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特許7502438ガタツキが抑制されるハンドルスイッチ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ガタツキが抑制されるハンドルスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 23/02 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
B62K23/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022531870
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 JP2021022844
(87)【国際公開番号】W WO2021256502
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】P 2020105964
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】角田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】小坂 哲生
(72)【発明者】
【氏名】片岡 雄一
(72)【発明者】
【氏名】石見 修吾
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-324051(JP,A)
【文献】特開2006-335204(JP,A)
【文献】特開平06-321160(JP,A)
【文献】特開2009-013833(JP,A)
【文献】実開昭58-029957(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 23/02
B62J 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のハンドルバーに取り付けられるスイッチハウジングと、
前記スイッチハウジングに一体に形成されるかまたは前記スイッチハウジングに固定され、前記ハンドルバーに形成された嵌合穴と係合することで前記スイッチハウジングを前記ハンドルバーに対して位置決めする位置決め突起と、を有し、
前記位置決め突起が、前記ハンドルバーの前記嵌合穴と係合した状態において、前記位置決め突起と前記嵌合穴が重なる領域においては、前記位置決め突起の断面形状に関し、前記ハンドルバーの軸線方向における最大幅の方が、前記位置決め突起の突出方向と前記軸線方向とに直交する方向における最大幅よりも小さくなるように構成され
前記位置決め突起は、前記位置決め突起に外接する仮想円の直径が、前記位置決め突起の突出方向先端にいくほど小さくなる領域を有し、
前記位置決め突起は、前記仮想円に沿った円弧部を有する肉部を含むことを特徴とするハンドルスイッチ装置。
【請求項2】
前記肉部は、前記突出方向と前記軸線方向とに直交する方向における両端部に位置する一対の円弧状壁部であることを特徴とする請求項に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項3】
前記一対の円弧状壁部の先端部同士が接続されていることを特徴とする請求項に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項4】
少なくとも前記領域においては、前記位置決め突起の断面形状は環状であることを特徴とする請求項1に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項5】
前記位置決め突起は、前記スイッチハウジングに固定された部材に一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項6】
前記固定された部材は金属である事を特徴とする請求項に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項7】
前記位置決め突起は、前記スイッチハウジングに一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項8】
前記位置決め突起は、前記スイッチハウジングと一体となるように構成された金属部材であることを特徴とする請求項1に記載のハンドルスイッチ装置。
【請求項9】
車両のハンドルバーに取り付けられるスイッチハウジングと、
前記スイッチハウジングに一体に形成されるかまたは前記スイッチハウジングに固定され、前記ハンドルバーに形成された嵌合穴と係合することで前記スイッチハウジングを前記ハンドルバーに対して位置決めする位置決め突起と、を有し、
前記位置決め突起は、先細のテーパ形状であり、
