(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】電圧変換装置、及び、製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 2/10 20060101AFI20240611BHJP
H01G 9/06 20060101ALI20240611BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240611BHJP
H01L 25/07 20060101ALN20240611BHJP
H01L 25/18 20230101ALN20240611BHJP
【FI】
H01G2/10 600
H01G2/10 C
H01G2/10 J
H01G9/06
H05K1/02 A
H01L25/04 C
(21)【出願番号】P 2021187351
(22)【出願日】2021-11-17
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 常弘
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186275(JP,A)
【文献】特開2011-91247(JP,A)
【文献】特開2006-191763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02
H01G 2/10
H01G 9/06
H01G 9/08
H01L 25/00
H01L 25/07
H01L 25/18
H02M 7/42-7/98
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換機能を有する電子部品を搭載した基板と、
前記基板に着脱可能に取り付けられて、前記基板と電気的に接続されるキャパシタユニットと、を備え、
前記キャパシタユニットは、
キャパシタと、
前記キャパシタが搭載されるキャパシタ用基板と、
前記キャパシタと前記キャパシタ用基板とが封入される樹脂と、を有
し、
前記基板と、前記キャパシタユニットと、を収容するケースを更に有し、
前記ケースの一部には、開口が設けられ、
前記キャパシタユニットは、
前記キャパシタと前記キャパシタ用基板とが封入された前記樹脂に取り付けられ、且つ、前記開口を塞ぐ金属製のカバーを更に有し、
前記カバーの上面が前記開口に嵌め込まれる、
電圧変換装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の電圧変換装置において、
前記基板に設けられたバネ端子と、前記キャパシタユニットに設けられた端子部と、が弾性的に接続される、
電圧変換装置。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の電圧変換装置の製造方法であって、
前記キャパシタの種類が異なる複数の前記キャパシタユニットの中から、一又は複数の前記キャパシタユニットを選択する選択工程と、
前記選択工程によって選択された前記キャパシタユニットを前記基板に搭載する搭載工程と、を含む、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換装置、及び、製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、直流の入力電圧を所定の電圧に変換する電圧変換装置がある。例えば、従来の電圧変換装置の一つは、電気自動車(EV;Electric Vehicle)等の車両に搭載され、電力変換機能を有する電子部品(例えばトランス等)を用いて、電圧を車両の制御に応じて所定の電圧に昇圧(又は降圧)して蓄電池に充電等している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、電圧変換装置では、変圧時のスイッチング等の影響によって電流にノイズが生じてしまうため、電流に生じたノイズを除去する必要がある。従来の電圧変換装置の多くは、ノイズフィルタ機能を有するキャパシタを、トランス等を有する基板に搭載することによって上記ノイズに対応している。
【0005】
ところで、上述した電圧変換装置は、搭載される車両の影響等によって加速度が掛かる場合がある。このような場合、基板に搭載されるキャパシタは、キャパシタ自体の形状の都合上、加速度の影響を大きく受けてしまい、基板から離脱してしまうおそれがあった。上述したようなキャパシタの基板からの離脱を対処するため、プラスチック等の合成樹脂を土台としてキャパシタの下端部を押さえる方法がある。しかしながら、上記方法では、土台が高価であるため、製造コストが嵩んでしまうという懸念があった。
【0006】
また、従来の電圧変換装置では、キャパシタを含む基板は、筐体内部に収容されることが多いため、基板に対してキャパシタを換装することが考慮されておらず、この反面、熱の影響によるキャパシタの不具合や高温下受電によるキャパシタの経年劣化等を考慮して、必要数以上のキャパシタが基板に搭載されていた。これにより、電圧変換装置は、キャパシタの数が増大してしまい、製造コストが更に嵩んでしまっていた。
