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特許7502484ネットワークアクセス方法、メディアゲートウェイ、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】ネットワークアクセス方法、メディアゲートウェイ、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 65/1069 20220101AFI20240611BHJP
   H04L 61/256 20220101ALI20240611BHJP
【FI】
H04L65/1069
H04L61/256
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022581647
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2021103194
(87)【国際公開番号】W WO2022002069
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】202010607277.6
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉波
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0150831(US,A1)
【文献】特開2007-060245(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0379931(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0057385(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106656930(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアゲートウェイに適用されるネットワークアクセス方法であって、
ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のプライベートメディアチャネルを確立するステップと、
前記プライベートメディアチャネルと前記ユーザ側に対応するユーザパブリックネットワーク伝送リソースとをバインドし、前記ユーザ側と前記ターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを得て、前記ターゲットプラットフォームが前記メディアリンクを介して前記ユーザ側とメディア通信を行うようにするステップであって、前記ユーザパブリックネットワーク伝送リソースは、前記ユーザ側のローカル伝送リソースがネットワークアドレス変換NAT機器により変換されて得られる伝送リソースであるステップと、
を含むネットワークアクセス方法。
【請求項2】
ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のプライベートメディアチャネルを確立する前記ステップは、
前記ターゲットプラットフォームにターゲットプライベートメディア通信ポートを割り当て、前記ユーザ側にユーザプライベートメディア通信ポートを割り当てるステップと、
前記ターゲットプライベートメディア通信ポートと前記ユーザプライベートメディア通信ポートとの間のマッピング関係を確立して、前記プライベートメディアチャネルを形成するステップと、
を含む請求項1に記載のネットワークアクセス方法。
【請求項3】
前記ユーザパブリックネットワーク伝送リソースには、NATパブリックネットワークアドレスと、前記NATパブリックネットワークアドレスに対応するNATパブリックネットワークメディアポートとが含まれ、
前記プライベートメディアチャネルと前記ユーザ側に対応するユーザパブリックネットワーク伝送リソースとをバインドし、前記ユーザ側と前記ターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを得て、前記ターゲットプラットフォームが前記メディアリンクを介して前記ユーザ側とメディア通信を行うようにする前記ステップは、
前記NATパブリックネットワークメディアポートと前記ユーザプライベートメディア通信ポートとをバインドして、前記メディアリンクを形成するステップを含む
請求項2に記載のネットワークアクセス方法。
【請求項4】
前記NATパブリックネットワークメディアポートと前記ユーザプライベートメディア通信ポートとをバインドして、前記メディアリンクを形成するステップの前に、前記方法は、
前記ユーザ側から送信されたNATデータパケットに応じて、前記NATパブリックネットワークアドレスと前記NATパブリックネットワークメディアポートとを取得するステップと、
前記NATパブリックネットワークアドレスと前記NATパブリックネットワークメディアポートとを前記ユーザ側に返すステップと、
をさらに含む請求項3に記載のネットワークアクセス方法。
【請求項5】
前記プライベートメディアチャネルと前記ユーザ側に対応するユーザパブリックネットワーク伝送リソースとをバインドし、前記ユーザ側と前記ターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを得るステップの後に、前記方法は、
