう。また、本実施形態では、3つの係止壁42に対応して、3組の回転規制部43が設けられている。
【0064】
規制壁431、432の各々の先端部(径方向外側の端部)のうち、第2方向D2側の面は、径方向外側に向かうにつれて第1方向D1に傾斜している。一方、規制壁431、432の各々の先端部のうち、第1方向D1側の面は、径方向外側に向かうにつれて第2方向D2に傾斜している。なお、回転軸A1に直交する断面において、回転軸A1から規制壁431の先端までを半径とする円を想定した場合、規制壁431の先端を通る接線と第1方向D1側の面とがなす角は、この接線と第2方向D2側の面とがなす角よりも大きい。規制壁432の2つの面についても、同様の関係が成立する。このような角度設定は、リング5がハウジング4に対して第2方向D2に回転するときに、リング5がハウジング4に対して第1方向D1に回転するときよりも、突起52が規制壁431、432を乗り越えにくくするためである。
【0065】
また、ファン36の回転軸A1(筒状部41の中心軸)と規制壁431、432の先端(突出端)との間の距離は、リング5の筒状部51の中心軸A2と内周面510との間の距離よりも小さい。本体3にリング5が装着されると、規制壁431、432の先端は、リング5の筒状部51の内周面510から径方向内側に離間して配置される。つまり、規制壁431、432の先端は、筒状部51の内周面510には接触しない。このときの規制壁431、432の先端と内周面510との間の径方向における距離は、リング5の内周面510からの突起52の突出長さよりも僅かに短く設定されている。
【0066】
以下、ガイド壁44について説明する。ガイド壁44は、本体3に対するリング5の装着時に、突起52に当接して、突起52を係止壁42に係止可能な位置(第1係止位置)まで案内するように構成されている。
【0067】
具体的には、
図3、
図6および
図7に示すように、ガイド壁44は、筒状部41(より詳細には、外側筒状部411)の外周面410よりも筒状部41の径方向外側に突出する(つまり、径方向の厚みを有する)壁部(突出部、段差部)として構成されている。ガイド壁44は、隣接する2つの係止壁42の間で、周方向に延びている。つまり、本実施形態では、3つのガイド壁44が周方向に略等間隔で設けられている。各ガイド壁44の第2方向D2側の端(以下、第1の端441という)は、1つの係止壁42の第1方向D1側の端と周方向において略同一位置にある。ガイド壁44の第1方向D1側の端(以下、第2の端442という)は、別の係止壁42の第2方向D2側の端と周方向において略同一位置にある。つまり、本実施形態では、3つの係止壁42と3つのガイド壁44とは、周方向に、交互に、実質的に隙間なく配置されている。
【0068】
本実施形態では、ガイド壁44は、筒状部41の側方からみて略直角三角形状に形成されている。より詳細には、ガイド壁44の第1の端441は、前後方向に直線状に延びており、係止壁42の第1方向D1側の端に実質的に接している。ガイド壁44の後端は、後側フランジ46の前面460に接続している。ガイド壁44の前面440は、ガイド壁44の第1の端441から第2の端442へ向かうにつれて(第1方向D1に向かうにつれて)、後方に(後側フランジ46に近づく方向に)、実質的に一定の角度で、緩やかに傾斜している。ガイド壁44の前面440は、突起52に当接し、突起52を案内するガイド面として機能する。
【0069】
前面440は、第1の端441において、係止壁42の前面420と略同一の前後方向位置にある。つまり、前面440は、係止壁42の前面420と実質的に接続している。また、前面440は、ガイド壁44の第2の端442において、後側フランジ46の前面460から僅かに前方へ離間した前後方向位置にある。より詳細には、第2の端442における前面440と後側フランジ46の前面460との間の前後方向の距離は、突起52が前側係止面423に係止しているとき(前面520が前側係止面423に接触しているとき)の、前側フランジ55の後面550と後側フランジ46の前面460との間の前後方向の距離(つまり、挟持される服地90の厚み)と略同一である。つまり、第2の端442における前面440の前後方向の位置は、前側フランジ55と後側フランジ46とが挟持可能な服地90の厚みに応じて設定されている。
【0070】
筒状部41の外周面410からのガイド壁44の突出長さは、外周面410からの係止壁42の突出長さと略同一である。つまり、ファン36の回転軸A1(筒状部41の中心軸)とガイド壁44の外周面との間の距離は、リング5の筒状部51の中心軸A2と内周面510との間の距離と概ね等しいか僅かに小さい。本体3にリング5が装着されると、ガイド壁44の外周面は、少なくとも部分的に、リング5の内周面510に実質的に接触する。
