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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】油中水型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/06 20060101AFI20240611BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20240611BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/39
A61K8/44
A61K8/63
A61K8/68
A61K8/73
A61K8/894
A61Q19/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023004989
(22)【出願日】2023-01-17
(62)【分割の表示】P 2018103604の分割
【原出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2023033464
(43)【公開日】2023-03-10
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2017107247
(32)【優先日】2017-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】對間 秀利
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-111401(JP,A)
【文献】特開2014-015425(JP,A)
【文献】特開2012-250922(JP,A)
【文献】特開2001-187711(JP,A)
【文献】国際公開第2011/118497(WO,A1)
【文献】特許第5247127(JP,B2)
【文献】特許第5667383(JP,B2)
【文献】特許第5944707(JP,B2)
【文献】特開2013-107865(JP,A)
【文献】特開2011-021007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)並びに(F):
(A)シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上のHLBが2~6の親油性界面活性剤 1質量%以上5質量%以下、
(B)脂肪酸部分の炭素数が8~22のデキストリン脂肪酸エステル 0.2質量%以上8質量%以下、
(C)ダイマージリノール酸エステル、炭素数16~22の脂肪酸フィトステロールエステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油性成分 質量%以上20質量%以下、
(D)25℃で液状の炭化水素油 質量%以上12質量%以下、
(E)水、
(F)セラミド
を含有する油中水型乳化組成物。
【請求項2】
成分(F)の含有量が質量%以上25質量%以下である請求項1記載の油中水型乳化組成物。
【請求項3】
成分(C)がダイマージリノール酸エステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の油中水型乳化組成物。
【請求項4】
成分(A)がポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1~のいずれか1項記載の油中水型乳化組成物。
【請求項5】
25℃における粘度が15Pa・s以上5000Pa・s以下のクリーム状である請求項1~のいずれか1項記載の油中水型乳化組成物。
【請求項6】
成分(A)がポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1~のいずれか1項記載の油中水型乳化組成物。
【請求項7】
成分(F)が、一般式(1)で示される化合物である請求項1~のいずれか1項記載の油中水型乳化組成物。
【化1】
〔式中、R1bは炭素数10~26の炭化水素基、R2bは炭素数9~25の炭化水素基を示し、Xは-(CH2)n-(ここでnは2~6の整数を示す)を示す。〕
【請求項8】
成分(D)が、スクワランである請求項1~のいずれか1項記載の油中水型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油中水型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイマー酸エステルやN-アシルアミノ酸エステル等のペースト状の油性成分が優れた抱水性を有することが知られ、保湿性を有する化粧料に使用されている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2010-513221号公報
【文献】特開2013-63967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単にダイマー酸エステルやN-アシルアミノ酸エステル等の抱水性油性成分を配合した油中水型乳化組成物の水分閉塞性は未だ十分満足できるものとは言えず、さらに使用感、塗布後の感触等に優れる化粧料が望まれている。
従って、本発明の課題は、水分閉塞性に優れ、使用感、塗布後の感触等に優れる油中水型乳化組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、前記ダイマー酸エステルやN-アシルアミノ酸エステル等の抱水性油性成分を含む油中水型乳化組成物を製造し、その特性を検討してきたところ、これに特定のHLB値を有する親油性界面活性剤、デキストリン脂肪酸エステル及び25℃で液状の炭化水素油を特定の比率で配合すれば、水分閉塞性が顕著に向上し、肌の保護感やツヤ感に優れ、さらに保存安定性、塗布後の感触も良好な油中水型乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)並びに(E):
(A)HLBが2~6の親油性界面活性剤 1質量%以上15質量%以下、
(B)脂肪酸部分の炭素数が8~22のデキストリン脂肪酸エステル 0.15質量%以上8質量%以下、
(C)ダイマー酸エステル、炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステル、炭素数16~22の脂肪酸フィトステロールエステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油性成分 1質量%以上20質量%以下、
(D)25℃で液状の炭化水素油、
(E)水
を含有する油中水型乳化組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油中水型乳化組成物は、塗布した時に優れた水分閉塞性、すなわち、バリア機能を有し、かつ肌の保護感及びツヤ感に優れるとともに、塗布した肌のベトツキ感や違和感がなく良好な使用感であり、長期保存しても乳化系が分離せず安定性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の油中水型乳化組成物には、油性成分を乳化するために、また長期保存安定性を良好なものとするために、成分(A)HLBが2~6の親油性界面活性剤が用いられる。
HLBが2~6の親油性界面活性剤としては、HLBが2~6の範囲にある非イオン界面活性剤が好ましく、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンや、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、アルキルシリコーンデンドロンポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、またそれぞれについて、シリコーン鎖が直鎖のタイプ、分岐鎖のタイプ、シリコーン鎖が架橋されたタイプのものが挙げられ、これらは、信越化学工業社、東レ・ダウコーニング社、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社、旭化成ワッカーシリコーン社等から販売されているものを用いることができる。
【0009】