前記ユーザ側から送信されたデータパケットトランスポート層セキュリティプロトコルdtlsネゴシエーション要求に応じて、前記ユーザ側とdtlsネゴシエーションを行うステップ
をさらに含む請求項1から4の何れか1項に記載のネットワークアクセス方法。
【請求項6】
前記ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のプライベートメディアチャネルを確立する前記ステップの前に、前記方法は、
シグナリングゲートウェイから送信された前記ユーザ側のユーザメディアネゴシエーション情報に応じて、前記ユーザメディアネゴシエーション情報を前記ターゲットプラットフォームに転送するステップと、
前記ターゲットプラットフォームから送信されたターゲットメディアネゴシエーション情報に応じて、前記ターゲットメディアネゴシエーション情報を前記シグナリングゲートウェイに転送し、前記シグナリングゲートウェイにより、前記ターゲットメディアネゴシエーション情報を前記ユーザ側に送信して、前記ユーザ側と前記ターゲットプラットフォームとの間でメディアネゴシエーションを完了させるステップと、
をさらに含み、
前記ユーザ側は、ブラウザを介して前記シグナリングゲートウェイと通信するか、または、前記ユーザ側は、ブラウザを介して前記メディアゲートウェイと通信する
請求項1から4の何れか1項に記載のネットワークアクセス方法。
【請求項7】
ユーザ側に適用されるネットワークアクセス方法であって、
既定のブラウザを実行して、前記ブラウザを介してシグナリングゲートウェイと通信するか、または前記ユーザ側が前記ブラウザを介してメディアゲートウェイと通信するステップと、
前記ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクの構築が完了した状態で、前記ブラウザを介してターゲットプラットフォームの空きエージェントとリアルタイムのメディア通信を確立するステップと、を含み、
前記シグナリングゲートウェイは前記メディアゲートウェイと通信可能に接続され、前記メディアゲートウェイは、前記ターゲットプラットフォームと通信可能に接続される、
むネットワークアクセス方法。
【請求項8】
メディアゲートウェイであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、
を備え、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶され、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項1から6の何れか一項に記載のネットワークアクセス方法を実行できる
メディアゲートウェイ。
【請求項9】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、
を備え、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶され、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項7に記載のネットワークアクセス方法を実行できる
電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、請求項1から6の何れか一項に記載のネットワークアクセス方法、または請求項7に記載のネットワークアクセス方法を実現する
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が「202010607277.6」で、出願日が2020年6月29日である中国特許出願に基づいて提出され、その中国特許出願の優先権を主張し、その中国特許出願の全文を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願の実施形態は、通信の分野に関し、特に、ネットワークアクセス方法、メディアゲートウェイ、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピューターインターネット技術の絶え間ない発展に伴い、ピアツーピア(Peer-to-Peer、略して「P2P」)通信がます一般的になってきている。IPv6が普及する前にIPv4のネットワークアドレス不足の問題を緩和するために、ネットワークアドレス変換(Network Address Translation、略して「NAT」)機器が広く使用されている。NAT機器では、異なるイントラネットにあるノード間の直接通信が困難であり、これがP2Pアプリケーションの発展を大きく制限している。NATトラバーサル技術は、いくつかの技術的手段によって、異なるイントラネットにあるノードが直接通信できるようにする。一般的なNATトラバーサル技術には、NATセッショントラバーサルユーティリティ(Session Traversal Utilities for NAT、略して「STUN」)、応答することでNATをトラバーサルする(Traversal Using Relays around NAT、略して「TURN」)技術などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在のSTUNトラバーサル技術は、対称NATタイプのトラバーサルをサポートしておらず、使用に限界がある。