(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240612BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240612BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2023185931
(22)【出願日】2023-10-30
【審査請求日】2023-11-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和4年12月26日ウェブサイト上に掲載、ウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000035800.html
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517274039
【氏名又は名称】株式会社Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】110002701
【氏名又は名称】弁理士法人Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】100188525
【氏名又は名称】宮崎 超史
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 超史
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-512614(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0056035(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第112102046(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得部と、
表示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得部は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示部は、前記検索部の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得部で得た情報に基づいて検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する
とともに、検索された知的財産を表示する際、知的財産を前記知的財産売買システムに出品するための手続きを支援する処理を実行する出品ボタンを画面に表示する
ことを特徴とする知的財産検索装置。
【請求項2】
前記知的財産売買情報取得部は、前記検索部の検索結果を用いて前記知的財産売買システムから情報を取得するものであり、前記知的財産売買システム内の該当の知的財産にたどり着くためのキー情報を前記検索部の検索結果から取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項3】
前記知的財産売買情報取得部は、前記検索部の検索結果を用いずに前記知的財産売買システムから情報を取得するものであり、前記知的財産売買システム内の該当の知的財産にたどり着くためのキー情報としてユーザーから受け付けた検索キーを用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記検索部の検索結果として、前記検索部により検索された一以上の知的財産を一覧形式で表示するとともに、前記検索部の検索結果と、検索結果における知的財産が出品されているかどうかの情報とをあわせて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記検索部の検索結果として、前記検索部により検索された一以上の知的財産を一覧形式で表示するとともに、前記受付部が受け付けたユーザーからの指示に基づいて、前記検索部により検索された知的財産の詳細を表示するとともに、知的財産の詳細と、当該知的財産が出品されているかどうかの情報とをあわせて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項6】
前記表示部は、検索された知的財産を表示する際、出品されている知的財産を購入するための手続きを支援する処理を実行する購入ボタンを画面に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項7】
前記表示部は、検索された知的財産を表示する際、知的財産を更新するための手続きを支援する処理を実行する更新ボタンを画面に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の知的財産検索装置。
【請求項8】
前記表示部は、検索された知的財産のうち知的財産権が存続している場合、出品されている旨を表示する
ことを特徴とする請求項1に知的財産検索装置。
【請求項9】
前記知的財産売買システムは、出品されている知的財産の出品金額を含む付加情報を有し、
前記表示部は、検索結果における知的財産が出品されているかどうかの情報とあわせて前記付加情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に知的財産検索装置。
【請求項10】
知的財産検索装置により行う知的財産検索方法であり、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
前記知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録工程と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付工程と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索工程と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得工程と、
表示工程と、を実行し、
前記登録工程は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得工程は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示工程は、前記検索工程の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得工程で得た情報により検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する
とともに、検索された知的財産を表示する際、知的財産を前記知的財産売買システムに出品するための手続きを支援する処理を実行する出品ボタンを画面に表示する
ことを特徴とする知的財産検索方法。
【請求項11】
知的財産検索装置に処理を実行させる知的財産検索プログラムであり、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
前記知的財産検索装置に、
前記記憶手段に登録を行う登録処理と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付処理と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索処理と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得処理と、
表示処理と、を実行させ、
前記登録処理は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得処理は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示処理は、前記検索処理の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得処理で得た情報により検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する
とともに、検索された知的財産を表示する際、知的財産を前記知的財産売買システムに出品するための手続きを支援する処理を実行する出品ボタンを画面に表示する
