(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】自律型家電
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20240611BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240611BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2021535640
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2019086017
(87)【国際公開番号】W WO2020127530
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-16
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517267802
【氏名又は名称】トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】メッツ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ゼント,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ブルーダー,イングマル
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1721386(KR,B1)
【文献】特開2018-196512(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106569489(CN,A)
【文献】中国実用新案第204480021(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00 - 9/32
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの家事を実行するように構成された自律型家電(112)であって、該自律型家電(112)は、家事を実行するように配置された少なくとも1つのタスクユニット(116)を含み、該自律型家電(112)は、少なくとも1つの有線結合手段(120)を有するインターフェース要素(118)をさらに含み、前記インターフェース要素(118)は、前記自律型家電(112)を少なくとも1つのスマートデバイス(114)に解放可能かつ一時的に結合するように構成され、前記自律型家電(112)は、家事を実行するときに、前記インターフェース要素(118)を介して前記少なくとも1つのスマートデバイス(114)の少なくとも1つのセンサデバイス(122)にアクセスし、該センサデバイス(122)により取得されたセンサ情報の少なくとも1つの項目を使用するように構成され,
前記自律型家電(112)は、前記スマートデバイス(114)の有無にかかわらず前記家事を実行するように、前記タスクユニット(116)が少なくとも1つプロセッサ(124)を含む、自律型家電(112)。
【請求項2】
前記自律型家電(112)が、前記スマートデバイス(114)が該自律型家電(112)に結合されている場合とされていない場合で、任意にまたは選択的に動作可能である、請求項1に記載の自律型家電(112)。
【請求項3】
前記タスクユニット(116)
の前記プロセッサ(124)が少なくとも1つの家事を制御するためのソフトウェアによって構成される、請求項1または2に記載の自律型家電(112)。
【請求項4】
前記プロセッサ(124)は、前記スマートデバイス(114)が前記インターフェース要素(118)に結合されているかどうかを決定するように構成される、請求項1
~3のいずれか1項に記載の自律型家電(112)。
【請求項5】
前記自律型家電(112)は、少なくとも1つのオンボードセンサ(126)を含み、該少なくとも1つのオンボードセンサ(126)は、少なくとも1つのパラメータを決定するように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の自律型家電(112)。
【請求項6】
前記自律型家電(112)は、前記スマートデバイス(114)の前記少なくとも1つのセンサデバイス(122)と組み合わせて、前記少なくとも1つのオンボードセンサ(126)を使用するように構成される、請求項5に記載の自律型家電(112)。
【請求項7】
地図が、前記オンボードセンサ(126)の少なくとも1つの機能と、前記センサデバイス(122)によって取得されたセンサ情報との組み合わせから作成される、請求項6に記載の自律型家電(112)。
【請求項8】
前記自律型家電(112)は、前記オンボードセンサ(126)によって決定された前記少なくとも1つのパラメータを前記地図に追加するように構成される、請求項7に記載の前記自律型家電(112)。
【請求項9】
前記自律型家電(112)は、前記オンボードセンサ(126)によって決定された前記少なくとも1つのパラメータと組み合わせて、ナビゲートするため、具体的に移動ルール決定するため、前記地図を使用するように構成されている、請求項7または8に記載の自律型家電(112)。
【請求項10】
前記自律型家電(112)は、前記スマートデバイス(114)を保持するための少なくとも1つのスマートデバイスホルダ(128)を含み、前記自律型家電(112)は、スマートデバイス(114)およびスマートデバイスホルダ(128)の一方または両方を、移動、具体的には曲げ、傾斜または回転するように構成された運動手段をさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の自律型家電(112)。
【請求項11】
家庭用システム(110)であって、該家庭用システム(110)は、請求項1~10のいずれか1項に記載の自律型家電(112)を少なくとも1つ含み、該家庭用システム(110)は、前記自律型家電(112)に結合されるように構成された前記少なくとも1つのスマートデバイス(114)をさらに含む、家庭用システム(110)。
【請求項12】
前記スマートデバイス(114)は、前記少なくとも1つのセンサデバイス(122)と、前記自律型家電(1
12)の前記インターフェース要素(118)と可逆的に結合可能な少なくとも1つのスマートデバイスインターフェース(123)とを備え、前記スマートデバイス(114)は、前記スマートデバイスインターフェース(123)を介して、前記セン
サデバイス(122)によって取得された前記セン
サ情報の少なくとも1つの項目を、前記自律型家電(112)に提供するように構成される、請求項11に記載の家庭用システム。
【請求項13】
少なくとも1つのスマートデバイス(114)の追加機能を使用することによって
自律型家電(112)に言及する請求項1~10のいずれか1項に記載の自律型家電(112)の機能を一時的に増強するための方法(130)であって、該方法は、以下のステップを有する。
i)自律型家電112を提供するステップ(132)。ここで、前記自律型家電112は、少なくとも1つの家事を実行するように構成され、前記自律型家電112は、家事を実行するように配置された少なくとも1つのタスクユニット116を含み、前記自律型家電112は、少なくとも1つの有線結合手段120を有するインターフェース要素118をさらに備える。
ii)少なくとも1つのスマートデバイス114を提供するステップ(134)。
iii)インターフェース要素118を使用することにより、前記自律型家電112を前記スマートデバイス114に解放可能かつ一時的に結合するステップ(136)。
