(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】箱詰装置及び箱詰方法
(51)【国際特許分類】
B65B 5/06 20060101AFI20240612BHJP
B65B 35/38 20060101ALI20240612BHJP
B65B 35/44 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
B65B5/06
B65B35/38
B65B35/44
(21)【出願番号】P 2019216571
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】内橋 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】河田 勝幸
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-028459(JP,A)
【文献】特開2019-105610(JP,A)
【文献】特開2009-092401(JP,A)
【文献】特許第3575543(JP,B2)
【文献】特開2001-235425(JP,A)
【文献】特開2011-201584(JP,A)
【文献】特開2016-155562(JP,A)
【文献】特開昭52-112491(JP,A)
【文献】特開2004-323046(JP,A)
【文献】特開2019-006592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0039550(US,A1)
【文献】特開2016-185817(JP,A)
【文献】特開2010-247869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
B65B 35/38
B65B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送台の上に載置された複数個の樹脂製容器を1段状の成形物として保持しつつ補助台の上方に移動して前記1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に直接に配置する配置ユニットを含む配置手段と、
前記成形物の梱包用の箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置された押圧手段であって、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより、前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させることを繰り返し、前記複数段状の成形物が前記箱の内部で前記
樹脂製容器の高さ方向に少なくとも2段に積まれた状態となるように前記複数段状の成形物を前記箱の内部に移動させる押圧手段と、
前記箱を保持し、該箱の前記開口部が側方を向く位置と該開口部が上方を向く位置との間において前記箱を回転させることが可能な保持手段と、
を具備することを特徴とする箱詰装置。
【請求項2】
前記配置手段は、各々の底面が下方を向くように前記搬送台の上に載置された前記1段状の成形物を保持し、各々の側面が下方を向くように前記1段状の成形物を回転させた後、該1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する、請求項1に記載の箱詰装置。
【請求項3】
搬送台の上に載置された複数個の樹脂製容器を1段状の成形物として保持しつつ補助台の上方に移動して前記1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に直接に配置する配置ユニットを含む配置手段と、
前記成形物の梱包用の箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置され、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させる、押圧手段と、
を具備し、
前記配置手段は、各々の底面が下方を向くように前記搬送台の上に載置された前記1段状の成形物を保持し、各々の側面が下方を向くように前記1段状の成形物を回転させた後、該1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する、箱詰装置。
【請求項4】
前記補助台は、前記配置手段が、前記1段状の成形物を、該補助台の上に又は該補助台の上に配置された前記少なくとも1段状の成形物の上に配置する度に、前記1段状の成形物の高さに相当する高さに応じて、鉛直方向に沿って下方に移動する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の箱詰装置。
【請求項5】
搬送台の上に載置された複数個の樹脂製容器を1段状の成形物として保持した配置ユニットが、補助台の上方に移動して前記1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に直接に配置する段階と、
前記成形物の梱包用の箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置された押圧手段が、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより、前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させることを繰り返し、前記複数段状の成形物が前記箱の内部で前記
樹脂製容器の高さ方向に少なくとも2段に積まれた状態となるように前記複数段状の成形物を前記箱の内部に移動させる段階と、
前記箱の前記開口部が側方を向いた状態から該開口部が上方を向いた状態に前記箱を回転させる段階と、
を含むことを特徴とする箱詰方法。
【請求項6】
搬送台の上に載置された複数個の樹脂製容器を1段状の成形物として保持した配置ユニットが、補助台の上方に移動して前記1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に直接に配置する段階(a)と、