成分(A)としては、乳化性、長期貯蔵安定性、水分閉塞性の向上や好適な粘度に調製する観点から、また、肌に塗布した時のベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感にする観点からこれらのうち、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルがより好ましく、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン系界面活性剤がさらに好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン系界面活性剤がよりさらに好ましく、シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
【0010】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリグリセリン部分は2~20個のグリセリンが縮合したものであり、水分閉塞性、肌の保護感、ツヤ感及び貯蔵安定性、塗布した肌のベトツキ感や違和感がなく良好な使用感にする観点から、脂肪酸部分はC8-C24脂肪酸であるのが好ましい。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、水分閉塞性、肌の保護感、ツヤ感及び貯蔵安定性、塗布した肌のベトツキ感や違和感がなく良好な使用感にする観点から、ポリグリセリンジ脂肪酸エステル、ポリグリセリントリ脂肪酸エステルが好ましく、ポリグリセリンジ脂肪酸エステルがより好ましい。脂肪酸部分としてはC14-C22の脂肪酸が好ましく、C16-C22の脂肪酸がより好ましく、オレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸がさらに好ましく、イソステアリン酸、ステアリン酸がよりさらに好ましく、イソステアリン酸が特に好ましい。
より具体的には、ポリグリセリンジC16-C22脂肪酸エステル、ポリグリセリントリC16-C22脂肪酸エステルが好ましく、ポリグリセリンジイソステアリン酸エステル、ポリグリセリントリイソステアリン酸エステルがより好ましく、ポリグリセリンジイソステアリン酸エステルがさらに好ましい。
またこれらのポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリン部分は2~12個のグリセリンが縮合したものが好ましく、2~10個のグリセリンが縮合したものがより好ましく、2~3個のグリセリンが縮合したものがさらに好ましく、2個のグリセリンが縮合したものがよりさらに好ましい。
【0011】
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンが好ましく、ポリエーテル変性シリコーンが特に好ましい。シリコーン鎖としては、直鎖のタイプ、分岐鎖のタイプ、架橋型のタイプが好ましく、直鎖のタイプ、分岐鎖のタイプがより好ましく、直鎖のタイプがさらに好ましい。より具体的には、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーン、シリコーン鎖が分岐鎖のポリエーテル変性シリコーン、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、シリコーン鎖が分岐鎖のポリエーテル・アルキル共変性シリコーンが好ましく、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーン、シリコーン鎖が分岐鎖のポリエーテル変性シリコーンがより好ましく、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーンがさらに好ましい。
【0012】
成分(A)としては、乳化性、長期貯蔵安定性、水分閉塞性を特に向上し、好適な粘度に調製する観点から、また、肌に塗布した時にベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感にする観点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーン、シリコーン鎖が分岐鎖のポリエーテル変性シリコーンが好ましく、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーンがさらに好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーンがよりさらに好ましく、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーンが特に好ましい。
これらは1種又は2種以上を用いることができ、乳化性、長期貯蔵安定性を向上すると共に、優れた水分閉塞性を保持しつつ、肌の保護感、肌を覆う感じ、及びツヤ感に優れ、ベトツキ感や違和感がない良好な使用感にする観点から2種以上を用いることが好ましい。
【0013】
市販されているものとしては、シリコーンBY11-030(PEG/PPG-19/19 Dimethicone)(東レ・ダウコーニング社)、シリコーンBY22-008M(PEG/PPG-19/19 Dimethicone)(東レ・ダウコーニング社)、シリコーンSH3775M(PEG-12 Dimethicone)(東レ・ダウコーニング社)、シリコーンKF-6015(PEG-3ジメチコン)(信越化学工業社)、シリコーンKF-6017(PEG-10ジメチコン)(信越化学工業社)、シリコーンKF-6028(PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)(信越化学工業社)等のポリエーテル変性シリコーン;エマレックスHC-5(PEG-5水添ヒマシ油)(日本エマルジョン社)、エマレックスRWIS-315(トリイソステアリン酸PEG-15水添ヒマシ油)(日本エマルジョン社)等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。これらの中でも、シリコーンBY11-030(PEG/PPG-19/19 Dimethicone)、シリコーンSH3775M(PEG-12 Dimethicone)、シリコーンKF-6015(PEG-3ジメチコン)、シリコーンKF-6017(PEG-10ジメチコン)、シリコーンKF-6028(PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、エマレックスHC-5(PEG-5水添ヒマシ油)、イソステアリルグリセリルエーテルがより好ましく、シリコーンKF-6015(PEG-3ジメチコン)、シリコーンKF-6017(PEG-10ジメチコン)、イソステアリルグリセリルエーテルがさらに好ましい。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0014】
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lypophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
【0015】
成分(A)は、本発明の油中水型乳化組成物中に1質量%以上15質量%以下含有される。成分(A)の含有量がこの範囲内であれば、本発明の油中水型乳化組成物の乳化性、長期貯蔵安定性、水分閉塞性が向上し、好適な粘度に調製され、塗布した肌のベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感が得られる。成分(A)の含有量は、同様の点から、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、また、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、6質量%以下がよりさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましく、4.5質量%以下が最も好ましい。具体的な範囲としては、1.5質量%以上12質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましく、2質量%以上8質量%以下がさらに好ましく、2質量%以上6質量%以下がよりさらに好ましく、2.5質量%以上5質量%以下が特に好ましく、2.5質量%以上4.5質量%以下が最も好ましい。
