(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】漏れ防止を備えたエアロゾル発生システムおよびカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20240611BHJP
【FI】
A24F40/30
(21)【出願番号】P 2021528953
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2019084042
(87)【国際公開番号】W WO2020115306
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-29
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】サイギリ アリ ムラト
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/070402(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0238723(US,A1)
【文献】特表2018-504132(JP,A)
【文献】特表2018-527918(JP,A)
【文献】国際公開第2017/085452(WO,A1)
【文献】実開昭60-033891(JP,U)
【文献】特開2018-016380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-40/95
A24F 42/00-42/90
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第一の流体チャネル、第一の気流通路、およびエアロゾル発生基体を保持する貯蔵部を含む、第一の構成要素であって、前記第一の流体チャネルが前記貯蔵部に流体連結している、第一の構成要素と、
第二の流体チャネルおよび第二の気流通路を含む第二の構成要素と、
前記第一の構成要素を前記第二の構成要素に回転可能に連結する接合部であって、
前記接合部を介した、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の互いに対する第一の角度から第二の角度への回転により、前記第一の流体チャネルが前記第二の流体チャネルに連結され、前記第一の気流通路が前記第二の気流通路に連結される、接合部と、
前記第一の構成要素および前記第二の構成要素に連結された破壊可能な部材であって、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の互いに対する回転が、前記破壊可能な部材を破壊する、破壊可能な部材と、を備える、システム。
【請求項2】
前記第一の構成要素が、第一の空気吸込み口および第一の空気出口をさらに含み、前記第一の気流通路がそれらの間に延び、
前記第二の構成要素が、第二の空気吸込み口および第二の空気出口をさらに含み、前記第二の気流通路がそれらの間に延び、エアロゾル発生要素が前記第二の流体チャネルに連結され、
前記第一の流体チャネルを前記第二の流体チャネルに連結することにより、前記第二の空気吸込み口と前記第一の空気出口との間に拡張された気流通路を形成するように、前記第二の空気出口が前記第一の空気吸込み口に連結され、
前記第一の流体チャネルを前記第二の流体チャネルに連結することにより、前記貯蔵部からのエアロゾル発生基体が、前記第一の流体チャネルおよび前記第二の流体チャネルを介して前記エアロゾル発生要素と流体連通して、前記拡張された気流通路に伝達されるエアロゾルを発生させることが可能になる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接合部を介した、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の互いに対する前記第二の角度から前記第一の角度への回転が、
前記第二の空気吸込み口と前記第一の空気出口との間の気流を抑止するように、前記第二の空気出口を前記第一の空気吸込み口から連結を外し、
前記エアロゾル発生要素と前記貯蔵部との間の流体連通を抑止するように、前記第一の流体チャネルを前記第二の流体チャネルから連結を外す、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記エアロゾル発生要素が発熱体を含む、請求項2または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記発熱体が液体透過性である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記エアロゾル発生基体がニコチンを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第二の構成要素が、前記エアロゾル発生要素を保持する内部ハウジングを含む、請求項2~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第二の構成要素がチャンバーをさらに含み、前記エアロゾル発生要素の一方の側が、前記第二の流体チャネルと流体連通しており、前記エアロゾル発生要素の反対側が、前記チャンバーと流体連通している、請求項2~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第二の構成要素が、気体透過性要素をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記気体透過性要素の一方の側が、前記チャンバーと流体連通しており、前記気体透過性要素の反対側が、前記第二の気流通路と流体連通している、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第二の構成要素が、内部ハウジングを含み、前記内部ハウジングがリッドをさらに含み、前記気体透過性要素が、前記リッドと前記エアロゾル発生要素との間に配置される、請求項
9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第一の角度が前記第二の角度から約180°である、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
電源および前記電源に接続された制御回路を含む装置部分をさらに備え、前記装置部分が、前記第二の構成要素に連結される、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
方法であって、
第一の流体チャネル、第一の気流通路、およびエアロゾル発生基体を保持する貯蔵部を含む第一の構成要素を提供することであって、前記第一の流体チャネルが前記貯蔵部と流体連結している、提供することと、
第二の流体チャネルおよび第二の気流通路を含む第二の構成要素を提供することと、
前記第一の構成要素および前記第二の構成要素に連結された破壊可能な部材を提供することと、
前記第一の構成要素を前記第二の構成要素に回転可能に連結する接合部を提供することと、
前記破壊可能な部材を破壊し、前記第一の流体チャネルを前記第二の流体チャネルに連結し、前記第一の気流通路を前記第二の気流通路に連結するように、前記接合部を介して、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素を互いに対して第一の角度から第二の角度に回転させることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム、特に、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを生成するエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、ユーザーが吸入するためのエアロゾルを発生する電気加熱式の喫煙システムである。電気加熱式の喫煙システムは、様々な形態で提供される。電気加熱式の喫煙システムの一般的な一つのタイプは、液体エアロゾル形成基体、またはその他の凝縮された形態のエアロゾル形成基体を気化させてエアロゾルを発生するeシガレットである。
【0003】
WO2015/117702Aは、液体基体を加熱してエアロゾルを形成するエアロゾル発生システムを記載している。加熱は、加熱フィラメントのメッシュを使用して遂行される。液体は、メッシュの一方の側上の毛細管材料によって液体貯蔵部からメッシュに運ばれる。気流チャネルは、メッシュの他方の側上にある。気化した液体エアロゾル形成基体は、メッシュを通過して気流チャネルの中へと入る。メッシュは、毛細管材料とともに、気流チャネルの中への液滴の通過を防止するために使用される。
【0004】
しかしながら、一部の状況では、液体基体が凝縮または漏れ、結果として気流チャネルに入り、気流チャネルを通して吸い込まれる可能性がある。このことはユーザーにとって体験の低下をもたらしうる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の第一の態様では、
第一の流体チャネルおよび第一の気流通路を含む第一の構成要素と、
第二の流体チャネルおよび第二の気流通路を含む第二の構成要素と、
第一の構成要素を第二の構成要素に回転可能に連結する接合部と、を備える、システムが提供されている。有利なことに、接合部を介した、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する第一の角度から第二の角度への回転により、第一の流体チャネルが第二の流体チャネルに連結され、第一の気流通路が第二の気流通路に連結される。
【0006】
随意に、システムは、第一の構成要素および第二の構成要素に連結された破壊可能な部材をさらに備え、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する回転は、破壊可能な部材を破壊する。
【0007】
追加的に、または別の方法として、随意に、第一の構成要素は、第一の空気吸込み口および第一の空気出口をさらに含み、第一の気流通路がそれらの間に延び、貯蔵部はエアロゾル発生基体を保持し、第一の流体チャネルが貯蔵部に流体連結している。追加的に、または別の方法として、随意に、第二の構成要素は、第二の空気吸込み口および第二の空気出口をさらに含み、第二の気流通路がそれらの間に延び、エアロゾル発生要素は第二の流体チャネルに連結している。有利なことに、第一の流体チャネルを第二の流体チャネルに連結することにより、第二の空気吸込み口と第一の空気出口との間に拡張された気流通路を形成するように、第二の空気出口が第一の空気吸込み口に連結され、第一の流体チャネルを第二の流体チャネルに連結することにより、貯蔵部からのエアロゾル発生基体が第一の流体チャネルおよび第二の流体チャネルを介してエアロゾル発生要素と流体連通して、拡張された気流通路内に伝達されるエアロゾルを発生させることが可能になる。
【0008】
