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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】ミリ波アンテナの干渉防止構造
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/52 20060101AFI20240612BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20240612BHJP
   H01Q 21/10 20060101ALI20240612BHJP
   G01S 7/03 20060101ALN20240612BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q13/08
H01Q21/10
G01S7/03 230
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022577580
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2020135211
(87)【国際公開番号】W WO2022120701
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】519401147
【氏名又は名称】江蘇康瑞新材料科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リアン, チィアォタオ
(72)【発明者】
【氏名】チュアン, ハオリン
(72)【発明者】
【氏名】リン, チンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ティンティン
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208444939(CN,U)
【文献】特開2001-044752(JP,A)
【文献】特開2011-239258(JP,A)
【文献】特開2011-223050(JP,A)
【文献】特開2010-161543(JP,A)
【文献】特開2011-217360(JP,A)
【文献】特開2009-188683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のアンテナ本体、及び前記アンテナ本体に設けられるマイクロストリップライン放射アセンブリを有する少なくとも1つの櫛形アンテナアセンブリを含むミリ波アンテナの干渉防止構造であって、前記アンテナ本体の一端は、ミリ波を発生可能なミリ波回路に連通するように構成され、前記マイクロストリップライン放射アセンブリは、前記アンテナ本体の中段に間隔を置いて配列されて設けられる複数の中間マイクロストリップライン放射ユニット、及び前記アンテナ本体の前記ミリ波回路から離れた一端に設けられる末端マイクロストリップライン放射ユニットで構成され、各中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットは、すべて傾斜方向で前記アンテナ本体に間隔を置いて配列されて設けられ、前記ミリ波回路に比較的近い中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積が、前記ミリ波回路から離れた中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積よりも相対的に小さく、各中間マイクロストリップライン放射ユニットの形状は、矩形であり、各中間マイクロストリップライン放射ユニットの長さと幅の比は1.2~1.3:1であり、且つ隣接する2つの中間マイクロストリップライン放射ユニットの徐々に増加する面積の比は1.1~1.2:1であることを特徴とするミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項2】
前記中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体との傾斜角度は同じであることを特徴とする請求項1に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項3】
前記中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体との間の傾斜角度は45度であることを特徴とする請求項2に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項4】
前記中間マイクロストリップライン放射ユニット及び末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体との傾斜角度は異なることを特徴とする請求項1に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項5】
前記中間マイクロストリップライン放射ユニットは、その端角で前記アンテナ本体に接続され、前記アンテナ本体の前記末端マイクロストリップライン放射ユニットに近い一端に折り曲げ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項6】
一部の隣接する中間マイクロストリップライン放射ユニットは、同じ面積を有することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項7】
