(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】インバータ、電源装置、エネルギー制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20240611BHJP
【FI】
H02M7/48 R
(21)【出願番号】P 2021150573
(22)【出願日】2021-09-15
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118876
【氏名又は名称】鈴木 順生
(72)【発明者】
【氏名】司城 徹
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-188595(JP,A)
【文献】特開2017-093290(JP,A)
【文献】特開2019-176584(JP,A)
【文献】特開2016-220352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を実行可能な電力変換部と、
前記電力変換部が前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信する送信部と、
前記電力変換部の状態情報を含み、前記第1情報の真正の確認を要求する認証情報を送信する認証情報送信部と、
を備えたインバータ。
【請求項2】
前記電力系統へ出力する電圧を制御する電圧制御インバータまたは、前記電力系統へ出力する電流を制御する電流制御インバータである
請求項1に記載のインバータ。
【請求項3】
前記送信部は、特定の周期毎に前記上位制御系に対して前記第1情報を送信する
請求項1または2のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項4】
前記送信部は、前記上位制御系からの状態通知要望に基づき前記上位制御系に対して前記第1情報を送信する
請求項1~3のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項5】
前記電力変換部が実行する前記第1動作または前記第2動作を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部に記憶された内容を切り替えることにより、前記電力変換部が実行する動作の切り替えをできる
請求項1~4のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項6】
前記記憶部の記憶された内容を切り替える切替部を備え、
前記切替部は、前記記憶部に記憶された内容を前記第1動作または前記第2動作に切り替える
請求項5に記載のインバータ。
【請求項7】
前記送信部は、前記電力変換部の状態を示す第2情報を通知する
請求項1~6のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項8】
前記送信部は、前記電力変換部の前記慣性力を定量的に把握するための慣性情報を前記上位制御系に送信する
請求項1~7のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項9】
電力を蓄電する蓄電部を備え、
前記蓄電部で放電した電力を、前記電力変換部が前記第1動作で変換する場合において、前記蓄電部が蓄電する電力が特定の蓄電量以下である場合に、前記送信部は、前記電力変換部の前記慣性力に基づく前記慣性情報と異なる前記慣性情報を送信する
請求項8に記載のインバータ。
【請求項10】
前記電力系統への送電を遮断する遮断部を備え、
前記送信部は、前記遮断部が、前記電力系統の送電を遮断し、前記電力変換部が前記第1動作で実行されている場合、前記慣性力に基づき前記電力系統へ出力していないことを前記上位制御系に通知する
請求項1~9のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項11】
前記送信部は無線または有線による通信手段により前記第1情報を送信する
請求項1~10のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項12】
前記第1情報に基づき前記上位制御系から制御指令を受信し、前記制御指令に基づき前記電力変換部を稼働する
請求項1~11のいずれか一項に係るインバータ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に係るインバータを備えたマイクログリッドを制御する
エネルギー制御システム。
【請求項14】
前記マイクログリッドを管理する中央指令システムを備えた
請求項13に記載のエネルギー制御システム。
【請求項15】
再生可能エネルギーを電力に変換する発電部と、
前記発電部で発電した電力を、擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記発電部で発電した電力を、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を実行可能な電力変換部と、
前記電力変換部が前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信する送信部と、
