(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】接続検出回路、警報装置及び基地局
(51)【国際特許分類】
G01R 31/54 20200101AFI20240611BHJP
G01R 27/20 20060101ALI20240611BHJP
G01R 31/56 20200101ALI20240611BHJP
【FI】
G01R31/54
G01R27/20
G01R31/56
(21)【出願番号】P 2022581462
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021102772
(87)【国際公開番号】W WO2022001962
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】202010599533.1
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】王奥運
(72)【発明者】
【氏名】王徳舉
(72)【発明者】
【氏名】馬金波
(72)【発明者】
【氏名】肖開祥
(72)【発明者】
【氏名】王国慧
(72)【発明者】
【氏名】李慧娟
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-271256(JP,A)
【文献】国際公開第2017/108134(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203561719(CN,U)
【文献】中国実用新案第202268943(CN,U)
【文献】中国実用新案第202433470(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0149688(US,A1)
【文献】特開平07-083975(JP,A)
【文献】米国特許第04736157(US,A)
【文献】特開2011-229270(JP,A)
【文献】特開2001-128949(JP,A)
【文献】特開2014-092484(JP,A)
【文献】中国実用新案第206583996(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/50-31/74、
27/00-27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護接地である第1電圧基準面に接続されるように構成される第1接続ポートと、
第1検出部材と、第2検出部材と、検出出力端と、を含み、前記第1検出部材が前記第1接続ポートと前記検出出力端との間に直列接続され、前記第2検出部材が前記検出出力端と第2電圧基準面との間に直列接続される検出モジュール
であって、前記第2電圧基準面は機能接地であり、前記検出出力端は、前記第1電圧基準面と前記第2電圧基準面との電位差に関する第1検出信号を出力する、前記検出モジュールと、
信号入力端と信号出力端が設けられ、前記信号入力端が前記検出出力端に接続され、
前記第1検出信号に基づいて前記第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成するように構成される信号処理モジュールと、
前記信号出力端に接続され、前記信号出力端によって出力される前記第2検出信号に基づいて前記第1接続ポートと前記第1電圧基準面との接続状態を判断する警報モジュールと、を含む接続検出回路。
【請求項2】
前記第1検出部材はコンデンサ又は抵抗器であり、前記第2検出部材はコンデンサ又は抵抗器である請求項1に記載の接続検出回路。
【請求項3】
前記信号処理モジュールはオペアンプと、第3抵抗器と、第4抵抗器と、を含み、前記オペアンプは同相入力端と、逆相入力端と、出力端と、を含み、前記オペアンプの同相入力端は前記信号入力端であり、前記オペアンプの逆相入力端、前記第3抵抗器及び前記第2電圧基準面は順次接続され、前記オペアンプの出力端は前記第4抵抗器を介して前記オペアンプの逆相入力端に接続される請求項1に記載の接続検出回路。
【請求項4】
前記信号処理モジュールはクランプ回路をさらに含み、前記クランプ回路は負極が前記オペアンプの同相入力端に接続され、正極が前記第2電圧基準面に接続される第2ダイオードを含む請求項3に記載の接続検出回路。
【請求項5】
前記クランプ回路は負極が第1電源に接続され、正極が前記オペアンプの同相入力端に接続される第1ダイオードをさらに含む請求項4に記載の接続検出回路。
【請求項6】
