(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
H04N1/00 L
H04N1/00 E
(21)【出願番号】P 2022028898
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】太田 晋介
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150328(JP,A)
【文献】特開2010-226387(JP,A)
【文献】特開2008-301502(JP,A)
【文献】特開2008-035463(JP,A)
【文献】特開2012-105148(JP,A)
【文献】特開2013-168858(JP,A)
【文献】特開2015-212873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00-1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文書の画像データを一括して順に取得する取得手段と、
前記取得された画像データに含まれる特定の画像データから情報を読み取った結果を一覧出力するよう制御する出力制御手段、
を備え、
前記出力制御手段は、前記読み取った結果に基づく所定の条件を満たす文書に係る、前記取得手段により一括して取得した複数の文書の画像データの中での
正順および逆順の取得順位を識別可能な情報を出力するよう制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記出力制御手段は、所定の条件を満たす文書に係る、前記取得手段により一括して取得した複数の文書の画像データの中での正順および逆順の取得順位に係る数を
並べて出力するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力制御手段は、所定の条件を満たす文書に係る、前記取得手段により一括して取得した複数の文書の画像データの中での前または後の少なくともいずれかに位置する所定数の文書に係る画像データを出力するよう制御することを特徴とする請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定数を受け付ける受付手段を備えることを特徴とする請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の条件は、読み取りに失敗したことであることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の条件は、読み取った値が妥当ではないことであることを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の文書の画像データは、複数の文書を連続でスキャンして得られることを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記文書は1枚の書類であることを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記複数の文書は、それぞれの文書が同じ形式であることを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特定の画像データは、二次元コードであることを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
取得手段が、複数の文書の画像データを一括して順に取得する取得ステップと、
出力制御手段が、前記取得された画像データに含まれる特定の画像データから情報を読み取った結果を一覧出力するよう制御する出力制御ステップと、
を備え、
前記出力制御ステップは、前記読み取った結果に基づく所定の条件を満たす文書に係る、前記取得ステップにて一括して取得した複数の文書の画像データの中での
正順および逆順の取得順位を識別可能な情報を出力するよう制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
情報処理装置において実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
複数の文書の画像データを一括して順に取得する取得手段と、
前記取得された画像データに含まれる特定の画像データから情報を読み取った結果を一覧出力するよう制御する出力制御手段と、
として機能させ、
前記出力制御手段は、前記読み取った結果に基づく所定の条件を満たす文書に係る、前記取得手段により一括して取得した複数の文書の画像データの中での
正順および逆順の取得順位を識別可能な情報を出力するよう制御することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙媒体に印刷された帳票等の文書をスキャンした画像データから、文書に記載されたー次元や二次元のバーコードから必要データを読み取って画像データとともに記録する業務がある。
【0003】
その際に、バーコードの読み取りに失敗する場合や、読み取ったデータが正しくない場合などの不具合があり、ユーザによる事後確認が必要となる。その場合、不具合が発生した文書をスキャンされた文書の束から抽出して確認する必要がある。
【0004】
特許文献1では、スキャンされた複数の文書を一覧表示する際に、文書画像から抽出されたメタデータを表示し、一覧表示した複数の文書のうちマウスカーソルでポイントされている文書について、メタデータが文書画像内のどの位置から取得されたかを示すサムネイルを表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の仕組みでは、複数の文書について一律に一覧表示するため、不具合の発生した文書を抽出するには有効ではない。また、文書画像を確認するためにマウスカーソルを移動する必要があり、文書の束から文書を探している時には煩わしい操作となる。
【0007】
