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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】療法管理システム、療法管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240612BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019179848
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021056813
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】橋本 幸広
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165867(JP,A)
【文献】特開2000-042103(JP,A)
【文献】特表2017-501470(JP,A)
【文献】特開2019-036356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する第1取得処理部と、
前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する第2取得処理部と、
前記第1取得処理部によって取得される前記基本投与情報と前記第2取得処理部によって取得される前記処方投与情報とを同一画面又は同一シートに出力する出力処理部と、
前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、
を備え
前記出力処理部は、少なくとも前記判定処理部による判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する、
療法管理システム。
【請求項2】
前記出力処理部は、前記基本投与情報の前記基本投与日特定情報と前記処方投与情報の前記処方投与日特定情報とを同一画面又は同一シートに出力する、
請求項1に記載の療法管理システム。
【請求項3】
前記出力処理部は、前記基本投与情報の前記基本投与日と前記処方投与情報の前記処方投与日とを同一画面又は同一シートに出力する、
請求項1又は2に記載の療法管理システム。
【請求項4】
前記出力処理部は、前記基本投与情報の前記基本投与日特定情報又は前記基本投与日を第1方向に沿って時系列順で出力すると共に、当該第1方向に垂直な第2方向において前記基本投与日特定情報又は前記基本投与日と離間又は隣接する位置で、前記処方投与情報の前記処方投与日特定情報又は前記処方投与日を前記第1方向に沿って時系列順で出力する、
請求項1~3のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項5】
前記出力処理部は、前記基本投与薬品ごとに前記基本投与特定情報又は前記基本投与日各々における投与の有無を識別可能に出力すると共に、前記処方投与薬品ごとに前記処方投与日特定情報又は前記処方投与日各々における投与の有無を識別可能に出力する、
請求項4に記載の療法管理システム。
【請求項6】
前記基本療法情報では、前記療法ごとに当該療法に従って投与される前記基本投与薬品の基本投与量を特定するための基本投与量特定情報が対応付けられており、
前記第1取得処理部は、前記処方データで示される前記療法に対応する前記基本投与薬品の前記基本投与量を含む前記基本投与情報を、前記基本療法情報の前記基本投与量特定情報に基づいて取得し、
前記第2取得処理部は、前記処方データで示される前記処方投与薬品の処方投与量を含む前記処方投与情報を取得し、
前記出力処理部は、
前記第2方向に沿って前記基本投与薬品の識別情報を出力すると共に、当該基本投与薬品に対応する前記第1方向上の位置であって当該基本投与薬品が投与されるべき前記基本投与日特定情報又は前記基本投与日に対応する位置に、当該基本投与薬品に対応する前記基本投与量を出力し、
前記第2方向に沿って前記処方投与薬品の識別情報を出力すると共に、当該処方投与薬品に対応する前記第1方向上の位置であって当該処方投与薬品が投与される前記処方投与日特定情報又は前記処方投与日に対応する位置に、当該処方投与薬品に対応する前記処方投与量を出力する、
請求項5に記載の療法管理システム。
【請求項7】
前記第2取得処理部は、同一クールに対応する一又は複数の前記処方データにおける前記処方投与日の合計日数を含む前記処方投与情報を取得する、
請求項1~6のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項8】
前記基本投与日特定情報が、任意の投与開始日から起算した前記基本投与日までの日数を示す情報であり、
前記処方投与日特定情報が、前記処方データで示される投与開始日、又は、同一クールに対応する一又は複数の前記処方データにおける前記処方投与日のうち最先の処方投与日である投与開始日から起算して、前記処方投与日までの日数を示す情報である、
請求項1~7のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項9】
前記特定条件に、前記基本投与日特定情報と前記処方投与日特定情報とが一致すること、又は、前記基本投与日と前記処方投与日とが一致することが含まれる、
請求項1~8のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項10】
前記基本投与情報に、1クール分の前記基本投与日の合計日数が含まれ、
前記処方投与情報に、同一クールに対応する一又は複数の前記処方データにおける前記処方投与日の合計日数が含まれ、
前記特定条件に、前記基本投与日の合計日数と前記処方投与日の合計日数とが一致することが含まれる、
請求項1~9のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項11】
前記出力処理部は、前記判定処理部による判定結果を前記基本投与情報及び前記処方投与情報の出力態様によって出力する、
請求項10のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項12】
予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する第1取得ステップと、
前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得される前記基本投与情報と前記第2取得ステップによって取得される前記処方投与情報とを同一画面又は同一シートに出力する出力ステップと、
前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
をコンピュータに実行させるための療法管理プログラムであって、
前記出力ステップは、少なくとも前記判定ステップによる判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する、
療法管理プログラム。
【請求項13】
予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する第1取得処理部と、
前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する第2取得処理部と、
前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する判定処理部と
少なくとも前記判定処理部による判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する出力処理部と、
を備える療法管理システム。
【請求項14】
前記特定条件に、前記基本投与日特定情報と前記処方投与日特定情報とが一致すること、又は、前記基本投与日と前記処方投与日とが一致することが含まれる、
請求項1に記載の療法管理システム。
【請求項15】
前記基本投与情報に、1クール分の前記基本投与日の合計日数が含まれ、
前記処方投与情報に、同一クールに対応する一又は複数の前記処方データにおける前記処方投与日の合計日数が含まれ、
前記特定条件に、前記基本投与日の合計日数と前記処方投与日の合計日数とが一致することが含まれる、
請求項1又は1に記載の療法管理システム。
【請求項16】
前記出力処理部は、前記判定処理部による判定結果を前記基本投与情報及び前記処方投与情報の出力態様によって出力する、
請求項1~1のいずれかに記載の療法管理システム。
【請求項17】
予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する第1取得ステップと、
前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する第2取得ステップと、
前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと
少なくとも前記判定ステップによる判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する出力ステップと、
をコンピュータに実行させるための療法管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、がん化学療法に関する薬品種別、投与日、及び投与量などの情報を管理する療法管理システム及び療法管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
がん化学療法(以下、単に「療法」と称する)に関する薬品種別、投与日、及び投与量などを含む処方データの管理に用いられるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-185636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、処方データが登録される際には、予め定められた療法に従って定まる薬品の投与日又は投与量などが、医療機関の休日又は患者の状態などの各種の状況に応じて変更されることがある。しかしながら、療法には多数の種類が存在するため、前記処方データで示される投与日の情報と前記療法に従った投与日の情報との関係を容易に把握することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、処方データで示される投与日の情報と療法に従った投与日の情報との関係を容易に把握することが可能な療法管理システム及び療法管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る療法管理システムは、第1取得処理部と、第2取得処理部と、出力処理部とを備える。前記第1取得処理部は、予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する。前記第2取得処理部は、前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する。前記出力処理部は、前記第1取得処理部によって取得される前記基本投与情報と前記第2取得処理部によって取得される前記処方投与情報とを同一画面又は同一シートに出力する。
【0007】
本発明に係る療法管理プログラムは、第1取得ステップと、第2取得ステップと、出力ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。前記第1取得ステップは、予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する。前記第2取得ステップは、前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する。前記出力ステップは、前記第1取得ステップによって取得される前記基本投与情報と前記第2取得ステップによって取得される前記処方投与情報とを同一画面又は同一シートに出力する。
【0008】
本発明に係る療法管理システムは、第1取得処理部と、第2取得処理部と、判定処理部と、出力処理部とを備える。前記第1取得処理部は、予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する。前記第2取得処理部は、前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する。前記判定処理部は、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する。前記出力処理部は、少なくとも前記判定処理部による判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する。
【0009】