また、TURNの方は、TURNサーバなどの追加の機器を配置する必要があるため、ネットワークコストの増大や拡張性の低下につながる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施形態によれば、メディアゲートウェイに適用されるネットワークアクセス方法を提供し、前記ネットワークアクセス方法は、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のプライベートメディアチャネルを確立するステップと、プライベートメディアチャネルとユーザ側のNAT変換後のユーザパブリックネットワーク伝送リソースとをバインドし、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを得て、ターゲットプラットフォームがメディアリンクを介してユーザ側とメディア通信を行うようにする。
【0006】
本願の実施形態によれば、ユーザ側に適用されるネットワークアクセス方法をさらに提供し、前記ネットワークアクセス方法は、既定のブラウザを実行して、ブラウザを介してシグナリングゲートウェイと通信するか、またはユーザ側がブラウザを介してメディアゲートウェイと通信するステップと、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクの構築が完了した状態で、ブラウザを介してターゲットプラットフォームの空きエージェントとリアルタイムのメディア通信を確立するステップと、を含む。
【0007】
本願の実施形態はメディアゲートウェイをさらに提供する。前記メディアゲートウェイは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備え、メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサによりメディアゲートウェイに適用されるネットワークアックス方法を実行できる。
【0008】
本願の実施形態は電子機器をさらに提供する。前記電子機器は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備え、メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行できる指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサによりユーザ側でのネットワークアックス方法を実行できる。
【0009】
本願の実施形態はコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶しており、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、上記に記載のネットワークアクセス方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一つ又は複数の実施形態をそれに対応する添付図面中の画像によって例示的に示し、これらの例示的な説明は、実施形態に対する限定を構成するわけではない。
【0011】
図1】本願の第1実施形態におけるネットワークアクセス方法のフローチャートである。
図2】本願の第2実施形態におけるネットワークアクセス方法のフローチャートである。
図3】本願の第3実施形態におけるネットワークアクセス方法の模式インタラクション図である。
図4】本願の第4実施形態におけるメディアゲートウェイの構成模式図である。
図5】本願の第5実施形態における電子機器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施形態を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施形態において、読み手に本願をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかし、これらの技術的詳細及び以下の各実施形態に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の保護を求める技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためになされており、本願の具体的な実施形態にいかなる限定を構成すべきではなく、各実施形態は、矛盾しない限り、組み合わせたり互いに引用したりすることができる。
【0013】
本願の実施形態の目的は、追加の機器を配置することなく、ネットワーク展開のコストを低減し、NATトラバーサルを行うための配置の難易度及びコストを低減するネットワークアクセス方法を提供することである。
【0014】
本願の第1実施形態は、ネットワークアクセス方法に関し、そのフローは図1に示されている。
【0015】
ステップ101において、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のプライベートメディアチャネルを確立する。
【0016】
ステップ102において、プライベートメディアチャネルとユーザ側に対応するユーザパブリックネットワーク伝送リソースとをバインドし、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを得て、ターゲットプラットフォームがメディアリンクを介してユーザ側とメディア通信を行うようにし、ユーザパブリックネットワーク伝送リソースは、ユーザ側のローカル伝送リソースがネットワークアドレス変換NAT機器により変換されて得られる伝送リソースである。
