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特許7502746情報処理装置、情報処理システム、脳活動予測方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、脳活動予測方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20240612BHJP
【FI】
G06N20/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020110600
(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公開番号】P2022007559
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-05-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和1年8月8日、 ウェブサイトのアドレス:https://ieeexplore.ieee.org/document/8792189 <資 料>IEEE Accessのウェブサイトのページ及び掲載論文
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(73)【特許権者】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(73)【特許権者】
【識別番号】500027275
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新熊 亮一
(72)【発明者】
【氏名】西田 知史
(72)【発明者】
【氏名】前田 直哉
(72)【発明者】
【氏名】角 将高
(72)【発明者】
【氏名】高山 文博
(72)【発明者】
【氏名】相本 佳史
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118558(JP,A)
【文献】特開2020-074799(JP,A)
【文献】特開2010-274035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、
前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、
前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成部と、
前記第3生成部が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第3生成部は、前記既存ユーザ群よりユーザ数が多い前記新規のユーザの集合である新規ユーザ群の各ユーザに対応する前記脳情報モデルを生成し、生成した前記脳情報モデルをユーザモデル記憶部に記憶させ、
前記予測処理部は、前記新規ユーザ群のうちから、指定された前記人間情報に最も近い前記新規のユーザを抽出し、抽出された当該新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを前記ユーザモデル記憶部から取得して、取得した前記脳情報モデルに基づいて、前記評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記脳情報モデルには、前記脳活動情報を予測する脳活動予測モデルと、前記脳活動情報から認知・行動情報を予測する認知・行動予測モデルとが含まれ、
前記第3生成部は、前記新規のユーザに対応する前記脳活動予測モデル及び前記認知・行動予測モデルを生成し、
前記予測処理部は、前記新規のユーザに対応する前記脳活動予測モデルに基づいて、前記評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測し、前記新規のユーザに対応する前記認知・行動予測モデルに基づいて、前記評価対象のコンテンツに対する前記認知・行動情報を予測する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザに対応する前記脳情報モデルを、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルとして生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれいか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記既存ユーザ群は、前記第2距離情報に基づくクラスタリングによりグループ分けされており、
前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザが属する前記グループにおける前記脳情報モデルの平均値を、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルとして生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれいか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルであって、新規のユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動を示す脳活動情報を予測する予測処理部を備え、
前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルは、
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成処理と、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成処理と、
前記第1生成処理によって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成処理によって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理と、
前記学習処理によって生成された前記距離推定モデルに基づいて、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する前記脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成処理と
を実行することで生成されたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、
前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、
前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成部と
を備える学習処理装置と、
前記学習処理装置が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部を備える情報処理装置と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
第1生成部が、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、
第2生成部が、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、
学習処理部が、前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、
第3生成部が、前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、
予測処理部が、前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップと
を含むことを特徴とする脳活動予測方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、
前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、
前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、
前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、
前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、
前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成部と、
前記第3生成部が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザに対応する前記脳活動情報を、前記新規のユーザに対応する前記脳活動情報として推定する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記既存ユーザ群は、前記第2距離情報に基づくクラスタリングによりグループ分けされており、
前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザが属する前記グループにおける前記脳活動情報の平均値を、前記新規のユーザに対応する前記脳活動情報として推定する
ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルであって、新規のユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動を示す脳活動情報を予測する予測処理部を備え、
前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルは、
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成処理と、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成処理と、
前記第1生成処理によって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成処理によって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理と、
前記学習処理によって生成された前記距離推定モデルに基づいて、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成処理と
を実行することで生成されたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、