iv)前記自律型家電112によって、前記インターフェース要素118を介して前記スマートデバイス114の少なくとも1つのセンサデバイス122にアクセスするステップ(138)。及び、
v)前記家事を実行するときに、前記センサデバイス122によって取得されたセンサ情報の少なくとも1つの項目を利用するステップ(140)。
【請求項14】
前記方法(130)は、自律型家電(112)に言及する請求項1~10のいずれか1項に記載の自律型家電(112)の少なくとも1つ、または家庭用システムに言及する請求項11または12に記載の家庭用システムを使用することを含む、請求項13に記載の方法(130)。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが自律型家電(112)によって実行されるとき、前記自律型家電(112)に、請求項13又は14に記載の方法(130)のステップiv)およびv)を実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、少なくとも1つの家事を実行するための装置、システム、方法、およびコンピュータプログラムに関する。本発明による装置、システム、方法、およびコンピュータプログラムは、具体的には、例えば、日常生活の様々な領域で使用され得、そこでは、洗浄、具体的には掃除または拭き取り、例えば、草刈りなどガーデニングのロボットが使用され得る。ただし、他のアプリケーションも可能である。
【背景技術】
【0002】
家事を実行するために構成された多数のロボットまたは無人搬送車は、従来技術から知られている。ロボットは、例えば、洗浄、例えば、掃除または拭き取り、草刈りおよび監視に使用され得る。範囲を狭めることなく、本発明を家庭での使用に関して具体的に説明する。
【0003】
US 2017/344063 A1は、インターフェースを介してモバイルデバイスに接続するクリーニングデバイスについて記載している。洗浄装置は、少なくとも1つのプレート本体、プレート本体に接続する2つの弾性部材、およびプレート本体上にあるバッフル機構を含むトリガー機構を含む。バッフル機構は、少なくとも1つのバッフル、ねじりばね、および処理ユニットを備える。バッフルは、第1の弾性シートを定義し、プレート本体は、第2の弾性シートを定義する。モバイルデバイスに圧力が加えられると、プレート本体が駆動されてバッフルが回転し、バッフルの第1の弾性シートがプレート本体の第2の弾性シートに接触する。処理ユニットは、第1の弾性シートが第2の弾性シートに接触したときに、汎用モジュールの機能を実行するためのトリガー信号を生成する。
【0004】
EP 3 108 787 A1は、近距離無線通信(NFC)を使用してロボット掃除機と通信するように構成された通信ユニットと、複数の事前定義された状態Iの中からロボット掃除機の状態を検出するように構成されたプロセッサとを含むロボット掃除機について記載している。移動端末で行われるNFCタグ付けに応答して、プロセッサは、検出された状態に対応する情報を移動端末に送信するように通信ユニットを制御する。
【0005】
US 2017/0364091 A1は、モジュール式の多層モバイルユニットのネットワークについて記載している。これらのユニットは、ユーザがそれらを使用して住居や事業所でタスクや雑用を実行するとき、またはモビリティ機能と現在の場所に基づいてプロパティ内のエリアを移動するとき、各々が処理のためにデータを収集することができる。
【0006】
モジュール式の多層モバイルユニットは、NFCまたはその他のニアコンタクトパッドまたはフルコンタクトパッドを含むように設計されており、エミッターおよび/またはセンサーユニットおよび/またはその他のロボットの機械/電気ユニットをドッキングして、コネクタを必要とせずに電力が供給できる。モジュール式の多層モバイルユニットネットワークは、各々収集されたデータを処理する機能を備えた、ティア0ノード、ティア1ノード、ティア2ノード、およびティア3クラウドノードなど、さまざまなティア(層)で機能するように設計されている。モジュール式の多層モバイルユニットは、収集したデータとリソースを相互に共有できる。ティア3クラウドノードは、下位レベルのティアには存在しない追加の処理能力を提供し、人工知能、音声認識と合成、顔認識機能も提供する。
【0007】
清掃、草刈り、監視などの家事を実行するように構成されたロボットの使用には利点がありますが、いくつかの技術的な課題が残っている。一般に、家事を実行するように構成されたロボットは、清掃や修理などの目的で、または、家事をロボットが建物のさまざまなフロアなど相互にアクセスできない場所で実行する場合は、ユーザが頻繁にピックアップする必要がある。このようなロボットは重いことが多く、通常、特に小さなまたは高齢のユーザにとっては問題が発生する。ただし、一般に、ロボットのすべての機能と追加機能、例えば、追加のセンサーやWiFiレシーバーは、追加の重量とコストをもたらす。したがって、ロボットの重量とコストは、すべての機能と追加機能とともに増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上記の技術的課題に対処する手段および方法を提供することが望ましい。具体的には、少なくとも1つの家事を実行するための自律型家電、ならびに家庭用システム、および自律型家電の機能性を一時的に増強するための方法が提案され、これらは家事の実行と追加の機能および機能を組み合わせて軽量でコストに敏感な製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この問題は、独立クレームの機能を備えたデバイス、方法、およびコンピュータプログラムによって対処される。単独の方法または任意の組み合わせで実現され得る有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
以下で使用されるように、用語「持つ」、「有する」または「含む」またはそれらの任意の文法的変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された機能に加えて、この文脈で説明されている実体にそれ以上の機能が存在しない状況と、1つまたは複数の追加の機能が存在する状況の両方を指す場合がある。一例として、「AはBを持つ」、「AはBを有する」および「AはBを含む」という表現は、B以外に他の要素がAに存在しない状況(すなわち、AはもっぱらBのみで構成される状況)とBの他に、1つ以上の更なる要素が実体Aに存在する状況、例えば、要素C、要素CおよびD、または更なる要素が存在する状況を指し得る。
【0011】
さらに、特徴または要素が1回または2回以上存在する可能性があることを示す用語の「少なくとも1つ」、「1つ以上」または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに1回のみ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を参照するとき、それぞれの機能または要素が1回または複数回存在する可能性があるという事実にかかわらず「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0012】
