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  • 特許-レーザ加工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】レーザ加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/067 20060101AFI20240611BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20240611BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240611BHJP
【FI】
B23K26/067
B23K26/00 N
B23K26/21 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022538724
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 JP2020034367
(87)【国際公開番号】W WO2022054211
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2022-06-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314017543
【氏名又は名称】Primetals Technologies Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】八木 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】加賀 慎一
(72)【発明者】
【氏名】渡部 裕二郎
(72)【発明者】
【氏名】奥田 剛久
【合議体】
【審判長】渋谷 善弘
【審判官】田々井 正吾
【審判官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/099326(WO,A1)
【文献】特表2022-517713(JP,A)
【文献】特開2010-029938(JP,A)
【文献】特開2014-121715(JP,A)
【文献】特開2013-052445(JP,A)
【文献】特開2002-219590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状に配列される第1スポット、第2スポット及び第3スポットが被加工材の加工対象部をこの順で通過するように、前記第1スポット、前記第2スポット及び前記第3スポットを含む複数のレーザスポットに対して被加工材を相対的に動かして前記被加工材を加工するステップを備え、
前記第1スポット、前記第2スポット及び前記第3スポットにおけるレーザ光のエネルギーの総量に対し、
前記第1スポットにおけるエネルギーの比率は20%以上30%以下であり、
前記第2スポットにおけるエネルギーの比率は20%以上30%以下であり、
前記第3スポットにおけるエネルギーの比率は50%以上55%以下であり、
前記第1スポットにおける前記エネルギーの比率は、前記第2スポットにおける前記エネルギーの比率よりも大きく、
前記第1スポットの直径、前記第2スポットの直径及び前記第3スポットの直径が等しい
レーザ加工方法。
【請求項2】
前記第1スポット、前記第2スポット、前記第3スポットの各々の直径は、0.25mm以上0.4mm以下であり、
前記複数のレーザスポットのうち隣り合う2つのレーザスポットの中心間の距離Lと、前記隣り合う2つのレーザスポットの平均スポット径φ avg との比L/φ avg は、2.5以上3.5以下である
請求項1に記載のレーザ加工方法。
【請求項3】
前記第1スポットと前記第3スポットの中心間距離は、前記被加工材の前記加工対象部の厚さよりも小さい
請求項1又は2に記載のレーザ加工方法。
【請求項4】
前記被加工材は、一対の板材を含み、
前記加工するステップでは、前記一対の板材の突合せ溶接を行う
請求項1乃至の何れか一項に記載のレーザ加工方法。
【請求項5】
前記加工するステップでは、
前記第1スポット及び前記第2スポットにおいて前記被加工材の厚さよりも小さい深さのキーホールを前記被加工材に形成し、
前記第3スポットにおいて、前記被加工材を貫通するキーホールを前記被加工材に形成する
請求項1乃至の何れか一項に記載のレーザ加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光を集光して形成されるレーザスポットを用いて金属等の被加工材を加工することが知られている。
【0003】
