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特許7502348クレーンブームピンのためのロッキングヘッドアセンブリ、そのようなアセンブリを備えるブーム、及びそのようなブームを備えるクレーン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】クレーンブームピンのためのロッキングヘッドアセンブリ、そのようなアセンブリを備えるブーム、及びそのようなブームを備えるクレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/693 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
B66C23/693 K
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021576538
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2020039384
(87)【国際公開番号】W WO2020263998
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】62/880,473
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/865,724
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051082
【氏名又は名称】マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】スクーンメイカー, スティーヴン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ベントン, ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】カラマン, ブラッドリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】スタンダー, マーティン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク, ジャレド
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-036344(JP,A)
【文献】特開2006-282342(JP,A)
【文献】米国特許第06189712(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第106495033(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0041422(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 19/00-23/94
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮ブームのためのロッキングヘッドアセンブリであって、
ベース、前記ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに前記動作プレートに動作可能に連結されて前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアーム、を有するロッキングヘッドと、
前記動作プレートに動作可能に連結されて、前記動作プレートを前記ベースに対して動かすようにされたアクチュエータであって、モータ及び駆動アームを有し、前記モータが前記駆動アームを駆動アーム第1位置と駆動アーム第2位置との間で駆動するようにされた、アクチュエータと、
前記ロッキングヘッドと前記アクチュエータに動作可能に連結された動作緩和部であって、ハウジング、前記ハウジングの中に少なくとも部分的に配置されたロッド、及び前記ロッドと前記ハウジングとの間に配置された付勢装置を有する動作緩和部と、
を備える、ロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項2】
前記1つ以上のシリンダピンが、前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて、ピン引込位置とピン伸長位置との間で移動可能であり、
前記1つ以上のセクションロックアームが、前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能である、
請求項1に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項3】
前記動作緩和部が、前記動作プレートと前記駆動アームとの間に配置されて前記動作プレートと前記駆動アームとに接続されている、請求項1に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項4】
前記動作プレートが前記駆動アームの動きに応じて動くときに、前記動作緩和部は固定状態にある、請求項3に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項5】
第1の方向への前記駆動アームの動きに応じた前記第1の方向への前記動作プレートの動きが妨げられているときには、前記動作緩和部は第1の負荷状態にある、請求項3に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項6】
前記動作緩和部が前記第1の負荷状態にあるときには、前記ロッドが前記ハウジングに対して引込位置にあり、前記付勢装置が前記動作プレートを前記第1の方向に付勢するようにされた、請求項5に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項7】
第2の方向への前記駆動アームの動きに応じた前記第2の方向への前記動作プレートの動きが妨げられているときには、前記動作緩和部は第2の負荷状態にある、請求項3に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項8】
前記動作緩和部が前記第2の負荷状態にあるときには、前記ロッドが前記ハウジングに対して伸長位置にあり、前記付勢装置が前記動作プレートを前記第2の方向に付勢するようにされた、請求項7に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項9】
前記アクチュエータに接続された補助駆動装置アクチュエータをさらに備える、請求項1に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項10】
前記補助駆動装置が補助モータ及び補助駆動アームを有する補助アクチュエータであり、前記アクチュエータが、レール上に取り付けられて、前記補助駆動アームの動きに応じて前記レールに対して平行移動するようにされた、請求項9に記載のロッキングヘッドアセンブリ。
【請求項11】
クレーンのための伸縮ブームであって、
ベースセクションと、
前記ブームの長さを調整するように前記ベースセクションに対して移動可能である複数の伸縮セクションと、
前記ベースセクション内に配置されて、前記複数の伸縮セクションのうちのある伸縮セクションを動かして前記ブームの前記長さを調整するように動作可能とされたブームアクチュエータと、
前記ブームアクチュエータに接続されたロッキングヘッドアセンブリと、を備え、
前記ロッキングヘッドアセンブリが、
ベース、前記ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに前記動作プレートに動作可能に連結されて前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアームを有するロッキングヘッドと、
前記動作プレートに動作可能に連結されて、前記動作プレートを前記ベースに対して動かすようにされたアクチュエータであって、モータ及び駆動アームを有し、前記モータが前記駆動アームをアーム第1位置とアーム第2位置との間で駆動するようにされた、アクチュエータと、
前記ロッキングヘッドと前記アクチュエータに動作可能に連結された動作緩和部であって、ハウジング、前記ハウジングの中に少なくとも部分的に配置されたロッド、及び前記ロッドと前記ハウジングとの間に配置された付勢装置を有する動作緩和部と、
を備える、伸縮ブーム。
【請求項12】
前記1つ以上のシリンダピンが、前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて、ピン引込位置とピン伸長位置との間で移動可能であり、
前記1つ以上のセクションロックアームが、前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能である、
請求項11に記載の伸縮ブーム。
【請求項13】
前記動作プレートが前記駆動アームの動きに応じて動くときに、前記動作緩和部は固定状態にある、請求項11に記載の伸縮ブーム。
【請求項14】
第1の方向への前記駆動アームの動きに応じた前記第1の方向への前記動作プレートの動きが妨げられているときには、前記動作緩和部は第1の負荷状態にある、請求項11に記載の伸縮ブーム。
【請求項15】
第2の方向への前記駆動アームの動きに応じた前記第2の方向への前記動作プレートの動きが妨げられているときには、前記動作緩和部は第2の負荷状態にある、請求項11に記載の伸縮ブーム。
【請求項16】
キャリアと、
前記キャリア上に搭載された、伸縮ブームを有する上部旋回体と、を備えるクレーンであって、
前記伸縮ブームが、
ベースセクションと、
前記ブームの長さを調整するように前記ベースセクションに対して移動可能である複数の伸縮セクションと、
前記ベースセクション内に配置されて、前記複数の伸縮セクションのうちのある伸縮セクションを動かして前記ブームの前記長さを調整するように動作可能とされたブームアクチュエータと、
を備え、
当該クレーンはさらに、