【0071】
更に、ガイド壁44の前面440の前方には、前面440から筒状部41の前端まで、開放空間445が延在する。この開放空間445は、円筒の一部に概ね対応する形状を有する。より詳細には、この開放空間445は、ガイド壁44の外周面を含む仮想的な湾曲面と、筒状部41の外周面410とによって径方向外側の端と径方向内側の端とが夫々規定され、且つ、ガイド壁44の第1の端441の位置から第2の端442の位置まで周方向に延びる空間である。つまり、本実施形態では、ガイド壁44の前方には、筒状部41の外周面410から突出するものは特にない。言い換えると、筒状部41の外周面410のうち、ガイド壁44より前方、且つ、周方向においてガイド壁44に対応する領域(周方向において第1の端441から第2の端442までの範囲)は、突起のない滑らかな面(湾曲面)である。
【0072】
以下、衣服(例えば、上着9)への装着時および取り外し時のファンユニット1の作用について説明する。
【0073】
ファンユニット1を上着9に装着する場合には、使用者はまず、リング5が取り外された状態の本体3の一部を、上着9の取付け孔91(
図2参照)に挿入する。具体的には、後側フランジ46を後身頃(ファン取付け部93)の外側に配置し、筒状部41と排気側カバー48とを、取付け孔91から上着9の内側へ挿入する。これにより、後側フランジ46の前方にファン取付け部93(服地90)が配置された状態となる。
【0074】
その後、使用者は、上着9の内側で、リング5の筒状部51をハウジング4の筒状部41の周囲に嵌め込む。上述のように、係止壁42およびガイド壁44の前方には、夫々、開放空間425および開放空間445が存在し、筒状部41の外周面410から突出するものは特にない。よって、筒状部51が筒状部41に嵌め込まれる初期段階では、突起52は、移動を阻害されることなく、筒状部41の外周面410から僅かに離間した状態で移動可能である。
【0075】
使用者がある程度後方までハウジング4に対してリング5を移動させると、突起52の後端部が、係止壁42の前面420、または、ガイド壁44の前面440に当接する。使用者は、突起52が何かに当接したことを認識した場合、ハウジング4に対してリング5を後方へ押し付けつつ、第1方向D1に回転させる。突起52が係止壁42に当接した場合には、突起52の後端部は、係止壁42の前面420およびガイド壁44の前面440に沿って第1方向D1に摺動し、ガイド壁44の第2の端442に到達する。突起52がガイド壁44に当接した場合には、突起52の後端部は、ガイド壁44の前面440に沿って第1方向D1に摺動し、ガイド壁44の第2の端442に到達する。
【0076】
使用者が、リング5を更に第1方向D1に回転させると、突起52は、第1規制壁431を乗り越えて係止壁42の後方領域に進入し、第1係止位置に到達する。なお、第1規制壁431の第2方向D2側の面が傾斜していること、また、突起52と第1規制壁431の夫々の突出長さが上述のように設定されていることによって、筒状部41が径方向に僅かに弾性変形するだけで、突起52は第1規制壁431を乗り越えることができる。上着9が比較的厚い服地90で作られている場合には、突起52が第1係止位置に配置されると、前側フランジ55と後側フランジ46とによってファン取付け部93が挟持され、本体3(ハウジング4)に対するリング5の装着、ひいては上着9に対するファンユニット1の装着が完了する。
【0077】
突起52は、第1係止位置において、係止壁42によって回転軸A1方向(前後方向)に係止される。より詳細には、突起52が第1係止位置にあるときには、突起52の前面420が係止壁42の前側係止面423に当接することで、リング5がハウジング4に対して前方(つまり、前後方向において、リング5が本体3から離れる(外れる)方向)に移動することが妨げられる(禁止される)。上述のように、係止壁42は、リング5の筒状部51の内周面510に実質的に接触する位置まで径方向外側に突出している。このため、リング5が若干径方向に弾性変形しても、突起52が係止壁42を乗り越えて前方に外れることはない。
【0078】
前側フランジ55と後側フランジ46との間の距離に対してファン取付け部93が十分な厚みを有する場合には、前側フランジ55と後側フランジ46とによって挟持されたファン取付け部93(服地90)の弾性力によって、突起52の前面520が前側係止面423に押し付けられる。これにより、リング5はハウジング4に対して安定した装着状態を維持する。
【0079】
