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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ピリジン系誘導体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/14 20060101AFI20240611BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240611BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
C07D405/14 CSP
A61P29/00
A61P43/00 111
A61K31/4433
A61K31/443
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022567108
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021094677
(87)【国際公開番号】W WO2021233349
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202010444113.6
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516304780
【氏名又は名称】メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ユンフー
(72)【発明者】
【氏名】パー ユイヨン
(72)【発明者】
【氏名】シューホイ チェン
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/014105(WO,A1)
【文献】特開2001-058992(JP,A)
【文献】特開2003-119191(JP,A)
【文献】国際公開第2019/149089(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(ここで、
各R1は独立してハロゲン、OH、NH2、CN、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3個のFによって置換され、
mは0、1及び2から選択され、
環Aは、5~6員のヘテロシクロアルキルから選択され、
前記ヘテロシクロアルキル基は、1又は2個のOをヘテロ原子として含む。)
【請求項2】
各R1は独立してハロゲン、OH、NH2、CN、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
各R1は独立してメチル、エチル及びn-プロピルから選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
環Aは
【化2】
から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
構造フラグメント
【化3】
は、
【化4】
から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
下記の式で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化5-1】
【化5-2】
【請求項7】
下記の式から選択される、請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
【請求項8】
CCR2/CCR5二重受容体アンタゴニストに関連する疾患を治療するための薬物の製造における、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願日が2020年5月22日である中国特許出願CN202010444113.6の優先権を主張する。本出願は、上記中国特許出願の全文を引用する。
【0002】
本発明は、ピリジン構造を有する一連の化合物、その異性体又はその薬学的に許容される塩、及び関連疾患の治療のための薬物の製造におけるその使用に関し、具体的には、式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
化学誘導物質サイトカイン(即ち、ケモカイン)は、比較的小さなタンパク質(8~10kD)であり、細胞移動を刺激する。高度に保存された第1システインと第2システインの間のアミノ酸残基の数に基づいて、ケモカインファミリーは4つのサブファミリーに分類される。単球走化性タンパク質-1(MCP-1)は、CCケモカインサブファミリー(CCは隣接する第1及び第2システインを持つサブファミリーを表す)のメンバーであり、細胞表面ケモカイン受容体2(CCR2)に結合する。MCP-1は強力なケモカインであり、CCR2に結合した後、単球及びリンパ球の炎症部位への移動(即ち、走化性)を媒介する。MCP-1は、心筋細胞、血管内皮細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞、糸球体メサンギウム細胞、肺胞細胞、Tリンパ球、及び食道癌によっても発現される。炎症組織に入った後、単球はCCR5を発現するマクロファージに分化し、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン-1(IL-1)、IL-8 CXCケモカインサブファミリー(ここで、CXCは第1及び第2のシステインの間のアミノ酸残基を表す)、IL-12、アラキドン酸代謝物(PGE2やLTB4など)、酸素由来のフリーラジカル、マトリックスメタロプロテイナーゼ、及び補体成分を含むいくつかの炎症誘発性モジュレーターの二次供給源を提供する。
CCR2とCCR5の相補的な細胞分布と異なる細胞機能は、2つの受容体の二重ターゲティングが単一の受容体をターゲティングするよりも大きな有効性を持つ可能性があるという理論的根拠を提供する。単球/マクロファージの生物学では、CCR2は骨髄から血液へ、及び血液から組織への単球の移動を仲介する上で重要な役割を果たし、CCR5は、主に炎症組織におけるマクロファージの活性化、生存と保持の可能性を調節する。さらに、CCR5遮断は、単球/マクロファージへの影響に加えてT細胞応答を阻害することにより、デュアルアンタゴニストの治療可能性を向上させることができる。CCR2/5デュアルアンタゴニストは、優れた医薬品の可能性を秘めている。
【0004】
WO2003014105A1は、化合物セニクリビロック(Cenicriviroc、CVC)、参照物Aを報告しており、その構造を以下に示される通りである。
【0005】
【化1】
【発明の概要】
【0006】
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化2】
ここで、
各R1は独立してハロゲン、OH、NH2、CN、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3個のFによって置換され、
mは0、1及び2から選択され、
環Aは、5~6員のヘテロシクロアルキルから選択され、
前記ヘテロシクロアルキル基は、-O-、-NH-、-S-及びNから独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態において、上記各R1は、独立してハロゲン、OH、NH2、CN、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、他の変数は本発明で定義される通りである。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態において、上記各R1は、独立してメチル、エチル及びn-プロピルから選択され、他の変数は本発明で定義される通りである。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態において、上記環Aは
【化3】
から選択され、他の変数は本発明で定義される通りである。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、上記構造フラグメント
【化4】
は、
【化5】
から選択され、他の変数は本発明で定義される通りである。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態は、また上記各変数の任意の組み合わせからなるものである。
【0012】
本発明はまた、下記の式で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する:
【化6-1】
【化6-2】
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物又はその薬学的に許容される塩は、
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
から選択される。
【0014】
本発明はまた、CCR2/CCR5二重受容体アンタゴニストに関連する疾患を治療するための薬物の製造における、上記化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0015】
技術の効果
【0016】
本発明の化合物は、CCR2及びCCR5受容体に対して有意な拮抗作用を有する。本発明の化合物は、ヒト肝ミクロソームシトクロムP450アイソザイム(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)の活性を阻害する危険性がないが、参照化合物はCYP3A4に対して強力な阻害効果を有している。
【0017】
定義と説明
【0018】
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む。一つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0019】
本明細書で用いられる「薬学的許容される塩」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応又はほかの問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0020】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウム塩あるいは類似の塩を含む。本発明で化合物に比較的塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は、適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、さらにアミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、上記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、上記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定的の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
【0021】
本発明の薬学的許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。
【0022】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0023】
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」又は「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
【0024】
別途に説明しない限り、用語「シス-トランス異性体」又は「幾何異性体」とは二重結合又は環構成炭素原子の単結合が自由に回転できないことによるものである。
【0025】
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つ又は複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
【0026】
別途に説明しない限り、「(+)」は右旋を、「(-)」は左旋を、「(±)」はラセミを表す。
【0027】
別途に説明しない限り、楔形実線結合
【化8】
及び楔形点線結合
【化9】
で一つの立体中心の絶対配置を、棒状実線結合
【化10】
及び棒状点線結合
【化11】
で立体中心の相対配置を、波線
【化12】
で楔形実線結合
【化13】
又は楔形点線結合
【化14】
を、或いは波線
【化15】
で棒状実線結合
【化16】
及び棒状点線結合
【化17】
を表す。
【0028】
別途に説明しない限り、化合物に炭素-炭素二重結合、炭素-窒素二重結合及び窒素-窒素二重結合等の二重結合構造が存在し、かつ、二重結合の各原子にいずれも2つの異なる置換基が連結している場合(窒素原子を含む二重結合では、窒素原子上の1対の孤立電子対はそれに接続された置換基と見なされる)、当該化合物の二重結合上の原子とその置換基が波線
で連結している場合、当該化合物の(Z)形異性体、(E)形異性体、又は2つの異性体の混合物を意味する。例えば、下記の式(A)は、当該化合物が式(A-1)又は式(A-2)の単一の異性体の形で存在するか、又は式(A-1)と式(A-2)の2つの異性体の形で存在することを意味し;下記の式(B)は、当該化合物が式(B-1)又は式(B-2)の単一の異性体の形で存在するか、又は式(B-1)と式(B-2)の2つの異性体の形で存在することを意味する。下記の式(C)は、当該化合物が式(C-1)又は式(C-2)の単一の異性体の形で存在するか、又は式(C-1)と式(C-2)の2つの異性体の形で存在することを意味する。
【0029】
【化18】
【0030】
別途に説明しない限り、用語「互変異性体」又は「互変異性体の形態」とは室温において、異なる官能基の異性体が動的平衡にあり、かつ快速に互いに変換できることを指す。互変異性体は可能であれば(例えば、溶液において)、互変異性体の化学的平衡に達することが可能である。例えば、プロトン互変異性体(proton tautomer)(プロトトロピー互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)は、プロトンの移動を介する相互変換、例えばケト-エノール異性化やイミン-エナミン異性化を含む。原子価互変異性体(valence tautomer)は、一部の結合電子の再構成による相互変換を含む。中では、ケト-エノール互変異性化の具体的な実例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシ-3-ペンテン-2-オンの二つの互変異性体の間の相互変換である。
【0031】
別途に説明しない限り、用語「一つの異性体を豊富に含む」、「異性体が豊富に含まれる」、「一つのエナンチオマーを豊富に含む」又は「エナンチオマーが豊富に含まれる」とは、それにおける一つの異性体又はエナンチオマーの含有量が100%未満で、かつ当該異性体又はエナンチオマーの含有量が60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上である。
【0032】
別途に説明しない限り、用語「異性体の過剰量」又は「エナンチオマーの過剰量」とは、二つの異性体又は二つのエナンチオマーの間の相対百分率の差の値である。例えば、その一方の異性体又はエナンチオマーの含有量が90%で、もう一方の異性体又はエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体又はエナンチオマーの過剰量(ee値)は80%である。
【0033】
光学活性な(R)-及び(S)-異性体ならびにD及びL異性体は、不斉合成又はキラル試薬又はほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つのエナンチオマーを得るには、不斉合成又はキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要のエナンチオマーを提供する。又は、分子に塩基性官能基(例えば、アミノ基)又は酸性官能基(例えば、カルボキシ基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、さらに本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分離を行った後、回収して単離されたエナンチオマーを得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィー法はキラル固定相を使用し、かつ任意に化学誘導法(例えば、アミンからカルバミン酸塩を生成させる)と併用する。
【0034】
本発明の化合物は、当該化合物を構成する一つ又は複数の原子には、非天然の比率の原子同位元素が含まれてもよい。たとえば、三重水素(3H)、ヨウ素-125(125I)又はC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。また、たとえば、水素を重水素で置換して重水素化薬物を形成し、重水素と炭素からなる結合は水素と炭素からなる結合よりも強固で、未重水素化薬物と比べ、重水素化薬物は毒性・副作用の低下、薬物の安定性の増加、治療効果の増強、薬物の生物半減期の延長などの優勢がある。本発明の化合物のすべての同位体の構成の変換は、放射性の有無を問わず、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0035】
「任意の」又は「任意に」とは後記の事項又は状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合及びその事項又は状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0036】