前記ブームアクチュエータに接続されたロッキングヘッドであって、ベース、前記ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに前記動作プレートに動作可能に連結されて前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアーム、を有するロッキングヘッドと、
前記ブームアクチュエータ上に取り付けられ、前記動作プレートに動作可能に連結されて、前記動作プレートを前記ベースに対して動かすようにされたアクチュエータであって、モータ及び駆動アームを有し、前記モータが前記駆動アームをアーム第1位置とアーム第2位置との間で駆動するようにされた、アクチュエータと、
前記ロッキングヘッドと前記アクチュエータに動作可能に連結された動作緩和部であって、ハウジング、前記ハウジングの中に少なくとも部分的に配置されたロッド、及び前記ロッドと前記ハウジングとの間に配置された付勢装置を有する動作緩和部と、
を備える、クレーン。
【請求項17】
前記1つ以上のシリンダピンが、前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて、ピン引込位置とピン伸長位置との間で移動可能であり、
前記1つ以上のセクションロックアームが、前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能である、
請求項16に記載のクレーン。
【請求項18】
前記動作プレートが前記駆動アームの動きに応じて動くときに、前記動作緩和部は固定状態にある、請求項16に記載のクレーン。
【請求項19】
第1の方向への前記駆動アームの動きに応じた前記第1の方向への前記動作プレートの動きが妨げられているときには、前記動作緩和部は第1の負荷状態にある、請求項16に記載のクレーン。
【請求項20】
第2の方向への前記駆動アームの動きに応じた前記第2の方向への前記動作プレートの動きが妨げられているときには、前記動作緩和部は第2の負荷状態にある、請求項16に記載のクレーン。
【請求項21】
伸縮ブームのブームアクチュエータを制御する方法であって、前記ブームアクチュエータは、油圧式ロッド-シリンダセンブリ及びロッキングヘッドアセンブリを備え、前記ロッキングヘッドアセンブリは、ベース、前記ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに前記動作プレートに動作可能に連結されて前記ベースに対する前記動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアームを有しており、
当該方法は、
1つ以上の位置センサにより、前記動作プレートの位置を検出するステップと、
コントローラによって、前記動作プレートの前記検出された位置を前記動作プレートの期待位置と比較するステップと、
前記コントローラによって、前記動作プレートの前記検出された位置が前記動作プレートの前記期待位置と同じであるかを判定するステップと、
前記動作プレートの前記検出された位置が前記動作プレートの前記期待位置と同じでない場合に、前記動作プレートが前記期待位置で検出されるまで補正操作を行なうように前記油圧式ロッド-シリンダセンブリを制御するステップと、
を含み、
前記動作プレートは、前記動作プレートに動作可能に連結された動作緩和部からの付勢力の下で前記期待位置にまで動くようにされた、方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、概して、クレーンの伸縮ブーム、例えば枢動支持されたブームに関する。
【0002】
伸縮ブームを有するクレーンは、選択的にブームの伸縮セクションの一部分に係合したりその部分から外れたりするようにされた連結ピン及びロックアームを有する機械的なロッキングヘッドを含む。機械的なロッキングヘッドは、ブームの個々の伸縮セクションを伸長したり引込んだりするようにされたリニアブームアクチュエータ上に取り付けられる。そのため、連結ピンは、リニアブームアクチュエータの動きにともなって、伸縮セクションに係合して、伸縮セクションを伸長させたり引込んだりするように駆動するようにされる。反対に、連結ピンは、伸縮セクションから外れて、ブームセクションに対するリニアブームアクチュエータ及び機械的なロッキングヘッドの動きを許容することもできる。その結果、機械的なロッキングヘッドは別の伸縮セクションに係合するように再配置することができる。
【0003】
ロックアームは、ブームの伸縮セクション上のセクションロックに係合するようにされている。ロックアームは、セクションロックを、隣接するブームセクションに対する伸縮セクションの伸縮動作が制限されるロック位置と、隣接するブームセクションに対する伸縮セクションの伸縮動作が許容されるロック解除位置との間で動かすように動作可能である。よって、連結ピンが伸縮セクションに係合してセクションロックがロック解除位置にある状態では、リニアブームアクチュエータは、ブームを伸長させたり引込んだりするように伸縮セクションを動かすことができる。所望の位置に到達すると、ロックアームは、ロック位置に動かされてセクションロックをロックするとともに、隣接するブームセクションに対する伸縮セクションの伸縮動作を実質的に防止することができる。そして、連結ピンが伸縮セクションから外されて、機械的なロッキングヘッドの再配置が可能となるようにできる。
【0004】
既知のリニアブームアクチュエータは、固定されたロッドと移動可能なシリンダとを有する伸縮ロッド-シリンダアセンブリとして形成される。機械的なロッキングヘッドは、シリンダ上に配置される。連結ピン及びロックアームは、ロッド内の油圧式トロンボーンシリンダを通して油圧駆動される。しかしながら、油圧式トロンボーンシリンダの動作は同伴空気及び/又は低い温度によって悪影響を受ける虞がある。また、トロンボーンシリンダ内の圧力がロッド又はシリンダを歪め、連結ピン又はロックアームが動かなくなる虞がある。ブームの動作は、この問題を直す間、遅れるかもしれない。
【0005】
米国特許出願第2015/0128735号には、摺動接続部材によってロックボルトが挿入されたり引き抜かれたりするロック穴をそれぞれ有する外側伸縮セクション及び内側伸縮セクションを備える伸縮システムにおけるロッキングシステムの摺動接続部材の駆動が開示されている。ロックボルトは、ロックボルトが線形動作に影響を与えるようにして摺動経路に延びる係合部材によって移動可能であり、ブームセクションはボルト穴内へのロックボルトの挿入によって相互に接続され、摺動接続部材はリニア電動装置によって駆動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のリニア電動装置を使用しても、連結ピン及び/又はロックアームが動かなくなる状況が依然として生じる。そのような状況では、リニア電動装置の動きも同様に制限される。リニア電動装置に接続された制御システムは、装置の動作の試みを続けるかもしれない。しかしながら、そのような試みは、装置の動きが妨げられているときには、リニア電動装置を損傷させたり、リニア電動装置に早期の又は過度の摩耗を生じさせたりする虞がある。
【0007】
そのため、ロッキングヘッドのシリンダピン及び/又はセクションアームの動きが妨げられているときにアクチュエータの動きを吸収する動作緩和部を組み入れた、伸縮ブームのためのロッキングヘッドアセンブリを設けることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一形態では、伸縮ブームのためのロッキングヘッドアセンブリは、ベース、ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに動作プレートに動作可能に連結されてベースに対する動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアームを有するロッキングヘッドを含む。ロッキングヘッドアセンブリはまた、動作プレートに動作可能に連結されて、動作プレートをベースに対して動かすようにされたアクチュエータを含む。アクチュエータは、モータ及び駆動アームを含む。モータは、駆動アームを駆動アーム第1位置と駆動アーム第2位置との間で駆動するようにされる。ロッキングヘッドアセンブリはさらに、ロッキングヘッドとアクチュエータに動作可能に連結された動作緩和部を含む。動作緩和部は、ハウジング、ハウジングの中に少なくとも部分的に配置されたロッド、及びロッドとハウジングとの間に配置された付勢装置を含む。
【0009】
1つ以上のシリンダピンは、ベースに対する動作プレートの動きに応じて、ピン引込位置とピン伸長位置との間で移動可能とすることができる。1つ以上のセクションロックアームは、ベースに対する動作プレートの動きに応じて、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能とすることができる。
【0010】
一実施形態においては、動作緩和部は動作プレートと駆動アームとの間に接続されるようにできる。動作プレートが駆動アームの動きに応じて動くときに、動作緩和部は固定状態にあるようにできる。第1の方向への駆動アームの動きに応じた第1の方向への動作プレートの動きが妨げられているときには、動作緩和部は第1の負荷状態にあるようにできる。動作緩和部が第1の負荷状態にあるときには、ロッドがハウジングに対して引込位置にあり、付勢装置が動作プレートを第1の方向に付勢するようにすることができる。第2の方向への駆動アームの動きに応じた第2の方向への動作プレートの動きが妨げられているときには、動作緩和部が第2の負荷状態にあるようにできる。動作緩和部が第2の負荷状態にあるときには、ロッドがハウジングに対して伸長位置にあり、付勢装置が動作プレートを第2の方向に付勢するようにできる。
【0011】
一実施形態においては、ロッキングヘッドアセンブリは、アクチュエータに接続された補助駆動装置アクチュエータをさらに備えることができる。補助駆動装置は、補助モータ及び補助駆動アームを有する補助アクチュエータとすることができる。アクチュエータは、レール上に取り付けられて、補助駆動アームの動きに応じてレールに対して平行移動するようにすることができる。
【0012】