また、突起52は、第1係止位置において、第1規制壁431、第2規制壁432によって周方向に係止される。より詳細には、リング5がハウジング4に対して第2方向D2(つまり、周方向において、突起52が係止壁42から外れる方向)に回転した場合、第1規制壁431の先端部が突起52の先端部に当接し、リング5の回転を規制する。これにより、リング5がハウジング4から外れる可能性を低減することができる。また、リング5がハウジング4に対して第1方向D1に回転した場合、第2規制壁432の先端部が突起52の先端部に当接することで、リング5の回転を規制する。なお、ここでいう「規制される」とは、リング5の本体3に対する回転が完全に禁止されるのではなく、外力が付与されることでリング5が径方向に弾性変形された場合には、回転が許容されることを意味する。上述のように、第1規制壁431の第1方向D1側の面の傾斜角は、突起52が第2方向D2に第1規制壁431を乗り越えにくいように設定されている。
【0080】
一方、上着9が比較的薄い服地90で作られている場合には、使用者は、リング5を更に第1方向D1に回転させる。突起52は、第2規制壁432を乗り越えて、第1係止位置から第2係止位置へ移動する。なお、第1規制壁431を乗り越えるときと同様、筒状部41の径方向の僅かな弾性変形によって、突起52は、第2規制壁432を乗り越えることができる。突起52が第2係止位置に配置されると、前側フランジ55と後側フランジ46とによってファン取付け部93が挟持され、本体3に対するリング5の装着、つまり、上着9に対するファンユニット1の装着が完了する。
【0081】
突起52が第2係止位置にあるときには、第1係止位置にあるときと同様、突起52の前面420が係止壁42の後側係止面424に当接することで、リング5がハウジング4に対して前方に移動することが妨げられる(禁止される)。
【0082】
また、突起52は、第2係止位置において、第2規制壁432および仕切り壁429によって周方向に係止される。より詳細には、リング5がハウジング4に対して第2方向D2(つまり、周方向において、突起52が係止壁42から外れる方向)に回転した場合、第2規制壁432の先端部が突起52の先端部に当接することで、リング5の回転を規制する。また、リング5がハウジング4に対して第1方向D1に回転した場合、仕切り壁429の先端が突起52の先端部に当接することで、リング5の回転が妨げられる(禁止される)。上述のように、仕切り壁429は、リング5の筒状部51の内周面510に実質的に接触する位置まで径方向外側に突出している。このため、リング5が若干径方向に弾性変形しても、突起52が仕切り壁429を乗り越えて第1方向D1に移動することはない。
【0083】
ファンユニット1を上着9から取り外す場合には、使用者は、リング5をハウジング4に対して第2方向D2に回転させる。第1係止位置(または第2係止位置)に配置されている突起52は、リング5が若干弾性変形するのに伴い、第1規制壁431(または第2規制壁432および第1規制壁431)を乗り越えて、係止壁42の第2方向D2の端から離脱する。その後、使用者は、リング5をハウジング4に対して前方へ移動させ、本体3から取り外す。このとき、突起52よりも前方には開放空間425または開放空間445が延在しており、突起52に干渉する突出物がまったくないため、使用者は、突起52が周方向のどのような位置にあるときでも、リング5を前方に移動させ、本体3から容易に取り外すことができる。
【0084】
例えば、雄ネジと雌ネジの係合によって、リング5とハウジング4とを係合する方式では、突起52を前後方向において所定位置まで移動させるのに、一定方向にリング5を回し続ける必要がある。また、特定の受入れ口を有する溝に対する突起の係合によって、リング5とハウジング4とを係合する方式では、リング5をハウジング4に装着するときに、リング5とハウジング4とを、周方向の特定の方向に位置決めする必要がある。
【0085】
これに対し、本実施形態のファンユニット1では、リング5がハウジング4に装着される過程で、ガイド壁44の前面440(ガイド面)が後方から突起52に当接して、リング5をハウジング4に対して後方に案内し、且つ、突起52を係止位置に案内する。また、前後方向において、前面440(ガイド面)から突起52が離れる方向側(ハウジング4からリング5が離れる方向側、リング5の受け入れ側)、つまり前側には、前面440から筒状部41の前端まで、開放空間445が延びている。よって、使用者は、リング5をハウジング4に対して周方向の特定の位置に厳密に位置決めすることなく、突起52が前面440に当接する位置まで後方へ移動させ、その後、突起52が前面440上を摺動するようにリング5を第1方向D1に回転させるだけで、突起52を係止位置まで速やかに案内することができる。
【0086】
