(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】車両用外装部品
(51)【国際特許分類】
G01S 7/40 20060101AFI20240612BHJP
G01S 7/03 20060101ALI20240612BHJP
B60R 13/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
G01S7/40 143
G01S7/03 246
B60R13/00
(21)【出願番号】P 2020136703
(22)【出願日】2020-08-13
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000105925
【氏名又は名称】サカエ理研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】山田 慶太郎
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215242(JP,A)
【文献】特開2018-066706(JP,A)
【文献】特開2014-107239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
B60R 13/00-13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載レーダー装置の電波発射方向の前方に設置される車両用外装部品であって、
車両外側に配置されるアウター部と、
前記アウター部に対して車両内側に設けられたヒーター部と、
少なくとも一部が前記ヒーター部に対して車両内側に設けられ、前記アウター部および前記ヒーター部に接している樹脂製のベース部と、
前記ヒーター部に対して車両内側に設けられ、一部が前記ベース部にインサートされた金属製の接続部材と、
前記接続部材に電気的に接続された金属端子を有するケーブルと、
前記ベース部に固定され、前記ケーブルを保持しているケーブル保持部材と、
を備え、
前記ケーブル保持部材は、前記ケーブルが挿通した保持部、および、前記保持部から前記接続部材の前記ベース部にインサートされた部分に向かって突き出し、先端面が前記接続部材に対向する押圧部を有し、
前記保持部から互いに反対方向に突き出したフランジ部がスクリューにより前記ベース部に締結されることにより、または、
前記ケーブル保持部材および前記ベース部の一方である一方部材に形成された係止部に、前記ケーブル保持部材および前記ベース部の他方である他方部材に形成された爪部が係止されることにより、または、
前記一方部材に押圧方向と直交する方向に形成されたスライド溝に、前記他方部材に形成された凸部が差し込まれることにより、または、
前記ケーブル保持部材が前記ベース部に溶着もしくは接着されることにより、
前記ケーブル保持部材
の前記押圧部は前記接続部材を前記ヒーター部に向けて押圧している、車両用外装部品。
【請求項2】
前記接続部材は、前記ヒーター部と平行な板状に形成され、前記ベース部にインサートされたヒーター接続部と、前記ヒーター接続部から前記ベース部外に突き出すように形成され、前記金属端子に接触しているケーブル接続部と、前記ヒーター接続部のうち前記ケーブル接続部とは異なる箇所から前記ベース部外に露出するように形成され、前記ケーブル保持部材
の前記押圧部に押圧されている被押圧部とを有する、請求項1に記載の車両用外装部品。
【請求項3】
前記接続部材は、前記ヒーター部と平行な板状に形成され、前記ベース部にインサートされたヒーター接続部と、前記ヒーター接続部から前記ベース部外に突き出すように形成され、前記金属端子に接触するとともに前記ケーブル保持部材
の前記押圧部に押圧されているケーブル接続部とを有する、請求項1に記載の車両用外装部品。
【請求項4】
前記アウター部は、透明部と、前記透明部に対して車両内側に設けられた不透明部および加飾部とを有し、
前記接続部材は、車両外側から見たとき前記不透明部の背後に完全に隠れるように配置された、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両用外装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用外装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載レーダー装置の電波発射方向の前方に設けられる車両用外装部品が知られている。特許文献1では、降雪時でもミリ波を利用して車間距離や障害物との距離を計測可能なように、車両用装飾部品に融雪機能を付加している。具体的には、車両用装飾部品に雪が付着しても、その雪は加熱シートにおける線状のヒーターから伝わる熱によって溶かされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の車両用装飾部品では、加熱シートは、装飾本体部に一体に設けられた主要部と、主要部から装飾本体部の面方向の外側に向けて当該装飾本体部の外部へ延びる接続部とから構成されている。ヒーターの両端部の受電用の接続端子は、加熱シートの接続部に形成されている。