本発明に係る療法管理プログラムは、第1取得ステップと、第2取得ステップと、判定ステップと、出力ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。前記第1取得ステップは、予め定められた療法と当該療法に従って基本投与薬品が投与される1クール分の基本投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられた基本療法情報に基づいて、処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する。前記第2取得ステップは、前記処方データで示される処方投与薬品の処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する。前記判定ステップは、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する。前記出力ステップは、少なくとも前記判定ステップによる判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処方データで示される投与日の情報と療法に従った投与日の情報との関係を容易に把握することが可能な療法管理システム及び療法管理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る療法管理システムの構成を示すブロック図である。
図2A図2Aは、本発明の実施形態に係る療法管理システムで使用される処方データの一例を示す図である。
図2B図2Bは、本発明の実施形態に係る療法管理システムで使用される処方データの一例を示す図である。
図2C図2Cは、本発明の実施形態に係る療法管理システムで使用される処方データの一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで使用される検査データの一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで使用される療法マスターの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで使用される療法歴データの一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで実行される情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで実行される療法判定処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図18図18は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
図19図19は、本発明の実施形態に係る療法管理システムで表示される表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0013】
[療法管理システム10]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る療法管理システム10は、療法管理装置1、クライアント端末2、及びプリンター3などを備える。前記療法管理装置1、前記クライアント端末2、及びプリンター3は、通信網4を介して無線又は有線で通信可能に接続される。前記通信網4は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。
【0014】
前記療法管理システム10は、がん化学療法(以下、単に「療法」と称する)に関する薬品種別、投与日、及び投与量などの情報(レジメン情報)を管理するために用いられる。具体的に、本実施形態において、前記療法管理システム10は、薬剤師等による薬品の調剤作業を支援するために用いられる調剤支援システムを兼ねるものである。なお、前記療法管理システム10のユーザーは、例えば病院、介護老人保険施設、又は薬局などの医療機関における医師、薬剤師、テクニシャン、看護師、医療事務員、又は施設管理者などである。
【0015】
そして、本実施形態では、前記療法管理装置1及び前記クライアント端末2によりサーバクライアントシステムが構成されており、前記療法管理装置1が、前記クライアント端末2のユーザー操作に応じて表示及び印刷などの各種の処理を実行する。そのため、本実施形態では、各種の情報の「操作」、「選択」、及び「入力」等などの入力操作、並びに各種の情報の表示が、前記クライアント端末2を用いて行われるものとして説明する。なお、同様の入力操作及び表示などが前記療法管理装置1で行われてもよい。
【0016】
また、前記療法管理装置1には、前記通信網4を介して、例えば電子カルテシステム又はオーダーリングシステムなどの医療関連システム5が接続される。前記医療関連システム5は、療法に従った抗がん剤などの薬品の患者への投与に関する処方データ、及び、患者について行われた各種の検査の検査結果に関する検査データなどの入力を受け付け可能である。そして、前記医療関連システム5は、前記処方データ及び前記検査データなどをユーザー操作に応じて前記療法管理装置1に入力し、又は、予め設定された締め処理時刻などの所定タイミングで自動的に前記療法管理装置1に入力する。また、前記療法管理装置1が前記医療関連システム5から前記処方データ及び前記検査データなどを能動的に読み出す構成であってもよい。さらに、前記処方データ及び前記検査データは、前記療法管理装置1又は前記クライアント端末2におけるユーザー操作等によって前記療法管理装置1に入力されてもよい。
【0017】
ここで、図2A図2Cは、前記処方データの一例を示す図である。図2A図2Cに示されるように、前記処方データには、患者名、療法名、クールID、薬品名、投与日、投与量、投与開始日、患者の体重、体表面積などの情報が含まれる。なお、前記処方データの内容は、図2A図2Cに示される項目に限らず、例えば処方ID、担当医師、担当薬剤師、診療科、病棟などの他の情報を含む。
【0018】
具体的に、図2A図2Cに示される3つの前記処方データは、療法名「療法R1」の1クール分に対応するものであり、前記処方データ各々は、患者への1日分の薬品の投与に関する情報である。以下では、同一のクールに対応する前記処方データの纏まりを処方データ群と称する。前記療法における1クールとは、前記療法に従って患者に対して実施される抗がん剤などの薬品の投与について、当該薬品が投与される期間と当該薬品が投与されない休薬期間とを含む単位である。なお、前記療法には、一又は複数のクールが含まれる。
【0019】
前記処方データ群は、複数の前記処方データを含むものに限らず、1クール分に対応する薬品の投与日数が1日である場合には、前記処方データ群に一つの前記処方データが含まれる。また、他の実施形態として、1クール分に対応する前記処方データが一つの処方データとして前記療法管理システム10に入力されてもよい。なお、前記処方データ群に属する複数の前記処方データが前記療法管理装置1に入力されるタイミングは、同時期であってもよく、異なるタイミングであってもよい。
【0020】
図2A図2Cに示されるように、本実施形態では、説明の便宜上、前記処方データにおいて、患者を識別可能な患者識別情報として「患者名」が用いられ、療法を識別可能な療法識別情報として「療法名」が用いられ、薬品種別を識別可能な薬品識別情報として「薬品名」が用いられる。一方、前記患者識別情報として「患者ID」が用いられてもよく、前記療法識別情報として「療法ID」が用いられてもよく、前記薬品識別情報として「薬品ID」が用いられてもよい。なお、前記処方データには、前記療法識別情報に代えて、又は前記療法識別情報と共に、前記療法識別情報が示す療法の具体的な内容が含まれていてもよい。また、本実施形態において、前記処方データに示される薬品名に対応する薬品を「処方投与薬品」と称し、当該薬品の識別情報を「処方投与薬品情報」と称する。
【0021】
前記クールIDは、前記療法の同一クールに属する前記処方データを識別可能な識別情報の一例である。前記医療関連システム5では、一の患者に対応する一の療法の同一クールに属する前記処方データに同一の前記クールIDが付与される。例えば、前記クールIDは、患者、療法、及びクールの組み合わせごとにユニークな情報である。これにより、前記療法管理システム10では、前記クールIDに基づいて同一クールに属する前記処方データを特定することが可能である。なお、前記クールIDに代えて、前記療法における各クールを識別可能なクール識別情報(第1クール、第2クール、第3クールなどの情報)が用いられてもよい。
【0022】
前記投与日は、前記処方データに基づいて前記処方投与薬品が投与される日付を示す。以下では、前記処方データで示される前記投与日を「処方投与日」と称する。前記投与量は、前記処方データに基づいて投与される前記処方投与薬品の投与量を示す。以下では、前記処方データで示される前記投与量を「処方投与量」と称する。前記投与開始日は、前記処方データが属する1クールにおける最初の前記処方投与薬品の前記処方投与日を示す情報である。
【0023】
前記体重及び前記体表面積は、前記処方データに対応する患者の身体情報として当該処方データに含まれる情報である。前記身体情報は、前記療法に従った前記処方投与薬品の前記処方投与量などの算出に用いられる。なお、前記身体情報は、前記処方データ群に含まれる複数の前記処方データの発行タイミングが異なる場合には当該処方データごとに異なることがある。また、前記身体情報は、前記処方データと対応付けられていれば、前記処方データとは別のデータとして前記療法管理システム10に入力されてもよく、前記検査データに含まれてもよい。
【0024】
具体的に、図2A図2Cに示される前記処方データ群では、「患者C1」の患者について、前記処方データに対応する療法が「療法R1」であり、当該療法に従って投与される薬品が「薬品M1」、「薬品M2」である。また、「薬品M1」の前記処方投与日は8/7、8/21の2日間であり、「薬品M1」の前記処方投与量は「500mg」である。同様に、「薬品M2」の前記処方投与日は8/7、8/14、8/21の3日間であり、「薬品M2」の前記処方投与量は「120mg」である。なお、前記処方データ各々では、患者の体重が「56.0」であり、体表面積が「1.488m2」である。以下、本実施形態では、図2A図2Cに示される前記処方データ群を具体例に挙げて説明することがある。
【0025】
ここで、図3は、前記検査データの一例を示す図である。図3に示されるように、前記検査データは、患者について実施された各検査項目についての検査値などの検査結果を含む情報である。例えば、図3に示されるように、前記検査データには、患者名、検査日、検査ID、検査項目、検査結果などの情報が含まれる。なお、前記検査データは、後述の表示画面P11(図19参照)などに表示される。
【0026】
[プリンター3]
前記プリンター3は、前記療法管理装置1又は前記クライアント端末2から前記通信網4等を介して入力される印刷データに含まれる情報を紙などのシートに記録する印刷処理を実行可能なカラープリンター又はモノクロプリンターなどの画像形成装置である。例えば、病院又は薬局等の医療機関では、前記プリンター3によって前記処方データに基づく処方箋又は注射箋などが印刷されることがある。また、前記プリンター3は、前記療法管理システム10において後述の表示画面P1(図8参照)の印刷にも用いられる。
【0027】
[クライアント端末2]
前記療法管理装置1には、前記通信網4を介して一又は複数の前記クライアント端末2が通信可能に接続される。前記クライアント端末2各々は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示部24、操作部25、及びドライブ装置26などを備えるパーソナルコンピュータである。前記クライアント端末2各々は、前記療法管理システム10が使用される医療機関に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記クライアント端末2は、前記医療機関において患者に投与される抗がん剤などの薬品を調製する薬剤師等によって使用される。前記クライアント端末2は、スマートフォン、タブレット端末、又はラップトップコンピュータなどの各種の情報処理装置であってもよい。
【0028】
前記制御部21は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0029】
前記記憶部22は、前記制御部21によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶されるプログラム記憶部221が含まれる。前記ブラウザソフトは、前記通信網4を介して前記療法管理装置1にアクセスすることにより前記表示部24に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作部25を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記療法管理装置1に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記療法管理装置1に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記療法管理装置1にアクセスする。
【0030】
前記通信I/F23は、前記通信網4を介して前記療法管理装置1、及び前記プリンター3などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
【0031】
前記表示部24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記療法管理装置1から受信する表示用データに基づいて、当該表示用データに基づく各種の情報を前記表示部24に表示させる。