特許文献1には、1本の光ファイバからのレーザ光から3つの集光スポットを形成し、これらの3つの集光スポットを用いて金属材料(被加工材)の溶接をすることが開示されている。また、特許文献1には、金属材料の溶接において、レーザスポットによる急激な加熱や冷却による欠陥発生を抑制するために、3つのうちの最初の集光スポットで予熱を行い、次の集光スポットで本加工を行い、最後の集光スポットで徐冷を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-271773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、製鉄ライン等で用いられるレーザ溶接装置等のレーザ加工装置では、加工品質を維持しながら加工速度を向上することが求められる。しかし、レーザスポットによる加工では、加工品質を維持しながら加工速度を向上させることは難しい。例えば、加工速度を向上させるためにレーザスポットにおけるエネルギー密度を上昇させると、被加工材に細くて深いキーホールが形成される。この場合、被加工材においてキーホールと固液界面との距離が狭くなり、狭い溶融池から急激に金属蒸気が噴出しやすくなるため、溶融金属の飛散(スパッタ)が発生しやすくなる(即ち加工品質が低下する)と考えられる。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることが可能なレーザ加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係るレーザ加工方法は、
直線状に配列される第1スポット、第2スポット及び第3スポットが被加工材の加工対象部をこの順で通過するように、前記第1スポット、前記第2スポット及び前記第3スポットを含む複数のレーザスポットに対して被加工材を相対的に動かして前記被加工材を加工するステップを備え、
前記第1スポット、前記第2スポット及び前記第3スポットにおけるレーザ光のエネルギーの総量に対し、
前記第1スポットにおけるエネルギーの比率は20%以上30%以下であり、
前記第2スポットにおけるエネルギーの比率は20%以上30%以下であり、
前記第3スポットにおけるエネルギーの比率は45%以上55%以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることが可能なレーザ加工方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の一例を示す概略図である。
図2】被加工材の加工対象部をレーザ光の照射方向から視た模式図である。
図3A】一実施形態に係るレーザ加工方法の実施過程における被加工材の加工対象部を示す模式図である。
図3B】一実施形態に係るレーザ加工方法の実施過程における被加工材の加工対象部を示す模式図である。
図4】幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の一例を示す概略図である。
図5】幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の一例を示す概略図である。
図6】幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0011】
(レーザ加工装置の構成)
まず、幾つかのレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置について説明する。図1及び図4~6は、それぞれ、幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の一例を示す概略図である。同図に示すように、一実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ発振器2と、光ファイバ4と、レーザ照射部6と、コリメート光学系8と、集光光学系10と、を備えている。レーザ照射部6、コリメート光学系8、及び、集光光学系10は、加工ヘッドを構成し、ハウジング(不図示)に収容されるとともに該ハウジングに支持される。
【0012】
レーザ発振器2は、例えば光ファイバ4を媒質として利用するファイバレーザ発振器であってもよい。ファイバレーザ発振器の場合、1070nm~1080nmの波長のレーザ光が得られる。レーザ発振器2で生成されたレーザ光は、光ファイバ4に伝達される。なお、レーザ発振器2は、ファイバレーザに限定されない。幾つかの実施形態では、レーザ発振器2は、例えば、CO2レーザ発振器、又はYAGレーザ発振器等であってもよい。
【0013】
光ファイバ4は、一端側においてレーザ発振器2と接続され、他端側においてレーザ照射部6と接続される。光ファイバ4は、レーザ発振器2からレーザ照射部6へレーザ光を伝達するように構成されている。
【0014】