特に、本実施形態では、3つの係止壁42および3つのガイド壁44が、周方向において等間隔で交互に配置されている。そして、各ガイド壁44の前面440は、3つの係止壁42のうち、ガイド壁44に対して第2方向D2側に配置されている(つまり、第1の端441に隣接する)係止壁42の前面420から実質的に連続的に第1方向D1に延びている。よって、第1方向D1に実質的に連続する前面420および前面440は、全体として、第1方向D1側に位置する次の係止壁42に対する連続的な1つのガイド面として機能することがきる。このような連続的な3つのガイド面(3組の連続的な前面420と前面440)が、3つの突起52を夫々の係止位置へ確実に案内することができる。また、3つのガイド面は、周方向に実質的に隙間なく配置されているため、周方向の位置決めを完全に不要とすることができ、特に操作が容易となる。
【0087】
また、本実施形態では、ガイド壁44の前面440(ガイド面)は、第1方向D1に向かうにつれて後方に傾斜している。よって、使用者は、ハウジング4に対してリング5を第1方向D1に回転させつつ後方へ移動させるという人間工学的に自然な動きで、装着操作を行うことができる。
【0088】
また、本実施形態では、上述のように、2つの係止面423、424が同じ係止壁42に設けられているため、使用者は、リング5をハウジング4に対して第1方向D1に回転させる間に、服地90の厚みに応じて係止面423、424のうち適切な一方に係止させればよい。つまり、使用者は、リング5をハウジング4から一旦取り外して装着しなおす必要がないため、操作が容易である。
【0089】
更に、本実施形態では、3つの突起52が夫々に対応する係止位置に配置されると、周方向の3箇所で3つの突起52と係止壁42とが夫々当接する。よって、1つの突起52のみが設けられる場合に比べ、リング5がハウジング4から外れる可能性をより確実に低減することができる。
【0090】
更に、本実施形態では、係止位置に対して第2方向D2側に設けられた規制壁431、432が突起52に当接することで、リング5がハウジング4に対して第2方向D2に回転することを規制する。つまり、本実施形態では、突起52は、前後方向においてリング5がハウジング4から外れる方向に移動することの防止、および、周方向において突起52が係止壁42から外れる方向にリング5が回転することの規制、という2つの機能を発揮することができる。よって、リング5の回転を規制するために別個の構成が設けられる場合に比べ、シンプルな構成によって、リング5がハウジング4から外れる可能性をより効果的に低減することができる。
【0091】
以下、前側部材401と後側部材402との連結構造について説明する。
【0092】
図6に示すように、モータ33、ファン36、およびコネクタ37は、すべて前側部材401の内部に組み付けられている。後側部材402が連結されていない状態では、外側筒状部411の後端の開口は閉塞されていない。つまり、ファン36がこの開口から見えている状態である。一方、後側部材402の内部には、内部部品は何も配置されていない。本実施形態では、後側部材402は、前側部材401の内部にモータ33、ファン36等の内部部品が組み付けられた後、前側部材401の後端の開口を閉塞するカバー部材としても機能する。
【0093】
本実施形態では、前側部材401の外側筒状部411が、部分的に後側部材402の内側筒状部416の周囲を覆う状態で、内側筒状部416と連結される。このため、
図6~
図8に示すように、外側筒状部411および内側筒状部416に、以下に説明する連結構造が設けられている。
【0094】
後側部材402の内側筒状部416には、上述の3つの係止壁42、3組の回転規制部43、および3組の仕切り壁429に加え、3対の爪挿入ガイド417と、2つのガイド突起418とが設けられている。
【0095】
各対(2つ)の爪挿入ガイド417は、各係止壁42のうち、爪係止部427に対応して設けられ、爪係止部427の前方に配置されている。2つの爪挿入ガイド417は、夫々、内側筒状部416の外周面に設けられた細長い突起であって、爪係止部427の挿入孔428の両側から内側筒状部416の前端まで延びている。
【0096】
各ガイド突起418は、内側筒状部416の外周面に設けられた細長い突起であって、後側フランジ46の前面から内側筒状部416の前端部まで延びている。2つのガイド突起418は、周方向において離間した位置に配置されている。
【0097】
一方、前側部材401の外側筒状部411には、上述の3つのガイド壁44に加え、3つの凹部412と、3つの係止片413と、2つのガイド溝415とが設けられている。
【0098】