さらに、以下で使用されるとき、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「具体的に」、「より具体的に」、「特に」、「より特に」または類似の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴に関して使用される。このように、これらの用語によって導入された特徴は任意の特徴であり、特許請求の範囲を如何なる意味でも制限することを意図するものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することにより実行され得る。同様に、「本発明の一実施形態では」または類似の表現によって導入された特徴は、本発明の代替実施形態に関する制限なしに、本発明の範囲に関する制限なしに、および、このようにして導入された特徴と他の任意または非任意の特徴とを組み合わせる可能性に関する制限なしに、任意の特徴であることを意図するものである。
【0013】
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの家事を実行するように構成された自律型家電が開示されている。自律型家電は、家事を実行するために配置された少なくとも1つのタスクユニットを備える。自律型家電は、少なくとも1つの有線結合手段を有するインターフェース要素をさらに含み、インターフェース要素は、自律型家電を少なくとも1つのスマートデバイスに解放可能かつ一時的に結合するように構成され、自律型家電は、家事を実行するときに、インターフェース要素を介して、少なくとも1つのスマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスにアクセスするように構成され、またセンサデバイスによって取得されたセンサ情報の少なくとも1つの項目を利用するように構成される。
【0014】
本明細書で使用される「自律型家電」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、少なくとも1つの家事を自律的に実行するように構成された任意のデバイスを具体的に指す場合があるが、これに限定されない。したがって、自律型家電は、例えば、ユーザからの支援またはユーザによる制御なしで、外部の支援または指示がない状態で家事を実行するように構成され得る。具体的には、自律型家電は、事前にプログラムされたルーチン、自己学習メカニズムなどを使用することによって、外部入力から独立して特定の状況に反応するように構成され得る。
【0015】
自律型家電は、自律移動ロボット、具体的には、以下からなる群、草刈ロボット、掃除ロボット、具体的にはロボット掃除機、ウェットモップロボット、またはそれらの組み合わせ、から選択される自律移動ロボットであり得る。
【0016】
特に、自律型家電、例えば、消費者向け機器は、掃除ロボット、草刈りロボットなどの移動機器であり得るか、またはそれらを含み得る。
【0017】
本明細書で使用される「家事」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、ロボットによって実行される任意の世帯関連の割り当てを具体的に指す場合があるが、これに限定されない。特に、家事は、例えば、掃除機がけおよび/または床の拭き取りおよび/または表面の洗浄および/または表面のワックスがけおよび/または表面のモップがけなどの表面の掃除に関連し得る。家事は、園芸、例えば、植物の監視および/または施肥および/または水やりおよび/または草刈りおよび/または芝生の掻き集めおよび/または芝生の表面を切ることにさらに関係し得る。さらに、家事は、プール、窓、雨樋などの掃除を指す場合がある。
【0018】
特に、家事は、以下からなる群、掃除、特に床掃除、より具体的には掃除機がけまたはウェットモップがけ、メンテナンス、監視、特に画像またはビデオベースの監視、から選択することができる。
【0019】
本明細書で使用される「タスクユニット」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、家事を実行するために構成された部品および/または部品の組み合わせを具体的に指す場合があるが、これに限定されない。具体的には、タスクユニットは、例えば、掃除用の掃除機、ブラッシングまたはスイープ用のほうきなど、家事を実行するための事項であり得るか、またはそれらを含み得る。
【0020】
タスクユニットは、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。特に、タスクユニットは、少なくとも1つの家事を実行するためのソフトウェアまたはハードウェアプログラミングを備えたデータ処理デバイスなどの少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。具体的には、プロセッサは、少なくとも1つの家事を制御するためのソフトウェアによって構成され得る。追加的または代替的に、プロセッサは、特にソフトウェアによって、スマートデバイスがインターフェース要素に結合されているかどうかを決定するように構成され得る。
【0021】
スマートデバイスのインターフェース要素への結合が検出された場合、プロセッサは、センサ情報の少なくとも1つの項目にアクセスし、家事の制御において、センサ情報の少なくとも1つの項目を利用するように構成され得る。
【0022】
本明細書で使用される「インターフェース要素」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、物質または空間の2つの任意のデバイス間の共通の境界を形成する項目または要素を具体的に指す場合があるが、これに限定されない。特に、インターフェース要素は、例えば、自律型家電およびスマートデバイスなどの2つのハードウェアデバイスを接続するための要素またはデバイスであり得る。具体的には、インターフェース要素は、2つのデバイスを接続して、それらを一緒に操作したり、互いに通信したりできるようにするための項目であり得る。特に、インターフェース要素は、2つのデバイス、具体的には、例えば、自律型家電およびスマートデバイスを、少なくとも1つの有線結合手段などの少なくとも1つの結合手段を介して、具体的には少なくとも1つのケーブルまたは導線を介して、具体的に電気的に接続するように構成され得る。
【0023】
あるいは、インターフェース要素は、2つのデバイス間の機械的接続を提供することができ、ここで、2つのデバイス間の無線電気的接続は、例えば、電気接続および/またはデータ交換接続のために、例えばBluetooth、NFC、誘導結合、またはワイヤレス充電を介して、提供される。したがって、具体的には、スマートデバイスのハードウェアおよび自律型家電のハードウェアは、インターフェースを介して機械的に接続することができるが、有線接続は必ずしも存在する必要はなく、通信および/または電気接続は、Bluetooth、NFC、誘導結合、またはワイヤレス充電の1つまたは複数を介して提供され得る。第3の代替として、インターフェース要素は、2つのデバイス間の機械的接続と有線の電気的接続の両方を提供することができる。
【0024】
本明細書で使用される「スマートデバイス」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、電子機器または装置、より具体的には、携帯電話またはスマートフォンなどの移動式電子機器を具体的に指す場合があるが、これに限定されない。追加的または代替的に、スマートデバイスは、また、ファブレットまたはタブレットコンピュータまたはラップトップ、具体的にはモバイルコンピュータ、より具体的には少なくとも1つのセンサデバイス、例えば、カメラを有するモバイルコンピュータなどの任意のタイプのコンピュータを指し得る。したがって、スマートデバイスは、例えば、コンピュータの多くの機能を実行する携帯電話であり得、典型的には、タッチスクリーンインターフェース、インターネットアクセス、およびダウンロードされたアプリを実行することができるオペレーティングシステムを有する。特に、スマートデバイスは、電池駆動またはアキュムレータ駆動のデバイスであり得るか、またはそれを含み得、好ましくは、リチウムおよびコバルトの少なくとも一方または両方を含む電池を含む。特に、スマートデバイスは、デバイスの表面積の少なくとも20パーセント、好ましくはデバイスの表面積の少なくとも30パーセント、より好ましくはデバイスの表面積の少なくとも40パーセントを満たすスクリーンおよび/またはタッチスクリーンによって特徴付けられ得る。好ましくは、ディスプレイおよび/またはタッチスクリーンは、ランタン、テルビウム、プラセオジム、ユーロピウム、ジスプロシウム、ガドリニウムの少なくとも1つの要素を含み得る。