【0017】
従来技術と比較して、本願の実施形態によれば、メディアゲートウェイは、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間にプライベートメディアチャネルを確立し、プライベートメディアチャネルとユーザ側に対応するユーザパブリックネットワーク伝送リソースとをバインドし、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを得て、ターゲットプラットフォームが該メディアリンクを介してユーザ側とメディア通信を行うようにし、メディアゲートウェイは、ユーザパブリックネットワーク伝送リソースとプライベートメディアチャネルとをバインドすることによって、ターゲットプラットフォームが該ユーザ側のユーザパブリックネットワーク伝送リソースを知ることができ、さらにメディアリンクを介してユーザ側にデータを送信することができるようにする。メディア通信では、メディアデータを転送するためには、通常、メディアゲートウェイを設置する必要があり、メディアゲートウェイを介してユーザ側とターゲットプラットフォームのためにメディアリンクを確立することで、追加の機器を配置する必要はなく、また、ネットワーク構成を変更する必要もなく、ネットワーク展開の難易度とコストを低減するとともに、ユーザ側は対応するユーザゲートウェイ伝送リソースを有し、すなわち、ユーザ側は独立したパブリック伝送リソースを有するため、たとえユーザ側はNAT対称ネットワークにあっても、メディアリンクを得て通信することによって、ユーザ側がネットワークにアクセスする時の制限を解除することができる。
【0018】
本願の第2実施形態はユーザ側に適用されるネットワークアクセス方法に関し、そのフローは図2に示されている。
【0019】
ステップ201において、既定のブラウザを実行して、ブラウザを介してシグナリングゲートウェイまたはメディアゲートウェイと通信する。
【0020】
ステップ202において、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクの構築が完了した状態で、ブラウザを介してターゲットプラットフォームの空きエージェントとリアルタイムのメディア通信を確立する。
【0021】
本実施形態により提供されるネットワークアクセス方法によれば、既定のブラウザを実行して、ブラウザを介してシグナリングゲートウェイとの通信、またはブラウザを介してメディアゲートウェイと行う通信を実現し、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクの確立が完了した状態で、ブラウザを介してターゲットプラットフォームの空きエージェントとリアルタイムのメディア通信を確立し、ネットワークへのアクセスを実現するために特定のアプリケーションや特定のコンポーネントをインストールする必要がないため、ターゲットプラットフォームとリアルタイムのメディア通信を行うコストおよびリアルタイムのメディア通信を行う際の制限を低減し、リアルタイムメディアの使用範囲を拡張する。
【0022】
第1実施形態と第2実施形態をよりよく理解するために、以下の第3実施形態は、ネットワークアクセスの模式インタラクション図である図3に関連して、ネットワークアクセス方法の具体的なプロセスを詳細に説明する。
【0023】
ユーザ側は、ユーザ側のユーザメディアネゴシエーション情報をシグナリングゲートウェイに送信するステップS11を実行する。
【0024】
具体的には、ユーザ側は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、PAD、VR機器などとすることができる。本実施形態において、ユーザ側がネットワークにアクセスするプロセスに関与する機器には、シグナリングゲートウェイと、メディアゲートウェイと、ユーザ側と、ターゲットプラットフォームとが含まれ、シグナリングゲートウェイはメディアゲートウェイと通信可能に接続され、メディアゲートウェイはターゲットプラットフォームと通信可能に接続される。ターゲットプラットフォームには、メディアサーバやその他のサービスサーバなど、さまざまな機能を持つサービスが含まれる。
【0025】
本実施形態において、ユーザ側は、既定のブラウザを実行して、ブラウザを介してシグナリングゲートウェイと通信するか、またはユーザ側がブラウザを介してメディアゲートウェイと通信し、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクの構築が完了した状態で、ブラウザを介してターゲットプラットフォームの空きエージェントとリアルタイムのメディア通信を確立する。
【0026】
