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特許7502284仕分け工程を支援するために加工片の図解を表示するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】仕分け工程を支援するために加工片の図解を表示するための方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021521333
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2019078024
(87)【国際公開番号】W WO2020079036
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】102018126050.4
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502300646
【氏名又は名称】トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン エス・エー プルス コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Werkzeugmaschinen SE + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Johann-Maus-Str. 2, 71254 Ditzingen, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル キーファー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィリ ペーニッツ
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ビット
(72)【発明者】
【氏名】マルク テシュナー
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/073420(WO,A1)
【文献】特開平04-091882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造システム(1)によって、特に板金加工片などの、加工片(13A、…)の製造中に仕分け工程を支援するために、一連の加工片の図解および任意選択的な注文情報を表示するための方法であって、
前記製造システム(1)は、
前記加工片(13A、…)の各々と関連付けられる加工片画像データ(10)および任意選択的に注文データ(8B)が機械可読処理計画(7)の一部として格納される機械工具制御システム(5)であって、前記加工片画像データ(10)は、各加工片(13A、…)について、製造される前記加工片(13A、…)の幾何形状データ(8A)に基づく図解を含み、前記任意選択的な注文データ(8B)は、前記加工片(13A、…)と関連付けられる製造注文の特性データを含む、機械工具制御システム(5)と、
前記機械可読処理計画(7)に従って板形状の出発材料から前記加工片(13A、…)を製造する平台機械工具(3)と、
前記加工片(13A、…)を仕分けするために、前記加工片(13A、…)をコンベヤベルト(9A)上で切断材料(11)として仕分けポイント(21)に輸送するコンベヤシステム(9)であって、前記切断材料(11)は、前記コンベヤシステム(9)によって板状配置構成において搬送される、コンベヤベルト(9A)を有するコンベヤシステム(9)と、
ディスプレイユニットであって、前記ディスプレイユニットのモニタ(15A、15B)上に出力されるデータを受信するためのプロセッサを有し、前記モニタ(15A、15B)は、前記コンベヤシステムの領域内、特に、前記仕分けポイント(21)の近くに配置される、ディスプレイユニットと、
を備え、
前記方法は、
前記機械可読処理計画(7)によって指定される順序および配置構成に従って、製造されている加工片(13A、…)を前記コンベヤシステム(9)によって前記コンベヤベルト(9A)上で前記仕分けポイント(21)に輸送するステップ(ステップ51)と、
前記コンベヤシステム(9)の前記コンベヤベルト(9A)の給送値を考慮に入れて、前記仕分けポイント(21)における仕分けのために位置付けられる前記加工片(13A、…)を決定するステップ(ステップ49)と、
前記仕分けポイント(21)に輸送される前記加工片(13A、…)の、前記機械工具制御システム(5)によって提供される加工片画像データ(10)および任意選択的に注文データ(8B)を、前記ディスプレイユニットの前記プロセッサにおいて受信するステップ(ステップ53)と、
前記加工片画像データ(10)および任意選択的に前記注文データ(8B)の順序および任意選択的に配置構成が、前記コンベヤシステム(9)による前記コンベヤベルト(9A)上で前記仕分けポイント(21)に輸送される前記加工片(13A、…)の前記順序および任意選択的に前記配置構成に対応するような、順序および任意選択的に配置構成において、前記加工片画像データ(10)および任意選択的に前記注文データ(8B)を前記ディスプレイユニットの前記モニタ(15A、15B)上に表示するステップ(ステップ55)と、
を含む、方法。
【請求項2】
製造システム(1)によって、特に板金加工片などの、加工片(13A、…)の製造中に仕分け工程を支援するために、一連の加工片の図解および/または注文情報を表示するための方法であって、
前記製造システム(1)は、
前記加工片(13A、…)の各々と関連付けられる加工片画像データ(10)および/または注文データ(8B)が機械可読処理計画(7)の一部として格納される機械工具制御システム(5)であって、前記加工片画像データ(10)は、各加工片(13A、…)について、製造される前記加工片(13A、…)の幾何形状データ(8A)に基づく図解を含み、前記注文データ(8B)は、前記加工片(13A、…)と関連付けられる製造注文の特性データを含む、機械工具制御システム(5)と、
前記機械可読処理計画(7)に従って板形状の出発材料から前記加工片(13A、…)を製造する平台機械工具(3)と、
前記加工片(13A、…)を仕分けするために、前記加工片(13A、…)を切断材料(11)として仕分けポイント(21)に輸送するコンベヤシステム(9)であって、
