(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】軸流ファン、及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/32 20060101AFI20240612BHJP
F04D 29/34 20060101ALI20240612BHJP
F24F 1/38 20110101ALI20240612BHJP
【FI】
F04D29/32 C
F04D29/34 L
F24F1/38
(21)【出願番号】P 2021007661
(22)【出願日】2021-01-21
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富岡 洋峻
(72)【発明者】
【氏名】山崎 登博
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109099009(CN,A)
【文献】特開平06-066295(JP,A)
【文献】特開2020-012461(JP,A)
【文献】特開2022-112050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16;17/00-19/02;21/00-25/16;29/00-35/00
F24F 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ(12)と、前記ハブ(12)の外周面に周方向に間隔をあけて設けられた複数の翼(13)と、を備え、
前記ハブ(12)は、当該ハブ(12)の回転軸心方向の端面から前記回転軸心方向に突出する
複数の突起(24)を有し、
前記突起(24)が、
前記ハブ(12)の周方向に延びる第1壁部(25)と、
前記ハブ(12)の周方向に延び、前記第1壁部(25)の径方向内側に配置された第2壁部(26)と、
前記ハブ(12)の径方向に延び、前記第1壁部(25)と前記第2壁部(26)との周方向の一端部同士を連結する第3壁部(27)と、
前記ハブ(12)の径方向に延び、前記第1壁部(25)と前記第2壁部(26)との周方向の他端部同士を連結する第4壁部(28)と、を有
し、
前記ハブ(12)が、前記第1壁部(25)、前記第2壁部(26)、前記第3壁部(27)、及び前記第4壁部(28)によって囲まれた空間(S3)内に配置されたリブ(45)を有している、軸流ファン。
【請求項2】
前記翼(13)の内周縁部(31)の一部が、前記第1壁部(25)に接続されている、請求項1に記載の軸流ファン。
【請求項3】
前記リブ(45)が、前記第1壁部(25)と前記第2壁部(26)とを接続する、請求項
1又は2に記載の軸流ファン。
【請求項4】
前記リブ(45)が、前記空間(S3)の内部から外部へ前記回転軸心方向に延び、前記ハブ(12)内の他の空間(S4)に到っている、請求項
1~3のいずれか1項に記載の軸流ファン。
【請求項5】
前記ハブ(12)が、
筒形状の外壁(15)と、
前記外壁(15)の径方向内側に配置された筒形状の内壁(16)と、
前記回転軸心方向の一方側における前記外壁(15)の端部と前記内壁(16)の端部とを連結する側壁(18)と、を有し、
前記側壁(18)が、前記回転軸心方向に直交する方向に配置された円環状の円環部(21a)と、前記円環部(21a)の径方向内側に位置する傾斜部(21b)とを有し、
前記傾斜部(21b)が、径方向内側ほど前記回転軸心方向の他方側に位置するように傾斜し、
前記突起(24)が、前記円環部(21a)に形成され、
前記リブ(45)が、前記空間(S3)の内部から前記傾斜部(21b)の外周面に到る位置へ前記回転軸心方向に延びている、請求項
1~3のいずれか1項に記載の軸流ファン。
【請求項6】
前記ハブ(12)が、
筒形状の外壁(15)と、
前記外壁(15)の前記回転軸心方向の一端部を塞ぐ側壁(18)とを有し、
前記側壁(18)の径方向の中央部に、前記回転軸心方向に凹む凹部(18a)が形成され、
前記突起(24)が、前記凹部(18a)よりも径方向外側において前記側壁(18)に形成されている、請求項1~
5のいずれか1項に記載の軸流ファン。
【請求項7】
前記第1壁部(25)の外周面(25a)が、前記外壁(15)の外周面(15a)と同一面上に形成され、
前記第2壁部(26)の内周面(26b)が、前記凹部(18a)の内周面(21b1)と同一面上に形成されている、請求項
6に記載の軸流ファン。
【請求項8】
前記回転軸心方向における前記突起(24)とは反対側の前記ハブ(12)の端面に、前記回転軸心方向に凹む第2凹部(15c)が形成され、前記第2凹部(15c)が、周方向において前記突起(24)と同じ位相に配置されている、請求項1~
7のいずれか1項に記載の軸流ファン。
【請求項9】
径方向外側から見た第2凹部(15c)の外形が、径方向外側から見た前記突起(24)の外形よりも大きい、請求項
8に記載の軸流ファン。
【請求項10】
前記突起(24)は、前記ハブ(12)の回転軸心を中心とした中心角が60°未満の範囲に形成されている、請求項1~