前記信号処理モジュールはフィルタリングするように構成されるフィルタリング回路をさらに含み、前記フィルタリング回路は前記オペアンプの出力端と前記信号出力端との間に接続される請求項3~5のいずれか1項に記載の接続検出回路。
【請求項7】
前記フィルタリング回路は第5抵抗器と第1コンデンサを含み、前記オペアンプの出力端、前記第5抵抗器、前記第1コンデンサ及び前記第2電圧基準面は順次接続され、前記第5抵抗器と前記第1コンデンサとの接続部位が前記信号出力端に接続される請求項6に記載の接続検出回路。
【請求項8】
前記警報モジュールは、
前記第2検出信号が第1所定値未満である場合、前記第1接続ポートと第1電圧基準面が非接続状態であると判断し、又は、
前記第2検出信号に基づいて前記第1接続ポートと第1電圧基準面との間のインピーダンスを得て、前記インピーダンスが第2所定値よりも大きい場合、前記第1接続ポートと第1電圧基準面が非接続状態であると判断するように構成される請求項1に記載の接続検出回路。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の接続検出回路を備える警報装置。
【請求項10】
請求項9に記載の警報装置を備える基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号202010599533.1、出願日2020年06月28日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容は参照として本願に組み込まれている。
【0002】
本願は電子の技術分野に関し、特に接続検出回路、警報装置及び基地局に関する。
【背景技術】
【0003】
通信基地局は、通信ネットワークにおいて重要な役割を果たしており、基地局は高所に設置されることが多いため、落雷被害の危険性が高く、また、基地局システム(通信機器、機器筐体などを含む)の接地状態は耐雷システムの重要な構成部分であり、基地局システムの接地不良が発生した場合、保守員の生命を脅かす可能性が高い。
【0004】
現在、基地局システムの接地検出装置はシステム筐体の保護接地(PE:protective earthing)の導通・切断を検出するだけで、検出精度が低く、一部の接地不良の場合、接地線の実際のインピーダンスが大きいのに、検出装置が接地正常と報告するインピーダンスの範囲内にあり、その結果として、基地局の使用に安全性の潜在的なリスクをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は本明細書で詳細に説明される主題の概要である。本概要は請求の範囲を制限するものではない。
【0006】
本願の実施例は接続検出回路、警報装置及び基地局を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様では、本願の実施例は、
第1電圧基準面に接続されるように構成される第1接続ポートと、
第1検出部材と、第2検出部材と、検出出力端と、を含み、前記第1検出部材が前記第1接続ポートと前記検出出力端との間に直列接続され、前記第2検出部材が前記検出出力端と第2電圧基準面との間に直列接続される検出モジュールと、
信号入力端と信号出力端が設けられ、前記信号入力端が前記検出出力端に接続され、前記検出モジュールが前記検出出力端を介して出力する第1検出信号に基づいて前記第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成するように構成される信号処理モジュールと、
前記信号出力端に接続され、前記信号出力端によって出力される前記第2検出信号に基づいて前記第2電圧基準面と前記第1電圧基準面との接続状態を判断する警報モジュールと、を含む接続検出回路を提供する。
【0008】
第2態様では、本願の実施例はまた、前述接続検出回路を備える警報装置を提供する。
【0009】
第3態様では、本願の実施例はまた、前述警報装置を備える基地局を提供する。
【0010】
本願の他の特徴及び利点は、後の明細書で説明され、本明細書から部分的に明らかになるか、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び図面において特に指摘された構成によって達成され得る。
図面は、本願の技術案の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術案を解釈するために使用され、本願の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願の一実施例による接続検出回路の全体回路図である。
【
図2】本願の別の実施例による接続検出回路の具体的な回路図である。
【