レーザ照射部6は、光ファイバ4からのレーザ光を被加工材100に向けて照射するように構成される。コリメート光学系8は、レーザ照射部6から広がり角を持って照射されるレーザ光をコリメートするように、即ち、該平行なレーザ光を形成するように構成される。コリメート光学系8は、コリメートレンズを含んでもよい。集光光学系10は、コリメート光学系8を通過したレーザ光(平行なレーザ光)を集光するように構成されている。集光光学系10は、集光レンズを含んでもよい。
【0015】
レーザ加工装置1は、集光光学系10によって集光されて高いエネルギー密度を有するレーザ光を被加工材100の加工対象部102に照射することにより、該被加工材100を加工(例えば溶接等)するように構成される。被加工材100の加工時には、レーザ加工ヘッドに対して被加工材100を相対的に移動させることにより、レーザ加工ヘッドからのレーザ照射による被加工材100の加工位置(即ち、レーザ照射位置)を動かすことで加工を行う。被加工材100は、合金等の金属材料であってもよい。
【0016】
レーザ加工装置1は、直線状に配列される第1スポットP1,第2スポットP2及び第3スポットP3を含む複数のレーザスポット(集光光学系10によるレーザの集光スポット)を形成するように構成される。図1及び図4図6に示すように、レーザ加工装置1は、3つのレーザスポットP1~P3(図2参照)を形成するように構成されてもよい。なお、図2は、被加工材100の加工対象部102を、レーザ照射部6によるレーザ光の照射方向から視た模式図である。
【0017】
図1図4及び図5に示す例示的な実施形態では、レーザ加工装置1は、1つのレーザ照射部6から照射されるレーザ光を3つに分岐させるためのレーザ分岐部12を含む。図1図4及び図5に示すレーザ分岐部12は、コリメート光学系8と集光光学系10との間に設けられ、コリメート光学系8からの平行なレーザ光を3つに分岐して、集光光学系10に導くように構成される。
【0018】
図1に示す例示的な実施形態では、レーザ分岐部12は、コリメート光学系8からのレーザ光の断面内にて互いに間隔を空けて設けられる2つの傾斜プリズム14A,14Bを含む。2つの傾斜プリズム14A,14Bのレーザ光の断面内における位置は、調整可能になっている。この場合、3つのレーザスポットP1~P3におけるレーザ光のエネルギーの比率(エネルギーの配分)は、2つの傾斜プリズム14A,14Bのレーザ光の断面内への挿入量によって決まる。また、3つのレーザスポットP1~P3のスポット中心間の距離は、2つの傾斜プリズム14A,14Bのウェッジ角θ(図1参照)によって決まる。なお、図1において、傾斜プリズム14A,14Bのウェッジ角θは鋭角であるが、傾斜プリズム14A,14Bのウェッジ角θは鈍角であってもよい。
【0019】
レーザスポットP1~P3の直径(スポット径) φ1~φ3は、光ファイバ4のコア径φfiberと光学系の倍率Mによって決まる。ここで、光学系の倍率Mは、集光光学系10の焦点距離(F)と、コリメート光学系8の焦点距離(F)との比M=F/Fである。すなわち、上述のスポット径は、光ファイバのコア径φfiber、集光光学系10の焦点距離(F)、コリメート光学系8の焦点距離(F)、又は、光学系の倍率Mを変更することにより調節可能である。
【0020】
図4に示す例示的な実施形態では、レーザ分岐部12は、コリメート光学系8からのレーザ光の通過領域内に設けられる1つの多角プリズム15を含む。レーザ光の断面内における多角プリズム15の位置は調整可能になっている。この場合、3つのレーザスポットP1~P3におけるレーザ光のエネルギーの比率(エネルギーの配分)は、レーザ光の断面内における多角プリズム15の位置によって決まる。また、3つのレーザスポットP1~P3のスポット中心間の距離は、多角プリズム15のウェッジ角によって決まる。
【0021】
図5に示す例示的な実施形態では、レーザ分岐部12は、コリメート光学系8からのレーザ光の少なくとも一部を反射するように設けられたミラー16A~16Dを含む。なお、図5中におけるミラー16Cは、レーザ光の一部を反射し、レーザ光の一部を透過させるハーフミラーである。また、集光光学系10は、ミラー16A~16Dによって分岐された3つのレーザ光をそれぞれ集光するための3つの集光レンズを含む。この場合、3つのレーザスポットP1~P3におけるレーザ光のエネルギーの比率(エネルギーの配分)、及び、3つのレーザスポットP1~P3のスポット中心間の距離は、ミラー16A~16Dの設置位置及び設置角度によって決まる。
【0022】