9のいずれか1項に記載の軸流ファン。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか1項に記載の軸流ファン(11)を備える、空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軸流ファン、及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ハブと、ハブの外周面に設けられた複数の翼とを備えた軸流ファンが開示されている。ハブの回転軸心方向における端部には、回転軸心方向に突出する複数の突起が周方向に間隔をあけて設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
軸流ファンが回転すると、その遠心力によって翼からハブに径方向外側に引っ張る方向の負荷が付与される。特許文献1記載の軸流ファンでは、ハブに複数の突起を設けることによってハブが補強され、前記負荷によるハブの破損が防止されている。
しかしながら、ハブには、遠心力による径方向の力だけでなく周方向の力も付与されるため、より一層の強度の向上が求められる。
【0005】
本開示は、ハブの強度向上を図った軸流ファン、及び、これを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の軸流ファンは、
ハブと、前記ハブの外周面に周方向に間隔をあけて設けられた複数の翼と、を備え、
前記ハブは、当該ハブの回転軸心方向の端面から前記回転軸心方向に突出する突起を有し、
前記突起が、
前記ハブの周方向に延びる第1壁部と、
前記ハブの周方向に延び、前記第1壁部の径方向内側に配置された第2壁部と、
前記ハブの径方向に延び、前記第1壁部と前記第2壁部との周方向の一端部同士を連結する第3壁部と、
前記ハブの径方向に延び、前記第1壁部と前記第2壁部との周方向の他端部同士を連結する第4壁部と、を有する。
【0007】
上記構成によれば、ハブの軸方向の端面から突出する突起が、第1~第4壁部からなっているため、ハブに付与される径方向の力だけでなく周方向にも抗することができ、ハブの強度を向上させることができる。
【0008】
好ましくは、前記翼の内周縁部の一部が、前記第1壁部に接続されている。
この構成によれば、翼からハブに付与される力を突起によって直接的に受けることができる。
【0009】
好ましくは、前記ハブが、前記第1壁部、前記第2壁部、前記第3壁部、及び前記第4壁部によって囲まれた空間内に配置されたリブを有している。
このような構成によって、突起の強度を高めることができる。
【0010】
好ましくは、前記リブが、前記第1壁部と前記第2壁部とを接続する。
このような構成によって、径方向への負荷に対する突起の強度をより高めることができる。
【0011】
好ましくは、前記リブが、前記空間の内部から外部へ前記回転軸心方向に延び、前記ハブ内の他の空間に到っている。
リブによって突起とともにハブ全体の強度を高めることができる。
【0012】
好ましくは、前記ハブが、
筒形状の外壁と、
前記外壁の径方向内側に配置された筒形状の内壁と、
前記回転軸心方向の一方側における前記外壁の端部と前記内壁の端部とを連結する側壁と、を有し、
前記側壁が、前記回転軸心方向に直交する方向に配置された円環状の円環部と、前記円環部の径方向内側に位置する傾斜部とを有し、
前記傾斜部が、径方向内側ほど前記回転軸心方向の他方側に位置するように傾斜し、
前記突起が、前記円環部に形成され、
前記リブが、前記空間の内部から前記傾斜部の外周面に到る位置へ前記回転軸心方向に延びている。
【0013】
この構成によれば、リブにより突起だけでなくハブ全体の強度を向上させることができる。
【0014】
好ましくは、前記ハブが、
筒形状の外壁と、
前記外壁の前記回転軸心方向の一端部を塞ぐ側壁とを有し、
前記側壁の径方向の中央部に、前記回転軸心方向に凹む凹部が形成され、
前記突起が、前記凹部よりも径方向外側において前記側壁に形成されている。
【0015】
好ましくは、前記第1壁部の外周面が、前記外壁の外周面と同一面上に形成され、
前記第2壁部の内周面が、前記凹部の内周面と同一面上に形成されている。
このような構成によって、突起を有するハブを金型成形する場合に、離型性を向上させることができる。
【0016】
好ましくは、前記回転軸心方向における前記突起とは反対側の前記ハブの端面に、前記回転軸心方向に凹む第2凹部が形成され、前記第2凹部が、周方向において前記突起と同じ位相に配置されている。
【0017】
好ましくは、径方向外側から見た第2凹部の外形が、径方向外側から見た前記突起の外形よりも大きい。
複数の軸流ファンを保管や積荷のために積層させたときに、積層方向に並ぶ一方の軸流ファンの凹部に他方の軸流ファンの突起を嵌め合せることができ、複数の軸流ファンの積層方向の高さを小さくすることができる。
【0018】
好ましくは、前記突起は、前記ハブの回転軸心を中心とした中心角が60°未満の範囲に形成されている。
【0019】