前記電力変換部の状態情報を含み、前記第1情報の真正の確認を要求する認証情報を送信する認証情報送信部と、
を含むインバータ
を備えた電源装置。
【請求項16】
擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を電力変換部において実行可能とし、
前記電力変換部が前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信し、
前記電力変換部の状態情報を含み、前記第1情報の真正の確認を要求する認証情報を送信する、
エネルギー制御方法。
【請求項17】
擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を電力変換部で実行可能なステップと、
前記
電力変換部が前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信するステップと、
前記電力変換部の状態情報を含み、前記第1情報の真正の確認を要求する認証情報を送信するステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インバータ、電源装置、エネルギー制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電等の自然エネルギーを用いた発電装置は、同機発電機のように、回転を電力に変換する機構を有さない。すなわち、当該発電装置で行われる発電は、運動状態を保とうとする慣性を利用した発電ではなく、発電に関する慣性力を有していない。
近年、太陽光発電の主力化に伴い、同期発電機を使用した発電の割合が減少している。このため、電力系統全体の慣性力の低下により、電力系統が不安定となることが懸念される。
インバータに電流源的に振る舞う電流制御インバータ(Grid following inverter)、電圧源的に振る舞う電圧制御インバータ(Grid forming inverter)と呼ばれる制御方法がある。また、Grid following inverterないしはGrid forming inverterにおいて、同期発電機の動作をシミュレーションする制御方法を利用すれば、同期発電機の慣性模擬する仮想同期発電機(VSG:Virtual Synchronous Generator)制御が可能である。これにより、太陽光発電のような慣性力を有しないインバータであっても慣性力があるようにふるまい、電力系統の安定化に寄与することができるようになる。
【0003】
このようなインバータでは、慣性力の模擬の実行有無について容易に切替ができることが多い。電力系統を安定的に運用するには、電力系統を管理する上位制御系においてインバータの模擬の実行有無など、インバータによる慣性の模擬に関する情報を把握する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】J. M. Guerrero, J. Matas, L. G. de Vicuna, M. Castilla, J. Miret, “Wireless-Control Strategy for Parallel Operation of Distributed-Generation Inverters,” in IEEE Transactions on Industrial Electronics, Vol. 53, No. 5, October 2006, pp 1461-1470
【文献】野呂康宏,エネルギーで構成される電力システムを可能とするインバータ制御の提案, Vol.138, No.11 pp854-861, 論文誌B, 2018
【文献】Egon Ortjohann, Arturo Arias, Danny Morton, Alaa Mohd, Nedzad Hamsic, Osama Omari, “Grid-Forming Three-Phase Inverters for Unbalanced Loads in Hybrid Power Systems,” 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conference, 7-12 May 2006
【文献】Grid-Forming Inverters: Are They the Key for High Renewable Penetration?, IEEE Power and Energy Magazine ( Volume: 17, Issue: 6, Nov.-Dec. 2019)
【文献】崎元謙一(2015).インバータ連系形分散電源に適用する仮想同期発電機制御に関する研究, 大阪大学大学院工学研究科博士論文
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、電力系統を管理する上位制御系において、インバータによる模擬した慣性の情報を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態のインバータは、擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電圧を生成する第1動作と、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電圧を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を実行可能な電力変換部と、前記電力変換部が前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信する送信部とを備える。
