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特許7502275骨格型AEIを有するゼオライト材料の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】骨格型AEIを有するゼオライト材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20240611BHJP
   B01J 29/70 20060101ALI20240611BHJP
   B01J 37/10 20060101ALI20240611BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
C01B39/48
B01J29/70 A
B01J37/10
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021513769
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2019074066
(87)【国際公開番号】W WO2020053191
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】18193662.6
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】マクガイア,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】エツキリム,ファルーク
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ウルリヒ
【審査官】廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0118150(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0128921(US,A1)
【文献】中国特許第106467306(CN,B)
【文献】特開2017-081809(JP,A)
【文献】国際公開第2016/149234(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20-39/54
B01J 21/0-37/54
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を製造する方法であって、
(i) 水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とを含む合成混合物を調製する工程であって、前記Yの源および前記Xの源のうちの1種以上がナトリウムを含む工程、
(ii) 工程(i)から得られた前記合成混合物を100~180℃の範囲の温度に加熱し、前記合成混合物をこの範囲の温度で少なくとも6時間の範囲の時間自己発生圧力下に維持して、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有する前記ゼオライト材料をその母液中に含ませて得る工程、
を含み、
ここで工程(i)で調製し工程(ii)に供する前記合成混合物において、元素ナトリウムとして計算される前記ナトリウムの源の少なくとも50質量%が、ナトリウムを含む前記Yの源および前記Xの源のうちの1種以上からなり、
Yが、Si、Ge、S、Ti、およびZrの1種以上であり、そして
Xが、Al、B、Ga、およびInの1種以上であり、且つ
骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素X、およびOを含む骨格構造とを有する、得られる前記ゼオライト材料が、以下の特徴(1)~(3)のうちの1つ以上:
(1) ISO9277に従って決定して、200~340m/gの範囲のBET比表面積、
(2) XRD分析によって決定した、少なくとも60%の結晶化度、
(3) DIN66131により決定して、290~430m/gの範囲のラングミュア表面積
を示す、方法。
【請求項2】
工程(i)で調製し工程(ii)に供する前記合成混合物において、元素ナトリウムとして計算される前記ナトリウムの源の少なくとも75質量%が、ナトリウムを含む前記Yの源および前記Xの源のうちの1種以上からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(i)で調製し工程(ii)に供する前記合成混合物において、前記ナトリウムの源が、ナトリウムを含む前記Yの源および前記Xの源のうちの1種以上からなる、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
YがSiを含み、XがAlを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記Yの源がナトリウムシリケート(NaSiOOを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記Xの源が、ナトリウムアルミネートを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
工程(i)で調製し工程(ii)に供する前記合成混合物において、YOとして計算される前記Yの源の、Xとして計算される前記Xの源に対するモル比が、5:1~25:1の範囲であり、YOとして計算される前記Yの源の、前記AEI骨格構造指向剤に対するモル比が、1:1~10:1の範囲であり、前記AEI骨格構造指向剤がN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドを含み、YOとして計算される前記Yの源の、前記水に対するモル比が、0.01:1~1:1の範囲である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程(i)から得られた前記合成混合物の工程(ii)における加熱を、140~160℃の範囲で行うか、または工程(i)から得られた前記合成混合物の工程(ii)における加熱を、100~140℃の範囲の温度で行う、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
(iii) 工程(ii)から得られた前記合成混合物を冷却する工程、
(iv) 工程(ii)から得られた前記合成混合物から前記ゼオライト材料を分離する工程、
をさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素X、およびOを含む骨格構造とを有する、得られる前記ゼオライト材料が、以下の特徴(1)~(3)のうちの1つ以上:
(1) ISO9277に従って決定して、240~300m/gの範囲のBET比表面積、
(2) XRD分析によって決定した、少なくとも70%の結晶化度、
(3) DIN66131により決定して、310~410m/gの範囲のラングミュア表面積
を示す、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
(vi.1) 工程(iv)または(v)から得られた前記ゼオライト材料をイオン交換条件に供する工程であって、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から得られた前記ゼオライト材料と接触させて、骨格型AEIを有するゼオライト材料をアンモニウム型で得ることを含む工程、
をさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
(viii) 金属Mを前記ゼオライト材料に担持する工程
をさらに含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程(viii)が、
(viii.1) 前記ゼオライト材料と、金属Mの源と、金属Mの源の溶媒とを含む混合物を調製する工程、
(viii.2) 工程(viii.1)で調製した前記混合物を30~90℃の範囲の温度に加熱する工程、
(viii.4) 工程(viii.2)から得られた混合物から、前記金属Mを含む前記ゼオライト材料を分離する工程、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程(viii)により、前記金属Mが、MOとして計算して、前記ゼオライト材料の合計質量に基づいて、1~11質量%の範囲の量で、前記ゼオライト材料上に担持される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
骨格型AEIを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物であって、
四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有し、9.4テスラで、10kHzマジックアングルスピニング下、15°のシングルパルスアクイジションシーケンスを使用して、D O、1.1モル/kg中のAl(NO をゼロ基準として参照して決定して、62.0~54.0ppmの範囲の共振およびピーク最大値を含む、27Al固体NMRスペクトルを示し、
Yは、Si、Ge、S、Ti、およびZrのうちの1種以上であり、そして
Xは、Al、B、Ga、およびInのうちの1種以上であり、
Xは、Alを含み、
骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物の50質量%超が、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料から構成され、
固体酸化物組成物は、骨格型AEIを有するゼオライト材料と、骨格型AFIを有するゼオライト材料とを含むか、又は固体酸化物組成物が、骨格型AEIを有するゼオライト材料と骨格型GMEを有するゼオライト材料とを含む、固体酸化物組成物。
【請求項16】
触媒活性材料として、触媒として、または触媒成分としての、請求項15に記載のゼオライト材料の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を製造する方法に関する。さらに本発明は、好ましくは前記方法によって得ることができるまたは得られる、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料に関し、さらに、前記ゼオライト材料を触媒活性材料として、触媒として、または触媒成分として使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨格型AEIを有するゼオライト材料は、産業用途において燃焼排気ガスを処理するための、例えば排気ガス流中の窒素酸化物(NO)を変換するための、またはC1化合物を1種以上のオレフィンに変換するための、触媒または触媒成分として潜在的に有効であることが知られている。合成AEIゼオライト材料は一般に、ゼオライト骨格を構築する元素の源、例えば、四価元素Yの源、三価元素Xの源、およびOを含有する合成混合物から、ゼオライト材料の結晶を析出させることによって製造される。
【0003】
WO2016/080547A1は、AEI型ゼオライトの製造方法を開示しており、ここでは、ゼオライト骨格を構築する元素の上述の源と共に、さらにアルカリ(ナトリウム)源、例えばNaOHの添加によって、ナトリウム源が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2016/080547A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明により、追加のアルカリ(ナトリウム)源を含む代わりに、有利にはYの源およびXの源のうちの1種以上がナトリウムを含むべきであることが見出された。従って本発明の目的は、骨格型AEIを有するゼオライト材料の製造に用いることができる、ナトリウムの適した源を見出すことであり、ここでYの源およびXの源のうちの1種以上がナトリウムを含む。驚くべきことに、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも50質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなるべきであることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明は、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を製造する方法に関し、前記方法は、
(i) 水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とを含む合成混合物を調製する工程であって、Yの源およびXの源のうちの1種以上がナトリウムを含む工程、
(ii) 工程(i)から得られた合成混合物を100~180℃の範囲の温度に加熱し、合成混合物をこの範囲の温度で少なくとも6時間の範囲の時間自己発生圧力下に維持して、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料をその母液中に含ませて得る工程、
を含み、
ここで工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも50質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなり、
Yが、Si、Ge、S、Ti、およびZrの1種以上であり、そして
Xが、Al、B、Ga、およびInの1種以上である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施例1によるゼオライト材料のXRDパターンを示す。
図2図2は、実施例2によるゼオライト材料のXRDパターンを示す。
図3図3は、実施例2によるゼオライト材料のSEM写真を示す。
図4図4は、実施例4の選択的触媒還元試験で得られた結果を示す。
図5図5は、実施例2によるゼオライト材料の27Al-NMRスペクトルを示す。
図6図6は、実施例2によるゼオライト材料の29Si-NMRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも75質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる。より好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる。
【0009】
好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、ナトリウムの源は、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる。
【0010】
好ましくは、YはSiを含み、より好ましくはSiである。好ましくは、XはAlを含み、より好ましくはAlである。より好ましくは、YはSiでありXはAlである。
【0011】
一般に、工程(i)によれば、四価元素Yの任意の適した源を使用することができる。好ましくは、Yの源はナトリウムシリケート(NaSiOOを含み、式中、nは、好ましくは1~5の範囲、より好ましくは1~3の範囲の整数、より好ましくは1または2である。好ましくは、Yの源はNaSiOを含み、より好ましくはNaSiOである。好ましくは、Yの源は、湿式プロセスシリカ、乾式プロセスシリカ、およびコロイダルシリカのうちの1種以上を含む。より好ましくは、Yの源はコロイダルシリカを含む。より好ましくは、Yの源はNaSiOおよびコロイダルシリカを含み、より好ましくはNaSiOおよびコロイダルシリカである。