本開示の空気調和機は、上記のいずれかに記載の軸流ファンを備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の軸流ファンを回転軸心方向の一方側より見た図である。
【
図2】本開示の軸流ファンを回転軸心方向の他方側より見た図である。
【
図3】本開示の軸流ファンを回転軸心方向に直交する方向から見た図である。
【
図4】軸流ファンのハブを回転軸心方向の一方側において斜めから見た斜視図である。
【
図5】軸流ファンのハブを回転軸心方向の他方側において斜めから見た斜視図である。
【
図6】軸流ファンのハブを回転軸心方向の他方側より見た図である。
【
図7】
図6のD-D線における概略的な断面図である。
【
図8】
図6のE-E線における概略的な断面図である。
【
図9】
図6のF-F線における概略的な断面図である。
【
図10】軸流ファンのハブの一部を回転軸心方向の一方側より見た図である。
【
図11】
図9のG-G線における概略的な断面図である。
【
図12】複数の軸流ファンを積層した状態を示す説明図である。
【
図13】本開示の軸流ファンを採用した空気調和機の内部を上方から見た概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態について説明する。
[軸流ファンの全体構成]
図1は、本開示の軸流ファンを回転軸心方向の一方側より見た図である。
図2は、本開示の軸流ファンを回転軸心方向の他方側より見た図である。
図3は、本開示の軸流ファンを回転軸心方向に直交する方向から見た図である。
【0022】
軸流ファン11は、図示しないファンモータによって中心軸C回りに回転する。したがって、軸流ファン11の中心軸Cは、軸流ファン11の回転軸心となる。したがって、本明細書では、軸流ファン11の回転軸心にも中心軸と同様の符号Cを付す。本明細書では、軸流ファン11の中心軸Cが延びる方向、及び、これに平行な方向を回転軸心方向という。軸流ファン11の中心軸Cに直交する方向を径方向という。軸流ファン11の中心軸C回りの方向を周方向という。
【0023】
図1~
図3に示すように、軸流ファン11は、プロペラファンである。軸流ファン11は、合成樹脂材料、例えば、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)や、これをグラスファイバーで強化したもの等により形成されている。軸流ファン11は、ハブ12と、複数の翼13とを有する。複数の翼13は、ハブ12の外周面に周方向に間隔をあけて設けられている。本実施形態の軸流ファン11は、3枚の翼13を有している。ハブ12と翼13とは、合成樹脂材によって一体に成形されている。なお、軸流ファン11の材料となる合成樹脂は、上記に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0024】
図1に示すように、軸流ファン11は、回転軸心方向の一方側から見て反時計回りの方向(矢印Aの方向)に回転する。本明細書では、軸流ファン11の回転方向を基準として、回転方向における前側を回転方向前側といい、後側を回転方向後側という。
【0025】
[翼の構成]
図1~
図3に示すように、翼13は、板状に形成されており、内周縁部31と、外周縁部32と、前縁部33と、後縁部34と、を有している。内周縁部31は、翼13の径方向内側の端部である。内周縁部31は、回転方向前側から回転方向後側に向かって、回転軸心方向の一方側に傾斜している。内周縁部31は、ハブ12の外周面に繋がっている。
【0026】
外周縁部32は、翼13の径方向外側の端部である。外周縁部32は、回転方向前側から回転方向後側に向かって、回転軸心方向の一方側に傾斜している。外周縁部32は、内周縁部31に比べて周方向の長さが大きい。
【0027】
前縁部33は、翼13の回転方向前側の端部である。前縁部33は、内周縁部31と外周縁部32の回転方向前側の端部同士を繋いでいる。後縁部34は、翼13の回転方向後側の端部である。後縁部34は、内周縁部31と外周縁部32の回転方向後側の端部同士を繋いでいる。
【0028】
軸流ファン11が、中心軸C回りに矢印Aの方向へ回転すると、当該軸流ファン11の回転軸心方向の他方側が負圧となり、かつ、回転軸心方向の一方側が正圧となる。このため、軸流ファン11が中心軸C回りに矢印Aの方向へ回転すると、回転軸心方向の他方側から回転軸心方向の一方側へ空気が流れる。本明細書では、翼13の回転軸心方向の一方側の翼面を正圧面13aと称し、回転軸心方向の他方側の翼面を負圧面13bと称する。
【0029】
翼13は、周方向について回転軸心方向の他方側へ緩やかに湾曲しており、正圧面13a側が凹んだ形状を有している。
【0030】
[ハブの構成]
図4は、軸流ファンのハブを回転軸心方向の一方側において斜めから見た斜視図である。
図5は、軸流ファンのハブを回転軸心方向の他方側において斜めから見た斜視図である。
図6は、軸流ファンのハブを回転軸心方向の他方側より見た図である。
【0031】
ハブ12は、外壁15、内壁16、ボス17、及び側壁18を有する。