図3】本願の別の実施例による接続検出回路の具体的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈するためにのみ使用され、本願を限定するものではない。
【0013】
なお、モジュール分割は回路の構造概略図に示されているが、場合によっては、回路の構造概略図におけるモジュール分割と異なってもよい。明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。
【0014】
本願は接続検出回路、警報装置及び基地局を提供し、接続検出装置は順次接続された第1接続ポート、検出モジュール、信号処理モジュール及び警報モジュールを含み、第1接続ポートは第1電圧基準面に接続され、検出モジュールは第1検出部材と、第2検出部材と、検出出力端と、を含み、第1検出部材は第1接続ポートと検出出力端との間に直列接続され、第2検出部材は検出出力端と第2電圧基準面との間に直列接続され、検出出力端は第1電圧基準面と第2電圧基準面との間の電位差に関する第1検出信号を出力し、信号処理モジュールはこの第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成することができ、これによって、警報モジュールは第2検出信号によって第2電圧基準面と第1電圧基準面との接続状態を正確に判断し、接続検出の検出精度及び信頼性を向上させることができる。
【0015】
以下、図面を参照して、本願の実施例についてさらに説明する。
【0016】
図1に示すように、本願の一実施例は、
第1電圧基準面に接続されるように構成される第1接続ポートと、
第1検出部材と、第2検出部材と、検出出力端と、を含み、第1検出部材が第1接続ポートと検出出力端との間に直列接続され、第2検出部材が検出出力端と第2電圧基準面との間に直列接続される検出モジュール10と、
信号入力端と信号出力端が設けられ、信号入力端が検出出力端に接続され、検出モジュール10が検出出力端を介して出力する第1検出信号に基づいて第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成するように構成される信号処理モジュール20と、
信号出力端に接続され、信号出力端によって出力される第2検出信号に基づいて第2電圧基準面と第1電圧基準面との接続状態を判断する警報モジュール30と、を含む接続検出回路を提供する。
【0017】
本願の実施例では、接続検出回路が接地検出に用いられる場合を例にして説明する。通信基地局の各種の電気機器、例えば機器、交流配電盤、電源キャビネットや設備キャビネットなどのいずれも、接地用の銅バスバーに接続されて、電気機器のハウジングでの電荷を大地に伝達して作業者を電気ショックの被害から保護する必要があり、ここでは、接地用の銅バスバーは保護接地(PE:protective earthing)として大地に接続されるとともに、遠位端が交流電源の中性線に接続され、給電システム全体が安全に接地することを確保する。通信基地局の使用中、筐体から接地用の銅バスバーへの接続線が外部の要素により摩耗されたりすることが不可避的なことであり、電力使用の安全性を高めるために、通信基地局では、電気機器の接地が良好であるか否かを検出するための検出装置が追加されるのが一般的であるが、現在の検出装置は保護接地PEの導通・切断だけを検出するものであり、検出精度が低く、誤検出の可能性がある。これに鑑み、本願の実施例では、検出モジュール10が筐体に接続されることによって、筐体から保護接地PEまでのインピーダンスRxを検出対象として、インピーダンスRxの値に基づいて接地の状況を判断し、これによって、検出精度及び信頼性を向上させる。ここでは、第1電圧基準面は保護接地PEに接続される筐体であり、第2電圧基準面は機能接地(FE:functional earthing、以下、GNDとして示される)であり、機能接地GNDは検出回路の内部に接続される所定の電圧基準面であり、必要に応じて様々な電圧を参照として選択してもよく、第1検出部材と第2検出部材がポテンシャルディバイダーネットワークを構成し、このようにして、第1検出信号は第1電圧値V1、第2検出信号は第2電圧値V2となり、第1接続ポートは筐体に接続されることで第1電圧基準面に接続され、すなわち、第1接続ポートは筐体を介して保護接地PEに接続される。
【0018】
具体的には、検出モジュール10が第1接続ポートを介して筐体に接続されることによって、インピーダンスRxはポテンシャルディバイダーネットワークに取り込まれ、また、機能接地GNDは内部回路の基準接地であるので、接地が正常である場合、遠位端が中性線(N線)に接続された保護接地PEに対しては、両方の間に所定の電位差が存在し、この電位差が保護接地PEと機能接地GNDとの間の回路に印加され、検出出力端でインピーダンスRxに対する第1電圧値V1が得られる。