さらなるオプションとして、接合部を介した、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する第二の角度から第一の角度への回転により、第二の空気吸込み口と第一の空気出口との間の気流を抑止するように、第二の空気出口が第一の空気吸込み口から連結を外され、エアロゾル発生要素と貯蔵部との間の流体連通を抑止するように、第一の流体チャネルが第二の流体チャネルから連結を外される。
【0009】
追加的に、または別の方法として、随意に、エアロゾル発生要素は発熱体を含む。追加的に、または別の方法として、随意に、発熱体は液体透過性である。追加的に、または別の方法として、発熱体はメッシュを含む。随意に、メッシュは、約10μm~100μmの直径を有するワイヤから形成される。追加的に、または別の方法として、随意に、エアロゾル発生基体はニコチンを含む。追加的に、または別の方法として、随意に、第二の構成要素は、エアロゾル発生要素を保持する内部ハウジングを含む。追加的に、または別の方法として、随意に、第二の構成要素は、チャンバーをさらに含み、エアロゾル発生要素の一方の側は、第二の流体チャネルと流体連通しており、エアロゾル発生要素の反対側は、チャンバーと流体連通している。随意に、第二の構成要素は、気体透過性要素をさらに含む。さらなるオプションとして、気体透過性要素の一方の側は、チャンバーと流体連通しており、気体透過性要素の反対側は、第二の気流通路と流体連通している。さらなるオプションとして、内部ハウジングは、リッドをさらに含み、気体透過性要素は、リッドとエアロゾル発生要素との間に配置される。
【0010】
追加的に、または別の方法として、随意に、第一の角度は第二の角度から約180oである。
【0011】
追加的に、または別の方法として、随意に、システムは、電源および電源に接続された制御回路を含む装置部分をさらに備え、装置部分は、第二の構成要素に連結されている。
【0012】
本明細書の別の態様では、
第一の流体チャネルおよび第一の気流通路を含む第一の構成要素を提供することと、
第二の流体チャネルおよび第二の気流通路を含む第二の構成要素を提供することと、
第一の構成要素を第二の構成要素に回転可能に連結する接合部を提供することとと、
第一の流体チャネルを第二の流体チャネルに連結し、第一の気流通路を第二の気流通路に連結するように、接合部を介して、第一の構成要素および第二の構成要素を互いに対して第一の角度から第二の角度に回転させることと、を含む、方法が提供されている。
本発明のシステムおよび方法は、任意の適切な随意の特徴および構成の組み合わせを含みうる。例えば、気体透過性要素が提供される場合、随意に、気体透過性要素はメッシュを含んでもよい。有利なことに、メッシュは、ステンレス鋼などの耐腐食性材料から形成されてもよい。メッシュは、メッシュの疎水性または疎油性を増大させる材料で被覆されてもよい。例えば、炭化ケイ素、酸化ケイ素、フルオロポリマー、酸化チタン、または酸化アルミニウムのナノコーティングが、液相堆積、気相堆積、または熱プラズマ蒸発によって、フィラメントからメッシュを形成する前に、メッシュまたはフィラメントに適用されうる。
【0013】
気体透過性要素が複数のフィラメントから形成されるメッシュを備える場合、フィラメントは、互いに接触するフィラメント間の角度がおよそ90°になるように、正方形の織りで配設されてもよい。しかしながら、互いに接触するフィラメント間の他の角度が使用されてもよい。互いに接触するフィラメント間の角度は、30°~90°であることが好ましい。複数のフィラメントは、織布または不織布を含んでもよい。
【0014】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵部(基体チャンバー)を備えてもよい。エアロゾル形成基体は室温で液体であってもよい。その場合、貯蔵部は、液体貯蔵部として説明されうる。エアロゾル形成基体は、室温で固体などの別の凝縮された形態であってもよく、室温でゲルなどの別の凝縮された形態であってもよく、または室温で液体などの別の凝縮された形態であってもよい。エアロゾル発生要素は、貯蔵部と気流通路との間に少なくとも部分的に提供されてもよい。
【0015】
エアロゾル発生要素は発熱体を含んでもよい。エアロゾル形成基体を加熱することにより、エアロゾル形成基体から揮発性化合物がベイパーとして放出されうる。その後、ベイパーは、気流内(拡張された気流通路内など)で冷却されてエアロゾルを形成しうる。
【0016】
発熱体は抵抗加熱によって動作するように構成されてもよい。言い換えれば、発熱体は、電流が発熱体を通過する時に熱を発生するように構成されてもよい。
【0017】
発熱体は誘導加熱によって動作するように構成されてもよい。言い換えれば、発熱体は、動作時に、サセプタ内に誘発された渦電流によって加熱されるサセプタを含んでもよい。ヒステリシス損失もまた、誘導加熱に寄与する場合がある。
【0018】
発熱体は伝導によりエアロゾル形成基体を加熱するように配設されてもよい。発熱体は、エアロゾル形成基体と流体連通(例えば、直接的または間接的に接触)していてもよい。例えば、発熱体は、貯蔵部と流体連通、例えば、直接的または間接的に連通していてもよい。発熱体は対流によりエアロゾル形成基体を加熱するように配設されてもよい。特に、発熱体は、その後、エアロゾル形成基体を通過する、またはエアロゾル形成基体のそばを通る空気の流れを加熱するように構成されてもよい。
【0019】
発熱体は液体透過性(流体透過性)であってもよい。特に、発熱体は、エアロゾル形成基体からのベイパーが発熱体を通って拡張された気流通路の中へと入ることを許容しうる。発熱体は、貯蔵部と拡張された気流通路との間に、または貯蔵部に連結されたチャネルと拡張された気流通路との間に、または一つ以上の搬送媒体(毛細管材料など)と拡張された気流通路との間に位置付けられてもよい。発熱体は、貯蔵部を拡張された気流通路から分離してもよく、またはチャネルを拡張された気流通路から分離してもよく、または前述の一つ以上の搬送媒体を拡張された気流通路から分離してもよい。発熱体の一方の側は、エアロゾル発生基体(エアロゾル形成基体)と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触していてもよく、発熱体の反対側は、拡張された気流通路と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触していてもよい。
【0020】
一部の実施形態では、発熱体は、メッシュ、穿孔されたプレートまたは穿孔された箔などの概して平面状の流体透過性発熱体である。
【0021】
発熱体は、複数の導電性フィラメントから形成されたメッシュを含んでもよい。導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定してもよく、隙間は10μm~100μmの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時に、気化される液体エアロゾル形成基体が隙間の中へと引き出されるように隙間内に毛細管作用を生じさせて、ヒーター組立品と液体の間の接触面積を増加させることが好ましい。
【0022】
導電性フィラメントは160~600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160~600個(±10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は75μm~25μmであることが好ましい。メッシュの合計面積に対する隙間の面積の配分量であるメッシュの開口部分の面積率は25~56%が好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。別の方法として、導電性フィラメントは、互いに平行に配置されたフィラメントのアレイから成る。
【0023】
導電性フィラメントは8μm~100μmの直径を有することができ、8μm~50μmの直径を有することが好ましく、8μm~39μmの直径を有することがより好ましい。
【0024】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは布の面積は小さくてもよく、25mm2以下であることが好ましく、手持ち式システムへの組み込みが許容されることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは布は、例えば5mm×2mmの寸法の長方形であってもよい。
【0025】
導電性フィラメントは任意の適切な導電性材料を含んでもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例には、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは一つ以上の絶縁体で被覆されていてもよい。導電性フィラメント用の好ましい材料は、304、316、304L、および316Lステンレス鋼、ならびに黒鉛である。
【0026】
ヒーター要素の導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の電気抵抗は、0.3~4オームであることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.5~3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。
【0027】
システムは、発熱体に固定された電気接点を備えてもよい。電流は、電気接点を通して、例えば、第一の構成要素および/または第二の構成要素がそれに取り外し可能に連結されうる装置部分から発熱体へ、および発熱体から通過しうる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または繊維の電気抵抗は、電気接点の電気抵抗より少なくとも1桁大きいことが好ましく、また少なくとも2桁大きいことがより好ましい。これは、電気接点によってではなく発熱体によって熱が発生されることを確実にする。
【0028】
エアロゾル発生要素は、エアロゾル形成基体を、加熱以外の方法で霧状にしてもよい。例えば、エアロゾル発生要素は、振動膜を備えてもよく、またはエアロゾル形成基体が微細メッシュを通るよう強制してもよい。
【0029】
貯蔵部(エアロゾル形成基体チャンバー)は、発熱体または他のエアロゾル発生要素へのエアロゾル形成基体の供給を確実にするように構成された毛細管材料またはその他の液体保持材料を備えてもよく、またはこれに連結されてもよい。
【0030】
毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターまたはその他のエアロゾル発生要素に運ぶように整列していてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。
【0031】
毛細管材料は、発熱体の導電性フィラメントと流体連通、例えば、直接的または間接的に接触していてもよい。毛細管材料は、フィラメント間の隙間の中へと延びてもよい。発熱体は、毛細管作用によって液体エアロゾル形成基体を隙間の中へと引き出してもよい。