外壁15は、筒形状に形成されている。具体的に、外壁15は、円筒形状に形成されている。外壁15の中心は、軸流ファン11の中心軸Cと一致している。外壁15の外周面15aは、ハブ12の外周面を構成している。外壁15の外周面15aには翼13が接続されている。
【0032】
内壁16は、筒形状に形成されている。具体的に、内壁16は、円筒形状に形成されている。内壁16は、外壁15の径方向内側に配置されている。内壁16の中心は、外壁15の中心と一致している。
【0033】
ボス17は、筒形状に形成されている。具体的に、ボス17は、円筒形状に形成されている。ボス17は、内壁16の径方向の内側に配置されている。ボス17の中心は、内壁16及び外壁15の中心と一致している。ボス17の中心には、貫通孔17aが形成されている。この貫通孔17aには、図示しないモータの出力軸が取り付けられる。
【0034】
図7は、
図6のD-D線における概略的な断面図である。
図8は、
図6のE-E線における概略的な断面図である。
図9は、
図6のF-F線における概略的な断面図である。
回転軸心方向において、ハブ12の内壁16は、外壁15よりも短い。内壁16の回転軸心方向の一方側の端部は、外壁15の回転軸心方向の一方側の端部よりも、回転軸心方向の他方側(
図8の上側)に配置されている。内壁16の回転軸心方向の他方側の端部は、外壁15の回転軸心方向の他方側の端部よりも、回転軸心方向の一方側(
図8の下側)に配置されている。
【0035】
ハブ12の側壁18は、外壁15、内壁16、及びボス17の回転軸心方向の一方側の端部に設けられている。側壁18は、円筒形状の外壁15及び内壁16の回転軸心方向の一方側の端部を塞いでいる。側壁18は、ハブ12の回転軸心方向の一方側の端面を構成している。
【0036】
側壁18は、第1側壁21と、第2側壁22とを含む。第1側壁21は、回転軸心方向の一方側における外壁15の端部と内壁16の端部とを連結する。第2側壁22は、回転軸心方向の一方側における内壁16の端部とボス17の端部とを連結する。
【0037】
第1側壁21は、径方向外側に配置された円環部21aと、径方向内側に配置された傾斜部21bとを有する。円環部21aは、円環状に形成され、軸流ファン11の中心軸Cに直交する方向に配置されている。円環部21aの径方向外端部は、外壁15の回転軸心方向の一方側の端部に連結されている。
【0038】
傾斜部21bは、円すい形状に形成され、軸流ファン11の中心軸Cに対して傾斜している。傾斜部21bの径方向外端部は、円環部21aの径方向内端部に連結されている。傾斜部21bの径方向内端部は、内壁16の回転軸心方向の一方側の端部に連結されている。
【0039】
第2側壁22は、円環状に形成され、軸流ファン11の中心軸Cに直交する方向に配置されている。第2側壁22の径方向外端部は、傾斜部21bの径方向内端部及び内壁16の回転軸心方向の一方側の端部に連結されている。第2側壁22の径方向内端部は、ボス17の回転軸心方向の一方側の端部に連結されている。第2側壁22は、円筒形状の内壁16の回転軸心方向の一方側の端部を塞いでいる。
【0040】
ハブ12の側壁18には、傾斜部21b及び第2側壁22によって回転軸心方向の他方側へ凹む凹部18aが形成されている。傾斜部21bは、凹部18aの周壁を構成し、第2側壁22は、凹部18aの底壁を構成している。
【0041】
図4に示すように、ハブ12の側壁18には、回転軸心方向の一方側へ向けて突出する突起24が形成されている。具体的に、突起24は、第1側壁21における円環部21aに設けられている。突起24は、周方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態では、3個の突起24が、周方向に等間隔(120°間隔)で設けられている。
【0042】
図10は、軸流ファンのハブの一部を回転軸心方向の一方側より見た図である。各突起24は、軸流ファン11の中心軸Cを中心とした中心角θが60°未満の範囲に形成されている。
【0043】
各突起24は、外壁部(第1壁部)25と、内壁部(第2壁部)26と、一対の端壁部(第3壁部及び第4壁部)27,28と、頂壁部(第5壁部)29とを有している。
図9に示すように、外壁部25は、ハブ12の外壁15から回転軸心方向の一方側へ延長されている。外壁部25の外周面25aと外壁15の外周面15aとは同一面上に配置されている。外壁部25は、ハブ12の周方向に延び、回転軸心方向から見て円弧状に湾曲している。
【0044】
突起24の内壁部26は、ハブ12の第1側壁21における傾斜部21bから回転軸心方向の一方側へ延長されている。内壁部26の内周面26bと傾斜部21bの内周面21b1(凹部18aの内周面21b1)とは同一面上に配置されている。内壁部26は、中心軸Cに対して傾斜している。内壁部26は、ハブ12の周方向に延び、回転軸心方向から見て円弧状に湾曲している。
【0045】
外壁部25の外周面25aには、翼13の回転方向Aの後側の端部が接続されている(