【0012】
四価元素Yの源に関して、Yの源が、湿式プロセスシリカ、乾式プロセスシリカ、およびコロイダルシリカのうちの1種以上を含まないことが代替として好ましく、より好ましくは、Yの源はコロイダルシリカを含まない。
【0013】
一般に、工程(i)によれば、三価元素Xの任意の適した源を使用することができる。好ましくは、Xの源は、ナトリウムアルミネート、より好ましくはNaAlO、NaAl(OH)、NaO・Al、NaAl、NaAlO、NaAl、Na17Al16、およびNaAl1117の1種以上を含む。より好ましくは、Xの源はNaAlOを含み、より好ましくはNaAlOである。
【0014】
工程(i)によれば、AEI骨格構造指向剤は、工程(ii)による骨格型AEIを有するゼオライト材料の製造をもたらす任意の薬剤であってよい。好ましくは、AEI骨格構造指向剤は、1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物を含み、
ここで、1種以上のホスホニウムカチオン含有化合物は、1種以上のR-含有化合物を含み、式中、R、R、R、およびRは、互いに独立して、任意に置換されたおよび/または任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、およびより好ましくは任意に置換されたメチルまたはエチルを表し、より好ましくはR、R、R、およびRは、任意に置換されたエチル、より好ましくは非置換のエチルを表し、
1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、1種以上のN,N-ジアルキル-ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物、好ましくは1種以上のN,N-(C~C)ジアルキル-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物、より好ましくは、1種以上のN,N-(C~C)ジアルキル-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物を含み、より好ましくは、1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、N,N-(C~C)ジアルキル-2,6-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオンおよびN,N-(C~C)ジアルキル-3,5-(C~C)ジ-アルキルピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から、より好ましくはN,N-ジメチル-2,6-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオンおよびN,N-ジメチル-3,5-(C~C)ジアルキル-ピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から、より好ましくはN,N-ジメチル-2,6-ジメチルピペリジニウムカチオンおよびN,N-ジメチル-3,5-ジメチル-ピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から選択され、
1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、好ましくは、ハライド、より好ましくはクロリドおよび/またはブロミド、より好ましくはクロリド;ヒドロキシド;スルフェート;ニトレート;ホスフェート;アセテート;およびこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される塩であり、より好ましくは、1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、ヒドロキシドおよび/またはクロリド、より好ましくはヒドロキシドである。より好ましくは、AEI骨格構造指向剤はN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドを含み、より好ましくはN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドである。
【0015】
工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、Xとして計算されるXの源に対するモル比は、好ましくは5:1~25:1の範囲、より好ましくは10:1~20:1の範囲、より好ましくは13:1~17:1の範囲である。
【0016】
工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、AEI骨格構造指向剤に対するモル比は、好ましくは1:1~10:1の範囲、より好ましくは2:1~8:1の範囲、より好ましくは3:1~5:1の範囲である。
【0017】
工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、水に対するモル比は、好ましくは0.01:1~1:1の範囲、より好ましくは0.01:1~0.5:1の範囲、より好ましくは0.01:1~0.1:1の範囲である。
【0018】
水、Yの源、Xの源、AEI骨格構造指向剤、およびナトリウムの源に加えて、工程(i)で調製する合成混合物は1種以上のさらなる追加成分を含んでよい。好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物の少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%は、水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とからなる。
【0019】
本発明の方法の工程(i)において、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物は、好ましくは、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む結晶質種材料をさらに含む。好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、結晶質種材料に含まれる骨格型AEIを有するゼオライト材料に含まれ、元素Siとして計算されるSiの、結晶質種材料に含まれ、元素Alとして計算されるAlに対する比は、Si:Alとして定義され、前記比は5:1~11:1の範囲、より好ましくは6:1~10:1の範囲、より好ましくは7:1~9:1の範囲である。
【0020】
本発明の方法の工程(i)では、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、結晶質種材料に含まれる骨格型AEIを有するゼオライト材料に含まれ、元素Siとして計算されるSiの、結晶質種材料に含まれ、元素Alとして計算されるAlに対する比が、Si:Alとして定義され、前記比が6:1~12:1の範囲、より好ましくは7:1~11:1の範囲、より好ましくは8:1~10:1の範囲であることが代替として好ましい。
【0021】
好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、YOとして計算される種材料に含まれるYに対するモル比は、1:1~15:1の範囲、より好ましくは1:1~10:1の範囲、より好ましくは1:1~5:1の範囲である。
【0022】
本発明の方法の工程(i)では、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、YOとして計算される種材料に含まれるYに対するモル比が、1:1~1:1.5の範囲、より好ましくは1:1~1:1.4の範囲、より好ましくは1:1~1:1.3の範囲であることが代替として好ましい。
【0023】
好ましくは、工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物の少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源と、結晶質種材料とからなる。
【0024】
本発明の方法の工程(ii)は、工程(i)から得られた合成混合物を100~180℃の範囲の温度に加熱すること、および合成混合物を自己発生圧力下に維持することを含む。好ましくは、工程(ii)はオートクレーブ内で行う。好ましくは、工程(i)で調製した合成混合物を、0.5~4K/分の範囲、より好ましくは1~3K/分の範囲の加熱速度で工程(ii)における温度に加熱する。
【0025】
好ましくは、工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱は、140~160℃の範囲、より好ましくは150~170℃の範囲の温度で行う。
【0026】
本発明の方法の工程(ii)において、工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、100~140℃の範囲、より好ましくは110~130℃の範囲の温度で行うことが代替として好ましい。
【0027】
好ましくは、工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱は、合成混合物の、かき混ぜ、より好ましくは機械的なかき混ぜ、より好ましくは撹拌を含む。好ましくは、工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱は、8~144時間の範囲、より好ましくは12~120時間の範囲、より好ましくは24~72時間の範囲の時間行う。
【0028】
本発明の方法の工程(ii)において、工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、24~216時間の範囲、より好ましくは48~192時間の範囲、より好ましくは72~168時間の範囲、より好ましくは96~144時間の範囲の時間行うことが代替として好ましい。
【0029】
本発明の方法の工程(ii)は、工程(i)から得られた合成混合物を自己発生圧力下で加熱することを含むので、工程(ii)が混合物の減圧をさらに含むことが好ましい。減圧の前、減圧の間、または減圧後のいずれかに、本発明の方法は好ましくは、
(iii) 工程(ii)から得られた混合物を、好ましくは10~50℃の範囲、より好ましくは20~35℃の範囲の温度に冷却する工程、
(iv) 工程(ii)から得られた混合物からゼオライト材料を分離する工程であって、前記分離が、好ましくは、
(iv.1) 工程(ii)から得られた混合物を、濾過法または噴霧法を含むことが好ましい固液分離法に供する工程、
(iv.2) 工程(iv.1)から得られたゼオライト材料を、好ましくは洗浄する工程、
(iv.3) 工程(iv.1)からまたは工程(iv.2)から、好ましくは工程(iv.2)から得られたゼオライト材料を、80~170℃の範囲、より好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは100~130℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で、好ましくは乾燥させる工程
を含む工程、
(v) 工程(iv)から得られたゼオライト材料を、400~600℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で、好ましくはか焼する工程
をさらに含む。
【0030】
好ましくは、工程(iv.3)におけるガス雰囲気は酸素を含み、より好ましくは空気、希薄空気、または合成空気であり、そして工程(v)におけるガス雰囲気は酸素を含み、より好ましくは空気、希薄空気、または合成空気である。
【0031】
本発明の方法において、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素X、およびOを含む骨格構造を有する、得られるゼオライト材料は、好ましくは以下の特徴(1)~(3)のうちの1つ以上、より好ましくは特徴(1)~(3)のうちの2つ以上、より好ましくは以下の特徴(1)~(3)を示す:
(1) 本明細書の参考例1.2に記載のように決定して、200~340m/gの範囲、好ましくは220~320m/gの範囲、より好ましくは240~300m/gの範囲、より好ましくは260~280m/gの範囲のBET比表面積、
(2) 本明細書の参考例1.1に記載のように決定した、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の結晶化度、
(3) DIN66131により決定して、290~430m/gの範囲、好ましくは310~410m/gの範囲、より好ましくは330~390m/gの範囲、より好ましくは350~370m/gの範囲のラングミュア表面積。
【0032】
本発明の方法は、好ましくは、
(vi) 工程(iv)または(v)から、より好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料をイオン交換条件に供する工程であって、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、より好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料と接触させて、骨格型AEIを有するゼオライト材料をそのアンモニウム型で得ることを含む工程、
をさらに含む。
【0033】
工程(vi)によるアンモニウムイオンを含む溶液は、好ましくは、溶解したアンモニウム塩、好ましくは溶解した無機アンモニウム塩、より好ましくは溶解したアンモニウムニトレートを含む水溶液である。好ましくは、工程(vi)によるアンモニウムイオンを含む溶液は、1~5モル/lの範囲、より好ましくは1.5~4モル/lの範囲、より好ましくは2~3モル/lの範囲のアンモニウム濃度を有する。
【0034】
工程(vi)に関して、工程(vi)により、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、より好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料と、50~95℃の範囲、より好ましくは60~90℃の範囲、より好ましくは70~85℃の範囲の溶液の温度で接触させることが好ましい。好ましくは、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、より好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料と、1~5時間の範囲、より好ましくは2~4時間の範囲、より好ましくは2.5~3.5時間の範囲の時間接触させる。好ましくは、工程(vi)による溶液とゼオライト材料との接触は、少なくとも1回、より好ましくは1回または2回、より好ましくは1回繰り返す。好ましくは、工程(vi)による溶液とゼオライト材料との接触は、溶液をゼオライト材料に含浸させること、および溶液をゼオライト材料に噴霧することのうちの1つ以上、より好ましくは溶液をゼオライト材料に含浸させることを含む。
【0035】
本発明の方法は、好ましくは、
(vii) 工程(vi)から得られたゼオライト材料をか焼し、H型のゼオライト材料を得る工程
をさらに含む。
【0036】
