(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】空調機の管理装置および管理方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/58 20180101AFI20240612BHJP
【FI】
F24F11/58
(21)【出願番号】P 2020104483
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】500510261
【氏名又は名称】JR東日本ビルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】伊東 勇
(72)【発明者】
【氏名】伊與部 宗吾
(72)【発明者】
【氏名】藤井 亘
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮文
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 篤
(72)【発明者】
【氏名】茂呂澤 俊夫
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-017033(JP,A)
【文献】特開2007-145178(JP,A)
【文献】特開2008-241165(JP,A)
【文献】特開2007-240019(JP,A)
【文献】特開2001-041543(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0299215(US,A1)
【文献】特開2006-287639(JP,A)
【文献】特開2005-195208(JP,A)
【文献】特開2003-004281(JP,A)
【文献】特開2013-133985(JP,A)
【文献】特開平08-042885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非居住空間で占められる複数の小規模建物それぞれに設置される空調機を、ネットワークと接続する端末を通じて管理する空調機管理方法であって、
各小規模建物には、前記ネットワークと接続し、空調機を動作制御するサーバと、前記空調機に電力供給する電源部と、前記電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器とが設けられ、
前記サーバが、前記端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を出力し、また、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、
前記開閉器を開いて電力供給を遮断した後再び前記開閉器を閉じて電力供給させることを特徴とする空調機管理方法。
【請求項2】
非居住空間で占められる複数の小規模建物それぞれに設置される空調機を、ネットワークと接続する端末を通じて管理する空調機管理方法であって、
各小規模建物には、前記ネットワークと接続し、空調機を動作制御するサーバと、前記空調機に電力供給する電源部と、前記電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器とが設けられ、
前記サーバが、前記端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を出力し、また、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、前記開閉器を開閉し、
前記サーバが、前記空調機の電源スイッチON/OFFを表す情報を、前記空調機から受信し、また、前記空調機の運転/停止状態を表す情報を、前記電源部を制御する制御部から受信することを特徴とす
る空調機管理方法。
【請求項3】
小規模建物に配置された空調機を管理する管理装置であって、
前記小規模建物に設けられ、ネットワークを通じて端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を前記空調機へ出力するサーバを備え、
前記サーバが、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、前記空調機へ電力供給する電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器を
開いて電力供給を遮断した後再び前記開閉器を閉じて電力供給させることを特徴とする空調機管理装置。
【請求項4】
小規模建物に配置された空調機を管理する管理装置であって、
前記小規模建物に設けられ、ネットワークを通じて端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を前記空調機へ出力するサーバを備え、
前記サーバが、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、前記空調機へ電力供給する電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器を開閉し、
前記空調機が、室内機と、熱源機器を設けた室外機から構成され、
前記電力供給ラインが、前記電源部と前記室外機とを繋ぐことを特徴とす
る空調機管理装置。
【請求項5】
小規模建物に配置された空調機を管理する管理装置であって、
前記小規模建物に設けられ、ネットワークを通じて端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を前記空調機へ出力するサーバを備え、
前記サーバが、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、前記空調機へ電力供給する電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器を開閉し、
