(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】軍用品システムの動作における改良及び軍用品システムの動作に関する改良
(51)【国際特許分類】
G01D 5/20 20060101AFI20240611BHJP
F41G 9/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
G01D5/20 Q
F41G9/00
(21)【出願番号】P 2021547769
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(86)【国際出願番号】 GB2020050357
(87)【国際公開番号】W WO2020165606
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】503126681
【氏名又は名称】エムビーディーエー・ユーケー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ボウデン-ピーターズ,エドウィン ジョン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】クック,ベン
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-165603(JP,A)
【文献】特開2010-91265(JP,A)
【文献】特開2007-141762(JP,A)
【文献】特開2006-208331(JP,A)
【文献】特開2006-246289(JP,A)
【文献】特開2008-36638(JP,A)
【文献】実開昭61-186999(JP,U)
【文献】特開平4-87418(JP,A)
【文献】特開昭56-160605(JP,A)
【文献】特開昭56-111413(JP,A)
【文献】特開2017-45511(JP,A)
【文献】特開2017-67670(JP,A)
【文献】特開2006-317387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01B 7/00-7/34
F41B 1/00-15/10
F41F 1/00-7/00
F42B 39/00-39/30
F41G 9/00
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品及び少なくとも1つの第2部品を含む軍用品システムにおける部品の相対位置を判定する方法であって、
前記第1部品に設けられた共振周波数を有する共振回路の出力を監視すること、
前記第1部品及び前記少なくとも1つの第2部品の相対位置の変化によって生じた前記共振周波数の変化による前記出力の変化を検出すること、並びに
、
前記少なくとも1つの第2部品が前記第1部品に対して移動したことを判定するため、検出した前記変化を使用することを含
み、
所定の期間にわたって前記共振回路の前記共振周波数を監視すること、及び、前記第1部品に対する前記少なくとも1つの第2部品の移動を判定するため、検出した前記共振周波数の変化を使用することを含み、前記第1部品に対して前記少なくとも1つの第2部品が移動したかどうかを判定するため、検出した前記変化を使用することは、前記第1部品と前記少なくとも1つの第2部品との間の分離距離及び/又は分離角度を測定することを含む、方法。
【請求項2】
前記共振周波数の変化は、前記共振回路のインダクタンスの変化によって生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
共振回路に対して振動周波数を有する信号を提供することをさらに含み、前記共振回路の前記共振周波数は、前記第1部品が前記少なくとも1つの第2部品に近接するときよりも、前記第1部品が前記少なくとも1つの第2部品から離れているときに、前記信号の前記振動周波数に近くなる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記信号の前記振動周波数は、前記第1部品が前記少なくとも1つの第2部品から離れているときに、前記共振回路の前記共振周波数と一致する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1部品は、それぞれが共振周波数を有する少なくとも2つの共振回路を含み、前記方法は
、
前記少なくとも2つの共振回路のぞれぞれの出力を監視すること、
前記第1部品及び前記少なくとも1つの第2部品の相対位置の変化によって生じた前記共振回路のうちの少なくとも1つにおける前記出力の変化を検出すること、並びに
前記第1部品に対する前記少なくとも1つの第2部品の角度又は向きを測定するため、検出した前記変化を使用することを含む、請求項1~
4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1部品に設けられた複数の共振回路の出力を監視すること、
ストアの発射プラットフォームからの分離によって生じた、前記複数の共振回路のそれぞれにおける前記出力の変化を検出すること、及び
前記少なくとも1つの第2部品が前記第1部品に対して移動したことを判定するため、
前記複数の共振回路のそれぞ
れから検出した前記変化を使用することをさらに含む、請求項1~
5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1部品及び前記第2部品は、互いに対して動作可能に回転可能な車両の部分である、請求項1~