【0025】
本明細書で使用される「センサデバイス」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、少なくとも1つの測定変数または測定特性を検出、測定、または監視するために構成された任意のデバイスを具体的に指す場合があるが、これに限定されない。この用語は、一般に、センサー情報の項目、例えば、オブジェクトおよび/または環境の変数またはプロパティとも呼ばれる。センサデバイスは、測定変数または測定特性の定性的または定量的指標である電気測定信号などの少なくとも1つの測定信号を生成することができるセンサなどの少なくとも1つのセンサまたはセンサ要素を備えることができる。センサーは、例えば、カメラセンサーであり得るか、またはそれを含み得る。特に、センサデバイスは、2Dカメラ、具体的には2次元画像またはビデオを撮影するための画像化デバイス、3Dカメラ、具体的には3次元画像またはビデオを撮影するための画像化デバイス、より具体的には、三次元データを決定するための動きからの形状アルゴリズム、GPSセンサー、WiFiセンサー、Bluetoothセンサー、および走行距離センサー、具体的には移動距離センサーを使用するように構成された画像装置であり得るか、またはそれを含み得る。特に、センサデバイスは、センサ情報の少なくとも1つの項目を取得するように構成され得る。好ましくは、センサデバイスは、ジスプロシウム、テルビウム、プラセオジム、ネオジム、またはガドリニウムの少なくとも1つの要素を含むことによって特徴付けられ得る。
【0026】
本明細書で使用される「センサー情報の項目」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、センサデバイスによって取得された情報の表示を具体的に指す場合があるが、これに限定されない。具体的には、センサー情報の項目は、少なくとも1つの家事の実行および/またはオブジェクトまたは環境問題の特性または特徴に関する情報の表示であり得る。したがって、センサー情報の項目は、例えば、カメラによって撮影された画像またはビデオであり得る。例えば、2Dカメラおよび/または3Dカメラによる、GPS情報および/または走行距離または移動距離情報などの位置情報、WI-FI接続および/またはBluetooth接続などの接続の品質に関する情報、またはその他の情報である。
【0027】
自律型家電は、スマートデバイスが自律型家電に結合されている場合とされていない場合で、任意にまたは選択的に操作可能であり得る。したがって、自律型家電は、スマートデバイスが自律型家電、特に自律型家電のインターフェース要素に結合された状態で具体的に動作可能であり得る。追加的または代替的に、自律型家電は、スマートデバイスが自律型家電に結合されていなくても動作可能であり得る。具体的には、自律型家電は、スマート機器が自律型家電に結合されている場合とされていない場合で、選択的に動作可能であり得る。したがって、自律型家電は、例えば、スマートデバイスの有無にかかわらず、特に家事を実行するために、動作することを積極的に選択することができる。
【0028】
スマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスは、特に、1つまたはそれ以上の2Dカメラ、具体的には2次元画像またはビデオを撮影するための画像化デバイス、3Dカメラ、具体的には3次元画像またはビデオを撮影するための画像化デバイス、より具体的には、3次元データを決定するためのモーションからの形状アルゴリズムを使用するように構成された画像化デバイス、飛行時間(ToF)カメラ、構造化またはパターン化された光または照明を使用するカメラ、ステレオカメラ、GPSセンサー、WiFiセンサー、Bluetoothセンサー、および走行距離センサー、具体的には移動距離センサーである。
【0029】
自律型家電は、スマートデバイスを使用して初期または中間にセットアップされるように構成することができる。したがって、スマートデバイスは、自律型家電を最初におよび/または中間的にセットアップするために使用することができる。
【0030】
一例として、自律型家電、例えば、低コストの消費者向けデバイスは、スマートデバイス、例えば、スマートフォンなどの多機能デバイスに初期または中間のセットアップのために結合され得る。したがって、機能または関数、例えばスマートデバイスの追加機能、特にスマートデバイスの唯一の一時的に必要な機能は、例えばコンピュータプログラムまたはアプリを使用することによって、自律型家電に提供され得る。具体的には、スマートデバイス、例えば、スマートフォンによって提供される追加機能は、例えば、2Dおよび/または3Dカメラ機能、GPS機能、WiFiまたはBluetooth機能などである。
【0031】
特に、スマートデバイス、例えばスマートフォンは、自律型家電、特にロボットにソフトアップデートまたはファームウェアアップデートをインストールするために使用できる。追加的または代替的に、スマートデバイスは、例えば遠隔保守などの保守目的のために、自律型家電に追加の機能をインストールするために使用することができる。したがって、スマートデバイスは、例えば、無線インターネット接続などのインターネット接続を取得するために、およびサーバーから自律型家電に、または自律型家電からサーバーにデータを送信するために使用することができる。
【0032】
自律型家電は、少なくとも1つのオンボードセンサを含み得、オンボードセンサは、少なくとも1つのパラメータを決定するために特に構成され得る。本明細書で使用される「オンボードセンサ」という用語は広義の用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、自律型家電上または内部に配置された任意のセンサーまたはセンサデバイスを指す場合があるが、これに限定されない。具体的には、オンボードセンサは、自律型家電のハウジング上またはハウジング内に取り付けることができる。
【0033】
少なくとも1つのオンボードセンサは、以下からなる群、WiFiセンサー、具体的にはWiFi受信機、より具体的にはWiFi信号強度センサー、LiFiセンサー、具体的にはLiFi受信機、より具体的にはLiFi信号強度センサー、NFCセンサー、具体的にはNFC受信機、より具体的にはNFC信号強度センサー、Bluetoothセンサー、具体的にはBluetooth受信機、より具体的にはBluetooth信号強度センサー、超音波センサー、ドロップセンサー、コンパス、走行距離センサー、大気圧センサーから選択される少なくとも1つのセンサーを含み得る。したがって、例えば、オンボードセンサによって決定される少なくとも1つのパラメータは、1つまたは複数のWiFI信号強度、Bluetooth信号強度、コンパス上の点に関する方向などの方向情報、自律型家電の移動距離等の移動距離または大気圧、具体的には自律型家電の周囲の大気の大気圧などである。
【0034】