前記成形物の梱包用の箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置された押圧手段が、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させる段階(b)と、
を含み、
前記段階(a)において、前記配置ユニットは、各々の底面が下方を向くように前記搬送台の上に載置された前記1段状の成形物を保持し、各々の側面が下方を向くように前記1段状の成形物を回転させた後、該1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する、箱詰方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願に開示された技術は、工場及び倉庫等において複数の物品を箱に収容する箱詰装置及び箱詰方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物品を箱に収容する箱詰装置として、特許第4484102号公報(特許文献1)に開示されたものが知られている。特許文献1には、容器が供給される位置と箱詰め位置との間で移動可能に隣接して並べられた複数の保持部材の各々が、保持した容器を直接箱の中に収容する箱詰装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された箱詰装置にあっては、隣接して並べられた複数の保持部材の各々が保持した容器を箱の中に適切に収容するためには、利用者等がこれらの保持部材を制御する制御装置又はロボットに対してティーチングという煩雑な作業を行う必要がある。
【0005】
また、従来から人が箱詰作業を行うことも行われている。このように人が箱詰作業に関与する場合には、箱の中に異物(ホコリや毛髪等)が混入したり、箱の中に誤った数の容器等が収容されたり、箱の中に誤った向きで容器等が収容される、といった人為的な誤りが発生する可能性がある。
【0006】
そこで、本件出願の様々な実施形態は、利用者等に必要とされる作業を抑えることが可能な箱詰装置及び箱詰方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る箱詰装置は、「搬送台の上に載置された複数個の成形物を1段状の成形物として保持し、補助台の上方に移動し、前記1段状の成形物を、前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する、配置手段と、箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置され、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させる、押圧手段と、を具備する」ものである。
【発明の効果】
【0008】
様々な実施形態によれば、利用者等に必要とされる作業を少なくとも部分的に抑えることが可能な箱詰装置及び箱詰方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る箱詰装置1の構成の一例を上面からみて示す模式図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した箱詰装置1に含まれる補助台ユニット200の構成の一例を示す斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1に示した箱詰装置1に含まれる配置ユニット300の第1の状態における構成の一例を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに示した配置ユニット300の第2の状態における構成の一例を示す斜視図である。
【
図3C】
図3Cは、
図3Aに示した配置ユニット300の第3の状態における構成の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した箱詰装置1に含まれる保持ユニット600の構成の一例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した箱詰装置1に含まれる押圧ユニット500及び補助台ユニット200の一部の構成を側方からみて示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
【0011】
1.箱詰装置の概要
本件出願に開示される箱詰装置は、簡潔にいえば、成形物を箱詰する動作を複数の工程に個別化(分割)することにより実行するものである。具体的には、一実施形態に係る箱詰装置では、配置ユニットが、搬送台の上に載置された複数の成形物を1段状の成形物として保持して補助台の上方に移動し、これら1段状の成形物を、補助台の上に又はこの補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する工程と、箱の開口部との間に補助台を挟んで配置された押圧ユニットが、箱の開口部に近づく方向に移動することにより、補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して箱の内部に摺動させる工程と、いう個別化された複数の工程が行われることにより、成形物を箱詰する動作が実現される。
【0012】
2.箱詰装置の構成
図1は、一実施形態に係る箱詰装置1の構成の一例を上面からみて示す模式図である。なお、
図1に示された機能ブロックである第1制御部150~第6制御部620は、コンピュータプログラムに含まれた各命令を実行するプロセッサ等により実現されるものである。
【0013】
図1に示すように、箱詰装置1は、大まかに分けて、完成した成形物を搬送する第1の搬送ユニット100と、複数の成形物が一時的に載置される補助台ユニット200と、第1の搬送ユニット100により搬送された複数の成形物を保持して補助台ユニット200に配置する配置ユニット300と、複数の成形物を収容する箱を搬送する第2の搬送ユニット400と、第2の搬送ユニット400との間に補助台ユニット200を挟んで配置され、複数の成形物を箱に向かって押圧する押圧ユニット500と、第2の搬送ユニット400に隣接して設けられ、複数の成形物を収容した箱を保持して回転させる保持ユニット600と、を主に含むことができる。