【0032】
第一の構成要素および/または第二の構成要素は独立して、一つ以上の毛細管材料を含有してもよく、または二つ以上の異なる毛細管材料(二つ以上の搬送媒体)を含有してもよい。一つのオプションとして、発熱体と接触している第一の毛細管材料はより高い熱分解温度を有し、第一の毛細管材料と接触しているが発熱体とは接触してない第二の毛細管材料はより低い熱分解温度を有する。第一の毛細管材料は、第二の毛細管材料がその熱分解温度を上回る温度に晒らされないように、発熱体を第二の毛細管材料から分離するスペーサーとして効果的に作用する。本明細書で使用される場合、「熱分解温度」は、材料が分解を始め、気体状の副産物を発生することにより質量を損失する温度を意味する。第二の毛細管材料は、有利なことに第一の毛細管材料よりも大きな容積を占めてもよく、また第一の毛細管材料よりも多くのエアロゾル形成基体を保持してもよい。第二の毛細管材料は、第一の毛細管材料よりも優れた芯の性能を持ってもよい。第二の毛細管材料は、第一の毛細管材料よりも安価であるか、または高い充填能力を持ってもよい。第二の毛細管材料はポリプロピレンであってもよい。
【0033】
エアロゾル発生システムは、ヒーターを保持する内部ハウジング部分を備えてもよい。内部ハウジング部分は、外部ハウジング部分内に受容されてもよい。本開示のシステムの第一の構成要素および/または第二の構成要素は、内部ハウジング部分と外部ハウジング部分の特徴の任意の適切な組み合わせを含んでもよく、またはこれを形成してもよい。外部ハウジング部分は、ユーザーが吸煙して、拡張された気流通路を通して、例えば、第一の空気吸込み口から第二の空気出口へと空気を引き出すマウスピースを含んでもよい。提供される場合、気体透過性要素は、内部ハウジング部分上に位置付けられてもよい。随意で、気体透過性要素は、チャンバー(貯蔵部とヒーターとの間に提供されうる)と第二の気流チャネルとの間に位置付けられてもよい。気体透過性要素は、チャンバーを気流チャネルから分離しうる。気体透過性要素の一方の側は、チャンバーと流体連通、例えば、直接的または間接的に接触していてもよく、気体透過性要素の反対側は、気流通路と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触していてもよい。気体透過性要素は、クランプ留めによって内部ハウジング部分に固定されてもよい。例えば、気体透過性要素は、二つのハウジング部分の間にクランプ留めされてもよい。気体透過性要素は、オーバーモールドによって内部ハウジング部分に固定されてもよい。言い換えれば、内部ハウジング部分の一部分は、気体透過性要素の周りに成形されてもよい。
【0034】
エアロゾル発生システムは、一つ以上の外部ハウジング部分を有してもよく、実際に二つ以上の外部ハウジング部分、または三つ以上の外部ハウジング部分を含んでもよい。外部ハウジング部分は、ユーザーが片手で保持するように、そして互いに結合されうるように構成されてもよい。外部ハウジング部分は、プラスチック材料から、または金属から、または任意のその他の好適な材料または材料の組み合わせから形成されうる。
【0035】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体で再充填可能であってもよい。エアロゾル形成基体は室温で液体であってもよい。エアロゾル形成基体は室温でゲルであってもよく、または固体であってもよい。エアロゾル形成基体は、カプセルまたは錠剤の形態で提供されてもよく、または粒子の形態で提供されてもよい。
【0036】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である、またはこれを含んでもよい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。
【0037】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に密度の高い安定したエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの作動の使用温度で熱分解に対して実質的に抵抗性のある、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはこれらの混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤および水など)を含んでいてもよい。
【0038】
システムは、ヒーター要素などのエアロゾル発生要素、および電力供給源に接続された電気回路をさらに備えうる。電気回路は、例えば、発熱体、または発熱体の一つ以上のフィラメントの電気抵抗をモニターし、そして発熱体の電気抵抗または具体的には一つ以上のフィラメントの電気抵抗に依存して、電源から発熱体への電力の供給を制御するように構成されうる。随意に、電気回路および電力供給源は、第一の構成要素および/または第二の構成要素がそれに取り外し可能に連結されうる装置部分内に配置されてもよい。
【0039】
電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)、もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、発熱体またはその他のエアロゾル発生構成要素への電力供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後に発熱体に連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなど、断続的に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。
【0040】
このシステムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。このシステムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。喫煙システムの全長は、およそ30mm~およそ150mmであってもよい。喫煙システムの外径は、およそ5mm~およそ30mmであってもよい。
【0041】
システムは、有利なことに、電源、典型的には、リン酸リチウム鉄電池などの電池を、第一の構成要素および/または第二の構成要素の本体内、または第一の構成要素および/または第二の構成要素の本体に連結されうる装置部分内に備える。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としてもよく、1回以上の喫煙の体験のために十分なエネルギーを蓄積できる容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源が所定の吸煙回数、またはヒーターの不連続的な起動を可能にするための十分な容量を有してもよい。
【0042】
エアロゾル発生システムは、カートリッジおよび装置部分を備えてもよく、カートリッジは、使用時には装置部分と連結される。カートリッジは、第一の構成要素および第二の構成要素と、エアロゾル形成基体と、発熱体またはその他のエアロゾル発生要素とを含んでもよい。装置部分は、電源および電源に接続された制御回路を含んでもよい。装置部分は、カートリッジに連結されて、電源からエアロゾル発生要素への電力の供給を可能にする。
【0043】
カートリッジは、第二の空気出口を含んでもよい。カートリッジは、エアロゾル発生基体を凝縮された形態で保持する貯蔵部を含んでもよい。カートリッジは、液体透過性発熱体を含みうる。提供される場合、カートリッジは、気体透過性要素を含んでもよい。提供される場合、カートリッジは、チャンバーを含んでもよい。カートリッジは、第一の構成要素および/または第二の構成要素の特徴の任意の適切な組み合わせとして提供されうる、内部ハウジング部分および外部ハウジング部分を含みうる。装置部分は、内部ハウジング部分もしくは外部ハウジング部分、またはその両方と係合する装置ハウジングを含んでもよい。気流通路は、カートリッジおよび装置部分を通って延びてもよく、またはカートリッジ部分のみを通って延びてもよい。
【0044】
電気接点は、カートリッジ内にあってもよく、また装置部分上の対応する電気接点と係合してもよい。
【0045】
本明細書に提供される構成は、多くの利点を提供する。特に、本構成は、エアロゾル発生システムから、またはエアロゾル発生システム内のカートリッジからの液体の漏れを低減しうる。流体チャネルの互いに対する連結および連結外れを提供し、かつ気流通路の互いに対する連結および連結外れを提供する接合部の提供により、有利なことに、凝縮された形態のエアロゾル発生基体が気流通路内に、または装置の外へと漏れることが抑止される。本開示の主題はまた、頑丈かつ製造が単純なシステムを提供する。
【0046】
ここで本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1A】
図1Aは、本発明による、第一の位置にあるシステムの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明による、第一の位置にあるエアロゾル発生システムの概略図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態による、第一の位置にあるカートリッジの斜視図である。
【
図5】
図5A~5Bは、
図3A~3Bのカートリッジの第一の構成要素の、それぞれ端面図および側面図である。
【
図6】
図6A~6Bは、
図3A~3Bのカートリッジの第二の構成要素の、それぞれ端面図および側面図である。
【
図7A】
図7Aは、第一の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
【
図7B】
図7Bは、第二の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
【
図8A】
図8Aは、第一の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
【
図8B】
図8Bは、第二の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
【
図9】
図9は、本発明によるエアロゾルを発生させる方法における動作のフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書では、漏れ防止を備えたシステム、カートリッジ、および方法が提供されている。
【0049】
例えば、
図1Aは、本発明による、第一の位置にあるシステムの概略図である。
図1Bは、第二の位置にある
図1Aのシステムの概略図である。
図1A~1Bに示すシステム1は、第一の流体チャネル4および第一の気流通路5を含む第一の構成要素2と、第二の流体チャネル6および第二の気流通路7を含む第二の構成要素3と、第一の構成要素2を第二の構成要素3に回転可能に連結する接合部Jとを含む。有利なことに、接合部Jを介した、第一の構成要素2および第二の構成要素3の互いに対する第一の角度(
