(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】車両のためのカメラを実装するための方法、カメラのための事前実装モジュール、及びカメラ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20240611BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240611BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240611BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240611BHJP
【FI】
H04N5/222 100
G03B15/00 V
G03B17/02
G03B30/00
(21)【出願番号】P 2022559764
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2021057365
(87)【国際公開番号】W WO2021197913
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】102020108771.3
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514189527
【氏名又は名称】コノート、エレクトロニクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONNAUGHT ELECTRONICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ブレイン、プレンダーガスト
(72)【発明者】
【氏名】ユスティナ、ボギール
(72)【発明者】
【氏名】ノエル、ファレル
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-259101(JP,A)
【文献】特開2020-016863(JP,A)
【文献】特開2011-109634(JP,A)
【文献】特表2013-503356(JP,A)
【文献】国際公開第2018/134060(WO,A1)
【文献】特開2018-098533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/50 - 23/55
B60R 1/00 - 1/31
G02B 7/02 - 7/16
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のためのカメラ(2)を実装するための方法であって、
- 前記カメラ(2)のための電子ハウジング(13)の
構成要素である第1ハウジング部分(12)を提供し、前記第1ハウジング部分(12)の外側サイド(16)に第1溝(17)が形成される、ステップと、
- 前記第1ハウジング部分(12)とは別個にハウジング外側部分(5)を提供し、当該ハウジング外側部分(5)はプラグチャネル(6)及び内側サイド(8)を備え、前記内側サイド(8)に第2溝(9)が形成される、ステップと、
を含み、
- 接着部分(14)を前記第1溝(17)及び/又は前記第2溝(9)内に導入するステップと、
- 接着接続部(18)によって、前記第1ハウジング部分(12)を前記ハウジング外側部分(5)に対して組み付けて保持し、それに加え、前記第1溝(17)における前記接着部分(14)が前記第1ハウジング部分(12)に接着し、前記第2溝(9)における前記接着部分(14)が前記ハウジング外側部分(5)に接着する、ステップと、 を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記接着部分(14)には感圧接着剤(15)が設けられ、組み付けの際に前記ハウジング外側部分(5)に対して前記第1ハウジング部分(12)を押し付けると、前記感圧接着剤(15)によっ
て構成要素を一緒に接着することがもたらされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カメラ(2)のための事前実装モジュール(19)が、前記第1ハウジング部分(12)、前記ハウジング外側部分(5)及び前記接着部分(14)に関する接着された構成要素によって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記事前実装モジュール(19)は、前記カメラ(2)を最終的に実装するための事前実装位置とは別の最終実装位置に搬送されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記事前実装モジュール(19)の前記構成要素は