前記位置決め突起が前記ハンドルバーの前記嵌合穴と係合した状態において、前記ハンドルバーの軸線方向において前記位置決め突起と前記嵌合穴との間に間隙が確保されることを特徴とするハンドルスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハンドルバーに取り付けられるハンドルスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2輪車に代表される車両のハンドルバーに取り付けられるハンドルスイッチ装置が知られている。例えば、特許文献1では、ハンドルスイッチ装置のスイッチハウジング内に位置決め突起を設け、ハンドルバーに形成された嵌合穴に突起を係合させることで、ハンドルバーに対するハンドルスイッチ装置の位置決めがなされる。また、特許文献2は、位置決め突起の先端をテーパ形状にすることで、嵌合穴に位置決め突起が隙間なく嵌合されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭59-188783号公報
【文献】WO2010/001568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハンドルバーの嵌合穴の円周方向全体に対して位置決め突起を当接させることは困難である。そのため、位置決め突起と嵌合穴との係合状態によっては、ハンドルスイッチ装置にガタツキが生じる場合がある。
【0005】
本発明は、より確実にハンドルスイッチ装置に生じるガタツキを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明のハンドルスイッチ装置は、車両のハンドルバーに取り付けられるスイッチハウジングと、前記スイッチハウジングに一体に形成されるかまたは前記スイッチハウジングに固定され、前記ハンドルバーに形成された嵌合穴と係合することで前記スイッチハウジングを前記ハンドルバーに対して位置決めする位置決め突起と、を有し、前記位置決め突起が、前記ハンドルバーの前記嵌合穴と係合した状態において、前記位置決め突起と前記嵌合穴が重なる領域においては、前記位置決め突起の断面形状に関し、前記ハンドルバーの軸線方向における最大幅の方が、前記位置決め突起の突出方向と前記軸線方向とに直交する方向における最大幅よりも小さくなるように構成され、前記位置決め突起は、前記位置決め突起に外接する仮想円の直径が、前記位置決め突起の突出方向先端にいくほど小さくなる領域を有し、前記位置決め突起は、前記仮想円に沿った円弧部を有する肉部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より確実にハンドルスイッチ装置に生じるガタツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ハンドルスイッチ装置の分解斜視図である。
図2】プレートを示す図である。
図3図2のA-A線に沿う断面図である。
図4図3のB-B線に沿う断面図である。
図5】変形例の位置決め突起を示す斜視図である。
図6】変形例の位置決め突起の断面図である。
図7】変形例の位置決め突起の断面図である。
図8】変形例の位置決め突起の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態に係るハンドルスイッチ装置100の分解斜視図である。このハンドルスイッチ装置100は、2輪車に代表される車両のハンドルバー10に取り付けられる。なお、ハンドルスイッチ装置100が取り付けられるハンドルバーは円筒状であればよく、2輪車に限らず、3輪車両または4輪車両のハンドルバーであってもよい。
【0011】
ハンドルスイッチ装置100は、ハンドルバー10の右端部を覆うスイッチハウジングとして、フロントハウジング11およびリアハウジング12を有する。フロントハウジング11およびリアハウジング12は、車両の進行方向における略前後に配置される。運転者側に配置されるフロントハウジング11には、各種スイッチが取り付けられている。例えば、スイッチ13はエンジンストップスイッチである。スイッチ14はハザードスイッチである。スイッチ15はスタートスイッチである。フロントハウジング11およびリアハウジング12は、2本のビス41,42によって互いに締結されることで、ハンドルバー10を前後方向から挟むようにハンドルバー10に対して固定される。フロントハウジング11およびリアハウジング12は各々、樹脂で一体に形成される。
【0012】
ハンドルバー10は金属で構成される。ハンドルバー10には嵌合穴10aが形成されている。リアハウジング12の内側には金属製のプレート20がビス17、18によって固定されている。プレート20の詳細な構成は後述するが、プレート20には位置決め突起30が形成されている。フロントハウジング11およびリアハウジング12が互いに締結されることで、ハンドルバー10の嵌合穴10aに位置決め突起30が係合する。これにより、ハンドルバー10の軸線方向(中心軸X1方向)と、中心軸X1を中心としたハンドルバー10の回転方向(円周方向)とに関し、ハンドルバー10に対するスイッチハウジングの位置決めがなされる。
【0013】
図2は、プレート20を示す図である。図3は、図2のA-A線に沿う断面図である。プレート20は、それぞれ平坦な第1ベース部21と第2ベース部22とを有する。第1ベース部21と第2ベース部22とは斜面部によって接続されている。第2ベース部22からは、屈曲部を介して延設部27が延設されている(図3)。
【0014】
第1ベース部21における穴26は、フロントハウジング11とリアハウジング12とを締結するビス41が通る穴である。第1ベース部21の穴23を介してビス17がリアハウジング12に螺合されると共に、延設部27の穴25を介してビス18がリアハウジング12に螺合される。第2ベース部22の穴24は、ビス18を螺合する際の逃げ穴である。