前記サーバが、前記電源部を制御する制御部と通信可能に接続されることを特徴とす
る空調機管理装置。
【請求項6】
小規模建物に配置された空調機を管理する管理装置であって、
前記小規模建物に設けられ、ネットワークを通じて端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を前記空調機へ出力するサーバを備え、
前記サーバが、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、前記空調機へ電力供給する電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器を開閉し、
前記サーバが、前記電源部を配置した動力制御盤とは別の場所に設けられ、
前記開閉器が、前記動力制御盤に設けられることを特徴とす
る空調機管理装置。
【請求項7】
小規模建物に配置された空調機を管理する管理装置であって、
前記小規模建物に設けられ、ネットワークを通じて端末から送られる電源スイッチON/OFF切替指示データに応じて、前記空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を前記空調機へ出力するサーバを備え、
前記サーバが、前記端末から送られる電源リセット指示データに応じて、前記空調機へ電力供給する電源部と前記空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器を開閉し、
前記小規模建物が、鉄道用通信機器を設置した信号通信機器室であり、
前記空調機が、前記電源部を通じて鉄道用送電システムから電力供給されることを特徴とす
る空調機管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを用いた空調機の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルなどの建物では、空調システムを管理、制御する中央管理制御装置を設置し、各空調機の動作状態を管理している。例えば、複数のビルの空調システムを管理するため、コンピュータなどの端末を各ビルの空調管理制御装置とネットワーク経由で接続し、端末画面で空調機の動作状況をモニタリングし、適宜制御する(特許文献1参照)。
【0003】
一方、HEMSなど一般的な居住施設に設置された空調機を管理するシステムでは、ユーザが端末を利用して空調機をリモートコントロールすることが可能である。例えば、ユーザは、端末画面に表示された室温情報を見ながら、エアコンの稼働やタイマー設定などの端末操作を行う(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/014774号
【文献】特開2003-74942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空調機は、ビルやマンション、家屋などの建物だけでなく、非居住空間で占められる無人建物、あるいは、施設管理者が不在、常駐しない施設などにも設置される。例えば、鉄道施設として、信号通信設備を設置した建物(信号通信機器室)が線路傍や鉄道施設区画などに設置され、広いエリアに渡って点在している。このような建物、施設などにも、機器の動作保証温度を確保するために空調機が設置されている。
【0006】
空調機の故障によって室内温度が上昇するなどの異常事態が発生した場合、作業者が現場に赴いて原因を調査し、修復作業を行う必要がある。しかしながら、簡単な操作や修復作業によって空調機が復旧する場合、作業員の手配および連絡、現場への急行、修繕といった労力は、広範囲に施設された建物、施設などへの対処方法として過大なものとなる。
【0007】
したがって、上記建物、施設などに設置された空調機を効率よく管理できることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様である空調機管理方法は、非居住空間で占められる複数の小規模建物それぞれに設置される空調機を、ネットワークと接続する端末を通じて管理する。ここで、「小規模建物」とは、ビルなどの中央管理制御装置が備えられた建物や、家屋やマンションなど居住空間で占められていて住人や常駐管理人が居る建物ではなく、通信機器用建物などの無人建物や、無人駅などの施設管理者が不在あるいは常駐しない建物を意味し、建物のサイズだけでなく管理体制に準拠して定義される建物を示す。例えば、小規模建物として、鉄道用通信機器を設置した信号通信機器室が該当し、空調機は、電源部を通じて鉄道用送電システムから電力供給される。
【0009】
空調機としては、パッケージ型空調機など様々な種類の空調機を適用可能であり、室内機と、熱源機器を設けた室外機から構成される。電力供給ラインは、電源部と室外機とを繋ぐように構成することが可能であり、開閉器は、室外機と電源部との途中に設けることができる。
【0010】
各小規模建物には、ネットワークと接続し、空調機を動作制御するサーバと、空調機に電力供給する電源部と、電源部と空調機とを繋ぐ電力供給ライン上に配置される開閉器とが設けられている。ここで「サーバ」とは、ネットワークを介して端末などと通信可能なコンピュータであり、その種類、OSなどのソフトウェア、プログラム言語、形態を問わない。また、「開閉器」は、電路を開閉するものであればよく、マグネットスイッチや配線用遮断器(ブレーカー)などによって構成可能である。
【0011】
本発明では、サーバが、端末から送られる電源スイッチONへの切り替え、あるいは電源スイッチOFFへの切り替えを指示するデータ(以下、電源ON/OFF切替指示データという)に応じて、空調機の電源スイッチを切り替える制御信号を出力する。さらにサーバは、端末から送られる電源リセット指示データに応じて、開閉器を開閉する。
【0012】