、最終実装の前に前記接着接続部(18)によってのみ接合されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記接着部分(14)は、特に寸法的に安定した閉じたリングとして提供されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接着部分(14)にはベース部分が設けられ、当該ベース部分には、その外側サイドに接着材料が形成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1ハウジング部分(12)には開口(21)が設けられ、当該開口(21)は前記第1溝(17)によって囲まれ、前記ハウジング外側部分(5)には少なくとも溝(10)が設けられ、当該溝(10)は前記第2溝(9)によって囲まれ、前記開口(21)及び前記溝(10)は、一緒に接着された状態で前記接着部分(14)によって周方向に囲まれ、前記開口(21)及び前記溝(10)は前記接着部分(14)によって半径方向にシールされることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記カメラ(2)を最終的に実装する際に、前記電子ハウジング(13)のための第2ハウジング部分(22)が提供され、前記第2ハウジング部分(22)は、前記第1ハウジング部分(12)が前記ハウジング外側部分(5)と前記第2ハウジング部分(22)との間に配置されるように配置され、そして前記ハウジング外側部分(5)は、少なくとも1つのねじ(26、27)によって前記第2ハウジング部分(22)に対してねじ止めされることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
車両(1)のカメラ(2)のための事前実装モジュール(19)であって、
- 前記カメラ(2)の電子ハウジング(13)の
構成要素である第1ハウジング部分(12)であって、第1溝(17)を有する外側サイド(16)を備える第1ハウジング部分(12)と、
- それとは別個の前記カメラ(2)のハウジング外側部分(5)であって、プラグチャネル(6)及び内側サイド(8)を備え、前記内側サイド(8)に第2溝(9)が形成される、ハウジング外側部分(5)と、
- それとは別個の接着部分(14)であって、前記接着部分(14)が、前記第1ハウジング部分(12)における前記第1溝(17)に及び前記ハウジング外側部分(5)における前記第2溝(9)に配置され、前記接着部分(14)によって接着接続部(18)が生成され、前記第1ハウジング部分(12)が前記接着接続部(18)によってのみ前記ハウジング外側部分(5)に接合される、接着部分(14)と、
を備える事前実装モジュール(19)。
【請求項11】
動力車両(1)のためのカメラ(2)であって、
- 第1ハウジング部分(12)と、前記第1ハウジング部分(12)とは別個の第2ハウジング部分(22)とを有する電子ハウジング(13)であって、前記第1ハウジング部分(12)の外側サイド(16)に第1溝(17)が形成され、前記第1ハウジング部分(12)及び前記第2ハウジング部分(22)によって前記電子ハウジング(13)が閉じられる、電子ハウジング(13)と、
- 前記電子ハウジング(13)とは別個のハウジング外側部分(5)であって、プラグチャネル(6)及び内側サイド(8)を備え、第2溝(9)が前記内側サイド(8)に形成される、ハウジング外側部分(5)であって、
- 前記第1ハウジング部分(12)が前記第2ハウジング部分(22)と前記ハウジング外側部分(5)との間に配置される、ハウジング外側部分(5)と、
- 別個の接着部分(14)であって、前記接着部分(14)が、前記第1ハウジング部分(12)における前記第1溝(17)に及び前記ハウジング外側部分(5)における前記第2溝(9)に配置され、前記接着部分(14)によって接着接続部(18)が生成され、前記第1ハウジング部分(12)が前記接着接続部(18)によって前記ハウジング外側部分(5)に接合される、別個の接着部分(14)と、
を備え、
- 前記電子ハウジング(13)における電子構成要素(24)と、
- 少なくとも1つのねじ(26、27)であって、当該少なくとも1つのねじ(26、27)によって前記ハウジング外側部分(5)は前記電子ハウジング(13)に対してねじ止めされる、少なくとも1つのねじ(26、27)と、