前記末端マイクロストリップライン放射ユニットの形状は、正方形であり、前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体の接続箇所に矩形の凹切り欠きを有し、前記アンテナ本体の端部は、前記凹切り欠きの中央を通過し、更に前記末端マイクロストリップライン放射ユニットの中央に近い箇所に連結することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【請求項8】
前記中間マイクロストリップライン放射ユニットは、それぞれ異なる大きさの面積を有し、且つ異なる大きさの面積の配列形態としては、前記ミリ波回路に近い一端に設けられる中間マイクロストリップライン放射ユニットから他端の中間マイクロストリップライン放射ユニットに向かって徐々に増加することを特徴とする請求項1に記載のミリ波アンテナの干渉防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミリ波アンテナの干渉防止構造に関し、特に対向ノイズの干渉を効果的に低減し、利得を向上させることができるアンテナ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者が自動車の使用上の安全性を益々重視し、関連する科学技術の発展が成熟しつつあるにつれて、運転を支援して衝突事故を防止するために車両周囲の動的状況(例えば、車両、歩行者又は他の障害物の相対位置、相対速度及び角度などのメッセージ)を検出可能な種々の自動車衝突防止検出装置も、徐々に広く適用されるようになってきた。現在、よく見られる一般的な衝突防止検出装置に適用される技術的手段は、概ね以下の種類に分けることができる。
【0003】
超音波:超音波によって物体までの距離を測定するメカニズムであり、超音波センサによってトランスデューサを介して超音波パルス波を送受信し、このような超音波センサは、いずれも起動時に又は各測定範囲の読み取り前に、温度、電圧などのパラメータの変化に基づいてキャリブレーションを行うことができ、ある程度の精度を有するが、使用時、被検物が小さすぎて超音波を効果的に反射しにくいため、小さすぎる物体は、当該超音波センサの測定要件を満たすために十分な超音波を反射することができず、適用上の制限となる場合がある。
【0004】
赤外線:光反射による距離測定の原理により、赤外線LEDを介して発光し、別の赤外線受信アセンブリによって赤外光を受光してその強度を測定し、その強度の大きさに基づいて距離を判定するが、赤外線による距離測定の角度が小さくて全体性を欠き、検出の基本原理は、光線を利用した反射であるため、反射効率が低い表面(例えば、暗色表面)に使用する場合、検出結果にひどい影響を与え、適用上の欠失となる。
【0005】
レーザ:放射器によってレーザビームを放射するとともに時間(T1)を記録し、レーザビームが物体に当たって反射されると、センサにより戻り光を受光した時間は(T2)であり、レーザビームの空気中における伝播速度をVとすれば、当該センサと被検物との間の距離がS=V*(T2-T1)/2であると算出することができるが、放射器の表面に水、灰などの異物が付着された場合、レーザ装置は、使用時にレーザ光線を反射し、ダミー信号を発生し、且つレーザによる距離測定の測定精度が低く、その使用上の欠点である。
【0006】
ミリ波:波長が1mm~10mm(周波数が30GHz~300GHz)の範囲の電磁波を利用し、その送信と受信の時間差を測定し、更にその距離を計算することができる。車両用長距離の測定に適用しようとすれば、77GHzのミリ波帯域を使用するほうが好適であり、また、現在車両用サラウンドレーダーに適用されるミリ波帯域は、約24GHzであり、ミリ波の波長が最も長いため、環境気候の影響を比較的受けず、長距離の測定に最適である。
【0007】
ミリ波装置に適用され、ミリ波の送受信を行う従来のアンテナ構造は、図1に示すように、そのミリ波アンテナBの構造が主にそのまま回路基板Cにエッチングされてよく、それぞれ複数の櫛状アンテナアセンブリ2で構成される送信アレイアンテナB1及び受信アレイアンテナB2という2つの部分を含み、図1に示される実施例において、当該送信アレイアンテナB1は、3つの櫛状アンテナアセンブリ2で構成され、当該受信アレイアンテナB2は、4つの櫛状アンテナアセンブリ2で構成され(当該受信アレイアンテナB2の両側にある櫛状アンテナアセンブリ2は、隔離効果を果たし、ミリ波が導入されていない)、実際に適用する時、異なる要件を満たすように、当該ミリ波の送信強度及び受信感度に応じて、それぞれこれらの櫛状アンテナアセンブリ2の数を調整することができる。
【0008】
上記した従来の櫛状アンテナアセンブリ2の構造は、主に複数のマイクロストリップライン放射ユニット22で直列に接続されてなり、各マイクロストリップライン放射ユニット22は、大きさが一定の矩形(又は正方形であってもよい)構造であり、且つ長尺状のアンテナ本体21に等間隔で正方向に配列されることで、直列供給アーキテクチャで構成される櫛状アンテナアセンブリ2を形成し、このような直列供給アーキテクチャの櫛状アンテナアセンブリ2が送信アレイアンテナB1に適用される場合、ミリ波を送信する状態で、回路基板Cにおけるデフォルトのミリ波回路C1により出力されたミリ波エネルギーは、まず、当該櫛状アンテナアセンブリ2の先端(当該ミリ波回路C1に近い一端)から供給され、1番目(当該ミリ波回路C1に最も近い)のマイクロストリップライン放射ユニット22を経由する時に一部のエネルギーが外部へ放射され、残りのエネルギーが引き続き当該アンテナ本体21に沿って末(後)端(当該ミリ波回路C1から離れた一端)へ供給され、最も末(後)端のマイクロストリップライン放射ユニット22が残りのエネルギーを全て外部へ放射するまで、それぞれ中間の各マイクロストリップライン放射ユニット22によって1つずつ一部のエネルギー(また、少量のエネルギーが伝送中に損失する)を外部へ放射する。
【0009】