別の形態では、クレーンのための伸縮ブームは、ベースセクションと、ブームの長さを調整するようにベースセクションに対して移動可能である複数の伸縮セクションと、ベースセクション内に配置されて、複数の伸縮セクションのうちのある伸縮セクションを動かしてブームの長さを調整するように動作可能とされたブームアクチュエータとを含む。伸縮ブームはまた、ブームアクチュエータに接続されたロッキングヘッドアセンブリを含む。ロッキングヘッドアセンブリは、ベース、ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに動作プレートに動作可能に連結されてベースに対する動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアームを有するロッキングヘッドを含む。ロッキングヘッドアセンブリはまた、動作プレートに動作可能に連結されて、動作プレートをベースに対して動かすようにされたアクチュエータを含む。アクチュエータはモータ及び駆動アームを有する。モータは、駆動アームをアーム第1位置とアーム第2位置との間で駆動するようにされる。動作緩和部は、ロッキングヘッドとアクチュエータに動作可能に連結され、ハウジング、ハウジングの中に少なくとも部分的に配置されたロッド、及びロッドとハウジングとの間に配置された付勢装置を含む。
【0013】
別の形態では、クレーンは、キャリアと、キャリア上に搭載された上部旋回体とを含む。上部旋回体は、ベースセクションと、ブームの長さを調整するようにベースセクションに対して移動可能である複数の伸縮セクションと、ベースセクション内に配置されて、複数の伸縮セクションのうちのある伸縮セクションを動かしてブームの長さを調整するように動作可能とされたブームアクチュエータとを有する伸縮ブームを含む。クレーンはまた、ブームアクチュエータに接続されたロッキングヘッドを含む。ロッキングヘッドは、ベース、ベースに動作可能に連結された動作プレート、並びに動作プレートに動作可能に連結されてベースに対する動作プレートの動きに応じて移動可能とされた、1つ以上のシリンダピン及び/又は1つ以上のセクションロックアームを含む。アクチュエータは、ブームアクチュエータ上に取り付けられ、動作プレートに動作可能に連結されて、動作プレートをベースに対して動かすようにされる。アクチュエータは、モータ及び駆動アームを含む。モータは、駆動アームをアーム第1位置とアーム第2位置との間で駆動するようにされる。動作緩和部は、ロッキングヘッドとアクチュエータに動作可能に連結され、ハウジング、ハウジングの中に少なくとも部分的に配置されたロッド、及びロッドとハウジングとの間に配置された付勢装置を含む。
【0014】
別の形態では、伸縮ブームのブームアクチュエータを制御する方法は、1つ以上の位置センサにより、動作プレートの位置を検出することと、コントローラによって、動作プレートの検出された位置を動作プレートの期待位置と比較することと、コントローラによって、動作プレートの検出された位置が動作プレートの期待位置と同じであるかを判定することとを含む。当該方法はさらに、動作プレートの検出された位置が動作プレートの期待位置と同じでない場合に、動作プレートが期待位置で検出されるまで補正操作を行なうように油圧式ロッド-シリンダセンブリを制御することを含む。動作プレートは、動作プレートに動作可能に連結された動作緩和部からの付勢力の下で期待位置にまで動く。
【0015】
本発明のこれらの及び他の特徴及び効果は、添付の特許請求の範囲と併せて、後述する詳細な説明により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係るクレーンの斜視図である。
【0017】
図2】一実施形態に係るブームアクチュエータの上面図である。
【0018】
図3図2のブームアクチュエータの側面図である。
【0019】
図4図2のブームアクチュエータの斜視図である。
【0020】
図5図2のブームアクチュエータの端面図である。
【0021】
図6A】一実施形態に係るロッキングヘッドアセンブリの斜視図である。
【0022】
図6B図6Aにおける詳細Aの拡大図である。
【0023】
図7】一実施形態に係る固定状態にある動作緩和部の斜視図である。
【0024】
図8図7の動作緩和部の別の斜視図である。
【0025】
図9】一実施形態に係る、第1の負荷状態にある図7の動作緩和部の斜視図である。
【0026】
図10図9の動作緩和部の別の斜視図である。
【0027】
図11】一実施形態に係る、第2の負荷状態にある図7の動作緩和部の斜視図である。
【0028】
図12図11の動作緩和部の別の斜視図である。
【0029】
図13】一実施形態に係るロッキングヘッドアセンブリの斜視図である。
【0030】
図14図13のロッキングヘッドアセンブリの一部を示す拡大図である。
【0031】
図15-18】一実施形態に係る動作緩和部の様々な図である。
【0032】
図19A-C】一実施形態に係るロッキングヘッドアセンブリの状態と位置を示す概略図である。
図19D-E】一実施形態に係るロッキングヘッドアセンブリの状態と位置を示す概略図である。
図19F-G】一実施形態に係るロッキングヘッドアセンブリの状態と位置を示す概略図である。
【0033】
図20】一実施形態に係る補助駆動装置の斜視図である。
【0034】
図21】一実施形態に係る、補助駆動装置とともに使用されるようにされたアクチュエータの斜視図である。
【0035】
図22】一実施形態に係る、図21のアクチュエータと一緒にされた補助駆動装置の斜視図である。
【0036】
図23】一実施形態に係る制御システムの例を示す概略ブロック図である。
【0037】
図24】一実施形態に係る位置センサの例を示す拡大斜視図である。
【0038】
図25】一実施形態に係る位置センサの別の例を示す拡大斜視図である。
【0039】
図26】一実施形態に係るブームアクチュエータを制御する方法の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本装置は様々な形態での実施の余地があるとはいえ、現時点での好ましい実施形態が図面に示されており以下ではその実施形態を説明してゆくが、ついては本開示は単に装置の例示と見なされるべきであって説明されている特定の実施形態に限定しようとするものではないことを理解されたい。
【0041】
図1に示すように、クレーン110は、キャリア112と、キャリア112上に搭載された上部旋回体114とを含む。一実施形態においては、上部旋回体114は、キャリア112上に回転可能に搭載されている。上部旋回体114は、例えば、運転室116と伸縮ブーム118を含む。伸縮ブーム118は、ベースセクション120と、ベースセクション120の中へ動いてブーム118を縮めたり、ベースセクション120の外に動いてブーム118を伸ばしたりするようにされた1つ以上の伸縮セクション122とを含む。
【0042】
伸縮ブーム118は、ベースセクション120に配置された、1つ以上の伸縮セクション122を動かすためのブームアクチュエータ124を含む。一実施形態においては、ブームアクチュエータ124は、ロッド126がベースセクション120内に固定され、シリンダ128がロッド126に対して引込位置と伸長位置との間で動くようにされた油圧式ロッド-シリンダセンブリのような、リニアアクチュエータである。
【0043】
図2-5に示すように、ブームアクチュエータ124は、ロッキングヘッド212と、アクチュエータ214と、動作緩和部216とを有するロッキングヘッドアセンブリ210を含む。ロッキングヘッドアセンブリ210は、選択的にブームアクチュエータ124を伸縮セクション122に連結したり伸縮セクション122から連結解除したりするようにされている。ロッキングヘッドアセンブリ210はまた、伸縮セクション122に配置されたセクションロック(図示しない)を操作して、伸縮セクションをその次に外側に隣接するブームセクション120、122にロックしたり、それからロック解除したりするようにすることができる。ロッキングヘッドアセンブリ210は、シリンダ128に接続されるか、又はシリンダ12上に取り付けられようにすることができる。
【0044】
図6A及び6B並びに図19A-19Cの略図に示すように、一実施形態においては、ロッキングヘッド212は、ベース218と、ベース218に動作可能に接続された動作プレート220とを含む。動作プレート220は、ブームアクチュエータ124及び/又はブーム118の長手軸線Aに概して沿って又はそれと平行にベース218に対して移動可能である。ロッキングヘッド212はまた、対応するピンリンク機構224によって動作プレート220に動作可能に接続された1つ以上のシリンダピン222を含む。ピンリンク機構224は、ラグ、又はシリンダピン222に接続されて動作プレート220に係合するように延びる同様な構造とすることができる。さらに、ロッキングヘッド212は、対応するアームリンク機構228によって動作プレート220に動作可能に接続された1つ以上のセクションロックアーム226を含むことができる。アームリンク機構228は、ラグ、又はセクションロックアーム226に接続されて動作プレート220に係合するように延びる同様な構造とすることができる。
【0045】
動作プレート220は、1つ以上の第1ガイド壁230を含む。第1ガイド壁230は、実質的に動作プレート220の動きの方向、すなわち長手軸線Aと平行な方向に延びる第1セクションと、第1セクションに対して傾斜し長手方向成分と横方向成分を有する方向に延びる第2セクションを含む。
【0046】
第1ガイド壁230は、ピンリンク機構224に係合するようにされる。ピンリンク機構224が第1ガイド壁230の第1セクションに係合している状態では、ピンリンク機構224に対する動作プレート220の動きによってはシリンダピン222は動かない。しかしながら、ピンリンク機構224が第1ガイド壁230の第2セクションに係合している状態では、ピンリンク機構224に対する動作プレート220の動きにより、シリンダピン222はベース218に対してピン伸長位置(例えば図19Aを参照)とピン引込位置(例えば図19Bを参照)との間での横方向に動く。
【0047】
動作プレート220はまた、1つ以上の第2ガイド壁232を含む。第2ガイド壁232は、実質的に動作プレート220の動きの方向、すなわち長手軸線Aと平行な方向に延びる第1セクションと、第1セクションに対して傾斜し長手方向成分と横方向成分を有する方向に延びる第2セクションを含む。
【0048】