を特に有するカメラ(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明のある態様は、車両のためのカメラを実装するための方法に関する。カメラのための電子ハウジングの第1ハウジング部分が設けられる。この第1ハウジング部分では、外側サイドに第1溝が形成される。第1ハウジング部分とは別のカメラのハウジング外側部分が設けられる。このハウジング外側部分は、プラグチャネル及び内側サイドを備える。内側サイドに第2溝が形成される。発明の更なる態様は、カメラのための事前実装モジュールに関する。発明の更に別の態様は、車両のためのカメラに関する。
【発明の概要】
【0002】
車両のためのカメラは、マニホールド構成で知られており、通常、ハウジングを備える。このハウジングにおいてカメラの電子部品が配置されている。例えば、回路基板がそこに配置され、そこにマイクロプロセッサの形態の制御ユニットを配置することができる。更に、電子ハウジングにはイメージセンサが配置される。レンズアセンブリはハウジングに配置され、それによって入射光をイメージセンサ上に導くことができる。また、そのようなカメラは、電子ハウジングとは別のハウジング外側部分を備えることが知られている。有利な構成において、それはプラグチャネルを備えることができる。このプラグチャネルにプラグが配置される。このプラグには、係合プラグを接続することができる。係合プラグにはラインが接続されることができ、それによってカメラに信号を渡すことができ及び/又はカメラから信号が渡されることができる。
【0003】
これに関連して、先行技術から既知のハウジング外側部分100が
図2に開示されている。それはプラスチックで形成することができる。ハウジング外側部分100は、プラグチャネル101を備える。このハウジング外側部分100のプレート状のベース部分102は、内側サイド103を備える。また、
図2には、カメラの部分的な構成要素の従来の実装工程が示される。
図2の上段の左側画像に基づき、このハウジング外側部分100を提供した後の次の実装ステップでシール104が溝105内に導入される。溝105は、内側サイド103に形成される。シール104は、Oリングである。
図2における描写による更なる実装ステップでは、カメラの第1ハウジング部分109がハウジング外側部分100に配置される。それは、
図2の下段における左側画像に示される。そして、Oリングが、プレート状のベース部分102とこのプレート状の第1ハウジング部分105との間に配置される。しかし、上述の構成要素のこの配置は、それ自身では接合しない。したがって、先行技術では、それが
図2の下段の右側画像に示されているように、更なる方法ステップで追加の別個の保持クリップ106が配置される。それは、プラグチャネル101に形成された溝107と係合する。プラグチャネル101は、第1ハウジング部分105において孔108を通って延びる。このC形状保持クリップ106を溝107においてクリップすることで、ハウジング外側部分100は第1ハウジング部分105とまとめられる。
【0004】
そのような実装シナリオは、これに関して高価であり複数の分離部分を必要とする。
【0005】
したがって、本発明の目的は、カメラの少なくとも一部の構成要素の実装が改善される方法を提供することである。それにおいて、特に、構成要素数が削減され、カメラのハウジング外側部分とカメラの第1ハウジング部分のまとまりが安定的になり、しかも簡単に構成される。
【0006】
この目的は、独立請求項による方法、事前実装モジュール、及びカメラによって解決される。
【0007】
発明のある態様は、車両のためのカメラを実装するための方法に関する。その方法において、以下のステップが実行される:
- カメラのための電子ハウジングの第1ハウジング部分を提供し、それにおいて第1ハウジング部分の外側サイドに第1溝が形成される、
- 前記第1ハウジング部分とは別に、カメラのハウジング外側部分を提供し、それはプラグチャネル及び内側サイドを備え、内側サイドに第2溝が形成される。
【0008】
更なるステップとして、以下が実行される:
- 第1溝及び/又は第2溝内に接着部分を導入する、
- 接着接続部によって第1ハウジング部分をハウジング外側部分に対して組み立てて保持し、それに対して第1溝における接着部分が第1ハウジング部分に接着し、第2溝における接着部分がハウジング外側部分に接着する。
【0009】
したがって、そのような構成において、カメラの特定の個々の構成要素を個別に保持することが可能である。これは、ハウジング外側部分に及び第1ハウジング部分に関する。そこで、これらの部分をお互いに直接的に接合させるために、これに関連して、具体的に生成された接着接続部が使用される。したがって、そのような接着部分を設けることでハウジング外側部分と第1ハウジング部分との間の自律的な接合を可能にすることが必要とされるのみである。そこでは、この1つの、特に単一の、接着部分が、保持及び接続要素を形成する。そのような構成によって、これらの特定の部分的な構成要素のより高速且つより簡素な実装シナリオも実現できる。