しかしながら、これらのマイクロストリップライン放射ユニット22が当該アンテナ本体21に正方向に配列されるため、実際に適用する時、当該櫛形アンテナアセンブリ2が対向する電磁波ノイズから干渉を非常に受けやすく、各櫛形アンテナアセンブリ2の正常動作に影響を与える。
【0010】
また、ミリ波エネルギーが櫛状アンテナアセンブリ2を介して上記のように外部へ放射される過程で、当該櫛状アンテナアセンブリ2における各マイクロストリップライン放射ユニット22により外部へ放射されたエネルギーが異なり、各マイクロストリップライン放射ユニット22の面積の大きさとエネルギーを外部へ放射する効率とが正比例する前提で、このような櫛状アンテナアセンブリ2の各マイクロストリップライン放射ユニット22が同じ面積、形状及び配列形態を有するため、実際に適用する時、ミリ波回路C1により出力されたミリ波が当該アンテナ本体21に導入される時に最大エネルギーを有することで、当該ミリ波回路C1に最も近いマイクロストリップライン放射ユニット22は、より多くのエネルギーを放射し、且つより大きな負荷を担い、ミリ波エネルギーが1つずつマイクロストリップライン放射ユニット22により外部へ放射されて徐々に減衰するにつれて、当該ミリ波回路C1から離れるほど、マイクロストリップライン放射ユニット22が徐々少ないエネルギーを放射し、且つより小さな負荷を担い、このように、各マイクロストリップライン放射ユニット22の放射エネルギーの分布が不均一である状態によって、当該櫛状アンテナアセンブリ2全体がエネルギーを外部へ放射する効率に大きな影響を与える。
【0011】
逆に、このような櫛状アンテナアセンブリ2が受信アレイアンテナB2に適用される場合、ミリ波を受信する状態で、受信された誘導放射エネルギーの分布が不均一である場合もある。
【0012】
従来のミリ波アンテナ構造における上記欠点に鑑み、本発明者は、これらの欠点に対して研究して改良し、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主たる目的は、それぞれ少なくとも1つの櫛形アンテナアセンブリで構成される送信アレイアンテナ及び/又は受信アレイアンテナを有するミリ波アンテナの干渉防止構造であって、各櫛形アンテナアセンブリは、長尺状のアンテナ本体、及び前記アンテナ本体に設けられるマイクロストリップライン放射アセンブリを含み、前記アンテナ本体の一端は、配線板においてミリ波を発生可能なミリ波回路に連通することができ、前記マイクロストリップライン放射アセンブリは、前記アンテナ本体の中段に間隔を置いて配列されて設けられる複数の中間マイクロストリップライン放射ユニット、及び前記アンテナ本体の前記ミリ波回路から離れた一端に設けられる末端マイクロストリップライン放射ユニットで構成され、且つ各中間マイクロストリップライン放射ユニットと前記末端マイクロストリップライン放射ユニットは、同じ傾斜方向(例えば、45度傾斜)で前記アンテナ本体に間隔を置いて配列されて設けられ、対向ノイズの干渉を低減する効果を達成する、ミリ波アンテナの干渉防止構造を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、各中間マイクロストリップライン放射ユニットは矩形形状であり、且つ前記矩形の長さと幅の比が1.2~1.3:1の範囲であり、これらの中間マイクロストリップライン放射ユニットの共振点は、76.5GHzに近い位置に保持することができ、前記中間マイクロストリップライン放射ユニットの配列形態としては、前記ミリ波回路に比較的近い中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積を、前記ミリ波回路から比較的離れた中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積以下になるように設定し、隣接する2つの中間マイクロストリップライン放射ユニットの徐々に増加する大きさの比を1.1~1.2:1の範囲とすることで、各中間マイクロストリップライン放射ユニットがエネルギーを放射する効率を均一な分布状態に近づけ、更に前記櫛形アンテナアセンブリの全体利得を向上させることができる、ミリ波アンテナの干渉防止構造を提供することである。
【0015】
本発明の更に別の目的は、前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体の接続箇所に矩形の凹切り欠きを有し、前記末端マイクロストリップライン放射ユニットの反射数を低減することができる、ミリ波アンテナの干渉防止構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的及び効果を達成するために、本発明で実施される技術的解決手段としては、長尺状のアンテナ本体、及び前記アンテナ本体に設けられるマイクロストリップライン放射アセンブリを有する少なくとも1つの櫛形アンテナアセンブリを含み、前記アンテナ本体の一端は、ミリ波を発生可能なミリ波回路に連通することができ、前記マイクロストリップライン放射アセンブリは、前記アンテナ本体の中段に間隔を置いて配列されて設けられる複数の中間マイクロストリップライン放射ユニット、及び前記アンテナ本体の前記ミリ波回路から離れた一端に設けられる末端マイクロストリップライン放射ユニットで構成され、各中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットは、すべて傾斜方向で前記アンテナ本体に間隔を置いて配列される。
【0017】
上記構造によれば、各中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体との傾斜角度は同じである。
【0018】