6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2部品が前記第1部品に対して回転したかどうかを判定するため、検出した前記変化を使用することをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1部品はストア又は発射プラットフォームであり、前記少なくとも1つの第2部品はストア又は発射プラットフォームの他方である、請求項1~
8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記信号の前記振動周波数は、前記ストアが前記発射プラットフォームから離れているときに、前記共振回路の前記共振周波数と一致する、
請求項3に従属する場合の請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
軍用品システムのための部品であって、
信号を生成するための信号発生器と、
共振周波数を有し、前記信号発生器から前記信号を受信して出力を提供するように動作可能に接続された共振回路と、
前記共振回路の前記出力を監視するように動作可能に接続された監視部と、
前記監視部に動作可能に接続され、前記共振回路の前記出力が変化したことを表示するように構成された表示器とを含み、
前記共振回路は、導体又は他のインダクタンス誘導物体が前記部品に対して移動するときにその共振周波数が変化するように構成され
、
前記監視部は、所定の期間にわたって前記共振回路の前記共振周波数を監視する、及び、前記部品に対する前記導体又は他のインダクタンス誘導物体の移動を判定するため、検出した前記共振周波数の変化を使用するように構成され、前記部品に対して前記導体又は他のインダクタンス誘導物体が移動したかどうかを判定するため、検出した前記変化を使用することは、前記部品と前記導体又は他のインダクタンス誘導物体との間の分離距離及び/又は分離角度を測定することを含む、部品。
【請求項12】
前記信号発生器からの前記信号は、1Mhz未満の周波数を有する、請求項1
1に記載の部品。
【請求項13】
前記信号発生器からの前記信
号は、1kHz~50kHz
の周波数を有する、請求項1
1又は12に記載の部品。
【請求項14】
前記共振回路はインダクタ又はインダクタンスコイルを含む、請求項1
1~1
3のいずれかに記載の部品。
【請求項15】
前記監視部は、比較器、及び前記比較器によって作動させるために接続されたスイッチを含み、前記比較器によって作動される前記スイッチは前記表示器に動作可能に接続され、前記共振回路の前記出力が閾値レベルを超えたことを前記比較器が検出する場合に作動するように構成される、請求項1
1~1
4のいずれかに記載の部品。
【請求項16】
前記監視部はフィルタを含み、前記フィルタは、前記表示器が整流器出力における初期のサージによって作動しないように構成された時間遅延回路素子を含む、請求項1
1~1
5のいずれかに記載の部品。
【請求項17】
前記監視部は、前記信号発生器及び前記表示器に動作可能に接続された信号発生器監視スイッチを含み、前記信号発生器監視スイッチは、前記信号発生器からの信号が存在しない場合にオフとなるように構成され、ゆえに前記信号発生器からの信号が存在しない場合に前記表示器が作動しないように構成される、請求項1
1~1
6のいずれかに記載の部品。
【請求項18】
前記部品は、ストア、発射プラットフォーム、キャニスタ、翼、フィン、又はバレルである、請求項1
1~
17のいずれかに記載の部品。
【請求項19】
前記部品は発射プラットフォームであり、前記発射プラットフォームは、陸上車両、水上車両、航空機、携帯式ランチャ、軍用品、レール、ハンガー、バレル、又はキャニスタである、請求項
18に記載の部品。
【請求項20】
前記部品はストアであり、前記ストアは、軍用品又は準軍用品である、請求項
18に記載の部品。
【請求項21】
軍用品の第1部品及び第2部品であって、前記第2部品は導体又はインダクタンス誘導物体を含み、前記第1部品は請求項1
1~2
0のいずれかに記載の部品であり、前記導体又はインダクタンス誘導物体は、前記第2部品及び前記第1部品が互いに対して移動するとき前記共振回路の前記共振周波数に違いをもたらすように配置される、軍用品の第1部品及び第2部品。
【請求項22】
前記導体又はインダクタンス誘導物体は、金属、伝導強化支柱若しくはねじを有する炭素繊維材料又はガラス繊維材料を含む、請求項2
1に記載の第1部品及び第2部品。
【請求項23】
前記インダクタンス誘導物体は、前記ストア又は前記発射プラットフォームに設けられた前記共振回路の磁束を変化させるように配置されたLC回路を含む、請求項
18に記載の第1部品及び第2部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軍用品システムに関し、特に、回路の共振周波数における変化を検出することによって軍用品システムにおける部品の相対位置を判定するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軍用品システム、例えば航空機若しくはロケットランチャから軍用品を配備するためのシステム、又はより大きい軍用品若しくはキャニスタから準軍用品を配備するためのシステムにおいて、システムにおける部品の相対位置を判定することが求められる。
【0003】
例えば、ストア及び発射プラットフォームの相対位置を判定できること、及びストアが発射プラットフォームから分離されたかどうかを判定できることが求められる。これにより、ストアが安全に起動する又は作動し得るか否かが確実に判定可能になる。軍用品システムが、互いに対して移動可能な部品、例えば発射プラットフォームにおける翼又はフラップを含む場合、部品の相対位置を判定して追跡できるということが求められる。
【0004】