【0010】
有利な実施形態では、接着部分には感圧接着剤が設けられる。これらの構成要素を組み立てる際に、第1ハウジング部分をハウジング外側部分に押し付けると、感圧接着剤によってこれらの構成要素の接合が達成される。これに関連してこの実装シナリオの感圧接着剤は特に有利であるため、これは非常に有利な実施形態である。これに関連して、従来の液状接着剤に対し、接着部分の取り扱いそれ自体がより簡単である。その感圧接着剤を用いたこの接着部分は、それ自体プレハブ形式の部分としてすでに提供されている。そのため、それは個々に独自の形状安定性を持つ。そのため、導入される場合にそのような接着接続部が発生しうる液状接着剤と比較して、供給性や管理性がより優れている。これに関連して、感圧接着剤が特に有利である。そして、それは、それに対応の圧力がかかると、その接着効果に関して特に有利に反応する。それにより、第1ハウジング部分とともにハウジング外側部分を押し付ける際にこの接着剤に圧力がかかると、それはその高い接着機能を特に有利なやり方で展開する。それにより、上述の必要な構成要素を一緒に押圧することで、この接着剤の接着効果が実質的に発揮され、特に有利に高い保持力が発生させられる。
【0011】
有利な実施形態において、カメラのための事前実装アセンブリ又は事前実装モジュールは、第1ハウジング部分、ハウジング外側部分及び接着部分に関連して一緒に接着された構成要素によって形成される。したがって、カメラの製造は、具体的には、まず、これら3つの構成要素を個別に考慮して互いに接続し、特に、第1接着部分、ハウジング部分及びハウジング外側部分が一緒に接着される、という趣旨で行われる。これは、カメラの更なる構成要素とは無関係にもたらされる。このように、まずこの事前実装モジュールが形成され、そしてこの事前実装モジュールがそのようなものとして更なる実装工程において提供される。そしてこの事前実装モジュールは、その更なる実装工程でカメラの他の構成要素に対して組み付けられる。これは、更に、非常に有利な実施形態である。カメラの特定の部分的な構成要素は、このように最初に個別に検討されて組み立てられることができる。それにより、カメラの他の構成要素と一緒の取り付けがより簡単になることでき、実装工程に関してより最適化されることができる。
【0012】
そこで、有利な実施形態において、この事前実装モジュールは事前実装位置とは異なる最終実装位置に搬送されて、最終実装位置においてカメラの実装を実行することが可能である。特に、それに対し、事前実装モジュールは非常に有利である。そのため、それは、その関連の構成要素においてすでにプレハブ化されており、これに関してコンパクトなモジュールとして搬送されることができる。それにより、ハウジングのこれらの特定の構成要素は、それに対して設けられる適切な事前実装位置で、組み立てられることができる。そして最終的な実装のための最良の可能な位置を提供できるようにするため、それとは異なる最終的な実装位置が提供される。これに関連して、事前実装モジュールの個々の部分を最終的な実装位置に持ち込む必要はなく、すでに製造されたコンパクトな事前実装モジュールが、これに関連してそこに搬送されることができる。したがって、事前実装モジュールのみが、最終的な実装位置でカメラの他の構成要素と一緒に、実装されることになる。したがって、第1ハウジング部分、ハウジング外側部分及び接着部分は、最終的な実装位置において互いにまず接続される必要はない。これは、事前実装モジュールの事前実装工程のために必要とされる最終実装位置における時間と更には設備を節約する。それにより、最終的な実装位置を適切に且つより最適に構成することもできる。特に、カメラの一般的な製造は、それにより、時間的な側面及び個別に最適化された実装の部分的なステップに関し、よりよく構成されることができる。
【0013】
事前実装位置は、最終的な実装位置と同じ建物に場所を決めることができる。ただし、事前実装位置が最終実装位置とは別の建物や別の場所にあるようにすることも可能である。
【0014】
有利な実施形態において、事前実装モジュールの構成要素は、最終的な実装の前に接着接続部によってのみ接合されることが提供される。それにより、構成要素における最小化にもかかわらず、特に効率的な構成要素同士の取り付けが実現される。特に、それによって、事前実装モジュールの構成要素が再びばらばらになることなく、確実な搬送を行うことができることも可能である。更に、そのような事前実装モジュールを一体化して搬送することができるように、特に最小化されて更に効率的なコンセプトが提供される。