用語「置換される」とは、特定の原子における任意の一つ又は複数の水素原子が置換基で置換されることで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基が酸素(即ち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。酸素置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換される」とは、置換されていてもよく、置換されていなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0037】
変量(例えば、R)のいずれかが化合物の組成又は構造に1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0~2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0038】
連結基の数が0の場合、例えば、-(CRR)0-は当該連結基が単結合であることを表す。
【0039】
変数が単結合とされた場合に、それを介して接続された2つの官能基が直接的に接続されることを表す。例えば、A-L-ZでLが単結合である場合に、当該構造は実際にA-Zであることを表す。
【0040】
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、例えば、A-XにおけるXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。挙げられた置換基に対してどの原子を通して置換された基に連結するか明示しない場合、このような置換基はその任意の原子を通して結合してもよく、たとえば、ピリジル基は置換基としてピリジン環における炭素原子のいずれかを通して置換された基に連結してもよい。
【0041】
挙げられた連結基に対してその連結方向を明示しない場合、その連結方向は任意で、例えば、
【化19】
における連結基Lは-M-W-で、この時-M-W-は左から右への読む順と同様の方向で環Aと環Bを連結して
【化20】
を構成してもよく、左から右への読む順と反対の方向で環Aと環Bを連結して
【化21】
を構成してもよい。前記連結基、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせで安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0042】
別途に定義しない限り、ある基が一つ又は複数の連結可能な部位を有する場合、当該基の任意の一つ又は複数の部位は化学結合を介してほかの基と連結してもよい。前記部位のほかの基と連結する化学結合は、直線形実線
【化22】

直線形破線
【化23】

又は波線
【化24】
で表示される。たとえば、-OCH3における直線形実線の結合は当該基における酸素原子を介してほかの基と連結していることを表す。
【0043】
【化25】
における直線形破線の結合は当該基における窒素原子の両端を介してほかの基と連結していることを表す。
【0044】
【化26】
における波線は当該フェニルにおける1及び2位の炭素原子を介してほかの基と連結していることを表す;
【0045】
【化27】
は当該ピペリジニルの任意の連結可能部位が一つの化学結合を介して他のラジカルに連結され得ることを表し、少なくとも
【0046】
【化28】
の4つの連結形態が含まれ、-N-にH原子を描く場合でも
【0047】
【化29】
は依然として
【0048】
【化30】
結合型のラジカルを含み、1つの化学結合のみが連結されている場合、その部位のHはそれに応じて1つが減少して対応する一価ピペリジニルになる。
【0049】
特に明記しない限り、用語「C1-3アルキル」は、1~3個の炭素原子からなる直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を表すために使用される。前記C1-3アルキルは、C1-2及びC2-3アルキル基などを含み、一価(例えば、メチル)、二価(例えば、メチレン)又は多価(例えば、メチン)であってもよい。C1-3アルキルの例はメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)などを含がこれれらに限定されない。
【0050】
別途に定義しない限り、「C1-3アルコキシ」という用語は、一つの酸素原子を介して分子の残りの部分に結合した1~3個の炭素原子を含むアルキルを指す。前記C1-3アルコキシはC1-2、C2-3、C2及びC3アルコキシ等を含む。C1-3アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n-プロポキシ及びイソプロポキシを含む)等が含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
別途に定義しない限り、「5~6員環」は、5~6個の環原子から構成されるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキニル、アリール又はヘテロアリールを意味する。前記環には単環を含み、縮合環、架橋環などの二環系も含まれる。特に明記しない限り、環は、O、S、及びNから独立して選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を任意に含む。前記5~6員環には、5員環、6員環などが含まれる。「5~6員環」には、フェニル、ピリジル、ピペリジニルなどが含まれ、その一方、用語「5~6員ヘテロシクロアルキル」には、ピペリジニルなどが含まれるが、フェニルは含まれない。用語「環」には、少なくとも一つの環を含む環系も含まれ、その中の各「環」は独立して上記の定義を満たす。
【0052】
別途に定義しない限り、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、それ自体又は別の置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
【0053】
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」又は「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基、アルカノイル基(例えばアセチル基、トリクロロアセチル基又はトリフルオロアセチル基)ようなようアシル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基のようなアルコキシカルボニル基、ベントキシカルボニル(Cbz)基及び9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基のようなアリールメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、トリフェニルメチル(Tr)基、1,1-ビス(4’-メトキシフェニル)メチル基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基及びt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル基、エチル基及びt-ブチル基のようなアルキル基、アルカノイル基(例えばアセチル基)ようなようアシル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、9-フルオレニルメチル(Fm)基及びジフェニルメチル(DPM)基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基及びt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。
【0054】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0055】
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、絶対配置は、当業者の従来の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折(SXRD)、培養単結晶はBruker D8 venture回折計によって収集され、光源はCuKα放射線、走査方法:φ/ω走査、関連データを収集した後、更に直接法は(Shelxs97)結晶構造解析により、絶対配置を確認できる。
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品から得ることができる。
【0056】
本発明で使用する溶媒は市販されている。本発明では以下の略語を使用する:aqは水を表し、EDCはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩を表し、eqは等量又は当量を表し、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを表し、DCMはジクロロメタンを表し、DMSOはジメチルスルホキシドを表し、EtOHはエタノールを表し、MeOHはメタノールを表し、Boc2Oはジ-tert-ブチルジカーボネートを表し、TFAはトリフルオロ酢酸を表し、DMPはデス-マーチン酸化剤を表す。
【0057】
化合物は手動又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアに命名され、市販の化合物はサプライヤーのカタログ名を使用する。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の実施例は、本発明を詳細に説明するものであるが、本発明をいかなる不利に限定することを意味するものではない。本発明は、本明細書において詳細に説明されており、その具体的な実施形態も開示されている。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態について様々な変更及び改良を行うことは、当業者には明らかである。
【0059】
参考例1
【化31】
【0060】
合成スキーム:
【化32】
【0061】
ステップ1:化合物AA-1-2の合成
【0062】
化合物AA-1-1(100g)、p-トルエンスルホニルクロリド(146.67g)、トリエチルアミン(233.54g)をジクロロメタン(0.5L)に溶解させ、室温で12時間攪拌した。室温まで冷却させた後、溶媒を減圧下で除去し、水(400mL)を加えて残留物を溶解させ、水相を酢酸エチルで3回抽出し(1.5L)、合わせた有機相を飽和食塩水で2回洗浄し(400mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して乾燥剤を除去した後、溶媒を減圧下で除去して、AA-1-2を得た。
【0063】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.73 (d, J=8. 00Hz, 2H), 7.27 (d, J=8.00 Hz, 2H), 4.05-4.10 (m, 2H), 3.50-3.55 (m, 2H), 3.30 (t, J=6.4 Hz, 2H), 2.37 (s, 3H), 1.35-1.44 (m, 2H), 1.16-1.27 (m, 2H), 0.81 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0064】
ステップ2:化合物AA-1の合成
【0065】
化合物AA-1-2(170.10g)、p-ヒドロキシフェニルボロン酸ピナコール(137.44g)をアセトニトリル(1.6L)に溶解させ、炭酸カリウム(86.32g)及びヨウ化カリウム(10.37g)を室温で加えた。得られた溶液を窒素ガス保護下で60℃で12時間撹拌して反応させた。室温まで冷却させた後、溶媒を減圧下で除去し、水(500mL)を加えて残留物を溶解させ、水相を酢酸エチルで3回抽出し(2L×3)、合わせた後、減圧下で溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーにより化合物AA-1を得た。
【0066】
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 7.78-7.71 (m, 2H), 6.95-6.88 (m, 2H), 4.19-4.12 (m, 2H), 3.83-3.75 (m, 2H), 3.54 (t, J=6.8 Hz, 2H), 1.65-1.57 (m, 2H), 1.44-1.36 (m, 2H), 1.34 (s, 12H), 0.93 (t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0067】
参考例2
【化33】
【0068】
合成スキーム:
【化34】
【0069】
ステップ1:化合物AA-2-2の合成
【0070】
臭化テトラブチルアンモニウム(86.58g)と水酸化カリウム(339.6g)をトルエン(5000mL)に懸濁し、当該混合液を16時間還流させ、ピペリジン-2-オン(500.00g)とp-メトキシルベンジルクロリド(1.03kg)を加えた。混合液を100℃に保ち、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却させ、水で3回洗浄し(2000mL×3)、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。濃縮液をクロマトグラフィーカラムで分離して、化合物AA-2-2を得た。
【0071】
ステップ2:化合物AA-2-4の合成
【0072】
化合物AA-2-2(40g)と水酸化ナトリウム(7.29g)水(200mL)溶液を80℃で24時間攪拌した。0℃で濃塩酸(7.38mL)で混合物を中和して、AA-2-3の混合溶液を得た。当該混合物に炭酸ナトリウム(65.66g)及びジメチルスルホキシド(600mL)を室温で加えた。次に、5-ブロモ-2-フルオロ-ベンズアルデヒド(46.11g)を混合物に100℃で滴下した。次に、反応混合物を100℃で48時間還流した。反応物を氷冷下、塩化アンモニウム(1mol/L)水溶液でpH=7に調節し、酢酸エチル(1L×3)で抽出した。有機層を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=200:1~1:1)で精製した。化合物AA-2-4を得た。
【0073】
ステップ3:化合物AA-2-5の合成
【0074】
化合物AA-2-4(10g)及び炭酸ナトリウム(12.61g)のアセトニトリル(100mL)混合物に、ヨウ化メチル(22g)のアセトニトリル(50mL)溶液を加えた。窒素の保護下で、反応混合物を15~30℃で24時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)でクエンチさせ、酢酸エチル(400mL×2)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50:1~20:1~10:1)で精製して、化合物AA-2-5を得た。
【0075】
1H NMR (400 MHz,CDCl3)δ ppm 10.31 (s, 1H), 7.89 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.54 (dd, J=9.2, 2.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J=8.4 Hz, 2H), 6.97 (d, J=9.02 Hz, 1H), 6.80 (d, J=8.4 Hz, 2H), 4.21 (s, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.07 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.25 (t, J=6.8 Hz, 2H), 1.46 - 1.58 (m, 4H).
【0076】
ステップ4:化合物AA-2-6の合成
【0077】
炭酸ジメチル(42.8g)中の化合物AA-2-5(11g)の溶液に、ナトリウムメトキシド(6.84g)を加えた。60℃に加熱し、60℃で35時間攪拌した。塩化アンモニウム(1mol/L)水溶液でpH(7~8)を調節し、反応混合物を濾過した。ケーキを減圧濃縮して、化合物AA-2-6を得た。
【0078】
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ ppm 7.74 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.05 - 7.11 (m, 3H), 6.88 (d, J=8.4 Hz, 2H), 6.53 (d, J=9.2 Hz, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.80 (d, J=2.0 Hz, 6H), 3.48 (t, J=5.2 Hz, 2H), 2.58 (t, J=6.0 Hz, 2H), 1.47 (d, J=5.6 Hz, 2H).
【0079】
ステップ5:化合物AA-2-7の合成
【0080】
化合物AA-2-6(10g)のトルエン(50mL)溶液にトリフルオロ酢酸(100mL)を加えた。反応混合物を60℃に加熱し、60℃で8時間攪拌した。反応混合物を氷冷下で、飽和炭酸水素ナトリウムを使用してpH=7に中和し、混合物を酢酸エチル(250mL×2)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(石油エーテル/酢酸エチル=50:1~5:1)で精製し、化合物AA-2-7を得た。
【0081】
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ ppm 7.66 (s, 1H), 7.39-7.05 (m, 1H), 6.85 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.36 (d, J=8.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.51 (t, J=5.2 Hz, 2H), 2.75 (d, J=6.8 Hz, 2H), 1.49-1.40 (m, 2H).
