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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】モニタデバイスにおける加速度計
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
A61F5/445
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021563669
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 DK2020050116
(87)【国際公開番号】W WO2020216429
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】PA201970262
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】500085884
【氏名又は名称】コロプラスト アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ヤイス アスク ハンスン
(72)【発明者】
【氏名】ラース モルツン
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-528519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0140103(US,A1)
【文献】米国特許第6171289(US,B1)
【文献】特表2016-509491(JP,A)
【文献】特開2017-207317(JP,A)
【文献】特開2000-93448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44-458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタデバイスによって、オストミーに対してオストミー装具のセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法であって、前記センサ組立体は前記モニタデバイスに結合可能であり、前記モニタデバイスは、
筐体と、
前記筐体に配置されたプロセッサと、
前記モニタデバイスを前記センサ組立体に結合するように構成された装具インターフェースであって、前記装具インターフェースは、前記センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む、装具インターフェースと、
位置信号を生成するように構成された加速度計と、
を備え、
前記センサ組立体は、
少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された2つ以上のセンサを形成する複数の電極と、
前記モニタデバイスの前記装具インターフェースと結合するように構成された組立体インターフェースと、
を備え、
前記方法は、
前記センサ組立体を含む前記オストミー装具がストーマ周囲皮膚エリアに配置され、かつ前記モニタデバイスが前記センサ組立体に結合された状態で前記モニタデバイスによって実行され
前記モニタデバイスが前記加速度計から1つ又は複数の位置信号を取得するステップであって、前記1つ又は複数の位置信号は、前記加速度計の空間向きを示す、取得するステップと、
前記モニタデバイスが前記1つ又は複数の位置信号に基づいて前記センサ組立体の回転オフセットを特定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記モニタデバイスの自然な向き定義された状態で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モニタデバイスは、グラフィカルユーザインターフェースを含む付属デバイスと通信し、前記方法は、前記モニタデバイスが前記回転オフセットを前記付属デバイスに通信するステップと、前記モニタデバイスが前記グラフィカルユーザインターフェースに視覚的表現を生成するステップとを更に含み、前記視覚的表現は、前記回転オフセットを組み込み、オストミーに対する前記少なくとも2つの別個の検知ゾーンの位置を示す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
オストミー装具、前記オストミー装具に提供されるセンサ組立体、及びモニタデバイスを備えたオストミーシステムであって、前記モニタデバイスは、
筐体と、
前記筐体に配置されたプロセッサと、
前記センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む装具インターフェースと、
位置信号を生成するように構成された加速度計と、
を備え、
前記センサ組立体は、
少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された2つ以上のセンサを形成する複数の電極であって、前記複数の電極は、前記オストミー装具の第1の接着層の近位側における液体の存在及び/又は前記第1の接着層の含水量を検出するように構成される、複数の電極と、
前記モニタデバイスの前記装具インターフェースと結合するように構成された組立体インターフェースと、
を備え、
前記モニタデバイスは、前記センサ組立体と解放可能に結合するように構成され、かつ
前記モニタデバイスの前記加速度計は、予め定義された自然な向きを含み、前記モニタデバイスは、前記予め定義された自然な向きに対する前記センサ組立体の回転オフセットを特定するように構成される、
オストミーシステム。
【請求項5】
前記装具インターフェースは、前記組立体インターフェースと結合するように構成される、請求項4に記載のオストミーシステム。
【請求項6】
オストミー装具のベースプレートに適用するために、ベースプレート又はセンサパッチのセンサ組立体に解放可能に結合するモニタデバイスであって、前記モニタデバイスは、
筐体と、
前記筐体に配置されたプロセッサと、
前記センサ組立体に対して固定位置で前記モニタデバイスを前記センサ組立体に解放可能に結合するように構成された装具インターフェースであって、前記装具インターフェースは、前記センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む、装具インターフェースと、
を含み、
前記モニタデバイスは三軸加速度計を更に含み、前記三軸加速度計は位置信号を生成するように構成され
前記三軸加速度計は、ユーザにより生成される移動パターンに基づいて前記ユーザのオストミーに対するその空間向きを特定するように構成され、
前記三軸加速度計の前記空間向きは、前記モニタデバイスが前記センサ組立体に結合されたとき、前記センサ組立体の回転オフセットを示す、
モニタデバイス。
【請求項7】
前記移動パターンは、所定の時間量中にサンプリングされた複数の位置信号を含む、請求項6に記載のモニタデバイス。
【請求項8】
前記位置信号は、相互に直交するx軸、y軸、及びz軸に沿った重力の値、及び/又は予め定義された向きに対する前記x軸の一次角度オフセット、予め定義された向きに対する前記y軸の二次角度オフセット、及び予め定義された向きに対する前記z軸の三次角度オフセットの値を含む、請求項6又は7に記載のモニタデバイス。
【請求項9】
前記三軸加速度計は、重力方向に対する前記x軸の前記一次角度オフセットがゼロであり、又は前記重力方向に対する前記y軸の前記二次角度オフセットがゼロであり、又は前記重力方向に対する前記z軸の前記三次角度オフセットがゼロである予め定義された自然な向きを有する、請求項8に記載のモニタデバイス。
【請求項10】
前記三軸加速度計は、前記三軸加速度計の前記x軸に沿った前記重力が0gであり、前記三軸加速度計の前記y軸に沿った前記重力が-1gである予め定義された自然な向きを有する、請求項8又は9に記載のモニタデバイス。
【請求項11】
前記筐体は皮膚に面する表面を有し、前記三軸加速度計の前記x軸及び前記y軸は、前記筐体の前記皮膚に面する表面と実質的に平行する幾何平面に広がり、前記三軸加速度計の前記z軸は、前記幾何平面に垂直な方向に延びる、請求項8~10の何れか1項に記載のモニタデバイス。
【請求項12】
前記位置信号は、少なくとも0.1Hzのレートでサンプリングされる、請求項6~11の何れか一項に記載のモニタデバイス。
【請求項13】
前記位置信号は、前記モニタデバイスの空間向きを示す、請求項6~12の何れか1項に記載のモニタデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサは、その予め定義された自然な向きからの前記三軸加速度計の角度オフセットに基づいて、オフセットパラメータを生成するように構成される、請求項6~13の何れか1項に記載のモニタデバイス。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記位置信号及び/又は前記オフセットパラメータを付属デバイスに通信するように構成される、請求項14に記載のモニタデバイス。
【請求項16】
前記装具インターフェースは、センサ組立体の複数の電極に結合するように構成され、前記複数の電極は、ストーマ周囲皮膚エリアを監視するように構成された少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された少なくとも2つのセンサを形成する、請求項6~15の何れか1項に記載のモニタデバイス。
【請求項17】
前記プロセッサは、1つ又は複数の位置信号に基づいて前記少なくとも2つの別個の検知ゾーンの空間分布を特定するように構成される、請求項16に記載のモニタデバイス。
【請求項18】
前記モニタデバイスはメモリを備え、1つ又は複数のタスクプロファイルが、前記メモリに記憶され、前記モニタデバイスは、1つ又は複数の位置信号に含まれる1つ又は複数のタップシーケンスを検出するように構成される、請求項6~17の何れか1項に記載のモニタデバイス。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記1つ又は複数のタップシーケンスの所与のタップシーケンスを前記1つ又は複数のタスクプロファイルと比較し、前記所与のタップシーケンスに関連付けられた出力を生成するように構成される、請求項18に記載のモニタデバイス。
【請求項20】
前記出力は、スリープモードからの前記モニタデバイスのウェークアップ、ペアリングモードのアクティブ化、又はスリープモードの開始から選択される、請求項19に記載のモニタデバイス。
【請求項21】
前記モニタデバイスは、移動が所定の時間量にわたり検出されなかった場合、オフになるか、又はスリープモードになるように構成される、請求項6~20の何れか1項に記載のモニタデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間向きを特定する加速度計を含むセンサ組立体のモニタデバイスに関する。さらに、本開示は、オストミーに対するセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
添付図面は、実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなす。図面は、実施形態を示し、説明と共に実施形態の原理を説明する役割を果たす。他の実施形態及び実施形態の意図される利点の多くは、以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解されるにつれて容易に認識されるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに対して一定の縮尺で描かれているわけではない。同様の参照符号は、対応する同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】例示的なオストミーシステムを示す。
図2】オストミーシステムの例示的なモニタデバイスを示す。
図3】オストミー装具のベースプレートの分解組立図を示す。
図4】例示的な電極組立体の分解組立図を示す。
図5】ベースプレートの部分及び/又はセンサパッチの近位図を示す。
図6】例示的な電極構成の遠位図を示す。
図7】例示的なマスキング要素の遠位図を示す。
図8】例示的な第1の接着層の遠位図を示す。
図9図8の第1の接着層の近位図を示す。
図10】モニタインターフェースを含むベースプレートの部分及び/又はセンサパッチの遠位図を示す。
図11図6の電極構成の遠位図を示す。
図12】例示的な電極構成の遠位図を示す。
図13】例示的なマスキング要素の遠位図を示す。
図14】例示的な第1の接着層の遠位図を示す。
図15】例示的な電極構成の遠位図を示す。
図16】概略的なベースプレート及び/又はセンサパッチに結合された3軸加速度計を含む概略的なモニタデバイスの実施形態を示す。
図17】モニタデバイスと結合された回転したベースプレート及び/又はセンサパッチの実施形態を示す。
図18A】モニタデバイスと結合されたベースプレート及び/又はセンサパッチを装着した人物の実施形態を示す。
図18B】視覚的表現を含む付属デバイスの実施形態を示す。
図19A】モニタデバイスと結合されたベースプレート及び/又はセンサパッチを装着した人物の実施形態を示す。
図19B】視覚的表現を含む付属デバイスの実施形態を示す。
図20】3軸加速度計を含む概略的なモニタデバイスの8つの例示的な向きを示す。
図21】加速度計からの実験データセットのプロットを示す。
図22】3軸加速度計を含むモニタデバイスの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
種々の例示的な実施形態及び詳細について、関連する場合、図を参照して以下に説明する。図は、一定の縮尺で描かれていることも又はいないこともあり、同様の構造又は機能の要素は、図全体を通して同様の参照符号で表されることに留意されたい。図は、実施形態の説明の促進のみを目的としていることにも留意されたい。図は、本発明の網羅的な説明として又は本発明の範囲への限定として意図されない。加えて、示された実施形態は、示される態様又は利点の全てを有する必要があるわけではない。特定の実施形態と併せて説明される態様又は利点は、必ずしも実施形態に限定されず、そのように示されない場合又はそのように明示的に説明されない場合でも任意の他の実施形態で実施することが可能である。
【0005】
本開示全体を通して、「ストーマ」及び「オストミー」という用語は、人の腸又は泌尿器系統をバイパスする、外科的に造られた開口部を示すのに使用される。これらの用語は、同義で使用され、区別の意味を意図されない。これらの用語に由来する任意の用語又は句、例えば「ストーマの」、「複数のオストミー」等にも同じことが当てはまる。また、ストーマから出る固形廃棄物及び液体廃棄物は、ストーマ「排出物」、「廃棄物」、「液体」、及び「流体」の両方を同義で指すことができる。オストミー手術を受けた対象者は、「オストミスト」又は「オストメイト」 - 更に「患者」又は「ユーザ」とも呼ばれ得る。しかしながら、幾つかの場合、「ユーザ」は、外科医又はオストミーケア看護師等の医療従事者(HCP)に関連するか又はHCPを指すこともある。それらの場合、「ユーザ」が「患者」自身でないと明示的に述べられるか、又は文脈から暗黙的であるかの何れかである。
【0006】
以下では、層、要素、デバイス又はデバイスの部分の近位側又は近位面を指すときには常に、その参照は、ユーザがオストミー装具を装着するとき、皮膚に面する側又は表面への参照である。同様に、層、要素、デバイス又はデバイスの部分の遠位側又は遠位面を指すときには常に、その参照は、ユーザがオストミー装具を装着しているとき、皮膚とは逆に面する側又は表面への参照である。換言すれば、装具がユーザに装着されているとき、近位側又は近位面とは、ユーザに最も近い側又は表面であり、遠位側は逆側又は逆の表面 - 使用中のユーザから最も遠く離れた側又は表面 - である。
【0007】
軸方向は、ユーザが装具を装着しているとき、ストーマの方向として定義される。したがって、軸方向は、一般に、ユーザの皮膚又は腹部表面に直交する。
【0008】
半径方向は、軸方向に直交するものとして定義される。文章により、「内部」及び「外部」という用語が使用されることがある。これらの修飾語句は、一般に、「外部」要素への参照が、その要素が「内部」と参照される要素よりもオストミー装具の中心部部分から離れていることを意味するような半径方向に関して認識されるべきである。加えて、「最も内側」は、構成要素の中心を形成する構成要素の部分及び/又は構成要素の中心に隣接する部分として解釈されるべきである。同様に、「最も外側」は、構成要素の外縁若しくは外側輪郭を形成する構成要素の部分及び/又はその外縁若しくは外側輪郭に隣接する部分として解釈されるべきである。
【0009】
本開示における特定の特徴又は効果への修飾語句としての「実質的に」という用語の使用は、任意の逸脱が、通常、関連する技術分野の当業者により予期される許容差内であることを単に意味することが意図される。
【0010】
本開示における特定の特徴又は効果への修飾語句としての「概して」という用語の使用は、構造的特徴の場合、そのような特徴の大半又は大部分が問題となっている特性を示し、機能的特徴又は効果の場合、その特性に関わる結果の大半がその効果を提供するが、例外的な結果がその効果を提供しないことを単に意味することが意図される。
【0011】
本開示は、オストミー装具のセンサ組立体に結合するモニタデバイス、オストミーに対するセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法、並びにセンサ組立体及びモニタデバイスを含むオストミーシステムを提供する。
【0012】
本発明の第1の態様では、オストミー装具のセンサ組立体に結合するモニタデバイスが開示される。モニタデバイスは、筐体と、筐体内に配置されるプロセッサと、モニタデバイスをセンサ組立体に結合するように構成された装具インターフェースとを含む。装具インターフェースは、センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む。さらに、モニタデバイスは、位置信号を生成するように構成された3軸加速度計を含む。3軸加速度計は、相互に直交するx軸、y軸、及びz軸にわたる三次元空間において加速度を評価/測定することが可能である。以下、加速度計は、x軸、y軸、及びz軸を含むと言える。したがって、加速度計の軸はデカルト座標系に広がる。実施形態では、加速度計は2軸加速度計である。
【0013】
本開示は、オストミーシステム並びにオストミー装具、オストミー装具のベースプレート、ベースプレートに適用するためのセンサパッチ、モニタデバイス、及び任意選択的に1つ又は複数の付属デバイス等のオストミーシステムのデバイスに関する。さらに、オストミーシステム及びそのデバイスに関連する方法も開示される。付属デバイス(外部デバイスとも呼ばれる)は携帯電話又は他のハンドヘルドデバイスであることができる。実施形態では、付属デバイスは、個人電子デバイス、例えば、時計又は他の手首装着式電子デバイス等のウェアラブルデバイスである。付属デバイスはドッキングステーションであることができる。実施形態では、ドッキングステーションは、モニタデバイスをドッキングステーションに電気的且つ/又は機械的に結合するように構成される。実施形態では、ドッキングステーションは、モニタデバイスの電池を充電するように構成され、且つ/又はモニタデバイスとドッキングステーションとの間でデータを転送するように構成される。オストミーシステムはサーバデバイスを含むことができる。実施形態では、サーバデバイスは、オストミー装具製造業者及び/又はサービスセンタにより操作且つ/又は制御される。
