(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】バイタルデータ測定装置およびバイタルデータ測定方法
(51)【国際特許分類】
G01V 3/12 20060101AFI20240612BHJP
【FI】
G01V3/12 A
(21)【出願番号】P 2020139244
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 智寛
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/158804(WO,A1)
【文献】特開2020-048674(JP,A)
【文献】国際公開第2020/053148(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00 - 99/00
G01M 17/00 - 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに設置されて当該ユーザのセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータと、ユーザ以外に設置されて間接的に前記ユーザのセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータと、を用いた機械学習により学習モデルを構築するモデル構築部と、
前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータを前記学習モデルに入力することで、前記学習モデルから出力された、前記ユーザに設置されてセンシングを行うセンサの測定データに対応するバイタルデータを、所定の出力先に出力する通信部と、を備え
、
前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータには、前記ユーザに設置されてセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータよりも多くのノイズが含まれ、
前記学習モデルから出力された前記バイタルデータに含まれるノイズは、前記学習モデルに入力される前の前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータに含まれるノイズよりも低減されている
ことを特徴とするバイタルデータ測定装置。
【請求項2】
請求項
1に記載のバイタルデータ測定装置であって、
前記ノイズは、車両の振動に起因するノイズである
ことを特徴とするバイタルデータ測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載のバイタルデータ測定装置であって、
前記ユーザに設置されてセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータおよび
前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータを用いて構築された前記学習モデル、および、身体的特徴の種類およびその範囲の組み合わせごとに分類された所定のカテゴリーに属する人物に
設置されて当該人物のセンシングを行うセンサにより測定されたバイタルデータおよび
前記人物以外に設置されて間接的に前記人物のセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータを用いて構築され
た学習モデルのうち、少なくともいずれか一方の前記学習モデルを記憶している記憶部をさらに備える
ことを特徴とするバイタルデータ測定装置。
【請求項4】
請求項
3に記載のバイタルデータ測定装置であって、
前記学習モデルは、
前記ユーザの識別情報または
前記ユーザの識別情報および前記所定のカテゴリーが対応付けられて前記記憶部に記憶され、
前記ユーザの識別情報または前記ユーザの属する前記カテゴリーに対応する前記学習モデルを前記記憶部から検索するユーザ認証部をさらに備える
ことを特徴とするバイタルデータ測定装置。
【請求項5】
バイタルデータ測定装置が実行するバイタルデータ測定方法であって、
前記バイタルデータ測定装置は、
ユーザに設置されて当該ユーザのセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータと、ユーザ以外に設置されて間接的に前記ユーザのセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータと、を用いた機械学習により学習モデルを構築するモデル構築ステップと、
前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータを前記学習モデルに入力することで、前記学習モデルから出力された、前記ユーザに設置されてセンシングを行うセンサの測定データに対応するバイタルデータを、所定の出力先に出力するステップと、を備え
、
前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータには、前記ユーザに設置されてセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータよりも多くのノイズが含まれ、