【0014】
なお、ここでは、成形物としては、
図1に例示されるように、樹脂により形成され、全体として四角柱形状を呈し、平らに形成された底面と凸部12が形成された上面とを有する容器10が用いられる。凸部12には、容器10の内部に連通する開口が形成されている。また、各容器10は、相互に略同一の形状(各容器10間に生ずる製造誤差を除く)を有するものである。
【0015】
また、ここでは、箱としては、
図1に例示されるように、プラスチック又は紙等により形成され、全体として略四角柱形状を呈し、平らに形成された底面22に対向する側に開口部24が形成された箱20が用いられる。また、各箱20は、相互に略同一の形状(各箱20間に生ずる製造誤差を除く)を有するものである。
【0016】
2-1.第1の搬送ユニット100
第1の搬送ユニット100は、搬送方向D1に沿って延びる搬送台110と、搬送台110により搬送される容器10の数を検出する検出部120と、搬送台110により搬送される容器10の搬送を許容又は規制する整列部130と、搬送台110により搬送される容器10に対する位置決めを行う係止部140と、を主に含むことができる。
【0017】
搬送台110は、周知であるベルトコンベア等により構成され、工場等において製造された成形物としての容器10を載置して搬送するものである。
図1には、このような搬送台110のうちの一部のみが示されている(すなわち、
図1には、容器10を製造する領域と
図1に示された箱詰装置1が配置された領域との間に延びる搬送台110は示されていない)。
【0018】
搬送台110(具体的には移動するベルト部分等)は、搬送方向D1に沿って移動することにより、この搬送台110に載置される各容器10を搬送方向D1に搬送するものである。搬送台110は、検出部120、整列部130及び係止部140に対して搬送方向D1に移動するものであるということができる。
【0019】
検出部120は、周知である任意のセンサ(画像センサ、光学センサ及び/又は赤外線センサ等を含む)により構成され、搬送台110により搬送されこの検出部120を通過する容器10の数を検出し、その検出の結果を第1制御部150に通知するものである。検出部120は、搬送方向D1に沿って設けられた図示しないガイドレール等に固定及び支持され得るものである。
【0020】
整列部130は、搬送方向D
1に沿って設けられた図示しないガイドレール等に固定及び支持され得るものであり、搬送台110の上にあって容器10の搬送を規制する「規制位置」(
図1に示した位置)と、搬送台110の上から退避して容器10の搬送を許容する「許容位置」と、の間を移動可能となるように設けられる。具体的には、整列部130は、検出部120からの検出の結果に基づいて所定数(ここでは「4個」)の容器10が蓄積されている(又は蓄積していない)と判断した第1制御部150により制御されることにより、「許容位置」(又は「規制位置」)に移動することができる。これにより、整列部130から係止部140には、毎回、所定数(ここでは「4個」)の容器10のみが連なって搬送される。
【0021】
なお、整列部130が「規制位置」に配置されているときには、搬送台110は、整列部130に当接した各容器10に対して移動することができる。
【0022】
係止部140は、搬送方向D1に沿って設けられた図示しないガイドレール等に固定及び支持され得るものであり、整列部130を通過したひとまとまり(ここでは「4個」)の容器10がさらに搬送方向D1に移動しないようにこれらの容器10を係止することができる。これにより、係止部140は、ひとまとまりの容器10に対する位置決めを行うことができる。
【0023】
なお、搬送台110は、係止部140により係止された各容器10に対して移動することができる。
【0024】
2-2.補助台ユニット200
補助台ユニット200は、
図1に示されるように、第2の搬送ユニット400に隣接して配置され得る。補助台ユニット200には、1回につき、所定数(ここでは「4個」)の容器10が、1段状の容器10として、後述する配置ユニット300により配置される。
【0025】
図2は、
図1に示した箱詰装置1に含まれる補助台ユニット200の構成の一例を示す斜視図である。
図2には、
図1に示した参照方向D
2からみた補助台ユニット200の構成が示されている。なお、
図2には、後述する押圧ユニット500の一部の構成も示されている。
【0026】
図2に示すように、補助台ユニット200は、複数の容器10を載置する補助台210と、補助台210の底面に固定され、補助台210を鉛直方向に移動させる複数の支持軸220と、を含むことができる。
【0027】
補助台210は、例えば金属、樹脂及び/又は木材により形成された板状を呈することができる。補助台210の上面は、複数の容器10を載置する面であるので、好ましくは地面に対して略平行に延びる平らな面とされ得る。
【0028】
また、補助台210は、所定数(ここでは「4個」)並べられた容器10の幅と所定の遊びとの和に基づいた幅を有するものとすることができる。さらに、補助台210は、各容器10の高さと所定の遊びとの和に基づいた奥行を有するものとすることができる。
【0029】
複数の支持軸220は、例えば金属により形成された棒状を呈することができる。各支持軸220は、貫通孔230に挿通されており、第2制御部260により制御されることにより、鉛直上下方向に移動することができる。各支持軸220の上端が補助台210の底面に固定されている。これにより、各支持軸220は、第2制御部260により制御されることにより、補助台210を鉛直上下方向に移動させることができる。
【0030】
さらに、補助台ユニット200は、補助台210の一端に対向して向けられ、補助台200に直交する方向に延びる第1のガイド部材240、及び/又は、補助台210の他端に対向して設けられ、補助台200に直交する方向に延びる第2のガイド部材250をさらに含むことができる。
【0031】
第1のガイド部材240及び第2のガイド部材250もまた、補助台210と同様に、例えば金属、樹脂及び/又は木材により形成された板状を呈することができる。第1のガイド部材240及び第2のガイド部材250は、補助台210の上に多段状に配置された容器10が崩れることを防止することができる。