具体的には、該既定のブラウザのサーバはパブリックネットワークに配置され、該ブラウザは、ユーザ側にコールサービスを提供し、ユーザ側でNATトラバーサルするのを補助するために使用される。ブラウザがシグナリングゲートウェイといつでも通信できるように、ブラウザのサーバは、シグナリングゲートウェイとハートビート接続を確立する。ユーザ側はこのブラウザを実行し、ブラウザのサーバは端末に提示ページを提供する。ユーザは、この提示ページを操作して、ブラウザがメディアサーバに対してリアルタイムのメディアコールを開始するようにトリガすること可能で、ここで、該シグナリングゲートウェイは、リアルタイムメディアシグナリングゲートウェイであってもよい。例えば、ユーザ側に提示されるページにはコールコントロールが表示され、ユーザは該コントロールをクリックすることにより、ブラウザがメディアサーバに対してリアルタイムのメディアコールを開始するようにトリガするが、ブラウザはまた、リアルタイムのメディアコールを開始する他の方法を提供することも可能であり、本実施形態では羅列しない。
【0027】
ブラウザがリアルタイムのメディアコールを開始した後、ブラウザは、ユーザ側のユーザメディアネゴシエーション情報を取得し、メディアサーバに対してメディアネゴシエーション要求を送信する。ユーザメディアネゴシエーション情報には、ユーザ側でサポートされているメディア能力とパラメータ情報とが含まれ、ユーザ側でサポートされているメディア能力は、ユーザ側でサポートされているメディアタイプ、例えばユーザ側でサポートされているビデオのメディアタイプ、音声のメディアタイプなどであり、パラメータ情報は例えば、サンプリングレート、解像度などである。ユーザ側は、該ブラウザを介してユーザメディアネゴシエーション情報をシグナリングゲートウェイに送信する。
【0028】
特に、ユーザ側がブラウザを実行し、該ブラウザがリアルタイムのメディアコールを行い、ブラウザはダウンロードする必要がないため、いつでもメディアサーバにアクセスする目的を実現する。
【0029】
なお、当然のことながら、ユーザ側も、指定されたアプリケーションを介してメディアゲートウェイに対してメディアネゴシエーションを開始することもできる。
【0030】
シグナリングゲートウェイは、ユーザメディアネゴシエーション情報をメディアゲートウェイに送信するステップS12を実行する。
【0031】
メディアゲートウェイは、シグナリングゲートウェイから送信されたユーザ側のユーザメディアネゴシエーション情報に応じて、ユーザメディアネゴシエーション情報をターゲットプラットフォームに転送するステップS13を実行する。
【0032】
メディアゲートウェイは、ターゲットプラットフォームから送信されたターゲットメディアネゴシエーション情報に応じて、ターゲットメディアネゴシエーション情報をシグナリングゲートウェイに転送するステップS14を実行する。
【0033】
具体的には、ターゲットプラットフォーム内のメディアサーバは、ユーザメディアネゴシエーション情報を受信すると、メディアサーバのターゲットメディアネゴシエーション情報をメディアゲートウェイに送信し、ターゲットメディアネゴシエーション情報には、メディアサーバがサポートするメディア能力とパラメータ情報とが含まれる。メディアゲートウェイは、このターゲットメディアネゴシエーション情報をシグナリングゲートウェイに送信する。
【0034】
シグナリングゲートウェイは、ターゲットメディアネゴシエーション情報をユーザ側に送信して、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間でメディアネゴシエーションを完了させるステップS15を実行する。
【0035】
ユーザ側は、シグナリングゲートウェイから転送されたターゲットメディアネゴシエーション情報をブラウザを介して受信し、ターゲットプラットフォームとの間でのメディアネゴシエーションを実現する。
【0036】
メディアゲートウェイは、ユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のプライベートメディアチャネルを確立するステップS16を実行する。
【0037】
一例において、ターゲットプラットフォームにターゲットプライベートメディア通信ポートを割り当て、ユーザ側にユーザプライベートメディア通信ポートを割り当て、ターゲットプライベートメディア通信ポートとユーザプライベートメディア通信ポートとの間のマッピング関係を確立して、プライベートメディアチャネルを形成する。
【0038】
具体的には、ユーザ側がターゲットプラットフォームとのメディアネゴシエーションを完了すると、メディアゲートウェイはコールセッションを確立し、ターゲットプラットフォームにターゲットプライベートメディア通信ポートを割り当て、ユーザ側にユーザプライベートメディア通信ポートを割り当てる。ターゲットプライベートメディア通信ポートは、メディアゲートウェイによりメディアサーバに割り当てられるメディア通信UDPポートであってもよく、ユーザプライベートメディア通信ポートは、メディアゲートウェイによりユーザ側に割り当てられるメディア通信UDPポートであってもよい。メディアゲートウェイは、ターゲットプライベートメディア通信ポートとユーザプライベートメディアポートとの間のマッピング関係を確立して、プライベートメディアチャネルを形成する。例えば、メディアゲートウェイは、ユーザ側にメディア通信UDPポートをリアルタイムで割り当てて、port1として記すとともに、ターゲットプラットフォームのメディアサーバにメディア通信UDPポートを割り当てて、port2として記すことが可能であり、port1とport2との間のマッピング関係を確立し、該マッピング関係は、作成されるセッションに関連付けられる。さらに、このセッションを行う際、マッピング関係に従って、メディアサーバから送信されたデータは、port2に流入し、port1から流出する。