前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、
前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成部と
を備える学習処理装置と、
前記学習処理装置が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部を備える情報処理装置と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項15】
第1生成部が、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、
第2生成部が、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、
学習処理部が、前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、
第3生成部が、前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、
予測処理部が、前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップと
を含むことを特徴とする脳活動予測方法。
【請求項16】
コンピュータに、
ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、
ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、
前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、
前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、
前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、脳活動予測方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、どのようなユーザに対して、どのようなコンテンツを提供することがより良い結果に繋がるかを推定する試みが行われている。このような試みを行う際に、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの生体計測により計測されたユーザの脳活動情報を用いることが、コンテンツの評価に有効であることが知られている(例えば、非特許文献1、及び非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Gregory S.Berns, Sara E.Moore、“A neural predictor of cultural popularity”、Journal of Consumer Psychology 22 (2012) 154-160
【文献】Emily B.Falk, Elliot T.Berkman, Matthew D.Lieberman、“From Neural Responses to Population Behavior: Neural Focus Group Predicts Population-Level Media Effects”、Psychological Science 23:439-445、April 17, 2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、脳活動情報の生体計測には、例えば、MRIなどの大掛かりな装置が必要であり、且つ、計測に時間及びコストがかかるが、上述した従来技術では、例えば、コンテンツの評価を行う場合には、ユーザの生体計測を実際に行う必要があった。すなわち、従来技術では、生体計測を実施していない新規のユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、生体計測を実施していない新規のユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる情報処理装置、情報処理システム、脳活動予測方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成部と、前記第3生成部が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部とを備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第3生成部は、前記既存ユーザ群よりユーザ数が多い前記新規のユーザの集合である新規ユーザ群の各ユーザに対応する前記脳情報モデルを生成し、生成した前記脳情報モデルをユーザモデル記憶部に記憶させ、前記予測処理部は、前記新規ユーザ群のうちから、指定された前記人間情報に最も近い前記新規のユーザを抽出し、抽出された当該新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを前記ユーザモデル記憶部から取得して、取得した前記脳情報モデルに基づいて、前記評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記脳情報モデルには、前記脳活動情報を予測する脳活動予測モデルと、前記脳活動情報から認知・行動情報を予測する認知・行動予測モデルとが含まれ、前記第3生成部は、前記新規のユーザに対応する前記脳活動予測モデル及び前記認知・行動予測モデルを生成し、前記予測処理部は、前記新規のユーザに対応する前記脳活動予測モデルに基づいて、前記評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測し、前記新規のユーザに対応する前記認知・行動予測モデルに基づいて、前記評価対象のコンテンツに対する前記認知・行動情報を予測するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザに対応する前記脳情報モデルを、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルとして生成するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記既存ユーザ群は、前記第2距離情報に基づくクラスタリングによりグループ分けされており、前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザが属する前記グループにおける前記脳情報モデルの平均値を、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルとして生成するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルであって、新規のユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動を示す脳活動情報を予測する予測処理部を備え、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルは、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成処理と、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成処理と、前記第1生成処理によって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成処理によって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理と、前記学習処理によって生成された前記距離推定モデルに基づいて、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する前記脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成処理とを実行することで生成されたことを特徴とする情報処理装置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成部とを備える学習処理装置と、前記学習処理装置が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部を備える情報処理装置とを備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0013】
また、本発明の一態様は、第1生成部が、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、第2生成部が、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、学習処理部が、前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、第3生成部が、前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、予測処理部が、前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップとを含むことを特徴とする脳活動予測方法である。
【0014】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、予め生成された前記既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップとを実行させるためのプログラムである。
【0015】
