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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】キャップを有するシーシャカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20240611BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240611BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/42
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021539542
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2020050503
(87)【国際公開番号】W WO2020152606
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】19153850.3
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス フレデリック
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0101590(US,A1)
【文献】特表2015-526097(JP,A)
【文献】特開2011-031955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0212678(US,A1)
【文献】実開昭54-039239(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/00-17/00
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジであって、
1つ以上の壁および上部壁、ならびに前記上部壁における本体開口部を含む、本体と、
前記本体開口部と流体連通している、前記本体の空洞と、
前記本体と取り外し可能かつ交換可能に係合し、前記本体開口部を横切って延在している、キャップであって、前記キャップが、キャップ開口部を含み、前記キャップを第1の位置に回転させると、前記キャップ開口部が前記本体開口部と整列し、前記キャップを第2の位置に回転させると、前記キャップ開口部が前記本体開口部と整列しなくなる、キャップと、
前記本体に取り外し可能に取り付けられており、かつ前記本体と前記キャップとの間に配置されている、取り外し可能な層と、を含む、カートリッジ。
【請求項2】
前記本体開口部が、孔または複数の孔を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記キャップ開口部が、複数の孔を含む、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記取り外し可能な層が、前記本体開口部を取り外し可能に封止する、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記本体が、円筒形本体部分を含む、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記本体が、円錐台形部分を含む、請求項1~5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記キャップが、前記キャップ開口部を含むリッド部分と、前記リッド部分から延在している、円筒形キャップ部分と、を含み、前記円筒形キャップ部分が、前記円筒形本体部分と嵌合するように構成されている、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記空洞に配置されたエアロゾル形成基体を含む、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記エアロゾル形成基体が、たばこを含む、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記エアロゾル形成基体が、エアロゾル形成シーシャ基体を含む、請求項8または9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
シーシャシステムであって、
カートリッジであって、
1つ以上の壁を含む、本体であって、前記1つ以上の壁が、壁開口部を含む、本体、
前記壁開口部と流体連通している、前記本体の空洞、
前記空洞内に配置されたエアロゾル形成基体、および
前記本体と取り外し可能かつ交換可能に係合し、前記壁開口部を覆う、キャップであって、前記キャップが、キャップ開口部、および前記キャップ開口部を覆うハッチを含む、キャップ、を含む、カートリッジと、
シーシャ装置であって、
前記カートリッジを受容するためのレセプタクル、
前記カートリッジが前記シーシャ装置の前記レセプタクルに受容された時に、前記エアロゾル形成基体を加熱するための発熱体、
液体充填レベルを有し、かつ前記液体充填レベルの上方の上部空間を画定するベッセル、
前記レセプタクルから前記ベッセルにエアロゾルを搬送するためのエアロゾル導管、および
前記上部空間と連通する出口、を含む、シーシャ装置と、を含む、シーシャシステム。
【請求項12】
前記キャップおよび前記本体が、機械的係合を介して係合するように構成されている、請求項11に記載のシーシャシステム。
【請求項13】
前記キャップおよび前記本体が、スナップ嵌合、バヨネット接続、またはねじ込み嵌合を介して係合するように構成されている、請求項11または12に記載のシーシャシステム。
【請求項14】
前記本体と前記キャップとの間に取り外し可能な層をさらに含み、前記取り外し可能な層が、前記本体に取り外し可能に取り付けられ、かつ前記壁開口部を取り外し可能に封止する、請求項11~13のいずれか一項に記載のシーシャシステム。
【請求項15】
前記空洞内に配置されたエアロゾル形成基体を含む、請求項11~14のいずれかに記載のシーシャシステム。
【請求項16】
前記エアロゾル形成基体が、たばこを含む、請求項15に記載のシーシャシステム。
【請求項17】
前記エアロゾル形成基体が、シーシャエアロゾル形成基体を含む、請求項15または16に記載のシーシャシステム。
【請求項18】
前記本体が、前記空洞を区画に分割する、1つ以上の内部壁を含み、任意選択で、前記キャップが、第2のキャップ開口部と、前記第2のキャップ開口部を覆う第2のハッチと、を含む、請求項11~17のいずれか一項に記載のシーシャシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジに関し、特に、エアロゾル生成装置で使用するためのカートリッジに関する。
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、かつ消費者によって吸入される前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成されている。シーシャ装置は、1つの出口を含んでもよいか、または2人以上の消費者によって同時に装置を使用してもよいように2つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置の使用は、多くの人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
典型的には、従来のシーシャは、糖分が比較的高い糖分(場合によっては、たばこ基体に典型的に見られる約20%と比較して最大約50%)として知られる基体と組み合わせて使用される。シーシャ装置で使用されるたばこは、例えば生成されるベイパーおよび煙の量を増やすため、または風味を変化させるため、またはその両方のために、他の成分と混合されてもよい。
【0004】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を燃焼して、ユーザによる吸入のためにエアロゾルを発生させるために木炭を採用する。たばこを加熱するための木炭のペレットの使用により、たばこまたは他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。追加的に、木炭のペレットは一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャのベイパーと混合する場合があり、かつ水盤を通過して出口へと至る場合がある。
