(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】作業支援装置、および作業支援方法
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240611BHJP
【FI】
G06F8/65
(21)【出願番号】P 2023006103
(22)【出願日】2023-01-18
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】飯田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 真男
(72)【発明者】
【氏名】鈴江 秀介
【審査官】久々宇 篤志
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-111125(JP,A)
【文献】特開2021-047875(JP,A)
【文献】特開2005-174009(JP,A)
【文献】特開平01-109432(JP,A)
【文献】特開平08-194621(JP,A)
【文献】特開平11-338687(JP,A)
【文献】特開2014-096126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/36
G06F 8/60-8/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置からアクセス可能となるように前記ホスト装置に有線接続可能な外部記憶媒体及び対象装置と共に用いられる作業支援装置であって、
前記対象装置は、制御プログラムを実行することにより動作可能に構成されており、前記制御プログラムと当該制御プログラムにより用いられる情報との少なくとも一方を前記外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を用いてアップデートするアップデート機能を有し、
前記作業支援装置は、
前記対象装置に適用するための前記アップデート情報を取得する制御装置と、
前記外部記憶媒体、前記対象装置及び前記制御装置のそれぞれに有線接続され、前記外部記憶媒体に対してアクセス可能な前記ホスト装置が前記対象装置であるか前記制御装置であるかを切り替えるホスト切替部とを備え、
前記ホスト切替部は、前記制御装置から出力される切替信号に応じて前記切り替えを行うように構成されており、
前記制御装置は、
前記ホスト装置として前記外部記憶媒体にアクセス可能な状態で、前記アップデート情報を前記外部記憶媒体に蓄積する蓄積処理部と、
前記蓄積処理部の処理が行われた後で前記ホスト装置が前記対象装置となるように、前記切替信号を前記ホスト切替部に出力する信号出力部とを有
し、
前記信号出力部は、前記蓄積処理部による処理が開始されてから所定の待機時間が経過した場合に、前記切替信号を前記ホスト切替部に出力する、
作業支援装置。
【請求項2】
ホスト装置からアクセス可能となるように前記ホスト装置に有線接続可能な外部記憶媒体及び対象装置と共に用いられる作業支援装置であって、
前記対象装置は、制御プログラムを実行することにより動作可能に構成されており、前記制御プログラムと当該制御プログラムにより用いられる情報との少なくとも一方を前記外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を用いてアップデートするアップデート機能を有し、
前記作業支援装置は、
前記対象装置に適用するための前記アップデート情報を取得する制御装置と、
前記外部記憶媒体、前記対象装置及び前記制御装置のそれぞれに有線接続され、前記外部記憶媒体に対してアクセス可能な前記ホスト装置が前記対象装置であるか前記制御装置であるかを切り替えるホスト切替部とを備え、
前記ホスト切替部は、前記制御装置から出力される切替信号に応じて前記切り替えを行うように構成されており、
前記制御装置は、
前記ホスト装置として前記外部記憶媒体にアクセス可能な状態で、前記アップデート情報を前記外部記憶媒体に蓄積する蓄積処理部と、
前記蓄積処理部の処理が行われた後で前記ホスト装置が前記対象装置となるように、前記切替信号を前記ホスト切替部に出力する信号出力部と、
前記対象装置から前記アップデート機能の実行後に出力されたアップデート後情報を取得し、前記アップデート後情報に基づいて所定の条件を満たすかどうかを判断するアップデート後判断部とを有する、
作業支援装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記アップデート後判断部による判断結果に応じて、前記対象装置に対する所定のテストシナリオを実行するテスト実行部をさらに有する、請求項2に記載の作業支援装置。
【請求項4】
ホスト装置からアクセス可能となるように前記ホスト装置に有線接続可能な外部記憶媒体及び対象装置と共に用いられる作業支援装置における作業支援方法であって、蓄積処理部と信号出力部とを具備する制御装置と、ホスト切替部とにより実現される作業支援方法であって、
前記対象装置は、制御プログラムを実行することにより動作可能に構成されており、前記制御プログラムと当該制御プログラムにより用いられる情報との少なくとも一方を前記外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を用いてアップデートするアップデート機能を有し、
前記制御装置が、前記対象装置に適用するための前記アップデート情報を取得する制御ステップと、
前記ホスト切替部が、前記外部記憶媒体、前記対象装置及び前記制御装置のそれぞれに有線接続され、前記外部記憶媒体に対してアクセス可能な前記ホスト装置が前記対象装置であるか前記制御装置であるかを切り替えるホスト切替ステップとを備え、
前記ホスト切替ステップにおいて、前記制御装置から出力される切替信号に応じて前記切り替えを行い、
前記蓄積処理部が、前記ホスト装置として前記外部記憶媒体にアクセス可能な状態で、前記アップデート情報を前記外部記憶媒体に蓄積する蓄積処理ステップと、
前記信号出力部が、前記蓄積処理部の処理が行われた後で前記ホスト装置が前記対象装置となるように、前記切替信号を前記ホスト切替部に出力する信号出力ステップとをさらに備え、
前記信号出力ステップにおいて、前記蓄積処理部による処理が開始されてから所定の待機時間が経過した場合に、前記切替信号を前記ホスト切替部に出力する、
作業支援方法。
【請求項5】
ホスト装置からアクセス可能となるように前記ホスト装置に有線接続可能な外部記憶媒体及び対象装置と共に用いられる作業支援装置における作業支援方法であって、蓄積処理部と信号出力部とアップデート後判断部とを具備する制御装置と、ホスト切替部とにより実現される作業支援方法であって、
前記対象装置は、制御プログラムを実行することにより動作可能に構成されており、前記制御プログラムと当該制御プログラムにより用いられる情報との少なくとも一方を前記外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を用いてアップデートするアップデート機能を有し、
前記制御装置が、前記対象装置に適用するための前記アップデート情報を取得する制御ステップと、
前記ホスト切替部が、前記外部記憶媒体、前記対象装置及び前記制御装置のそれぞれに有線接続され、前記外部記憶媒体に対してアクセス可能な前記ホスト装置が前記対象装置であるか前記制御装置であるかを切り替えるホスト切替ステップとを備え、
前記ホスト切替ステップにおいて、前記制御装置から出力される切替信号に応じて前記切り替えを行い、