ことを特徴とする知的財産検索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、知的財産の重要度がますます高まっており、知的財産に関する権利(知的財産権)を取得するための出願が数多くなされている。知的財産権を取得するために、同一の知的財産について出願がなされているかを調査する必要が生じている。また、自身の業務を行う際に、他者の知的財産権を侵害しているかどうかを調査する必要が生じている。従来、これらの調査を行う際に、知的財産を検索するための技術が利用されている。例えば特許文献1では、知的財産の情報を有するデータを用いて検索を行う情報検索システムが開示されている。
【0003】
また、近年、知的財産権を売買するニーズが高まっている。権利の売買(権利の譲渡)については、譲渡の相手を特定した上で譲渡の申出をすることに加え、不特定多数に対して譲渡の申出を行う仕組みについて検討されている。例えば特許文献2では、webサイト上で知的財産権を掲載・出品し、ネットオークション形式あるいはネットショッピング形式で他の利用者と売買を行うことが提案されている。
また、特許文献3では、知的財産権及び知的財産権に関する権利のいずれかを商品として、当該商品につきネットワークを利用して取引契約するネットワーク利用の知的財産権取引方法が開示されている。
また、特許文献4では、知的財産に関する権利の売却情報を掲載すると共に、該権利に対する買値を提示した入札の申し込みを受け付ける知的財産権売買システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-206376号公報
【文献】特開2016-110348号公報
【文献】特開2002-99776号公報
【文献】特開2004-78524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、知的財産の検索を行うシステムと、知的財産の売買を行うシステムとがそれぞれ別であるため、ユーザーに不便が生じていた。
知的財産の検索を行うシステムは、知的財産の検索を行うことを目的としているため、検索された知的財産について売買を行うといった別の操作が想定されていない。検索された知的財産が売買されているのかを調べるには、さらに別の知的財産売買システムで検索を行う必要がありユーザーにとって不便である。
なお、知的財産の検索を行うシステムとして、知的財産管理システムも例示できるが、知的財産管理システムでは、そのシステムを使用する限られたユーザーの案件のみしか検索できない。そのため、知的財産を検索することに関しては不十分である。
【0006】
知的財産売買システムでも知的財産の検索を行うが、知的財産の売買を行うことを前提としたユーザーがそのシステムを使用するため、目的が限られる。知的財産の検索を広く一般に行う際、ユーザーは様々な目的をもってシステムを利用する。例えば、自身の知的財産について権利を取得するための出願をする際に、すでに同じ内容で権利が取得されているかどうかを調べる場合のほか、権利を取得せずに自身の知的財産を実施や使用する際、他者の権利を侵害することになるかどうかを調べる場合などが挙げられる。もし自身の知的財産と同様の権利が見つかった場合、直ちに権利を購入することにはならず、侵害を回避するために実施や使用の態様を変更することを検討する場合もある。そのため、知的財産を検索する際に、始めから知的財産売買システムを使用する場合は非常にまれなケースであり、通常は知的財産の検索を行うシステムを使用する。しかし、上述したように、従来の知的財産の検索を行うシステムでは、検索された知的財産が売買されているかを調べるには、さらに別の知的財産売買システムで検索を行う必要があるため、異なるシステムを使用して検索を繰り返す必要があり非常に不便であった。
【0007】
そこで、本発明は、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の売買情報を表示する機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減した知的財産検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の知的財産検索装置は、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得部と、
表示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得部は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示部は、前記検索部の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得部で得た情報に基づいて検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示するとともに、検索された知的財産を表示する際、知的財産を前記知的財産売買システムに出品するための手続きを支援する処理を実行する出品ボタンを画面に表示する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の売買情報を表示する機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減した知的財産検索装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の知的財産検索装置の一例を示す図である。
【
図3】知的財産売買情報取得部の一例を説明するための図(A)及び(B)である。
【
図10】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
【
図13】知的財産表示画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る知的財産検索装置、知的財産検索方法及び知的財産検索プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0012】
本発明の知的財産検索装置は、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索装置であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
当該知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録部と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索部と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得部と、
表示部と、を有し、
前記登録部は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得部は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示部は、前記検索部の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得部で得た情報に基づいて検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の知的財産検索装置を説明するための図である。
図1では、知的財産検索装置10、記憶手段31、知的財産売買システム32、ユーザー40、端末41が図示されている。なお、図中の矢印はデータの流れや指示等を模式的に示している。
【0014】
ユーザー40としては、特に制限されるものではなく、例えば法人、個人、団体など適宜使用が可能であり、国、企業、特許事務所、その他の事務所等が挙げられる。ユーザーとしているが、使用者、管理者、利用者、対象者、受領者などと称してもよい。以下の説明では、ユーザーと対象者を区別なくともに用いている。また、端末41としては、PC、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
【0015】
本実施形態の知的財産検索装置10は、登録部11、受付部12、検索部13、知的財産売買情報取得部14、表示部15を有する。本実施形態の知的財産検索装置10は、例えばCPU、RAM、ROM、HDD、IF等を有し、必要に応じてその他の部品等を有する。
【0016】
端末41と知的財産検索装置10との通信方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。
【0017】