【0005】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を低減する1つの方法は、たばこではなくeリキッドを採用することである。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼による副産物を除去するが、シーシャ消費者から、従来のたばこ由来の体験を奪う。
【0006】
たばこを加熱するが燃焼させない電気ヒータを採用するその他のシーシャ装置が提案されている。このような電気加熱非燃焼式シーシャ装置は、基体を燃焼することなく、基体からエアロゾルを生成するために十分な温度までたばこ基体を加熱し、したがって、たばこの燃焼に関連付けられる副産物を低減させるか、または除去する。
【0007】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジを採用してもよい。カートリッジは、このようなエアロゾル形成基体で充填されてもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ、好ましくはシーシャ基体、例えば糖蜜(たばこ、水、糖、およびグリセリン、風味剤などの他の成分の混合物など)を含んでもよい。電気加熱式シーシャ装置の加熱システムは、カートリッジの内容物を加熱してエアロゾルを発生させ、このエアロゾルは、気流経路を通ってユーザに搬送される。
【0008】
カートリッジを通る気流およびカートリッジからのエアロゾルの流れを容易にするために、シーシャカートリッジは、1つ以上の壁を通る1つ以上の孔を有してもよい。カートリッジは、上部に1つ以上の孔を、底部に1つ以上の孔を、または上部の1つ以上の孔と底部の1つ以上の孔との両方を含み得る。孔はまた、カートリッジの側面に沿って配置されてもよい。代替的に、上部は開いていてもよく、すなわち、上部壁は部分的または完全に存在しなくてもよい。上部壁および底部壁の任意の孔または開口部は、保管中にフィルム、ステッカ、またはライナなどの取り外し可能なシーリング層によって閉じられていてもよい。取り外し可能な層は、内容物(例えば、糖蜜)を空気および酸素への曝露から保護し得る。取り外し可能な層は、カートリッジの初回使用前にユーザによって除去(例えば、引っ張るか、または剥がす)されてもよい。
【0009】
カートリッジの孔または開口部は、封止されていない場合、漏れの問題だけでなく、基体の新鮮さ(例えば、含水量)の喪失、または汚染をもたらす可能性がある。新鮮さを維持するため、基体の漏れを防止するため、または保管中に基体の品質および完全性を保持するためなどの1つ以上の理由から、使用前または、カートリッジの全内容物が一度に全部使用されない場合、使用と使用との間に、カートリッジの開口部または孔を、閉じるか、または封止することが望ましい。
【0010】
一部のユーザは、2回以上の使用セッションにわたってカートリッジの使用を延長することを望むか、またはカートリッジの内容物が完全に枯渇する前に使用セッションを一時停止することを望む場合がある。しかしながら、空気への曝露は、比較的短期間内に糖蜜の酸化を引き起こす場合がある。したがって、カートリッジが短期間内に完全に消費されない場合、糖蜜は、開いたカートリッジ内で劣化し得る。さらに、典型的な糖蜜は、カートリッジが短期間内に完全に消費されない場合、たとえシーシャ装置内に保管されていてもカートリッジから漏れ得る液体成分を含む。漏れた糖蜜は、シーシャ装置の内部を汚染し、ユーザにとって汚く非衛生的で、または不快である場合があり、鮮度の低減として将来の感覚的体験を損なう。
【0011】
保管中にカートリッジを封止するために使用される既存の取り外し可能なステッカまたはリッドは、接着剤、溶接、捲縮、またはそれらの組み合わせによって取り付けられてもよい。しかしながら、こうしたステッカまたはリッドは、典型的には使い捨てであり、使用と使用との間にカートリッジを閉じるために交換可能ではないか、または再封止可能ではない。
【0012】
複数の使用を提供することができるか、または一度で一部分だけ使用することができるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。使用後に、閉じることができる、好ましくは再封止することができるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。カートリッジの封止が解かれた後、例えば、使用セッション中にエアロゾル形成基体全体が完全に枯渇していない場合に、カートリッジ内の残りの糖蜜(または他のエアロゾル形成基体)の保護を可能にするシーシャカートリッジを提供することがさらに望ましい。一部の態様によれば、本体およびキャップを有するカートリッジを提供することが望ましいが、本体は、カートリッジの底部部分を形成し、キャップは、カートリッジの上部部分を形成する。
【0013】
本開示の様々な態様は、カートリッジ本体の開口部(例えば、上部壁、底部壁、または側壁、好ましくは上部壁における開口部)を閉じる、封止する、または再封止するためのキャップを含む、シーシャカートリッジに関する。カートリッジの本体は、1つ以上の開口部を有する。キャップは、開口部の少なくとも一部分を覆う。一部の実施形態では、キャップは、1つ以上の開口部を有してもよい。本体またはキャップの開口部は、単一の孔(例えば、開いた上部、または上部壁の開口部)または複数の孔を含み得る。複数の孔は、材料を貫通する穿孔、メッシュ、または通気性材料を含み得る。
【0014】
本開示の別の態様によれば、シーシャカートリッジは、開口部を含むキャップを含む。使用前に、開口部は、取り外し可能な(例えば、剥離可能な)フィルム、ステッカ、またはライナによって閉じられてもよい(例えば、封止されてもよい)。
【0015】
一部の態様によれば、キャップは、取り外し可能であってもよい。キャップは、軸を中心に回転可能であってもよい。一部の態様によれば、キャップは、リッド部分およびリッド部分から軸方向に延在する円筒形部分を含み得る。
【0016】
一部の態様によれば、本開示のキャップは、ユーザがカートリッジを容易に開閉することを可能にする。例えば、ユーザは、使用と使用の間にカートリッジを一時的に閉じることができる。キャップは、内容物またはシーシャ装置を汚染の危険にさらすことなく、ユーザがエアロゾル形成基体の一部分のみを使用することを可能にし得る。別の態様によれば、本開示のキャップは、カートリッジからカートリッジの外側への空気流路を提供する開口部を含む。
【0017】
本開示の一態様は、エアロゾル形成基体を収容するためのシーシャカートリッジに関し、カートリッジは、1つ以上の壁および1つ以上の壁のうちの少なくとも1つにある壁開口部を含む本体と、少なくとも1つの壁開口部と流体連通している本体中の空洞と、ハッチによってヒンジで閉じられたキャップ開口部を含むキャップと、本体に取り外し可能に取り付けられており、かつ本体とキャップとの間に配置されている、取り外し可能な層と、を含む。
【0018】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、揮発性風味化合物を含有していてもよい、空気などの気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁物を指す。
【0019】
本明細書で使用される「基体」という用語は、カートリッジ内に配置され得る消耗品材料を指す。
【0020】
本明細書で使用される用語「一体」および「一体的に形成された」は、1つの部品(単一の一元的部品)で形成されており、その部品に構造的な損傷を引き起こすことなく分離可能に取り外し合うことができない要素を表す。
【0021】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0022】