前記切断材料(11)は、前記コンベヤシステム(9)によって板状配置構成において搬送される、コンベヤシステム(9)と、
ディスプレイユニットであって、前記ディスプレイユニットのモニタ(15A、15B)上に出力されるデータを受信するためのプロセッサを有し、前記モニタ(15A、15B)は、前記コンベヤシステムの領域内、特に、前記仕分けポイント(21)の近くに配置される、ディスプレイユニットと、
を備え、
前記方法は、
前記機械可読処理計画(7)によって指定される順序および配置構成に従って、製造されている加工片(13A、…)を前記コンベヤシステム(9)によって前記仕分けポイント(21)に輸送するステップ(ステップ51)と、
前記仕分けポイント(21)に輸送される前記加工片(13A、…)の、前記機械工具制御システム(5)によって提供される加工片画像データ(10)および/または注文データ(8B)を、前記ディスプレイユニットの前記プロセッサにおいて受信するステップ(ステップ53)と、
前記加工片画像データ(10)および/または前記注文データ(8B)の順序および任意選択的に配置構成が、前記コンベヤシステム(9)から前記仕分けポイント(21)に輸送される前記加工片(13A、…)の前記順序および任意選択的に前記配置構成に対応するような、順序および任意選択的に配置構成において、前記加工片画像データ(10)および/または前記注文データ(8B)を前記ディスプレイユニットの前記モニタ(15A、15B)上に表示するステップ(ステップ55)と、
を含み、
前記処理計画(7)に従って、仕分けされるべき加工片(13A、…)のグループが生成され、前記加工片(13A、…)を取り囲む残留格子(23)の区画は前記グループの各々に関連付けられ、グループの仕分けされるべき前記加工片(13A、…)はそれぞれの前記区画内に配置構成され、前記残留格子の連続する区画はそれぞれ、細分化切断によって互いから分離され、
グループの前記加工片(13A、…)は、前記コンベヤシステム(9)のコンベヤベルト(9A)の共通の給送位置によって前記仕分けポイント(21)に輸送され、
前記プロセッサは、前記仕分けポイント(21)に最後に輸送された、前記グループの前記加工片(13A、…)の加工片画像データ(10)および/または注文データ(8B)を受信し、
前記ディスプレイユニットは、前記仕分けポイント(21)に最後に輸送された、前記グループの前記加工片(13A、…)の前記加工片画像データ(10)および/または注文データ(8B)を表示する、方法。
【請求項3】
前記加工片画像データ(10)は、例えば、コンベヤベルト反転の領域内の、前記コンベヤシステム(9)のコンベヤベルト(9A)の横方向ストリップにおいて作業者(31)によって仕分けすることができる領域内に位置する前記加工片(13A、…)のみの、全体的なまたは部分のみの加工片の図解を含むかまたは強調するモニタ画像(17)として前記モニタに表示される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記仕分けポイント(21)における仕分けのために位置付けられる前記加工片(13A、…)を、さらに、前記板形状の出発材料内の製造される加工片(13A、…)の前記配置構成を決定する、前記処理計画(7)に格納されている切断計画を考慮に入れて、特に、製造される加工片(13A、…)の前記配置構成内の前記加工片(13A、…)の相対位置を考慮に入れて決定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記加工片画像データ(10)は、加工片の図解(15)としての前記コンベヤシステム(9)のコンベヤベルト(9A)の横方向(19)に沿った向きによっておよび/または位置において表示され、前記加工片の図解のうちの1つの前記向きおよび/または位置は、前記処理計画(7)を考慮に入れて、および/または、前記仕分けポイント(21)に対して前記コンベヤシステム(9)によって提供される輸送経路を考慮に入れて決定される(ステップ55A)、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらなる加工片(13A、…)を前記仕分けポイント(21)に輸送するために、前記コンベヤシステム(9)のコンベヤベルト(9A)の新たな給送位置をとるために前記コンベヤシステム(9)が作動されるとき、以前にとられた前記給送位置において前記仕分けポイント(21)に輸送された前記加工片(13A、…)を、前記コンベヤベルト(9A)から仕分けされたものとして自動的にブッキングするステップ(ステップ57)をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記新たな給送位置をとるための前記コンベヤシステム(9)の前記作動は、特に、例えば、前記コンベヤベルトの終端部にある光バリアを遅れて解放することによって自動的にトリガされるか、または、作業者(31)によって手動で実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記処理計画(7)に従って、仕分けされるべき加工片(13A、…)のグループが生成され、前記加工片(13A、…)を取り囲む残留格子(23)の区画は前記グループの各々に関連付けられ、グループの仕分けされるべき前記加工片(13A、…)はそれぞれの前記区画内に配置構成され、前記残留格子の連続する区画はそれぞれ、細分化切断によって互いから分離され、
グループの前記加工片(13A、…)は、前記コンベヤシステム(9)のコンベヤベルト(9A)の共通の給送位置によって前記仕分けポイント(21)に輸送され、
前記プロセッサは、前記仕分けポイント(21)に最後に輸送された、前記グループの前記加工片(13A、…)の加工片画像データ(10)および任意選択的に注文データ(8B)を受信し、
前記ディスプレイユニットは、前記仕分けポイント(21)に最後に輸送された、前記グループの前記加工片(13A、…)の前記加工片画像データ(10)および任意選択的に注文データ(8B)を表示する、請求項1、3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
グループの前記残留格子の前記区画は、前記仕分けポイント(21)において前記グループを位置付けるための前記コンベヤシステム(9)のコンベヤベルト(9A)の前記給送位置を規定する前縁を有し、