記憶手段31は、知的財産の情報を記憶している。知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものである。
なお、本実施形態では、知的財産と称したとき、特に断りのない限り、知的財産庁に出願された知的財産と、知的財産庁で権利が付与された知的財産権とを含むものとする。また、以下では、知的財産の種別と称することがあり、知的財産の種別とは、特許、実用新案、意匠又は商標をいう。また、知的財産庁は、例えば日本国特許庁が挙げられ、日本の知的財産庁のみならず、外国の知的財産庁も含む。
【0018】
記憶手段31が記憶する情報としては、例えば、出願番号、出願人、出願人の住所又は居所、登録番号、権利者、権利者の住所又は居所、存続期間満了日、出願人又は権利者の識別番号、発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、図面、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠、意匠に係る物品、意匠の説明、商標、区分、指定商品又は指定役務などが挙げられる。この他にも例えば、補正の内容、補正した日、拒絶理由通知や拒絶査定がなされた日、その他の手続きの内容や手続きを行った日などを記憶していてもよい。これらは知的財産庁が公開する情報に基づいて作成される。
【0019】
本実施形態において、記憶手段31に記憶される知的財産は、知的財産検索装置10を利用するユーザーが有するものに限られない。例えば、過去に特許庁に出願されたもの、過去に特許庁で権利が付与されたもの等が記憶されていてもよい。国内の案件に限られず、外国の案件が記憶されていてもよい。
【0020】
記憶手段31は、知的財産検索装置10が有していてもよいし、知的財産検索装置10の外部に設けられていてもよい。例えばクラウド上に設けられていてもよい。知的財産検索装置10と記憶手段31との通信手段は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。また、記憶手段31は1つであってもよいし、複数からなるものであってもよい。
【0021】
知的財産売買システム32は、知的財産検索装置10の外部又は内部に存在する。図示する例では、知的財産検索装置10の外部に存在する場合の例としているが、これに限られない。知的財産売買システム32は、知的財産の売買に関する情報を有しており、例えば、知的財産と、その知的財産が出品されているかどうかを示す情報とを有し、必要に応じて、その他の情報を有している。知的財産が出品されているとあるのは、知的財産が販売されているなどと称してもよく、その他にも、知的財産について譲渡の申出がなされているなどと称してもよい。
【0022】
知的財産の売買に関する情報としては、例えば、知的財産が出品されているかどうかを示す情報、出品金額、落札金額(購入金額)、出品者、落札者(購入者)、出品日、知的財産についての説明文などが挙げられる。
【0023】
知的財産売買システム32が有する機能は、特に制限されるものではなく、知的財産売買情報取得部14が知的財産の売買に関する情報を取得できればよい。例えば、知的財産売買情報取得部14の求めに応じて情報を提供する機能が挙げられる。知的財産売買システムは、知的財産売買サイトなどと称してもよい。知的財産売買システム32としては、一般的に提供されている知的財産売買サービス等を用いることができる。
【0024】
知的財産検索装置10と知的財産売買システム32との通信手段は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。また、知的財産売買システム32は1つであってもよいし、複数からなるものであってもよい。
【0025】
登録部11は、記憶手段31に登録(記憶させるなどと称してもよい)を行う。
本実施形態における登録部11は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を記憶手段31に登録する。
【0026】
知的財産庁が公開する知的財産は、知的財産庁に出願されたもの、知的財産庁で登録されたものが挙げられる。どのタイミングで公開されるかについては、特許、実用新案、意匠、商標によって異なる。登録部11が記憶手段31に登録する際には、特許、実用新案、意匠、商標の区別をすることなく、公開されたものを登録すればよい。また、出願時や登録時に公開される情報に限られず、審査請求、審判請求、補正書や意見書の提出、更新登録、住所変更、名義変更、移転などを行って公開された情報についても、記憶手段31に登録されることが好ましい。
【0027】
図2は、登録部11の処理内容を模式的に示す図である。登録部11がインターネット20を介して知的財産庁のサイト22にアクセスし、知的財産庁のサイト22が公開する知的財産の情報を取得し、取得した情報を記憶手段31に登録する。
【0028】
登録部11は、定期的に又は不定期的に継続して知的財産の内容を記憶手段31に登録する。特に制限されるものではないが、登録部11は、例えば毎日、毎週、毎月などのように定期的に登録を行う。またこの他にも、登録の指示を受けるなどのように不定的に登録を行う。定期的に又は不定期的に継続して知的財産の内容を記憶手段31に登録することで、記憶手段31の内容を充実させることができる。
【0029】
本実施形態において、ユーザーは、記憶手段31に知的財産の情報を記憶させることが不要である。これにより、ユーザーの手間を低減できる。本実施形態においては、あらかじめ知的財産の内容を記憶した記憶手段31を用いているため、ユーザーは入力の手間を省ける。また、ユーザーが知的財産の内容を手入力する必要がないため、記憶手段31に記憶される知的財産の内容に間違えが生じにくくなる。ユーザーが記憶手段31に知的財産の内容を入力する場合、入力ミスが生じる可能性があるため、本実施形態では知的財産の内容の正確性を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態において、ユーザーは、記憶手段31に知的財産の情報を記憶させることが不要であるため、数多くの知的財産の情報を登録する場合にも、ユーザーに負担がかかることを防止することができる。また、数多くの知的財産の情報を登録する場合にも、知的財産の内容の正確性を確保することができる。
【0031】
本実施形態における登録部11は、知的財産売買システム32に対する登録を行ってもよい。例えば、ユーザーから知的財産を出品する旨の指示を受け付けた場合、その知的財産が出品中である旨の登録を行ってもよい。なお、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の内部に存在する場合、登録部11により登録の処理を行いやすくなる。知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部に存在する場合、登録部11による登録が行えない場合がある。
【0032】
受付部12は、ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける。
検索キーとしては、適宜選択することができるが、例えば、出願番号、登録番号が挙げられる。この他にも、任意の文字であってもよい。任意の文字としては、例えば、発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、要約書、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠に係る物品、意匠に係る物品の説明、意匠の説明、商標、指定商品・指定役務に含まれる文字が挙げられる。検索キーは、意味のある単語でもよいし、意味のある単語でなくてもよい。検索キーとしてはこの他にも、例えば、出願人又は権利者の識別番号、住所、居所、氏名もしくは名称に含まれる文字などが挙げられる。また、受け付ける検索キーは、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数の場合、適宜組み合わせて検索キーとして用いる。
なお、検索キーは、特定項目、案件特定項目などと称されてもよい。
【0033】
受付部12は、ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける方法としては、特に制限されるものではない。例えば、端末41に表示された入力画面に検索キーを入力して実行ボタンを押下する方法が挙げられる。
【0034】
検索キーとしては、文字が好ましいが、これに限られず、画像であってもよい。画像を受け付ける方法は、アップロードする方法などが挙げられる。
