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特許7502463パラメータ構成方法、デバイス及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】パラメータ構成方法、デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240611BHJP
   H04W 40/02 20090101ALI20240611BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H04W56/00 110
H04W40/02
H04L7/00 250
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022562572
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2021086653
(87)【国際公開番号】W WO2021208862
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202010292417.5
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ホゥ,トーンフゥ
(72)【発明者】
【氏名】ホーァ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ジーンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジンホゥイ
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09998247(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0135189(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110677210(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0131459(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L 5/22- 5/26
7/00- 7/10
12/00-12/28
12/44-12/66
41/00-49/9057
H04J 3/00- 3/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラメータ構成方法であって、
管理デバイスにより、ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定するステップと、
前記管理デバイスにより、前記第1の伝送経路のための構成情報を前記第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに送信するステップと、
前記管理デバイスにより、前記第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報を受信するステップと、
前記管理デバイスにより、前記時間差を決定するために使用される前記情報に基づいて対応するクロック補正値を前記第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するステップと
を含み、
管理デバイスにより、ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定するステップは、
前記管理デバイスにより、前記ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスのクロックパラメータを取得するステップであり、前記ネットワークデバイスの前記クロックパラメータは、前記ネットワークデバイスがクロック同期をサポートするか否かを示す、ステップと、
前記管理デバイスにより、前記ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスの前記クロックパラメータに基づいて、前記ネットワークシステム内のクロック同期をサポートするネットワークデバイスを決定するステップと、
前記管理デバイスにより、クロック同期をサポートする前記ネットワークデバイスと前記ターゲットクロックソースとの間の接続関係に基づいて、前記第1の伝送経路を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
管理デバイスにより、ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定するステップは、
前記管理デバイスにより、前記ネットワークシステム内にあり且つ前記ターゲットクロックソースの前記クロックパケットを伝送するために使用される複数の前記第1の伝送経路を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管理デバイスにより、前記第1の伝送経路のための構成情報を前記第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに送信するステップは、
前記管理デバイスにより、前記ネットワークデバイスから前記ターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順又は降順で、前記対応する構成情報を前記決定された第1の伝送経路上の前記複数のネットワークデバイスに送信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記管理デバイスにより、前記時間差を決定するために使用される前記情報に基づいて対応するクロック補正値を前記第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するステップは、
前記管理デバイスにより、前記時間差を決定するために使用される前記情報に基づいて、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定するステップであり、前記第1の伝送経路の前記時間差は、前記第1の伝送経路上の前記エンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ前記時間差を決定するために使用される前記情報に対応し、前記第1のグループの未知の補正パラメータは、前記第1の伝送経路上のそれぞれ2つの隣接するネットワークデバイスの間のクロック補正値を含む、ステップと、
前記管理デバイスにより、全ての前記第1の伝送経路の前記時間差と前記第1のグループの未知の補正パラメータとの間の前記関係に基づいて、前記少なくとも1つのネットワークデバイスに対応する前記クロック補正値を決定するステップと、
前記管理デバイスにより、前記対応するクロック補正値を前記少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記時間差は前記エンドポイントネットワークデバイスの1588時間と前記ターゲットクロックソースの時間との間の差値である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記クロック補正値は光ファイバ非対称補正値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
パラメータ構成デバイスであって、
ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定するように構成された決定モジュールと、
前記第1の伝送経路のための構成情報を前記第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに送信するように構成された第1の送信モジュールと、
前記第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報を受信するように構成された受信モジュールと、
前記時間差を決定するために使用される前記情報に基づいて対応するクロック補正値を前記第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するように構成された第2の送信モジュールと
を含み、
前記決定モジュールは、
前記ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスのクロックパラメータを取得するように構成され、前記ネットワークデバイスの前記クロックパラメータは、前記ネットワークデバイスがクロック同期をサポートするか否かを示すために使用され、
前記ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスの前記クロックパラメータに基づいて、前記ネットワークシステム内のクロック同期をサポートするネットワークデバイスを決定し、
クロック同期をサポートする前記ネットワークデバイスと前記ターゲットクロックソースとの間の接続関係に基づいて、前記第1の伝送経路を決定するように構成される、パラメータ構成デバイス。
【請求項8】
前記決定モジュールは、
前記ネットワークシステム内にあり且つ前記ターゲットクロックソースの前記クロックパケットを伝送するために使用される複数の前記第1の伝送経路を決定するように構成される、請求項に記載のパラメータ構成デバイス。
【請求項9】
前記第1の送信モジュールは、
前記ネットワークデバイスから前記ターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順又は降順で、前記対応する構成情報を前記決定された第1の伝送経路上の前記ネットワークデバイスに送信するように構成される、請求項に記載のパラメータ構成デバイス。
【請求項10】
前記第2の送信モジュールは、
前記時間差を決定するために使用される前記情報に基づいて、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定するように構成され、前記第1の伝送経路の前記時間差は、前記第1の伝送経路上の前記エンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ前記時間差を決定するために使用される前記情報に対応し、前記第1のグループの未知の補正パラメータは、前記第1の伝送経路上のそれぞれ2つの隣接するネットワークデバイスの間のクロック補正値を含み、
全ての前記第1の伝送経路の前記時間差と前記第1のグループの未知の補正パラメータとの間の前記関係に基づいて、前記少なくとも1つのネットワークデバイスに対応する前記クロック補正値を決定し、
前記対応するクロック補正値を前記少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するように構成される、請求項に記載のパラメータ構成デバイス。
【請求項11】
前記時間差は前記エンドポイントネットワークデバイスの1588時間と前記ターゲットクロックソースの時間との間の差値である、請求項に記載のパラメータ構成デバイス。
【請求項12】
前記クロック補正値は光ファイバ非対称補正値を含む、請求項に記載のパラメータ構成デバイス。
【請求項13】
プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む管理デバイスであって、
前記メモリは少なくとも1つの命令を記憶し、
前記プロセッサは前記メモリ内のコンピュータ読み取り可能命令を実行するように構成され、それにより、前記管理デバイスが請求項1乃至のうちいずれか1項に記載のパラメータ構成方法を実行するようにする、管理デバイス。
【請求項14】
管理デバイス及び複数のネットワークデバイスを含むネットワークシステムであって、
前記管理デバイスは、請求項乃至12のうちいずれか1項に記載のパラメータ構成デバイスであるか、或いは、
前記管理デバイスは、請求項13に記載の管理デバイスである、ネットワークシステム。
【請求項15】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、
前記記憶媒体は少なくとも1つの命令を記憶し、前記命令はプロセッサによりロードされ、請求項1乃至のうちいずれか1項に記載のパラメータ構成方法を実行する、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項16】
プログラムであって、
前記プログラムが通信デバイスにより実行されたとき、前記通信デバイスは請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の方法を実行することが可能になる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2020年4月14日に中国国家知識産権局に出願された「PARAMETER CONFIGURATION METHOD, DEVICE, AND SYSTEM」という名称の中国特許出願第202010292417.5号に対する優先権を主張し、その全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
この出願は、通信技術の分野に関し、特にパラメータ構成方法、デバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