サーバは、電源ON/OFF切替指示データを受信すると、空調機の電源スイッチをON、あるいはOFFへ切り替え、また、電源リセット指示データを受信すると、空調機の動作を強制停止し、そして再び電力供給して再運転させる。本発明の一態様である空調機管理装置は、上記サーバを備えた管理装置として構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、小規模建物に設置された空調機を効率よく管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】空調機の管理システムを示した構成図である。
【
図2】信号通信機器室に設けられた管理装置のブロック図である。
【
図3】号通信機器室内の動力制御盤および管理装置の配置図である。
【
図4】端末に表示される空調機の管理画面を示した図である。
【
図5】空調機の監視・操作項目を示したテーブルを表す図である。
【
図6】サーバによって実行される空調機に対する制御フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本実施形態について説明する。
図1は、空調機の管理システムを示した構成図である。
【0016】
空調機管理システム100は、鉄道用の信号通信機器室に配置された空調機をリモートコントロール可能な管理システムであり、クラウドシステムCによって構築されたネットワークNを通じて、クライアントCL(端末200)と信号通信機器室とを接続させている。
図1に示す信号通信機器室300A~300Dは、クラウドシステムCと無線通信可能であり、例えばPVNなどの閉域網で接続されている。一方、コンピュータなどの端末200は、インターネットIN(公衆電話回路網)を介してクラウドシステムCと接続する。
【0017】
端末200は、信号通信機器室300A~300D各々から空調機の動作状態(ステータス)を表すデータを受信し、端末200において画面表示する。管理作業を行っているオペレータは、受信情報を確認し、必要に応じて空調機をリモートコントロールする。
【0018】
信号通信機器室300A~300Cでは、通信機器の動作状態とともに、空調機の動作状態を表すデータがクラウドシステムCに送信される。通信機器や空調機の異常を知らせる情報が発信されると、オペレータは端末200においてその情報を確認し、必要に応じて空調機のリモートコントール、また作業員へのメール通知などを行う。
【0019】
図2は、信号通信機器室300Aに設けられた管理装置のブロック図である。
図3は、信号通信機器室300A内の動力制御盤および管理装置の配置図である。信号通信機器室300B~300Dについても同様に構成されている。
【0020】
信号通信機器室300Aには、鉄道用の信号通信機器350が配置され、鉄道の運行に関する信号を発信、受信する。信号通信機器350は、図示しない動力制御盤を通じて鉄道用送電システムTLから電力供給されている。信号通信機器350の動作温度を調整するため、信号通信機器室300Aには空調機400が配置されている。
【0021】
空調機400は、ここでは室内機400Aと室外機400Bから構成されたパッケージ型空調機であり、室内機400Aにはフィン(図示せず)などの送風機構が備えられ、室外機400Bには圧縮機など熱源機器410が設けられている。室内機400Aには、フィン、熱源機器410などの動作制御を行う空調機制御部420が備えられ、電源ON/OFFするための電源スイッチ425が設けられている。なお、信号通信機器室300Aに複数の空調機を設置してもよい。
【0022】
図3に示すように、信号通信機器室300Aには、空調機400の動作を制御する動力制御盤50が設けられている。動力制御盤50には、空調機400へ電力供給する電源部60と、電源部60を制御する制御部65とが設置され、制御部65は、サーバ20と一体的な接点入出力I/O40と接続されている。電源部60は、ここでは鉄道用送電システムTLから電力供給されている。
【0023】
さらに信号通信機器室300Aには、管理装置10が、動力制御盤50とは別置きされたケース10Cに収納された状態で設置されている(
図3参照)。管理装置10は、サーバ20、インターフェイス(IF)30、接点入出力I/O40とを備え、空調機400を管理、制御する。サーバ20は、ネットワークNを介して端末200と通信可能に接続し、また、インターフェイス30を介して室内機400Aと通信接続している。サーバ20は、空調機400の動作状態に関する情報を端末200へ定期的に送信する。また、空調機400の制御指示データを端末200から受けると、空調機400(室内機400A)に制御信号を出力する。
【0024】
動力制御盤50の電源部60は、電力供給ラインLを通じて空調機400の室外機400Bへ電力供給し、室内機400Aは室外機400Bから電力供給される。そして、電力供給ラインL上には、開閉器70が途中に設けられている。開閉器70は、電源部60から空調機400への電路を開閉する回路であり、ここではマグネットスイッチによって構成される。開閉器70は、サーバ20の接点入出力I/O40と接続し、サーバ20からの制御信号に応じて電路を開閉する。開閉器70は動力制御盤50に設けられている(
図3参照)。
【0025】
図4は、端末200に表示される空調機400の管理画面を示した図である。
図5は、空調機400の監視・操作項目を示したテーブルを表す図である。
【0026】
端末200の画面には、温度(吸込温度)、設定温度など空調機400の動作状態(ステータス)を表す情報を表示可能である。管理画面MAは、管理装置10に設けられたモニタに表示される情報を表す画面であり、温度(吸込温度)、設定温度、動作モード、風向など現在のステータスが表示されている。一方、管理画面MBは、クラウドシステムCによって表示される画面を示し、空調機400の運転/停止、漏水検知、火災検知など、動力制御盤50で表示される空調機400のステータス情報も含めて空調機400に関する情報を表示している。オペレータは、管理画面MA、MBなどをウインドウ表示しながら室内機400のステータスを確認する。