【0082】
ステップ6:化合物AA-2の合成
【0083】
25℃で、AA-2-7(7.5g、25.32mmol、1eq)及びAA-1(8.92g、27.86mmol、1.1eq)をジメチルスルホキシド(62.5mL)及び水(12.5mL)に溶解させ、次にPd(dppf)Cl2(926.50mg、1.27mmol、0.05eq)と炭酸カリウム(10.50g、75.97mmol、3eq)を加え、窒素保護下で、80℃で18時間反応させた。先ずは、溶液をろ過し、次にろ液に水100mLを加えた後、酢酸エチルで3回抽出し(100mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、減圧濃縮して、黒色油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~8:1)で分離して、化合物AA-2を得た。MS-ESI (m/z):410.0[M+1]+
【0084】
参考例3
【化35】
【0085】
合成スキーム:
【化36】
【0086】
ステップ1:化合物AA-3Aの合成
【0087】
25℃で、AA-2(69g)とテトラヒドロピラン-4-カルボキシアルデヒド(38.46g)を溶解したジクロロメタン(1500mL)溶液に、塩化亜鉛(22.97g)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(107g)を加え、窒素ガス下で18時間撹拌した。反応液に水500mLを加えた後、ジクロロメタンで3回抽出し(500mL×3)、有機相を合わせて飽和食塩水で1回洗浄し(500mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムで分離(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~9:1)して、AA-3Aを得た。
【0088】
参考例4
【化37】
【0089】
合成スキーム:
【化38】
【0090】
ステップ1:化合物AA-3Bの合成
【0091】
室温でAA-2(327.24mg)とテトラヒドロフラン-2-カルボキシアルデヒド(0.1g)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、10分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(635.09mg)を加え、25℃で窒素ガス保護下で14時間反応させた。溶液に水5mLを加え、ジクロロメタンで3回抽出し(10mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後減圧濃縮して、黄色油状物を得た。生成物をHPLCで分離した。(カラムタイプ:Boston Green ODS 150*30mm*5μm;移動相:[水(0.075%TFA)-ACN];ACN%:80%~100%、8min)AA-3B得た。
【0092】
ステップ2:化合物AA-3B-A及びAA-3B-Bの合成
【0093】
AA-3B(700mg)サンプルをSFC分離した(カラムタイプ:Cellulose 2 150×4.6mm I.D.,5μm;移動相:A:CO2B:メタノール(0.05%DEA);勾配:40%B;流速:2.5mL/min;カラム温度:35℃;カラム圧力:1500psi。化合物AA-3B-A(保持時間5.053min)及びAA-3B-B(保持時間5.514min)を得た。
【0094】
参考例5
【化39】
【0095】
合成スキーム:
【化40】
【0096】
ステップ1:化合物AA-3C-2の合成
【0097】
0℃で、AA-3C-1(5g)を溶解したジクロロメタン(120mL)にDMP(21.54g)を加え、全ての混合物を25℃で3時間攪拌した。反応溶液を珪藻土で濾過し、濾液をシリカゲル粉末と直接混合した。上記濾液を混合後、シリカゲルカラムで分離(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)して、AA-3C-2を得た。
【0098】
ステップ2:化合物AA-3Cの合成
【0099】
25℃で、AA-2(3.17g)とAA-3C-2(0.9g)のジクロロメタン(30mL)を溶解した溶液を0.5時間撹拌し、次に上記混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.29g)を加え、全ての混合物を25℃で16時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加えた後、ジクロロメタンで3回抽出し(50mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し(100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後減圧濃縮して、黄色油状物を得た。黄色油状物をシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)で分離して、AA-3Cを得た。
【0100】
ステップ3:化合物AA-3C-A及びAA-3C-Bの合成
【0101】
AA-3C(0.75g)をSFC分離して、AA-3C-A(保持時間5.053min)とAA-3C-B(保持時間5.514min)を得た。SFC:(カラムタイプ:Cellulose 2 150×4.6mm I.D.、5μm、移動相:A:CO2B:メタノール(0.05%DEA)勾配:40%B、流速:2.5mL/min、カラム温度:35℃、圧力:1500psi)。MS-ESI(m/z):510.0[M+1]+
【0102】
参考例6
【化41】
【0103】
合成スキーム:
【化42】
【0104】
ステップ1:化合物BB-1-2の合成
【0105】
25℃で、BB-1-1(5.0g)とDMF(1.07g)のジクロロメタン(50.00mL)溶液に塩化オキサリル(10.07g)を滴下し、3時間攪拌し、メタノール(10mL)を加え、1時間攪拌した。反応溶液を濃縮してBB-1-2を得た。
【0106】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ ppm 9.32(s,1H),9.09(d,J=6.0Hz,1H),8.07(d,J=6.0Hz,1H),4.05(s,3H).
【0107】
ステップ2:化合物BB-1-3の合成
【0108】
100℃の窒素ガス雰囲気下、BB-1-2(5.0g)及びビニルトリフルオロホウ酸カリウム(3.9g)をジオキサン(45mL)及び水(15mL)の混合溶媒に加え、Pd(dppf)Cl2(213mg)及び炭酸カリウム(8.06g)を加えて12時間撹拌し、濃縮してジオキサンを除去し、水(10mL)を残留物に加えた後、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムを乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)で精製して、BB-1-3を得た。
【0109】
1H NMR (400MHz, CDCl3)δ ppm 9.00 (s, 1H), 8.57 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.48-7.37 (m, 2H), 5.78 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 5.48 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H).
【0110】
ステップ3:化合物BB-1-4の合成
【0111】
25℃の水素ガス(15psi)で、BB-1-3(1.00g)のテトラヒドロフラン(10.00mL)溶液にPd/C(1.80g、純度10%)を加え、3時間攪拌し、ろ過し、濃縮して粗生成物BB-1-4(880mg)を得、次のステップで直接使用した。
【0112】
ステップ4:化合物BB-1-5の合成
【0113】
25℃で、BB-1-4(880mg)のテトラヒドロフラン(10.00mL)溶液に水素化リチウムアルミニウム(303mg)を加えて1時間攪拌し、反応液に硫酸ナトリウム十水和物(10g)を加え、次に水(10mL)を加え、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物BB-1-5(470mg)を得、次のステップで直接使用した。
【0114】
ステップ5:化合物BB-1-6の塩酸塩の合成
【0115】
25℃で、BB-1-5(470mg)のジクロロメタン(5.00mL)溶液に塩化チオニル(2.04g)を加え、2時間攪拌し、反応溶液を直接濃縮してBB-1-6(670mg、塩酸塩)を得、次のステップに直接使用した。
【0116】
ステップ6:化合物BB-1-7の合成
【0117】
25℃で、BB-1-6(670mg、塩酸塩)と4-アミノチオフェノール(1.31g)のジクロロメタン(5.00mL)懸濁液にトリエチルアミン(1.06g)を加え、4時間撹拌し、反応液を濃縮した後、直接にカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=4/1~0/1)して、BB-1-7を得た。MS-ESI m/z: 245.0 [M+H]+
【0118】
ステップ7:化合物BB-1の合成
【0119】
40℃で、BB-1-7(630mg)のジクロロメタン(10.00mL)溶液に30%過酸化水素(2.92g)を加えて18時間攪拌し、亜硫酸ナトリウム(10g)を加えて30分間攪拌し、濾過し、有機相は無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製してBB-1を得た。MS-ESI m/z: 261.1 [M+H]+
【0120】
参考例7
【化43】
【0121】
合成スキーム:
【化44】
【0122】
ステップ1:化合物BB-2-2の合成
【0123】
0℃で、BB-2-1(10g)のジクロロメタン(100mL)溶液に2Mトリメチルシリルジアゾメタン(239.06mL)をゆっくりと滴下し、1時間反応させた。反応液に酢酸を気泡が生成しなくなるまでゆっくりと滴下し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(300mL)を加え、ジクロロメタン(300mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、濃縮し、粗生成物をカラムで分離・精製し(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)て、化合物BB-2-2を得た。MS-ESI (m/z):205.9[M+1]+
【0124】
ステップ2:化合物BB-2-3の合成
【0125】
80℃の窒素ガス雰囲気下で、BB-2-2(11g)を50%トリメチルボロキシン(40.21g)の水(30mL)及びジメチルスルホキシド(150mL)溶液に加えた後、炭酸カリウム(22.14g)及びPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(4.36g)を加えて12時間反応させ、反応液に水(500mL)を加え、酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物をカラムで分離・精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)して、化合物BB-2-3を得た。MS-ESI (m/z):185.9[M+1]+
【0126】
ステップ3:化合物BB-2-4の合成
【0127】
25℃で、BB-2-3(4.4g)をビニルトリフルオロホウ酸カリウム(9.53g)の水(10mL)及びジメチルスルホキシド(50mL)の溶液に加え、次に炭酸カリウム(9.83g)及びPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(1.94g)を加え、反応液を80℃で12時間反応させた。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を回転蒸発により濃縮し、粗生成物をカラムにより分離・精製処理を(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)して、化合物BB-2-4を得た。MS-ESI (m/z):178.0[M+1]+
【0128】
ステップ4:化合物BB-2-5の合成
【0129】
25℃で、水素化ボトルを洗浄し、吹いて乾燥させ、アルゴンガス雰囲気下でPd/C(200mg、純度10%)を加え、BB-2-4(1g)のメタノール(20mL)溶液を水素化ボトルに注ぎ、次に水素(20psi)雰囲気下で12時間反応させた。反応液を珪藻土で濾過し、濾液を回転蒸発により濃縮して粗生成物BB-2-5を得た。
【0130】
ステップ5:化合物BB-2-6の合成
【0131】
0℃で、BB-2-5(1.1g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を、水素化リチウムアルミニウム(500mg)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に滴下した後、25℃で1時間反応させた。反応液に水(0.5mL)、15%NaOH(0.5mL)、水(1.5mL)をゆっくりと加え、1時間撹拌後、濾過し、濾液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ液を回転蒸発により濃縮して粗生成物BB-2-6を得た。MS-ESI (m/z):151.9[M+1]+
【0132】
ステップ6:化合物BB-2-7の合成
【0133】
0℃で、BB-2-6(930mg)のジクロロメタン(20mL)溶液に塩化チオニル(2.20g)を滴下し、25℃で40分間反応させた。反応溶液を直接回転蒸発させて、粗生成物BB-2-7を得た。MS-ESI (m/z):170.0[M+1]+
【0134】
ステップ7: 化合物BB-2-8の合成
【0135】
25℃で、BB-2-7(1g)を4-アミノチオフェノール(1.03g)とトリエチルアミン(1.79g)のイソプロパノール(15mL)溶液に加えて12時間反応させ、反応溶液を回転蒸発させ、濃縮し、生成物をカラムクロマトグラフィーで分離・精製(ジクロロメタン/メタノール=100/1~20/1)して、BB-2-8を得た。MS-ESI (m/z):259.0[M+1]+
【0136】
ステップ8:化合物BB-2の合成
【0137】
BB-2-8(0.9g)のアセトニトリル(25mL)及び水(25mL)溶液に過硫酸水素カリウム(1.07g)を加え、反応液を0℃で40分間攪拌した。まず、でんぷんKI試験紙が青色に変色しなくなるまで飽和亜硫酸ナトリウム溶液を反応液に加え、反応液を直接回転蒸発させ、濃縮してCH3CNと水を除去した。粗生成物をカラムで分離・精製(ジクロロメタン/メタノール=100/1~20/1)して、BB-2を得た。MS-ESI (m/z): 275.0[M+1]+
【0138】
参考例8
【化45】
【0139】
合成スキーム:
【化46】
【0140】
ステップ1:化合物BB-3-2の合成
【0141】
0℃で、2Mトリメチルシリルジアゾメタン(8.74mL)をBB-3-1(2.00g)のジクロロメタン(20mL)溶液にゆっくりと滴下して1時間反応させた後、反応溶液に気泡が生成しなくなるまで酢酸をゆっくりと滴下し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液30mLを加え、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機相を回転蒸発により濃縮し、粗生成物をカラムで分離・精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)して、BB-3-2を得た。MS-ESI (m/z):185.9[M+1]+