自律型家電は、スマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスと組み合わせて少なくとも1つのオンボードセンサを使用するようにさらに構成され得る。特に、自律型家電は、オンボードセンサの少なくとも1つの機能をセンサーデバイスの少なくとも1つの機能と組み合わせるように構成され得る。したがって、例えば、自律型家電は、オンボードセンサによって収集された情報を、センサーデバイスによって取得された情報と組み合わせて使用するように構成され得る。具体的には、センサデバイスによって取得されたセンサー情報の項目は、具体的には、オンボードセンサのパラメータと組み合わせることができ、自律型家電によって組み合わせて使用することができる。
【0035】
特に、地図、具体的には自律型家電の環境の地図は、オンボードセンサの少なくとも1つの機能と、センサデバイスによって取得されたセンサー情報の項目との組み合わせから作成することができる。したがって、例として、オンボードセンサ機能は、具体的には、同時位置特定およびマッピング(SLAM)アルゴリズムを含み得、ここで、SLAMアルゴリズムは、地図を作成するために使用され得る。
【0036】
さらに、自律型家電は、オンボードセンサによって決定された少なくとも1つのパラメータを地図に追加するように構成され得る。したがって、一例として、自律型家電は、オンボードセンサによって収集または決定されたパラメータを、SLAMアルゴリズムを使用して作成された地図に追加するように構成され得る。
【0037】
自律型家電は、ナビゲートするために、オンボードセンサによって決定された少なくとも1つのパラメータと組み合わせて地図を使用するように構成され得る。具体的には、自律型家電は、特に移動経路を決定するために、少なくとも1つのパラメータと組み合わせて地図を使用するように構成され得る。
【0038】
自律型家電は、少なくとも1つのスマートデバイスホルダを含み得る。具体的には、自律型家電は、スマートデバイスを保持するための少なくとも1つの機械的ホルダを備え得る。
【0039】
さらに、自律型家電は、スマートデバイスおよび/またはスマートデバイスホルダを移動、具体的には曲げ、傾斜、または回転させるように構成された運動手段を備え得る。したがって、スマートデバイスは、自律型家電によって移動することができる。
【0040】
本発明のさらなる態様では、家庭用システムが開示されている。家庭用システムは、上に開示されているように、または以下にさらに詳細に説明されているように、少なくとも1つの自律型家電を含む。したがって、本明細書で使用されるほとんどの用語の可能な定義については、本発明の第1の態様で開示される自律型家電の説明を参照することができる。家庭用システムは、自律型家電に結合されるように構成された少なくとも1つのスマートデバイスをさらに含む。
【0041】
スマートデバイスは、自律型家電のインターフェース要素と可逆的に結合可能な少なくとも1つのセンサデバイスおよび少なくとも1つのスマートデバイスインターフェースを含み得る。特に、スマートデバイスは、センサデバイスによって取得されたセンサー情報の少なくとも1つの項目を、スマートデバイスインターフェースを介して自律型家電に提供するように構成され得る。
【0042】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つのスマートデバイスの追加の機能を使用することによって、自律型家電の機能を一時的に増強するための方法が開示される。この方法は、以下のステップを含み、これらは、所与の順序で実行され得る。ただし、別の順序も可能である。さらに、1つまたは複数の、あるいはすべての方法のステップを、1回または繰り返し実行することができる。さらに、方法のステップは、タイムリーに重複する方法で、または並行でさえ実行され得る。この方法は、リストされていない追加の方法のステップをさらに含み得る。
【0043】
この方法は、以下のステップを含む。
i)自律型家電を提供するステップ。自律型家電は、少なくとも1つの家事を実行するように構成され、自律型家電は、家事を実行するために配置された少なくとも1つのタスクユニットを有し、自律型家電は、少なくとも1つの有線結合手段を有するインターフェース要素を含む。
ii)少なくとも1つのスマートデバイスを提供するステップ。
iii)インターフェース要素を使用して、自律型家電をスマートデバイスに解放可能かつ一時的に結合するステップ。
iv)自律型家電によるインターフェース要素を介してスマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスにアクセスするステップ。及び、
v)家事を実行する際に、センサデバイスによって取得されたセンサー情報の少なくとも1つの項目を利用するステップ。
【0044】
具体的に、この方法は、少なくとも1つのスマートデバイスの追加機能を使用することによって、上に開示されるように、または以下にさらに詳細に開示されるように、自律型家電の機能を一時的に増強することを含み得る。したがって、本明細書で使用されるほとんどの用語の可能な定義については、本発明の第1の態様で開示される自律型家電の説明を参照することができる。
【0045】
この方法は、自律型家電、具体的には上記または以下にさらに詳細に開示される自律型家電、または家庭用システム、具体的には上記に開示されるまたは以下にさらに詳細に開示される家庭用システムのうちの少なくとも1つを使用することを含み得る。したがって、ここでも、本明細書で使用されるほとんどの用語の可能な定義について、上記で開示された、または以下でさらに詳細に開示された自律型家電の説明または家庭用システムの説明を参照することができる。
【0046】
特に、自律型家電、例えば自律的に移動するロボットは、スマートデバイス、例えば、初期または中間のセットアップ手順を実行するスマートフォンによって増強される場合がある。
【0047】
本発明のさらなる態様では、コンピュータプログラムが開示され、コンピュータプログラムは、プログラムが自律型家電によって、具体的には自律型家電の少なくとも1つのプロセッサによって、より具体的には自律型家電のタスクユニットの少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、自律型家電に少なくとも1つのスマートデバイスの追加機能を使用して自律型家電の機能を一時的に増強する方法のステップiv)およびv)を実行させる命令を含む。
【0048】
具体的に、プログラムコード手段などのコンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアに格納され得る。したがって、本明細書でさらに開示および提案されるのは、データ構造が格納されたデータキャリアであり、例えば、自律型家電、コンピュータまたはコンピュータの作業メモリまたはメインメモリなどコンピュータまたはコンピュータネットワークにロードされた後、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態、具体的には方法のステップiv)およびv)に従って方法を実行することができる。
【0049】
本発明による装置および方法は、少なくとも1つの家事を実行するための既知の方法および装置に勝る多数の利点を提供し得る。したがって、本明細書で提案される装置および方法は、当技術分野で知られている家事を実行するための装置および方法よりも経済的に効率的であり、特に費用負担が少ない可能性がある。具体的には、本明細書で提案されるデバイスおよび方法は、一般的な方法およびデバイスよりも安価である可能性があり、これは、一般に消費者向けデバイスがしばしば非常にコストに敏感である場合が多いため、特に有益である可能性がある。特に、本発明による装置および方法は、より多くの特徴、特に、より高い計算能力および3D測定能力などの便利な特徴を提供することができ、これらは、一般的な方法および装置では、製品コストを削減するために、例えば、順番に省略され得る。具体的には、提案された装置および方法は、例えば測定指令または無線放射装置指令のために、較正行うためまたは法律に従うために発生する追加コストのために、一般的な装置および方法では省略され得る測定機能を提供し得る。