本明細書で使用される場合、「または」は概して、「一方、または他方、または両方」を含む意味で採用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「から成る(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0024】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。さらに、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0025】
「実質的に」という用語は、本明細書で使用される「著しく」と同じ意味を有し、修飾する後続の用語の意味の度合いが少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%であると理解され得る。「実質的に~ではない」という用語は、本明細書で使用される「著しく~ではない」と同じ意味を有し、および「実質的に」と逆の意味を有し、すなわち修飾する後続の用語の意味の度合いが10%以下、5%以下、または2%以下であると理解され得る。
【0026】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または配向など、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および配向で使用されてもよい。
【0027】
カートリッジは、空洞を画定する任意の好適な本体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの空洞の中に配置され得る。本体は、耐熱性金属またはポリマーなどの1つ以上の耐熱性材料から形成されていることが好ましい。本体は熱伝導性材料を含んでもよい。例えば、本体はアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、それらの任意の合金、およびそれらの組み合わせのいずれかを含んでもよい。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0028】
カートリッジは、任意の好適な形状であってもよい。例えば、カートリッジは、シーシャ装置によって受容されるように構成された形状を有してもよい。カートリッジは、実質的に立方体形状、円筒形状、円錐台形状、または任意の他の好適な形状を有してもよい。カートリッジは、略円筒形状または略円錐台形状を有することが好ましい。
【0029】
シーシャ装置は、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。装置は、伝導によって、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成され得るカートリッジは、カートリッジ中で発熱体からエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を提供するために、シーシャ装置の発熱体との接触を可能にするように、またはシーシャ装置の発熱体との間の距離を最小化するように形状設定およびサイズ設定されていることが好ましい。熱は、任意の好適な機構によって(例えば抵抗加熱によって、または誘導によって)発生されてもよい。誘導加熱を容易にするために、カートリッジにはサセプタが提供されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、サセプタとして機能を果たすことができる材料(例えば、アルミニウム)から作製されてもよいか、もしくはそれを含んでもよく、またはサセプタ材料は、カートリッジの空洞内に提供されてもよい。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片など)でカートリッジの空洞内に提供されてもよい。
【0030】
任意の好適なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞中に提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、揮発性化合物を放出することができる基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成し得る化合物を放出することができる基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体もしくは液体であってもよいか、または固体構成要素と液体構成要素との両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、シーシャ基体であることが好ましい。シーシャ基体は、シーシャ装置での使用に好適な消耗品材料を意味すると理解される。シーシャ基体は、糖蜜を含み得る。
【0031】
エアロゾル形成基体はニコチンを含み得る。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含むことが好ましい。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は、代替的または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0032】
エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの1つ以上を含み得る。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこ、および膨化たばこのうちの1つ以上を含有してもよい。
【0033】
エアロゾル形成基体は少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。好適なエアロゾル形成体は、使用時に高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシーシャ装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、およびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、任意の好適な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0034】
エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態では、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンと1つ以上の他の好適なエアロゾル形成体(上記のものなど)との混合物である。
【0035】
エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤、甘味料など)などを含んでもよい。一部の実施例では、エアロゾル形成基体は、任意の好適な量の1つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、スクロースを分割することによって得られるグルコースとフルクトースとの混合物である転化糖を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、約1重量%~約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例では、1つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの好適な担体と混合されてもよい。
【0036】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は1つ以上の感覚促進剤を含む。好適な感覚増強剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。好適な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0037】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的に、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0038】
任意の好適な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)を空洞の中に配置してもよい。一部の好ましい実施形態では、約3g~約25gのエアロゾル形成基体が空洞の中に配置されている。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7g~約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されていることが好ましい。