【0035】
検索部13は、受付部12が受け付けた検索キーを用いて記憶手段31を検索する。検索の方法は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。
検索部13は、例えば、検索キーが出願番号、登録番号に該当するかどうかを判定してもよいし、検索キーが発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、要約書、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠に係る物品、意匠の説明、商標、指定商品、指定役務等に含まれているかを判定してもよい。この他にも例えば、検索部13は、検索キーが出願人又は権利者の識別番号、住所、居所、氏名もしくは名称に含まれているかを判定してもよい。
【0036】
検索キーとして画像を受け付けた場合、検索部13は例えば画像認識の技術を用いて記憶手段31に対して画像検索を行う。画像検索を行う対象項目は、例えば、特許出願の図面、実用新案登録出願の図面、意匠の図面、画像の商標などが挙げられる。
【0037】
検索部13の検索方法について、以下補足する。
検索部13が検索する際、例えば、特許、実用新案、意匠、商標の種別を指定できるようにしてもよい。例えば検索キーを入力する画面で、特許、実用新案、意匠、商標の種別を指定する項目を設ける。このように、種別を指定できるようにすることで、検索精度を向上させることができ、ユーザーが望む検索結果を提示しやすくなる。例えば、他者の特許権を侵害していないかどうかを調べる際に、特許のみを検索するため、ノイズ(この例では例えば実用新案、意匠、商標)が検索結果に含まれることを防止できる。
【0038】
また、検索部13が検索する際、例えば、検索対象の項目を指定できるようにしてもよい。例えば検索キーを入力する画面で、発明の名称、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、要約書、実用新案の名称、実用新案登録請求の範囲、実用新案の詳細な説明、意匠に係る物品、意匠の説明、商標、指定商品、指定役務等の項目を指定できるようにようにしてもよい。この他にも例えば、出願人又は権利者の氏名もしくは名称、住所、居所を指定できるようにしてもよい。項目を指定できるようにすることで、検索精度を向上させることができ、ユーザーが望む検索結果を取得しやすくなる。
【0039】
また、検索部13が検索する際、検索対象の項目をあらかじめ設定しておいてもよい。例えば、特許であれば、発明の名称と特許請求の範囲、発明の詳細な説明を検索するようにし、意匠であれば、意匠に係る物品、意匠の説明を検索するようにし、商標であれば、商標、指定商品、指定役務を検索するようにしてもよい。すなわち、検索対象の項目をあらかじめ決め打ちしておき(デフォルトの設定として検索対象の項目を決めておき)、検索機ーを用いてあらかじめ決められた検索項目を検索するようにしてもよい。この場合においても、ユーザーが検索項目を指定、選択できるようにしてもよい。
【0040】
これらの検索方法をユーザーが指定、選択するには、例えば知的財産検索画面(検索キーを入力する画面)において、検索設定をできるようにする方法が挙げられる。検索設定をユーザーが指定、選択することで上記のように、検索方法を適宜変更することができる。また、知的財産検索画面は、特許、実用新案、意匠、商標の全てで共通していてもよいし、特許、実用新案、意匠、商標ごとにそれぞれ知的財産検索画面を設けてもよい。このように、特許、実用新案、意匠、商標の種別ごとにそれぞれ知的財産検索画面を設ける場合、ユーザーが操作しやすくなる。
【0041】
知的財産売買情報取得部14は、知的財産検索装置10の外部又は内部に存在する知的財産売買システム32の情報を取得する。また、知的財産売買情報取得部14は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得する。
【0042】
知的財産売買情報取得部14が知的財産売買システム32から情報を取得する方法としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、スクレイピング、API(Application Programming Interface)、SQL(Structured Query Language)等を用いる方法が挙げられる。知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部に存在する場合、例えばスクレいピンを用いて情報を取得する方法やAPIを用いて情報を取得する方法が想定されるが、これに限られない。必要に応じてクローリング等を組み合わせてもよいし、他の方法であってもよい。知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の内部に存在する場合、例えばSQLを用いて情報を取得する方法が想定されるが、これに限られず、API等を用いてもよい。知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の内部に存在する場合、知的財産売買システム32がデータベース等の保存部を有するようにすることで管理がしやすくなる。
【0043】
図3は、知的財産検索装置10と知的財産売買システム32の関係の一例を模式的に説明するための図である。(A)は、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部に存在する場合の例であり、知的財産売買情報取得部14は、インターネット20を介して知的財産売買システム32にアクセスし、情報を取得する。(B)は、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の内部に存在する場合の例であり、知的財産売買情報取得部14は、配線や回路等を介して知的財産売買システム32にアクセスし、情報を取得する。
【0044】
出品されているかどうかの情報としては、例えば、出品状態を示す項目が挙げられる。特に制限されるものではなく、また、知的財産売買システム32の種類や管理者等によっても異なるが、例えば、知的財産が出品中である場合、出品状態を示す項目に出品中のステータスがセットされており、知的財産売買情報取得部14がそのステータスを取得することで、その知的財産が出品されているかどうかを判断できる。
【0045】
知的財産売買情報取得部14が知的財産売買システム32から情報を取得する際に用いる情報は、適宜選択できる。検索部13の検索結果を用いてもよいし、検索部13の検索結果を用いなくてもよい。以下、それらの例を記載する。
【0046】
一例として、知的財産売買情報取得部14は、検索部13の検索結果を用いて知的財産売買システム32から情報を取得するものであり、知的財産売買システム32内の該当の知的財産にたどり着くためのキー情報を検索部13の検索結果から取得する。
この場合、知的財産売買システム32から情報を取得する精度が向上する。検索部13の検索結果を用いて知的財産売買システム32から情報を取得する場合、例えば、出願番号や登録番号を用いることが好ましい。出願番号や登録番号は、知的財産売買システム32で検索キーになっていることが一般的であるため、出願番号や登録番号を用いることで知的財産売買システム32から情報を取得しやすくなる。
【0047】
この場合の例について更に説明する。ユーザーが知的財産を検索する場合、出願番号や登録番号を入力する場合は多くない。例えば、キーワード(名詞、造語など)を入力して検索しようとする場合が多い。本例の場合、ユーザーが検索キーとしてキーワードを入力し、検索部13が記憶手段31を検索する。記憶手段31は、公開された知的財産の情報を記憶しているため、項目の統一性が高く、キーワードによる検索も行いやすい。検索部13が検索した知的財産について、そこから出願番号及び/又は登録番号を取得し、知的財産売買情報取得部14は、取得した出願番号及び/又は登録番号を用いて知的財産売買システム32から該当の知的財産の情報を取得する。このようにすることで、知的財産売買システム32における該当の知的財産にたどり着きやすくなり、情報を取得しやすくなる。知的財産売買システム32は仕様が異なることで検索キーが異なる場合があるが、出願番号及び/又は登録番号を用いることで、情報を取得しやすくなる。
【0048】
本実施形態は上記の例に限られず、検索部13の検索結果を用いずに知的財産売買システム32から情報を取得してもよい。この場合、例えば、ユーザーから受け付けた検索キーを用いる。