上記構造によれば、各中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体との傾斜角度は45度である。
【0019】
上記構造によれば、各中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体との傾斜角度は異なる。
【0020】
上記構造によれば、各中間マイクロストリップライン放射ユニットは、それぞれその端角で前記アンテナ本体に接続され、前記アンテナ本体の前記末端マイクロストリップライン放射ユニットに近い一端に折り曲げ部が設けられている。
【0021】
上記構造によれば、前記アンテナ本体の前記ミリ波回路から比較的離れた一端にある中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積は、前記ミリ波回路に比較的近い一端にある中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積以上である。
【0022】
上記構造によれば、前記中間マイクロストリップライン放射ユニットの配列形態としては、前記ミリ波回路に比較的近い中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積が、前記ミリ波回路から離れた中間マイクロストリップライン放射ユニットの面積よりも相対的に小さい。
【0023】
上記構造によれば、一部の隣接する中間マイクロストリップライン放射ユニットは、同じ面積を有する。
【0024】
上記構造によれば、各中間マイクロストリップライン放射ユニット及び前記末端マイクロストリップライン放射ユニットの形状は、矩形、多角形又は楕円形である。
【0025】
上記構造によれば、各中間マイクロストリップライン放射ユニットの形状は、矩形であり、前記中間マイクロストリップライン放射ユニットの長さと幅の比は1.2~1.3:1であり、且つ隣接する2つの中間マイクロストリップライン放射ユニットの徐々に増加する面積の比は1.1~1.2:1である。
【0026】
上記構造によれば、前記末端マイクロストリップライン放射ユニットの形状は、正方形であり、前記末端マイクロストリップライン放射ユニットと前記アンテナ本体の接続箇所に矩形の凹切り欠きを有し、前記アンテナ本体の端部は、前記凹切り欠きの中央を通過し、更に前記末端マイクロストリップライン放射ユニットの中央に近い箇所に連結する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来のミリ波アンテナの構造概略図である。
図2】本発明のミリ波アンテナの放射エネルギー均一分布構造の第1の実施例の構造概略図である。
図3図2における中間マイクロストリップライン放射ユニットの局所拡大概略図である。
図4図2における末端マイクロストリップライン放射ユニットの局所拡大概略図である。
図5】本発明のミリ波アンテナの干渉防止構造の第2の実施例の構造概略図である。
図6】本発明のミリ波アンテナの干渉防止構造の第3の実施例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を更に説明する。以下の実施例は、本発明の技術的解決手段をより明らかに説明するためのものに過ぎず、これによって本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0029】
図2~4に示すように、本発明の実施例1のミリ波アンテナAの構造は、少なくとも1つの櫛状アンテナアセンブリ1で構成される送信アレイアンテナA1及び/又は少なくとも1つの櫛状アンテナアセンブリ1で構成される受信アレイアンテナA2などの部分を含み、本実施例において、当該送信アレイアンテナA1は、3つの櫛状アンテナアセンブリ1で構成され、当該受信アレイアンテナA2は、4つの櫛状アンテナアセンブリ1で構成され、実際に適用する時、当該送信アレイアンテナA1及び/又は受信アレイアンテナA2は、必要なミリ波の送信強度及び受信感度に応じて、それぞれ各櫛状アンテナアセンブリ1の数を調整することができる。各当該櫛状アンテナアセンブリ1は、それぞれ長尺状のアンテナ本体11、及び当該アンテナ本体11に設けられるマイクロストリップライン放射アセンブリ12を含み、当該アンテナ本体11は、一端で回路基板Cにおけるミリ波回路C1に連通し、当該マイクロストリップライン放射アセンブリ12は、当該アンテナ本体11の中段に順に間隔を置いて配列されて設けられる複数の中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123、及び当該アンテナ本体11の当該ミリ波回路C1から離れた一端に設けられる末端マイクロストリップライン放射ユニット124で構成される。
【0030】
本実施例において、これらの中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123は、それぞれその端角のみで当該アンテナ本体11に接続されることにより、これらの中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123は、(同じ)傾斜方向(図中、45度)で間隔を置いて配列されて接続されるように形成され、また、当該アンテナ本体11の当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124に近い一端に折り曲げられた(図中、45度)折り曲げ部111が設けられており、当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124は、当該折り曲げ部111を介して前記各中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123と(同じ)傾斜角度の配列を形成し、これにより、対向ノイズの干渉を低減する効果を達成することができる。