【0142】
ステップ2:化合物BB-3-3の合成
【0143】
25℃で、BB-3-2(3.25g)のビニルトリフルオロホウ酸カリウム(3.25g)の水(8mL)とジメチルスルホキシド(40mL)溶液に、炭酸カリウム(3.35g)及びPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(660mg)を加えた後、反応液を80℃で12時間反応させ、反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄(100mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転蒸発により反応液を濃縮し、粗生成物をカラムで分離・精製(石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)して、BB-3-3を得た。MS-ESI (m/z):178.0[M+1]+
【0144】
ステップ3:化合物BB-3-4の合成
【0145】
25℃で、水素化ボトルを洗浄し、吹いて乾燥させ、アルゴンガス雰囲気下でPd/C(200mg、純度10%)を加え、BB-3-3(710mg)のメタノール(20mL)溶液を水素化ボトルに注ぎ、水素ガス(15psi)雰囲気下で12時間反応させ、反応液を珪藻土で濾過し、濾液を回転蒸発により濃縮して粗生成物BB-3-4を得た。MS-ESI (m/z):180.0[M+1]+
【0146】
ステップ4:化合物BB-3-5の合成
【0147】
0℃で、水素化リチウムアルミニウム(305mg)をBB-3-4(720mg)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に加え、25℃で1時間反応させ、反応液に水(0.3mL)、15%NaOH(0.3mL)、水(0.9mL)を加えて20分間攪拌した後、ろ過し、濾液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物BB-3-5を得た。MS-ESI (m/z):152.0[M+1]+
【0148】
ステップ5:化合物BB-3-6の合成
【0149】
0℃で、BB-3-5(820mg)のジクロロメタン(20mL)溶液に塩化チオニル(1.94g)を滴下し、25℃で40分間反応させ、反応液を直接回転蒸発させ、粗生成物BB-3-6を得た。MS-ESI (m/z):169.8[M+1]+
【0150】
ステップ6:化合物BB-3-7の合成
【0151】
25℃で、BB-3-6(920mg)を4-アミノチオフェノール(950mg)とトリエチルアミン(1.65g)のイソプロパノール(15mL)に加えて12時間反応させ、反応溶液を回転蒸発により濃縮し、有機相を回転蒸発により濃縮し、粗生成物をカラムで分離・精製(ジクロロメタン/メタノール=100/1~20/1)して、BB-3-7を得た。MS-ESI (m/z):259.1[M+1]+
【0152】
ステップ7:化合物BB-3の合成
【0153】
BB-3-7(290mg)のアセトニトリルCH3CN(15mL)及び水(15mL)の溶液に過硫酸水素カリウム(310.50mg)を加え、反応液を0℃で40分間攪拌した。まず、でんぷんKI試験紙が青色に変色しなくなるまで飽和亜硫酸ナトリウム溶液を反応液に加え、反応液を直接回転蒸発により濃縮してアセトニトリルと水を除去した。粗生成物をカラムで分離・精製(ジクロロメタン/メタノール=100/1~20/1)して、BB-3を得た。MS-ESI (m/z):275.0[M+1]+
【0154】
参考例9
【化47】
【0155】
合成スキーム:
【化48】
【0156】
ステップ1:化合物BB-4-2の合成
【0157】
25℃、窒素ガス保護下で、BB-4-1(5g)と炭酸セシウム(15.81g)を溶解したジオキサン(150mL)と水(15mL)にトリメチルボロキシン(30.47g、純度50%)を加え、Pd(dppf)Cl2(888mg)を加え、反応液を窒素ガス保護下100℃で17時間攪拌し、反応液を水(200mL)に加えた後、酢酸エチルで3回抽出し(150mL×3)、合わせた有機相を水で1回(100mL)洗浄し、飽和食塩水で3回洗浄し(100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して黄色油状物を得た。黄色油状物をシリカゲルカラムで分離(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~4:1)して、BB-4-2を得た。MS-ESI (m/z): 166.0[M+1]+
【0158】
ステップ2:化合物BB-4-3の合成
【0159】
0℃で、BB-4-2(3.1g)を溶解したテトラヒドロフラン(30mL)に水素化リチウムアルミニウム(712mg)を加え、全ての混合物を0℃で3時間攪拌し、順次反応液に水、15%水酸化ナトリウム水溶液、水(0.7mL、2.1mL、0.7mL)を加え、10分間隔で攪拌し、混合物を珪藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮して粗生成物BB-4-3を得た。MS-ESI (m/z):[M+1]+
【0160】
ステップ3:化合物BB-4-4の合成
【0161】
0℃で、BB-4-3(2.6g)を溶解したジクロロメタン(25mL)に塩化チオニル(4.51g)を加えた後、全ての混合物を45℃で2時間攪拌し、反応液を直接に減圧濃縮して、粗生成物BB-4-4を得た。MS-ESI (m/z): 155.8[M+1]+
【0162】
ステップ4:化合物BB-4-5の合成
【0163】
0℃で、BB-4-4(3.64g)を溶解したイソプロパノール(30mL)にトリエチルアミン(5.75g)を加え、10分間攪拌した後、上記混合物に4-アミノ4-アミノチオフェノール(2.61g)を加え、次に全ての混合物を窒素ガス保護下で、25℃で20時間撹拌した。反応溶液を直接減圧濃縮して固体残留物を得た。固体残留物をシリカゲルカラムで分離(ジクロロメタン:メタノール=100:1~15:1)して、BB-4-5を得た。MS-ESI (m/z): 244.9[M+1]+
【0164】
ステップ5:化合物BB-4の合成
【0165】
0℃で、BB-4-5(2g)のアセトニトリル(10mL)及び水(10mL)の溶液に過硫酸水素カリウム(2.52g)を加え、反応液を0℃で0.5時間攪拌した。反応液を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(30mL)に加えてクエンチし、クエンチ後、反応液を直接減圧濃縮してアセトニトリルと水を除去し、次にジクロロメタン:メタノール(10:1)の混合溶液(150mL)を上記混合物に加え、1時間撹拌し、次に珪藻土で濾過し、濾液を減圧濃縮して淡黄色固体を得、次にジクロロメタン(20mL)を上記混合物に加え、1時間撹拌し、次に珪藻土で濾過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色固体を得た。淡黄色固体をシリカゲルカラムで分離(ジクロロメタン:メタノール=100:1~20:1)して、BB-4を得た。MS-ESI (m/z): 260.9[M+1]+
【0166】
参考例10
【化49】
【0167】
合成スキーム:
【化50】
【0168】
ステップ1:化合物BB-5-2の合成
【0169】
0℃で、トリメチルシリルジアゾメタン(2M、19.53mL)をBB-5-1(5g)のジクロロメタン(50mL)及びメタノール(5mL)溶液にゆっくりと滴下し、0℃で1時間反応させ、まず、反応液に気泡が生成しなくなるまで酢酸を加え、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)を加え、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物BB-5-2を得た。MS-ESI (m/z): 205.8[M+1]+
【0170】
ステップ2:化合物BB-5-3の合成
【0171】
25℃で、窒素ガス保護下で、BB-5-2(5.4g)と炭酸セシウム(17.08g)を溶解したジオキサン(150mL)と水(15mL)に化合物50%トリメチルボロキシン(26.94g、純度50%)を加え、次にPd(dppf)Cl2(575mg)を上記混合物に加えた後、次に反応液全体を窒素ガス保護下で、100℃で15時間攪拌した。反応液を水(200mL)に加え、酢酸エチルで3回抽出し(150mL×3)、合わせた有機相を水で1回洗浄し(100mL)、飽和食塩水で3回洗浄し(100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮後、シリカゲルカラムで分離(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~4:1)して、BB-5-3を得た。MS-ESI (m/z): 166.0[M+1]+
【0172】
ステップ3:化合物BB-5-4の合成
【0173】
0℃で、BB-5-3(0.05g)を溶解したテトラヒドロフラン(30mL)に水素化リチウムアルミニウム(12mg)を加え、全ての混合物を0℃で1時間攪拌した。反応液に硫酸ナトリウム十水和物を加え、20分間攪拌した後、混合物を珪藻土でろ過し、ろ液を減圧濃縮して粗生成物BB-5-4を得た。
【0174】
ステップ4:化合物BB-5-5の合成
【0175】
0℃で、BB-5-4(0.04g)を溶解したジクロロメタン(10mL)に塩化チオニル(69mg)を加え、全ての混合物を45℃で3時間攪拌し、反応液を直接に減圧下で濃縮して粗生成物BB-5-5を得た。MS-ESI (m/z): 155.8[M+1]+
【0176】
ステップ5:化合物BB-5-6の合成
【0177】
0℃で、BB-5-5(0.056g)を溶解したイソプロパノール(20mL)にトリエチルアミン(109mg)を加え、10分間攪拌した後、上記混合物に4-アミノチオフェノール(68mg)を加え、全ての混合物を窒素ガス保護下で、25℃で12時間撹拌し、反応液を直接減圧濃縮し、シリカゲルカラムで分離(ジクロロメタン:メタノール=100:1~15:1)して、BB-5-6を得た。MS-ESI (m/z): 244.9[M+1]+
【0178】
ステップ6:化合物BB-5の合成
【0179】
0℃で、BB-5-6(0.07g)のアセトニトリル(10mL)と水(10mL)の溶液に過硫酸水素カリウム(88.06mg)を加え、1時間反応させた。反応液を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(30mL)に加えてクエンチし、クエンチ後、反応物を直接減圧濃縮してアセトニトリル及び水を除去し、次にジクロロメタン:メタノール(10:1)の混合溶液(150mL)を上記混合物に加え、1時間撹拌し、次に珪藻土で濾過し、濾液を減圧濃縮して淡黄色固体を得、次にジクロロメタン(20mL)を上記混合物に加え、1時間撹拌し、次に珪藻土で濾過し、濾液を減圧濃縮した後、シリカゲルプレート上で分離(ジクロロメタン:メタノール=100:1~15:1)して、BB-5を得た。MS-ESI (m/z): 260.9[M+1]+
【0180】
参考例11
【化51】
【0181】
合成スキーム:
【化52】
【0182】
ステップ1:化合物BB-6-2の合成
【0183】
25℃で、BB-6-1(5g)をビニルトリフルオロホウ酸カリウム(13.00g)のジオキサン(100mL)及び水(10mL)の溶液に加え、炭酸カリウム(6.71g)及びPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(991mg)を加え、その後、反応液を100℃で12時間反応させ、反応液に水(300mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を回転蒸発により濃縮し、粗生成物をカラムで分離・精製(石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)処理して、BB-6-2を得た。MS-ESI (m/z):190.0[M+1]+
【0184】
ステップ2:化合物BB-6-3の合成
【0185】
25℃で、水素化ボトルを洗浄し、吹いて乾燥させ、アルゴンガス雰囲気下でPd/C(150mg、純度10%)を加え、次にBB-6-2(280mg)のMeOH(15mL)溶液を水素化ボトルに注ぎ、その後、水素ガス(40psi)雰囲気下で、40℃で12時間反応させ、反応液を珪藻土で濾過し、濾液を回転蒸発により濃縮して粗生成物BB-6-3を得た。MS-ESI (m/z):194.0[M+1]+
【0186】
ステップ3:化合物BB-6-4の合成
【0187】
BB-6-3(0.33g)をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解させ、氷浴下で10分間攪拌し、水素かリチウムアルミニウム(71mg)を加えて2時間反応させ、水:15%NaOH:水=1:1:3でクエンチし、次に濾過し、濃縮して、粗生成物BB-6-4を得た。MS-ESI (m/z):166.0[M+1]+
【0188】
ステップ4:化合物BB-6-5の合成
【0189】
25℃で、BB-6-4(0.37g)をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、氷浴中で塩化チオニル(799mg)を加え、次に40℃で1時間攪拌した。溶液を直接に濃縮して粗生成物BB-6-5を得た。MS-ESI (m/z):183.9[M+1]+
【0190】
ステップ5:化合物BB-6-6の合成
【0191】
25℃で、BB-6-5(0.411g)と4-アミノチオフェノール(364mg)をイソプロパノール(10mL)に溶解させ、トリエチルアミン(679mg)を加え、窒素ガス保護下で、25℃で12時間反応させ、溶液を濃縮してカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン:メタノール=100:1~15:1)して、BB-6-6を得た。MS-ESI (m/z):273.1[M+1]+
【0192】
ステップ6:化合物BB-6の合成
【0193】
25℃で、BB-6-6(0.56g)を水(3mL)とアセトニトリル(3mL)の混合溶媒に溶解させ、過硫酸水素カリウム(505mg)を加え、25℃で1時間攪拌し、先ずは50mL亜硫酸ナトリウム溶液を加えてクエンチし、次に酢酸エチルで3回抽出し(50mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン:メタノール=100:1~15:1)して、BB-6を得た。MS-ESI (m/z):289.1[M+1]+
【0194】
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ=8.39 ppm (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.21 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 6.98 (d, J=5.6 Hz, 1 H), 6.69 (d, J=8.4Hz, 2 H), 4.38 (d, J=12.80 Hz, 1 H), 3.95 - 4.05 (m, 3 H), 2.68 (br d, J=7.6 Hz, 2 H), 2.55 (br dd, J=7.6, 4.4 Hz, 2 H), 1.23 (t, J=7.6 Hz, 3 H), 1.17 (t, J=7.6Hz, 3 H).