【0039】
ユーザ側は、メディアゲートウェイにNATデータパケットを送信するステップS17を実行する。
【0040】
具体的には、NATデータパケットはSTUNデータパケットとすることができ、ユーザ側がブラウザを介してメディアゲートウェイにSTUNデータパケットを送信することで、メディアゲートウェイがユーザ側のユーザパブリックネットワーク伝送リソースを取得できるようにする。ユーザパブリックネットワーク伝送リソースには、NATパブリックネットワークアドレスと、NATパブリックネットワークアドレスに対応するNATパブリックネットワークメディアポートとが含まれる。
【0041】
なお、ユーザ側自体が内部ネットワークにあり、ユーザ側がパブリックネットワークにアクセスする場合、NAT機器を介してプライベートネットワークアドレスをNAT機器のパブリックネットワークアドレスとNAT機器のパブリックネットワークポートに変換し、変換後のパブリックネットワークアドレスとNAT機器のパブリックネットワークポートとを介してパブリックネットワークにアクセスする。本実施形態におけるNATパブリックネットワークアドレスは、ユーザ側のプライベートネットワークアドレスの、NAT機器による変換後のパブリックネットワークアドレスと変換後のパブリックネットワークポートである。
【0042】
メディアゲートウェイは、ユーザ側から送信されたNATデータパケットに応じて、NATパブリックネットワークアドレスとNATパブリックネットワークメディアポートとを取得し、NATパブリックネットワークアドレスとNATパブリックネットワークメディアポートとをユーザ側に返すステップS18を実行する。
【0043】
具体的には、ネットワーク環境は複雑であるため、ユーザ側がさまざまなネットワーク環境にある可能性があり、ユーザがイントラネットネットワークにある場合、NAT機器を介してパブリックネットワークにアクセスし、通常、ユーザが2つのレベルのNAT機器の後にある場合、NAT機器を介してパブリックネットワークにアクセスし、ユーザ側がリアルタイムメディア通信を行う必要がある場合、NATトラバーサルを行う必要があり、すなわち、ユーザ側は、変換後のパブリックネットワークアドレスとポートを知る必要がある。
【0044】
メディアゲートウェイは、ユーザ側から送信されたNATデータパケットを受信すると、該ユーザ側へのNATパブリックネットワークアドレスとNATパブリックネットワークメディアポートを取得することができる。該ユーザ側のNATパブリックネットワークアドレスとNATパブリックネットワークメディアポートを該ユーザ側に返し、ユーザ側は、NATパブリックネットワークアドレスとNATパブリックネットワークメディアポートを受信すると、メディアサーバとの間でメディアパケットの送受信を行うことができる。
【0045】
メディアゲートウェイは、NATパブリックネットワークメディアポートとユーザプライベートメディア通信ポートとをバインドして、メディアリンクを形成するステップS19を実行する。
【0046】
具体的には、NATパブリックネットワークメディアポートとユーザプライベートメディア通信ポートとをバインドして、メディアリンクを形成する。該メディアリンクは、ユーザ側のプライベートネットワークメディアポート→ユーザ側のNATパブリックネットワークメディアポート→ユーザ側のプライベートメディア通信ポート→ターゲットプライベートメディア通信ポート→メディアサーバのメディアポートとなる。
【0047】
メディアサーバは、該メディアリンクを利用すれば、メディアデータをユーザ側に送信し、ユーザ側とのリアルタイムのメディア通信を実現することができる。
【0048】
ユーザ側は、メディアゲートウェイに対してdtlsネゴシエーションを開始するステップS20を実行する。
【0049】
メディアゲートウェイは、ユーザ側から送信されたデータパケットトランスポート層セキュリティプロトコルdtlsネゴシエーション要求に応じて、ユーザ側とdtlsネゴシエーションを行うステップS21を実行する。
【0050】
具体的には、メディアリンクのセキュリティを保証するために、ユーザ側は、データパケットトランスポート層セキュリティプロトコルdtlsネゴシエーション要求をメディアゲートウェイに送信し、ユーザ側から送信されたデータパケットトランスポート層セキュリティプロトコルdtlsネゴシエーション要求に応じて、ユーザ側とdtlsネゴシエーションを行い、メディアリンクに対する暗号化機能を実現し、メディアリンクのセキュリティを提供する。
【0051】
メディアリンクは、図3のボールド体双方向矢印のようであり、メディアリンクの確立が完了すると、ターゲットプラットフォームは、ユーザ側に対してコールを開始し、空きエージェントを待つ。
【0052】
具体的には、メディアリンクの確立が完了すると、ターゲットプラットフォームのビジネスサービスセンタは、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol,SIP)コールをユーザ側に対して開始し、該空きエージェントを待つ。ユーザ側は、該SIPコールに応じて、該メディアリンクを介して空きエージェントとリアルタイムのメディア通話を確立する。
【0053】