図4参照)。内壁部26は、外壁部25の径方向内側に間隔をあけて配置されている。外壁部25と内壁部26とは、径方向に対向して配置されている。
【0046】
図11は、
図9のG-G線における概略的な断面図である。
一対の端壁部27,28は、突起24の周方向両側に位置し、互いに対向している。一対の端壁部27,28は、ハブ12の径方向に延びている。各端壁部27,28は、第1側壁21の円環部21aから回転軸心方向の一方側へ立ち上がっている。端壁部27,28は、回転軸心方向の一方側ほど径方向の長さが小さくなるような台形状に形成されている。端壁部27,28の径方向の長さは、外壁部25及び内壁部26の周方向の長さよりも小さい。
【0047】
突起24は、外壁部25と、内壁部26と、一対の端壁部27,28とによって、中心軸Cに直交する断面が略矩形状に形成されている。突起24における外壁部25と内壁部26と一対の端壁部27,28との間には、空間S3が形成されている。言い換えると、突起24の内部は中空となっている。
図9に示すように、突起24内の空間S3は、ハブ12の外壁15と内壁16との間の空間S4に連通している。突起24内の空間S3は、回転軸心方向の一方側が頂壁部29によって塞がれている。頂壁部29は、軸流ファン11の中心軸Cに直交する方向に配置されている。突起24内の空間S3には、後述する板状のリブ(第3外側リブ45)が設けられている。このリブ45は、突起24内の空間S3から、回転軸心方向の他方側へ延び、ハブ12内の空間S4に到っている。
【0048】
図4に示すように、ハブ12の外壁15には、凹部(第2凹部)15cが形成されている。具体的に、凹部15cは、回転軸心方向の他方側における外壁15の端部に形成されている。この凹部15cは、周方向において突起24と同じ位相に形成されている。
【0049】
図12は、軸流ファンを積層した状態を示す説明図である。
凹部15cは、径方向外側から見て台形状に形成されている。突起24も、径方向外側から見て台形状に形成されている。凹部15cを径方向外側から見た外形は、突起24を径方向外側から見た外形よりも大きい。具体的に、凹部15cの開放端(
図12の下端)の周方向の長さL1は、突起24の付け根部の周方向の長さL2よりもやや大きい。凹部15cの底部の周方向の長さL3は、突起24の先端部の周方向の長さL4よりもやや大きい。回転軸心方向における凹部15cの長さ(深さ)L5は、突起24の長さ(高さ)L6よりもやや大きい。
【0050】
軸流ファン11は、製造後の保管や輸送のために回転軸心方向に積層される。軸流ファン11の回転軸心方向の一方側の端面には突起24が形成され、他方側の端面には凹部15cが形成されているので、複数の軸流ファン11を積層したときに、積層方向に並ぶ軸流ファン11のうち一方の軸流ファン11の凹部15cに他方の軸流ファン11の突起24が嵌め合わせられる。
【0051】
そのため、複数の軸流ファン11を積層したときの積層方向の高さを可及的に小さくすることができる。また、積層方向に並ぶ軸流ファン11の周方向のずれを抑制することができる。
【0052】
(リブの構成)
図5及び
図6に示すように、ハブ12は、複数のリブ41,42,43,44,45を有している。本実施形態のハブ12は、外側リブ43,44,45と、内側リブ41,42とを有する。外側リブ43,44,45は、外壁15と内壁16との間に配置されている。内側リブ41,42は、内壁16とボス17との間に配置されている。いずれのリブ41,42,43,44,45も、軸流ファン11の中心軸Cを中心として放射方向(径方向)に沿って延びた板状部材である。ただし、リブ41,42,43,44,45は、径方向に対して傾斜する方向に延びていてもよい。
【0053】
本実施形態の内側リブ41,42は、内壁16の内周面16bとボス17の外周面17bとを連結する。内側リブ41,42は、周方向に間隔をあけて6個設けられている。内側リブは、3個の第1内側リブ41と3個の第2内側リブ42とを有する。第1内側リブ41と第2内側リブ42とは周方向に交互に配置されている。第1内側リブ41と、この第1内側リブ41の周方向一方側に隣接する第2内側リブ42との間の角度をθ1とし、この第1内側リブ41と、この第1内側リブ41の周方向他方側に隣接する第2内側リブ42との間の角度をθ2としたとき、角度θ1と角度θ2とは、θ1≦θ2の関係がある。
【0054】
角度θ1の間隔で配置された第1内側リブ41と第2内側リブ42とは1つの組(セット)Xをなしている。本実施形態のハブ12には、このような第1内側リブ41と第2内側リブ42とのセットXが、周方向に間隔をあけて3組設けられている。第1内側リブ41と第2内側リブ42との一のセットXと、これに隣接する第1内側リブ41と第2内側リブ42との他のセットXとの周方向の間隔は、角度θ2となる。
【0055】
1つのセットXをなす第1内側リブ41と第2内側リブ42との間の角度θ1は、次の式(1)を満たす。
θ1≦360/2N(°) ・・・ (1)
(ただし、N:翼13の数)
【0056】