通常では、ネットワークシステムは複数のネットワークデバイスを含む。端末は、いずれかのネットワークデバイスを使用することによりネットワークシステムにアクセスしてもよい。
【0004】
ネットワークシステムの安定性及び信頼性を確保するために、複数のネットワークデバイスは、クロックソースにより送信されたクロックパケットを受信し、クロックパケットに基づいてクロック同期を実現してもよい。さらに、複数のネットワークデバイスにおいてクロックソースにより送信されたクロックパケットの伝送を容易にするために、クロックソースがクロックパケットを複数のネットワークデバイスに送信する前に、クロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータが複数のネットワークデバイスのために構成される必要があり、それにより、これらのネットワークデバイスがパラメータ及び対応する伝送経路に基づいてクロックソースにより送信されたクロックパケットを伝送できるようにする。
【0005】
したがって、現在、クロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータがネットワークデバイスのために自動的に構成できる方法が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
この出願は、クロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータをネットワークデバイスのために自動的に構成できるパラメータ構成方法、デバイス及びシステムを提供する。技術的解決策は以下の通りである。
【0007】
第1の態様によれば、パラメータ構成方法が提供される。当該方法は以下を含む。ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定した後に、管理デバイスは、第1の伝送経路のための構成情報を第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに別々に送信する。さらに、管理デバイスは、第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報を更に受信し、当該情報に基づいて対応するクロック補正値を第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信してもよい。
【0008】
この出願の実施形態において提供されるパラメータ構成方法では、管理デバイスは、ネットワークデバイスのために、クロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータを自動的に構成し、パラメータ構成効率を改善できることが習得され得る。さらに、管理デバイスは、エンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報を取得し、当該情報に基づいてネットワーク全体のクロック補正値を自動的に計算し、保守者の現場での測定量を低減し、管理及び運用者のスキル要件を低くすることができる。
【0009】
任意選択で、管理デバイスがネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定することは以下を含む。管理デバイスは、ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される複数の第1の伝送経路を決定する。すなわち、管理デバイスは1つ以上の第1の伝送経路を決定してもよい。これはこの出願では限定されない。
【0010】
任意選択で、対応する構成情報を第1の伝送経路上のネットワークデバイスに別々に送信するとき、管理デバイスは、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順又は降順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信してもよい。このように、管理デバイスは、このようなルールに従って、構成情報を少なくとも1つ以上の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに一括して送信できる。さらに、比較的多数の決定された第1の伝送経路が存在するとき、構成情報の送信漏れが構成情報を送信するルールに従って回避でき、管理デバイスにより構成情報を送信する効率が改善できる。
【0011】
この出願では、管理デバイスが、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信する例が使用される。任意選択で、管理デバイスは、他の順序で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信してもよい。例えば、管理デバイスは、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の降順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信してもよい。他の例では、複数の第1の伝送経路を決定したとき、管理デバイスは、対応する構成情報を複数の第1の伝送経路上のネットワークデバイスに順次送信してもよい。
【0012】
任意選択で、管理デバイスがネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定するプロセスにおいて、管理デバイスは、ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスのクロックパラメータを取得し、ネットワークシステム内のネットワークデバイスのクロックパラメータに基づいて、ネットワークシステム内のクロック同期をサポートするネットワークデバイスを決定してもよい。次いで、管理デバイスは、クロック同期をサポートするネットワークデバイスとターゲットクロックソースとの間の接続関係に基づいて、第1の伝送経路を決定する。ネットワークデバイスのクロックパラメータは、ネットワークデバイスがクロック同期をサポートするか否かを示すために使用される。この出願では、管理デバイスはネットワークデバイスのクロックパラメータに基づいてネットワークデバイスの実際の機能を習得し、クロック同期のないネットワークデバイスが計画された第1の伝送経路に含まれる場合を回避できることが習得され得る。ネットワークデバイスの機能が時間とともに変化しても、管理デバイスは、クロック同期のないネットワークデバイスが計画された第1の伝送経路に含まれる場合を依然として回避し、決定された第1の伝送経路の有効性を確保できる。
【0013】
任意選択で、管理デバイスが、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、対応するクロック補正値を第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信することは以下を含む。管理デバイスは、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定する。第1の伝送経路の時間差は、第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報に対応する。第1のグループの未知の補正パラメータは、第1の伝送経路上のそれぞれ2つの隣接するネットワークデバイスの間のクロック補正値を含む。管理デバイスは、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークデバイスに対応するクロック補正値を決定し、対応するクロック補正値を少なくとも1つのネットワークデバイスに送信する。
【0014】
任意選択で、時間差はエンドポイントネットワークデバイスの1588時間とターゲットクロックソースの時間との間の差値である。1588時間は1588V2時間でもよい。
【0015】
任意選択で、クロック補正値は光ファイバ非対称補正値を含む。
【0016】
第2の態様によれば、パラメータ構成方法が提供される。当該方法は以下を含む。エンドポイントネットワークデバイスは、管理デバイスにより送信された構成情報を受信し、構成情報に基づいて、ターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路のパラメータを構成し、第1の伝送経路のパラメータに基づいてクロックパケットを処理する。次いで、エンドポイントネットワークデバイスは、クロックパケットに基づいて、時間差を決定するために使用される情報を管理デバイスに送信し、管理デバイスにより送信されたクロック補正値を受信し、クロック補正値に基づいてクロック補正を実行する。
【0017】
第3の態様によれば、パラメータ構成方法が提供される。当該方法は以下を含む。中間ネットワークデバイスは、管理デバイスにより送信された構成情報を受信し、構成情報に基づいて、ターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路のパラメータを構成し、第1の伝送経路のパラメータに基づいてクロックパケットを処理する。次いで、中間ネットワークデバイスは、管理デバイスにより送信されたクロック補正値を受信し、クロック補正値に基づいてクロック補正を実行する。
【0018】
第4の態様によれば、パラメータ構成デバイスが提供される。パラメータ構成デバイスは、第1の態様において提供されるパラメータ構成方法を実行するように構成されたモジュールを含む。
【0019】
第5の態様によれば、パラメータ構成デバイスが提供される。パラメータ構成デバイスは、第2の態様において提供されるパラメータ構成方法を実行するように構成されたモジュールを含む。
【0020】
第6の態様によれば、パラメータ構成デバイスが提供される。パラメータ構成デバイスは、第3の態様において提供されるパラメータ構成方法を実行するように構成されたモジュールを含む。
【0021】
第7の態様によれば、管理デバイスが提供される。管理デバイスは、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む。メモリは少なくとも1つの命令を記憶し、プロセッサはメモリ内のコンピュータ読み取り可能命令を実行するように構成され、それにより、管理デバイスが第1の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成方法を実行するようにする。
【0022】
第8の態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む。メモリは少なくとも1つの命令を記憶し、プロセッサはメモリ内のコンピュータ読み取り可能命令を実行するように構成され、それにより、ネットワークデバイスが第2の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成方法を実行するようにする。
【0023】
第9の態様によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、プロセッサ、メモリ及びトランシーバを含む。メモリは少なくとも1つの命令を記憶し、プロセッサはメモリ内のコンピュータ読み取り可能命令を実行するように構成され、それにより、ネットワークデバイスが第3の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成方法を実行するようにする。
【0024】
第10の態様によれば、ネットワークシステムが提供される。ネットワークシステムは、管理デバイス及び複数のネットワークデバイスを含む。
【0025】
管理デバイスは、第4の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成デバイスである。複数のネットワークデバイスは、第5の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成デバイス及び第6の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成デバイスを含む。
【0026】
代替として、管理デバイスは、第7の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成デバイスである。複数のネットワークデバイスは、第8の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成デバイス及び第9の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成デバイスを含む。
【0027】
第11の態様によれば、コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。記憶媒体は少なくとも1つの命令を記憶し、命令はプロセッサによりロードされ、第1の態様、第2の態様又は第3の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成方法を実行する。
【0028】
第12の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がネットワークデバイス上で実行されたとき、ネットワークデバイスは、第1の態様、第2の態様又は第3の態様におけるいずれかの設計によるパラメータ構成方法を実行することが可能になる。
【0029】