前記学習モデルから出力された前記バイタルデータに含まれるノイズは、前記学習モデルに入力される前の前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータに含まれるノイズよりも低減されている
ことを特徴とするバイタルデータ測定方法。
【請求項6】
請求項
5に記載のバイタルデータ測定方法であって、
前記ノイズは、車両の振動に起因するノイズである
ことを特徴とするバイタルデータ測定方法。
【請求項7】
請求項
5に記載のバイタルデータ測定方法であって、
前記ユーザに設置されてセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータおよび
前記間接的にセンシングを行うセンサにより測定された前記バイタルデータを用いて構築された前記学習モデル、および、身体的特徴の種類およびその範囲の組み合わせごとに分類された所定のカテゴリーに属する人物に
設置されて当該人物のセンシングを行うセンサにより測定されたバイタルデータおよび
前記人物以外に設置されて間接的に前記人物のセンシングを行うセンサにより測定されるバイタルデータを用いて構築され
た学習モデルのうち、少なくともいずれか一方の前記学習モデルを記憶する記憶ステップをさらに行う
ことを特徴とするバイタルデータ測定方法。
【請求項8】
請求項
7に記載のバイタルデータ測定方法であって、
前記記憶ステップでは、前記学習モデルに、
前記ユーザの識別情報または
前記ユーザの識別情報および前記所定のカテゴリーを対応付けて記憶し、
前記ユーザの識別情報または前記ユーザの属する前記カテゴリーに基づいて、対応する前記学習モデルを検索するユーザ認証ステップをさらに行う
ことを特徴とするバイタルデータ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイタルデータ測定装置およびバイタルデータ測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マイクロ波利用人体検知装置に関し、「マイクロ波利用人体検知装置は、トイレ、洗面所、キッチン、風呂、シャワー、等の生活シーンでマイクロ波を送信波とし、マイクロ波を受信する単一のアンテナと、前記アンテナで受信されたマイクロ波を検波する検波手段と、変化成分検出手段の出力を所定位置と比較する比較手段と、前記比較手段からの信号により、人の存在と、人の生体情報を検出する手段とを有する」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、運転者の脈拍数や心拍数などのバイタルデータを測定することで、生体状態である健康の異常や体調変化を検出し、事故を未然に防止するためにアラートを出力したり、車両を停止するなどの自動制御を行う技術が注目されている。しかしながら、移動体内で測定されるバイタルデータには移動体の振動ノイズが含まれているため、ノイズ成分の少ない精度の良いバイタルデータを取得することが難しいという課題がある。
【0005】
特許文献1には、マイクロ波により人の存在および生体情報を検出するマイクロ波利用人体検知装置が開示されている。しかしながら、同文献の技術は、トイレや洗面所などの生活シーンにおける人の脈拍数や心拍数を検出する技術であるため、振動ノイズが含まれる環境下でのバイタルデータの取得については考慮されていない。そのため、同文献の技術を移動体に適用した場合、その振動ノイズも一緒に計測されることになり、精度の良いバイタルデータを取得することができないという問題がある。
【0006】
なお、ノイズ成分を除去したバイタルデータを取得できる高精度センサを用いる方法もあるが、高精度センサはコストが高いため、車両に搭載するセンサとして採用することが難しいという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、低精度センサを用いて、高精度センサと同等のセンシング精度のバイタルデータを取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係るバイタルデータ測定装置は、正解のラベルとなる第一のバイタルデータと、当該第一のバイタルデータに対応するサンプリング周期で測定された第二のバイタルデータと、を用いた機械学習により学習モデルを構築するモデル構築部と、前記第二のバイタルデータの出力元センサから取得した第三のバイタルデータを前記学習モデルに入力するバイタルデータ入力部と、前記学習モデルによる処理結果として出力された前記第三のバイタルデータを所定の出力先に出力する通信部と、を備える。
【0009】
また、前記第二のバイタルデータには、前記第一のバイタルデータよりも多くのノイズが含まれ、前記学習モデルによる処理結果として出力された前記第三のバイタルデータに含まれるノイズは、前記学習モデルに入力される前の前記第三のバイタルデータに含まれるノイズよりも低減されても良い。
【0010】
また、前記ノイズは、車両の振動に起因するノイズであっても良い。
【0011】