【0005】
これに対し、本発明者は、受電用の接続端子をヒーターとは別部材から構成しつつ、ヒーターの背後(すなわち、ヒーターに対して車両内側)に設けることを考えている。この場合、特許文献1の装飾本体部に対応する樹脂部材に受電用の接続端子をインサートすることが考えられる。しかし、樹脂部材を形成した後では、ヒーターと受電用の接続端子との接触不良が起こった場合に調整が不可能になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、ヒーターの接触不良が抑制された車両用外装品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車載レーダー装置の電波発射方向の前方に設置される車両用外装部品であって、車両外側に配置されるアウター部と、アウター部に対して車両内側に設けられたヒーター部と、少なくとも一部がヒーター部に対して車両内側に設けられ、アウター部およびヒーター部に接している樹脂製のベース部と、ヒーター部に対して車両内側に設けられ、一部がベース部にインサートされた金属製の接続部材と、接続部材に電気的に接続された金属端子を有するケーブルと、ベース部に固定され、ケーブルを保持しているケーブル保持部材と、を備える。ケーブル保持部材は、ケーブルが挿通した保持部、および、保持部から接続部材のベース部にインサートされた部分に向かって突き出し、先端面が接続部材に対向する押圧部を有する。以下の機構により、ケーブル保持部材の押圧部は接続部材をヒーター部に向けて押圧している。
・保持部から互いに反対方向に突き出したフランジ部がスクリューによりベース部に締結される
・ケーブル保持部材およびベース部の一方である一方部材に形成された係止部に、ケーブル保持部材およびベース部の他方である他方部材に形成された爪部が係止される
・一方部材に押圧方向と直交する方向に形成されたスライド溝に、他方部材に形成された凸部が差し込まれる
・ケーブル保持部材がベース部に溶着もしくは接着される
【0008】
このように接続部材がケーブル保持部材によりヒーター部に向けて押圧されることで、ヒーター部と接続部材との接触不良が起きにくい。また、ケーブル保持部材と接続部材との押圧方向のサイズを調整することで比較的容易に押圧力を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の装飾部品が装着された車両を示す図。
【
図6】
図1の装飾部品の製造方法を説明する図であって、透明樹脂フィルム上に不透明部および加飾部が形成されたところを示す断面図。
【
図7】
図1の装飾部品の製造方法を説明する図であって、透明樹脂フィルムが金型にセットされ、透明部がインサート成形されたところを示す断面図。
【
図8】
図1の装飾部品の製造方法を説明する図であって、余分な透明樹脂フィルムがカットされ、透明部にハードコート層が形成されたところを示す断面図。
【
図9】
図1の装飾部品の製造方法を説明する図であって、透明部が金型にセットされ、接続部材が所定位置に配置された状態で、ベース部がインサート成形されたところを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態の車両用外装部品としての装飾部品10を
図1に示す。装飾部品10は、車両90のフロント部のうちフロントグリル91の中央に設けられたエンブレムである。以下の説明において、基準部位に対する車両90の外部空間側のことを「車両外側」と記載する。また、基準部位に対する車両90の内部側のことを「車両内側」と記載する。
【0012】
図2に示すように、フロントグリル91に対して車両内側には、ミリ波レーダー装置92が設けられている。ミリ波レーダー装置92は、車載レーダー装置の一種であって、ミリ波を車両前方に向けて発射し、その反射波を測定することにより、車両前方にある対象物までの距離や方向を測る装置である。これにより、車両90と前方車両との車間距離、または、障害物までの距離を測定できる。
【0013】
以下、装飾部品10について
図1~
図5を参照して説明する。装飾部品10は、ミリ波レーダー装置92のミリ波発射方向の前方に設置されており、フロントグリル91の中央の通孔に設けられている。装飾部品10は、車両外側に配置されたアウター部20と、アウター部20に対して車両内側に設けられたヒーター部30と、アウター部20およびヒーター部30に接しているベース部40とを備える。
【0014】