好ましくは、工程(vii)により、ゼオライト材料を、300~700℃の範囲、より好ましくは350~600℃の範囲、より好ましくは400~600℃の範囲、より好ましくは450~550℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中でか焼する。好ましくは、ガス雰囲気は酸素を含み、より好ましくは空気、希薄空気、または合成空気である。
【0037】
一般に、本発明の方法によれば、骨格型AEIを有するゼオライト材料が得られる上述の変換プロセスが、本質的に完全な変換であり、得られる材料が、骨格型AEIを有するゼオライト材料から本質的になることが可能である。しかしながら、変換が部分的に不完全であり、得られる材料において、骨格型AEIを有するゼオライト材料だけでなく、1種以上の他の材料、好ましくはAEI以外の骨格型を有する1種以上のゼオライト材料、好ましくは骨格型AFIまたはGMEを有するゼオライト材料が含まれることも可能である。
【0038】
好ましくは、このようにそれぞれ得られた組成物に関して、好ましくは本明細書の参考例1.1に記載のように決定して、50質量%を超える、より好ましくは少なくとも55質量%、より好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%、より好ましくは少なくとも80質量%の、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物は、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料からなる。好ましくは、固体酸化物組成物は、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含み、そしてAEI以外の骨格型を有する1種以上のゼオライト材料をさらに含む。好ましくは、固体酸化物組成物は、骨格型AEIを有するゼオライト材料と、骨格型AFIを有するゼオライト材料とを含み、好ましくはこれらからなる。固体酸化物組成物が、骨格型AEIを有するゼオライト材料と骨格型GMEを有するゼオライト材料とを含み、好ましくはこれらからなることが代替として好ましい。
【0039】
骨格型AEIを有するゼオライト材料を含む前記組成物をもたらす、このような部分的に不完全な変換は、例えば固体酸化物組成物の製造方法に関する本発明の好ましい実施形態の第2の一式において考慮される。完全を期すために、これらの実施形態についても、変換が完全である場合、組成物は、骨格型AEIを有するゼオライト材料からなると理解されるべきであることが言及される。いずれにせよ、変換が部分的に不完全であっても、本発明はそれにもかかわらず、骨格型AEIを有するゼオライト材料の製造方法に関し、それは例えば、このゼオライト材料が前記組成物中に強制的に含まれるからである。
【0040】
ゼオライト材料の使用目的に応じて、材料、好ましくは工程(vii)から得られる材料を、そのまま使用することができる。さらに、このゼオライト材料は、1つ以上のさらなる後処理工程に供されることが考えられる。例えば、最も好ましくは粉末として得られるゼオライト材料は、押出、打錠、噴霧などを含むがこれらに限定されない任意の適した方法によって、成形品または成形体に適切に加工することができる。好ましくは、成形体は、長方形、三角形、六角形、正方形、楕円形または円形の断面を有してよく、および/または好ましくは、星型、錠剤、球、円柱、ストランド、又は中空円柱の形態である。成形体を調製する場合、1種以上のバインダーを使用することができ、これは成形体の使用目的に応じて選択してよい。可能なバインダー材料には、グラファイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、およびシリコン、チタン、およびジルコニウムのうちの2種以上の混合酸化物が含まれるが、これらに限定されない。ゼオライト材料のバインダーに対する質量比は一般に、特定の制限を受けず、例えば10:1~1:10の範囲でよい。ゼオライト材料が、例えば、排気ガス流、例えばエンジンの排気ガス流を処理するための触媒として、または触媒成分として使用されるさらなる例によれば、ゼオライト材料を、ウォールフローフィルターなどの適した基材に施与するウォッシュコートの成分として使用することが可能である。
【0041】
本発明の好ましい実施形態によれば、ゼオライト材料は、ゼオライト材料上に金属Mを担持することを含む後処理に供される。従って、本発明はさらに好ましくは、上記の方法に関連し、この方法は、
(viii) 金属Mをゼオライト材料、好ましくは工程(iv)または(v)から得られるゼオライト材料上に担持する工程
をさらに含む。
【0042】
工程(viii)に関して、工程(viii)が、
(viii.1) ゼオライト材料、好ましくは工程(iv)または(v)から得られるゼオライト材料と、金属Mの源と、金属Mの源の溶媒と、任意に酸、好ましくは有機酸とを含む混合物を調製する工程であって、溶媒が好ましくは水を含み、金属Mの源が好ましくは金属Mの塩を含み、および酸が好ましくは酢酸を含む工程、
(viii.2) 工程(viii.1)で調製した混合物を30~90℃の範囲、好ましくは40~80℃の範囲の温度に加熱する工程、
(viii.3) 工程(viii.2)から得られた混合物を、好ましくは冷却、より好ましくは急冷する工程、
(viii.4) 工程(viii.2)または(viii.3)から、好ましくは工程(viii.3)から得られた混合物から、金属Mを含むゼオライト材料を分離する工程であって、分離が好ましくは金属Mを含むゼオライト材料を洗浄することを含む工程、
(viii.5) 好ましくは、工程(viii.4)から得られた金属Mを含むゼオライト材料をガス雰囲気中で、好ましくは90~200℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲のガス雰囲気の温度で、乾燥させる工程であって、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む工程、
(viii.6) 好ましくは、工程(viii.4)または(viii.5)から、好ましくは工程(viii.5)から得られた金属Mを含むゼオライト材料をガス雰囲気中で、好ましくは350~600℃の範囲、より好ましくは400~550℃の範囲のガス雰囲気の温度でか焼する工程であって、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む工程、
を含むことが好ましい。
【0043】
工程(viii)の金属Mに関して、好ましくは、金属Mは、元素の周期系の第7~12族の遷移金属である。より好ましくは、金属Mは、Fe、Co、Ni、Cu、およびZnのうちの1種以上、より好ましくは、FeおよびCuのうちの1種以上である。より好ましくは、金属MはCuを含み、より好ましくはCuである。好ましくは、工程(viii)によれば、金属Mは、MOとして計算して、ゼオライト材料の合計質量に基づいて、1~9質量%の範囲、より好ましくは1.5~8質量%の範囲、より好ましくは2~7質量%の範囲、より好ましくは2.5~6質量%の範囲、より好ましくは3~5質量%の範囲の量で、ゼオライト材料上に担持される。
【0044】
工程(viii)に関して、工程(viii)によれば、金属Mが、MOとして計算して、ゼオライト材料の合計質量に基づいて、1~11質量%の範囲、より好ましくは2~10質量%の範囲、より好ましくは3~9質量%の範囲、より好ましくは4~8質量%の範囲、より好ましくは5~7質量%の範囲の量で、ゼオライト材料上に担持されることが代替として好ましい。
【0045】
本発明はさらに、本明細書で上に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造される、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料に関する。
【0046】
本発明はまたさらに、工程(viii)によりゼオライト材料上に金属Mを担持することを含む、本明細書で上に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造される、金属Mを含み、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料に関する。
【0047】
本発明はまたさらに、骨格型AEIを有するゼオライト材料、好ましくは、工程(viii)によりゼオライト材料上に金属Mを担持することを含むことがより好ましい、本明細書で上に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造されるゼオライト材料に関し、前記ゼオライト材料は、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有し、参考例1.6に記載のように決定して、62.0~54.0ppmの範囲、好ましくは59.0~57.0ppmの範囲、より好ましくは58.5~57.5ppmの範囲の共振およびピーク最大値を含み、好ましくは、6.2~8.2ppmの範囲、好ましくは6.5~7.9ppmの範囲、より好ましくは6.9~7.5ppmの範囲の半値全幅を含む、27Al固体NMRスペクトルを示し、
Yは、Si、Ge、S、Ti、およびZrのうちの1種以上であり、そして
Xは、Al、B、Ga、およびInのうちの1種以上であり、
Yは、好ましくはSiを含み、より好ましくはSiであり、
Xは、好ましくはAlを含み、より好ましくはAlである。
【0048】
好ましくは、前記ゼオライト材料は、参考例1.6に記載のように決定して、少なくとも95:5の、好ましくは少なくとも98:2の、より好ましくは少なくとも99:1の、81~35ppmの積分の、35~-10ppmの積分に対する比を含む、27Al固体NMRスペクトルを示す。
【0049】
好ましくは、前記ゼオライト材料は、参考例1.7に記載のように決定して、-108.0~-113.0ppmの範囲、より好ましくは-109.5~-111.5ppmの範囲、より好ましくは-110.1~-110.9ppmの範囲の共振および最大ピークを含む、29Si固体NMRスペクトルを示す。好ましくは、前記ゼオライト材料は、参考例1.7に記載のように決定して、-102.0~-107.0ppmの範囲、より好ましくは-103.5~-105.5ppmの範囲、より好ましくは-104.1~-104.9ppmの範囲の共振および最大ピークをさらに含む、29Si固体NMRスペクトルを示す。好ましくは、前記ゼオライト材料は、参考例1.7に記載のように決定して、-96.0ppm~-101.0ppmの範囲、より好ましくは-97.5~-99.5ppmの範囲、より好ましくは-98.1~-98.9ppmの範囲の共振および最大ピークをさらに含む、29Si固体NMRスペクトルを示す。好ましくは、前記ゼオライト材料は、参考例1.7に記載のように決定して、-94.7~-101.1ppmおよび-101.1~-107.7および-107.7~-115.7の範囲の3つの積分を含む、29Si固体NMRスペクトルを示し、これらの総合計は100に正規化すると、25(+/-7):50(+/-7):25(+/-7)、好ましくは25(+/-4):50(+/-4):25(+/-4)、より好ましくは25(+/-2):50(+/-2):25(+/-2)である。
【0050】
骨格型AEI、ならびに四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有する本発明のゼオライト材料は、吸収剤、分子ふるい、触媒、触媒担体またはこれらの1種以上を調製するための中間体を含むがこれらに限定されない、任意の考えられる目的に使用することができる。好ましくは、本発明のゼオライト材料は、触媒活性材料として、触媒として、または触媒成分として使用する。より好ましくは、本発明のゼオライト材料は、排気ガス流中の、より好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的接触還元するために使用する。より好ましくは、本発明のゼオライト材料は、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換するために、より好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するために使用する。
【0051】
さらに、本発明は、排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元する方法に関し、前記方法は、前記排気ガス流を、本発明によるゼオライト材料を含む触媒と接触させることを含む。
【0052】
またさらに、本発明は、排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元する方法に関し、前記方法は、本発明の方法に従う方法による、好ましくは、工程(viii)によりゼオライト材料上に金属Mを担持することを含む本発明の方法による、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料の製造、および前記排気ガス流を前記ゼオライト材料を含む触媒と接触させることを含む。
【0053】
本発明はまた、触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換する方法であって、前記C1化合物を本発明によるゼオライト材料を含む触媒と接触させることを含む方法に関するものである。
【0054】
本発明はまた、触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換する方法に関し、前記方法は、本発明の方法に従う方法による、好ましくは、工程(viii)によりゼオライト材料上に金属Mを担持することを含む本発明の方法による、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料の製造、および前記C1化合物を前記ゼオライト材料を含む触媒と接触させることを含む。
【0055】
さらに、本発明は触媒に関するものであり、好ましくは、排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元するための、または触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための、触媒に関するものであり、前記触媒は、本発明によるゼオライト材料を含む。
【0056】
本発明を、以下に示す従属的参照および後方参照から得られる以下の実施態様の一式および実施態様の組み合わせによってさらに説明する。特に、実施態様の範囲が言及される各場合において、例えば、「実施態様1から4のいずれか1項に記載の方法」などの用語の文脈において、この範囲のすべての実施態様は当業者に明確に開示される。すなわち、この用語の表現は、「実施態様1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法」と同義であるとして、当業者に理解される。
【0057】
1. 骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を製造する方法であって、
(i) 水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とを含む合成混合物を調製する工程であって、Yの源およびXの源のうちの1種以上がナトリウムを含む工程、