【0014】
本開示は、ベースプレート及び/又はセンサパッチのユーザの皮膚表面への取り付けを提供する接着材料中の水分伝搬の性質、重大度及び迅速性の信頼性の高い特定を単独で又は一緒になって促進するオストミーシステム及びオストミー装具等のオストミーシステムのデバイス、オストミー装具のベースプレート、ベースプレートに適用するセンサパッチ、モニタデバイス及び任意選択的に1つ又は複数の付属デバイスに関する。接着剤中の水分伝搬パターンの性質に応じて、オストミーシステム及びそのデバイスは、故障の種類についての情報をユーザに提供できるようにし、また重大な漏出を経験せず、且つ/又は皮膚損傷なしで、重大度、したがってオストミー装具を交換するための残り時間枠の指示をユーザに提供できるようにする。
【0015】
実施形態では、オストミー装具は、ベースプレート及びオストミーパウチ(オストミーバッグとも呼ばれる)を含む。オストミー装具は、人工肛門装具、回腸ストーマ装具又は人工膀胱装具であり得る。実施形態では、オストミー装具は、二品型オストミー装具であり、すなわち、ベースプレート及びオストミーパウチは、例えば、機械的且つ/又は接着的な結合を用いて解放可能に結合され、それにより例えば複数のオストミーパウチを1つのベースプレートで利用(交換)できるようにする。更に、二品型オストミー装具は、皮膚へのベースプレートの正確な適用を促進し得る。例えば、ストーマ領域のユーザ視覚の改善を促進し得る。実施形態では、オストミー装具は、単品型オストミー装具であり、すなわち、ベースプレート及びオストミーパウチは、互いに固定して取り付けられる。ベースプレートは、ユーザのストーマ及び/又は周囲皮膚エリア等のストーマ周囲の皮膚に結合するように構成される。
【0016】
実施形態では、オストミー装具は、例えば、センサ組立体部分と統合されたモノリシックな一体型ベースプレート等のベースプレート又はベースプレートに続けて塗布されるセンサ組立体部分等の別個のセンサ組立体部分を含む。実施形態では、センサ組立体部分は、ベースプレートの近位面等のベースプレートに塗布されるセンサパッチである。それにより、従来のベースプレート等の任意のベースプレートは、本明細書に記載の特徴を達成することができる。本明細書においてベースプレートの検知/監視機能に関して記載される特徴は、例えば、ユーザによりベースプレートに塗布されるセンサパッチのセンサ組立体により及びこの逆でも同様に提供することができる。実施形態では、センサパッチはベースプレートに接着するように構成される。
【0017】
実施形態では、例えば、センサパッチの提供を通して検知機能を有するベースプレートをユーザのストーマ及び/又はストーマ周囲皮膚エリア等のストーマ周囲の皮膚に取り付ける方法は、センサパッチをベースプレートに取り付けることと、ベースプレートを、すなわち取り付けられたセンサパッチと一緒にユーザのストーマ及び/又はストーマ周囲皮膚エリア等のストーマ周囲の皮膚に取り付けることとを含む。代替的には、ベースプレートをユーザのストーマ及び/又はストーマ周囲の皮膚に取り付ける方法は、センサパッチをユーザのストーマ及び/又はストーマ周囲の皮膚に取り付けることと、取り付けられたセンサパッチの上で、すなわち、センサパッチの遠位面でベースプレートをユーザのストーマ及び/又はストーマ周囲の皮膚に取り付けることとを含む。
【0018】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、ベースプレート及び/又はセンサパッチをユーザの皮膚表面に取り付けるように構成された近位面を有する第1の接着層を含む。実施形態では、第1の接着層は、中心点を有する第1の接着ストーマ開口部等のストーマ開口部を有する。
【0019】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、センサ組立体の電極組立体に提供される第1の漏出電極、第2の漏出電極、及び第3の漏出電極を含む複数の電極を含む。実施形態では、複数の電極は、第1の接着層の近位面上の排泄物等の液体の存在及び/又は第1の接着層内の含水量を検出するように構成される。実施形態では、センサ組立体の電極組立体は、一次検知ゾーン及び一次検知ゾーンとは別個の二次検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の排泄物等の液体の存在及び/又は第1の接着層内の含水量を検出するように構成される。実施形態では、一次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から一次角度空間に配置され、且つ/又は二次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から、一次角度空間とは別個の二次角度空間に配置される。代替又は追加として、一次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から一次半径方向空間に配置することができ、二次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から二次半径方向空間に配置することができる。実施形態では、センサ組立体の電極組立体は、3つ以上の検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の排泄物等の液体の存在及び/又は第1の接着層内の含水量を検出するように構成される。
【0020】
実施形態では、モニタデバイスは、筐体と、プロセッサと、メモリと、プロセッサ及びメモリに接続された第1のインターフェース(装具インターフェースとも呼ばれる)と、プロセッサに接続された第2のインターフェースとを含む。第1のインターフェースは、第1のインターフェースに結合されたベースプレート及び/又はセンサパッチからオストミーデータを取得するように構成される。オストミーデータは、ベースプレート及び/又はセンサパッチの一次電極セットからの一次オストミーデータと、ベースプレート及び/又はセンサパッチの二次電極セットからの二次オストミーデータとを含む。実施形態では、プロセッサは、一次オストミーデータに基づいて一次パラメータデータを取得し;二次オストミーデータに基づいて二次パラメータデータを取得し;一次パラメータデータに基づいて一次検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の液体の存在及び/又は第1の接着層内の水分を検出するように構成される。実施形態では、一次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から一次角度空間に配置され、且つ/又は第1の接着層の中心点から一次半径方向空間に配置される。さらに、実施形態では、プロセッサは、二次パラメータデータに基づいて二次検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の液体の存在及び/又は第1の接着層内の水分を検出するように構成される。実施形態では、二次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から二次角度空間に配置され、且つ/又は第1の接着層の中心点から二次半径方向空間に配置される。実施形態では、一次検知ゾーンにおける液体及び/又は水分の存在の検出に従って、プロセッサは、第2のインターフェースを介して一次検知ゾーンにおける液体及び/又は水分の存在を示すモニタデータを含む一次モニタ信号を送信し、二次検知ゾーンにおける液体及び/又は水分の存在の検出に従って、第2のインターフェースを介して二次検知ゾーンにおける液体及び/又は水分の存在を示すモニタデータを含む二次モニタ信号を送信するように構成される。
【0021】
ベースプレート及び/又はセンサパッチは、第1の接着層を含む。使用中、第1の接着層は、ユーザの皮膚(ストーマ周囲エリア)並びに/或いは封止ペースト、封止テープ、及び/又は封止リング等の追加の封止に接着する。したがって、実施形態では、第1の接着層は、ベースプレート及び/又はセンサパッチをユーザの皮膚表面に取り付けるように構成される。実施形態では、第1の接着層は、中心点を有する、第1の接着性ストーマ開口部等のストーマ開口部を有し、又は少なくとも、中心点を有するストーマ開口部を形成する準備ができている。本開示によるベースプレート及び/又はセンサパッチは、第1の接着層の近位面(ストーマ周囲皮膚エリア等のユーザの皮膚表面と第1の接着層の近位面との間)の液体又は排泄物の存在を検出できるようにする。
【0022】
実施形態では、第1の接着層は第1の組成物で作られる。実施形態では、第1の組成物は、1つ又は複数のポリイソブテン及び/又はスチレン-イソプレン-スチレンを含む。実施形態では、第1の組成物は1つ又は複数の親水コロイドを含む。実施形態では、第1の組成物は、1つ又は複数の水溶性又は水膨潤性親水コロイドを含む。実施形態では、第1の組成物は、弾性エラストマーベース及び1つ又は複数の水溶性又は水膨張性親水コロイドを含む、医療目的に適した感圧性接着組成物である。実施形態では、第1の組成物は、1つ若しくは複数のポリブテン、1つ若しくは複数のスチレン共重合体、1つ若しくは複数の親水コロイド又はそれらの任意の組合せを含む。ポリブテンの接着性と親水コロイドの吸収性との組合せは、第1の組成物をオストミー装具の使用に適したものにする。例えば、スチレン共重合体は、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体又はスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体であり得る。好ましくは、1つ又は複数のスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック型共重合体が利用される。スチレンブロック共重合体の量は、接着組成物全体の5%~20%であり得る。ブテン成分は、適宜、ポリブタジエン、ポリイソプレンから選択される共役ブタジエン重合体である。ポリブテンは、好ましくは、接着組成物全体の35%~50%の量で存在する。好ましくは、ポリブテンは、ポリイソブチレン(PIB)である。第1の組成物への組み込みに適した親水コロイドは、天然起源の親水コロイド、半合成親水コロイド及び合成親水コロイドから選択される。第1の組成物は、20%~60%の親水コロイドを含み得る。好ましい親水コロイドは、カルボキシメチルセルロース(CMC)である。任意選択的に、第1の組成物は、充填剤、粘着付与剤、可塑剤及び/又は他の添加剤等の他の成分を含み得る。
【0023】
第1の接着層は、実質的に均一な厚さを有し得る。第1の接着層は、0.1mm~1.5mmの範囲内の厚さ、例えば0.8mm又は1.0mm等の0.2mm~1.2mmの範囲内の厚さを有し得る。第1の接着層は、第1の接着層の一次部分、例えばストーマ開口部の中心点から一次半径方向距離又は一次半径方向距離範囲内の一次領域において一次厚を有し得る。一次厚は、約1.0mm等の0.2mm~1.5mmの範囲内であり得る。一次半径方向距離は、25mm~35mmの範囲内等の20mm~50mmの範囲内であり得、例えば30mmであり得る。第1の接着層は、第1の接着層の二次部分、例えばストーマ開口部の中心点から二次半径方向距離又は二次半径方向距離範囲だけ離れた二次領域において二次厚を有し得る。二次厚は、約0.5mm等の0.2mm~1.0mmの範囲内であり得る。二次半径方向距離は、25mm~35mmの範囲内等の20mm~50mmの範囲内であり得、例えば30mmであり得る。
【0024】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは第2の層を含む。実施形態では、第2の層は接着層である。実施形態では、第2の層は、少なくともベースプレート及び/又はセンサパッチの第1の角度範囲において第1の接着層の第1の半径方向広がりよりも大きい第2の半径方向広がりを有する。したがって、第2の層の近位面の部分は、ユーザの皮膚表面に取り付けるように構成することができる。ユーザの皮膚表面に取り付けられるように構成された第2の層の近位面の部分は、第2の接着層の皮膚取り付け面としても示される。第2の層は、中心点を有する、第2の層のストーマ開口部及び/又は第2の接着層のストーマ開口部等のストーマ開口部を有することができる。
【0025】
実施形態では、第2の接着層は第2の組成物で作られる。実施形態では、第2の組成物は、1つ又は複数のポリイソブテン及び/又はスチレン-イソプレン-スチレンを含む。実施形態では、第2の組成物は1つ又は複数の親水コロイドを含む。実施形態では、第2の組成物は、1つ又は複数の水溶性又は水膨潤性親水コロイドを含む。実施形態では、第2の組成物は、弾性エラストマーベース及び1つ又は複数の水溶性又は水膨張性親水コロイドを含む、医療目的に適した感圧性接着組成物である。実施形態では、第2の組成物は、1つ若しくは複数のポリブテン、1つ若しくは複数のスチレン共重合体、1つ若しくは複数の親水コロイド又はそれらの任意の組合せを含む。ポリブテンの接着性と親水コロイドの吸収性との組合せは、第2の組成物をオストミー装具の使用に適したものにする。例えば、スチレン共重合体は、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体又はスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体であり得る。好ましくは、1つ又は複数のスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロック型共重合体が利用される。スチレンブロック共重合体の量は、接着組成物全体の5%~20%であり得る。ブテン成分は、適宜、ポリブタジエン、ポリイソプレンから選択される共役ブタジエン重合体である。ポリブテンは、好ましくは、接着組成物全体の35%~50%の量で存在する。好ましくは、ポリブテンは、ポリイソブチレン(PIB)である。第2の組成物への組み込みに適した親水コロイドは、天然起源の親水コロイド、半合成親水コロイド及び合成親水コロイドから選択される。第2の組成物は、20%~60%の親水コロイドを含み得る。好ましい親水コロイドは、カルボキシメチルセルロース(CMC)である。任意選択的に、第2の組成物は、充填剤、粘着付与剤、可塑剤及び/又は他の添加剤等の他の成分を含み得る。
【0026】
異なる比率の含有量は、第1及び/又は第2の接着層の特性を変え得る。実施形態では、第2の接着層及び第1の接着層は、異なる特性を有する。実施形態では、第2の接着層(第2の組成物)及び第1の接着層(第1の組成物)は、異なる比率のポリイソブテン、スチレン-イソプレン-スチレン及び/又は親水コロイドを有する。例えば、第2の接着層は、第1の接着層により提供される皮膚への取り付けと比較して、皮膚へのより強力な接着を提供し得る。代替又は追加として、第2の接着層は、第1の接着層よりも薄いことができる。代替又は追加として、第2の接着層は、第1の接着層よりも吸収する水及び/又は汗が少ないことができる。代替又は追加として、第2の接着層は、第1の接着層よりも成形性が低いことができる。実施形態では、第2の接着層は、第2の耐漏出バリアを提供する。
【0027】
第2の層は、実質的に均一な厚さを有し得る。第2の層は、0.5mm、0.6mm又は0.7mm等の0.1mm~1.5mmの範囲内の厚さ、例えば0.2mm~1.0mmの範囲内の厚さを有し得る。
【0028】
例えば、組み込まれたセンサ組立体又はセンサ組立体を含むセンサパッチを通して検知機能を有するベースプレートを提供することは、オストミー装具の最適又は改善された使用を提供する。特に、ベースプレートの交換が遅すぎない(遅すぎると、接着の失敗、漏出、及び/又は皮膚ダメージに繋がる)こと又は少なくとも、漏出が将来起こること、起きていること、又は起きたことがユーザに通知されることが促進される。したがって、ユーザ又は医療専門家が、オストミー装具の使用を監視し計画することができる。
【0029】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、2、3、4、5、6、7、又は8以上の電極等の複数の電極等の1つ又は複数の電極を含む。センサパッチは、ベースプレートに1つ又は複数の電極を提供する等のためにベースプレートに適用することができる。実施形態では、電極は電極組立体に提供される。実施形態では、電極組立体はセンサ組立体に提供される。
【0030】
実施形態では、電極、例えば幾つか又は全ての電極は、第1の接着層と第2の接着層との間に配置される。実施形態では、電極は、電極組立体、例えばセンサ組立体の電極層に配置される。実施形態では、電極は、電極をモニタデバイスに接続する等のために、電極を他の構成要素及び/又はインターフェース端子/端子要素に接続する接続部を含む。実施形態では、電極は、1つ又は複数の導体部分及び/又は1つ又は複数の検知部を含む。導体部分は、2つ以上の検知部を接続し、且つ/又は検知部を各電極の接続部と接続する部分と見なすことができる。検知部は、例えば、液体含有量等の液体及び/又は漏出に起因する排泄物等の排泄物又は差し迫った漏出の検知に適した電極の部分と見なすことができる。検知部は、例えば、その形状により検知するのに適することができ、上記形状は潜在的に円形、楕円形、又は矩形である。したがって、導体部分は、検知部から生じた信号を伝達することができる。実施形態では、電極は、交互になった導体部分及び検知部を含む。実施形態では、電極組立体は、第1の接着層と第2の接着層との間に配置される。ベースプレート及び/又はセンサパッチ、例えば電極組立体は、第1の電極、第2の電極、及び任意選択的に第3の電極を含むことができる。ベースプレート及び/又はセンサパッチ、例えば電極組立体は、第4の電極及び/又は第5の電極を含むことができる。ベースプレート及び/又はセンサパッチ、例えば電極組立体は任意選択的に、第6の電極を含む。実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチ、例えば電極組立体は接地電極を含む。接地電極は、第1の電極部を含むことができる。実施形態では、接地電極の第1の電極部は、第1の電極の接地又は基準を形成する。実施形態では、第1の電極部は閉ループを形成する。接地電極は第2の電極部を含むことができる。実施形態では、接地電極の第2の電極部は、第2の電極の接地又は基準を形成する。接地電極は第3の電極部を含むことができる。実施形態では、接地電極の第3の電極部は、第3の電極の接地又は基準を形成する。接地電極は第4の電極部を含むことができる。実施形態では、接地電極の第4の電極部は、第4の電極及び/又は第5の電極の接地又は基準を形成する。実施形態では、接地電極は、電極組立体の他の電極の幾つか又は全ての(共通の)基準電極として構成され、又は(共通の)基準電極を形成する。
【0031】
電極は、導電性であり、金属材料(例えば、銀、銅、金、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼)、セラミック材料(例えば、ITO)、重合体材料(例えば、PEDOT、PANI、PPy)及び炭素質材料(例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボン繊維、グラフェン、グラファイト)の1つ又は複数を含み得る。
【0032】