【0032】
第1のガイド部材240(及び/又は第2のガイド部材250)は、その外面が、補助台210に隣接して配置される箱20(
図2には、箱20が破線により表現されている)の外面に略一致するような位置(すなわち、箱20の外面との間に大きな段差を生じさせない位置)に配置されることが好ましい。
【0033】
さらに、補助台ユニット200は、第1のガイド部材240の外面に固定された少なくとも1つの装着装置242(
図2には、2つの装着装置242A、242B)を含むことができる。各装着装置242A、242Bは、箱20の外面に当接する「装着位置」と箱20の外面から退避した「退避位置」との間において移動可能となるように設けられた、例えば棒状の装着部材(図示は省略されている)を有することができる。
【0034】
これにより、装着装置242は、箱20が補助台ユニット200に対して移動しないように箱20を固定することができる。さらにまた、箱20の内部に複数の容器10が直接収容されるのではなく、箱20の内部において箱20の内壁に密着するように配置された1重又は2重の袋(図示せず)の内部に、複数の容器10が収容される場合には、この1重又は2重の袋の端部が、折り曲げられて折り返し部分として箱20の外面(の一部)を囲む(覆う)ことが考えられる。この場合には、装着装置242は、箱20の外面を覆う袋の折り返し部分を箱20の外面に向かって押圧することにより、袋が箱20に対して移動しないように箱20及び袋を固定することもできる。
【0035】
なお、第1のガイド部材240と同様に、第2のガイド部材250もまた、このような少なくとも1つの装着装置252(図示しない)を有することができる。
【0036】
2-3.配置ユニット300
図3Aは、
図1に示した箱詰装置1に含まれる配置ユニット300の第1の状態における構成の一例を示す斜視図である。
図3Bは、
図3Aに示した配置ユニット300の第2の状態における構成の一例を示す斜視図である。
図3Cは、
図3Aに示した配置ユニット300の第3の状態における構成の一例を示す斜視図である。なお、
図3A~
図3Cには、
図1に示した参照方向D
3からみた配置ユニット300の構成が示されている。
【0037】
図3A~
図3Cに示すように、配置ユニット300は、略コ字状に延びる基部310と、基部310に固定され、基部310を支持する複数(ここでは「2つ」)の支持軸320と、基部310の対向する2つの部材の間において回動自在に設けられた略板状の回転部材330と、回転部材330の一方の面から突出し、容器10に当接して容器10を吸引する複数の吸引部材340と、各吸引部材340により吸引される空気を搬送すべく基部310に固定された搬送管350と、を主に含むことができる。
【0038】
基部310は、例えば金属により形成され得るものである。
【0039】
各支持軸320もまた、例えば金属により棒状に形成され得るものである。
各支持軸320は、その一端が基部310の上面に固定され、その他端が各支持軸320の上方に位置する図示しない移動部材に固定されるものである。この移動部材は、第3制御部360により制御されることにより、各支持軸320を引っ張る(又は解放する)ことができる。これにより、各支持軸320に固定された基部310は上昇する(又は下降する)ことができる。
【0040】
また、この移動部材は、同様に第3制御部360により制御されることにより、図示しないガイドレール等に支持されつつ移動することができる。これにより、この移動部材は、例えば、
図1に示すように、搬送ユニット100の係止部140により係止された所定数の容器10の上方に対応する位置と、補助台ユニット200の上方に対応する位置との間を移動することができる。
【0041】
図3A~
図3Cを参照すると、回転部材330は、基部310の対向する2つの部材の間において回動自在に設けられた回転軸332を有することができる。この回転軸332、ひいては、この回転軸332に固定された回転部材330は、上述した第3制御部360により制御されることにより、正転又は逆転することができる。具体的には、
図3Aに示すように各吸引部材340が側方を向いた状態にある回転部材330は、第3制御部360により制御されて正転することにより、
図3Bに示す状態を経て、
図3Cに示すように各吸引部材340が下方を向いた状態に移行することができる。さらに、
図3Cに示すように各吸引部材340が下方を向いた状態にある回転部材330は、第3制御部360により制御されて逆転することにより、
図3Bに示す状態を経て、
図3Aに示すように各吸引部材340が側方を向いた状態に移行することができる。
【0042】
次に、各吸引部材340は、容器10の側面に当接する例えば吸盤状を呈する当接部342と、一端が当接部342に固定され他端が回転部材330に固定された管状の支持部344と、を含むことができる。当接部342の中心部分に形成された吸入口342Aは、支持部344の内部に連通する。支持部344の他端は、図示しないパイプを介して、搬送管350に連通する。この構成により、上述した第3制御部360により制御された図示しない動力源(ポンプ等)が、吸引動作を行うことにより、当接部342の吸入口342A、支持部344、搬送管350を介して空気が吸引される。この結果、当接部342に当接する容器10は、当接部342に吸着することができる。一方、上述した第3制御部360により制御された図示しない動力源が、吸引動作を停止することにより、当接部342の吸入口342A、支持部344、搬送管350を介した空気の吸引が停止する。この結果、当接部242に吸着していた容器10は、当接部242から離れることができる。
【0043】
また、
図3Aに最もよく示されているように、一実施形態では、合計16個の吸引部材340が間隔をおいて回転部材330に固定されている。具体的には、この配置ユニット300は、係止部140により係止された4個の連なった容器10をまとめて保持するものであることから、1つの容器10に対して4個の吸引部材340(これら4個の吸引部材340の各々は1つの矩形における頂点に位置する)が対向するように、合計16個の吸引部材340が配置されている。
【0044】
2-4.第2の搬送ユニット400
図1に戻り、第2の搬送ユニット400は、全体として略矩形状を呈し、搬送方向D
