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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】コイル基板とモータ用コイル基板
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/26 20060101AFI20240612BHJP
   H05K 1/03 20060101ALN20240612BHJP
【FI】
H02K3/26 E
H05K1/03 670
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020141001
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036674
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森田 治彦
(72)【発明者】
【氏名】三輪 等
(72)【発明者】
【氏名】加藤 忍
(72)【発明者】
【氏名】横幕 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久始
(72)【発明者】
【氏名】平澤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】村木 哲也
(72)【発明者】
【氏名】古野 貴之
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-140762(JP,A)
【文献】特開昭50-082503(JP,A)
【文献】特開昭57-186941(JP,A)
【文献】国際公開第2018/193618(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/26
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有するフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に形成されている複数のコイル、とを有するコイル基板であって、
前記コイルはほぼ一列に配置されていて、前記コイルのそれぞれは、中央スペースと前記中央スペースを囲む配線で形成されていて、
前記コイルを形成する前記配線は前記第1面上の配線(トップ配線)と前記第2面上の配線(ボトム配線)と前記フレキシブル基板を貫通し前記トップ配線と前記ボトム配線を繋ぐビア導体で形成されていて、
前記第1面上の配線(トップ配線)は折り返し部があり、前記第2面上の配線(ボトム配線)は折り返し部があり、
(m+1)番目のコイル配線群の前記中央スペース下にm番目のコイル配線群の前記ボトム配線が位置し、
(m+1)番目の前記コイル配線群の前記中央スペース上に(m+2)番目のコイル配線群の前記トップ配線が位置し、
(m+1)番目の前記コイル配線群の前記中央スペース内で、m番目のコイル配線群の前記ボトム配線と(m+2)番目のコイル配線群の前記トップ配線が交差し、かつ、
(m+1)番目の前記コイル配線群の前記中央スペース内で、m番目の前記コイル配線群の前記ボトム配線の前記折り返し部は、(m+2)番目の前記コイル配線群の前記トップ配線とは交差せず、
(m+1)番目の前記コイル配線群の前記中央スペース内で、(m+2)番目の前記コイル配線群の前記トップ配線の折り返し部は、m番目の前記コイル配線群の前記ボトム配線とは交差しない、
mは1以上の整数である。
【請求項2】
請求項1のコイル基板であって、前記フレキシブル基板は、さらに、一端と前記一端と反対側の他端とを有し、前記コイルは前記一端と前記他端との間に配置されていて、前記複数のコイルの内、1番目の前記コイルは前記一端に最も近い。
【請求項3】
請求項2のコイル基板を巻くことで製造されるモータ用コイル基板であって、前記巻くことで、前記m番目の前記コイルの前記中央スペース上に(m+3k)番目の前記コイルの前記中央スペースが位置する
kは1以上の整数である。
【請求項4】
請求項3のモータ用コイル基板であって、前記kは1である。
【請求項5】
請求項3のモータ用コイル基板であって、前記kは2である。
【請求項6】