第2の態様から第12の態様における設計方式のいずれか1つによりもたらされる技術的効果については、第1の態様における対応する設計方式によりもたらされる技術的効果を参照する。詳細はここでは再び説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】この出願の実施形態によるネットワークシステムの構造の概略図である。
図2】この出願の実施形態によるクロック補正方法のフローチャートである。
図3】この出願の実施形態による他のネットワークシステムの構造の概略図である。
図4】この出願の実施形態によるネットワークシステムの簡略化した概略図である。
図5】この出願の実施形態による他のネットワークシステムの簡略化した概略図である。
図6】この出願の実施形態による他のネットワークシステムの簡略化した概略図である。
図7】この出願の実施形態によるパラメータ構成デバイスの構造の概略図である。
図8】この出願の実施形態による他のパラメータ構成デバイスの構造の概略図である。
図9】この出願の実施形態による他のパラメータ構成デバイスの構造の概略図である。
図10】この出願の実施形態による管理デバイスの構造の概略図である。
図11】この出願の実施形態によるネットワークデバイスの構造の概略図である。
図12】この出願の実施形態による他のネットワークシステムの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この出願の原理及び技術的解決策をより明確にするために、以下に、添付の図面を参照してこの出願の実現方式について詳細に更に説明する。
【0032】
図1は、この出願の実施形態によるネットワークシステムの構造の概略図である。図1を参照する。システムを含むネットワークシステムは、低遅延ネットワークシステム、例えば、第5世代移動通信技術(5th generation mobile communication technology, 5G)ネットワークシステム又は比較的低遅延要件を有する他のネットワークシステムでもよい。システムは、管理デバイス及び複数のネットワークデバイスを含む。例えば、図1に示す管理デバイス100は、図面における複数のネットワークデバイスを管理する。複数のデバイスは、エンドポイントネットワークデバイス及び中間ネットワークデバイスを含む。エンドポイントネットワークデバイスはクロックソースに接続された(直接的又は間接的に接続された)ネットワークデバイスであり、例えば、図1に示すエンドポイントネットワークデバイス101及びエンドポイントネットワークデバイス102である。中間ネットワークデバイスは、クロックソースに接続されておらず且つエンドポイントネットワークデバイスを使用することによりクロックパケットに同期するネットワークデバイスであり、例えば、図1に示す中間ネットワークデバイス103である。
【0033】
任意選択で、ネットワークシステムは1588V2に基づいてクロック同期を実行してもよい。1588V2は、2008年に米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers, IEEE)により公式に公表されたIEEE 1588V2(IEEE Standard for a Precision Clock Synchronization Protocol for Networked Measurement and Control Systems)リリース標準である。当該標準は、ネットワークシステム測定及び制御システムのための高精度クロック同期プロトコル標準であり、高精度時間同期(Precision Time Protocol, PTP)プロトコル機構を使用しており、精度はサブマイクロ秒レベルに達することがあり、これは周波数同期及び時間(位相)同期を実現する。
【0034】
管理デバイス100は、管理システムが配備されるデバイスであり、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ(personal computer, PC)、タブレット(tablet personal computer, Tablet PC)、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ、携帯情報端末、サーバ、サーバクラスタ等でもよい。これは、この出願の実施形態では限定されない。任意選択で、管理デバイスは、ネットワークシステム管理デバイス、ネットワークシステム制御システムデバイス、ネットワークシステムコントローラデバイス等でもよい。
【0035】
ネットワークデバイスは、インターネットプロトコル(internet protocol, IP)ネットワークデバイス、波長分割多重(wavelength division multiplexing, WDM)ネットワークデバイス又は光トランスポートネットワーク(optical transport network, OTN)ネットワークデバイスのようなタイプのネットワークデバイスでもよく、例えばルータでもよい。これは、この出願の実施形態では限定されない。
【0036】
任意選択で、クロックソースは、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System, GNSS)でもよく、例えば、米国の全地球測位システム(Global Positioning System, GPS)、ロシアの全地球航法衛星システム(GLONASS)、欧州連合のガリレオ測位システム(Galileo)、中国の北斗航法衛星システム又は他のクロックソースでもよい。これは、この出願のこの実施形態では限定されない。
【0037】
ネットワークシステム内の複数のネットワークデバイスは、クロックソースにより送信されたクロックパケットに基づいてクロック同期を実行し、ネットワークシステムの遅延を低減してもよい。さらに、複数のネットワークデバイスにおいてクロックソースにより送信されたクロックパケットの伝送を容易にするために、クロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータが複数のネットワークデバイスのために構成される必要があり、それにより、これらのネットワークデバイスがパラメータ及び対応する伝送経路に基づいてクロックソースにより送信されたクロックパケットを伝送できるようにする。この出願の実施形態はパラメータ構成方法を提供する。当該方法は、ネットワークデバイスのために、クロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータを自動的に構成し、パラメータ構成効率を改善できる。
【0038】
例えば、図2は、この出願の実施形態によるクロック補正方法のフローチャートである。当該方法の相互作用は、主に管理デバイス及び複数のネットワークデバイスを含む。管理デバイス及び複数のネットワークデバイスは、相互にアクセスしてもよい。図2に示すように、当該方法は以下を含んでもよい。
【0039】
S201:管理デバイスは、ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定する。
【0040】
ターゲットクロックソースは、ネットワークシステム内の1つ以上のネットワークデバイスに接続されたいずれかのクロックソースでもよい。S201において、管理デバイスは、まず、クロック同期をサポートし且つネットワークシステム内にあるネットワークデバイスを決定し、次いで、ネットワークデバイスとターゲットクロックソースとの間の接続関係に基づいて、ターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定してもよい。例えば、この出願の実施形態では、管理デバイスは、ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスのクロックパラメータ(ネットワークデバイスのクロックパラメータは、ネットワークデバイスがクロック同期をサポートするか否かを示すために使用される)を取得してもよい。管理デバイスは、ネットワークシステム内のネットワークデバイスのクロックパラメータに基づいて、ネットワークシステム内のクロック同期をサポートするネットワークデバイスを決定してもよい。
【0041】
ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される1つ以上の第1の伝送経路が存在してもよい点に留意すべきである。この出願のこの実施形態では、ネットワークシステムに複数の第1の伝送経路が存在する例が使用される。
【0042】
例えば、図3に示すネットワークシステムを参照すると、エンドポイントネットワークデバイス200は、ビルディング統合タイミング供給(building integrated timing supply, BITS)クロックソースに接続されたエンドポイントネットワークデバイスである。エンドポイントネットワークデバイス203、205、206及び209は、GPSを有する基地局に接続されたエンドポイントネットワークデバイスである。GPSを有する基地局はGPS(図3に図示しないクロックソース)に接続される。BITSクロックソースがターゲットクロックソースであることが仮定され、管理デバイスにより決定される第1の伝送経路の少なくとも1つは以下を含んでもよい。
第1の伝送経路1:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→中間ネットワークデバイス202→エンドポイントネットワークデバイス203、
第1の伝送経路2:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→中間ネットワークデバイス204→エンドポイントネットワークデバイス205、
第1の伝送経路3:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→中間ネットワークデバイス204→エンドポイントネットワークデバイス206、及び
第1の伝送経路4:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス207→中間ネットワークデバイス208→エンドポイントネットワークデバイス209。
【0043】
S201において、管理デバイスは、ターゲットクロックソースと、クロック同期をサポートし且つネットワークシステム内にあるネットワークデバイスとの間の接続関係に基づいて、最短経路アルゴリズム(例えば、インテリジェントクロック経路ファインダ(Intelligent Clock Path Finder, ICPF)アルゴリズム)、経路ループ回避アルゴリズム、ポート優先アルゴリズム又は最適クロックホップ性能アルゴリズムの少なくとも1つを使用して、第1の伝送経路の少なくとも1つを取得してもよい。例えば、管理デバイスは、まず、クロック同期をサポートし且つネットワークシステム内にあるネットワークデバイスの間の接続関係と、各ネットワークデバイスとターゲットクロックソースとの間の接続関係とを照会し、次いで、ネットワークデバイスとターゲットクロックソースとの間の距離及び特定のポリシーに基づいて第1の伝送経路を計算してもよい(例えば、ホップファーストポリシー又はループファーストポリシーに基づいて経路計算を実行する)。さらに、第1の伝送経路の計算中に、決定された第1の伝送経路においてループが回避される必要がある(略してループ回避)。
【0044】
任意選択で、第1の伝送経路を決定した後に、管理デバイスは、決定された第1の伝送経路を更に表示してもよく、それにより、管理デバイスの作業者が、管理デバイスにより表示された第1の伝送経路に基づいて、第1の伝送経路を直感的に理解できるようにする。例えば、管理デバイスは、第1の伝送経路をグラフィカルに表示してもよく、或いは、第1の伝送経路をテキストで表示してもよい。管理デバイスにより第1の伝送経路を表示する方式は、この出願のこの実施形態では限定されない。
【0045】
S202:管理デバイスは、第1の伝送経路のための構成情報を第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに別々に送信する。
【0046】
例えば、第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信される構成情報は、ネットワークデバイス上のマスターポート(マスターと呼ばれる)及びスレーブポート(スレーブと呼ばれる)の少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。任意選択で、ネットワークデバイスの構成情報がネットワークデバイスのマスターポートに関する情報を含むとき、ネットワークデバイスの構成情報は、他のネットワークデバイス上のネットワークデバイスのマスターポートに対応するスレーブポートに関する情報を更に含んでもよい。ネットワークデバイスの構成情報がネットワークデバイスのスレーブポートに関する情報を含むとき、ネットワークデバイスの構成情報は、他のネットワークデバイス上のネットワークデバイスのスレーブポートに対応するマスターポートに関する情報を更に含んでもよい。ネットワークデバイスのマスターポートは、ネットワークデバイスがクロックパケットを送信するポートであり、ネットワークデバイスのスレーブポートは、ネットワークデバイスがクロックパケットを受信するポートである。ネットワークデバイスのマスターポートはクロックパケットを対応するスレーブポートに送信するように構成され、ネットワークデバイスのスレーブポートは対応するマスターポートからクロックパケットを受信するように構成される。