【実施例
【0195】
実施例1
【化53】
【0196】
合成スキーム:
【化54】
【0197】
ステップ1:化合物WX001-1の合成
【0198】
25℃で、化合物AA-3A(0.603g)をメタノール(10mL)と水(2mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(521mg)を加え、反応液を50℃に昇温して43時間攪拌した。反応液を2M希塩酸溶液でpH=3に調節し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で1回洗浄し(100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して乾燥剤を除去し、濾液を減圧濃縮し、蒸発して溶媒を除去してWX001-1を得た。MS-ESI (m/z):494.20[M+1]+
【0199】
ステップ2:化合物WX001の合成
【0200】
25℃で、WX001-1(95mg)とBB-1(0.05g、192.05μmol、1eq)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(74mg)を加え、全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mLを加えた後、減圧濃縮した。直接にプレートで分離(ジクロロメタン:メタノール=12:1)してWX001を得た。
MS-ESI (m/z): 736.5[M+1]+
【0201】
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ ppm 0.94 (t, J=7.40 Hz, 3H), 1.25 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.33 - 1.49 (m, 4 H), 1.57 - 1.64 (m, 4 H), 1.68 - 1.75 (m, 2 H), 2.03 - 2.16 (m, 1 H), 2.61 (br s, 2 H), 2.69 (q, J=7.3 Hz, 2 H), 3.17 (br d, J=6.4 Hz, 2 H), 3.39 (br t, J=11.4 Hz, 2 H), 3.49 - 3.59 (m, 4 H), 3.74 - 3.85 (t, J=4.8 Hz 2 H), 4.02 (br dd, J=11.4, 7.8 Hz, 2 H), 4.06 - 4.13 (d, J=12.8 Hz 1 H), 4.13 - 4.22 (m, 3 H), 6.85 (br d, J=8.8 Hz, 1 H), 6.98 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.17 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.36 (d, J=8.4 Hz, 3 H), 7.40 - 7.50 (m, 3 H), 7.53 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.79 - 7.90 (m, 2 H), 8.43 (d, J=5.2 Hz, 1 H).
【0202】
実施例2
【化55】
【0203】
合成スキーム:
【化56】
【0204】
ステップ1:化合物WX002-1の合成
【0205】
25℃で、AA-3C-B(0.9g)を溶解したメタノール(10mL)と水(2mL)に水酸化ナトリウム(353mg)を加え、全ての混合物を60℃で18.5時間攪拌した。混合物を減圧濃縮し、回転によりメタノールを除去し、次に濃縮した油状物を2M希塩酸でpH=3に調節した後、上記混合物を酢酸エチルで3回抽出し(50mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し(50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮してWX002-1を得た。MS-ESI (m/z): 496.3 [M+1]+
【0206】
ステップ2:化合物WX002の合成
【0207】
25℃で、WX002-1(95mg)とBB-1(50mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(74mg)を加え、次に全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mLを加えた後、減圧濃縮して黄色油状物を得た。黄色油状物をTLCで直接分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、WX002を得た。MS-ESI (m/z): 738.6 [M+1]+
【0208】
1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ ppm 0.94 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.24 (t, J=7.6 Hz, 3 H), 1.34 - 1.47 (m, 2 H), 1.50 - 1.67 (m, 6 H), 2.58 (br s, 2 H), 2.68 (q, J=7.6 Hz, 2 H), 3.19 - 3.36 (m, 2 H), 3.37 - 3.53 (m, 2 H), 3.56 (t, J=6.8 Hz, 2 H), 3.61 - 3.72 (m, 2 H), 3.72 - 3.78 (m, 2 H), 3.78 - 3.85 (m, 3 H), 3.88 (dd, J=11.6, 2.0 Hz, 1 H), 3.94 - 4.03 (m, 1 H), 4.05 - 4.12 (m, 1 H), 4.13 - 4.22 (m, 3 H), 6.88-6.98 (m, 2 H), 7.16 (d, J=5.2 Hz, 2 H), 7.36 (d, J=8.4 Hz, 3 H), 7.40 - 7.48 (m, 3 H), 7.52 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.84 (s, 1 H), 7.91 (br s, 1 H), 8.43 (d, J=5.2 Hz, 1 H).
【0209】
ステップ3:化合物WX003-1の合成
【0210】
25℃で、AA-3C-A(0.9g)を溶解したメタノール(10mL)と水(2mL)に水酸化ナトリウム(353mg)を加え、次に全ての混合物を60℃で18.5時間攪拌し、混合物を減圧濃縮し、回転によりメタノールを除去した後、濃縮油状物を2M希塩酸でpH=3に調節し、次に上記混合物を酢酸エチルで3回抽出し(50mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し(50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮してWX003-1を得た。MS-ESI (m/z): 496.2 [M+1]+
【0211】
ステップ4:化合物WX003の合成
【0212】
25℃で、WX003-1(95mg)とBB-1(50mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(74mg)を加え、60℃で、窒素ガス保護下で4時間撹拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、次に減圧濃縮した後、prep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、WX003を得た。MS-ESI (m/z): 738.6 [M+1]+
【0213】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.25 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.33 - 1.46 (m, 2 H), 1.55 - 1.65 (m, 4 H), 2.59 (br s, 2 H), 2.69 (q, J=7.8 Hz, 2 H), 3.21 - 3.35 (m, 2 H), 3.37 - 3.53 (m, 2 H), 3.56 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.61 - 3.78 (m, 4 H), 3.78 - 3.85 (m, 3 H), 3.85 - 3.91 (m, 1 H), 3.98 (br s, 1 H), 4.07 - 4.20 (m, 4 H), 6.89 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 6.98 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.18 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.36 (m, 3 H), 7.40 - 7.49 (m, 3 H), 7.53 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.81 - 7.89 (m, 2 H), 8.43 (d, J=5.2 Hz, 1 H).
【0214】
実施例3
【化57】
【0215】
合成スキーム:
【化58】
【0216】
ステップ1:化合物WX004-1の合成
【0217】
25℃で、AA-3B-A(470mg)をメタノール(10mL)と水(2mL)の混合溶液に溶解させ、水酸化ナトリウム(114mg)を加え、50℃で14時間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、次に希塩酸溶液でpH=5~6に調節した後、酢酸エチルで3回抽出(20mL×3)し、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮して化合物WX004-1を得た。MS-ESI (m/z): 480.2 [M+1]+
【0218】
ステップ2:化合物WX004の合成
【0219】
25℃で、WX004-1(92mg)とBB-1(50mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(74mg)を加え、全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で4時間撹拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、減圧濃縮し、prep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、WX004を得た。MS-ESI (m/z): 722.4(M+1)+
【0220】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.24 (t, J=7.6 Hz, 3 H), 1.34 - 1.47 (m, 2 H), 1.53 - 1.65 (m, 6 H), 1.85 - 2.03 (m, 2 H), 2.06 - 2.18 (m, 1 H), 2.60 (br s, 2 H), 2.63 - 2.73 (m, 2 H), 3.32 - 3.47 (m, 2 H), 3.56 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.66 - 3.75 (m, 1 H), 3.75 - 3.84 (m, 3 H), 3.90 - 3.98 (m, 1 H), 4.04 - 4.11 (m, 1 H), 4.14 - 4.18 (m, 3 H), 4.19 - 4.28 (m, 1 H), 6.86 - 7.04 (m, 3 H), 7.16 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.29 - 7.49 (m, 6 H), 7.53 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.86 (s, 1 H), 7.94 (br s, 1 H), 8.43 (d, J=5.2 Hz, 1 H).