図6に示す例示的な実施形態では、3つのレーザ照射部6から照射されるレーザ光から3つのレーザスポットP1~P3が形成されるようになっている。すなわち、図6に示すレーザ加工装置1は3つのレーザ発振器2を含み、これらのレーザ発振器2から発振されるレーザ光が、それぞれ、光ファイバ4を介して伝達されてレーザ照射部6から照射されるようになっている。3つのレーザ照射部6からそれぞれ照射される3つのレーザ光は、それぞれ、コリメート光学系8(コリメートレンズ)によって平行光にされ、集光光学系10(集光レンズ)によって集光されて3つのレーザスポットP1~P3を形成する。なお、コリメート光学系8は、3つのレーザ照射部6にそれぞれ対応する3つのコリメートレンズを含んでもよい。また、集光光学系10は、3つのレーザ照射部6にそれぞれ対応する3つの集光レンズを含んでもよい。図6に示す実施形態の場合、3つのレーザスポットP1~P3におけるレーザ光のエネルギーの比率(エネルギーの配分)は、3つのレーザ発振器2の出力によって決まる。また、3つのレーザスポットP1~P3のスポット中心間の距離は、レーザ照射部6や集光光学系10の配置によって決まる。
【0023】
(レーザ加工方法)
次に、幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法について説明する。幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法は、例えば、上述したレーザ加工装置1によって実行することができる。また、幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法は、他のレーザ加工装置を用いて実行してもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、直線状に配列される第1スポットP1、第2スポットP2及び第3スポットP3が被加工材100の加工対象部102をこの順で通過するように、これらの複数のレーザスポットP1~P3に対して被加工材100を相対的に動かして被加工材100を加工する(加工ステップ)。ここで、第1スポットP1、第2スポットP2及び第3スポットP3におけるレーザ光のエネルギーの総量(100%)に対し、第1スポットP1におけるエネルギーの比率E1は20%以上30%以下であり、第2スポットP2におけるエネルギーの比率E2は20%以上30%以下であり、第3スポットP3におけるエネルギーの比率E3は45%以上55%以下である。
【0025】
なお、上述のように被加工材100を加工する前に、予め、第1スポットP1~第3スポットP3におけるエネルギーの比率が上述の範囲になるように、レーザ加工装置1の調整がなされる。
【0026】
ここで、図3A及び図3Bは、上述の実施形態に係るレーザ加工方法の実施過程における被加工材100の加工対象部102を示す模式図である。図3Aは、被加工材100の加工対象部102を、レーザ照射部6によるレーザ光の照射方向から視た模式図であり、図3Bは、被加工材100の模式的な断面図である。
【0027】
一般に、レーザスポットによる加工では、加工品質を維持しながら加工速度を向上させることは難しい。例えば、加工速度を向上させるためにレーザスポットにおけるエネルギー密度を上昇させると、被加工材に細くて深いキーホールが形成される。この場合、被加工材においてキーホールと固液界面との距離が狭くなり、狭い溶融池から急激に金属蒸気が噴出しやすくなるため、溶融金属の飛散(スパッタ)が発生しやすくなる(即ち加工品質が低下する)と考えられる。
【0028】
この点、上述の実施形態では、第1~第3スポットP1~P3におけるエネルギー密度は、第1スポットP1及び第2スポットP2で比較的小さく、第3スポットP3で比較的大きい。したがって、図3A及び図3Bに示すように、先ず、加工対象部102に第1スポットP1のレーザ光が照射されて、これにより、被加工材100の加工対象部102に浅いキーホールK1及び溶融池101が形成される。なお、キーホールが浅い場合、スパッタは発生し難い。次に、第1スポットP1にて形成された溶融池101に第2スポットP2のレーザ光が照射されて、浅いキーホールK2が形成されるとともに、キーホールK2と固液界面103(溶融池101と母材の界面)との距離が拡大される。すなわち、図2Aに示すように、第1スポットP1により形成されるキーホールK1の側方(加工方向と直交する方向における側方)における固液界面103との距離W1に比べ、第2スポットP2により形成されるキーホールK2の側方における固液界面103との距離W2が大きくなる。次に、上述のように形成された比較的浅く広い溶融池101に、エネルギー密度の高い第3スポットP3のレーザ光が照射されて、比較的深いキーホールK3が形成される。なお、第3スポットP3によるキーホールK3の側方における固液界面103との距離W3は、上述の距離W2と同等又はそれ以上になると考えられる。
【0029】
このように、上述の実施形態では、エネルギー密度が比較的小さい第1スポットP1及び第2スポットP2にて、被加工材100の加工対象部102に浅く広い溶融池101が形成された状態で、エネルギー密度が比較的大きい第3スポットP3により深いキーホールK3を形成するようにしたので、深いキーホールK3と固液界面103との距離を大きく確保できる。すなわち、エネルギー密度が大きいレーザスポット(第3スポットP3)を被加工材100に照射しているときのスパッタの発生を効果的に抑制することができる。したがって、上述の実施形態によれば、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0030】