前記蓄積処理部が、前記ホスト装置として前記外部記憶媒体にアクセス可能な状態で、前記アップデート情報を前記外部記憶媒体に蓄積する蓄積処理ステップと、
前記信号出力部が、前記蓄積処理部の処理が行われた後で前記ホスト装置が前記対象装置となるように、前記切替信号を前記ホスト切替部に出力する信号出力ステップと、
前記アップデート後判断部が、前記対象装置から前記アップデート機能の実行後に出力されたアップデート後情報を取得し、前記アップデート後情報に基づいて所定の条件を満たすかどうかを判断するアップデート後判断ステップとを有する、
作業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部記憶媒体に格納されているアップデート情報を用いたアップデート機能を有する対象装置を備える作業支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等の対象装置であって、新しいバージョンのプログラム等のアップデート情報が記憶されたUSBメモリやメモリカード等の外部記憶媒体を用いて、内蔵するプログラムのアップデート等の所定の処理を実行可能である装置が、実用化されている。
【0003】
なお、例えば、各種定義情報、仕様情報、標準シナリオ及び標準スクリプト等を用いて、自動的にプログラムのテストを行う自動テスト技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような対象装置において、所定の処理を実行させるために外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を対象装置からアクセス可能にするには、手間がかかるという問題があった。すなわち、このことを実現するためには、外部記憶媒体を他の装置に接続して書き込み可能にした状態でアップデート情報を当該外部記憶媒体に対して書き込む作業と、外部記憶媒体を他の装置から取り外す作業と、取り外した外部記憶媒体を対象装置に接続して対象装置から読み込み可能な状態にする作業とを行う必要がある。従来、このような作業を作業者が手作業で行う必要があり、手間がかかっていた。このような問題は、例えば、対象装置に適用するプログラム等の更新と、更新後の対象装置に関する動作等のテストとを繰り返して行うような場合において、特に顕著なものとなりうる。
【0006】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、容易に、対象装置からアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体にアクセス可能にすることができる作業支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第一の発明の作業支援装置は、ホスト装置からアクセス可能となるようにホスト装置に有線接続可能な外部記憶媒体及び対象装置と共に用いられる作業支援装置であって、対象装置は、制御プログラムを実行することにより動作可能に構成されており、制御プログラムと当該制御プログラムにより用いられる情報との少なくとも一方を外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を用いてアップデートするアップデート機能を有し、作業支援装置は、対象装置に適用するためのアップデート情報を取得する制御装置と、外部記憶媒体、対象装置及び制御装置のそれぞれに有線接続され、外部記憶媒体に対してアクセス可能なホスト装置が対象装置であるか制御装置であるかを切り替えるホスト切替部とを備え、ホスト切替部は、制御装置から出力される切替信号に応じて切り替えを行うように構成されており、制御装置は、ホスト装置として外部記憶媒体にアクセス可能な状態で、アップデート情報を外部記憶媒体に蓄積する蓄積処理部と、蓄積処理部の処理が行われた後でホスト装置が対象装置となるように、切替信号をホスト切替部に出力する信号出力部とを有する、作業支援装置である。
【0008】
かかる構成により、自動的に、対象装置からアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体にアクセス可能にすることができる。
【0009】
また、本第二の発明の作業支援装置は、第一の発明に対して、信号出力部は、蓄積処理部による処理が開始されてから所定の待機時間が経過した場合に、切替信号をホスト切替部に出力する、作業支援装置である。
【0010】
かかる構成により、確実にアップデート情報が外部記憶媒体に蓄積された状態で、対象装置から外部記憶媒体にアクセス可能にすることができる。
【0011】
また、本第三の発明の作業支援装置は、第一又は二の発明に対して、制御装置は、信号出力部により切替信号がホスト切替部に出力した後で、対象装置に対してアップデート情報を用いたアップデート機能を実行させるための指示を行う指示部を有する、作業支援装置である。
【0012】
かかる構成により、対象装置に、アップデート情報を用いたアップデート機能を自動的に実行させることができる。
【0013】
また、本第四の発明の作業支援装置は、第一から三のいずれか1つの発明に対して、制御装置は、対象装置からアップデート機能の実行後に出力されたアップデート後情報を取得し、アップデート後情報に基づいて所定の条件を満たすかどうかを判断するアップデート後判断部を有する、作業支援装置である。
【0014】
かかる構成により、アップデート機能の実行後の対象装置の状態に関する判断を行うことができる。
【0015】
また、本第五の発明の作業支援装置は、第四の発明に対して、制御装置は、アップデート後判断部による判断結果に応じて、対象装置に対する所定のテストシナリオを実行するテスト実行部を有する、作業支援装置である。
【0016】
かかる構成により、アップデート機能の実行後の対象装置の状態に応じて、所定のテストシナリオに基づいて自動的にテストを実行させることができる。
【0017】
また、本第六の発明の作業支援装置は、第一から五のいずれか1つの発明に対して、制御装置は、制御装置に通信可能に接続された外部装置からアップデート情報を取得可能に構成されている、作業支援装置である。
【0018】
かかる構成により、外部装置から取得可能なアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体に、容易に、対象装置からアクセス可能にすることができる。
【0019】
また、本第七の発明の作業支援装置は、第六の発明に対して、制御装置は、所定の条件を満たす場合に、外部装置からアップデート情報を取得可能であり、所定の条件は、時間に関する条件又はアップデート情報の更新状態に関する条件を含む、作業支援装置である。
【0020】
かかる構成により、容易に、所定の条件を満たす場合において、外部装置から取得可能なアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体に対象装置からアクセス可能にすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による作業支援装置によれば、容易に、対象装置からアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体にアクセス可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態の1つに係る作業支援装置の構成を示す図
【
図2】同作業支援装置と共に用いられうる対象装置の一例を示すブロック図
【
図3】同作業支援装置の制御装置の一例を示すブロック図
【