前記残留格子の前記区画の前記前縁が所定の搬送位置をとったことが検出されるまで、前記コンベヤシステム(9)の前記コンベヤベルト(9A)が動かされる、請求項2または8に記載の方法。
【請求項10】
ピッキングされている加工片および/または残留格子(23)もしくは前記残留格子の区画の画像を取得することによって、前記機械工具制御システム(5)における前記ピッキングされている加工片の自動ブッキングを検証するステップ(ステップ59A)、あるいは
ユーザの制御下で、前記機械工具制御システム(5)におけるピッキングされている加工片の自動ブッキングを検証するステップ(ステップ59B)と、
特に、前記仕分けポイント(21)の領域内のすべての加工片が仕分けされたことを検出し、さらなる加工片を前記仕分けポイント(21)に輸送するために前記コンベヤシステム(9)を制御するステップと
をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
加工片(13A、…)、特に板金加工片を製造するための製造システム(1)であって、
製造される前記加工片(13A、…)の各々と関連付けられる加工片画像データ(10)および任意選択的に注文データ(8B)が機械可読処理計画(7)の一部として格納される機械工具制御システム(5)であって、前記加工片画像データ(10)は、各加工片(13A、…)について、前記加工片(13A、…)の計画データに基づく加工片の図解を含み、任意選択的に前記注文データ(8B)は、前記加工片(13A、…)と関連付けられる製造注文の特性データを含む、機械工具制御システム(5)と、
前記機械可読処理計画(7)に従って板形状の出発材料から前記加工片(13A、…)を製造する平台機械工具(3)と、
前記加工片(13A、…)を仕分けするために、前記加工片(13A、…)を切断材料(11)として仕分けポイント(21)に輸送するコンベヤシステム(9)であって、前記切断材料(11)は、前記コンベヤシステム(9)によって板状配置構成において搬送される、コンベヤシステム(9)と、
ディスプレイユニットであって、前記ディスプレイユニットのモニタ(15A、15B)上に出力されるデータを受信するためのプロセッサを有する、ディスプレイユニットと、
を備え、
前記モニタ(15A、15B)は、前記仕分けポイント(21)から視認可能であるように配置され、または、仮想現実グラスまたはヘッドアップディスプレイシステムとして構成され、
前記プロセッサは、前記仕分けポイント(21)に輸送される前記加工片(13A、…)の、前記機械工具制御システム(5)によって提供される加工片画像データ(10)および任意選択的に注文データ(8B)を受信するように構成され、
前記モニタ(15A、15B)は、前記加工片画像データ(10)および任意選択的に前記注文データ(8B)の順序および任意選択的に配置構成が、前記コンベヤシステム(9)によって前記仕分けポイント(21)に輸送される前記加工片(13A、…)の前記順序および任意選択的に前記配置構成に対応するような、順序および任意選択的に配置構成において、前記加工片画像データ(10)および任意選択的に前記注文データ(8B)が前記モニタ(15A、15B)上に表示されるように、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法に従って制御される、製造システム(1)。
【請求項12】
前記モニタ(15A)が、特にコンベヤベルト(9A)の上方などの前記コンベヤシステム(9)の領域内、および/または、前記仕分けポイント(21)の領域内に配置され、または
前記モニタ(15B)が、前記仕分けポイント(21)の前記領域内のコンベヤベルト(9A)の反転ポイントの下の、1つもしくは複数の小画面を含む、請求項11に記載の製造システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、平台機械工具によって製造される加工片の仕分け工程を支援するために、加工片の製造中に一連の加工片の図解および/または注文情報を表示するための方法に関する。さらに、本発明は、加工片、特に板金加工片を製造するための製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金属加工産業の例として、産業用の金属および/または板金の処理において、種々のサイズおよび量の多くの部品が、ともに生成され、それぞれの注文に従って種々の処理段階に供給されることが多い。例えば、加工片は、例えば、板形状である平坦な材料から種々の形状および量の切断計画に従って、機械工具によって分離される。例えば、加工片は、平坦な材料からレーザによって切り出される。そのような機械工具は、通常は、板形状を維持しながら、例えば、パレットまたはコンベヤベルト上で互いに隣接して配置されている、例えばレーザ切断材料などの、処理済み加工片を出力する。そこから、加工片は仕分けされ、後続の処理段階に提供される。
【0003】
欧州特許出願公開第1524063号明細書は、板が切断または型打ちされる加工片をマーキングする方法を開示している。加工片の仕分けを容易にするために、プロジェクタが、種々の光学的マーキングを切断または型打ちされる加工片に投影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許出願公開第1524063号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の一態様は、機械操作者にとって加工片の仕分けおよび割り当て中の取り扱いをさらに簡素化し、取り扱いをより人間工学的にし、加工片のより的を絞った、より迅速な割り当てを可能にするという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的のうちの少なくとも1つは、請求項1に記載の、平台機械工具による加工片の製造中に仕分け工程を支援するために一連の加工片の図解および/または注文情報を表示するための方法、および、請求項10に記載の加工片を製造するための製造システムによって解決される。さらなる実施形態が、従属請求項において示されている。
【0007】