【0049】
一例として、知的財産売買情報取得部14は、検索部13の検索結果を用いずに知的財産売買システム32から情報を取得するものであり、知的財産売買システム32内の該当の知的財産にたどり着くためのキー情報としてユーザーから受け付けた検索キーを用いる。
この場合、ユーザーから受け付けた検索キーを用いればよいため、処理を構成しやすくなる。
【0050】
知的財産売買情報取得部14は、定期的に又は不定期的にあらかじめ知的財産売買システム32から情報を取得しておいてもよい。例えば、記憶手段31に記憶されている知的財産を対象として、知的財産検索装置10の外部に存在する知的財産売買システム(便宜上、第1の知的財産売買システムと称する)に対して、定期的に又は不定期的にあらかじめ出品情報を取得しておいてもよい。この場合、記憶手段31に記憶された情報と、第1の知的財産売買システムから取得した情報とを用いて、知的財産検索装置10の内部に存在する知的財産売買システム(便宜上、第2の知的財産売買システムと称する)を形成してもよい。この場合、知的財産売買情報取得部14は、受付部12がユーザーから検索キーを受け付け、検索実行の指示を受け付けたときに、受け付けた検索キー又は検索部13の検索結果を用いて、第2の知的財産売買システム(知的財産検索装置10の内部に存在する知的財産売買システム)から情報を取得する。このようにすることで、処理の実行時間を短縮することができる。
【0051】
本実施形態における知的財産売買情報取得部14は、上記の例に限られない。あらかじめ知的財産売買システム32から情報を取得せず、ユーザーから検索の指示を受け付けたときに、都度、知的財産売買システム32にアクセスし、情報を取得するようにしてもよい。この場合、処理に時間を要する場合もあるが、装置の処理を構成しやすくなる。
【0052】
表示部15は、検索部13の検索結果を表示するとともに、知的財産売買情報取得部14で得た情報に基づいて検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する。表示するとあるのは、提示などと称してもよく、ユーザーに情報を提供することが含まれる。
【0053】
知的財産が出品されているかどうかを表示する内容としては、特に制限されるものではないが、例えば「出品あり」、「出品なし」、「出品中」などが挙げられる。この他にも、出品金額を表示してもよい。知的財産が出品されているかどうかがわかればよいので、出品されている知的財産に対して出品されている旨を表示すればよい。そのため、出品されていない知的財産については、「出品なし」などの表示をしなくてもよい。
【0054】
表示の方法は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、端末41に検索結果の画面を表示する。検索結果は、例えば検索部13によって検索された知的財産を一覧形式で表示することが好ましい。一覧形式で表示することで、閲覧性が向上し、ユーザーが検索結果を理解しやすくなる。
【0055】
検索された知的財産を一覧形式で表示するとあるのは、列挙して表示するなどと称してもよく、例えば検索された複数の知的財産が同一の画面に表示されることが該当する。一覧形式で表示する場合、出願番号や登録番号とともに知的財産の概要をあわせて表示することが好ましい。このようにすることで閲覧性が向上する。知的財産の概要としては、特に制限されるものではないが、例えば、発明の名称、発明の説明、実用新案の名称、実用新案の説明、意匠の説明、商標(文字や図面等)などが挙げられる。
【0056】
表示部15が検索部13の検索結果を表示する際には、検索結果で示される知的財産について、任意の知的財産をユーザーが選択できるようにすることが好ましい。ユーザーの選択を受け付けて、選択された知的財産の詳細を表示することが好ましい。このようにすることで、閲覧性が向上する。以下、表示の例について説明する。
【0057】
一例における表示部15は、検索部13の検索結果として、検索部13により検索された一以上の知的財産を一覧形式で表示するとともに、検索部13の検索結果と、検索結果における知的財産が出品されているかどうかの情報とをあわせて表示する。
この場合、どの知的財産が出品されているかを理解しやすくなり、ユーザーの閲覧性が向上する。特に、検索された知的財産が複数である場合、閲覧性がより向上する。
【0058】
一例における表示部15は、検索部13の検索結果として、検索部13により検索された一以上の知的財産を一覧形式で表示するとともに、受付部12が受け付けたユーザーからの指示に基づいて、検索部13により検索された知的財産の詳細を表示するとともに、知的財産の詳細と、当該知的財産が出品されているかどうかの情報とをあわせて表示する。
この場合、検索された知的財産を一覧形式で確認することができ、検索結果を理解しやすくなるとともに、知的財産の詳細とあわせて出品状況が確認できるため、出品されている知的財産を購入するかどうかを検討しやすくなる。
【0059】
表示部15は、検索された知的財産を表示する際、出品されている知的財産を購入するための手続きを支援する処理を実行する購入ボタンを画面に表示することが好ましい。
知的財産を検索する機能に加え、購入するための手続きを支援する機能を有することで、出品されているかどうかの情報をより有効活用でき、ユーザーの利便性がより向上する。
【0060】
出品されている知的財産を購入するための手続きを支援する処理としては、特に制限されず、適宜選択することができる。例えば、知的財産売買システム32に対して購入の申し込みを行うデータを送信することが挙げられる。その他にも例えば、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部にある場合、購入ボタンを押すことで外部の知的財産売買システム32に移動(アクセス)できるようにすることが挙げられる。その他にも例えば、購入ボタンが押された場合に、出願や権利の移転登録を行うための書類を作成するようにしてもよい。その他にも例えば、知的財産を購入するための手続きを説明するようにしてもよい。
【0061】
表示部15は、検索された知的財産を表示する際、知的財産を更新するための手続きを支援する処理を実行する更新ボタンを画面に表示することが好ましい。
知的財産を検索する機能に加え、権利を更新するための手続きを支援する機能を有することで、ユーザーの利便性がより向上する。
【0062】
更新ボタンは、都度、該当の画面に表示してもよいし、更新が行える時期に表示するようにしてもよい。更新が行える時期とあるのは、知的財産権が取得されており、存続期間が満了する前の時期である。更新とあるのは、設定登録、存続期間更新登録、存続期間延長登録などが挙げられ、登録料又は特許料を知的財産庁に納付するための手続きなどが挙げられる。
【0063】
知的財産権の更新とは、知的財産権の権利を維持するための手続き等をいい、法律の用語と一致しているとは限らない。例えば商標権であれば、商標権の更新登録の申請が更新に該当するともいえるし、商標権を維持するために登録料を納付することが更新に該当するともいえる。例えば特許権であれば、特許権を維持するために特許料を納付することが更新に該当するといえる。その他にも例えば、実用新案権や意匠権であれば、権利を維持するために登録料を納付することが更新に該当するといえる。
【0064】
法律上、知的財産権の更新手続きを行える時期である場合、更新するための手続きを支援するようにしてもよい。例えば、現行の商標法において、更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならないと規定されているため(商標法第20条)、このような法律の規定を考慮することが好ましい。この場合、システムにおいて整合が取りやすくなる。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば法律で規定されている更新が行える期間よりも前にユーザーからの指示を受け付けられるようにしてもよく、この場合、例えばこのような指示を処理予定のバッファなどに貯めておいてもよい。法律上、知的財産権の更新手続きを行える時期であるかどうかを判定する方法としては、例えば、現在の日付、知的財産権の種別、法律の規定、存続期間満了日、更新日などを用いて判定する。
【0065】