【0016】
また本発明の油中水型乳化組成物は、ポリグリセリン脂肪酸エステルとそれ以外のHLBが2~6の親油性界面活性剤とを併用することにより、優れた水分閉塞性を保持しつつ、肌の保護感、ツヤ感が良好でかつ長期保存安定性も良好なものとなる。
【0017】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとそれ以外のHLBが2~6の親油性界面活性剤とを併用する場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、本発明の油中水型乳化組成物中に0.5質量%以上8質量%以下含有することが好ましく、この範囲内であれば、十分な水分閉塞性が得られるとともに、肌の保護感、ツヤ感も良好であり、塗布した肌のベトツキ感や違和感がなく良好な使用感であり、かつ長期保存安定性にも優れる。またポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、同様の観点から0.7質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上がよりさらに好ましく、また、7質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましく、3質量%以下がよりさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.7質量%以上7質量%以下がより好ましく、0.8質量%以上6質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上5質量%以下がよりさらに好ましく、1質量%以上3質量%以下がよりさらに好ましい。
【0018】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとそれ以外のHLBが2~6の親油性界面活性剤とを併用する場合の、ポリグリセリン脂肪酸エステル以外のHLBが2~6の親油性界面活性剤の含有量は、本発明の油中水型乳化組成物中に、乳化性、長期貯蔵安定性、水分閉塞性が向上し、好適な粘度に調製し、塗布した肌のベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感を得る観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、また、8質量%以下がこのましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3.5質量%以下がよりさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましい。具体的な範囲としては、0.5質量%以上8質量%以下が好ましく、0.8質量%以上7質量%以下がより好ましく、1質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上3.5質量%以下がよりさらに好ましく、1質量%以上2質量%以下が特に好ましい。
【0019】
成分(B)は、脂肪酸部分の炭素数が8~22のデキストリン脂肪酸エステルである。このようなデキストリン脂肪酸エステルを含有することにより、油中水型乳化組成物の水分閉塞性が向上し、肌の保護感や肌を覆う感じが向上し、所望の粘度に調製することができ、且つ貯蔵安定性に優れたものを調製することができる。成分(B)のデキストリン脂肪酸エステルとしては、脂肪酸部分の炭素数が12~18のデキストリン脂肪酸エステルが好ましく、脂肪酸部分の炭素数が14~18のデキストリン脂肪酸エステルがより好ましく、脂肪酸部分の炭素数が14~16のデキストリン脂肪酸エステルがよりさらに好ましく、脂肪酸部分の炭素数が16のデキストリン脂肪酸エステルが特に好ましい。具体例としては、カプリル酸デキストリン、カプリン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、エチルヘキサン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン、ベヘン酸デキストリン等が挙げられ、好ましくはエチルヘキサン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリンであり、より好ましくはミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリンであり、よりさらに好ましくはパルミチン酸デキストリンであり、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、予め製造されたデキストリン脂肪酸エステルを2種以上用いてもよいし、製造時に脂肪酸を混合して混合脂肪酸としてからデキストリンと反応させて得られた混合脂肪酸デキストリンエステルを用いてもよい。
【0020】
成分(B)は、本発明の油中水型乳化組成物中に0.15質量%以上8質量%以下含有される。成分(B)の含有量がこの範囲内であれば、十分な水分閉塞性が得られるとともに、肌の保護感、ツヤ感も良好であり、かつ長期保存安定性にも優れる。また成分(B)の含有量は、同様の観点から0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましく、また、6質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がよりさらに好ましい。具体的な範囲としては、0.2質量%以上6質量%以下が好ましく、0.3質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上4質量%以下がさらに好ましく、0.4質量%以上2質量%以下がよりさらに好ましい。
【0021】
成分(C)は、ダイマー酸エステル、炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステル、炭素数16~22の脂肪酸フィトステロールエステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油性成分である。成分(C)は、抱水性に優れ、特定範囲で含有することで、十分な水分閉塞性が得られるとともに、肌の保護感、ツヤ感が良好で、塗布した肌のベトツキ感及び違和感がなくて使用感も良好なものとなる。
【0022】
ダイマー酸エステルとしては、ダイマー酸とアルコールのエステル体などが挙げられ、ダイマージリノール酸のエステル体が好ましく、ダイマージリノール酸とダイマージオールとのエステル体がより好ましい。また、ダイマー酸又はダイマージリノール酸のエステル部分としては、ベヘニル、イソステアリル、ステアリル、セチル、フィトステリルから選ばれる1種又は2種以上の部分を含むことが好ましく、ベヘニル、イソステアリル、ステアリル、セチル、フィトステリルから選ばれる2種以上の部分を含むことがより好ましい。さらに具体的には、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル等が挙げられ、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル・フィトステリル)が好ましく、より好ましくはダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)である。
市販品としては、日本精化社製の、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)が「Plandool-S、-H」として、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)が「LUSPLAN PI-DA」として、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルが「LUSPLAN DD-DA」として、ダイマージリノール酸ジリノレイル(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)が「Plandool-G」として、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイルが「LUSPLAN DD-IS」として挙げることができる。