実施形態では、電極組立体は、支持フィルムとも示される支持層を含む。実施形態では、センサ組立体は、電極組立体及び支持層を含む。1つ又は複数の電極は、支持層の近位面に形成、例えばプリントすることができる。1つ又は複数の電極は、支持層の遠位面に形成、例えばプリントすることができる。したがって、1つ又は複数の電極は、支持層と第1の接着層との間に配置することができる。電極組立体の支持層の電極組立体は、中心点を有する、電極組立体ストーマ開口部及び/又は支持層ストーマ開口部等のストーマ開口部を有することができる。実施形態では、支持層は、重合体材料(例えば、ポリウレタン、PTFE、PVDF)及び/又はセラミック材料(例えば、アルミナ、シリカ)を含む。1つ又は複数の例示的なベースプレート及び/又はセンサ組立体部分では、支持層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)で作製される。支持層材料は、ポリエステル、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリアミド、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリ尿素及びシリコーンの1つ又は複数で作製され得るか、又はそれらの1つ又は複数を含み得る。支持層の例示的な熱可塑性エラストマーは、スチレンブロック共重合体(TPS、TPE-s)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO、TPE-o)、熱可塑性加硫ゴム(TPV、TPE-v)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性共ポリエステル(TPC、TPE-E)及び熱可塑性ポリアミド(TPA、TPE-A)である。
【0033】
水分パターンタイプ又は角度漏出パターンの特定は、オストミー装具からの漏出を経験しているユーザのリスク低減の促進に有用である。さらに、オストミー装具の水分パターンタイプの特定及び動作状態及び/又は漏出パターンの分類は、ユーザへの皮膚ダメージのリスク低減の促進に更に有用である。
【0034】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチの一次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から一次角度空間に配置される。実施形態では、一次角度空間は、45°から315°の範囲、例えば45°から135°の範囲内の一次角度に広がる。実施形態では、一次角度は、ベースプレート及び/又はセンサパッチ上の角度検知ゾーンの数に依存する。例えば、一次角度は、例えば、2つ以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約180°±15°であることができる。一次角度は、例えば、2、3、又は4以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約120°±15°であることができる。一次角度は、例えば、2、3、4、又は5以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約90°±15°であることができる。検知ゾーンは別個であり、重複しない。
【0035】
代替又は追加として、一次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から一次半径方向空間に配置することができる。実施形態では、一次半径方向空間は、10~50mmの範囲、例えば10~25mmの範囲、例えば19~20mmの範囲内の一次半径に広がる。実施形態では、一次半径は、ベースプレート及び/又はセンサパッチ上の半径方向検知ゾーンの数に依存する。
【0036】
実施形態では、二次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から二次角度空間に配置される。実施形態では、二次角度空間は、45°から315°の範囲、例えば45°から135°の範囲内の二次角度に広がる。実施形態では、二次角度は、ベースプレート及び/又はセンサパッチ上の角度検知ゾーンの数に依存する。例えば、二次角度は、例えば、2つ以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約180°±15°であることができる。二次角度は、例えば、2、3、又は4以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約120°±15°であることができる。二次角度は、例えば、2、3、4、又は5以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約90°±15°であることができる。
【0037】
代替又は追加として、二次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から二次半径方向空間に配置することができる。実施形態では、二次半径方向空間は、15~50mmの範囲、例えば20~30mmの範囲、例えば25~26mmの範囲の二次半径にわたる。実施形態では、二次半径は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの半径方向検知ゾーンの数に依存する。実施形態では、二次半径は一次半径よりも大きい。
【0038】
実施形態では、複数の電極は、三次検知ゾーンにおける近位面上の液体の存在を検出するように構成される。実施形態では、三次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から三次角度空間に配置される。実施形態では、三次角度空間は、45°から315°の範囲、例えば45°から180°の範囲、例えば45°から135°の範囲内の三次角度に広がる。実施形態では、三次角度は、ベースプレート及び/又はセンサパッチにおける角度検知ゾーンの数に依存する。例えば、三次角度は、3つ以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約180°±15°であることができる。三次角度は、例えば、3つ以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約120°±15°であることができる。三次角度は、3、4、又は5つ以上の検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの場合、約90°±15°であることができる。
【0039】
代替又は追加として、三次検知ゾーンは、第1の接着層の中心点から三次半径方向空間に配置することができる。実施形態では、三次半径方向空間は、15~50mmの範囲、例えば25~50mmの範囲、例えば29~30mmの範囲の三次半径に広がる。実施形態では、三次半径は、ベースプレート及び/又はセンサパッチ上の半径方向検知ゾーンの数に依存する。実施形態では、三次半径は、二次半径及び/又は一次半径よりも大きい値であることができる。
【0040】
実施形態では、一次検知ゾーン及び二次検知ゾーンは、別個の検知ゾーンであり、すなわち、重複しない。一次検知ゾーン及び三次検知ゾーンは、別個の検知ゾーンであることができ、すなわち、重複しなくてよい。二次検知ゾーン及び三次検知ゾーンは、別個の検知ゾーンであることができ、すなわち、重複しなくてよい。
【0041】
実施形態では、一次検知ゾーン、二次検知ゾーン、及び/又は三次検知ゾーンは、第1の接着層及び周囲に露出した漏出電極内に組み込まれ、又は接触する電極をカバーする。それにより、第1の接着層における水分の伝播又は吸収は、検知ゾーンの1つ又は複数において検出することができ、それにより、第1の接着層における水分の伝播方向の特定を提供する。同様に、装着者の皮膚と第1の接着層との間の排泄物伝播も、露出した漏出電極により特定することができる。漏出電極は、センサ点開口部により露出することができる。第1の接着層のセンサ点開口部は、漏出電極の(検知)部分に重なり、例えば、センサ点を形成するように構成される。実施形態では、第1の接着層のセンサ点開口部は、第1の接着層の近位面からの漏出電極へのアクセスを促進するのに適した形状及びサイズを有する。
【0042】
実施形態では、電極組立体の2つの電極はセンサを形成する。実施形態では、第1の漏出電極及び第2の漏出電極は、一次検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の液体の存在を検出する一次漏出センサ又は一次漏出電極対を形成する。実施形態では、第2の漏出電極及び第3の漏出電極は、二次検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の液体の存在を検出する二次漏出センサ又は二次漏出電極対を形成する。実施形態では、第1の漏出電極及び第3の漏出電極は、三次検知ゾーンにおける第1の接着層の近位面上の液体の存在を検出する三次漏出センサ又は三次漏出電極対を形成する。
【0043】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、モニタインターフェース(組立体インターフェースとも呼ばれる)を含む。実施形態では、モニタインターフェースは、オストミー装具(ベースプレート及び/又はセンサパッチ)をモニタデバイスに電気的且つ/又は機械的に接続するように構成される。実施形態では、モニタインターフェースは、オストミー装具(ベースプレート及び/又はセンサパッチ)をモニタデバイスに無線で接続するように構成される。したがって、ベースプレート及び/又はセンサパッチのモニタインターフェースは、オストミー装具及びモニタデバイスを電気的且つ/又は機械的に結合するように構成することができる。
【0044】
実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチのモニタインターフェースは、例えばモニタインターフェースの第1のコネクタの部分として、モニタデバイスとベースプレート及び/又はセンサパッチとの間を解放可能に結合する等の機械的接続を形成する結合部を含む。実施形態では、結合部は、モニタデバイスの結合部と係合して、モニタデバイスをベースプレート及び/又はセンサパッチに解放可能に結合するように構成される。
【0045】
本開示は、位置信号を生成するように構成された3軸加速度計を含むモニタデバイスを提供する。3軸加速度計は、相互に直交する、すなわち、(三次元)デカルト座標系にわたるx軸、y軸、及びz軸に沿った(相対)加速度、重力方向、及び重力を評価/測定するように構成される。実施形態では、加速度計は、モニタデバイスの移動を検出するように構成される。3軸加速度計は、トリプル軸加速度計と呼ぶことができる。実施形態では、評価/測定される加速度、重力方向位、及び/又は重力は位置信号に含まれる。それにより、モニタデバイスは、三次元空間、すなわち、デカルト座標系に広がる空間における相対加速度(移動)及び/又は重力を測定することが可能である。特に、モニタデバイスは、三次元空間等のx軸、y軸、及びz軸のそれぞれに沿った相対加速度及び重力を測定することが可能である。実施形態では、位置信号は、モニタデバイスのプロセッサ及び/又はメモリに通信される。実施形態では、位置信号は、モニタデバイスの傾斜等の空間向きの特定の土台をなす。
【0046】
実施形態では、加速度計は、三次元座標系の1つ又は複数の軸に対するモニタデバイスの加速度に比例する1つ又は複数の位置信号を生成するように構成され、位置信号は、モニタデバイスの移動(モニタデバイスの装着を通して)又はユーザ入力(モニタデバイスのタップを通して)を表すことができる。実施形態では、タップ又はタップシーケンスは、ユーザが指又は均等物を使用して、特定のタップパターン(タスクプロファイル)に関する位置信号等の特定の位置信号を生成する手順である。したがって、通常、タップは、モニタデバイスの短いが有意な移動に関する。換言すれば、タップは、各タップ中、モニタデバイスが比較的短い時間期間、移動することに起因して、比較的高加速度でモニタデバイスを移動させる。
【0047】
以下、加速度計のx軸、y軸、又はz軸等の特定の軸を言及するときは常に、そのような3軸加速度計により加速度を測定/検知することができる軸が言及される。実施形態では、加速度計は、3軸全てに沿って同時に測定する。したがって、言及は、加速度計の物理的形状ではなく、特定の軸に沿った加速度に比例する位置信号を検知、測定、又は生成する概念へのものである。x軸等の特定の軸への言及が、基準系/座標系の回転の適用によりy軸及びz軸等の任意の他の軸への言及でも同様に置換することができることが理解されるものとする。基準系/座標系の回転は、線形代数に従った回転行列の適用を通すことができる。したがって、実施形態では、特定の軸への言及は単に例示を目的とする。同じ理由付けが、軸による広がる幾何平面への任意の言及にも該当する。
【0048】
実施形態では、加速度計は、モニタデバイスのプロセッサの電力ステータスに関係なく、加速度計を調整することができるような特定の処理機能を含む。例えば、加速度計の処理機能は、位置信号を分析することを含み、関連する命令をプロセッサに送信する。実施形態では、加速度計は、電力管理システムの一環として、モニタデバイスのプロセッサをオン/オフ切り替えすることが可能である。
【0049】
実施形態では、加速度計は容量性MEMS加速度計である。実施形態では、加速度計は圧電性加速度計である。実施形態では、加速度計は圧電抵抗性加速度計である。実施形態では、加速度計はアナログ出力を有する。実施形態では、加速度計はデジタル出力を有する。実施形態では、加速度計は少なくとも+/-2gを測定することが可能である。実施形態では、加速度計は、-50g~50g、例えば-20g~20g、又は例えば-10g~10gの加速度を測定することができる。実施形態では、加速度計は少なくとも10Hz、例えば50Hzの帯域幅を有する。
【0050】
本開示は、上述したような角度分布検知ゾーン等の複数の検知ゾーンを含むベースプレート及び/又はセンサパッチの使用を提供する。実施形態では、本開示は、どのゾーンで漏出が発生しているかのユーザへの通信を提供する。実施形態では、ユーザは、オストミー周りで任意の回転角度でベースプレート及び/又はセンサパッチを自在に適用することができる。例えば、皮膚における傷及び/又は皺の存在により、ユーザが、例えば個人の経験及び/又は快適さに基づいて、特定角度だけベースプレート及び/又はセンサパッチを回転させることがある。実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、検知ゾーンがベースプレート及び/又はセンサパッチのセンサ組立体に特定の配列で提供されるにも拘わらず、ユーザにとって回転対称に見える。一実施形態では、検知ゾーンからのデータは、電極/センサ組立体の電極への物理的接続を通してモニタデバイスにより収集される。実施形態では、そのような物理的接続は、ベースプレート及び/又はセンサパッチへのネック部取り付け/一体化により提供され、それにより、電極組立体の電極はネック部に延長し、組立体インターフェース内の結合されたモニタデバイスと接続することができる。したがって、実施形態では、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、半径方向においてユーザのストーマから離れて延びるネック部を含み、ネック部は、モニタデバイスをベースプレート及び/又はセンサパッチに結合し、それを通して電極/センサ組立体に結合できるようにする組立体インターフェースを含む。実施形態では、モニタデバイスは、ベースプレート及び/又はセンサパッチに結合され、したがって、ユーザの皮膚の近傍に装着されるように構成される。したがって、モニタデバイスは、ベースプレート及び/又はセンサパッチの指定された部分に結合されるように構成され、ベースプレート及び/又はセンサパッチの使用中、すなわち、漏出監視等の監視中、ベースプレート及び/又はセンサパッチに対してそのような固定位置のままである。固定位置でベースプレート及び/又はセンサパッチに結合されることにより、自然な向きに対する傾斜等のモニタデバイスの空間向きが、ベースプレート及び/又はセンサパッチの同等の傾斜/回転を示す。換言すれば、(結合された)モニタデバイスは、ベースプレート及び/又はセンサパッチのセンサ組立体に提供される検知ゾーンに対して固定される。更に換言すれば、ベースプレート及び/又はセンサパッチに結合されたモニタデバイスの空間向きは同様に、固定相対位置を通してベースプレート及び/又はセンサパッチにも適用される。
【0051】
モニタデバイスに加速度計を提供することにより、そのようなモニタデバイスの空間向きを特定することが可能である。それにより、モニタデバイスは固定位置でベースプレート及び/又はセンサパッチに結合されるように構成されるため、オストミーに対するベースプレート及び/又はセンサパッチの、したがってベースプレート及び/又はセンサパッチに提供される検知ゾーンの、回転オフセット等の空間向きを特定することが可能である。それにより、生じ得る漏出が発生している場所(検知ゾーン)及び/又は接着剤に吸収された含水量が高い/増大しつつある場所をユーザに通信することが可能である。
【0052】
実施形態では、位置信号は、相互に直交するx軸、y軸、及びz軸に沿った重力の値及び/又は予め定義された向きに対するx軸の一次角度オフセット、予め定義された向きに対するy軸の二次角度オフセット、及び予め定義された向きに対するz軸の三次角度オフセットの値を含む。
【0053】
実施形態では、x軸、y軸、及びz軸は、上述したように3軸加速度計によりカバーされるデカルト座標系に従って相互に直交する。
【0054】
実施形態では、位置信号は、ベクトル又は行列として数学的に表される。実施形態では、位置信号はタイムスタンプを更に含む。三角関数を適用することにより、総重力を計算することができる。以下、重力gはニュートン([N])単位で測定され、自由落下する物体の場合、1g=9.8N=9.8m/sである。
【0055】
実施形態では、位置信号は、x軸に沿った重力、y軸に沿った重力、及びz軸に沿った重力に関する情報を含む。
【0056】
実施形態では、追加又は代替として、位置信号は、予め定義された向きに対するx軸の一次角度オフセット、予め定義された向きに対するy軸の二次角度オフセット、及び予め定義された向きに対するz軸の三次角度オフセットに関する情報を含む。
【0057】
実施形態では、角度オフセットは、予め定義された向きとx軸、y軸、又はz軸等の所与の軸成分との間の角度ずれを意味する。実施形態では、予め定義された向きは、軸の1つ(x軸、又はy軸、又はz軸等)が重力方向に並ぶ向きであり、一方、残りの組の軸(y軸及びz軸、又はy軸及びx軸、又はz軸及びx軸等)は、重力方向に垂直/直交する幾何(水平)平面に広がる。例えば、軸の角度オフセットは、重力方向又は水平面に対して測定することができる。
【0058】
実施形態では、位置信号は、x軸、y軸、及びz軸に沿ったモニタデバイスの相対加速度の値を含む。それにより、モニタデバイスの移動に関する情報を位置信号から又は2つ以上の位置信号から直接読み取ることができる。実施形態では、相対加速度は、モニタデバイスの移動を示す。実施形態では、相対加速度は、x軸、y軸、及びz軸に沿った重力に関する情報から計算することができる。
【0059】
実施形態では、予め定義された向きは、加速度計の予め定義された自然な向きである。実施形態では、角度オフセットは、自然な向きからのずれを示す。したがって、実施形態では、角度オフセットは、加速度計の傾斜、ひいては上記加速度計を含むモニタデバイスの傾斜を示す。モニタデバイスが、センサ組立体、特に2つ以上の検知ゾーンを含むセンサ組立体を含むベースプレート及び/又はセンサパッチに結合される実施形態では、モニタデバイスの傾斜の指示は同様に、ベースプレート及び/又はセンサパッチの傾斜/回転オフセットの指示でもある。実施形態では、プロセッサは、1つ又は複数の位置信号に基づいてオフセットパラメータを生成する。実施形態では、オフセットパラメータは、オストミーに対して生じ得る漏出の存在及び位置を通信する際、ベースプレート及び/又はセンサパッチの傾斜について補償するのに使用される。