知的財産を更新するための手続きを支援する処理としては、特に制限されず、適宜選択することができる。例えば、更新ボタンが押された場合に、登録料又は特許料を知的財産庁に納付する際に提出する書類を作成することが挙げられる。その他にも例えば、知的財産を更新するための手続きを説明するようにしてもよい。その他にも例えば、更新に必要な費用を計算して画面に表示することが挙げられ、このようにすることで、ユーザーが費用を計算する手間を省けるため好ましい。その他にも例えば、特許料や登録料を納付する年分を選択できるようにしてもよい。
【0066】
表示部15は、検索された知的財産を表示する際、知的財産を知的財産売買システム32に出品するための手続きを支援する処理を実行する出品ボタンを画面に表示することが好ましい。
知的財産を検索する機能に加え、知的財産を出品するための手続きを支援する機能を有することで、ユーザーの利便性がより向上する。検索された知的財産が出品されていない場合に、出品の手続きに移行することができ、出品されているかどうかの情報をより有効活用できる。
【0067】
知的財産を出品するための手続きを支援する処理としては、特に制限されず、適宜選択することができる。例えば、知的財産売買システム32に対して出品を行うためのデータを送信することが挙げられる。出品を行うためのデータは、出品を行う旨を示すデータの他にも例えば、ユーザーの情報、出品金額、知的財産の説明などが挙げられる。
【0068】
知的財産を出品するための手続きを支援する処理としては、その他にも例えば、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部にある場合、出品ボタンを押すことで外部の知的財産売買システム32に移動(アクセス)できるようにすることが挙げられる。その他にも例えば、出品に関連する書類の画像をアップロードする操作を支援することが挙げられる。その他にも例えば、知的財産を出品するための手続きを説明するようにしてもよい。
【0069】
出品に関連する書類としては、特に制限されるものではないが、例えば、登録証、印鑑証明書、その他、権利の正当性や出品者の正当性を示す書類等が挙げられる。例えば、出品された知的財産権の登録証を掲載、提示することで権利の正当性を示すことができる。
【0070】
本実施形態の知的財産検索装置10は、書類を作成するための書類作成部を有していてもよい。書類作成部は、手続きを支援する処理として書類を作成する場合、記憶手段31の情報を用いて書類を作成することが好ましい。この場合、ユーザーが情報を入力する必要がなく、手間を削減できることに加え、入力ミスによる書類の間違えを防止することができる。
【0071】
書類作成部が書類を作成する方法としては、適宜選択することができる。ユーザーによって選択された知的財産について、書類を作成するために必要な項目を記憶手段31から取得し、取得した項目を用いて書類を作成する。
【0072】
作成する書類の様式は、現行の法律や様式などを考慮して適宜変更すればよい。書類作成部は、書類の雛形を用いて書類を作成することが好ましい。例えば、記憶手段31の情報を書類の雛形に適用して書類を作成することで、書類作成を行いやすくなり、書類を正確に作成することができる。書類作成部は、ユーザー以外の所定の者を代理人にして書類を作成するようにしてもよい。例えば、代理人が書類の作成を行い、手続きをする場合にも対応でき、ユーザーの幅が広がる。
【0073】
作成した書類は、その電子データをユーザーが取得できるようにしてもよい。ユーザーは、例えば電子データを印刷して知的財産庁に郵送し手続きをするようにしてもよい。
【0074】
更新や出品を行う際、手続を行う知的財産の出願人や権利者がユーザーであるかどうかを確認するようにしてもよいが、そのような確認は必須ではない。例えば、手続を行うための書類の作成は、手続を行う知的財産の出願人や権利者以外の者が行ってもよい。
【0075】
表示部15は、検索された知的財産のうち知的財産権が存続している場合、出品されている旨を表示することが好ましい。
表示部15は、出品されているかどうかを表示する対象として、検索された知的財産のうち知的財産権が存続しているものに絞ることで、装置の処理構成が複雑化することを防止できる。出願されたものの権利化前の知的財産についても出品される場合もあるが、外部の知的財産売買システム32によって違いがあるため、権利が存続しているものについて出品されている旨を表示することで表示処理を構成しやすくなる。
【0076】
知的財産売買システム32は、出品されている知的財産の出品金額を含む付加情報を有し、表示部15は、検索結果における知的財産が出品されているかどうかの情報とあわせて前記付加情報を表示することが好ましい。
付加情報を表示することで、ユーザーが知的財産の購入を検討しやすくなる。
【0077】
付加情報としては、知的財産の出品金額の他にも例えば、知的財産についての説明が挙げられる。知的財産の説明があることにより、その知的財産についての理解が深まる。説明は、説明文、紹介文などとも称されてもよい。説明は、例えば出品者により作成される。
【0078】
本実施形態において、知的財産の出品は、例えば、知的財産売買システムに対して知的財産を出品することが挙げられる。出品とは、例えば、特定の者又は不特定の者に対して譲渡の申し出を行うことが挙げられ、サイト内に掲載すること等が挙げられる。サイトとは、例えば、インターネットにおいて特定の情報を蓄積しているコンピュータまたはそのコンピュータを含むシステム全体が挙げられる。知的財産売買システムとしては、知的財産の売買を行うことができればよく、オークション形式のサイトであってもよい。
【0079】
本実施形態の作用効果を以下、補足説明する。
本実施形態の知的財産検索装置10は、知的財産の情報を記憶する記憶手段31を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに提示する。検索結果の用途は、特に制限されるものではなく、ユーザーが適宜選択することができる。例えば、知的財産権を取得するために、同一の知的財産について出願がなされているか、同一の知的財産について権利が取得されているかを調査する場合が挙げられる。例えば、商標権を取得したい商標を検索キーとして入力し、検索することで、同一又は類似の商標を検索結果として閲覧することができる。また、ユーザー自身の業務を行う際に、他者の知的財産権を侵害しているかどうかを調査することもできる。
【0080】
従来技術の知的財産管理システムは、ユーザーが自己の知的財産(例えば出願人がユーザーであるものや権利者がユーザーであるもの)を管理するために使用されるため、基本的に他者の知的財産を検索結果として提示しない。また、従来技術の知的財産売買システムは、出品されているもの、売買されたものを検索できるのみであり、検索できる知的財産が限定されているため、知的財産を検索する機能としては不十分である。ユーザーが自身の知的財産について検索した後、すでに同様の内容の知的財産が存在する場合、実施や使用の態様を変更するのか、すでにある知的財産について実施や使用の許諾を申し込むのか、購入するのか等を検討することになる。従来技術では、もし購入しようとする場合、知的財産検索システムを使用して検索した後、さらに別の知的財産売買システムを使用して出品されているかどうか調べる必要があり、非常に手間が生じていた。
【0081】
本実施形態では、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示するとともに、検索された知的財産が出品されているかどうかを表示する。本実施形態の知的財産検索装置は、検索を行う操作において、検索された知的財産が出品されているかどうかを知ることができるという従来にはない思想を有している。本実施形態では、知的財産を検索し、検索結果を検討するという過程において、検索された知的財産が出品されているかどうかを知ることができ、複数のシステムを使用する必要がなくなる。そのため、本実施形態の知的財産検索装置は、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の売買情報を表示する機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減できる。
【0082】
また、本実施形態では、ユーザーが知的財産を購入するという目的を定めずに知的財産を検索した場合であっても、知的財産を購入するという選択肢をユーザーに提示できる。例えば、知的財産権を取得するために、同一の知的財産について出願がなされているか、同一の知的財産について権利が取得されているかを検索し、既に同一の権利が存在していたとする。この場合、自身の知的財産の実施や使用の態様を変更したり、権利の取得を諦めたりすることを選択する場合があるが、出品有無の情報をユーザーに表示、提供することで、知的財産を購入するという選択肢をユーザーに提示できる。特に、知的財産について知識が乏しいユーザーの場合、知的財産を他者から購入できる、ということに気付かない場合が多い。そのようなユーザーにとって利点がある。