また、本発明の一態様は、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成部と、前記第3生成部が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部とを備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0016】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザに対応する前記脳活動情報を、前記新規のユーザに対応する前記脳活動情報として推定するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記既存ユーザ群は、前記第2距離情報に基づくクラスタリングによりグループ分けされており、前記第3生成部は、前記既存ユーザ群の中で、推定した前記第2距離情報の示す距離が最も近い前記既存のユーザが属する前記グループにおける前記脳活動情報の平均値を、前記新規のユーザに対応する前記脳活動情報として推定するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明の一態様は、少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルであって、新規のユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動を示す脳活動情報を予測する予測処理部を備え、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルは、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成処理と、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成処理と、前記第1生成処理によって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成処理によって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理と、前記学習処理によって生成された前記距離推定モデルに基づいて、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルを生成する第3生成処理とを実行することで生成されたことを特徴とする情報処理装置である。
【0019】
また、本発明の一態様は、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成部と、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成部と、前記第1生成部が生成した前記第1関係性情報と、前記第2生成部が生成した前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理部と、前記学習処理部が生成した前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成部とを備える学習処理装置と、前記学習処理装置が生成した前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理部を備える情報処理装置とを備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0020】
また、本発明の一態様は、第1生成部が、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、第2生成部が、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、学習処理部が、前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、第3生成部が、前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、予測処理部が、前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップとを含むことを特徴とする脳活動予測方法である。
【0021】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する前記人間情報に基づいて、前記人間情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第1関係性情報を生成する第1生成ステップと、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報に基づいて、前記脳活動情報における前記既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す第2関係性情報を生成する第2生成ステップと、前記第1生成ステップによって生成された前記第1関係性情報と、前記第2生成ステップによって生成された前記第2関係性情報とに基づいて、機械学習によって、前記人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報から、前記脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報を推定する距離推定モデルを生成する学習処理ステップと、前記学習処理ステップによって生成された前記距離推定モデルに基づいて、新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第1距離情報から、前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報を推定し、推定した前記新規のユーザと前記既存ユーザ群のユーザとの間の前記第2距離情報と、前記既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された前記脳活動情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した前記新規のユーザに対応する脳活動情報と、前記所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、前記新規のユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルを生成する第3生成ステップと、前記第3生成ステップによって生成された前記新規のユーザに対応する前記脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する前記脳活動情報を予測する予測処理ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、生体計測を実施していない新規のユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施形態による情報処理装置の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における既存人間情報記憶部のデータ例を示す図である。
図3】第1の実施形態における既存脳活動情報記憶部のデータ例を示す図である。
図4】第1の実施形態における既存脳情報モデル記憶部のデータ例を示す図である。
図5】第1の実施形態における人間情報関係性マップ、及び脳活動情報関係性マップの一例を示す図である。
図6】第1の実施形態における新規ユーザ情報記憶部のデータ例を示す図である。
図7】第1の実施形態における新規脳情報モデル記憶部のデータ例を示す図である。
図8】第1の実施形態における投影モデルの学習処理を示す図である。
図9】第1の実施形態における投影処理の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態における新規ユーザの脳情報モデルの生成処理の一例を示す図である。
図11】第1の実施形態による情報処理装置の事前処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第1の実施形態による情報処理装置の予測処理の一例を示すフローチャートである。
図13】第1の実施形態による情報処理装置の予測処理の別の一例を示すフローチャートである。
図14】第2の実施形態による情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、情報処理システム、及び脳活動予測方法について、図面を参照して説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による情報処理装置1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理装置1は、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部15とを備える。情報処理装置1は、例えば、動画(映像)、画像、音などのコンテンツに対する、ユーザに対応する脳活動情報や認知・行動情報(例えば、知覚解読結果)を予測して出力する。なお、認知・行動情報とは、例えば、認知又は行動を示す情報である。
【0026】
入力部11は、例えば、キーボードやマウス、ダッチパネルなどの入力デバイスであり、情報処理装置1を制御及び操作するためのシステム利用者(オペレータ)からの各種入力を受け付ける。
【0027】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、情報処理装置1を制御及び操作するための各種情報や、脳活動情報や認知・行動情報(例えば、知覚解読結果)などの予測結果を表示する。
【0028】
記憶部13は、情報処理装置1が実行する処理に利用される各種情報を記憶する。記憶部13は、既存ユーザ情報記憶部131と、既存人間情報記憶部132と、既存脳活動情報記憶部133と、既存脳情報モデル記憶部134と、人間情報関係性マップ記憶部135と、脳活動情報関係マップ性記憶部136と、投影モデル記憶部137と、新規ユーザ情報記憶部138と、新規脳情報モデル記憶部139と、コンテンツ記憶部140と、予測結果記憶部141とを備える。
【0029】
既存ユーザ情報記憶部131は、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに関する情報を記憶する。ここで、既存のユーザ(以下、既存ユーザということがある)とは、例えば、fMRI(functional Magnetic Resonance Imaging)などの生体計測により、脳活動を示す脳活動情報が予め計測されている既知のユーザである。既存ユーザ情報記憶部131は、例えば、既存ユーザを示すユーザ識別情報と、属性情報(例えば、性別、年齢、住所、等)とを対応付けて記憶する。なお、既存ユーザ情報記憶部131は、既存ユーザの各種サービスの利用履歴、及び行動履歴などを記憶してもよい。
【0030】
既存人間情報記憶部132は、既存ユーザの人間情報を記憶する。ここで、人間情報とは、例えば、所定のアンケート等を行った回答結果などである。既存人間情報記憶部132は、例えば、図2に示すように、「ユーザ識別情報」と、「既存人間情報」とを対応付けて記憶する。
【0031】
図2は、本実施形態における既存人間情報記憶部132のデータ例を示す図である。
図2において、「ユーザ識別情報」は、既存ユーザを識別する識別情報であり、「既存人間情報」は、既存ユーザに対するアンケート等の回答結果である。なお、「既存人間情報」の“I1”~“Im”は、アンケート等の各項目を示すアイテムIDである。ここで、mは、自然数を示す。
【0032】