【0032】
前記操作部25は、前記クライアント端末2に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。また、前記操作部25は、前記表示部24に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。そして、前記制御部21は、前記ブラウザソフトに従って各種の処理を実行することにより、前記操作部25に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容を前記療法管理装置1に入力する。
【0033】
前記ドライブ装置26は、前記OS又は前記ブラウザソフトなどが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体261から前記OS又は前記ブラウザソフトなどのプログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置26は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記クライアント端末2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記OS又は前記ブラウザソフトなどのプログラムが前記記憶部22の前記プログラム記憶部221にインストールされる。
【0034】
[療法管理装置1]
前記療法管理装置1は、制御部11、記憶部12、通信I/F13、表示部14、操作部15、及びドライブ装置16などを備えるサーバー等のコンピュータである。なお、前記療法管理装置1は、前記療法管理システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関の外部に設けられてもよい。また、前記療法管理装置1は、スマートフォン、タブレット端末、又はラップトップコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
【0035】
前記制御部11は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部11は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0036】
前記記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。前記記憶部12には、プログラム記憶部121、マスター記憶部122、及び情報記憶部123が含まれる。
【0037】
前記プログラム記憶部121は、後述の情報取得処理及び療法判定処理(図6図7参照)を、前記制御部11に実行させるための療法管理プログラムなどが記憶される記憶領域である。なお、前記プログラム記憶部121には、オペレーティングシステム(OS)などのプログラムも記憶される。
【0038】
前記マスター記憶部122は、薬品マスター、患者マスター、及び療法マスターなどの各種のマスター情報が記憶される記憶領域である。前記薬品マスターには、薬品ごとに対応する、薬品ID(YJコード等)、薬品名、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、配合変化、賦形薬品、注意事項などの情報が含まれる。前記患者マスターには、患者ごとに対応する、患者ID、患者名、診療科、病棟、病名、担当医師、担当薬剤師などの情報が含まれる。
【0039】
前記療法マスターは、予め定められた療法と当該療法の内容とが予め対応付けられた基本療法情報の一例である。具体的に、前記療法マスターでは、少なくとも前記療法と当該療法に従って薬品が投与される1クール分の投与日を特定するための基本投与日特定情報とが予め対応付けられている。以下、前記療法マスターで定められた前記療法に対応する薬品を「基本投与薬品」と称し、前記薬品の識別情報を「基本投与薬品情報」と称し、当該療法マスターで定められた前記療法に従って前記基本投与薬品が投与される前記投与日を「基本投与日」と称する。
【0040】
ここで、図4は、前記療法マスターの一部を示す図である。図4に示されるように、前記療法マスターには、療法名、クール数、薬品名、基本投与量特定情報、基本投与日特定情報、投与量許容範囲、投与期間などの情報が含まれる。また、前記投与量許容範囲は、前記療法名及び前記薬品名の組み合わせに対応付けて前記療法マスターとは別の情報として前記マスター記憶部122に記憶されていてもよい。なお、前述したように、前記療法名に代えて療法IDが用いられてもよく、前記薬品名に代えて薬品IDが用いられてもよい。前記クール数は、前記療法として予め定められたクールの実施総数である。
【0041】
前記基本投与量特定情報は、患者の単位体重(1kg)又は単位体表面積(1m2)あたりの薬品の投与量を示す情報であり、前記療法に従って患者に投与されるべき前記基本投与薬品の投与量を算出するために用いられる情報である。以下、前記基本投与量特定情報に基づいて算出される前記投与量を基本投与量と称する。
【0042】
例えば、図4において、「療法R1」の療法に対応する前記基本投与薬品である「薬品M1」の前記基本投与量特定情報は、患者の体重1kgあたり10mgであり(10mg/kg)、体重56.0kgの患者であれば前記基本投与量は560mgである。同様に、図4において、「療法R1」の療法に対応する前記基本投与薬品である「薬品M2」の前記基本投与量特定情報は、患者の体表面積1m2あたり90mgであり(90mg/m2)、体表面積1.488m2の患者であれば前記基本投与量は133.92mgである。
【0043】
前記基本投与日特定情報は、前記療法に従って前記基本投与薬品が投与される1クール分の前記基本投与日を特定するために用いられる情報である。具体的に、前記基本投与日特定情報は、任意の投与開始日から起算した前記基本投与日までの日数(~日目)を示すものである。例えば、図4において、前記基本投与薬品である「薬品M1」に対応する前記基本投与日特定情報は、任意の投与開始日から「1」日目及び「15」日目である。同様に、図4において、前記基本投与薬品である「薬品M2」に対応する前記基本投与日特定情報は、任意の投与開始日から「1」日目、「8」日目、及び「15」日目である。なお、前記基本投与日特定情報は、前記基本投与日各々を特定可能な情報であれば、例えば当該基本投与日各々の間隔を示す日数などであってもよい。また、前記療法における1クール分の前記基本投与日は複数に限らず1日である場合もある。
【0044】
前記投与量許容範囲は、前記処方データで示される前記処方投与量の適否を判定するための情報であって、例えば前記基本投与量に対する前記処方投与量の割合などで定められる。例えば、図4において、前記基本投与薬品である「薬品M1」に対応する前記投与量許容範囲は、「85%以上103%以下」であるため、前記処方データにおける「薬品M1」の前記処方投与量の前記基本投与量に対する割合(=処方投与量/基本投与量)が当該投与量許容範囲内である場合には前記処方投与量が適切である。前記投与期間は、1クールあたりの期間の長さであり、薬品が投与される期間とその後の薬品が投与されない休薬期間とを含む期間として予め定められている。
【0045】
なお、前記制御部11は、前記マスター記憶部122に記憶される各種のマスター情報を、前記医療関連システム5又は外部のサーバーから取得する情報に基づいて随時更新することが可能である。また、前記制御部11は、前記療法管理装置1又は前記クライアント端末2を用いたユーザー操作に応じて、前記マスター記憶部122に記憶される各種のマスター情報を編集することも可能である。さらに、前記制御部11は、前記ドライブ装置16を用いて記録媒体から読み取られる情報に基づいて各種のマスター情報を更新することも可能である。
【0046】
前記情報記憶部123は、前記処方データ、前記検査データ、及び療法歴データなどの各種の情報が患者ごとに対応付けて記憶される記憶領域である。本実施形態において、前記制御部11は、前記医療関連システム5から入力される前記処方データ及び前記検査データを患者に対応付けて前記情報記憶部123に蓄積して記憶させる。また、前記制御部11は、患者についての前記療法の履歴を前記療法歴データとして前記情報記憶部123に記憶する。
【0047】
例えば、前記制御部11は、前記処方データに基づいて前記療法歴データを前記情報記憶部123に記憶する。さらに、前記制御部11は、前記療法管理装置1又は前記クライアント端末2を用いたユーザー操作に応じて前記療法歴データを編集することも可能である。なお、前記療法歴データには、実施済みの過去の薬品の投与実績に限らず、未実施の未来の薬品の投与予定が含まれてもよい。例えば、図5に示されるように、前記療法歴データは、前記処方データと同様に、患者名、療法名、クールID、薬品名、投与日、投与量、投与開始日、体重、体表面積などの情報を含む。
【0048】
前記通信I/F13は、前記通信網4を介して前記クライアント端末2、及び前記プリンター3などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
【0049】
前記表示部14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作部15は、前記療法管理装置1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作部15は、前記表示部14に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。また、前記操作部15は、前記表示部14に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。
【0050】
前記ドライブ装置16は、前記療法管理プログラムが非一時的に記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体161から前記療法管理プログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体161は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置16は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。そして、前記療法管理装置1では、前記制御部11により、前記ドライブ装置16を用いて前記記録媒体161から読み取られた前記療法管理プログラムが前記記憶部12の前記プログラム記憶部121にインストールされる。
【0051】
ところで、前記医療関連システム5又は前記療法管理システム10等で前記処方データが登録される際には、予め定められた療法に従って定まる薬品の投与日又は投与量などが、医療機関の休日又は患者の状態などの各種の状況に応じて変更されることがある。しかしながら、療法には多数の種類が存在するため、前記処方データで示される投与日の情報と前記療法に従った投与日の情報との関係を容易に把握することは困難である。これに対し、本実施形態に係る療法管理システム10では、前記処方データで示される投与日の情報と前記療法に従った投与日の情報との関係を容易に把握することが可能である。
【0052】
具体的に、前記療法管理装置1の前記制御部11は、第1取得処理部111、第2取得処理部112、出力処理部113、判定処理部114などの各種の処理部を含む。前記制御部11は、前記療法管理プログラムに従って後述の情報取得処理及び療法判定処理(図6図7参照)などの各種の処理を実行することにより、前記各種の処理部として機能する。即ち、本実施形態では、前記療法管理装置1単体が本発明に係る療法管理システムである。なお、前記制御部11は、複数のプロセッサーを備え、当該複数のプロセッサーが前記各種の処理部の機能を分担して実現してもよい。また、前記各種の処理部の一部又は全部が電子回路で構成されていてもよい。
【0053】
また、前記療法管理装置1の機能の一部又は全部が前記クライアント端末2に設けられることも他の実施形態として考えられる。例えば、前記クライアント端末2に、前記療法管理プログラムの一部又は全部がインストールされており、前記クライアント端末2の前記制御部21が、前記療法管理装置1から必要な情報を適宜取得して、当該療法管理装置1と同様の前記各種の処理部として機能することも考えられる。この場合、前記クライアント端末2が本発明に係る療法管理システムの一例である。さらに、前記療法管理システム10において、前記療法管理装置1及び前記クライアント端末2が、後述の情報取得処理及び療法判定処理(図6図7参照)などの各種の処理を協働して実行することにより、前記各種の処理部の機能を分担して実現する場合には、当該療法管理装置1及び当該クライアント端末2を含むシステムが本発明に係る療法管理システムの一例である。
【0054】