【0083】
また、本実施形態では、知的財産の流通を活性化させることができるという効果が得られ、知的財産の買い手にとっても、売り手にとっても優れた効果がある。
買い手にとっては、上述したように、調べる手間を削減できる。また、検索を行ったユーザーは、出品されている知的財産を効率良く探すことができる。従来の知的財産売買システムでは、そのシステムが保有する知的財産のみしか検索できないが、本実施形態では、知的財産を広く検索することができる。
売り手にとっては、出品中の知的財産が検索されやすくなるため、買い手が見つかりやすくなる。これにより、知的財産が無駄になることを低減でき、知的財産の流通が活性化する。
【0084】
以下、本実施形態の詳細例をいくつか説明する。ただし、本発明は以下の例に限られるものではない。
【0085】
<実施例1>
図4は、検索キーを入力する画面の一例を示す図である。検索キーを入力する画面は、知的財産検索画面などと称されてもよい。入力欄51に検索キーを入力して検索ボタン52を押下することで、受付部12は検索キーを受け付け、検索部13は検索の処理を実行する。また、検索設定ボタン53を押下して検索設定を選択、変更できるようにしてもよい。
【0086】
特に制限されるものではないが、検索設定としては、例えば、知的財産の種別の選択、変更が挙げられる。また、検索結果の表示形式の選択、変更が挙げられる。
【0087】
図5は、
図4で検索ボタン52を押下したときの検索結果の画面の一例を示す図である。図示する例では、商標、特許、意匠について一覧形式で検索結果が表示されている。図示するように、権利化前と権利化後を検索結果として表示でき、また、出願人や権利者はユーザーのみに限られずに検索結果として表示できる。
【0088】
図示する例では、検索された知的財産を一覧形式で表示するとともに、検索結果と、知的財産が出品されているかどうかの情報とをあわせて表示している。図示するように、No.1~3では「出品あり」と表示されており、No.1~3の知的財産が知的財産売買システム32で出品されていることがわかる。
【0089】
図示する例では、検索キーとして「XXXXXXX」を入力しており、商標の他にも、特許や意匠が検索結果として表示されている。特に制限されるものではないが、例えば、発明の名称、発明の詳細な説明、意匠の説明、意匠に係る物品などに、「XXXXXXX」が含まれているもの、「XXXXXXX」と類似する文字が含まれているもの等が検索結果として取得される。入力された商標「XXXXXXX」と同一又は類似の商標が検索結果として表示されている。No1、2は、入力された商標と同一である商標についての商標登録と、商標登録出願である。権利化後と権利化前とを表示してもよいし、権利化後と権利化前とを一つのものとして表示してもよい。
【0090】
図示する例は、検索キー「XXXXXXX」を用いて記憶手段31を検索するとともに、検索キー「XXXXXXX」を用いて知的財産売買システム32から情報を取得した場合の例である。
【0091】
図示される画面において、表示ボタン61を押下することで、押下した出願や権利について詳細を表示する。なお、表示ボタン61は設けなくてもよく、例えば、表示する項目にリンクを設けておき、項目を押下することで詳細を表示できるようにしてもよい。
【0092】
図6は、
図4で検索ボタン52を押下したときの検索結果の画面の他の例を示す図である。図示する例では、知的財産の検索結果画面で、知的財産が出品されているかどうかの情報を表示していない。図示する例では、知的財産の詳細を表示する画面(後述の
図8)で、知的財産が出品されているかどうかの情報を表示する。
【0093】
図7は、
図4で検索ボタン52を押下したときの検索結果の画面の他の例を示す図である。図示する例では、検索された知的財産を一覧形式で表示するとともに、検索結果と、知的財産が出品されているかどうかの情報とをあわせて表示している。図示するように、出品金額がそれぞれ表示されており、出品金額を表示することで、知的財産が出品されていることがわかるようにしてもよい。
【0094】
図示する例では、検索キー「XXXXXXX」を用いて記憶手段31を検索し、検索結果を用いて複数の知的財産売買システム32から情報を取得している。検索キー「XXXXXXX」を用いて記憶手段31を検索し、該当する商標の登録番号(第1234567号)を取得し、その登録番号を用いて複数の知的財産売買システム32から情報を取得している。A~Cの知的財産売買システム32(売買サイト)でその商標(商標権)が出品されているため、その出品金額を取得し、表示することで第1234567号の商標が出品されていることがわかる。
【0095】
図示する例では、出品金額を表示することで、知的財産が出品されていることがわかるようにしているが、これに限られず、「出品あり」や「出品中」、「購入可能」などの表示をしてもよい。図示する例のように、検索された知的財産を一覧形式で表示するとともに、出品金額をあわせて表示することで、サイトの比較を行いやすくなり、より安い値段で知的財産を購入することができる。
【0096】
図8は、知的財産表示画面の一例を示す図である。この例は、
図5又は
図6のNo1の表示ボタン61を押下した場合の例としている。知的財産表示画面は、知的財産詳細表示画面、詳細表示画面などと称してもよい。本例の画面では、「知的財産の情報」、「出願人・権利者情報」、「出品状況」を表示している。ただし、本実施形態は図示する例に限られるものではなく、適宜変更することが可能である。
【0097】
「知的財産の情報」では、商標、区分、登録番号、出願番号等を表示している。これらは、適宜変更可能である。また、存続期間満了日などを表示してもよい。本例では、例えば商標の称呼、指定商品・指定役務等の内容を表示していないが、これらを表示するようにしてもよい。また、「詳細を表示する」といった内容のボタンを設けて、これを押下することで例えば商標の称呼、指定商品・指定役務等の内容を表示するようにしてもよい。
【0098】
「出願人・権利者情報」では、権利者の氏名又は名称を表示している。権利者が複数の場合は、全ての権利者を表示してもよいし、一部の権利者を表示してもよい。また、出願人を表示してもよいし、識別番号、住所又は居所などを表示してもよい。
【0099】
知的財産表示画面70に表示される知的財産の内容としては、適宜選択することができる。例えば、出願番号、登録番号、登録日、出願日、存続期間満了日、発明の名称、実用新案の名称、意匠の図面、意匠に係る物品、商標、指定商品・指定役務、区分などが挙げられる。この他にも、権利者、出願人などを表示してもよい。
【0100】
「出品状況」では、選択した知的財産が出品されていることを表示している。また、出品されている知的財産売買システム32の出所を表示している。これらの表示は、適宜変更可能である。
【0101】
本例では、購入ボタン71が表示されている。購入ボタン71が押下された場合、知的財産を購入する手続きを支援する処理を行う。図示するように例えば、購入ボタン71を押下すると、その知的財産の出品を行っている知的財産売買システム32に移動する。図示する例は、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部に存在する場合の例としてもよいし、内部に存在する場合の例としてもよい。
【0102】
図9は、知的財産表示画面の他の例を示す図である。図示する例は、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部に存在する場合の例としてもよいし、内部に存在する場合の例としてもよい。知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の外部に存在する場合と、知的財産売買システム32が知的財産検索装置10の内部に存在する場合とで異なる処理を行うようにしてもよい。
【0103】
図示する例では、付加情報を表示しており、付加情報として出品金額と出品者のコメントを表示している。出品者のコメントなどの知的財産の説明を表示することで、その知的財産の理解度が増し、購入につながりやすくなる。このような表示は、
図8に示す例においても行ってもよい。
【0104】
<実施例2>