【0023】
炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステルとしては、パルミチン酸コレステロールエステル、ステアリン酸コレステロールエステル、ベヘン酸コレステロールエステル、イソステアリン酸コレステロールエステル、オレイン酸コレステロールエステル、パルミトオレイン酸コレステロールエステル、ベヘン酸コレステロールエステル、リノール酸コレステロールエステル、リノレン酸コレステロールエステル等が挙げられる。脂肪酸は混合脂肪酸を用いてもよく、例えば、ヒマワリ種子油脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステロールエステル等でもよい。また、炭素数が16~22以外の脂肪酸コレステロールエステルを含んでもよい。好ましくはステアリン酸コレステロールエステル、イソステアリン酸コレステロールエステル、オレイン酸コレステロールエステル、パルミトオレイン酸コレステロールエステル、リノール酸コレステロールエステル、リノレン酸コレステロールエステル、ヒマワリ種子油脂肪酸コレステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステロールエステルであり、より好ましくはイソステアリン酸コレステロールエステルである。
【0024】
炭素数16~22のフィトステロールエステルとしては、パルミチン酸フィトステロールエステル、ステアリン酸フィトステロールエステル、ベヘン酸フィトステロールエステル、イソステアリン酸フィトステロールエステル、オレイン酸フィトステロールエステル、パルミトオレイン酸フィトステロールエステル、ベヘン酸フィトステロールエステル、リノール酸フィトステロールエステル、リノレン酸フィトステロールエステル等が挙げられる。脂肪酸は混合脂肪酸を用いてもよく、例えばヒマワリ種子油脂肪酸フィトステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステル等でもよい。また、炭素数が16~22以外の脂肪酸フィトステロールエステルを含んでもよい。好ましくはステアリン酸フィトステロールエステル、イソステアリン酸フィトステロールエステル、オレイン酸フィトステロールエステル、パルミトオレイン酸フィトステロールエステル、リノール酸フィトステロールエステル、リノレン酸フィトステロールエステル、ヒマワリ種子油脂肪酸フィトステロールエステル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステルであり、より好ましくはマカデミアナッツ油脂肪酸フィトステロールエステルである。
【0025】
N-アシルアミノ酸エステルにおけるアシル基の炭素数は、好ましくは10~30であり、より好ましくは12~18である。また、アシル基は、飽和でも、不飽和でも良い。例えば、2-エチルヘキサノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、オレオイル基、イソステアロイル基、リノレノイル基等が好ましく、ミリストイル基、ラウロイル基がより好ましく、さらに好ましいものはラウロイル基である。またアシル基は混合脂肪酸を由来としてもよく、ココイル脂肪酸エステル、パーム油脂肪酸エステル、パーム核油脂肪酸エステル、ヒマワリ種子油脂肪酸エステル、マカデミアナッツ油脂肪酸エステルが好ましく、より好ましくはココイル脂肪酸エステル、パーム核油脂肪酸エステルである。
【0026】
また、N-アシルアミノ酸エステルは、N-アシルアミノ酸のアルキルエステルが好ましい。アルキルエステルを構成するアルキル基の炭素数は、好ましくは1~30であり、より好ましくは12~18である。また、アルキル基は、分岐でも、直鎖でも、環状構造を有するものでも良い。例えば、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘニル基、オクチルドデシル基、カンペステリル基やシトステリル基等のフィトステリル基、コレステリル、デシルテトラデシル基などが好適に例示できる。
N-アシルアミノ酸エステルにおけるアミノ酸部分としては、酸性アミノ酸、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸であり、好ましくは酸性アミノ酸、中性アミノ酸であり、より好ましくは酸性アミノ酸である。より具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、グリシン、N-メチルアラニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、サルコシン等が好ましく、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、N-メチルアラニン、サルコシンがより好ましく、グルタミン酸がさらに好ましい。
また、N-アシルアミノ酸エステルはモノエステルよりもジエステルであることが好ましい。N-アシルラウロイルグルタミン酸ジエステル、N-アシルアスパラギン酸ジエステルがより好ましく、N-アシルラウロイルグルタミン酸ジエステルがさらに好ましい。ジエステル1分子中に存在するアルキル基は同一であっても異なっていてもよいが、2種以上であることが好ましい。
【0027】
本発明において、N-アシルアミノ酸エステルは、一種を含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ミリストイル-N-メチルアラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)等が好適に例示でき、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)がより好適に例示できる。
N-アシルアミノ酸エステルの市販品としては味の素社、日本精化社より販売されている「エルデュウPS-203」「Plandool-LG2」(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルデシル))、「エルデュウCL-301」(N-ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))、「エルデュウCL-202」(N-ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル))、「エルデュウPS-304」「エルデュウPS-306」「Plandool-LG1」「Plandool-LG3」「Plandool-LG4」(N-ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル))「エルデュウAPS-307」(N-ミリストイル-N-メチルアラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル))等が例示できる。
【0028】
これらのダイマー酸エステル、脂肪酸コレステロールエステル、脂肪酸フィトステロールエステル及びN-アシルアミノ酸エステルは1種でもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよいが、2種以上組み合わせ含有することが好ましい。
【0029】
これらの油性成分のうち、ダイマー酸エステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルアミノ酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルグルタミン酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい。また、ダイマー酸エステル及びN-アシルアミノ酸エステルを含む成分(C)は2種以上含むことが好ましく、ダイマージリノール酸エステルとN-アシルグルタミン酸ジエステルを両方含むことがより好ましい。
【0030】