また、ユーザに対するセンシングにより取得された前記第一のバイタルデータおよび前記第二のバイタルデータを用いて構築された前記学習モデル、および、身体的特徴の種類およびその範囲の組み合わせごとに分類された所定のカテゴリーに属する人物に対するセンシングにより取得された前記第一のバイタルデータおよび前記第二のバイタルデータを用いて構築された前記学習モデルのうち、少なくともいずれか一方の前記学習モデルを記憶している記憶部をさらに備えても良い。
【0012】
また、前記学習モデルは、ユーザの識別情報または当該ユーザの識別情報および前記所定のカテゴリーが対応付けられて前記記憶部に記憶され、前記ユーザの識別情報または前記ユーザの属する前記カテゴリーに対応する前記学習モデルを前記記憶部から検索するユーザ認証部をさらに備えても良い。
【0013】
また、本発明の他の一態様に係るバイタルデータ測定方法は、バイタルデータ測定装置が実行するバイタルデータ測定方法であって、前記バイタルデータ測定装置は、正解のラベルとなる第一のバイタルデータと、当該第一のバイタルデータに対応するサンプリング周期で測定された第二のバイタルデータと、を用いた機械学習により学習モデルを構築するモデル構築ステップと、前記第二のバイタルデータの出力元センサから取得した第三のバイタルデータを前記学習モデルに入力するバイタルデータ入力ステップと、前記学習モデルによる処理結果として出力された前記第三のバイタルデータを所定の出力先に出力するステップと、を行う。
【0014】
また、前記第二のバイタルデータには、前記第一のバイタルデータよりも多くのノイズが含まれ、前記学習モデルによる処理結果として出力された前記第三のバイタルデータに含まれるノイズは、前記学習モデルに入力される前の前記第三のバイタルデータに含まれるノイズよりも低減されても良い。
【0015】
また、前記ノイズは、車両の振動に起因するノイズであっても良い。
【0016】
また、ユーザに対するセンシングにより取得された前記第一のバイタルデータおよび前記第二のバイタルデータを用いて構築された前記学習モデル、および、身体的特徴の種類およびその範囲の組み合わせごとに分類された所定のカテゴリーに属する人物に対するセンシングにより取得された前記第一のバイタルデータおよび前記第二のバイタルデータを用いて構築された前記学習モデルのうち、少なくともいずれか一方の前記学習モデルを記憶する記憶ステップをさらに行っても良い。
【0017】
また、前記記憶ステップでは、前記学習モデルに、ユーザの識別情報または当該ユーザの識別情報および前記所定のカテゴリーを対応付けて記憶し、前記ユーザの識別情報または前記ユーザの属する前記カテゴリーに基づいて、対応する前記学習モデルを検索するユーザ認証ステップをさらに行っても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、低精度センサを用いて、高精度センサと同等のセンシング精度のバイタルデータを取得することができる。
【0019】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第一実施形態に係るバイタルデータ測定装置の概略構成の一例を示した図である。
【
図2】バイタルデータ測定装置における演算装置の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。
【
図3】学習モデル構築処理の一例を示したフロー図である。
【
図4】バイタルデータ測定処理の一例を示したフロー図である。
【
図5】第二実施形態に係るバイタルデータ測定装置およびサーバ装置の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
<第一実施形態>
図1は、バイタルデータ測定装置100の概略構成の一例を示した図である。バイタルデータ測定装置100は、車両などの移動体に乗車しているユーザ(例えば、運転者)の脈拍数や心拍数などのバイタルデータを測定する装置である。図示するように、バイタルデータ測定装置100は、演算装置110と、センサA120と、センサB130と、通信装置140と、記憶装置150と、を有している。なお、バイタルデータ測定装置100は、演算装置110、通信装置140および記憶装置150と、センサA120およびセンサB130と、を同一筐体内に有していても良く、あるいは演算装置110、通信装置140および記憶装置150と、センサA120と、センサB130とが各々、別個の筐体に収容されていても良い。また、演算装置110と、センサA120およびセンサB130とは、通信ケーブルあるいは所定の無線通信規格(例えば、Bluetooth:登録商標)により相互通信可能に接続されている。
【0023】
演算装置110は、バイタルデータ測定装置100の様々な演算処理を行う装置である。図示するように、演算装置110は、演算装置110で行われる様々な演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)111と、CPU111で実行されるプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)112と、ROM112から読み出した各種情報を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)113と、演算装置110と、センサA120およびセンサB130と、を電気的に接続するためのI/F(インターフェイス)114と、これらを相互に接続するバス115と、を有している。