ストアが発射プラットフォームから分離されたかどうかを判定するために種々の方法が知られている。安全性要件を満たすため、及び分離の確実な判定を行うため、多くの場合に複数の方法が並行して使用される。
【0005】
ストアと発射プラットフォームとの分離を示すために断線を使用する導通方法が知られている。つまり、ストアが発射プラットフォームに取り付けられているとき、ワイヤがストアからプラットフォームに渡されて再び戻り、ストアが発射プラットフォームから分離されるとき、ワイヤが切断され、電気的接続を失わせる。つまり、電気的接続を失ったことの検出は、ストアとプラットフォームとの分離を示し、ゆえにストアが配備されたことを示す。そうした方法の例はMIL-STD-1760規格に記載されている。導通方法は信頼性が低いものであり得る。また、これは、例えばストアと発射プラットフォームとの間に電気的接続を加えることで、容易に改ざんされ得る。
【0006】
また、加速プロファイル方法も知られている。この方法は、ストアが発射プラットフォームから分離されたときを判定するため、発射プラットフォームからストアを排出又は発射することにより生じる衝撃を検出することに基づくものである。加速プロファイル方法は、他の方法と(例えば、上述の導通方法と)併せて使用することができる。しかしながら、ストアが重力下で配備されるとき、又はストアが同様の衝撃を生じさせ得る他の事象と同時に配備されるとき、加速プロファイル方法の使用は限定的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当該技術分野において、軍用品システムにおける部品の相対位置を判定するための、改良した、より確実な方法及び装置が未だ求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の態様において、請求項1に記載の方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、第2の態様において、請求項14に記載の軍用品システムのための部品を提供する。
【0010】
また、本発明は、第3の態様において、請求項24に記載の軍用品システムの第1部品及び第2部品を提供する。
【0011】
自明のことではあるが、本発明の1つの態様に関して記載した特徴は本発明の他の態様に組み込むことができる、ということが理解される。例えば、本発明の方法は、本発明の装置に関して記載した任意の特徴を組み込むことができ、その逆もまた同様である。
【0012】
ここで、本発明の実施形態を添付の概略的な図面に関して一例としてのみ記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の例示の実施形態における、軍用品システムの部品の相対位置を判定する方法に使用するための回路の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の例示の実施形態における、第1部品が少なくとも1つの第2部品と分離されたかどうかを判定する方法に使用するための回路の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態におけるストア及び発射プラットフォームの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態における、キャニスタを含む発射プラットフォームの概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態における、空間的に分離した複数の共振回路を含む発射プラットフォームの概略図である。
【
図6(a)】
図6(a)は、本発明の実施形態における、折りたたみウィングチップを備えた翼の概略図である。
【
図6(b)】
図6(b)は、本発明の実施形態における
図6(a)の翼を含む航空機の正面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態における、発射プラットフォーム及びLC回路を含むストアの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の態様において、本発明は軍用品システムにおける部品の相対位置を判定する方法を提供する。軍用品システムは、第1部品及び少なくとも1つの第2部品を含む。この方法は、第1部品に設けられた共振周波数を有する共振回路の出力を監視すること、第1部品及び少なくとも1つの第2部品の相対位置の変化によって生じた共振周波数の変化による出力の変化を検出すること、及び少なくとも1つの第2部品が第1部品に対して移動したことを判定するため、検出した変化を使用することを含む。
【0015】
共振周波数の変化は、共振回路のインダクタンスの変化によって生じ得る。
【0016】
この方法は、共振回路に対して振動周波数を有する信号を提供することをさらに含むことができ、該信号の振動周波数は、第1部品が少なくとも1つの第2部品に近接するときよりも、第1部品が少なくとも1つの第2部品から離れているときに、共振回路の共振周波数に近くなる。上述の信号の振動周波数は、第1部品が少なくとも1つの第2部品から離れているときに、共振回路の共振周波数と一致し得る。振動周波数と共振周波数とが一致し得るという分離は、当然のことながら、信号の振幅を含む回路のパラメータよって決まり得る。例を挙げると、信号の振動周波数は、第1部品が少なくとも1つの第2部品から30mm~50cmであるときに、共振回路の共振周波数と一致し得る。
【0017】
この方法は、所定の期間にわたって共振回路の共振周波数を監視すること、及び第1部品に対する少なくとも1つの第2部品の移動を判定するため、検出した共振周波数の変化を使用することをさらに含むことができる。
【0018】