【0015】
有利な実施形態において、接着部分が閉じたリングとして提供されることが提供される。特に、それは寸法的に安定した閉じたリングとして提供される。それにより、接着部分はそれ自体が比較的頑丈に且つ安定的に構成される。したがって、特に有利に、必要な保持力を提供することができる。第1ハウジング部分をハウジング外側部分に組み付ける際に、接着部分に相応の力が作用しても、それは望ましくないようには変形しない。それによって、構成要素を接合するための保持力は、接着効果によって特に有利に確立され且つ恒久的に維持されることができる。
【0016】
特に、接着部のこの形状によって、溝での改善された位置決め性も達成されることが可能である。これに関連して、それらの溝は好ましくは環状溝である。
【0017】
好ましくは、接着部分が、その外側サイドに接着材料とともに形成されるベース部分とともに設けられることが提供される。この接着材料は、特に感圧接着剤である。それにより、上述した利点が更に改善される。
【0018】
好ましくは、第1ハウジング部分は、第1溝によって囲まれた開口とともに設けられることが提供される。ハウジング部分は、第2溝によって囲まれた溝とともに設けられる。それらの溝及び開口は、一緒に接着した状態において、接着部分によって周方向に囲まれる。この界面は、接着部分によって半径方向にシールされる。したがって、接着部分は、この界面を、溝及び開口の軸の周りで周方向に囲む。したがって、そのような構成により、構成要素の取り付けが達成されることだけではなく、ハウジング外側部分と第1ハウジング部分の界面がこの接着部分によって追加的にシールされることも可能になる。
【0019】
有利な実施形態において、カメラを最終的に実装する際に、電子ハウジングのための第2ハウジング部分が提供される。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分がハウジング外側部分と第2ハウジング部分との間に配置されるように、配置される。ハウジング外側部分は、少なくとも1つのねじによって、特に複数のねじによって、第2ハウジング部分に対し、ねじ止めされている。それにより、ハウジングの全体を構成するカメラのこれらの3つの中心構成要素間のとりわけ安定的な機械的な接続状態が達成される。
【0020】
有利なやり方において、制御ユニット又はイメージセンサなどの電子構成要素が電子ハウジングの内部に配置される。それらは、電子ハウジングの内部に配置された回路基板に配置されることも可能である。有利な実装において、カメラのレンズアセンブリも電子ハウジングに実装される。
【0021】
発明の更なる態様は、車両のカメラのための事前実装モジュールに関するものであり、以下を備える:
- カメラの電子ハウジングの第1ハウジング部分であって、第1溝を有する外側サイドを含む第1ハウジング部分、
- それとは分離したカメラのハウジング外側部分であって、プラグチャネル及び内側サイドを含み、第2溝が内側サイドに形成される、ハウジング外側部分、及び
- それらとは分離した接着部分であって、接着部分が第1ハウジング部分の第1溝に及びハウジング外側部分の第2溝に配置され、接着接続部が接着部分によって生成され、第1ハウジング部分がその接着接続部によってのみハウジング外側部分と接合される、接着部分。
【0022】
発明のある態様は、動力車両のためのカメラに関し、当該カメラは:
- 第1ハウジング部分と、第1ハウジング部分とは別の第2ハウジング部分とを有する電子ハウジングであって、第1溝が第1ハウジング部分の外側サイドに形成され、第1ハウジング部分及び第2ハウジング部分によって電子ハウジングが閉じられる、電子ハウジング、
- 電子ハウジングとは別のハウジング外側部分であって、プラグチャネル及び内側サイドを含み、第2溝が内側サイドに形成される、ハウジング外側部分、
- そこで第1ハウジング部分は、第2ハウジング部分とハウジング外側部分との間に配置され、
- 分離した接着部分であって、接着部分が第1ハウジング部分の第1溝に及びハウジング外側部分の第2溝に配置され、接着接続部が接着部分によって生成され、第1ハウジング部分が接着接続部によってハウジング外側部分と接合される分離した接着部分
を備え、特に以下を有する
- 電子ハウジングにおける電子構成要素、及び特に
- 少なくとも1つのねじであって、当該少なくとも1つのねじによってハウジング外側部分が電子ハウジングにねじ止めされる、少なくとも1つのねじ。
【0023】