図1Aに示すような)から第二の角度(
図1Bに示すような)への回転により、第一の流体チャネル4が第二の流体チャネル6に連結され、第一の気流通路5が第二の気流通路7に連結される。随意に、システム1は、第一の構成要素2および第二の構成要素3に連結された破壊可能な部材Tをさらに備え、第一の構成要素2および第二の構成要素3の互いに対する回転は、破壊可能な部材Tを破壊する。
図1Aに示す非限定的な構成では、システム1は、複数の破壊可能な部材Tを含む。破壊可能な部材Tはそれぞれ、第一の角度で第一の構成要素2を第二の構成要素3に結合するタブを含んでもよく、このタブは、例えば、ユーザーによって手動で、第一の構成要素2を第二の構成要素3に対してねじることに応答して破壊されうる。
【0050】
図2Aは、本発明による、第一の位置にあるエアロゾル発生システム100の概略図である。
図2Bは、第二の位置にある
図2Aのエアロゾル発生システムの概略図である。エアロゾル発生システムは、ユーザーの吸入のためにエアロゾルを発生するように構成された手持ち式の喫煙システムである。特に、
図2A~2Bに示すシステムは、ニコチンおよび風味化合物を含有するエアロゾルを発生する喫煙システムである。
【0051】
図2A~2Bに示すシステム100は、第一の流体チャネル37および第一の気流通路34を含む第一の構成要素30と、第二の流体チャネル22および第二の気流通路24を含む第二の構成要素20と、第一の構成要素30を第二の構成要素20に回転可能に連結する接合部40とを含む。有利なことに、接合部40を介した、第一の構成要素30および第二の構成要素20の互いに対する第一の角度(
図2Aに示すような)から第二の角度(
図2Bに示すような)への回転により、第一の流体チャネル37が第二の流体チャネル22に連結され、第一の気流通路34が第二の気流通路24に連結される。
【0052】
より具体的には、
図2A~2Bのシステム100は、装置部分10およびカートリッジ50の二つの部分を備える。使用時に、カートリッジ50は装置部分10に取り付けられる。カートリッジ50は、第一の構成要素30および第二の構成要素20を含む。一つの例示的な構成では、第二の構成要素20は、装置部分10に取り外し可能に連結されてもよく、第一の構成要素30は、接合部40を介して第二の構成要素20に回転可能に連結される。
【0053】
図2Aに示されるようなこうした回転可能な連結の第一の位置(第一の角度)では、第一の構成要素30の気流通路は、第二の構成要素20の気流通路から連結を外され、第一の構成要素と第二の構成要素との間の気流が抑止される。さらに、こうした回転可能な連結の第一の角度では、第一の構成要素30の流体チャネルは、第二の構成要素20の流体チャネルから連結を外され、第一の構成要素30の貯蔵部内のエアロゾル発生基体と第二の構成要素20内のエアロゾル発生要素との間の流体連通、例えば、直接的または間接的な接触が抑止される。このように、第一の位置は、気流通路を互いから、かつ流体チャネルから「シールする」ものとみなされ、かつ流体チャネルを「シールする」ものとみなされ、それ故にエアロゾル発生基体が装置の外へと、および/または気流通路内に漏れることが抑止されうる。一つのオプションとして、システム100は、第一の位置で(第一の角度で)でユーザーによって購入されうる。
【0054】
図2Bに示されるようなこうした回転可能な連結の第二の位置(第二の角度)では、第一の構成要素30の気流通路が第二の構成要素20の気流通路に連結されて、拡張された気流通路が形成される。さらに、こうした回転可能な連結の第二の位置では、第一の構成要素30の流体チャネルは、第一の構成要素30の貯蔵部内のエアロゾル発生基体が、第二の構成要素20内のエアロゾル発生要素と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触するように、第二の構成要素20の流体チャネルに連結される。一つのオプションとして、システム100は、ユーザーによって、「有効化」位置に対応するとみなされうる、第二の位置へと(第二の角度に)操作されてもよい。
【0055】
装置部分10は、再充電可能電池12および電気制御回路13を保持する装置ハウジング11を含む。再充電可能電池12は、リン酸鉄リチウム電池である。制御回路13は、プログラマブルマイクロプロセッサおよび気流センサーを含む。随意に、装置部分10は、装置部分空気吸込み口15と、装置部分空気出口16と、それらの間に延在する装置部分気流通路14とを含む。
【0056】
第一の構成要素30は、第一の空気吸込み口35と、第一の空気出口36と、それらの間に延びる第一の気流通路34と、エアロゾル発生基体を保持する貯蔵部33と、貯蔵部33に連結された随意の第一の流体チャネル37とを含む。第二の構成要素20は、第二の空気吸込み口25と、第二の空気出口26と、それらの間に延びる第二の気流通路24と、第二の流体チャネル22(一つ以上の搬送媒体を含む、またはそれからなりうる)と、第二の流体チャネル22に連結されたエアロゾル発生要素23とを含む。システム100(またはその一部分、例えば、カートリッジ50)は、第一の構成要素30を第二の構成要素20に回転可能に連結する接合部40をさらに備えてもよい。例えば、接合部40は、例えば、ユーザーによる手動操作に応答して、第一の構成要素30および第二の構成要素20が互いに対してそれを中心に回転しうるピボット41を含んでもよい。一例として、ピボット41は、突出部材(軸など)と、第一の構成要素30または第二の構成要素20に連結され、突出部材によって支持されてこれを中心に回転するベアリングとを含んでもよい。随意に、第一の構成要素30は、ユーザーが、第一の構成要素および第二の構成要素の、第一の角度または第二の角度の他方に対する相対的な位置を変更するように意図的に操作するまで、第一の構成要素および第二の構成要素を第一の角度または第二の角度のいずれかで取り外し可能に固定するように、突起またはへこみなどの第二の構成要素20の一つ以上の特徴とそれぞれ係合する、へこみまたは突起などの一つ以上の特徴を含んでもよい。
【0057】
追加的に、または別の方法として、システム100は、第一の構成要素30および第二の構成要素20に連結された破壊可能な部材を含んでもよく、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する回転は、破壊可能な部材を破壊する。例えば、
図1A~1Bを参照して説明した様態と同様に、システム100の破壊可能な部材は、ユーザーが第一の構成要素30を第二の構成要素20に対して手動で回転させることによって強制的に破壊されるまで、第二の構成要素20に対する第一の構成要素30の不注意による回転を抑止しうる一つ以上または複数の破壊可能な部材Tを含んでもよい。
【0058】
図2Aに示すように、第一の構成要素30および第二の構成要素20が互いに対して第一の角度にある場合、第二の空気出口26は、第二の空気吸込み口25と第一の空気出口36との間の気流を抑止するように、第一の空気吸込み口35から連結を外される。同じく
図2Aに示すように、第一の構成要素30および第二の構成要素20が互いに対して第一の角度にある場合、第一の流体チャネル37は、例えば、エアロゾル発生基体が、エアロゾル発生要素32と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触するように貯蔵部33から流出しないように、エアロゾル発生要素と貯蔵部との間の流体連通を抑止するように、第二の流体チャネル22から連結を外される。
【0059】
図2Bに示すように、接合部40を介した、第一の構成要素30および第二の構成要素20の互いに対する第一の角度から第二の角度への回転により、第二の空気吸込み口25と第一の第一の空気出口36との間に拡張された気流通路を形成するように、第二の空気出口26が第一の空気吸込み口35に連結される。随意に、接合部40は、第二の角度で第二の空気出口26および第一の空気吸込み口35に結合されて、それらの間の空気の流れを許容する接合部気流通路42を含み、存在する場合、接合部気流通路42は、拡張された気流通路の一部を形成しうる。また、おなじく
図2Bに示すように、接合部40を介した、第一の構成要素30および第二の構成要素20の互いに対する第一の角度から第二の角度への回転により、貯蔵部33からのエアロゾル発生基体が第一の流体チャネル37および第二の流体チャネル22を介してエアロゾル発生要素32と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触してエアロゾルを発生するように、第一の流体チャネル37が第二の流体チャネル22に連結される(エアロゾルは、拡張された気流通路24、42、34内に伝達される)。随意に、接合部40は、第二の角度で第二の流体チャネル22および第一の流体チャネル37に接合されて、それらの間にエアロゾル発生基体が流れることを許容する接合部流体通路43を含み、存在する場合、接合部流体通路43は、拡張された流体通路の一部を形成しうる。
【0060】
第一の構成要素30および第二の構成要素20が
図2Bに示すように互いに対して第二の角度にある場合、エアロゾル発生基体が第一の構成要素30の貯蔵部33から流れて第二の構成要素20のヒーター23と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触し、ここで基体が加熱されてベイパーが形成され、また、空気が第二の構成要素20から第一の構成要素30に流れてこのベイパーを混入し、これが少なくとも部分的に凝縮してエアロゾルが形成され、このエアロゾルが第一の空気出口36(システム100のマウスピースに位置する)を介してユーザーの口内に運ばれうるために、システム100は「有効化」状態にあるとみなされうる。さらに、第一の構成要素30および第二の構成要素20が互いに対して第一の角度にある場合、第一の構成要素30の貯蔵部33内のエアロゾル発生基体と第二の構成要素20のヒーター23との間の流体連通が抑止され、そのため、基体に基づいて形成されるエアロゾルがユーザーの口内に運ばれることが抑止されるために、システム100は「無効化」状態にあるとみなされうる。さらに、「無効化」状態において、随意に、貯蔵部がシールされて、エアロゾル発生基体が気流通路内に漏れることが抑止されてもよい。随意に、システム100は、デフォルトで(例えば、購入時に)「無効化」位置にあり、ユーザーによって「有効化」位置へと回転されてもよい。さらなるオプションとして、システム100は、「有効化」位置へと回転された後、再びユーザーによって「無効化」位置へと回転されてもよい。代替的なオプションとして、「有効化」位置へと回転された後、システム100は、ユーザーによって再び「無効化」位置へと回転されることが抑止され、したがって、その通常の使用の残りの間、「有効化」位置に留まる。例えば、随意に、第一の構成要素は、第二の角度で第二の構成要素の一つ以上の陥凹部と確実に係合する一つ以上の突起を含んでもよく、または、随意に、第二の構成要素は、ユーザーが第一の構成要素および第二の構成要素に大きな手動のねじり力を加えた場合であっても、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対するさらなる回転を抑止するように、第二の角度で第一の構成要素の一つ以上の陥凹部と確実に係合する一つ以上の突起を含んでもよい。