第2ガイド壁232は、アームリンク機構228に係合するようにされる。アームリンク機構228が第2ガイド壁232の第1セクションに係合している状態では、アームリンク機構228に対する動作プレート220の動きによってはセクションロックアーム226は動かない。しかしながら、アームリンク機構228が第2ガイド壁232の第2セクションに係合している状態では、アームリンク機構228に対する動作プレート220の動きにより、セクションロックアーム226はベース218に対してロック位置(例えば図19Aを参照)とロック解除位置(例えば図19Cを参照)との間で動く。一実施形態においては、セクションロックアーム226はロック位置とロック解除位置との間で枢動又は回転する。
【0049】
第1ガイド壁230と第2ガイド壁232は、シリンダピン222が伸長位置と引込位置との間で動くように駆動されているときにセクションロックアーム226がロック位置に留まるように相対的に配置することができる。同様に、第1ガイド壁230と第2ガイド壁232は、セクションロックアーム226がロック位置とロック解除位置との間で動かされているときにシリンダピン222が伸長位置に留まるように配置することができる。
【0050】
一実施形態においては、ピンリンク機構224とアームリンク機構228は、第1及び第2ガイド壁230、232のそれぞれの第1セクションの部分に同時に位置するようにできる(例えば図19Aを参照)。そのため、セクションロックアーム226がロック位置にあるときに、シリンダピン222がピン伸長位置にあることがある。
【0051】
第1ガイド壁230及び/又は第2ガイド壁232はそれぞれ、動作プレート220のスロット又は凹部の何れかによって形成されるか、又は動作プレート220の表面から突出することができる。
【0052】
動作プレート220は、ブームアクチュエータ124に取り付けられたアクチュエータ214によって動かされるようにできる、アクチュエータ214は、モータ234及び駆動アーム236を含むことができる。一実施形態においては、アクチュエータ214は、電動アクチュエータであり、モータ234は電動モータである。駆動アーム236は、伸長及び/又は引込まれるようにモータ234によって駆動される。一実施形態においては、スプリング又は同様な付勢装置が駆動アーム236を一方向に動かすように付勢する。
【0053】
一実施形態においては、駆動アーム236は、概して長手軸線Aの方向に動き、動作プレート220の対応した動きを生じさせるようにされている。すなわち、モータ234に対して伸長する第1の方向D1への駆動アーム236の動きにより、第1の方向D1への動作プレート220の動きを生じさせることができる。同様に、モータ234に対して引込まれる第2の方向D2への駆動アーム236の動きにより、第2の方向D2への動作プレートの動きを生じさせることができる。
【0054】
動作緩和部216は、アクチュエータ214とロッキングヘッド212とに動作可能に接続されている。一実施形態においては、動作緩和部216は、アクチュエータ214とロッキングヘッド212との間に配置され、その一端が駆動アーム236に接続され他端が動作プレート220に接続されるようにできる。他の実施形態においては、アクチュエータ214は、動作緩和部216とロッキングヘッド212との間に配置することができる。
【0055】
図7-12及び図19A-19Gに示すように、一実施形態においては、動作緩和部216は、ハウジング238と、ハウジング238内に少なくとも部分的に配置されたロッド240と、ロッド240とハウジング238との間に配置されたスプリング242のような少なくとも1つの付勢装置とを含む。第1のスプリングシート244は、スプリング242の第1端においてロッド240上に配置することができる。第2のスプリングシート246は、スプリング242の第2端においてロッド240上に配置することができる。一実施形態においては、ロッド240は、第1のスプリングシート244と第2のスプリングシート246との両方を通って延びる。ロッド240は第1のスプリングシート244と第2のスプリングシート246とに対して移動可能であり、その逆も同様である。
【0056】
ハウジング238は、ハウジング238に対する第1のスプリングシート244の第1の方向D1への動きを制限するようにされた第1のストップ部248を含む。ハウジング238はまた、ハウジング238に対する第2のスプリングシート246の第2の方向D2への動きを制限する第2のストップ部250を含む。第1のストップ部248はまた、第1のスプリングシート244をハウジング238とともにロッド240に対して第2の方向D2に動かすことができる。第2のストップ部250はまた、第2のスプリングシート246をハウジング238とともにロッド240に対して第1の方向D1に動かすことができる。
【0057】
ロッド240は、ロッド240に対する第1のスプリングシート244の第1の方向D1への動きを制限するようにされた第1のロッドストップ部252を含むことができる。ロッド240はまた、ロッド240に対する第2のスプリングシート246の第2の方向D2への動きを制限する第2のロッドストップ部254を含むことができる。
【0058】
ロッキングヘッドアセンブリ210の第1の動作状態では、シリンダピン222とセクションロックアーム226は、ベース218に対する動作プレート220の動きに応じて自由に動くことができ、動作緩和部216は固定状態(例えば図7、8及び19A-19Cを参照)にある。そのため、駆動アーム236の動きによって、動作プレート220の対応する動きが生じる。固定状態では、ロッド240とハウジング238は、駆動アーム236が動いている間、相互に実質的に固定されたままとなる。一実施形態においては、ロッド240は動作緩和部216が固定状態にある状態でハウジング238に対して自然位置にあり、動作緩和部216は第1の長さを有する。さらに、固定状態では、駆動アーム236によって発生された力は、動作緩和部216を介して動作プレート220に伝達され、スプリング242の実質的な変形又はハウジング238とロッド240の相対的な動きを生じさせない。
【0059】
一実施形態においては、駆動アーム236は、駆動アームの自然位置(「NDA」で示す、図19Aを参照)にあり、駆動アームの自然位置NDAから駆動アームの第1位置(「DA1」で示す、図19Cを参照)にまで第1の方向D1に動くことができる。第1の動作状態では、駆動アーム236のそのような動きにより、動作プレート220のプレート自然位置(「NOP」で示す、図19Aを参照)からプレート第1位置(「OP1」で示す、図19Cを参照)への第1の方向D1への対応する動きが生じる。一実施形態においては、動作プレート220がプレート自然位置NOPにあるときに、シリンダピン222はピン伸長位置にあり、またセクションロックアーム226はロック位置にある。図19Cに示されたプレート第1位置OP1への動作プレート220の動きにより、セクションロックアーム226がアンロック位置にまで動いて、伸縮セクションと隣接するブームセクションとの間のセクションロックが解除されるが、一方でシリンダピン222は伸縮セクションに係合した伸長位置のままである。
【0060】
反対に、駆動アーム第1位置DA1(図19C)から駆動アーム自然位置NDA図19A)への第2の方向D2への駆動アーム236の動きにより、動作プレート220のプレート第1位置OP1(図19C)からプレート自然位置NOP図19A)への第2の方向D2への動きが生じる。動作プレート220のプレート第1位置OP1からプレート自然位置NOPへの動きにより、セクションロックアーム226がアンロック位置(図19C)からロック位置(図19A)にまで動いてセクションロックをロックするが、一方でシリンダピン222は伸長位置のままである。
【0061】
第1の動作状態において、駆動アーム236の駆動アーム自然位置NDA図19A)から駆動アーム第2位置DA2(図19B)への第2の方向D2への動きにより、動作プレート220のプレート自然位置NOP図19A)からプレート第2位置OP2(図19B)への第2の方向D2への対応する動きが生じる。プレート自然位置NOPからプレート第2位置OP2への動作プレート220の動きにより、シリンダピン222がピン伸長位置(図19A)からピン引込位置(図19B)にまで移動して伸縮セクションから外れるが、セクションロックアーム226はロック位置のままである。
【0062】
反対に、駆動アーム236の駆動アーム第2位置DA2(図19B)から駆動アーム自然位置NDA図19A)への第1の方向D1への動きにより、動作プレート220のプレート第2位置OP2(図19B)からプレート自然位置NOP図19A)への第1の方向D1への対応する動きが生じる。動作プレート220のプレート第2位置OP2からプレート自然位置NOPへの動きにより、シリンダピン222がピン引込位置(図19B)からピン伸長位置(図19A)に動くが、セクションロックアーム226はロック位置のままである。
【0063】
ロッキングヘッドアセンブリ210の他の動作状態においては、シリンダピン222又はセクションロックアーム226の動きが妨げられているときに、動作プレート220の動きが妨げられるようにすることができる。例えば、ピン伸長位置からピン引込位置へのシリンダピン222の動きが妨げられている場合には、駆動アーム236が操作されているときに動作プレート220のプレート自然位置NOP図19A)からプレート第2位置OP2(図19B)への動きも妨げられる。別の例においては、駆動アーム236が操作されているときに、シリンダピン222のピン引込位置からピン伸長位置への動きが妨げられ、それによって動作プレート220のプレート第2位置OP2(図19B)からプレート自然位置NOP図19A)への動きが妨げられるようにできる。
【0064】
他の例においては、駆動アーム236が操作されているときに、セクションロックアーム226のロック位置からアンロック位置への動きが妨げられ、それによって動作プレート220のプレート自然位置NOPからプレート第1位置OP1への動きが妨げられるようにできる。さらに別の例においては、駆動アーム236が操作されているときに、セクションロックアーム226のアンロック位置からロック位置への動きが妨げられ、それによって動作プレート220のプレート第1位置OP1からプレート自然位置NOPへの動きが妨げられるようにできる。