図4】同作業支援装置を用いた対象装置のアップデートやテストの実行時における制御装置及び対象装置の動作を説明する第1のフローチャート
【
図5】同作業支援装置を用いた対象装置のアップデートやテストの実行時における制御装置及び対象装置の動作を説明する第2のフローチャート
【
図6】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、作業支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
なお、以下において用いる用語は、一般的には次のように定義される。なお、これらの用語の語義は常にここに示されるように解釈されるべきではなく、例えば以下において個別に説明されている場合にはその説明も踏まえて解釈されるべきである。
【0025】
取得とは、ユーザ等により入力された事項を取得することを含んでいてもよいし、自装置又は他の装置に記憶されている情報(予め記憶されている情報であってもよいし当該装置において情報処理が行われることにより生成された情報であってもよい)を取得することを含んでいてもよい。他の装置に記憶されている情報を取得するとは、他の装置に記憶されている情報をAPI経由などで取得することを含んでいてもよいし、他の装置により提供されている文書ファイルの内容(ウェブページの内容なども含む)を取得することを含んでいてもよい。
【0026】
情報を出力するとは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0027】
情報の受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、他の装置等から有線若しくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0028】
装置等に格納されている各種の情報について、更新とは、格納されている情報の変更のほか、格納されている情報に新たな情報が追加されることや、格納されている情報の一部又は全部が消去されることなどを含む概念である。
【0029】
(実施の形態)
本実施の形態の概要は、次の通りである。作業支援装置は、外部記憶媒体及び対象装置と共に用いられる。作業支援装置は、外部記憶媒体を用いた対象装置のアップデート作業に利用可能に構成されている。作業支援装置は、制御装置により外部記憶媒体にアップデート情報を蓄積し、その後にその外部記憶媒体が接続されるホスト装置の役割を対象装置に切り替えることで、対象装置にアップデート機能を実行させることができるように構成されている。以下、このように構成された作業支援装置の構成について説明する。
【0030】
(作業支援装置及びその他の装置等の全体構成)
【0031】
図1は、本発明の実施形態の1つに係る作業支援装置1の構成を示す図である。
【0032】
図に示されるように、本実施の形態において、作業支援装置1は、対象装置10と、テスト補助装置20と、外部記憶媒体50と、外部装置90と共に用いられる。なお、作業支援装置1が、対象装置10と、テスト補助装置20と、外部記憶媒体50と、外部装置90とのうち1つ以上の装置等を含んでいると解釈してもよい。
【0033】
外部記憶媒体50は、ホスト装置からアクセス可能となるようにホスト装置に有線接続可能な記憶媒体である。外部記憶媒体50は、例えば、不揮発性の記憶媒体である。外部記憶媒体50は、ホスト装置に対して、ホスト装置から情報を読み書き可能となるように接続されうる。ホスト装置を、例えば、親装置と言ってもよい。
【0034】
本実施の形態において、外部記憶媒体50は、例えば、いわゆるUSBメモリであるが、これに限られない。外部記憶媒体50は、例えば、USB規格に基づいて周辺機器(ペリフェラル)として通信可能にホスト装置に接続されるその他の周辺機器であって、ホスト装置から情報を読み書き可能である機器であってもよい。例えば、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等の記憶媒体であってもよい。また、外部記憶媒体50は、USB規格に基づいてホスト装置からアクセス可能となるリーダ装置に装着されたメモリカード等の記憶媒体等であってもよい。
【0035】
対象装置10は、例えば、自動車等の車両に搭載され、カーナビゲーション機能等を発揮するために用いられる車載器である。本実施の形態において、対象装置10には、外部記憶媒体50が接続可能であり、作業支援装置1を介して、ホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能である。また、対象装置10は、自身をホスト装置として接続された外部記憶媒体50に格納されているアップデート情報を用いたアップデート機能を有する。対象装置10のより具体的な構成やアップデート機能については、後述する。
【0036】
なお、アップデート情報とは、例えば、新バージョンの制御プログラムそのものであったり、制御プログラムを新バージョンとするために用いられる情報であったり、対象装置10で用いられる新しいデータ等であったりするが、これらに限られない。アップデート情報は、必ずしも制御プログラム等を新しいバージョンや優れた内容のものにするものに限られず、古いバージョンにしたり、機能又は性能等が低下するようにしたりするものであってもよい。すなわち、アップデート機能は、対象装置10で用いられる制御プログラムや情報を、現在とは異なるものとする機能であると言ってもよい。
【0037】
テスト補助装置20は、対象装置10のテストを行う際に対象装置10に接続されて用いられうる。テストとは、例えば、所定のテスト項目について評価や検証を行うことをいう。テストとは、ソフトウェアテストであってもよいし、その他の種々の機能確認であってもよい。本実施の形態において、例えば、テスト補助装置20は、後述のように制御装置70に接続されて、制御装置70から出力される指示に応じて、対象装置10に対して指示を行ったり、信号を出力したりするように構成されている。また、テスト補助装置20は、対象装置10から出力された信号や情報等に応じて、情報の蓄積、制御装置70への情報の送信、又は対象装置10への信号等の出力などを行うように構成されている。
【0038】
なお本実施の形態において、テスト補助装置20は、例えばデバッグボード(評価ボード)であるが、これに限らず、種々の入出力機能を有する装置であってもよい。テスト補助装置20が用いられずに対象装置10のテストを行うようにしてもよい。テスト補助装置20を必要としない内容のテストを行ってもよい。対象装置10自身において制御装置70との間でテストを行うための情報の入出力を直接行うことができるように構成されていてもよい。
【0039】
外部装置90は、例えば、作業支援装置1と通信可能に設けられたサーバ装置である。外部装置90と作業支援装置1との通信経路は、種々の経路が用いられうる。例えば、インターネットやイントラネット等のネットワークを介して外部装置90と作業支援装置1とが通信可能に接続されていてもよい。また、外部装置90と作業支援装置1とが1対1の関係で通信可能に直接接続されていてもよい。このように外部装置90と作業支援装置1とが接続されているため、作業支援装置1において外部装置90からの情報の取得が可能となっている。
【0040】
外部装置90は、例えば、格納部91を有している。格納部91には、作業支援装置1により用いられ、対象装置10に対して適用されるアップデート情報が格納されている。なお、複数種類のアップデート情報が格納部91に格納されていてもよい。この場合、複数種類のアップデート情報のそれぞれは、例えば、対象装置10の機種や制御プログラムのバージョン等、対象装置10に関する所定の属性の属性値に対応付けられて格納される。作業支援装置1は、これらの複数種類のアップデート情報のうち、対象とする対象装置10の属性値に応じたアップデート情報を用いるように構成されていればよい。