【0061】
一つの例示的な構成では、第一の角度は、第二の角度に対して約180度である。別の例示的な構成では、第一の角度は、第二の角度に対して約90度である。ただし、当然のことながら、第一の角度は第二の角度に対して任意の適切な角度、例えば、約10度~約180度、または約30度~約150度、または約45度~約120度、または約60度~約90度、または約60度~約180度、または約90度~約180度であってもよい。さらに、本開示全体を通して、「第一の」または「第二の」としての角度または位置への言及は、任意であることに留意されたい。例えば、
図2Aに示される構成は、第二の位置(第二の角度)にあると同等にみなされてもよく、
図2Bに示される構成は、第一の位置(第一の角度)にあると同等にみなされてもよい。
【0062】
カートリッジ50内において、第二の構成要素20は、例えば、スナップ嵌め接続によって装置ハウジング11に取り外し可能に取り付けられた第二のハウジング21を含む。第二のハウジング21は、エアロゾル発生要素23を保持し、これは、一つの構成では発熱体である、または発熱体を含む。例えば、発熱体は抵抗発熱体であってもよく、またはこれを含んでもよい。制御回路13の制御下で、電力は、電池12からエアロゾル発生要素23(例えば、発熱体)に提供されてもよい。こうした電力は、電池12から、金属などの任意の適切な導電性材料の組み合わせを介して、エアロゾル発生要素23まで伝導されうる。
【0063】
カートリッジ50内において、第一の構成要素30は、接合部40を介して第二のハウジング21に回転可能に取り付けられる第一のハウジング31を含む。第一のハウジング31は、貯蔵部(基体チャンバー)33内に凝縮された形態のエアロゾル形成基体を保持する。一部の構成では、貯蔵部33は、側壁32および第一のハウジング31によって境界がつけられ、第一の流体チャネル37、随意の接合部流体通路43、およびチャネルおよび/または一つ以上の搬送媒体(一つ以上の毛細管材料など)を含む、またはこれらからなりうる第二の流体チャネル22を介してエアロゾル発生要素23に流体連結される。この実施例では、エアロゾル形成基体は、室温で液体混合物であり、ニコチン、風味剤、グリセロールまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体、および水を含む。しかしながら、当然のことながら、任意のその他の凝縮された形態のエアロゾル形成基体を好適に使用することができる。一部の構成では、一つ以上の毛細管材料などの一つ以上の搬送媒体が、貯蔵部33内に提供されてもよく、また、重力に対するシステム100の配向に関係なく、第一の流体チャネル37、接合部流体通路43、および第二の流体チャネル22を介して、エアロゾル発生要素23へのエアロゾル形成基体の送達を促進するように配設されうる。
【0064】
要素14、24、34(随意に、接合部気流通路42を含む)を含む拡張された気流通路は、例えば、
図2Bに示すように第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合に、システム100を通して提供される。この実施例では、拡張された気流通路の要素24、42、34を含む一部分は、カートリッジ50を通り、また拡張された気流通路の一部分14は装置部分10を通る。制御回路13内に含まれる気流センサーは、装置10内の気流通路の一部分14を通る気流を検出するように位置付けられる。システム100の気流通路は、空気吸込み口15から第一の空気出口36へと延びる。装置部分10内において、装置部分気流通路14は、例えば、第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合に、装置部分空気吸込み口15から装置部分空気出口16へと延びる。第二の部分20内において、第二の気流通路24は、第二の空気吸込み口25から第二の空気出口26へと延び、第二の空気吸込み口25は、第一の部分30と第二の部分20との間の角度とは独立して、装置10の空気出口16から空気を受ける。第一の部分30内において、第一の気流通路34は、第一の空気吸込み口35から第一の空気出口36へと延び、第一の空気吸込み口35は、第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合に、第二の空気出口26から空気を受ける。第一の空気出口36は、カートリッジ50のマウスピース端にあり、第一の構成要素30のマウスピース端も形成する。第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合にユーザーがカートリッジ50のマウスピース端を吸煙すると、空気が、空気吸込み口15から、要素14、24、42、34を含む拡張された気流通路を通って、第一の空気出口36へと引き出される。比較して、第一の構成要素30が
図2Aに示すように第二の構成要素20に対して第一の角度またはおよそ第一の角度にある場合にユーザーがカートリッジ50のマウスピース端を吸煙する場合、空気は、この第一の角度において要素14、24、42、34を含む拡張された気流通路に対して接合部40による中断が生じるために、空気は第一の気流通路34からのみ引き出されうる。
【0065】
図2A~2Bに示す構成では、エアロゾル発生要素23は概して平面であり、第二の流体チャネル22と第二の気流通路24との間に位置付けられる。エアロゾル発生要素23は、第二の気流通路24に実質的に平行に配設されうる。一つの例示的な構成の動作において、エアロゾル発生要素23は、例えば、加熱によってエアロゾル形成基体を気化してベイパーを形成する。ベイパーは、第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合に、エアロゾル発生要素23、例えば、メッシュ発熱体を通って、要素24、42、34を含む拡張された気流通路内に入る。ベイパーは、拡張された気流通路を通って流れる空気中に混入され、第一の空気出口36を通ってシステムを出る前に、冷却されてエアロゾルを形成する。
【0066】
この実施例では装置部分10およびカートリッジ50からなるシステム100は細長く、その幅またはその厚さよりも著しく大きい長さを有する。マウスピース端は、システム100の長さの一方の端にあり、例えば、第一の空気出口36を含む端部に位置しうる。この形状により、システムを使用するときに、ユーザーがシステム100を片手で快適に保持することが可能になる。システム100の長さは、長軸方向に延びていると言ってもよい。第一の構成要素30が、
図2Bに示すような第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合、要素14、24、42、34を含む拡張された気流通路は、エアロゾル発生要素23を通り過ぎて長軸方向に延びる。しかしながら、要素14、24、42、34を含む拡張された気流通路は、必ずしも線形である必要はなく、代わりに、一つ以上の他のセグメントに対して180度以外の角度で配置される一つ以上のセグメントを含んでもよい。こうした非線形配設の非限定的な例を、
図3A~8Bを参照して以下に説明する。エアロゾル発生要素23は、概して平面であってもよく、長軸方向に平行に延びうる。また、エアロゾル発生要素23は、細長く、その長さが長軸方向に延びていてもよい。この配設により、比較的大きい表面積を有する発熱体を、スリムで保持しやすいシステム内に収容することが可能になる。
【0067】
動作中、エアロゾル発生要素23は、ユーザーの吸煙中にのみ制御回路13によって起動されてもよく、またはシステム100が例えば、装置部分10内のスイッチを介してオンに切り替えられて制御回路13に動作可能に連結された後に連続的に起動されてもよい。第一の事例では、流れセンサー(制御回路13の一部であり、具体的には図示されていない)が閾値気流レートを上回る装置部分気流通路14を通る気流を検出する場合に、ユーザー吸煙が検出される。流れセンサーの出力に応答して、制御回路13は、エアロゾル発生要素23に電力を供給する。エアロゾル発生要素23への電力の供給は、ユーザーの吸煙の検出後、所定の期間提供されてもよく、または、流れセンサーからの信号に基づいて、および/またはエアロゾル発生要素23の温度もしくは抵抗の測定値などの制御回路13によって受信されるその他の入力に基づいて、スイッチオフ条件が満たされるまで制御されてもよい。一実施例では、ユーザーの吸煙の検出後、エアロゾル発生要素23に6ワットの電力が3秒間供給される。エアロゾル発生要素23に電力が供給されると、エアロゾル発生要素23が加熱される。十分に高温になると、エアロゾル発生要素23に近い液体エアロゾル形成基体が気化されて、第二の気流通路24に入る。
【0068】
第二の事例では、システム100の起動後、制御回路13による動作中にエアロゾル発生要素23に電力が連続的に供給される。起動は、ボタンを押す、または制御回路13と動作可能に連通しているスイッチを起動させるなど、システムへのユーザー入力に基づいてもよい。一実施形態では、ユーザーの吸煙に関係なく、装置の起動後、エアロゾル発生要素23に3.3ワットの電力が供給される。この場合でも、測定されたエアロゾル発生要素23の温度または抵抗など制御回路13へのその他の入力に基づいて調整されてもよい。システムは、起動後の所定の時間後に、またはさらなるユーザー入力に基づいて、スイッチオフされてもよい。
【0069】
別の代替として、ハイブリッド電源スキームを使用してもよく、この場合、ユーザーの吸煙と吸煙との間には3.3ワットなどの低い電力が供給されるが、ユーザーの各吸煙の検出後には、7ワットなどの高い電力が2秒間供給される。これは、より大きな容積のエアロゾルの発生をもたらす場合がある。
【0070】
第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第二の角度またはおよそ第二の角度にある場合に、発生されたベイパーは、エアロゾル発生要素23を通り、そこからベイパーは、第二の気流通路24を通る気流中に混入され、そこから随意の接合部気流通路42および第一の気流通路34に流入する。ベイパーは、拡張された気流通路内で冷却されて、部分的または完全にエアロゾルを形成する。エアロゾルは第一の空気出口36を通過して、ユーザーの口内に入る。
【0071】