例えば、図2に示す例では、「ユーザ識別情報」が“U001”である既存ユーザのアンケート等の回答結果が、“a”、“a”、・・・“a”であることを示している。
なお、既存人間情報記憶部132は、既存ユーザ群の全員分の既存ユーザに対応する人間情報を記憶している。
【0033】
図1の説明に戻り、既存脳活動情報記憶部133は、既存ユーザの脳活動情報を記憶する。ここで、脳活動情報は、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された生体計測情報であり、例えば、fMRIにより計測された計測データ(fMRI信号)である。また、fMRIの計測データは、時系列データである。既存脳活動情報記憶部133は、例えば、図3に示すように、「ユーザ識別情報」と、「既存脳活動情報」とを対応付けて記憶する。
【0034】
図3は、本実施形態における既存脳活動情報記憶部133のデータ例を示す図である。
図3において、「ユーザ識別情報」は、既存ユーザのユーザ識別情報であり、「既存脳活動情報」は、既存ユーザに対するfMRIの計測データである。なお、「既存脳活動情報」の“C1”~“Cn”は、コンテンツを識別するコンテンツIDを示している。
【0035】
例えば、図3に示す例では、「ユーザ識別情報」が“U001”である既存ユーザのfMRIの計測データが、“D”、“D”、・・・“D”であることを示している。ここで、nは、自然数を示す。
なお、既存脳活動情報記憶部133は、既存ユーザ群の全員分の既存ユーザに対応する脳活動情報を記憶している。
【0036】
再び、図1の説明に戻り、既存脳情報モデル記憶部134は、既存ユーザに対応する脳情報モデルを記憶する。脳情報モデルには、例えば、コンテンツから脳活動情報を予測するエンコーダ(脳活動予測モデル)と、脳活動情報から認知・行動情報を予測するデコーダ(認知・行動予測モデル)とが含まれる。なお、脳情報モデルは、例えば、コンテンツによる刺激を与えて計測された各既存ユーザのfMRIの計測データに基づいて、機械学習により生成される。脳情報モデルを生成する技術としては、例えば、特開2019-32767号公報に記載の技術が適用可能である。ここで、図4を参照して、既存脳情報モデル記憶部134のデータ例について説明する。
【0037】
図4は、本実施形態における既存脳情報モデル記憶部134のデータ例を示す図である。
図4に示すように、既存脳情報モデル記憶部134は、「ユーザ識別情報」と「脳情報モデル」とを対応付けて記憶する。ここで、「ユーザ識別情報」は、既存ユーザのユーザ識別情報であり、「脳情報モデル」は、各既存ユーザに対応する脳情報モデルである。
【0038】
例えば、図4に示す例では、「ユーザ識別情報」が“U001”である既存ユーザに対応する「脳情報モデル」として、エンコーダ(脳活動予測モデル)が“EM01”であり、デコーダ(認知・行動予測モデル)が“DM01”であることを示している。
なお、既存脳情報モデル記憶部134は、既存ユーザ群の全員分の既存ユーザに対応する脳情報モデルでを記憶している。
【0039】
再び、図1の説明に戻り、人間情報関係性マップ記憶部135は、人間情報関係性マップを記憶する。ここで、人間情報関係性マップは、人間情報におけるユーザ間の距離の関係性を示す人間情報関係性情報の一例であり、例えば、各ユーザをノードとして、ユーザ間の関係を表すグラフ構造により構成されている。人間情報関係性マップ記憶部135は、例えば、図5(a)のような人間情報関係性マップを記憶する。
【0040】
図5(a)は、本実施形態における人間情報関係性マップの一例を示している。
図5(a)に示すように、人間情報関係性マップは、各ユーザをノードとして表示するとともに、互いに距離の近いユーザをクラスタリングにより分類(グループ化)されている。
【0041】
再び、図1の説明に戻り、脳活動情報関係マップ性記憶部136は、脳活動情報関係性マップを記憶する。ここで、脳活動情報関係性マップは、脳活動情報におけるユーザ間の距離の関係性を示す脳活動情報関係性情報の一例であり、例えば、各ユーザをノードとして、ユーザ間の関係を表すグラフ構造により構成されている。脳活動情報関係マップ性記憶部136は、例えば、図5(b)のような脳活動情報関係性マップを記憶する。
【0042】
図5(b)は、本実施形態における脳活動情報関係性マップの一例を示している。
図5(b)に示すように、脳活動情報関係性マップは、各ユーザをノードとして表示するとともに、互いに距離の近いユーザをクラスタリングにより分類(グループ化)されている。
【0043】
再び、図1の説明に戻り、投影モデル記憶部137は、投影モデルを記憶する。ここで、投影モデルは、人間情報関係性マップと、脳活動情報関係性マップとに基づいて、機械学習によって生成された距離推定モデルの一例である。投影モデルは、後述する学習処理部によって、機械学習により生成される。投影モデルの詳細については、後述する。
【0044】
新規ユーザ情報記憶部138(人間情報データベース)は、新規ユーザ群の新規のユーザに関する情報(例えば、人間情報を含む情報)を記憶する。ここで、新規ユーザ群は、上述した既存ユーザ群よりユーザ数が多い新規のユーザ(以下、新規ユーザということがある)の集合である。また、新規ユーザは、例えば、fMRIなどの生体計測により脳活動情報が計測されていない未知のユーザである。新規ユーザ情報記憶部138は、例えば、図6に示すように、「ユーザ識別情報」と、「人間情報」とを対応付けて記憶する。
【0045】
図6は、本実施形態における新規ユーザ情報記憶部138のデータ例を示す図である。
図6において、「ユーザ識別情報」は、新規ユーザを識別する識別情報であり、「人間情報」は、新規ユーザに対するアンケート等の回答結果である。なお、「人間情報」の“I1”~“Im”は、アンケート等の各項目を示すアイテムIDである。ここで、mは、自然数を示す。
【0046】
例えば、図6に示す例では、「ユーザ識別情報」が“NU001”である新規ユーザのアンケート等の回答結果が、“a”、“a”、・・・“a”であることを示している。
なお、新規ユーザ情報記憶部138は、「ユーザ識別情報」及び「人間情報」の他に、例えば、新規ユーザの属性情報(例えば、性別、年齢、住所、等)などを記憶するようにしてもよい。
【0047】
再び、図1の説明に戻り、新規脳情報モデル記憶部139(ユーザモデル記憶部の一例)は、新規ユーザに対応する脳情報モデルを記憶する。新規脳情報モデル記憶部139が記憶する新規ユーザに対応する脳情報モデルは、後述する脳情報モデル生成部154によって、新規ユーザに対する生体計測(例えば、fMRIの計測)を伴わずに生成されたモデルである。ここで、図7を参照して、新規脳情報モデル記憶部139のデータ例について説明する。
【0048】
図7は、本実施形態における新規脳情報モデル記憶部139のデータ例を示す図である。
図7に示すように、新規脳情報モデル記憶部139は、「ユーザ識別情報」と「脳情報モデル」とを対応付けて記憶する。ここで、「ユーザ識別情報」は、新規ユーザのユーザ識別情報であり、「脳情報モデル」は、各新規ユーザに対応する脳情報モデルである。
【0049】
例えば、図7に示す例では、「ユーザ識別情報」が“NU001”である新規ユーザに対応する「脳情報モデル」として、エンコーダ(脳活動予測モデル)が“EM03”であり、デコーダ(認知・行動予測モデル)が“DM03”であることを示している。
【0050】
再び、図1の説明に戻り、コンテンツ記憶部140は、例えば、評価対象のコンテンツを記憶する。
予測結果記憶部141は、後述する予測処理部155が予測した予測結果を記憶する。予測結果記憶部141は、例えば、評価対象のコンテンツに対する、指定された新規ユーザの脳活動情報や認知・行動情報(知覚解読結果)などを、予測結果として記憶する。
【0051】
制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、情報処理装置1を統括的に制御する。制御部15は、人間情報関係性マップ生成部151と、脳活動情報関係性マップ生成部152と、学習処理部153と、脳情報モデル生成部154と、予測処理部155とを備える。
【0052】
人間情報関係性マップ生成部151(第1生成部の一例)は、既存ユーザ群のユーザに対する人間情報に基づいて、人間情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す人間情報関係性マップ(第1関係性情報)を生成する。人間情報関係性マップ生成部151は、例えば、既存人間情報記憶部132が記憶する各既存ユーザの人間情報(例えば、既存ユーザに対するアンケート等の回答結果)を取得し、取得した各既存ユーザの人間情報に基づいて、グラフ構造により、人間情報関係性マップを生成する。
なお、ユーザxに対応する人間情報Iは、下記の式(1)により表される。
【0053】
【数1】
【0054】
また、ユーザxと、ユーザyとの人間情報関係性マップ上の距離は、ユーザxの人間情報と、ユーザyの人間情報との差分δxyとして、下記の式(2)により表される。ユーザx、及びユーザyは、任意のユーザを示す。
【0055】
【数2】
【0056】
ここで、match(I,I)は、ユーザxとユーザyとの間で要素が一致している場合に、“1”が代入され、一致していない場合に、“0”が代入される。すなわち、式(2)におけるδ,δ,・・・δは、“0”又は“1”となる。
人間情報関係性マップ生成部151は、上述した式(2)により、既存ユーザ群のユーザ間(既存ユーザ間)の差分δxy(第1距離情報)を生成し、生成した差分δxyを人間情報関係性マップに含める。人間情報関係性マップ生成部151は、生成した人間情報関係性マップを人間情報関係性マップ記憶部135に記憶させる。
【0057】
脳活動情報関係性マップ生成部152(第2生成部の一例)は、既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された脳活動情報に基づいて、脳活動情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す脳活動情報関係性マップ(第2関係性情報)を生成する。脳活動情報関係性マップ生成部152は、例えば、既存脳活動情報記憶部133が記憶する各既存ユーザの脳活動情報(例えば、既存ユーザに対するfMRIの計測データ)を取得し、取得した各既存ユーザの脳活動情報に基づいて、グラフ構造により、脳活動情報関係性マップを生成する。
ここで、ユーザxに対応する脳活動情報の距離行列Dは、下記の式(3)により表される。
【0058】
【数3】
【0059】
なお、距離行列Dの要素dijは、コンテンツIDであるC~Cに対応する各コンテンツを閲覧中のfMRIの計測データ(時系列データ)の類似度をDTW(Dynamic Time Warping)により算出した距離を示す。なお、基本的に、要素dij=要素djiである。