【0024】
演算装置110は、ユーザに対するセンシングデータであるバイタルデータを、精度の異なるセンサA120およびセンサB130から各々取得し、取得したバイタルデータを用いて機械学習を行うことで、学習モデルを構築(生成)する。
【0025】
また、演算装置110は、一方のセンサ(本例では、センサA120)に比べて精度の低い他方のセンサ(本例では、センサB130)で測定されたバイタルデータを学習モデルに入力し、学習モデルによる演算処理の結果である出力値を取得することで、より高精度のセンサ(本例では、センサA120)でバイタルデータを測定したのと略同等の精度のバイタルデータを得る。なお、より高精度のセンサでバイタルデータを測定したのと略同等の精度のバイタルデータとは、低精度のセンサで測定されたバイタルデータに含まれる車両の振動ノイズが、高精度のセンサで測定されたバイタルデータ並に低減されたバイタルデータのことである。
【0026】
また、演算装置110は、学習モデルから出力された出力値であるバイタルデータあるいはセンサB130から出力されたバイタルデータを、Main Unit(例えば、ナビゲーション装置やD/A(Digital Audio)などの車載器やECU(Engine Control Unit)など)200で利用可能な所定のデータ形式に変換し、これらの装置に出力する。なお、車載器等は、バイタルデータ測定装置100から取得したバイタルデータを用いて、ユーザの生体状態(例えば、眠気)を特定し、それに応じた処理(例えば、車内に音楽を流す、あるいはエアコンを制御して車内温度を変化させるなど)を実行する。
【0027】
センサA120およびセンサB130は、ユーザに対してセンシングを行うセンサである。センサA120を高精度センサとし、センサB130をセンサA120よりも精度の低い低精度センサとした場合、本実施形態では、センサA120は、例えば接触式センサである心電計などであり、センサB130は、例えば非接触式センサであるドップラーセンサなどである。なお、心電計は、例えば医療機器としても使用され、人体から発せられる微弱な電気を検知することで、呼吸数や脈拍数を検出する。また、ドップラーセンサは、マイクロ波やミリ波を人体に照射し、その反射波に基づいて呼吸数や脈拍数を検出する電波センサである。
【0028】
なお、センサA120およびセンサB130は、これらのセンサに限定されるものではなく、ユーザのバイタルデータを測定可能であり、かつ、センサA120とセンサB130とが異なる精度のセンサであれば良い。なお、センサA120およびセンサB130は、同じサンプリング周期で人のバイタルデータを測定する。
【0029】
通信装置140は、外部装置(例えば、Main Unit200)との間で情報通信を行うための通信モジュールなどである。通信装置140は、データ形式を変換した後のバイタルデータをMain Unit200に送信する。
【0030】
記憶装置150は、デジタル情報を記憶可能ないわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリあるいはこれら以外の不揮発性記憶装置である。記憶装置150は、例えば学習モデルを構築するために用いられる様々な情報や、構築された学習モデルを記憶している。
【0031】
図2は、バイタルデータ測定装置100における演算装置110の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。図示するように、演算装置110は、演算部300と、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、を有している。
【0032】
演算部300は、演算装置110で実行される様々な処理を行う機能部である。具体的には、演算部300は、モデル構築部301と、ユーザ認証部302と、バイタルデータ入力部303と、データ形式変換部304と、を有している。
【0033】
モデル構築部301は、学習モデル322を構築する機能部である。具体的には、モデル構築部301は、センサA120およびセンサB130の各々から取得したバイタルデータを用いて機械学習を行うことで、学習モデル322を構築する。なお、学習モデル322の構築処理については後述する。
【0034】
ユーザ認証部302は、ユーザ情報に基づいて、ユーザ認証を行う機能部である。なお、ユーザ情報には、ユーザを識別するためのユーザIDと、身体的特徴に基づき分類された所定のカテゴリーの中でユーザが属するカテゴリーと、が含まれる。ユーザ認証部302は、ユーザIDに対応付けられた学習モデル322またはユーザが属するカテゴリーに対応付けられた学習モデル322を記憶部320から検索する。
【0035】
バイタルデータ入力部303は、センサB130から取得したバイタルデータを学習モデル322に入力する機能部である。
【0036】