毛細管材料またはその他の搬送媒体を第二の流体チャネル22内に含む、または第二の流体チャネル22として含む構成では、エアロゾル発生要素23によって気化される凝縮された形態のエアロゾル発生基体(例えば、液体またはゲル)が毛細管材料を出る。この凝縮された形態(例えば、液体またはゲル)は、依然として貯蔵部内に残っている凝縮された形態(例えば、液体またはゲル)と置き換えられ、その結果、次のユーザーの吸煙のための準備が整っているエアロゾル発生要素23に近接した凝縮された形態(例えば、液体またはゲル)が存在する。当然のことながら、第一の構成要素30が第二の構成要素20に対して第一の角度またはおよそ第一の角度にある場合、エアロゾル発生基体は、第一の角度において貯蔵部33から第二の流体チャネル22への追加的な流体の流れが抑止されていても、流体チャネル(例えば、毛細管材料)内に残っている場合がある。
【0072】
気化されたエアロゾル形成基体のすべてが、ユーザーの吸煙によってシステム100の外へと引き出されるわけではない可能性がある。その場合、エアロゾル形成基体は、凝縮して、気流通路24内に大きな液滴を形成する場合がある。また、一部の液体が、システムの使用中または使用と使用との間に、気化されることなくエアロゾル発生要素23を通過する可能性もありうる。随意に、大きな液滴または大量の凝縮された形態のエアロゾル発生基体が拡張された気流通路を介してユーザーの口内に引き出されないように、凝縮された形態のエアロゾル発生基体が気流通路24内に搬送されることを抑止するように、気体透過性要素が提供され、それ故にユーザーの体験を改善してもよい。こうした気体透過性要素の非限定的な例は、本明細書のいずれかで提供されている。
【0073】
図3Aは、本発明の第一の実施形態による、第一の位置にあるカートリッジの斜視図である。
図3Bは、第二の位置への回転中の
図3Aのカートリッジの斜視図である。
図4は、
図3A~3Bのカートリッジの分解図である。
図5A~5Bは、
図3A~3Bのカートリッジの第一の構成要素のそれぞれ端面図および側面図である。
図6A~6Bは、
図3A~3Bのカートリッジの第二の構成要素の端面図および側面図である。
図7Aは、第一の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
図7Bは、第二の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
図8Aは、第一の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
図8Bは、第二の位置にある
図3A~3Bのカートリッジを備えるシステムの選択された構成要素の平面図である。
【0074】
図3A~8Bに示すカートリッジ250は、第一の構成要素230と、第二の構成要素220と、接合部240とを含む。第二の構成要素220は、
図2A~2Bを参照して上述した装置部分10と同様に構成されうる装置部分210に取り外し可能に連結されうる。第二の構成要素220および第一の構成要素230は、
図2A~2Bを参照して上述したものと同様の様態で、接合部240を介して互いに対して回転可能である。例えば、
図3Aおよび3Bに示すように、第一の構成要素230および第二の構成要素220は、例えば、ユーザーによる手動操作によるねじり運動を使用して接合部240を介して互いに対して回転しうる。
【0075】
第一の構成要素230は、第一の流体チャネル343および第一の気流通路234を含み、第二の構成要素220は、第二の流体チャネル543および第二の気流通路224を含む。有利なことに、接合部240を介した、第一の構成要素230および第二の構成要素220の互いに対する第一の角度(第一の位置)(
図7Aおよび8Aに示すような)から第二の角度(第二の位置)(
図2Bに示すような)への回転により、第一の流体チャネル343が第二の流体チャネル543に連結され、第一の気流通路234が第二の気流通路224に連結される。随意に、破壊可能な部材(例えば、
図1A~1Bを参照して記載するような一つ以上または複数の破壊可能な部材T)は、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する第一の角度からの不注意による回転を抑止するように第一の構成要素230および第二の構成要素220に連結されてもよく、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する意図的な回転が破壊可能な部材を破壊する。
【0076】
第二の構成要素220は、外部ハウジング221および内部ハウジング237を含む。内部ハウジング237は、外部ハウジング221と、例えば、滑り嵌め係合、または通常の使用中に外部ハウジング221から内部ハウジング237が分離することを抑止するその他の適切な係合で確実に係合している。
【0077】
第二の構成要素220内において、内部ハウジング237は、第一の毛細管材料331および第二の毛細管材料332(二つ以上の輸送媒体)、ヒーター組立品333、336、随意の気体透過性要素334、および内側リッド335を保持する。特に
図7Aから理解されうるように、第二の気流チャネル224は、内部ハウジング237を通して画定されうる。ヒーター組立品は、第二の気流チャネル224に隣接して、本明細書のいずれかで記載するものなどの、液体透過性発熱体333、またはその他の適切なエアロゾル発生要素を支持するヒーターマウント336を含む。内部ハウジング237は、毛細管材料331、332をヒーターマウント336内に保持し、その少なくとも一部分は、発熱体333と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触している。第二の構成要素220はまた、カートリッジ250の装置部分端(カートリッジのマウスピース端の反対側)において、メッシュ発熱体333とカートリッジの外部表面との間に延びる電気接点要素251も含む。電気接点要素251は、システムの装置部分210上の対応する電気接点252とインターフェースして、制御回路(例えば、制御回路13)の制御下において電池(例えば、電池12)による発熱体333への電力供給を可能にする。コネクター接合部226は、外側リッド225を内部ハウジング237に連結し、電気接点要素251は、
図7Aに示すような様態で導電性ワイヤ253を介して電気接点ヒーター333へと外側リッド225を通って延びる。
【0078】
随意の気体透過性要素334は、内部リッド335によって内部ハウジング237内にヒーター組立品にクランプ留めされるが、内部リッド335は、例えば、滑り嵌め係合、またはリッド335の外側側壁の周りの凝縮された形態のエアロゾル発生基体の漏れを抑止するその他の適切な係合で内部ハウジング237の内部表面と係合する。マウント336は、要素333、334の間にくぼみを提供するように、気体透過性要素334をメッシュ発熱体333から離隔させてもよく、くぼみ内には、くぼみ内で凝縮する、または発熱体333を通して漏れる液滴などの凝縮された形態のエアロゾル発生基体が収集されうる。気体透過性要素334は疎水性であってもよく、凝縮された形態のエアロゾル発生基体が気流通路内に透過するのを抑止しうる。一つの例示的な構成では、随意の気体透過性要素334は、約50μmの直径を有するステンレス鋼ワイヤのメッシュを含む。メッシュの開口部は、約100μmの直径を有する。メッシュは、炭化ケイ素で被覆されうる。
【0079】
追加的に、または別の方法として、発熱体333のメッシュはまた、ステンレス鋼から形成され、約400メッシュUS(1インチ当たり約400フィラメント)のメッシュサイズを有してもよい。フィラメントは約16μmの直径を有してもよい。メッシュを形成するフィラメントは、フィラメント間の隙間を画定しうる。この例では、隙間は約37μmの幅を有するが、より大きいまたはより小さい隙間が使用されてもよい。これらのおおよその寸法のメッシュを使用することで、隙間内にエアロゾル形成基体のメニスカスが形成されること、およびヒーター組立品のメッシュが毛細管作用によってエアロゾル形成基体を引き出すことが可能になる。発熱体メッシュの開口面積、すなわち、隙間の面積のメッシュの総面積に対する比は、有利なことに25~56%である。ヒーター組立品の総電気抵抗は約1オームである。
【0080】
第一の構成要素230は、ハウジング231を含み、その中に、貯蔵部233、第一の流体チャネル343、および第一の気流チャネル234が、
図2A~2Bで説明されるものと類似した様態で画定される。さらに、
図3A~8Bに示した例示的な構成では、第一の構成要素230は、通常の使用中に第一の構成要素230が第二の構成要素220から分離するのを抑止するように、第二の構成要素220の対応する開口部245と係合する軸244を含む。さらに、軸244は、接合部240を介した、長軸方向を中心とした(例えば、軸244を中心とした)第一の構成要素230および第二の構成要素220の互いに対する回転を提供するように、接合部240を支持する。しかしながら、当然のことながら、第二の構成要素220が代わりにこうした軸244を含み、第一の構成要素230が代わりに対応する開口部245を含んでもよく、任意のその他の適切な構造または構造の組み合わせが、長軸方向軸を中心とした第一の構成要素230の第二の構成要素220に対する回転を可能にするように提供されてもよい。
【0081】
第一の構成要素230は、管接合部237と、シール接合部321と、第一の空気出口に対応する、それを通る開口部236を有するマウスピースリッド239をさらに含みうる。管接合部237は、それを通して第一の気流チャネル234の端を開口部236にシールするように結合する開口部を含み、シール接合部321は、例えば、貯蔵部233を封入し、マウスピースリッド239の周りのエアロゾル発生基体の漏れを抑止するような様態で、マウスピースリッド239をハウジング231にシールするように結合する。
【0082】
接合部240は、ベアリング241と、接合部気流通路242と、一つ以上の接合部流体通路(例えば、二つ以上の接合部流体通路)243とを含む。ベアリング241は、軸244を受容し、軸244が、第二の構成要素220の開口部245と係合するようにそれを通ることを可能にする。接合部240は、第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第二の角度にある場合に、第二の構成要素220から第一の構成要素230に流れる空気の漏れを抑止するように、また随意に、第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第一の角度にある場合に、カートリッジ250を通る空気の流れを抑止するように、気密なシールを提供するように構成された弾性材料または材料の組み合わせで形成されうる。追加的に、または別の方法として、接合部240は、第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第二の角度にある場合に第一の構成要素230から第二の構成要素220に流れるエアロゾル発生基体の漏れを抑止するように、また随意に、第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第一の角度にある場合にエアロゾル発生基体がカートリッジ250の外へと流れることを抑止するように、液密シールを提供するように構成されてもよい。接合部240で使用するための好適な弾性材料の例には、シリコン、ゴム、ポリウレタン、テフロン、およびナイロンが含まれる。