【0031】
実際に適用する時、これらの中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123は、それぞれ異なる大きさの面積を有し、その配列形態としては、当該ミリ波回路C1に比較的近い一端に設けられる中間マイクロストリップライン放射ユニット121の面積を小さく設定し、且つ当該ミリ波回路C1から徐々に離れて他端に向かって設けられる中間マイクロストリップライン放射ユニット122、123…の面積を相対的に徐々に増加するように設定する。各中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123及び当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124の形状は、矩形、多角形又は楕円形などであってよい。
【0032】
図示される好ましい実施例において、当該中間マイクロストリップライン放射ユニット121は矩形構造であり、その長辺長さがL121であり、短辺長さがW121であり、当該長辺長さL121と当該短辺長さW121の比が1.2~1.3:1である場合、当該中間マイクロストリップライン放射ユニット121の共振点は、76.5GHzに近い位置に保持され、隣接する次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット122も、同じような矩形構造であり、且つ一定の間隔距離Yを有し、その長辺長さがL122であり、短辺長さがW122であり、当該長辺長さL122と短辺長さW122の比も1.2~1.3:1であり、また、当該次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット122の面積(長辺長さL122*短辺長さW122)と当該最初の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット121の面積(長辺長さL121*短辺長さW121)との比は1.1~1.2:1である。
【0033】
上記から類推して分かるように、これらの中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123は、それぞれ矩形形状であってよく、その長さと幅の比が1.2~1.3:1の範囲に制限され、隣接する2つの中間マイクロストリップライン放射ユニットの徐々に増加する面積の比は、1.1~1.2:1の範囲に制限され、且つ一定の間隔距離Yを有する。外部に向かうにつれて面積を徐々に増加するような設計により、当該ミリ波回路C1により出力されたミリ波エネルギーが当該ミリ波回路C1に最も近い当該中間マイクロストリップライン放射ユニット121に伝送される場合(この場合、当該ミリ波エネルギーが最も強く、且つ放射面積が最も小さい)、当該中間マイクロストリップライン放射ユニット121により一部のエネルギーを外部へ放射した後、残りのエネルギーが引き続き当該アンテナ本体21に沿って当該次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット122に供給され(この場合、当該ミリ波エネルギーが僅かに弱く、且つ放射面積が僅かに大きい)、当該次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット122は、大きな放射面積を利用して当該ミリ波エネルギーの減衰を補償することができ、当該次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット122により外部へ放射されたエネルギーを当該最初の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット121により外部へ放射されたエネルギーに近づけることができる。同様に、当該次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット122がエネルギーを外部へ放射した後、残りのエネルギーが引き続き当該更に次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット123により外部へ放射され、当該更に次の位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット123がより大きな放射面積を有することにより、当該ミリ波エネルギーの再度減衰を補償し、各位置にある中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123の放射エネルギーを均一な分布状態に近づけることができ、当該櫛状アンテナアセンブリ1の全体利得が向上する。
【0034】
この好ましい実施例において、当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124は、正方形(又は矩形)であることが好ましく、且つ当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124と当該アンテナ本体11の接続箇所に矩形(正方形)の凹切り欠き1241を有し、当該アンテナ本体11の末端は、当該凹切り欠き1241の中央を通過し、更に当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124の中央に近い箇所に連結し、当該凹切り欠き1241の存在により周辺から供給される設計によって、当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124の反射数を低減することができる。従って、中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123によりそれぞれエネルギーを外部へ放射された後の最後の残りのエネルギーが、当該アンテナ本体11を介して当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124に伝送される場合、当該末端マイクロストリップライン放射ユニット124により中央に近い箇所から外部へ均一に伝播して拡散する方式によって、当該残りのエネルギーを完全に外部へ放射することができ、全体利得が更に向上する。