【0007】
本実施形態の電源装置は、再生可能エネルギーを電力に変換する発電部と、前記発電部で発電した電力を、擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記発電部で発電した電力を、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を実行可能な電力変換部と、前記電力変換部が前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信する送信部と、を含むインバータを備える。
【0008】
本実施形態のエネルギー制御方法は、擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を実行可能とし、前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信する。
【0009】
本実施形態のコンピュータプログラムは、擬似的な慣性力に基づき電力系統へ出力する電力を生成する第1動作と、前記擬似的な慣性力に基づかずに前記電力系統へ出力する電力を生成する第2動作とのうちの少なくとも一方を実行可能な電力変換ステップと、前記電力変換ステップが前記第1動作と前記第2動作のいずれを行っているかを示す第1情報を上位制御系に送信する送信ステップとをコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る電力システムの全体構成図。
【
図3】本実施形態に係るインバータが周期的に上位制御系に慣性力の有無を通知する動作例を概略的に示すフローチャート。
【
図4】本実施形態に係るインバータが上位制御系にインバータの状態を通知する動作例を概略的に示すフローチャート。
【
図5】本実施形態に係るインバータの動作を切替部で切り替えた動作例を概略的に示すフローチャート。
【
図6】本実施形態に係るインバータの状態を切替部で切り替えた動作例を概略的に示すフローチャート。
【
図7】本実施形態に係るインバータが上位制御系からの指令で動作を切り替える動作例を概略的に示すフローチャート。
【
図8】本実施形態に係るインバータが上位制御系からの指令で状態を切り替える動作例を概略的に示すフローチャート。
【
図9】本実施形態に係る電力システムの変形例の全体構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る電力システム1000に係る全体構成を示す。
電力系統11は、開閉器12を介して、電源装置であるインバータ11A、需要家装置13、同期発電装置14と接続されている。インバータ11Aには、太陽光発電装置21Aが接続されている。
電力系統11のうち、インバータ11A、需要家装置13、同期発電装置14が接続された部分系統はマイクログリッド11Mである。マイクログリッド11Mは電力系統11の一部である。
【0012】
インバータ11Aは、太陽光発電装置21Aから供給される直流電力を直流電力または、交流電力に変換することで、需要家装置13で用いる電力を生成及び出力する電子装置である。インバータ11Aのことを、電力変換装置又はPCS(Power Conditioning System)とも呼ぶ。
インバータ11Aは、太陽光発電装置21Aから供給された電力を電力系統11へ出力する電流を制御する電流制御インバータ(Grid following inverter)ないしは電力系統11へ出力する電圧を制御する電圧制御インバータ(Grid forming inverter)として機能する。また、インバータ11Aは、太陽光発電装置21Aから供給された電力を電力系統11へ出力する電流を制御する電流制御インバータとしても機能する。インバータ11Aは、後述する制御部300でインバータ自身の状態を電圧制御インバータまたは、電流制御インバータに切り替えることができる。
需要家装置13は、家庭、学校、工場、事業者などで電力を消費する負荷装置、あるいは、電力系統11における余剰電力を蓄電する蓄電装置などである。需要家装置13は図では1つのみ示されるが、複数の需要家装置13が存在してよい。
【0013】
開閉器12は、インバータ11Aから電力系統11への送電を遮断する遮断部である。
電力系統11に事故等の異常が発生した場合や、作業時又は火災などの緊急時には、開閉器12が開放される。停電の場合や、開閉器12が開放されているとき、マイクログリッド11Mは電力系統11から電気的に分離(遮断)され、電力供給がない状態である。このとき、マイクログリッド11Mは、発電装置及び蓄電装置による再生可能エネルギーを用いて独立して動作可能な分散電源システムとして機能する。
【0014】
通常時、例えば、電力系統11に事故等の異常がない場合は、開閉器12は閉じている。開閉器12が閉じた状態では、太陽光発電装置21Aに接続されたインバータ11Aを介して電力系統11に電力が供給されている。供給された電力は需要家装置13に供給される。電力系統11に事故等の異常が発生した場合などは、開閉器12が開放され、インバータ11Aは、電力系統11から遮断されたマイクログリッド11Mに接続された状態となる。