【0047】
例えば、図3に示すネットワークシステム内の第1の伝送経路1が例として使用される。図3におけるマスターポートはマスターとして表され、図3におけるスレーブポートはスレーブとして表される。管理デバイスによりエンドポイントネットワークデバイス200に送信される第1の伝送経路1のための構成情報は、エンドポイントネットワークデバイス200のマスターポートに関する情報と、マスターポートに対応する中間ネットワークデバイス201のスレーブポートに関する情報とを含む。管理デバイスにより中間ネットワークデバイス201に送信される第1の伝送経路1のための構成情報は、中間ネットワークデバイス201のマスターポート及びスレーブポートに関する情報と、中間ネットワークデバイス201のマスターポートに対応する中間ネットワークデバイス202のスレーブポートに関する情報と、中間ネットワークデバイス201のスレーブポートに対応するエンドポイントネットワークデバイス200のマスターポートに関する情報とを含む。管理デバイスにより中間ネットワークデバイス202に送信される第1の伝送経路1のための構成情報は、中間ネットワークデバイス202のマスターポート及びスレーブポートに関する情報と、中間ネットワークデバイス202のマスターポートに対応するエンドポイントネットワークデバイス203のスレーブポートに関する情報と、中間ネットワークデバイス202のスレーブポートに対応する中間ネットワークデバイス201のマスターポートに関する情報とを含む。図3に示すネットワークシステム内の他の第1の伝送経路の構成情報については、第1の伝送経路1の構成情報を参照する。この出願のこの実施形態では、詳細は再び説明しない。
【0048】
S201において、管理デバイスは少なくとも1つの第1の伝送経路を決定し、S202において、管理デバイスは第1の伝送経路のための構成情報を少なくとも1つの第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに別々に送信してもよい。任意選択で、管理デバイスは、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信してもよい。このように、管理デバイスは、このようなルールに従って、構成情報をS201において決定された少なくとも1つの第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに一括して送信してもよい。さらに、S201において比較的多数の決定された第1の伝送経路が存在するとき、構成情報の送信漏れが構成情報を送信するルールに従って回避でき、管理デバイスにより構成情報を送信する効率が改善できる。
【0049】
図3に示すネットワークシステム内の4つの第1の伝送経路が例として使用される。管理デバイスが、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順で、対応する構成情報を4つの第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信することが仮定される。図4に示すように、4つの第1の伝送経路上で、ターゲットクロックソースまでの1ホップを有する第1のグループのネットワークデバイスは、エンドポイントネットワークデバイス200を含む。ターゲットクロックソースまでの2ホップを有する第2のグループのネットワークデバイスは、中間ネットワークデバイス201及び中間ネットワークデバイス207を含む。ターゲットクロックソースまでの3ホップを有する第3のグループのネットワークデバイスは、中間ネットワークデバイス202、中間ネットワークデバイス204及び中間ネットワークデバイス208を含む。ターゲットクロックソースまでの4ホップを有する第4のグループのネットワークデバイスは、エンドポイントネットワークデバイス203、エンドポイントネットワークデバイス205、エンドポイントネットワークデバイス206及びエンドポイントネットワークデバイス209を含む。S202において、管理デバイスは、対応する構成情報を第1のグループのネットワークデバイス、第2のグループのネットワークデバイス、第3のグループのネットワークデバイス及び第4のグループのネットワークデバイスに順次送信してもよい。
【0050】
この出願のこの実施形態では、管理デバイスが、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信する例が使用される。任意選択で、管理デバイスは、他の順序で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信してもよい。例えば、管理デバイスは、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の降順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信してもよい。他の例では、複数の第1の伝送経路を決定したとき、管理デバイスは、対応する構成情報を複数の第1の伝送経路上のネットワークデバイスに順次送信してもよい。更に他の例では、管理デバイスは、対応する構成情報を決定された少なくとも1つの第1の伝送経路上のネットワークデバイスに同時に送信してもよい。
【0051】
S203:第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスは、構成情報に基づいて第1の伝送経路のパラメータを構成する。
【0052】
管理デバイスにより送信された構成情報を受信した後に、第1の伝送経路上の各ネットワークデバイスは、構成情報に基づいて第1の伝送経路のパラメータを構成してもよい。例えば、ネットワークデバイスは、受信した構成情報内のネットワークデバイスのマスターポートに関する情報に基づいて、ネットワークデバイスのマスターポートを構成する。ネットワークデバイスは、構成情報内のネットワークデバイスのスレーブポートに関する情報に基づいて、ネットワークデバイスのスレーブポートを構成する。ネットワークデバイスは、構成情報内のネットワークデバイスのマスターポートに対応するスレーブポートに関する情報に基づいて、ネットワークデバイスのマスターポートに対応するスレーブポートを構成する。ネットワークデバイスは、構成情報内のネットワークデバイスのスレーブポートに対応するマスターポートに関する情報に基づいて、ネットワークデバイスのスレーブポートに対応するマスターポートを構成する。
【0053】
S204:第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスは、第1の伝送経路のパラメータに基づいてターゲットクロックソースのクロックパケットを処理する。
【0054】
第1の伝送経路のパラメータを構成した後に、ターゲットクロックソースのクロックパケットを受信した場合、第1の伝送経路上のネットワークデバイスは、クロックパケットをネットワークデバイスのマスターポートから対応するスレーブポートに送信してもよく、それにより、クロックパケットが、第1の伝送経路に沿って、ターゲットクロックソースから最も遠く且つ第1の伝送経路上にあるエンドポイントネットワークデバイスに送信されるようにする。
【0055】
図3に示すネットワークシステム内の4つの第1の伝送経路が例として使用され、ターゲットクロックソース(BITSクロックソース)は、クロックパケットをエンドポイントネットワークデバイス200に送信してもよい。エンドポイントネットワークデバイス200は、クロックパケットをエンドポイントネットワークデバイス200のマスターポートからそれぞれ対応するスレーブポート(例えば、中間ネットワークデバイス201のスレーブポート及び中間ネットワークデバイス207のスレーブポート)に送信してもよい。中間ネットワークデバイス201は、クロックパケットを中間ネットワークデバイス201のマスターポートからそれぞれ対応するスレーブポート(例えば、中間ネットワークデバイス202のスレーブポート及び中間ネットワークデバイス204のスレーブポート)に送信してもよい。中間ネットワークデバイス207は、クロックパケットを中間ネットワークデバイス207のマスターポートからそれぞれ対応するスレーブポート(例えば、中間ネットワークデバイス208のスレーブポート)に送信してもよい。中間ネットワークデバイス202は、クロックパケットを中間ネットワークデバイス202のマスターポートからそれぞれ対応するスレーブポート(例えば、エンドポイントネットワークデバイス203のスレーブポート)に送信してもよい。中間ネットワークデバイス204は、クロックパケットを中間ネットワークデバイス204のマスターポートからそれぞれ対応するスレーブポート(例えば、エンドポイントネットワークデバイス205のスレーブポート及びエンドポイントネットワークデバイス206のスレーブポート)に送信してもよい。中間ネットワークデバイス208は、クロックパケットを中間ネットワークデバイス208のマスターポートからそれぞれ対応するスレーブポート(例えば、エンドポイントネットワークデバイス209のスレーブポート)に送信してもよい。
【0056】
S205:第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスは、クロックパケットに基づいて、時間差を決定するために使用される情報を管理デバイスに送信する。
【0057】
クロックパケットを受信した後に、第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスは、受信したクロックパケットに基づいて、時間差TD (time difference, TD)を決定するために使用される情報を管理デバイスに1回以上送信してもよい。例えば、エンドポイントネットワークデバイスにより送信された情報に基づいて決定される時間差は、エンドポイントネットワークデバイスの1588時間(例えば、1588V2時間)とターゲットクロックソースの時間との間の差でもよい。TDを決定するために使用され且つネットワークシステム内のターゲットクロックソースに接続されたエンドポイントネットワークデバイス(例えば、図3におけるエンドポイントネットワークデバイス200)により送信された情報に基づいて決定されるTDは、デフォルト値(例えば、0又は他のデフォルト値)でもよい点に留意すべきである。
【0058】
ネットワークシステム内のネットワークデバイス(例えば、エンドポイントネットワークデバイス又は中間ネットワークデバイス)は、クロックメッセージを管理デバイスに1回以上報告する。クロックメッセージは、デバイス情報、ポート情報等を搬送してもよい。任意選択で、エンドポイントネットワークデバイスは、時間差を決定するために使用される情報をクロックメッセージに含め、クロックメッセージを管理デバイスに送信してもよい。明らかに、エンドポイントネットワークデバイスは、時間差を決定するために使用される情報をクロックメッセージに含めなくてもよい。例えば、エンドポイントネットワークデバイスは、時間差を決定するために使用される情報を管理デバイスに直接送信する。これは、この出願のこの実施形態では限定されない。
【0059】
S206:管理デバイスは、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、対応するクロック補正値を第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信する。
【0060】
例えば、管理デバイスは、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに対応するクロック補正値を決定し、決定されたクロック補正値を対応するネットワークデバイスに送信してもよい。
【0061】
任意選択で、管理デバイスにより決定されるクロック補正値は、スレーブポート補正値及びマスターポート補正値の少なくとも1つを含む。クロック補正値がスレーブポート補正値を含むとき、管理デバイスはスレーブポート補正値を第1の伝送経路上のネットワークデバイスのスレーブポートに送信する。クロック補正値がマスターポート補正値を含むとき、管理デバイスはマスターポート補正値を第1の伝送経路上のネットワークデバイスのマスターポートに送信する。マスターポート補正値及び対応するスレーブポート補正値は同じでもよく、反対の符号を有してもよい。スレーブポート補正値は、光ファイバの非対称性に対する補正を実行するために使用される光ファイバ非対称補正値でもよい。
【0062】
図3に示すネットワークシステム内の第1の伝送経路1が例として使用される。クロック補正値がスレーブポート補正値を含むことが仮定され、この場合、管理デバイスは、スレーブポート補正値を図3における中間ネットワークデバイス201、中間ネットワークデバイス202及びエンドポイントネットワークデバイス203に別々に送信してもよい。さらに、クロック補正値がマスターポート補正値を更に含むことが仮定され、この場合、管理デバイスは、マスターポート補正値を図3におけるエンドポイントネットワークデバイス200、中間ネットワークデバイス201及び中間ネットワークデバイス202に別々に送信してもよい。マスターポート補正値及び対応するスレーブポート補正値は同じでもよく、反対の符号を有してもよい。管理デバイスにより中間ネットワークデバイス201に送信されるスレーブポート補正値は156.2ns (ナノ秒)であることが仮定され、この場合、管理デバイスによりエンドポイントネットワークデバイス200に送信されるマスターポート補正値は-156.2 nsである。