また、ユーザxとユーザyとの脳活動情報関係性マップ上の距離は、ユーザxの距離行列Dと、ユーザyの距離行列Dとの差分Δxyとして、下記の式(4)により表される。
【0060】
【数4】
【0061】
脳活動情報関係性マップ生成部152は、上述した式(4)により、既存ユーザ群のユーザ間(既存ユーザ間)の差分Δxy(第2距離情報)を生成し、生成した差分Δxyを脳活動情報関係性マップに含める。脳活動情報関係性マップ生成部152は、生成した脳活動情報関係性マップを脳活動情報関係マップ性記憶部136に記憶させる。
【0062】
学習処理部153は、人間情報関係性マップ生成部151が生成した人間情報関係性マップと、脳活動情報関係性マップ生成部152が生成した脳活動情報関係性マップとに基づいて、機械学習によって、投影モデル(距離推定モデル)を生成する。ここで、投影モデルは、人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報(差分δxy)から、脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報(差分Δxy)を推定する距離推定モデルである。
【0063】
学習処理部153は、既存ユーザ群の各ユーザ間の全組み合わせ(例えば、既存ユーザが50名で、1225通りの組み合わせ)の第1距離情報(差分δxy)及び第2距離情報(差分Δxy)を学習データとし、図8に示すように、第1距離情報(差分δxy)を入力データ、第2距離情報(差分Δxy)を出力データとして、教師あり機械学習を実行して、投影モデルを生成する。学習処理部153は、生成した投影モデルを投影モデル記憶部137に記憶させる。
【0064】
脳情報モデル生成部154(第3生成部の一例)は、学習処理部153が生成した投影モデルに基づいて、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザ(既存ユーザ)との間の差分δpqから、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の差分Δpqを推定する。すなわち、脳情報モデル生成部154は、新規ユーザ情報記憶部138が記憶する新規ユーザpの人間情報(I)を取得して、上述した式(2)を用いて、既存人間情報記憶部132が記憶する各既存ユーザqの人間情報(I)との差分δpqを、全既存ユーザ分生成する。
【0065】
また、脳情報モデル生成部154は、投影モデル記憶部137が記憶する投影モデルにより、図9に示すように、人間情報関係性マップにおける新規ユーザpと既存ユーザqとの間の差分δpqから、脳活動情報関係性マップにおける新規ユーザpと既存ユーザqとの間の差分Δpqを推定(投影)する。
【0066】
図9は、本実施形態における投影処理の一例を示す図である。
図9に示す例では、脳情報モデル生成部154は、人間情報関係性マップMP1における新規ユーザpと既存ユーザq(q1~q5)との間の差分δpqから、脳活動情報関係性マップMP2における新規ユーザpと既存ユーザq(q1~q5)との間の差分Δpqを推定(投影)する。ここで、ノードNDは、新規ユーザpを示し、ノードNDq1~ノードNDq5は、既存ユーザp1~既存ユーザp5を示している。
【0067】
また、脳情報モデル生成部154は、推定した新規ユーザpとの既存ユーザqとの間の差分Δpqと、予め生成された既存ユーザ群の各ユーザに対応する脳情報モデルとに基づいて、新規ユーザpに対応する脳情報モデルを生成する。脳情報モデル生成部154は、例えば、既存ユーザ群の中で、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザqに対応する脳情報モデルを、新規ユーザpに対応する脳情報モデルとして生成する。
【0068】
図10は、本実施形態における新規ユーザpの脳情報モデルの生成処理の一例を示す図である。
図10において、ノードNDは、推定した差分Δpqにより示される新規ユーザpの脳活動情報関係性マップ上の位置を示しており、ノードND~ノードNDは、既存ユーザA~既存ユーザDを示している。図10に示す例では、ノードNDが、ノードNDに最も距離が近いため、脳情報モデル生成部154は、ノードNDの既存ユーザDに対応する脳情報モデル(エンコーダ及びデコーダ)を既存脳情報モデル記憶部134から取得して、当該新規ユーザpに対応する脳情報モデルとする。
【0069】
なお、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザ(図10の既存ユーザD)が属するグループ(クラスタ)における脳情報モデルの平均値(既存ユーザA~既存ユーザDに対応する脳情報モデルの平均値)を、新規ユーザpに対応する脳情報モデルとして生成するようにしてもよい。
【0070】
脳情報モデル生成部154は、生成した新規ユーザpに対応する脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139に記憶させる。すなわち、脳情報モデル生成部154は、生成した新規ユーザpに対応する脳情報モデルと、新規ユーザpを示すユーザ識別情報とを対応付けて、図7に示すように、新規脳情報モデル記憶部139に記憶させる。
【0071】
また、脳情報モデル生成部154は、新規ユーザ情報記憶部138が記憶する全新規ユーザに対して、上述した脳情報モデルを生成する処理を実行して、生成した新規ユーザに対応する脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139に記憶させる。
【0072】
予測処理部155は、脳情報モデル生成部154が生成した新規ユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。予測処理部155は、例えば、新規ユーザに対応する脳情報モデル(エンコーダ)を新規脳情報モデル記憶部139から取得し、取得した脳情報モデル(エンコーダ)に基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。また、予測処理部155は、新規ユーザに対応する脳情報モデル(デコーダ)を新規脳情報モデル記憶部139から取得し、取得した脳情報モデル(デコーダ)に基づいて、脳活動情報から評価対象のコンテンツに対する認知・行動情報を予測する。
【0073】
また、予測処理部155は、新規ユーザ群のうちから、指定された人間情報に最も近い新規ユーザを抽出し、抽出された当該新規ユーザに対応する脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139から取得して、取得した脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。
また、予測処理部155は、予測した予測結果を予測結果記憶部141に記憶させる。
【0074】
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理装置1の動作について説明する。
図11は、本実施形態による情報処理装置1の事前処理の一例を示すフローチャートである。
【0075】
図11に示すように、事前処理において、情報処理装置1は、まず、既存ユーザ群の人間情報から人間情報関係性マップを生成する(ステップS101)。すなわち、情報処理装置1の人間情報関係性マップ生成部151は、例えば、既存人間情報記憶部132が記憶する各既存ユーザの人間情報(例えば、既存ユーザに対するアンケート等の回答結果)を取得し、取得した各既存ユーザの人間情報に基づいて、グラフ構造により、人間情報関係性マップを生成する。
【0076】
また、人間情報関係性マップ生成部151は、上述した式(2)により、既存ユーザ群のユーザ間(既存ユーザ間)の差分δxy(第1距離情報)を生成し、生成した差分δxyを人間情報関係性マップに含める。人間情報関係性マップ生成部151は、生成した人間情報関係性マップを人間情報関係性マップ記憶部135に記憶させる。
【0077】
次に、情報処理装置1の脳活動情報関係性マップ生成部152は、既存ユーザ群の脳活動情報から脳活動情報関係性マップを生成する(ステップS102)。すなわち、脳活動情報関係性マップ生成部152は、例えば、既存脳活動情報記憶部133が記憶する各既存ユーザの脳活動情報(例えば、既存ユーザに対するfMRIの計測データ)を取得し、取得した各既存ユーザの脳活動情報に基づいて、グラフ構造により、脳活動情報関係性マップを生成する。脳活動情報関係性マップ生成部152は、上述した式(3)及び式(4)を用いて、既存ユーザ群のユーザ間(既存ユーザ間)の差分Δxy(第2距離情報)を生成し、生成した差分Δxyを脳活動情報関係性マップに含める。脳活動情報関係性マップ生成部152は、生成した脳活動情報関係性マップを脳活動情報関係マップ性記憶部136に記憶させる。
【0078】
次に、情報処理装置1の学習処理部153は、機械学習により、人間情報関係性マップ内の既存ユーザ間の差分δxyから脳活動情報関係性マップ内の既存ユーザ間の差分Δxyを推定する投影モデルを生成する(ステップS103)。学習処理部153は、既存ユーザ群の各ユーザ間の全組み合わせ(例えば、既存ユーザが50名で、1225通りの組み合わせ)の差分δxy及び差分Δxyの組を学習データとし、図8に示すように、差分δxyを入力データ、差分Δxyを出力データとして、教師あり機械学習を実行して、投影モデルを生成する。学習処理部153は、生成した投影モデルを投影モデル記憶部137に記憶させる。
【0079】
次に、情報処理装置1の脳情報モデル生成部154は、新規ユーザ情報記憶部138が記憶する新規ユーザpの人間情報から既存ユーザqとの間の差分δpqを生成する(ステップS104)。脳情報モデル生成部154は、上述した式(2)を用いて、差分δpqを、全既存ユーザ分生成する。
【0080】
次に、脳情報モデル生成部154は、投影モデルを用いて、人間情報関係性マップ上の差分δpqから脳活動情報関係性マップ上の差分Δpqを推定する(ステップS105)。すなわち、脳情報モデル生成部154は、投影モデル記憶部137が記憶する投影モデルにより、図9に示すように、人間情報関係性マップにおける新規ユーザpと既存ユーザqとの間の差分δpqから、脳活動情報関係性マップにおける新規ユーザpと既存ユーザqとの間の差分Δpqを推定(投影)する。脳情報モデル生成部154は、新規ユーザpと既存ユーザqとの間の差分Δpqを全既存ユーザ分生成する。
【0081】