4に沿って延びる支持台410と、支持台410に形成された溝412に沿って移動可能に設けられ、支持台410に載置された箱20を押圧して搬送する押し流し部材420と、支持台410に形成され、押し流し部材420により搬送された箱20に対する位置決めを行う係止部430と、係止部430に位置決めされた箱20を、補助台ユニット200に向かって押し出し又は補助台ユニット200から離れるように引っ張る押し引き装置440と、を主に含むことができる。
【0045】
支持台410は、例えば金属により形成され得るものである。支持台410の上面は、その上を箱20が滑らかに摺動できるように、平らに形成され得る。
【0046】
押し流し部材420は、支持台410の溝412から支持台410の上面よりも上方に突出した「突出位置」と、支持台410の上面よりも下方に退避した「退避位置」との間を移動可能となるように設けられる。この押し流し部材420は、例えば支持台410の下方に配置されたベルトコンベア等に結合されることにより、搬送方向D4に沿って移動することが可能である。「突出位置」にある押し流し部材420は、搬送方向D4に沿って移動することにより、箱20を搬送方向D4に沿って押圧して摺動させることができる。このような押し流し部材420(及びベルトコンベア等)の動作は、第4制御部450により制御され得るものである。
【0047】
係止部430は、押し流し部材420により押圧されることにより搬送されてきた箱20を係止して、それ以上の箱20の摺動を規制するものである。
図1及び
図2の両方に示されているように、係止部430は、補助台ユニット200の補助台210と箱20の開口部24とが対向するように、具体的には、補助台210の両端と箱20の開口部24の両端とがそれぞれ実質的に一致するように、箱20に係止するものである。このような係止部430によって、箱20に対する位置決めが行われる。
【0048】
押し引き装置440は、係止部430により位置決めされた箱20の底面22に当接して、箱20を補助台ユニット200に近づく方向に押し出すことができる(
図1には、係止部430により位置決めされ、押し引き装置440により押し出された状態にある箱20Bが示されている)。さらに、押し引き装置440は、このように押し出した箱20を補助台ユニット200から離れる方向に引っ張ることができる。具体的には、押し引き装置440は、箱20が係止部430に係止しなくなる位置まで箱20を引っ張ることにより、押し流し部材420が箱20を押圧して保持ユニット600に渡すことを許容することができる。
【0049】
押し引き装置440は、図示しない真空引き装置をさらに有することができる。この真空引き装置は、押し引き装置440が係止部430により位置決めされた箱20の底面22に当接して、箱20を補助台ユニット200に近づく方向に押し出した後、箱20の底面22から真空引きを行うことにより、上述した1重又は2重の袋の外面と箱20の内壁との間の隙間を減少させることができる。これにより、後述する押圧ユニット500により押圧された複数の容器10が、箱20すなわち箱20の内部に配置された1重又は2重の袋の内部に滑らかに収容され得る。
【0050】
2-5.押圧ユニット500
図1及び
図2に示すように、押圧ユニット500は、補助台210に対して交差する方向(好ましくは直交する方向)に延びる押圧板510と、補助台210の上方において押圧板510を移動させる図示しない移動装置(例えばアクチュエータ等)と、を含むことができる。
【0051】
押圧板510は、例えば金属、樹脂及び/又は木材により板状を呈するように形成され得るものである。また、押圧板510には、好ましくは、補助台210に載置された複数の容器10を箱20の開口部24に向かって容易に押圧することができるように、空気を逃がすための複数の貫通孔512が形成され得る。
【0052】
押圧板510は、第5制御部520により制御された上記移動装置により押圧される又は引っ張られることにより、補助台210から退避して補助台210の鉛直上下方向の移動を許容する「退避位置」(例えば
図1に例示した位置)と、押圧板510の下方に移動した状態にある補助台210の上方にあって、係止部430により位置決めされ押し引き装置440により押し出された箱20の開口部24に隣接する「押圧完了位置」との間において移動可能である。「押圧完了位置」は、例えば、押圧板510の容器10に対向する面が補助台210の前端210Aを超えた位置とすることができる。
【0053】
2-6.保持ユニット600
図1に示すように、保持ユニット600は、支持台410の一端(係止部430より下流側にある端部)に隣接するように配置されている。
図1には、保持ユニット600が、箱20の開口部24が側方を向くように箱20を保持する位置(600A)にある状態、及び、保持ユニット600が、箱20の開口部24が上方を向くように箱20を保持する位置(600B)にある状態が、示されている。
【0054】
図4は、
図1に示した箱詰装置1に含まれる保持ユニット600の構成の一例を示す斜視図である。なお、
図4には、
図1に示した参照方向D
5からみた保持ユニット600(600B)の構成が示されている。
【0055】
図4に示すように、保持ユニット600は、箱20の側面に当接しこの側面を支持する第1支持板610と、第1支持板610に取り付けられ、箱20の底面22に当接しこの底面22を支持する第2支持板620と、第1支持板610及び第2支持板620のうちの少なくとも一方の支持板に固定され、この少なくとも一方の支持板を保持する保持部材630と、保持部材630を回動自在に支持する基部640と、を主に含むことができる。
【0056】
第1支持板610及び第2支持板620は、いずれも、例えば金属、樹脂及び/又は木材により板状を呈するように形成され得る。また、第1支持板610の箱20に当接する面及び第2支持板620の箱20に当接する面は、いずれも、第2の搬送ユニット400の押し流し部材420により保持ユニット600に向かって押圧され搬送されてきた箱20が、保持ユニット600に対して円滑に渡されるようにするために、滑らかに形成されることが好ましい。
【0057】