【0060】
実施形態では、位置信号は少なくとも0.1Hzのレートでサンプリングされる。換言すれば、実施形態では、位置信号のサンプリングレートは少なくとも0.1Hzである。更に換言すれば、位置信号は、少なくとも10秒毎に取得される。位置信号のサンプリングは、位置信号が加速度計により少なくとも10秒毎に取得されることを意味する。それにより、10秒毎に、加速度計、ひいてはモニタデバイスの空間向きが評価される。実施形態では、位置信号は少なくとも1Hzのレートで、すなわち、1秒毎にサンプリングされる。実施形態では、サンプリングレートは少なくとも100Hz、又は少なくとも200Hz、又は少なくとも2000Hzである。サンプリングレートを上げることにより、モニタデバイスの空間向きのより正確な評価が得られる。実施形態では、そのようなより正確な評価は、上述したようにタップシーケンスのレジストレーションに有用である。加えて、そのようなより正確な評価は、モニタデバイスを使用して、ユーザがとったステップ、ベッドで過ごした時間、呼吸リズム、又は心拍等の活動及び/又は生理学的変化を追跡する可能性を提供する。
【0061】
実施形態では、モニタデバイスは、モニタデバイスを装着しているユーザの活動を追跡し、すなわち、動き及び可能な場合にはそのような動きの強度を監視することが可能である。換言すれば、実施形態では、モニタデバイスは、モニタデバイスの移動、ひいてはユーザの移動に関する位置信号の生成を通して、ユーザの活動を追跡する。実施形態では、活動追跡中、サンプリングレートは少なくとも100Hz、又は少なくとも200Hz、又は少なくとも2000Hzである。実施形態では、モニタデバイスは、歩行、ランニング、サイクリング、テニス等を含め、異なる活動を区別することが可能である。実施形態では、そのような異なる活動は、異なる動き、ひいては異なる活動を割り当てることができる、異なる(区別可能な)位置信号を生成する。実施形態では、活動追跡に関するデータは、オストミー装具の将来の動作状態を特定又は予測することが可能なシステムに通信することができる。換言すれば、実施形態では、システムは、漏出の可能性又はオストミー装具の接着性の検出を特定又は予測することが可能である。実施形態では、そのようなシステムは、例えば、モニタデバイスにより追跡され特定された特定の活動に起因して、漏出の可能性をユーザに警告する(例えば付属デバイスを通して)ことができる。実施形態では、活動追跡に関するデータ、例えば、特定された活動のタイプは、生成される汗の量の予測に使用される。実施形態では、予測された汗の量は、オストミー装具の将来の動作状態の特定に使用される。
【0062】
実施形態では、サンプリングレートは、例えばモニタデバイスの電力管理システムに従って調整可能である。実施形態では、サンプリングレートはモニタデバイスの電力管理モードに依存する。実施形態では、サンプリングレートは、ユーザが静止しているとモニタデバイスにより判断される場合、例えば夜間又は座っている若しくは横になっているとき、低いレートであり、例えば1Hz未満、例えば0.1Hz未満である。実施形態では、サンプリングレートは、ユーザが、日中等の活動的であるとモニタデバイスにより判断される場合、又はユーザが歩行/運動中であるとき、高いレートであり、例えば1Hz超であり、又は100Hz超、例えば2000Hzである。
【0063】
実施形態では、モニタデバイスは、有意な加速度が加速度計により測定/検出されない限り、モニタデバイス又は少なくともプロセッサが節電モードのままである(例えば、プロセッサはオフになるか、又は特定の機能がオフになるスリープモードのままである)電力管理モードを含む。実施形態では、有意な加速度とは、モニタデバイスの意図的なタップに関する加速度である。有意な加速度は、+/-0.2g超、例えば+/-0.5g超、又は+/-1g超、例えば+/-2gの加速度を意味する。したがって、有意な加速度は閾値として、例えば、例示的な加速度の1つを組み込んだ閾値として定義することができる。それにより、モニタデバイスが小さな加速度、すなわち、先に説明したように有意な加速度を定義する閾値未満の加速度のみにさらされている限り、電池は節減される。したがって、電力管理モードの実施形態では、加速度計は小さな加速度には応答せず、先に定義した有意な加速度に応答するように構成される。したがって、実施形態では、有意な加速度にさらされると、加速度計はプロセッサに節電モードを終了するように命令する。
【0064】
実施形態では、位置信号は、モニタデバイスの空間向きを示す。実施形態では、位置信号は、予め定義された自然な向きに対するモニタデバイスの空間向きを示す。位置信号は相対加速度、重力、及び/又は角度オフセット/傾斜に関する情報を含み、加速度計はモニタデバイス内部に固定されるため、モニタデバイスの空間向きを特定することができる。実施形態では、モニタデバイスの移動は、時間が隔てられた2つの位置信号間の差を計算することにより特定される。それにより、モニタデバイスの(相対)移動を追跡することができる。モニタデバイスが、センサ組立体、特に2つ以上の検知ゾーンを含むセンサ組立体を含むベースプレート及び/又はセンサパッチに結合される実施形態では、モニタデバイスの傾斜の指示は同様に、ベースプレート及び/又はセンサパッチの傾斜/回転オフセットの指示でもある。それにより、位置信号は、例えば、スマートフォン等の付属デバイスに含まれるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)等のGUIを通して、オストミーに対する生じ得る漏出の存在及び位置をユーザに通信する際、そのような傾斜を補償するのに使用されるオフセットパラメータを生成するのに使用することができる。
【0065】
実施形態では、加速度計は、重力方向に対するx軸の一次角度オフセットがゼロであり、又は重力方向に対するy軸の二次角度オフセットがゼロであり、又は重力方向に対するz軸の三次角度オフセットがゼロである予め定義された自然な向きを含む。
【0066】
自然な向きを導入/定義することにより、そのような自然な向きは、任意の傾斜/回転オフすることとの基準をなす。実施形態では、自然な向きは、デカルト座標系の軸(x、y、z)の1つが重力方向と並び、且つ残りの組の軸が重力方向に直交/垂直な幾何(水平)平面に広がる加速度計の向き、ひいてはモニタデバイスの向きである。実施形態では、自然な向きは、y軸が重力方向に並び、且つx軸及びz軸が、それにより水平である幾何平面に広がる状況として定義される。実施形態では、自然な向きは、x軸が重力方向に並び、且つy軸及びz軸が、それにより水平である幾何平面に広がる状況として定義される。実施形態では、自然な向きは、z軸が重力方向に並び、且つx軸及びy軸が、それにより水平である幾何平面に広がる状況として定義される。実施形態では、並ぶとは、各軸が重力方向に平行するが、軸方向が重力方向において正であってもよく又は負であってもよいことを意味する。実施形態では、自然な向きは、製造業者により予め定義され、それにより、製造業者又はサービス提供者が、漏出状態(漏出が発生している場所)をいかに通信するかを知れるようにする。実施形態では、自然な向きは、ユーザ等により再設定可能又は再定義可能である。
【0067】
換言すれば、自然な向きは、自然な向き又はデフォルト向きと示すことができる。
【0068】
実施形態では、加速度計は、加速度計のx軸に沿った重力が0gであり、加速度計のy軸に沿った重力が-1gである予め定義される自然な向きを含む。
【0069】
それにより、加速度計のy軸が重力方向に平行し、且つy軸の正方向が重力方向の逆である、すなわち、y軸に沿った重力が-1gである自然な向きの特定の実施形態が提供される。同様に、デカルト座標系によればx軸はy軸に直交するため、そのようなx軸に沿った重力は0gである。したがって、z軸に沿った重力も同様に0gである。実施形態では、y軸に沿った重力は+1gである。したがって、実施形態によれば、x軸及びz軸は、水平である、すなわち、重力方向及びy軸に垂直な幾何平面に広がる。したがって、重力方向は、x軸及びz軸に広がる幾何平面に垂直である。
【0070】
実施形態では、加速度計は、y軸に沿った重力が+/-1gである予め定義された自然な向きを含む。実施形態では、加速度計は、x軸に沿った重力が+/-1gである予め定義された自然な向きを含む。実施形態では、加速度計は、z軸に沿った重力が+/-1gである予め定義された自然な向きを含む。
【0071】
実施形態では、加速度計は、ユーザにより生成される移動パターンに基づいて、ユーザのオストミーに対する空間向きを特定するように構成される。実施形態では、移動パターンは、モニタデバイスを装着しているユーザにより生成される。ユーザがベースプレート及び/又はセンサパッチをストーマ周囲皮膚エリアに取り付けた場合、すなわち、センサ組立体がオストミーを少なくとも部分的に囲む場合、センサ組立体の可能な検知ゾーンがオストミーに対していかに配置されているかを知ることは難しい。大半のユーザでは、頭に向かう方向を「上」、下半身/足に向かう方向を「下」と見なすことが自然である。しかしながら、そのような用語は、ユーザが運動中、横になっている、座っている、逆立ち等しているとき、一般的な意味で曖昧と見なすことができる。したがって、オストミーに対するモニタデバイスの空間向き、したがってセンサ組立体の空間向きを特定可能なモニタデバイスが望まれる。先に開示したように、実施形態では、モニタデバイスの空間向きを知ることにより、センサ組立体(潜在的に検知ゾーンを含む)の任意の回転を推測することができる。
【0072】
実施形態では、加速度計は、モニタデバイスがベースプレート及び/又はセンサパッチに結合され、ベースプレート及び/又はセンサパッチがストーマ周囲皮膚エリアに取り付けられているとき、すなわち、ベースプレート及び/又はセンサパッチのセンサ組立体がオストミーを囲んでいるとき等、0.1Hz、又は1Hz、又は1Hz超等の特定のサンプリングレートで位置信号を生成するように構成される。各位置信号は、特定の位置信号が生成されたときのモニタデバイスの空間向きに関する情報を含む。したがって、実施形態では、特定の時間間隔にわたりサンプリングすることにより、位置信号の傾向が形成される。例えば、ユーザが、ベースプレート及び/又はセンサパッチ及びモニタデバイスを取り付けた後、歩き回る/立つ場合、傾向は、予め定義された自然な向きに対するモニタデバイスの平均角度オフセットを明らかにすることができる。実施形態では、平均角度オフセットは、自然な向きに対するベースプレート及び/又はセンサパッチのセンサ組立体の回転オフセットを示す。実施形態では、立っている/歩いているユーザにより生成される移動/位置信号のパターンは、寝たきりのユーザ及び座っているユーザと異なる。それにより、実施形態では、モニタデバイスは異なる体位を区別するように構成される。
【0073】
実施形態では、平均角度オフセットは、スマートフォン等の付属デバイスに通信される。実施形態では、付属デバイスは、センサ組立体の少なくとも2つの検知ゾーンの視覚的表現を表示するように構成されたGUIを含む。実施形態では、視覚的表現は、各検知ゾーンによりカバーされる領域の状態に関する情報を含み、状態は、液体の存在、すなわち漏出を示すことができる。実施形態では、平均角度オフセットは、ユーザのオストミーに対する視覚的表現でのセンサ組立体の物理的向きを反映するように視覚的表現、例えば、視覚的表現を生成する数学的モデルに適用される。例えば、ユーザが、傷又は皺の存在に起因して、ベースプレート及び/又はセンサパッチをわずかに回転させて装着することを好む場合、そのような回転はGUIの視覚的表現において反映される。特に、ベースプレート及び/又はセンサパッチと一体化されたネック部の存在は、そのようなネック部の接着面が傷及び/又は皺に取り付けられるのを防ぐために、ユーザにベースプレート及び/又はセンサパッチを回転させることがある。
【0074】
実施形態では、移動パターンは、予め定義される時間量中にサンプリングされる複数の位置信号を含む。実施形態では、予め定義される時間量は、複数の位置信号のサンプリングレートに依存する。実施形態では、予め定義される時間量は1分~60分であり、例えば1分~30分、例えば5分~20分、例えば10分である。実施形態では、移動パターンは、ユーザの移動から連続して生成される。実施形態では、移動パターンは、先の10分等の浮動時間量中又は先の30分等の1分~60分から選択される任意の先行時間量中にサンプリングされた複数の位置信号を含む。
【0075】
実施形態では、平均角度オフセットは、少なくとも10個の位置信号、又は少なくとも100個の位置信号、又は少なくとも500個の位置信号の計算された平均値/平均に基づく。実施形態では、平均角度オフセットは、予め定義された自然な向きに対するベースプレート及び/又はセンサパッチの回転オフセットを示す。
【0076】
実施形態では、加速度計の空間向きは、モニタデバイスがセンサ組立体に結合されている場合、上記センサ組立体の回転オフセットを示す。実施形態では、モニタデバイスは、ベースプレート又はセンサパッチのセンサ組立体に結合される。それにより、加速度計、ひいてはモニタデバイスの傾斜等の空間向きは、センサ組立体の回転オフセットを示す/対応する。実施形態では、回転オフセットは、先に開示したような自然な向き等の自然な向きに対するものである。実施形態では、加速度計の空間向きは、オストミーに対する1つ又は2つ以上等の複数の検知ゾーンの位置を示す。実施形態では、加速度計の空間向きは、加速度計の平均角度オフセットであり、したがって、上述したような複数の位置信号から得られた平均値である。
【0077】
実施形態では、プロセッサは、自然な向きからの加速度計の角度オフセットに基づいてオフセットパラメータを生成するように構成される。実施形態では、プロセッサは、位置信号及び/又はオフセットパラメータを付属デバイスに通信するように構成される。
【0078】
実施形態では、加速度計は、自然な向きからの加速度計の角度オフセットに基づいてオフセットパラメータを生成するように構成される。実施形態では、モニタデバイスは、ベースプレート又はセンサパッチのセンサ組立体に結合される。したがって、実施形態では、オフセットパラメータは、自然な向きに対するセンサ組立体の回転オフセットを示すパラメータである。実施形態では、角度オフセットは、加速度計の軸の2つに広がる幾何平面等の二次元平面に関して考慮することができ、幾何平面は、ベースプレート及び/又はセンサパッチが存在する平面と実質的に平行等するように選ばれる。
【0079】
実施形態では、オフセットパラメータは付属デバイスに通信される。実施形態では、モニタデバイスは、付属デバイスと無線通信する送受信機を含む。実施形態では、モニタデバイスは、オフセットパラメータを示す信号を付属デバイスに送信するように構成される。実施形態では、通信により、例えば、パラメータをモニタデバイスから付属デバイスに通信することは、Bluetooth接続等の無線プロトコル等に従ってパラメータを示す信号を送信することを意味する。実施形態では、付属デバイスはグラフィカルユーザインターフェースを含む。実施形態では、オフセットパラメータは、視覚的表現が、ベースプレート又はセンサパッチを介してストーマ周囲皮膚エリアに適用される物理的なセンサ組立体の回転オフセットを組み込むようなセンサ組立体の視覚的表現の生成に使用される。
【0080】
実施形態では、筐体は皮膚に面する表面を有し、加速度計のx軸及びy軸は、筐体の上記皮膚に面する表面と実質的に平行する幾何平面に広がり、加速度計のz軸は、上記幾何平面に垂直な方向に延びる。実施形態では、筐体は、モニタデバイスの空間広がり、すなわち、モニタデバイスの外形を画定する。実施形態では、モニタデバイス、ひいてはその筐体は、モニタデバイスがストーマ周囲皮膚エリアに配置されたセンサ組立体に関連するデータを取得することができるように、衣服の下でオストミーの近傍にユーザにより装着されるように構成される。したがって、実施形態では、筐体は小型且つ/又は目立たない。実施形態では、筐体は、皮膚又はベースプレート及び/又はセンサパッチのネック部と同一平面にあるように実質的に平坦である皮膚に面する表面を含む。実施形態では、実質的に平坦な皮膚に面する表面は、加速度計のx軸及びy軸に広がる幾何平面と平行し、それにより、加速度計のz軸は幾何平面に垂直である。実施形態では、筐体の実質的に平坦な皮膚に面する表面は、ベースプレート及び/又はセンサパッチに広がる幾何平面と平行して配置されるように構成される。それにより、結果として、加速度計のx軸及びy軸に広がる幾何平面は、ベースプレート及び/又はセンサパッチに広がる幾何平面と平行して配置されるように構成される。
【0081】
それにより、加速度計及び筐体は、モニタデバイスの向きの感覚をユーザに与えるのに有用な特定のジオメトリを共有する。さらに、ベースプレート及び/又はセンサパッチに広がる幾何平面が加速度計のx軸及びy軸に広がる幾何平面と平行し、加速度計(モニタデバイスの筐体に固定される)はベースプレート及び/又はセンサパッチに対して固定されるため、x軸及びy軸に広がる幾何平面における加速度計の傾斜は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの傾斜に対応する。
【0082】
実施形態では、加速度計のx軸及びz軸は、筐体の皮膚に面する表面と実質的に平行する幾何平面に広がり、加速度計のy軸は、上記幾何平面に垂直な方向に延びる。
【0083】
実施形態では、加速度計のy軸及びz軸は、筐体の皮膚に面する表面と実質的に平行する幾何平面に広がり、加速度計のx軸は、上記幾何平面に垂直な方向に延びる。
【0084】
実施形態では、加速度計のx軸、y軸、及びz軸から選択される2つの軸は、筐体の皮膚に面する表面と実質的に平行する幾何平面に広がり、選択されない加速度計の軸は、上記幾何平面に垂直な方向に延びる。
【0085】
実施形態では、装具インターフェースは、ストーマ周囲皮膚エリアを監視するように構成された少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された少なくとも2つのセンサを形成する複数の電極に結合するように構成される。実施形態では、監視は、センサが、ストーマ周囲皮膚エリアにおける排泄物等の液体の存在又はベースプレート及び/又はセンサパッチの接着層内の含水量(の増大)を検出するように構成されることを意味する。実施形態では、装具インターフェースは、対応する数の電極に接続するのに必要な数の端子を含む。実施形態では、2つの電極がセンサを形成する。実施形態では、2つのセンサは4つの電極の存在を必要とする。実施形態では、第1及び第2の電極は共通の接地を共有し、したがって、2つのセンサを形成するのに3つの電極で十分である。したがって、電極の1つが共通接地である実施形態では、装具インターフェースは、3つの電極と結合するように構成された少なくとも3つの端子を含む。少なくとも2つのセンサは、少なくとも2つの検知ゾーンに配置される。検知ゾーンは、オストミーの周囲の一次及び二次角度空間に配置された一次及び二次検知ゾーンであることができる。
【0086】
実施形態では、プロセッサは、1つ又は複数の位置信号に基づいて少なくとも2つの検知ゾーンの空間分布を特定するように構成される。実施形態では、プロセッサは、モニタデバイスが、ストーマ周囲皮膚エリアに接着したベースプレート又はセンサパッチ取り付けられている場合、オストミー等に対する1つ又は複数の位置信号に基づいて少なくとも2つのセンサの空間分布を特定するように構成される。先に開示したように、自然な向きに対するモニタデバイスの角度オフセット、ひいてはモニタデバイスがセンサ組立体に結合されている場合、センサ組立体の角度オフセットを知ることにより、少なくとも2つの検知ゾーンがオストミー周囲にいかに分布しているかを特定することが可能である。特に、センサ組立体が全体的に自然な向きに対してオストミー周囲でいかに回転しているかを知り、センサゾーンがセンサ組立体にいかに配置されているかを知ることにより、ストーマ周囲皮膚に適用された実際の空間分布を特定することが可能である。実施形態では、センサ組立体における検知ゾーンの配置は予め定義される。実施形態では、センサ組立体における検知ゾーンの配置は、製造業者により予め定義される。