成分(C)は、本発明の油中水型乳化組成物中に1質量%以上20質量%以下含有される。この含有量とすることにより、優れた水分閉塞性、肌の保護感及びツヤ感、塗布した肌のベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感が得られる。また、同様の観点から、成分(C)の含有量は1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がよりさらに好ましく、4質量%以上が特に好ましく、また、18質量%以下が好ましく、16質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましく、9質量%以下がよりさらに好ましく、7質量%以下が特に好ましい。具体的な範囲としては、1.5質量%以上18質量%以下が好ましく、2質量%以上16質量%以下がより好ましく、2質量%以上12質量%以下がさらに好ましく、2.5質量%以上9質量%以下がよりさらに好ましく、3質量%以上9質量%以下が特に好ましく、3質量%以上7質量%以下が最も好ましい。
【0031】
成分(D)は、25℃で液状の炭化水素油である。成分(C)の油性成分に加えて、成分(D)を配合し、かつ成分(A)及び(B)を配合することにより、水分閉塞性が向上するだけでなく、肌の保護感、ツヤ感が向上し、かつ長期保存安定性も向上する。
このような炭化水素油としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐鎖の炭化水素油が挙げられ、好ましくはスクワランである。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0032】
成分(D)の含有量は、本発明の油中水型乳化組成物中に、水分閉塞性、肌の保護感、肌を覆う感じ、ツヤ感を高め、ベトツキ感や違和感がない良好な使用感及び長期保存安定性の観点から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がよりさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましく、また、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、18質量%以下がよりさらに好ましく、16質量%以下が特に好ましく、15質量%以下がより特に好ましく、12質量%以下がより特に好ましく、10質量%以下が最も好ましい。具体的な範囲としては、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましく、4質量%以上25質量%以下がさらに好ましく、4質量%以上18質量%以下がよりさらに好ましく、5質量%以上20質量%以下が特に好ましく、5質量%以上16質量%以下がより特に好ましく、7質量%以上15質量%以下がより特に好ましく、7質量%以上12質量%以下がより特に好ましく、7質量%以上10質量%以下が最も好ましい。
【0033】
本発明の油中水型乳化組成物には、水相成分として(E)水を含有する。水の含有量は、水分閉塞性、肌の保護感、ツヤ感及び長期保存安定性の観点から、本発明の油中水型乳化組成物中に、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上よりさらに好ましく、また、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下であることがよりさらに好ましい。具体的な範囲としては、10質量%以上65質量%以下含有することが好ましく、15質量%以上60質量%以下含有することがより好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがよりさらに好ましい。
【0034】
本発明の油中水型乳化組成物には、さらに、水分閉塞性、貯蔵安定性を向上させ、塗布した肌のベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感にする目的で前記成分(C)以外の成分(F)融点が50~150℃の油性成分を含有することが好ましい。
融点が50~150℃である油性成分は、常温(5~35℃)において固体状の油性成分である。当該固体状の油性成分としては、セラミド類、スフィンゴシン類(天然物と合成物を含む)などのスフィンゴ脂質;ステアリン酸、ベヘン酸等のC13-C22脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコールなどのC16-C22アルコール及びその類縁化合物などが挙げられる。なお、本発明の油中水型乳化組成物中において、成分(F)が特にセラミド類である場合、成分(B)及び成分(C)と共に含有されることにより油中水型乳化組成物中で結晶が微細化しているか又は非晶質化して存在することで、塗布した際の膜の水分閉塞性が向上するものと考えられる。
【0035】
セラミド類としては、天然セラミド、スフィンゴシン誘導体などの他、特開昭62-228048号公報、特開昭63-216812号公報、特開昭63-227513号公報、特開昭64-29347号公報、特開昭64-31752号公報、特開平8-319263号公報などに記載のセラミド類似構造物質が例示される。具体的には、肌を覆う感じや肌にツヤ感を与える観点から、次の一般式(1)及び(2)から選ばれる化合物が好ましい。
【0036】
【化1】
【0037】
〔式中、R1bは炭素数10~26の炭化水素基、R2bは炭素数9~25の炭化水素基を示し、Xは-(CH2)n-(ここでnは2~6の整数を示す)を示す。〕
【0038】
【化2】
【0039】
(式中、R1及びR2は同一又は異なって炭素数1~40のヒドロキシル化されていてもよい炭化水素基を示し、R3は炭素数1~6のアルキレン基又は単結合を示し、R4は水素原子、炭素数1~12のアルコキシ基又は2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ基を示す。ただし、R3が単結合のとき、R4は水素原子である。)
【0040】
なお、前記一般式(1)及び(2)中、炭化水素基としてはアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
【0041】
一般式(1)の化合物の例としては、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミドが挙げられ、一般式(2)の化合物の例としては長鎖二塩基酸 ビス3-メトキシプロピルアミドが挙げられる。
これらの成分(F)のうち、水分閉塞性、肌の保護感、塗布した肌のベトツキ感がなく、違和感がない良好な使用感にする観点から、セラミド類(特に、天然セラミド、スフィンゴシン類、前記一般式(1)及び(2)の化合物)、C16-C22脂肪酸、C16-C22アルコールが好ましく、中でもセラミド類がより好ましく、前記式(1)で示される成分、前記式(2)で示される化合物がさらに好ましく、前記式(1)で示される化合物がよりさらに好ましい。これらの固体状の油性成分は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
成分(F)は、水分閉塞性の向上、肌の保護感の向上の点から本発明の油中水型乳化組成物中に1質量%以上30質量%以下含有するのが好ましい。また成分(F)の含有量は、同様の観点から、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がよりさらに好ましく、また、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては1.5質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上18質量%以下がより好ましく、3質量%以上18質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上16質量%以下がよりさらに好ましい。
【0043】
また、本発明の油中水型乳化組成物中には、前記成分以外に、成分(D)以外の液状油、保湿剤、薬効成分、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、香料等を含有することができる。