【0050】
さらに、提案された装置および方法は、既知の装置および方法よりも軽い場合がある。具体的には、本発明による装置および方法は、常に使用される機能とめったに使用されない機能との空間的分離を可能にし得る。特に、例えば、セットアップまたはセットアップステップで必要とされる機能など、めったにまたは一時的にしか使用されない機能を実行するように構成された装置は、例えば、家事を実行するために必要な機能など、常に使用される機能を実行するように構成されたデバイスから空間的に分離され得る。この可能性のある空間的分離のために、提案された装置は、一般的な装置よりもユーザによってより便利に持ち上げられたり移動されたりする可能性がある。追加的または代替的に、可能な空間的分離は、環境条件への的を絞った適応を可能にし得る。具体的には、屋外機能、例えば、太陽および雨の衝撃から電子機器を保護する困難および/または費用がかかる設計は、必要な場合にのみ提供され得、当技術分野で知られている方法および装置と比較して費用および費用を削減する。
【0051】
要約し、さらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態を想定することができる。
【0052】
実施形態1:少なくとも1つの家事を実行するように構成された自律型家電であって、自律化が家電は、家事を実行するために配置された少なくとも1つのタスクユニットを含み、自律型家電は、さらに、少なくとも1つの有線結合手段を有するインターフェース要素を含む。インターフェース要素は、自律型家電を少なくとも1つのスマートデバイスに解放可能かつ一時的に結合するように構成され、自律型家電は、インターフェース要素を介して少なくとも1つのスマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスにアクセスするように構成され、家事を実行するときにセンサデバイスによって取得されたセンサ情報の少なくとも1つの項目を利用するように構成される。
【0053】
実施形態2:自律型家電は、スマートデバイスが自律型家電に結合されている場合とされていない場合で、任意選択でまたは選択的に動作可能である、実施形態1に記載の自律型家電。
【0054】
実施形態3:自律型家電は、自律移動ロボット、具体的には、以下からなる群、草刈りロボット、掃除ロボット、具体的にはロボット掃除機、ウェットモップロボット、またはそれらの組み合わせから選択される自律移動ロボットである、実施形態1または2に記載の自律型家電。
【0055】
実施形態4:家事は、以下からなる群、クリーニング、具体的に、フロアクリーニング、より具体的に、掃除機がけまたはウエットモッピング、メンテナンス、監視、具体的に、画像又はビデオに基づく監視から選ばれる、
実施形態1~3の何れか1つに記載の自律型家電。
【0056】
実施形態5:タスクユニットが少なくとも1つのプロセッサを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の自律型家電。
【0057】
実施形態6:プロセッサが、少なくとも1つの家事を制御するためのソフトウェアによって構成される、実施形態5に記載の自律型家電。
【0058】
実施形態7:プロセッサは、特にソフトウェアによって、スマートデバイスがインターフェース要素に結合されているかどうかを決定するように構成される、実施形態5又は6に記載の自律型家電。
【0059】
実施形態8:スマートデバイスのインターフェース要素への結合が検出された場合に、プロセッサが、センサ情報の少なくとも1つの項目にアクセスするように構成され、家事の制御にセンサー情報の少なくとも1つの項目を利用するように構成される、実施形態5~6の何れか1つに記載の自律型家電。
【0060】
実施形態9:スマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスが、1つまたは複数の2Dカメラ、具体的には2次元画像またはビデオを撮影するための画像化デバイス、3Dカメラ、具体的に、3次元画像又はビデオを撮影するための画像化デバイス、より具体的に、3次元データを決定するためのモーションからの形状アルゴリズムを使用するように構成された画像化デバイス、飛行時間(ToF)カメラ、構造化またはパターン化された光または照明を使用するカメラ、ステレオカメラ、GPSセンサ、WiFiセンサー、Bluetoothセンサー、および走行距離センサ、具体的には移動距離センサである、実施形態1~8の何れか1つに記載の自律型家電。
【0061】
実施形態10:自律型家電は、スマートデバイスを使用することによって初期または中間的にセットアップされるように構成される、実施形態1~9の何れか1つに記載の自律型家電。
【0062】
実施形態11:自律型家電が少なくとも1つのオンボードセンサを含み、少なくとも1つのオンボードセンサが少なくとも1つのパラメータを決定するように構成される、実施形態1~10の何れか1つに記載の自律型家電。
【0063】
実施形態12:少なくとも1つのオンボードセンサは、以下からなる群、WiFiセンサー、具体的にはWiFi受信機、より具体的にはWiFi信号強度センサー、LiFiセンサー、具体的にはLiFi受信機、より具体的にはLiFi信号強度センサー、NFCセンサー、具体的にはNFC受信機、より具体的にはNFC信号強度センサー、Bluetoothセンサー、具体的にはBluetooth受信機、より具体的にはBluetooth信号強度センサー、超音波センサー、ドロップセンサー、コンパス、走行距離センサー、大気圧センサーから選択される少なくとも1つのセンサーを含む、実施形態1~11の何れか1つに記載の自律型家電。
【0064】
実施形態13:自律型家電は、スマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスと組み合わせて少なくとも1つのオンボードセンサを使用するように構成される、前述の2つの実施形態のいずれか1つに記載の自律型家電。
【0065】
実施形態14:地図、具体的には自律型家庭用器具の環境の地図が、オンボードセンサの少なくとも1つの機能と、センサデバイスにより取得されたセンサ情報を組み合わせて作成される、実施形態13に記載の自律型家電。
【0066】
実施形態15:オンボードセンサ機能が、同時位置特定およびマッピング(SLAM)アルゴリズムを含み、SLAMアルゴリズムが地図を作成するために使用される、実施形態14に記載の自律型家電。
【0067】
実施形態16:自律型家電は、オンボードセンサによって決定された少なくとも1つのパラメータを地図に追加するように構成される、実施形態14または15に記載の自律型家電。
【0068】
実施形態17:自律型家電は、ナビゲート、特に移動経路を決定するために、オンボードセンサによって決定される少なくとも1つのパラメータと組み合わせて地図を使用するように構成される、実施形態14~16の何れか1つに記載の自律型家電。
【0069】
実施形態18:自律型家電が、スマートデバイスを保持するための少なくとも1つのスマートデバイスホルダ、具体的には機械的ホルダを備える、実施形態1~17の何れか1つに記載の自律型家電。
【0070】
実施形態19:自律型家電は、スマートデバイスおよび/またはスマートデバイスホルダを移動、具体的には曲げ、傾斜または回転するように構成された運動手段をさらに備える、実施形態18に記載の自律型家電。