前記第1取得処理部111は、前記療法マスターに基づいて、前記処方データで示される前記療法について1クール分の前記基本投与日特定情報、又は当該基本投与日特定情報に基づいて特定される1クール分の前記基本投与日の少なくとも一方を含む基本投与情報を取得する。具体的に、前記第1取得処理部111は、前記処方データで示される前記療法の療法名に対応する前記基本投与日特定情報を、前記マスター記憶部122に記憶されている前記療法マスターから読み出すことによって取得する。また、前記第1取得処理部111は、前記基本投与日特定情報と前記処方データで示される前記投与開始日とに基づいて、当該投与開始日を起算日としたときの前記基本投与日の日付を算出する。即ち、本実施形態において、前記第1取得処理部111は、前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日の両方を取得する。なお、他の実施形態として、前記第1取得処理部111は、前記通信網4を介して外部のサーバーから前記基本投与日特定情報を取得してもよい。また、他の実施形態として、前記第1取得処理部111が、前記基本投与日特定情報又は前記基本投与日のいずれか一方を含む前記基本投与情報を取得してもよい。
【0055】
前記第2取得処理部112は、前記処方データで示される前記処方投与薬品の前記処方投与日、又は前記処方投与日を特定するための処方投与日特定情報の少なくとも一方を含む処方投与情報を取得する。前記処方投与日特定情報は、前記基本投与日特定情報と同様の手法で前記処方投与日を特定するための情報である。具体的に、前記処方投与日特定情報は、前記処方データで示される前記投与開始日から起算した前記処方投与日までの日数を示す情報である。なお、前記基本投与日特定情報が前記基本投与日各々の間隔を示す日数であり、前記処方投与日特定情報が前記処方投与日各々の間隔を示す日数であってもよい。
【0056】
具体的に、前記第2取得処理部112は、前記処方データで示される前記処方投与日及び前記投与開始日を当該処方データから取得する。そして、前記第2取得処理部112は、前記処方投与日と前記投与開始日とに基づいて、当該投与開始日を起算日としたときの前記処方投与日までの日数を示す前記処方投与日特定情報を算出する。即ち、本実施形態において、前記第2取得処理部112は、前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報の両方を取得する。また、他の実施形態として、前記第2取得処理部112が、前記処方投与日特定情報又は前記処方投与日のいずれか一方を含む前記処方投与情報を取得してもよい。具体的に、前記基本投与情報に前記基本投与日特定情報が含まれる場合には、前記処方投与情報に前記処方投与日特定情報が含まれ、前記基本投与情報に前記基本投与日が含まれる場合には、前記処方投与情報に前記処方投与日が含まれていればよい。
【0057】
前記出力処理部113は、前記第1取得処理部111によって取得される前記基本投与情報と前記第2取得処理部112によって取得される前記処方投与情報とを同一画面に出力する。これにより、ユーザーは、前記基本投与情報と前記処方投与情報との関係を容易に把握することが可能である。
【0058】
また、前記出力処理部113は、少なくとも前記判定処理部114による判定結果が非充足である場合に当該判定結果を出力する。特に、前記出力処理部113は、前記判定処理部114による判定結果を前記基本投与情報及び前記処方投与情報の出力態様によって出力することが可能である。例えば、前記出力態様は、表示又は印刷時における文字色又は背景色などの配色、文字サイズ、文字の太さなどである。
【0059】
なお、前記出力処理部113は、前記クライアント端末2に前記基本投与情報、前記処方投与情報、及び前記判定結果などが表示される後述の表示画面P1(図8参照)の表示用データを生成して送信することにより、当該クライアント端末2の前記表示部24に前記基本投与情報、前記処方投与情報、及び前記判定結果などを表示させる。
【0060】
特に、前記出力処理部113は、前記基本投与情報として前記基本投与日特定情報を表示する場合には、前記処方投与情報として前記処方投与日特定情報を少なくとも表示することが望ましい。また、前記出力処理部113は、前記基本投与情報として前記基本投与日を表示する場合には、前記処方投与情報として前記処方投与日を少なくとも表示することが望ましい。これにより、同じ種類の情報が表示されるため、ユーザーは、前記基本投与情報と前記処方投与情報との関係をより容易に把握することが可能である。
【0061】
なお、本実施形態では、前記出力処理部113による出力態様が表示である場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態として、前記出力処理部113は、前記基本投与情報、前記処方投与情報、及び前記判定結果などが同一シートに印刷される印刷データを生成して前記プリンター3に送信することにより、前記基本投与情報、前記処方投与情報、及び前記判定結果などを同一シートに印刷してもよい。
【0062】
前記判定処理部114は、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された特定条件を満たすか否かを判定する。具体的に、前記判定処理部114は、前記基本投与情報の前記基本投与日特定情報と前記処方投与情報の前記処方投与日特定情報とが一致する場合に、前記基本投与日特定情報及び前記処方投与日特定情報について前記特定条件を満たすと判定する。なお、他の実施形態として、前記判定処理部114は、前記基本投与情報の前記基本投与日と前記処方投与情報の前記処方投与日とが一致する場合に、前記基本投与日及び前記処方投与日について前記特定条件を満たすと判定してもよい。また、前記特定条件には、1クール分の前記基本投与日の合計日数と、同一クールに対応する一又は複数の前記処方データにおける前記処方投与日の合計日数とが一致することも含まれる。さらに、前記特定条件には、前記処方投与量が前記処方量許容範囲内であることが含まれる。
【0063】
[情報取得処理及び療法判定処理]
以下、図6及び図7のフローチャートを参照しつつ、前記療法管理装置1の前記制御部11によって実行される情報取得処理及び療法判定処理の一例について説明する。本発明は、前記療法管理装置1のようなコンピュータによって情報取得処理及び療法判定処理の一部又は全部のステップを実行する療法管理方法、及び、当該療法管理方法をコンピュータに実行させるための前記療法管理プログラムの発明として捉えてもよい。なお、前記療法管理プログラムは、前記療法管理装置1及び前記クライアント端末2のような複数のコンピュータに前記情報取得処理及び前記療法判定処理を協働して実行させるためのプログラムであってもよい。
【0064】
前記情報取得処理及び前記療法判定処理は、例えば薬剤師等のユーザーが前記処方データについての鑑査を行う際に、当該ユーザーによって前記療法管理プログラムを実行させるための特定のユーザー操作が行われた場合に前記制御部11によって実行される。また、前記制御部11は、前記処方データに基づく薬品の調製作業を開始するための特定のユーザー操作が行われた場合に前記情報取得処理及び前記療法判定処理を実行してもよい。さらに、前記制御部11は、患者の前記療法歴データを表示させるための特定のユーザー操作が行われた場合に前記情報取得処理及び前記療法判定処理を実行してもよい。なお、前記制御部11は、前記処方データの入力時又は予め設定された所定時刻などの所定タイミングで、前記情報取得処理及び前記療法判定処理における後述のステップS1~S7及びステップS11~S14を自動的に実行し、その後、特定のユーザー操作が行われた場合に後述のステップS15を実行してもよい。
【0065】
なお、前記制御部11は、複数の前記クライアント端末2において前記特定の開始操作が行われた場合には、当該クライアント端末2各々に対応して個別の前記情報取得処理及び前記療法判定処理を略並行して実行することが可能である。また、前記情報取得処理及び前記療法判定処理は、前記クライアント端末2に対する所定の終了操作に応じて終了することがある。
【0066】
[情報取得処理]
まず、図6を参照しつつ、前記情報取得処理の一例について説明する。当該情報取得処理において、前記制御部11は、前記療法マスターで定められた前記療法に従った前記基本投与薬品の投与に関する各種の情報を含む前記基本投与情報と、前記処方データ群に含まれる前記処方データで示される前記処方投与薬品の投与に関する各種の情報を含む前記処方投与情報とを取得する。なお、前記情報取得処理において前記制御部11の前記第1取得処理部111によって実行される取得処理が本発明における第1取得ステップの一例であり、前記制御部11の前記第2取得処理部112によって実行される取得処理が本発明における第2取得ステップの一例である。
【0067】
<ステップS1>
ステップS1において、前記制御部11は、前記情報取得処理及び前記療法判定処理における処理対象を選択するための処理を実行する。例えば、前記制御部11は、前記情報記憶部123に記憶されている前記処方データに基づいて、前記情報取得処理及び前記療法判定処理における処理対象の候補となる前記処方データのリストを表示する。また、前記制御部11は、ユーザー操作によって入力される検索キーワードに該当する前記処方データを抽出して当該処方データを候補として表示してもよい。そして、前記制御部11は、処理対象の前記処方データが選択された場合に、現時点で前記情報記憶部123に記憶されており、選択された前記処方データと同一の前記処方データ群に属する一又は複数の前記処方データを処理対象として選択する。以下、前記ステップS1で選択された前記処方データ群を「対象処方データ群」と称する。
【0068】
例えば、1クールにおける3日間の前記処方投与日に対応する3つの前記処方データが前記療法管理装置1に入力される予定であっても、現時点では3つの前記処方データのうち1つ又は2つの前記処方データのみが前記情報記憶部123に記憶されている場合には、当該1つ又は2つの前記処方データが前記対象処方データ群として選択される。なお、以下では、説明の便宜上、前記ステップS1で図2A図2Cに示される3つの前記処方データを含む前記処方データ群が前記対象処方データ群として選択された場合を具体例に挙げて説明することがある。
【0069】
<ステップS2>
ステップS2において、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データで示される前記療法に対応する前記基本投与薬品ごとの1クール分の前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日を前記基本投与情報として取得する。なお、前記ステップS2は、前記制御部11の前記第1取得処理部111によって実行される。
【0070】
具体的に、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データで示される前記療法で投与される前記基本投与薬品各々について前記療法マスターで定められた前記基本投与日特定情報を前記マスター記憶部122から読み出すことによって当該基本投与日特定情報を取得する。そして、前記制御部11は、前記基本投与日特定情報と前記処方データで示される前記投与開始日とに基づいて前記基本投与薬品ごとの前記基本投与日を算出することによって当該基本投与日を取得する。
【0071】
例えば、前記制御部11は、前記処方データで示される前記療法が「療法R1」である場合、図4に示される前記療法マスターから、当該療法に対応する「薬品M1」の前記基本投与日特定情報である「1」日目及び「15」日目を「薬品M1」の前記基本投与日特定情報として読み出す。同様に、前記制御部11は、「薬品M2」の前記基本投与日特定情報である「1」日目、「8」日目、及び「15」日目を「薬品M2」の前記基本投与日特定情報として読み出す。一方、前記制御部11は、図2A図2Cに示される前記処方データから当該処方データで示される前記投与開始日である「8月7日」を読み出す。そして、前記制御部11は、「薬品M1」については、前記投与開始日である「8月7日」から「1」日目及び「15」日目である「8月7日」及び「8月21日」を前記基本投与日として算出する。また、前記制御部11は、「薬品M2」については、前記投与開始日である「8月7日」から「1」日目、「8」日目、及び「15」日目である「8月7日」、「8月14日」、及び「8月21日」を前記基本投与日として算出する。
【0072】
なお、他の実施形態として、前記処方データに前記投与開始日の情報が含まれていない場合も考えられる。この場合、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる一又は複数の前記処方データにおける前記処方投与日のうち最先の前記処方投与日を前記投与開始日として取得すればよい。また、前記処方データに前記投与開始日の情報が含まれておらず、前記処方データが当該処方データに対応する療法における何回目の投与であるかを示す情報(N回目という情報)が当該処方データに含まれる場合も考えられる。この場合、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる一又は複数の前記処方データのうち1回目の投与に対応する処方データにおける前記処方投与日を前記投与開始日として取得すればよい。
【0073】
<ステップS3>
ステップS3において、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々で示される前記処方投与薬品ごとの前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報を前記処方投与情報の一部として取得する。なお、前記ステップS3は、前記制御部11の前記第2取得処理部112によって実行される。