ここで成分(D)以外の液状油としては、シリコーン油、エステル油、フッ素油等が挙げられる。保湿剤としては、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ソルビット、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等の多価アルコール、植物抽出物、ベタイン、POEメチルグルコシド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。薬効成分としては、水溶性の薬剤、非水溶性の薬剤どちらも用いることができるが、具体的にはアラントイン、グリチルリチン酸塩、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸ステアリル等のグリチルレチン酸エステル、イソプロピルメチルフェノール、レチノール誘導体、抗シワ剤、美白化剤、殺菌剤、植物抽出液、酢酸トコフェロール、ビタミン類、サリチル酸、インドメタシン等が挙げられ、その他化粧品、医薬部外品、医薬品に用いられる薬効成分を用いることもできる。
【0044】
本発明の油中水型乳化組成物は、油中水型であり、皮膚に容易に塗布できる形態であればよいが、25℃における粘度が15Pa・s以上であるのが好ましく、20Pa・s以上であるのがより好ましく、25Pa・s以上であるのがさらに好ましく、30Pa・s以上であるのがよりさらに好ましく、また、5000Pa・s以下であるのが好ましく、1000Pa・s以下であるのがより好ましく、500Pa・s以下であるのがさらに好ましく、300Pa・s以下であることがよりさらに好ましく、150Pa・s以下であるのが特に好ましい。具体的な範囲としては、15Pa・s以上5000Pa・s以下のクリーム状であるのが好ましく、20Pa・s以上1000Pa・s以下のクリーム状であるのがより好ましく、20Pa・s以上500Pa・s以下のクリーム状であることがさらに好ましく、25Pa・s以上300Pa・s以下であることがよりさらに好ましく、30Pa・s以上150Pa・s以下であることが特に好ましい。ここで25℃の粘度は、B8R型粘度計、1分、25℃により測定できる。
【0045】
本発明の油中水型乳化組成物は、常法に従い、例えば油性成分(非水溶性成分)を加熱攪拌混合し、次に水溶性成分を加熱攪拌混合する。前記油性成分混合物に前記水溶性成分混合物を加えて混合し、ホモジナイザーで十分攪拌後、冷却することにより製造することができる。なお、温度としては、油性成分(非水溶性成分)の融点以上の温度でホモジナイザーで攪拌乳化してから冷却して油中水型乳化組成物を得ることが好ましい。
【0046】
また本発明の油中水型乳化組成物の使用用途としては、特に限定されないが、好ましくは毛髪及び/又は皮膚に塗布する用途に使用され、特に好ましくは顔、身体、手足等の皮膚に塗布する用途に使用される。また好ましくは皮膚外用剤であり、より好ましくは皮膚化粧料として使用される。使用方法としては、特に限定されないが、好ましくは毛髪及び/又は皮膚に、手又は道具によって塗布され、より好ましくは皮膚に手又は道具によって塗布される。
【0047】
上述の実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物を開示する。
【0048】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)並びに(E):
(A)HLBが2~6の親油性界面活性剤 1質量%以上15質量%以下、
(B)脂肪酸部分の炭素数が8~22のデキストリン脂肪酸エステル 0.15質量%以上8質量%以下、
(C)ダイマー酸エステル、炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステル、炭素数16~22の脂肪酸フィトステロールエステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油性成分 1質量%以上20質量%以下、
(D)25℃で液状の炭化水素油、
(E)水
を含有する油中水型乳化組成物。
<2>成分(A)が、HLBが2~6の範囲にある非イオン界面活性剤が好ましく、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン及び、シリコーン系界面活性剤等から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーン、シリコーン鎖が分岐鎖のポリエーテル変性シリコーンがさらに好ましく、アルキルグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シリコーン鎖が直鎖のポリエーテル変性シリコーンがさらに好ましい<1>記載の油中水型乳化組成物。
<3>成分(A)の含有量が、油中水型乳化組成物中1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、また、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、6質量%以下がよりさらに好ましく、5質量%以下がより特に好ましく、4.5質量%以下が最も好ましい<1>又は<2>記載の油中水型乳化組成物。
<4>成分(B)が、脂肪酸部分の炭素数が12~18のデキストリン脂肪酸エステルが好ましく、脂肪酸部分の炭素数が14~18のデキストリン脂肪酸エステルがより好ましく、脂肪酸部分の炭素数が14~16のデキストリン脂肪酸エステルがよりさらに好ましく、脂肪酸部分の炭素数が16のデキストリン脂肪酸エステルが特に好ましい<1>~<3>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<5>成分(B)の含有量が、油中水型乳化組成物中、0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましく、また、6質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下がよりさらに好ましい<1>~<4>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<6>成分(C)が、ダイマー酸エステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルアミノ酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルグルタミン酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい<1>~<5>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<7>成分(C)の含有量が、油中水型乳化組成物中、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上がよりさらに好ましく、また、18質量%以下が好ましく、16質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましく、9質量%以下がよりさらに好ましく、7質量%以下が特に好ましい<1>~<6>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<8>成分(D)が、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐鎖の炭化水素油が好ましく、より好ましくはスクワランである<1>~<7>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<9>成分(D)の含有量が、油中水型乳化組成物中、3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上がよりさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい<1>~<8>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<10>成分(E)の含有量が、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