【0087】
実施形態では、1つ又は複数のタスクプロファイルがモニタデバイスのメモリに記憶され、モニタデバイスには、1つ又は複数の位置信号に含まれる1つ又は複数のタップシーケンスを検出するように構成される。実施形態では、メモリは非一時的メモリである。1つ又は複数のタスクプロファイルは、ユーザにより生成され、1つ又は複数の位置信号に含まれる1つ又は複数のタップシーケンスに対応し得る。1つ又は複数の位置信号に含まれるタップシーケンスは、位置信号が、ユーザにより適用されたタップ等のモニタデバイス(加速度計)の任意の移動に関する情報を含むことを意味する。したがって、そのようなタップに起因したモニタデバイスの移動は、1つ又は複数の位置信号に含まれる。実施形態では、位置信号のサンプリングレートは、タップシーケンスを解像するために、少なくとも1Hz、又は少なくとも10Hz、又は少なくとも2000Hzである。
【0088】
例えば、タップシーケンスは、指によるモニタデバイスでの2つの短く実質的に同一のタップであることができる。そのようなタップシーケンスは、モニタデバイスのメモリに記憶された特定のタスクプロファイルと比較することができ、すなわち、特定のタスクプロファイルは、指によるモニタデバイスでの2つの短く実質的に同一のタップに対応し得る。検出されたタップシーケンスをモニタデバイスのメモリに記憶された1つ又は複数のタッププロファイルと比較することにより(すなわち、1つ又は複数の位置信号を比較することにより)、出力/動作を各タップシーケンスに割り当てることが可能である。それにより、実施形態では、ユーザは、単にモニタデバイスをタップすることによりモニタデバイスの特定の態様を制御することができる。
【0089】
実施形態では、プロセッサは、1つ又は複数のタップシーケンスの所与のタップシーケンスを1つ又は複数のタスクプロファイルと比較し、所与のタップシーケンスに関連付けられた出力を生成するように構成される。実施形態では、出力は、モニタデバイスの機能を行うように構成される。出力は、モニタデバイスの機能を行う動作を意味する。実施形態では、モニタデバイスをタップすると、それにより生じた移動が加速度計により検出され、1つ又は複数の位置信号に含まれる。実施形態では、位置信号、すなわちタップシーケンスは、1つ又は複数のタスクプロファイルと比較される。実施形態では、比較はプロセッサにより行われる。実施形態では、比較は加速度計により行われる。実施形態では、特定の出力が、記憶されているタスクプロファイルと検出されたタップシーケンスとの適合の発見に基づいて生成される。実施形態では、出力、それにより続けて生じるモニタデバイスの機能は、特定のタップシーケンスに依存する。
【0090】
実施形態では、出力は、モニタデバイスをスリープモードから起こす、ペアリングモードのアクティブ化、又はスリープモードの開始から選択される。実施形態では、出力は所与のタップシーケンスに依存する。実施形態では、出力は、例えば、適切な命令をプロセッサ、加速度計、又はモニタデバイスに含まれる他の構成要素に送信することによりモニタデバイスの機能を行う。実施形態では、モニタデバイスの機能は、スリープモードの終了/開始及びペアリングモードのアクティブ化を含む。実施形態では、モニタデバイスをスリープモードから起こすことを促すタスクプロファイルは、出力の生成を通して行われる場合、モニタデバイスのメモリに記憶される。したがって、実施形態では、モニタデバイスを第1の特定のパターン/特定の第1のタップシーケンスでタップすることにより、モニタデバイスはスリープモードから起きる。実施形態では、モニタデバイスを第2の特定のパターン/特定の第2のタップシーケンスでタップすることにより、モニタデバイスはペアリングモードを開始/アクティブ化する。実施形態では、ペアリングモードは、モニタデバイスに含まれている送受信機が、別の送受信機を含む付属デバイスと無線ペアリングするのにアクティブであるモニタデバイスのモードである。それにより、特定の第2のパターンでタップすることにより、ユーザは、無線接続を通してモニタデバイスを付属デバイスに接続することができる。実施形態では、モニタデバイスを第3の特定のパターン/特定の第3のタップシーケンスでタップすることにより、モニタデバイスはスリープモードになる。実施形態では、スリープモードは、モニタデバイスが特定の予め選択された機能をオフにすることにより電池/電力を節減する状態である。
【0091】
実施形態では、特定のタップシーケンスに応答して、モニタデバイスはフライトモードになることができ、このモードでは、無線接続がオフになる。したがって、特定のタスクプロファイルに従ってモニタデバイスをタップすることにより、無線接続をオフにして、例えば、そのような無線接続に関する規制に準拠することができる。実施形態では、モニタデバイスは、第2のタスクプロファイルに従ってモニタデバイスをタップすることによりフライトモードを終了させることができる。実施形態では、モニタデバイスの機能は、フライトモードの開始/終了を含む。
【0092】
実施形態では、上述したようにオストミーデータを取得することは、センサ組立体にモニタデバイスを結合することを通して自動的にアクティブ化されるモニタデバイスのデフォルト機能である。実施形態では、オストミーデータを取得することは、タップシーケンスを通して制御可能なモニタデバイスの機能である。
【0093】
それにより、ユーザは、単にモニタデバイスの任意の場所をタップすることによりモニタデバイスの異なる機能を制御することができ、タップは、モニタデバイスの移動を生じさせ、したがって、移動に関する/を示す情報を含む位置信号が加速度計により生成されることになる。
【0094】
実施形態では、モニタデバイスは、移動が所定の時間量にわたり検出されなかった場合、オフになるか、又はスリープモードになるように構成される。実施形態では、複数の連続した位置信号が同一である場合、モニタデバイスはオフになるか、又はスリープモードになるように構成される。実施形態では、10分等の特定の時間期間内に、取得された位置信号が同一である場合、モニタデバイスはオフになるか、又はスリープモードになるように構成される。実際には、生身の人間が、検出可能な動きを生じさせずに、すなわち、動きが加速度計により検出/検知されず、動きに関する情報が位置信号に含まれない状態で、長時間(例えば10分)にわたり加速度計を含むモニタデバイスを装着することは一般に不可能である。したがって、実施形態では、複数の位置信号が同一である(又は所定の時間量にわたりサンプリングされた複数の連続した位置信号が同一である)場合、モニタデバイスが装着されていないことを示す。実施形態では、モニタデバイスがオフになるか、又はスリープモードになる前に同一であるべき連続位置信号の数(すなわち、所定の時間量)は、ユーザ又は製造業者により指定することができる。実施形態では、モニタデバイスがオフになるか、又はスリープモードになる前に同一であるべき連続位置信号の数は、サンプリングレートに関係なく1分後にモニタデバイスをオフにすることができるように、サンプリングレートに依存する。換言すれば、サンプリングレート0.1Hzの場合、1分以内に6つの位置信号が生成され、一方、サンプリングレート1Hzの場合、1分以内に60個の位置信号が生成される。したがって、実施形態では、モニタデバイスは、同一の位置信号を含む経過時間に応じてオフになる。実施形態では、モニタデバイスは、動きが少なくとも1分間、例えば1分間、又は例えば5分間、又は例えば10分間、検出されない(すなわち、同一の位置信号である)場合、オフになるか、又はスリープモードになる。
【0095】
実施形態では、モニタデバイスは、例えば、ユーザがモニタデバイスを手動で再びオンにするまで、オフ又はスリープのままである。実施形態では、モニタデバイスがオフにされるか、又はスリープ中である場合、加速度計は定期的にウェークアップし、移動についてチェックすることができる。それにより、実施形態では、加速度計が、例えば2つの非同一位置信号の生成を通して移動を検知した場合、モニタデバイスは自動的に再びオンにすることができる。
【0096】
本発明の第2の態様によれば、オストミーに対するオストミー装具のセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法が開示される。センサ組立体は、センサ組立体に対するモニタデバイスの位置が固定されるように、モニタデバイスに結合可能である。モニタデバイスは、筐体と、筐体内に配置されたプロセッサと、モニタデバイスをセンサ組立体に結合するように構成された装具インターフェースとを含み、装具インターフェースは、センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む。さらに、モニタデバイスは、位置信号を生成するように構成された(3軸)加速度計を含む。センサ組立体は、ストーマ周囲皮膚エリアにおける液体の存在を特定するように構成された2つ以上のセンサ等の2つ以上のセンサを形成する複数の電極を含む。2つ以上のセンサは、ストーマ周囲皮膚エリアを監視等するために、少なくとも2つの検知ゾーンに配置される。さらに、センサ組立体は、モニタデバイスの装具インターフェースと結合するように構成された装具インターフェースを含む。方法は、加速度計から1つ又は複数の位置信号を取得する(例えば、センサ組立体を含むオストミー装具がストーマ周囲皮膚エリアに配置され、モニタデバイスがセンサ組立体に結合されているとき)ステップと、1つ又は複数の位置信号に基づいてセンサ組立体の回転オフセットを特定するステップとを含む。回転オフセットは、加速度計に自然な向きに対してのものである。1つ又は複数の位置信号は、加速度計の空間向き、ひいてはモニタデバイスの空間向きを示す(すなわち、加速度計の空間向き、ひいてはモニタデバイスの空間向きに関する情報を含む)。
【0097】
実施形態では、オストミー装具は、上述したようなベースプレート及び/又はセンサパッチである。したがって、オストミー装具には、ストーマ周囲皮膚エリアへの取り付けを提供する等のために、第1の接着層等の接着剤が提供される。
【0098】
それにより、特に、予め定義された自然な向きに対する回転オフセットが特定される、オストミーに対するセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法が提供される。方法は、本発明の第1の態様に関連して先に開示したモニタデバイスを利用する。したがって、モニタデバイスの先に開示した実施形態は、本明細書に開示されるオストミーに対するセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法で使用されるモニタデバイスにも同様に該当する。
【0099】
実施形態では、方法は、モニタデバイスに対するモニタデバイス/加速度計の自然な向きを定義する初期ステップを含む。実施形態では、自然な向きは、モニタデバイスに関する先に開示した実施形態に従って定義される。実施形態では、モニタデバイスの自然な向きは、例えば、予め定義された手順に従ってモニタデバイスを平面/水平面に配置することを通して、ユーザにより定義される。実施形態では、モニタデバイスの自然な向きは、製造業者により予め定義される。
【0100】
実施形態では、モニタインターフェースは、グラフィカルユーザインターフェースを含む付属デバイスと通信し、方法は、回転オフセットを付属デバイスに通信するステップと、グラフィカルユーザインターフェースに視覚的表現を生成する(例えば、付属デバイスのプロセッサにより)ステップとを更に含む。視覚的表現は、回転オフセットを組み込み、オストミーに対する少なくとも2つの検知ゾーンの位置を示す。実施形態では、付属デバイス(外部デバイスとも呼ばれる)は、スマートフォン等の携帯電話又は別のハンドヘルドデバイスである。実施形態では、付属デバイスは、個人電子デバイス、例えば、時計又は他の手首装着式電子デバイス等のウェアラブルデバイスである。実施形態では、付属デバイスはドッキングステーションである。実施形態では、ドッキングステーションは、モニタデバイスをドッキングステーションに電気的且つ/又は機械的に結合するように構成される。
【0101】
実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)は、オストミーに対する少なくとも2つの検知ゾーンの視覚的表現を表示するように構成された画面である。実施形態では、視覚的表現は、付属デバイスのアプリケーション(アプリ)に含まれる。実施形態では、視覚的表現は、ベースプレート及び/又はセンサパッチに含まれるセンサ組立体が周囲に配置された少なくとも2つの検知ゾーンのオストミーに対する位置を視覚化する。それにより、視覚的表現は、例えば、漏出が存在する可能性、すなわち、ストーマ周囲皮膚エリアにおける排泄物等の液体の存在を通信するように、ユーザのベースプレート及び/又はセンサパッチの状態をユーザに伝達する容易にアクセス可能な方法を提供する。回転オフセットを組み込んだ視覚的表現は、回転オフセットが、任意の生じうる回転オフセットを含むセンサ組立体を視覚化するような視覚的表現で実施されることを意味する。それにより、ユーザに、センサパッチを含むベースプレート及び/又はセンサパッチの理解が容易な視覚化が提供され、ユーザは、可能な漏出が発生している場所(検知ゾーン)又は接着層の水分吸収の増大/水分吸収が大きいことに起因して接着剤が弱りつつある場所(検知ゾーン)をよりよく見て理解することができる。
【0102】
実施形態では、複数の検知ゾーンが提供され、各検知ゾーンは(別個の)角度空間に広がる。実施形態では、回転オフセットは、センサ組立体/検知ゾーンの視覚化が回転オフセットにより補正されるような補正ファクタとして使用される。実施形態では、各検知ゾーンの位置は浮動し、各検知ゾーンの位置は、入力パラメータとして回転オフセットを使用する数学的モデルにより定義されることを意味する。例えば、視覚的表現は静的(視覚的表現が物理的に接着されたベースプレート及び/又はセンサパッチを反映する上記例とは対照的に、画面上で常に同じに見える)であるが、可能な漏出を示すのに使用されるデータは、視覚的表現が、例えば、ユーザの体の特徴に対して(「上」、「下」)ではなく、例えば、ベースプレート及び/又はセンサパッチのネック部及び/又はモニタデバイスに対する位置で発生しているものとして漏出を示すように回転オフセットにより補正される。この実施形態では、検知ゾーンが多いほど、よりよい感度が提供されるため、多数の複数の検知ゾーン(例えば、3以上、例えば4つ又は5つ)が視覚化を強化する。
【0103】
本発明の第3の態様では、センサ組立体及びモニタデバイスを含むオストミーシステムが提供される。モニタデバイスは、筐体と、筐体内に配置されたプロセッサと、センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む装具インターフェースと、位置信号を生成するように構成された(例えば3軸)加速度計とを含む。センサ組立体は、ストーマ周囲皮膚エリアにおける液体/水分の存在を特定等するように構成された2つ以上のセンサを形成する複数の電極を含む。2つ以上のセンサは、少なくとも2つの検知ゾーンに配置される。さらに、センサ組立体は、モニタデバイスの装具インターフェースと結合するように構成された装具インターフェースを含む。モニタデバイスは、センサ組立体と結合するように構成される。それにより、モニタデバイスは、モニタデバイスの空間向きがセンサ組立体場合対応する向きに変換されるように、センサ組立体に対して固定し得る。それにより、先に開示したモニタデバイスを利用したオストミーシステムが提供され、オストミーシステムは、モニタデバイスにおける(3軸)加速度計の提供によりセンサ組立体の回転オフセットを特定することが可能である。
【0104】
実施形態では、装具インターフェースは、組立体インターフェースと結合するように構成される。実施形態では、結合は機械的結合である。実施形態では、結合は無線結合である。無線結合の実施形態では、モニタデバイスは、センサ組立体に対して予め定義され固定された位置においてユーザ又はセンサ組立体のオストミー装具に取り付けられるように構成される。
【0105】
実施形態では、センサ組立体はオストミー装具に提供される。実施形態では、オストミー装具は、先に開示したベースプレート又はセンサパッチである。それにより、センサ組立体をユーザのストーマ周囲皮膚エリアに取り付ける、例えば接着する手段が提供される。
【0106】
実施形態では、モニタデバイスの加速度計は、予め定義された自然な向きを有し、モニタデバイスは、予め定義された自然な向きに対するセンサ組立体の回転オフセットを特定するように構成される。
【0107】
それにより、センサ組立体の回転オフセットを特定することが可能であり、ひいてはセンサ組立体に提供される2つ以上の検知ゾーンを位置特定することが可能なオストミーシステムが提供される。
【0108】
図1は、例示的なオストミーシステムを示す。オストミーシステム1は、ベースプレート4を含むオストミー装具2を含む。ベースプレート4は、オストミーパウチ(図示せず)を支持するように適合される。更に、オストミーシステム1は、モニタデバイス6及び付属デバイス8(携帯電話/スマートフォン)を含む。モニタデバイス6は、モニタデバイス6及びベースプレート4のそれぞれの第1のコネクタを介してベースプレート4に接続可能である。モニタデバイス6は、付属デバイス8と無線通信するように構成される。任意選択的に、付属デバイス8は、例えば、ネットワーク12を介してオストミーシステム1のサーバデバイス10と通信するように構成される。サーバデバイス10は、オストミー装具製造業者及び/又はサービスセンタにより動作及び/又は制御され得る。オストミーデータ又はオストミーデータに基づくパラメータデータは、モニタデバイス6を有するオストミー装具2の電極/センサから取得される。モニタデバイス6は、オストミーデータに基づいてオストミーデータ及び/又はパラメータデータを処理する。処理されたオストミーデータに基づいて、モニタデバイス6は、どのモニタデータが付属デバイス8に送信されるかを決め得る。示されるオストミーシステムでは、付属デバイス8は、携帯電話であるが、付属デバイス8は、タブレットデバイス又は腕時計若しくは他の手首装着電子デバイス等のウェアラブル等の別のハンドヘルドデバイスとして実施され得る。したがって、モニタデバイス6は、モニタデータを特定し、付属デバイス8に送信するように構成される。ベースプレート4は、オストミーパウチ(図示せず)をベースプレート(二品型オストミー装具)に結合する結合リング16の形態の結合部材14を含む。ベースプレート4は、中心点19を有するストーマ開口部18を有する。ストーマ開口部18のサイズ及び/又は形状は、通常、オストミー装具の適用前にユーザのストーマに適合するようにユーザ又は看護師により調整される。
【0109】
オストミーシステム1は、任意選択的に、オストミーシステム1の代替/追加の付属デバイスを形成するドッキングステーション20を含む。ドッキングステーション20は、モニタデバイス6をドッキングステーション20に電気的且つ/又は機械的に接続するように構成された第1のコネクタ22を含むドッキングモニタインターフェースを含む。ドッキングモニタインターフェースは、モニタデバイスをドッキングステーションに無線接続するように構成され得る。ドッキングステーション20は、ユーザ入力を受信し、且つ/又はドッキングステーション20の動作状態についてのフィードバックをユーザに提供するユーザインターフェース24を含む。ユーザインターフェース24は、タッチスクリーンを含み得る。ユーザインターフェース24は、1つ又は複数の物理的なボタン及び/又は発光ダイオード等の1つ又は複数の視覚インジケータを含み得る。