(ii) 工程(i)から得られた合成混合物を100~180℃の範囲の温度に加熱し、合成混合物をこの範囲の温度で少なくとも6時間の範囲の時間自己発生圧力下に維持して、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料をその母液中に含ませて得る工程、
を含み、
ここで工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも50質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなり、
Yが、Si、Ge、S、Ti、およびZrの1種以上であり、そして
Xが、Al、B、Ga、およびInの1種以上である、方法。
【0058】
2. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも75質量%、好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる、実施形態1に記載の方法。
【0059】
3. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる、実施形態1または2に記載の方法。
【0060】
4. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、ナトリウムの源は、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる、実施形態1から3のいずれか1項に記載の方法。
【0061】
5. YがSiを含み、好ましくはSiである、実施形態1から4のいずれか1項に記載の方法。
【0062】
6. XがAlを含み、より好ましくはAlである、実施形態1から5のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
7. YがSiでありそしてXがAlである、実施形態1から6のいずれか1項に記載の方法。
【0064】
8. Yの源がナトリウムシリケート(NaSiOOを含み、式中、nは、好ましくは1~5の範囲、より好ましくは1~3の範囲の整数、より好ましくは1または2である、実施形態1から7のいずれか1項に記載の方法。
【0065】
9. Yの源がNaSiOを含む、実施形態1から8のいずれか1項に記載の方法。
【0066】
10. Yの源がNaSiOである、実施形態1から9のいずれか1項に記載の方法。
【0067】
11. Yの源が、湿式プロセスシリカ、乾式プロセスシリカ、およびコロイダルシリカのうちの1種以上を含む、実施形態1から10のいずれか1項に記載の方法。
【0068】
12. Yの源がコロイダルシリカを含む、実施形態11に記載の方法。
【0069】
13. Yの源がNaSiOおよびコロイダルシリカを含み、好ましくはNaSiOおよびコロイダルシリカである、実施形態11または12に記載の方法。
【0070】
14. Yの源が、湿式プロセスシリカ、乾式プロセスシリカ、およびコロイダルシリカのうちの1種以上を含まず、好ましくは、Yの源がコロイダルシリカを含まない、実施形態1から9のいずれか1項に記載の方法。
【0071】
15. Xの源が、ナトリウムアルミネート、好ましくはNaAlO、NaAl(OH)、NaO・Al、NaAl、NaAlO、NaAl、Na17Al16、およびNaAl1117の1種以上を含む、実施形態1から14のいずれか1項に記載の方法。
【0072】
16. Xの源がNaAlOを含む、実施形態1から15のいずれか1項に記載の方法。
【0073】
17. Xの源がNaAlOである、実施形態1から16のいずれか1項に記載の方法。
【0074】
18. AEI骨格構造指向剤が、1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物を含み、
ここで、1種以上のホスホニウムカチオン含有化合物は、1種以上のR-含有化合物を含み、式中、R、R、R、およびRは、互いに独立して、任意に置換されたおよび/または任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、およびさらにより好ましくは任意に置換されたメチルまたはエチルを表し、さらにより好ましくはR、R、R、およびRは、任意に置換されたエチル、好ましくは非置換のエチルを表し、
1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、1種以上のN,N-ジアルキル-ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物、好ましくは1種以上のN,N-(C~C)ジアルキル-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物、より好ましくは、1種以上のN,N-(C~C)ジアルキル-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物を含み、より好ましくは、1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、N,N-(C~C)ジアルキル-2,6-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオンおよびN,N-(C~C)ジアルキル-3,5-(C~C)ジ-アルキルピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から、より好ましくはN,N-ジメチル-2,6-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオンおよびN,N-ジメチル-3,5-(C~C)ジアルキル-ピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から、より好ましくはN,N-ジメチル-2,6-ジメチルピペリジニウムカチオンおよびN,N-ジメチル-3,5-ジメチル-ピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から選択され、
1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、好ましくは、ハライド、好ましくはクロリドおよび/またはブロミド、より好ましくはクロリド;ヒドロキシド;スルフェート;ニトレート;ホスフェート;アセテート;およびこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される塩であり、より好ましくは、1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、ヒドロキシドおよび/またはクロリド、より好ましくはヒドロキシドである、実施形態1から17のいずれか1項に記載の方法。
【0075】
19. AEI骨格構造指向剤がN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドを含み、好ましくはN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドである、実施形態1から18のいずれか1項に記載の方法。
【0076】
20. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、Xとして計算されるXの源に対するモル比が、5:1~25:1の範囲、好ましくは10:1~20:1の範囲、より好ましくは13:1~17:1の範囲である、実施形態1から19のいずれか1項に記載の方法。
【0077】
21. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、AEI骨格構造指向剤に対するモル比が、1:1~10:1の範囲、好ましくは2:1~8:1の範囲、より好ましくは3:1~5:1の範囲である、実施形態1から20のいずれか1項に記載の方法。
【0078】
22. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、水に対するモル比が、0.01:1~1:1の範囲、好ましくは0.01:1~0.5:1の範囲、より好ましくは0.01:1~0.1:1の範囲である、実施形態1から21のいずれか1項に記載の方法。
【0079】
23. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とからなる、実施形態1から22のいずれか1項に記載の方法。
【0080】
24. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物が、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む結晶質種材料をさらに含む、実施形態1から23のいずれか1項に記載の方法。
【0081】
25. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、結晶質種材料に含まれる骨格型AEIを有するゼオライト材料に含まれ、元素Siとして計算されるSiの、結晶質種材料に含まれ、元素Alとして計算されるAlに対する比が、Si:Alとして定義され、前記比が5:1~11:1の範囲、好ましくは6:1~10:1の範囲、より好ましくは7:1~9:1の範囲である、実施形態24に記載の方法。
【0082】
26. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、結晶質種材料に含まれる骨格型AEIを有するゼオライト材料に含まれ、元素Siとして計算されるSiの、結晶質種材料に含まれ、元素Alとして計算されるAlに対する比が、Si:Alとして定義され、前記比が6:1~12:1の範囲、好ましくは7:1~11:1の範囲、より好ましくは8:1~10:1の範囲である、実施形態24に記載の方法。
【0083】
27. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、YOとして計算される種材料に含まれるYに対するモル比が、1:1~15:1の範囲、好ましくは1:1~10:1の範囲、より好ましくは1:1~5:1の範囲である、実施形態24から26のいずれか1項に記載の方法。
【0084】
28. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、YOとして計算される種材料に含まれるYに対するモル比が、1:1~1:1.5の範囲、好ましくは1:1~1:1.4の範囲、より好ましくは1:1~1:1.3の範囲である、実施形態24から26のいずれか1項に記載の方法。
【0085】
29. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源と、結晶質種材料とからなる、実施形態24から28のいずれか1項に記載の方法。
【0086】
30. 工程(ii)をオートクレーブ内で行う、実施形態1から29のいずれか1項に記載の方法。
【0087】
31. 工程(i)で調製した合成混合物を、0.5~4K/分の範囲、好ましくは1~3K/分の範囲の加熱速度で工程(ii)における温度に加熱する、実施形態1から30のいずれか1項に記載の方法。
【0088】
32. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、140~160℃の範囲、好ましくは150~170℃の範囲の温度で行う、実施形態1から31のいずれか1項に記載の方法。
【0089】
33. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、100~140℃の範囲、好ましくは110~130℃の範囲の温度で行う、実施形態1から31のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
34. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱が、合成混合物の、かき混ぜ、好ましくは機械的なかき混ぜ、より好ましくは撹拌を含む、実施形態1から33のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
35. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、8~144時間の範囲、好ましくは12~120時間の範囲、より好ましくは24~72時間の範囲の時間行う、実施形態1から34のいずれか1項に記載の方法。
【0092】
36. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、24~216時間の範囲、好ましくは48~192時間の範囲、より好ましくは72~168時間の範囲、より好ましくは96~144時間の範囲の時間行う、実施形態1から34のいずれか1項に記載の方法。
【0093】
37. (iii) 工程(ii)から得られた混合物を、好ましくは10~50℃の範囲、より好ましくは20~35℃の範囲の温度に冷却する工程、
(iv) 工程(ii)から得られた混合物からゼオライト材料を分離する工程であって、前記分離が、好ましくは、
(iv.1) 工程(ii)から得られた混合物を、濾過法または噴霧法を含むことが好ましい固液分離法に供する工程、
(iv.2) 工程(iv.1)から得られたゼオライト材料を、好ましくは洗浄する工程、
(iv.3) 工程(iv.1)からまたは工程(iv.2)から、好ましくは工程(iv.2)から得られたゼオライト材料を、80~170℃の範囲、好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは100~130℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で、好ましくは乾燥させる工程
を含む工程、
(v) 工程(iv)から得られたゼオライト材料を、400~600℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で、好ましくはか焼する工程
をさらに含む、実施形態1から36のいずれか1項に記載の方法。
【0094】
38. 工程(iv.3)におけるガス雰囲気が酸素を含み、好ましくは空気、希薄空気、または合成空気であり、そして工程(v)におけるガス雰囲気が酸素を含み、好ましくは空気、希薄空気、または合成空気である、実施形態37に記載の方法。
【0095】
39. 骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素X、およびOを含む骨格構造を有する、得られるゼオライト材料が、以下の特徴(1)~(3)のうちの1つ以上、好ましくは特徴(1)~(3)のうちの2つ以上、より好ましくは以下の特徴(1)~(3):
(1) 本明細書の参考例1.2に記載のように決定して、200~340m/gの範囲、好ましくは220~320m/gの範囲、より好ましくは240~300m/gの範囲、より好ましくは260~280m/gの範囲のBET比表面積、
(2) 本明細書の参考例1.1に記載のように決定した結晶化度が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の結晶化度、
(3) DIN66131により決定して、290~430m/gの範囲、好ましくは310~410m/gの範囲、より好ましくは330~390m/gの範囲、より好ましくは350~370m/gの範囲のラングミュア表面積