【0041】
本実施の形態において、作業支援装置1は、ホスト切替部30と、媒体切替部40と、制御装置70とを含んでいる。本実施の形態において、作業支援装置1は、以下のように複数のハードウェアを組み合わせて構成されたシステムであるといえる。
【0042】
ホスト切替部30は、例えば、ホスト側(アップストリーム側)の接続部において、ホスト装置となり得る複数の装置に接続可能であり、ペリフェラル側(ダウンストリーム側)の接続部において、ホスト装置に対してペリフェラルとして接続される機器に接続可能な装置である。ホスト切替部30は、ホスト側に接続された複数の装置のうちホスト装置としてペリフェラルとなる機器との間で通信可能な装置がどの装置となるかを切替可能に構成されている。
【0043】
本実施の形態において、ホスト切替部30のホスト側の接続部には、対象装置10と制御装置70とが接続される。ホスト切替部30のペリフェラル側には、媒体切替部40が接続される。ホスト切替部30のペリフェラル側には、媒体切替部40を介して、外部記憶媒体50が接続されると言える。換言すると、ホスト切替部30は、外部記憶媒体50、対象装置10及び制御装置70のそれぞれに有線接続される。
【0044】
本実施の形態において、ホスト切替部30は、外部記憶媒体50に対してアクセス可能なホスト装置が対象装置10であるか制御装置70であるかを切り替えるように構成されている。すなわち、対象装置10と制御装置70とは、それぞれ、ホスト切替部30の切替状態に応じてホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能となるように、ホスト切替部30のホスト側の接続部に接続されている。
【0045】
なお、ホスト切替部30は、一方の接続部と他方の接続部とでホスト側とペリフェラル側との区別がなく用いることができるように構成されていてもよい。
【0046】
ここで、ホスト切替部30は、外部から入力された切替信号に応じて、ホスト側に接続された対象装置10と制御装置70とのうち、ホスト装置としてペリフェラル側の機器に接続される装置を切替可能に構成されている。例えば、ホスト切替部30は、リレーにより、ホスト装置として接続される機器を切替可能に構成されており、切替信号は、当該リレーの切替状態を指定可能な信号である。ホスト切替部30は、例えば、公知のUSB切替器などのようなホスト装置を切り替え可能な回路を有する機器と、当該回路の状態を切り替えるリレーボードとを組み合わせて構成することができるが、その他の方法により構成されていてもよい。
【0047】
媒体切替部40は、例えば、ホスト側の接続部において、ホスト装置に接続可能であり、ペリフェラル側の接続口において、ホスト装置に対してペリフェラルとして接続されうる複数の機器に接続可能な装置である。媒体切替部40は、ペリフェラル側の接続口に接続された複数の外部記憶媒体50のうち一の外部記憶媒体50をホスト装置からアクセス可能にするように構成されている。
【0048】
本実施の形態において、媒体切替部40のホスト側の接続部には、上述のようにホスト切替部30が接続される。すなわち、媒体切替部40は対象装置10と制御装置70とのうち、ホスト切替部30により選択されたホスト装置として機能する装置が接続される。媒体切替部40のペリフェラル側には、外部記憶媒体50が接続される。媒体切替部40には、複数の外部記憶媒体50が接続可能であり、複数の外部記憶媒体50のうち媒体切替部40によりペリフェラルとして接続可能に切り替えられた外部記憶媒体50が、ホスト装置に接続されるようになっている。
【0049】
媒体切替部40は、外部から入力された選択信号に応じて、ペリフェラル側に接続された複数の機器とのうち、ホスト装置に接続される装置を切替可能に構成されている。選択信号は、アップデート情報を蓄積したり読み込んだりするのに用いる外部記憶媒体50を選択するための信号であるといえる。媒体切替部40としては、公知のUSBマルチプレクサを用いることができるが、その他の方法により構成された回路や装置が用いられてもよい。
【0050】
制御装置70は、例えば、パーソナルコンピュータである。制御装置70は、上述のように、テスト補助装置20と、ホスト切替部30と、外部装置90とに接続されている。
【0051】
また、制御装置70は、ホスト切替部30に対して切替信号を出力することができるように、ホスト側の接続部への接続とは異なる方法で、ホスト切替部30に接続されている。このように構成されていることにより、ホスト切替部30は、制御装置70から出力される切替信号に応じて切り替えを行うように構成されているといえる。例えば、ホスト切替部30に、ホスト側の接続部とは異なる制御用ポートに対してUSBケーブル等を通じて入力される切替信号に応じて動作可能なリレーボードが用いられている場合、制御装置70は、当該制御用ポートにも接続されて、切替信号をリレーボードに入力することができるようになっている。
【0052】
また、本実施の形態において、制御装置70は、媒体切替部40に対して選択信号を出力することができるように、媒体切替部40に接続されている。例えば、媒体切替部40として、ペリフェラルとなる機器を選択するための制御用ポートが設けられている公知のマルチプレクサが用いられる場合、制御装置70は、当該制御用ポートに接続されて、選択信号を入力することができるようになっている。
【0053】
(対象装置の構成例)
【0054】
次に、対象装置10の構成例について説明する。
【0055】
図2は、同作業支援装置1と共に用いられうる対象装置10の一例を示すブロック図である。
【0056】
図に示されるように、対象装置10は、格納部11と、表示部12と、外部機器接続部13と、処理部14とを備える。
【0057】
対象装置10の格納部11には、対象装置10で用いられるプログラムや種々の情報等が格納されている。本実施の形態において、格納部11には、対象装置10のオペレーティングシステムである制御プログラム等が格納されている。また、格納部11には、対象装置10の機能を発揮するために制御プログラム等により用いられる情報が格納されている。
【0058】
表示部12は、例えば、情報の表示を行うことができるように構成されている。本実施の形態において、表示部12は、対象装置10のユーザによる操作を受け付け可能な受付部121を有している。表示部12は、例えば、タッチパネルを有する液晶ディスプレイ等である。なお、表示部12は、このような構成に限られず、その他の方法で光や音声等を出力することができるように構成されているものであってもよい。
【0059】
受付部121は、表示部12に設けられていなくてもよい。受付部121により受付可能な情報の入力に用いられうる入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるものなど、何でもよい。受付部121は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されうる。
【0060】
対象装置10の外部機器接続部13は、対象装置10に外部の機器を接続するために設けられている公知の入出力インターフェースである。外部機器接続部13は、例えば、USBホストコントローラと、USB端子とをハードウェアとして含んでいるが、これに限られない。外部機器接続部13により、対象装置10は、ホスト切替部30の切替状態が所定の状態である場合に、外部記憶媒体50に対してホスト装置としてアクセス可能に構成されている。