発明の更なる特徴は、特許請求の範囲、図面及び図面の説明から明らかである。説明において上述した特徴及び特徴の組み合わせ、及び図面の説明において後述される及び/又は図面にのみ示される特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ指定された組み合わせにおいてだけでなく、発明の範囲から逸脱しないような他の組み合わせにおいて又は単独で、用いられることが可能である。したがって、図面に明示的に示されて説明されていないが、説明された実施とは別の特徴の組み合わせからもたらされる及び当該組み合わせによって生じることが可能な実施も、発明によって包含され開示されるものとみなされるものとする。したがって当初の独立請求項の特徴の全てを含むものではない実施及び特徴の組み合わせも、開示されているものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、発明の実施形態が、概略図に基づいてより詳細に説明される。
【0025】
そこには以下が示される:
【
図1】概略上面図におけるカメラを有する発明による動力車両の実施形態
【
図2】先行技術から知られるカメラの第1ハウジング部分を伴うハウジング外側部分の実装
【
図3】発明によるカメラの実施形態の発明による事前実装モジュールの実施形態による第1ハウジング部分とハウジング外側部分との間の実装シナリオ
【
図6】
図5による組み立てられたカメラの一部の構成要素を通る垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1において、発明のある実施形態によるカメラ2を有する動力車両1に対する上面図が概略的に示されている。動力車両1におけるカメラ2の配置は任意であるが、好ましくは、動力車両1の環境領域3及び/又は動力車両1の内部領域4が撮影されることができるようになっている。動力車両1は、そのようなカメラ2を複数含むことも可能である。カメラ2は、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)カメラや、CCD(Charge-Coupled Device)カメラや、任意の撮像デバイスとすることができる。
【0027】
またカメラ2は、例えば、動力車両1の前方領域に配置されることが可能であり、動力車両1の前方環境領域が撮影されるように前方に向けられることが可能である。追加的に又は代替的に、例えば、動力車両1の第2領域において、例えばウィングミラーに、カメラを配置することもできる。例えば、カメラ2は、それが少なくともあるエリアにおいて動力車両1の内部を撮影するように、配置されることも可能である。
【0028】
図3において、カメラ2の部分的な構成要素の実装シナリオが示される。カメラ2のハウジング外側部分5が最初に設けられることが与えられる。このハウジング外側部分5は、プラスチックで形成可能である。ハウジング外側部分5は、プラグチャネル6を備える。更に、それはプレート状のベース部分7を備える。プレート状のベース部分7は、内側サイド8を備える。内側サイド8には、第2溝9が形成される。このハウジング外側部分5が開口10を含むことを提供することができる。プラグチャネル6の部分片11は、この開口10を通って延びる。開口10は、連続的とすることができ、或いは、例えば溝とすることもできる。
【0029】
更に、ハウジング外側部分5とは別の第1ハウジング部分12(
図4)が設けられる。第1ハウジング部分12は、プレート状に形成される。それは好ましくは、一体的に形成される。第1ハウジング部分12は、カメラ2の電子ハウジング13(
図5)の構成要素である。
【0030】
図3で説明される実装ステップにおいて、ハウジング外側部分5及び第1ハウジング部分12を設けた後、この第2溝9内に接着部分14が挿入される。接着部分14は、ハウジング外側部分5とは別体であり、第1ハウジング部分12とは別体である。特に、接着部分12は、それ自体が閉じている寸法的に安定したリングである。接着部分14は、少なくともあるエリアにおいて感圧接着剤15を含む。この接着部分14は、
図3の第1ラインの2番目の画像に従って第2溝9に挿入され、それによって、その後、
図3の第1行の画像3における描写に従って第1ハウジング部分12が据え付けられる。第1ハウジング部分12の外側サイド16(
図4)は、第1溝17を備える。このプレート状の第1ハウジング部分12をハウジング外側部分5に対して据え付けることによって、接着部分14もこの第1溝17内に導入される。第1ハウジング部分12及びハウジング外側部分5が組み立てられて、それによってある圧力がかかることで、接着接続部18(
