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特許7502297マルチバンド無線ネットワークにおける無線送信機管理およびリソース最適化のための方法及び装置
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  • 特許-マルチバンド無線ネットワークにおける無線送信機管理およびリソース最適化のための方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】マルチバンド無線ネットワークにおける無線送信機管理およびリソース最適化のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/08 20090101AFI20240611BHJP
   H04W 28/08 20230101ALI20240611BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240611BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20240611BHJP
【FI】
H04W16/08
H04W28/08
H04W84/12
H04W92/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021532125
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 US2019064773
(87)【国際公開番号】W WO2020118105
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】62/775,519
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516298445
【氏名又は名称】サフラン パッセンジャー イノベーションズ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】3151 East Imperial Highway,Brea,California 92821,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クバリー、カウラ
(72)【発明者】
【氏名】ゴラッティ、レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラシード、ティンク
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-523616(JP,A)
【文献】米国特許第09507813(US,B1)
【文献】特開2004-040591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチバンド無線ネットワーク内の複数の無線アクセスポイントを管理するためのシステムであって、
第1の組の無線アクセスポイントに関連付けられた第1の無線配信ユニット(WDU)であって、前記第1の無線配信ユニットが位置する環境に関する第1の組の情報を収集するように構成された第1のデータコレクタを含む前記第1の無線配信ユニットと、
第2の組の無線アクセスポイントに関連付けられた第2の無線配信ユニットであって、前記第2の無線配信ユニットが位置する環境に関する第2の組の情報を収集するように構成された第2のデータコレクタを含む前記第2の無線配信ユニットと、
前記第1および第2の無線配信ユニットの各々と通信可能に結合された制御ユニットであって、前記第1および第2の無線配信ユニットからそれぞれ受信した前記第1の組および第2の組の情報に基づいて、前記第1および第2の無線配信ユニット間で負荷を平衡させるように構成された中央コグニティブエンジンを含む前記制御ユニットと、を備え、
前記中央コグニティブエンジンは、前記第1の組および第2の組の情報を受信するように構成された情報マネージャをさらに含み、前記情報マネージャは、受信した情報をAVLツリーに格納するように構成されており、前記情報マネージャは、前記受信した情報を前記第1および第2の無線配信ユニットに格納された情報と比較し、無関係または重複する情報を削除し、残りの情報を前記AVLツリーに格納するように構成されており、
前記中央コグニティブエンジンは、一組の最適化アルゴリズムを含み、前記中央コグニティブエンジンは、前記最適化アルゴリズムを使用して、前記AVLツリーに格納された前記第1の組および第2の組の情報に基づいて前記第1および第2の無線配信ユニットに関連する複数のチャネルおよび複数の無線帯域において前記負荷を平衡させるように構成されている、システム。
【請求項2】
前記第1および第2のデータコレクタは、第1および第2のスキャニング無線機をそれぞれ含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2のスキャニング無線機は、バックアップ無線アクセスポイントとして使用するようにそれぞれ構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2のデータコレクタは、前記第1の組または第2の組のアクセスポイントの一方に無線接続する第1および第2のクライアントデバイスをそれぞれ含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1および第2の無線配信ユニットの各々は、情報マネージャを有する分散型コグニティブエンジンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1および第2の無線配信ユニットの分散型コグニティブエンジンの各々は、対応する分散型コグニティブエンジンに記憶された第1の組および第2の組の最適化アルゴリズムと、前記第1および第2のデータコレクタの少なくとも1つによって収集された前記情報とを使用して、複数の無線帯域間で複数のクライアントデバイスをステアリングするように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各情報マネージャは、関連する第1の組または第2の組の無線アクセスポイントに関する情報を前記AVLツリーに格納するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御ユニットおよび前記第1および第2の無線配信ユニットの各々は、(i)前記第1の無線配信ユニット、(ii)前記第2の無線配信ユニット、および(iii)前記制御ユニットの少なくとも2つの間の通信を管理するように構成された通信マネージャを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記中央コグニティブエンジンは、関連する無線アクセスポイントから受信した信号強度、クライアントデバイスの能力、およびクライアントデバイスのローミング履歴のうちの少なくとも1つを分析することによって前記負荷を平衡させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月5日に出願された米国仮特許出願第62/775,519号の優先権を主張する。