幾つかの実施形態では、第1スポットP1におけるエネルギーの比率E1は、第2スポットP2におけるエネルギーの比率E2よりも大きい。
【0031】
上述の実施形態では、第1スポットP1及び第2スポットP2におけるエネルギー密度は、第1スポットP1で比較的大きく、第2スポットP2で比較的小さい。したがって、未加熱の加工対象部(被加工材)をエネルギー密度が比較的大きい第1スポットP1が先ず通過することで、速やかにキーホール及び溶融池を被加工材100の加工対象部102に形成することができる。よって、加工速度をより効果的に向上させることができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、第1スポットP1の直径(スポット径)φ1、第2スポットP2の直径φ2、及び第3スポットP3直径φ3は、それぞれ、0.25mm以上0.4mm以下である。
【0033】
上述の実施形態では、第1~第3スポットP1~P3の直径φ1~φ3は、それぞれ0.25mm以上であるので、各々のレーザスポットP1~p3にて被加工材100を効果的に加熱することができ、被加工材100の加工に必要な母材の溶融量が得られやすい。また、上述の実施形態では、第1~第3スポットP1~P3の直径φ1~φ3は、それぞれ0.4mm以下であるので、スポット径が大きいことによるスパッタの増加を効果的に抑制することができる。よって、上述の実施形態によれば、加工品質の低下の抑制と加工速度の向上とを両立しやすくなる。
【0034】
幾つかの実施形態では、複数のレーザスポットP1~P3のうち隣り合う2つのレーザスポットの中心間の距離Lと、前述の隣り合う2つのレーザスポットの平均スポット径φavgとの比L/φavgは、2.5以上3.5以下である。すなわち、隣り合う第1スポットP1と第2スポットP2の中心間の距離L12図2参照)と、第1スポットP1と第2スポットP2の平均スポット径φavg(=(φ1+φ2)/2)との比(2×L12)/(φ1+φ2)は、2.5以上3.5以下である。あるいは、隣り合う第2スポットP2と第3スポットP3の中心間の距離L23図2参照)と、第2スポットP2と第3スポットP3の平均スポット径φavg(=(φ2+φ3)/2)との比(2×L23)/(φ2+φ3)は、2.5以上3.5以下である。
【0035】
上述の実施形態では、上述の比L/φavgが2.5以上であり、隣り合う2つのレーザスポットの平均スポット径φavgに対してスポット中心間の距離Lがある程度大きい。このため、近接する2つのレーザスポットで形成されるキーホール同士が合体してしまい見かけ上大きな1つのキーホールになってしまうのを抑制することができる。よって、スパッタの発生を効果的に抑制することができる。また、上述の実施形態では、上述の比L/φavgが3.5以下であり、隣合う2つのレーザスポットの平均スポット径φavgに対してスポット中心間の距離Lが大き過ぎない。このため、被加工材100の加工対象部102を、隣り合う2つのレーザスポットの一方(第1スポットP1又は第2スポットP2)が通過してから、他方のレーザスポット(第2スポットP2又は第3スポットP3)が到達するまでの間に生じ得る溶融金属の冷却による再凝固を抑制することができ、レーザスポットにより形成されるキーホールの周囲の融液を効果的に増やすことができる。これにより、第3スポットP3で深いキーホールを形成するときのスパッタの発生を効果的に抑制することができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、被加工材100は、一対の板材を含み、上述の加工ステップでは、一対の板材の突合せ溶接を行う。
【0037】
上述の実施形態に係る方法によれば、複数のレーザスポットP1~P3による一対の板材の突合せ溶接において、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0038】
なお、板材同士の突合せ溶接の場合、レーザスポットの直径が0.25mmよりも小さいと、板材同士の間隙を十分に満たせるだけの母材の溶融量を得ることが難しい。そこで、板座同士の突合せ溶接の場合、第1~第3スポットP1~P3の直径φ1~φ3をそれぞれ、0.25mm以上とすることで、母材の溶融量を十分に得やすくなる。これにより、溶接品質の低下を効果的に抑制することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、第1スポットP1と第3スポットP3の中心間距離L13図2参照)は、被加工材100の加工対象部102の厚さ(例えば、上述の板材の厚さ)よりも小さい。