を示す、実施形態1から38のいずれか1項に、好ましくは実施形態37または38に記載の方法。
【0096】
40. (vi.1) 工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料をイオン交換条件に供する工程であって、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料と接触させて、骨格型AEIを有するゼオライト材料をそのアンモニウム型で得ることを含む工程、
をさらに含む、実施形態36から39のいずれか1項に記載の方法。
【0097】
41. 工程(vi)によるアンモニウムイオンを含む溶液が、溶解したアンモニウム塩、好ましくは溶解した無機アンモニウム塩、より好ましくは溶解したアンモニウムニトレートを含む水溶液である、実施態様40に記載の方法。
【0098】
42. 工程(vi)によるアンモニウムイオンを含む溶液が、1~5モル/lの範囲、好ましくは1.5~4モル/lの範囲、より好ましくは2~3モル/lの範囲のアンモニウム濃度を有する、実施態様40または41に記載の方法。
【0099】
43. 工程(vi)により、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料と、50~95℃の範囲、好ましくは60~90℃の範囲、より好ましくは70~85℃の範囲の溶液の温度で接触させる、実施形態40から42のいずれか1項に記載の方法。
【0100】
44. アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られたゼオライト材料と、1~5時間の範囲、好ましくは2~4時間の範囲、より好ましくは2.5~3.5時間の範囲の時間接触させる、実施形態43に記載の方法。
【0101】
45. 工程(vi)による溶液とゼオライト材料との接触を、少なくとも1回、好ましくは1回または2回、より好ましくは1回繰り返す、実施形態40から44のいずれか1項に記載の方法。
【0102】
46. 工程(vi)による溶液とゼオライト材料との接触が、溶液をゼオライト材料に含浸させること、および溶液をゼオライト材料に噴霧することのうちの1つ以上、好ましくは溶液をゼオライト材料に含浸させることを含む、実施形態40から45のいずれか1項に記載の方法。
【0103】
47. (vii) 工程(vi)から得られたゼオライト材料をか焼し、H型のゼオライト材料を得る工程
をさらに含む、実施形態40から46のいずれか1項に記載の方法。
【0104】
48. 工程(vii)により、ゼオライト材料を、300~700℃の範囲、好ましくは350~600℃の範囲、より好ましくは400~600℃の範囲、より好ましくは450~550℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中でか焼する、実施形態47に記載の方法。
【0105】
49. ガス雰囲気が酸素を含み、好ましくは空気、希薄空気、または合成空気である、実施形態48に記載の方法。
【0106】
50. (viii) 金属Mをゼオライト材料、好ましくは工程(iv)または(v)から得られるゼオライト材料上に担持する工程
をさらに含む、実施形態1から49のいずれか1項、好ましくは実施形態37から49のいずれか1項、より好ましくは実施形態40から46のいずれか1項に記載の方法。
【0107】
51. 工程(viii)が、
(viii.1) ゼオライト材料、好ましくは工程(iv)または(v)から得られるゼオライト材料と、金属Mの源と、金属Mの源の溶媒と、任意に酸、好ましくは有機酸とを含む混合物を調製する工程であって、溶媒が好ましくは水を含み、金属Mの源が好ましくは金属Mの塩を含み、および酸が好ましくは酢酸を含む工程、
(viii.2) 工程(viii.1)で調製した混合物を30~90℃の範囲、好ましくは40~80℃の範囲の温度に加熱する工程、
(viii.3) 工程(viii.2)から得られた混合物を、好ましくは冷却、より好ましくは急冷する工程、
(viii.4) 工程(viii.2)または(viii.3)から、好ましくは工程(viii.3)から得られた混合物から、金属Mを含むゼオライト材料を分離する工程であって、分離が好ましくは金属Mを含むゼオライト材料を洗浄することを含む工程、
(viii.5) 好ましくは、工程(viii.4)から得られた金属Mを含むゼオライト材料をガス雰囲気中で、好ましくは90~200℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲のガス雰囲気の温度で、乾燥させる工程であって、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む工程、
(viii.6) 好ましくは、工程(viii.4)または(viii.5)から、好ましくは工程(viii.5)から得られた金属Mを含むゼオライト材料をガス雰囲気中で、好ましくは350~600℃の範囲、より好ましくは400~550℃の範囲のガス雰囲気の温度でか焼する工程であって、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む工程、
を含む、実施形態50に記載の方法。
【0108】
52. 金属Mが、元素の周期系の第7~12族の遷移金属である、実施形態50または51に記載の方法。
【0109】
53. 金属Mが、Fe、Co、Ni、Cu、およびZnのうちの1種以上、好ましくは、FeおよびCuのうちの1種以上である、実施形態52に記載の方法。
【0110】
54. 金属MがCuを含み、好ましくはCuである、実施形態53に記載の方法。
【0111】
55. 工程(viii)により、金属Mが、MOとして計算して、ゼオライト材料の合計質量に基づいて、1~9質量%の範囲、好ましくは1.5~8質量%の範囲、より好ましくは2~7質量%の範囲、より好ましくは2.5~6質量%の範囲、より好ましくは3~5質量%の範囲の量で、ゼオライト材料上に担持される、実施形態50から54のいずれか1項に記載の方法。
【0112】
56. 工程(viii)により、金属Mが、MOとして計算して、ゼオライト材料の合計質量に基づいて、1~11質量%の範囲、好ましくは2~10質量%の範囲、より好ましくは3~9質量%の範囲、より好ましくは4~8質量%の範囲、より好ましくは5~7質量%の範囲の量で、ゼオライト材料上に担持される、実施形態50から54のいずれか1項に記載の方法。
【0113】
57. 実施形態1から49のいずれか1項に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造される、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料。
【0114】
58. 実施形態50から56のいずれか1項に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造される、金属Mを含み、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料。
【0115】
59. 骨格型AEIを有するゼオライト材料、好ましくは、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有し、参考例1.6に記載のように決定して、62.0~54.0ppmの範囲、好ましくは59.0~57.0ppmの範囲、より好ましくは58.5~57.5ppmの範囲の共振およびピーク最大値を含み、好ましくは6.2~8.2ppmの範囲、好ましくは6.5~7.9ppmの範囲、より好ましくは6.9~7.5ppmの範囲の半値全幅を含む、27Al固体NMRスペクトルを示し、
Yは、Si、Ge、S、Ti、およびZrのうちの1種以上であり、そして
Xは、Al、B、Ga、およびInのうちの1種以上であり、
Yは、好ましくはSiを含み、より好ましくはSiであり、
Xは、好ましくはAlを含み、より好ましくはAlである、
実施形態57または58、より好ましくは58に記載のゼオライト材料。
【0116】
60. 参考例1.6に記載のように決定して、少なくとも95:5の、好ましくは少なくとも98:2の、より好ましくは少なくとも99:1の、81~35ppmの積分の、35~-10ppmの積分に対する比を含む、27Al固体NMRスペクトルを示す、実施形態59に記載のゼオライト材料。
【0117】
61. 参考例1.7に記載のように決定して、-108.0~-113.0ppmの範囲、好ましくは-109.5~-111.5ppmの範囲、より好ましくは-110.1~-110.9ppmの範囲の共振および最大ピークを含む、29Si固体NMRスペクトルを示す、実施形態59または60に記載のゼオライト材料。
【0118】
62. 参考例1.7に記載のように決定して、-102.0~-107.0ppmの範囲、好ましくは-103.5~-105.5ppmの範囲、より好ましくは-104.1~-104.9ppmの範囲の共振および最大ピークをさらに含む、29Si固体NMRスペクトルを示す、実施形態61に記載のゼオライト材料。
【0119】
63. 参考例1.7に記載のように決定して、-96.0ppm~-101.0ppmの範囲、好ましくは-97.5~-99.5ppmの範囲、より好ましくは-98.1~-98.9ppmの範囲の共振および最大ピークをさらに含む、29Si固体NMRスペクトルを示す、実施形態61または62に記載のゼオライト材料。
【0120】
64. 参考例1.7に記載のように決定して、-94.7~-101.1ppmおよび-101.1~-107.7および-107.7~-115.7の範囲の3つの積分を含む、29Si固体NMRスペクトルを示し、これらの総合計が100に正規化すると、25(+/-7):50(+/-7):25(+/-7)、好ましくは25(+/-4):50(+/-4):25(+/-4)、より好ましくは25(+/-2):50(+/-2):25(+/-2)である、実施形態61から63のいずれか1項に記載のゼオライト材料。
【0121】
65. 触媒活性材料として、触媒として、または触媒成分としての、実施形態57から64のいずれか1項に記載のゼオライト材料の使用。
【0122】
66. 排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的接触還元するための、実施形態65に記載の使用。
【0123】
67. C1化合物を1種以上のオレフィンに変換するための、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための、実施形態65に記載の使用。
【0124】
68. 排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元する方法であって、前記排気ガス流と、実施形態57から64のいずれか1項に記載のゼオライト材料を含む触媒との接触を含む方法。
【0125】
69. 排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元する方法であって、実施形態1から56、好ましくは50から56のいずれか1項に記載の方法による、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料の製造、および前記排気ガス流と前記ゼオライト材料を含む触媒との接触を含む方法。
【0126】
70. 触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換する方法であって、前記C1化合物と実施形態57から64のいずれか1項に記載のゼオライト材料を含む触媒との接触を含む方法。
【0127】
71. 触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換する方法であって、実施形態1から56、好ましくは50から56のいずれか1項に記載の方法による、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料の製造、および前記C1化合物と前記ゼオライト材料を含む触媒との接触を含む方法。
【0128】
72. 触媒、好ましくは、排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元するための、または触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための、触媒であって、実施形態57から64のいずれか1項に記載のゼオライト材料を含む触媒。
【0129】
本発明を、以下に示す従属的参照および後方参照から得られる以下の実施態様の一式および実施態様の組み合わせによってさらに説明する。特に、実施態様の範囲が言及される各場合において、例えば、「実施態様1から4のいずれか1項に記載の方法」などの用語の文脈において、この範囲のすべての実施態様は当業者に明確に開示される。すなわち、この用語の表現は、「実施態様1、2、3および4のいずれか1項に記載の方法」と同義であるとして、当業者に理解される。
【0130】
1. 骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物を製造する方法であって、
(i) 水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とを含む合成混合物を調製する工程であって、Yの源およびXの源のうちの1種以上がナトリウムを含む工程、
(ii) 工程(i)から得られた合成混合物を100~180℃の範囲の温度に加熱し、合成混合物をこの範囲の温度で少なくとも6時間の範囲の時間自己発生圧力下に維持して、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む混合物をその母液中に含ませて得る工程、
を含み、
ここで工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも50質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなり、
Yが、Si、Ge、S、Ti、およびZrの1種以上であり、そして
Xが、Al、B、Ga、およびInの1種以上である、方法。
【0131】
2. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも75質量%、好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる、実施形態1に記載の方法。
【0132】
3. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、元素ナトリウムとして計算されるナトリウムの源の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる、実施形態1または2に記載の方法。
【0133】
4. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、ナトリウムの源は、ナトリウムを含むYの源およびXの源のうちの1種以上からなる、実施形態1から3のいずれか1項に記載の方法。
【0134】
5. YがSiを含み、好ましくはSiである、実施形態1から4のいずれか1項に記載の方法。
【0135】
6. XがAlを含み、より好ましくはAlである、実施形態1から5のいずれか1項に記載の方法。
【0136】
7. YがSiでありそしてXがAlである、実施形態1から6のいずれか1項に記載の方法。