【0015】
図4は、図3のB-B線に沿う断面図である。位置決め突起30は、金属部材であるプレート20に一体に形成されている。位置決め突起30は、第2ベース部22から、ハンドルバー10の中心軸X1へ向けて突出するよう形成されている。第2ベース部22を挟んでハンドルバー10とは反対側から見ると、位置決め突起30は、中心軸X1がある側へ窪んだ凹部である。位置決め突起30の先端部は略平坦な天面部35となっている。
【0016】
図4に示すように、位置決め突起30は、第1肉部31、第2肉部32、第3肉部33および第4肉部34を有する。これらの肉部の各先端が、天面部35で互いに接続されている(図2図3)。位置決め突起30の外郭は、先細のテーパ形状に形成されている。すなわち、肉部31~34の外面はテーパ形状である。なお、肉部33、34の外面はテーパ形状でなくてもよく、例えば、位置決め突起30の突出方向に平行であってもよい。位置決め突起30は、突出方向においては、係合領域R0(図3)で嵌合穴10aと係合し得るように設計されている。すなわち、位置決め突起30が嵌合穴10と係合した状態において、位置決め突起30と嵌合穴10とは係合領域R0で重なる。
【0017】
図4に示すように、位置決め突起30の突出方向と直交し中心軸X1に平行な方向を第1方向(軸線方向)とし、突出方向と軸線方向とに直交する方向を第2方向とする。位置決め突起30に外接する仮想円C0を考える。仮想円C0は、位置決め突起30の突出方向に垂直な仮想平面に含まれる仮想円である。図4では、仮想円C0の1つと一致する円として、嵌合穴10aの中心軸X1から遠い側の端位置が示されている。位置決め突起30は、突出方向先端にいくほど仮想円C0の直径が小さくなる領域を有する。この領域に係合領域R0が含まれる。少なくとも係合領域R0においては、位置決め突起30の断面形状は環状である。重心Gは、この断面形状の重心位置を示す。
【0018】
一般に、ハンドルバーが円柱形状で嵌合穴が円形であることから、テーパ形状の位置決め突起はハンドルバーの軸線方向における嵌合穴の両端位置に強く当接する傾向がある。ハンドルバーの軸線方向における嵌合穴の両端位置で位置決め突起が主に係合した場合、軸線方向へのガタツキは小さいが、回転方向におけるガタツキが大きくなるという問題がある。回転方向におけるガタツキはユーザに認識されやすいことから極力抑制するのが望ましい。そこで、以下に説明するように、本実施の形態では、位置決め突起30と嵌合穴10aとの係合関係に着目し、ガタツキを抑制する。
【0019】
第1肉部31、第2肉部32はそれぞれ、仮想円C0に沿った円弧部31a、32aを有する肉部である。第1肉部31と第2肉部32とは、第2方向における両端部に位置する一対の円弧状壁部に該当する。第1方向における第1肉部31および第2肉部32の一端部同士が第3肉部33で接続され、第1方向における第1肉部31および第2肉部32の他端部同士が第4肉部34で接続されている。
【0020】
位置決め突起30の断面形状については、第2方向が長手方向となっている。すなわち、少なくとも係合領域R0においては、位置決め突起30の断面形状に関し、第2方向における最大幅B2よりも、第1方向における最大幅B1の方が短い(小さい)。これにより、第3肉部33および第4肉部34は、第2方向(長手方向)における中間位置では嵌合穴10aと係合することがなく、第1肉部31および第2肉部32が嵌合穴10aと係合する。従って、位置決め突起30は、嵌合穴10aに対して第2方向においてしっかりと位置決めされる。ひいては、ハンドルバー10に対する、中心軸X1を中心とする回転方向へのスイッチハウジングのガタツキが抑制される。
【0021】
位置決め突起30の形状の特徴と作用を言い換えると次のようになる。位置決め突起30には、嵌合穴10aと係合した状態において、第1方向において位置決め突起30と嵌合穴10aとの間に間隙S1、S2を確保するための逃げ部33x、34xが形成されている。すなわち、先端が平坦な円錐形状に対して、逃げ部33x、34xを形成することで、第2方向における中間位置においては、位置決め突起30の第1方向における両端部が嵌合穴10aと当接しなくなる。これにより、位置決め突起30は、第1肉部31の円弧部31aと第2肉部32の円弧部32aとで嵌合穴10aと係合する。
【0022】
ところで、仮にスイッチハウジングが第1方向への力を受けた場合でも、第2方向における円弧部31a、32aの各一端または各他端が嵌合穴10aと強く係合する。従って、第1方向へのスイッチハウジングの変位が規制されるので、ハンドルバー10の軸線方向におけるガタツキも大きくならない。
【0023】
本実施の形態によれば、位置決め突起30に外接する仮想円C0の直径が突出方向先端にいくほど小さくなる領域R0がある。少なくとも、領域R0においては、位置決め突起30の断面形状に関し、第2方向における最大幅B2よりも、第1方向における最大幅B1の方が短い。これにより、中心軸X1を中心とした回転方向におけるハンドルバー10に対するハンドルスイッチ装置100のガタツキを抑制することができる。よって、より確実にハンドルスイッチ装置に生じるガタツキを抑制することができる。