【0040】
例えば、各レーザスポットP1~P3の直径φ1~φ3の各々が0.25mmであり、かつ、上述の比L/φavgが、2.5である場合、被加工材100の加工対象部102の厚さは1.2mm以上とする。あるいは、各レーザスポットP1~P3の直径φ1~φ3の各々が0.4mmであり、かつ、上述の比L/φavgが、3.5である場合、被加工材100の加工対象部102の厚さは2.8mm以上とする。
【0041】
上述の実施形態によれば、被加工材100の加工対象部102の厚さよりも長さが短い比較的小さな領域に形成される複数のレーザスポットP1~P3による加工において、上述したように、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、上述の加工ステップにおいて、第1スポットP1及び第2スポットP2において被加工材100の厚さよりも小さい深さのキーホールK1及びK2を被加工材100に形成し、第3スポットP3において、被加工材100を貫通するキーホールK3を被加工材100に形成する。すなわち、このようなキーホールK1~K3を形成可能なレーザ出力及び加工速度にて、上述の加工ステップを行う。
【0043】
上述の実施形態によれば、第1スポットP1及び第2スポットP2において被加工材100の厚さよりも小さい深さのキーホールK1,K2を被加工材100に形成するとともに、第3スポットP3において、被加工材100を貫通するキーホールK3を形成する。したがって、被加工材100を貫通するキーホールを形成する工程を含む加工(例えば、上述の板材同士の突合せ溶接による貫通溶接等)において、上述したように、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【実施例
【0044】
図1に示すレーザ加工装置1を用いて、表1に示す試験例1~9の試験条件にて上述の加工ステップに従い、板厚6mmの板材同士の突合せ溶接を行った。すなわち、レーザ加工装置1により直線状に配列される第1スポットP1、第2スポットP2及び第3スポットP3を形成し、これらのレーザスポットP1~P3が被加工材(板材)の加工対象部をこの順で通過するように、これらの複数のレーザスポットP1~P3に対して板材を相対的に動かして板材同士の突合せ溶接を行った。表1に示す試験条件の定義は以下のとおりである。
【0045】
スポット直径φ(mm):第1~第3スポットの直径(φ=φ1=φ2=φ3)
スポット間距離L(mm):第1スポット-第2スポット間の距離L12、及び第2スポット-第3スポット間の距離L23(L=L12=L23
ビームエネルギー比率E1~E3(%):第1~第3スポットにおけるレーザ光のエネルギーの総量(100%)に対する第1~第3スポットの各々におけるエネルギーの比率
溶接速度(m/min):溶接方向におけるレーザスポットP1~P3に対する板材の相対速度
【0046】
また、上述の溶接を行った後、各試験例について、溶接品質(加工品質)の評価を行った。溶接品質の評価指標は以下のとおりである。評価結果を表1~表3に示す。(なお、表2,3に示す各試験例の試験条件は、表1に記載した試験条件と同一である。)
【0047】
スパッタ:目視にて、スパッタ量が少ない場合は「良好」と評価し、スパッタ量が多い場合は「不良」と評価した。
ビード(試験例4,5,8,9について;表2~3参照):板材の両面のうち片側又は両側にてアンダーフィルが生じていない場合「良好」と評価し、アンダーフィルが生じている場合に「不良」と評価した。
【0048】
【表1】
【0049】
表1からわかるように、ビームエネルギー比率E1が20%以上30%以下、E2が20%以上30%以下、かつ、E3が45%以上55%以下である試験例3~5,8,9では、溶接速度が3.5m/min以上において、発生したスパッタの量が少なく溶接品質が良好であった。これに対し、ビームエネルギー比率E1~E3が、上述の範囲外である試験例1,2,6,7では、発生したスパッタの量が多く溶接品質が不良であった。このことから、ビームエネルギー比率E1を20%以上30%以下、E2が20%以上30%以下、かつ、E3が45%以上55%以下とすることにより、スパッタの発生を抑制しやすく、したがって、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させやすいことが確認できる。
【0050】
次に、下記表2からわかるように、「スパッタ」に係る評価結果が良好と判定された試験例4,5,8,9のうち、レーザスポットのスポット直径φが0.25mm以上0.4mm以下の範囲内である試験例5では、溶接速度が7m/min以上において、アンダーフィルが発生せず、溶接品質が特に良好であった。すなわち、高速な加工と、良好な加工品質とが両立された。
【0051】
