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  • 特許-水蒸気爆発による水蒸気流の発生装置 図1
  • 特許-水蒸気爆発による水蒸気流の発生装置 図2
  • 特許-水蒸気爆発による水蒸気流の発生装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】水蒸気爆発による水蒸気流の発生装置
(51)【国際特許分類】
   F03G 6/06 20060101AFI20240611BHJP
   F03G 6/00 20060101ALI20240611BHJP
   F24S 23/75 20180101ALI20240611BHJP
   F24S 10/60 20180101ALI20240611BHJP
【FI】
F03G6/06
F03G6/00 501
F24S23/75
F24S10/60
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023068112
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】597175972
【氏名又は名称】石田 信義
(74)【代理人】
【識別番号】230115336
【弁護士】
【氏名又は名称】山下 あや理
(72)【発明者】
【氏名】石田 信義
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-148455(JP,A)
【文献】特開平10-318122(JP,A)
【文献】特開2003-41907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 6/00
F24S 23/75
F24S 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光する放物面のほぼ四角形な区切り部分を利用して、直射の太陽光線(1)を受ける集光装置用の反射板(2)と、その反射板(2)によって反射された太陽光線(3)を、円形の受光窓(4)から円錐形のすぼんだ頂点部(6)へ進める円錐形の送光管(5)と、その送光管(5)のすぼんだ頂点部(6)に接続された送光管(7)と、その送光管(7)の途中に介在する光量調節用レバー付きの箱(8)と、同じく送光管(7)の先端部に接続された射光ノズル(9)とを有する送光管路系統と、
水用タンク(10)の底部に接続された送水管(11)と、その送水管(11)にポンプ(12)を介して接続された送水管(14)と、上記ポンプ(12)に取り付けられた水圧と水量の調整用レバー(13)と、上記送水管(14)の先端部に接続された射水ノズル(15)とを有する送水管路系統と、
閉じた管端に水蒸気噴出孔(17)と、管周壁の上部に上記射水ノズル(15)の受け入れ小孔(18)とが各々開口形成され、同じく管周壁の下部における上記射水ノズル受け入れ小孔(18)の開口と対応位置する付近に支持棒(20)が内蔵設置され、その支持棒(20)の起立した先端部に上向き拡開する円錐形の小室(21)が設けられていると共に、その小室(21)の底部に耐爆発性の熱吸収体(22)が設置された一方の爆発室用管(16)と、
閉じたままの管端(25)を有し、管周壁の上部に上記射光ノズル(9)の受け入れ小孔(26)が開口形成され、同じく管周壁における上記円錐形の小室(21)や熱吸収体(22)、射光ノズル(9)並びに射水ノズル(15)の状態を覗ける位置に、小さな覗き穴(28)とその覗き穴(28)を閉めるパッキング付きの扉(29)が各々設けられた他方の爆発室用管(24)とから成り、
爆発室になる上記一方の管(16)と他方の管(24)との開口した管端同士をパッキング(31)を介して、その管周壁の数ヶ所から各々張り出す接合用フランジ(23)(30)同士のボルト受け入れ孔に貫通されるボルト(32)と、そのボルト(32)に締結されるナット(33)により接合すると共に、
上記一方の管(16)における射水ノズル受け入れ小孔(18)の開口位置付近に、上記射水ノズル(15)の位置及び角度調節用ネジ及びレバー付きの箱(19)を、上記他方の管(24)における射光ノズル受け入れ小孔(26)の開口位置付近に、上記射光ノズル(9)の位置及び角度調節用ネジ及びレバー付きの箱(27)を各々設置して、