【0221】
ステップ3:化合物WX005-1の合成
【0222】
25℃で、A-3B-B(450mg)を水(2mL)とメタノール(10mL)の混合溶液に溶解させ、水酸化ナトリウム(109mg)を加え、50℃で14時間攪拌した。溶液を減圧濃縮し、次に希塩酸溶液でpH=5~6に調節した後、酢酸エチルで3回抽出し(20mL×3)、合わせた有機相を飽和食塩水で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧濃縮して化合物WX005-1を得、直接に次のステップに使用した。MS-ESI (m/z): 480.2 [M+1]+
【0223】
ステップ4:化合物WX005の合成
【0224】
25℃で、WX005-1(92mg)とBB-1(50mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(74mg)を加え、次に全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル50mLを加えた後、減圧濃縮し、prep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、化合物WX005を得た。MS-ESI (m/z): 722.4(M+1)+
【0225】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.24 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.34 - 1.47 (m, 2 H), 1.50 - 1.65 (m, 6 H), 1.85 - 2.04 (m, 2 H), 2.11 (br dd, J=7.4, 5.0 Hz, 1 H), 2.60 (br s, 2 H), 2.67 (q, J=7.6 Hz, 2 H), 3.30 - 3.48 (m, 2 H), 3.56 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.70 (m, 1 H), 3.76 - 3.84 (m, 3 H), 3.89 - 3.98 (m, 3 H), 4.04 - 4.12 (m, 1 H), 4.13 - 4.22 (m, 3 H), 4.24 (br s, 1 H), 6.88 - 7.03 (m, 3 H), 7.16 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.31 - 7.48 (m, 6 H), 7.53 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.86 (s, 1 H), 7.93 (br s, 1 H), 8.43 (d, J=5.2 Hz, 1 H)。
【0226】
実施例4
【化59】
【0227】
合成スキーム:
【化60】
【0228】
60℃で、WX001-1(90mg)をピリジン(3mL)に溶解させ、BB-2(50mg)とEDCI(70mg)を加えて4時間反応させ、反応液を濃縮してピリジンを除去し、次に水(20mL)を加え、DCM/MeOH=20/1で抽出し(20mL×2)、有機相を合わせ、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過し、濃縮し、残留物をpre.TLC(DCM/MeOH=15/1)で精製した後、SFCで分離して、化合物WX006(保持時間:9.742min)とWX007(保持時間:11.790min)を得た。
【0229】
SFC分離条件:カラムタイプ:ChiralPak AD-3 150×4.6mm ID、3μm;移動相:A:CO2B:IPA(0.05%DEA);勾配:40%B;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃;カラム圧力:100bar。
【0230】
WX006 MS-ESI (m/z): 750.2(M+1)+
【0231】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.40 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.45-7.32 (m, 6H), 7.00 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.83 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.39 (d, J = 12.8Hz, 1H), 4.15 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.06-4.00 (m, 3H), 3.81 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.57-3.52 (m, 4H), 3.39 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 6.8 Hz, 2H),2.59-2.54 (m, 4H), 2.36 (s, 3H), 2.11-2.08 (m, 1H),1.72-1.58 (m, 6H), 1.44-1.35 (m, 4H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0232】
WX007 MS-ESI (m/z): 750.4(M+1)+
【0233】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.33 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.44-7.31 (m, 6H), 6.99 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.37 (d, J = 12.8Hz, 1H), 4.14 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.05-3.99 (m, 3H), 3.80 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.56-3.49 (m, 4H), 3.38 (t, J = 11.2 Hz, 2H), 3.15 (d, J = 6.8 Hz, 2H),2.59-2.52 (m, 4H), 2.34 (s, 3H), 2.09-2.04 (m, 1H),1.71-1.57 (m, 6H), 1.44-1.36 (m, 4H), 1.16 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0234】
実施例5
【化61】
【0235】
合成スキーム:
【化62】
【0236】
ステップ1:化合物WX008及びWX009の合成
【0237】
60℃で、WX004-1(70mg)をピリジン(3mL)に溶解させ、EDCI(56mg)とBB-2(48mg)を加えて4時間反応させ、反応液を濃縮してピリジンを除去した後、水(20mL)を加え、DCM/MeOH=20/1で抽出し(20mL×2)、有機相を合わせ、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、濃縮し、残留物をpre.TLC(DCM/MeOH=15/1)で精製した後、SFCで分離して、WX008(保持時間:2.258min)とWX009(保持時間:3.404min)を得た。SFC分離条件:カラムタイプ: Chiralpak AD-3 50*4.6mmI.D., 3μm;移動相:A:CO2B:イソプロパノール(0.05%DEA);勾配:40%B;流速:4mL/ min;カラム温度:35℃;カラム圧力:1500psi。
【0238】
WX008 MS-ESI (m/z): 736.4(M+1)+
【0239】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.34 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.44-7.30 (m, 6H), 7.00 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.9. (d, J = 9.2 Hz, 2H), 4.38 (d, J = 12.8Hz, 1H), 4.25-4.21 (m, 1H), 4.15 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.94 (q, J = 7.6 Hz, 1H), 3.82-3.67 (m, 4H), 3.55 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.44-3.32 (m, 2H),2.58-2.53 (m, 4H), 2.37 (s, 3H), 2.14-2.07 (m, 1H),2.03-1.89 (m, 2H), 1.65-1.54 (m, 5H), 1.44-1.35 (m, 2H), 1.17 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H);
【0240】
WX009 MS-ESI (m/z): 736.4(M+1)+
【0241】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.34 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.44-7.31 (m, 6H), 7.00 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.39 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.26-4.20 (m, 1H), 4.15 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.04 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.94 (q, J = 7.6 Hz, 1H), 3.82-3.70 (m, 4H), 3.55 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.44-3.32 (m, 2H),2.58-2.53 (m, 4H), 2.38 (s, 3H), 2.14-2.07 (m, 1H),2.03-1.89 (m, 2H), 1.72-1.55 (m, 5H), 1.44-1.33 (m, 2H), 1.17 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0242】
ステップ2:化合物WX010及びWX011の合成
【0243】
60℃で、WX005-1(70mg)をピリジン(3mL)に溶解させ、EDCI(56mg)とBB-2(48mg)を加えて1時間反応させ、濃縮してピリジンを除去した後、水(20mL)を加え、DCM/MeOH=20/1で抽出し(20mL×2)、有機相を合わせ、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し、濃縮し、残留物をpre.TLC(DCM/MeOH=15/1)で精製し、次に化合物SFCによって分離して化合物WX010(保持時間:3.214min)とWX011(保持時間:5.999min)を得た。
【0244】
SFC分離条件:カラムタイプ:Chiralpak AD-3 50*4.6mmI.D., 3μm;移動相:A:CO2B:イソプロパノール(0.05% DEA);勾配:40%B;流速:4mL/min;カラム温度:35℃;カラム圧力:1500psi。
【0245】
WX010 MS-ESI (m/z): 736.4(M+1)+
【0246】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.34 (d, J = 5.2 Hz, 1H), , 7.77-7.73 (m, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.47-7.33 (m, 6H), 7.02-6.93 (m, 4H), 4.40 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.26-4.22 (m, 1H), 4.16 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.06 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.97-3.92 (m, 1H), 3.82-3.68 (m, 4H), 3.60-3.54 (m, 3H), 3.45-3.33 (m, 2H),2.62-2.54 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.15-2.08 (m, 1H),2.00-1.89 (m, 2H), 1.65-1.55 (m, 5H), 1.45-1.34 (m, 2H), 1.18 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H);
【0247】
WX011 MS-ESI (m/z): 736.5(M+1)+
【0248】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.34 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.91 (brs, 1H), 7.77-7.73 (m, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.46-7.32 (m, 6H), 7.02-6.93 (m, 4H), 4.40 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.25-4.22 (m, 1H), 4.16 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.06 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.97-3.92 (m, 1H), 3.82-3.68 (m, 4H), 3.60-3.54 (m, 3H), 3.45-3.33 (m, 2H),2.62-2.54 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.15-2.08 (m, 1H),2.03-1.91 (m, 2H), 1.67-1.55 (m, 5H), 1.45-1.36 (m, 2H), 1.16 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0249】
実施例6
【化63】
【0250】
合成スキーム:
【化64】
【0251】
25℃で、EDCI(70mg)をBB-3(50mg)とWX001-1(90mg)のピリジン(2mL)溶液に加え、60℃で2時間反応させ、反応液に水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより有機相を濃縮し、粗生成物をprep-TLCで分離・精製(SiO2、DCM:MeOH=20:1)し、次にキラル分離により、化合物WX012(保持時間:7.475min)とWX013(保持時間:9.823min)を得た。
【0252】
SFC分離方法:カラムタイプ:(S,S)Whelk-01 100×4.6mmI.D.,5μm;移動相:A:CO2B:(20%アセトニトリル/80%メタノール)(0.05%ジエチルアミン);勾配:50%B;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃。
【0253】
WX012:MS-ESI (m/z): 750.2(M+1)+
【0254】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.87 ppm (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.80 Hz, 2 H), 7.69 (s, 1 H),7.54 (s, 1 H), 7.46 (d, J=8.40 Hz, 2 H), 7.45 - 7.41 (m, 1 H), 7.33 - 7.41 (m, 3 H), 7.05 - 6.96 (m, 3 H), 6.84 (d, J=8.80 Hz, 1 H), 4.15 (dd, J=9.16, 4.14 Hz, 3 H), 4.09 - 3.98 (m, 3 H), 3.84 - 3.71 (m, 2 H), 3.60 - 3.50 (m, 4 H), 3.40 (br t, J=11.00 Hz, 2 H), 3.17 (br d, J= 6.80 Hz, 2 H), 2.64 (dt, J=7.80 Hz, 4 H), 2.52 (s, 3 H), 2.10 (br s, 1 H), 1.73 (br s, 2 H), 1.63 - 1.57 (m, 4 H), 1.50 - 1.37 (m, 4 H), 1.23 (t, J=7.60 Hz, 3 H), 0.94 (t, J=7.20 Hz, 3 H);
【0255】
WX013:MS-ESI (m/z): 750.4(M+1)+