図6)が生成される。この接着接続部18によって、第1ハウジング部分12及びハウジング外側部分5は接着部分14によって互いに対して接着される。したがって、第1ハウジング部分12のハウジング外側部分5に対する組付け及び保持が、この接着接続部18によってもたらされる。それに加え、接着部分14は、第1ハウジング部分12において第1溝17に接着し、ハウジング外側部分5において第2溝9に接着する。特に感圧接着剤15によって、組み立ての際に接着部分14においてある圧力が形成され、それによってこの接着部分14の特に有利な接着効果が出るようになる。この実装状態が実現されると、それが
図3の下側ラインにおける左の画像に示されるように、カメラ2のための事前実装モジュール19が作られる。事前実装モジュール19には、ある有利な実施において、それが
図3における次の第4の画像に示されているように、シール20が追加的に与えられることができる。そして、この事前実装モジュール19は、カメラ2の更なる最終的な実装手順のために与えられる。
【0031】
特に、ハウジング外側部分5及び第1ハウジング部分12は、この事前実装モジュール19において、接着部分14によって生成されるこの接着接続部18によってのみ接合されることが提供される。
【0032】
特に、事前実装モジュール19が作られるまでのこの事前実装プロセスが、事前実装位置で達成されることが提供される。特に、この事前実装モジュール19は、その後、事前実装位置から最終実装位置に搬送される。そしてカメラ2は最終的に最終実装位置において実装される。
【0033】
図4の描写によれば、この第1ハウジング部分12が開口21を含むことも明らかである。ここで、開口21は連続孔として形成され、特に途中で中央に配置される。この第1溝17は、この開口21を囲む。
【0034】
更に
図3でも明らかなように、第2溝9は開口10を囲む。そして、事前実装モジュール19による第1ハウジング部分12に対するハウジング外側部分5の組み立てられた状態において、接着部分14は、したがって、開口21及び開口10も囲む。それにより、ある有利な実施において、この界面も接着部分14によってシールされる。特に、接着部分14のこの包囲構成により、半径方向シールが与えられる。
【0035】
図5における分解図において、カメラ2は、その個々の部分によって図示されている。カメラ2は、すでに述べた構成要素に加え、第2ハウジング部分22も含む。電子ハウジング13は、第1ハウジング部分12及び第2ハウジング部分22によって形成される。電子構成要素が、電子ハウジング13の内部23に配置される。それらは、
図5による描写において、概して参照文字24とともに与えられる。
【0036】
更に、カメラ2は、レンズアセンブリ25を含む。それは第2ハウジング部分22に配置される。
図5に示す構成要素は、事前実装モジュール19に関するものであり、その後、最終的な実装手順において、カメラ2の残りの言及された構成要素とともに最終的に実装される。それに加え、ある有利な実施では、その後に、ねじ26及びねじ27も設けられる。その実施形態におけるこれらの少なくとも2つのねじ26、27は、ハウジング全体を互いにねじ止めするように設けられる。電子ハウジング13及びハウジング外側部分5によってハウジング全体が形成される。
【0037】
図6において、組み立てられた状態のカメラ2を通る垂直断面図が示される。プラグチャネル6に配置されたプラグ28が見受けられる。ねじ26、27は、ベース部分7において孔に通され、更に第1ハウジング部分12における孔に通され、第2ハウジング部分22におけるねじマンドレル(screw mandrels)にねじ止めされる。
【0038】
図6において明らかなように、第1ハウジング部分12は、ハウジング外側部分5と第2ハウジング部分22との間に配置される。また、ハウジング外側部分5及び第1ハウジング部分12が、カメラ2の長手方向軸Aに関して軸方向にある程度互いに対して相対的に移動可能であることが、事前実装モジュール19によって実現される。それにより、許容誤差を補償することも可能である。特に、言及された構成要素をねじ止めする際に、それによって、ハウジング外側部分5及びハウジング外側部分12が互いに位置合わせされることもまた可能となる。これに関連して、事前実装モジュール19においてベース部分7と第1ハウジング部分12との間に隙間29が形成されるので、それらは軸方向において互いに向かって相対的に移動することも可能である。それは
図6の描写に従ったカメラ2の最終的に実装された状態においても依然として存在することができ、随意的に、事前実装モジュール19における構成に関して縮小されることができる。