【0007】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストの削減を図れる電圧変換装置、及び、製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電圧変換装置は、下記を特徴としている。
【0009】
電力変換機能を有する電子部品を搭載した基板と、
前記基板に着脱可能に取り付けられて、前記基板と電気的に接続されるキャパシタユニットと、を備え、
前記キャパシタユニットは、
キャパシタと、
前記キャパシタが搭載されるキャパシタ用基板と、
前記キャパシタと前記キャパシタ用基板とが封入される樹脂と、を有し、
前記基板と、前記キャパシタユニットと、を収容するケースを更に有し、
前記ケースの一部には、開口が設けられ、
前記キャパシタユニットは、
前記キャパシタと前記キャパシタ用基板とが封入された前記樹脂に取り付けられ、且つ、前記開口を塞ぐ金属製のカバーを更に有し、
前記カバーの上面が前記開口に嵌め込まれる、
電圧変換装置であること。
【0010】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る製造方法は、下記を特徴としている。
【0011】
上記電圧変換装置の製造方法であって、
前記キャパシタの種類が異なる複数の前記キャパシタユニットの中から、一又は複数の前記キャパシタユニットを選択する選択工程と、
前記選択工程によって選択された前記キャパシタユニットを前記基板に搭載する搭載工程と、を含む、
製造方法であること。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電圧変換装置について以下に述べる。
本構成の電圧変換装置によれば、キャパシタユニットは、電力変換機能を有する電子部品を搭載した基板に着脱可能に取り付けられている。これにより、熱の影響によってキャパシタに不具合や高温下受電によるキャパシタの経年劣化等が生じても、キャパシタユニットを基板から取り外し、交換することができる。換言すると、基板に対してキャパシタユニットを換装できるため、必要数以上のキャパシタをキャパシタ用基板に搭載しなくてもよい。この結果、本構成の電圧変換装置は、従来の電圧変換装置に比べ、キャパシタの数が削減される。
【0013】
更に、本構成の電圧変換装置によれば、例えば電圧変換装置に加速度が掛かった場合にも、キャパシタ及びキャパシタ用基板が樹脂に封入されているため、キャパシタのキャパシタ用基板からの離脱が抑制される。これにより、従来の電圧変換装置のように、高価である土台を設けなくてもよい。
【0014】
このように、本構成の電圧変換装置は、従来の電圧変換装置に比べ、製造コストが削減される。
【0015】
なお、本構成の電圧変換装置におけるキャパシタユニットは、電圧変換時に発生するノイズを除去する機能を果たすノイズフィルタとして想定されているが、これに限定されるものではない。また、本発明に係る製造方法についても、電圧変換装置の上記効果を奏し得る。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る電圧変換装置を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すキャパシタユニットの概略断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すキャパシタユニットを上面視した概略断面図である。
【
図4】
図4は、キャパシタユニットの基板への搭載工程を説明する概略断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態に係る電圧変換装置1について図面を参照しながら説明する。電圧変換装置1は、例えば、電気自動車やICT(Information and Communication Technology)端末としての機能を有するコネクテッドカー等、自動車の車両に搭載される。
【0019】
図1に示すように、電圧変換装置1は、キャパシタユニット10と、キャパシタユニット10が着脱可能に取り付けられる基板20と、キャパシタユニット10及び基板20を収容するケース30と、を含んで構成されている。以下、電圧変換装置1を構成するキャパシタユニット10、基板20、及びケース30について順に説明する。
【0020】
まず、キャパシタユニット10について説明する。
図1及び
図2に示すように、キャパシタユニット10は、キャパシタ11と、キャパシタ11が搭載されるキャパシタ用基板12と、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入された樹脂13と、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入された樹脂13に取り付けられるカバー14と、を有している。