箱20が全体として直方体形状又は立方体形状を呈することが多いことを考慮して、第1支持板610と第2支持板620とは相互に略垂直に延びるように取り付けられ得る。
【0058】
保持部材630は、
図4に例示されるように、ここでは第1保持板610の底面に固定され、相互に略平行に延びる複数(例えば2本)の板状部材632、634と、これら板状部材632、634に挿通される回転軸636と、を含むことができる。
【0059】
板状部材632、634は、例えば金属により全体として柱状を呈するように形成され得る。回転軸636は、例えば金属により全体として円柱状(丸棒状)を呈するように形成され得る。
【0060】
基部640は、例えば金属により全体として柱状を呈するように形成され得るものであり、回転軸636の両端を回動自在となるように支持することができる。
【0061】
このような保持ユニット600は、回転軸636が第6制御部650により制御された動力源(モータ等)から動力を伝達されることにより、第1支持板610が支持台410に略平行に延びる「受入位置」(
図1に示す位置600A)と、第2支持板620が支持台410に対して略平行に延びる「回転位置」(
図1に示す位置600B)との間において回動自在とされている。
【0062】
3.箱詰装置1の動作
次に、上記構成を有する箱詰装置1の動作について説明する。
図1を参照すると、まず、作業者(利用者)が、第2の搬送ユニット100の支持台410の上に、開口部24が側方を向くように箱20を載置する。この箱20は、
図1において参照符号20Aが付されて示されている。
【0063】
支持台410の上面から突出した「突出位置」にある押し流し部材420が、箱20Aの上流側から箱20Aの側面を押圧して搬送方向D4に沿って下流側に移動する。これにより、箱20Aは、搬送方向D4に沿って下流側に摺動させられ、係止部430に係止することにより、補助台ユニット200の補助台210に対向する位置に位置決めされる。さらに、箱20Aは、その底面22を押し引き装置440により補助台210に向かう方向に押し出される。
【0064】
さらに、補助台ユニット200の第1のガイド部材240の外面に固定された装着装置242(242A、242B)が、「退避位置」から「装着位置」に移動することにより、箱20Aの側面を押圧する。これにより、箱20Aは、補助台210に対して移動することが規制される。
【0065】
この状態では、
図1及び
図2に例示されているように、箱20の両側面の外面と第1のガイド部材240及び第2のガイド部材250の各外面との間には、大きな段差が生じていない。
【0066】
また、押し引き装置440は、図示しない真空引き装置を作動させることにより、箱20Aの底面から真空引きを行うことができる。これにより、箱20Aの内部に収容された1重又は2重の袋の外面と箱20の内壁との間の隙間を減少させることができる(なお、箱20Aの内部にこのような袋が収容されない場合には、真空引きは行われない)。
【0067】
さらに、補助台210は、配置ユニット300による容器10の載置を容易にするために、第1のガイド部材240(第2のガイド部材250)の上端から、例えば1つの容器の厚みに相当する高さだけ低い位置にまで移動することができる。このとき、押圧ユニット500の押圧板510は、補助台210から退避して補助台210の鉛直上下方向の移動を許容する「退避位置」(
図1に示した位置)にある。
【0068】
一方、このような第2の搬送ユニット400による動作と並行して、第1の搬送ユニット100では、容器10を製造する図示しない領域から複数の容器10が、搬送台110に載置されて箱詰装置1が設置された領域に搬送されてくる。ここで、搬送台110に載置されて搬送されてくる各容器10の中身は空である。
所定数(ここでは「4個」)の容器10が検出部120を通過した場合には、「規制位置」にあった整列部130が「許容位置」に移動することにより、4個の容器10がひとまとまりとして搬送方向D1に沿って下流側に搬送される。これら4個の容器10は、係止部140に係止することにより停止する。
【0069】
次に、配置ユニット300は、上述した図示しない移動部材により、係止部140に係止された4個の容器の上方に対応する位置まで搬送される。さらに、
図3Aに示したように複数の吸引部材340が側方を向いた状態にある配置ユニット300は、これら複数の吸引部材340が4個の容器10に対向する位置にまで下降する。この状態では、4個の容器10の各々に対して、それぞれ4個の吸引部材340が対向している。この後、配置ユニット300は、各吸引部材340の当接部342が対応するいずれかの容器10の側面に当接する位置まで水平方向に移動する。各当接部342が対応するいずれかの容器10の側面に当接した後、配置ユニット300は、吸引動作を実行することにより、各当接部342には、対応するいずれかの容器10が吸着する。
【0070】
各当接部342に対応するいずれかの容器10が吸着した状態において、配置ユニット300は、鉛直方向上方に移動する。この後、回転部材330が正転することにより、各吸引部材340は、
図3Cに示したように下方を向く。これに伴って、各吸引部材340の当接部342に吸着した容器10もまた、底面が下方を向いた状態から側面が下方を向いた状態に移行する。
【0071】
次に、配置ユニット300は、上述した図示しない移動部材により、補助台210の上方に対応する位置まで搬送される。この後、配置ユニット300は、各容器10の側面が補助台210の上面に当接する位置まで下降した後、吸引動作を中止することにより、各容器10が配置ユニット300による吸着から解放される。これにより、4個の連なったひとまとまりの容器10が、
図1に例示されるように、補助台210の上に1段状の容器(1段状の成形物)10として載置される。
【0072】
1段状の容器10を解放した配置ユニット300は、上述した図示しない移動部材により、上述した係止部140に係止された4個の容器の上方に対応する位置まで再度搬送される。このとき、回転部材330が逆転することにより、各吸引部材340は、
図3Aに示したように再度側方を向く。
【0073】
このような配置ユニット300の第1の搬送ユニット100に対する復帰動作の後、又は、かかる復帰動作と並行して、補助台210は、1段状の容器10の高さ(厚み)に相当する高さだけ低い位置にまで移動する。