次に、脳情報モデル生成部154は、差分Δpqを用いて、既存ユーザの脳情報モデルから新規ユーザpの脳情報モデルを生成し、新規脳情報モデル記憶部に記憶させる(ステップS106)。脳情報モデル生成部154は、例えば、既存ユーザ群の中で、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザqに対応する脳情報モデルを、新規ユーザpに対応する脳情報モデルとして生成する。脳情報モデル生成部154は、生成した新規ユーザpに対応する脳情報モデルと、新規ユーザpを示すユーザ識別情報とを対応付けて、図7に示すように、新規脳情報モデル記憶部139に記憶させる。
【0082】
次に、脳情報モデル生成部154は、次の新規ユーザpがあるか否かを判定する(ステップS107)。脳情報モデル生成部154は、新規ユーザ情報記憶部138を確認し、次の新規ユーザpが存在するか否かを判定する。脳情報モデル生成部154は、次の新規ユーザpがある場合(ステップS107:YES)に、処理をステップS108に進める。また、脳情報モデル生成部154は、次の新規ユーザpがない場合(ステップS107:NO)に、事前処理を終了する。
【0083】
ステップS108において、脳情報モデル生成部154は、新規ユーザpを次の新規ユーザに更新して、処理をステップS104に戻す。これにより、脳情報モデル生成部154は、新規ユーザ情報記憶部138が記憶する全新規ユーザに対応する脳情報モデルを生成するまで、ステップS104からステップS108の処理を繰り替える。
【0084】
なお、上述した図11に示す処理では、ステップS106の処理において、脳情報モデル生成部154は、差分Δpqを用いて、既存ユーザの脳情報モデルから新規ユーザpの脳情報モデルを生成する例を説明したが、差分Δpqを用いて、新規ユーザpの脳活動情報を推定し、推定した脳活動情報から新規ユーザpの脳情報モデルを生成するようにしてもよい。
【0085】
この場合、脳情報モデル生成部154は、例えば、差分Δpqと、予め計測された既存ユーザの脳活動情報とに基づいて、新規ユーザpの脳活動情報を推定する。脳情報モデル生成部154は、例えば、既存ユーザ群の中で、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザqに対応する脳活動情報を、新規ユーザpに対応する脳活動情報として推定する。すなわち、脳情報モデル生成部154は、既存脳活動情報記憶部133が記憶する脳活動情報に中から、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザqに対応する脳活動情報を取得する。
【0086】
また、脳情報モデル生成部154は、推定した新規のユーザに対応する脳活動情報と、所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報(所定のコンテンツに付与されたラベル情報)とに基づいて、新規ユーザpに対応する脳情報モデルを生成する。ここで、脳情報モデルを生成する技術としては、例えば、特開2019-32767号公報に記載の技術が適用可能である。
【0087】
また、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザ(図10の既存ユーザD)が属するグループ(クラスタ)における脳活動情報の平均値(既存ユーザA~既存ユーザDに対応する脳活動情報の平均値)を、新規ユーザpに対応する脳活動情報として推定するようにしてもよい。
【0088】
次に、図12を参照して、本実施形態による情報処理装置1の予測処理について説明する。
図12は、本実施形態による情報処理装置1の予測処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
図12に示すように、予測処理において、情報処理装置1は、まず、指定された人間情報に最も近い新規ユーザを抽出する(ステップS201)。情報処理装置1の予測処理部155は、例えば、情報処理装置1のシステム利用者によって、入力部11を介して、指定された人間情報(例えば、予測したいペルソナ(ユーザ像)の情報など)に基づいて、指定された人間情報に最も近い新規ユーザを、新規ユーザ情報記憶部138の中から抽出する。
【0090】
次に、予測処理部155は、抽出した新規ユーザに対応する脳情報モデルを取得する(ステップS202)。予測処理部155は、抽出した新規ユーザに対応する脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139から取得する。具体的には、予測処理部155は、抽出した新規ユーザを示すユーザ識別情報に対応付けられた脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139から取得する。
【0091】
次に、予測処理部155は、取得した脳情報モデルを用いて、新規コンテンツ(評価対象のコンテンツ)に対する脳活動情報及びデコード情報(認知・行動情報)を予測する(ステップS203)。予測処理部155は、例えば、取得した脳情報モデルのエンコーダ(脳活動予測モデル)に基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。また、予測処理部155は、例えば、取得した脳情報モデルのデコーダ(認知・行動予測モデル)に基づいて、脳活動情報から評価対象のコンテンツに対する認知・行動情報を予測する。予測処理部155は、予測した予測結果を予測結果記憶部141に記憶させる。
【0092】
次に、予測処理部155は、予測した脳活動情報及びデコード情報(認知・行動情報)を出力する(ステップS204)。予測処理部155は、予測した脳活動情報及び認知・行動情報を、予測結果記憶部141から取得して、例えば、表示部12に表示させる。ステップS204の処理後に、予測処理部155は、処理を終了する。
【0093】
次に、図13を参照して、本実施形態による情報処理装置1の予測処理の別の一例について説明する。
図13は、本実施形態による情報処理装置1の予測処理の別の一例を示すフローチャートである。この図に示す一例では、評価対象の新規コンテンツに対して有効なユーザ(クリック意向が高いユーザ)を予測して、当該新規コンテンツを配信する例について説明する。
【0094】
図13において、情報処理装置1は、まず、評価対象の新規コンテンツを登録する(ステップS301)。情報処理装置1の予測処理部155は、例えば、情報処理装置1のシステム利用者によって、入力部11を介して、指定された評価対象の新規コンテンツを登録する。予測処理部155は、指定された評価対象の新規コンテンツをコンテンツ記憶部140に記憶させる。
【0095】
次に、予測処理部155は、高クリック意向の出力指示を受け付ける(ステップS302)。予測処理部155は、情報処理装置1のシステム利用者によって、入力部11を介して受け付けた高クリック意向の出力指示を取得する。ここで、クリック意向とは、コンテンツ(例えば、動画や静止画)をユーザに提示した際に、ユーザがクリック(選択)する確率を予測した結果(デコード情報)であり、高クリック意向とは、ユーザがクリックする確率が高いことを示している。
【0096】
次に、予測処理部155は、全新規ユーザに対応する脳情報モデルを用いて、新規コンテンツに対するデコード情報(クリック意向)を算出して、クリック意向の一覧を生成する(ステップS303)。予測処理部155は、新規ユーザ情報記憶部138が記憶する全新規ユーザに対応する脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139から順次取得して、取得した当該脳情報モデルを用いて脳活動を推定し、新規コンテンツに対するデコード情報(クリック意向)を算出する。予測処理部155は、新規ユーザ(のユーザ識別情報)と、算出したデコード情報(クリック意向)とを対応付けたクリック意向の一覧を生成する。
【0097】
次に、予測処理部155は、生成したクリック意向の一覧からクリック意向の高い新規ユーザを抽出する(ステップS304)。予測処理部155は、例えば、クリック意向の一覧からクリック意向の最も高い新規ユーザを抽出する。
【0098】
次に、予測処理部155は、サードパーティのDMP(Data Management Platform)上でクリック意向の高い新規ユーザに類似するユーザを抽出する(ステップS305)。ここで、サードパーティのDMP(不図示)は、外部のサードパーティのデータベースであり、各ユーザの過去の膨大なウェブ閲覧の履歴が蓄積されている。また、新規ユーザ情報記憶部138が記憶する新規ユーザと、サードパーティのDMPのユーザとは、予めCookie(クッキー)データが対応付けられている。予測処理部155は、選択したクリック意向の最も高い新規ユーザと、Cookieデータが対応付けられているサードパーティのDMPのユーザ群を抽出する。
【0099】
次に、予測処理部155は、抽出した新規ユーザに類似するユーザに対して、新規コンテンツを配信する(ステップS306)。すなわち、予測処理部155は、抽出したサードパーティのDMPのユーザ群に対して、評価対象の新規コンテンツを配信する。
【0100】
これにより、上述した図13に示す予測処理の一例では、情報処理装置1は、評価対象の新規コンテンツに対してクリック意向の高いユーザ群に対して、評価対象の新規コンテンツを配信するため、効果(行動)の期待できるユーザ群に効率良く新規コンテンツを配信することができる。
【0101】
以上説明したように、本実施形態による情報処理装置1は、人間情報関係性マップ生成部151(第1生成部)と、脳活動情報関係性マップ生成部152(第2生成部)と、学習処理部153と、脳情報モデル生成部154(第3生成部)と、予測処理部155とを備える。人間情報関係性マップ生成部151は、既存ユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する人間情報に基づいて、人間情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す人間情報関係性マップ(第1関係性情報)を生成する。ここで、人間情報は、例えば、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である。脳活動情報関係性マップ生成部152は、既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された脳活動情報に基づいて、脳活動情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す脳活動情報関係性マップ(第2関係性情報)を生成する。ここで、脳活動情報は、例えば、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された計測データ(例えば、fMRIの計測データ)である。学習処理部153は、人間情報関係性マップ生成部151が生成した人間情報関係性マップと、脳活動情報関係性マップ生成部152が生成した脳活動情報関係性マップとに基づいて、機械学習によって、人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報(例えば、差分δxy)から、脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報(例えば、差分Δxy)を推定する投影モデル(距離推定モデル)を生成する。脳情報モデル生成部154は、学習処理部153が生成した投影モデルに基づいて、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第1距離情報(例えば、差分δpq)から、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δpq)を推定し、推定した新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δpq)と、予め生成された既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、新規ユーザに対応する脳情報モデルを生成する。予測処理部155は、脳情報モデル生成部154が生成した新規ユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。