同出願および他の参照された外因性材料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれた参照用語の定義または使用が本明細書中に記載されるその用語の定義に矛盾または反する場合、本明細書に提供されるその用語の定義が支配的であるとみなされる。
【0002】
本発明の分野は、無線アクセスポイント管理である。
【背景技術】
【0003】
以下の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本背景技術に記載された情報が先行技術であることもしくは現在特許請求されている発明に関連すること、または特定的にもしくは暗黙的に参照される刊行物が先行技術であることを容認するものではない。
【0004】
現在、航空機または他の車両内の無線ネットワークには、複数の帯域(例えば、2.4GHzおよび5GHz)をカバーする複数の無線アクセスポイント(wireless access point : WAP)を含む。本明細書で使用されるように、WAPは、他のデバイスがWiFiまたは関連する規格を使用してネットワークに無線で接続することを可能にする任意のデバイスを含むことができる。これは、複数のWAPが輻輳を発生させ、無線通信環境の輻輳が原因で1つ以上の無線機の過負荷が発生する可能性が高いため、問題になる可能性がある。
【0005】
さらに、このような環境では、無線クライアントは通常、周囲の他のWAPを利用できなくなる可能性がある。さらに、複数のクライアントデバイスの一部分が複数のリソースの大部分を取得する(capture)可能性がある。最後に、複数のWAPは、干渉ケースの制御不能な増殖(proliferation)につながる可能性があり、その結果、無線スペクトルにおけるパフォーマンス低下となる可能性がある。
【0006】
本明細書で特定されるすべての出版物は、個々の出版物または特許出願のそれぞれが参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に参照により組み込まれる。組み込まれた参照文献の用語の定義または使用が本明細書中に記載されるその用語の定義に矛盾または反する場合、本明細書に記載されるその用語の定義が適用され、参照文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0007】
したがって、マルチバンド無線ネットワークにおける複数のWAPの管理および最適化のためのシステムおよび方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の主題は、複数のクライアントデバイスの能力(capabilities)を収集し、複数のWAP間で情報を交換することなどにより、マルチバンド無線ネットワークにおける複数のWAPの管理および最適化のための装置、システムおよび方法を提供する。(例えば、IPベース、イーサネットベースなどの)通信ネットワークは、複数のWAP間に配置されていると暗黙的に想定される。
【0009】
マルチバンド無線ネットワークにおける無線アクセスポイントを管理するための例示的なシステムおよび方法が以下に説明される。
一実施形態では、システムは、第1の組の無線アクセスポイントトに関連付けられた第1の無線配信ユニット(wireless distribution unit : WDU)を備える。第1のデータコレクタは、第1のWDUが位置する環境に関する第1の組の情報を収集するように構成され得る。システムは、第2のWDUが位置する環境に関する第2の組の情報を収集するように構成された第2のデータコレクタを有する、第2の組の無線アクセスポイントに関連付けられた第2のWDUをさらに含み得る。
【0010】
制御ユニットは、第1および第2のWDUの各々と通信可能に結合されることができ、第1および第2のWDUから受信した第1および第2の組の情報に基づいて、第1および第2のWDU間で負荷を平衡させる(balance)ように構成された中央コグニティブエンジン(central cognitive engine)を備える。
【0011】
本発明の主題の種々の目的、特徴、態様、および利点は、同様の参照番号が同様の構成要素を表す添付の図面とともに、以下の好適な実施形態の詳細な説明からより明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、マルチバンド無線ネットワークにおける複数の無線アクセスポイントを管理するためのシステムアーキテクチャの一実施形態の図である。
図2図2は、一例としてのAVLツリーの一実施形態の図である。
図3図3は、一例としてのAVLツリーの他の実施形態の図である。
図4図4は、マルチバンド無線ネットワークにおける複数の無線アクセスポイントを管理するためのシステムにおける負荷分散の一実施形態のワークフローである。
図5図5は、マルチバンド無線ネットワークにおける複数の無線アクセスポイントを管理するためのシステムにおけるバンドステアリングの一実施形態のワークフローである。