データ形式変換部304は、学習モデル322の演算結果として出力された出力値(演算処理後のバイタルデータ)を取得し、かかる出力値をMain Unit200が利用可能なデータ形式に変換する機能部である。具体的には、データ形式変換部304は、学習モデル322に入力されたバイタルデータであって、学習モデル322からの出力値である演算処理後のバイタルデータまたはセンサB130から出力されたバイタルデータを取得し、これをMain Unit200で利用可能なデータ形式に変換する。また、データ形式変換部304は、通信部330を介して、変換後のバイタルデータをMain Unit200に出力する。なお、変換するデータ形式は、例えば脈拍数や心拍数を示す波形データあるいは脈拍数や心拍数を示す数値データなどである。なお、データ形式の種類は限定されるものではない。例えば、データ形式変換部304は、Main Unit200からの要求に応じて、ユーザの精神状態(リラックス状態や焦っている状態など)を検出するのに用いられるRRIデータ(R-R Interval:心拍の変動時系列データ)を生成しても良い。
【0037】
制御部310は、センサA120およびセンサB130の動作を制御する機能部である。具体的には、制御部310は、バイタルデータの測定指示をセンサA120およびセンサB130に出力する。また、制御部310は、ユーザ位置の認識やユーザに対するセンシング時間および照射する電波の周波数域など、所定の制御対象についてセンサA120およびセンサB130に指示を出力する。
【0038】
記憶部320は、様々なデータを記憶する機能部である。具体的には、記憶部320は、学習モデル322を構築する際の土台となる様々なベースモデル321を記憶している。なお、ベースモデル321には、例えば重回帰分析やニューラルネットワークなど様々な種類のものがある。また、記憶部320は、構築された学習モデル322を記憶する。
【0039】
学習モデル322は、バイタルデータ測定装置100が搭載されている車両のユーザに対するセンシングにより構築された学習モデル322や、身体的特徴に基づいて分類された各カテゴリーに属する人物(ユーザ以外の人物)に対して実施されたセンシングにより構築された複数の学習モデル322が記憶されている。なお、これらの学習モデル322には、ユーザIDやかかるカテゴリーが対応付けられて記憶部320に記憶されている。
【0040】
通信部330は、Main Unit200との間で情報通信を行う機能部である。具体的には、通信部330は、データ形式が変換された後のバイタルデータをMain Unit200に送信する。
【0041】
以上、バイタルデータ測定装置100の機能構成について説明した。
【0042】
なお、演算部300および制御部310は、演算装置110のCPU111に処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、例えばROM112に格納されており、実行にあたってRAM113上にロードされ、CPU111により実行される。なお、制御部310は、所定の制御回路によって実現されても良い。また、記憶部320は、RAM113またはROM112または記憶装置150、あるいはこれらの組み合わせにより実現される。また、通信部330は、通信装置140により実現される。
【0043】
また、バイタルデータ測定装置100の各機能ブロックは、本実施形態において実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、バイタルデータ測定装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0044】
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0045】
[動作の説明]
次に、バイタルデータ測定装置100で実行される学習モデル構築処理について説明する。
【0046】
図3は、学習モデル構築処理の一例を示したフロー図である。かかる処理は、例えばユーザ(またはユーザとは異なる人物)が運転状態において、学習モデル構築処理の実行指示を受け付けたタイミングで開始される。以下では、ユーザを対象として学習モデル322が構築される場合を例に説明する。
【0047】
処理が開始されると、制御部310は、ユーザ(例えば、運転者)に対するセンシングを行うようにセンサA120およびセンサB130に指示を出力する(ステップS001)。センサA120およびセンサB130は、かかる指示に基づいて、所定時間(例えば、60分)の間、ユーザに対するセンシングを実行し、センシング結果であるバイタルデータをモデル構築部301に出力する。
【0048】
次に、モデル構築部301は、センサA120およびセンサB130から各々、バイタルデータを取得する(ステップS002)。なお、モデル構築部301は、取得したバイタルデータを一時的に記憶部320に格納する。
【0049】
次に、モデル構築部301は、ステップS003~ステップS005の処理により、データセットを作成する。具体的には、モデル構築部301は、データクリーニングを行う(ステップS003)。より具体的には、モデル構築部301は、取得したバイタルデータから外れ値の除去や数値として読み取れない情報(NaN)の補完処理を行う。なお、補完処理は、例えばNaNとなっているデータ箇所の前後の値の中間を採用するなど、所定の方法により実行される。
【0050】
次に、モデル構築部301は、データの正規化を行う(ステップS004)。具体的には、モデル構築部301は、バイタルデータを0~1の範囲となるように正規化する。なお、正規化処理の方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0051】