第1部品に対して少なくとも1つの第2部品が移動したかどうかを判定するため、検出した変化を使用することは、第1部品が少なくとも1つの第2部品から分離されたかどうかを判定することを含むことができる。
【0019】
第1部品に対して少なくとも1つの第2部品が移動したかどうかを判定するため、検出した変化を使用することは、第1部品と少なくとも1つの第2部品との間の分離距離及び/又は分離角度を測定することを含むことができる。
【0020】
第1部品は、少なくとも2つの共振回路を含むことができ、それぞれの回路が共振周波数を有する。この方法は、少なくとも2つの共振回路のそれぞれの出力を監視すること、第1部品及び少なくとも1つの第2部品の相対位置の変化によって生じた共振回路のうちの少なくとも1つにおける出力の変化を検出すること、及び第1部品に対する少なくとも1つの第2部品の角度又は向きを測定するため、検出した変化を使用することをさらに含む。上述の少なくとも2つの共振回路は、同じ共振周波数又は異なる共振周波数を有することができる。例を挙げると、同じ共振周波数を有する第1共振回路及び第2共振回路は、第1部品において空間的に分離され得る。初めに、第2部品は、第1共振回路及び第2共振回路に対して等距離で位置することができる。第2部品は、第1部品に対して角度をなすようになると、第1共振回路及び第2共振回路からの距離が異なるものになり得る。2つの共振回路における出力の変化を検出することによって、第1部品に対する第2部品の角度を測定することができる。
【0021】
この方法は、第1部品に設けられた複数の共振回路の出力を監視すること、ストアの発射プラットフォームからの分離によって生じた複数の共振回路のそれぞれにおける出力の変化を検出すること、及び少なくとも1つの第2部品が第1部品に対して移動したことを判定するため、それぞれの回路から検出した変化を使用することをさらに含む。複数の共振回路を監視することで、安全確認を行うことができる。複数の共振回路は、それらの出力に整合性があることを確実するために監視することができる。あるいは、複数の共振回路は、空間的に分離させることができる。それぞれの共振回路の出力は、第2部品の様々な領域の位置を示すことができる、又は、複数の第2部品がある場合、第2部品の位置を示すことができる。
【0022】
第1部品及び第2部品は、互いに対して回転可能な車両の部分とすることができる。一例として、第1部品は、航空機本体の部分若しくは固定された航空機翼の部分とすることができ、少なくとも1つの第2部品は、航空機本体に対して回転可能な航空機翼若しくはフラップの部分とすることができ、又はその逆もまた同様である。
【0023】
この方法は、少なくとも第2部品が第1部品に対して回転したかどうか、又はその逆を判定するため、検出した変化を使用することをさらに含むことができる。少なくとも1つの第2部品の第1部品に対する回転は、第1部品と少なくとも1つの第2部品との間の分離距離の変化及び/又は分離角度の変化をもたらし得、これは共振回路の出力の変化を生じさせることができる。例えば、翼が折りたたんだ状態である場合、翼に設けられた部品の分離角度及び分離距離は、翼が広げられた、又は伸長した状態のときと比較して、航空機本体に設けられた部品に対して変化し得る。
【0024】
第1部品はストア又は発射プラットフォームとすることができ、少なくとも1つの第2部品はストア又は発射プラットフォームの他方とすることができる。例えば、第1部品は、ストア、発射プラットフォーム、キャニスタ、翼、フィン、フラップ、又はバレルとすることができる。発射プラットフォームは、陸上車両、水上車両、航空機、人工携帯式ランチャ、軍用品、レール、ハンガー、バレル、又はキャニスタとすることができる。ストアは、軍用品又は準軍用品とすることができる。
【0025】
一例として、この方法は、キャニスタが正しい角度で車両に設置されているかどうかを判定する方法、車両の本体に対する翼/フィン若しくはフラップの向きを判定する方法、軍用品が発射プラットフォームから分離されたかどうかを判定する方法、又は準軍用品が軍用品から分離されたかどうかを判定する方法とすることができる。
【0026】
この方法は、ストアが発射プラットフォームから分離されたかどうかを判定する方法とすることができる。この方法は、ストア又は発射プラットフォームに設けられた共振周波数を有する共振回路の出力を監視すること、ストアの発射プラットフォームからの分離によって生じた共振周波数の変化による出力の変化を検出すること、及びストアが発射プラットフォームから分離されたことを判定するため、検出した変化を使用することを含むことができる。共振周波数の変化は、共振回路のインダクタンスの変化によって生じ得る。
【0027】
この方法は、共振回路に対して振動周波数を有する信号を提供することをさらに含むことができ、該共振回路の共振周波数は、ストアが発射プラットフォームに近接するときよりも、ストアが発射プラットフォームから離れているときに、信号の振動周波数に近い。上述の信号の振動周波数は、ストアが発射プラットフォームから離れているときに、共振回路の共振周波数と一致し得る。上述の信号の振動周波数は、ストアが発射部から30mm~50cmであるときに、共振回路の共振周波数と一致し得る。共振信号の振動周波数が共振回路の共振周波数と一致する点によって、ストアが発射プラットフォームから安全な距離にあることの表示を提供することができる。
【0028】
この方法は、ストア又は発射プラットフォームに設けられた複数の共振回路の出力を監視すること、ストアの発射プラットフォームからの分離によって生じた複数の共振回路のそれぞれにおける出力の変化を検出すること、及びストアが発射プラットフォームから分離されたことを判定するため、それぞれの回路から検出した変化を使用することをさらに含むことができる。
【0029】