【0027】
オペレータは、空調機(室内機400A)に対し、電源スイッチ425のON/OFF操作、設定温度の変更、運転モードにおける冷房、暖房、送風の切り替えなどを端末操作で行うことが可能である。それとともに、オペレータは、動力制御盤50に対し、電源リセット操作を端末操作で行うことができる。
【0028】
図6は、サーバ20の空調機400に対する制御フローを示した図である。
【0029】
サーバ20は、端末200から電源ONあるいは電源OFFへの切り替える指示データを受信すると、電源スイッチ425を切り替え制御する(S101、S102)。一方、電源リセット指示データを端末200から受信すると、サーバ20は、開閉器70を開放させて電力供給を遮断し、熱源機器410を強制停止させ、その後開閉器70を再び閉じて室外機400Bへ電力供給し、熱源機器410を運転再開させる(S103、S104)。それ以外の指示データを受信すると、それに応じた処理を行う(S105)。
【0030】
上述したように、信号通信機器室300Aの空調機400は、鉄道用送電システムTLから電力供給されている。鉄道用送電システムTLは、電力会社などが商業用ビル、マンション、住宅などへ電力供給する送電システムとは異なり、鉄道会社が保有する独自の電力設備で構成されている。
【0031】
鉄道用送電システムTLは、鉄道(電車)を走行させることを目的とした送電設備であるため、電圧(周波数)などが、電力会社設備の送電システムと比べて不安定である。空調機400は、電力会社の送電システムから電力供給されることを想定して内部の電源回路、制御回路などが設計されているため、瞬電などが生じて供給電力が不安定になると、空調機400の動作に支障をきたす。
【0032】
この場合、オペレータが電源スイッチON/OFFの切り替え操作を端末200で行っても、空調機400(室内機400A)はその操作に応答できず、また、温度設定変更、運転モード切替操作なども対応不能となり、信号通信機器室300Aの温度管理ができない事態が生じる。一方、電力不安定などに起因する空調機400の故障は、独自の電源スイッチをもたない熱源機器410への電源供給を一端遮断し、再運転させることによって回復できる場合がある。
【0033】
本実施形態では、空調機400の管理システム100において、サーバ20が空調機400の電源スイッチをON/OFF切替を通常の通信ラインによって行うとともに、オペレータが端末200で電源リセット操作を行うことによって、サーバ20が、動力制御盤50に設けられた開閉器70を開閉して、室外機400Bの熱源機器410を強制停止、再運転させる。これにより、作業員を現場へ急行させることなく、空調機400を修復させることができる。
【0034】
マグネットスイッチなどの開閉器70を電力供給ラインLの途中に設ける構成であるため、既存空調機の電源回路の構成を変更することなく、熱源機410を強制停止、再運転させることができる。さらに、サーバ20から開閉器70への制御ラインが、電源スイッチON/OFF操作の制御ラインとは別の独立した制御経路であるため、空調機400の動作不良と関係なく、開閉器70を開閉させることができる。すなわち、電源スイッチON/OFF操作と、電源リセット操作の両方を独立して行うことができるため、空調機400を正常な状態、異常な状態いずれにおいても適切に制御することができる。
【0035】
一方、端末200においても、室内機400Aのステータスを表す情報とは別に、室外機400Bを含めた空調機400の運転、停止というステータスを表す情報が、動力制御盤50の制御部65を通じた経路でサーバ20へ送られる。このため、オペレータは、動力制御盤50に点灯表示などされる漏水の有無、火災の有無といった情報とともに空調機400のステータス上方を端末200で確認することができ、信号通信機器室300Aの状況を幅広く詳細に把握するこができる。
【0036】
サーバ20を備えた管理装置10は、空調機400の動力制御盤50とは別のケース10Cに設けられているため、既存の動力制御盤50の筐体内配置を大きく変更する必要なく、信号通信機器室300Aに管理装置10を設置することができる。一方で、開閉器70を電源部60が配置される動力制御盤50に設け、ネットワーク通信制御を主目的とした管理装置10の収容されたケース10Cに配置しないことにより、電源回路系の保護対策などをとりまとめて容易に行うことができる。
【0037】
本実施形態では、空調機400は室内機400Aと室外機400Bから構成されるが、これに限定されず、一体型の空調機で構成してもよい。また、電源供給ラインLを、室内機400Aと接続し、あるいは、室内機400Aと室外機400B両方に接続する構成であってもよい。物理的な電源スイッチを設けていない熱源機器をリセット動作させる構成であればよい。
【0038】
信号通信機器室300A~300Dは、非居住空間で占められた無人の小規模建物であるが、管理者の不在、あるいは常駐しない無人駅などの居住空間がある小規模建物にも上記管理システムを適用することができる。さらに、鉄道会社の設備以外であって、管理者の不在、常駐しない小規模建物に配置された空調機を管理するシステムに適用することも可能であり、また、電力会社の送電システムによって電力供給してもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 管理装置
20 サーバ
50 動力制御盤
60 電源部
70 開閉器
100 管理システム
200 端末
300A 信号通信機器室(小規模建物)
400 空調機
400A 室内機
400B 室外機
410 熱源機器
425 電源スイッチ