【0019】
信号処理モジュール20は正しい第1電圧値V1を受信して、第1電圧値V1の変化に応じて変化する第2電圧値V2を出力し、すなわち、第2電圧値V2はインピーダンスRxに関連しており、もちろん、第2電圧値V2からインピーダンスRxの値を算出し、筐体が接地するときのインピーダンス幅値を取得し、筐体が接地するときの安全性を判断することができ、したがって、警報モジュール30によって第2電圧値V2を受信してその大きさを判断することにより、現在で筐体の保護接地PEが完全に切断されたか否か、接触不良が発生したか否かなどの様々な接地についての状況を判断することができる。接地線の導通・切断だけを判断する従来の接地検出装置に比べて、本願の実施例は、筐体と配線用の銅バスバーとの間のインピーダンスを検出することができるため、検出精度が高く、検出が確実である。
【0020】
インピーダンスRx、第1検出部材及び第2検出部材が直列接続されて分圧を実現し、第1検出部材及び第2検出部材の抵抗値又は等価抵抗値が予め設定されたものであるため、インピーダンスRxの変化によれば、第1検出部材と第2検出部材との間の検出出力端から出力された第1電圧値V1はインピーダンスRxに関連している。一実施例では、
図2に示すように、第1検出部材と第2検出部材がそれぞれ第1抵抗R1及び第2抵抗R2である場合、第1電圧値V1は以下の式を満たす。
【数1】
ただし、Vpeは保護接地PEと機能接地GNDとの間の電圧差である。上記式から分かるように、第1抵抗R1と第2抵抗R2はそれぞれ所定値であるので、第1電圧値V1とインピーダンスRxの値は対応関係がある。第1抵抗R1と第2抵抗R2との抵抗値の比を設定することにより第1抵抗R1の値の範囲を調整し、警報モジュール30により検出される安全範囲を限定することができる。例えば、同相増幅回路の正負極電源に第1電源Vccと機能接地GNDがそれぞれ接続されている場合、第1電圧値V1が機能接地GNDの電圧値と第1電源Vccの電圧値との間にあるように、第1抵抗R1と第2抵抗R2について設定してもよい。
【0021】
一実施例では、
図3に示すように、第1検出部材と第2検出部材がそれぞれ第2コンデンサC2と第2抵抗R2である場合、第1電圧値V1は下記の式を満たす。
【数2】
ただし、w=2πfであり、fは入力電圧の産業用周波数である。同様に、上記の式から分かるように、第2コンデンサC2と第2抵抗R2はそれぞれ所定値であるので、第1電圧値V1とインピーダンスRxの値は対応関係がある。
【0022】
なお、ポテンシャルディバイダーネットワークを実現する形態が様々であり、上記のポテンシャルディバイダーネットワーク回路構成の実施形態はこれらの1種である。当業者であれば、実際のニーズに応じてポテンシャルディバイダーネットワークを設計し、第1電圧値V1とインピーダンスRxを対応させる規則に従って、第1検出部材及び第2検出部材を適切なデバイスとすることで、上記の機能を実現することができるが、ここでは全ての可能性を一々例示しない。
【0023】
一実施例では、信号処理モジュール20はオペアンプと、第3抵抗R3と、第4抵抗R4と、を含み、オペアンプは同相入力端と、逆相入力端と、出力端と、を含み、オペアンプの同相入力端は信号入力端であり、オペアンプの逆相入力端、第3抵抗R3及び機能接地GNDは順次接続され、オペアンプの出力端は第4抵抗R4を介してオペアンプの逆相入力端に接続される。同相増幅回路の出力特性に基づいて、第1電圧値V1を同相増幅回路で処理して得た増幅電圧V0が下記の式を満たす。
【数3】
【0024】
第3抵抗R3と第4抵抗R4が所定値であるため、同相増幅回路から出力された増幅電圧V0とインピーダンスRxの値も対応関係がある。同相増幅回路で第1電圧を増幅することによって、警報モジュール30は電圧を判断し、より正確に警報を制御することを可能にする。
【0025】
一実施例では、信号処理モジュール20はクランプ回路をさらに含み、クランプ回路は、負極がオペアンプの同相入力端に接続され、正極が第2電圧基準面に接続される第2ダイオードD2を含む。第2ダイオードD2のクランプ電圧を設定することにより、サージが信号処理モジュール20及びバックエンド部品にダメージを与えることを回避できる。例えば、落雷などが発生した場合、ハウジングが保護接地PEのケーブルに接続されるとサージが発生する可能性があり、サージは検出モジュール10を介して信号処理モジュール20に伝達され、第2ダイオードD2の逆方向絶縁破壊特性によりサージは機能接地GNDに伝達され、このようにして、信号処理モジュール20が保護される。