そこで本発明では、複数の文書の画像データを一括して順に取得し、所定の条件を満たす文書に係る、前記一括して取得された複数の文書の画像データの中での取得順位を効率的に認識できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の文書の画像データを一括して順に取得する取得手段と、前記取得された画像データに含まれる特定の画像データから情報を読み取った結果を一覧出力するよう制御する出力制御手段、を備え、前記出力制御手段は、前記読み取った結果に基づく所定の条件を満たす文書に係る、前記取得手段により一括して取得した複数の文書の画像データの中での正順および逆順の取得順位を識別可能な情報を出力するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の文書の画像データを一括して順に取得し、所定の条件を満たす文書に係る、前記一括して取得された複数の文書の画像データの中での取得順位を効率的に認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】帳票読取システム100のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】画像読取装置103のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態における、全体処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態における、スキャンデータ分析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態における、結果表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態における、パラメータテーブル、読取値チェックテーブルの一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態における、読取結果テーブルの一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態における、帳票の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態における、読取結果一覧の一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態における、読取結果一覧の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は帳票読取システム100のシステム構成の一例を示す図である。
【0013】
101は情報処理装置(クライアント端末)である。画像読取装置103とネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0014】
103は画像読取装置、本実施形態では複数の用紙を一括スキャン可能なドキュメントスキャナであり、画像をスキャンする画像読取部314と、画像がスキャンされる用紙を画像読取部314に送るための用紙フィーダ322とを備えている。
【0015】
尚、ドキュメントスキャナの代替として、画像をスキャンする画像読取部314と、画像がスキャンされる用紙を画像読取部314に送るための用紙フィーダ322とを備える複合機(画像形成装置)にした構成であってもよい。
【0016】
情報処理装置101と画像読取装置103とで帳票読取システム100を構成している。
【0017】
図2は、
図1に示した情報処理装置101に適用可能なハードウエア構成の一例を示す図である。
【0018】
201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0019】
ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0020】
203はRAM(記憶部)で、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0021】
205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
【0022】
206はビデオコントローラで、表示部210への表示を制御する。なお、表示部210はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。また表示部は指やペン等にてユーザが表示画面内の対象位置を指定するタッチパネル機能を含むものであってもよい。
【0023】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0024】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(LAN)300を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0025】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0026】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられるデータファイル及びデータテーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0027】
図3は、
図1に示した画像読取装置103適用可能なハードウエア構成の一例を示す図である。
【0028】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能する画像読取部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、
図1に示したLAN300)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0029】
コントローラユニット316の内部を説明する。
【0030】
301はCPUであり、システム全体を制御するプロセッサである。
【0031】
302はRAM(記憶部)で、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0032】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。
【0033】
304はハードディスクドライブ(HDD)であり、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0034】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)であり、ネットワーク(LAN)300に接続し、データの入出力を行う。
【0035】