請求項3のモータ用コイル基板であって、前記フレキシブル基板は内周のフレキシブル基板と前記内周のフレキシブルから延びている外周のフレキシブル基板を含み、前記外周のフレキシブル基板は前記内周のフレキシブル基板の周りに巻かれていて、前記内周のフレキシブル基板と前記外周のフレキシブル基板との間の境界を越えて前記内周のフレキシブル基板から前記外周のフレキシブル基板まで延びている前記コイルは無い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル基板とモータ用コイル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ステータを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-78264号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献の課題]
特許文献1の図1は、絶縁フィルムとその絶縁フィルム上のコイルを示している。特許文献1は、絶縁フィルムの片面上にコイルを形成している。そのため、特許文献1の技術によれば、コイルの占積率が低いと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係るコイル基板は、第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に形成されている複数のコイル、とを有する。そして、前記コイルはほぼ一列に配置されていて、前記コイルのそれぞれは、中央スペースと前記中央スペースを囲む配線で形成されていて、前記コイルを形成する前記配線は前記第1面上の配線(トップ配線)と前記第2面上の配線(ボトム配線)と前記フレキシブル基板を貫通し前記トップ配線と前記ボトム配線を繋ぐビア導体で形成されていて、前記第1面上の配線(トップ配線)は折り返し部があり、前記第2面上の配線(ボトム配線)は折り返し部があり、(m+1)番目の前記コイルの前記中央スペース下にm番目の前記コイルの前記ボトム配線が位置し、m番目の前記コイルの前記中央スペース上に(m+2)番目の前記コイルの前記トップ配線が位置し、(m+1)番目の前記コイル配線群の前記中央スペース内で、m番目のコイル配線群の前記ボトム配線と(m+2)番目のコイル配線群の前記トップ配線が交差し、かつ、m番目の前記コイル配線群の前記ボトム配線の前記折り返し部は、(m+2)番目の前記コイル配線群の前記トップ配線が交差せず、(m+2)番目の前記コイル配線群の前記トップ配線の折り返し部は、m番目の前記コイル配線群の前記ボトム配線が交差しない
【0007】
[実施形態の効果]
本発明の実施形態によれば、コイルを形成する配線がフレキシブル基板の両面に形成されている。1つのコイルの中央スペース上に両隣りのコイルの配線が位置する。あるいは、1つのコイルの中央スペース下に両隣りのコイルの配線が位置する。コイルの占積率を大きくすることができる。コイルを形成する配線の密度を高くすることができる。モータのトルクを大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(A)は実施形態のモータの模式図であり、図1(B)は実施形態のモータ用コイル基板の模式図であり、図1(C)は配線の平面図であり、図1(D)はコイルの平面図である。
図2】実施形態のコイル基板を示す図。
図3図3(A)は実施形態のコイルの重なりを示す模式図であり、図3(B)は第1フレキシブル基板上のコイルと第2フレキシブル基板上のコイルの重なりを示す模式図であり、図3(C)は実施形態の改変例に係るコイル基板の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
図2に示されるコイル基板201が準備される。図2に示されるように、コイル基板201は第1面Fと第1面Fと反対側の第2面Sとを有するフレキシブル基板22とフレキシブル基板22上のコイルC(C1~C12)で形成されている。図2(A)は第1面F上のコイルCを示し、図2(B)は第2面S上のコイルCを示す。各コイルCは模式的に示されている。コイル基板201を巻くことで、図1(B)に示されるモータ用コイル基板20が得られる。例えば、コイル基板201は筒状に巻かれる。モータ用コイル基板20は空洞AHの周りに巻かれる。例えば、モータ用コイル基板20の形状は円筒である。巻く回数Nは、2以上、3以下である。図1(B)は模式図である。
【0010】
Nが複数である。そのため、図1(B)に示されるように、モータ用コイル基板20は、1周目のフレキシブル基板(第1フレキシブル基板)22-1と2周目のフレキシブル基板(第2フレキシブル基板)22-2を含む。フレキシブル基板22は、第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2を含む。第1フレキシブル基板22-1は一端22Lを含む。第2フレキシブル基板22-2は第1フレキシブル基板22-1から延びている。第2フレキシブル基板22-2は第1フレキシブル基板22-1の外側に巻かれる。第2フレキシブル基板(外周のフレキシブル基板)22-2は第1フレキシブル基板(内周のフレキシブル基板)22-1の周りに巻かれる。