【0110】
図2は、例示的なモニタデバイスの概略ブロック図である。モニタデバイス6は、モニタデバイス筐体100、プロセッサ101及び1つ又は複数のインターフェースを含み、1つ又は複数のインターフェースは、第1のインターフェース102(装具インターフェース)及び第2のインターフェース104(付属インターフェース)を含む。モニタデバイス6は、オストミーデータ及び/又はオストミーデータに基づくパラメータデータを記憶するメモリ106を含む。メモリ106は、プロセッサ101及び/又は第1のインターフェース102に接続される。
【0111】
第1のインターフェース102は、モニタデバイス6をオストミー装具、例えばオストミー装具2に電気的且つ/又は機械的に接続する装具インターフェースとして構成される。第1のインターフェース102は、オストミー装具2(ベースプレート4)の各端子との電気接続を形成する複数の端子を含む。第1のインターフェース102は、接地端子108、第1の端子110、第2の端子112及び第3の端子114を含む。第1のインターフェース102は、任意選択的に、第4の端子116及び第5の端子118を含む。モニタデバイス6の第1のインターフェース102は、モニタデバイスとベースプレートとの解放可能な結合等の機械的接続を形成する結合部120を含む。結合部120並びに第1のインターフェース102の端子108、110、112、114、116及び118は、モニタデバイス6の第1のコネクタ(の少なくとも一部)を形成する。
【0112】
モニタデバイス6は、モニタデバイス及びその能動構成要素に給電する電力ユニット121を含み、すなわち、電力ユニット121は、プロセッサ101、第1のインターフェース102、第2のインターフェース104及びメモリ106に接続される。電力ユニットは、電池及び充電回路を含む。充電回路は、電池及び第1のインターフェース102の端子に接続されて、第1のインターフェースの端子、例えば第1のコネクタの端子を介して電池を充電する。
【0113】
モニタデバイスの第2のインターフェース104は、付属デバイス8等の1つ又は複数の付属デバイスにモニタデバイス6を接続する付属インターフェースとして構成される。第2のインターフェース104は、付属デバイスと無線通信するように構成されたアンテナ122及び無線送受信機124を含む。任意選択的に、第2のインターフェース104は、オーディオ信号及び/又は触覚フィードバックをユーザにそれぞれ提供するラウドスピーカ126及び/又は触覚フィードバック要素128を含む。
【0114】
モニタデバイス6は、プロセッサ101に接続された3軸加速度計540を含む。
【0115】
プロセッサ101は処理方式を適用するように構成され、第1のインターフェース102(装具インターフェース)は、第1のインターフェースに結合されたベースプレート及び/又はセンサパッチからオストミーデータを収集するように構成され、オストミーデータは、オストミー装具の漏出電極からの漏出オストミーデータを含む。オストミーデータは任意選択的に、ベースプレート及び/又はセンサパッチの第1の電極対からの第1のオストミーデータ、ベースプレート及び/又はセンサパッチの第2の電極対からの第2のオストミーデータ、及び/又はベースプレート及び/又はセンサパッチの第3の電極対からの第3のオストミーデータを含む。オストミーデータは、パラメータデータを得るために、メモリ106に記憶し、且つ/又はプロセッサ101において処理することができる。パラメータデータは、メモリ106に記憶することができる。プロセッサ101は、処理方式を適用するように構成され、処理方式を適用することは、一次漏出オストミーデータに基づいて一次漏出パラメータデータを取得することと、二次漏出オストミーデータに基づいて二次漏出パラメータデータを取得することと、三次漏出オストミーデータに基づいて三次漏出パラメータデータを取得することとを含む。任意選択的に、処理方式は、第1のオストミーデータに基づいて第1のパラメータデータを取得することと、第2のオストミーデータに基づいて第2のパラメータデータを取得することと、第3のオストミーデータに基づいて第3のパラメータデータを取得することとを含む。換言すれば、プロセッサ101は、第1、第2、及び第3のオストミーデータにそれぞれ基づいて第1、第2、及び第3のパラメータデータを取得するように構成することができる。処理方式を適用することは、一次漏出パラメータデータ、二次漏出パラメータデータ、及び三次漏出パラメータデータの1つ又は複数、例えば全てに基づいてオストミー装具のベースプレート及び/又はセンサパッチの動作状態を特定することを含み、動作状態は、オストミー装具の検知ゾーンにおける緊急の漏出リスクを示す。モニタデバイス6は、動作状態が一次漏出動作状態であるとの特定に従って、第2のインターフェースを介して、ベースプレート及び/又はセンサパッチの一次漏出動作状態を示すモニタデータを含む一次漏出モニタ信号を送信し、動作状態が二次漏出動作状態であるとの特定に従って、第2のインターフェースを介して、ベースプレート及び/又はセンサパッチの二次漏出動作状態を示すモニタデータを含む二次漏出モニタ信号を送信するように構成される。モニタデバイス6は、動作状態が三次漏出動作状態であるとの特定に従って、第2のインターフェースを介して、ベースプレート及び/又はセンサパッチの三次漏出動作状態を示すモニタデータを含む三次漏出モニタ信号を送信するように構成することができる。
【0116】
図3は、オストミー装具の例示的なベースプレートの分解組立図を示す。ベースプレート4は、ストーマ開口部18Aを有する第1の接着層200を含む。使用中、第1の接着層200の近位面は、ストーマ周囲エリアにおけるユーザの皮膚、及び/又は封止ペースト、封止テープ、及び/又は封止リング等の追加の封止に付着する。ベースプレート4は、任意選択的に、ストーマ開口部18Bを有する、リム接着層とも示される第2の接着層202を含む。ベースプレート4は、電極組立体204に配置された複数の電極を含む。電極組立体204は、第1の接着層200と第2の接着層202との間に配置される。電極組立体204は、ストーマ開口部18Cを有する支持層及び支持層の近位面に形成された電極を含む。ベースプレート4は、ベースプレート4を皮膚に適用する前にユーザにより剥がされる剥離ライナー206を含む。ベースプレート4は、ストーマ開口部18Dを有する上層208と、オストミーパウチをベースプレート4に結合する結合リング209とを含む。上層208は、使用中、第2の接着層202を外部歪み及び応力から保護する保護層である。
【0117】
ベースプレート4は、モニタインターフェースを含む。モニタインターフェースは、オストミー装具(ベースプレート4)をモニタデバイスに電気的且つ/又は機械的に接続するように構成される。ベースプレートのモニタインターフェースは、モニタデバイスとベースプレートとの間の解放可能な結合等の機械的接続を形成する結合部210を含む。結合部210は、モニタデバイスの結合部と係合して、モニタデバイスをベースプレート4に解放可能に結合するように構成される。更に、ベースプレート4のモニタインターフェースは、モニタデバイスの各端子と電気接続を形成する複数の端子212をそれぞれ形成する複数の端子を含む。結合部210及び端子212は、ベースプレート4の第1のコネクタ211を形成する。ベースプレート4は、電極組立体の近位側に第1の中間要素213を含む。第1の中間要素213は、端子212を形成する端子要素と第1の接着層(図示せず)との間に配置される。第1の中間要素213は、軸方向において見たとき、ベースプレート4の端子212を形成する端子要素を覆い、ベースプレートの端子要素からの機械的応力から第1の接着層を保護する。
【0118】
上述したように、示されるベースプレート4の幾つかの部分は、既存のベースプレートに適用される別個のパッチとして提供され得、例えば上述した構成要素の1つ又は複数を含み得、それにより上述したベースプレート4のようなベースプレートを提供等する。例えば、例えば電極組立体204、第1のコネクタ211、第1の中間要素213、第1の接着層200及び剥離ライナー206を含むセンサパッチ700を提供し得る。更に、センサパッチ700は、第2の接着層202及び/又は上層208を含むこともできる。ユーザが、ベースプレートの層に、センサパッチ700が適用される穴を提供し得、それによりセンサパッチ700の第1のコネクタ211をベースプレートの層を通って突出させ、そこにセンサパッチ700を適用できるようにすることが考えられ得る。代替的に、センサパッチ700は、第1のコネクタ211がベースプレートの周縁外に位置するようにベースプレートに適用し得る。
【0119】
図4は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの例示的な電極組立体204の分解組立図を示す。電極組立体204は、遠位側204A及び近位側204Bを有する。電極組立体は、近位面214Bを有する支持層214と、電極216とを含み、電極216は、接地電極、第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極及び第5の電極を含み、各電極は、電極216をモニタインターフェースの各端子要素に接続する各接続部217を有する。電極216は、支持層214の近位側214Bに形成される等、提供され、例えば、電極216は、支持層の近位側214Bに位置し得る。更に、電極組立体204は、近位面218Bを有し、ベースプレート及び/又はセンサ組立体部分の第1の接着層から電極216の電極部を絶縁するように構成されたマスキング要素218を含む。マスキング要素218は、軸方向において見たとき、電極216の部分を覆うか又はそれと重なる。
【0120】
図5は、第1の接着層及び剥離ライナーがないベースプレートのベースプレート部分及び/又はセンサパッチの近位面の近位図である。ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は、電極組立体の近位側、すなわち電極組立体204と第1の接着層(図示せず)との間に第1の中間要素213を含む。第1の中間要素213は、軸方向において見たとき、ベースプレート4の端子要素を覆い、ベースプレート及び/又はセンサパッチの端子要素からの機械的応力から第1の接着層を保護する。
【0121】
図6は、電極組立体204の電極216の例示的な電極構成220の遠位図である。電極組立体204の電極構成220等の電極組立体204は、接地電極222、第1の電極224、第2の電極226、第3の電極228、第4の電極230及び第5の電極232を含む。接地電極222は、接地接続部222Aを含み、第1の電極224は、第1の接続部224Aを含む。第2の電極226は、第2の接続部226Aを含み、第3の電極228は、第3の接続部228Aを含む。第4の電極230は、第4の接続部230Aを含み、第5の電極232は、第5の接続部232Aを含む。
【0122】
第4の電極(第2の漏出電極)230は第4の検知部230Bを含む。第5の電極(第3の漏出電極)232は第5の検知部232Bを含む。
【0123】
接地電極222は、第1の電極224の接地又は基準を形成する第1の電極部234を含む。接地電極222は、第2の電極226の接地又は基準を形成する第2の電極部236を含む。接地電極222は、第3の電極228の接地又は基準を形成する第3の電極部238を含む。マスキング要素218は、電極222、224、226、228の近傍に配置され、電極の部分を覆って第1の接着剤から絶縁し、電極222、224、226、228の各導体部を形成する。マスキング要素219によって覆われない電極222、224、226、228の部分は、第1の接着層に接触し、電極224、226、228のそれぞれの検知部224B、226B、228Bを形成する。さらに、電極部234、236、238は、接地電極222の検知部を形成する。
【0124】
第1の検知部224Bは、中心点19から第1の半径方向距離R1においてストーマ開口部の周りを少なくとも330度円形に延び、図11も参照のこと。第1の半径方向距離R1は14mmである。第1の電極部234は、第1の検知部の内部(すなわち、中心点のより近く)に配置され、第1の検知部から第1の接地距離RG1(中心点から半径方向に)においてストーマ開口部の周囲の少なくとも330度に円形に延びる。第1の接地距離RG1は約1mmである。
【0125】
第2の検知部226Bは、中心点19から第2の半径方向距離R2においてストーマ開口部の周りを少なくとも330度円形に延びる。これもまた図11参照のこと。第2の半径方向距離R2は18mmである。第2の電極部236は、第2の検知部226Bの内部(すなわち、中心点のより近く)に配置され、第2の検知部226Bから第2の接地距離RG2(中心点から半径方向に)においてストーマ開口部の周囲の少なくとも330度に円形に延びる。第2の接地距離RG2は約1mmである。
【0126】
第3の検知部228Bは、中心点19から第3の半径方向距離R3においてストーマ開口部の周りを少なくとも330度円形に延びる。これもまた図11参照のこと。第3の半径方向距離R3は約26mmである。第3の電極部238は、第3の検知部228Bの内部(すなわち、中心点のより近く)に配置され、第3の検知部228Bから第3の接地距離RG3(中心点から半径方向に)においてストーマ開口部の周囲の少なくとも330度に円形に延びる。第3の接地距離RG3は約1mmである。
【0127】
接地電極222は、第4の電極230及び第5の電極232の接地又は基準を形成する第4の電極部240を含む。接地電極の第4の電極部240は、第1の漏出電極を形成する。接地電極222の第4の電極部240は、ストーマ開口部の周囲に少なくとも300度にわたって延び、接地検知部222Bを含む。第4の検知部230B、第5の検知部232B、及び第4の電極部240の接地検知部は、中心点から漏出半径において中心点19の周囲に円形に分布する。第4の検知部230B、第5の検知部232B、及び第4の電極部の接地検知部は、1.5mm~3.0mmの範囲等の1.0mmよりも大きい、例えば約2.0mmの半径方向広がりを有し得る。第4の検知部230B、第5の検知部232B、及び第4の電極部240の接地検知部は、2.5mm~5.0mmの範囲等の1.0mmよりも大きい、例えば約3.5mmの円周方向広がり(半径方向に垂直)を有し得る。1つ又は複数の例示的なベースプレート及び/又はセンサパッチでは、電極224、226、228及び電極部234、236、238は、電極構成/電極組立体から省き得る。
【0128】
図7は、例示的なマスキング要素の遠位図である。マスキング要素218は、任意選択的に、6つの端子開口部を含む複数の端子開口部を有する。複数の端子開口部は、接地端子開口部242、第1の端子開口部244、第2の端子開口部246、第3の端子開口部248、第4の端子開口部250及び第5の端子開口部252を含む。マスキング要素218の端子開口部242、244、246、248、250、252は、電極組立体の電極の各接続部222A、224A、226A、228A、230A、232Aに重なり、且つ/又は位置合わせされるように構成される。
【0129】
マスキング要素218は複数のセンサ点開口部を有する。センサ点開口部は、点線254内に示される一次センサ点開口部を有し、各一次センサ点開口部は、接地電極(第1の漏出電極)222の部分及び/又は第4の電極(第2の漏出電極)230の部分に重なるように構成される。一次センサ点開口部254は、図示の例示的なマスキング要素では、それぞれが接地電極(第1の漏出電極)222の各検知部に重なるように構成された5つの一次センサ点開口部254Aを有する。一次センサ点開口部254は、図示の例示的なマスキング要素では、それぞれが第4の電極(第2の漏出電極)230の各検知部に重なるように構成された4つの一次センサ点開口部254Bを有する。センサ点開口部は、点線256内に示される二次センサ点開口部を有し、各二次センサ点開口部は、第4の電極(第2の漏出電極)230の部分及び/又は第5の電極(第3の漏出電極)232の部分に重なるように構成される。二次センサ点開口部256は、図示の例示的なマスキング要素では、それぞれが第5の電極(第3の漏出電極)232の各検知部に重なるように構成された5つの二次センサ点開口部256Aを有する。二次センサ点開口部256は、図示の例示的なマスキング要素では、それぞれが第4の電極(第2の漏出電極)230の各検知部に重なるように構成された4つの二次センサ点開口部256Bを有する。センサ点開口部は、点線258内に示される三次センサ点開口部を有し、各三次センサ点開口部は、第5の電極(第3の漏出電極)232の部分及び/又は接地電極(第5の漏出電極)222の部分に重なるように構成される。三次センサ点開口部258は、図示の例示的なマスキング要素では、それぞれが第5の電極(第3の漏出電極)232の各検知部に重なるように構成された5つの三次センサ点開口部258Aを有する。三次センサ点開口部258は、図示の例示的なマスキング要素では、それぞれが接地電極(第1の漏出電極)222の各検知部に重なるように構成された4つの三次センサ点開口部258Bを有する。センサ点開口部254A、254B、256A、256B、258A、258Bは、中心点19から約30mmの漏出半径に円形に配置される。
【0130】
図8は、例示的な第1の接着層の遠位図である。第1の接着層200は、複数のセンサ点開口部を有する。第1の接着層のセンサ点開口部は、点線260内に示される一次センサ点開口部を含み、各一次センサ点開口部は、電極組立体の接地電極222の部分及び/又は第4の電極230の部分に重なるように構成される。一次センサ点開口部は、示される例示的な第1の接着層では、接地電極222の各検知部分に重なるようにそれぞれ構成された5つの一次センサ点開口部260Aを含む。一次センサ点開口部は、示される例示的な第1の接着層では、第4の電極230の各検知部分に重なるようにそれぞれ構成された4つの一次センサ点開口部260Bを含む。第1の接着層のセンサ点開口部は、点線262内に示される二次センサ点開口部を含み、各二次センサ点開口部は、電極組立体の第4の電極230の部分及び/又は第5の電極232の部分に重なるように構成される。二次センサ点開口部は、示される例示的な第1の接着層では、第5の電極232の各検知部分に重なるようにそれぞれ構成された5つの二次センサ点開口部262Aを含む。二次センサ点開口部は、示される例示的な第1の接着層では、第4の電極230の各検知部分に重なるようにそれぞれ構成された4つの二次センサ点開口部262Bを含む。第1の接着層のセンサ点開口部は、点線264内に示される三次センサ点開口部を含み、各三次センサ開口部は、電極組立体の第5の電極232の部分及び/又は接地電極222の部分に重なるように構成される。三次センサ点開口部は、示される例示的な第1の接着層では、第5の電極232の各検知部分に重なるようにそれぞれ構成された5つの三次センサ点開口部264Aを含む。三次センサ点開口部は、示される例示的な第1の接着層では、接地電極222の各検知部分に重なるようにそれぞれ構成された4つの三次センサ点開口部264Bを含む。
【0131】
図9は、図8の第1の接着層の近位図である。センサ点開口部260A、260B、262A、262B、264A、264Bは、中心点から約30mmの漏出半径に円形に配置される。
【0132】