【0061】
対象装置10の処理部14は、例えば、制御プログラムを実行することにより、対象装置10の各部の動作を制御したり、種々の処理を行ったりするように構成されている。本実施の形態において、処理部14は、例えば、アップデート部141と、アップデート後情報出力部143とを有する。
【0062】
アップデート部141は、アップデート機能を実現するための種々の処理を行うように構成されている。アップデート部141は、例えば、アップデート機能の開始に関する所定の開始条件が満たされた場合に、アップデート機能を開始する。
【0063】
なお、開始条件は、例えば、後述のように制御装置70からの所定の指示が対象装置10において受け付けられたことを含んでいるが、これに限られない。例えば、当該対象装置10に適用可能であるアップデート情報が外部記憶媒体50に格納されていることが検知されたことや、所定のタイミングが到来したことや、アップデート機能の開始に関する所定のユーザによる指示が受け付けられたこと、などを含むものであってもよい。
【0064】
アップデート機能の実行時において、アップデート部141は、例えば、次のような動作を行う。すなわち、対象装置10をホスト装置として、ペリフェラルとしてアクセス可能に接続された外部記憶媒体50からアップデート情報を取得して、アップデート情報を用いてアップデート動作を行う。アップデート動作では、例えば、制御プログラムのアップデート(更新と言ってもよい)が行われる。なお、アップデート動作では、格納部11に格納されている、制御プログラムにより用いられる情報のアップデートが行われるようにしたり、制御プログラムと制御プログラムにより用いられる情報との両方のアップデートが行われるようにしたりしてもよい。
【0065】
具体例としては、例えば、以下のようにしてアップデート機能が実行されればよい。すなわち、制御プログラムやデータのアップデート用の情報がまとめられたアップデート情報であるディスクイメージファイルが外部記憶媒体50に格納されている場合において、その外部記憶媒体50が、ホスト装置である対象装置10からアクセス可能になった場合を想定する。この場合、アップデート部141は、アップデート情報を外部記憶媒体50から取得して、対象装置10に適用可能であると判断すると、当該アップデート情報を用いて格納部11内の情報を更新する処理を行う。これにより、アップデート機能が完了する。
【0066】
アップデート後情報出力部143は、アップデート機能の実行後に、アップデート後情報を取得し、出力する。アップデート後情報は、例えば、アップデート機能の実行が成功したか否かに関する情報であってもよいし、アップデート機能の実行後の対象装置10の状態を示す情報であってもよい。アップデート後情報としては、例えば、アップデート機能の実行結果を示す情報や、アップデート後の制御プログラムや情報に関するバージョン番号等が該当しうるが、これらに限られない。アップデート後情報の出力とは、例えば、テスト補助装置20への情報の送信(テスト補助装置20を介した制御装置70への情報の送信であってもよい)であるが、これに限られない。例えば、表示部12を用いて情報を表示したり音声を出力したりすることなどであってもよい。また、アップデート後情報を格納部11に蓄積したり、外部記憶媒体50に蓄積したりすることを、アップデート後情報の出力と言ってもよい。
【0067】
なお、アップデート後情報出力部143は、アップデート機能に関する所定の出力条件が満たされた場合にアップデート情報の取得や出力を行うように構成されていてもよい。出力条件とは、例えば、アップデートに関する処理が所定の態様(正常とされる態様であってもよいし、正常でない又は異常であるとされる態様であってもよい)で終了したこと、アップデートに関する処理が開始されたこと、アップデートの開始時又は終了時等の所定のタイミングから所定の時間が経過したこと、アップデートに関する所定のユーザによる指示や制御装置70等からの指示が受け付けられたこと、などであるが、これらに限られない。
【0068】
(制御装置の構成例)
【0069】
次に、制御装置70の構成例について説明する。
【0070】
図3は、同作業支援装置1の制御装置70の一例を示すブロック図である。
【0071】
図に示されるように、制御装置70は、格納部71と、受信部72と、外部機器接続部73と、処理部74とを備える。
【0072】
制御装置70の格納部71には、制御装置70で用いられるプログラムや種々の情報等が格納されている。本実施の形態において、格納部71には、外部装置90から取得されるアップデート情報等が蓄積される。
【0073】
受信部72は、他の装置から送信された情報を受信する。受信部72は、受信した情報を、例えば、格納部71に保存する。受信部72は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0074】
制御装置70の外部機器接続部73は、制御装置70に外部の機器を接続するために設けられている公知の入出力インターフェースである。外部機器接続部73は、対象装置10の外部機器接続部13と同様に、例えば、USBホストコントローラと、USB端子とをハードウェアとして含んでいる。外部機器接続部73により、制御装置70は、ホスト切替部30の切替状態が所定の状態である場合に、外部記憶媒体50に対してホスト装置としてアクセス可能に構成されている。
【0075】
制御装置70の処理部74は、例えば、所定の制御プログラムを実行することにより、制御装置70の各部の動作を制御したり、種々の処理を行ったりするように構成されている。
【0076】
本実施の形態において、処理部74は、例えば、アップデート情報取得部741と、蓄積処理部743と、信号出力部745と、指示部747と、アップデート後判断部749と、テスト実行部751とを備える。処理部74は、これらの各部により、略自動的に、対象装置10にアップデート機能を実行させたり、対象装置10のテストを行ったりすることができるように構成されている。
【0077】
アップデート情報取得部741は、外部記憶媒体50に蓄積するためのアップデート情報を取得する。アップデート情報取得部741は、例えば、外部装置90からアップデート情報を取得可能である。
【0078】
本実施の形態において、アップデート情報取得部741は、所定の取得条件を満たす場合に、外部装置90からアップデート情報を取得するように構成されている。所定の取得条件とは、例えば、時間に関する条件を含むものとすることができる。時間に関する条件は、例えば、所定の日時になったことや、予め設定された所定の周期が経過したことや、例えば前回取得条件が満たされたタイミングなどの所定のタイミングから所定の時間が経過したことなどとすることができる。また、取得条件は、アップデート情報の更新状態に関する条件を含んでいてもよい。更新状態に関する条件とは、外部装置90に格納されているアップデート情報が更新されたと処理部74が判断したことや、アップデート情報の更新日から所定の時間が経過したこと(この条件を時間に関する条件と解釈してもよい)や、外部装置90や対象装置10等の他の装置から送信されたアップデート情報の更新状態に関する情報を処理部74が取得したことや、ユーザ等により入力されたアップデート情報の更新に関する所定の情報を処理部74が取得したことなどとすることができる。このようにアップデート情報取得部741が所定の取得条件を満たす場合に外部装置90からアップデート情報を取得するように構成されているので、適時にアップデート情報を取得することができる。