上記管(16)の射水ノズル受け入れ小孔(18)に差し込み設置された射水ノズル(15)から出る水滴と、上記管(24)の射光ノズル受け入れ小孔(26)に差し込み設置された射光ノズル(9)から出る太陽光線とが、上記爆発室内の熱吸収体(22)に命中することとなるように、その射水ノズル(15)と射光ノズル(9)との差し込み位置及び差し込み角度を上記箱(19)(27)のネジ及びレバーにより各々調節して、
その太陽光線と水滴での水蒸気爆発を起こし、上記管(16)の水蒸気噴出孔(17)から水蒸気流を発生させるように設定したことを特徴とする水蒸気爆発による水蒸気流の発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光と水滴での水蒸気爆発を起こして、噴出する水蒸気流を発生させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱機関としては、発動機やボイラーなどのほか、原子力発電が使用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】教学研究社の理科中学事典
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の発動機やボイラーでは二酸化炭素(CO )や有害物質を排出し、また原子力発電では放射性物質を排出するため、地球温暖化やその他の地球環境を破壊する問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題の解決を目的としており、有害な物質を排出しないエネルギー源を得るために、請求項1では水蒸気爆発による水蒸気流の発生装置として、集光する放物面のほぼ四角形な区切り部分を利用して、直射の太陽光線を受ける集光装置用の反射板と、その反射板によって反射された太陽光線を、円形の受光窓から円錐形のすぼんだ頂点部へ進める円錐形の送光管と、その送光管のすぼんだ頂点部に接続された送光管と、その送光管の途中に介在する光量調節用レバー付きの箱と、同じく送光管の先端部に接続された射光ノズルとを有する送光管路系統と、
【0006】
水用タンクの底部に接続された送水管と、その送水管にポンプを介して接続された別な送水管と、上記ポンプに取り付けられた水圧と水量の調整用レバーと、上記別な送水管の先端部に接続された射水ノズルとを有する送水管路系統と、
【0007】
閉じた管端に水蒸気噴出孔と、管周壁の上部に上記射水ノズルの受け入れ小孔とが各々開口形成され、同じく管周壁の下部における上記射水ノズル受け入れ小孔の開口と対応位置する付近に支持棒が内蔵設置され、その支持棒の起立した先端部に上向き拡開する円錐形の小室が設けられていると共に、その小室の底部に耐爆発性の熱吸収体が設置された一方の爆発室用管と、
【0008】
閉じたままの管端を有し、管周壁の上部に上記射光ノズルの受け入れ小孔が開口形成され、同じく管周壁における上記円錐形の小室や熱吸収体、射光ノズル並びに射水ノズルの状態を覗ける位置に、小さな覗き穴とその覗き穴を閉めるパッキング付きの扉が各々設けられた他方の爆発室用管とから成り、
【0009】
爆発室になる上記一方の管と他方の管との開口した管端同士をパッキングを介して、その管周壁の数ヶ所から各々張り出す接合用フランジ同士のボルト受け入れ孔に貫通されるボルトと、そのボルトに締結されるナットにより接合すると共に、
【0010】
上記一方の管における射水ノズル受け入れ小孔の開口位置付近に、上記射水ノズルの位置及び角度調節用ネジ及びレバー付きの箱を、上記他方の管における射光ノズル受け入れ小孔の開口位置付近に、上記射光ノズルの位置及び角度調節用ネジ及びレバー付きの箱を各々設置して、
【0011】
上記一方の管の射水ノズル受け入れ小孔に差し込み設置された射水ノズルから出る水滴と、上記他方の管の射光ノズル受け入れ小孔に差し込み設置された射光ノズルから出る太陽光線とが、上記爆発室内の熱吸収体に命中することとなるように、その射水ノズルと射光ノズルとの差し込み位置及び差し込み角度を上記箱のネジ及びレバーにより各々調節して、その太陽光線と水滴での水蒸気爆発を起こし、上記一方の管の水蒸気噴出孔から水蒸気流を発生させるように設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の上記構成によれば、太陽光と水滴での水蒸気爆発を起こして、噴出する水蒸気流を発生させているため、二酸化炭素(CO )や放射性物質を発生させずに、強い瞬発力を発揮して噴出する水蒸気流を得られ、その水蒸気流をエネルギー源としてタービンを動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1本発明の送光管路系統を示す斜視図である。