本明細書において開示されている概念の一態様は、製造システムによって、特に板金部品などの、加工片の製造中に仕分け工程を支援するために、一連の加工片の図解および/または(それぞれ、かつ任意選択的に)注文情報を表示するための方法に関する。それによって、製造システムは、機械工具制御システムを有し、当該システム内に、加工片の各々と関連付けられる加工片画像データおよび/または注文データが機械可読処理計画の一部として格納され、加工片画像データは、各加工片について、製造される加工片の幾何形状データに基づく図解を含み、注文データは、加工片と関連付けられる製造注文の特性データを含む。製造システムは、機械可読処理計画に従って板形状の出発材料から加工片を製造することができる平台機械工具と、加工片を仕分けするために、加工片を切断材料として仕分けポイントに輸送するコンベヤシステムとをさらに含む。それによって、切断材料は、コンベヤシステムによって搬送されるときに、板の形態で構成される。製造システムは、ディスプレイユニットをさらに含み、ディスプレイユニットは、ディスプレイユニットのモニタ上に出力されるデータを受信するためのプロセッサを有し、モニタは、コンベヤシステムの領域内、特に、仕分けポイントの近くに配置される。
方法は、
処理計画によって指定される順序および配置構成に従って、製造されている加工片をコンベヤシステムによって仕分けポイントに輸送するステップと、
仕分けポイントに輸送されている加工片の、機械工具制御システムによって提供される加工片画像データおよび/または注文データを、ディスプレイユニットのプロセッサにおいて受信するステップと、
加工片画像データおよび/または注文データの順序および任意選択的に配置構成が、コンベヤシステムから仕分けポイントに輸送される加工片の順序および任意選択的に配置構成に対応するような、順序および任意選択的に配置構成において、加工片画像データおよび/または注文データをディスプレイユニットのモニタ上に表示するステップと、
を含む。
【0008】
さらなる態様において、特に板金部品などの加工片を製造するための製造システムは、機械工具制御システムを含み、当該システム内に、製造される加工片の各々と関連付けられる加工片画像データおよび/または(それぞれ、かつ任意選択的に)注文データが機械可読処理計画の一部として格納され、加工片画像データは、各加工片について、加工片の計画データに基づく加工片の図解を含み、注文データは、加工片と関連付けられる製造注文の特性データを含む。製造システムは、機械可読処理計画に従って板形状の出発材料から加工片を製造する平台機械工具と、加工片を仕分けするために、加工片を切断材料として仕分けポイントに輸送するコンベヤであって、切断材料は、コンベヤシステムによって板形状の構成において搬送される、コンベヤと、ディスプレイユニットであって、ディスプレイユニットのモニタ上に出力されるデータを受信するためのプロセッサを有する、ディスプレイユニットとをさらに含む。ここで、モニタは、仕分けポイントから見えるように配置され、プロセッサは、仕分けポイントに輸送されている加工片の、機械工具制御システムによって提供される加工片画像データおよび/または注文データを受信するように構成されている。機械工具制御システムは、上述の方法に従って、加工片画像データおよび/または注文データの順序および任意選択的に配置構成が、コンベヤシステムによって仕分けポイントに輸送される加工片の順序および任意選択的に配置構成に対応するような、順序および配置構成において、加工片画像データおよび/または注文データがモニタ上に表示されるように、モニタを制御するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、モニタは、特にコンベヤベルトの上方などのコンベヤの領域、および/または、仕分けポイントの領域内に配置される。例えば、モニタは、コンベヤベルトの幅のほぼ全体にわたって延在することができ、または、仕分けポイントの領域内のコンベヤベルトの反転ポイントの下の、1つもしくは複数の小画面を含むことができる。代替的なまたは追加のモニタとして、仮想現実グラスまたはヘッドアップディスプレイシステムが使用されてもよい。
【0010】
本明細書において、加工片の図解とは、加工片のデータセットの2Dもしくは3Dの図解、概略図、または写真の形態であるかにかかわらず、加工片画像データに基づく、特に、製造される加工片の幾何形状データに基づく図解である。方法のいくつかの実施形態において、加工片画像データは、例えば、コンベヤベルト反転の領域内のコンベヤベルトの横方向ストリップにおいて作業者によって仕分けすることができる領域内にある加工片のみの、全体的なまたは部分のみの加工片の図解を含む(または強調する)モニタ画像としてモニタに表示することができる。例えば、仕分けポイントにおける仕分けのために位置付けられる加工片は、板形状の出発材料内の製造される加工片の配置構成を決定する処理計画に格納されている切断計画を考慮に入れて、特に、製造される加工片の配置構成内の加工片の相対位置を考慮に入れて、および/または、コンベヤシステムのコンベヤベルトの給送値を考慮に入れて決定することができる。
【0011】
加工片画像データは、加工片の図解としてのコンベヤシステムのコンベヤベルトの横方向に沿った向きによっておよび/または位置において表示することができ、加工片の図解のうちの1つの向きおよび/または位置は、処理計画を考慮に入れて、および/または、仕分けポイントに対してコンベヤシステムによって提供される輸送経路を考慮に入れて決定される。
【0012】
さらなるステップにおいて、さらなる加工片が仕分けポイントに輸送されるように、コンベヤシステムのコンベヤベルトの新たな給送位置をとるためにコンベヤシステムが作動されるとき、以前にとられた給送位置において仕分けポイントに輸送された加工片は、コンベヤベルトから仕分けされたものとして自動的にブッキングすることができる。新たな給送位置をとるためのコンベヤの作動は、特に、例えば、コンベヤベルトの終端部にある光バリアを遅れて解放することによって自動的にトリガすることができる。代替的に、これは、作業者によって手動で実施されてもよい。
【0013】
さらなるステップにおいて、ピッキングされる部品の自動ブッキングの検証を、ピッキングされる部品および/または残留格子もしくは残留格子区画の画像取得によって機械工具制御システムにおいて実施することができ、または、機械工具制御システムにおいてピッキングされる部品の自動ブッキングのユーザ制御検証を実施することができる。特に、このように、仕分けポイントの領域内のすべての加工片が仕分けされたことを認識することができ、さらなる加工片を仕分けポイントに輸送するためのコンベヤシステムの制御をトリガすることができる。