【0079】
蓄積処理部743は、制御装置70がホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能である状態で、取得されたアップデート情報を、外部記憶媒体50に蓄積する。
【0080】
信号出力部745は、蓄積処理部743の処理が行われた後で、ホスト装置が対象装置10となるように、切替信号をホスト切替部30に出力する。本実施の形態において、信号出力部745は、所定の切替条件が満たされたと判断した場合に、切替信号の出力を行うように構成されている。具体的には、例えば、信号出力部745は、蓄積処理部743による処理が開始されてから所定の待機時間が経過した場合(切替条件に含まれる条件の1つの一例)に、ホスト装置が対象装置10となるように切替信号をホスト切替部30に出力するように構成されている。なお、信号出力部745は、例えば、アップデート情報を外部記憶媒体50に蓄積する処理が完了したこと(切替条件の1つの一例)を検知して、その後に切替信号を出力するように構成されていてもよい。
【0081】
なお、このように信号出力部745によってホスト装置が対象装置10となるように切替信号を出力する場合において、処理部74は、制御装置70から外部記憶媒体50に情報を読み書き可能なアクセス可能な状態を解除するように構成されていてもよい。
【0082】
なお、本実施の形態において信号出力部745は、所定の第二切替条件が満たされたと判断した場合に、ホスト装置が制御装置70となるように、切替信号をホスト切替部30に出力するように構成されていてもよい。これにより、制御装置70がホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能な状態にすることができる。なお、第二切替条件は、例えば、アップデート情報取得部741によるアップデート情報の取得が行われたことを含んでいるが、これに限られない。第二切替条件は、対象装置10から出力されたアップデート後情報が取得されたことであってもよいし、後述のようにアップデート後情報に基づく所定のテスト実行条件が満たされたことであってもよい。例えば、ホスト装置が対象装置10となっている状態において、対象装置10によるアップデート機能の実行が正常に終了したことなどが第二切替条件に含まれるようにしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態において、信号出力部745は、所定の選択条件が満たされた場合に、媒体切替部40に対して選択信号を出力可能に構成されていてもよい。選択条件は、例えば、アップデート情報取得部741によるアップデート情報の取得が行われたことを含んでいてもよく、この場合、毎回アップデート情報の蓄積先を切り替えることができる。また、選択条件は、例えば、媒体切替部40において現在ホスト装置に対して接続可能である外部記憶媒体50の残記憶容量が所定値より小さいことを含んでいてもよく、この場合、より記憶容量が大きい外部記憶媒体50にアップデート情報を蓄積することができる。また、選択条件は、例えば、対象装置10に関する属性値に予め対応付けられている外部記憶媒体50がホスト装置に対して接続可能である状態ではないことを含んでいてもよく、この場合、対象装置10に関する属性値(機種、制御プログラム等のバージョンなど)毎に、予め対応付けられた外部記憶媒体50を用いることができる。
【0084】
なお、このように信号出力部745によって媒体切替部40に対して選択信号を出力する場合において、処理部74は、制御装置70から外部記憶媒体50に情報を読み書き可能なアクセス可能な状態を解除するように構成されていてもよい。この場合、選択信号の出力後に、媒体切替部40により切り替えられた別の外部記憶媒体50が新たに制御装置70に接続される。
【0085】
指示部747は、本実施の形態において、信号出力部745により切替信号がホスト切替部30に出力した後で、対象装置10に対してアップデート情報を用いたアップデート機能を実行させるための指示を行うように構成されている。すなわち、指示部747は、指示を行うことにより、対象装置10にアップデート機能を実行させることができるように構成されている。指示部747は、所定の指示条件が満たされたと判断した場合に、当該指示を行うように構成されていると言ってもよい。指示条件は、例えば、切替信号の出力タイミングから所定の時間が経過したことを含むものとすることができるが、これに限られない。例えば、指示条件が、制御装置70から外部記憶媒体50にアクセス不能になったことを含むようにしてもよい。また、例えば、指示条件が、対象装置10から所定の情報の出力があったことを含むようにしてもよい。所定の情報の出力とは、例えば、テスト補助装置20を通じた情報の送信であってもよいし、表示部12への外部記憶媒体50に接続されたことに関する情報の表示などであってもよい。
【0086】
アップデート後判断部749は、対象装置10から出力されたアップデート後情報を取得し、取得したアップデート後情報に基づいて、所定のテスト実行条件を満たすかどうかを判断する。アップデート後情報の取得は、例えば、次のように行われうる。例えば、アップデート後情報が、テスト補助装置20等を介した制御装置70への情報の送信により出力される場合において、送信されたアップデート後情報を受信部72により受信することにより行われうる。また、例えば、表示部12を用いて情報を表示したり音声を出力したりすることなどによりアップデート後情報が出力される場合には、出力されたアップデート後情報をカメラやマイク等のセンサ(図示せず)等により検知することにより行われうる。また、テスト実行条件は、例えば、アップデート後情報によりアップデートが正常に終了したと判断されることを含むものとすることができるが、これに限られない。テスト実行条件は、アップデート後情報が所定の情報を含むものであると判断されることを含んでいてもよいし、結果の如何を問わずアップデートが終了したと判断されることを含むようにしてもよい。
【0087】
テスト実行部751は、アップデート後判断部749による判断結果に応じて、対象装置10に対する所定のテストシナリオを実行する。例えば、アップデート後判断部749によりテスト実行条件が満たされると判断された場合に、テスト実行部751が、テストシナリオを実行する。テストシナリオの実行は、公知の方法により行われうる。例えば、上述のようにテスト補助装置20に対して指示を行うことにより実現されうる。
【0088】
なお、上述の格納部11,71,91は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。これらには、それぞれの装置において取得された情報などがそれぞれ格納されるが、情報等が記憶される過程はこれに限られない。例えば、記録媒体を介して情報等が記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報等が記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報等が記憶されるようになってもよい。
【0089】
また、上述の処理部14,74は、通常、MPUやメモリ等から実現されうる。処理部14,74の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0090】
(作業支援装置の動作の具体例)
【0091】