【0015】
同期発電装置14は交流電力を生成し、電力系統11又はマイクログリッド11Mに提供する交流発電機である。同期発電装置14は、非常用発電機、常用発電機又はこれらの両方を含む。非常用発電機は、一例として非常用ディーゼル発電機である。非常用ディーゼル発電機は、通常時は非運行であり、電力系統11に異常等が発生し、電力系統11から遮断された場合に、作業員からの指示により、運行を開始する。
【0016】
作業員からの指示は同期発電装置14に設けられたボタン等のスイッチにより行ってもよい。あるいは、作業員からの指示は、作業員が使用可能な端末から、コントロールセンターの監視員が使用可能な端末から無線又は有線により指示信号を送信することで行ってもよい。作業員の操作可能な端末は、例えばメンテナス用のタブレット端末である。監視員の操作可能な端末は、例えば、マイクログリッド11Mをオンライン又はオフラインで監視するサーバなどである。
【0017】
同期発電装置14を設けない構成も可能である。非常用および常用として同期発電機を使用する場合は、発電機の調速機(ガバナ)をアイソクロナス特性のものとドループ特性のものを切り替えて使用する場合もある。アイソクロナス特性の場合は、接続される負荷に係わらず、発電機の回転速度が一定になるように制御される。ドループ特性は、接続される負荷の大きさによって発電機の回転速度が変化し、他の同期発電機と負荷変動などへの負荷分担を行う。系統連系する常用時はドループ特性、非常時などにオフグリッドで使う場合は、アイソクロナス特性に切り替えて使用する場合がある。
【0018】
マイクログリッド11Mは、上位制御系200から制御指令を受け取り、上位制御系200からの制御指令に基づき、電力系統ならびにマイクログリッド11Mの電力制御を行う。すなわち電力系統ならびにマイクログリッド11Mの電力制御が遠隔操作で行われる。制御指令の具体例として、周波数指令値,有効電力指令値,電圧指令値又は無効電力指令値がある。制御指令は、これらの指令値の全部又は一部を含むことができる。
【0019】
上位制御系200は、複数の階層構造を有しており、例えば、中央給電指令室201(中央指令システム)、EMS202(第2エネルギーマネジメントシステム)、及びμEMS203(第1エネルギーマネジメントシステム)を備える。中央給電指令室201(中央指令システム)は、最上位の制御系統である。EMS202(第2エネルギーマネジメントシステム)は、中央給電指令室201からの指令を受け、μEMS203を制御する(μEMS203に指令を出す)。μEMS203はEMS202からの指令を受け、インバータ11Aを制御する。
【0020】
電力系統11が通常稼働時、電力系統11から送電網1100を経由して電力が送電される。送電された電力は、トランス400bを介して電圧が変換された後、配電網700を経由して、マイクログリッド11Mに供給される。
【0021】
インバータ11Aはトランス400aを介してマイクログリッド11Mに接続されている。インバータ11Aは、制御部300、電圧センサ112、電流センサ113などの計測部、電力変換部114を備える。制御部300は、電圧センサ112、電流センサ113、電力変換部114に接続されている。電圧センサ112は、マイクログリッド11Mの電圧(インバータ出力端の電圧)を検出し、検出した電圧を示す情報を制御部300に出力する。電流センサ113は、マイクログリッド11Mの電流(インバータ出力端の電流)を検出し、検出した電流を示す情報を制御部300に出力する。
【0022】
電力変換部114は、直流-直流コンバータ(DC/DCコンバータ)および直流-交流流インバータ(DC/ACインバータ)である。これにより、電力変換部114は、太陽光発電装置21Aからの直流を交流に変更する機能および、変換された交流電力をマイクログリッド11M又は電力系統11に出力する機能を有する。
電力変換部114は、電力系統11への出力に擬似的な慣性力を与える慣性動作(第1動作)または、擬似的な慣性力を与えない非慣性動作(第2動作)を実行することができる。
例えば、インバータ11Aの動作が、電圧制御インバータの状態で擬似的な慣性力を与える慣性動作である場合、通常、インバータ11Aは、太陽光発電装置21Aからの出力を、電圧センサ112でモニタした電力系統11に適した電圧に変換する。しかし、電力系統11の電力需要が増大などの変化が発生した場合、インバータ11Aは、有効電力、無効電力を出力することで出力電圧を自動的に変動させる。これにより、電力系統11の周波数などの動揺を抑制する応答を示すことで、電力系統11を安定させる。
【0023】
いずれの動作であっても、後述する制御部300で動作を切り替えることができる。
電力変換部114は、制御部300の元、自装置の単独運転検出用信号として無効電力ないしは有効電力ないしは無効電力および有効電力を出力可能に構成されてもよい。
【0024】