【0065】
動作緩和部216は、動作プレート220の動きが妨げられている間に駆動アーム236が操作されて動いたときに、固定状態から1つ以上の負荷状態に動くようにされている。すなわち、動作プレート220の動きが妨げられているときに、駆動アーム236から加えられる力がスプリング242のスプリング力を超えて、ハウジング238とロッド240の相対位置が変化するようになる。例えば、ロッド240がハウジング238に対して引込位置になるときに動作緩和部216は第1の負荷状態(図9、10、19F、19G)に動かされ、スプリング242は圧縮されて動作プレート220を第1の方向D1に付勢するように付勢力を加える。動作緩和部216は、この第1の負荷状態において、第1の長さよりも小さい第2の長さを有する。そのため、第1の負荷状態においては、動作緩和部216は、動作プレート220をプレート自然位置NOPからプレート第1位置OP1にまで、又はプレート第2位置OP2からプレート自然位置NOPにまで第1の方向D1へ動かすように付勢することができる。
【0066】
ロッド240がハウジング238に対して伸長位置となるときに、動作緩和部216は、固定状態から第2の負荷状態(図11、12、19D、及び19E)に動くようにされ、スプリング242は圧縮されて動作プレート220を第2の方向D2に付勢する付勢力を加える。動作緩和部216は、この第2の負荷状態において、第1の長さよりも大きい第3の長さを有する。そのため、第2の負荷状態においては、動作緩和部216は、動作プレート220をプレート第1位置OP1からプレート自然位置NOPにまで、又はプレート自然位置NOPからプレート第2位置OP2にまで第2の方向D2へ動かすように付勢することができる。
【0067】
上述の実施形態においては、シリンダピン222のピン引込位置からピン伸長位置への動きが妨げられている(図19G)か、又は駆動アーム236の対応する動きに応じたセクションロックアームのロック位置からアンロック位置への動きが妨げられている(図19F)ときに、動作緩和部216は固定状態から第1の負荷状態に動かされる。すなわち、動作プレート220が駆動アーム236の第1の方向D1への動きに応じた動きに対して保持されているときに、動作緩和部216は第1の負荷状態に動かされる。
【0068】
例えば、駆動アーム236は、図19Fに示されるように、駆動アーム自然位置NDAから駆動アーム第1位置DA1にまで第1の方向D1に動くように操作されるようにできる。しかしながら、セクションロックアーム226のアンロック位置への動きが妨げられている状態では、図19Fに示されるように、動作プレート220はプレート自然位置NOPのままとなる。同様に、駆動アーム236は、図19Gに示されるように、駆動アーム第2位置DA2から駆動アーム自然位置NDAにまで第1の方向D1に動くように操作されるようにできる。しかしながら、シリンダピン222のピン伸長位置への動きが妨げられている状態では、図19Gに示されるように、動作プレート220はプレート第2位置OP2のままとなる。
【0069】
そのため、一実施形態においては、ロッド240は、第1の方向D1への動きに対して動作プレート220によって保持され、駆動アーム236によりハウジング238がロッド240に対して第1の方向D1に動かされる。ハウジング238の第2のストップ部250が第2のスプリングシート246をロッド240に沿って動かし、一方で第1のロッドストップ部252は第1のスプリングシート244を第1の方向D1への動きに対して保持し、スプリング242は圧縮される。
【0070】
圧縮されたスプリング242は、動作プレート220に第1の方向D1での付勢力を加える。そのため、シリンダピン222が自由に伸長することが可能になると、第1の負荷状態における動作緩和部216からのスプリング力により、アクチュエータ214の更なる操作(又は駆動アーム236の更なる動き)なしで、動作プレート220がプレート第2位置OP2からプレート自然位置NOPにまで動いてシリンダピン222が伸長する。
【0071】
同様に、セクションロックアーム226がアンロック位置に自由に動くことが可能になると、第1の負荷状態における動作緩和部216からのスプリング力により、アクチュエータ214の更なる操作(又は駆動アーム236の更なる動き)なしで、動作プレート220がプレート自然位置NOPからプレート第1位置OP1にまで動いてセクションロックアーム226がアンロック位置にまで動く。
【0072】
第1のスプリングシート244への、よって第1のロッドストップ部252への第1の方向D1での圧縮されたスプリング242のスプリング力の印加によって、動作緩和部216は動作プレート220の第1の方向D1への動きを生じさせる。スプリング力により、ロッド240がハウジング238に対してその自然位置にまで動いて、動作プレート220を第1の方向D1に動かす。その結果、動作緩和部216はその固定状態にまで戻ることができる。
【0073】
例えば、シリンダピン222が自由に伸長することが可能になると、動作緩和部216は図19Gに示すその第1の負荷状態から図19Aに示すその固定状態にまで動くことが可能となり、動作プレート220は図19Gに示すプレート第2位置OP2から図19Aに示すプレート自然位置NOPにまで動くことが可能となる。別の例では、セクションロックアーム226がアンロック位置にまで自由に動くことが可能になると、動作緩和部216は図19Fに示すその第1の負荷状態から図19Cに示すその固定状態にまで動くこと可能となり、動作プレート220は図19Fに示すプレート自然位置NOPから図19Cに示すプレート第1位置OP1にまで動くことが可能となる。
【0074】
上述の実施形態においては、シリンダピン222のピン伸長位置からピン引込位置への動きが妨げられている(図19D)か、又はセクションロックアーム226のアンロック位置からロック位置への動きが妨げられている(図19E)ときには、動作緩和部216は固定状態から第2の負荷状態にまで動かされる。
【0075】
例えば、駆動アーム236は、図19Eに示されるように、駆動アーム第1位置DA1から駆動アーム自然位置NDAにまで第2の方向D2に動くように操作されるようにできる。しかしながら、セクションロックアーム226のロック位置への動きが妨げられている状態では、動作プレート220はプレート第1位置OP1のままとなる。同様に、駆動アーム236は、図19Dに示すように、駆動アーム自然位置NDAから駆動アーム第2位置DA2にまで第2の方向D2に動くように操作されるようにできる。しかしながら、シリンダピン222の引込位置への動きが妨げられている状態では、動作プレート220はプレート自然位置NOPのままとなる。
【0076】
そのため、ロッド240は、第2の方向D2への動きに対して動作プレート220によって保持され、駆動アーム236によりハウジング238がロッド240に対して第2の方向D2に動かされる。ハウジング238の第1のストップ部248が第1のスプリングシート244をロッド240に沿って第2の方向D2に動かし、一方で第2のロッドストップ部254は第2のスプリングシート246を第2の方向D2への動きに対して保持し、スプリング242は圧縮される。
【0077】
圧縮されたスプリング242は、動作プレート220に第2の方向D2での付勢力を加える。そのため、シリンダピン222が自由に引込み可能になると、第2の負荷状態における動作緩和部216からのスプリング力により、アクチュエータ214の更なる操作(又は駆動アーム236の更なる動き)なしで、動作プレート220がプレート自然位置NOPからプレート第2位置OP2にまで動いてシリンダピン222が引込まれる。
【0078】
同様に、セクションロックアーム226がロック位置にまで動くことが可能になると、第2の負荷状態における動作緩和部216からのスプリング力により、アクチュエータ214の更なる操作(又は駆動アーム236の更なる動き)なしで、動作プレート220がプレート第1位置OP1からプレート自然位置NOPにまで動いてセクションロックアーム226がロック位置にまで動く。
【0079】
第2のスプリングシート246への、よって第2のロッドストップ部254への第2の方向D2での圧縮されたスプリング242のスプリング力の印加によって、動作緩和部216は動作プレート220の第2の方向D2への動きを生じさせる。スプリング力により、ロッド240がハウジング238に対してその自然位置にまで引込まれて、動作プレート220を第2の方向D2に動かす。その結果、動作緩和部216はその固定状態に戻ることができる。
【0080】
例えば、シリンダピン222が自由に引込まれることが可能になると、動作緩和部216は図19Dに示すその第2の負荷状態から図19Bに示すその固定状態にまで動くことが可能となり、動作プレート220は図19Dに示すプレート自然位置NOPから図19Bに示すプレート第2位置OP2にまで動くことが可能となる。別の例では、セクションロックアーム226がロック位置にまで動くことが可能になると、動作緩和部216は図19Eに示すその第2の負荷状態から図19Aに示すその固定状態にまで動くことが可能となり、動作プレート220は図19Eに示すプレート第1位置OP1から図19Aに示すプレート自然位置NOPにまで動くことが可能となる。
【0081】
図6A及び13に示すように、一実施形態においては、ロッキングヘッドアセンブリ210は、アクチュエータ214に接続された補助アクチュエータ256(図6A)のような、補助駆動装置をさらに含むことができる。補助アクチュエータ256は、アクチュエータ214と同様なアクチュエータとすることができ、補助モータ258と、補助モータ258によって駆動される補助駆動アーム260とを含むことができる。一実施形態においては、補助アクチュエータ256は電動アクチュエータであり、補助モータ258は電動モータである。補助駆動アーム260は、第1の方向D1及び第2の方向D2に動くようにされる。補助駆動アーム260は、駆動アーム236が動く距離のおおよそ2倍の距離、すなわち駆動アーム第1位置DA1と駆動アーム第2位置DA2との間の距離の2倍の距離に亘って動くようにされる。
【0082】