本例のネットワークアクセス方法によれば、メディアゲートウェイを介してユーザ側とターゲットプラットフォームとの間のメディアリンクを確立し、メディアリンクが確立されると、該メディアリンクを暗号化して、メディアリンクのセキュリティを向上させる。また、ユーザ側はブラウザを実行してメディアゲートウェイと通信することで、メディアリンクの確立を実現するため、ユーザがユーザ側で追加のアプリケーションプログラムをダウンロードする必要がなく、ユーザ側とターゲットプラットフォームとのリアルタイムメディア通信のコストを低減するとともに、ブラウザの可搬性が強く、リアルタイムメディア通信の使用シーンを改善する。
【0054】
当業者であれば、上記の各種方法のステップ分けは、単に明確に説明するためになされたものであり、実装時に1つのステップに統合するか、又は一部のステップを複数のステップに再分割することができ、同一の論理的関係が含まれていれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれること、アルゴリズム及びプロセスの中核となる設計を変更せずに、そのアルゴリズム又はプロセスに重要でない修正を加えたり、又は重要でない設計を導入したりしたものであれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれることは、理解できるであろう。
【0055】
本発明の第4実施形態はメディアゲートウェイに関する。その構成として、図4に示すように、少なくとも1つのプロセッサ401と、少なくとも1つのプロセッサ401と通信可能に接続されたメモリ402とを含み、メモリ402には少なくとも1つのプロセッサ401により実行できる指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサ401により実行されることで、少なくとも1つのプロセッサ401により上記のネットワークアクセス方法を実行できる。
【0056】
本発明の第5実施形態は電子機器に関する。その構成として、図4に示すように、少なくとも1つのプロセッサ501と、少なくとも1つのプロセッサ501と通信可能に接続されたメモリ502とを含み、メモリ502には少なくとも1つのプロセッサ501により実行できる指令が記憶されており、指令が少なくとも1つのプロセッサ501により実行されることで、少なくとも1つのプロセッサ501により上記のネットワークアクセス方法を実行できる。
【0057】
ここで、メモリおよびプロセッサはバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含むことができ、バスによって1つまたは複数のプロセッサとメモリの様々な回路が一つに接続される。バスはまた、周辺機器、電圧安定器、およびパワーマネジメント回路などの様々な他の回路を一つに接続することができるが、これらは当分野で周知なことであるので、本文ではこれ以上説明しない。バスインターフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供する。トランシーバは、1つの素子であってもよく、複数の受信機および送信機のような複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々な他の装置と通信するための手段を提供する。プロセッサによって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはまたデータを受信して、プロセッサにデータを伝送する。
【0058】
プロセッサは、バスの管理および通常の処理を担う以外にも、さらにタイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電源管理、およびその他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。一方、メモリは、プロセッサによりオペレーションを実行するときに使用されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0059】
本願の第6実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体に関する。コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された時、上記のネットワークアクセス方法の実施形態を実現する。
【0060】
すなわち、当業者であれば、上記の実施形態の方法における全部または一部のステップを実施することは、プログラムによって関連するハードウェアに指令することによって実現できることは、理解できるであろう。このプログラムは1つの記憶媒体に記憶され、1つの装置(ワンチップコンピュータ、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)に本願の各実施形態の方法の全部または一部のステップを実行させるためのいくつかの指令を含む。一方、上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等、プログラムコードを記憶可能な種々の媒体を含む。
【0061】
当業者であれば、上記の各実施例は、本出願を実施するための具体的な実施例であり、実際の応用においては、本願の精神及び範囲を逸脱することなく、形式的に及び細部に様々な変更を加えることができることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5