【0039】
カートリッジの本体は、1つ以上の壁を含み得る。一部の実施形態では、本体は、上部壁、底部壁、および側壁を含む。一部の実施形態では、本体の上部は開いている(すなわち、本体は上部壁を含まない)。側壁は、底部から上部へと延在する円筒形または円錐台形であってもよい。一部の実施形態では、側壁は、円錐台形部分(例えば、底部部分)および円筒形部分(例えば、上部部分)を含む。本体は、1つ以上の部品を含んでもよい。例えば、側壁および底部壁は、一体型の単一部品であってもよい。側壁および底部壁は、任意の好適な様式で互いに係合するように構成された2つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および底部壁は、一緒に接合された2つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部壁および側壁は、単一の一体型の部品であってもよい。側壁および上部壁は、任意の好適な様式で互いに係合するように構成された2つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および上部壁は、一緒に接合された2つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部壁、側壁、および底部壁はすべて、単一の一体型の部品であってもよい。上部壁、側壁、および底部壁は、任意の好適な様式で互いに係合するように構成された3つの別個の部品であってもよい。例えば、上部壁、側壁、および底部壁は、螺合締まり嵌め、溶接、または接着剤によって互いに係合するように構成されてもよい。
【0040】
本体の1つ以上の壁は、加熱可能な壁または表面を形成し得る。本明細書で使用される場合、「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかによって熱を適用し得る壁または表面の領域を意味する。加熱可能な壁または表面は、それを通して熱が本体の外側から、空洞または空洞の内部表面へと伝達され得る熱伝達表面として機能し得る。
【0041】
カートリッジの本体は、空洞を区画に分割する1つ以上の内部壁を有してもよい。例えば、空洞は、第1の区画および第2の区画に分割されてもよい。空洞は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはさらには8つの区画に分割されてもよい。内部壁は、本体の底部から上部に延在し得る。一部の実施形態では、内部壁は穿孔または開口部を有してもよい。
【0042】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さ(例えば、垂直中心軸に沿った軸長さ)を有することが好ましい。一実施形態では、本体は約10cm以下の長さを有する。本体は約1cm以上の内径を有してもよい。本体の内径は、約1.75cm以上であってもよい。カートリッジは空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約25cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、約25cm3~約40cm3であることが好ましい。一実施形態では、本体は約3.5cm~約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は、約1.5cm~約4cmであってもよい。本体は空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、約25cm3~約40cm3であることが好ましい。本体は円筒形または円錐台形であることが好ましい。
【0043】
カートリッジ本体は、本体の1つ以上の壁を通る1つ以上の開口部または通気孔を含み得る。通気孔は、入口、出口、またはその両方であってもよい。通気孔は、カートリッジの底部壁に、上部壁に、側面に、またはこれらの組み合わせに配置されてもよい。一部の実施形態では、カートリッジは、カートリッジがシーシャ装置で使用される時に、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にするための1つ以上の入口および1つ以上の出口を含む。一部の実施形態では、カートリッジの上部壁は、存在しなくてもよいか、またはカートリッジの1つ以上の入口を形成するために1つ以上の開口部を画定してもよい。カートリッジの底部壁は、カートリッジの1つ以上の出口を形成するための1つ以上の開口部を画定してもよい。1つ以上の入口および出口は、カートリッジを通した好適な引き出し抵抗(RTD)を提供するようにサイズ設定および形状設定されていることが好ましい。一部の実施例では、入口(複数可)から出口(複数可)へのカートリッジを通したRTDは、約10mmのH2O~約50mmのH2Oであってもよく、約20mmのH2O~約40mmのH2Oであることが好ましい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断された時の、試料の2つの端の間の静圧の差を指す。試料のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定してもよい。
【0044】
一実施形態によれば、カートリッジは、本体に接続されたキャップを含む。キャップは、カートリッジ本体上の開口部を閉じる、および再び閉じるために使用されてもよい。代替的に、キャップは、本体の取り外し可能な上部部分を形成してもよく、開口部を含んでもよい。
【0045】
キャップは、キャップを通って延在する中心軸の周りを回転可能であってもよい。キャップの中心軸は、カートリッジ本体の中心軸と平行または同軸であってもよい。カートリッジ本体の中心軸は、本体が直立位置にある時に本体の中心を垂直に通過する仮想線であるとみなされる。キャップは取り外し可能であることが好ましい。キャップは、ファスナ、スナップ嵌合、ねじ込み嵌合、バヨネット接続、摩擦嵌合、または磁気接続などの任意の好適な機構によって本体に取り付けられてもよい。
【0046】
キャップは、本体の上部壁(または開いた上部)または底部壁を少なくとも部分的に覆ってもよい。キャップは、本体の側壁の少なくとも一部分を覆ってもよい。キャップは、カートリッジの本体の上部または底部を覆うリッド部分を有してもよい。リッド部分は、平面であってもよいか、または輪郭(例えば、ドーム型の)を有してもよい。リッド部分は、キャップの上部面を形成し得る。キャップはまた、リッド部分から中心軸の方向に軸方向に延在する円筒形部分を含んでもよい。円筒形部分は、キャップの側壁であってもよく、本体の側壁の少なくとも一部分を覆ってもよい。一部の実施形態では、キャップは、リッド部分のみを含み、円筒形部分を含まない。キャップの円筒形部分は、カートリッジ本体の上部部分(例えば、円筒形部分)に適合または嵌合するように構成されてもよい。
【0047】
一部の実施形態では、キャップは、1つ以上のキャップ開口部を有してもよい。例えば、キャップは、リッド部分に、円筒形部分に、またはその両方にキャップ開口部を有してもよい。キャップ開口部は、キャップの材料を通る孔もしくは開口であってもよいか、またはキャップの縁部に延びる切り抜きであってもよいか、またはその両方であってもよい。キャップ開口部は、単一の孔または複数の孔を含み得る。キャップ開口部は、ハッチによってさらに閉じられてもよい。ハッチは、キャップにヒンジで取り付けられてもよい。
【0048】
キャップ開口部は、任意の好適なサイズおよび形状を有し得る。例えば、キャップ開口部は、円形、多角形(例えば、正方形、三角形など)、扇形形状、スロットであってもよいか、または不規則な形状を有してもよい。キャップ開口部のサイズは、キャップの外側の面積に対する割合として表されてもよい。キャップの外側の面積は、リッド部分および円筒形部分の外向きの表面の面積など、キャップの外側を向いている(例えば、本体に向いていない)表面積を意味すると理解される。一部の実施形態では、キャップ開口部は、キャップの面積の5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、または25%以上を含み得る。キャップ開口部は、キャップの面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を含み得る。