がよりさらに好ましく、また、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がよりさらに好ましい<1>~<9>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<11>さらに前記成分(C)以外の成分(F)融点が50~150℃ある油性成分、好ましくはセラミド類、スフィンゴシン類(天然物と合成物を含む)などのスフィンゴ脂質;ステアリン酸、ベヘン酸等のC13-C22脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコールなどのC16-C22アルコール及びその類縁化合物から選ばれる1種又は2種以上を含有する<1>~<10>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<12>成分(F)が、セラミド類(特に、天然セラミド、スフィンゴシン類、前記一般式(1)及び(2)の化合物)、C16-C22脂肪酸、C16-C22アルコールが好ましく、中でもセラミド類がより好ましく、前記式(1)で示される成分、前記式(2)で示される化合物がさらに好ましく、前記式(1)で示される化合物がよりさらに好ましい<1>~<11>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<13>成分(F)の含有量が、油中水型乳化組成物中に1質量%以上30質量%以下であり、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がよりさらに好ましく、また、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい<11>又は<12>記載の油中水型乳化組成物。
<14>25℃における粘度が15Pa・s以上が好ましく、20Pa・s以上がより好ましく、25Pa・s以上がさらに好ましく、また、5000Pa・s以下が好ましく、1000Pa・s以下がより好ましく、500Pa・s以下がさらに好ましく、300Pa・s以下がよりさらに好ましい<1>~<13>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<15>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)並びに(F):
(A)HLBが2~6のポリエーテル変性シリコーン 1質量%以上15質量%以下、
(B)脂肪酸部分の炭素数が12~18のデキストリン脂肪酸エステル 0.15質量%以上8質量%以下
(C)ダイマー酸エステル、炭素数16~22の脂肪酸コレステロールエステル、炭素数16~22の脂肪酸フィトステロールエステル及びN-アシルアミノ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の油性成分 1質量%以上20質量%以下、
(D)25℃で液状の炭化水素油、
(E)水、
(F)セラミド類
を含有する油中水型乳化組成物。
<16>成分(C)が、ダイマージリノール酸エステル及びN-アシルアミノ酸ジエステルから選ばれる1種又は2種以上である<15>記載の油中水型乳化組成物。
<17>成分(D)が、スクワランである<15>又は<16>に記載の油中水型乳化組成物。
<18>成分(F)が、前記一般式(1)の化合物である<15>~<17>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<19>皮膚外用剤であり、好ましくは皮膚化粧料である<1>~<18>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物。
<20>前記<1>~<19>のいずれかに記載の油中水型乳化組成物を、毛髪を除く皮膚、好ましくは顔、身体、手足のいずれかに塗布する、油中水型乳化組成物の使用方法。
【実施例
【0049】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【0050】
実施例1~23及び比較例1~6
表1~表6に示す成分を用いて油中水型乳化組成物を製造した。すなわち、油性成分(非水溶性成分)を80~85℃で攪拌混合し、次に水溶性成分を80~85℃で攪拌混合した。前記油性成分混合物に前記水溶性成分混合物を加えて混合し、80~85℃でホモジナイザーで十分攪拌後、冷却して油中水型乳化組成物を得た。
【0051】
得られた油中水型乳化組成物について、水分閉塞性(水分蒸発抑制率)、肌の保護感(肌を覆う感じ)、肌のツヤ感(肌にツヤがある感じ)、塗布した肌のベトツキ感がなく、違和感がない感じを、以下の評価方法により評価した。また貯蔵安定性も評価した。
評価結果を表1~表6に示す。
【0052】
(1)水分蒸発抑制率
・濾紙(ADVANTEC社製、No.5B、直径21mm)
・ピアースバイアル CV-400(アズワン社販売品、商品コード5-106-06、内径×胴径×全高:φ17×φ27×95mm、容量:40mL)
・塩化カルシウム(乾燥用):純正化学社製
・デシケーター
・マイクロマン(ギルソン社製)
(i)ピアースバイアルのスクリューキャップに付属の樹脂製の蓋を取り外した。
(ii)濾紙に、調製した油中水型乳化組成物を0.03mLマイクロマンでとり、ヘラで濾紙の方面のみに均一に塗布した。
(iii)油中水型乳化組成物を塗布した面がピアーズバイアルのスクリューキャップの内面に接するように濾紙をスクリューキャップ内にセットした。なお、油中水型乳化組成物を塗布しない濾紙のみの検体も用意した。
(iv)蒸留水をピアーズバイアルに10mL入れ、(iii)で作成した濾紙をセットしたスクリューキャップで栓をし、検体とした。
(v)検体の重量(=製剤を塗布した濾紙、スクリューキャップ、バイアル、水の合計重量)を電子天秤で計測した。
(vi)デシケーターに塩化カルシウム(乾燥用)を入れ、検体を入れて蓋をし、20℃下で5日間静置した。なお、このときのデシケーター内は5RH%であった。
(vii)検体をデシケーターから取り出し、検体の重量(=製剤を塗布した濾紙、スクリューキャップ、バイアル、水の合計重量)を測定した。
(viii)実施例、比較例各1例について、3検体用意した。濾紙に何も塗布しない検体も3検体用意した。
(ix)水蒸発量を計測し、実施例、比較例に示される油中水型乳化組成物の水分蒸発抑制率を計算した。
油中水型乳化組成物を塗布した検体の水蒸発量(Wa)=(5日間乾燥後の検体重量)-(乾燥前の検体重量)
a平均=(Wa1+Wa2+Wa3)/3
油中水型乳化組成物を塗布しない検体の水蒸発量(W0)=(5日間乾燥後の検体重量)-(乾燥前の検体重量)
0平均=(W01+W02+W03)/3
水分蒸発抑制率(%)=((W0平均-Wa平均)/W0平均)×100
【0053】
(2)肌の保護感、肌のツヤ感
実施例及び比較例の油中水型乳化組成物について、専門パネラー4名により、次の使用方法により評価した。
(i)専門パネラーが顔を市販の花王社製キュレル潤浸保湿泡洗顔料で洗いタオルで拭きとった。
(ii)油中水型乳化組成物を指に0.5gをとり、全顔に塗り広げた。
(iii)塗布10分後、専門パネラーが肌が保護されている感じについて、以下の基準で評価し、4名の平均点を求めた。また、一定の明るさの部屋内で専門パネラーが鏡を見て肌のツヤ感について、以下の基準で評価し、4名の平均点を求めた。
(肌の保護感)
5点:肌を覆っている感じがとてもある。
4点:肌を覆っている感じがある。
3点:肌を覆っている感じがややある。
2点:肌を覆っている感じがほとんどない。
1点:肌を覆っている感じが全くない。
(肌のツヤ感)
5点:ツヤ感がとてもある。
4点:ツヤ感がある。
3点:ツヤ感がややある。
2点:ツヤ感があまりない。
1点:ツヤ感がない
【0054】
(3)ベトツキ感がなく、違和感がない感じ
実施例及び比較例の油中水型乳化組成物について、専門パネラー4名により、次の使用方法により評価した。
(i)専門パネラーが顔を市販の花王社製キュレル潤浸保湿泡洗顔料で洗いタオルで拭きとった。
(ii)油中水型乳化組成物を指に0.5gをとり、全顔に塗り広げた。
(iii)塗布3時間後、専門パネラーが肌への負担感について、以下の基準で評価し、4名の平均点を求めた。