図10は、ベースプレート4の部分及び/又はセンサパッチ700のより詳細な遠位図である。ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は、モニタインターフェースを含む。モニタインターフェースは、第1のコネクタ211を含む。第1のコネクタ211は、モニタデバイスをベースプレート及び/又はセンサパッチに解放可能に結合し、それにより解放可能な結合を形成するように構成される結合部210を含む。モニタインターフェースの第1のコネクタ211は、モニタデバイスの各端子との各電気接続を形成する各端子要素により形成された複数の端子を含む。
【0133】
モニタインターフェースの第1のコネクタ211の複数の端子は、接地端子282Aを形成する接地端子要素282、第1の端子284を形成する第1の端子要素284、第2の端子286Aを形成する第2の端子要素286及び任意選択的に第3の端子288Aを形成する第3の端子要素288を含む。モニタインターフェースは、任意選択的に、第4の端子290Aを形成する第4の端子要素290及び/又は第5の端子292Aを形成する第5の端子要素292を含む。端子要素282、284、286、288、290、292は、電極222、224、226、228、230、232の各接続部222A、224A、226A、228A、230a、232Aに接触する。
【0134】
ベースプレート及び/又はセンサパッチにおける第1のコネクタの位置、結合部における端子の数及び端子の位置は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの電極組立体で使用される電極構成に適合することができる。例えば、図11に示される電極構成220Aを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの第1のコネクタは、電極の接続部222A、224A、226A、228Aにそれぞれ接続される4つの端子を含み、図12に示される電極構成220Bを有するベースプレート及び/又はセンサパッチの第1のコネクタは、電極の接続部222A、224A、226Aにそれぞれ接続される3つの端子を有する。
【0135】
第1のコネクタは、ベースプレート及び/又はセンサパッチのネック部に配置することができる。ネック部は、第1及び/又は第2の接着層の一体部分であることができ、ストーマ開口部から半径方向に離れて延びる。したがって、ネック部は、ユーザの皮膚に接着するように構成される。
【0136】
図11は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの図6の例示的な電極構成220の遠位図である。電極構成220は、第1の漏出電極222、第2の漏出電極230、及び第3の漏出電極232を含む。漏出電極222、230、232は、3つの検知ゾーン(図示の例では3つの角度検知ゾーン)である一次検知ゾーン400、二次検知ゾーン402、及び三次検知ゾーン404における第1の接着層の近位側における流体の存在を検出するように構成される。一次検知ゾーン400は、中心点19から第1の方向406と第2の方向408との間の一次角度空間に配置され、一次角度空間は120°の一次角度V1に広がる。二次検知ゾーン402は、中心点19から第2の方向408と第3の方向410との間の二次角度空間に配置され、二次角度空間は120°の二次角度V2に広がる。三次検知ゾーン404は、中心点19から第3の方向410と第1の方向406との間の三次角度空間に配置され、三次角度空間は120°の三次角度V3に広がる。
【0137】
第1の漏出電極222は、一次検知ゾーン400に配置された5つの一次検知部222Dと、三次検知ゾーン404に配置された4つの三次検知部222Eとを含む。各一次検知部222Dは、マスキング要素218の各一次センサ点開口部254A(図7参照)と位置合わせされる。さらに、各一次検知部222Dは、第1の接着層200の各一次センサ点開口部260A(図8参照)と位置合わせされる。第1の漏出電極222の各三次検知部222Eは、マスキング要素218の各三次センサ点開口部258B(図7参照)と位置合わせされる。さらに、第1の三次検知部222Eはそれぞれ、第1の接着層200の各三次センサ点開口部264B(図8参照)と位置合わせされる。
【0138】
第2の漏出電極230は、一次検知ゾーン400に配置された4つの一次検知部230Dと、二次検知ゾーン402に配置された4つの二次検知部230Eとを含む。各一次検知部230Dは、マスキング要素218の各一次センサ点開口部254B(図7参照)と位置合わせされる。さらに、各一次検知部230Dは、第1の接着層200の各一次センサ点開口部260B(図8参照)と位置合わせされる。各二次検知部230Eは、マスキング要素218の各二次センサ点開口部256B(図7参照)と位置合わせされる。さらに、各二次検知部230Eは、第1の接着層200の各二次センサ点開口部262B(図8参照)と位置合わせされる。
【0139】
第3の漏出電極232は、二次検知ゾーン402に配置された5つの二次検知部232Dと、三次検知ゾーン404に配置された5つの三次検知部232Eとを含む。各二次検知部232Dは、マスキング要素218の各二次センサ点開口部256A(図7参照)と位置合わせされる。さらに、各二次検知部232Dは、第1の接着層200の各二次センサ点開口部262A(図8参照)と位置合わせされる。各三次検知部232Eは、マスキング要素218の各三次センサ点開口部258A(図7参照)と位置合わせされる。さらに、各三次検知部232Eは、第1の接着層200の各三次センサ点開口部264A(図8参照)と位置合わせされる。
【0140】
検知部222D、222E、230D、230E、232D、232Eは、中心点から約30mmの漏出半径RLに円形に配置される。
【0141】
図12は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの例示的な電極構成220Aの遠位図である。電極構成220は、第1の漏出電極222、第2の漏出電極230、及び第3の漏出電極232を含む。漏出電極222、230、232は、2つの角度検知ゾーンである一次検知ゾーン400及び二次検知ゾーン402における第1の接着層の近位側における流体の存在を検出するように構成される。一次検知ゾーン400は、中心点19から第1の方向406と第2の方向408との間の一次角度空間に配置され、一次角度空間は約185°の一次角度V1に広がる。二次検知ゾーン402は、中心点19から第2の方向408と第1の方向406との間の二次角度空間に配置され、二次角度空間は約175°の二次角度V2に広がる。
【0142】
第1の漏出電極222は、一次検知ゾーン400に配置された一次検知部222Dと、二次検知ゾーン402に配置された二次検知部222Fとを含む。第2の漏出電極230は、一次検知ゾーン400に配置された一次検知部230Dを含む。第3の漏出電極232は、二位検知ゾーン402に配置された二次検知部232Dを含む。各一次検知部222D、230Dは、マスキング要素219(図13参照)の各一次センサ点開口部及び第1の接着層201(図14参照)の各一次センサ点開口部と位置合わせされる。検知部222D、222F、230D、及び232Dは、中心点から約30mmの漏出半径RLに円形に配置される。
【0143】
図13は、図12の電極構成220Aのマスキング層219の遠位図である。マスキング層219は、一次センサ点開口部254及び二次センサ点開口部256を含む。図14は、別個の角度空間に配置された2つの検知ゾーンを有するベースプレート及び/又はセンサパッチを実施する図12の電極構成220Aでの第1の接着層201の遠位図である。マスキング層201は、一次センサ点開口部260及び二次センサ点開口部262を含む。
【0144】
図15は、ベースプレート及び/又はセンサパッチの例示的な電極構成220Bの遠位図である。電極構成220Bは、第1の漏出電極222、第2の漏出電極230、第3の漏出電極232、第4の漏出電極412、及び第5の漏出電極414を含む。漏出電極222、230、232、412、414は、4つの角度検知ゾーン400、402、404、416における第1の接着層の近位側の流体の存在を検出するように構成される。一次検知ゾーン400は、約85°の一次角度V1に広がる一次角度空間に配置される。二次検知ゾーン402は、約95°の二次角度V2に広がる二次角度空間に配置される。三次検知ゾーン404は、約95°の三次角度V3に広がる三次角度空間に配置される。四次検知ゾーン416は、約85°の四次角度V4に広がる四次角度空間に配置される。
【0145】
2、3、及び4つの検知ゾーンを有する例示的なベースプレート及び/又はセンサパッチ部分についてより詳細に説明したが、ベースプレート及び/又はセンサパッチは、1つ又は5、6、7、8、若しくは9以上の検知ゾーン等のより多数の検知ゾーンを含むこともできる。
【0146】
図16は、オストミーを囲むように構成されたストーマ開口部18から半径方向に離れて延びるネック部510を含む概略的なベースプレート4及び/又はセンサパッチ700に結合された3軸加速度計540を含む概略的なモニタデバイス6を示す。3軸加速度計540は、相互に直交するx軸、y軸、及びz軸により示されるように、三次元空間(デカルト座標系)に広がる。方向z軸は、x軸及びy軸に広がる幾何平面に垂直である。換言すれば、加速度計は、x軸、y軸、及びz軸に広がる三次元空間において、加速度等の移動を測定することが可能である。特に、加速度計は位置信号を生成するように構成される。位置信号は、加速度計540、ひいてはモニタデバイス6の空間向きに関する情報を含む。重力方向gは、「下」を指して示されている。実施形態では、x軸、y軸、及びz軸は、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700に対する局所座標系を形成する/に広がる。これらの場合、x軸、y軸、及びz軸は、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700に対して固定され、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の回転は、x軸、y軸、及びz軸の回転に対応する。したがって、重力方向gは、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の向き変更に応答してx軸、y軸、及びz軸に対して変化する(例えば、図17に示される)。特定の構成では、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は一般に、加速度計のx軸及びy軸に広がる幾何平面と平行する幾何平面に広がる。代替的には、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は一般に、加速度計の軸の2つに広がる幾何平面と平行する幾何平面に広がる。
【0147】
モニタデバイス6は、3つの検知ゾーン500、502、504を含むベースプレート4及び/又はセンサパッチ700に結合される。検知ゾーンは、先に開示され、例えば図11図12、及び図15に示されるように、電極の適切な配置を通して提供される。ユーザが、例えば、任意の個人の好み及び/又は皮膚のひだ/傷の存在を考慮に入れて、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700を自由に適用することができることに起因して、ネック部510は、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700が配置されるように構成されたオストミーの周囲で任意の位置をとることができる(すなわち、360°円に沿って)。本図では、ネック部510は、重力方向gに逆且つ平行する方向においてベースプレート4及び/又はセンサパッチ700から延びる。
【0148】
本発明の実施形態によれば、モニタデバイス6は、2つ以上の検知ゾーン(例えば、検知ゾーン500、502、504)を含むセンサ組立体のどのゾーンで、可能な漏出が発生しているかの通信を提供する。本発明の実施形態によれば、モニタデバイス6は、位置信号を生成するように構成された3軸加速度計540を含む。ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700はモニタデバイス6に結合されるため、加速度計540を有するモニタデバイス6を提供することにより、モニタデバイス6、ひいてはベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の空間向きを特定することが可能である。換言すれば、モニタデバイス6に結合されたベースプレート4及び/又はセンサパッチ700により、モニタデバイス6の任意の回転又は空間向きは、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の同様の回転/空間向きに反映される。
【0149】
加速度計540の自然な向きNを定義することにより、この自然な向きからの任意のずれ/角度オフセットを特定することが可能である。実施形態では、自然な向きNは、大域x’軸、y’軸、及びz’軸を含む大域座標系に関連して定義することができる。これらの場合、x’軸、y’軸、及びz’軸は、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の回転に対して固定される。加えて、例えば、自然な向きNは、y’軸に沿った重力が-1gであり、x’軸及びz’軸に沿った重力が0gである向きであることができる。そのような定義によれば、加速度計540は、y軸(加速度計の局所座標系の)がy’軸及び重力方向gと平行し、したがって、x軸がx’軸と平行し、重力方向gと垂直に配置され、したがって、水平である場合、自然な向きにある。y’軸では-1gである重力は、y’軸の方向の結果であり、したがって、y’軸の方向が、例えば定義問題により反転する場合、正(+1g)であることができる。代替的には、自然な向きNは、重力方向gに対するx’軸の角度オフセットがゼロであるか、又は重力方向gに対するy’軸の角度オフセットがゼロであるか、又は重力方向gに対するz’軸の角度オフセットがゼロである向きとして定義することができる。図16では、自然な向きNは、1本はy’軸及び重力方向gに平行し、1本はx’軸に平行し、重力方向gに垂直な1組の交差する破線により示されている。
【0150】
図16では、加速度計540の向き、ひいては局所座標系(すなわち、x軸、y軸、及びz軸)、モニタデバイス、及び結合されたベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の向きは、予め定義された自然な向きNと並ぶことがわかる(例えば、y軸は、重力方向g及び大域座標系のy’軸と平行し、したがって、y軸に沿った重力は-1gである)。したがって、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の角度オフセット又は回転オフセットは、ゼロであると言うことができる。実施形態では、そのような回転オフセットは、スマートフォンのアプリケーション(アプリ)等のグラフィカルユーザインターフェースに物理的なベースプレート及び/又はセンサパッチを視覚的に表示/反映するように、スマートフォン等の付属デバイスに通信することができる(例えば、無線プロトコルに従って回転オフセットを示す信号を送信することにより)。特に、物理的なベースプレート及び/又はセンサパッチの視覚的表現は、可能な漏出が発生している場所(検知ゾーン)の通信に役立つ。
【0151】
図17は、図16に関連して先に考察したモニタデバイス6と結合された、回転した(自然な向きNから)ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700を示す。加速度計540の軸は、自然な向きN及び大域座標系からずれて示されている。これを強調するために、加速度計540のx軸及びy軸は、自然な向きNの表現上に並進移動されている。ここでは、ここでは回転した加速度計540のy軸がいかに、重力方向gと平行する方向(すなわち、y’軸)から角度(角度オフセット)W1だけ回転し、ここでは回転した加速度計540のx軸がいかに、重力方向gに垂直な方向(すなわち、x’軸)から同じ角度(角度オフセット)W1だけ回転したかが容易に見られる。
【0152】
実施形態では、モニタデバイス6は、x軸、y軸、及びz軸で測定された加速度の総和が1gに等しくなり、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700が移動を止めたと判断すると、加速度計540からの測定値に基づいてW1を計算する。その他の特定の場合、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の移動に起因した加速度及び加速度計540により検知された対応する測定値は、W1の誤計算に繋がり得る。追加又は代替として、加速度計540からの測定値は、モニタデバイス6により付属デバイス8に送信され、付属デバイス8はW1を計算する。
【0153】
特定の実施形態では、W1は、z軸が自然な向きのz’軸に対して非ゼロである場合であっても、x-y平面における回転角度であり、z’軸に対するz軸の角度は、x-y平面においてW1を計算するために、1gからz軸で測定された加速度を差し引くことにより無視される。
【0154】
換言すれば、図17は、予め定義された自然な向きN/大域座標系に対して角度W1だけ傾斜/オフセットされた加速度計540の向き、ひいてはモニタデバイス6及び結合されたベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の向きを示す。したがって、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の角度オフセット又は回転オフセットはW1であると言うことができる。実施形態では、そのような回転オフセットは、スマートフォンのアプリケーション(アプリ)等のGUIにおいて物理的なベースプレート及び/又はセンサパッチを視覚的に表示/反映するように、スマートフォン等の付属デバイスに通信することができる。特に、物理的なベースプレート及び/又はセンサパッチの視覚的表現は、可能な漏出が発生している場所(検知ゾーン)をユーザに通信するのに役立つ。
【0155】
ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700が、予め定義された自然な向きNに対する角度W1だけ回転したことが検出されるとき又は場合、そのような角度W1は視覚的表現に組み込まれる。ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700にはネック部510が提供されるため、ユーザは、視覚的表現を自身の体に及びこの逆に容易に置き換えることができる。換言すれば、ネック部510は、恐らくは略円形のベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の対称性を破る。対称性を破ることにより、ネック部510は、可能な漏出が発生している場所(検知ゾーン)を特定する際、ユーザの基準点をなすことができる。付属デバイスのGUIにおける視覚的表現が、ここではW1である回転オフセットを組み込む場合、ユーザは、ベースプレート及び/又はセンサパッチ及び可能な漏出が発生している場所についてのよりよい空間理解を得る。
【0156】