図6図6は、マルチバンド無線ネットワークにおける複数の無線アクセスポイントを管理するためのシステムにおけるバンドステアリングの他の実施形態のワークフローである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明全体を通じて、サーバ、サービス、インタフェース、ポータル、プラットフォーム、またはコンピューティングデバイスからなるその他のシステムに関して多くの言及がなされ得る。このような用語の使用は、コンピュータ可読型の有形の非一時的媒体に格納されたソフトウェア命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを有する1つまたは複数のコンピューティングデバイスを表すものと見なされる。例えば、サーバは、記載された役割、能力、または機能を果たすように、ウェブサーバ、データベースサーバ、または他の種類のコンピュータサーバとして動作する1つまたは複数のコンピュータを含み得る。
【0014】
以下、本発明の主題の多くの例示的な実施形態について説明する。各実施形態は本発明の要素群の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は開示された要素群の可能なすべての組み合わせを含むと見なされる。したがって、一つの実施形態が要素A,B,Cを含み、第2の実施形態が要素B,Dを含む場合、本発明の主題は、明示的に開示されていなくても、要素A,B,C,Dの他の残りの組み合わせを含むと見なされる。
【0015】
図1は、例えば、スキャニング無線機(scanning radio)102A~102Nが環境に関する情報を収集するために使用されるか、または他の無線機103A~103Nのうちの1つが故障した場合にバックアップとして使用される例示的なシステムアーキテクチャ100を示す。システムは、制御ユニット(control unit : CU)104および1つまたは複数の無線配信ユニット(wireless distribution unit : WDU)106A~106Nを備え、これらの各々は、コグニティブエンジン(cognitive engine)108A~108Nを備える。
【0016】
コグニティブエンジン108A~108Nの各々は、例えば、クライアントデバイス、スキャニング無線機102A,102B、ステーション(station : STA)112A~112N、およびWDU106A~106Nを含む異なるコンポーネントまたはデータコレクタ(data collectors)を介して情報を収集するように構成された情報マネージャ110A~110Nを含む。次に、この情報は、制御ユニット104およびWDU106A~106Nに格納された最適化アルゴリズム(optimization algorithms)によって使用され得る。このようにして、複数のWAPのクライアントからの情報が使用されて、スキャニング無線機102A~102Nを介して取得されるよりも詳細なレベルの粒度(granularity)を提供することもできる。
【0017】
制御ユニット104は、通信ネットワークと通信することができる任意のデバイスを含み得る。そのようなネットワークは、例えば、航空機内のローカルイントラネットまたはインターネットを含む通信ネットワークを含み得る。
【0018】
考えられる複数の無線アクセスポイント(wireless access point : WAP)(すなわち、ステーション112A~112N)は、他のデバイスと通信するように構成された1つまたは複数の無線送信機(radio transmitter)を有する物理デバイスを備える。複数の無線アクセスポイントは、複数の無線送信機を介してデータを送受信する複数のステーションを備える。いくつかの実施形態では、無線アクセスポイントは、2つ以上の無線機(radio)を有することができ、2つ以上の無線機の各々は、異なる帯域を介して送信するように構成されている。
【0019】
各WDU106A~106Nは、WDU106A~106N間の通信を必要としない第1の組の最適化アルゴリズムを実行するように構成されている。これは、例えば、バンドステアリング(band steering)を含み得る。
【0020】
制御ユニット104は、少なくとも2つのWDU106A~106Nから情報を収集すること、情報を処理すること、および中央決定(central decision)を行うことを命令する第2の組の最適化アルゴリズムを実行するように構成されている。これは、例えば、負荷分散(load balancing)を含み得る。
【0021】
システムは、WAP上で動く(running on the WAP)1つまたは複数のWDU106A~106Nを含み得る。各WDU106A~106Nは、関連する複数のステーション(stations : STA)112A~112Nに関する情報を適切なデータ構造内に格納するように構成された情報マネージャ110A~110Nを備えることができる。データ構造の例であるAVLツリーが図2に示されている。
【0022】
各WDU106A~106Nは、WDU106A~106Nと制御ユニット104との間の通信を管理するように構成された通信マネージャ114A~114Nをさらに備えることができる。
【0023】
システムの制御ユニット104は、システムのコントローラを含む。制御ユニット104は、WAPに配置された別個のデバイスまたは論理コンポーネントであり得る。制御ユニットが論理コンポーネントとして動作している場合、例えば、制御ユニットは、複数のWAPを循環する(rotated across)ことができると考えられる。制御ユニットはまた、関連する複数のSTAに関する情報を含み得る関連情報をその例が図3に示されているAVLに格納するように構成された情報マネージャを含み得る。WDUにすでに格納されている複数のSTAの情報の重複を回避するために、制御ユニットは、関連情報のみを記憶するように構成されている。
【0024】
制御ユニット104は、制御ユニット104と複数のWDU106A~106Nとの間の通信を管理するように構成された通信マネージャ116をさらに含み得る。
図4は、制御ユニット104および複数のWDU106A~106Nによって実行され得る負荷分散およびローミング(roaming)の例を示している。最適なマッチング(matching)を見つけるために、制御ユニット104は、例えば、STAから受信した信号強度、クライアントの能力(clients capacities)(すなわち、802.11vのサポート)、およびクライアントのローミング履歴を含むいくつかの情報を分析する。ローミングフェーズで使用される手法の1つは、BSS移行(つまり、802.11v)である。