アウター部20は、エンブレム本体であって、例えば透明なPC(ポリカーボネート)樹脂等からなる透明部21と、透明部21に対して車両内側に設けられた不透明部22および加飾部23とを有する。他の実施形態では、透明部21は、PC樹脂と同様に誘電正接の小さな樹脂材料である例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂等から形成されてもよい。
【0015】
透明部21のうち車両内側の部分には、車両外側から見たときマーク等として認識させたい領域(以下、マーク領域)A1に対応して、凹部24が形成されている。アウター部20に対して車両外側にはハードコート層25が形成されている。ハードコート層25は、有機系ハードコート剤、無機系ハードコート剤、または有機無機ハイブリッド系ハードコート剤等の表面処理剤が塗布されてなる。他の実施形態では、ハードコート層25は塗装に限らず、例えばフィルム等をインサート、接着または溶着すること等により形成されてもよい。
【0016】
マーク領域A1以外の部分が背景領域A2である。不透明部22は、透明部21に対して車両内側であって背景領域A2に対応する箇所に形成されており、黒色等の比較的暗い色のインクまたは塗料を印刷または塗装等してなる有色層である。加飾部23は、透明部21の凹部24の車両内側および不透明部22の車両内側に隣接して形成されており、インジウム等の金属材料を塗装、印刷または蒸着等してなる金属層である。
【0017】
ヒーター部30は、樹脂シートおよび線状のヒーターからなるフィルムヒーターである。ヒーター部30は、不透明部22と加飾部23との間に配置されている。不透明部22に対して車両外側には、透明樹脂フィルム35が配置されている。透明樹脂フィルム35は、透明部21の成形前において不透明部22、加飾部23およびヒーター部30を一体に保持するために用いられる。他の実施形態では、透明樹脂フィルム35を用いず、不透明部22、加飾部23およびヒーター部30が透明部21にダイレクトに形成されてもよい。また、他の実施形態では、例えば不透明部22が透明樹脂フィルム35と透明部21との間に配置される等、各部の配置関係を適宜変更し得る。
【0018】
加飾部23、透明樹脂フィルム35およびヒーター部30は、透明部21のうち車両内側の凹凸面に沿って層状に形成されている。車両外側から見たとき、透明部21を通じてマーク領域A1の加飾部23および背景領域A2の不透明部22を認識可能である。加飾部23は、不透明部22と比べて装飾性の高い色調であるとともに車両外側に隆起していることで、より目立って見える。
【0019】
ベース部40は、例えばAES(アクリロニトリル-エチレン-スチレン共重合)樹脂等の、透明部21と比誘電率が近い樹脂からなる。他の実施形態では、ベース部40は、AES樹脂と同様に誘電正接の小さな樹脂材料である例えばASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PC/ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合)樹脂等から形成されてもよい。ベース部40は、アウター部20およびヒーター部30に対して車両内側に設けられた背面部41と、アウター部20およびヒーター部30の周囲に設けられた枠状の係止部42とを有する。背面部41には、マーク領域A1に対応して凹部24内に突き出す凸部43と、車両内側に突き出す2つの締結用ボス44とが形成されている。
【0020】
装飾部品10は、ヒーター部30に対して車両内側に設けられた金属製の接続部材50と、接続部材50に電気的に接続された金属端子61を有するケーブル60と、ベース部40に固定され、ケーブル60を保持しているケーブル保持部材70と、をさらに備える。
【0021】
接続部材50は、導電性のある金属材料からなる。接続部材50は、ヒーター部30と平行な板状に形成され、ベース部40にインサートされたヒーター接続部51と、ヒーター接続部51からベース部40外まで車両内側に突き出すように形成されたケーブル接続部52とを有する。ケーブル接続部52は、ヒーター接続部51の中央に形成された板状突起であり、クリップ形状の金属端子61に挟持されるようにして接触している。
【0022】
接続部材50は、2つの被押圧部53をさらに有する。被押圧部53は、ヒーター接続部51のうちケーブル接続部52とは異なる箇所からベース部40外に露出するように形成されており、ケーブル保持部材70に押圧されている。被押圧部53は、ヒーター接続部51の両端に形成された板状突起である。接続部材50は、車両外側から見たとき不透明部22の背後に完全に隠れるように配置されている。
【0023】