本実施形態の軸流ファン11は3枚の翼13を有しているので、θ1は次の式(2)のように設定される。
θ1≦60° ・・・ (2)
【0057】
一方、一のセットXと、これに隣接する他のセットXとの間の角度θ2は、次の式(3)を満たす。
θ2≧360/2N(°) ・・・ (3)
【0058】
本実施形態の軸流ファン11は3枚の翼13を有しているので、θ2は次の式(4)のように設定される。
θ2≧60° ・・・ (4)
【0059】
図8に示すように、回転軸心方向の他方側における第1内側リブ41の端部41cとボス17の端部17cとは、回転軸心方向において同一位置に配置されている。回転軸心方向の他方側における第1内側リブ41の端部41cは、回転軸心方向の他方側における内壁16の端部16cよりも、回転軸心方向の一方側(
図8の下側)に配置されている。
【0060】
第1内側リブ41と第2内側リブ42とは同じ形状であるため、第2内側リブ42と、ボス17及び内壁16との回転軸心方向における位置関係も、第1内側リブ41と、ボス17及び内壁16との回転軸心方向における位置関係と同じである。
【0061】
図6に示すように、本実施形態の外側リブ43,44,45は、外壁15の内周面15bと内壁16の外周面16aとを連結する。外側リブ43,44,45は、周方向に間隔をあけて9個設けられている。9個の外側リブ43,44,45は、周方向に等間隔で設けられている。外側リブ43,44,45は、内側リブ41,42よりも薄い板材からなる。内側リブ41,42は、外側リブ43,44,45よりも数が少ないが、外側リブ43,44,45よりも厚い板材からなるので、強度が高められている。
【0062】
外側リブ43,44,45は、3個の第1外側リブ43と、3個の第2外側リブ44と、3個の第3外側リブ45とを含む。複数の外側リブは、回転方向Aとは反対方向に、第1外側リブ43、第2外側リブ44、第3外側リブ45、第1外側リブ43、第2外側リブ44、第3外側リブ45…というように、順番に並べて配置されている。
【0063】
並べて配置された第1外側リブ43、第2外側リブ44、及び第3外側リブ45の3枚の外側リブ43,44,45は、1枚の翼13に対応して配置されている。第1外側リブ43の径方向外端部は、翼13の前縁部33における径方向内端部の近傍に配置されている。第3外側リブ45の径方向外端部は、翼13の後縁部34における径方向内端部の近傍に配置されている。第2外側リブ44の径方向外端部は、回転方向Aにおける翼13の中間部に対応して配置されている。
【0064】
図6に示すように、第1外側リブ43は、1つのセットXをなす第1内側リブ41と第2内側リブ42との周方向の間に配置されている。具体的に、第1外側リブ43の径方向内端部43aは、第1内側リブ41の径方向外端部41bと第2内側リブ42の径方向外端部42bとの周方向の間に配置されている。
【0065】
図7に示すように、回転軸心方向の他方側における第1外側リブ43の端部43cは、回転軸心方向の他方側における第2内側リブ42の端部42cよりも回転軸心方向の他方側(
図7の上側)に配置されている。回転軸心方向の他方側における第1外側リブ43の端部43cと、内壁16の端部16cとは、両者の接続部分において、同一面上に配置されている。
【0066】
第2外側リブ44は、第1外側リブ43と同一の形状に形成されている。したがって、第2外側リブ44と、第1内側リブ41(及び第2内側リブ42)及び内壁16との回転軸心方向の位置関係は、第1外側リブ43と、第1内側リブ41(及び第2内側リブ42)及び内壁16との回転軸心方向の位置関係と同じである。
【0067】
図9に示すように、第3外側リブ45は、前述したように突起24内の空間S3に配置されている。第3外側リブ45は、突起24内の空間S3から、外壁15と内壁16との間の空間S4へ回転軸心方向の他方側に向けて延びている。回転軸心方向の他方側における第3外側リブ45の端部45cは、第1側壁21における傾斜部21bに到る位置まで延び、さらに傾斜部21bを越えて内壁16に到る位置まで延びている。回転軸心方向の他方側における第3外側リブ45の端部45cは、外壁15に形成された凹部15cの底部よりも、回転軸心方向の一方側に位置している。回転軸心方向の他方側における第3外側リブ45の端部45cは、第2内側リブ42の端部42cよりも回転軸心方向の一方側に位置している。
【0068】
以上の構成を有する軸流ファン11は、回転することによって遠心力が発生し、翼13からハブ12に径方向外側へ引っ張る方向の負荷が付与される。本実施形態のハブ12は、第1外側リブ43、第2外側リブ44、及び第3外側リブ45を備えており、これらの外側リブ43,44,45は、翼13からハブ12の外壁15に付与される径方向の負荷に抗して外壁15を支持することができる。
【0069】
特に、軸流ファン11が回転するとハブ12は翼13の前縁部33付近から最も大きい径方向の負荷を受ける。