【0049】
キャップ開口部を有するキャップは、開いた上部(すなわち、上部壁を有していない)を有する本体、またはキャップ開口部と整列し得る上部壁における本体開口部を有する本体と組み合わされてもよい。
【0050】
本体の開口部とキャップの開口部とは、必ずしも同じ形状、数、またはサイズである必要はない。一部の実施形態では、キャップ開口部は本体開口部とは異なる(例えば、異なる形状、サイズ、または孔の数を有する)。一部の実施形態では、キャップ開口部は本体開口部と同じであるか、または類似している(例えば、同じ形状、サイズ、または孔の数を有する)。
【0051】
本体の開口部とキャップの開口部とは、キャップを第1の位置に回転させることによって少なくとも一部の開口部が整列し、その結果本体の空洞が、整列した開口部を通じて環境と(例えば、シーシャ装置の気流経路と)流体連通するように、かつキャップを第2の位置に回転させることによって、開口部が整列しないように(すなわち、キャップが本体の開口部を閉じるように)位置付けられてもよい。
【0052】
カートリッジは、使用前に、1つ以上の入口を覆うシールまたは層、および任意選択で、1つ以上の出口を覆う第2のシールまたは層をさらに含んでもよい。シールは取り外し可能であることが好ましい。取り外し可能な層は、本体とキャップとの間に、またはキャップの外側上に配置されてもよい。取り外し可能な層は、キャップのリッド部分を実質的にまたは完全に覆ってもよい。取り外し可能な層は、キャップのリッド部分を内側からまたは外側から覆ってもよい。取り外し可能な層は、剥離可能なラベル、ステッカ、箔などを含み得る。ラベル、ステッカ、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、または別様に容器に接合されるなど、任意の好適な様式でカートリッジに貼り付けられてもよい。取り外し可能な層は、初回使用の前に、ラベル、ステッカ、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持されてもよいタブを含んでもよい。一部の実施形態では、ユーザは、最初にキャップを取り外し、次いで、取り外し可能な層を剥がすか、または取り外すことができる。キャップのタイプに応じて、ユーザは、使用前に(例えば、キャップがキャップ開口部を含む場合)、または使用後に(例えば、キャップがキャップ開口部を含まない場合)、本体上のキャップを交換してもよい。
【0053】
カートリッジは、カートリッジの封止または再封止を容易にする特徴をさらに含み得る。例えば、カートリッジ本体、キャップ、またはその両方は、ゴムなどの弾性材料から作製されたOリングまたはライナなどの封止部材を含んでもよい。一実施形態では、カートリッジ本体、キャップ、またはその両方は、カートリッジ本体とキャップとの間の封止を容易にするために封止部材を含む。
【0054】
一部の実施形態では、カートリッジは、任意の好適なシーシャ装置とともに使用され得るシーシャカートリッジである。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためにカートリッジ中のエアロゾル形成基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼しないように構成されていることが好ましい。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃の範囲の温度に加熱するように構成されてもよく、約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度に加熱することがより好ましい。
【0055】
シーシャ装置は、カートリッジを受容するためのレセプタクルを含んでもよい。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクルの中に受容されている時に、カートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を含み得る。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部を形成してもよい。例えば、発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体から空洞中のエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成されてもよい。一部の実施形態では、発熱体は電気発熱体を含む。一部の実施形態では、発熱体は抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、1つ以上の抵抗性ワイヤまたは他の抵抗素子を含んでもよい。抵抗性ワイヤは熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い領域にわたって配分してもよい。好適な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。
【0056】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を含んでもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成され得る。制御電子機器は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、例えばコントローラ、またはメモリおよびコントローラを含んでもよい。コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの1つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の1つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を含有するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの1つ以上として具現化されてもよい。
【0057】
電子回路はマイクロプロセッサを含んでもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。
【0058】
一部の実施例では、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このように、制御電子機器は抵抗素子の温度を調節し得る。
【0059】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサを含んでもよい。温度センサは、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に連結されてもよい。温度センサは、任意の好適な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、レセプタクル内に受容された時にカートリッジの中に挿入されるように構成されてもよい。加えて、または代替的に、温度センサは発熱体と接触してもよい。加えて、または代替的に、温度センサは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分で温度を検出するように位置付けられてもよい。センサは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信してもよい。制御電子機器は、センサで好適な温度を達成するために、信号に応答して発熱体の加熱を調整してもよい。
【0060】