次に、本実施の形態にかかる作業支援装置1の動作の具体例について説明する。以下の具体例においては、例えば、対象装置10の制御プログラムの開発を行う場面などにおいて、新しいバージョンの制御プログラムを対象装置10に適用するためのアップデート機能の実行と、新しいバージョンの制御プログラムでの動作時における対象装置10の所定のテストシナリオの実行とが行われる場合を想定する。
【0092】
なお、制御装置70の処理部74が制御装置70の各部を制御したり対象装置10の処理部14が対象装置10の各部を制御したりすることにより、作業支援装置1及びそれとともに用いられる各装置において、全体として以下のような動作が実現される。以下の動作は、定期的に繰り返し行われるように構成されている。
【0093】
なお、以下の具体例において、各条件は、例えば、以下のように設定されているものとする。選択条件は、アップデート情報取得部741によるアップデート情報の取得が行われたことである。切替条件は、蓄積処理部743による処理が開始されてから所定の待機時間が経過したことである。指示条件は、切替信号の出力タイミングから所定の時間が経過したことである。開始条件は、制御装置70からの所定の指示が対象装置10において受け付けられたことである。出力条件は、例えば、アップデート機能の実行が終了したことである。第二切替条件は、対象装置10から出力されたアップデート後情報が取得されたことである。テスト実行条件は、例えば、アップデート後情報によりアップデートが正常に終了したと判断されることである。
【0094】
図4は、同作業支援装置1を用いた対象装置10のアップデートやテストの実行時における制御装置70及び対象装置10の動作を説明する第1のフローチャートである。
図5は、同作業支援装置1を用いた対象装置10のアップデートやテストの実行時における制御装置70及び対象装置10の動作を説明する第2のフローチャートである。
【0095】
まず、新しいバージョンの制御プログラムを適用するためのアップデート情報が、外部装置90に格納されるものとする。また、この状態において、ホスト切替部30により、制御装置70がホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能であるものとする。
【0096】
(S11)制御装置70において、処理部74は、取得条件が満たされたか否かを判断する。取得条件が満たされたと判断された場合にはS12に進み、そうでない場合には再度S11の処理を行う。
【0097】
(S12)処理部74は、アップデート情報を外部装置90から取得する。この場合のアップデート情報の流れが、
図1において矢印F1により示されている。
【0098】
(S13)処理部74は、アップデート情報の取得が行われたことにより、選択条件が満たされたと判断する。この場合、処理部74は、選択信号を媒体切替部40に出力する。これにより、制御装置70がアクセス可能な外部記憶媒体50が切り替わる。
【0099】
(S14)処理部74は、取得したアップデート情報を、外部記憶媒体50に蓄積する。この場合のアップデート情報の流れが、
図1において矢印F2により示されている。
【0100】
(S15)処理部74は、アップデート情報の蓄積処理が開始されてから所定の待機時間が経過した場合に、切替条件が満たされたと判断する。この場合、処理部74は、ホスト装置が対象装置10となるように、切替信号をホスト切替部30に出力する。これにより、対象装置10がホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能となる。
【0101】
(S16)処理部74は、切替信号を出力してから所定の時間が経過した場合に、指示条件が満たされたと判断する。この場合、処理部74は、対象装置10に対してアップデート情報を用いたアップデート機能を実行させるための指示を行う。
【0102】
(S17)このように制御装置70においてアップデート機能を実行させるための指示が行われると、対象装置10において、処理部14は、当該指示を受け付ける。
【0103】
(S18)対象装置10において、処理部14は、開始条件が満たされたと判断する。この場合、処理部14は、アップデート機能を開始する。すなわち、処理部14は、外部記憶媒体50に格納されているアップデート情報を取得する。この場合のアップデート情報の流れが、
図1において矢印F3により示されている。そして、処理部14は、取得したアップデート情報を用いて、制御プログラム等のアップデートを行う。
【0104】
(S19)アップデート機能の実行が終了すると、処理部14は、出力条件が満たされたと判断する。この場合、処理部14は、アップデート後情報を取得し、出力する。
【0105】
(S20)このように対象装置10においてアップデート後情報が出力されると、制御装置70において、処理部74は、対象装置10から出力されたアップデート後情報を取得する。
【0106】
(S21)処理部74は、対象装置10から出力されたアップデート後情報が取得されたことに伴い、第二切替条件が満たされたと判断する。この場合、処理部74は、ホスト装置が制御装置70となるように、切替信号をホスト切替部30に出力する。これにより、制御装置70がホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能に接続される。なお、これに先立って、例えばアップデート後情報の出力時に、対象装置10における外部記憶媒体50との接続が解除されるように構成されていてもよい。
【0107】
(S22)処理部74は、取得したアップデート後情報に基づいて、所定のテスト実行条件を満たすかどうかを判断する。テスト実行条件が満たされたと判断された場合、すなわちアップデート後情報によりアップデートが正常に終了したと判断された場合にはS23に進み、そうでない場合には、一連の処理を終了する。なお、テスト実行条件が満たされたと判断されない場合、そのことを示す情報等を制御装置70から出力し、テスト実行条件が満たされたと判断されなかったこと等をユーザ等が容易に認識することができるようにしてもよい。
【0108】
(S23)処理部74は、対象装置10に対する所定のテストシナリオを実行する。これにより、今回アップデート機能を実行した後の状況に応じて、対象装置10のテストを行うことができる。その後、一連の動作が終了する。
【0109】
なお、上記の動作は、適宜、ユーザによる操作や介入などによって終了されうる。
【0110】
また、上記の具体例は一例であり、各条件の設定内容等により、動作の順番は入れ替わりうるものである。
【0111】
(本実施の形態のまとめ)
【0112】
以上説明したように、本実施の形態においては、制御装置70は、ホスト装置として外部記憶媒体50にアクセス可能な状態でアップデート情報を外部記憶媒体50に蓄積し、その後でホスト装置を対象装置10に切り替える切替信号をホスト切替部30に出力する。これにより、対象装置10において、外部記憶媒体50に格納されたアップデート情報を用いたアップデート機能の実行が、自動的に可能となる。したがって、例えばパーソナルコンピュータ等を用いて外部記憶媒体50へのアップデート情報を書き込んだ後に外部記憶媒体50のパーソナルコンピュータからの取外し及び対象装置10への接続を行うような手間を省くことができ、容易に、対象装置10において、外部記憶媒体50に格納されたアップデート情報を用いたアップデート機能を実行させることができる。
【0113】
本実施の形態においては、アップデート機能の終了後に、自動的に、テストシナリオを実行させることができる。したがって、対象装置10の制御プログラム等のアップデートと、アップデート後のテストの実行とを自動的に行うことができ、作業工数を削減し、スムーズに制御プログラム等の開発作業を進めることができる。