【0071】
実施形態20:家庭用システムであって、家庭用システムは実施形態1~19の何れか1つに記載の自律型家電を少なくとも1つ含み、自律型家電に結合されるように構成された少なくとも1つのスマートデバイスをさらに含む。
【0072】
実施形態21:スマートデバイスが、自律型家電のインターフェース要素と可逆的に結合可能な少なくとも1つのセンサデバイスおよび少なくとも1つのスマートデバイスインターフェースを含み、スマートデバイスがスマートデバイスインターフェースを介してセンサデバイスにより取得されたセンサー情報の少なくとも1つの項目を自律型家電に提供するよう構成されている、実施の形態20に記載の家庭用システム。
【0073】
実施形態22:スマートデバイスが、以下からなる群、携帯電話、スマートフォン、コンピュータ、ファブレットコンピューター、タブレットコンピュータ、ラップトップ、モバイルコンピュータ、具体的には、カメラなどの少なくとも1つのセンサデバイスを有するモバイルコンピュータ、コンピュータの機能を実行できる携帯電話、タッチスクリーンインターフェース、インターネットアクセス、ダウンロードしたアプリを実行できるオペレーティングシステムを備えた携帯電話から選択される少なくとも1つのモバイル電子デバイスを含む、実施形態20または21に記載の家庭用システム。
【0074】
実施形態23:少なくとも1つのスマートデバイスの追加機能を使用することによって、具体的には、自律型家電に言及する実施形態1~19の何れか1つに記載の自律型家電を使用することによって、自律型家電の機能を一時的に増強する方法であって、この方法は、以下のステップを含む。
i)自律型家電を提供するステップ。自律型家電は、家事を実行するように配置された少なくとも1つのタスクユニットを含み、自律型家電は、少なくとも1つの有線結合手段を有するインターフェース要素を更に含む。
ii)少なくとも1つのスマートデバイスを提供するステップ。
iii)インターフェース要素を使用して、自律型家電をスマートデバイスに解放可能かつ一時的に結合するステップ。
iv)自律型家電によるインターフェース要素を介してスマートデバイスの少なくとも1つのセンサデバイスにアクセスするステップ。及び、
v)家事を実行する際に、センサデバイスによって取得されたセンサー情報の少なくとも1つの項目を利用するステップ。
【0075】
実施形態24:方法が、自律型家電に言及する実施形態1~19の何れか1つに記載の自律型家電を少なくとも1つ使用すること、または、家庭用システムに言及する実施形態20~22の何れか1つに記載の家庭用システムを使用することを含む、実施形態23に記載の方法。
【0076】
実施形態25:プログラムが自律型家電によって、具体的には自律型家電の少なくとも1つのプロセッサによって、より具体的には自律型家電のタスクユニットの少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、自律型家電に、実施形態24に記載の方法のステップiv)およびv)を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0077】
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。その中で、それぞれのオプションの特徴は、当業者が実現するように、孤立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現することができる。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は、図面に概略的に示されている。ここで、図面内の同一の参照番号は、同一のまたは機能的に比較可能な要素を指している。
【
図1】タスクを実行する家庭用システムの実施形態の斜視図を示す。
【
図2】少なくとも1つのスマートデバイスの追加機能を使用して、自律型家電の機能を一時的に拡張する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1は、少なくとも1つの自律型家電112と、自律型家電112に結合されるように構成された少なくとも1つのスマートデバイス114とを含む家庭用システム110の実施形態を示す。自律型家電112は、少なくとも1つの家事を実行するように構成される。家事は、例えば、洗浄、具体的にフロアの洗浄、より具体的には掃除機がけまたはウエットモッピング、メンテナンス、監視、具体的には画像またはビデオベースの監視などである。したがって、自律型家電112は、具体的には、刈り取りロボット、洗浄ロボット、例えば、ロボット掃除機および/またはウェットモッピングロボット、またはそれらの組み合わせなどの自律移動ロボットであり得る。
【0079】
自律型家電112は、スマートデバイス114が自律型家電112に結合されている場合とされていない場合で、任意にまたは選択的に動作可能である。したがって、自律型家電112は、スマートデバイス114が自律型家電112に結合していなくても具体的に動作可能であり得る。追加的または代替的に、特に家庭用システム110としての自律型家電112は、スマートデバイス114が自律型家電112に結合された状態で動作可能であり得る。自律型家電112は、スマートデバイス114の有無にかかわらず、特に家事を実行するために、積極的に動作を選択する場合がある。
【0080】
自律型家電112は、家事を実行するために配置された少なくとも1つのタスクユニット116を備える。自律型家電112は、少なくとも1つの有線結合手段120を有するインターフェース要素118をさらに備える。インターフェース要素118は、自律型家電112を少なくとも1つのスマートデバイス114に解放可能かつ一時的に結合するように構成される。自律型家電112は、インターフェース要素118を介して少なくとも1つのスマートデバイス114の少なくとも1つのセンサデバイス122にアクセスし、家事を実行するときに、センサデバイス122によって取得されたセンサー情報の少なくとも1つの項目を利用するように構成される。
【0081】
スマートデバイス114は、少なくとも1つのセンサデバイス122を含み得る。さらに、スマートデバイス114は、自律型家電112のインターフェース要素118と可逆的に結合可能な少なくとも1つのスマートデバイスインターフェース123を含み得る。スマートデバイス114は、センサデバイス122によって取得されたセンサ情報の少なくとも1つの項目を、スマートデバイスインターフェース123を介して、自律型家電112に提供するように構成され得る。
【0082】
タスクユニット116は、例えば、少なくとも1つのプロセッサ124を含み得る。プロセッサ124は、少なくとも1つの家事を制御するためのソフトウェアによって具体的に構成され得る。追加的または代替的に、プロセッサ124は、特にソフトウェアによって、スマートデバイス114がインターフェース要素118、特に自律型家電112に結合されているかどうかを決定するように構成され得る。プロセッサ124は、インターフェース要素118へのスマートデバイス114の結合が検出された場合、例えば、センサー情報の少なくとも1つの項目にアクセスするように、および家事の制御においてセンサー情報の少なくとも1つの項目を利用するように構成され得る。
【0083】
スマートデバイス114の少なくとも1つのセンサデバイス122は、例えば、カメラ、具体的には、2次元または3次元の画像またはビデオを撮影するための画像化デバイスであり得る。したがって、センサー情報の項目は、例えば、カメラによって撮影された画像またはビデオであり得る。
【0084】