図13及び14に示すように、一実施形態においては、補助アクチュエータ256は、例えばアクチュエータ214の動作が停止された場合に、アクチュエータ214の代わりに動作することができる。そのため、アクチュエータ214は、平行移動のために、シリンダ128上に取り付けられる。例えば、アクチュエータ214は、レール262上に取り付けられ、シリンダ128に対して摺動又は転がるようにできる。補助駆動アーム260はアクチュエータ214に接続され、補助アクチュエータ256の動作に応じてアクチュエータ214をレール262上で動かすようにすることができる。
【0083】
例えば、アクチュエータ214の駆動アーム236が自然位置にある状態であると判断することができる。そして、望ましいシリンダピン222及びセクションロックアーム226の動きが、補助アクチュエータ256を使用することによって実行されて、動作プレート220を動かすようにできる。
【0084】
別の例では、アクチュエータ214の動作は、駆動アーム236が駆動アーム第1位置DA1又は駆動アーム第2位置DA2にあり、動作プレート220が対応するプレート第1位置OP1又はプレート第2位置OP2にあるに状態で、停止され得る。補助駆動アーム260が最初は自然位置にある状態で補助アクチュエータ256は操作されて、動作プレート220をプレート第1位置OP1とプレート自然位置NOPとの間及び/又はプレート自然位置NOPとプレート第2位置OP2との間で動かすことができる。しかしながら、補助アクチュエータ256の動作が始まったときに駆動アーム236及び動作プレート220がそれらの引込まれた第2の位置にあるかもしれない状況を考慮して、補助駆動アーム260のその自然位置からその第1位置までの伸長距離は、駆動アーム236の駆動アーム自然位置から駆動アーム第1位置DA1までの伸長距離の2倍となっている。
【0085】
図15-18に示すように、一実施形態においては、動作緩和部216は、スプリング242のスプリング力とは反対の方向に、又は代わりにスプリング242のスプリング力と同じ方向にスプリング力を与えるようにされた第2のスプリング264のような、第2の付勢装置をさらに含むことができる。第2のスプリング264は、スプリング242内に配置されるようにできる。このようにして、望ましい力のプロファイルがもたらされるようにできる。さらに、その力のプロファイルは、スプリング242又は第2のスプリング264を調節したり交換したりすることによって、所望されるように調節することができる。例えば、動作緩和部216の合計のスプリング力は、スプリング242のスプリング力よりも大きく又は小さくなるように調節することができる。
【0086】
図20に示すように、別の実施形態においては、補助駆動装置は、ネジ式駆動装置356とすることができる。一実施形態においては、ネジ式駆動装置356は、ターンバックル又は同様な装置とすることができる。一実施形態においては、アクチュエータ214は、ネジ式駆動装置356によってシリンダ128に接続することができる。一実施形態においては、ネジ式駆動装置356は、雌ねじ部品又はチューブ362と、チューブ362と噛み合ってネジ係合するようにされた雄ねじ部品又はロッド364とを有することができる。ネジ式駆動装置356は、ブームアクチュエータのシリンダ128に接続されたシリンダブラケット360に動作可能に接続されるようにできる。一実施形態においては、ロッド364は、スラストワッシャーを介してシリンダブラケット360に連結され、スナップリングで所定位置に保持されるようにできる。一実施形態においては、ロッド364は、シリンダブラケット360及びチューブ362に対して回転するようにされる。ロッド364は、シリンダブラケット360に対する直線状の動きに対して実質的に保持されるようにできる。よって、ロッド364の回転により、チューブ362とロッド364との間のネジ係合を介してチューブ362及びアクチュエータ214を直線状に動かすことができる。一実施形態においては、ロッド364は、例えば、シリンダブラケット360に隣接するロッド364の端部に係合された工具によって回転されるようにできる。したがって、ネジ式駆動装置356は、アクチュエータ214をシリンダ128に対して動かして動作プレート220を動かすように、機械的に又は手動で駆動されるようにできる。
【0087】
図21-22に示すように、別の実施形態においては、補助駆動装置は、アクチュエータ214上の補助駆動インターフェース458においてアクチュエータ214に接続されるようにできる。例えば、一実施形態においては、補助駆動装置は、モータ234のギヤ装置を駆動させて駆動アーム236の動きを生じさせるように動作できる補助駆動インターフェース458に接続された工具(図示しない)とすることができる。図22に示すように、一実施形態においては、補助駆動装置は、補助駆動インターフェース458に接続される第2のモータ456とすることができる。そして、第2のモータ456は、モータ234のギヤ装置を介して駆動アーム236の動きを生じさせるように操作されるようにできる。第2のモータ456は、制御システム310(図1)に動作可能に接続されて、制御システム310を介して制御されるようにできる。
【0088】
図1に示すように、クレーン110はまた、制御システム310を含むことができる。制御システム310は、ブームアクチュエータ124に動作可能に接続されて、ブームアクチュエータ124の動きを制御するようにできる。例えば、制御システム310は、ブームアクチュエータ124を伸長及び引込むように制御することができる。一実施形態においては、制御システム310は、例えば、アクチュエータ214の動作を制御するためにロッキングヘッドアセンブリ210にも動作可能に接続されるようにできる。例えば、制御システム310は、駆動アーム236を伸長及び/又は引込むようにアクチュエータ214を操作して動作プレート220の動きを生じさせるようにできる。したがって、制御システム310は、動作プレート220の動きをアクチュエータ214で制御することによって、シリンダピン222及びセクションロックアーム226の動きを制御することができる。
【0089】
図23は、一実施形態に係る制御システム310の例を示す概略図である。制御システム310は、ブーム118の伸長又は引込の動作を制御することができる。一実施形態においては、制御システム310は、動作プレート220をプレート自然位置NOPからプレート第2位置OP2にまで動かして、シリンダピン222をピン伸長位置からピン引込位置にまで動かすように、アクチュエータ214を制御することができる。制御システム310は、ロッキングヘッド212に連結ピン222を使用して連結されることになる伸縮セクション122の一部分に隣接する位置にロッキングヘッド212を位置決めするように、ブームアクチュエータ124を制御することができる。制御システム310は、動作プレート220を、プレート第2位置OP2からプレート自然位置NOPに動かし、シリンダピン222をピン引込位置からピン伸長位置に動かして、動かされることになる伸縮セクションに係合させるように、アクチュエータ214を制御することができる。制御システム310は、動作プレート220をプレート自然位置NOPからプレート第1位置OP1に動かして、セクションロックアーム226をロック位置からロック解除位置に動かすように、アクチュエータ214を制御することができる。制御システム310は、ブームアクチュエータ124を伸長又は引込むように制御して、動かされることなる伸縮セクション122が伸長又は引込まれるようにすることができる。制御システム310は、動作プレート220をプレート第1位置OP1からプレート自然位置NOPに動かして、セクションロックアーム226をロック解除位置からロック位置に動かすように、アクチュエータ214を制御することができる。
【0090】
一実施形態においては、制御システム310はまた、補助アクチュエータ256のような補助駆動装置に動作可能に接続されるようにできる。したがって、制御システム310は、アクチュエータ214の代わりに補助アクチュエータ256を制御することによって、動作プレート220の動きを制御することができる。
【0091】
制御システム310は、例えば、バス518上で相互に接続された、マイクロプロセッサ又は他の適したコンピュータ演算装置のようなプロセッサ512、メモリ514、及び通信インターフェース516、を有するコントローラ510を含むことができる。プロセッサ512は、プログラム命令を実行し、プログラム命令の実行に応じて、操作を実行する及び/又は制御システム310の他の構成要素を制御して操作を実行するようにすることができる。
【0092】
メモリ514は、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体のようなコンピュータ可読ストレージ媒体とすることができ、プログラム命令を保存するようにできる。メモリは、それぞれがコンピュータ可読ストレージ媒体を含む1つ以上のメモリ装置とすることができる。
【0093】
通信インターフェース516は、制御システム310と制御システム310に通信接続された1つ以上の他の装置との間に有線又は無線の通信を提供するようにされた、送受信機又は同様な装置を含むことができる。
【0094】
制御システム310は、操作者が制御システム310に命令を与えることができるユーザー入力装置520のような他の装置を含むか又はそれに動作可能に接続されるようにできる。ユーザー入力装置520は、例えば、ジョイスティック、レバー、ボタン、ノブ、ホイール、スイッチ、スライダ、タッチスクリーン画面、マイク、カメラ、センサ、キーパッド、キーボード、ポインティングデバイス、方向指示矢印キーなど、及びそれらの組み合わせとすることができる。
【0095】
したがって、コントローラ510は、ユーザー入力装置520を介して操作者の指示を受け取るようにすることができる。一実施形態においては、操作者の指示は、ブーム118を伸長又は引込むためのブーム伸長/引込指示とすることができる。制御システム310は、例えば後述するように、ブーム伸長/引込指示を受け取ったことに応じて、ブームアクチュエータ124及び/又はアクチュエータ214の動作を制御することができる。
【0096】
一実施形態においては、制御システム310は、1つ以上のセンサを含むか、又はそれらに動作可能に接続されるようにできる。一実施形態においては、1つ以上のセンサは、第1のセンサ522、第2のセンサ524、又はその両方を含むことができる。1つ以上のセンサは、1つ以上の位置センサを含むことができる。一実施形態においては、1つ以上のセンサは、動作プレート220の位置を検知するようにされる。