ケーブル保持部材70は、ケーブル60が挿通した保持部71と、保持部71から両側に突き出し、スクリュー75により締結用ボス44に固定された2つのフランジ部72と、保持部71から車両外側に突き出し、被押圧部53をヒーター部30に押圧している押圧部73とを有する。押圧部73は、先端面で接続部材50を押圧している。第1実施形態では、ケーブル保持部材70の組付け方向と押圧方向とが一致しており、スクリュー75をねじ締結することで接続部材50をヒーター部30に押し付ける力が加わるようになっている。接続部材50をヒーター部30に押し付ける力、すなわち押圧部73による押圧力は、押圧部73と被押圧部53との押圧方向のサイズ(すなわち突き出し高さ)を調整することで調整できる。
【0024】
次に、装飾部品10の製造方法について
図6~
図9、および
図4を参照して説明する。先ず
図6に示すように、透明樹脂フィルム35上に不透明部22、ヒーター部30および加飾部23が形成される。続いて
図7に示すように透明樹脂フィルム35が金型80にセットされ、透明部21がインサート成形される。このとき、金型80の形状に沿って透明部21に凹部24が形成される。他の実施形態では、金型80の開き方向は左右方向に限らず、例えば上下方向等の他の方向であってもよい。また、他の実施形態では、透明部21の成形後に加飾部23が形成されてもよい。
【0025】
続いて
図8に示すように透明部21の外周から飛び出している透明樹脂フィルム35が不透明部22、加飾部23およびヒーター部30共にカットされ、透明部21にハードコート層25が形成される。続いて
図9に示すように、ヒーター部30等込みの透明部21が金型85にセットされ、接続部材50が所定位置に配置された状態で、ベース部40がインサート成形される。他の実施形態では、金型85の開き方向は上下方向に限らず、例えば左右方向等の他の方向であってもよい。また、他の実施形態では、ベース部40は、インサート成形に限らず、例えば接着または溶着等によりアウター部20およびヒーター部30に一体に設けられてもよい。
【0026】
続いて
図4に示すように、スクリュー75によりケーブル保持部材70がベース部40に固定される。このとき、ケーブル保持部材70の押圧部73が接続部材50の被押圧部53に当接した状態でスクリュー75が締め付けられることで、接続部材50をヒーター部30に押し付ける力が加えられる。
【0027】
(効果)
以上説明したように、ミリ波レーダー装置92の電波発射方向の前方に設置される装飾部品10は、車両外側に配置されるアウター部20と、アウター部20に対して車両内側に設けられたヒーター部30と、少なくとも一部がヒーター部30に対して車両内側に設けられ、アウター部20およびヒーター部30に接している樹脂製のベース部40と、ヒーター部30に対して車両内側に設けられ、一部がベース部40にインサートされた金属製の接続部材50と、接続部材50に電気的に接続された金属端子61を有するケーブル60と、ベース部40に固定され、ケーブル60を保持しているケーブル保持部材70と、を備える。ケーブル保持部材70は、接続部材50をヒーター部30に向けて押圧している。
【0028】
このように接続部材50がケーブル保持部材70によりヒーター部30に向けて押圧されることで、ヒーター部30と接続部材50との接触不良が起きにくい。また、ケーブル保持部材70と接続部材50との押圧方向のサイズを調整することで比較的容易に押圧力を調整できる。
【0029】
また第1実施形態では、接続部材50は、ヒーター部30と平行な板状に形成され、ベース部40にインサートされたヒーター接続部51と、ヒーター接続部51からベース部40外に突き出すように形成され、金属端子61に接触しているケーブル接続部52と、ヒーター接続部51のうちケーブル接続部52とは異なる箇所からベース部40外に露出するように形成され、ケーブル保持部材70に押圧されている被押圧部53とを有する。このようにケーブル接続部52と被押圧部53とを別に設けることで、ケーブル接続部52および被押圧部53をそれぞれの機能に適した形状とすることができる。被押圧部53の突出長さを比較的短くすることで、押圧力に耐えうる強度を確保できる。
【0030】
また第1実施形態では、アウター部20は、透明部21と、透明部21に対して車両内側に設けられた不透明部22および加飾部23とを有する。接続部材50は、車両外側から見たとき不透明部22の背後に完全に隠れるように配置されている。これにより、接続部材が車両外側から見えなくなっている。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態では、
図10、
図11に示すように、接続部材50は、第1実施形態におけるケーブル接続部52および被押圧部53に代えて、ケーブル接続部522を有する。ケーブル接続部522は、ヒーター接続部51からベース部40外に突き出すように形成され、金属端子612に接触するとともにケーブル保持部材70に押圧されている。つまり第2実施形態では、1つの突出部であるケーブル接続部522が、金属端子612に接続する部分と押圧部73に押圧される部分とを兼ねている。
【0032】