図6に示すように、翼13の前縁部33における径方向内端部の近傍に配置された第1外側リブ43は、その径方向内端部43aが一のセットXを構成する第1内側リブ41と第2内側リブ42との周方向の間に配置されている。そのため、翼13の前縁部33付近から外壁15に付与される大きな負荷を、第1外側リブ43だけでなく内壁16を介して第1内側リブ41及び第2内側リブ42によっても受けることができる。そのため、ハブ12の強度が一層向上され、ハブ12の変形がより抑制される。
【0070】
ハブ12には、翼13から径方向の負荷だけでなく周方向の負荷も付与される。
図4に示すように、回転軸心方向の一方側におけるハブ12の端面には、突起24が設けられており、この突起24は、周方向に延びる外壁部25及び内壁部26と、径方向に延びる一対の端壁部27,28とを有し、中心軸Cに直交する方向の断面が略矩形状に形成されている(
図11参照)。突起24のうち一対の端壁部27,28は、主に、ハブ12に付与される径方向の負荷に抗してハブ12の変形を抑制することができる。突起24のうち外壁部25及び内壁部26は、主に、ハブ12に付与される周方向の負荷に抗してハブ12の変形を抑制することができる。そのため、ハブ12は、突起24の存在によって径方向及び周方向の負荷に対して強い構造となり、強度が向上される。
【0071】
突起24の外壁部25には、翼13の一部が接続されており、翼13から直接的に径方向及び周方向の負荷を受けるが、断面略矩形状の突起24によってこれらの負荷に抗してハブ12の外壁15を好適に支持することができる。
【0072】
[空気調和機の構成]
図13は、本開示の軸流ファンを採用した空気調和機の内部を上方から見た概略的な平面図である。
図13は、室外機と室内機とに分離されたセパレートタイプの空気調和機50における室外機51を示しており、この室外機51に軸流ファン11が搭載されている。
【0073】
室外機51は、筐体52を備えている。筐体52は、直方体形状に形成されている。筐体52の内部は、区画壁53によって機械室S1と、熱交換室S2とに区画されている。熱交換室S2側に配置された筐体52の2つの隣接する側壁52a,52bには、空気取入口52a1,52b1が形成されている。空気取入口52b1が形成された一方の側壁52bに隣接した他の側壁52cには、空気吹出口52c1が形成されている。
【0074】
筐体52の機械室S1には、圧縮機54、図示しない四路切換弁、アキュームレータ、オイルセパレータ、膨張弁等が収容される。筐体52の熱交換室S2には、熱交換器55、ファンモータ56、及び軸流ファン11等が収容されている。軸流ファン11は、ファンモータ56と、回転軸56aを介して接続されており、このファンモータ56によって回転駆動される。回転軸56aは、
図2、
図5等に示す軸流ファン11のボス17に取り付けられる。
【0075】
軸流ファン11は、空気吹出口52c1が形成された側壁52c側に正圧面13a(
図3参照)を対向させるとともに、空気取入口52a1が形成された側壁52a側に負圧面13b(
図3参照)を対向させる姿勢で配置されている。ファンモータ56が作動すると、軸流ファン11が回転し、空気取入口52a1,52b1から筐体52内に空気が取り入れられ、空気吹出口52c1から排出される。
図8に示す矢印aは、空気取入口52a1,52b1から筐体52に取り入れられる空気の流れの方向を示し、矢印bは、空気吹出口52c1から筐体52の外部に放出される空気の流れの方向を示す。
【0076】
熱交換器55は、平面視でL字形状に形成されている。熱交換器55は、空気取入口52a1,52b1が形成された2つの側壁52a,52bの間の角部52eの付近で屈曲し、2つの側壁52a,52bに沿って配置されている。熱交換器55は、一対のヘッダ61,62と、板状の面が平行になるように並設されたフィン群63と、その並設方向にフィン群63を貫通する伝熱管64とを備えている。熱交換器55の伝熱管64内には、冷媒回路を循環する冷媒が流れる。また、熱交換器55は、配管(図示せず)を介して機械室S1内の圧縮機54と接続される。
【0077】
本実施形態の空気調和機50では、室外機51に軸流ファン11を備えているが、本開示の空気調和機は、室内機(図示せず)に軸流ファン11を備えていてもよい。また、空気調和機50は、回転軸心を上下方向に向けた状態で軸流ファン11を備えていてもよい。
【0078】
なお、上述の各実施形態については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。
【0079】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の軸流ファン11は、ハブ12と、ハブ12の外周面15aに周方向に間隔をあけて設けられた複数の翼13とを備える。ハブ12は、当該ハブ12の回転軸心方向の端面から回転軸心方向に突出する突起24を備える。突起24は、ハブ12の周方向に延びる外壁部(第1壁部)25と、ハブ12の周方向に延び、外壁部25の径方向内側に配置された内壁部(第2壁部)26と、ハブ12の径方向に延び、外壁部25と内壁部26との周方向の一端部同士を連結する端壁部27と、ハブ12の径方向に延び、外壁部25と内壁部26との周方向の他端部同士を連結する端壁部(第4壁部)28とを有する。このように、突起24は、外壁部25、内壁部26、及び端壁部27,28を有することで、ハブ12に付与される径方向の力だけでなく周方向にも抗することができ、ハブ12の強度を向上させることができる。