【0102】
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、人間情報関係性マップ(第1関係性情報)と脳活動情報関係性マップ(第2関係性情報)との関係を利用することで、新規ユーザに対応する脳情報モデルを、生体計測を伴わずに生成することができる。そのため、本実施形態による情報処理装置1は、新規ユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
また、本実施形態による情報処理装置1は、新規ユーザに対して、例えば、fMRIなどによる生体計測を行う必要がないため、処理時間及び処理コストを大幅に低減させることができる。
【0103】
なお、従来技術では、生体計測を伴わないと脳活動からデコード情報(認知・行動情報)を生成することが困難であった。これに対して、本実施形態による情報処理装置1は、生体計測を伴わずに脳活動を予測できるため、生体計測を伴わずにデコード情報(認知・行動情報)を予測することができる。
【0104】
また、本実施形態では、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群よりユーザ数が多い新規のユーザの集合である新規ユーザ群の各ユーザに対応する脳情報モデルを生成し、生成した脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139(ユーザモデル記憶部)に記憶さる。予測処理部155は、新規ユーザ群のうちから、指定された人間情報に最も近い新規ユーザを抽出し、抽出された当該新規ユーザに対応する脳情報モデルを新規脳情報モデル記憶部139から取得して、取得した脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。
【0105】
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、既存ユーザ群の脳情報モデルを予め生成して、新規脳情報モデル記憶部139に記憶させておくことで、毎回、新規ユーザに対応する脳情報モデルを生成する必要がなく、予測処理のための処理時間及び処理量を低減することができる。
【0106】
また、本実施形態では、脳情報モデルには、脳活動情報を予測するエンコーダ(脳活動予測モデル)と、脳活動情報から認知・行動情報を予測するデコーダ(認知・行動予測モデル)とが含まれる。脳情報モデル生成部154は、新規ユーザに対応するエンコーダ(脳活動予測モデル)及びデコーダ(認知・行動予測モデル)を生成する。予測処理部155は、新規ユーザに対応するエンコーダ(脳活動予測モデル)に基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測し、新規ユーザに対応するデコーダ(認知・行動予測モデル)に基づいて、評価対象のコンテンツに対する認知・行動情報を予測する。
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、脳活動情報を予測できるとともに、認知・行動情報を予測することができる。
【0107】
また、本実施形態では、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した第2距離情報(例えば、差分Δpq)の示す距離が最も近い既存ユーザに対応する脳情報モデルを、新規ユーザに対応する脳情報モデルとして生成する。
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、簡易な手法により、評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0108】
また、本実施形態では、既存ユーザ群は、第2距離情報(例えば、差分Δpq)に基づくクラスタリングによりグループ分けされている。そして、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した第2距離情報(例えば、差分Δpq)の示す距離が最も近い既存ユーザが属するグループ(クラスタ)における脳情報モデルの平均値を、新規ユーザに対応する脳情報モデルとして生成するようにしてもよい。
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、平均値を利用するという簡易な手法により、評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0109】
また、本実施形態による脳活動予測方法は、第1生成ステップと、第2生成ステップと、学習処理ステップと、第3生成ステップと、予測処理ステップとを含む。第1生成ステップにおいて、人間情報関係性マップ生成部151が、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存のユーザの集合である既存ユーザ群のユーザに対する人間情報に基づいて、人間情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す人間情報関係性マップを生成する。第2生成ステップにおいて、脳活動情報関係性マップ生成部152が、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された脳活動情報に基づいて、脳活動情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す脳活動情報関係性マップを生成する。学習処理ステップにおいて、学習処理部153が、第1生成ステップによって生成された人間情報関係性マップと、第2生成ステップによって生成された脳活動情報関係性マップとに基づいて、機械学習によって、人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報(例えば、差分δxy)から、脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報(例えば、差分Δxy)を推定する投影モデル(距離推定モデル)を生成する。第3生成ステップにおいて、脳情報モデル生成部154が、学習処理部153が生成した投影モデルに基づいて、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第1距離情報(例えば、差分δpq)から、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δpq)を推定し、推定した新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δpq)と、予め生成された既存ユーザ群の各ユーザに対応する少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルとに基づいて、新規ユーザに対応する脳情報モデルを生成する。予測処理ステップにおいて、予測処理部155が、脳情報モデル生成部154が生成した新規ユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動情報を予測する。
【0110】
これにより、本実施形態による脳活動予測方法は、上述した情報処理装置1と同様の効果を奏し、生体計測を実施していない新規ユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0111】
また、本実施形態による情報処理装置1は、人間情報関係性マップ生成部151(第1生成部)と、脳活動情報関係性マップ生成部152(第2生成部)と、学習処理部153と、脳情報モデル生成部154(第3生成部)と、予測処理部155とを備える。脳情報モデル生成部154は、学習処理部153が生成した投影モデルに基づいて、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第1距離情報(例えば、差分δpq)から、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δpq)を推定し、推定した新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δpq)と、既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された脳活動情報とに基づいて、新規ユーザに対応する脳活動情報を推定し、推定した新規ユーザに対応する脳活動情報と、所定のコンテンツに対する認知・行動の意味内容を示すラベル情報とに基づいて、新規ユーザに対応する脳情報モデルを生成するようにしてもよい。
【0112】
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、上述した場合と同様の効果を奏し、生体計測を実施していない新規ユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0113】
また、本実施形態では、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した第2距離情報(例えば、差分Δpq)の示す距離が最も近い既存ユーザに対応する脳活動情報を、新規ユーザに対応する脳活動情報として推定するようにしてもよい。