306はモデム(MODEM)であり、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0036】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)であり、操作部(キーボード)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0037】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。さらに、操作部308には、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等も備える。
【0038】
尚、LCD表示部は画像読取装置によっては表示性能が異なる。本発明ではタッチパネルを介して操作をできる画像読取装置や、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけの画像読取装置によって構成されている。
【0039】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。
【0040】
また操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0041】
318は外部インタフェース(外部I/F)であり、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS-232C等の外部入力を受け付けるI/F部である。
【0042】
ユーザ認証等で必要となるICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F部318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0043】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変
換するバスブリッジである。
【0044】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0045】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)であり、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
【0046】
313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)であり、画像読取部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0047】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。さらに、画像読取部314で電気信号に変換された画素レベルのイメージデータ(例えば、BITMAPデータ)をJPEGやGIFなどの形式の圧縮処理したファイルへの変換やPDF形式などのファイルへの変換を行う。
【0048】
画像読取部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、画素レベルのイメージデータ(例えば、BITMAPデータ)として電気信号に変換する。原稿用紙は用紙フィーダ322のトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301が画像読取部314に指示を与え、用紙フィーダ322は原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0049】
以上のような構成によって、画像読取装置103は、画像読取部314から読み込んだ画素レベルのイメージデータ(例えば、BITMAPデータ)を所望のファイル形式にファイル変換してLAN300上に送信したり、LAN300から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。また、画像読取部314から読み込んだ画素レベルのイメージデータ(例えば、BITMAPデータ)をモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することもできる。
【0050】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、HDD304に記録されており、必要に応じてRAM302にロードされることによりCPU301によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられるデータファイル及びデータテーブル等も、HDD304に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0051】
図4、
図5、
図6を用いて、本実施形態における処理フローを説明する。
【0052】
図4は、本実施形態における全体処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS401では、情報処理装置101は、不図示のスキャン指示画面を表示して、ユーザからスキャン指示を受け付ける。
【0054】
ステップS402では、情報処理装置101は、画像読取装置103に対してスキャン指示を送信する。
【0055】
ステップS403では、画像読取装置103は、スキャン指示を受信する。
【0056】
ステップS404では、画像読取装置103は、スキャン実行する。この時、事前にユーザにより用紙フィーダ322にセットされた複数枚の帳票を順次画像読取部314へ送ることによって当該帳票をスキャンし、スキャンデータとして取り込む。なお、スキャンデータは、帳票ごとに別々のファイルであっても、複数の帳票について統合したファイルであって、帳票ごとにページが分かれていてもよい。
【0057】
ステップS405では、画像読取装置103は、スキャン実行して取り込んだスキャンデータを情報処理装置101に送信する。この時、スキャンデータが帳票ごとに別々のファイルである場合は全てのファイルを、複数の帳票について統合したファイルの場合は統合されたファイルを送信する。
【0058】
ステップS406では、情報処理装置101は、画像読取装置103から送信されたスキャンデータを受信する。
【0059】
ステップS407では、情報処理装置101は、受信したスキャンデータを分析する。この処理の詳細は
図5を用いて説明する。
【0060】
図5は、ステップS407のスキャンデータ分析処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS501では、情報処理装置101は、帳票ごとに以下の処理を繰り返す。この時、スキャンデータが帳票ごとに別々のファイルである場合はファイルごとに、複数の帳票について統合したファイルの場合はページごとに処理する。