【0014】
さらなるステップにおいて、仕分けされる加工片のグループを、処理計画に従って生成することができ、残留格子区画は、仕分けされるグループの加工片に関連付けられ、仕分けされるグループの加工片は、残留格子区画内に配置される。連続する残留格子区画は各々、特に切断ユニットによって行われる細分化切断によって互いから分離することができる。したがって、グループの加工片を、コンベヤシステムのコンベヤベルトの共通の給送位置によって仕分けポイントに輸送することができ、仕分けポイントに最後に輸送されたグループの加工片の加工片画像データおよび/または注文データを、プロセッサによって受信および処理することができ、仕分けポイントに最後に輸送されたグループの加工片の加工片画像データおよび/または注文データを、モニタ上に表示することができる。これに関連して、グループの残留格子区画は、仕分けポイントにおけるグループの位置付けのために、コンベヤシステムのコンベヤベルトの給送位置を規定する前縁を有することができる。したがって、例えば、グループの前縁が所定の搬送位置をとったことを光バリアなどのセンサが検出するまで、コンベヤシステムのコンベヤベルトを動かすことができる。
【0015】
本明細書に記載されている概念は一般的に、加工片の仕分け、および、注文特有の蓄積位置へのそれらの割り当て、ならびに/または、後続の処理段階を迅速かつ効率的にする方法に関する。特に、本発明に従って設計される情報の図解は、人間の知覚および情報の受け取りの物理的条件を考慮に入れるため、本方法は、特に加工片の製造中の機械速度を満たすことができる高い速度および効率によって適時の仕分けを可能にする。この文脈において、本方法は、特に、特定の様式における表示情報の操作者の知覚の改善、または、これを目的にかなったものにすることを対象とする。これは、第1の場所における製造中に、対応して高い機械速度において効率的に仕分けすることを可能にすることができる。
【0016】
本明細書に記載されている概念は、例えば、エラーを起こしやすい画像処理を回避することができ、部品の変位または被覆が作業者の支援に影響を与えないという利点を有する。この工程は、多種多様な製造環境においてよりロバストに実施することができ、照明条件または汚染状況の影響を受けない。これはまた、操作者のより人間工学的なアプローチも可能にし、操作者は、仕分けを待っている加工片に鑑みて個々の加工片を仕分けするための好適な手順を迅速かつ容易に設計することができる。
【0017】
本明細書において、従来技術の諸態様を少なくとも部分的に改善することを可能にする概念が開示される。特に、追加の特徴およびそれらの有用性が、図面に基づく以下の実施形態の説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】仕分け工程を例示するための平台機械工具の例示的なピッキングステーションの図。
図2】仕分け工程を支援するためのモニタ上の加工片画像データおよび注文データの図解を示す略図。
図3】加工片の製造中の一連の加工片画像および/または注文データを表示するための例示的な方法の流れ図であり、表示は仕分け工程を支援する、流れ図。
図4A】仕分け工程中の連続するモニタ画像の例示的な図。
図4B】仕分け工程中の連続するモニタ画像の例示的な図。
図4C】仕分け工程中の連続するモニタ画像の例示的な図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に記載されている態様は、基礎となる注文の添付文書の、時間がかかり、エラーを起こしやすい検査が回避されるため、加工片特有の情報(後続の作業ステーション、注文データなど)の表示によって、板金片の仕分け工程をより効率的にすることができるという認識に、部分的に基づく。
【0020】
本発明者らは、加工片をコンベヤベルト上で供給するときに、静止コンベヤベルトについて、仕分けのための作業ステーション設備(仕分けポイント)において作業者にとって利用可能であるような、加工片の仕分け可能な選択が、仕分けされる加工片に作業者の手が届き、アクセスすることができる可能性によって限定されるということを考慮に入れている。したがって、その瞬間において近傍にあるこれらいくつかの加工片のみについて必要な情報をディスプレイデバイス上に表示することが提案される。言い換えれば、情報の表示はまた、手が届く範囲に対する局所的な基準を有するこれらのいくつかの加工片に限定される。仕分けポイントにおいて操作者の手が届く範囲内にある加工片は、シートデータに基づいて、および、コンベヤベルトの給送に関する情報を使用して決定される。部分的な自動化のために、ベルト給送に基づいて、または、手の追跡などの他の技術を組み込むことによって、仕分けされている加工片をブッキングすることも提案または実施され得る。
【0021】
冒頭において言及した欧州特許出願公開第1524063号明細書に開示されている、加工片への情報の投影とは対照的に、本明細書において言及されている方法は、投影を妨げ得る加工片のサイズまたは材料の特性から独立している。
【0022】
したがって、2Dレーザ切断機械によって生成される加工片の出力に加えて、情報デバイスおよび入力デバイスを画像出力のために適切に提供し、使用することができることを、本発明者らは認識した。製造のために、異なる注文に割り当てられている多数の異なる形状の加工片が、例えば、2Dレーザ切断機械を使用して板金から切り出される。例えば、切断材料は、転送システムを使用してコンベヤベルトに転送され、仕分けのために仕分けポイントにおいて待機している作業者へと給送される。コンベヤベルトは、切断された板金を人間工学的な作業高さにおいて作業者に向かって動かし、板金の前縁がコンベヤベルトの終端部(循環コンベヤベルトの戻り領域)に達すると直ちに停止する。
【0023】
板金内の既知の加工片に基づいて、作業者にとってアクセス可能な最前方の加工片の幾何形状および仕分けに有用な情報が、この時点で自動的に決定される。次にピッキングすることができるこれらの加工片は、板金内で与えられる回転位置、および、場合によってはベルトの幅に沿った位置においてモニタ上に表示される。表示は、例えば、コンベヤベルトの上方の大画面、または、幅全体にわたるコンベヤベルトの循環領域の下方もしくは終端部に分散されるいくつかの小画面上に、あるいは、また他の様態で(VRグラス、ヘッドアップディスプレイなど)行うことができる。
【0024】