【0011】
図1(A)に示されるように、モータ用コイル基板20内に磁石48を配置することで、モータ10が得られる。図1(A)は模式図である。モータ用コイル基板20は、空洞AHを介し磁石48の周りに配置されている。モータ10の例は、ブラシレスモータである。実施形態では、磁石48が回転するが、モータ用コイル基板20が回転してもよい。
【0012】
図2に示されるように、フレキシブル基板22は、短辺20Sと長辺20Lとを有することが好ましい。フレキシブル基板22は、一端22Lと一端22Lと反対側の他端22Rを有する。一端22Lは短辺20Sを兼ねる。長辺20Lは上辺20LUと上辺20LUと反対側の下辺20LBを有する。コイルC(C1~C12)は、フレキシブル基板22の長辺20Lに沿って並んでいる。フレキシブル基板22の一端22Lから他端22Rに向かって、コイルCは一列に並んでいる。コイルCの数はM(数M)である。一端22Lに最も近いコイルは第1コイルC1である。他端22Rに最も近いコイルは第MコイルCMである。第1コイルC1から第MコイルCMまでコイルCは順に並んでいる。図2の例では、コイルの数は12である。
【0013】
コイルCの数Mは以下の関係1を満足する。
関係1:M=N×L
例えば、Lは3以上、12以下である。Lは3の倍数である。Lは第1フレキシブル基板22-1上のコイルCの数である。第1フレキシブル基板22-1上のコイルCの数と第2フレキシブル基板22-2上のコイルの数は等しい。
【0014】
フレキシブル基板22上に形成されている複数のコイルCは同時に形成される。例えば、共通のアライメントマークを用いることで、複数のコイルCはフレキシブル基板22上に形成される。そのため、各コイルCの位置は関連している。
【0015】
図1(C)にコイルCの例が示される。コイルCは中央スペースSCと中央スペースSCを囲む配線wで形成される。そして、配線wは外端OEと内端IEを有する。配線wは外端OEと内端IEとの間に形成されている。コイルCを形成する配線wは渦巻き状に形成されている。
【0016】
図1(C)に示されるように、配線wは、複数のトップ配線51と複数のボトム配線52と複数のビア導体VAで形成される。トップ配線51は第1面F上に形成されている。ボトム配線52は第2面S上に形成されている。ビア導体VAはフレキシブル基板22を貫通している。トップ配線51とボトム配線52はビア導体VAを介して接続されている。1つのトップ配線51と1つのボトム配線52と1つのビア導体VAは、ほぼ1ターンのコイルを形成する。1ターンを形成する配線wの内、トップ配線51は一端22Lに近く、ボトム配線52は他端22Rに近い。複数のビア導体VAは第1ビア導体VA1と第2ビア導体VA2に分けられる。第1ビア導体VA1は上辺20LUに近く、第2ビア導体VA2は下辺20LBに近い。トップ配線51とボトム配線52とビア導体VAは、トップ配線51、第2ビア導体VA2、ボトム配線52、第1ビア導体VA1の順で繋がっている。第1ビア導体VA1を介し隣接するターンを形成する配線wが接続される。
【0017】
図1(D)では、配線wが纏められている。トップ配線51を纏めることで、トップ配線群51gが形成される。ボトム配線52を纏めることで、ボトム配線群52gが形成される。図2中のコイルCはトップ配線群51gとボトム配線群52gで描かれている。
【0018】
実施形態のコイルCはプリント配線板の技術で形成されている。コイルCを形成する配線wはめっきにより形成されている。あるいは、コイルCを形成する配線wは銅箔をエッチングすることで形成される。コイルCを形成する配線wは、セミアディティブ法やM-Sap法やサブトラクティブ法で形成される。
【0019】
コイルCを形成する配線wはプリント配線板の技術で形成されている。そのため、配線wの断面形状は略矩形である。実施形態によれば、コイルの占積率を高くすることができる。
【0020】
図2では、一端22Lから他端22Rに向かって12のコイルCが並べられている。コイルCはU相コイルCUとV相コイルCVとW相コイルCWを含む。U相コイルCUとV相コイルCVとW相コイルCWは、U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWの順で並んでいる。一端22Lに最も近いコイルCはU相コイルCUである。
第1コイルC1から第6コイルC6までのコイルCは、第1フレキシブル基板22-1上に形成されている。第7コイルC7から第12コイルC12までのコイルCが、第2フレキシブル基板22-2上に形成されている。