図2同じく送水管路系統を示す斜視図である。
図3本発明の爆発室を分解して示す一部破断の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を具体的に説明すると、その水蒸気流の発生装置は図1のような送光管路系統と、図2のような送水管路系統と、図3のような太陽光線と水滴での水蒸気爆発を行う爆発室とを備えている。
【0015】
先ず、送光管路系統としては直射の太陽光線(1)を放物面でなる集光装置用の反射板の中で、四角形に近い区切り部分を利用した反射板(2)で受けて、反射された太陽光線(3)を円錐形の内の円形の受光窓(4)で受けて、円錐形全体でなる送光管(5)へ進め、更に円錐形のすぼんだ頂点部(6)へ進め、更に送光管(7)に繋ぎ、光量調節の機能を持つレバー付きの箱(8)を繋ぎ、又送光管(7)に繋ぎ、更にその送光管(7)の先端部に射光ノズル(9)を接続している。受光窓(4)や送光管(5)、すぼんだ頂点部(6)、送光管(7)、光量調節の機能を持つレバー付きの箱(8)、射光ノズル(9)は耐熱性の物質で出来ている。
【0016】
次に、送水管路系統としては水用タンク(10)の底部に送水管(11)を繋ぎ、更にポンプ(12)を繋いでいる。ポンプ(12)には水圧調整と水量調整の機能を持つレバー(13)を取り付けている。更に、ポンプ(12)に送水管(14)を繋ぎ、その送水管(14)の先端部に射水ノズル(15)を接続している。射水ノズル(15)は耐熱性で爆発に耐える物質で出来ている。
【0017】
更に、爆発室はこれを形作る一方の爆発室用管(16)と他方の爆発室用管(24)とから成り、その一方の爆発室用管(16)の閉じた管端には水蒸気の噴出孔(17)を設けている。その管(16)の壁(管周壁)の上部に射水ノズル(15)が通る大きさの小さな穴(18)を開けている。小さな穴(18)の少し上の付近に射水ノズル(15)の位置及び角度の調節機能を持つネジ及びレバー付きの箱(19)を設けている。小さな穴(18)に射水ノズル(15)を差し込むように設置するようになっている。管(16)の壁(管周壁)の中側(中空内部)の下部の開口部付近に、支持棒(20)を設けている。支持棒(20)の先端部に、爆発の準備をするために上向きの円錐形の小さな室(21)を設けている。円錐形の小さな室(21)の底部に、熱の吸収性及び保温性の良い物質でなり爆発に耐える物質でなる熱吸収体(22)を設けている。射水ノズル(15)からの水滴が熱吸収体(22)に命中するようにする。管(16)の周り(管周壁)の数か所に、ボルト用の穴を持つ接合用のフランジ(23)を張り出し形成している。
【0018】
また、他方の爆発室用管(24)は閉じたままの管端(25)を有している。その管(24)の壁(管周壁)の上部に射光ノズル(9)が通る大きさの小さな穴(26)を開けている。その小さな穴(26)の少し上の付近に射光ノズル(9)の位置及び角度の調節機能を持つネジ及びレバー付きの箱(27)を設けている。小さな穴(26)に射光ノズル(9)を差し込むように設置するようになっている。管(24)の壁(管周壁)の部分における射水ノズル(15)や射光ノズル(9)、小さな室(21)、熱吸収体(22)の状態を覗ける位置に、極小さな覗き穴(28)を設けている。爆発の準備をして、爆発の前に覗き穴(28)を閉めるパッキング付き扉(29)を設けている。管(24)の周り(管周壁)の数か所に、ボルト用の穴を持つ接合用のフランジ(30)を張り出し形成している。接合用のフランジ(23)(30)には、ボルト(32)の受け入れ穴が開口されている。一方の管(16)と他方の管(24)との間にパッキング(31)を挟み、接合用のフランジ(23)(30)及びボルト(32)とナット(33)を使って、爆発室用の管(16)と管(24)との両方を接合するようになっている。爆発室に関わる部分は耐熱性でかつ爆発に耐える物質で出来ている。
【0019】
本発明の使用に当たっては、上記爆発室用管(24)に設けられた小さな穴(26)に差し込み設置する射光ノズル(9)の位置及び角度を、その調節用のネジ及びレバーにより調節して、その射光ノズル(9)から出る光線を爆発室内の熱吸収体(22)に命中するように定める。そうすれば、その太陽光線によって上記熱吸収体(22)が加熱されることになる。
【0020】