電力変換部114で変換された電力は、トランス400aにより適切な電圧に変換されて、需要家装置13等に出力される。需要家装置13に出力された電力はトランス400cにより適切な電圧に変換され、需要家装置13に供給される。なお、逆潮流が許容される場合は、出力された電力が配電網700、トランス400b、送電網1100を介して電力系統11に送電される場合もある。
【0025】
図2は、本開示の実施形態に係る制御部300に係る構成を示す。
制御部300は、μEMS203からの制御指令を受信し、受信した制御指令を実行することで、インバータ11A、開閉器12を制御する。制御部300は、制御指令を受信する受信部としても機能する。制御部300は、認証システム2000へ認証情報を送信する送信部としても機能する。
【0026】
制御部300は、記憶部310と、演算部320と、送信部330と、認証情報送信部340とを含む。
記憶部310は、インバータ11Aの動作、状態を記憶する半導体である。
記憶部310は、電力系統11に対して擬似的な慣性力を与える慣性動作または、擬似的な慣性力を与えない非慣性動作と電圧制御インバータまたは、電流制御インバータのいずれかの組み合わせでインバータ11Aが動作するかを記憶する。例えば、インバータ11Aは、電圧制御インバータであり、電力系統11に対して慣性動作で稼働することを記憶する。本実施形態では、記憶部310に記憶される内容は、インバータ11Aのファームウェアの情報として記憶される。記憶部310は、記憶したインバータ11Aの動作、状態を演算部320に送信する。
【0027】
記憶部310は、制御部300に接続された操作部15によってファームウェアの内容の書き換えをすることができる。
操作部15は、インバータ11Aと一体化した、作業員からの指示を入力する端末である。操作部15は、作業員の操作可能な端末、又はコントロールセンターの監視員の操作可能な端末でもよい。
操作部15は、インバータ11Aの起動時に、インバータ11Aの動作、状態を選択し、ファームウェアの内容を書き換えることで記憶部310の情報を書き換えることができる。
【0028】
演算部320は、μEMS203から受信した制御指令を実行するために演算し、演算結果を送信することで、インバータ11Aを制御する。
例えば、演算部320は、記憶部310が記憶した情報に基づき、電力変換部114の動作、状態を演算する。また、演算部320は、上位制御系から指令に基づき開閉器12の開閉をする。演算部320は、送信部330、認証情報送信部340へ情報を送信する。演算部320は、記憶部310の情報以外にも演算した情報を送信部330、認証情報送信部340に送信する。例えば、電圧制御インバータの慣性動作に基づく慣性力を定量的に把握するための情報である慣性定数などの情報を送信する。
【0029】
演算部320は、開閉器12と接続しており、演算した結果に基づき開閉器12の開閉を制御する。これにより、電力変換部114の稼働にかかわらず、電力系統11への送電の遮断を制御できる。
【0030】
送信部330は、インバータ11Aの動作(第1情報)、状態(第2情報)について上位制御系に送信する。送信部330は、通信ネットワークにより上位制御系の一つであるμEMS203と通信可能に接続されている。通信ネットワークは、無線LAN、モバイルネットワーク又はブルートゥース等の無線通信ネットワークでも、専用線、イーサネット又はシリアル通信ケーブル等の有線通信ネットワークでもよい。
【0031】
μEMS203は、更に上位の制御系であるEMS202にインバータ11Aの動作、状態を送信する。EMS202は、同様に更に上位の制御系である中央給電指令室201に対して通知された情報を送信する。
送信部330は、μEMS203、EMS202を介さずに直接中央給電指令室201に対して通知をしてもよい。
【0032】
いずれの場合であっても、インバータ11Aの動作、状態は、最終的に最上位制御系である中央給電指令室201に対して送信される。中央給電指令室201は、インバータ11Aが、慣性動作で稼働するかを把握することができる。
【0033】
送信部330は、特定の周期毎、例えば、1分毎や1時間毎にμEMS203に対してインバータ11Aの動作、状態を送信してもよい。また、μEMS203からの状態通知要望を受信した場合に、それに基づきインバータ11Aの動作、状態を送信してもよい。
【0034】
送信部330は、通知するインバータ11Aの動作、状態以外の情報を送信してもよい。例えば、電力システム1000の開閉器12が開放されていることを送信してもよい。例えば、開閉器12が開放され、インバータ11Aと電力系統11が遮断されている場合、
インバータ11Aは、慣性動作で稼働していても電力系統11に出力できない。この場合、インバータ11Aが、慣性動作を行っている場合であっても、送信部330は、電力系統11に擬似的な慣性力に基づき出力することができないことを上位制御系に送信してもよい。
【0035】
例えば、送信部330は、電力変換部114が慣性動作で模擬する慣性力を定量的に把握するための慣性定数などの慣性情報を送信してもよい。
【0036】
認証情報送信部340は、送信部330が上位制御系に対して通知したインバータ11Aの情報の真正の確認を要求する認証情報を認証システム2000に送信する。
【0037】
電力変換部114の動作に基づきインバータ11Aが模擬する慣性力は、ファームウェアの内容を変更することで有無を変更することができる。