【0021】
キャパシタ11は、電圧変換装置1の電圧変換時に発生するノイズを除去するノイズフィルタとして用いられることから、静電容量が大きい(即ち、インピーダンスが低い)ものが好ましい。このため、キャパシタ11としては、例えば、アルミ電解コンデンサ等が用いられる。
【0022】
図3に示すように、キャパシタ用基板12には、後述する端子部18と電気的に接続されている有電位領域17が設けられている。有電位領域17とは、例えば、キャパシタ用基板12に設けられた回路パターンである。有電位領域17としては、バッテリ等の電極と接続される陽極領域17a、及びグラウンドと接続されるグラウンド領域17bがある。更に、キャパシタ用基板12には、後述する基板20のバネ端子21と弾性的且つ電気的に接続される端子部18が設けられている。
【0023】
樹脂13は、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入可能な固化樹脂から構成されている。ただし、樹脂13は、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入されれば、これに限定されるものではない。
【0024】
カバー14は、金属材料から構成されている。カバー14は、
図2及び
図3に示すように、下面が開口する有底の略矩形筒状の形状を有している。カバー14の側壁の下端部には、カバー14の外側に向けて延びるフランジ15が設けられている。
【0025】
フランジ15には、キャパシタユニット10の基板20への搭載時にねじ4が挿通されるねじ孔16が設けられている。つまり、フランジ15は、キャパシタユニット10の基板20への搭載時において締結部としての機能を果たす。
【0026】
ここで、キャパシタユニット10の製造方法について説明する。はじめに、複数のキャパシタ11を基板20に搭載する。具体的には、各キャパシタ11の一対のリード線(図示省略)を、基板20の陽極領域17a及びグラウンド領域17bに、それぞれ、電気的に接続させる。
【0027】
次に、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12を樹脂13に封入する。具体的には、キャパシタ11が搭載されたキャパシタ用基板12を、例えば容器(図示省略)に収容し、容器に樹脂13を流し入れて、種々の方法によって樹脂13を固化させる。このとき、樹脂13は、キャパシタ11の下端部が埋もれるまで流し入れられる。これにより、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12は樹脂13に封入される。
【0028】
次に、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入された樹脂13にカバー14を取り付ける。具体的には、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入された樹脂13に対して、上方からカバー14を被せる。このようにして、キャパシタユニット10が得られる。
【0029】
なお、本実施形態では、カバー14が、キャパシタ11及び樹脂13を含むキャパシタ用基板12に対応する形状を有しているため、カバー14の下面の開口部分にキャパシタ用基板12が嵌め合わされている。
【0030】
ただし、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が封入された樹脂13へのカバー14の取付態様はこれに限定されるものではない。更に、キャパシタユニット10の製造方法は上記に限定されるものではなく、適宜設定されればよい。以上、キャパシタユニット10について説明した。
【0031】
次いで、基板20について説明する。基板20は、電圧変換装置1の電子(電気)回路を構成するものである。基板20は、例えば、プリント基板(PCB:Printed Circuit Board)等によって構成されている。
【0032】
つまり、基板20は、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層に、銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されることで当該配線パターンによって回路体が構成されている。
【0033】
図4に示すように、基板20は、片持ち梁状の形状を有するバネ端子21を含んで構成されている。バネ端子21は、基板20の回路パターンと電気的に接続される基板接続部22と、キャパシタユニット10の端子部18と電気的に接続される端子接続部23と、基板接続部22及び端子接続部23の間に位置する中間部24と、が一体に構成されている。
【0034】