各凹部412は、外側筒状部411の後端から前方へ凹む凹部である。凹部412は、内側筒状部416に設けられた係止壁42、回転規制部43、および仕切り壁429を、外側筒状部411の径方向外側に突出可能とする。よって、凹部412は、係止壁42、回転規制部43、および仕切り壁429が設けられている領域に対応するように、外側筒状部411の側方(径方向外側)からみて略矩形状に形成されている。各凹部412は、周方向において、各ガイド壁44の第1の端441から、隣接する別のガイド壁44の第2の端442までの範囲に形成されている。凹部412の前端は、係止壁42の前端に対応する位置にある。また、凹部412の周方向の長さは、係止壁42の周方向の長さと概ね同じである。
【0099】
各係止片413は、帯状(薄板状)に形成されており、凹部412の前端から後方に延びている。係止片413は、凹部412のうち、第1方向D1側の端部内に突出している。係止片413の先端部(突出端部)には、外側筒状部411の径方向外側に突出する爪414が設けられている。爪414は、回転軸A1に略直交する方向に延びる前面と、係止片413の先端(後端)に向かうにつれて、外側筒状部411の径方向内側に傾斜する後面とを有する。係止片413は、少なくとも外側筒状部411の径方向に弾性変形する(撓む)ことが可能である。
【0100】
各ガイド溝415は、外側筒状部411の内周面に設けられた細長い溝であって、内側筒状部416のガイド突起418に係合可能に構成されている。2つのガイド溝415は、夫々、周方向において、内側筒状部416の2つのガイド突起418に対応する位置に設けられ、外側筒状部411の後端から前方へ延びている。
【0101】
前側部材401と後側部材402とを連結する場合、作業者は、3つの係止片413が、夫々、3組の爪挿入ガイド417の前方に位置するように、前側部材401と後側部材402とを周方向に位置決めする。作業者は、爪414を爪挿入ガイド417に沿って後方へ移動させる。内側筒状部416のガイド突起418は、夫々、外側筒状部411のガイド溝415に進入し、前側部材401と後側部材402との前後方向の移動を安定して案内する。爪414の後面(傾斜面)が爪係止部427の上端に当接すると、係止片413が径方向内側に撓み、爪414が挿入孔428に進入する。係止壁42、回転規制部43、および仕切り壁429は、凹部412内に進入する。爪414が挿入孔428を通過すると、弾性力によって係止片413が元の位置に復帰する。これにより、爪414の前面が爪係止部427の後面に係止した状態で、係止片413が爪係止部427と係合する。外側筒状部411の後端面は、後側フランジ46の前面と概ね同じ位置に配置される。以上の手順により、前側部材401と後側部材402とが連結される。
【0102】
前側部材401と後側部材402とを分離する場合、使用者は、細長い先端を有する器具(例えば、ドライバ)を用いて、筒状部41の外側から爪414を径方向内側に押して係止片413を撓ませ、爪係止部427に対する爪414の係止を解除する。使用者は、爪414の係止を解除した状態で、前側部材401を後側部材402から前方に移動させ、後側部材402から分離することができる。ファンユニット1の使用を継続すると、ハウジング4の内部およびファン36に埃等が付着し、蓄積する場合がある。このような場合、使用者は、上述の手順で前側部材401と後側部材402とを分離し、ハウジング4の内部およびファン36を清掃することができる。
【0103】
また、本実施形態では、上述のように、係止壁42が後側部材402(詳細には、内側筒状部416)に設けられているため、後側部材402が前側部材401に連結されていない限り、リング5をハウジング4に装着できない。よって、ハウジング4が不完全な状態でファンユニット1が上着9に装着され、使用されるのを防止することができる。特に、本実施形態では、モータ33およびファン36が前側部材401に収容されているため、前側部材401に吸気側カバー47(つまり、ファンガード)を含む後側部材402が連結されていないと、ファン36が前側部材401の後端の開口からアクセス可能となる。本実施形態では、吸気側カバー47がない状態で、ファンユニット1が使用されるのを防止することができる。
【0104】
また、上述のように、リング5の内周面510には、突起52よりも前方に突条53が設けられている。よって、後側部材402の係止壁42にリング5の突起52が係止した状態で、何らかの理由で前側部材401と後側部材402の連結が解除されてしまった場合でも、リング5の突条53がガイド壁44に前方から当接することで、前側部材401がリング5を通って前方へ抜け落ちるのを防止することができる。
【0105】
本実施形態の各構成要素と、本開示又は本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は単なる一例であって、本開示の各構成要素を限定するものではない。
【0106】