【0026】
上記の実施例に基づいて、一実施例では、クランプ回路は、負極が第1電源Vccに接続され、正極がオペアンプの同相入力端に接続される第1ダイオードD1をさらに含む。
図2に示すように、同相増幅回路の正負極はそれぞれ第1電源Vccと機能接地GNDに接続され、しかも、同一回路上にあり、第1電源Vccは第1ダイオードD1を介して第2抵抗R2を機能接地GNDに接続し、このため、第1電圧値V1が機能接地GNDの電圧値と第1電源Vccの電圧値との間に設定されることに基づいて、第1ダイオードD1も所定のクランプ作用を果たす。
【0027】
一実施例では、信号処理モジュール20は、フィルタリングするように構成されるフィルタリング回路をさらに含み、フィルタリング回路はオペアンプの出力端と信号出力端との間に接続される。本願の実施例では、フィルタリング回路によって電気信号をフィルタリングすることで、騒音による警報モジュール30への干渉を低減させつつ、警報モジュール30による識別や警報にも有利である。
【0028】
一実施例では、上記のフィルタリング回路は第5抵抗R5と第1コンデンサC1を含み、オペアンプの出力端、第5抵抗R5、第1コンデンサC1及び第2電圧基準面は順次接続され、第5抵抗R5と第1コンデンサC1との接続部位が信号出力端に接続され、これによって、第2電圧値V2が出力される。上記のRCフィルタリング回路は電気信号をフィルタリングすることができる。なお、上記のRC回路はフィルタリング回路の1つの実施形態に過ぎず、当業者であれば、電気信号に基づいて他の構成のフィルタリング回路としてもよく、ここでは詳しく説明しない。
【0029】
警報モジュール30は第2電圧値V2の範囲からインピーダンスRxの大きさを判断し、第2電圧値V2が予め設定された安全電圧の範囲を超えると、警報モジュール30はアラーム、例えば音声アラーム、音響光学アラームなどを出す。
【0030】
警報モジュール30は第2検出信号の大きさに基づいて第1接続ポートと第1電圧基準面との接続状態を判断することができ、例えば、
第2検出信号(すなわち第2電圧値V2)が第1所定値未満である場合、第1接続ポートと第1電圧基準面が非接続状態であると判断し、又は、
第2検出信号(すなわち第2電圧値V2)から第1接続ポートと第1電圧基準面との間のインピーダンスが得られ、かつ、インピーダンスが第2所定値よりも大きい場合、第1接続ポートと第1電圧基準面が非接続状態であると判断する。
【0031】
第1所定値及び第2所定値は必要に応じて設定されてもよく、本願の実施例では限定されない。
【0032】
上記の接続検出回路では、筐体の接地が正常である場合、検出出力端から出力された第1電圧値V1は信号処理モジュール20で処理された後、第2電圧値V2は警報モジュール30に出力され、このとき、第2電圧値V2が警報モジュール30によって予め設定された安全電圧の範囲内であれば、第1接続ポートと第1電圧基準面との接続状態が良好であると判断し、また、警報モジュール30では、現在接地しているインピーダンスRxの値が得られる。筐体の接地が異常である場合、例えば、インピーダンスRxと第1接続ポートが切断された場合、検出出力端は第2抵抗R2を介して機能接地GNDに接続され、これによって、検出出力端から低レベル信号が得られる。前述の計算プロセスによれば、警報モジュール30によって得られた第2電圧値V2も低レベルであり、警報モジュール30は第2電圧値V2から現在接地線が切断されたと確認し、アラームを出す。また、例えば、筐体の接地が不良である場合、インピーダンスRxは抵抗値が極めて大きい抵抗器に相当し、このときにも、検出出力端は低レベル信号を得て、すなわち、第2電圧値V2も低レベルであり、警報モジュール30は第2電圧値V2から現在のインピーダンスRxの抵抗値が安全範囲を超えると確認し、同様にアラームを出す。
【0033】
本願の実施例では、接地インピーダンスRxの大きさをリアルタイムで監視することで筐体の接地の状況を把握することによって、接地インピーダンスが大きすぎることにより誤警報が発生するなどの従来の問題を解決し、このため、信頼性が高く、構造が簡単であり、基地局システムへの統合が容易である。
【0034】
なお、実施例1の接続検出回路については接地状態を検出することだけが説明されているが、接続検出回路は接地状態検出にしか適用できないわけではなく、電圧差に基づく他の接続関係の検出にも有用である。
【0035】
上記の実施例における接続検出回路に基づいて、以下、接続検出回路の具体例を説明する。
【0036】
例1