【0080】
本実施形態では、翼13の内周縁部31の一部が、外壁部25に接続されている。そのため、翼13からハブ12に付与される力を突起24によって直接的に受けることができる。
【0081】
本実施形態では、ハブ12が、外壁部25、内壁部26、及び端壁部27,28によって囲まれた空間S3内に配置された第3外側リブ45を有している。そのため、突起24の強度を高めることができる。
【0082】
本実施形態では、第3外側リブ45が、外壁部25と内壁部26とを接続している。そのため、径方向への負荷に対する突起24の強度をより高めることができる。
【0083】
本実施形態では、第3外側リブ45が、空間S3の内部から外部へ回転軸心方向に延び、前記ハブ12内の他の空間S4に到っている。この第3外側リブ45によって突起24だけでなくハブ12全体の強度を高めることができる。
【0084】
本実施形態では、ハブ12が、筒形状の外壁15と、外壁15の径方向内側に配置された筒形状の内壁16と、回転軸心方向の一方側における外壁15の端部と内壁16の端部とを連結する側壁18とを有する。側壁18は、回転軸心方向に直交する方向に配置された円環状の円環部21aと、円環部21aの径方向内側に位置する傾斜部21bとを有し、傾斜部21bが、径方向内側ほど回転軸心方向の他方側に位置するように傾斜し、突起24が、円環部21aに形成されている。第3外側リブ45は、空間S3の内部から傾斜部21bの外周面に到る位置へ回転軸心方向に延びている。そのため、第3外側リブ45により突起24だけでなくハブ12全体の強度を向上させることができる。
【0085】
本実施形態では、ハブ12が、筒形状の外壁15と、外壁15の回転軸心方向の一端部を塞ぐ側壁18とを有し、側壁18の径方向の中央部に、回転軸心方向に凹む凹部18aが形成され、突起24が、凹部18aよりも径方向外側において側壁18に形成されている。突起24の外壁部25の外周面25aは、ハブ12の外壁15の外周面15aと同一面上に形成され、突起24の内壁部26の内周面26bが、凹部18aの内周面21b1と同一面上に形成されている。このように、突起24の外壁部25の外周面25aが、ハブ12の外壁15の外周面15aと同一面上に形成され、突起24の内壁部26の内周面26bが、凹部18aの内周面21b1と同一面上に形成されることによって、合成樹脂材の金型成形でハブ12を形成する場合に、ハブ12の外壁15及び凹部18aと、突起24の外壁部25及び内壁部26とにおける離型性を向上させることができる。また、突起24の付け根部における応力集中を抑制することができる。
【0086】
本実施形態では、回転軸心方向における突起24とは反対側のハブ12の端面に、回転軸心方向に凹む凹部18aが形成され、前記凹部が、周方向において前記突起と同じ位相に配置されている。径方向外側から見た凹部18aの外形は、径方向外側から見た突起24の外形よりも大きい。そのため、複数の軸流ファン11を保管や積荷のために積層させたときに、積層方向に並ぶ2つの軸流ファン11のうち、一方の軸流ファン11の凹部18aに他方の軸流ファン11の突起24を嵌め合せることができ、複数の軸流ファン11の積層方向の高さを小さくすることができる。また、凹部18aに突起24を嵌め合せることで、積層された2つの軸流ファン11の周方向の位置決めを行うことができる。
【0087】
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
例えば、ハブ12の側壁18は、凹部18aを有していなくてもよい。突起24の数は、翼13の数に応じて適宜変更することができる。
【0088】
外側リブの数は、上記実施形態に限定されることなく、適宜変更することができる。例えば、第1外側リブ43と第3外側リブ45との間に、複数の第2外側リブ44が設けられていてもよい。第1外側リブ43と第3外側リブ45との間に、第2外側リブ44が設けられていなくてもよい。内側リブの数も、上記実施形態に限定されることなく、適宜変更することができる。第1内側リブ41と第2内側リブ42との組み合わせであるセットの数は、翼13の数に応じて変更することができる。1つのセットを構成する第1内側リブと第2内側リブとの間には2以上の外側リブを設けてもよい。
【符号の説明】
【0089】
11 :軸流ファン
12 :ハブ
13 :翼
15 :外壁
15a :外周面
15c :凹部(第2凹部)
16 :内壁
18 :側壁
18a :凹部
21a :円環部
21b :傾斜部
21b1 :内周面
24 :突起
25 :外壁部(第1壁部)
25a :外周面
26 :内壁部(第2壁部)
26b :内周面
27 :端壁部(第3壁部)
28 :端壁部(第4壁部)
31 :内周縁部
S3 :空間
S4 :空間
θ :中心角