ファンユニット1は、「送風装置」の一例である。モータ33は、「モータ」の一例である。ファン36は、「ファン」の一例である。回転軸A1は、「第1の軸」の一例である。ハウジング4、筒状部41、後側フランジ46は、夫々、「ハウジング」、「周壁部」、「第1挟持部」の一例である。リング5、前側フランジ55は、夫々、「リング」、「第2挟持部」の一例である。突起52は、「突起」の一例である。リング5の内周面510は、「第1の面」の一例である。筒状部41の外周面410は、「第2の面」の一例である。係止壁42は、「係止壁」の一例である。係止面423、424の各々は、「係止面」の一例である。ガイド壁44は、「ガイド壁」の一例である。前面440は、「ガイド面」の一例である。開放空間445は、「開放空間」の一例である。
【0107】
突起52は、「第1回転規制部」の一例である。規制壁431、432の各々は、「第2回転規制部」および「規制壁」の一例である。後側部材402および後側部材402は、夫々、「第1部材」および「第2部材」の一例である。吸気側カバー47、吸気口471は、夫々、「吸気側カバー」、「吸気口」の一例である。排気側カバー48、排気口481は、夫々、「排気側カバー」、「排気口」の一例である。突条53は、「付加突起」の一例である。内側筒状部416、外側筒状部411は、夫々、「第1周壁部」、「第2周壁部」の一例である。凹部412は、「凹部」の一例である。係止片413、爪414は、夫々、「係止片」、「爪」の一例である。ガイド壁44の第1の端441、第2の端442は、夫々、、「第1の端」、「第2の端」の一例である。第1方向D1は、「第1方向」の一例である。第2方向D2は、「第2方向」の一例である。
【0108】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る往復動工具は、例示されたファンユニット1に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうち少なくとも1つが、実施形態に示すファンユニット1、あるいは各請求項に記載された特徴と組み合わされて採用されうる。
【0109】
例えば、リング5がハウジング4に対して取り外し可能に装着可能である限り、ハウジング4およびリング5の構成(形状、大きさ、構成部材等)は、適宜、変更されてもよい。
【0110】
例えば、ハウジング4の吸気側カバー47や排気側カバー48の構成(吸気口471、排気口481の数、配置等)が変更されてもよい。また、ファン取付け部93(服地90)を挟持可能な構成は、後側フランジ46および前側フランジ55に限られない。例えば、後側フランジ46および前側フランジ55は、円形の外周でなく、多角形の外周形状を有してもよい。また、例えば、後側フランジ46および前側フランジ55のうち少なくとも一方の周方向の一部が切り欠かれていてもよいし、一部に開口が設けられていてもよい。また、例えば、前側フランジ55に代えて、筒状部51から径方向外側に突出する突起が周方向に複数設けられてもよい。あるいは、筒状部51を形成する壁が径方向にある程度の厚みを有する場合、後側フランジ46と筒状部51の後端とがファン取付け部93(服地90)を挟持してもよい。後側フランジ46についても、適宜、同様の変更が可能である。また、リング5のタブ58の形状は適宜変更または省略されうる。
【0111】
上記実施形態では、ガイド壁44は、ハウジング4に対し、リング5が前方からみて時計回り方向に回転されるのに応じて、リング5を後方に移動案内するように構成されている。しかしながら、ガイド壁44は、これとは逆に、ハウジング4に対し、リング5が前方からみて反時計回り方向に回転されるのに応じて、リング5を後方に移動案内するように構成されてもよい。また、上記実施形態とは逆に、ハウジング4の筒状部41の外周面410に突起が設けられ、リング5の内周面510に係止壁およびガイド壁が設けられてもよい。この場合、例えば、リング5のガイド壁は、回転軸A1(中心軸A2)周りの所定方向に向かうにつれて前方に傾斜するとともに、ハウジング4の突起に前方から当接可能な後面(ガイド面)を有してもよい。そして、リング5の係止壁は、ガイド壁の所定方向側方向の端に隣接して設けられ、ハウジング4の突起に後方から当接する係止面を有するように構成されればよい。
【0112】
上記実施形態では、係止壁42の第2方向D2側の端は、ガイド壁44の第1方向D1側の端(第2の端442)と周方向において略同一位置にある。しかしながら、突起52の周方向の長さが十分に確保されており、ガイド壁44の前面440(ガイド面)が突起52を第1係止位置まで案内することができれば、係止壁42の第2方向D2側の端は、ガイド壁44の第2の端442から僅かに離間していてもよい。また、係止壁42の第2方向D2側の端は、ガイド壁44の第2の端442よりも若干第2方向D2側に配置されてもよい。つまり、係止壁42の第2方向D2側の端部と、ガイド壁44の第1方向D1側の端部とが、周方向において若干重なるように配置されていてもよい。具体的には、係止壁42の第2方向D2側の端部が、ガイド壁44の第1方向D1側の端部の前方に配置され、係止面423(および係止面424)が前面440に対向していてもよい。