図2に示すように、接続検出回路は、順次接続された第1接続ポート、検出モジュール10、信号処理モジュール20及び警報モジュール30を含み、第1接続ポートは第1電圧基準面に接続され、検出モジュール10は第1検出部材と、第2検出部材と、検出出力端と、を含み、第1検出部材は第1接続ポートと検出出力端との間に直列接続され、第2検出部材は検出出力端と第2電圧基準面との間に直列接続される。信号処理モジュール20は、信号入力端と信号出力端が設けられ、信号入力端は検出出力端に接続され、信号処理モジュール20は検出モジュール10が検出出力端を介して出力する第1検出信号に基づいて第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成するように構成される。警報モジュール30は信号出力端に接続され、信号出力端によって出力される第2検出信号に基づいて第2電圧基準面と第1電圧基準面との接続状態を判断する。
【0037】
第1接続ポートは筐体に接続され、筐体を介して保護接地PEに接続され、筐体から保護接地PEまでのインピーダンスがRxで表され、これによって、第1電圧基準面は保護接地PEであり、第2電圧基準面は機能接地GNDであり、第1検出部材は第1抵抗R1であり、第2検出部材は第2抵抗R2であり、第1抵抗R1と第2抵抗R2はポテンシャルディバイダーネットワークを構成し、保護接地PEと機能接地GNDとの間の電圧差VpeはインピーダンスRx、第1抵抗R1及び第2抵抗R2からなる回路に印加され、このとき、検出出力端から分圧を出力して得る電圧値は第1電圧値V1として表され、第1電圧値V1は下記の式を満たす。
【数4】
【0038】
信号処理モジュール20はオペアンプと、第3抵抗R3と、第4抵抗R4と、をさらに含み、オペアンプは同相入力端と、逆相入力端と、出力端と、を含み、オペアンプの同相入力端は信号入力端であり、オペアンプの逆相入力端、第3抵抗R3及び機能接地GNDは順次接続され、オペアンプの出力端は第4抵抗R4を介してオペアンプの逆相入力端に接続される。同相増幅回路の出力特性に基づいて、第1電圧値V1を同相増幅回路で処理して得た増幅電圧V0が下記の式を満たす。
【数5】
【0039】
信号処理モジュール20はクランプ回路をさらに含み、クランプ回路は、第1ダイオードD1と、負極がオペアンプの同相入力端に接続され、正極が第2電圧基準面に接続される第2ダイオードD2と、を含み、第2ダイオードD2は、サージが信号処理モジュール20及びバックエンド部分にダメージを与えることを回避するように構成され、第1ダイオードD1の負極は第1電源に接続され、第1ダイオードD1の正極はオペアンプの同相入力端に接続される。
【0040】
信号処理モジュール20は、フィルタリングするように構成されるフィルタリング回路をさらに含み、フィルタリング回路はオペアンプの出力端と信号出力端との間に接続され、フィルタリング回路は第5抵抗R5と第1コンデンサC1を含み、オペアンプの出力端、第5抵抗R5、第1コンデンサC1及び第2電圧基準面は順次接続され、第5抵抗R5と第1コンデンサC1との接続部位が信号出力端に接続され、これによって、第2電圧値V2が出力され、上記のRCフィルタリング回路は増幅電圧V0をフィルタリングして、第2検出信号すなわち第2電圧値V2を得ることができる。
【0041】
警報モジュールは第2電圧値V2の大きさに基づいてインピーダンスRxの大きさを判断し、筐体の接地状態を取得し、第2電圧値V2が予め設定された安全電圧の範囲を超える場合、警報モジュール30はアラーム、例えば音声アラーム、音響光学アラームなどを出す。
【0042】
上記の接続検出回路では、筐体の接地が正常である場合、検出出力端から出力された第1電圧値V1は信号処理モジュール20で処理された後、第2電圧値V2は警報モジュール30に出力され、このとき、第2電圧値V2は警報モジュール30によって予め設定された安全電圧の範囲であれば、警報モジュール30では、現在接地しているインピーダンスRxの値がリアルタイムで得られる。筐体の接地が異常である場合、例えば、インピーダンスRxと第1接続ポートが切断された場合、検出出力端は第2抵抗R2を介して機能接地GNDに接続され、これによって、検出出力端から低レベル信号が得られる。前述の計算プロセスによれば、警報モジュール30は低レベルの第2電圧値V2も取得し、警報モジュール30は第2電圧値V2から現在接地線が切断されたと確認し、アラームを出す。また、例えば、筐体の接地が不良である場合、インピーダンスRxは抵抗値が極めて大きい抵抗器に相当し、このときにも、検出出力端は低レベル信号を得て、すなわち、第2電圧値V2も低レベル信号であり、警報モジュール30は第2電圧値V2から現在のインピーダンスRxの抵抗値が安全範囲を超えると確認し、同様にアラームを出す。
【0043】
例2