インバータ11Aが模擬する慣性力を実際に計測するには、例えば、100ms以下のサンプリング周期が必要である。このため、マイクログリッド11Mや、電力系統11に搭載されたスマートメータによりインバータ11Aが模擬する慣性力を常時監視することは容易でない。これにより、実際には電力系統11に対して慣性力を提供していないにもかかわらず、サンプリング周期をごまかすなどで、上位制御系に対してインバータ11Aが慣性力を模擬しているように偽装することができる。
【0038】
電力系統11は、中央給電指令室201が把握している電力系統11の当該慣性力と実際の電力系統11の当該慣性力との間に差が生じ、電力系統11が不安定となる。
【0039】
中央給電指令室201が、電力系統11の安定化に貢献する慣性力を提供しているインバータに対してインセンティブを提供している場合、慣性力の提供を偽装しているインバータに対してフリーライドを許すこととなる。
【0040】
制御部300の認証情報送信部340は、認証システム2000を通信可能に接続する。認証情報送信部340は、電力変換部114が動作する慣性動作または非慣性動作のいずれかを行っているかを示す情報の真正の確認を要求する認証情報を認証システム2000に送信する。
【0041】
認証システム2000は、認証情報からブロックチェーンに基づく認証をし、認証結果を認証情報により返信してもよい。これにより認証情報送信部340が送信した電力変換部114の動作に係る情報は真正を確認される。
当該認証情報は、例えば、当該インバータの状態から作成した数字の羅列や、インバータの状態をそのまま記載した平文、チェックデジットであってもよい。
このような認証を得て電力系統11に貢献したインバータであると認証する。認証システム2000により真正が確認されたインバータ11Aに対してインセンティブが支払われる。
【0042】
図3は、本実施形態に係るインバータ11Aが周期的に上位制御系に状態を通知する動作例を概略的に示すフローチャートである。
最初に、インバータ11Aの制御部300の演算部320は、インバータ11Aの動作が慣性動作であるかもしくは非慣性動作であるかを判定する(S1001)。慣性動作の場合は、S1002に進み、非慣性動作の場合は、S1003に進む。
【0043】
慣性動作の場合、演算部320は、送信部330にインバータ11Aの動作が慣性動作であることを送信する。送信部330は、インバータ11Aが電力系統11に対して擬似的な慣性力に基づき電力を出力することを上位制御系に通知する(S1002)。非慣性動作の場合、演算部320は、送信部330にインバータの動作が非慣性動作であることを送信する。送信部330は、インバータ11Aが電力系統11に対して擬似的な慣性力に基づき電力を出力しないことを上位制御系に通知する(S1003)。
【0044】
次に、演算部320は、インバータ11Aに終了処理がされたか判定する(S1004)。終了処理がされた場合は、当該処理は終了し、されていない場合は、S1001まで戻る。これにより、終了処理がされるまで、インバータ11Aは、周期的に上位制御系に対してインバータの状態を送信する。
【0045】
図4は、本実施形態に係るインバータ11Aが上位制御系にインバータの状態を通知する動作例を概略的に示すフローチャートである。
最初に、インバータ11Aの制御部300の演算部320は、インバータ11Aの状態が、電圧制御インバータもしくは電流制御インバータかを判定する(S1101)。電圧制御インバータの場合は、S1102に進み、電流制御インバータの場合は、S1103に進む。
【0046】
電圧制御インバータの場合、演算部320は、送信部330にインバータの状態が電圧制御インバータであることを送信する。送信部330は、インバータ11Aの状態が電圧制御インバータであることを上位制御系に通知する(S1102)。電流制御インバータの場合、演算部320は、送信部330にインバータの状態が電流制御インバータであることを送信する。送信部330は、インバータ11Aの状態が電流制御インバータであることを上位制御系に通知する(S1103)。
【0047】
次に、演算部320は、インバータ11Aに終了処理がされたか判定する(S1104)。終了処理がされた場合は、当該処理は終了し、されていない場合は、S1101まで戻る。これにより、終了処理がされるまで、インバータ11Aは、周期的に上位制御系に対してインバータの状態を通知する。
【0048】
図5は、本実施形態に係るインバータ11Aの動作を操作部15で切り替えた動作例を概略的に示すフローチャートである。
最初に、インバータ11Aの切替部である操作部15でインバータ11Aの動作を切り替える(S1201)。制御部300の演算部320は、操作部15がインバータ11Aの動作を慣性動作に切り替えたか、非慣性動作に切り替えたかを判定する(S1202)。慣性動作に切り替えた場合は、S1203に進み、非慣性動作に切り替えた場合は、S1206に進む。
【0049】
次に、慣性動作に切り替えた場合について説明する。インバータ11Aの演算部320は、インバータ11Aの動作が慣性動作であるかもしくは非慣性動作であるかを判定する(S1203)。慣性動作の場合は、S1204に進み、非慣性動作の場合は、S1205に進む。
【0050】