【0063】
管理デバイスは、簡易ネットワーク管理プロトコル(Simple Network Management Protocol, SNMP)、ネットワーク構成プロトコル(Network Configuration Protocol, NETCONF)、コマンドラインインタフェース(Command Line Interface, CLI)等を使用することにより、クロック補正値をネットワークデバイスに送信してもよい。これはこの出願では限定されない。
【0064】
S207:第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスは、受信したクロック補正値に基づいてクロック補正を実行する。
【0065】
クロック補正値を受信し且つ第1の伝送経路上にある各ネットワークデバイスは、受信したクロック補正値に基づいてクロック補正を実行してもよい。例えば、ネットワークデバイスにより受信されたクロック補正値がスレーブポート補正値を含むとき、ネットワークデバイスはスレーブポートに対応するクロック補正を実行する。ネットワークデバイスにより受信されたクロック補正メッセージがマスターポート補正値を含むとき、ネットワークデバイスはマスターポートに対応するクロック補正を実行する。
【0066】
実現方式では、クロック補正値を決定した後に、管理デバイスは、まずクロック補正値をネットワークデバイスに送信しなくてもよく、クロック補正値を管理デバイスの作業者に出力し、次いでクロック補正値が作業者により再処理された後に、クロック補正値をネットワークデバイスに送信してもよいことが理解されるべきである。さらに、管理デバイスはクロック補正値をネットワークデバイスに送信しなくてもよい。代わりに、管理デバイスの作業者は、管理デバイスを使用することにより、コマンドライン手動構成でクロック補正値をネットワークデバイスに配信する。
【0067】
この出願の実施形態では、ターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータが構成される例が使用される。任意選択で、他のクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータを構成するプロセスについては、この出願のこの実施形態を参照する。詳細はここでは説明しない。例えば、この出願のこの実施形態におけるターゲットクロックソースはマスタークロックソースであり、ネットワークシステム内のネットワークデバイスはスレーブクロックソースに更に接続されてもよい。管理デバイスは、この出願の実施形態において提供されるパラメータ構成方法を使用することにより、マスタークロックソース及びスレーブクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される伝送経路のパラメータを同時に(或いは順次に)構成してもよい。
【0068】
以下に、S206において、管理デバイスが、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに対応するクロック補正値を決定するプロセスについて説明する。
【0069】
例えば、S206は以下を含む。
【0070】
S2061:管理デバイスは、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定する。
【0071】
伝送経路の両端は、エンドポイントネットワークデバイスである。それぞれの第1の伝送経路の時間差は、第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報に対応する。第1のグループの未知の補正パラメータは、第1の伝送経路上のそれぞれ2つの隣接するネットワークデバイスの間のクロック補正値を含む。
【0072】
この出願のこの実施形態では、マスターポートとスレーブポートとの間の受信リンク及び送信リンクにおける遅延が非対称である場合、同期誤差が取り入れられる。非対称遅延による誤差は補正値を設定することにより補正されてもよい。設定すべき補正値は、この出願のこの実施形態における未知の補正パラメータである。管理デバイスは、クロックメッセージ内のデバイス情報、ポート情報、クロックトレース、時間差情報等に基づいて、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定するための情報を抽象化する。S201において管理デバイスが複数の第1の伝送経路を決定するとき、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係は、複数の第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係であることが理解されるべきである。
【0073】
任意選択で、同じエンドポイントネットワークデバイスにより送信され、時間差を決定するために使用され、且つ管理デバイスにより受信される複数の情報が異なるとき、管理デバイスは情報を前処理してもよい。前処理は、有効性検査の実行、不安定な値の破棄、又は最大値と最小値とを削除した後の残りの値の平均値の取得を含む。
【0074】
任意選択で、管理デバイスが同じエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される複数の情報を受信するとき、図3に示す例において、エンドポイントネットワークデバイス209がGPSを有する2つの基地局に接続されている場合、エンドポイントネットワークデバイス209は、時間差を決定するために使用される複数の情報を管理デバイスに送信してもよい。この場合、管理デバイスは、時間差を決定するために使用される複数の情報を前処理してもよい。前処理は、有効性検査の実行、不安定な値の破棄、又は最大値と最小値とを削除した後の残りの値の平均値の取得を含む。
【0075】
例えば、図3及び図4を参照して、以下に、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定するプロセスについて説明する。
【0076】
管理デバイスにより決定される第1の伝送経路の数は、ネットワークシステム内のエンドポイントネットワークデバイスの数から1を減算したものに等しい。第1の伝送経路の両端はエンドポイントネットワークデバイスであり、第1の伝送経路は少なくとも1つの中間ネットワークデバイスを含む。一例では、図3に示すネットワークシステムは、5つのエンドポイントネットワークデバイス、すなわち、エンドポイントネットワークデバイス200、エンドポイントネットワークデバイス203、エンドポイントネットワークデバイス205、エンドポイントネットワークデバイス206及びエンドポイントネットワークデバイス209を含む。5つのエンドポイントネットワークデバイスにより送信された情報に基づいて決定され且つ時間差を決定するために使用される時間差は、それぞれ、エンドポイントネットワークデバイス200に対応するTD1、エンドポイントネットワークデバイス203に対応するTD2、エンドポイントネットワークデバイス205に対応するTD3、エンドポイントネットワークデバイス206に対応するTD4及びエンドポイントネットワークデバイス209に対応するTD5である。管理デバイスにより決定される4つの第1の伝送経路は、第1の伝送経路1、第1の伝送経路2、第1の伝送経路3及び第1の伝送経路4である。
【0077】
このシナリオでは、第1のグループの未知の補正パラメータにおけるパラメータの数は、全ての第1の伝送経路上のネットワークデバイスの数から1を減算したものである。図3に示す例では、合計で4つの第1の伝送経路が存在し、4つの第1の伝送経路上に10個のネットワークデバイスが存在する。この場合、管理デバイスにより決定される必要がある全ての未知の補正パラメータの数(すなわち、第1のグループの未知の補正パラメータにおけるパラメータの数)は9である。
【0078】
任意選択で、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係は以下の通りである。それぞれの第1の伝送経路上の全ての未知の補正パラメータの和は、第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより報告され且つ時間差を決定するために使用される情報を使用することにより決定される時間差の間の差に等しい。
【0079】
図4に示す例では、4つの第1の伝送経路に対応する4つの第1のグループの未知の補正パラメータは、それぞれx1~x9である合計で9つの未知の補正パラメータを含む。第1の伝送経路1が例として使用され、x1は中間ネットワークデバイス201とエンドポイントネットワークデバイス200との間のクロック補正パラメータであり、x2は中間ネットワークデバイス202と中間ネットワークデバイス201との間のクロック補正パラメータであり、x3はエンドポイントネットワークデバイス203と中間ネットワークデバイス202との間のクロック補正パラメータである。
【0080】
第1の伝送経路1上の3つの未知の補正パラメータの和は、第1の伝送経路1上のエンドポイントネットワークデバイス200及びエンドポイントネットワークデバイス203により報告された且つ時間差を決定するために使用される情報を使用することにより決定された時間差の間の差(すなわち、第1の伝送経路1の時間差)、すなわち、
x1+x2+x3=TD2-TD1
である。
【0081】
同様に、以下のもの、すなわち、
x1+x4+x5=TD3-TD1
x1+x4+x6=TD4-TD1、且つ
x7+x8+x9=TD5-TD1
が取得されてもよい。
【0082】
S2062:管理デバイスは、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、クロック補正値を決定する。
【0083】
任意選択で、管理デバイスは、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、第1のグループの未知の補正パラメータの値を決定し、次いで、第1のグループの未知の補正パラメータの値をクロック補正値として使用する。
【0084】
例えば、管理デバイスは、以下の方法を使用することにより、第1のグループの未知の補正パラメータの値を決定してもよい。管理デバイスは、第1の伝送経路の時間差及び第1のグループの未知の補正パラメータに基づいて係数行列を取得する。管理デバイスは、係数行列及び第1の伝送経路の時間差に基づいて、第1のグループの未知の補正パラメータの値を決定する。係数行列はA=(aij)M×Nとして表され、Aは係数行列であり、aijは係数行列内の要素であり、第jの未知の補正パラメータが第iの伝送経路に存在するか否かを表し、Nは未知の補正パラメータの数であり、Nはネットワークデバイスの数から1を減算したものであり、Mは第1の伝送経路の数であり、Mは全ての第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスの数から1を減算したものである。第jの未知の補正パラメータが第iの伝送経路に存在する場合、aij=1である。第jの未知の補正パラメータが第iのクロックリンクに存在しない場合、aij=0であり、1≦i≦M且つ1≦j≦Nである。
【0085】
図4に示す例では、係数行列は
【数1】
である。
【0086】
任意選択で、上記の方法に従って係数行列を決定した後に、管理デバイスは、第1の伝送経路の時間差を参照して、以下の式を使用することにより第1のグループの未知の補正パラメータの値を決定してもよい。
b=(TD2-TD1,...,TDi-TD1)且つ(x1,…,xj)=xLSN=A+b
ここで、2≦i≦Mであり、1<j≦Nであり、(x1,...,xj)は第1のグループの未知の補正パラメータ(xLSNとして表されてもよい)であり、xjは第1のグループの未知の補正パラメータにおける第jの未知の補正パラメータであり、TDi-TD1は第(i-1)の第1の伝送経路の時間差であり、bは全ての第1の伝送経路の時間差により形成されるベクトルであり、Mは第1の伝送経路の数であり、Nは未知の補正パラメータの数であり、Aは係数行列であり、A+は係数行列Aのムーア・ペンローズ一般化逆行列である。
【0087】
図4に示す例では、ベクトルb=(TD2-TD1,...,TD5-TD1)である。第1のグループの未知の補正パラメータはx= (x1,...,x9)として表される。
【0088】
任意選択で、管理デバイスは、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、クロック補正値のアルゴリズムがフルランク分解アルゴリズム、特異値分解アルゴリズム、ラグランジュ乗数アルゴリズム、人工知能アルゴリズム等を含むことを決定する。人工知能アルゴリズムは、ニューラルネットワークシステムアルゴリズム、蟻コロニー最適化アルゴリズム等を含む。これはこの出願では限定されない。
【0089】
図4に示す例において、
TD1=100ns、TD2=365ns、TD3=380ns、TD4=451 ns且つTD5=620ns、
b=(256,280,351,520)、且つ
xLSN=(156.2,49.9,49.9,106.2,17.6,88.6,173.3,173.3,173.3)であることが仮定される。
【0090】
この場合、x1=156.2ns、x2=49.9ns、x3=49.9ns、...、且つx9=173.3nsである。
【0091】