【0083】
第一の構成要素230および第二の構成要素220が、互いに対して第一の角度(
図7Aおよび8Aに図示するような)にある場合、第一の気流通路234は、第二の気流通路224から連結を外され、随意に接合部240の材料によってシールされる。より具体的には、第一の角度における第一の構成要素230と第二の構成要素220の互いに対する軸244を中心とした相対的な位置は、第二の空気出口536を第一の空気吸込み口235から、そして接合部気流通路242から物理的に分離し(連結を外し)、それ故にユーザーによってマウスピースリッド239を吸煙することが、第二の気流通路224を通る空気の流れを誘発することを抑止し、それ故にエアロゾル発生基体のベイパーおよび/またはエアロゾルがユーザーの口内へ伝達されることを抑止するように、第二の空気吸込み口(例えば、325、326、および/または337)と第一の空気出口236との間の気流を抑止する。
【0084】
第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第一の角度にある場合(
図7Aおよび8Aに図示するような)、第一の流体チャネル343は、第二の流体チャネル543から連結を外され、随意に接合部240の材料によってシールされる。より具体的には、第一の角度における第一の構成要素230および第二の構成要素220の軸244を中心とした互いに対する相対的な位置は、第一の流体チャネル343を第二の流体チャネル543から物理的に分離し(連結を外し)、そして随意に、第二の流体チャネル543を接合部流体チャネル243から物理的に分離し(連結を外し)、それ故にメッシュ発熱体333と貯蔵部233との間の流体連通、例えば、直接的または間接的な接触を抑止する。
【0085】
第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第二の角度にある場合(
図7Bおよび8Bに示すような)、接合部流体通路242は、ユーザーがマウスピースリッド236を吸煙することに応答してそれを通して空気が引き出されうる拡張された気流通路を提供するように、第一の気流通路234を第二の気流通路224に連結する。より具体的には、第二の構成要素220内において、外側リッド225を通して画定される開口部325、およびコネクター接合部226を通して画定される開口部326は、内部ハウジング237を通して画定される開口部337に接続される気流通路を提供する。開口部337は、内部ハウジング237内に画定される第二の気流通路224に連結される。開口部337、開口部325、および/または開口部326のいずれかは、第二の空気吸込み口に相当するとみなされうる。気流通路224は、
図7Bに示すような様態で第二の空気出口536に連結される。第一の構成要素230内において、第一の空気吸込み口235は、ハウジング231内に画定され、第一の気流通路234に連結される。第一の気流通路234は、管接合部237および開口部236に連結され、マウスピースにおける第一の空気出口を提供する。第一の構成要素230および第二の構成要素220が、ユーザーがマウスピースリッド236を吸煙するのに応答して、互いに対して第二の角度になると、空気は開口部325、326、337を通り、第二の気流通路224に流入し、ここで空気は、発熱体333を通り過ぎてエアロゾル発生基体のベイパーを空気中に混入させる。その後、空気は第二の空気出口536から流出して、接合部気流通路242(この周囲材料は、第二の空気出口536と第一の空気吸込み口235との間の空気の漏れに対してシールする)を通して第一の空気吸込み口235内に入り、第一の気流通路234を通り、管接合部237を通り、マウスピースリッド239内の第一の空気出口に対応する開口部236を通った後、ユーザーの口内に入る。流れる空気中に混入されたベイパーは、ユーザーの口内に入る前に、カートリッジ250の要素によって、形成された拡張された気流通路の任意の適切な部分内で完全に、または部分的に濃縮されてエアロゾルを形成しうる。
【0086】
第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第二の角度にある場合(
図7Bおよび8Bに示すような)、接合部流体通路243は、発熱体333がエアロゾル発生基体を、ユーザーがマウスピースリッド236を吸煙することに応答して拡張された気流通路を通って流れる空気内に揮発させるように、貯蔵部233を発熱体333またはその他の適切なエアロゾル発生要素に連結する。より具体的には、第一の構成要素230内において、貯蔵部233内のエアロゾル発生基体は、一つ以上の(例えば、二つ以上の)第一の流体チャネル343を通って、接合部240内の一つ以上の(例えば、二つ以上の)接合部流体チャネル243を介して第二の構成要素220内の対応する一つ以上(例えば、二つ以上)の第二の流体チャネル543内に流入し、接合部流体チャネル243の周囲材料は、第一の流体チャネル343と第二の流体チャネル543との間の流体の漏れに対してシールする。第二の流体チャネル543を通過した後、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体を発熱体333に伝導し、さらに、または代替的に、第二の流体チャネルに対応するとみなされうる毛細管材料331、332内に流入する。上述の通り、第一の構成要素230および第二の構成要素220が互いに対して第二の角度にある場合、ユーザーがマウスピースリッド236を吸煙するのに応答して、空気は開口部325、326、337を通り、第二の気流通路224に流入し、ここで空気は、発熱体333を通り過ぎてエアロゾル発生基体のベイパーを空気中に混入させ、最終的に、上述の様態で拡張された気流通路を介してユーザーの口に入る。
【0087】
第一の構成要素230および/または第二の構成要素220は、随意に、ユーザーがこうした構成要素間の角度を意図的に変更していない時に、互いに対する第一の構成要素および第二の構成要素の不注意による回転を抑止するように構成された、一つ以上の協働する特徴を含んでもよい。例えば、第一の構成要素230は、随意に、一つ以上のへこみ431を含んでもよく、第二の構成要素220は、随意に、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する不注意による回転が抑止されるように、こうしたへこみと係合する一つ以上の突起531を含んでもよい。当然のことながら、別の方法として、第一の構成要素230が類似した突起を含んでもよく、第二の構成要素220が、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する不注意による回転が抑止されるように、こうしたへこみと係合する一つ以上の類似したへこみを含んでもよい。随意に、こうした突起およびへこみは、ユーザーが第一の構成要素230および第二の構成要素220を互いに対してねじるよういっそう強く試みた場合であっても耐えるように、十分に強く互いに係合し、通常の使用中にシステムを第二の角度で効果的に係止しうる。
【0088】
追加的に、または別の方法として、随意に、第二の構成要素220および/または第一の構成要素230は、第一の構成要素および第二の構成要素の互いに対する回転を促進し、および/またはこうした構成要素の特定の角度を超える回転を抑止するように構成された一つ以上の陥凹部または突起を含みうる。例えば、第二の構成要素220は、随意に、半円形のへこみ560を含んでもよく、第一の構成要素は、随意に、へこみ560内に嵌合する突起561を含んでもよい。第二の構成要素220および第一の構成要素230が互いに対して第一の制限位置(例えば、第一の角度に対応する)に回転されると、突起561がへこみ560の第一の端に接触し、それ故に第一の構成要素および第二の構成要素のその位置を越えた相対的な回転が抑止される。第二の構成要素220および第一の構成要素230が互いに対して別の方向に第二の制限位置(例えば、第二の角度に対応する)に回転されると、突起561がへこみ560の第二の端に接触し、それ故に第一の構成要素および第二の構成要素のその位置を越えた相対的な回転が抑止される。
【0089】
図3A~8Bのカートリッジ250は、組立が単純である。第二の構成要素220については、内部ハウジング237の組立品、毛細管材料331、332、要素333、336を含むヒーター組立品、随意の気体透過性要素334、内側リッド335、コネクター接合部226、外側リッド225、およびコネクター251は、アトマイザー組立品として記述されうる。アトマイザー組立品は、最初に組み立てられてもよい。その後、アトマイザー組立品は、外部ハウジング221の中へと押し込まれる。随意に、外側リッド225上の一対の突起228は、外部ハウジング221上の対応する開口部またはスロット227の中へとスナップし、内部ハウジング237を外部ハウジング221内に固定する。第一の構成要素230について、空気出口236は、管接合部237内に挿入されうる突起を含んでもよく、シール接合部321は、マウスピースリッド239内のへこみ322内に挿入されてもよく、マウスピースリッド239は、ハウジング231内に挿入されてもよい。随意に、マウスピースリッド239は、ハウジング231上の対応する開口部またはスロット238にスナップして、マウスピースリッドをハウジング231に固定する一対の突起338を含みうる。エアロゾル形成基体を保持するチャンバー233は、ハウジング231によって、および随意にマウスピースリッド239によっても画定されうる。ハウジング231は、マウスピースリッド239が取り付けられる前に、液体(または別の凝縮相)エアロゾル形成基体を収容してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体チャンバーは、マウスピースリッド239が充填ポート(図示せず)を通してハウジング231に取り付けられた後に充填されてもよい。接合部240は、第一の構成要素230の軸244上に押し付けられてもよく、軸は、第一の構成要素230および第二の構成要素220を互いに回転可能に固定するように、第二の構成要素220の開口部245と係合している。装置210は、第二の構成要素220を介してカートリッジ250に取り外し可能に接続されうる。本明細書に提供される第一の構成要素、第二の構成要素、接合部、および装置の様々な部分の各々は、金属または頑丈なプラスチック材料、例えば、耐熱性プラスチック材料および/または弾性プラスチック材料などの任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されうる。
【0090】
図3A~8Bのカートリッジは、
図1A~1Bおよび2A~2Bに関連して説明された様態で動作する。
【0091】
図9は、本発明によるエアロゾルを発生するための方法80における動作のフローを示す。方法80での動作は、
図1A~1Bを参照して記載されるシステム1を使用して、および/または
図2A~2Bを参照して記載されるシステム100を用いて、および/または