図1に示すように、基板20には、キャパシタユニット10のほかにトランス2及びヒートシンク3等が搭載されている。トランス2は、例えば、スイッチング素子(図示省略)におけるスイッチのオン・オフの制御によって直流電源から変換された交流電圧を昇圧又は降圧する。ヒートシンク3は、変圧時に発生する熱を放熱・排熱する機能を果たす。
【0035】
基板20には、トランス2及びヒートシンク3以外にも種々の電子部品が搭載されているが、説明を省略する。なお、トランス2は、本発明の「電力変換機能を有する電子部品」に対応している。以上、基板20について説明した。
【0036】
次いで、ケース30について説明する。ケース30は、金属材料から構成されており、キャパシタユニット10及び基板20を収容する。
図1に示すように、ケース30は、上面が開口したケース本体31と、ケース本体31の上面開口を覆うようにケース本体31に組み付けられるケースカバー32と、を含んで構成されている。ケース本体31及びケースカバー32は、例えば、双方に設けられた係止部同士が係止されることによって、組付状態からの離脱が抑制される。
【0037】
ケースカバー32の上面の一部には、キャパシタユニット10のカバー14の上面形状に対応する開口33が設けられている。ケース30がキャパシタユニット10及び基板20を収容すると、開口33はカバー14の上面によって塞がれる。以上、ケース30について説明した。
【0038】
以上、電圧変換装置1を構成するキャパシタユニット10、基板20、及びケース30について説明した。電圧変換装置1は、基板20にキャパシタユニット10が搭載されて、キャパシタユニット10が搭載された基板20がケース30に収容されることによって得られる。以下、電圧変換装置1の製造方法について説明する。
【0039】
はじめに、キャパシタ11の種類が異なる複数のキャパシタユニット10の中から、一又は複数のキャパシタユニット10を選択する(この工程は、本発明の「選択工程」に対応している。)。
【0040】
一般に、国や地域によって気温等の環境が異なることから、電圧変換装置1が搭載される車両が使用される国や地域によってキャパシタ11の搭載数等が異なる。このため、国や地域に対応するキャパシタ11が搭載されたキャパシタユニット10を選択する。なお、本実施形態のキャパシタ11の種類には、キャパシタ11の容量やキャパシタ11の搭載数等を含まれており、キャパシタ11の種類とはこれらを包括した呼称である。
【0041】
次に、上記選択工程によって選択されたキャパシタユニット10を基板20に搭載する(この工程は、本発明の「搭載工程」に対応している。)。具体的には、キャパシタユニット10を基板20の所定位置に載置して、キャパシタユニット10のフランジ15のねじ孔16、及び基板20のねじ孔(図示省略)にねじ4を挿通させて締結する。
【0042】
上記所定位置としては、トランス2から離れた位置であることが好ましく、ヒートシンク3がトランス2との間に挟まれた位置であることがより好ましい。これは、高温環境下において、キャパシタ11の動作等に不具合や高温下受電によるキャパシタの経年劣化等が生じてしまうためである。なお、キャパシタユニット10の基板20への搭載(取り付け)はこれに限定されるものではない。
【0043】
図4に示すように、キャパシタユニット10は、基板20への搭載時には、端子部18が、基板20のバネ端子21の上方に配置された状態にて下方に移動される。これにより、端子部18とバネ端子21とが弾性的且つ電気的に接続される。つまり、キャパシタユニット10と基板20とが電気的に接続される。
【0044】
次に、キャパシタユニット10が搭載された基板20をケース30に収容する(収容工程)。具体的には、キャパシタユニット10が搭載された基板20をケース本体31に載置して、ケース本体31にケースカバー32を組み付ける。このとき、ケースカバー32の開口33にキャパシタユニット10のカバー14の上面が嵌め込まれる。これにより、キャパシタユニット10及び基板20は、ケース30に収容される。
【0045】
なお、止水性の観点から、キャパシタユニット10のカバー14とケース30の開口33との間には、パッキン等の止水部材が設けられることが好ましい。このように、上記工程によって電圧変換装置1が得られる。
【0046】
例えば、キャパシタユニット10を交換する際には、ケース30からキャパシタユニット10が搭載された基板20を取り出して、基板20からキャパシタユニット10を取り外し、そして、新たなキャパシタユニット10を選択して上述した工程を行えばよい。以上、電圧変換装置1の製造方法について説明した。
【0047】
<作用・効果>
本実施形態に係る電圧変換装置1によれば、キャパシタユニット10は、基板20に着脱可能に取り付けられている。これにより、基板20に対してキャパシタユニット10を換装できるため、必要数以上のキャパシタ11をキャパシタ用基板12に搭載しなくてもよい。また、キャパシタ11をキャパシタユニット10として、基板20やケース30と別ユニット化することによって、キャパシタ11への伝熱性を低減させることができる。この結果、本実施形態に係る電圧変換装置1は、従来の電圧変換装置に比べ、キャパシタ11の搭載数を削減できる。