この出願のこの実施形態では、計算されたクロック補正値を客観的に比較し、より高精度及び高確度を有するクロック補正値を提供するために、全体ネットワーク評価指標が更に定義され、1回以上計算される未知の補正パラメータの正確な計算の確率が全体ネットワーク評価指標を使用することにより決定される。この出願のこの実施形態では、より小さい全体ネットワーク評価指標は、正確な計算のより高い確率を示す。
【0092】
任意選択で、管理デバイスは、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、第1のグループの未知補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値を決定する。例えば、平均値が目標指標以上であると決定したとき、管理デバイスは、第1のグループの未知の補正パラメータの計算値をクロック補正値として使用し、目標指標は正確な計算の確率の予め設定された値である。
【0093】
任意選択で、全ての第1の伝送経路及び第1のグループの未知の補正パラメータに基づいて係数行列Aを取得した後に、管理デバイスは、以下の式に従って、第1のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値を決定する。
Pmean=r/N
ここで、r=rank(A)であり、1≦i≦Mであり、1≦j≦Nであり、Pmeanは第1のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値であり、Nは第1のグループの未知の補正パラメータにおける未知の補正パラメータの数であり、rは係数行列Aのランクである。
【0094】
図4に示す例では、計算された係数行列を参照して、r=rank(A)=4且つPmean=0.444が計算を通じて取得され得る。したがって、第1のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値は44.4%である。
【0095】
任意選択で、目標指標は、管理デバイスの作業者により必要とされる正確な計算の目標確率でもよく、或いは、経験に基づいて管理デバイスにより自動的に設定される正確な計算の目標確率でもよい。これは、この出願のこの実施形態では限定されない。
【0096】
一例では、Pmean=0.444であるとき、目標指標が40%である場合、管理デバイスは第1のグループの未知の補正パラメータの計算値をクロック補正値として決定する。目標指標が60%である場合、管理デバイスは、計算を通じて、正確な計算の確率が目標指標以上である第Nのグループの未知の補正パラメータの値を取得するまで計算を実行し続け、第Nのグループの未知の補正パラメータの値をクロック補正値として決定する。管理デバイスが計算を実行し続ける方法については、以下の第2のグループの未知の補正パラメータの値を取得するための方法を参照する。詳細はここでは説明しない。
【0097】
任意選択で、クロック補正値の計算の精度を改善するために、管理デバイスは、複数のグループの未知の補正パラメータと、各グループの未知の補正パラメータに対応する全体ネットワーク評価指標とを計算し、より良い全体ネットワーク評価指標に対応するグループの未知の補正パラメータをクロック補正値として選択してもよい。例えば、管理デバイスは、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、第1のグループの未知の補正パラメータの値と第1の全体ネットワーク評価指標を決定してもよい。第1の全体ネットワーク評価指標は、第1のグループの未知の補正パラメータの値の評価値である。管理デバイスは、ネットワークデバイスの役割を変更することにより、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定する。管理デバイスは、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、第2のグループの未知の補正パラメータの値と第2の全体ネットワーク評価指標とを決定する。第2の全体ネットワーク評価指標は、第2のグループの未知の補正パラメータの値の評価値である。管理デバイスは、第2の全体のネットワーク評価指標が第1の全体のネットワーク評価指標よりも良いと決定する。管理デバイスは、第2の全体ネットワーク評価指標が第1の全体ネットワーク評価指標よりも良いという決定に基づいて、第2のグループの未知の補正パラメータの値をクロック補正値として決定する。評価値は、未知の補正パラメータの値の計算結果が良好であるか否かを示す。この実施形態では、より小さい計算結果はより良い計算結果を示す。管理デバイスが2つのグループの未知の補正パラメータ及び2つの対応する全体ネットワーク評価指標のみを計算することに限定されず、3つ、4つ又はそれ以上のグループの未知の補正パラメータ、及び対応する全体ネットワーク評価指標を計算してもよい。
【0098】
任意選択で、係数行列Aを取得した後に、管理デバイスは以下の式を使用することにより第1の全体ネットワーク評価指標を決定する。
【数2】
ここで、1≦i≦M且つ1≦j≦Nであり、AEINは第1の全体ネットワーク評価指標であり、Nは第1のグループの未知の補正パラメータにおける未知の補正パラメータの数であり、Nは全ての第1の伝送経路上のネットワークデバイスの数から1を減算したものであり、rは係数行列Aのランクであり、Iは単位行列であり、A+は係数行列Aのムーア・ペンローズ一般化逆行列であり、Eは第1のグループの未知の補正パラメータの値の誤差行列であり、eijは誤差行列の要素であり、pfは第fの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率であり、pは確率が1である要素がpf(f=1,...,n)において取り除かれた後の残りのk個の要素により形成される部分集合ベクトルであり、std(p)はベクトルpの標準偏差である。
【0099】
図4に示す例では、計算された係数行列を参照して、以下が計算を通じて取得され得る。
【数3】
【0100】
第1の全体ネットワーク評価指標は20.3614であり、言い換えると、第1のグループの未知の補正パラメータの値の評価値は20.3614である。
【0101】
管理デバイスは、ネットワークデバイスの役割を変更することにより、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定してもよい。
【0102】
方式1:管理デバイスは、複数のネットワークデバイス内のいくつかの中間ネットワークデバイスをエンドポイントネットワークデバイスに変更する。
【0103】
方式1では、中間ネットワークデバイスをエンドポイントネットワークデバイスに変更した後に、管理デバイスは、エンドポイントネットワークデバイスに変更されたネットワークデバイスに命令を送信してもよく、それにより、エンドポイントネットワークデバイスに変更された中間ネットワークデバイスが、時間差を決定するために使用される情報 (説明を容易にするために、新情報と呼ばれる)を管理デバイスに送信するようにする。管理デバイスは、エンドポイントネットワークデバイスに変更された中間ネットワークデバイスにより送信された新情報を受信し、管理デバイスは、新情報に基づいて、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータ(複数の未知の補正パラメータを含む)との間の関係を決定する。
【0104】
方式1において、他の実現方式では、中間ネットワークデバイスをエンドポイントネットワークデバイスに変更した後に、管理デバイスは、エンドポイントネットワークデバイスに変更された中間ネットワークデバイスに関する新情報をシミュレーションして計算する。管理デバイスは、新情報に基づいて、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定する。
【0105】
一例では、管理デバイスは、図4におけるネットワークデバイスの役割を変更する方式において、中間ネットワークデバイス202をエンドポイントネットワークデバイスに変更する。具体的には、管理デバイスは元の中間ネットワークデバイス202をエンドポイントネットワークデバイスに変更する。管理デバイスは、ネットワークデバイス202により送信された新情報を受信する。新情報は、時間差がTD6であることを決定するために使用される。代替として、管理デバイスは、ネットワークデバイス202について、時間差TD6を決定するために使用される1つの情報をシミュレーションして計算する。このように、管理デバイスは、全ての第2の伝送経路の時間差と、図5に示す第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を取得する。図5において、エンドポイントネットワークデバイスは、別々に、エンドポイントネットワークデバイス200、中間ネットワークデバイス202、エンドポイントネットワークデバイス203、エンドポイントネットワークデバイス205、エンドポイントネットワークデバイス206及びエンドポイントネットワークデバイス209である。6つのエンドポイントネットワークデバイスが存在する。管理デバイスは、1つの伝送経路を元の4つの第1の伝送経路に追加し、5つの第2の伝送経路を取得し、これらは別々に以下の通りである。
第2の伝送経路1:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→中間ネットワークデバイス202→エンドポイントネットワークデバイス203、
第2の伝送経路2:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→中間ネットワークデバイス204→エンドポイントネットワークデバイス205、
第2の伝送経路3:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→中間ネットワークデバイス204→エンドポイントネットワークデバイス206、
第2の伝送経路4:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス207→中間ネットワークデバイス208→エンドポイントネットワークデバイス209、及び
第2の伝送経路5(新たに追加された伝送経路):エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス201→エンドポイントネットワークデバイス202。
【0106】
このように、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係は、以下のように表される。
【数4】
【0107】
方式2:管理デバイスは、いくつかの中間ネットワークデバイスを省略ネットワークデバイスに変更する。少なくとも1つの第1の伝送経路上の省略ネットワークデバイス以外のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスと呼ばれる。管理デバイスは、第2のネットワークデバイスに基づいて、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定する。
【0108】
一例では、管理デバイスは、ネットワークデバイスの役割を変更する方式において、図4における中間ネットワークデバイス201を省略ネットワークデバイスに変更する。具体的には、管理デバイスはネットワークデバイス201を計算に含めず、図6における第2のネットワークデバイス200、第2のネットワークデバイス202、第2のネットワークデバイス203、第2のネットワークデバイス204、第2のネットワークデバイス205、第2のネットワークデバイス206、第2のネットワークデバイス207、第2のネットワークデバイス208及び第2のネットワークデバイス209を取得する。このように、全ての第2の伝送経路の時間差と、図6に示す第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係が取得される。図6において、エンドポイントネットワークデバイスは、別々に、エンドポイントネットワークデバイス200、エンドポイントネットワークデバイス203、エンドポイントネットワークデバイス205、エンドポイントネットワークデバイス206及びエンドポイントネットワークデバイス209である。5つのエンドポイントネットワークデバイスが存在し、合計で4つの第2の伝送経路が存在する。
第2の伝送経路1:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス202→エンドポイントネットワークデバイス203、
第2の伝送経路2:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス204→エンドポイントネットワークデバイス205、
第2の伝送経路3:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス204→エンドポイントネットワークデバイス206、及び
第2の伝送経路4:エンドポイントネットワークデバイス200→中間ネットワークデバイス207→中間ネットワークデバイス208→エンドポイントネットワークデバイス209。
【0109】
全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係は以下のように表される。
【数5】
【0110】