図3に示すように、例2の接続検出回路では、例1の接続検出回路と比べて、第1検出部材は第2コンデンサC2である点は相違するが、残りの回路デバイスは同じであり、このため、検出出力端によって出力される第1電圧値V1は下記の式を満たす。
【数6】
ただし、w=2πfであり、fは入力電圧の産業用周波数である。
【0044】
信号処理モジュール20及び警報モジュール30の回路構成が例1と同様であるので、増幅電圧V0の計算も下記の式を満たす。
【数7】
【0045】
フィルタリング回路で増幅電圧V0をフィルタリングして第2検出信号、すなわち第2電圧値V2を得て、警報モジュールによって第2電圧値V2の大きさに基づいてインピーダンスRxの大きさを判断し、筐体の接地状態を得る。
【0046】
例2の作用は例1の作用と同じであるので、重複説明をしないように、例1の説明を参照すればよい。
【0047】
本願の別の実施例は前述接続検出回路を含む警報装置を提案している。警報装置は個別の装置として様々な電気機器に直接取り付けられてもよい。警報装置の第1接続ポートは電気機器の第1電圧基準面に接続されるように構成され、検出電気機器の接続の状況は第1電圧基準面と第2電圧基準面との間の電圧差に基づいて検出される。ここでは、検出出力端は第1電圧基準面と第2電圧基準面との間の電位差に関する第1検出信号を出力し、信号処理モジュールはこの第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成することができ、このため、警報モジュールは第2検出信号に基づいて第2電圧基準面と第1電圧基準面との間の接続状態を正確に判断し、接続検出の検出精度及び信頼性を向上させることができる。
【0048】
本願の別の実施例は、前述警報装置を含む基地局を提案しており、基地局において前述警報装置が使用されることによって、基地局システムの接地の状況をリアルタイムで検出し、基地局の電力使用の安全性を確保することができる。警報装置は、第1電圧基準面と第2電圧基準面との間の電圧差を利用して電気機器の接続の状況を検出し、検出出力端は第1電圧基準面と第2電圧基準面との間の電位差に関する第1検出信号を出力し、信号処理モジュールはこの第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成することができ、このため、警報モジュールは第2検出信号に基づいて第2電圧基準面と第1電圧基準面との間の接続状態を正確に判断し、接続検出の検出精度及び信頼性を向上させることができる。上記した装置の実施例は例示的なものに過ぎず、分離部材として説明されたユニットは物理的に分離されてもよいし、分離されなくてもよい。実際のニーズに応じてモジュールの一部又は全部を選択して本実施例の形態の目的を達成させることができる。
【0049】
本願の実施例は、第1接続ポート、検出モジュール、信号処理モジュール及び警報モジュールを含み、第1接続ポートは第1電圧基準面に接続されるように構成され、検出モジュールは第1検出部材と、第2検出部材と、検出出力端と、を含み、第1検出部材は第1接続ポートと検出出力端との間に直列接続され、第2検出部材は検出出力端と第2電圧基準面との間に直列接続され、信号処理モジュールは信号入力端と信号出力端が設けられ、信号入力端は検出出力端に接続され、信号処理モジュールは、検出モジュールが検出出力端を介して出力する第1検出信号に基づいて第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成するように構成され、警報モジュールは、信号出力端に接続され、信号出力端によって出力される第2検出信号に基づいて第2電圧基準面と第1電圧基準面との間の接続状態を判断するように構成される。本願の実施例による形態によれば、第1接続ポートが第1電圧基準面に接続された場合、検出出力端は第1電圧基準面と第2電圧基準面との間の電位差に関する第1検出信号を出力し、信号処理モジュールはこの第1検出信号に基づいてこの第1検出信号に伴い変化する第2検出信号を生成することができ、このため、警報モジュールは第2検出信号に基づいて第2電圧基準面と第1電圧基準面との間の接続状態を正確に判断し、接続検出の検出精度及び検出信頼性を向上させることができる。
【0050】
以上は、本願のいくつかの実施例を具体的に説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者は、本願の範囲に反することなく、様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これらの均等な変形又は置換は、本願の特許請求の範囲によって定められる範囲内に含まれる。