【0256】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.88 ppm (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.5 Hz, 2 H), 7.70 (s, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 7.49 - 7.45 (m, 2 H), 7.43 (m, 1 H), 7.39 (s, 1 H), 7.38 - 7.34 (m, 2 H), 7.03 (s, 1 H), 6.98 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 6.84 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 4.19 - 4.12 (m, 3 H), 4.08 - 3.98 (m, 3 H), 3.84 - 3.79 (m, 2 H), 3.58 - 3.51 (m, 4 H), 3.40 (m, 2 H), 3.17 (m, 2 H), 2.63 (m, 4 H), 2.51 (s, 3 H), 2.16 - 2.04 (m, 1 H), 1.74 - 1.68 (m, 4 H), 1.61 (m, 2 H), 1.49 - 1.36 (m, 4 H), 1.23 (t, J=7.8 Hz, 3 H), 0.94 (t, J=7.40 Hz, 3 H)。
【0257】
実施例7
【化65】
【0258】
合成スキーム:
【化66】
【0259】
ステップ1:化合物WX014及びWX015の合成
【0260】
25℃で、EDCI(70mg)をBB-3(50mg)とWX004-1(87mg)のピリジン(2mL)溶液に加え、60℃で2時間反応させ、反応液に水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄(10mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を回転蒸発により濃縮し、粗生成物をprep-TLCで分離・精製(SiO2、DCM:MeOH=20:1)し、キラル分離を行って、化合物WX014(保持時間:7.236min)とWX015(保持時間:9.585min)を得た。
SFC分離方法:カラムタイプ:(S,S)Whelk-01 100×4.6mm ID、5μm;移動相:A:CO2B:(20%アセトニトリル/80%メタノール)(0.05%ジエチルアミン);勾配:50% B;流速:2.5mL/分;カラム温度:40℃。カラム圧力:100bar。
【0261】
WX014: MS-ESI (m/z): 736.3(M+1)+
【0262】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.98 ppm (s, 1 H), 7.76 - 7.71 (m, 3 H), 7.53 (s, 1 H), 7.47 - 7.32 (m, 6 H), 7.02 (s, 1 H), 7.00 - 6.90 (m, 3 H), 4.27 - 4.13 (m, 4 H), 4.07 - 3.91 (m, 2 H), 3.84 - 3.67 (m, 5 H), 3.60 - 3.52 (m, 3 H), 3.52 - 3.32 (m, 2 H), 2.66 - 2.56 (m, 3 H), 2.51 (s, 3 H), 2.15 - 2.07 (m, 1 H), 2.06 - 1.88 (m, 2 H), 1.66 - 1.55 (m, 5 H), 1.40 (m, 2 H), 1.22 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H);
【0263】
WX015: MS-ESI (m/z): 736.4(M+1)+
【0264】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.94 ppm (br s, 1 H), 7.74 (m, 3 H), 7.53 (s, 1 H), 7.49 - 7.32 (m, 6 H), 7.07- 6.92 (m, 4 H), 4.24 (br s, 1 H), 4.20 - 4.12 (m, 3 H), 4.11 - 3.99 (m, 1 H), 3.99 - 3.86 (m, 1 H), 3.87 - 3.77 (m, 3 H), 3.76 - 3.67 (m, 1 H), 3.64 - 3.49 (m, 3 H), 3.48 - 3.33 (m, 2 H), 2.72 - 2.56 (m, 4 H), 2.56 - 2.48 (m, 3 H), 2.12 (br s, 1 H), 2.04 - 1.89 (m, 2 H), 1.62 (m, 5 H), 1.46 - 1.36 (m, 2 H), 1.22 (m, J=7.4 Hz ,3 H), 0.94 (m, J=7.4 Hz ,3 H)。
【0265】
ステップ2:化合物WX016及びWX017の合成
【0266】
25℃で、EDCI(70mg)をBB-3(50mg)とWX005-1(87mg)のピリジン(2mL)溶液に加え、60℃で2時間反応させ、反応液に水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し(10mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を回転蒸発により濃縮し、粗生成物をprep-TLCで分離・精製(SiO2、DCM:MeOH=20:1)した後、キラル分離を行って、化合物WX016(保持時間:6.733min)とWX017(保持時間:8.815min)を得た。
【0267】
SFC分離方法:カラムタイプ:(S,S)Whelk-01 100×4.6mm ID、5μm;移動相:A:CO2B:(20%アセトニトリル/80%メタノール)(0.05%ジエチルアミン);勾配:50% B;流速:2.5mL/分;カラム温度:40℃。カラム圧力:100bar。
【0268】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.93 ppm (br s, 1 H), 7.78 - 7.69 (m, 3 H), 7.55 (s, 1 H), 7.48 - 7.33 (m, 6 H), 7.04 (s, 1 H), 7.00 - 6.92 (m, 3 H), 4.24 (br s, 1 H), 4.19 - 4.12 (m, 3 H), 4.11 - 4.02 (m, 1 H), 4.02 - 3.89 (m, 1 H), 3.84 - 3.68 (m, 4 H), 3.56 (m, 3 H), 3.52 - 3.33 (m, 2 H), 2.68 - 2.57 (m, 4 H), 2.53 (s, 3 H), 2.16 - 2.08 (m, 1 H), 2.05 - 1.88 (m, 2 H), 1.65 - 1.57 (m, 5 H), 1.40 (m, 2 H), 1.23 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 0.94 (t, J=7.40 Hz, 3 H);
【0269】
WX017: MS-ESI (m/z): 736.3(M+1)+
【0270】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.00 ppm (s, 1 H),7.77 - 7.70 (m, 3 H),7.53 (s, 1 H),7.47 - 7.32 (m, 6 H),7.03 - 6.91 (m, 4 H),4.28 - 4.19 (m, 1 H),4.18 - 4.12 (m, 3 H),4.08 - 3.99 (m, 1 H),3.99 - 3.89 (m, 1 H),3.84 - 3.67 (m, 4 H),3.60 - 3.52 (m, 3 H),3.46 - 3.32 (m, 2 H),2.66 - 2.56 (m, 4 H),2.51 (s, 3 H),2.16 - 2.05 (m, 1 H),2.04 - 1.88 (m, 2 H),1.66 - 1.56 (m, 5 H),1.40 (m, 2 H),1.22 (t, J=7.4 Hz, 3 H),0.94 (t, J=7.40 Hz, 3 H)。
【0271】
実施例8
【化67】
【0272】
合成スキーム:
【化68】
【0273】
25℃で、WX001-1(57mg)とBB-4(30mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(44mg)を加え、全ての混合物を60℃で4時間攪拌し、反応液に50mL酢酸エチルを加え、減圧濃縮した後、prep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)し、次にSFCで分離してWX018(保持時間:9.606min)とWX019(保持時間:11.154min)を得た。
【0274】
SFC分離方法:カラムタイプ:ChiralPak AD-3 150×4.6mm ID、3μm;移動相:A:CO2B:IPA(0.05%DEA);勾配:40%B;流速:2.5mL/min;カラム温度:40℃;カラム圧力:100bar。
【0275】
WX018:MS-ESI (m/z): 736.5(M+1)+
【0276】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.34 - 1.46 (m, 4 H), 1.59 - 1.66 (m, 4 H), 1.71 (br d, J=12.0 Hz, 2 H), 2.10 (m, 1 H), 2.21 (s, 3 H), 2.39 (s, 3 H), 2.55 - 2.66 (m, 2 H), 3.17 (br d, J=6.8 Hz, 2 H), 3.40 (br t, J=11.0 Hz, 2 H), 3.47 - 3.61 (m, 4 H), 3.78 - 3.88 (m, 2 H), 3.99 - 4.11 (m, 3 H), 4.16 (t, J=4.8 Hz, 2 H), 4.39 (d, J=12.8 Hz, 1 H), 6.85 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 6.90 - 7.02 (m, 3 H), 7.34 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.39 - 7.49 (m, 5 H), 7.53 (s, 1 H), 7.75 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.80 (s, 1 H), 8.30 (d, J=5.2 Hz, 1 H).
【0277】
WX019:MS-ESI (m/z): 736.5(M+1)+
【0278】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.35 - 1.50 (m, 4 H), 1.59 - 1.66 (m, 4 H), 1.71 (br d, J=13.2 Hz, 2 H), 2.10 (br s, 1 H), 2.21 (s, 3 H), 2.39 (s, 3 H), 2.54 - 2.64 (m, 2 H), 3.17 (br d, J=6.4 Hz, 2 H), 3.40 (br t, J=11.0 Hz, 2 H), 3.48 - 3.61 (m, 4 H), 3.78 - 3.86 (m, 2 H), 3.98 - 4.10 (m, 3 H), 4.16 (t, J=4.8 Hz, 2 H), 4.39 (d, J=13.2 Hz, 1 H), 6.85 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 6.91 - 7.01 (m, 3 H), 7.34 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 7.38 - 7.49 (m, 5 H), 7.53 (s, 1 H), 7.75 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.81 (s, 1 H), 8.30 (d, J=4.8 Hz, 1 H).
【0279】
実施例9
【化69】
【0280】
合成スキーム:
【化70】
【0281】
ステップ1:化合物WX020の合成
【0282】
25℃で、WX004-1(55mg)とBB-4(30mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(44mg)を加え、全ての混合物を60℃で4時間攪拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、次に、減圧濃縮し、直接にprep-HPLCで分離(アルカリ性)して、WX020を得た。
【0283】
MS-ESI (m/z): 722.5(M+1)+
【0284】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.32 - 1.47 (m, 2 H), 1.55 - 1.66 (m, 6 H), 1.92 - 1.99 (m, 2 H), 2.05 - 2.17 (m, 1 H), 2.20 (s, 3 H), 2.41 (s, 3 H), 2.60 (br s, 2 H), 3.29 - 3.48 (m, 2 H), 3.56 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 3.67 - 3.84 (m, 4 H), 3.94 (q, J=7.5 Hz, 1 H), 4.06 (d, J=12.8 Hz, 1 H), 4.16 (t, J=4.8 Hz, 2 H), 4.23 (m, 1 H), 4.39 (d, J=12.8 Hz, 1 H), 6.90 - 7.00 (m, 4 H), 7.33 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.37 - 7.49 (m, 5 H), 7.54 (s, 1 H), 7.76 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.87 (s, 1 H), 8.30 (d, J=5.2 Hz, 1 H).
【0285】
ステップ2:化合物WX021の合成
【0286】
25℃で、WX005-1(55mg)とBB-4(30mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(44mg)を加え、次に全ての混合物を60℃で4時間攪拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、次に、減圧濃縮し、prep-HPLCで分離(アルカリ性)して、WX021を得た。
【0287】
MS-ESI (m/z): 722.5(M+1)+
【0288】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.40 (m, 2 H), 1.53 - 1.72 (m, 6 H), 1.88 - 2.02 (m, 2 H), 2.07 - 2.16 (m, 1 H), 2.19 (s, 3 H), 2.40 (s, 3 H), 2.53 - 2.64 (m, 2 H), 3.31 - 3.46 (m, 2 H), 3.56 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.66 - 3.84 (m, 4 H), 3.90 - 3.98 (m, 1 H), 4.06 (d, J=13.2 Hz, 1 H), 4.12 - 4.19 (m, 2 H), 4.19 - 4.28 (m, 1 H), 4.38 (d, J=13.2 Hz, 1 H), 6.88 - 7.00 (m, 4 H), 7.32 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.36 - 7.48 (m, 5 H), 7.53 (s, 1 H), 7.75 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.91 (br s, 1 H), 8.30 (d, J=4.8 Hz, 1 H).
【0289】
実施例10
【化71】
【0290】
合成スキーム:
【化72】
【0291】
25℃で、WX001-1(76mg)とBB-5(40mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(59mg)を加えた後、全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で4時間撹拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、次に減圧濃縮し、prep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、WX022を得た。MS-ESI (m/z): 736.5(M+1)+
【0292】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.35 - 1.51 (m, 4 H), 1.55 - 1.65 (m, 4 H), 1.71 (br d, J=11.6 Hz, 2 H), 2.10 (br s, 1 H), 2.27 (s, 3 H), 2.50 (s, 3 H), 2.56 - 2.65 (m, 2 H), 3.17 (br d, J=7.2 Hz, 2 H), 3.40 (br t, J=11.2 Hz, 2 H), 3.51 - 3.59 (m, 4 H), 3.76 - 3.84 (m, 2 H), 3.97 - 4.06 (m, 2 H), 4.06 - 4.13 (m, 2 H), 4.13 - 4.19 (m, 2 H), 6.85 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 6.98 (d, J=8.8 Hz, 3 H), 7.33 - 7.49 (m, 6 H), 7.54 (s, 1 H), 7.69 - 7.77 (m, 3 H), 7.85 (s, 1 H).