この方法は、所定の期間にわたって共振回路の共振周波数を監視すること、及びストアと発射プラットフォームとの間の分離の距離及び/又は角度を測定するため、検出した共振周波数の変化を使用することをさらに含むことができる。
【0030】
また、第2の態様において、軍用品システムのための部品を提供する。上述の部品は、信号を生成するための信号発生器と、共振周波数を有し、信号発生器から信号を受信して出力を提供するように動作可能に接続された共振回路と、共振回路の出力を監視するように動作可能に接続された監視部と、監視部に動作可能に接続され、共振回路の出力が変化したことを表示するように構成された表示器とを含む。共振回路は、導体又は他のインダクタンス誘導物体が部品に対して移動するときにその共振周波数が変化するように構成される。例えば、導体又は他のインダクタンス誘導物体が共振回路に近接するとき、導体又はインダクタンス誘導物体は共振回路の磁束又はインダクタンスに作用して、それにより共振回路の共振周波数を変化させることができる。
【0031】
信号発生器は、共振回路に対して振動周波数を有する信号を提供することができる。信号は、非正弦波形状を有する場合、基本振動周波数を中心とした周波数帯域を有し得る。本明細書における「信号の周波数」又は「振動周波数」との言及は、基本振動周波数を指すとして、当業者によって理解され得る。信号は矩形波信号とすることができる。信号は、共振回路のインダクタを永続的に磁化しないように、正電圧と負電圧との間で振動することができる。
【0032】
信号発生器からの信号は、1Mhz未満の周波数を有することができる。発生器からの信号の周波数は、1kHz~100kHz又は1kHz~50kHzとすることができる。有利には、信号発生器が低周波数信号、例えば1kHz~50kHzを生成する場合、信号は高周波数ノイズから容易に識別することができる。より高い周波数の信号は、導体又はインダクタンス誘導物体の影響を検出するためにより小さい検出範囲を有し得るが、例えば、より小さいコイルを共振回路に使用することができる。
【0033】
共振回路は、信号発生器から信号を受信して出力を提供するように動作可能に接続される。信号発生器は共振回路に直列で接続することができる。共振回路はインダクタ又はインダクタンスコイルを含むことができる。共振回路は、空心コイル、フェライトコアコイル、又はプリント若しくはエッチングコイル、例えばPCB上のインダクタを含むことができる。コイルの形状は、所定の種類の部品の検出に適切となるように選択することができる。様々な形状のコイルが、様々な形状の電磁場を生じさせるとともに、様々な形状の部品の位置の検出に適切とすることができる。一例として、共振回路がキャニスタ管に設けられ、円筒形軍用品が管から分離されたときを検出するために使用される場合、共振回路は比較的長く薄いコイルを含むことができる。
【0034】
共振回路はインダクタ又はインダクタンスコイルを含むことができる。
【0035】
監視部は、比較器、及び比較器によって作動させるために接続されたスイッチを含むことができる。比較器によって作動されるスイッチは表示器に動作可能に接続され、共振回路の出力が閾値レベルを超えたことを比較器が検出する場合に作動するように構成される。監視部は、共振回路の出力を監視するように動作可能に接続することができる。監視部は、共振回路に動作可能に接続された比較器、及び比較器によって作動させるために接続されたスイッチを含むことができ、比較器によって作動されるスイッチは表示器に動作可能に接続され、共振回路の出力が閾値レベルを超えたことを比較器が検出する場合に作動するように構成される。
【0036】
監視部はフィルタを含むことができる。フィルタは、表示器が整流器出力における初期のサージによって作動しないように構成された時間遅延回路素子を含むことができる。監視部は、信号、例えばフィルタのカットオフ周波数より高い周波数を有する信号、又は例えばフィルタの通過帯域以外の信号、又は例えば高周波数ノイズが比較器に達しないように動作可能に接続されたローパスフィルタを含むことができる。ローパスフィルタのカットオフ周波数は1MHzとすることができる。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、100kHz、又は信号発生器によって生成された信号の振動周波数よりも高い任意の周波数とすることができる。カットオフ周波数は、信号発生器によって生成された信号の振動周波数よりもわずかに高いものであり得る。例えば、カットオフ周波数は、ノイズ除去を改善するように、振動周波数より10kHz~100kHz高いものとすることができる。あるいは、監視部は共振回路に直列で接続されたバントパスフィルタを含むことができる。バンドパスフィルタは、フィルタの通過帯域以外の周波数を有する不要な信号、例えば高周波数ノイズ及び低周波数ノイズが比較器に達しないように動作可能に接続することができる。
【0037】
監視部は、信号発生器及び表示器に動作可能に接続された信号発生器監視スイッチを含むことができる。信号発生器監視スイッチは、信号発生器からの信号が存在しない場合にオフとなるように構成され、ゆえに表示器が信号発生器からの信号が存在しない場合に作動しないように構成される。ストアが発射プラットフォームから分離されたときに作動されるように構成された表示器は、可聴アラームとし得るアラームとすることができる、又は表示器は視覚表示器とすることができる。
【0038】