5点:ベトツキがなく、違和感がない。
4点:ベトツキがほとんどなく、違和感がない。
3点:ベトツキがあまりなく、あまり違和感がない。
2点:ベトツキがあり、やや違和感がある。
1点:ベトツキがひどく、違和感がある。
【0055】
(4)貯蔵安定性
実施例及び比較例の油中水型組成物を110mLの透明ガラス容器(規格瓶#11、東京硝子器械社)に80mL入れて密封して室温で一定期間保存した。これらの油中水型組成物の保存後の外観を目視による視覚判定により下記の基準で判定した。
○:均一な一層であり、水性成分や油性成分の分離を認めない。クリーム状である。
△:部分的に水性成分や油性成分の分離を認めるが、全体としてはクリーム状を保持している。
×:全体的に水性成分や油性成分が分離し、全体としてクリーム状を保持していない。
【0056】
(5)粘度
東機産業社製、TVB-10型粘度計を用い、ローター:T-C、回転速度:5rpm、測定時間:1分、測定温度:25℃で測定した。
【0057】
【表1】
【0058】
*1:スフィンゴリピッド E(花王社製)
*2:GE-IS(U)(HLB2)(花王社製)
*3:シリコーン KF-6015(PEG-3ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*4: シリコーン KF-6017(PEG-10ジメチコン、HLB5)(信越化学工業社製)
*5:コスモール42V(ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、HLB4)(日清オイリオグループ社製)
*6:シリコーン KF-96A-2CS(信越化学工業社製)
*7:シリコーン KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*8:シリコーン KSG-16(信越化学工業社製)
*9:エルデュウ CL-202(味の素社製)
*10:エルデュウ PS-203(味の素社製)
*11:Plandool-H(日本精化社製)
*12:レオパール KL2(千葉製粉社製)
【0059】
【表2】
【0060】
*1:スフィンゴリピッド E(花王社製)
*2:GE-IS(U)(HLB2)(花王社製)
*3:シリコーン KF-6015(PEG-3ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*4:シリコーン KF-6017P(PEG-10ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*5:コスモール42V(ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、HLB4)(日清オイリオグループ社製)
*6:シリコーン KF-96A-2CS(信越化学工業社製)
*7:シリコーン KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*8:シリコーン KSG-16(信越化学工業社製)
*9:エルデュウ CL-202(味の素社製)
*10:エルデュウ PS-203(味の素社製)
*11:Plandool-H(日本精化社製)
*12:Plandool-MAS(日本精化社製)
*13:エキセパール IS-CE-A(花王社製)
*14:レオパール KL2(千葉製粉社製)
【0061】
【表3】
【0062】
*1:スフィンゴリピッド E(花王社製)
*2:BRS661-C(花王社製)
*3:GE-IS(U)(HLB2)(花王社製)
*4:シリコーン SH3775M(PEG-12ジメチコン、HLB5)(東レ・ダウコーニング社製)
*5:シリコーン KF-6017(PEG-10ジメチコン、HLB5)(信越化学工業社製)
*6:シリコーン KF-6015(PEG-3ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*7:コスモール42V(ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、HLB4)(日清オイリオグループ社製)
*8:エマレックス HC-5K(PEG-5水添ヒマシ油、HLB5)(日本エマルジョン社製)
*9:シリコーン TSF405A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*10:シリコーン KF-96A-1CS(信越化学工業社製)
*11:シリコーン KF-96A-2CS(信越化学工業社製)
*12:シリコーン KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*13:シリコーン KSG-16(信越化学工業社製)
*14:シリコーン KT-16(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*15:エキセパール IS-CE-A(花王社製)
*16:Plandool-H(日本精化社製)
*17:エルデュウ CL-202(味の素社製)
*18:エルデュウ PS-203(味の素社製)
*19:レオパール KL2(千葉製粉社製)
*20:レオパール MKL2(千葉製粉社製)
【0063】
【表4】
【0064】
*1:スフィンゴリピッド E(花王社製)
*2:GE-IS(U)(HLB2)(花王社製)
*3:シリコーン KF-6015(PEG-3ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*4:シリコーン KF-6017(PEG-10ジメチコン、HLB5)(信越化学工業社製)
*5:シリコーン KF-6028(PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、HLB4)(信越化学工業社製)
*6:エマレックス HC-5K(PEG-5水添ヒマシ油、HLB5)(日本エマルジョン社製)
*7:コスモール42V(ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、HLB4)(日清オイリオグループ社製)
*8:シリコーン KF-96A-2CS(信越化学工業社製)
*9:シリコーン KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*10:シリコーン KSG-16(信越化学工業社製)
*11:エルデュウ GL-202(味の素社製)
*12:エルデュウ PS-203(味の素社製)
*13:Plandool-H(日本精化社製)
*14:レオパール KL2(千葉製粉社製)
【0065】
【表5】
【0066】
*1:スフィンゴリピッド E(花王社製)
*3:シリコーン KF-6015(PEG-3ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*4:シリコーン KF-6017(PEG-10ジメチコン、HLB5)(信越化学工業社製)
*8:シリコーン KF-96A-2CS(信越化学工業社製)
*9:シリコーン KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*10:シリコーン KSG-16(信越化学工業社製)
*13:Plandool-H(日本精化社製)
*14:レオパール KL2(千葉製粉社製)
【0067】
【表6】
【0068】
*1:スフィンゴリピッド E(花王社製)
*2:GE-IS(U)(HLB2)(花王社製)
*3:シリコーン KF-6015(PEG-3ジメチコン、HLB4.5)(信越化学工業社製)
*7:コスモール42V(ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、HLB4)(日清オイリオグループ社製)
*8:シリコーン KF-96A-2CS(信越化学工業社製)
*9:シリコーン KF-96A-6CS(信越化学工業社製)
*10:シリコーン KSG-16(信越化学工業社製)
*11:エルデュウ GL-202(味の素社製)
*12:エルデュウ PS-203(味の素社製)
*13:Plandool-H(日本精化社製)
*14:レオパール KL2(千葉製粉社製)
*21:パールリーム EX(日油社製)