【0293】
実施例11
【化73】
【0294】
合成スキーム:
【化74】
【0295】
ステップ1:化合物WX023の合成
【0296】
25℃で、WX004-1(37mg)とBB-5(20mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(29mg)を加えた後、全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で3時間撹拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、次に減圧濃縮し、prep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、WX023を得た。MS-ESI (m/z): 722.5(M+1)+
【0297】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.36 - 1.45 (m, 2 H), 1.60 - 1.67 (m, 4 H), 1.88 - 2.01 (m, 2 H), 2.05 - 2.16 (m, 1 H), 2.27 (s, 3 H), 2.52 (s, 3 H), 2.56 - 2.65 (m, 2 H), 3.33 - 3.47 (m, 2 H), 3.52 - 3.63 (m, 3 H), 3.67 - 3.84 (m, 5 H), 3.91 - 3.98 (m, 1 H), 4.09 (s, 2 H), 4.16 (t, J=4.89 Hz, 2 H), 4.20 - 4.30 (m, 1 H), 6.92 - 7.03 (m, 4 H), 7.34 - 7.43 (m, 4 H), 7.46 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.53 - 7.57 (m, 1 H), 7.69 - 7.78 (m, 3 H), 7.82 - 7.90 (m, 1 H).
【0298】
ステップ2:化合物WX024の合成
【0299】
25℃で、WX005-1(37mg)とBB-5(20mg)を溶解したピリジン(3mL)にEDCI(29mg)を加えた後、全ての混合物を60℃で、窒素ガス保護下で4時間撹拌し、反応液に酢酸エチル50mLを加え、減圧濃縮し、次にprep-TLCで分離(SiO2、DCM:MeOH=12:1)して、WX024を得た。MS-ESI (m/z): 722.5(M+1)+
【0300】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3 H), 1.32 - 1.46 (m, 2 H), 1.55 - 1.60 (m, 3 H), 1.87 - 2.02 (m, 3 H), 1.90 - 2.00 (m, 2 H), 2.06 - 2.17 (m, 1 H), 2.25 (s, 3 H), 2.50 (s, 3 H), 2.61 (br s, 2 H), 3.32 - 3.47 (m, 2 H), 3.51 - 3.63 (m, 2 H), 3.67 - 3.84 (m, 4 H), 3.90 - 3.98 (m, 1 H), 4.09 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 4.12 - 4.18 (m, 2 H), 4.20 - 4.28 (m, 1 H), 6.90 - 7.01 (m, 4 H), 7.32 - 7.43 (m, 4 H), 7.45 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.54 (s, 1 H), 7.69 - 7.77 (m, 3 H), 7.88 (s, 1 H).
【0301】
実施例12
【化75】
【0302】
合成スキーム:
【化76】
【0303】
25℃で、WX001-1(150mg)とBB-6(88mg)をピリジン(3mL)に溶解させ、次にEDCI(117mg)を加えた後、60℃で3時間攪拌し、溶液を直接濃縮し、次にprep-HPLCで分離にした。WX025を得た。MS-ESI (m/z):764.6(M+1)+
【0304】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ=8.42 ppm (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.83 (s, 1 H), 7.74 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.53 (s, 1 H), 7.38 - 7.49 (m, 5 H), 7.35 (d, J=2 Hz, 1 H), 6.95 - 7.04 (m, 3 H), 6.85 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 4.41 (d, J=13.2 Hz, 1 H), 4.16 (t, J=4.8 Hz, 2 H), 3.99 - 4.10 (m, 3 H), 3.78 - 3.84 (m, 2 H), 3.49 - 3.59 (m, 4 H), 3.40 (br t, J=10.8Hz, 2 H), 3.17 (br d, J=6.4 Hz, 2 H), 2.70 (q, J=7.6 Hz, 2 H), 2.51 - 2.59 (m, 2 H), 2.02 - 2.16 (m, 1 H), 1.70 (br d, J=12.4 Hz, 2 H), 1.56 - 1.65 (m, 6 H), 1.35 - 1.47 (m, 4H), 1.22 - 1.29 (m, 3H), 1.18 (t, J=7.6 Hz, 3 H), 0.94 (t, J=7.6 Hz,3H).
【0305】
生物学的データ
【0306】
実験例1:CCR2/CCR5 in vitro試験
【0307】
実験目的:細胞内カルシウムシグナルの変化はFLIPR Calcium assayによって検出され、化合物のIC50値を指標として、CCR2及びCCR5受容体に対する化合物の阻害効果を評価した。
【0308】
実験材料:
【0309】
1、細胞株:細胞を接種し、37℃、5%CO2インキュベーターで一晩培養した。
CCR2/CCR5の密度:1M(20k/well)
【表1】
【0310】
2、試薬:Fluo-4 Direct、(Invitrogen,Cat# F10471)
【0311】
3、機器設置:
ポリリジンでコーティングされた384細胞プレート(Greiner #781946)
384ウェル化合物プレート(Greiner #781280)
FLIPR、分子デバイス
ECHO、Labcyte
【0312】
4、化合物:
化合物をDMSOに溶解させて10mM溶液に製造し、化合物溶液を窒素ガスボックスに入れた。
【0313】
【表2】
【0314】
アゴニスト参照化合物:
【0315】
【表3】
【0316】
実験ステップと方法:
【0317】
FLIPR検出緩衝液でプロベネシドを準備:FLIPR検出緩衝液1mLを77mgプロベネシドに加え、250mM溶液を製造した。毎日新たに製造した。
【0318】
2X(8μM)Fluo-4 DirectTMローディングバッファー(10mLあたり)
【0319】
Fluo-4 DirectTMクリスタルのボトルを解凍(F10471)
【0320】
サンプルボトルに10mLのFLIPR検出緩衝液を加えた。
【0321】
Fluo-Directの10mLごとに0.2mLのプロベネシドを加えた。最終測定濃度は2.5mMであった。
【0322】
回転させて5分以上置いた(暗所)
【0323】
毎日新たに製造した。
【0324】
実験ステップ:
【0325】
a)アゴニスト化合物の製造:
【0326】
MCP-1をFLIPR検出緩衝液1:2で10ポイントに希釈させ、0.5μM(最終100nM)から始めた。RANTESをFLIPR検出緩衝液1:3で10ポイントに希釈させ、0.5μM(最終100nM)から始めた。DRCプレートの各ウェルに20uLの連続希釈化合物緩衝液を加えた。
【0327】
b)アンタゴニスト化合物の製造:アンタゴニスト参照化合物
【0328】
標準化合物をDMSO1:3で11ポイントに希釈させ、1mMから始めた。試験化合物をDMSO1:3で11ポイントに希釈させ、2mMから始めた。Echoを使用して250nL化合物溶液を細胞プレートに移した。(Greiner#781946)
【0329】
c)インキュベーターから細胞プレートを取り出し、ピペットを使用して20uLの2X Fluo-4 Direct非洗浄ローディングバッファーを384ウェル細胞培養プレートに軽く分注した。最終的な細胞プレートの体積は40μLであった。
【0330】
d)37℃、5%CO2下で50分間、室温で10分間培養した。
【0331】
e)インキュベーターから細胞プレートを取り出して、FLIPRに入れた。コンポジットボードとチップボックスをFLIPRに入れた。
【0332】
f)DRCボードの場合:
1)FLIPRTETRAでプログラムを実行させ、
2)蛍光シグナルを読み取り、
3)10μLの化合物をDRCプレートから細胞プレートに移し、
4)蛍光シグナルを読み取り、
5)Read90から最大許容値「最大-最小」までを計算した。FLIPRを使用して、各細胞株のEC80値を計算した。
6)アゴニスト参照化合物のEC80濃度の5倍を製造した。
【0333】
g)複合ボード(1-添加)の場合:
1)FLIPRTETRAでプログラムを実行し、
2)EC80濃度の5倍のアゴニスト参照化合物10μlを複合プレートから細胞プレートに移した。
3)蛍光シグナルを読み取った。
4)Read90から最大許容値「最大-最小」までを計算した。
【0334】
h)Prismを使用してデータを分析し、化合物のIC50値を計算した。
【0335】
実験結果は表1に示される通りである:
【0336】
【表4】
【0337】
結論:本発明の化合物は、CCR2及びCCR5受容体に対して有意な拮抗作用を有した。
【0338】
実験例2 ヒト肝ミクロソームシトクロムP450アイソザイム(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)活性の阻害効果
【0339】
CYPの5つのアイソザイムの合計5つの特異的プローブ基質フェナセチン(Phenacetin、CYP1A2)、ジクロフェナク(Diclofenac、CYP2C9)、(S)-メフェニトイン((S)-Mephenytoin、CYP2C19)、デキストロメトルファン(Dextromethorphan、CYP2D6)、ミダゾラム(Midazolam、CYP3A4)をそれぞれヒト肝ミクロソーム及び試験化合物と培養し、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を添加して反応を開始させ、反応終了後、サンプルを処理し、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)で、特定の基質によって生成された5つの代謝産物がアセトアミノフェン(Acetaminophen)、4'-ヒドロキシジクロフェナク(4’-Hydroxydiclofenac)、4'-ヒドロキシメフェニトイン(4’-Hydroxymephenytoin)、デキストロファン(Dextrorphan)、1'-ヒドロキシミダゾラム(1’-Hydroxymidazolam)に対する濃度を定量的に検出し、対応する半阻害濃度(IC50)を計算した。
【0340】
【表5】
【0341】
実験結論:WX007、WX009、WX012は、ヒト肝ミクロソームシトクロムP450アイソザイム(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、及びCYP3A4)に対して活性を阻害するリスクがないが、参考化合物と参照物AはCYP3A4に対して阻害効果が強かった。
【0342】
実験例3 マウスにおける薬物動態の比較試験
【0343】
本研究では、オスC57BL/6マウスを試験動物として使用し、LC/MS/MS法を用いて、マウスに試験化合物WX009及び参照化合物を静脈内注射又は経口投与した後の異なる時点での血漿中薬物濃度を定量的に検出して、マウスにおける2つの試験薬の薬物動態特性を評価した。
【0344】
C57BL/6マウス(一晩絶食、7~10週齢)に試験化合物の透明溶液を尾静脈から注射し、試験化合物をC57BL/6マウス(一晩絶食、7~10週齢)に胃内投与した。動物に投与してから0.0833、0.25、0.5、1、2、4、6、8、及び24時間後に頸静脈又は尾静脈から約30μLの血液を採取し、EDTA-K2を含む抗凝固チューブに入れ、4℃、3000g、15分間遠心分離して血漿を収集した。LC-MS/MS法を使用して血中薬物濃度を測定し、WinNonlinTM Version 6.3 (Pharsight、Mountain View、CA)薬物動態ソフトウェアを使用し、非コンパートメントモデル線形対数ラダー法によって関連する薬物動態パラメータを計算した。
【0345】
【表6】
【0346】
結論:WX009の血漿クリアランス速度は、参考化合物よりも遅かった。経口血漿システム暴露量(AUC0-inf)は、参考化合物の約6倍であった。げっ歯類マウスでは、WX009の薬物動態は参考化合物よりも有意に優れていた。