任意選択で、管理デバイスは、全ての第2の伝送経路の時間差と第2のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、第2の係数行列を取得する。この出願のこの実施形態では、第2の係数行列を取得するための方法は、係数行列Aを取得するための方法と一致する。詳細な説明については、係数行列Aを取得するための方法を参照する。詳細はここでは再び説明しない。
【0111】
図5に示す例では、第2のグループの未知の補正パラメータの数Nは9であり、伝送経路の数Mは5であり、第2の係数行列は以下の通りである。
【数6】
【0112】
図6に示す例では、第2のグループの未知の補正パラメータの数Nは8であり、伝送経路の数Mは4であり、第2の係数行列は以下の通りである。
【数7】
【0113】
第2の係数行列を取得した後に、管理デバイスは、第2の係数行列及び全ての第2の伝送経路の時間差に基づいて、第2のグループの未知の補正パラメータの値を決定してもよい。
【0114】
この出願のこの実施形態では、第2のグループの未知の補正パラメータの値を決定するための計算方法は、第1のグループの未知の補正パラメータの値を決定するための計算方法と一致する。詳細な説明については、第1のグループの未知の補正パラメータの値につての計算方法を参照する。詳細はここでは再び説明しない。
【0115】
この出願のこの実施形態では、第2のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値を決定するための方法は、第1のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値を決定するための方法と一致する。第2の全体ネットワーク評価指標を計算するための方法は、第1の全体ネットワーク評価指標を計算するための方法と一致する。詳細な説明については、第1のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値を計算するための上記の方法及び第1の全体ネットワーク評価指標を計算するための上記の方法を参照する。詳細はここでは再び説明しない。
【0116】
任意選択で、管理デバイスは、第2のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値が目標指標以上であるか否かに基づいて、計算を中止するか否かを決定する。
【0117】
一例では、必要な目標指標が80%である場合、第2の全体ネットワーク評価指標及び第2のグループの未知の補正パラメータの値を計算するとき、管理デバイスは、以下の式を使用することにより、1つ以上のエンドポイントネットワークデバイスを更にシミュレーションして追加するか否かを決定し、追加されるエンドポイントネットワークデバイスの数が1以上である。
pmean≧preq
【0118】
図5に示す例では、第2のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値pmeanが0.5556≒55.6%に等しく、これが目標指標80%よりも小さい場合、管理デバイスは、第2のグループの未知の補正パラメータの値の正確な計算の確率の平均値が目標指標80%以上になるか、或いは、全ての中間ネットワークデバイスが既に新たに追加されたエンドポイントネットワークデバイスに変更されるまで、エンドポイントネットワークデバイスをシミュレーションして追加し続ける。
【0119】
任意選択で、管理デバイスは、エンドポイントネットワークデバイスに変更された中間ネットワークデバイスに関する情報を管理デバイスのユーザインタフェースに出力する。
【0120】
図4における上記の例では、具体的には、各ネットワークデバイスのスレーブポート補正値は、第1のグループの未知の補正パラメータ内の要素の値である。例えば、ネットワークデバイス201のスレーブポートのクロック補正値は156.2nsであり、ネットワークデバイス202のスレーブポート補正値は49.9nsである。同様に、他のネットワークデバイスのスレーブポート補正値が取得されてもよい。任意選択で、スレーブポート補正値は、第2のグループの未知の補正パラメータの値に基づいて決定される。
【0121】
図5に示す例では、管理デバイスにより決定された第2のグループの未知の補正パラメータ(x1,...,x9)=(1562,49.9,49.9,1062,17.6,88.6,173.3,173.3,173.3)は計算と組み合わせて取得されてもよく、管理デバイスは各ネットワークデバイスのスレーブポートの補正値が以下の通りであると決定する。ネットワークデバイス201のスレーブポートの補正値が156.2nsであり、ネットワークデバイス202のスレーブポートの補正値が49.9nsである。同様に、他のネットワークデバイスのスレーブポート補正値が取得されてもよい。
【0122】
任意選択で、管理デバイスは、クロック補正値、第1の全体のネットワーク評価指標又は第2の全体のネットワーク評価指標を管理デバイスのユーザ管理インタフェースに更に出力してもよい。
【0123】
可能なシナリオでは、ネットワークデバイスの間の受信光ファイバ及び送信光ファイバの長さは等しくない。1 mの光ファイバの伝送遅延は5ナノ秒(ns)である。この場合、1メートルの非対称性により2.5nsの時間同期誤差が取り入れられ、400メートルの非対称性により1マイクロ秒(microsecond, μs)の時間同期誤差が取り入れられる。実際のネットワークシステムでは、400m以内の全体ネットワークのエンドツーエンドのファイバ非対称性を正確に制御することは困難である。時分割同期符号分割多元接続(Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access, TD-SCDMA)ネットワークシステム及びロングタームエボリューション時分割複信(Long Term Evolution-time Division Duplex, LTE-TDD)ネットワークシステムにおける+/-1.5μsの同期要求について、1μsの同期誤差は許容できないことは明らかである。一般的に、非対称値の検出及び補正は手動で実行される必要がある。しかし、ベアラネットワークシステムは巨大で分散しており、国、地域、省及び都市にまたがって配備される。その結果、手動操作は複雑で時間がかかり、比較的高い専門知識がオペレータに課される。この出願のこの実施形態では、管理デバイスは、エンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報を取得し、当該情報に基づいてネットワーク全体のクロック補正値を自動的に計算し、保守者の現場での測定量を低減し、管理及び運用者のスキル要件を低くすることができる。
【0124】
任意選択で、ネットワークデバイスはマスターポート及びスレーブポートを有するだけでなく、パッシブ(passive)ポートを有してもよい。管理デバイスは、ネットワークデバイスのパッシブポートをスレーブポートにハンドオーバし、上記の補正方法を使用することによりクロック補正を実行し、次いで、ポートをパッシブポートにハンドオーバしてもよい。
【0125】
上記に、この出願の実施形態において提供されるパラメータ構成方法について説明した。以下に、この出願の実施形態において提供されるパラメータ構成デバイスについて説明する。
【0126】
図7は、この出願の実施形態によるパラメータ構成デバイスの構造の概略図である。パラメータ構成デバイスは、ネットワークシステム内の管理デバイスに適用されてもよい。図7に示すように、パラメータ構成デバイスは、
ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路を決定するように構成された決定モジュール701と、
第1の伝送経路のための構成情報を第1の伝送経路上の複数のネットワークデバイスに別々に送信するように構成された第1の送信モジュール702と、
第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報を受信するように構成された受信モジュール703と、
時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて対応するクロック補正値を第1の伝送経路上の少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するように構成された第2の送信モジュール704と
を含んでもよい。
【0127】
決定モジュール701は、図2に示すパラメータ構成方法においてS201における動作を実行するように構成されてもよい。第1の送信モジュール702は、図2に示すパラメータ構成方法においてS202における動作を実行するように構成されてもよい。受信モジュール703は、図2に示すパラメータ構成方法においてS205における管理デバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。第2の送信モジュール704は、図2に示すパラメータ構成方法においてS206における動作を実行するように構成されてもよい。
【0128】
任意選択で、決定モジュール701は、ネットワークシステム内にあり且つターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される複数の第1の伝送経路を決定するように構成される。
【0129】
任意選択で、第1の送信モジュール702は、ネットワークデバイスからターゲットクロックソースまでのホップ数の昇順又は降順で、対応する構成情報を決定された第1の伝送経路上のネットワークデバイスに送信するように構成される。
【0130】
任意選択で、決定モジュール701は、ネットワークシステム内の各ネットワークデバイスのクロックパラメータを取得するように構成され、ネットワークデバイスのクロックパラメータは、ネットワークデバイスがクロック同期をサポートするか否かを示すために使用され、ネットワークシステム内のネットワークデバイスのクロックパラメータに基づいて、ネットワークシステム内のクロック同期をサポートするネットワークデバイスを決定し、クロック同期をサポートするネットワークデバイスとターゲットクロックソースとの間の接続関係に基づいて、第1の伝送経路を決定するように構成される。
【0131】
任意選択で、第2の送信モジュール704は、時間差を決定するために使用される受信した情報に基づいて、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係を決定するように構成され、第1の伝送経路の時間差は、第1の伝送経路上のエンドポイントネットワークデバイスにより送信され且つ時間差を決定するために使用される情報に対応し、第1のグループの未知の補正パラメータは、第1の伝送経路上のそれぞれ2つの隣接するネットワークデバイスの間のクロック補正値を含み、全ての第1の伝送経路の時間差と第1のグループの未知の補正パラメータとの間の関係に基づいて、少なくとも1つのネットワークデバイスに対応するクロック補正値を決定し、対応するクロック補正値を少なくとも1つのネットワークデバイスに送信するように構成される。
【0132】
任意選択で、時間差はエンドポイントネットワークデバイスの1588時間とターゲットクロックソースの時間との間の差値である。
【0133】
任意選択で、クロック補正値は光ファイバ非対称補正値を含む。
【0134】
図8は、この出願の実施形態による他のパラメータ構成デバイスの構造の概略図である。パラメータ構成デバイスは、ネットワークシステム内のエンドポイントネットワークデバイスに適用されてもよい。図8に示すように、パラメータ構成デバイスは、
管理デバイスにより送信された構成情報を受信するように構成された第1の受信モジュール801と、
構成情報に基づいて、ターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路のパラメータを構成するように構成された構成モジュール802と、
第1の伝送経路のパラメータに基づいてクロックパケットを処理するように構成された処理モジュール803と、
クロックパケットに基づいて、時間差を決定するために使用される情報を管理デバイスに送信するように構成された送信モジュール804と、
管理デバイスにより送信されたクロック補正値を受信するように構成された第2の受信モジュール805と、
クロック補正値に基づいてクロック補正を実行するように構成された補正モジュール806と
を含んでもよい。
【0135】
第1の受信モジュール801は、図2に示すパラメータ構成方法においてS202におけるエンドポイントネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。構成モジュール802は、図2に示すパラメータ構成方法においてS203におけるエンドポイントネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。処理モジュール803は、図2に示すパラメータ構成方法においてS204におけるエンドポイントネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。送信モジュール804は、図2に示すパラメータ構成方法においてS205における動作を実行するように構成されてもよい。第2の受信モジュール805は、図2に示すパラメータ構成方法においてS206におけるエンドポイントネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。補正モジュール806は、図2に示すパラメータ構成方法においてS207にけるエンドポイントネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。