【0097】
一実施形態においては、1つ以上のセンサは、コントローラ510に動作可能に接続されるようにできる。1つ以上のセンサはコントローラ510に信号を提供することができ、その信号は動作プレート220の位置を特定するためにコントローラ510によって処理されるようにできる。その結果、動作プレート220の位置を検知することができる。
【0098】
図24に示すように、一実施形態においては、第1のセンサ522は、複数の近接スイッチ522を含むことができる。一実施形態においては、複数の近接スイッチ522は、動作プレート220がプレート第1位置OP1、プレート自然位置NOP、及びプレート第2位置OP2に移動したことに応じてそれぞれ作動するように配置された第1の近接スイッチ、第2の近接スイッチ、及び第3の近接スイッチを含むことができる。近接スイッチは、動作プレート220上のターゲット526によって作動するようにできる。一実施形態においては、コントローラ510は、各近接スイッチ522を動作プレート220の対応する位置に関連付ける位置情報を保存することができる。したがって、特定の近接スイッチからの信号を受信したことに応じて、コントローラ510は、保存された位置情報に基づいて動作プレート220の対応する位置を特定することができる。
【0099】
図25に示すように、一実施形態においては、第2のセンサ524は、リニア位置センサ524とすることができる。一実施形態においては、リニア位置センサ524は、動作プレート220とともに動くようにされた移動部分528を含むことができる。移動部分528は、リニア位置センサ524のベース部分530に対して動くことができる。一実施形態においては、移動部分528は、動作プレート220とともに移動可能である磁性ターゲット528とすることができ、ベース部分530は、細長い磁気センサ部分530とすることができる。リニア位置センサ524は、ベース部分530に対する移動部分528の位置を示す信号をコントローラ510に提供することができる。コントローラ510は、移動部分528とベース部分530との相対位置を動作プレート220の位置に関連付ける位置情報を保存することができる。コントローラ510は、位置情報に基づいて動作プレート220の位置を特定することができる。
【0100】
第1の動作状態においては、制御システム310は、コントローラ510によって、動作プレート220の位置に基づいてシリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の位置を特定することもできる。例えば、コントローラ510は、動作プレート220の特定された位置に対応する期待ピン位置を示すピン位置情報を保存することができる。例えば、ピン位置情報は、動作プレート220がプレート自然位置NOP又はプレート第1位置OP1にあるときに、シリンダピン222がピン伸長位置にあることが期待されることを示すことができる。ピン位置情報はまた、動作プレート220がプレート第2位置OP2にあるときに、シリンダピン222がピン引込位置にあることが期待されることを示すことができる。
【0101】
同様に、制御システム310は、コントローラ510によって、動作プレート220の特定された位置に対応する期待セクションロックアーム位置を示すアーム位置情報を保存することができる。例えば、アーム位置情報は、動作プレート220がプレート自然位置NOP又はプレート第2位置OP2にあるときに、セクションロックアーム226がロック位置にあることが期待されることを示すことができる。アーム位置情報はまた、動作プレート220がプレート第1位置OP1にあるときに、セクションロックアーム226がロック解除位置にあることが期待されることを示すことができる。
【0102】
制御システム310はまた、コントローラ510によって、シリンダピン222及び/又はセクションアーム226の動きが妨げられているかどうかを判定するようにすることができる。例えば、制御システム310は、ユーザー入力装置520を介して、ブーム伸長/引込指示を受け取るようにすることができる。ブーム伸長/引込指示に応じて、制御システム310は、ブーム伸長/引込指示にしたがって伸縮セクション122を伸長又は引込むように、ロッキングヘッドアセンブリ210とブームアクチュエータ124を制御するようにすることができる。
【0103】
例えば、制御システム310は、コントローラ510によって、ブームアクチュエータ124を制御して、所定の動作シーケンスを実行することができる。一実施形態においては、所定の動作シーケンスは、第1の動作状態の状態で実行され、例えば、シリンダピン222に係合されることになる伸縮セクション122の一部分に隣接する位置にロッキングヘッド212を位置決めするように油圧式ロッド-シリンダセンブリ制御すること、動作プレート220を動かして、シリンダピン222をピン伸長位置にまで動かし、動かされることになる伸縮セクション122にシリンダピン222が係合するように、アクチュエータ214を制御すること、動作プレート220を動かしてセクションロックアーム226をロック解除位置にまで動かすようにアクチュエータ214を制御すること、動かされることになる伸縮セクション122にまで油圧式ロッド-シリンダセンブリを伸長又は引込むように制御すること、動作プレート220を動かしてセクションロックアームをロック位置にまで動かすようにアクチュエータ214を制御すること、動作プレート220を動かしてシリンダピンをピン引込位置にまで動かすようにアクチュエータ214を制御すること、及び、例えば別の伸縮セクションを動かすように再配置するために、ブームセクションに対してロッキングヘッドアセンブリ210を動かすように油圧式ロッド-シリンダセンブリを制御すること、を含むことができる。
【0104】
しかしながら、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の動きが妨げられている場合には、動作プレート220の動きも妨げられているかもしれない。したがって、動作プレート220が動いていないか又は期待されるように位置決めされていないと制御システム310が判断した場合には、制御システム310は、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の動きが妨げられていると判断することができる。例えば、ブーム伸長/引込指示を受け取ることに応じて、制御システム310は、動作プレート220の位置を特定し、動作プレート220を動かしてシリンダピン222又はセクションピン226を動かすようにアクチュエータ214を制御し、動作プレート220を動かすためのアクチュエータ214の動作の間及び/又はその後に動作プレート220の位置を特定するようにすることができる。動作プレート220の位置がアクチュエータ214の動作の後に変わっていないと制御システム310が判断した場合には、制御システム310は、動作プレート220の意図された動きに応じたシリンダピン222又はセクションロックアーム226の動きが妨げられていると判断することができる。
【0105】
シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の動きが妨げられていると制御システム310が判断した場合には、制御システム310は、1つ以上の補正操作を実行するようにブームアクチュエータ124を制御することができる。補正操作は、例えば、比較的に短い伸長及び/又は引込の動作を含むことができる。補正操作は、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226を隣接するブームセクション122に対して動かして、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226が動くことができるようにするための十分な隙間をもたらすことができる。
【0106】
上述の通り、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の動き、よって動作プレート220の動きが妨げられている場合に、動作緩和部216は負荷状態に動かされるようにできる。補正操作によって十分な隙間がもたらされると、負荷状態にある動作緩和部216から動作プレート220に印加された力によって、動作プレートがその意図された位置に動くようにすることができる。動作緩和部216からの付勢力の下での動作プレート220の動きにより、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の対応する動きを生じさせることができる。
【0107】
図26は、一実施形態に係る、ブームアクチュエータを制御して伸縮ブームを操作するための方法の一例を示す概略図である。当該方法600は、ステップ610において、動作プレート220の位置を検出することを含むことができる。ステップ612において、当該方法は、動作プレート220の検出された位置を動作プレート220の期待位置と比較することを含むことができる。ステップ614において、当該方法は、動作プレート220の検出された位置が動作プレート220の期待位置と同じであるかを判定することを含むことができる。ステップ616において、動作プレート220の検出された位置が動作プレート220の期待位置と同じでない場合に、当該方法は、動作プレート220が期待位置で検出されるまで、ブームアクチュエータ124を使用して補正操作を実行することを含むことができ、ここで、動作プレート220は動作緩和部216からの付勢力の下で期待位置にまで動く。一実施形態においては、当該方法では、本願明細書に説明されているように、ブームアクチュエータ124、ロッキングヘッドアセンブリ210、及び制御システム310を用いることができる。
【0108】
ステップ610において、制御システム310は、第1のセンサ522及び/又は第2のセンサ524のような1つ以上のセンサから受け取った1つ以上の信号に基づいて、動作プレート220の位置を検出することができる。一実施形態においては、動作プレート220の検出された位置は、例えば、プレート第1位置OP1、プレート自然位置NOP、又はプレート第2位置OP2とすることができる。