制御電子機器は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の好適な電源を含んでもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能であってもよいか、または取り外し可能かつ交換可能であってもよいか、または再充電可能かつ取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の好適な電池が使用されてもよい。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。代替的に、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力であってもよい。代替的に、組立品は、外部電力供給源に接続されてもよく、このような目的のために電気的および電子的に設計されていてもよい。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも1回のシーシャセッションの間に組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電されるか、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0061】
一実施例では、シーシャ装置は、カートリッジレセプタクル、発熱体、エアロゾル出口、および外気入口を含む、エアロゾル発生要素を含む。カートリッジレセプタクルは、エアロゾル形成基体を含有する、本開示によるカートリッジを受容するように構成されている。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部を画定してもよい。
【0062】
シーシャ装置は、レセプタクルと流体接続している外気入口チャネルを含む。使用時、カートリッジ内の基体が加熱されると、基体中のエアロゾル形成体構成要素が気化する。外気入口チャネルからカートリッジを通して流れる空気は、カートリッジ中のエアロゾル形成体構成要素から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0063】
一部の電気加熱式シーシャ装置は、予熱された空気を採用し、かつ吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動するように気流経路を典型的に採用する。さらに、一部の電気加熱式シーシャ装置は、加熱される表面積を増大することによって放射熱伝達を増大させる要素を採用する。
【0064】
外気入口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通って、かつ1つ以上の開口を通してカートリッジレセプタクルの中に流れることができるように、カートリッジレセプタクルを通る1つ以上の開口を含んでもよい。チャネルが2つ以上の開口を含む場合、チャネルは、チャネルを通って各開口に流れる空気を方向付けるためのマニホールドを含んでもよい。シーシャ装置は、2つ以上の外気入口チャネルを含むことが好ましい。
【0065】
上述のように、カートリッジは、本体に形成された1つ以上の開口部(入口または出口など)を含む。キャップ開口部を有するキャップは、本体上に配置されてもよく、空気がカートリッジを通って流れることを可能にする。代替的に、キャップ開口部のないキャップは、空気がカートリッジを通って流れることを可能にするために取り外されてもよい。レセプタクルが1つ以上の入口開口を含む場合、カートリッジ中の入口のうちの少なくとも一部は、レセプタクルの上部の開口と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジがレセプタクルの中へと挿入された時に、レセプタクルの相補的な整列機構と嵌合して、カートリッジの入口をレセプタクルの開口と整列させるように構成された整列の特徴を含む場合がある。
【0066】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体にわたって、またはそれを通って、またはそれにわたってかつそれを通って流れ、エアロゾルを同伴し、エアロゾル出口を介してカートリッジおよびレセプタクルを出てもよい。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0067】
シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を画定する、かつ液体充填レベルの上方の上部空間中に出口を画定する任意の好適なベッセルを含んでもよい。ベッセルは、ベッセル内に含有された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを含んでもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を含んでもよい。ベッセルハウジングは任意の好適な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填する、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を含むシーシャ組立品の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0068】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには1つ以上の着色剤、風味剤、または着色剤および風味剤が任意選択で注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0069】
レセプタクルのエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通って移動してもよい。ベッセルを通って流れるエアロゾルが、消費者への送達のために、導管の開口部を通った後、液体を通って、ベッセルの上部空間の中に入り、上部空間出口を通って出るように、導管はエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に連結されてもよいか、またベッセルの液体充填レベルの下に開口部を有してもよい。
【0070】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを含むホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザによって起動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザの吸煙を検出するように配設された吸煙センサ、またはユーザによって起動可能なスイッチと吸煙センサとの両方などの起動要素を含んでもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に連結される。起動要素は、制御電子機器に無線で連結されてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体の起動を生じさせてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体の起動を生じさせてもよい。したがって、起動要素の使用は、このような要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定の加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0071】