【0048】
更に、本実施形態に係る電圧変換装置1によれば、例えば電圧変換装置1に加速度が掛かった場合にも、キャパシタ11及びキャパシタ用基板12が樹脂13に封入されているため、キャパシタ11のキャパシタ用基板12からの離脱が抑制される(即ち、耐震性が向上される。)。これにより、従来の電圧変換装置のように、高価である土台を設けなくてもよい。
【0049】
このように、本実施形態に係る電圧変換装置1は、従来の電圧変換装置に比べ、製造コストが削減される。
【0050】
更に別の効果として、本実施形態に係る電圧変換装置1によれば、キャパシタユニット10のカバー14の上面が、ケース30のケースカバー32に設けられた開口33を塞ぐように構成されている。これにより、ケースカバー32の高さを基板20に搭載されたキャパシタユニット10の高さに合わせることができ、電圧変換装置1の大型化を抑制できる。
【0051】
更に別の効果として、キャパシタユニット10の端子部18と、基板20のバネ端子21と、が弾性的に接続される。これにより、容易に、キャパシタユニット10と基板20とを電気的に接続できる。
【0052】
なお、本実施形態に係る製造方法についても電圧変換装置1の上記「作用・効果」を奏し得る。
【0053】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0054】
本実施形態では、キャパシタユニット10のカバー14には、フランジ15が一つしか設けられていなかったが、複数設けられていてもよい。複数のフランジ15がカバー14に設けられることによって、キャパシタユニット10の基板20からの離脱が確実に抑制される。
【0055】
本実施形態では、キャパシタ11は、端子部18を介してグラウンドと接続されていたが、例えば、基板20との締結部であるフランジ15及びねじ4を介してグラウンドと接続されてもよい。
【0056】
本実施形態では、キャパシタユニット10は、ケース本体31からケースカバー32が取り外された状態で基板20に搭載されているが、ケース本体31にケースカバー32が組み付けられた状態で基板20に搭載されるように構成されていてもよい。つまり、ケースカバー32の開口33から基板20に向けてキャパシタユニット10を挿入するようにして搭載してもよい。
【0057】
図5に示すように、キャパシタユニット10aのカバー14aにフランジ部が設けられていなくてもよい。この場合、ねじ孔16aは、例えば、キャパシタ用基板12の中央部分に設けられていればよい。これにより、キャパシタユニット10aの小型化を図ることができる。
【0058】
ここで、上述した本発明に係る電圧変換装置、及び、製造方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電力変換機能を有する電子部品を搭載した基板(20)と、
前記基板に着脱可能に取り付けられて、前記基板と電気的に接続されるキャパシタユニット(10)と、を備え、
前記キャパシタユニット(10)は、
キャパシタ(11)と、
前記キャパシタが搭載されるキャパシタ用基板(12)と、
前記キャパシタと前記キャパシタ用基板とが封入される樹脂(13)と、を有する、
電圧変換装置(1)。
[2]
上記[1]に記載の電圧変換装置(1)において、
前記基板(20)と、前記キャパシタユニット(10)と、を収容するケース(30)を更に有し、
前記ケース(30)の一部には、開口(33)が設けられ、
前記キャパシタユニット(10)は、
前記キャパシタ(11)と前記キャパシタ用基板(12)とが封入された前記樹脂(13)に取り付けられ、且つ、前記開口(33)を塞ぐ金属製のカバー(14)を更に有する、
電圧変換装置(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の電圧変換装置(1)において、
前記基板(20)に設けられたバネ端子(21)と、前記キャパシタユニット(10)に設けられた端子部(18)と、が弾性的に接続される、
電圧変換装置(1)。
[4]
上記[1]から上記[3]の何れか一つに記載の電圧変換装置(1)の製造方法であって、
前記キャパシタ(11)の種類が異なる複数の前記キャパシタユニット(10)の中から、一又は複数の前記キャパシタユニット(10)を選択する選択工程と、
前記選択工程によって選択された前記キャパシタユニット(10)を前記基板(20)に搭載する搭載工程と、を含む、
製造方法。
【符号の説明】
【0059】
1 電圧変換装置
2 トランス
3 ヒートシンク
4 ねじ
10,10a キャパシタユニット
11 キャパシタ
12 キャパシタ用基板
13 樹脂
14,14a カバー
15 フランジ
16,16a ねじ孔
17 有電位領域
17a 陽極領域
17b グラウンド領域
18 端子部
20 基板
21 バネ端子
22 基板接続部
23 端子接続部
24 中間部
30 ケース
31 ケース本体
32 ケースカバー
33 開口