部品は、ストア、発射プラットフォーム、キャニスタ、翼、フィン、又はバレルとすることができる。発射プラットフォームは、陸上車両、水上車両、航空機、携帯式ランチャ、軍用品、レール、ハンガー、バレル、又はキャニスタとすることができる。ストアは、軍用品又は準軍用品とすることができる。ストア又は発射プラットフォームは、信号を生成するための信号発生器と、共振周波数を有し、信号発生器から信号を受信して出力を提供するように動作可能に接続された共振回路と、共振回路の出力を監視するように動作可能に接続された監視部と、監視部に動作可能に接続され、共振回路の出力が変化したことを表示するように構成された表示器とを含み、共振回路は、導体又は他のインダクタンス誘導物体が発射プラットフォーム又はストアから分離するときにその共振周波数が変化するように構成される。
【0039】
第3の態様において、本発明は、軍用品システムの第1部品及び第2部品を提供する。第2部品は、導体又はインダクタンス誘導物体を含む。第1部品は、上述で示す装置の特徴のいずれかを含む部品である。導体又はインダクタンス誘導物体は、第2部品及び第1部品が互いに対して移動するとき共振回路の共振周波数に違いをもたらすように配置される。
【0040】
導体又はインダクタンス誘導物体は、金属、伝導強化支柱若しくはねじを有する炭素繊維材料又はガラス繊維材料を含むことができる。
【0041】
インダクタンス誘導物体は、ストア又は発射プラットフォームに設けられた共振回路の磁束を変化させるように配置されたLC回路を含むことができる。
【0042】
第1部品及び第2部品はストア及び発射プラットフォームを含むことができる。発射プラットフォーム又はストアは、導体又はインダクタンス誘導物体を含むことができ、ストア及び発射プラットフォームの他方は、上述で示す装置の特徴のいずれかを含むストア又は発射プラットフォームとすることができる。導体又はインダクタンス誘導物体は、ストア及び発射プラットフォームが互いに分離されているときから、ストア及び発射プラットフォームが互いに対して近接するとき共振回路の共振周波数に変化をもたらすように配置することができる。ストアは、分離に先立って発射プラットフォームに取り付けることができる、又は非接触設備を使用して発射プラットフォームに組み込むことができる。
【0043】
導体又はインダクタンス誘導物体は、金属、例えば純フェライト若しくはニッケルー鉄合金を含むことができ、又は他の高透磁性材料、伝導強化支柱若しくはねじを有する炭素繊維材料若しくはガラス繊維材料を含むことができる。例えば、ストア又は軍用品は、導体又はインダクタンス誘導物体は、金属、伝導強化支柱若しくはねじを有する炭素繊維材料又はガラス繊維材料から作製されるケースを含むことができる。
【0044】
インダクタンス誘導物体は、ストア又は発射プラットフォームに設けられた共振回路の磁束を変化させるように配置されたLC回路を含むことができる。LC回路は、ストア及び発射プラットフォームが互いに分離されているときから、ストア及び発射プラットフォームが互いに対して近接するとき共振回路の共振周波数に違いをもたらすことができる。
【0045】
第1部品が少なくとも1つの第2部品から分離されるとき共振回路の共振周波数における変化を監視することにより、ストアの発射プラットフォームからの分離距離及び/又は角度の表示を提供することができる。共振回路の共振周波数における変化は、第1部品の少なくとも1つの第2部品からの分離距離と共に単調に変化し得る。共振周波数における変化は、第1部品が少なくとも1つの第2部品から分離されるときの共振回路のインダクタンスの変化から生じ得る。ローパスフィルタへと通過する信号の振幅は、共振回路の共振周波数と信号発生器の振動周波数との間の違いによって決まり得る。ゆえに、ストアが発射プラットフォームから分離されるときに、所定の時間、共振回路の周波数における変化を監視することによって、例えば、ローパスフィルタへと通過する信号の振幅を監視することによって、又は回路の他の適切な信号を監視することによって、第1部品と少なくとも1つの第2部品との間の分離距離を測定することができる。第1部品の少なくとも1つの第2部品からの距離は、第1部品が少なくとも1つの第2部品に近接するときに共振回路の共振周波数に作用するLC回路をストアが含む場合に、より正確に測定することができる。LC回路は共振回路のインダクタンスに作用し得る。第1部品の少なくとも1つの第2部品からの分離を検出可能な範囲は、共振回路の共振周波数及び送信パワーによって決まり得る。
【0046】
本発明の例の実施形態において(
図1)、回路1は、信号を生成するための信号発生器3と、共振周波数を有し、信号発生器3から信号を受信して出力を提供するように動作可能に接続された共振回路5と、共振回路5の出力を監視するように動作可能に接続された監視部7と、監視部7に動作可能に接続され、共振回路5の出力が変化したことを表示するように構成された表示器8とを含み、共振回路5は、導体又は他のインダクタンス誘導物体(
図1に示さず)が共振回路を含む部品(
図1に示さず)に対して移動するときにその共振周波数が変化するように構成される。
【0047】
本発明の例の実施形態において(
図2)、回路201は信号を生成するための信号発生器203を含む。信号発生器は共振回路205に直列で接続され、該共振回路205は、信号発生器203から信号を受信して出力を提供するように動作可能に接続される。回路201は、共振回路205の出力を監視するように動作可能に接続された、監視部207を含む。監視部207は、共振回路205に直列で接続された、ローパスフィルタ209、整流器211、及び比較器213を含む。また、監視部207は、比較器213によって作動させるために接続されたスイッチ215を含む。また、監視部207は、時間遅延回路素子219、及びANDゲート221を含むフィルタ217を含む。ANDゲート221は、比較器213と時間遅延回路素子219との両方をスイッチ215に接続する。また、回路201は、信号発生器203に直列で接続された、信号発生器監視スイッチ223及びチャージポンプ225を含む。監視部207及び信号発生器監視スイッチ223は、表示器228に接続される。