【0113】
突起52が係止面423、424に係止可能な範囲において、突起52の形状、数、リング5における配置位置等は、適宜変更が可能である。例えば、突起52は略矩形状でなくてもよい。但し、係止面423、424に対する安定した係止状態を実現するために、係止面423、424とは、1点のみではなく、複数の点、線、または面で接触することが好ましい。また、突起52の数は、1であってもよいが、ハウジング4に対するリング5の装着状態を安定して維持するために、2以上であることが好ましい。なお、突起52の数に応じて、係止壁42およびガイド壁44の数も変更されうる。突起52は、リング5(筒状部51)の後端部に配置される必要はなく、例えば、前後方向における中央部、または前端部に配置されてもよい。突起52の前端と前側フランジ55の後面550との間の距離に応じて、ハウジング4における係止面423、423と後側フランジ46の前面460との間の距離は適宜変更されうる。
【0114】
係止壁42に設けられる係止面(突起52の係止位置)の数は、1であってもよい。つまり、ファンユニット1は、必ずしも複数種類の服地90の厚みに対応していなくてもよい。また、係止面は3以上設けられてもよい。係止面(係止位置)の数が変更される場合、その数に応じて、規制壁431、432の数も変更されうる。
【0115】
また、上記実施形態では、突起52は、リング5がハウジング4から外れる方向に移動することの防止、および、周方向において突起52が係止壁42から外れる方向にリング5が回転することの規制という2つの機能を有する。しかしながら、突起52とは別個に、ハウジング4に対するリング5の回転を規制する構成が設けられてもよい。例えば、筒状部41の外周面410に凹部が設けられ、この凹部に係合可能な爪を有し、弾性変形が可能な係止片がリング5に設けられてもよい。また、回転規制部43(規制壁431、432)は、省略されてもよい。これは、服地90の弾性力によって突起52の前面520が係止面423、424に押し付けられることで、ハウジング4に対するリング5の回転をある程度規制することができるためである。
【0116】
上記実施形態では、ガイド壁44の前面440(ガイド面)は、第1の端441から第2の端442に向かって全体が実質的に一定の角度で傾斜している。しかしながら、前面440の構成は、突起52が前面440に当接しつつ第1方向D1に移動するのに応じて、リング5をハウジング4に対して後方に移動させることが可能な限り、適宜変更されうる。例えば、前面440の傾斜角度は、第1の端441から第2の端442の間で変化してもよい。また、例えば、前面440の一部は前後方向に湾曲していてもよい。また、例えば、前面440は、第1の端441から第2の端442に向かうにつれて、前後方向の位置が段階的に変化するように構成されていてもよい。言い換えると、前面440は、階段状の面として形成されてもよい。具体的には、例えば、前面440は、回転軸A1に略直交する複数の平面(または周方向に傾斜する複数の傾斜面)と、隣接する2つの平面(または傾斜面)を接続する少なくとも1つの接続面とで形成されてもよい。この場合、第2の端442により近い平面(または傾斜面)ほど、第1の端441により近い平面(または傾斜面)よりも後方に配置されればよい。
【0117】
係止壁42の前面420は、ガイド壁44の前面440と同様、第1方向D1に向かうにつれて後方に傾斜していてもよい。この場合、係止壁42の前面420と、その第1方向D1側に実質的に接続するガイド壁44の前面440とが、全体として、第1方向D1に向かうにつれて後方に傾斜する連続的なガイド面を形成する。なお、ガイド壁44の第1の端441が、第2方向D2側の係止壁42から僅かに離間している場合でも、突起52の周方向の長さがその離間距離よりも十分に長ければ、係止壁42の前面420とガイド壁44の前面440とは、全体として、実質的に連続的なガイド面を形成することができる。
【0118】
上記実施形態では、前側部材401と後側部材402とは、前側部材401の係止片413と後側部材402の係止壁42との弾性的な係合を用いて、分離可能に互いに連結されている。しかしながら、後側部材402に、係止壁42とは別個に、係止片413に係合可能な係止部が設けられてもよいし、前側部材401と後側部材402とは、別の方法で分離可能に連結されていてもよい。あるいは、前側部材401と後側部材402とは、実質的に分離不能に連結されていてもよい。
【0119】