例示の目的のために、本明細書に記載の通りのシーシャ装置を使用するための1つの方法が下記に、時系列で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外されて、水で充填されてもよい。天然果汁、植物浸出液、および薬草浸出液のうちの1つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に任意選択で存在する場合がある充填レベルのマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み立てされる。カートリッジは、任意の取り外し可能な層(存在する場合)を除去することによって準備されてもよい。キャップが開口部を含む場合、キャップは、カートリッジ上で交換されてもよく、キャップ開口部が本体上の開口部と整列するように、キャップを任意選択で回転させてもよい。キャップが開口部を含まない場合、カートリッジの使用期間中、キャップを取り外してもよい。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジをレセプタクルの中に挿入することを可能にするように取り外されてもよいか、または開かれてもよい。次いで、エアロゾル発生要素は再組み立てされるか、または閉じられる。次いで、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることで、エアロゾル形成基体の蒸発温度まで、またはエアロゾル形成基体の蒸発温度以上であるが燃焼温度未満の温度まで、エアロゾル形成基体を加熱するための、発熱体の加熱プロファイルが開始され得る。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成化合物は気化し、エアロゾルを発生させる。ユーザは望む通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザは、所望の長さ、またはエアロゾルが見えなくなるまで、もしくは送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態では、カートリッジ、またはカートリッジの区画で使用可能なエアロゾル形成基体が枯渇した時に、装置が自動的に停止するように配設されてもよい。ユーザは、カートリッジ上のキャップを交換するか、またはカートリッジ上のキャップを回転させて、カートリッジを閉じることができる。一部の実施形態では、消費者は、例えばカートリッジ中のエアロゾル形成基体が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受信した後、装置を未使用のカートリッジで再充填してもよい。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることにより、消費者によっていつでもオフにし得る。
【0072】
シーシャ装置は、任意の好適な空気管理を有してもよい。一実施例では、ユーザからの吸煙動作は、吸込み効果を作り出して、装置内部に低圧を引き起こすことになり、これは外部の空気を装置の空気吸込み口を通して外気入口チャネルの中に、およびレセプタクルの中に流れさせる。次いで、空気は、レセプタクルの中のカートリッジを通って流れて、エアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルを搬送し得る。次いで、同伴されたエアロゾルを含む空気は、レセプタクルのエアロゾル出口を出て、導管を通ってベッセル内部の液体に流れる。次いで、エアロゾルは、泡になって液体から出て、ベッセルの中の液体のレベルより上の上部空間の中に入り、上部空間出口を出て、消費者への送達のためにホースおよびマウスピースを通る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内部のエアロゾルの流れは、ユーザからの吸煙の動作によって駆動されてもよい。
【0073】
ここで本開示に記載の1つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかしながら、当然のことながら図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。しかしながら、当然のことながら、所与の図において1つの構成要素を指すために1つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同じまたは同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】シーシャ装置の概略図である。
図2A-2B】一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、キャップおよび取り外し可能な層を有するシーシャカートリッジの断面図である。
図2C】取り外し可能な層を有さない図2Aおよび図2Bのシーシャカートリッジの断面図である。
図3A-3D】一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、キャップおよび取り外し可能な層を有するシーシャカートリッジの断面図である。
図4A-4D】実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジ用のキャップの図である。
図5A-5B】一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジの本体の図である。
図6A-6B】実施形態による、カートリッジの本体へのキャップの取り付け機構の断面図である。
図7A】一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジの斜視図である。
図7B】一実施形態による、リッドを有する図7Aのシーシャカートリッジの断面図である。
【0075】
図1は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を含むように構成される内部容積を画定し、液体19に対する充填レベルの上方の上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、この水には1つ以上の着色剤、1つ以上風味剤、または1つ以上着色剤および1つ以上の風味剤が任意選択で注入されてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されていてもよい。
【0076】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130を含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル形成基体を含むカートリッジ200を受容するように構成されたレセプタクル140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、レセプタクル140の少なくとも1つの表面を形成する発熱体160を含み得る。図示した実施形態では、発熱体160は、レセプタクル140の側面および上面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中へと引き出す外気入口チャネル170を含む。一部の実施形態では、外気入口チャネル170の一部分は、空気がレセプタクル140に入る前に空気を加熱するために発熱体160によって形成されている。次いで、予熱された空気はカートリッジ200に入り、これはまた発熱体160によって加熱され、エアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、導管190に入る。
【0077】
導管190は、空気およびエアロゾルをベッセル17内の液体19のレベルの下方に搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、ベッセル17の上部空間出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザの口へと搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25は、ホース20に取り付けられてもよいか、またはその一部を形成してもよい。
【0078】
使用時における装置の例示的な空気流路は、図1に太い矢印で図示されている。
【0079】
マウスピース25は、起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよいか、または吸入センサもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意の他の好適な場所に配置されてもよい。起動要素27は制御電子回路30と無線通信して、例えば、電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子回路に発熱体160を起動させてもよい。
【0080】
制御電子機器30および電源35は、図1に図示されるような要素130の底部部分以外の場所を含む、エアロゾル発生要素130の任意の好適な位置に位置し得る。
【0081】