これに対し、スポット直径φが0.25mm未満である試験例8では、高速な加工(溶接速度が7m/min)においてスパッタの発生が少なかったが、アンダーフィルが発生した。これは、スポット直径φが小さいことにより、被加工材100の加工に必要な母材の溶融量が十分に得られなかったためと考えられる。また、スポット直径が0.4mm超の試験例9では、高速な加工(溶接速度が7m/min)においてスパッタの発生が少なかったが、アンダーフィルが発生した。これは、スポット径が大きいことによりスパッタが生じやすくなったためと考えられる。なお、スポット直径が0.4mm超の試験例4では、アンダーフィルは生じなかったが、加工速度が5m/minに止まり、試験例5ほどの良好な結果とはならなかった。これらのことから、スポット直径φを0.25mm以上0.4mm以下の範囲内とすることにより、加工品質の低下の抑制と加工速度の向上とを両立しやすくなることが確認できる。
【0052】
【表2】
【0053】
次に、下記表3からわかるように、「スパッタ」に係る評価結果が良好と判定された試験例5,8,9のうち、スポット間距離Lと、レーザスポットのスポット直径φとの比L/φが2.5以上3.5以下の範囲内である試験例5では、溶接速度が7m/min以上において、アンダーフィルが発生せず、溶接品質が特に良好であった。すなわち、高速な加工と、良好な加工品質とが両立された。
【0054】
これに対し、上述の比L/φが上述の範囲外である試験例8,9では、高速な加工(溶接速度が7m/min)においてスパッタの発生が少なかったが、アンダーフィルが発生した。試験例8では、スポット間距離Lがスポット直径φに対して相対的に大きくなったことで、スポット間の冷却が進みやすくなり、溶融池幅を効果的に広げることができず、溶融池の体積が不足したため、アンダーフィルが発生した可能性がある。試験例9では、スポット間距離Lがスポット直径φに対して相対的に小さくなったことで、キーホール間の溶融池が狭くなり、キーホール同士が部分的に繋がってしまい、これにより溶融池が押し出されて底面側から抜け落ちて融液が減少したため、アンダーフィルが発生した可能性がある。これらのことから、スポット間距離Lと、レーザスポットのスポット直径φとの比L/φを2.5以上3.5以下の範囲内とすることにより、加工品質の低下の抑制と加工速度の向上とを両立しやすくなることが確認できる。
【0055】
【表3】
【0056】
以下、幾つかの実施形態に係るレーザ加工方法について概要を記載する。
【0057】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るレーザ加工方法は、
直線状に配列される第1スポット、第2スポット及び第3スポットが被加工材の加工対象部をこの順で通過するように、前記第1スポット、前記第2スポット及び前記第3スポットを含む複数のレーザスポットに対して被加工材を相対的に動かして前記被加工材を加工するステップを備え、
前記第1スポット、前記第2スポット及び前記第3スポットにおけるレーザ光のエネルギーの総量に対し、
前記第1スポットにおけるエネルギーの比率は20%以上30%以下であり、
前記第2スポットにおけるエネルギーの比率は20%以上30%以下であり、
前記第3スポットにおけるエネルギーの比率は45%以上55%以下である。
【0058】
上記(1)の方法では、第1~第3スポットにおけるエネルギー密度は、第1スポット及び第2スポットで比較的小さく、第3スポットで比較的大きい。したがって、エネルギー密度が比較的小さい第1スポット及び第2スポット、被加工材の加工対象部に比較的浅く広い溶融池が形成された状態で、エネルギー密度が比較的大きい第3スポットにより深いキーホールが形成される。したがって、第3スポットで形成される深いキーホールと固液界面との距離を大きく確保できる。すなわち、エネルギー密度が大きいレーザスポット(第3スポット)を被加工材に照射するときのスパッタの発生を効果的に抑制することができる。したがって、上記(1)の方法によれば、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0059】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記第1スポットにおける前記エネルギーの比率は、前記第2スポットにおける前記エネルギーの比率よりも大きい。
【0060】
上記(2)の方法によれば、第1及び第2スポットにおけるエネルギー密度は、第1スポットで比較的大きく、第2スポットで比較的小さい。したがって、未加熱の加工対象部(被加工材)をエネルギー密度が比較的大きい第1スポットが先ず通過することで、速やかにキーホール及び溶融池を形成することができる。よって、加工速度をより効果的に向上させることができる。
【0061】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の方法において、