図10は、知的財産表示画面の他の例を示す図である。この例は、
図5のNo1の表示ボタン61を押下した場合の例としている。出品状況の表示は省略している。
【0105】
図示するように、本例の知的財産表示画面では、知的財産権の更新が可能である旨を表示しており、更新ボタン72を表示している。更新ボタン72が押下されると、更新登録申請画面に移動する。
【0106】
図11は、更新ボタン72が押下された場合の書類作成画面(商標)の一例を示す図である。図示する書類は、商標権の更新登録を行うための書類であり、商標権存続期間更新登録申請書である。図示する書類作成画面80では、更新期間の選択(5年、10年)ができるようにしている。また本例では、権利者情報を変更するボタン81を設けており、ボタン81を押下すると、例えば名義変更や住所変更などの書類作成画面に移動する。また、更新する場合の納付料を確認できるボタン82を設けている。作成された書類でよければ作成ボタン83を押下し、変更する場合はボタン84を押下する。これらは適宜変更可能である。
【0107】
本実施形態における書類作成部は、書類を作成するために必要な項目を記憶手段31から取得し、取得した項目を用いて書類を作成する。図示するように、商標権存続期間更新登録申請書の項目、例えば提出日、商標登録の番号、商標権者、納付者が設定されて書類が作成される。このため、ユーザーは所定のボタンを押下するのみで書類作成を行うことができる。本実施形態では、書類を作成する際に入力する手間と時間を省き、書類作成にかかる手間と時間を低減することができる。本実施形態において、書類を作成する際に、ユーザーが例えば登録番号、氏名又は名称等を入力する必要はなく、書類作成にかかる手間と時間を低減することができる。
【0108】
図12は、作成ボタン83が押下された場合の画面の表示例を示す図である。ユーザーは、作成された書類をダウンロードしてもよいし、印刷してもよいし、その他の操作を行ってもよい。また本例では、知的財産表示画面に表示される知的財産の権利者又は出願人であるか否かを問わない。このため、書類の作成を行うユーザーが制限されることを防ぐことができる。このように本実施例によれば、簡易に更新の操作を行うことができる。
【0109】
<実施例3>
図13は、知的財産表示画面の他の例を示す図である。この例は、
図5のNo5の表示ボタン61を押下した場合の例としている。出品状況の表示は省略している。
【0110】
図示するように、本例の知的財産表示画面では、知的財産権の更新が可能である旨を表示しており、更新ボタン72を表示している。更新ボタン72が押下されると、更新登録申請画面に移動する。また、知的財産権の出品が可能である旨を表示しており、出品ボタン73を表示している。出品ボタン73が押下されると、出品画面に移動する。
【0111】
図14は、出品画面の一例を示す図である。この例は、
図13の出品ボタン73を押下した場合の例としている。図示する例では、出品金額を入力するための入力欄91と、説明文を入力するための入力欄92を設けている。書類を選択するボタン93は、登録証などの画像をアップロードするためのボタンとしている。入力内容に問題がなければ確認画面に移動するボタン94を押下し、出品する知的財産を選択し直すなど、入力し直す場合はボタン95を押下する。
【0112】
図15は、出品画面の一例を示す図であり、確認画面の一例である。この例は、
図14のボタン94を押下した場合の例としている。図示する例では、存続期間、識別番号、権利者の氏名等を表示している。また、出品金額や説明文を表示している。入力内容に問題がなければ出品するボタン96を押下し、入力し直す場合はボタン97を押下する。このように本実施例によれば、簡易に出品の操作を行うことができる。
【0113】
上述のように、本発明によれば、自己又は他者の知的財産を検索する機能と、知的財産の売買情報を表示する機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減できる。
【0114】
本発明によれば、上述のように、コンピュータにより行う知的財産検索方法が提供される。
本発明の知的財産検索方法は、知的財産検索装置により行う知的財産検索方法であり、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
前記知的財産検索装置は、
前記記憶手段に登録を行う登録工程と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付工程と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索工程と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得工程と、
表示工程と、を実行し、
前記登録工程は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得工程は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示工程は、前記検索工程の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得工程で得た情報により検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する
ことを特徴とする。
【0115】
本発明によれば、上述のように、コンピュータに処理を実行させる知的財産検索プログラムが提供される。
本発明の知的財産検索プログラムは、知的財産検索装置に処理を実行させる知的財産検索プログラムであり、
知的財産の情報を記憶する記憶手段を検索し、ユーザーの知的財産のみならず他者の知的財産も含めた検索結果をユーザーに表示する知的財産検索方法であって、
前記知的財産は、特許、実用新案、意匠又は商標について、知的財産庁に出願及び/又は登録がなされて公開されたものであり、
前記知的財産検索装置に、
前記記憶手段に登録を行う登録処理と、
ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付処理と、
前記検索キーを用いて前記記憶手段を検索する検索処理と、
当該知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得処理と、
表示処理と、を実行させ、
前記登録処理は、定期的又は不定期的に、知的財産庁で公開された前記知的財産に関する情報を取得し、取得した情報を前記記憶手段に登録し、
前記知的財産売買情報取得処理は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、
前記表示処理は、前記検索処理の検索結果を表示するとともに、前記知的財産売買情報取得処理で得た情報により検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する
ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0116】
10 知的財産検索装置
11 登録部
12 受付部
13 検索部
14 知的財産売買情報取得部
15 表示部
31 記憶手段
32 知的財産売買システム
40 ユーザー
41 端末
50 知的財産検索画面
51 入力欄
52 検索ボタン
60 検索結果表示画面
61 表示ボタン
70 知的財産表示画面
71 購入ボタン
72 更新ボタン
80 書類作成画面
81~84 ボタン
85 書類
90 出品画面
91、92 入力欄
93~95 ボタン
【要約】 (修正有)
【課題】知的財産を検索する機能と、知的財産の売買情報を表示する機能とを併せ持ち、ユーザーの操作の手間を低減する知的財産検索装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】知的財産検索装置10は、記憶手段に登録を行う登録部と、ユーザーから検索キー又は指示を受け付ける受付部と、検索キーを用いて記憶手段を検索する検索部と、知的財産検索装置の外部又は内部に存在する知的財産売買システムの情報を取得する知的財産売買情報取得部と、表示部と、を有する。登録部は、知的財産庁で公開された知的財産に関する情報を記憶手段に登録し、知的財産売買情報取得部は、ユーザーから受け付けた検索キーに該当する一以上の知的財産について出品されているかどうかの情報を取得し、表示部は、検索部の検索結果を表示するとともに、知的財産売買情報取得部で得た情報に基づいて検索結果における知的財産が出品されているかどうかを表示する。
【選択図】
図1