【0048】
回路201を使用しているとき、信号発生器203は振動周波数ω1を有する矩形波信号を生成する。共振回路205はキャパシタ227及びインダクタ229を含み、共振回路205の共振周波数ωrは、キャパシタ227のキャパシタンス及びインダクタ229のインダクタンスの関数となる。信号発生器203によって生成される信号は、インダクタ229を永続的に磁化しないように、正電圧と負電圧との間で振動する。共振回路205は、回路に近接する導体又はインダクタンス誘導物体が存在しない場合、共振回路205の共振周波数(ωr)が、信号発生器203の振動周波数(ω1)に一致する、すなわちω1=ωrであるように、調整される。
【0049】
導体、又は他のインダクタンス誘導物体(
図2に示さず)は、インダクタ229に近接するとき、共振回路205の共振周波数の変化をもたらし得る。導体、又は他のインダクタンス誘導物体がインダクタ229に近接するとき、導体又はインダクタンス誘導物体に発生する過電流が、インダクタ229の磁束に作用し、共振回路の共振周波数の変化をもたらし得る。共振周波数の変化は、インダクタのインダクタンスの変化によるものとし得る。導体がインダクタ229に対して近いとき、共振回路205の共振周波数は信号発生器203の振動周波数と一致しない(すなわちω
1≠ω
r)。
【0050】
共振回路205からの出力はローパスフィルタ209へと通過する。ローパスフィルタ209へと通過する信号の振幅は、共振回路205の共振周波数と信号発生器の振動周波数との間の違いによって決まり得、これは次に、導体がインダクタ229に近接するか否かによって決まり得る。インダクタ229に近接する導体が存在しない場合、共振回路205からの信号は振幅が比較的大きくなり得る。しかしながら、導体がインダクタ229に近接する場合、ローパスフィルタ209へと通過する共振回路205からの信号は振幅が比較的小さくなり得る。ローパスフィルタ209は、信号発生器203の振動周波数ω1よりも高いカットオフ周波数を有する。したがって、ローパスフィルタ209は、高周波数信号が表示器をトリガすることを抑止し、ゆえに表示器の偶発的なトリガを抑止する支援をする。
【0051】
整流器211は、ローパスフィルタ209を通過したAC信号をDC信号に変換する。整流器211によって生成されたDC信号の振幅は、AC信号に比例し得る。したがって、共振回路205からの出力が比較的大きい振幅である場合、DC信号は強力になり得る。共振回路205からの出力が比較的小さい振幅である場合、DC信号は微弱であり得る。
【0052】
整流器211によって生成されたDC信号は、比較器213へと通過する。DC信号が強力であるとき比較器213の出力は大きく、DC信号が微弱であるときその出力は小さい。したがって、共振回路205が導体に近接しないとき、比較器213の出力は大きい。
【0053】
回路101が初めに作動されるとき、整流器211の出力に一時的なサージが存在し得る。時間遅延回路素子219の出力は、整流器211の出力がサージし得る期間時に小さい。整流器211の出力の一時的なサージが発生し得る期間後、出力は大きくなるように切り替わる。
【0054】
ANDゲート221は、比較器213の出力と時間遅延回路素子219の出力との両方が大きくならない限り、スイッチ215がオンにならないようにする。したがって、時間遅延回路素子219は、整流器211の出力における一時的なサージによってスイッチ215がトリガされないようにする。
【0055】
信号発生器203に直列で接続されたチャージポンプ225は、AC信号を信号発生器監視スイッチ223へと通過させる。DC信号は、チャージポンプ225を通過できない。信号発生器監視スイッチ223はAC信号によってオンになり、ゆえに、信号発生器監視スイッチ223は、AC信号が信号発生器によって生成されて、チャージポンプ225を通過したときのみオンになり得る。
【0056】
表示器228は、スイッチ215及び信号発生器監視スイッチ223の両方がオンになると、トリガされる。したがって、表示器228をトリガするため、比較器213及び時間遅延回路素子219の出力が大きく、インダクタ229に近接する導体又はインダクタンス誘導物体が存在しないことを示す必要がある。また、信号発生器監視スイッチ215もオンになって、信号が信号発生器203によって生成されていることを示す必要がある。したがって、上述の回路部品は、表示器228が偶発的又は不意にトリガされないように、複数の安全確認を組み込んでいる。
【0057】
本発明の他の実施形態において(
図3)、信号発生器303、共振回路305、監視部307、及び表示器228を含む回路301が、この例では発射プラットフォームである第1部品(すなわち少なくとも1つの第1部品)331に設けられている。この例では導体335を含むストアである第2部品333が、初めに(
図3aに示すように)発射プラットフォーム331に取り付けられており、又は発射プラットフォーム331によって支持されており、その後、発射プラットフォーム331から配備される(
図3b)。初めに、導体335は回路301に近接し、この導体は、共振回路305の共振周波数の違いをもたらし得る。信号発生器303がオンになると、共振回路305の共振周波数は信号発生器303からの信号の振動周波数と等しくならなくなる。共振回路305からの出力は比較的小さい振幅であり得、表示器はトリガされない。