前記第1スポット、前記第2スポット、前記第3スポットの各々の直径は、0.25mm以上0.4mm以下である。
【0062】
上記(3)の方法では、第1~第3スポットの各々の直径は0.25mm以上であるので、各々のレーザスポットにて被加工材を効果的に加熱することができ、被加工材の加工に必要な母材の溶融量が得られやすい。また、上記(3)の方法では、第1~第3スポットの各々の直径は0.4mm以下であるので、スポット径が大きいことによるスパッタの増加を効果的に抑制することができる。よって、上記(3)の方法によれば、加工品質の低下の抑制と加工速度の向上とを両立しやすくなる。
【0063】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、
前記複数のレーザスポットのうち隣り合う2つのレーザスポットの中心間の距離Lと、前記隣り合う2つのレーザスポットの平均スポット径φavgとの比L/φavgは、2.5以上3.5以下である。
【0064】
上記(4)の方法によれば、上述の比L/φavgが2.5以上であり、隣り合う2つのレーザスポットの平均スポット径φavgに対してスポット中心間の距離Lがある程度大きい。このため、近接する2つのレーザスポットで形成されるキーホール同士が合体してしまい見かけ上大きな1つのキーホールになってしまうのを抑制することができる。よって、スパッタの発生を効果的に抑制することができる。また、上記(4)の方法によれば、上述の比L/φavgが3.5以下であり、隣合う2つのレーザスポットの平均スポット径φavgに対してスポット中心間の距離Lが大き過ぎない。このため、被加工材の加工対象部を、隣り合う2つのレーザスポットの一方(第1スポット又は第2スポット)が通過してから、他方のレーザスポット(第2スポット又は第3スポット)が到達するまでの間に生じ得る溶融金属の冷却による再凝固を抑制することができ、レーザスポットにより形成されるキーホールの周囲の融液を効果的に増やすことができる。これにより、第3スポットで深いキーホールを形成するときのスパッタの発生を効果的に抑制することができる。
【0065】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの方法において、
前記第1スポットと前記第3スポットの中心間距離は、前記被加工材の前記加工対象部の厚さよりも小さい。
【0066】
上記(5)の方法によれば、被加工材の加工対象部の厚さよりも長さが短い比較的小さな領域に形成される複数のレーザスポットによる加工において、上記(1)で述べたように、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0067】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、
前記被加工材は、一対の板材を含み、
前記加工するステップでは、前記一対の板材の突合せ溶接を行う。
【0068】
上記(6)の方法によれば、複数のレーザスポットによる一対の板材の突合せ溶接において、上記(1)で述べたように、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0069】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの方法において、
前記加工するステップでは、
前記第1スポット及び前記第2スポットにおいて前記被加工材の厚さよりも小さい深さのキーホールを前記被加工材に形成し、
前記第3スポットにおいて、前記被加工材を貫通するキーホールを前記被加工材に形成する。
【0070】
上記(7)の方法によれば、第1スポット及び第2スポットにおいて被加工材の厚さよりも小さい深さのキーホールを被加工材に形成するとともに、第3スポットにおいて、被加工材を貫通するキーホールを形成する。したがって、被加工材を貫通するキーホールを形成する工程を含む加工(貫通溶接等)において、上記(1)で述べたように、加工品質の低下を抑制しながら加工速度を向上させることができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0072】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0073】
1 レーザ加工装置
2 レーザ発振器
4 光ファイバ
6 レーザ照射部
8 コリメート光学系
10 集光光学系
12 レーザ分岐部
14A,14B 傾斜プリズム
15 多角プリズム
16A~16D ミラー
100 被加工材
101 溶融池
102 加工対象部
103 固液界面
K1~K3 キーホール
P1 第1スポット(レーザスポット)
P2 第2スポット(レーザスポット)
P3 第3スポット(レーザスポット)
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6