慣性動作の場合、演算部320は、インバータの動作を切り替える必要がないため、そのままの動作を維持する(S1204)。非慣性動作の場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容が非慣性動作から慣性動作に書き換えられたことを確認し、インバータ11Aを慣性動作に切り替える(S1205)。
【0051】
制御部300は、インバータ11Aの現在の動作を表示する。次に、送信部330は、インバータ11Aの動作を上位制御系に通知する(S1206)。
【0052】
非慣性動作に切り替えた場合も同様に、インバータ11Aの制御部300の演算部320は、インバータ11Aの動作が慣性動作であるかもしくは非慣性動作かを判定する(S1207)。慣性動作の場合は、S1208に進み、非慣性動作の場合は、S1209に進む。
【0053】
慣性動作の場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容が慣性動作から非慣性動作に書き換えられたことを確認し、インバータ11Aを非慣性動作に切り替える(S1208)。非慣性動作の場合、演算部320は、インバータの動作を切り替える必要がないため、そのままの動作を維持する(S1209)。
【0054】
図6は、本実施形態に係るインバータ11Aの状態を操作部15で切り替えた動作例を概略的に示すフローチャートである。
最初に、インバータ11Aの切替部である操作部15でインバータ11Aの状態を切り替える(S1301)。制御部300の演算部320は、操作部15がインバータの状態を電圧制御インバータに切り替えたか、電流制御インバータに切り替えたかを判定する(S1302)。電圧制御インバータに切り替えた場合は、S1303に進み、電流制御インバータに切り替えた場合は、S1307に進む。
【0055】
次に、電圧制御インバータに切り替えた場合について説明する。インバータ11Aの制御部300の演算部320は、インバータ11Aの状態が電圧制御インバータもしくは電流制御インバータかを判定する(S1303)。電圧制御インバータの場合は、S1304に進み、電流制御インバータの場合は、S1305に進む。
【0056】
電圧制御インバータの場合、演算部320は、インバータの状態を切り替える必要がないため、そのままの状態を維持する(S1304)。電流制御インバータの場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容が電流制御インバータから電圧制御インバータに書き換えられたことを確認し、インバータ11Aを電圧制御インバータに切り替える(S1305)。電流制御インバータから電圧制御インバータに切り替えるときは、同期化力が発生し、定格を超える電流がインバータに流れる可能性があるため、系統電圧とインバータ出力電圧の振幅、周波数、位相のうち全部ないしは一部をそろえてから投入する同期投入してもよい。
【0057】
制御部300は、インバータ11Aの現在の状態を表示する。次に、送信部330は、インバータ11Aの状態を上位制御系に通知する(S1306)。
【0058】
電流制御インバータに切り替えた場合も同様に、インバータ11Aの制御部300の演算部320は、インバータ11Aの状態を電圧制御インバータもしくは電流制御インバータかを判定する(S1307)。電圧制御インバータの場合は、S1308に進み、電流制御インバータの場合は、S1309に進む。
【0059】
電圧制御インバータの場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容が電圧制御インバータから電流制御インバータに書き換えられたことを確認し、インバータ11Aを電流制御インバータに切り替える(S1308)。電流制御インバータの場合、演算部320は、インバータの状態を切り替える必要がないため、そのままの状態を維持する(S1309)。
【0060】
図7は、本実施形態に係るインバータ11Aが上位制御系からの指令で動作を切り替える動作例を概略的に示すフローチャートである。
最初に、制御部300は、上位制御系からインバータ11Aの動作を切り替える慣性力切替指令を受信する(S1401)。制御部300の演算部320は、慣性力切替指令が慣性動作に切り替える指令か、非慣性動作に切り替える指令かを判定する(S1402)。慣性動作の場合は、S1403に進み、非慣性動作の場合は、S1407に進む。
【0061】
次に、慣性動作に切り替える慣性力切替指令を受信した場合について説明する。インバータ11Aの演算部320は、インバータ11Aの動作が慣性動作であるかもしくは非慣性動作であるかを判定する(S1403)。慣性動作の場合は、S1404に進み、非慣性動作の場合は、S1405に進む。
【0062】
慣性動作の場合、演算部320は、インバータの動作を切り替える必要がないため、そのままの動作を維持する(S1404)。非慣性動作の場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容を非慣性動作から慣性動作に書き換え、インバータ11Aの動作を第1状態に切り替える(S1405)。
【0063】
次に、送信部330は、インバータ11Aの動作を上位制御系に通知する(S1406)。
【0064】