ここで、太陽光線にどれ位の熱量があるのか見てみると、水1gを1℃上昇する熱量が1カロリーであり、水1gの気化熱は約540カロリーである。従って、0℃の水1gを800℃の水蒸気にする熱量は約1340カロリーである。1粒の水滴の縦、横、高さを3mmの体積として、3mm×3mm×3mm=27mm 3 、重さを約30mgと考えてみると、0℃の水滴30mgを800℃の水蒸気にする熱量は約40.2カロリーであり、これだけ必要となる。
【0021】
又、太陽光の持つ熱量は、太陽常数によると、1分間に1cm 当たり1.95カロリーであるが、地表付近では約半分の0.975カロリーである。これは1秒間に1cm 当たり約0.016カロリーであり、1秒間に1m 当たり約162.5カロリーである。1秒間に1/4m 当たり約40.625カロリーになる。
【0022】
これは、0℃の水滴30mgを800℃の水蒸気にする熱量40.2カロリーにほぼ等しい。太陽光線によって1秒間に1/4m 当たりの場合でも約40.625カロリーであり、ほぼ等しい熱量の値であることがわかる。
【0023】
このような威力がある太陽光を集光して、上記送光管路系統の射光ノズル(9)により爆発室内の熱吸収体(22)へ、言わば一点集中的に照射し、その熱吸収体(22)を高温に加熱するのである。
【0024】
また、他方の上記爆発室用管(16)に設けられた小さな穴(18)に差し込み設置する射水ノズル(15)の位置及び角度を、その調節用のネジ及びレバーにより調節して、その射水ノズル(15)から出る水滴を同じく爆発室内の上記熱吸収体(22)に命中するように定める。そうすれば、その水滴が瞬時に急激に膨張して、水蒸気爆発を起こすに至り、上記爆発室用管(16)の水蒸気噴出孔(17)から噴出する水蒸気流を発生させることができ、その水蒸気流をエネルギー源として使うことにより、タービンを動かせるのである。
【0025】
本発明はこのような太陽光線と水滴での水蒸気爆発を起こして、その噴出する水蒸気流を発生させる装置であり、二酸化炭素(CO )や有害ガス、放射性物質などを排出するおそれはない。
【0026】
本発明の上記構成を備えた水蒸気流発生装置が、小規模である場合、その反射板(2)や射光ノズル(9)及び水用タンク(10)や射水ノズル(15)の規模を小さくすれば良い。射光ノズル(9)及び射水ノズル(15)を少数として、爆発室も小規模にすることが出来る。また、大規模の場合には、反射板(2)や射光ノズル(9)及び水用タンク(10)や射水ノズル(15)の規模を大きくすれば良い。数を多くしておいて、爆発室も大規模にして、幾つもの爆発室にすることも可能である。
【符号の説明】
【0027】
(1)・・・・直射の太陽光線
(2)・・・・反射板
(3)・・・・反射された太陽光線
(4)・・・・受光窓
(5)・・・・送光管
(6)・・・・円錐形のすぼんだ頂点部
(7)・・・・送光管
(8)・・・・光量調節用レバー付きの箱
(9)・・・・射光ノズル
(10)・・・水用タンク
(11)・・・送水管
(12)・・・ポンプ
(13)・・・水圧と水量の調整用レバー
(14)・・・送水管
(15)・・・射水ノズル
(16)・・・爆発室用の管
(17)・・・水蒸気噴出孔
(18)・・・射水ノズル受け入れ小孔
(19)・・・射水ノズルの位置及び角度調整用ネジ及びレバー付きの箱
(20)・・・支持棒
(21)・・・上向き拡開する円錐形の小室
(22)・・・耐爆発性の熱吸収体
(23)・・・接合用フランジ
(24)・・・爆発室用の管
(25)・・・閉じた管端
(26)・・・射光ノズル受け入れ小孔
(27)・・・射光ノズルの位置及び角度調整用ネジ及びレバー付きの箱
(28)・・・覗き穴
(29)・・・覗き穴のパッキング付き扉
(30)・・・接合用フランジ
(31)・・・パッキング
(32)・・・貫通ボルト
(33)・・・ナット
【要約】      (修正有)
【課題】従来の動力源は炭酸ガスや放射能を排出するものでした。炭酸ガスや放射能を排出しない動力源を作りたいと思いました。
【解決手段】光系統の作用により、太陽光線を高密度に集光して、超高温を得ることが出来ます。水系統の作用により、程よく調整された水滴が用意されます。爆発室系統の働きにより、太陽光による熱量を利用して、極わずかの水滴を瞬間に膨張させて、水蒸気爆発を起こさせる事が出来ます。その様な構成でなる、太陽光と水滴から噴出する水蒸気流を発生させる装置です。タービンを回すことが出来ます。
【選択図】図1
図1
図2
図3