【0024】
また、位置決め突起30は中空の凹部を有するので、材料の節約や軽量化に寄与する。位置決め突起30はそのような形状でありながらも、嵌合穴10aと係合する円弧部31a、32aを有する肉部31、32の先端部同士が天面部35で互いに接続されるので、位置決め突起30の高い強度を確保することができる。また、係合領域R0において位置決め突起30の断面形状が環状であることによっても、高い強度を確保することができる。なお、さらなる強度向上の観点からは、位置決め突起30を凹部形状でない中実の構成としてもよい。
【0025】
また、位置決め突起30は、スイッチハウジングに固定された金属部材であるプレート20に一体に形成されるので、部品点数を抑制すると共に、耐久性を高めることができる。
【0026】
なお、位置決め突起30は、スイッチハウジングと一体に形成されるかまたはスイッチハウジングに固定されればよい。すなわち、位置決め突起30は、プレート20に形成されることは必須ではなく、スイッチハウジングと一体に構成されてもよい。例えば、図5に変形例として示すように、位置決め突起30は金属部材であって、リアハウジング12と一体となるように構成されてもよい。リアハウジング12には、台座36が一体に形成されている。リアハウジング12の台座36に、インサート成形等によって金属ピンである位置決め突起30を設ける。これにより、金属の位置決め突起30が樹脂のリアハウジング12と一体に形成される。あるいは、金属の位置決め突起30が、リアハウジング12に圧入によって固定されてもよい。
【0027】
あるいは、位置決め突起30は、スイッチハウジングに一体に形成されてもよい。この場合、図5を用いて説明すれば、射出成形によって、台座36および位置決め突起30を樹脂のリアハウジング12に一体に形成してもよい。なお、いずれの例においても、台座36はボスのような形態であってもよい。なお、台座36は必須でない。
【0028】
変形例の位置決め突起30を図6図8で説明する。図6図8は、変形例の位置決め突起30の断面図であり、図4に対応している。
【0029】
図6に示す位置決め突起30は、図4に示す例に対し、第3肉部33および第4肉部34を廃止した構成を有する。肉部31、32の先端部同士は天面部35で互いに接続されている。肉部31、32と、仮想円C0や嵌合穴10aとの係合関係は、図4に示す例と同様である。
【0030】
図7に示す位置決め突起30は、図4に示す例に対し、第1肉部31および第2肉部32を廃止した構成を有する。ただし、第2方向における第3肉部33の両端部は、仮想円C0に沿った円弧部33a1、33a2を有する。同様に、第2方向における第4肉部34の両端部は、仮想円C0に沿った円弧部34a1、34a2を有する。肉部33、34の先端部同士は天面部35で互いに接続されている。円弧部33a1、33a2、34a1、34a2が嵌合穴10aと係合する。
【0031】
図8に示す位置決め突起30は、突出方向先端にいくほど直径が小さくなる柱部37A、37B、38A、38Bを有する。柱部37A、37B、38A、38Bの先端部同士は天面部35で互いに接続されている。柱部37A、37B、38A、38Bが嵌合穴10aと係合する。
【0032】
図4に示す例、図6図8に示す変形例のいずれにおいても、位置決め突起30の先端部は天面部35のような平坦な壁で接続される必要はない。例えば、位置決め突起30の先端が尖っていても良く、各肉部同士や各柱部同士が位置決め突起30の先端位置で接続される構成であってもよい。
【0033】
なお、上述の例では位置決め突起30はリアハウジング12に設けられたが、フロントハウジング11に設けられてもよい。
【0034】
上述の例ではハンドルスイッチ装置100として、ハンドルバー10の右端部に取り付けられるものを示したが、ハンドルバー10の左端部に取り付けられるハンドルスイッチ装置にも本発明を適用可能である。
【0035】
なお、嵌合穴10a(ないし仮想円C0)の曲率と円弧部31a、32aの曲率とが一致することは必須でない。例えば、嵌合穴10aと係合する位置における円弧部31a、32aの曲率を嵌合穴10aよりも小さく(曲率半径を大きく)設定し、円弧部31a、32aのそれぞれが、嵌合穴10aに対して複数個所で当接するようにしてもよい。そのようにすれば、ハンドルバー10とハンドルスイッチ装置100との固定状態がより確実になる。
【0036】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0037】
本願は、2020年6月19日提出の日本国特許出願特願2020-105964を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てをここに援用する。
【符号の説明】
【0038】
10 ハンドルバー
10a 嵌合穴
11 フロントハウジング
12 リアハウジング
20 プレート
30 位置決め突起
31~34 肉部
33a1、33a2、34a1、34a2 円弧部
35 天面部
37A、37B、38A、38B 柱部
100 ハンドルスイッチ装置
C0 仮想円
R0 領域
B1、B2 最大幅
S1、S2 間隙
33x、34x 逃げ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8