【0025】
図4の2.4GHzのみのステーション(station : STA)のバンドステアリングの例では、図5は5GHzのステーション(station : STA)のバンドステアリングの一例を示している。これらの例では、2.4GHzが非優先帯域と見なされ、5GHzが優先帯域と見なされている。
【0026】
各WDU106A~106Nは、(i)STAが非優先帯域のみをサポートする場合、または(ii)STAが非優先帯域と優先帯域との両方をサポートしているが、常に非優先帯域に接続しようとする場合(図5を参照)、非優先帯域のホワイトリスト(whitelist)にSTAを追加するように構成されている。そのような実施形態では、非優先帯域への接続を許可されるべきである複数のSTAだけが、WDU106A~106Nのホワイトリストにリストされているものである。
【0027】
図5は、複数のデュアルバンド(dual-band)STAを使用したバンドステアリングの別の例を示している。この例では、タイムアウト後もSTAが2.4GHzの無線機に接続しようとする場合、2.4GHzのホワイトリストに追加して承認する必要がある。これにより、STAが永久に切断されることがなくなる。
【0028】
本明細書での使用において、文脈により他に指示されない限り、用語「~に結合される」は、直接的な結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する場合)と間接的な結合(少なくとも1つの追加の要素が2つの要素の間に配置される場合)の両方を含むことが意図される。したがって、「~に結合される」および「~と結合される」という用語は、同義語として使用される。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を説明して特許請求するために使用される構成要素の量や、濃度、反応条件などの特性を表す数は、いくつかの例では「約」という用語によって修飾され得る。したがって、いくつかの実施形態において、明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、特定の実施形態によって得られるように求められる所望の特性に応じて変化する可能性がある近似値である。いくつかの実施形態において、数値パラメータは、報告された有効桁数の観点で、通常の丸め方法を適用することによって解釈され得る。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載された数値は実施可能な限り正確に報告されている。本発明のいくつかの実施形態に示された数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じるある一定の誤差を含み得る。
【0030】
文脈により反対であることが示されない限り、本明細書に記載されるすべての範囲はそれらの端点を含むと解釈され得るが、制限のない範囲は商業的に実用的な値のみを含むと解釈され得る。同様に、文脈により反対であることが示されない限り、値のすべての列挙は中間値を含むと見なされ得る。
【0031】
本明細書での説明において、また特許請求の範囲全体を通じて、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、「1つ」の意味は、複数の言及を含む。また、本明細書での使用において、「~内に」の意味は、文脈により明らかにそうでないことが示されない限り、「~内に」と「~上に」を含む。
【0032】
本明細書における値の範囲の列挙は、その範囲内に含まれる別々の値を個々に指す簡潔な方法として役立つことを単に意図している。本明細書において特に示されない限り、ある範囲を持つ個々の値は、本明細書で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載されるすべての方法は、本明細書中において示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書の特定の実施形態に関して提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図し、他に請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須の、特許請求の範囲に記載されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0033】
本明細書に開示された本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、個別に、またはそのグループの他の構成要素もしくは本明細書内で見出される他の要素との任意の組み合わせで、参照および特許請求され得る。グループの1つまたは複数の構成要素は、利便性および/または特許性の理由により、グループに含めることも、そのグループから削除することもできる。あらゆるそのような包含または削除が生じたとき、本明細書において、その仕様は変更されたとおりのグループを含み、したがって添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの書面による説明を満たすものと見なされる。
【0034】
本明細書の発明の概念から逸脱することなく、上記で説明されたもの以外にさらに多くの変形が可能であることが当業者には明らかである。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除き、制限されるべきではない。さらに、本明細書と特許請求の範囲との両方を解釈する際に、すべての用語は、文脈と矛盾しない最も広い方法で解釈されるべきである。特に、「備える」や「備えている」の用語は、参照される要素、構成要素、もしくは工程が存在し得るか、利用され得るか、または明示的に参照されていない他の要素、構成要素、もしくは工程と組み合わされ得ることを示す非排他的な形式で、要素、構成要素、もしくは工程を指すものとして解釈されるべきである。明細書の特許請求の範囲が、A,B,C,…,Nからなる群から選択される少なくとも1つのものを指す場合、テキストは、その群から1つの要素のみを必要とし、AおよびNまたはBおよびNなどではないと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6