【0074】
具体的に、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データで示される前記処方投与薬品ごとの前記処方投与日を前記情報記憶部123に記憶されている当該処方データから読み出すことによって当該処方投与日を取得する。そして、前記制御部11は、前記処方投与薬品ごとに、前記処方投与日と前記処方データで示される前記投与開始日とに基づいて、前記処方開始日から起算した前記処方投与日各々までの日数を示す前記処方投与日特定情報を算出することによって当該処方投与日特定情報を取得する。
【0075】
例えば、前記制御部11は、図2A図2Cに示されるように、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々で示される「薬品M1」の前記処方投与日である「8月7日」、「8月21日」を前記処方データ各々から読み出す。同様に、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々で示される「薬品M2」の前記処方投与日である「8月7日」、「8月15日」、「8月21日」を前記処方データ各々から読み出す。一方、前記制御部11は、図2A図2Cに示される前記処方データで示される「薬品M1」の前記投与開始日である「8月7日」を読み出す。そして、前記制御部11は、「薬品M1」については、前記投与開始日である「8月7日」を「1」日目として起算したときに「8月7日」、「8月21日」までの日数である「1」日目、「15」日目を前記処方投与日特定情報として算出する。同様に、前記制御部11は、「薬品M2」については、前記投与開始日である「8月7日」を「1」日目として起算したときに「8月7日」、「8月15日」、「8月21日」までの日数である「1」日目、「8」日目、「15」日目を前記処方投与日特定情報として算出する。
【0076】
<ステップS4>
ステップS4において、前記制御部11は、前記ステップS2で取得された前記基本投与日特定情報又は前記基本投与日に基づいて、前記基本投与日の合計日数を前記基本投与情報の一部として取得する。なお、前記ステップS4の取得処理は、前記制御部11の前記第1取得処理部111によって実行される。
【0077】
例えば、前記制御部11は、図4に示される前記療法マスターから「薬品M1」の前記基本投与日特定情報である「1」日目及び「15」日目が「薬品M1」の前記基本投与日特定情報として取得されている場合には、前記基本投与日の合計日数として「2」日を取得する。また、前記制御部11は、「薬品M1」の前記基本投与日である「8月7日」及び「8月21日」が「薬品M1」の前記基本投与日として取得されている場合に、前記基本投与日の合計日数として「2」日を取得してもよい。
【0078】
<ステップS5>
ステップS5において、前記制御部11は、前記ステップS3で取得された前記処方投与日特定情報又は前記処方投与日に基づいて、前記処方投与日の合計日数を前記処方投与情報の一部として取得する。なお、前記ステップS5の取得処理は、前記制御部11の前記第2取得処理部112によって実行される。
【0079】
例えば、前記制御部11は、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群から「薬品M1」の前記処方投与日である「8/7」及び「8/21」が「薬品M1」の前記処方投与日として取得されている場合には、前記処方投与日の合計日数として「2」日を取得する。また、前記制御部11は、前記処方投与日特定情報である「1」日目及び「15」日目が「薬品M1」の前記処方投与日特定情報として取得されている場合に、前記処方投与日の合計日数として「2」日を取得してもよい。なお、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群のうち、図2A及び図2Bの前記処方データのみが前記情報記憶部123に記憶されている場合には、当該処方データ各々における「薬品M1」の前記処方投与日の合計日数は1日となる。
【0080】
<ステップS6>
ステップS6において、前記制御部11は、前記療法マスターに基づいて、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々で示される前記療法に従って投与される前記基本投与薬品の前記基本投与量を前記基本投与情報の一部として取得する。具体的に、前記制御部11は、前記療法マスターで定められた前記基本投与薬品ごとの前記基本投与量特定情報と、前記処方データに含まれる患者の体重又は体表面積とに基づいて前記基本投与量を算出することによって当該基本投与量を取得する。なお、前記ステップS6は、前記制御部11の前記第1取得処理部111によって実行される。
【0081】
例えば、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データで示される「療法R1」の「薬品M1」に対応する前記基本投与量特定情報である「10mg/kg」を前記療法マスターから読み出す。同様に、前記制御部11は、「薬品M2」に対応する前記基本投与量特定情報である「90mg/m2」を前記療法マスターから読み出す。また、前記制御部11は、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々に含まれる患者の体重及び体表面積を読み出す。そして、前記制御部11は、前記処方データ各々における患者の体重及び体表面積と前記基本投与量特定情報とに基づいて当該処方データ各々に対応する前記基本投与量を算出する。ここでは、「薬品M1」の前記基本投与量特定情報が「10mg/kg」であり、前記処方データ各々における患者の体重が56.0kgであるため、当該処方データ各々に対応する「薬品M1」の前記基本投与量として「560mg」が算出される。同様に、「薬品M2」の前記基本投与量特定情報が「90mg/m2」であり、前記処方データ各々における患者の体表面積が1.488m2であるため、当該処方データ各々に対応する「薬品M2」の前記基本投与量として「133.92mg」が算出される。
【0082】
<ステップS7>
ステップS7において、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々における前記処方投与薬品ごとの前記処方投与量を前記処方投与情報の一部として取得する。例えば、前記制御部11は、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々から、当該処方データ各々に対応する「薬品M1」の前記処方投与量として「500mg」を取得し、当該処方データ各々に対応する「薬品名M2」の前記処方投与量として「120mg」を取得する。なお、前記ステップS7は、前記制御部11の前記第2取得処理部112によって実行される。
【0083】
そして、前記制御部11は、前記情報取得処理が終了すると、続いて前記療法判定処理を実行する。なお、前記情報取得処理及び前記療法判定処理における各種の処理は、同様の機能が達成できれば実行順序及び実行タイミングはここで説明するものに限らない。例えば、前記療法判定処理における各種の判定処理の前に当該判定処理で必要な情報が取得されてもよい。
【0084】
[療法判定処理]
続いて、図7を参照しつつ、前記療法判定処理について説明する。具体的に、前記制御部11は、前記療法判定処理において、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが予め設定された前記特定条件を満たすか否かを判定するための判定処理を実行する。より詳細に、前記特定条件は、前記基本投与日特定情報及び前記処方投与日特定情報が一致すること、前記基本投与日の合計日数及び前記処方投与日の合計日数が一致すること、前記処方投与量が前記投与量許容範囲内であること等である。なお、当該療法判定処理における各種の判定処理は、本発明における判定ステップの一例であり、前記制御部11の前記判定処理部114によって実行される。
【0085】
<ステップS11>
ステップS11において、前記制御部11は、前記ステップS2で取得された前記基本投与日特定情報各々が、前記ステップS3で取得された前記処方投与日特定情報のいずれかと一致するか否かを判定する。ここで、いずれかの前記基本投与日特定情報が前記処方投与日特定情報と一致しないと判定された場合、即ち前記特定条件の一つが非充足である判定された場合には(S11:No)、処理がステップS111に移行する。また、全ての前記基本投与日特定情報が前記処方投与日特定情報のいずれかと一致すると判定されると(S11:Yes)、処理がステップS12に移行する。なお、前記ステップS11では、前記制御部11が、前記基本投与日特定情報及び前記処方投与日特定情報に代えて、前記基本投与日各々が前記処方投与日のいずれかと一致するか否かを判定してもよい。
【0086】
<ステップS111>
ステップS111において、前記制御部11は、前記ステップS11で前記処方投与日特定情報と一致しないと判定された前記基本投与日特定情報についてのエラーを示す第1エラー情報を前記対象処方データ群に対応付けて前記情報記憶部123に記憶させ、処理を前記ステップS12に移行させる。なお、前記療法判定処理において記憶される各種のエラー情報は、前記制御部11が、後述のステップS15を実行する際などに参照可能であれば、前記制御部11のEEPROM、又は前記クライアント端末2などの他の記憶部に記憶されてもよい。
【0087】
<ステップS12>
次に、ステップS12において、前記制御部11は、前記ステップS3で取得された前記処方投与日特定情報各々が、前記ステップS2で取得された前記基本投与日特定情報のいずれかと一致するか否かを判定する。ここで、いずれかの前記処方投与日特定情報が前記基本投与日特定情報と一致しないと判定された場合、即ち前記特定条件の一つが非充足である判定された場合には(S12:No)、処理がステップS121に移行する。また、全ての前記処方投与日特定情報が前記基本投与日特定情報のいずれかと一致すると判定されると(S12:Yes)、処理がステップS13に移行する。なお、前記ステップS12では、前記制御部11が、前記基本投与日特定情報及び前記処方投与日特定情報に代えて、前記処方投与日各々が前記基本投与日のいずれかと一致するか否かを判定してもよい。
【0088】
<ステップS121>
ステップS121において、前記制御部11は、前記ステップS12で前記基本投与日特定情報と一致しないと判定された前記処方投与日特定情報についてのエラーを示す第2エラー情報を前記対象処方データ群に対応付けて前記情報記憶部123に記憶させ、処理をステップS13に移行させる。このように、本実施形態では、前記ステップS11及びS12では、前記基本投与日特定情報のエラーと前記処方投与日特定情報のエラーとが区別して判定される。なお、他の実施形態として、前記基本投与日特定情報のエラーと前記処方投与日特定情報のエラーとが区別して判定されないことも考えられる。
【0089】
<ステップS13>
ステップS13において、前記制御部11は、前記ステップS4で取得された前記基本投与薬品各々の前記基本投与日の合計日数と前記ステップS5で取得された前記処方投与薬品各々の前記処方投与日の合計日数とが一致するか否かを判定する。なお、前記合計日数は、前記基本投与薬品及び前記処方投与薬品が同じ組み合わせごとに一致するか否かが判断される。ここで、いずれかの前記基本投与薬品及び前記処方投与薬品の組み合わせについて前記合計日数が不一致であると判定された場合、即ち前記特定条件の一つが非充足である判定された場合には(S13:No)、処理がステップS131に移行する。また、全ての前記基本投与薬品及び前記処方投与薬品の組み合わせについて前記合計日数が一致すると判定されると(S13:Yes)、処理がステップS14に移行する。
【0090】
<ステップS131>
ステップS131において、前記制御部11は、前記合計日数が一致しない前記処方投与薬品についてのエラーを示す第3エラー情報を前記対象処方データ群に対応付けて前記情報記憶部123に記憶させ、処理をステップS14に移行させる。
【0091】
ここで、前記処方投与日の合計日数が0である前記処方投与薬品は、前記処方データから漏れている不足薬品である。そのため、前記ステップS131において、前記制御部11は、前記処方投与日の合計日数が0である前記処方投与薬品については、当該処方投与薬品が不足薬品である旨を示す不足薬品情報を含む前記第3エラー情報を記憶する。また、前記基本投与日の合計日数が0であり、前記処方投与日の合計日数が1以上である前記処方投与薬品は、前記処方データに対して余分な過多薬品である。そのため、前記ステップS131において、前記制御部11は、前記基本投与日の合計日数が0であり、前記処方投与日の合計日数が1以上である前記処方投与薬品については、当該処方投与薬品が過多薬品である旨を示す過多薬品情報を含む前記第3エラー情報を記憶する。
【0092】
<ステップS14>