【0137】
8. Yの源がナトリウムシリケート(NaSiOOを含み、式中、nは、好ましくは1~5の範囲、より好ましくは1~3の範囲の整数、より好ましくは1または2である、実施形態1から7のいずれか1項に記載の方法。
【0138】
9. Yの源がNaSiOを含む、実施形態1から8のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
10. Yの源がNaSiOである、実施形態1から9のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
11. Yの源が、湿式プロセスシリカ、乾式プロセスシリカ、およびコロイダルシリカのうちの1種以上を含む、実施形態1から10のいずれか1項に記載の方法。
【0141】
12. Yの源がコロイダルシリカを含む、実施形態11に記載の方法。
【0142】
13. Yの源がNaSiOおよびコロイダルシリカを含み、好ましくはNaSiOおよびコロイダルシリカである、実施形態11または12に記載の方法。
【0143】
14. Yの源が、湿式プロセスシリカ、乾式プロセスシリカ、およびコロイダルシリカのうちの1種以上を含まず、好ましくは、Yの源がコロイダルシリカを含まない、実施形態1から9のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
15. Xの源は、ナトリウムアルミネート、好ましくはNaAlO、NaAl(OH)、NaO・Al、NaAl、NaAlO、NaAl、Na17Al16、およびNaAl1117の1種以上を含む、実施形態1から14のいずれか1項に記載の方法。
【0145】
16. Xの源はNaAlOを含む、実施形態1から14のいずれか1項に記載の方法。
【0146】
17. Xの源はNaAlOである、実施形態1から16のいずれか1項に記載の方法。
【0147】
18. AEI骨格構造指向剤が、1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物を含み、
ここで、1種以上のホスホニウムカチオン含有化合物は、1種以上のR-含有化合物を含み、式中、R、R、R、およびRは、互いに独立して、任意に置換されたおよび/または任意に分岐した(C~C)アルキル、好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、より好ましくは(C~C)アルキル、およびさらにより好ましくは任意に置換されたメチルまたはエチルを表し、さらにより好ましくはR、R、R、およびRは、任意に置換されたエチル、好ましくは非置換のエチルを表し、
1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、1種以上のN,N-ジアルキル-ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物、好ましくは1種以上のN,N-(C~C)ジアルキル-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物、より好ましくは、1種以上のN,N-(C~C)ジアルキル-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオン含有化合物を含み、より好ましくは、1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、N,N-(C~C)ジアルキル-2,6-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオンおよびN,N-(C~C)ジアルキル-3,5-(C~C)ジ-アルキルピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から、より好ましくはN,N-ジメチル-2,6-(C~C)ジアルキルピペリジニウムカチオンおよびN,N-ジメチル-3,5-(C~C)ジアルキル-ピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から、より好ましくはN,N-ジメチル-2,6-ジメチルピペリジニウムカチオンおよびN,N-ジメチル-3,5-ジメチル-ピペリジニウムカチオン含有化合物からなる群から選択され、
1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、好ましくは、ハライド、好ましくはクロリドおよび/またはブロミド、より好ましくはクロリド;ヒドロキシド;スルフェート;ニトレート;ホスフェート;アセテート;およびこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはクロリド、ヒドロキシド、スルフェート、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される塩であり、より好ましくは、1種以上の第四級ホスホニウムカチオン含有化合物および/または1種以上の第四級アンモニウムカチオン含有化合物は、ヒドロキシドおよび/またはクロリド、より好ましくはヒドロキシドである、実施形態1から17のいずれか1項に記載の方法。
【0148】
19. AEI骨格構造指向剤がN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドを含み、好ましくはN,N-ジメチル-3,5-ジメチルピペリジニウムヒドロキシドである、実施形態1から18のいずれか1項に記載の方法。
【0149】
20. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、Xとして計算されるXの源に対するモル比が、5:1~25:1の範囲、好ましくは10:1~20:1の範囲、より好ましくは13:1~17:1の範囲である、実施形態1から19のいずれか1項に記載の方法。
【0150】
21. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、AEI骨格構造指向剤に対するモル比が、1:1~10:1の範囲、好ましくは2:1~8:1の範囲、より好ましくは3:1~5:1の範囲である、実施形態1から20のいずれか1項に記載の方法。
【0151】
22. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、水に対するモル比が、0.01:1~1:1の範囲、好ましくは0.01:1~0.5:1の範囲、より好ましくは0.01:1~0.1:1の範囲である、実施形態1から21のいずれか1項に記載の方法。
【0152】
23. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源とからなる、実施形態1から22のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
24. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物が、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む結晶質種材料をさらに含む、実施形態1から23のいずれか1項に記載の方法。
【0154】
25. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、結晶質種材料に含まれる骨格型AEIを有するゼオライト材料に含まれ、元素Siとして計算されるSiの、結晶質種材料に含まれ、元素Alとして計算されるAlに対する比が、Si:Alとして定義され、前記比が5:1~11:1の範囲、好ましくは6:1~10:1の範囲、より好ましくは7:1~9:1の範囲である、実施形態24に記載の方法。
【0155】
26. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、結晶質種材料に含まれる骨格型AEIを有するゼオライト材料に含まれ、元素Siとして計算されるSiの、結晶質種材料に含まれ、元素Alとして計算されるAlに対する比が、Si:Alとして定義され、前記比が6:1~12:1の範囲、好ましくは7:1~11:1の範囲、より好ましくは8:1~10:1の範囲である、実施形態24に記載の方法。
【0156】
27. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、YOとして計算される種材料に含まれるY’に対するモル比が、1:1~15:1の範囲、好ましくは1:1~10:1の範囲、より好ましくは1:1~5:1の範囲である、実施形態24から26のいずれか1項に記載の方法。
【0157】
28. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物において、YOとして計算されるYの源の、YOとして計算される種材料に含まれるYに対するモル比が、1:1~1:1.5の範囲、好ましくは1:1~1:1.4の範囲、より好ましくは1:1~1:1.3の範囲である、実施形態24から27のいずれか1項に記載の方法。
【0158】
29. 工程(i)で調製し工程(ii)に供する合成混合物の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%が、水と、Yの源と、Xの源と、AEI骨格構造指向剤と、ナトリウムの源と、結晶質種材料とからなる、実施形態24から28のいずれか1項に記載の方法。
【0159】
30. 工程(ii)をオートクレーブ内で行う、実施形態1から29のいずれか1項に記載の方法。
【0160】
31. 工程(i)で調製した合成混合物を、0.5~4K/分の範囲、好ましくは1~3K/分の範囲の加熱速度で工程(ii)における温度に加熱する、実施形態1から30のいずれか1項に記載の方法。
【0161】
32. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、140~160℃の範囲、好ましくは150~170℃の範囲の温度で行う、実施形態1から31のいずれか1項に記載の方法。
【0162】
33. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、100~140℃の範囲、好ましくは110~130℃の範囲の温度で行う、実施形態1から31のいずれか1項に記載の方法。
【0163】
34. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱が、かき混ぜ、好ましくは機械的なかき混ぜ、より好ましくは合成混合物の撹拌を含む、実施形態1から33のいずれか1項に記載の方法。
【0164】
35. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、8~144時間の範囲、好ましくは12~120時間の範囲、より好ましくは24~72時間の範囲の時間行う、実施形態1から34のいずれか1項に記載の方法。
【0165】
36. 工程(i)から得られた合成混合物の工程(ii)における加熱を、24~216時間の範囲、好ましくは48~192時間の範囲、より好ましくは72~168時間の範囲、より好ましくは96~144時間の範囲の時間行う、実施形態1から34のいずれか1項に記載の方法。
【0166】
37. (iii) 工程(ii)から得られた混合物を、好ましくは10~50℃の範囲、より好ましくは20~35℃の範囲の温度に冷却する工程、
(iv) 工程(iii)から得られた混合物から、骨格型AEI、ならびに四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物を分離する工程であって、前記分離が、好ましくは、
(iv.1) 工程(ii)から得られた混合物を、濾過法または噴霧法を含むことが好ましい固液分離法に供して、骨格型AEI、ならびに四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物を得る工程、
(iv.2) 工程(iv.1)から得られた固体酸化物組成物を、好ましくは洗浄する工程、
(iv.3) 工程(iv.1)からまたは工程(iv.2)から、好ましくは工程(iv.2)から得られた固体酸化物組成物を、80~170℃の範囲、好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは100~130℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で、好ましくは乾燥させる工程
を含む工程、
(v) 工程(iv)から得られた固体酸化物組成物を、400~600℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中で、好ましくはか焼する工程
をさらに含む、実施形態1から36のいずれか1項に記載の方法。
【0167】
38. 工程(iv.3)におけるガス雰囲気が酸素を含み、好ましくは空気、希薄空気、または合成空気であり、そして工程(v)におけるガス雰囲気が酸素を含み、好ましくは空気、希薄空気、または合成空気である、実施形態37に記載の方法。
【0168】
39. 骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素X、およびOを含む骨格構造を有する、得られるゼオライト材料を含む固体酸化物組成物が、以下の特徴(1)~(3)のうちの1つ以上、好ましくは特徴(1)~(3)のうちの2つ以上、より好ましくは以下の特徴(1)~(3):
(1) 本明細書の参考例1.2に記載のように決定して、200~340m/gの範囲、好ましくは220~320m/gの範囲、より好ましくは240~300m/gの範囲、より好ましくは260~280m/gの範囲のBET比表面積、
(2) 本明細書の参考例1.1に記載のように決定した、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の結晶化度、
(3) DIN66131により決定して、290~430m/gの範囲、好ましくは310~410m/gの範囲、より好ましくは330~390m/gの範囲、より好ましくは350~370m/gの範囲のラングミュア表面積
を示す、実施形態1から38のいずれか1項に、好ましくは実施形態37または38に記載の方法。
【0169】
40. (vi) 工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られた固体酸化物組成物をイオン交換条件に供する工程であって、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られた固体酸化物組成物と接触させて、骨格型AEIを有するゼオライト材料をそのアンモニウム型で含む固体酸化物組成物を得ることを含む工程、
をさらに含む、実施形態37から39のいずれか1項に記載の方法。
【0170】
41. 工程(vi)によるアンモニウムイオンを含む溶液が、溶解したアンモニウム塩、好ましくは溶解した無機アンモニウム塩、より好ましくは溶解したアンモニウムニトレートを含む水溶液である、実施態様40に記載の方法。
【0171】
42. 工程(vi)によるアンモニウムイオンを含む溶液が、1~5モル/lの範囲、好ましくは1.5~4モル/lの範囲、より好ましくは2~3モル/lの範囲のアンモニウム濃度を有する、実施態様40または41に記載の方法。
【0172】