【0109】
ステップ612において、制御システム310は、動作プレート220の検出された位置を動作プレート220の期待位置と比較することができる。動作プレート220の期待位置は、例えば、メモリ514に保存することができる。期待位置は、例えば、プレート第1位置OP1、プレート自然位置NOP、又はプレート第2位置OP2とすることができる。制御システム310は、例えば、アクチュエータ214の動作に応じた動作プレート220の意図された動き、及び/又はシリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226の意図された動きに基づいて、検出された位置と比較される期待位置を選択することができる。例えば、一実施形態においては、意図された動作がシリンダピン222をピン引込位置にまで動かすことである場合には、制御システム310は、期待位置がプレート第2位置OP2であると判断することができる。したがって、一実施形態においては、制御システム310は、動作プレート220の検出された位置を、期待位置、すなわちこの例ではプレート第2位置OP2、と比較することができる。意図された動作は、例えばユーザーの指示又は所定の動作シーケンスにおける意図された動作を特定することに基づいて、判断されるようにできる。
【0110】
ステップ614において、制御システム310は、動作プレート220の検出された位置が期待位置と同じであるかを、ステップ612において実行された比較に基づいて、判定することができる。動作プレート220の検出された位置が期待位置と同じである場合には、制御システム310は、所定の動作シーケンスにしたがって、ブームアクチュエータ124の操作を続けることができる。
【0111】
ステップ616において、動作プレート220の検出された位置が期待位置と同じでない場合には、制御システム310は、ブームアクチュエータ124を操作して1つ以上の補正操作を実行する。補正操作は、ロッキングヘッド212がブーム118の隣接する伸縮セクション122に対して動くようにする比較的に小さい伸長及び/又は引込のような、補正動作とすることができる。例えば、制御システム310は、油圧式ロッド-シリンダセンブリのシリンダ128を制御して、ロッド126に対する比較的に短い交互の一連の動きで伸長及び/又は引込んで、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226が、隣接するブームセクションに対して対応する比較的に短い距離を動くようにすることができる。この比較的に小さい動きは、シリンダピン222及び/又はセクションロックアーム226を自由に動ける位置にまで動かすことができる。その結果、シリンダピン222及び/又はセクションアーム226が、ブームアクチュエータ124の補正操作において、自由に動ける位置にまで動かされると、動作プレート220は、動作緩和部216の付勢力の下で期待位置にまで動くことができる。そして、制御システム310は、動作プレート220が期待位置にあることを検出し、所定の動作シーケンスを続けることができる。
【0112】
一実施形態においては、補正操作は、制御システムが動作プレート220を期待位置において検出するまで実行されるようにできる。一実施形態においては、制御システム310は、動作プレート220の位置を、所定の時間間隔で、又はアクチュエータ214の動作のすぐ前とアクチュエータ214の動作のすぐ後に、検出するようにできる。すなわち、制御システム310は、動作プレート220の位置を監視することができる。一実施形態においては、制御システム310は、ユーザー入力装置520を介してブーム伸長/引込指示を受け取り、ブーム伸長/引込指示を受け取ったことに応じて所定の動作シーケンスを初期化することができる。所定の動作シーケンスは、第1の動作状態において、すなわちシリンダピン222及びセクションロックアーム226の動きが妨げられていないときに、伸縮セクション122を伸長したり引込んだりするための動作のシーケンスを含むことができる。一実施形態においては、上述の制御システム310の動作は、コントローラ510によって及び/又はコントローラ510がプログラム命令を実行したことに応じて、実行されるようにできる。
【0113】
一実施形態においては、制御システム310はまた、補助アクチュエータ256に動作可能に接続されて、補助アクチュエータ256の動きを制御するようにすることができる。上述の通り、補助アクチュエータ256は、アクチュエータ214の動作が停止されている場合に、動作プレート220の動きを制御するように操作されるようにできる。アクチュエータ214の動作は、駆動アームが駆動アームの何れかの位置、すなわち駆動アーム第1位置DA1、駆動アーム自然位置NDA、及び駆動アーム第2位置DA2に、又はそれらの間の位置にある状態で、停止するかもしれない。そのため、制御システム310は、動作プレート220が、プレート第1位置OP1、プレート自然位置NOP、及びプレート第2位置OP2のうちの1つに配置されるように、補助アクチュエータ256を制御して補助駆動アーム260を位置決めするようにできる。制御システム310はまた、補助駆動アーム260を動かして、動作プレート220をプレート第1位置OP1と、プレート自然位置NOPと、プレート第2位置OP2との間で動かすようにできる。
【0114】
例えば、一実施形態においては、アクチュエータ214の動作が停止された場合には、制御システム310は、補助アクチュエータ256を操作して、動作プレート220が1つ以上のセンサ522、524によって、プレート第1位置OP1、プレート自然位置NOP、及びプレート第2位置OP2のうちの1つで検出されるまで補助駆動アーム260を動かすようにできる。そして、制御システム310は、補助アクチュエータ256を操作して、プレート第1位置OP1と、プレート自然位置NOPと、プレート第2位置OP2との間の既知の距離だけ動作プレート220を動かすことができる。
【0115】
一実施形態においては、アクチュエータ214は、バス上で制御システム310に接続されるようにできる。バスは、CANバスとすることができる。一実施形態においては、アクチュエータ214は、バスを介して制御システム310に情報を提供するようにすることができる。一実施形態においては、アクチュエータ214によって提供される情報は、不良を示す情報とすることができる。不良情報は、例えば、アクチュエータ214が動けなくなってしまった(それにより動作が停止している)場合か又は過負荷になった場合に、提供されるようにできる。不良情報は、他の状態も示すようにできる。このようにして、制御システム310は不良情報を技術者に提供する。補助アクチュエータ256は、制御システム310に接続されて、同様な方法で不良情報を制御システム310に提供するようにできる。
【0116】
再び図23を参照して、一実施形態においては、ブームアクチュエータ124に電子モジュール532を設けることができる。電子モジュール532は、制御システム310の一部とするか、又は制御システム310に動作可能に接続されるようにできる。アクチュエータ214は、電子モジュール532に動作可能に接続されるようにできる。一実施形態においては、同様に補助アクチュエータ256も、電子モジュール532に動作可能に接続されるようにできる。電子モジュール532は、アクチュエータ214によって生じる電流を監視するようにできる。制御システム310は、アクチュエータ214によって生じた電流を示す情報を電子モジュール532から受け取るようにできる。制御システム310は、電流を示す情報に基づいて、アクチュエータ214の動作を制御することができる。例えば、アクチュエータ214が過剰な電流を生じさせていることを示唆している電流を示す情報を受け取ったことに応じて、制御システム310は、アクチュエータ214を制御して、アクチュエータ214の動作速度を落とすようにすることができる。補助アクチュエータ256は、電子モジュール532に動作可能に接続されて、同様な方法で、生じている電流を示す情報に基づいて制御システム310によって操作されるようにできる。
【0117】
一実施形態においては、制御システム310は、例えば、ロッキングヘッドアセンブリ210の個々の部品の温度を含むロッキングヘッドアセンブリ210の温度を監視するようにすることができる。アクチュエータ214のようなロッキングヘッドアセンブリ210の電子部品によって生じる電流は、温度の影響を受け得る。したがって、一実施形態においては、制御システム310は、1つ以上の温度センサ534に動作可能に接続されて、1つ以上の温度センサ534から温度情報を受け取るようにできる。制御システム310は、受け取った温度情報に基づいて、アクチュエータ214及び/又は補助アクチュエータ256のような、ロッキングヘッドアセンブリ210の1つ以上の電子部品の動作を制御することができる。例えば、制御システム310は、温度情報に応じて、アクチュエータ214の速度又はアクチュエータ214に送ることができる最大電流を調整するようにできる。
【0118】
何れの上述の実施形態からの様々な特徴も、ここに記載の他の実施形態において一緒に利用できることを理解されたい。
【0119】
ここに引用した全ての特許文献は、本開示の記載の中で明確に組み込まれているか否かに関わらず、引用によりここに組み込まれる。
【0120】
本開示における、単数形は単数および複数の両方を含むと解釈される。その逆に、複数アイテムとしての如何なる参照も、必要に応じて、単数を含む。加えて、「上方」「下方」のような方向を参照するための用語は、例示を目的としてのみ使用されており、本開示の主題を特定の方向に限定しないことを理解されたい。
【0121】
上記より数の修正や変更が、本開示の新規概念の真の精神及び範囲から離れることなく、なされうる。例示された特定の実施形態に関する如何なる限定も、意図されておらずまた示唆されない。本開示は、特許請求の範囲内にある全てのそのような変更を包含することを意図している。

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A-C】
図19D-E】
図19F-G】
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26