【0136】
図9は、この出願の実施形態による他のパラメータ構成デバイスの構造の概略図である。パラメータ構成デバイスは、ネットワークシステム内の中間ネットワークデバイスに適用されてもよい。図9に示すように、パラメータ構成デバイスは、
管理デバイスにより送信された構成情報を受信するように構成された第1の受信モジュール901と、
構成情報に基づいて、ターゲットクロックソースのクロックパケットを伝送するために使用される第1の伝送経路のパラメータを構成するように構成された構成モジュール902と、
第1の伝送経路のパラメータに基づいてクロックパケットを処理するように構成された処理モジュール903と、
管理デバイスにより送信されたクロック補正値を受信するように構成された第2の受信モジュール904と、
クロック補正値に基づいてクロック補正を実行するように構成された補正モジュール905と
を含んでもよい。
【0137】
第1の受信モジュール901は、図2に示すパラメータ構成方法においてS202における中間ネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。構成モジュール902は、図2に示すパラメータ構成方法においてS203における中間ネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。処理モジュール903は、図2に示すパラメータ構成方法においてS204における中間ネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。第2の受信モジュール904は、図2に示すパラメータ構成方法においてS206における中間ネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。補正モジュール905は、図2に示すパラメータ構成方法においてS207における中間ネットワークデバイスに関する動作を実行するように構成されてもよい。
【0138】
上記に、この出願の実施形態における管理デバイス及びネットワークデバイスについて説明した。以下に、管理デバイス及びネットワークデバイスの可能な製品形式について説明する。図7における管理デバイスの特徴を有する製品のいずれかの形式、及び図8又は図9におけるネットワークデバイスの特徴を有する製品のいずれかの形式は、この出願の保護範囲内に入ることが理解されるべきである。以下の説明は単なる例であり、この出願の実施形態における管理デバイス及びネットワークデバイスの製品形式を限定するものではないことが更に理解されるべきである。
【0139】
可能な製品形式では、この出願の実施形態において提供される管理デバイス又はネットワークデバイスは、一般的なバスアーキテクチャを使用することにより実現されてもよい。
【0140】
図10に示すように、この出願の実施形態は管理デバイスを提供する。管理デバイス1000は、プロセッサ1001、メモリ1002及びトランシーバ1003を含む。メモリ1002は少なくとも1つの命令を記憶する。プロセッサ1001は、命令をロードし、上記のパラメータ構成方法を実行し、上記のパラメータ構成方法を実行するようにトランシーバ1003を制御するように構成される。プロセッサ1001、メモリ1002及びトランシーバ1003は、バス1004を使用することにより相互に接続されてもよい。
【0141】
プロセッサ1001は、汎用中央処理装置(central processing unit, CPU)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、又はこの出願における解決策のプログラム実行を制御するように構成された1つ以上の集積回路でもよい。
【0142】
メモリ1002は、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)若しくは静的な情報及び命令を記憶できる他のタイプの静的記憶デバイス、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)若しくは情報及び命令を記憶できる他のタイプの動的記憶デバイスでもよく、或いは、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory, EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only Memory, CD-ROM)若しくは他の光ディスクストレージ、光ディスクストレージ(圧縮光ディスク、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスク等を含む)、磁気ディスク記憶媒体若しくは他の磁気記憶デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形式で予期されるプログラムコードを搬送若しくは記憶するように構成でき且つコンピュータによりアクセスできるいずれかの他の媒体でもよいが、これらに限定されない。
【0143】
図11に示すように、この出願の実施形態はネットワークデバイス1010を提供する。ネットワークデバイス1010は、プロセッサ1011、メモリ1012及びトランシーバ1013を含む。メモリ1012は少なくとも1つの命令を記憶する。プロセッサ1011は、命令をロードし、上記のパラメータ構成方法を実行するようにトランシーバ1013を制御するように構成される。プロセッサ1011、メモリ1012及びトランシーバ1013は、バス1014を使用することにより相互に接続されてもよい。プロセッサ1011の製品形式はプロセッサ1001の製品形式と同様であり、メモリ1012の製品形式はメモリ1002の製品形式と同様である。詳細はここでは再び説明しない。
【0144】
この出願の実施形態はネットワークシステムを提供する。ネットワークシステムは、管理デバイス及び複数のネットワークデバイスを含む。例えば、図12に示すように、ネットワークシステムは、管理デバイス、エンドポイントネットワークデバイス及び中間ネットワークデバイスを含む。管理デバイスは、図7に示すパラメータ構成デバイスである。エンドポイントネットワークデバイスは、図8に示すパラメータ構成デバイスである。中間ネットワークデバイスは、図9に示すパラメータ構成デバイスである。代替として、管理デバイスが図10に示されており、中間ネットワークデバイス及びエンドポイントネットワークデバイスの双方が図11に示されている。
【0145】
この出願の実施形態は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、この出願の実施形態において提供されるいずれかのパラメータ構成方法において、管理デバイスにより実行される方法を実行するために使用される。
【0146】
この出願の実施形態は、他のコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、この出願の実施形態において提供されるいずれかのパラメータ構成方法において、エンドポイントネットワークデバイスにより実行される方法を実行するために使用される。
【0147】
この出願の実施形態は、他のコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、この出願の実施形態において提供されるいずれかのパラメータ構成方法において、中間ネットワークデバイスにより実行される方法を実行するために使用される。
【0148】
この出願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がネットワークデバイス上で実行されたとき、ネットワークデバイスは、この出願の実施形態において提供されるいずれかのパラメータ構成方法において管理デバイスにより実行される方法を実行することが可能になる。
【0149】
この出願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がネットワークデバイス上で実行されたとき、ネットワークデバイスは、この出願の実施形態において提供されるいずれかのパラメータ構成方法においてエンドポイントネットワークデバイスにより実行される方法を実行することが可能になる。
【0150】
この出願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がネットワークデバイス上で実行されたとき、ネットワークデバイスは、この出願の実施形態において提供されるいずれかのパラメータ構成方法において中間ネットワークデバイスにより実行される方法を実行することが可能になる。
【0151】
上記の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせを使用することにより実現されてもよい。ソフトウェアが実施形態を実現するために使用されるとき、実施形態の全部又は一部はコンピュータプログラム製品の形式で実現されてもよい。コンピュータプログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラムの命令がコンピュータにロードされて実行されたとき、この出願の実施形態による手順又は機能が全て或いは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、コンピュータネットワーク又は他のプログラム可能デバイスでもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよく、或いは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ又はデジタル加入者線)又は無線(例えば、赤外線、無線又はマイクロ波)方式で、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタに伝送されてもよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータによりアクセス可能ないずれかの使用可能媒体、又は1つ以上の使用可能媒体を統合したサーバやデータセンタのようなデータ記憶デバイスでもよい。使用可能媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク又は磁気テープ)、光媒体、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ)等でもよい。
【0152】
この出願において、「第1」、「第2」等の用語は、説明のみを意図しており、相対的な重要性の指示又は暗示として理解されるべきではない。特に断りのない限り、「少なくとも1つ」は1つ以上を意味し、「複数」は2つ以上を意味する。
【0153】
この出願の実施形態において提供される方法の実施形態及びデバイスの実施形態のような異なるタイプの実施形態は相互に参照されてもよい。これは、この出願の実施形態では限定されない。この出願の実施形態において提供される方法の実施形態の動作の順序は適切に調整でき、動作は状況に基づいて追加又は削除できる。この出願に開示された技術的範囲から逸脱せずに当業者により容易に理解できるいずれかの方法は、この出願の保護範囲内に入るものとし、したがって、詳細は再び説明しない。
【0154】
この出願において提供される対応する実施形態では、開示のシステム、デバイス等が他の方式で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、記載のデバイスの実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は単なる論理的な機能分割であり、実際の実現方式では他の分割でもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは組み合されてもよく或いは他のシステムに統合されてもよく、或いは、いくつかの機能が無視されてもよく或いは実行されなくてもよい。さらに、表示又は議論された相互結合、直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェースを使用することにより実現されてもよい。デバイス又はユニットの間の間接結合又は通信接続は、電子又は他の形式で実現されてもよい。
【0155】
別々の部分として記載されたユニットは、物理的に分離してもよく或いは分離しなくてもよく、ユニットとして記載された部分は、物理的なユニットでもよく或いは物理的なユニットでなくてもよく、1つの場所に位置してもよく、或いは、複数のネットワークデバイス(例えば端末デバイス)に分散されてもよい。実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいてユニットの一部又は全部が選択されてもよい。
【0156】
上記の説明は、この出願の単なる具体的な実現方式であり、この出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。この出願に開示された技術的範囲内で当業者により容易に理解されるいずれかの修正又は置換は、この出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、この出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
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