最前方の加工片がピッキングされた後、コンベヤベルトは自動的にまたは手動で、引き続き循環する。仕分けされた加工片は、操作者によって、または、システムによって自動的に除去されるものとしてブッキングされる。さらに、紛失または損傷した加工片を、作業者によってブッキングすることができる。このインタラクションは、例えば、加工物、ボタン、またはジェスチャ制御を表示するモニタ上のタッチ入力によって行うことができる。例えば、自動ブッキングは、仕分けしている作業者の手の運動追跡を組み込むことができる。例えば、手の追跡を使用して、いずれの加工片が実際にピッキングされたかを検出することができ、結果、それらの加工片のみが自動的にブッキングされる。仕分け中に作業者を支援するためのさらなる方法が、独国特許出願公開第202016120131号明細書に開示されており、対応して適合されるように、組み込むことができる。したがって、作業者のインタラクションは、標準的な工程(この場合は、加工片に対する要件を満たす良好な部品の仕分け)からの逸脱が発生した場合にのみ、行われる。通常の場合、作業者は、例えば、ブッキングエントリによって影響されることなく仕分けすることができ、または、ブッキングを単純に実施することができる。
【0025】
したがって、画像処理または他の視覚的手段に基づく加工片の実際のピッキングのチェックは必要ない。これは、多種多様な作業環境においてこれを実施することができず、またはエラーを起こしやすい様式でしか実施することができないためである。例えば、好ましくない支持(コンベヤベルトの構造または材料)、加工片と残留格子との処理に関連した重なり合い、定義されていない照明条件などによって、エラーが生じる可能性がある。
【0026】
本明細書において開示されている概念によれば、製造工程に関する情報を適時に、かつ製造されている加工片に関連して、製造工程に関する情報を表示することが可能であり、例えば、画像内容の提示は、人間の知覚および情報の受け取りの物理的条件を考慮に入れる。特に、情報の図解は、機械操作者が、特定の様式で表示情報を知覚し、その上、知覚を機能的に成形することを可能にすることを目標とする。
【0027】
以下は、図1図4Cと関連して、本明細書において開示されている概念が使用されて切断加工片の仕分けが支援される製造システムの仕分け作業ステーションを説明する。
【0028】
図1は、加工片が平台機械工具3によって製造される、製造システム1の例示的な仕分け作業ステーションの表現を示す。平台機械工具3は、例えば、レーザビームを使用して、平坦な材料(本明細書においてはシートとしても参照される)から加工片を、本質的に任意に設定することができる二次元形状において切り出すレーザ切断機械である。この目的のために、平坦な材料は、例えば、レーザ切断ヘッドから発するレーザビームが所望の切断輪郭に沿って案内されるように、レーザ切断ヘッドをその上で動かすことができるパレット上など、機械工具内に格納される。レーザ切断ヘッドの動きは、機械工具制御システム5によって制御される。機械工具に対する制御信号Swが、図1に概略的に示されている。機械工具制御システム5において、切断輪郭は、デジタル処理計画7の形態で与えられる。処理計画において、切断される加工片の幾何形状、すなわち、特に切断される加工片の(外側および内側)輪郭は、加工片幾何形状データ8Aの形態で切断計画に格納される。
【0029】
通常、顧客の注文は加工片のグループを含み、それによって、注文は、例えば、あるタイプの加工片の必要数、および、場合によっては加工片に対するさらなる後続の処理段階など、個々の加工片に関するさらなる情報を含む。したがって、そのような加工片特有の注文データ8Bは、処理計画7内に特性データとして格納される。加えて、加工片画像データ10は、個々の加工片タイプについて格納することができ、または、必要な場合、加工片画像データ10は、加工片幾何形状データ8Aから生成することができる。
【0030】
通常、切断工程の後、切断加工片は依然として、(この時点で切断されている)シートとしてパレット上にある機械工具内の切断材料としての元の平坦な材料の形態において与えられ、したがって、互いに対して板状に配置構成される。加工片は、いわゆる残留格子、すなわち、加工片に使用され得ないシートの材料によって囲まれている。一部の加工片は、例えば、加工片がコンベヤベルト上での輸送中に傾くのを防止するために、いわゆるマイクロ接合を介して残留格子に依然として接続されている。
【0031】
切断材料は、機械によってまたは手動で、コンベヤシステムへと再配置され、さらなる処理段階に給送される。それによって、切断材料は好ましくは、その板状配置構成を維持する。
【0032】
図1は、コンベヤシステム9を概略的に示す。コンベヤシステムは、循環コンベヤベルト9Aを備え、その上で、切断加工片13A、13B、13Cが切断材料11として、残留格子23内に示されている。加工片13A、13B、13Cは依然として板状配置構成において与えられ、仕分けポイント21に輸送される。典型的には、光バリアが、加工片13A、13B、13Cが循環ベルト9Aの転換点を越えて案内されないことを保証する。加えて、コンベヤベルト9Aの駆動は、作業者31によってスイッチ9Bを介して手動で制御することができる。
【0033】
板形状の構成の最前方の加工片13A、13B、13Cは、作業者31の手が届く範囲内にあり、結果、作業者は、仕分けポイント21において制限された数の加工片、ここでは第1の列の加工片13Aにアクセスすることができる。作業者31は、これらの加工片13Aをピッキングし、それらを蓄積位置A、B、C、Dに仕分けすることができ、蓄積位置は、例えば、輸送カートリッジ33の蓄積面に設けられ、対応する注文および/または後続の処理段階に属する。したがって、作業者31は、コンベヤベルト9Aから加工片13Aを拾い上げ、任意のマイクロ接合を除去し、加工片13Aをそれぞれの注文に割り当てる。注文によれば、前方列の加工片13Aのうちの3つが、例えば、蓄積位置Aに位置付けられるべきであり、1つが蓄積位置Bに位置付けられるべきである。
【0034】