自律型家電112は、少なくとも1つのオンボードセンサ126をさらに備え得る。オンボードセンサ126は、少なくとも1つのパラメータを決定するために特に構成され得る。一例として、オンボードセンサ126は、WiFiセンサー、具体的にはWiFi受信機、より具体的にはWiFi信号強度センサー、LiFiセンサー、具体的にはLiFi受信機、より具体的にはLiFi信号強度センサー、NFCセンサー、具体的にはNFC受信機、より具体的にはNFC信号強度センサー、Bluetoothセンサー、具体的にはBluetoothレシーバー、より具体的にはBluetooth信号強度センサー、超音波センサー、ドロップセンサー、コンパス、走行距離センサー;大気圧センサーで有り得る。
【0085】
自律型家電112は、例えば、スマートデバイス114の少なくとも1つのセンサデバイス122と組み合わせて、少なくとも1つのオンボードセンサ126を使用するように構成され得る。具体的には、自律型家電の環境の地図などの地図は、オンボードセンサ126とセンサデバイス122の組み合わせから、具体的には、オンボードセンサ126の機能とセンサデバイス114により取得されたセンサ情報の組み合わせから作成することができる。したがって、例として、スマートデバイス114、例えばスマートフォンは、位置特定とマッピングに使用できる。特に、センサデバイス122、例えば、スマートフォンの2Dまたは3Dカメラを、SLAMアルゴリズムと組み合わせて使用して、環境の地図を作成することができる。
【0086】
さらに、自律型家電112は、オンボードセンサ126によって決定された少なくとも1つのパラメータを地図に追加するように構成され得る。したがって、例として、パラメータ、具体的には、少なくとも1つのオンボードセンサ126によって記録されたさらなるパラメータを、地図に追加することが可能である。すなわち、地図により記録される。具体的には、センサ、特に、信号強度または方向を記録するWiFiまたはBluetooth受信機、大気圧センサー、走行距離センサー、超音波センサー、落下センサー、コンパスなどの、ロボットに組み込まれた安価なセンサーのパラメータを地図に追加することが可能である。
【0087】
特に、自律型家電112、例えば、ロボットは、オリエンテーションのため地図と組み合わせて、オンボードセンサ126によって取得されたパラメータを使用するように構成され得る。したがって、自律型家電112は、例えば、以前に記録された地図と組み合わせてパラメータを使用して、現在の場所から、例えば、自律型家電112の充電ステーションまでの最短移動距離、すなわち充電ステーションの部屋への短いルートを見つけることができる。
【0088】
追加的または代替的に、例えばスマートデバイス114、例えばマートフォンによって増強されたロボットに結合された自律型家電112は、自律型家電112の環境の画像またはビデオを記録するために使用され得る。したがって、自律型家電112は、保守および/または監視の目的で使用され得る。
【0089】
自律型家電112は、スマートデバイス114を保持するための少なくとも1つのスマートデバイスホルダ128、具体的には機械的ホルダを備えることができる。したがって、一例として、ロボットは、スマートフォンを保持するための機械的ホルダを組み込むことができる。さらに、自律型家電112は、スマートデバイス114および/またはスマートデバイスホルダ128を動かす、具体的には曲げる、傾ける、または回転させるように構成された運動手段を備え得る。したがって、一例として、ロボットは、スマートフォンおよび/またはそのホルダを、曲げる、傾ける、回転させるなどの手段を特に組み込むことができる。
【0090】
具体的には、例えば、スマートデバイス114の少なくとも1つのセンサデバイス122と組み合わせて少なくとも1つのオンボードセンサ126を使用するように構成された自律型家電112は、例えば、家事を実行するとき、自律型家電112の環境または周囲のビデオを撮りながら、自律型家電112の路程測定データを記録することを可能にし得る。自律型家電112のオンボードセンサ126によって取得される路程測定データは、スマートデバイス114のセンサデバイス122、例えば、スマートフォンのカメラで取られた環境のビデオと組み合わせて使用され得る。具体的には、ビデオデータは、モーションからの形状アルゴリズム、例えば、当技術分野で知られているモーションからの形状アルゴリズムなどのアルゴリズムを使用して3Dデータに変換することができる。3Dデータは、路程測定データを使用して移動距離を推定する場合、より正確になる可能性がある。追加的または代替的に、路程測定センサーは、例えば、運動からの形状アルゴリズムから推定された距離を使用して較正され得る。
【0091】
一例として、家庭用システム110、具体的には自律型家電112およびスマートデバイス114は、例えば、家事を実行しないときにデータを記録するために使用され得る。したがって、自律型家電112および自律型家電112に結合されたスマートデバイス114は、例えば、2Dおよび/または3D地図などのアパートの地図を作成するために使用され得る。特に、地図、例えば3D地図は、仮想現実または拡張現実アプリケーション用に記録される場合がある。したがって、自律型家電112は、例えば、拡張現実内の物体とのユーザの衝突を回避するために、現在の部屋の写真を生成するために使用され得る。追加的または代替的に、地図、例えば自律型家電112によって生成された3D地図は、再装飾の目的で使用することができる。具体的には、ユーザは、VRガラスを装着した状態で自宅を歩くことができる場合があり、ここで、家庭用システム110、例えば、自律型家電112およびスマートデバイス114によって検出されるすべての実際の物体は、拡張現実に統合することができる。
【0092】
図2は、少なくとも1つのスマートデバイス114の追加機能を使用することによって自律型家電112の機能を一時的に増強するための方法130のフローチャートを示す。方法130は、以下のステップを含む。
【0093】
i)自律型家電112を提供するステップ(方法のステップ132)。自律型家電112は、少なくとも1つの家事を実行するように構成され、自律型家電112は、家事を実行するように配置された少なくとも1つのタスクユニット116を含み、自律型家電112は、少なくとも1つの有線結合手段120を有するインターフェース要素118をさらに備える。
ii)少なくとも1つのスマートデバイス114を提供するステップ(方法のステップ134)
iii)インターフェース要素118を使用することにより、自律型家電112をスマートデバイス114に解放可能かつ一時的に結合するステップ(方法のステップ136)。
iv)自律型家電化112によって、インターフェース要素118を介してスマートデバイス114の少なくとも1つのセンサデバイス122にアクセスするステップ(方法のステップ138)。及び、
v)家事を実行するときに、センサデバイス122によって取得されたセンサ情報の少なくとも1つの項目を利用するステップ(方法のステップ140)。
【符号の説明】
【0094】
110 家庭用システム
112 自律型家電
114 スマートデバイス
116 タスクユニット
118 インターフェース素子
120 有線結合手段
122 センサデバイス
123 スマートデバイスインターフェース
124 プロセッサ
126 オンボードセンサ
128 スマートデバイスホルダ
130 少なくとも1つのスマートデバイス114の追加機能を使用することによって自律型家電112の機能を一時的に増強するための方法
132 ステップi)自律型家電を提供するステップ
134 ステップii)少なくとも1つのスマートデバイスを提供するステップ
136 ステップiii)
138 ステップiv)
140 ステップV)