ステップS14において、前記制御部11は、前記ステップS7で取得された前記処方投与薬品各々の前記処方投与量が前記療法マスターで定められた前記投与量許容範囲内であるか否かを判定する。具体的には、前記処方投与薬品の前記処方投与量が、前記ステップS6で取得された前記基本投与薬品の前記基本投与量に対して前記投与量許容範囲内の割合であるか否かが判定される。ここで、前記処方投与量が前記投与量許容範囲外であると判定された場合、即ち前記特定条件の一つが非充足である判定された場合には(S14:No)、処理がステップS141に移行する。また、前記処方投与量が前記投与量許容範囲内であると判定されると(S14:Yes)、処理がステップS15に移行する。
【0093】
<ステップS141>
ステップS141において、前記制御部11は、前記ステップS14で前記処方投与量が前記投与量許容範囲外であると判定された前記処方投与薬品について前記処方投与量のエラーを示す第4エラー情報を前記対象処方データ群に対応付けて前記情報記憶部123に記憶させ、処理を前記ステップS15に移行させる。
【0094】
<ステップS15>
ステップS15において、前記制御部11は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データ各々についての鑑査を支援するための表示画面P1(図8参照)を前記クライアント端末2の前記表示部24に表示するための出力処理を実行する。例えば、前記制御部11は、前記表示画面P1を表示するための表示用データを生成して前記クライアント端末2に送信し、当該表示画面P1を前記クライアント端末2の前記表示部24に表示させる。なお、前記ステップS15の出力処理は、本発明における出力ステップの一例であり、前記制御部11の前記出力処理部113によって実行される。
【0095】
具体的に、前記制御部11は、前記基本投与情報と前記処方投与情報とを同一画面である前記表示画面P1に表示させる。より具体的に、前記制御部11は、前記表示画面P1に、前記ステップS2で取得された1クール分の前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日と、前記ステップS3で取得された前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報と、前記ステップS11~S14における判定結果とを表示させる。
【0096】
なお、前記基本投与情報と前記処方投与情報との同一画面への表示は、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが常に同一画面に表示される必要はなく、例えば同一画面におけるスライド表示などにより前記基本投与情報と前記処方投与情報とが表示可能であってもよい。また、前記基本投与情報と前記処方投与情報との同一画面への表示は、前記表示部24に前記基本投与情報と前記処方投与情報とが同時に表示され得る態様であればよく、例えば前記基本投与情報と前記処方投与情報とが個別に表示された2つのウィンドウが前記表示部24に同時に表示されてもよい。即ち、本願発明は、前記制御部11の出力処理部113が、前記基本投与情報と前記処方投与情報とを同時に参照可能な態様で表示することを特徴とする発明として捉えてもよい。例えば、前記出力処理部113は、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが個別に表示された2つのウィンドウを二つの表示部に分けて表示するものであってもよい。また、他の実施形態として、前記出力処理部113は、前記基本投与情報と前記処方投与情報とを前記プリンター3等によって同一シートに印刷出力してもよく、予め指定される情報処理装置に送信出力してもよい。
【0097】
本実施形態では、前記基本投与情報に、前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日が含まれ、前記処方投与情報に、前記処方投与日特定情報及び前記処方投与日が含まれるため、前記表示画面P1には、前記基本投与日特定情報、前記基本投与日、前記処方投与日特定情報、及び前記処方投与日が表示される。一方、他の実施形態として、前記出力処理部113は、前記基本投与日特定情報、前記基本投与日、前記処方投与日特定情報、及び前記処方投与日のうち、前記基本投与日特定情報と前記処方投与日特定情報とを同一画面である前記表示画面P1に表示してもよい。同様に、他の実施形態として、前記出力処理部113は、前記基本投与日特定情報、前記基本投与日、前記処方投与日特定情報、及び前記処方投与日のうち、前記基本投与日と前記処方投与日とを同一画面である前記表示画面P1に表示してもよい。
【0098】
ここで、図8を参照しつつ、前記表示画面P1の一例について説明する。図8に示されるように、前記表示画面P1では、表示領域A11~A15などが表示される。
【0099】
前記表示領域A11には、前記対象処方データ群に対応する前記療法について前記療法マスターで予め定められた前記投与期間と前記対象処方データ群に対応する前記投与開始日とに基づいて、当該投与開始日から当該投与期間が経過するまでの期間である「2019/08/07~2019/09/03」と、当該療法の療法名である「療法R1」とが表示される。なお、その他、前記表示領域A11には、患者名、患者の体重、患者の体表面積、現在日時などの他の情報が表示されてもよい。
【0100】
前記表示領域A12は、前記療法マスターで定められた前記療法の内容が表示される領域であり、当該表示領域A12には領域A121~A125などが含まれる。
【0101】
前記領域A121には、前記対象処方データ群に対応する前記療法について前記療法マスターで予め定められた前記基本投与日特定情報が表示される。また、前記領域A122には、前記ステップS2で取得された前記基本投与日が表示される。具体的に、前記表示画面P1では、1クール分の前記基本投与日特定情報が表示される前記領域A121各々と1クール分の前記基本投与日が表示される前記領域A122各々とが、前記表示画面P1における右方向である第1方向D1に沿って時系列順で表示される。また、前記基本投与日特定情報及び当該基本投与日特定情報に対応する前記基本投与日は、前記表示画面P1における下方向であって前記第1方向D1に垂直な第2方向D2に並ぶ前記領域A121及びA122に2段で表示されている。なお、他の実施形態として、前記第1方向D1が前記表示画面P1における下方向であり、前記第2方向D2が前記表示画面P1における右方向であることも考えられる。
【0102】
図8の前記領域A121では、「療法R1」の療法について前記療法マスターで定められた前記基本投与日特定情報である「1」、「8」、「15」が表示され、前記領域A122には、前記基本投与日特定情報各々に対応する前記基本投与日である「8/7」、「8/14」、「8/21」が表示されている。
【0103】
前記領域A123は、前記対象処方データ群に対応する前記療法について前記療法マスターで予め定められた前記基本投与薬品ごとに対応して前記第2方向D2に沿って表示され、当該領域A123各々には、対応する前記基本投与薬品を識別可能な前記基本投与薬品情報として薬品名が表示される。
【0104】
前記領域A124は、前記基本投与薬品各々に対応する位置に表示され、当該領域A124各々には、対応する前記基本投与薬品の前記基本投与量特定情報が表示される。
【0105】
前記領域A125は、前記基本投与薬品各々に対応する前記第1方向D1上の位置であって、当該基本投与薬品の前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日に対応する位置に表示され、当該基本投与薬品各々について前記ステップS6で取得された前記基本投与量が表示される。例えば、図8では、前記療法マスターに基づいて、前記基本特定日特定情報が「1」日目、「15」日目に対応する前記領域A125各々に、「療法R1」の「薬品M1」に対応する前記処方投与量として「560mg」が表示される。
【0106】
即ち、前記基本投与薬品について前記基本投与薬品の投与が必要な前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日に対応する前記領域A125に前記基本投与量が表示される。一方、前記基本投与薬品について薬品の投与が不要な前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日に対応する前記領域A125は空白等で表示される。このように、前記出力処理部113は、前記領域A125における前記基本投与量の表示の有無によって、当該領域A125に対応する前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日における前記基本投与薬品の投与の有無を識別可能に表示する。なお、前記出力処理部113は、前記領域A125への前記基本投与量の表示に代えて、前記基本投与薬品の投与の有無を示す文字又は記号などを表示してもよい。
【0107】
また、前記表示画面P1には、前記領域A121、A122、A125を前記第1方向D1にスライド表示するための操作部K11が表示されており、前記制御部11は、前記操作部K11の操作に応じて前記領域A121、A122、A125を前記第1方向D1にスライド表示させる。なお、前記操作部K11が操作された場合でも、前記領域A123及び前記領域A124はスライド表示されない。
【0108】
前記表示領域A13は、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データで示される前記処方投与薬品各々について投与の内容が表示される領域であり、当該表示領域A13には、領域A131~A134などが含まれる。
【0109】
前記領域A131には、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データで示される前記処方投与日と前記ステップS3で取得された前記処方投与日特定情報とが表示される。具体的に、前記表示画面P1では、前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報が表示される前記領域A131各々が、前記第2方向D2において前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日と離間する位置で、前記第1方向D1に沿って時系列順で表示される。
【0110】
例えば、図8の前記領域A131では、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群に基づいて、前記処方投与日である「8/7」、「8/14」、「8/21」と、前記処方投与日各々に対応する前記処方投与日特定情報である「Day1」、「Day8」、「Day15」とが表示されている。なお、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群のうち、図2A及び図2Bの前記処方データのみが前記情報記憶部123に記憶されている場合には、当該処方データ各々における前記処方投与日である「8/7」、「8/14」と、前記処方投与日各々に対応する前記処方投与日特定情報である「Day1」、「Day8」とが表示されることになる。
【0111】
また、他の実施形態として、前記領域A131各々は、前記第2方向D2において前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日が表示される前記領域A121、A122と隣接する位置に表示されてもよい。さらに、本実施形態では、前記領域A131各々に前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報が共に表示される場合を例に挙げて説明するが、前記表示領域A12の前記領域A121及び前記領域A122と同様に、前記処方投与日と前記処方投与日特定情報とが2段表示されてもよい。
【0112】
前記領域A132は、前記対象処方データ群に対応する前記処方データ各々に含まれる前記処方投与薬品ごとに対応して前記第2方向D2に沿って表示され、当該領域A132各々には、対応する前記処方投与薬品を識別可能な前記処方投与薬品情報として薬品名が表示される。
【0113】
前記領域A133は、前記処方投与薬品各々に対応する位置に表示され、当該領域A133各々には、前記ステップS5で取得される前記処方投与日の合計日数が表示される。具体的に、前記制御部11は、前記対象処方データ群に対応する前記処方データ各々で示される前記処方投与薬品ごとに、当該処方投与薬品の前記処方投与量が存在する前記処方投与日の数を前記合計日数としてカウントする。
【0114】
前記領域A134は、前記処方投与薬品各々に対応する前記第1方向D1上の位置であって、当該処方投与薬品の前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報に対応する位置に表示され、当該処方投与薬品各々について前記ステップS7で取得された前記処方投与量が表示される。例えば、図8では、図2A図2Cに示される前記対象処方データ群の情報に基づいて、前記処方投与日「8/7」、「8/21」に対応する前記領域A134各々に、「療法R1」の「薬品M1」に対応する前記処方投与量として「500mg」が表示されると共に、当該処方投与量の前記基本投与量に対する割合として「(89.3%)」が表示される。