【0074】
以後、配置ユニット300が第1の搬送ユニット100から1段状の容器10を保持して補助台210(1段状の容器10又は複数段状の容器10)の上に載置し、その度に、補助台210が1段状の容器10の高さ(厚み)に相当する高さだけ低い位置にまで移動するという一連の動作が、複数回(ここでは6回)繰り返される。これにより、7段状の容器10が補助台210の上に鉛直方向に積み重ねられることとなる(なお、7段目の容器10が6段目の容器の上に載置された後は、その上にはもはや容器10は載置されないため、補助台210は1段状の容器10の高さ(厚み)に相当する高さだけ低い位置にまで移動する必要はない)。
【0075】
このように補助台210の上に7段状の容器10が積み重ねられた後に、押圧板510により箱20に対する押圧動作が行われる。
図5は、
図1に示した箱詰装置1に含まれる押圧ユニット500及び補助台ユニット200の一部の構成を側方からみて示す模式図である。
【0076】
図5(a)に示すように、補助台210の上に7段状の容器10が積み重ねられた状態では、補助台210の上面は、好ましくは、箱20の最も低い位置にある内壁28の壁面と略同一の高さに配置される。
【0077】
なお、
図5(a)には、一例として、各容器10の口部(凸部12)側の厚みが底面側の厚みより約1mm大きいことにより、補助台12に積み重ねられた7段状の容器10は、口部(凸部12)側が底面側よりも高くなるように傾斜した様子が示されている。一実施形態では、補助台12は、地面に対して略平行に延びるように配置されるが、別の実施形態では、積み重ねられた7段状の容器10が上記のように傾斜することを抑えるために、補助台12は地面に対して傾斜するように配置されてもよい。
【0078】
図5(a)に示した状態において、押圧板510は、箱20に近づく方向に移動することにより、補助台210に載置された7段状の容器10を押圧して箱20に向かって摺動させることができる。
【0079】
押圧板510は、
図5(b)に示すように、箱20の開口部24に隣接する「押圧完了位置」まで移動することにより、7段状の容器10を箱20の内部に収容することができる。なお、「押圧完了位置」は、上述したように、押圧板510の容器10に対向する面が補助台210の前端210Aを超えた位置とすることができる。
【0080】
このように、押圧板510は、7段状の容器10に対する押圧動作が完了した後には、補助台210の鉛直上下方向の移動を許容する「退避位置」(
図1及び
図5(a)に示す位置)に復帰することができる。
【0081】
この後、上述したものと同様の動作が行われることにより、補助台210の上には再度7段状の容器10が積み重ねられる。
図5(a)及び
図5(b)を参照して上述したものと同様の動作が行われることにより、補助台210の上に載置された7段状の容器10は、箱20の内部まで摺動して収容される。この場合には、
図5(a)に示すように、箱20の内部には、前回押圧板510により押圧され収容された1行目の7段状の容器10が収容されている。よって、押圧板510が、補助台210の上に載置された新たな7段状の容器10を箱20に向かって押圧する際には、押圧板510に押圧される新たな7段状の容器10(すなわち、2行目の7段状の容器10)が、箱20の開口部24付近に位置する1行目の7段状の容器10を押圧する。この結果、押圧板510が「押圧完了位置」まで移動したときには、
図5(b)に示すように、箱20の内部には、1行目の7段状の容器10及び2行目の7段状の容器10が水平方向に連なって収容されることとなる。
【0082】
次に、
図1に戻り、1行目の7段状の容器10及び2行目の7段状の容器10が収容された箱20は、押し引き装置440により補助台ユニット200から離れる方向に引っ張られる。これにより、箱20は係止部430による係止から解放される。この状態において、箱20は、搬送方向D
1に沿って下流側に移動する押し流し部材420に押圧されることにより支持台410の上を摺動する。この結果、箱20は、「受入位置」(第1支持板610が支持台410に略平行に延びる位置)600Aにある保持ユニット600の第1支持板610の上に載置される。この状態では、箱20の開口部24は、側方(
図1に示す下方)を向いている。
【0083】
この後、保持ユニット600は、「受入位置」600Aから「回転位置」(第2支持板620が支持台410に対して略平行に延びる位置)600Bに回転する。これにより、箱20の開口部24は上方を向く。なお、
図5に例示したような押圧板510による容器10に対する押圧動作が仮に不十分であるために、箱20の開口部24から2行目の1段状の容器10の底部付近が部分的にはみ出ることがあったとしても、保持ユニット600が「受入位置」600Aから「回転位置」600Bに回転することにより、箱20の開口部24が上を向くことになる。これにより、すべての容器20が重力に従って箱の底面22に向かって移動させられる。この結果、すべての容器20全体が完全に箱20の内部に容易に収容される。
【0084】
箱20の開口部24からは、箱20の内部に収容された1重又は2重の袋の折り返し部分が飛び出している。この折り返し部分を作業者(利用者)が処理する(例えば封止する)ことにより、箱20に対する容器10の収容動作が完了する。なお、上述したように、箱20に収容される各容器10の中身は空である。
【0085】
なお、箱20とこの箱20に収容される容器10との関係として、以下のものが利用可能である。
【0086】
図1に示すように、箱20の内部において各行及び各段に配置される容器10に着目する。左端に位置する容器10の外面とこれに対向する箱20の内壁との間の距離を「a」とし、右端に位置する容器10の外面とこれに対向する箱20の内壁との間の距離を「b」とし、容器10の横幅を「c」とする。この場合、a+b<cという関係が成り立つ。さらに好ましくは、0.1≧(a+b)/cという関係が成り立つ。
【0087】
さらに、1行目の各段に配置される容器10に着目すると、その容器10の上端とこれに対向する箱20の内壁との距離を「d」とし、容器10の高さを「e」とする。この場合、d<eという関係が成り立つ。さらに好ましくは、0.1≧d/eという関係が成り立つ。