本明細書において開示されている概念によれば、仕分け工程は、正確な仕分けを容易にし、特に効率を増大させるために、一連の加工片の図解および/または注文情報の表示によって支援される。この目的のために、仕分けポイント21から作業者31にとって明瞭に視認可能な1つまたは複数のディスプレイユニットが提供される。例えば、図1の配置構成において、好ましくはコンベヤベルト9Aの幅にわたって延在する大型モニタ15Aが、コンベヤベルト9Aの上方に位置付けられる。さらに、モニタ15B(場合によってはタッチ入力機能を有する)を、クリップボードまたは加えて中間蓄積領域の下方で、コンベヤベルト9Aの搬送方向の延長線上で作業者31の正面に位置付けることができる。代替的にまたは付加的に、例えば可動であり、それぞれの蓄積位置の近くに位置付けることができるディスプレイを、コンベヤベルトの側に設けることができる。
【0035】
図1において、ディスプレイユニット(モニタ15A、モニタ15B)が、信号接続Smを介して画像情報を受信するために機械工具制御システム5に接続されることが示されている。特に、ディスプレイユニットは各々、ディスプレイユニットの関連付けられるモニタ15A、15B状に出力されるデータを受信するためのプロセッサを有する。図1において、最前列の加工片13A、すなわち、それらの加工片画像データ10が、モニタ15A、15B上に概略的に表示されている。図2において、モニタ15Aのモニタ画像17が示されている。加工片13Aの表示されている加工片画像データ10に加えて、モニタ画像17は、加工片の図解の各々の上方に注文データ17を示している。例として、最前列の左3つの加工片13Aは、その加工片が蓄積位置「A」において収集される注文に割り当てられる。他方、右の加工片は、蓄積位置「B」において次の処理段階に利用可能にされる注文に割り当てられる。
【0036】
ディスプレイがタッチスクリーンモニタ(例えば、コンベヤトラックの延長線上にあるモニタ15Bなど)として適合される場合、図2において図解されている加工片の下方に例示的に示されているように、入力フィールドをさらに設けることができる。例えば、入力「X」またはスクラップ部分「0」としてのマーキングを行うことができる。ディスプレイ(モニタ15A、15B)上の上方の図解に関する詳細は、図3および図4A図4Cに関連して説明する。
【0037】
さらに、信号接続Sfが、機械工具制御システム5とコンベヤシステム9との間に与えられる。信号接続は、一方において、コンベヤシステム9の駆動制御を可能にし、他方において、コンベヤベルト9Aの給送位置(循環位置)に関する正確な位置情報を機械工具制御システム5に出力することを可能にする。
【0038】
図3の流れ図において、方法は例示的に以下に分割される。ステップ51において、製造された加工片13A、13B、13Cが、コンベヤシステム9によって仕分けポイント21に輸送される。この工程において、加工片のコンベヤベルト9A上での順序および配置構成は、実行されている処理計画7に基づいて与えられる。
【0039】
ステップ53において、機械工具制御システム5によって提供される加工片13A、13B、13Cの加工片画像データ10および任意選択的に注文データ8Bが、モニタ15Aなどのディスプレイユニットのプロセッサにおいて受信される。
【0040】
ステップ55において、加工片画像データ10および任意選択的に注文データの順序および任意選択的に配置構成が、コンベヤシステムによって仕分けポイント21に輸送された加工片13A、13B、13Cの順序および任意選択的に配置構成に対応するような、順序および任意選択的に配置構成において、加工片画像データ10および任意選択的に注文データ8Bがディスプレイユニットのモニタ上に表示される。特に、例えば、コンベヤの反転領域内のコンベヤベルト9Aの横方向ストリップ内など、作業者31にとってアクセス可能な仕分け領域21内に位置する加工片の加工片画像データが表示されている。横方向19は、図1に示されている。この目的のために、ステップ51に先行するステップ49において、例えば、仕分けポイントにおいて仕分けするために位置付けられている、すなわち、仕分けポイント21から作業者31にとってアクセス可能である加工片13Aが決定される。これは、板状出発シートにおける製造されている加工片の配置構成を決定する、処理計画7に格納されている切断計画を含めることによって行われる。さらに、製造されている加工片の配置構成内の加工片13A、13B、13Cの相対位置を、決定に含めることができる。さらに、仕分け工程中であってもそれぞれの加工片13A、13B、13Cを正確に決定するために、コンベヤベルト9Aの給送値(コンベヤシステムの給送ステータス)が、次に仕分けされる加工片(図1の加工片13A)の決定に含められる。
【0041】
モニタ画像内で、切断計画内の向きに対応する向きを有し、コンベヤベルト9Aの横方向19に沿った位置にある加工片画像データを、概略的な加工片の図解として表示することができる(ステップ55A)。またここで、コンベヤシステムによってすでに成されている加工片の処理計画7または輸送経路(コンベヤベルト位置)を考慮に入れることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、作業者31によるコンベヤシステムの作動を使用して、追加の加工片13Bを仕分けポイント21に輸送することができる。このために、例えば、コンベヤベルト9Aの新たな給送位置を、手動で制御することができる。同時にまたは後に、コンベヤベルトから仕分けされたはずであるそれらの加工片の自動ブッキングを行うことができる(ステップ57)。すなわち、以前にとられた給送位置において仕分けポイント21に輸送された(したがって、作業者31の手が届く範囲内にある)加工片が、ブッキングされたものとして登録(場合によってさらには完全に自動的に)される。特定の状況下で、作業者31による確認が必要とされる場合がある(ステップ59B)。
【0043】
コンベヤベルト9Aは、給送において作業者31によって制御することができ、すなわち、作業者31は、コンベヤベルト9Aを停止し、加工片を仕分け領域へと段階的に動かすことができる。新たな給送位置をとることは、自動的にまたは作業者31によって手動で開始することができる。自動的に、これは、例えば、対応する加工片および残留格子の除去に起因して、コンベヤベルト9Aの終端部にある光バリアが解放されるときに生じ得る。ここで、例えば、解放の時間遅延を与えることができる。
【0044】