ファンユニット1を取り外し可能に装着可能な衣服は、上着9のような上衣である必要はなく、例えば、ズボンのような下衣であってもよい。また、衣服が表地と裏地の2層構造を有する場合には、ファン取付け部93が表地に設けられ、ファンユニット1の装着時には、排気側カバー48が表地と裏地の間の内部空間に配置されてもよい。この場合、襟元や脇等に、適宜、表地と裏地とが縫い合わされない部分(開口部)が設けられることで、内部空間に送出された空気が外部に排出可能とされる。また、衣服におけるファン取付け部93の位置や数は、適宜変更することができる。
【0120】
更に、本発明、上記実施形態及びその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態及びその変形例、ならびに各請求項に記載された発明の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記ハウジングの前記周壁部の前記外周面のうち、少なくとも前記ガイド壁の前方の領域は、前記外周面から径方向外側へ突出する突起を有しない。
[態様2]
前記第1の軸から前記少なくとも1つの係止壁の外周面までの距離は、前記第1の軸から前記少なくとも1つのガイド壁の外周面までの距離と略同一である。
[態様3]
前記リングの前記内周面は、前記少なくとも1つの係止壁の外周面および前記少なくとも1つのガイド壁と少なくとも部分的に実質的に摺動可能である。。
[態様4]
前記第1の軸から前記少なくとも1つの規制壁の外周面までの距離は、前記第1の軸から前記少なくとも1つの係止壁の外周面までの距離よりも小さい。
[態様5]
前記複数の係止壁と前記複数のガイド壁とは、前記周方向において、交互に、実質的に隙間なく配置されている。
[態様6]
前記少なくとも1つの係止壁は、前記第1挟持部の前記前面から前方へ離間して配置され、
前記前後方向において、前記少なくとも1つの係止面の位置は、前記第1の端における前記ガイド面の位置よりも後方、且つ、前記前記第2の端における前記ガイド面の位置よりも前方にある。
[態様7]
前記複数の係止面は、第1係止面と、前記周方向において、前記第1係止面よりも前記第1方向側にある第2係止面とを含み、
前記前後方向において、前記第2係止面は、前記第1係止面よりも後方に位置する。
[態様8]
前記少なくとも1つの係止面は、前記リングが前記ハウジングに装着された状態において、前記少なくとも1つの突起に後方または前方から当接することで、前記前後方向において、前記リングと前記ハウジングとが互いから離れる方向に移動することを妨げるように構成されている。
[態様9]
前記少なくとも1つのガイド壁は、前記周方向に第1の端と第2の端とを有し、
前記少なくとも1つの係止壁は、前記周方向において、前記少なくとも1つのガイド壁の前記第2の端に隣接して設けられており、
前記ガイド面は、前記第1の端から前記第2の端へ向かうにつれて前記前後方向の位置が変化するように構成されている。
[態様10]
前記ガイド面は、前記リングが前記ハウジングに装着される過程で、前記前後方向において前記少なくとも1つの係止面とは逆方向から前記少なくとも1つの突起に当接し、前記少なくとも1つの突起を、前記第1の端から前記第2の端へ向かう第1方向に案内することで、前記リングを前記ハウジングに対して後方に案内し、且つ、前記少なくとも1つの突起を、前記少なくとも1つの係止面に当接可能な少なくとも1つの係止位置に案内するように構成されている。
【符号の説明】
【0121】
1:ファンユニット、3:本体、33:モータ、331:出力シャフト、36:ファン、361:ベース部、363:羽根、37:コネクタ、4:ハウジング、401:前側部材、402:後側部材、41:筒状部、410:外周面、411:外側筒状部、412:凹部、413:係止片、414:爪、415:ガイド溝、416:内側筒状部、417:爪挿入ガイド、418:ガイド突起、42:係止壁、420:前面、421:リング係止部、423:係止面(前側係止面)、424:係止面(後側係止面)、425:開放空間、427:爪係止部、428:挿入孔、429:仕切り壁、43:回転規制部、431:規制壁(第1規制壁)、432:規制壁(第2規制壁)、44:ガイド壁、440:前面、441:第1の端、442:第2の端、445:開放空間、46:フランジ(後側フランジ)、460:前面、47:吸気側カバー、471:吸気口、48:排気側カバー、481:排気口、489:凹部、5:リング、51:筒状部、510:内周面、52:突起、520:前面、53:突条、55:フランジ(前側フランジ)、550:後面、58:タブ、9:上着、90:服地、91:取付け孔、93:ファン取付け部、94:ポケット、95:バッテリホルダ、96:バッテリ、97:接続ケーブル、973:コネクタ、A1:回転軸、A2:中心軸、D1:第1方向、D2:第2方向