【0062】
対象となる帳票のイメージの一例を
図9に示す。帳票900は紙に印刷されたもので、印刷される内容として、帳票タイトル901、帳票詳細内容902、二次元コード903を含む。帳票タイトル901は帳票の種類やタイプを示すテキスト、帳票詳細内容902は帳票の詳細な記載内容でテキストや表、図などにより記載される。二次元コード903は当該帳票に関連する情報(文字列)を示すもので、携帯端末に付いたカメラで撮影して即時に情報を読み取ったり、一度画像データとして保存してから専用アプリ等により情報を読み取ったすることができる。本実施例では、帳票をスキャンして保存した画像データから、情報処理装置101に装備された専用アプリで情報を読み取る。
【0063】
【0064】
ステップS502では、情報処理装置101は、スキャンデータから対象の帳票に対する画像データを取得する。
【0065】
ステップS503では、情報処理装置101は、取得した画像データから二次元コードを探索し、当該二次元コードから情報を読み取る。二次元コードの読み取りには、二次元コードの種類に応じて公知の技術を適用した専用アプリを使用する。
【0066】
ステップS504では、情報処理装置101は、ステップS503にて二次元コードから情報を読み取れたか否かを判断する。情報を読み取れた場合はステップS505へ、読み取れなかった場合はステップS507へ処理を進める。なお、情報を読み取れなかった場合には、二次元コード自体を探索(認識)できなかった場合も含む。
【0067】
ステップS505では、情報処理装置101は、ステップS503にて読み取られた情報(値)が正常か否かを判断する。この時、
図7(b)に示す、読取値チェックテーブル710を用いて正常か否かを判断する。読取値チェックテーブル710については後述する。具体的には、読み取られた情報を
図7(b)に示す読取値チェックテーブル710に従って、項目ごとに、書式、値が妥当かを判断することにより正常か否かを判断する。正常であればステップS506に、正常でなければステップS508に処理を進める。
【0068】
ステップS506では、情報処理装置101は、
図8に示す読取結果テーブル800に、読取結果として「正常」を登録して、ステップS509に処理を進める。読取結果テーブルについては後述する。
【0069】
ステップS507では、情報処理装置101は、読取結果テーブル800に、読取結果として「読取エラー」を登録して、ステップS509に処理を進める。
【0070】
ステップS508では、情報処理装置101は、読取結果テーブル800に、読取結果として「読取値不正」を登録して、ステップS509に処理を進める。
【0071】
ステップS509では、情報処理装置101は、スキャンデータに含まれる全ての帳票について上記処理を実行したかを判断し、実行した場合は繰り返し処理を終了する。
【0072】
【0073】
ここで、前述の読取値チェックテーブル710について説明する。
図7(b)は読取値チェックテーブル710の一例を示す図である。
【0074】
通常、二次元コード903から読み取られる情報(文字列)は複数の項目(部分文字列)から構成されており、読取値チェックテーブル710は項目ごとに正常かを判断するためのテーブルである。読取値チェックテーブル710は、開始桁711、終了桁712、桁数713、書式714、可能値715を含む。開始桁711、終了桁712は文字列内の開始文字位置、終了文字位置、桁数713はチェック対象となる文字数である。書式714は部分文字列が満たす書式条件であり、数字、英字、英数字といった単純な書式条件や、正規表現による複雑な書式条件を設定してもよい。可能値715は部分文字列が取り得る値を羅列したものであり、設定がなければ取り得る値に制限はない。
【0075】
ここで、前述の読取結果テーブル800について説明する。
図8は読取結果テーブル800の一例を示す図である。
【0076】
読取結果テーブル800は帳票ごとにレコードが登録され、連番801、ファイル802、読取結果803、読取値804、読取値不正項目805を含む。連番801は帳票ごとに付与された1から始まる連番、ファイル802は当該帳票の画像データが保存されたファイル名である。ファイル802にはフォルダ名などのパスを含んでもよい。本実施例では帳票ごとにファイルが別々に保存される。読取結果803は、ステップS504およびS505での判断結果を設定する項目であり、前述の通り、「正常」、「読取エラー」、「読取値不正」のいずれかが設定される。読取値804は、ステップS503にて二次元コードから読み取った値である。読取結果803が「読取エラー」の場合には、読取値804はNULLとなる。読取値不正項目805には、読取結果803が「読取値不正」の場合に、ステップS505での判断結果を基にどの項目がどの条件に対して不正であったかを記録する。
【0077】
【0078】
ステップS408では、情報処理装置101は、ステップS407でのスキャンデータ分析結果に基づいて結果を表示する。この処理の詳細は
図6を用いて説明する。
【0079】
図6は、ステップS408の結果表示処理の一例を示すフローチャートである。結果表示処理では、
図10および
図11に示す読取結果一覧1000を表示する。
【0080】
本処理の事前設定として、
図7(a)に示すパラメータテーブル700を設定する。パラメータテーブル700は、読取エラー時の前帳票701、読取エラー時の後帳票702、読取値不正時の前帳票703、読取値不正時の後帳票704を含み、それぞれ、読取結果が「読取エラー」となった帳票の前および後、読取結果が「読取値不正」となった帳票の前および後のいくつの帳票に画像を表示するかを指定するパラメータである。本パラメータは不図示のパラメータ設定画面から入力を受け付けたり、直接テーブルの更新を受け付けたりして設定する。
【0081】
ステップS601では、情報処理装置101は、帳票ごとに以下の処理を繰り返す。この時、
図8に示す読取結果テーブル800を順に読み込んで処理を実行する。
【0082】
ステップS602では、情報処理装置101は、対象の帳票について、読取結果テーブル800の読取結果803が「読取エラー」かを判断する。「読取エラー」である場合はステップS603へ、そうでない場合はステップS605へ処理を進める。
【0083】
ステップS603では、情報処理装置101は、
図7(a)に示すパラメータテーブル700から読取エラー時の前帳票701と読取エラー時の後帳票702を読み込み、両項目に設定された数値に基づいて、対象の帳票の前後の帳票に対して画像を表示するように制御する。具体的には、