図3bに示すように、ストア333が発射プラットフォーム331から配備される、あるいは分離されるとき、共振回路305の共振周波数は、信号発生器303の周波数と一致し得る。共振回路331からの出力は比較的大きい振幅であり得る。監視部307は、時間遅延素子を含むフィルタ(図示せず)を含み、回路は信号発生器監視スイッチ315を含む。時間遅延回路素子の出力が大きい場合、及び信号発生器監視スイッチ315がオンの場合、表示器328はトリガされ、ストア333が発射プラットフォーム331から除かれた、配備された、あるいは分離されたという表示を提供する。初期の電圧サージが、信号発生器303から発生した共振周波数に起因するものでない整流器の大きな出力をもたらす場合、時間遅延回路素子は表示器328がトリガしないようにし得る。信号発生器303が共振回路305に信号を与えない場合、信号発生器監視スイッチはオンにならず、表示器328はトリガされない。
【0058】
本発明の別の実施形態を
図4に示す。この実施形態において、第1部品はキャニスタ431を含み、キャニスタ431は初めに、この例ではストア433である第2部品を収容している。キャニスタ431は誘導コイル437を含み、配備に先立って、ストア433は誘導コイル437内に収容されている。ストア433は導体435を含み、ストア433が誘導コイル437内に収容されているとき、これが誘導コイル437のインダクタンスの変化を引き起こし得る。誘導コイルは、信号発生器403に接続された共振回路405の一部を形成する。初めに、信号発生器403からの信号の振動周波数は共振回路405の共振周波数と一致していない。しかしながら、ストアがキャニスタ431から配備される又は除かれ、導体435が誘導コイルから出ると、信号発生器403からの信号の振動周波数は、共振回路405の共振周波数に近くなる、又は一致し得る。共振回路405は、共振回路405からの出力を受信する監視部407に接続されている。共振回路405の共振周波数が信号発生器403からの信号の振動周波数に十分に近い、又は一致する場合、監視部407は表示器428をトリガして、ストア433がキャニスタ431から除かれた又は分離されたことを示す。
【0059】
図5に示すように、本発明の実施形態において、発射プラットフォーム531は空間的に分離した複数の共振回路505a、505b、505cを含む。監視部507は、導体535を含むストア533の発射プラットフォーム531からの分離によって生じる、複数の共振回路505a、505b、505cのそれぞれにおける出力の変化を検出する。
【0060】
ストア533が発射プラットフォーム531から配備された又は分離されたことを示す表示器528は、複数の共振回路505のそれぞれにおける出力の変化が検出された場合、監視部507によってトリガされる。これにより、共振回路505のそれぞれにおける出力の変化が検出されない限り、ストア533が配備されたことの表示が生じないので、さらなる安全確認がなされる。
【0061】
複数の共振回路505のそれぞれにおける出力が変化するときが監視部507によって検出され得る、及びストア533の発射角度の表示を提供するために使用され得る。
【0062】
本発明の別の実施形態を
図6(a)及び
図6(b)に示す。この実施形態において、翼の本体631が共振回路605を含む。共振回路605は、共振回路605の出力の変化を検出する監視部607に接続されている。折りたたみウィングチップ633は導体635を含む。折りたたみウィングチップ633は、
図6(b)に示すように、翼の本体631に対して回転可能である。折りたたみウィングチップ633が翼の本体631に対して回転すると、導体635と共振回路605との相対位置が変化する。これにより、共振回路605の出力の変化がもたらされる。監視部607は共振回路605の出力を検出し、これにより、折りたたみウィングチップ633の角度位置を測定することができる。そして、表示器628は、折りたたみウィングチップ633の位置の表示を提供する。
【0063】
図7に示すように、本発明の実施形態において、ストア733は、発射プラットフォーム761に設けられた共振回路705の磁束を変化させるように配置されたLC回路735を含む。LC回路735は、ストア物体及び発射プラットフォーム731が互いに対して近接するとき、共振回路の共振周波数に違いをもたらす。監視部707は、ストア733の発射プラットフォーム731からの分離によって生じた、共振回路705の出力の変化を検出する。表示器728は、共振回路705の出力の変化を検出する場合、監視部707によってトリガされ、ストア733が発射プラットフォーム731から分離されたことを示す。
【0064】
本発明は、特定の実施形態に関して記載されて例示されているが、本明細書には具体的に例示されない多様な変形に本発明が適するということが当業者には理解される。ここで、一例のみとして、所定の可能な変形を記載する。
【0065】
本発明のさらなる実施形態において、共振回路の共振周波数の変化は、共振回路のキャパシタンスの変化に起因して生じ得る。例えば、ストア又は発射プラットフォームはキャパシタンスプレートを含むことができ、ストアの発射プラットフォームからの分離により、共振回路のキャパシタンスの変化をもたらすことができる。
【0066】
前述の記載において、既知の、明白な、又は予測可能な同等物を有する構成物又は構成要素が記載される場合、そうした同等物は個々に示されているかのように本明細書に組み込まれる。正確な本発明の範囲を決定するために、任意のそうした同等物を含むように解釈する必要がある請求項を参照する必要がある。また、好ましい、有利である、又は有用であるなどとして記載される本発明の構成物及び特徴は任意的であり、独立請求項の範囲を限定するものではないということが読み手には理解される。さらに、そうした任意的な構成物又は特徴は、本発明の一部の実施形態において利益があり得るが、望ましくないことがあり、ゆえに他の実施形態において包含されないということが理解される。