次に、非慣性動作に切り替える慣性力切替指令を受信した場合について説明する。インバータ11Aの演算部320は、インバータ11Aの動作が慣性動作であるかもしくは非慣性動作であるかを判定する(S1407)。慣性動作の場合は、S1408に進み、非慣性動作の場合は、S1409に進む。
【0065】
慣性動作の場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容を慣性動作から非慣性動作に書き換え、インバータ11Aを非慣性動作に切り替える(S1408)。
非慣性動作の場合、演算部320は、インバータの動作を切り替える必要がないため、そのままの動作を維持する(S1409)。
【0066】
図8は、本実施形態に係るインバータ11Aが上位制御系からの指令で状態を切り替える動作例を概略的に示すフローチャートである。
最初に、制御部300は、上位制御系からインバータ11Aの状態を切り替えるインバータ制御切替指令を受信する(S1501)。制御部300の演算部320は、慣性力切替指令が電圧制御インバータに切り替える指令か、電流制御インバータに切り替える指令かを判定する(S1502)。電圧制御インバータの場合は、S1503に進み、電流制御インバータの場合は、S1503に進む。
【0067】
次に、電圧制御インバータに切り替えるインバータ制御切替指令を受信した場合について説明する。インバータ11Aの演算部320は、インバータ11Aの状態が電圧制御インバータであるかもしくは電流制御インバータであるかを判定する(S1503)。電圧制御インバータの場合は、S1504に進み、電流制御インバータの場合は、S1505に進む。
【0068】
電圧制御インバータの場合、演算部320は、インバータの状態を切り替える必要がないため、そのままの状態を維持する(S1504)。電流制御インバータの場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容を電流制御インバータから電圧制御インバータに書き換え、インバータ11Aを電圧制御インバータに切り替える(S1505)。
【0069】
次に、送信部330は、インバータ11Aの状態を上位制御系に通知する(S1506)。
【0070】
次に、電流制御インバータに切り替えるインバータ制御切替指令を受信した場合について説明する。インバータ11Aの演算部320は、インバータ11Aの状態が電圧制御インバータであるかもしくは電流制御インバータであるかを判定する(S1507)。電流制御インバータの場合は、S1508に進み、電圧制御インバータの場合は、S1509に進む。
【0071】
電流制御インバータの場合、演算部320は、インバータの状態を切り替える必要がないため、そのままの状態を維持する(S1508)。
電圧制御インバータの場合、演算部320は、記憶部310のファームウェアの内容を電圧制御インバータから電流制御インバータに書き換え、インバータ11Aを電流制御インバータに切り替える(S1509)。
【0072】
以上、本実施形態によれば、インバータ11Aは、慣性の模擬に関する情報を上位制御系に対して通知する。
これにより、中央給電指令室201等上位制御系は、電力系統11に対して与えられる慣性力について実態を把握することができる。すなわち、インバータ11Aなどに対して適切な制御をすることで電力系統11全体を安定化することができる。
【0073】
(変形例1)
図9は、本実施形態に係る電力システム1000の変形例の全体構成図を示す。
インバータ11Aは、電力供給する充放電可能な2次電池である蓄電池22Aを備える。
蓄電池22Aは、必要に応じて充放電する。例えば、電力系統11の電力需要が少なく余裕がある場合に、蓄電池22Aは、電力系統11より電力を充電することで蓄電する。
蓄電池22Aは、電力系統11の電力需要が増大した場合に、蓄電した電力を放電し、電力変換部114を介して電力系統11に電力を供給する。
【0074】
蓄電池22Aの蓄電量は限りがある。電力変換部114が慣性動作であっても、蓄電池22Aが蓄電する電力が特定の蓄電量以下である場合、インバータ11Aは、電力系統11に対して模擬した慣性力を提供することができない。
送信部330は、上位制御系に対して、インバータ11Aの動作に基づく慣性情報とは異なる実際の慣性力の提供の情報を送信する。
これにより、インバータ11Aの動作にかかわらず、実際にインバータ11Aが電力系統11に対して慣性力を提供できるかを送信する。インバータ11Aは、機器の動作にかかわらず、電力系統11に対して実際に慣性力を提供できるかどうかを優先して情報を送信することができる。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0076】
11 電力系統
11M マイクログリッド
12 開閉器
13 需要家装置
14 同期発電装置(非常用発電機、常用発電機)
15 操作部
11A インバータ(電子装置)
21A 太陽光発電装置(電力供給装置)
22A 蓄電池
112 電圧センサ
113 電流センサ
114 電力変換部
200 上位制御系
201 中央給電指令室
202 EMS
203 μEMS
300 制御部
310 記憶部
320 演算部
330 送信部
340 認証情報送信部
400、400a、400b、400c トランス
700 配電網
1000 電力システム
1100 送電網
2000 認証システム