加えて、ステップ59Aにおいて、ピッキングされている部品の自動ブッキングの検証を、除去されている部品および/または残留格子もしくは残留格子の区画の画像取得によって実行することができる。画像取得は、仕分けポイント21の領域内のすべての加工片が仕分けされ、蓄積位置に割り当てられたか否かを検出するようにさらに構成することができる。そうである場合、これによって、コンベヤシステム9の制御をトリガすることができ、これによって、さらなる加工片が仕分けポイント21に輸送される。
【0045】
図4A図4Cにおいて、コンベヤベルト給送位置の3つの連続する段階に対応するモニタ画像27A、27B、27Cが示されている。モニタ画像27A、27B、27Cにおいて、加工片画像データ10は、モニタ画像27A、27B、27Cの左側に仕分けされるそれぞれの加工片のアウトラインとして示されている。仕分けされるべきでない加工片の加工片画像データは、わずかしか表示されなくてもよく、または、まったく表示されなくてもよい。例えば、図解は、切断計画において与えられ、コンベヤシステムによる輸送中に維持される切断加工片の配置構成および順序に対応する。
【0046】
加えて、4つの後続の処理段階および注文に関する情報が、モニタ画像27A、27B、27Cの右側に表示される。処理段階は、例えば、61「曲げ」、63「デバリング」、65「溶接」、および67「出荷」である。例示的に、モニタ画像27A、27B、27Cにおいて、各後続の処理段階の加工片画像データ10は、個々に隣り合ってリストされており、例えば、加工片の必要数71(場合によってはすでに仕分けされた数と比較した)および注文番号73など、注文の特性データを与えられている。
【0047】
図4A図4Cにおいて、加工片画像データは、処理段階に対する参照を示すために、充填模様(網掛け、ドット)がないことまたは異なることによってマーキングされている。これはまた、例えば、モニタ上で、適切な着色によって行うこともできる。
【0048】
図4A図4Cにおいて、それぞれの時点において作業者31の手が届く範囲内にある加工片は、モニタ画像27A、27B、27Cの右側に強調されるように示されている。それぞれの時点において仕分けされるべきでない加工片は、例えば、浅色または破線など、参考としてのみ示されている。
【0049】
したがって、図4Aにおける処理段階61「曲げ」について、作業者31の手が届くことができる5つのタイプの加工片について、加工片画像データを見ることができる。後続の処理段階63「デバリング」および65「溶接」について、各事例において1つの加工片が仕分けされるべきである。工程段階67「出荷」について、2つの同一の加工片および1つのさらなる加工片が仕分けされるべきである。
【0050】
すべての加工片が残留格子から解放され、コンベヤベルトから除去されると、作業者31には、次のグループの加工片を搬送することができる。この次の給送位置において、4つの異なるタイプの加工片が処理段階61「曲げ」のために仕分けされるべきであり、1つの加工片が処理段階67「出荷」のために仕分けされるべきである。
【0051】
これらの加工片が仕分けされ、対応する蓄積位置に割り当てられると、作業者31はコンベヤベルトを再び作動させ、この時点において、図4Cに示す加工片画像データに基づいて次の加工片を仕分けする。
【0052】
このように、処理計画に従って製造される加工片の配置構成に関する情報を、加工片の既知の位置を使用して作業者に対して漸進的に出力することができ、加工片はその後、コンベヤベルトから仕分けされる。
【0053】
完全を期すために、代替的にまたは付加的に、上記それぞれの加工片について、いくつのタイプが仕分けされているか、および、それらのうちのいくつが依然として見当たらないかを示すことができることを指摘しておく。図4A図4Cは、同じタイプの切断されている加工片を異なる処理段階に割り当てることができることを明確にしていることにさらに留意されたい。作業者31がこれを認識した場合、作業者はまた、機械工具制御システムによって示唆されているような仕分け計画から逸脱することもでき、作業者は例えば、注文を完了することを選ぶことができる。
【0054】
説明されているように、コンベヤベルトは、モニタ上に表示される加工片を、この制御された様式で操作者の手が届く範囲内に運搬する。さらに、仕分けされる加工片のグループを処理計画内の残留格子の区画にすでに割り当てておくことができる。残留格子のそのような区画は、1つまたは複数の細分化切断によって、残留格子の他の区画から分離しておくことができる。このグループについて、コンベヤベルトの共通の給送位置を、仕分け工程に供することができ、関連付けられる加工片が仕分けポイントにおいて作業者の手が届く範囲内に配置される。ディスプレイユニットのプロセッサにおいて、これらの加工片の加工片画像データおよび任意選択的に注文データをともに送受信することができ、結果、それに応じてそれらがモニタに表示される。共通の残留格子区画がそれらに割り当てられている場合、そのような加工片グループの例は、図4A図4Cに示す加工片である。
【0055】
この場合、残留格子区画は、仕分けポイント21における関連付けられる加工片グループの位置付けのために、コンベヤベルトの給送位置を規定することができる前縁を有する。例えば、残留格子の先行する区画が除去されている場合、例えば、前縁が光バリアをトリガする位置までコンベヤベルトが動かされるまで、コンベヤシステムを作動させることができる。
【0056】
さらに、完全を期すために、仕分け工程において、それぞれの加工片を、例えば、その後ともに蓄積位置に運搬されるようにするために、中間蓄積位置に一時的に蓄積することができる。中間蓄積位置は、例えば、各事例において、転換点に示されている蓄積台もしくは別のタイプの収集コンテナ、または、大型加工片の場合は別個のパレット上の領域とすることができる。残留格子はまた、適応的にパレットまたは収集コンテナ上に蓄積することもできる。
【0057】
本明細書および/または特許請求の範囲に開示されているすべての特徴は、元の開示の目的のために、ならびに、実施形態および/または特許請求の範囲内の特徴の組成とは無関係に特許請求される発明を制限する目的のために、別個にかつ互いから独立して開示されるように意図されていることは明示的に述べておく。すべての値範囲またはエンティティのグループの指示は、特に値範囲の制限として、元の開示の目的のために、および、特許請求される発明を制限する目的のために、すべての可能な中間値または中間エンティティを開示することは明示的に述べておく。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C