【0021】
図3(A)は、m番目のコイルCmと(m+1)番目のコイルCm+1と(m+2)番目のコイルCm+2の重なりを示す。mは1以上の整数である。mが1の時、m番目のコイルCmは第1コイルC1であり、(m+1)番目のコイルCm+1は第2コイルC2であり、(m+2)番目のコイルCm+2は第3コイルC3である。図3(A)の例では、mは1である。
(m+1)番目のコイル(第(m+1)コイル)Cm+1の中央スペースSC下にm番目のコイル(第mコイル)Cmのボトム配線群52gが位置し、(m+1)番目のコイルCm+1の中央スペースSC上に(m+2)番目のコイル(第(m+2)コイル)Cm+2のトップ配線群51gが位置する。図3(A)では、(m+1)番目のコイルCm+1の中央スペースSCの外周は点線で描かれている。コイルCを形成する配線wの密度を高くすることができる。コイルCの占積率を高くすることができる。モータのトルクを大きくすることができる。
【0022】
実施形態では、巻く回数Nは2である。実施形態のモータ用コイル基板20が図1(B)に示される。図3(B)は、モータ用コイル基板20の一部の投影図である。従って、図3(B)では、第2フレキシブル基板22-2上のコイルCと第1フレキシブル基板22-1上のコイルCが重なっている。
コイル基板201を巻くことで、図3(B)に示されるように、第1フレキシブル基板22-1上に形成されているコイルCの中央スペースSC上に第2フレキシブル基板22-2上に形成されているコイルCの中央スペースSCが位置する。第1フレキシブル基板22-1上に形成されているU相コイルCUの中央スペースSC上に第2フレキシブル基板22-2上に形成されているU相コイルCUの中央スペースSCが位置する。第1フレキシブル基板22-1上に形成されているV相コイルCVの中央スペースSC上に第2フレキシブル基板22-2上に形成されているV相コイルCVの中央スペースSCが位置する。第1フレキシブル基板22-1上に形成されているW相コイルCWの中央スペースSC上に第2フレキシブル基板22-2上に形成されているW相コイルCWの中央スペースSCが位置する。例えば、m番目のコイルCの中央スペースSC上に(m+3k)番目のコイルCの中央スペースが位置する。m番目のコイルC上に(m+3k)番目のコイルCが位置する。図3(B)に示されるように、m番目のコイルCと(m+3k)番目のコイルCがほぼ重なる。kは1以上の整数である。kは1、又は、2であることが望ましい。kとLは次の関係2を満足する。
関係2:k=L/3
実施形態では、kは2である。そのため、第1コイルC1の中央スペースSC上に第7コイルC7の中央スペースが位置する。第2コイルC2の中央スペースSC上に第8コイルC8の中央スペースが位置する。第3コイルC3の中央スペースSC上に第9コイルC9の中央スペースが位置する。第4コイルC4の中央スペースSC上に第10コイルC10の中央スペースが位置する。第5コイルC5の中央スペースSC上に第11コイルC11の中央スペースが位置する。第6コイルC6の中央スペースSC上に第12コイルC12の中央スペースが位置する。第1コイルC1と第7コイルC7が重なる。同様に、m番目のコイルCと(m+3k)番目のコイルCが重なる。
【0023】
Lが3であって、kが1であると、第1コイルC1から第3コイルC3までのコイルCが第1フレキシブル基板22-1上に形成されている。第4コイルC4から第6コイルC6までのコイルCが第2フレキシブル基板22-2上に形成されている。第1コイルC1の中央スペースSC上に第4コイルC4の中央スペースが位置する。第1コイルC1と第4コイルC4が重なる。同様に、m番目のコイルCと(m+3k)番目のコイルCが重なる。
【0024】
Lが12であって、kが4であると、第1コイルC1から第12コイルC12までのコイルCが第1フレキシブル基板22-1上に形成されている。第13コイルC13から第24コイルC24までのコイルCが第2フレキシブル基板22-2上に形成されている。第1コイルC1の中央スペースSC上に第13コイルC13の中央スペースが位置する。第1コイルC1と第13コイルC13が重なる。同様に、m番目のコイルCと(m+3k)番目のコイルCがほぼ重なる。
【0025】
第1フレキシブル基板(内周のフレキシブル基板)22-1の長さと第2フレキシブル基板(外周のフレキシブル基板)22-2の長さはほぼ1周分の長さである。第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2との間の境界を越えて第1フレキシブル基板22-1から第2フレキシブル基板22-2まで延びているコイルCは無い。第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2を跨るコイルCは存在しない。