図10に示す読取結果一覧1000において、連番5の帳票が読取エラーになった場合、読取エラー時の前帳票701の値が3、読取エラー時の後帳票702の値が1であるので、対象の帳票の前の3つの帳票、つまり連番2~4の帳票、および、対象の帳票の後の1つの帳票、つまり連番6の帳票に対して画像1004に、その帳票の画像を表示する。
【0084】
ステップS604では、情報処理装置101は、対象帳票に対する内容と読取結果を表示するよう制御して、ステップS609に処理を進める。具体的には、
図10に示す読取結果一覧1000において、連番5の帳票に対し、画像1004に対象の帳票の画像を表示、読取結果1005に「読取エラー」、読取値1006にNULLを示す「-」を表示する。さらに、読取結果1005の「読取エラー」を強調表示する。
【0085】
ステップS605では、情報処理装置101は、対象の帳票について、読取結果テーブル800の読取結果803が「読取値不正」かを判断する。「読取値不正」である場合はステップS606へ、そうでない場合はステップS608へ処理を進める。
【0086】
ステップS606では、情報処理装置101は、
図7(a)に示すパラメータテーブル700から読取値不正時の前帳票703と読取値不正時の後帳票704を読み込み、両項目に設定された数値に基づいて、対象の帳票の前後の帳票に対して画像を表示するように制御する。具体的には、
図11に示す読取結果一覧1000において、連番11の帳票が読取エラーになった場合、読取値不正時の前帳票703の値が2、読取値不正時の後帳票704の値が2であるので、対象の帳票の前の2つの帳票、つまり連番9、10の帳票、および、対象の帳票の後の2つの帳票、つまり連番12、13の帳票に対して画像1004に、その帳票の画像を表示する。
【0087】
ステップS607では、情報処理装置101は、対象帳票に対する内容と読取結果を表示するよう制御して、ステップS609に処理を進める。具体的には、
図11に示す読取結果一覧1000において、連番11の帳票に対し、画像1004に対象の帳票の画像を表示、読取結果1005に「読取値不正」、読取値1006に実際に読み取られた値を表示し、読取値不正項目1007に読取結果テーブル800の読取値不正項目805に記録された内容を表示する。さらに、読取結果1005の「読取値不正」と読取値1006を強調表示する。
【0088】
ステップS608では、情報処理装置101は、対象帳票に対する内容と読取結果を表示するよう制御して、ステップS609に処理を進める。具体的には、
図10に示す読取結果一覧1000において、連番1~4、7、8の帳票に対し、読取結果1005に「正常」、読取値1006に実際に読み取られた値を表示する。画像1004については、近傍に「読取エラー」または「読取値不正」の帳票があれば、その帳票に対する前後の表示制御に従い、なければ対象の帳票の画像を表示しない。
【0089】
ステップS609では、情報処理装置101は、読取結果テーブル800に登録された全ての帳票について上記処理を実行したかを判断し、実行した場合は繰り返し処理を終了する。
【0090】
【0091】
ここで、
図10、
図11に示す読取結果一覧1000について補足する。帳票ごとの表示内容については、前述の結果表示処理の中で説明したが、その他に、逆連番1002として帳票の最後から逆に計数した連番を表示する。また、画像1004の領域に対してクリック等の操作を受け付けた場合に、帳票の画像を拡大表示する。読取結果1005が「正常」で、もともと画像1004が表示されていない帳票であっても、その領域が操作されれば帳票の画像が表示するようにしてもよいし、操作受付用のアイコンを表示しておいてもよい。
【0092】
また、本実施例では情報処理装置101の表示部210に読取結果一覧1000を表示するようにしたが、同様の内容を紙に印刷して出力してもよい。
【0093】
【0094】
上記の通り、ステップS408にて情報処理装置101は読取結果一覧1000を表示し、ユーザは読取結果一覧1000を参照して、複数の帳票の中から読取エラーや読取値不正となった帳票を抽出し、その内容等を詳細に確認する。
【0095】
【0096】
以上のように本発明によれば、帳票等の文書をスキャンして必要な情報を読み取った結果を一覧表示し、所定の条件を満たす文書とその前後の文書の画像を表示することにより、複数の文書から所定の条件を満たす文書を効率的に認識できる仕組みを提供することが可能になるという効果を奏する。
【0097】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0098】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置の情報処理装置が前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0099】
したがって、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するために、情報処理装置にインストール(搭載可能な)されるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0100】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0101】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD-ROM,DVD-R)などもある。
【0102】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0103】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0104】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行して情報処理装置にインストールさせて実現することも可能である。
【0105】
また、情報処理装置が、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0106】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0107】
尚、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0108】
100 帳票読取システム
101 情報処理装置
103 画像読取装置
104 ネットワーク