具体的には、ケーブル接続部522は円筒状突起であり、比較的肉厚に形成されている。金属端子612は、ケーブル接続部522の内側に挿入されたクリップ形状であり、弾性復帰力により外側に押し広げられることでケーブル接続部522の内壁に接触している。
【0033】
押圧部732は、保持部71から接続部材50側に突き出す突出部からなり、その内壁に形成された段差面により被押圧部53を押圧している。
【0034】
このようなケーブル接続部522を有する接続部材50を用いてもよい。それでも接続部材50がケーブル保持部材70によりヒーター部30に向けて押圧されることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
(他の実施形態)
他の実施形態では、接続部材のヒーター接続部の板厚方向のシルエットは、矩形に限らず、例えば円形等の他の形状であってもよい。また、被押圧部は、直線状に延出する形状に限らず、曲線状に延出する形状であってもよい。ヒーター接続部の板厚方向のシルエットが円形である場合、被押圧部は、ヒーター接続部の周囲に沿って円弧状に延出する形状であってもよい。また、被押圧部の数は、2つに限らず、1つ、または3つ以上であってもよい。
【0036】
他の実施形態では、第1実施形態のようにケーブル接続部と被押圧部とが別に設けられつつ、ケーブル接続部が円形筒状または四角筒状に形成されてもよい。または、ケーブル接続部が略平行な2つの板状突起から構成されてもよい。
【0037】
他の実施形態では、第2実施形態のようにケーブル接続部と被押圧部とが1つの突出部から構成されつつ、ケーブル接続部が四角筒状に形成されてもよい。または、ケーブル接続部が略平行な2つの板状突起から構成されてもよい。
【0038】
他の実施形態では、第2実施形態のようにケーブル接続部と被押圧部とが1つの突出部から構成されつつ、ケーブル接続部が筒状に形成され、ケーブルの金属端子がケーブル接続部の内側に挿入されるように構成されてもよい。この形態において、金属端子は、ケーブル接続部の側面に形成された爪部により抜け止めされる。
【0039】
他の実施形態では、ケーブル保持部材は、スクリューによる締結固定に限らず、例えばケーブル保持部材およびベース部の一方(以下、一方部材)に形成された係止部に、他方(以下、他方部材)に形成された爪部が係止されることで固定されてもよい。または、一方部材に押圧方向と略直交する方向にスライド溝が形成され、ケーブル保持部材は、他方部材に形成された凸部がスライド溝に差し込まれることで固定されてもよい。または、ケーブル保持部材は、溶着ピンを用いた溶着、または接着材を用いた接着により固定されてもよい。
【0040】
他の実施形態では、透明樹脂フィルムを用いず、不透明部および加飾部を透明部にダイレクトに形成してもよい。
他の実施形態では、加飾部は、ヒーター部の背後、すなわちヒーター部と接続部材との間に形成されてもよい。
【0041】
他の実施形態では、車載レーダー装置は、ミリ波レーダー装置に限らず、他の電波を発射するものであってもよい。
他の実施形態では、車両用外装品は、エンブレム以外の装飾部品であってもよいし、バンパー等の機能部品の一部であってもよい。
【0042】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【0043】
以下、参考形態について説明する。
図12に示す装飾部品100は、アウター部205と、ベース部405と、ベース部405に対して車両内側に設けられたヒーター部305と、導線605に接続され、弾性および導電性をもつ接着剤625によりヒーター部305に固定された金属端子615とを備える。
【0044】
ベース部405は、当該ベース部405から突出してヒーター部305および金属端子615を貫通するボス455を有する。金属端子615と配線部との位置精度を高めるため、ボス455の先端を溶融させてつぶすことで、接着剤625が固まるまで形状保持させる。
【0045】
ベース部405は、当該ベース部405から突出して金属端子615に当接する高さ調整用リブ465を有する。これにより、金属端子615とヒーター部305との間隔が一定になるため、量産時に接着剤625の厚みがばらつくことによる抵抗値の変化が少なくなる。また、金属端子615とヒーター部305とが直接接触することを避けることで、外部から伝わる振動により金属端子615が振動してもヒーター部305に損傷を与えない。
【0046】
図12に示す参考形態における接着剤625および金属端子615に代えて、金属端子をコネクタによりベース部に固定するように構成してもよい。この場合、金属端子とヒーター部は、両者間に金属製バネを設けることにより電気的に接続するバヨネット構造を採用し得る。
【符号の説明】
【0047】
10 装飾部品、20 アウター部、40 ベース部、50 接続部材、
60 ケーブル、61、612 金属端子、70ケーブル保持部材、
90 車両、92 ミリ波レーダー装置(車載レーダー装置)。