【0115】
即ち、前記処方投与薬品について前記処方投与薬品の投与が必要な前記処方投与日特定情報及び前記処方投与日に対応する前記領域A134に前記処方投与量が表示される。なお、前記処方投与薬品について薬品の投与が不要な前記処方投与日特定情報及び前記処方投与日に対応する前記領域A134は空白等で表示される。このように、前記出力処理部113は、前記領域A134における前記処方投与量の表示の有無によって、当該領域A134に対応する前記処方投与日特定情報及び前記処方投与日における前記処方投与薬品の投与の有無を識別可能に表示する。なお、前記出力処理部113は、前記領域A134への前記処方投与量の表示に代えて、前記処方投与薬品の投与の有無を示す文字又は記号などを表示してもよい。
【0116】
また、前記表示画面P1には、前記領域A131、A134を前記第1方向D1にスライド表示するための操作部K12が表示されており、前記制御部11は、前記操作部K12の操作に応じて前記領域A131、A134を前記第1方向D1にスライド表示させる。なお、前記操作部K12が操作された場合でも、前記領域A132及び前記領域A133はスライド表示されない。また、前記制御部11は、前記操作部K11及び前記操作部K12の操作を連動させ、前記領域A121、A122、A125のスライド表示と前記領域A131、A134のスライド表示とを連動して実行することが可能であってもよく、当該連動の有無をユーザー操作に応じて切り替え可能であってもよい。
【0117】
このように、前記表示画面P1では、前記表示領域A12及び前記表示領域A13が前記第2方向D2に離間又は隣接して並べて表示される。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記対象処方データ群における前記処方投与日及び前記処方投与日特定情報と、前記療法マスターにおける前記基本投与日及び前記基本投与日特定情報とを容易に把握することが可能である。
【0118】
前記表示領域A14には、前記対象処方データ群に対応付けて任意に登録可能なコメント情報が表示される。前記コメント情報は、前記クライアント端末2又は医療関連システム5において入力されることがあり、前記対象処方データ群における一又は複数の前記処方データに含まれる。具体的に、前記コメント情報には、入力日を示す日付、当該コメント情報の種別を示す患者メモ種別、当該コメント情報の内容を示す患者メモ内容、及び当該コメント情報を登録した登録者などの情報が含まれる。例えば、前記表示領域A14には、前記対象処方データ群に含まれる前記処方データについて、前記療法マスターで定められた前記療法と異なる内容を登録した理由などが表示される。なお、前記制御部11は、前記表示画面P1の表示中などにおける所定のタイミングで、ユーザー操作に応じて前記コメント情報を前記対象処方データ群に対応付けて登録することも可能である。
【0119】
前記表示領域A15には、前記表示領域A12及び前記表示領域A13において表示される各種の判定結果に対応する表示態様を示す凡例情報が表示される。具体的に、前記表示領域A15では、前記第1エラー情報及び前記第2エラー情報に対応するエラーが発生している旨を示す「基本投与日」に対応する予め定められたピンク色などの第1色と、前記第3エラー情報に対応するエラーが発生している旨を示す「投与過不足」に対応する予め定められた黄色などの第2色と、前記第4エラー情報に対応するエラーが発生している旨を示す「標準投与量」に対応する予め定められた赤色などの第3色とがそれぞれ示される。なお、本実施形態では、前記基本投与情報と前記処方投与情報とが前記特定条件を満たすか否かの判定結果の表示態様として3種類の配色による表示態様が用いられる場合について説明するが、さらに詳細に前記判定結果の表示態様が設定されていてもよい。また、各種の判定結果に対応する表示態様は、文字又は背景色などの配色に限らず、文字のサイズ又は太さなどのフォントであってもよい。
【0120】
そして、前記制御部11は、前記表示画面P1において、前記ステップS11~S14における判定結果を前記表示領域A12及び前記表示領域A13における前記基本投与情報及び前記処方投与情報の表示態様によって表示する。具体的に、本実施形態において、前記制御部11は、前記ステップS11~S14における前記判定結果が当該ステップS11~S14各々における判定処理の指標となる前記特定条件が非充足であると判定された場合に当該判定結果を前記基本投与情報及び前記処方投与情報の表示態様によって前記表示画面P1に表示する。一方、前記制御部11は、前記特定条件が充足されていると判定された場合、前記表示画面P1において、前記特定条件が非充足である場合の各種の表示態様で情報を表示しないことにより、前記特定条件が充足されている旨の判定結果を表示する。なお、前記判定結果として当該判定結果を示すメッセージ等の情報が前記表示画面P1に表示されてもよい。
【0121】
以下、図9図17を参照しつつ、前記表示画面P1における各種のエラー情報の表示態様の一例について説明する。
【0122】
[薬品の投与日の相違例1]
図9は、薬品の投与日が異なる場合の表示例を示す図である。具体的に、図9に示される例では、前記基本投与日特定情報の「1」日目及び「8」日目と、前記基本投与日特定情報の「1」日目及び「8」日目とは一致している。一方、図9に示される例では、前記基本投与日特定情報である「15」日目が前記処方投与日特定情報に存在せず、前記基本投与日特定情報である「16」日目が前記基本投与日特定情報に存在しない。そのため、前記療法判定処理では、「15」日目の前記基本投与日特定情報について前記第1エラー情報が記憶され、「16」日目の前記処方投与日特定情報について前記第2エラー情報が記憶される。
【0123】
そして、図9に示されるように、前記表示画面P1では、前記基本投与日特定情報のうち「15」日目に対応する前記領域A121と、前記処方投与日特定情報のうち「16」日目に対応する前記領域A131とが、前記第1色の配色で識別可能に表示される。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記基本投与日特定情報のうち「15」日目に対応する前記処方投与日特定情報が存在しないことを把握することができ、前記処方投与日特定情報のうち「16」日目に対応する前記基本投与日特定情報が存在しないことを把握することができる。なお、本実施形態で説明する前記表示画面P1における各領域の配色は、各領域における文字色又は背景色などに施されるものであり、他の領域との差異が識別可能であればよい。
【0124】
また、図9に示される例では、前記表示領域A14において、前記コメント情報として、前記処方データにおける前記処方投与日を意図的に前記基本投与日に対して1日延期した旨とその理由(祝祭日のため)とが表示されている。従って、ユーザーは、前記表示領域A14の前記コメント情報を参照し、図9に示される前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日と前記処方投与日特定情報及び前記処方投与日との不一致について問題ないことを把握することが可能である。
【0125】
[薬品の投与日の相違例2]
図10は、薬品の投与日が異なる場合の表示例を示す図である。具体的に、図10に示される例では、前記基本投与日特定情報の「1」日目及び「15」日目と、前記基本投与日特定情報の「1」日目及び「15」日目とは一致している。一方、図10に示される例では、前記基本投与日特定情報である「8」日目が前記処方投与日特定情報に存在せず、前記処方投与日特定情報である「22」日目が前記基本投与日特定情報に存在しない。そのため、前記療法判定処理では、「8」日目の前記基本投与日特定情報について前記第1エラー情報が記憶され、「22」日目の前記処方投与日特定情報について前記第2エラー情報が記憶される。
【0126】
そして、図10に示されるように、前記表示画面P1では、前記基本投与日特定情報のうち「8」日目に対応する前記領域A121と、前記処方投与日特定情報のうち「22」日目に対応する前記領域A131とが、前記第1色の配色で識別可能に表示される。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記基本投与日特定情報のうち「8」日目に対応する前記処方投与日特定情報が存在しないことを把握することができ、前記処方投与日特定情報のうち「22」日目に対応する前記基本投与日特定情報が存在しないことを把握することができる。
【0127】
また、図10に示される例では、前記表示領域A14において、前記コメント情報として、前記処方データにおける前記処方投与日を意図的に前記基本投与日に対して1週間延期した旨とその理由(検査値異常のため)とが表示されている。従って、ユーザーは、前記表示領域A14の前記コメント情報を参照し、図10に示される前記基本投与日特定情報及び前記基本投与日と前記処方投与日特定情報及び前記処方投与日との不一致について問題ないことを把握することが可能である。
【0128】
[薬品の投与日数が過多の例]
図11は、薬品の投与日数が過多になる場合の表示例を示す図である。具体的に、図11に示される例では、前記基本投与日特定情報の「1」、「8」、「15」日目と、前記基本投与日特定情報の「1」、「8」、「15」日目とは一致している。一方、図11に示される例では、前記処方投与日特定情報である「22」日目が前記基本投与日特定情報に存在しない。そのため、前記療法判定処理では、「22」日目の前記処方投与日特定情報について前記第2エラー情報が記憶される。
【0129】
また、図11に示される例では、「薬品M1」の前記基本投与日の合計日数の「2」と、「薬品M1」の前記処方投与日の合計日数の「2」とは一致している。一方、「薬品M2」の前記基本投与日の合計日数の「3」と、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数の「4」とは一致しない。そのため、前記療法判定処理では、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数について前記第3エラー情報が記憶される。
【0130】
そして、図11に示されるように、前記表示画面P1では、前記処方投与日特定情報のうち「22」日目に対応する前記領域A131が、前記第1色の配色で識別可能に表示され、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数に対応する前記領域A133が前記第2色の配色で識別可能に表示される。また、図11に示されるように、前記表示画面P1では、前記処方投与日特定情報のうち「22」日目に対応する前記処方投与量が表示された前記領域A134についても前記第2色の配色で識別可能に表示される。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記処方投与日特定情報のうち「22」日目に対応する前記基本投与日特定情報が存在しないことを把握することができ、及び「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数が前記基本投与日の合計日数と一致せず「薬品M2」の投与日数が過多であることを容易に把握することができる。なお、図11において、前記表示領域A12に前記基本投与日の合計日数が表示される場合には、「薬品M2」に対応する当該基本投与日の合計日数の表示領域が前記第2色の配色で表示されてもよい。
【0131】
[薬品の投与日数の不足の例]
図12は、薬品の投与日数が不足になる場合の表示例を示す図である。具体的に、図12に示される例では、前記基本投与日特定情報の「1」日目及び「15」日目と、前記基本投与日特定情報の「1」日目及び「15」日目とは一致している。また、図12に示される例では、「薬品M1」の前記基本投与日の合計日数の「2」と、「薬品M1」の前記処方投与日の合計日数の「2」とは一致している。一方、図12に示される例では、前記基本投与日特定情報である「8」日目が前記処方投与日特定情報に存在しない。そのため、前記療法判定処理では、「8」日目の前記基本投与日特定情報について前記第1エラー情報が記憶される。また、「薬品M2」の前記基本投与日の合計日数の「3」と、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数の「2」とは一致しない。そのため、前記療法判定理処理では、「薬品M2」の前記合計日数について前記第3エラー情報が記憶される。
【0132】
そして、図12に示されるように、前記表示画面P1では、前記基本投与日特定情報のうち「8」日目に対応する前記領域A121が前記第1色の配色で識別可能に表示され、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数に対応する前記領域A133が前記第2色の配色で識別可能に表示される。従って、ユーザーは、前記処方投与日特定情報のうち「8」日目に対応する前記基本投与日特定情報が存在しないことを把握することができ、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数が前記基本投与日の合計日数と一致せず「薬品M2」の投与日数が不足していることを容易に把握することができる。なお、図12において、前記表示領域A12に前記基本投与日の合計日数が表示される場合には、「薬品M2」に対応する当該基本投与日の合計日数の表示領域が前記第2色の配色で表示されてもよい。