43. 工程(vi)により、アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)から得られた固体酸化物組成物と、50~95℃の範囲、好ましくは60~90℃の範囲、より好ましくは70~85℃の範囲の溶液の温度で接触させる、実施形態40から42のいずれか1項に記載の方法。
【0173】
44. アンモニウムイオンを含む溶液を、工程(iv)または(v)から、好ましくは工程(v)からの固体酸化物組成物と、1~5時間の範囲、好ましくは2~4時間の範囲、より好ましくは2.5~3.5時間の範囲の時間接触させる、実施形態43に記載の方法。
【0174】
45. 工程(vi)による溶液と固体酸化物組成物との接触を、少なくとも1回、好ましくは1回または2回、より好ましくは1回繰り返す、実施形態40から44のいずれか1項に記載の方法。
【0175】
46. 工程(vi)による溶液と固体酸化物組成物との接触が、溶液を固体酸化物組成物に含浸させること、および溶液を固体酸化物組成物に噴霧することのうちの1つ以上、好ましくは溶液を固体酸化物組成物に含浸させることを含む、実施形態40から45のいずれか1項に記載の方法。
【0176】
47. (vii) 工程(vi)から得られた固体酸化物組成物をか焼し、H型のゼオライト材料を得る工程
をさらに含む、実施形態40から46のいずれか1項に記載の方法。
【0177】
48. 好ましくは本明細書の参考例1.1に記載のように決定して、50質量%を超える、好ましくは少なくとも55質量%、より好ましくは少なくとも60質量%、より好ましくは少なくとも70質量%、より好ましくは少なくとも80質量%の、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物が、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料からなる、実施形態1から47のいずれか1項に記載の方法。
【0178】
49. 固体酸化物組成物が、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含み、そしてAEI以外の骨格型を有する1種以上のゼオライト材料をさらに含む、実施形態48に記載の方法。
【0179】
50. 固体酸化物組成物が、骨格型AEIを有するゼオライト材料と、骨格型AFIを有するゼオライト材料とを含み、好ましくはこれらからなる、実施形態49に記載の方法。
【0180】
51. 固体酸化物組成物が、骨格型AEIを有するゼオライト材料と骨格型GMEを有するゼオライト材料とを含み、好ましくはこれらからなる、実施形態49に記載の方法。
【0181】
52. 工程(vii)により、固体酸化物組成物を、300~700℃の範囲、好ましくは350~600℃の範囲、より好ましくは400~600℃の範囲、より好ましくは450~550℃の範囲の温度を有するガス雰囲気中でか焼する、実施形態47から51のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
53. ガス雰囲気が酸素を含み、好ましくは空気、希薄空気、または合成空気である、実施形態52に記載の方法。
【0183】
54. (viii) 金属Mを、骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物、好ましくは工程(iv)または(v)から得られる骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物上に担持する工程
をさらに含む、実施形態1から53のいずれか1項、好ましくは実施形態37から53のいずれか1項、より好ましくは実施形態40から46のいずれか1項に記載の方法。
【0184】
55. 工程(viii)が、
(viii.1) 骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物、好ましくは工程(iv)または(v)から得られる骨格型AEIと、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造とを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物と、金属Mの源と、金属Mの源の溶媒と、任意に酸、好ましくは有機酸とを含む混合物を調製する工程であって、溶媒が好ましくは水を含み、金属Mの源が好ましくは金属Mの塩を含み、および酸が好ましくは酢酸を含む工程、
(viii.2) 工程(viii.1)で調製した混合物を30~90℃の範囲、好ましくは40~80℃の範囲の温度に加熱する工程、
(viii.3) 工程(viii.2)から得られた混合物を、好ましくは冷却、より好ましくは急冷する工程、
(viii.4) 工程(viii.2)または(viii.3)から、好ましくは工程(viii.3)から得られた混合物から、金属Mを含む固体酸化物組成物を分離する工程であって、分離が好ましくは金属Mを含む固体酸化物組成物を洗浄することを含む工程、
(viii.5) 好ましくは、工程(viii.4)から得られた金属Mを含む固体酸化物組成物をガス雰囲気中で、好ましくは90~200℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲のガス雰囲気の温度で、乾燥させる工程であって、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む工程、
(viii.6) 好ましくは、工程(viii.4)または(viii.5)から、好ましくは工程(viii.5)から得られた金属Mを含む固体酸化物組成物をガス雰囲気中で、好ましくは350~600℃の範囲、より好ましくは400~550℃の範囲のガス雰囲気の温度でか焼する工程であって、ガス雰囲気が好ましくは酸素を含む工程、
を含む、実施形態54に記載の方法。
【0185】
56. 金属Mが、元素の周期系の第7~12族の遷移金属である、実施形態54または55に記載の方法。
【0186】
57. 金属Mが、Fe、Co、Ni、Cu、およびZnのうちの1種以上、好ましくは、FeおよびCuのうちの1種以上である、実施形態56に記載の方法。
【0187】
58. 金属MがCuを含み、好ましくはCuである、実施形態57に記載の方法。
【0188】
59. 工程(viii)により、金属Mが、MOとして計算して、固体酸化物組成物の合計質量に基づいて、1~9質量%の範囲、好ましくは1.5~8質量%の範囲、より好ましくは2~7質量%の範囲、より好ましくは2.5~6質量%の範囲、より好ましくは3~5質量%の範囲の量で、固体酸化物組成物上に担持される、実施形態54から58のいずれか1項に記載の方法。
【0189】
60. 工程(viii)により、金属Mが、MOとして計算して、固体酸化物組成物の合計質量に基づいて、1~11質量%の範囲、好ましくは2~10質量%の範囲、より好ましくは3~9質量%の範囲、より好ましくは4~8質量%の範囲、より好ましくは5~7質量%の範囲の量で、固体酸化物組成物上に担持される、実施形態54から58のいずれか1項に記載の方法。
【0190】
61. 実施形態1から53のいずれか1項、好ましくは実施形態50から53のいずれか1項に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造される、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0191】
62. 実施形態54から60のいずれか1項に記載の方法によって得ることができるまたは得られる、または製造することができるまたは製造される、金属Mを含み、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0192】
63. 骨格型AEIを有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物、好ましくは、四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有し、参考例1.6に記載のように決定して、62.0~54.0ppmの範囲、好ましくは59.0~57.0ppmの範囲、より好ましくは58.5~57.5ppmの範囲の共振およびピーク最大値を含み、好ましくは6.2~8.2ppmの範囲、好ましくは6.5~7.9ppmの範囲、より好ましくは6.9~7.5ppmの範囲の半値全幅を含む、27Al固体NMRスペクトルを示し、
Yは、Si、Ge、S、Ti、およびZrのうちの1種以上であり、そして
Xは、Al、B、Ga、およびInのうちの1種以上であり、
Yは、好ましくはSiを含み、より好ましくはSiであり、
Xは、好ましくはAlを含み、より好ましくはAlである、
実施形態61または62、より好ましくは62に記載のゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0193】
64. 参考例1.6に記載のように決定して、少なくとも95:5の、好ましくは少なくとも98:2の、より好ましくは少なくとも99:1の、81~35ppmの積分の、35~-10ppmの積分に対する比を含む、27Al固体NMRスペクトルを示す、実施形態63のゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0194】
65. 参考例1.7に記載のように決定して、-108.0~-113.0ppmの範囲、好ましくは-109.5~-111.5ppmの範囲、より好ましくは-110.1~-110.9ppmの範囲の共振および最大ピークを含む、29Si固体NMRスペクトルを示す、実施形態63または64のゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0195】
66. 参考例1.7に記載のように決定して、-102.0~-107.0ppmの範囲、好ましくは-103.5~-105.5ppmの範囲、より好ましくは-104.1~-104.9ppmの範囲の共振および最大ピークをさらに含む、29Si固体NMRスペクトルを示す、実施形態65のゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0196】
67. 参考例1.7に記載のように決定して、-96.0ppm~-101.0ppmの範囲、好ましくは-97.5~-99.5ppmの範囲、より好ましくは-98.1~-98.9ppmの範囲の共振および最大ピークをさらに含む、29Si固体NMRスペクトルを示す、実施形態65または66に記載のゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0197】
68. 参考例1.7に記載のように決定して、-94.7~-101.1ppmおよび-101.1~-107.7および-107.7~-115.7の範囲の3つの積分を含む、29Si固体NMRスペクトルを示し、これらの総合計は100に正規化すると、25(+/-7):50(+/-7):25(+/-7)、好ましくは25(+/-4):50(+/-4):25(+/-4)、より好ましくは25(+/-2):50(+/-2):25(+/-2)である、実施形態65から67のいずれか1項に記載のゼオライト材料を含む固体酸化物組成物。
【0198】
69. 触媒活性材料として、触媒として、または触媒成分としての、実施形態61から68のいずれか1項に記載のゼオライト材料の使用方法。
【0199】
70. 排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的接触還元するための、実施形態69に記載の使用方法。
【0200】
71. C1化合物を1種以上のオレフィンに変換するための、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための、実施形態69に記載の使用方法。
【0201】
72. 排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元するための方法であって、前記排気ガス流と、実施形態61から68のいずれか1項に記載の固体酸化物組成物を含む触媒との接触を含む方法。
【0202】
73. 排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元するための方法であって、実施形態1から60、好ましくは54から60のいずれか1項に記載の方法による、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物の製造、および前記排気ガス流と前記固体酸化物組成物との接触を含む方法。
【0203】
74. 触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための方法であって、前記C1化合物と実施形態61から68のいずれか1項に記載の固体酸化物組成物を含む触媒との接触を含む方法。
【0204】
75. 触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための方法であって、実施形態1から60、好ましくは54から60のいずれか1項に記載の方法による、骨格型AEIを有しかつ四価元素Y、三価元素XおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む固体酸化物組成物の製造、および前記C1化合物と前記ゼオライト材料を含む触媒との接触を含む方法。
【0205】
76. 触媒、好ましくは、排気ガス流、好ましくはディーゼルエンジンからの排気ガス流中の窒素酸化物を選択的触媒的に還元するための、または触媒的に、C1化合物を1種以上のオレフィンに変換する、好ましくはメタノールを1種以上のオレフィンに変換する、または一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを1種以上のオレフィンに変換するための、触媒であって、実施形態61から68のいずれか1項に記載の固体酸化物組成物を含む触媒。
【0206】
本発明を以下の実施例、比較例、および参考例によってさらに説明する。
【実施例
【0207】
参考例1.1: 結晶化度の測定
本発明によるゼオライト材料の結晶化度は、XRD分析によって決定した。データは、Cu-X線源および線形検出器を備えた標準的なBragg-Brentano回折計を使用して収集した。2°~70°(2シータ)の角度範囲を0.02°のステップサイズでスキャンし、発散スリットを0.1°の一定の開放角度に設定した。結晶含有量の定量化は、結晶構造に基づいて、DIFFRAC.TOPAS V5ソフトウェアを使用して行った。これは、データに合うように改良した。モデルには、線形背景、ローレンツおよび偏光補正、格子定数、空間群、結晶子サイズも含まれていた。非晶質対結晶の含有量の定量化は、ユーザーマニュアルに記載のようにDIFFRAC.EVAを使用して行った。
【0208】
1. ユーザーマニュアルDIFFRAC.TOPAS V5、2014年、Bruker AXS GmbH社、カールスルーエ、ドイツ
2. ユーザーマニュアルDIFFRAC.EVA、2014年、Bruker AXS GmbH社、カールスルーエ、ドイツ
【0209】
参考例1.2: BET比表面積の決定
BET比表面積は、ISO9277、2010年第2版に従って、77Kでの窒素物理吸着を介して決定した。
【0210】
参考例1.3: C値の決定
C値(BETパラメータ)は、ISO9277、2010年第2版、第7.2項に記載のように決定した。
【0211】
参考例1.4: XRDパターンの決定