【0114】
例えば、上述のような作業支援装置1の一使用例として、対象装置10の制御プログラムの開発を行う際に、制御プログラムのビルド完了後に自動的に外部装置90にアップデート情報を蓄積しておくようにし、かつ、取得条件として毎日定時に外部装置90のアップデート情報を取得するようにするなどしてもよい。このように作業支援装置1を使用することで、毎日最新の制御プログラムにより開発対象となる対象装置10が動作するようし、効率的に開発を行うことができる開発環境を容易に実現することができる。
【0115】
(その他)
【0116】
図6は、上記実施の形態におけるコンピュータシステム800の概観図である。
図7は、同コンピュータシステム800のブロック図である。
【0117】
これらの図においては、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の制御装置や外部装置等を実現するコンピュータの構成例が示されている。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現されうる。
【0118】
コンピュータシステム800は、光ディスクドライブを含むコンピュータ801と、キーボード802と、マウス803と、モニタ804とを含む。
【0119】
コンピュータ801は、光ディスクドライブ(ODD)8012に加えて、MPU8013と、光ディスクドライブ8012等に接続されたバス8014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM8015と、MPU8013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM8016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク(HDD)8017とを含む。ここでは図示しないが、コンピュータ801は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでもよい。
【0120】
コンピュータシステム800に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、光ディスク8101に記憶されて、光ディスクドライブ8012に挿入され、さらにハードディスク8017に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ801に送信され、ハードディスク8017に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM8016にロードされる。プログラムは、光ディスク8101又はネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0121】
プログラムは、コンピュータ801に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、又はサードパーティープログラム等を、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム800がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0122】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0123】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の構成要素は、物理的に一の媒体で実現されてもよい。
【0124】
上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、又は、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現されうる。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0125】
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい(この場合、分散処理を行う複数の装置により構成されるシステム全体を1つの「装置」として把握することが可能である)。
【0126】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、又は、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0127】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、又は長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、又は、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、又は、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0128】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、又は、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0129】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0130】
上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態のそれぞれの構成要素のうち、一部の構成要素や機能が省略されていたり、他の構成要素が追加されたりしてもよい。
【0131】
なお、上述の実施の形態において、作業支援装置の各部や、外部記憶媒体や、対象装置の互いの接続方法、通信方法は、USB規格によるものを想定して説明したが、これに限られない。各部の接続方法や通信方法として、種々の公知の方法を用いることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上のように、本発明にかかる作業支援装置は、自動的に、対象装置からアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体にアクセス可能にすることができるという効果を有し、作業支援装置等として有用である。
【符号の説明】
【0133】
1 作業支援装置
10 対象装置
30 ホスト切替部
50 外部記憶媒体
70 制御装置
90 外部装置
141 アップデート部
143 アップデート後情報出力部
741 アップデート情報取得部
743 蓄積処理部
745 信号出力部
747 指示部
749 アップデート後判断部
751 テスト実行部
【要約】
【課題】外部記憶媒体に記憶されたアップデート情報を対象装置からアクセス可能にするには、手間がかかるという問題があった。
【解決手段】作業支援装置1は、対象装置10に適用するためのアップデート情報を取得する制御装置70と、外部記憶媒体50、対象装置10及び制御装置70のそれぞれに有線接続されたホスト切替部30とを備える。ホスト切替部30は、外部記憶媒体50に対してアクセス可能なホスト装置が対象装置10であるか制御装置70であるかを制御装置から出力される切替信号に応じて切り替える。このような作業支援装置1により、自動的に、対象装置10からアップデート情報が蓄積された外部記憶媒体50にアクセス可能にすることができる。
【選択図】
図1