【0133】
[薬品の投与日数の過多の例]
図13は、薬品の投与日数が過多になる場合の表示例を示す図である。具体的に、図13に示される例では、全ての前記基本投与日特定情報及び前記処方投与日特定情報が一致している。また、図13に示される例では、「薬品M2」の前記基本投与日の合計日数の「3」と、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数の「3」とは一致している。一方、「薬品M1」の前記基本投与日の合計日数の「2」と、「薬品M1」の前記処方投与日の合計日数の「3」とは一致しない。そのため、前記療法判定処理では、「薬品M1」の前記合計日数について前記第3エラー情報が記憶される。
【0134】
そして、図13に示されるように、前記表示画面P1では、「薬品M1」の前記処方投与日の合計日数に対応する前記領域A133が前記第2色の配色で識別可能に表示される。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、「薬品M1」の前記処方投与日の合計日数が前記基本投与日の合計日数と一致せず「薬品M1」の投与日数が過多であることを容易に把握することができる。なお、図13において、前記表示領域A12に前記基本投与日の合計日数が表示される場合には、「薬品M1」に対応する当該基本投与日の合計日数の表示領域が前記第2色の配色で表示されてもよい。
【0135】
また、前記制御部11は、前記療法判定処理において、全ての前記基本投与日特定情報と前記処方投与日特定情報とが一致する場合に、当該基本投与日特定情報各々における前記基本投与薬品の投与の有無と当該処方投与日特定情報各々における前記処方薬品の投与の有無とが一致するか否かを判定してもよい。具体的に、図13に示される例では、前記基本投与日特定情報及び前記処方投与日特定情報が全て一致する。一方、前記基本投与日特定情報「8」日目に対応する「薬品M1」には前記基本投与量が存在しないが、前記処方投与日特定情報「8」日目に対応する「薬品M1」には前記処方投与量が存在する。そのため、この場合には、図13に示されるように、前記表示領域A13では、「薬品M1」の「8」日目の前記処方投与量に対応する前記領域A134が前記第2色の配色で識別可能に表示されることが考えられる。これにより、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、「薬品M1」の「8」日目について「薬品M1」の投与が過多であることを容易に把握することができる。
【0136】
[薬品の投与量の過不足の例]
図14は、薬品の投与量が前記投与量許容範囲外となる場合の表示例を示す図である。ここでは、前記処方投与日が「8/21」である前記処方データにおける患者の体重が、前記処方投与日が「8/7」である前記処方データにおける患者の体重が56.0kgから48.0kgに減少することにより、「8/21」に対応する前記基本投与量が変化した場合を例に挙げて説明する。
【0137】
具体的に、図14に示される例では、前記処方投与日特定情報が「1」日目の「薬品M1」の前記処方投与量である「500」に対し、当該「1」日目の前記処方データにおける患者の体重に基づいて算出された「薬品M1」の前記基本投与量は「560」であり、当該処方投与量は前記処方量許容範囲内である。一方、前記処方投与日特定情報が「15」日目の「薬品M1」の前記処方投与量である「500」に対し、当該「15」日目の前記処方データにおける患者の体重に基づいて算出された「薬品M1」の前記基本投与量は「480」であって、前記基本投与量に対する割合が「104.2」%であるため、当該処方投与量は前記投与量許容範囲外である。そのため、前記療法判定処理では、「薬品M1」の「15」日目の前記処方投与量について前記第4エラー情報が記憶される。
【0138】
そして、図14に示されるように、前記表示画面P1では、前記処方投与日特定情報が「15」日目の「薬品M1」の前記処方投与量に対応する前記領域A134が前記第3配色で識別可能に表示される。これにより、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記処方投与日特定情報が「15」日目の「薬品M1」の前記処方投与量が前記投与量許容範囲外であることを容易に把握することができる。
【0139】
[薬品の不足の例]
図15は、薬品が不足している場合の表示例を示す図である。具体的に、図15に示される例では、「薬品M2」についての前記基本投与日の合計日数が「3」であるのに対し、「薬品M2」についての前記処方投与日の合計日数は「0」になっており、当該処方投与日の合計日数と前記基本投与日の合計日数とが一致しない。そのため、前記療法判定処理では、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数について前記第3エラー情報が記憶される。特に、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数は「0」になっているため、前記第3エラー情報には「薬品M2」についての前記不足薬品情報が含まれる。
【0140】
そして、図15に示されるように、前記制御部11は、前記第3エラー情報の前記不足薬品情報に基づいて、前記表示画面P1において、「薬品M2」の前記処方投与薬品に対応する前記領域A132、A133、A134を前記第2配色で識別可能に表示する。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記基本投与薬品に対して「薬品M2」の前記処方投与薬品が不足していることを容易に把握することができる。
【0141】
なお、図15では、1クールについて前記基本投与日特定情報が複数である場合を例に挙げて説明したが、図16に示されるように、前記基本投与日特定情報が1つであって前記基本投与日の合計日数が「1」であることも考えられる。この場合でも、「薬品M2」についての前記基本投与日の合計日数が「1」であるのに対し、「薬品M2」についての前記処方投与日の合計日数が「0」になっている場合には、「薬品M2」の前記処方投与日の合計日数について、前記不足薬品情報を含む前記第3エラー情報が記憶される。従って、図16に示されるように、前記表示画面P1では、「薬品M2」の前記処方投与薬品に対応する前記領域A132、A133、A134が前記第2配色で識別可能に表示される。
【0142】
[薬品の過多の例]
図17は、薬品が過多である場合の表示例を示す図である。前記医療関連システム5では、一般に前記処方データの登録時に前記療法に用いられる薬品に他の薬品を追加することはできないことが考えられるが、他の薬品を追加することが可能なシステムであることも考えられる。具体的に、図17に示される例では、「薬品M3」についての前記基本投与日の合計日数が「0」であるのに対し、「薬品M3」についての前記処方投与日の合計日数は「3」になっており、当該処方投与日の合計日数と前記基本投与日の合計日数とが一致しない。そのため、前記療法判定処理では、「薬品M3」の前記処方投与日の合計日数について前記第3エラー情報が記憶される。特に、「薬品M3」の前記基本投与日の合計日数が「0」であり、「薬品M3」の前記処方投与日の合計日数が「3」になっているため、前記第3エラー情報には「薬品M3」についての前記過多薬品情報が含まれる。
【0143】
そして、図17に示されるように、前記制御部11は、前記第3エラー情報の前記過多薬品情報に基づいて、前記表示画面P1において、「薬品M3」の前記処方投与薬品に対応する前記領域A132、A133、A134を前記第2配色で識別可能に表示する。従って、ユーザーは、前記表示画面P1を参照することにより、前記基本投与薬品に対して「薬品M3」の前記処方投与薬品が過多であることを容易に把握することができる。
【0144】
[表示画面の他の例]
なお、図18は、前記表示画面P1の他の例を示す図である。図18における前記表示画面P1の前記表示領域A12では、前記基本処方日の合計日数が表示される領域A126が表示される。また、図18における前記表示画面P1の前記表示領域A12、A13では、前記第1方向D1において、前記基本投与日特定情報、前記基本投与日、前記基本投与量を示す前記領域A121、A122、A125と、前記処方投与日、前記処方投与日特定情報、前記処方投与量を示す前記領域A135、A136、A134とが、それぞれ同じ表示サイズ及び表示間隔で前記第2方向D2に揃うように表示されている。これにより、前記表示領域A12及び前記表示領域A13における前記基本投与情報及び前記処方投与情報をより容易に比較することが可能である。なお、この場合、前記表示領域A12及びA13のいずれか一方に前記操作部K11又はK12が設けられ、前記制御部11は、前記操作部K11又はK12の操作に応じて前記表示領域A12及びA13における前記領域A121、A122、A131、A135、A136、A134を連動してスライド表示させてもよい。
【0145】
[療法歴表示]
前記療法管理システム10では、前記制御部11が、ユーザー操作に応じて、前記療法歴データ及び前記検査データなどに基づいて療法歴及び検査歴を含む表示画面P11を表示することが可能であってもよい。そして、前記制御部11は、前記表示画面P11において、前記療法判定処理における判定結果を表示させることが考えられる。
【0146】
ここで、図19は、前記表示画面P11の一例を示す図である。図19に示されるように、前記表示画面P11では、特定の患者についての前記療法歴が表示される表示領域A21と、当該患者についての前記検査歴が表示される表示領域A22とが含まれる。
【0147】
前記表示領域A21には、患者の体重、体表面積、処方投与日、療法名、処方投与薬品、及び処方投与量などの情報が表示される。具体的に、前記表示領域A21では、領域A211各々には、前記処方投与日が表示され、領域A212各々には、前記処方投与日に対応する投薬の有無が表示され、領域A213各々には、前記処方投与日における前記処方投与薬品ごとの前記処方投与量が表示される。なお、前記表示画面P11の前記表示領域A21には、前記特定の患者についての過去の薬品の投与履歴に限らず、未来の薬品の投与予定が含まれてもよい。例えば、図19に示される例では、前記領域A212において投薬がある旨を示す星マークの表示態様が、投与実施日(★)又は投与予定日(☆)である旨を示している。
【0148】
そして、前記制御部11は、前記療法判定処理において前記第1エラー情報又は前記第2エラー情報が記憶されていた場合には、当該第1エラー情報又は当該第2エラー情報に対応する日付の前記領域A212を前記表示画面P1と同じ前記第1色の配色で表示する。また、前記制御部11は、前記療法判定処理において前記第3エラー情報が記憶されていた場合には、当該第3エラー情報に対応する日付の前記領域A212を前記表示画面P1と同じ前記第2色の配色で表示する。さらに、前記制御部11は、前記療法判定処理において前記第4エラー情報が記憶されていた場合には、当該第4エラー情報に対応する日付の前記領域A213を前記表示画面P1と同じ前記第3色の配色で表示する。
【0149】
これにより、ユーザーは、前記表示画面P11を参照する際に、前記表示画面P1と同じ前記第1色、前記第2色、及び前記第3色の配色によって、前記療法判定処理における各種のエラーの発生の有無を容易に把握することが可能である。なお、前記制御部11は、前記第1色、前記第2色、又は前記第3色の配色が施された前記領域A212、A213などのユーザー操作に応じて、当該領域A212、A213に対応するエラーの内容を表示してもよい。
【0150】
[電子カルテシステムへの適用]
上述の本実施形態では、前記療法管理システム10が前記調剤支援システムである場合を例に挙げて説明したが、前記療法管理システム10は他のシステムにも適用可能である。具体的に、患者のカルテ情報を管理する電子カルテシステムが前記療法管理システム10の一例であることが考えられる。この場合、前記電子カルテシステムである前記療法管理システム10では、前記制御部11が、医師等によって前記処方データが登録される際に前記情報取得処理及び前記療法判定処理を実行し、前記表示画面P1などの態様で前記基本投与情報、前記処方投与情報、及び前記判定結果などを同一画面に出力することが考えられる。これにより、医師等のユーザーが、前記処方データを登録する際に、当該処方データで示される投与日の情報と療法に従った投与日の情報との関係を容易に把握することが可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 療法管理装置
11 制御部
111 第1取得処理部
112 第2取得処理部
113 出力処理部
114 判定処理部
12 記憶部
13 通信I/F
14 表示部
15 操作部
16 ドライブ装置
2 クライアント端末
3 プリンター
4 通信網
5 医療関連システム
10 療法管理システム
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19