XRD回折パターンは、参考例1.1に記載のように決定した。
【0212】
参考例1.5: 走査型電子顕微鏡
SEM(走査型電子顕微鏡)写真(15kV(キロボルト)での二次電子(SE)写真)は、日立TM3000を使用して作成した。
【0213】
参考例1.6: 27Al固体NMR
27Al固体NMRスペクトルは、9.4テスラで、10kHzマジックアングルスピニング下、15°のシングルパルスアクイジションシーケンス(繰り返し時間0.5秒および繰り返し10240回、10msのアクイジション)を使用して、指数関数的なラインブロードニングを行わずに処理して記録したもので、パルス角は水溶液中のAlの外部参照試料を参照している。この試料は、測定前に62%の相対湿度で少なくとも60時間保存した。共振は、IUPAC2008年勧告(Pure Appl.Chem.、第80巻、No.1、第59~84頁、2008年)に従い、外部二次標準を使用して、DO中のAl(NO(1.1モル/kg)をゼロ基準とし、統一シフトスケールで0.26056859の周波数で間接的に参照した。
【0214】
参考例1.7: 29Si固体NMR
29Si固体NMRスペクトルは、9.4テスラで、10kHzマジックアングルスピニング下、90°のシングルパルスアクイジションシーケンスを使用して、アクイジション中に異種核の高周波プロトン脱離を行い、120秒の繰り返し時間と160回の繰り返し、30msのアクイジションを行って、30Hzの指数関数的なラインブロードニングで処理して記録した。試料は測定前に62%の相対湿度で少なくとも60時間保存した。共振は、IUPAC2008年勧告(Pure Appl.Chem.、第80巻、No.1、第59~84頁、2008年)に従い、外部二次標準を使用して、CDCl中のMeSi(体積分率1%)をゼロ基準とし、統一シフトスケールで0.19867187の周波数で間接的に参照した。
【0215】
参考例1.8: 元素分析
元素分析は、誘導結合プラズマ原子発光分析計(ICP-AES、島津ICPE-9000)で行った。
【0216】
実施例1: 本発明による骨格型AEIを有するゼオライト材料の調製
a) AEI種の提供
使用した材料:
脱イオン水 770.71g
ナトリウムヒドロキシド(水溶液、50質量%) 70.73g
1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムOH(Sachem;水性混合物、19.77質量%): 196.18g
Ludox(登録商標)AS40(コロイダルシリカ;水溶液、40質量%): 219.80g
NH-Y-Zeolith(Y-Zeolith種、Zeolist) 16.40g
NaOH溶液を670.71gの水と共にビーカーに加え、そこにY-Zeolith種をテンプレート化合物(1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムOH)と共に、約23℃で撹拌しながら加えた。次いで前記混合物を1時間撹拌し、続いてLudox(登録商標)AS40を30分かけて加えた。次に、このようにして得られた混合物をビーカーからオートクレーブに移し、100gの脱イオン水ですすいだ。その後オートクレーブを密閉した。1時間以内にオートクレーブ内の混合物を160℃の温度に加熱し、撹拌下で24時間この結晶化温度に保った。圧力を解放して室温まで冷却した後、得られた懸濁液をヌッチ型フィルターを使用して濾過し、フィルターケーキを脱イオン水で十分に洗浄した。このようにして洗浄したゼオライト材料を、対流式オーブンで空気中120℃で一晩乾燥させた後、空気中500℃で5時間か焼した。32.5gのゼオライト材料が得られた。
【0217】
参考例1.1に記載のように決定した結晶化度は99%であった。結晶性材料の96%は骨格型AEIを有するゼオライト材料であり、材料の4%は骨格型FAUを有するゼオライト材料であった。参考例1.8に記載のように決定した元素Si:Al比は8.6:1であった。
【0218】
b) 骨格型AEIを有するゼオライト材料の調製
使用した材料:
ナトリウムアルミネート(NaAlO;Sigma Aldrich、CAS11138-49-1) 3.7g
1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムOH(Sachem;水性混合物、19.77質量%) 45.7g
ナトリウムシリケート(NaSiO;Woellner;CAS番号1344-09-8;38/40;
水中約26質量%のSiO+8質量%のNaO) 60.5g
Ludox(登録商標)AS40(コロイダルシリカ;水溶液、40質量%): 18.2g
AEI種(上記a)による) 1.1g
【0219】
テンプレート化合物(1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムヒドロキシド)をテフロン(登録商標)で内張されたオートクレーブに加え、続いてナトリウムアルミネートを約23℃で撹拌しながら加えた。次いで、このようにして得られた混合物を、ナトリウムアルミネートが溶解するまで撹拌した。次いで、以下のさらなる材料を、約23℃で撹拌しながらオートクレーブに加えた:AEI種、ナトリウムシリケート、Ludox(登録商標)AS40。その後オートクレーブを密閉した。1時間以内にオートクレーブ内の混合物を160℃の温度に加熱し、撹拌下で48時間この結晶化温度に保った。圧力を解放して室温まで冷却した後、得られた懸濁液をヌッチ型フィルターを使用して濾過し、フィルターケーキを脱イオン水でpHが約9になるまで洗浄した。このようにして洗浄したゼオライト材料を、対流式オーブンで空気中120℃で一晩乾燥させた。11.5gのゼオライト材料が得られ、時空間収率は57.5kg/m/dであった。参考例1.1に記載のように決定した結晶化度は90%であった。参考例1.4に記載のように決定したXRDパターンを、図1に示す。
【0220】
結晶性材料の58%は、骨格型AEIを有するゼオライト材料であり、材料の42%は、骨格型AFIを有するゼオライト材料であった。
【0221】
c) b)で調製した骨格型AEIを有するゼオライト材料のアンモニウム形の調製
アンモニウムニトレート処理は次のように行った:150mlのビーカーに80gの蒸留水を加え、そこにb)で調製した(Na-AEI)ゼオライト材料8gを撹拌しながら加え、さらにアンモニウムニトレート8gを加えた。次いで、ビーカーを時計ガラスで覆い、続いて80℃で1時間撹拌した。ヌッチ型フィルターを使用して、フィルターケーキを脱イオン水で洗浄しニトレートを除去した。次に、前記アンモニウムニトレート処理(i)を1回繰り返した。得られたフィルターケーキを120℃で5時間、空気中で乾燥させた。
【0222】
d) c)で調製した骨格型AEIを有するゼオライト材料のH形の調製
c)で調製したゼオライト材料を、空気下500℃で5時間か焼した。6.5gのゼオライト材料が得られた。
【0223】
実施例2:本発明による骨格型AEIを有するゼオライト材料の調製
a) AEI種の提供
使用した材料:
脱イオン水 708.90g
ナトリウムヒドロキシド(水溶液、50質量%) 78.70g
1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムOH(Sachem;水性混合物、19.77質量%) 218.30g
Ludox(登録商標)AS40(コロイダルシリカ;水溶液、40質量%): 244.00g
NH-Y-Zeolith(Y-Zeolith種子、Zeolist) 23.48g
【0224】
NaOH水溶液を608.9gの水と共にビーカーに加え、そこにY-Zeolith種をテンプレート化合物(1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムOH)と共に、約23℃で撹拌しながら加えた。次いで前記混合物を1時間撹拌し、続いてLudox(登録商標)AS40を30分かけて添加した。次に、このようにして得られた混合物をビーカーからオートクレーブに移し、100gの脱イオン水ですすいだ。その後オートクレーブを密閉した。1時間以内にオートクレーブ内の混合物を140℃の温度に加熱し、撹拌下で72時間この結晶化温度に保った。圧力を解放して室温まで冷却した後、得られた懸濁液をヌッチ型フィルターを使用して濾過し、フィルターケーキを脱イオン水で十分に洗浄した。このようにして洗浄したゼオライト材料を、対流式オーブンで空気中120℃で一晩乾燥させた後、空気中500℃で5時間か焼した。42.8gのゼオライト材料が得られた。
【0225】
参考例1.1に記載のように決定した結晶化度は95%であった。結晶性材料の96.5%は骨格型AEIを有するゼオライト材料であり、材料の3.5%は骨格型FAUを有するゼオライト材料であった。参考例1.8に記載のように決定した元素Si:Al比は7.6:1であった。
【0226】
b) 骨格型AEIを有するゼオライト材料の調製
使用した材料:
ナトリウムアルミネート(NaAlO;Sigma Aldrich、CAS11138-49-1) 6.51g
1,1,3,5-テトラメチルピペリジニウムOH(Sachem;水性混合物、19.77質量%) 67.2g
ナトリウムシリケート(NaSiO;Woellner;CAS番号1344-09-8;38/40;
水中約26質量%のSiO+8質量%のNaO) 115.8g
AEI種(上記a)による) 6.1g
【0227】
上記の材料を使用して、以下の違いを除き、実施例1b)によるプロトコルを採用した。
【0228】
実施例2で使用した材料からわかるように、Ludox(登録商標)AS40は使用しなかった。さらに、実施例2では、使用した結晶化温度は、120℃で5日間であった。26.5gのゼオライト材料が得られ、時空収量は35.5kg/m/dであった。質量%単位でのゼオライト材料の元素分析:Si=29.1;Al=7.3;Na=4.9。参考例1.1に記載のように決定した結晶化度は74%であった。参考例1.2に記載のように決定したBET比表面積は266m/gであった。ラングミュア表面積は、DIN66131により決定して357m/gであった。参考例1.3に記載のように決定したC値は-92であった。参考例1.4に記載のように決定したXRDパターンを図2に示す。参考例1.5に記載のように決定したSEM画像を図3に示す。
【0229】
結晶性材料の82%は骨格型AEIのゼオライト材料であり、材料の18%は骨格型GMEのゼオライト材料であった。参考例1.6に記載のように決定した27Al-NMRスペクトルを図5に示す。参考例1.7に記載のように決定した29Si-NMRスペクトルを図6に示す。
【0230】
c) b)で調製した骨格型AEIを有するゼオライト材料のアンモニウム形の調製
アンモニウム形は、実施例1c)に使用したものと同じプロトコルを使用して調製した。
【0231】
d) c)で調製した骨格型AEIを有するゼオライト材料のH型の調製
H型は、実施例1d)に使用したものと同じプロトコルを使用して調製した。
【0232】
実施例3:骨格型AEIを有し、金属M(Cu)を含むゼオライト材料の調製
Cuのドーピング
実施例1d)および実施例2d)で得られたゼオライト材料のそれぞれを、初期湿潤を介して銅ニトレート水溶液で含浸させた。銅ニトレートの量は、最終的に得られるゼオライト材料に担持されたCuを含有する材料において、最終的に得られるCuをその上に担持したか焼ゼオライト材料の合計質量に基づいて、CuOとして計算して、4質量%および6質量%となるように選択した。含浸後、材料を50℃で20時間保存し、乾燥させてから、空気中450℃で5時間か焼した。
【0233】
成形手順
上記で得られたCuドープ粉末材料に基づき、それぞれの粉末材料を粉砕したアルミナスラリー(Puralox(登録商標)TM100/150)(ゼオライト材料:アルミナの質量比=70:30)と混合して成形品を調製した。成形品は、攪拌しながら100℃で乾燥させた後、空気中550℃で1時間か焼した。次いで成形品を粉砕し、試験用に250~500マイクロメートルの粒径になるようにふるい分けた。
【0234】
その後の試験では、それぞれ新しいCu含有材料とエージングしたCu含有材料を、実施例3,1d)および実施例3,2d)のそれぞれの材料に使用した。エージングのために、粉砕およびふるい分けした粒子を、マッフルオーブン内で650℃の10質量%の水を含む空気に50時間さらし(HDDエージング)、続いて任意に、マッフルオーブン内で800℃の10質量%の水を含む空気に16時間さらした(LDDエージング)。
【0235】
実施例4: 窒素酸化物を選択的触媒還元するための骨格型AEIを有するゼオライト材料の使用
実施例3で得られたゼオライト材料の実施例3,1d)および実施例3,2d)を、選択的触媒還元試験に供した。SCR試験は、ABB LIMAS NO/NHおよびABB URAS NO分析器(ABB AO2020シリーズ)を備えた48倍並列試験装置で行った。
【0236】
この目的のために、得られた新しい試料およびエージングした試料それぞれ(各170mg)を、試料と同じ粒径を有する1mLのコランダムで希釈し、各反応器に入れた。等温条件(T=175、200、250、300、450、550、575℃)で、所定の試料を、触媒床を通過する80,000h-1のガス時空間速度の供給流(500ppmのNO、500ppmのNH、10%のHO、5%のO、残部N)に曝した。パラレルリアクターの各温度での熱平衡化のための30分の待機時間に加えて、すべての位置で3分間の平衡化を行い、その後30秒間のサンプリングを行った。分析計によって1Hzの周波数で記録されたデータは、サンプリング間隔で平均化し、NO転化率およびNO収率の計算に使用した。
【0237】
得られた結果を図4に示す。
【0238】
図面の簡単な説明
図1は、実施例1によるゼオライト材料のXRDパターンを示す。
図2は、実施例2によるゼオライト材料のXRDパターンを示す。
図3は、実施例2によるゼオライト材料のSEM写真を示す。
図4は、実施例4の選択的触媒還元試験で得られた結果を示す。上の図は、実施例3,1d)のゼオライト材料から得られた結果を示し、下の図は、実施例3,2d)のゼオライト材料から得られた結果を示す。6組の結果のうち、左の結果は4質量%のCuOに対応し、右の結果は6質量%のCuOに対応する。
図5は、実施例2によるゼオライト材料の27Al-NMRスペクトルを示す。このスペクトルは、58ppmに7.2ppmの半値全幅をもつ主共振を示し、非対称なライン形状を有しており、この共振は4配位のAlに割り当てられる。所定のスケールでは、他の配位を示唆する約30ppmまたは0ppmの明瞭な共振は観察されなかった。また、主共振のスピニングサイドバンドが-38ppmに観察された。
図6は、実施例2によるゼオライト材料の29Si-NMRスペクトルを示す。このスペクトルは、-111ppmに3.1ppmの半値全幅をもつ共振を示し、これはSi(4 OSi、0 OAl、0 OH)に割り当てられる。このスペクトルは、-105ppmに3.3ppmの半値幅をもつ共振を示し、これはSi(3 OSi、1 OAl、0 OH)に割り当てられる。このスペクトルは、-99ppmに3.4ppmの半値幅をもつ第3の共振を示し、これはSi(2 OSi、2 OAl、0 OH)またはSi(3 OSi、0 OAl、1 OH)に由来するものと考えられる。
【0239】
引用した文献
- WO2016/080547A1
- US5,958,370
- Pure Appl.Chem.、第80巻、No.1、第59~84頁、2008年
図1
図2
図3
図4
図5
図6