図2A図2Cを参照すると、カートリッジ200は、エアロゾル形成基体201がその中に配置され得る空洞218を形成する本体210を有する。本体210は、上部壁215、底部壁213、および側壁212を含む。側壁212は、円筒形であってもよいか、または円錐台形であってもよいか、または形状の組み合わせであってもよい。本体210は、1つ以上の部品から形成され得る。例えば、上部壁215または底部壁213は、側壁212に取り外し可能に取り付けられて、エアロゾル形成基体201が空洞218の中に配置されることを可能にし得る。カートリッジ200はまた、キャップ300を含む。示される実施例では、キャップ300は、上部壁215と側壁212の一部とを少なくとも部分的に覆う。
【0082】
図2Aに示される実施例では、キャップ300は、リッド部分315と、リッド部分315から軸方向に延在する円筒形部分312と、を含む。円筒形部分312のサイズ(奥行き)は、変化し得る。キャップ300は、代替的に、円筒形部分312なしで、リッド部分315のみとともに提供されてもよい。リッド部分315は、本体210の開いた上部を少なくとも部分的に覆ってもよい。リッド部分315は、平面部分であってもよい。キャップ300は、リッド部分315を通って延在するキャップ開口部317を有する。図2Aに示される実施例では、キャップ開口部317は、複数の貫通孔を含む。キャップ300は、中心軸Aの周りで回転可能であってもよい。本体210が開口部を有する上部壁215を含む場合、キャップ300を回転させることを使用して、キャップ開口部317を本体210上の開口部と整列させることによってカートリッジ200を開くことができる。
【0083】
初回使用前に、カートリッジ200は、取り外し可能な層414を含み得る。取り外し可能な層414は、図2Aに示されるようにキャップ300の上部に、または図2Bに示されるようにキャップ300の下に配置されてもよい。ユーザは、使用前に取り外し可能な層414を取り外し、カートリッジ本体210上のキャップ300(必要に応じて)を交換してもよい。一部の実施形態では、カートリッジ200は、開口部または孔のない上面を有する第2のキャップを備えてもよく、ユーザは、キャップ300を第2のキャップと交換して(またはキャップ300の上部上に第2のキャップを配置して)、カートリッジ200を閉じるか、または好ましくは封止してもよい。
【0084】
図2Cは、取り外し可能な層414が取り外された後のカートリッジ200を示している。例えば、取り外し可能な層414がキャップ300の下にある実施例では、取り外し可能な層414が取り外された後に、キャップ300は、図2Cに示されるように、カートリッジ本体210上に再位置付けされ得る。カートリッジ200は使用準備が整い、底部213の開口部(図示せず)から空洞218を通って、およびキャップ300の開口部317を通って空気が流れることを可能にする。
【0085】
図3Aおよび図3Dに示される実施例では、キャップ300はいかなる開口部または孔も有さない。キャップ300は、別様に、リッド部分315と、リッド部分315から軸方向に延在する円筒形部分312と、を含む、図2A図2Cに示されるキャップと同様であり得る。本体210は、開口部217を有する上部壁215を含み得る。示される実施例では、キャップ開口部217は、上部壁215を通って延在する複数の貫通孔を含む。図3Dは、本体210上のリップ222およびキャップ300を定位置に保持するキャップ300上の対応するリップ322を有するスナップ嵌合取付部を有する代替キャップを示している。
【0086】
初回使用前に、カートリッジ200は、本体210の上部壁215に取り付けられた取り外し可能な層414を含み得る。ユーザは、キャップの開口部317を通る空気流を可能にするために、使用前にキャップ300および取り外し可能な層414を取り外すことができる。図3Bは、リッドおよび取り外し可能な層414が取り外された状態のカートリッジ本体210を示しており、これは、底部213の開口部からの気流(図示せず)が、空洞218を通って、および本体210の上部壁215の開口部217を通ることを可能にする。カートリッジ200の完全または部分的な使用(例えば、一部の例では、ユーザは、エアロゾル形成基体201の一部分のみを使用し、使用セッションを完了しなかったか、またはエアロゾル形成基体201を完全に消耗しなかった)の後に、図3Cに示されるように、ユーザは、カートリッジ200を閉じるか、または好ましくは封止するために、カートリッジ本体210上のキャップ300を交換することができる。カートリッジ本体210、キャップ300、またはその両方は、取り外し可能な層414が取り外された後に、カートリッジ本体210とキャップ300との間のシールを容易にするために、弾性材料から作製されたOリングまたはライナなどの封止部材を含み得る。
【0087】
図4A図4Cは、キャップ300の様々な実施形態を実証している。キャップは、平面であってもよいリッド部分315を含み得る。キャップ300はまた、リッド部分315から軸方向(すなわち、中心軸Aの方向に)に延在する円筒形部分312を含んでもよい。円筒形部分312は、キャップの側壁を形成してもよい。一部の実施形態では、キャップ300は、キャップ開口部317を含む。キャップ開口部317は、単一の開口部317、または図4Aに示すような複数の開口部317を含み得る。一部の実施形態では、キャップ開口部317は、図4Cに示すように、メッシュで覆われていてもよい。一部の実施形態では、キャップ300は、ハッチ325を含む。ハッチ325は、図4Dに示すように、キャップ開口部317を覆うことができる。ハッチ325は、開閉のためにヒンジ留めされていてもよい。
【0088】
ここで図5Aおよび図5Bを参照すると、本体210の様々な態様が示されている。本体210は、空洞218を画定する、側壁212および底部壁213を含み得る。側壁212は、図示するように、円筒形または円錐台台形であってもよい。本体210は、開いた上部を有してもよい。本体210はまた、対向する壁(例えば、底部壁)上に複数の開口216を含み、カートリッジの使用時、カートリッジを通って空気が流れることを可能にし得る。底部壁213の開口216の例示的な配設が図5Bに示されている。本体210は、本体210を通って延在する中心軸Aを画定し得る。
【0089】
図6Aおよび図6Bは、キャップ300を本体210に取り付けるのに好適な例示的な機構を示している。キャップ300は、本体210と取り外し可能かつ交換可能に係合されてもよいか、または取り付けられてもよい。キャップ300は、図6Aに示されるように、摩擦嵌合によって取り付けられてもよい。キャップ300はまた、図6Bに示すように、スナップ嵌合によって取り付けられてもよい。本体210はリップ222などの構造体を含んでもよく、キャップ300はリップ322などの対応する構造体を含んでもよく、これは、本体210上の構造体の上に適合し、キャップ300を定位置に回転可能な状態で保持する。バヨネット接続およびねじ込み接続などの他の取り付け機構もまた可能である。ここで説明または言及した取り付け機構のいずれも、図2A図4Dに示す実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0090】
図7Aは、内部壁228によって区画219に分割されたカートリッジ本体210を示している。内部壁228は、一方の側面にある側壁212から、反対側の側面にある側壁212へ延在していてもよい。カートリッジ本体210は、例えば、ハッチ325を含むキャップ300と組み合わされてもよい。図7Bは、第1のハッチ325Aおよび第2のハッチ325Bを含む、キャップ300と組み合わされた図7Aのカートリッジ本体210を示している。ハッチ325A、325Bは、ユーザが区画219を選択的に開閉することができるように、本体の区画219と整列してもよい。ハッチ325Aまたは325Bを開くことにより、底部213の開口部からの気流(図示せず)が、開放区画219を通り、本体210の上部壁215の開口部217を通り抜けることが可能となる。
【0091】
したがって、シーシャ装置のためのカートリッジが説明される。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求の通りの本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械技術、化学技術、およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記載されたモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B