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、簡易な手法により、評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0114】
また、本実施形態では、既存ユーザ群は、第2距離情報(例えば、差分Δpq)に基づくクラスタリングによりグループ分けされている。そして、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した第2距離情報(例えば、差分Δpq)の示す距離が最も近い既存ユーザが属するグループ(クラスタ)における脳活動情報の平均値を、新規ユーザに対応する脳活動情報として推定するようにしてもよい。
これにより、本実施形態による情報処理装置1は、平均値を利用するという簡易な手法により、評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0115】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による情報処理装置1a及び情報処理システム10について説明する。
【0116】
本実施形態では、第1の実施形態による情報処理を打ち1が、上述した事前処理を実行する学習処理装置2と、予測処理を実行する情報処理装置1aとに分かれて構成され、情報処理システム10を構成する変形例について説明する。
【0117】
図14は、本実施形態による情報処理システム10の一例を示すブロック図である。
図14に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置1aと、学習処理装置2とを備える。
なお、この図において、上述した図1に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
【0118】
学習処理装置2は、上述した事前処理を実行する装置であり、例えば、記憶部13aと、制御部15aとを備える。
記憶部13aは、学習処理装置2が実行する処理に利用される各種情報を記憶する。記憶部13aは、既存ユーザ情報記憶部131と、既存人間情報記憶部132と、既存脳活動情報記憶部133と、既存脳情報モデル記憶部134と、人間情報関係性マップ記憶部135と、脳活動情報関係マップ性記憶部136と、投影モデル記憶部137と、新規ユーザ情報記憶部138と、新規脳情報モデル記憶部139とを備える。
【0119】
制御部15aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、学習処理装置2を統括的に制御する。制御部15aは、人間情報関係性マップ生成部151と、脳活動情報関係性マップ生成部152と、学習処理部153と、脳情報モデル生成部154とを備える。
【0120】
なお、学習処理装置2は、上述した第1の実施形態による情報処理装置1の事前処理に関する機能を独立した装置に分離したものであり、上述した図11に示す事前処理と同様の処理を実行する。
【0121】
情報処理装置1aは、上述した予測処理を実行する装置であり、例えば、入力部11と、表示部12と、記憶部13bと、制御部15bとを備える。情報処理装置1aは、予測処理を実行する際に、学習処理装置2の新規ユーザ情報記憶部138及び新規脳情報モデル記憶部139が記憶する情報を取得して利用する。
【0122】
記憶部13bは、情報処理装置1aが実行する処理に利用される各種情報を記憶する。記憶部13bは、コンテンツ記憶部140と、予測結果記憶部141とを備える。
制御部15bは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、情報処理装置1aを統括的に制御する。制御部15bは、予測処理部155を備える。
【0123】
なお、情報処理装置1aは、上述した第1の実施形態による情報処理装置1の予測処理に関する機能を独立した装置に分離したものであり、上述した図12に示す予測処理と同様の処理を実行する。
【0124】
以上説明したように、本実施形態による情報処理装置1aは、少なくとも脳活動情報を推定する脳情報モデルであって、新規ユーザに対応する脳情報モデルに基づいて、評価対象のコンテンツに対する脳活動を示す脳活動情報を予測する予測処理部155を備える。ここで、新規のユーザに対応する脳情報モデルは、第1生成処理と、第2生成処理と、学習処理と、第3生成処理とを実行することで生成されたものである。第1生成処理は、ユーザに対して所定のアンケートを行った回答結果である人間情報であり、既存ユーザ群のユーザに対する人間情報に基づいて、人間情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す人間情報関係性マップを生成する処理である。第2生成処理は、ユーザに所定のコンテンツによる刺激を与えて計測された脳活動情報であり、既存ユーザ群のユーザに対して生体計測により計測された脳活動情報に基づいて、脳活動情報における既存ユーザ群のユーザ間の距離の関係性を示す脳活動情報関係性マップを生成する処理である。学習処理は、第1生成処理によって生成された人間情報関係性マップと、第2生成処理によって生成された脳活動情報関係性マップとに基づいて、機械学習によって、人間情報におけるユーザ間の距離を示す第1距離情報(例えば、差分δxy)から、脳活動情報におけるユーザ間の距離を示す第2距離情報(例えば、差分Δxy)を推定する投影モデルを生成する処理である。第3生成処理は、学習処理によって生成された投影モデルに基づいて、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第1距離情報(例えば、差分δxy)から、新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δxy)を推定し、推定した新規ユーザと既存ユーザ群のユーザとの間の第2距離情報(例えば、差分Δxy)と、予め生成された既存ユーザ群の各ユーザに対応する脳情報モデルとに基づいて、新規のユーザに対応する脳情報モデルを生成する。
【0125】
これにより、本実施形態による情報処理装置1aは、上述した情報処理装置1と同様の効果を奏し、生体計測を実施していない新規ユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0126】
また、本実施形態による情報処理システム10は、上述した学習処理装置2と、情報処理装置1aとを備える。学習処理装置2は、人間情報関係性マップ生成部151と、脳活動情報関係性マップ生成部152と、学習処理部153と、脳情報モデル生成部154とを備える。
【0127】
これにより、本実施形態による情報処理システム10は、上述した情報処理装置1と同様の効果を奏し、生体計測を実施していない新規ユーザに対して、生体計測を伴わずに評価対象のコンテンツに対する脳活動を精度よく予測することができる。
【0128】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態において、1台の装置である情報処理装置1と、情報処理装置1a及び学習処理装置2を備える情報処理システム10との2つの実施形態により説明したが、これに限定されるものではなく、情報処理装置1又は学習処理装置2の一部構成を、外部装置が備えるようにしてもよい。例えば、記憶部13(13a、13b)の一部又は全部の構成を、ネットワークを経由して接続可能な外部記憶装置(例えば、ファイルサー装置など)が備えるようにしてもよい。
【0129】
また、例えば、制御部15(15a、15b)の一部又は全部の機能を、外部記憶装置(例えば、ファイルサー装置)など)が備えるようにしてもよい。
【0130】
また、上記の各実施形態において、脳活動を計測する手段としてfMRIを用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、fMRIの代わりに、MEG(脳磁図:Magnetoencephalography)やEEG(脳波計:Electroencephalogram)、等を用いてもよい。なお、脳活動を計測する手段としてMEG又はEEGを用いた場合には、脳波の強度、脳波の各周波数帯におけるパワーや位相などを計測データとして、脳活動行列が生成されるようにしてもよい。
【0131】
また、上記の各実施形態において、脳情報モデル生成部154は、既存ユーザ群の中で、推定した差分Δpqの示す距離が最も近い既存ユーザが属するグループ(クラスタ)における脳情報モデルの平均値を、新規ユーザpに対応する脳情報モデルとして生成する例を説明したが、グループ(クラスタ)内の新規ユーザpと既存ユーザとの距離に応じて重み付けした平均値を用いてもよい。
【0132】
また、上記の各実施形態において、ユーザ間の距離の関係性を示す関係性情報の一例として、グラフ構造を用いた人間情報関係性マップ及び脳活動情報関係性マップを適用する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の手法を用いた関係性情報であってもよい。
【0133】
なお、上述した情報処理システム10及び情報処理装置1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理システム10及び情報処理装置1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理システム10及び情報処理装置1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0134】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理システム10及び情報処理装置1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0135】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0136】
1、1a 情報処理装置
2 学習処理装置
10 情報処理システム
11 入力部
12 表示部
13、13a、13b 記憶部
15、15a、15b 制御部
131 既存ユーザ情報記憶部
132 既存人間情報記憶部
133 既存脳活動情報記憶部
134 既存脳情報モデル記憶部
135 人間情報関係性マップ記憶部
136 脳活動情報関係マップ性記憶部
137 投影モデル記憶部
138 新規ユーザ情報記憶部
139 新規脳情報モデル記憶部
140 コンテンツ記憶部
141 予測結果記憶部
151 人間情報関係性マップ生成部
152 脳活動情報関係性マップ生成部
153 学習処理部
154 脳情報モデル生成部
155 予測処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14