図3A~8Bを参照して記載されるカートリッジ520を用いて実施されうるが、それらに限定されるものではない。
【0092】
図9に示す方法90は、第一の流体チャネルおよび第一の気流通路を含む第一の構成要素を提供することを含む(動作91)。例えば、
図1A~1Bを参照して記載される第一の構成要素2は、第一の流体チャネル4および第一の気流通路5を含みうる。または、例えば、
図2A~2Bを参照して記載される第一の構成要素30は、第一の流体チャネル37および第一の気流通路34を含みうる。または、例えば、
図3A~8Bを参照して記載される第一の構成要素230は、第一の流体チャネル343および第一の気流通路234を含みうる。
【0093】
図9に示す方法90はまた、第二の流体チャネルおよび第二の気流通路を含む第二の構成要素を提供することを含む(動作92)。例えば、
図1A~1Bを参照して記載される第二の構成要素3は、第二の流体チャネル6および第二の気流通路7を含みうる。または、例えば、
図2A~2Bを参照して記載される第二の構成要素20は、第二の流体チャネル22および第二の気流通路24を含みうる。または、例えば、
図3A~8Bを参照して記載される第二の構成要素220は、第二の流体チャネル543および第二の気流通路224を含みうる。
【0094】
図9に示す方法90はまた、第一の構成要素を第二の構成要素に回転可能に連結する接合部を提供することを含む(動作93)。例えば、
図1A~1Bを参照して記載される接合部Jは、第一の構成要素2を第二の構成要素3に回転可能に連結しうる。または、例えば、
図2A~2Bを参照して記載される接合部40は、第一の構成要素30を第二の構成要素20に回転可能に連結しうる。または、例えば、
図3A~8Bを参照して記載される接合部240は、第一の構成要素230を第二の構成要素220に回転可能に連結しうる。
【0095】
図9に示す方法90はまた、接合部を介して、第一の構成要素および第二の構成要素を、第一の角度から第二の角度へ互いに対して回転させて、第一の流体チャネルを第二の流体チャネルに連結し、第一の気流通路を第二の気流通路に連結することを含みうる(動作94)。例えば、
図2A~2Bを参照して記載される第一の構成要素30は、第一の流体チャネル37を第二の流体チャネル22に連結し、第一の気流通路34を第二の気流通路24に連結するために、第二の構成要素20に対して第一の角度から第二の角度に回転されうる。または、例えば、
図3A~8Bを参照して記載される第一の構成要素230は、第一の流体チャネル343を第二の流体チャネル543に連結し、第一の気流通路234を第二の気流通路224に連結するために、第二の構成要素220に対して第一の角度から第二の角度に回転されうる。流体チャネルのこのような結合は、例えば、貯蔵部内にありうるエアロゾル発生基体と、ヒーターなどのエアロゾル発生要素との間の流体連通、例えば、直接的または間接的な接触を可能にしうる。
【0096】
随意に、
図9に示す方法90はまた、接合部を介して、第一の構成要素および第二の構成要素を互いに対して第二の角度から第一の角度に回転させて、第一の流体チャネルを第二の流体チャネルから連結を外し、第一の気流通路を第二の気流通路から連結を外すことを含みうる。例えば、
図1A~1Bを参照して記載される第一の構成要素2は、第二の構成要素3に対して第二の角度から第一の角度に回転されて、第一の流体チャネル4を第二の流体チャネル6から連結を外し、第一の気流通路5を第二の気流通路7から連結を外し、それ故に第一の気流通路と第二の気流通路との間の気流を抑止しうる。例えば、
図2A~2Bを参照して記載される第一の構成要素30は、第二の構成要素20に対して第二の角度から第一の角度に回転されて、第一の流体チャネル37を第二の流体チャネル22から連結を外し、第一の気流通路34を第二の気流通路24から連結を外し、それ故に第一の気流通路と第二の気流通路との間の気流を抑止しうる。または、例えば、
図3A~8Bを参照して記載される第一の構成要素230は、第二の構成要素220に対して、第二の角度から第一の角度に回転されて、第一の流体チャネル343を第二の流体チャネル543から連結を外し、第一の気流通路234を第二の気流通路224から連結を外し、それ故に第一の気流通路と第二の気流通路との間の気流を抑止しうる。流体チャネルのこうした随意の連結外しは、例えば、貯蔵部にありうるエアロゾル発生基体と、ヒーターなどのエアロゾル発生要素との間の流体連通、例えば、直接的または間接的な接触を抑止しうる。
【0097】
随意に、第一の構成要素(例えば、30または230)は、第一の空気吸込み口(例えば、35または235)および第一の空気出口(例えば、36または236)をさらに含み、第一の気流通路(例えば、34または234)がその間に延びる。さらに、第一の構成要素は、エアロゾル発生基体を保持する貯蔵部(例えば、33または233)を含んでもよく、第一の流体チャネル(例えば、37または343)は貯蔵部に連結されている。随意に、第二の構成要素(例えば、20または220)は、第二の空気吸込み口(例えば、25または325、326、または337)および第二の空気出口(例えば、26または536)をさらに含み、第二の気流通路(例えば、24または224)がその間に延びる。さらに、第二の構成要素は、第二の流体チャネルに連結されたエアロゾル発生要素(例えば、23または333)を含みうる。随意に、接合部を介して、第一の構成要素および第二の構成要素を互いに対して第一の角度から第二の角度に回転させることにより、第二の空気吸込み口と第一の空気出口との間に拡張された気流通路を形成するように、第二の空気出口が第一の空気吸込み口に連結され、貯蔵部からのエアロゾル発生基体が第一の流体チャネルおよび第二の流体チャネルを介してエアロゾル発生要素と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触して、拡張された気流通路内に伝達されるエアロゾルを発生するように、第一の流体チャネルが第二の流体チャネルに連結される。随意に、接合部を介して、第一の構成要素および第二の構成要素を互いに対して第一の角度から第二の角度に回転させることは、第二の空気吸込み口と第一の空気出口との間の気流を抑止するように、第二の空気出口を第一の空気吸込み口から連結を外し、エアロゾル発生要素と貯蔵部との間の流体連通、例えば、直接的または間接的な接触を抑止するように、第一の流体チャネルを第二の流体チャネルから連結を外す。
【0098】
こうしたオプションを含む例示的な構成は、
図1A~1B、
図2A~2B、および
図3A~8Bを参照して提供される。
【0099】
随意に、エアロゾル発生要素(例えば、23または333)は、発熱体を含む。発熱体は随意に液体透過性であってもよい。追加的に、または別の方法として、発熱体は随意にメッシュを含む。メッシュは随意に、約10μm~100μmの直径を有するワイヤから形成される。
【0100】
追加的に、または別の方法として、随意に、エアロゾル発生基体はニコチンを含む。
【0101】
追加的に、または別の方法として、随意に、第一の構成要素は、マウスピース(例えば、空気出口36を含む構成要素30の端部、またはマウスピースリッド239)を含む。
【0102】
追加的に、または別の方法として、随意に、第二の構成要素は、エアロゾル発生要素を保持する内部ハウジング(例えば、237)を含む。
【0103】
追加的に、または別の方法として、第二の構成要素は、随意に、チャンバーをさらに含み、エアロゾル発生要素(例えば、333)の一方の側は、第二の流体チャネル(例えば、543)と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触しており、エアロゾル発生要素の反対側は、チャンバー(例えば、333の直上の空間)と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触している。随意に、第二の構成要素は、気体透過性要素(例えば、334)をさらに含む。随意に、気体透過性要素の一方の側は、チャンバーと流体連通、例えば、直接的または間接的に接触しており、気体透過性要素の反対側は、第二の気流通路と流体連通、例えば、直接的または間接的に接触している。随意に、内部ハウジングは、リッド(例えば、335)をさらに含み、気体透過性要素は、リッドとエアロゾル発生要素との間に配置される。
【0104】
追加的に、または別の方法として、第一の角度は随意に、第二の角度から約180oである。
【0105】
追加的に、または別の方法として、電源(例えば、12)および電源に接続された制御回路(例えば、13)を含む装置部分(例えば、10または210)が提供され、装置部分は、第二の構成要素に連結されて(例えば、接続251、252を介して)、電源からエアロゾル発生要素への電力供給を可能にする。
【0106】
記載の実施例では、貯蔵部およびエアロゾル発生要素はそれぞれ、システムの任意の適切な部分または複数の部分内に位置しうることは明らかであろう。例えば、貯蔵部およびエアロゾル発生要素の両方は、システムの第一の構成要素内に位置してもよく、システムの第二の構成要素は、一つ以上の流体通路および一つ以上の気流チャネルを含んでもよい。接合部を介した第二の構成要素に対する第一の構成要素の回転により、貯蔵部内のエアロゾル発生基体がエアロゾル化のためにエアロゾル発生要素と流体連通できるように、一つ以上の流体通路を介して貯蔵部がエアロゾル発生要素に流体連通されうる。さらに、第二の構成要素に対する第一の構成要素のこうした回転により、エアロゾル発生要素が気流通路に流体連結され、これを介してエアロゾル化されたエアロゾル発生基体がユーザーの口へと通過しうる。また、気流チャネル、特に霧化チャンバーの形状およびサイズが、ユーザーに送達されるエアロゾルの特定の所望の特性を提供するために変更されてもよいことも明らかであろう。
【0107】
記載した実施例は液体エアロゾル形成基体を使用するが、気体透過性要素の提供が他の形態のエアロゾル形成基体を使用するシステムでも有益であることは明らかである。室温で固体またはゲルであるエアロゾル形成基体は、依然として、霧化チャンバー内で液体形態へと凝縮する揮発性成分を放出する場合がある。例えば、エアロゾル形成基体はゲルタブレットとして提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、粒子状のたばこまたは刻みたばこを含んでもよい。
【0108】
また、本実施例は、エアロゾルを形成するための抵抗発熱体の使用を説明するが、回転可能な接合部の提供は、誘導加熱発熱体などの異なる種類の発熱体を使用して動作するシステムにおいて有益であることも明らかであろう。発熱体は、エアロゾル形成基体と拡張された気流通路との間に位置付けられた流体透過性発熱体である必要はない。発熱体は、エアロゾル形成基体チャンバーの壁を加熱してベイパーを発生するオーブンヒーターであってもよい。ベイパーは、発熱体を通って気流通路を通過してもよい。回転可能な接合部の提供は、加熱以外の手段によってエアロゾルを形成するシステムに対してさらに有益でありうる。