【0088】
さらにまた、
図5(b)に示すように、各容器10の奥行を「g」とし、最上段に配置される各容器10の上面とこれに対向する箱20の内壁との間の距離を「f」とする。この場合、f<gという関係が成り立つ。さらに好ましくは、0.1≧f/gという関係が成り立つ。
【0089】
このような関係を採用することにより、箱20を保持する保持ユニット600が「受け入れ位置」600Aから「回転位置」600Bに回転することにより、箱20が90度回転しても、2行7段(上述したようにこれは一例である)に積み重ねられた容器10が崩れることは確実に防止され得る。
【0090】
4.変形例
上述した様々な実施形態では、容器10が縦長の形状を有するものであることに起因して、横に寝かせた状態で箱20に収容することにより、より多くの容器10を箱20に詰めることができる、という事情により、配置ユニット300は、第1の搬送ユニット100から1段状の容器10を保持してから、補助台210の上に載置するまでの間に、保持した1段状の容器10を90度回転させている。別の実施形態では、例えば、各容器10が横に寝かせた状態で搬送台110により搬送されてくる場合、容器10が立方体形状を有する場合等を含む様々な場合に、配置ユニット300は、第1の搬送ユニット100から1段状の容器10を保持してから、補助台210の上に載置するまでの間に、保持した1段状の容器10を回転させないようにしてもよい。
【0091】
また、上述した様々な実施形態では、
図5に例示されるように、押圧板510は、7段状の容器10のいずれの底面にも当接して押圧可能となるように、7段状の容器10の全体に対向することが可能な高さを有する場合について説明した。別の実施形態では、7段状の容器10のうち下から複数段の容器10のみに対向することが可能な高さを有するものであってもよい。押圧板510は、7段状の容器10のうち下から複数段の容器10のみを箱20に近づく方向に押圧した場合であっても、7段状の容器10全体を箱20に向かって摺動させることが可能である。
【0092】
さらに、上述した様々な実施形態では、配置ユニット300は、容器10を「吸着する」ことにより容器10を保持する場合について説明した。別の実施形態では、配置ユニット300は、容器10を両側から掴む(挟む)こと、容器10の口部から棒状の部材を挿入すること等を含む任意の手法により、容器10を保持することが可能である。
【0093】
以上説明したように、様々な実施形態によれば、供給されてきた成形物を保持してから箱に収容するまでの動作を各々が簡素である複数の工程に個別化(分割)することにより、利用者に課されるティーチングという煩雑な作業を不要にする又は簡素化することができる。具体的には、仮にティーチングの対象となる可能性があるのは、配置ユニット300が第1の搬送ユニット100から1段状の容器10を保持する動作、及び/又は、このように保持した1段状の容器10を常に同じ位置(高さ)で待機している補助台210の上に載置する動作のみに抑えられる。
【0094】
さらに、様々な実施形態によれば、複数の容器10が箱20の内部に収容されるまでに行われる工程において、人が関与する作業はほとんど存在しない。
【0095】
したがって、様々な実施形態によれば、利用者等に必要とされる作業を抑えることが可能な箱詰装置及び箱詰方法を提供することができる。
【0096】
5.様々な態様
第1の態様に係る箱詰装置は、「搬送台の上に載置された複数個の成形物を1段状の成形物として保持し、補助台の上方に移動し、前記1段状の成形物を、前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する、配置手段と、箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置され、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させる、押圧手段と、を具備する」ものである。
【0097】
第2の態様に係る箱詰装置は、上記第1の態様において「前記配置手段が、各々の底面が下方を向くように前記搬送台の上に載置された前記1段状の成形物を保持し、各々の側面が下方を向くように前記1段状の成形物を回転させた後、該1段状の成形物を前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する」ものである。
【0098】
第3の態様に係る箱詰装置は、上記第1の態様又は上記第2の態様において「前記補助台は、前記配置手段が、前記1段状の成形物を、該補助台の上に又は該補助台の上に配置された前記少なくとも1段状の成形物の上に配置する度に、前記1段状の成形物の高さに相当する高さに応じて、鉛直方向に沿って下方に移動する」ものである。
【0099】
第4の態様に係る箱詰装置は、「前記箱を保持し、該箱の前記開口部が側方を向く位置と該開口部が上方を向く位置との間において前記箱を回転させることが可能な保持手段、をさらに具備する」ものである。
【0100】
第5の態様に係る箱詰方法は、「搬送台の上に載置された複数個の成形物を1段状の成形物として保持した配置手段が、補助台の上方に移動し、前記1段状の成形物を、前記補助台の上に又は該補助台の上に載置された少なくとも1段状の成形物の上に配置する段階と、箱の開口部との間に前記補助台を挟んで配置された押圧手段が、前記箱の前記開口部に近づく方向に移動することにより前記補助台の上に載置された複数段状の成形物を押圧して前記箱の内部に摺動させる段階と、を含む」ものである。
【0101】
以上のように、様々な態様によれば、利用者等に必要とされる作業を抑えることが可能な箱詰装置及び箱詰方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 箱詰装置
10 容器(成形物)
20 箱
22 底面
24 開口部
100 第1の搬送ユニット
110 搬送台
200 補助台ユニット
210 補助台
300 配置ユニット
340 吸引部材
400 第2の搬送ユニット
410 支持台
420 押し流し部材
500 押圧ユニット
510 押圧板
600 保持ユニット
600A 受入位置
600B 回転位置
610 第1支持板
620 第2支持板