図18Aは、上述したモニタデバイス6に結合されたベースプレート4及び/又はセンサパッチ700を装着している人物499を示す。ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は、3つの角度的に離間された検知ゾーン500、502、及び504を含む。なお、検知ゾーンの隔たりは破線で示されているが、実際には、検知ゾーンは、例えば図11図12、及び図15に示されるように、電極の特定の配置に起因して離間される。ベースプレート及び/又はセンサパッチのネック部510は、重力方向gと平行する方向においてストーマ開口部18から半径方向に離れて延びるように見える。モニタデバイス6は加速度計540を含む。加速度計540の自然な向きNは、先に開示した定義に従って定義されている。自然な向きNのこの定義によれば、加速度計のy軸は重力方向gと平行し(換言すれば、y軸に沿った重力は-1gである)、x軸は重力方向gに垂直である(換言すれば、x軸に沿った重力は0gである)ため、示されるように、モニタデバイス6、ひいてはベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は回転オフセットを含まない。
【0157】
したがって、実施形態によれば、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の視覚的表現は、図18Bに示されるように、いかなる回転オフセットも含まない。
【0158】
図18Bは、画面等のGUI8aを含む付属デバイス8(スマートフォン)を示す。GUI8aは、ユーザの体に適用された(図18A参照)ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の視覚的表現8bを示すように構成される。特に、視覚的表現は、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の検知ゾーン(図18Aにおける参照番号500、502、及び504)を示す。検知ゾーンは、リングセグメント500a、502a、504aにより示すことができる。示されるように、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の検知ゾーン500、502、504は、視覚的表現8bにそのまま置き換える。特に、視覚的表現8bは、「上」及び「下」が付属デバイス8の自然な向き又は使用される付属デバイス8の向きの共通理解に従うように向けられる。換言すれば、視覚的表現8bの向きは、付属デバイス8の通常の理解に従う。更に換言すれば、視覚的表現8bの向きは、付属デバイス8の向きに従う。例えば、付属デバイス8がスマートフォンである場合、縦向きでは、重力方向はスマートフォンの長手方向、例えば長辺と平行すると見なすことができる。同様に、スマートフォンの横向きでは、重力方向は、スマートフォンの短辺と平行すると見なすことができる。そのような向きは、スマートフォンの機能の通常の理解に従う。特定の視覚的表現が説明されたにも拘わらず、漏出状態の表現を提供することが可能な他の同等等の視覚的表現を含め、他の視覚的表現を利用することも可能なことが理解されよう。
【0159】
図19Aは、上述したモニタデバイス6に結合されたベースプレート4及び/又はセンサパッチ700を装着している人物499を示す。ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は、3つの角度的に離間された検知ゾーン500、502、及び504を含む。ベースプレート及び/又はセンサパッチのネック部510は、重力方向gから傾斜/ずれる方向においてストーマ開口部18から半径方向に離れて延びるように見える。モニタデバイス6は加速度計540を含む。加速度計540の自然な向きNは、先に開示した定義に従って定義されている。自然な向きNのこの定義によれば、モニタデバイス6、ひいてはベースプレート4及び/又はセンサパッチ700は、自然な向きNへの加速度計540のx軸及びy軸の並進移動により強調されるように、角度/回転オフセットW2を含む。
【0160】
図19Bは、画面等のGUI8aを含む付属デバイス8(スマートフォン)を示す。GUI8aは、ユーザの体に適用された(図19A参照)ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の視覚的表現8bを示すように構成される。示されるように、ベースプレート4及び/又はセンサパッチ700の検知ゾーン500、502、504は、検知ゾーン500、502、504をそれぞれ示すリングセグメント500b、502b、504bが図19Aの回転オフセットW2に従って回転するように、視覚的表現8bにそのまま置き換えられる。視覚的表現8bにおける破線/スケッチされた角度は、ここでの例示のみを目的とし、リングセグメント500b、502b、504bがいかに回転オフセットW2だけ回転するかを示す。
【0161】
図20は、3軸加速度計540を含むモニタデバイス6の8つの例示的な向きを示す。特に、図20は、ユーザが複数の検知ゾーンを含むベースプレート及び/又はセンサパッチを向けるのに選ぶことができる8つの例示的な回転を示す。時計回り方向に進むと、第1の位置は、自然な向きNに対するy軸の角度オフセットがゼロ度であるように、加速度計のy軸が重力方向gと並び/平行し、y軸に沿った重力が-1gである位置である。第2の位置は、加速度計のy軸が自然な向きNのy成分Nyから角度45°だけ回転し、すなわち、この成分が重力方向と並ぶ/平行する位置である。時計回り方向に続けると、モニタデバイスの向きは、加速度計のy軸が45°の増分で回転した位置である。各位置において、角度オフセットは、加速度計のy軸と自然な向きNのy成分Nyとの間の角度であると定義することができる。
【0162】
図21は、加速度計からの実験的なデータセット(位置信号)のプロットを示す。加速度計は、モニタデバイスに配置され、人に装着されている。プロットは、加速度計から時間の経過に伴って得られた複数の位置信号を示し、各位置信号は、自然な向きに対する加速度計の空間向き/角度オフセットに関する情報を含む。同心円は、9.8m/s=1gであるようにm/s単位で測定された重力を示す。データ点/位置信号の(角度)分布は、装着者があちこち移動している、例えば歩き回っていることを示す。時間の経過に伴い歩いている人の直立位置の継続に起因して、データ点は傾向を形成する。本事例では、データ点は平均角度オフセット106°に集まる。換言すれば、106°は(平均)重力方向を表す。したがって、データは、加速度計のy軸及びx軸が各y軸及びx軸の自然な向きに対して106°傾斜したようにモニタデバイスが装着されていたことを示唆する。
【0163】
モニタデバイスは人により装着されることになっているため、(接着された)ベースプレート及び/又はセンサパッチの実際の回転オフセットを特定する方法が必要とされる。装着者は動き回り、体重を片足から片足にシフトさせ、ジャンプし、屈む等し得るため、自然な向きに対する加速度計の空間向きの1回の評価は大きく変わり得る。したがって、仮に加速度計の1回の読み取り/1つの位置信号に基づいて加速度計の空間向き、ひいては、ベースプレート及び/又はセンサパッチの回転オフセットを特定した場合、装着者は、完全な予め定義された、例えば実際には不可能な直立位置で立つ必要がある。換言すれば、空間向きの1回の評価は単に、特定の時点での装着者の特定の動きを示す。しかしながら、特定の時間量にわたって得られた位置信号の平均を計算することにより、傾向を形成することができる。傾向は、加速度計、ひいてはベースプレート及び/又はセンサパッチがいかに、装着者、ひいてはオストミーに対して固定されるかを明らかにする。図21のプロットに示される例示的なデータセットでは、平均角度オフセットAは106°である。したがって、装着者が歩き回っているにも拘わらず、モニタデバイスは、加速度計の使用を通して、モニタデバイス、ひいてはベースプレート及び/又はセンサパッチがいかに配置されているかを十分な精度で特定することが可能であった。角度オフセット106°は、予め定義された自然な向きに対するものである。したがって、モニタデバイス、ひいてはベースプレート及び/又はセンサパッチは、予め定義された自然な向きから106°だけ回転している。実施形態によれば、角度オフセットは、例えば図18A図19Bに関連して上述したように、付属デバイスのグラフィカルユーザインターフェースにおけるベースプレート及び/又はセンサパッチの視覚的表現に組み込まれる。装着者の異なる動き又は位置(例えば、立っている、座っている、又は横になっている)は、異なる分布の位置信号を生成させ得る。それにより、そのような異なる動き又は位置を区別することが可能である。したがって、モニタデバイスは活動トラッカーを兼ね得る。
【0164】
図22は、筐体100と、装具インターフェース102とを含む例示的なモニタデバイス6を示す。モニタデバイス6は、プロセッサ101及び3軸加速度計540を含む。加速度計540は、デカルト座標系に広がる三次元空間における移動を測定することが可能であり、モニタデバイス6の空間向きを示す位置信号を生成するように構成される。したがって、加速度計540は、相互に直交するx軸、y軸、及びz軸に沿った加速度を測定することが可能である。特定の実施形態では、加速度計の軸は、示される方向に延びる。筐体100は、皮膚に面する表面100aを含む。皮膚に面する表面100aは、表面が皮膚又はベースプレート及び/又はセンサパッチの遠位面と同一平面にあることができるように、実質的に平坦であると見なすことができる。同一平面にあるとは、皮膚に面する表面により画定される幾何平面が、上に装具が装着されることになっている皮膚表面と実質的に平行するように構成されることを意味する。特定の実施形態では、例えば、x軸及びy軸に広がる加速度計の幾何平面は、皮膚に面する表面により画定されるそのような幾何平面と平行するように構成される。それにより、加速度計には、本明細書に記載の実施形態に準拠する向きが提供される。
【0165】
加速度計の特定の軸及び幾何平面が、本開示全体を通して特定の方向及び/又は特性に割り当てられたが、他の軸又は1組の軸により記述することが可能な(例えば、(x,y,z)の形態で記述される)中間方向が、単に座標系の定義の問題を通して同じ特定の方向及び特性に割り当てることができることが理解されよう。例えば、y軸が重力方向と並ぶ/平行すると記述される場合、x軸、z軸、又は中間方向(例えば、(x,y,z)の形態で記述される)が、重力方向と並ぶ/平行する軸であるとして等しく明確に定義することもできることが理解されよう。換言すれば、加速度計に広がる座標系は、本発明の範囲に影響せずに、任意の(三次元)角度だけ回転することができる。
【0166】
特定の特徴を示し説明したが、特許請求の範囲に記載される本発明の限定を意図しないことが理解され、特許請求の範囲に記載される本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに種々の変更形態及び変形形態がなされ得ることが当業者に明らかになる。したがって、本明細書及び図面は、限定ではなく、例示の意味で見なされるべきである。特許請求の範囲に記載される本発明は、全ての代替形態、変形形態及び均等物の包含を意図する。
本開示は更に以下の態様を含む:
《態様1》
オストミーに対してオストミー装具のセンサ組立体の回転オフセットを特定する方法であって、前記センサ組立体はモニタデバイスに結合可能であり、前記モニタデバイスは、
筐体と、
前記筐体に配置されたプロセッサと、
前記モニタデバイスを前記センサ組立体に結合するように構成された装具インターフェースであって、前記装具インターフェースは、前記センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む、装具インターフェースと、
位置信号を生成するように構成された加速度計と、
を備え、
前記センサ組立体は、
少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された2つ以上のセンサを形成する複数の電極と、
前記モニタデバイスの前記装具インターフェースと結合するように構成された組立体インターフェースと、
を備え、
前記方法は、
前記センサ組立体を含む前記オストミー装具をストーマ周囲皮膚エリアに配置し、前記モニタデバイスを前記センサ組立体に結合するステップと、
前記加速度計から1つ又は複数の位置信号を取得するステップであって、前記1つ又は複数の位置信号は、前記加速度計の空間向きを示す、取得するステップと、
前記1つ又は複数の位置信号に基づいて前記センサ組立体の回転オフセットを特定するステップと、
を含む、方法。
《態様2》
前記方法は、前記モニタデバイスの自然な向きを定義する初期ステップを含む、態様1に記載の方法。
《態様3》
前記モニタデバイスは、グラフィカルユーザインターフェースを含む付属デバイスと通信し、前記方法は、前記回転オフセットを前記付属デバイスに通信するステップと、前記グラフィカルユーザインターフェースに視覚的表現を生成するステップとを更に含み、前記視覚的表現は、前記回転オフセットを組み込み、オストミーに対する前記少なくとも2つの検知ゾーンの位置を示す、態様1又は2に記載の方法。
《態様4》
オストミー装具、前記オストミー装具に提供されるセンサ組立体、及びモニタデバイスを備えたオストミーシステムであって、前記モニタデバイスは、
筐体と、
前記筐体に配置されたプロセッサと、
前記センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む装具インターフェースと、
位置信号を生成するように構成された加速度計と、
を備え、
前記センサ組立体は、
少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された2つ以上のセンサを形成する複数の電極であって、前記複数の電極は、前記オストミー装具の第1の接着層の近位側における液体の存在及び/又は前記第1の接着層の含水量を検出するように構成される、複数の電極と、
前記モニタデバイスの前記装具インターフェースと結合するように構成された組立体インターフェースと、
を備え、
前記モニタデバイスは、前記センサ組立体と解放可能に結合するように構成される、オストミーシステム。
《態様5》
前記装具インターフェースは、前記組立体インターフェースと結合するように構成される、態様4に記載のオストミーシステム。
《態様6》
前記モニタデバイスの前記加速度計は、予め定義された自然な向きを含み、前記モニタデバイスは、前記予め定義された自然な向きに対する前記センサ組立体の回転オフセットを特定するように構成される、態様4又は5に記載のオストミーシステム。
《態様7》
オストミー装具のベースプレートに適用するために、ベースプレート又はセンサパッチのセンサ組立体に解放可能に結合するモニタデバイスであって、前記モニタデバイスは、
筐体と、
前記筐体に配置されたプロセッサと、
前記センサ組立体に対して固定位置で前記モニタデバイスを前記センサ組立体に解放可能に結合するように構成された装具インターフェースであって、前記装具インターフェースは、前記センサ組立体の複数の電極と接続する複数の端子を含む、装具インターフェースと、
を含み、
前記モニタデバイスは三軸加速度計を更に含み、前記加速度計は位置信号を生成するように構成される、モニタデバイス。
《態様8》
前記位置信号は、相互に直交するx軸、y軸、及びz軸に沿った重力の値、及び/又は予め定義された向きに対する前記x軸の一次角度オフセット、予め定義された向きに対する前記y軸の二次角度オフセット、及び予め定義された向きに対する前記z軸の三次角度オフセットの値を含む、態様7に記載のモニタデバイス。
《態様9》
前記位置信号は、少なくとも0.1Hzのレートでサンプリングされる、態様7又は8に記載のモニタデバイス。
《態様10》
前記位置信号は、前記モニタデバイスの空間向きを示す、態様7~9の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様11》
前記加速度計は、前記重力方向に対する前記x軸の前記一次角度オフセットがゼロであり、又は前記重力方向に対する前記y軸の前記二次角度オフセットがゼロであり、又は前記重力方向に対する前記z軸の前記三次角度オフセットがゼロである予め定義された自然な向きを有する、態様7~10の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様12》
前記加速度計は、前記加速度計の前記x軸に沿った前記重力が0gであり、前記加速度計の前記y軸に沿った前記重力が-1gである予め定義された自然な向きを有する、態様7~11の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様13》
前記加速度計は、ユーザにより生成される移動パターンに基づいて前記ユーザのオストミーに対するその空間向きを特定するように構成される、態様7~12の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様14》
前記移動パターンは、所定の時間量中にサンプリングされた複数の位置信号を含む、態様13に記載のモニタデバイス。
《態様15》
前記加速度計の前記空間向きは、前記モニタデバイスが前記センサ組立体に結合されたとき、前記センサ組立体の回転オフセットを示す、態様13又は14に記載のモニタデバイス。
《態様16》
前記プロセッサは、その予め定義された自然な向きからの前記加速度計の角度オフセットに基づいて、オフセットパラメータを生成するように構成される、態様11~15の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様17》
前記プロセッサは、前記位置信号及び/又は前記オフセットパラメータを付属デバイスに通信するように構成される、態様7~16の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様18》
前記筐体は皮膚に面する表面を有し、前記加速度計の前記x軸及び前記y軸は、前記筐体の前記皮膚に面する表面と実質的に平行する幾何平面に広がり、前記加速度計の前記z軸は、前記幾何平面に垂直な方向に延びる、態様7~17の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様19》
前記装具インターフェースは、センサ組立体の複数の電極に結合するように構成され、前記複数の電極は、ストーマ周囲皮膚エリアを監視するように構成された少なくとも2つの別個の検知ゾーンに配置された少なくとも2つのセンサを形成する、態様7~18の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様20》
前記プロセッサは、1つ又は複数の位置信号に基づいて前記少なくとも2つの検知ゾーンの空間分布を特定するように構成される、態様19に記載のモニタデバイス。
《態様21》
前記モニタデバイスはメモリを備え、1つ又は複数のタスクプロファイルが、前記メモリに記憶され、前記モニタデバイスは、1つ又は複数の位置信号に含まれる1つ又は複数のタップシーケンスを検出するように構成される、態様7~20の何れか一つに記載のモニタデバイス。
《態様22》
前記プロセッサは、前記1つ又は複数のタップシーケンスの所与のタップシーケンスを前記1つ又は複数のタスクプロファイルと比較し、前記所与のタップシーケンスに関連付けられた出力を生成するように構成される、態様21に記載のモニタデバイス。
《態様23》
前記出力は、スリープモードからの前記モニタデバイスのウェークアップ、ペアリングモードのアクティブ化、又はスリープモードの開始から選択される、態様22に記載のモニタデバイス。
《態様24》
前記モニタデバイスは、移動が所定の時間量にわたり検出されなかった場合、オフになるか、又はスリープモードになるように構成される、態様7~23の何れか一つに記載のモニタデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22