【0035】
図5に示すように、本発明の実施例2のミリ波アンテナA00の構造は、少なくとも1つの櫛状アンテナアセンブリ100で構成される送信アレイアンテナA100及び/又は少なくとも1つの櫛状アンテナアセンブリ100で構成される受信アレイアンテナA200などの部分を含み、本実施例において、各当該櫛状アンテナアセンブリ100は、それぞれ長尺状のアンテナ本体11、及び当該アンテナ本体11に設けられるマイクロストリップライン放射アセンブリ1200を含み、当該アンテナ本体11は、一端で回路基板Cにおけるミリ波回路C1に連通し、当該マイクロストリップライン放射アセンブリ1200は、当該アンテナ本体11の中段に順に間隔を置いて配列されて設けられる複数の中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123、及び当該アンテナ本体11の当該ミリ波回路C1から離れた一端に設けられる末端マイクロストリップライン放射ユニット124で構成される。
【0036】
当該実施例の櫛形アンテナアセンブリ100は、前述した第1の実施例の櫛状アンテナアセンブリ1と比較し、以下の点で異なる。当該マイクロストリップライン放射アセンブリ1200の各中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123及び末端マイクロストリップライン放射ユニット124は、共同で45度よりも小さい(又は大きい)傾斜角度で当該アンテナ本体11に間隔を置いて配列されて設けられ、類似機能を有する櫛状アンテナアセンブリ100の別の組み合わせ構造を形成する。
【0037】
図6に示すように、本発明の実施例3のミリ波アンテナA0の構造は、少なくとも1つの櫛状アンテナアセンブリ10で構成される送信アレイアンテナA10及び/又は少なくとも1つの櫛状アンテナアセンブリ10で構成される受信アレイアンテナA20などの部分を含み、本実施例において、各当該櫛状アンテナアセンブリ10は、それぞれ長尺状のアンテナ本体11、及び当該アンテナ本体11に設けられるマイクロストリップライン放射アセンブリ120を含み、当該アンテナ本体11は、一端で回路基板Cにおけるミリ波回路C1に連通し、当該マイクロストリップライン放射アセンブリ120は、当該アンテナ本体11の中段に順に間隔を置いて配列されて設けられる複数の中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123、及び当該アンテナ本体11の当該ミリ波回路C1から離れた一端に設けられる末端マイクロストリップライン放射ユニット124で構成される。
【0038】
当該実施例の櫛形アンテナアセンブリ10は、前述した第1の実施例の櫛状アンテナアセンブリ1と比較し、以下の点で異なる。当該マイクロストリップライン放射アセンブリ120における各中間マイクロストリップライン放射ユニット121、122、123は、少なくとも一部が同じ面積を有する。図6に示される実施例では、当該マイクロストリップライン放射アセンブリ120において、当該ミリ波回路C1に最も近い、面積が同じで最小であるとともに隣接する2つの中間マイクロストリップライン放射ユニット121を有し、面積が最大である中間マイクロストリップライン放射ユニット123は、当該アンテナ本体11の当該ミリ波回路C1から最も離れた位置に位置し、面積が同じで2番目に大きいとともに隣接する2つの中間マイクロストリップライン放射ユニット122は、当該アンテナ本体11における面積が最小である中間マイクロストリップライン放射ユニット121と面積が最大である中間マイクロストリップライン放射ユニット123の間の位置にあり、これにより、各中間マイクロストリップライン放射ユニットが面積に応じて徐々に増減して配列される設置に合致し、類似機能を有する櫛状アンテナアセンブリ10の別の組み合わせ構造を形成する。
【0039】
以上を纏めると、本発明のミリ波アンテナの干渉防止構造は、各櫛形アンテナアセンブリの利得及び干渉防止能力を向上させる効果を確実に達成することができる。
【0040】
以上の記載は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、当業者にとって、本発明の技術原理から逸脱しない限り、いくつかの改良や修飾を更に行うことができ、これらの改良や修飾も本発明の保護範囲と見なされるべきであることを指摘しておく。
【符号の説明】
【0041】
1、10、100、2 櫛状アンテナ素子
11、21 アンテナ本体
111 折り曲げ部
12、120、1200 マイクロストリップライン放射アセンブリ
121、122、123 中間マイクロストリップライン放射ユニット
124 末端マイクロストリップライン放射ユニット
1241 切り欠き
22 マイクロストリップライン放射ユニット
A、A0、A00、B ミリ波アンテナ
A1、A10、A100、B1 送信アレイアンテナ
A2、A20、A200、B2 受信アレイアンテナ
C 回路基板
C1 ミリ波回路
L121、L122 長辺長さ
W121、W122 短辺長さ
Y 間隔距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6