第2フレキシブル基板22-2は第1フレキシブル基板22-1の周りに巻かれる。そのため、第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2との間に段差が発生しやすい。第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2との境界近辺で段差が発生しやすい。しかしながら、実施形態では、段差上にコイルCが形成されていない。段差上にコイルCを形成する配線wが存在しない。そのため、コイル基板201を容易に巻くことができる。配線wの接続信頼性を高くすることができる。段差が発生しない。あるいは、段差の大きさを小さくすることができる。モータ用コイル基板20の断面の真円度を高くすることができる。モータ用コイル基板20が回転する時、偏心が起こりにくい。
【0026】
第1フレキシブル基板22-1上に形成されているコイルCの中で、他端22Rに最も近いコイルCはq番目のコイル(第qコイル)Cqである。そして、第2フレキシブル基板22-2上に形成されているコイルCの中で、一端22Lに最も近いコイルCは(q+1)番目のコイル(第(q+1)コイル)Cq+1である。第qコイルCqの中央スペースSC下に(q-1)番目のコイル(第(q-1)コイル)Cq-1のボトム配線52は位置する。しかしながら、第qコイルCqの中央スペースSC上に第(q+1)コイルCq+1のトップ配線51は位置しない。
第(q+1)コイルCq+1の中央スペースSC上に(q+2)番目のコイル(第(q+2)コイル)Cq+2のトップ配線51は位置する。しかしながら、第(q+1)コイルCq+1の中央スペースSC下に第qコイルCqのボトム配線52は位置しない。第qコイルCqと第(q+1)コイルCq+1は重ならない。第qコイルCqと第(q+1)コイルCq+1との間にギャップが存在する。第qコイルCqと第(q+1)コイルCq+1は離れている。
図2の例では、第qコイルCqは第6コイルC6であって、第(q+1)コイルCq+1は第7コイルC7である。第6コイルC6と第7コイルC7は重なっていない。第6コイルC6と第7コイルC7は離れている。第6コイルC6と第7コイルC7との間にギャップが存在する。
【0027】
[実施形態の改変例]
図3(C)は、実施形態の改変例に係るコイル基板201の一部を示している。図3(C)は、第1フレキシブル基板22-1上の3つのコイルCを示している。実施形態と実施形態の改変例は同様である。図3(C)では、コイルCは配線群を用いて描かれている。両者で異なる点が以下に述べられる。
【0028】
両者でコイルCを形成する配線wが異なる。実施形態では、1つのコイルCがトップ配線51とボトム配線52を有している。それに対し、実施形態の改変例のコイル基板201は、トップ配線51のみで形成されているコイル(上コイル)CFとボトム配線52のみで形成されているコイル(下コイル)CBを有する。上コイルCFは中央スペースSCと中央スペースSCの周りに形成されているトップ配線51で形成されている。下コイルCBは中央スペースSCと中央スペースCSの周りに形成されているボトム配線52で形成されている。
【0029】
上コイルCFと下コイルCBは交互に配置される。奇数に位置するコイルは上コイルCFである。上コイルCFを奇数コイルと称することができる。偶数に位置するコイルは下コイルCBである。下コイルCBを偶数コイルと称することができる。
【0030】
(2p-1)番目のコイルCを形成するトップ配線51と(2p+1)番目のコイルCを形成するトップ配線51が、2p番目のコイルCの中央スペース上に位置する。
2p番目のコイルCを形成するボトム配線52と(2p+2)番目のコイルCを形成するボトム配線52が、(2p+1)番目のコイルCの中央スペース下に位置する。
【0031】
実施形態の改変例のモータ用コイル基板20は第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2を有する。実施形態と同様に、改変例のモータ用コイル基板20は、段差上にコイルCを有していない。第1フレキシブル基板22-1と第2フレキシブル基板22-2を跨るコイルCが存在しない。
【符号の説明】
【0032】
20 モータ用コイル基板
22 フレキシブル基板
48 磁石
51 トップ配線
52 ボトム配線
201 コイル基板
C コイル
SC 中央スペース
VA ビア導体
図1
図2
図3