次に、モデル構築部301は、データセットを分割する(ステップS005)。具体的には、モデル構築部301は、後述の精度検証にホールドアウト法を用いるため、センサA120およびセンサB130の各々から取得したバイタルデータを訓練用データと検証用データとに分割する。なお、訓練用データと検証用データの分割割合は任意である。例えば、訓練用データと検証用データとは、6:4や7:3など任意の割合で分割される。
【0052】
次に、モデル構築部301は、ステップS006~ステップS010の処理により、学習モデル322を構築する。具体的には、モデル構築部301は、ベースモデル321を決定する(ステップS006)。より具体的には、モデル構築部301は、所定のベースモデル321(例えば、設計者によって予め選択されているベースモデル321)を記憶部320から取得し、これをモデル構築に用いるためのベースモデルに決定する。なお、ベースモデル321には、例えば重回帰分析やニューラルネットワークなど様々な種類のものがある。
【0053】
次に、モデル構築部301は、訓練用データを用いて機械学習を実行する(ステップS007)。ここで、機械学習について説明する。モデル構築部301は、センサA120から取得したバイタルデータの訓練用データ(以下、センサA120の訓練用データという場合がある)をラベル(正解値)として使用し、センサB130から取得したバイタルデータの訓練用データ(以下、センサB130の訓練用データという場合がある)をデータ本体として使用する。
【0054】
具体的には、モデル構築部301は、センサB130の訓練用データを、重回帰分析やニューラルネットワークなどの決定されたベースモデル321が示す伝達関数に入力し、ラベルに対する予測結果としてベースモデル321から出力された出力値と、センサA120の対応する訓練用データの値(正解値であるラベル)とを比較する。また、モデル構築部301は、センサA120の訓練用データの値に対して出力値がどれだけ離れていたかをフィードバックし、伝達関数の目的変数を変更する。また、モデル構築部301は、このような予測とフィードバックの処理を訓練用データ全てについて実行することで、機械学習を行い、学習モデル322を構築する。
【0055】
次に、モデル構築部301は、検証用データによる学習モデル322の精度検証を実行する(ステップS008)。具体的には、モデル構築部301は、構築した学習モデル322に対して、センサB130から取得したバイタルデータの検証用データ(以下、センサB130の検証用データという場合がある)を入力する。また、モデル構築部301は、かかる学習モデル322からの出力値と、センサA120から取得したバイタルデータの検証用データ(以下、センサA120の検証用データという場合がある)と、の差分に基づき、構築した学習モデル322の精度を検証する。
【0056】
次に、モデル構築部301は、学習モデル322の精度が充分か否かを判定する(ステップS009)。具体的には、モデル構築部301は、ステップS008において検証した学習モデル322の精度が充分と判断される所定の基準値を満たしているか否かに基づき判定を行う。そして、精度が充分と判定した場合(ステップS009でYes)、モデル構築部301は、処理をステップS010に移行する。一方で、精度が充分ではないと判定した場合(ステップS009でNo)、モデル構築部301は、処理をステップS007に戻す。
【0057】
なお、モデル構築部301は、ステップS009を経由して実行するステップS007およびステップS008の処理においては、新たな訓練用データおよび検証用データを用いてこれらの処理を実行する。具体的には、モデル構築部301は、制御部310を介してセンサA120およびセンサB130に対して新たなセンシングの実行指示を出力し、新たなバイタルデータを取得することで、前述のステップS007およびS008の処理で用いたデータとは異なるデータを用いて同様の処理を行う。
【0058】
また、ステップS010では、モデル構築部301は、ユーザIDおよび身体的特徴に基づいて分類された所定のカテゴリーを構築された学習モデル322に対応付けて記憶部320に格納(保存)する。
【0059】
また、モデル構築部301は、学習モデル322を保存すると、本フローの処理を終了する。
【0060】
なお、ユーザとは異なる人物を対象として学習モデル322を構築する場合、モデル構築部301は、身体的特徴に基づいて分類された各カテゴリーに属する人物に対してセンシングを行うことで、各カテゴリーに対応する学習モデル322を構築する。なお、カテゴリーは、身体的特徴の種類およびその範囲の組み合わせごとに分類される。例えば、カテゴリーの一例として、「性別=男性、年齢=30代、身長=170cm~180cm、体重=60kg~70kg、持病=無し」、「性別=女性、年齢=40代、身長=150cm~160cm、体重=50kg~60kg、持病=無し」などがある。
【0061】
モデル構築部301は、このように分類されているカテゴリーに属する母集団の人物に対してセンシングを行い、それによって取得したバイタルデータを用いて、各カテゴリーに対応する学習モデル322を構築する。
【0062】
これにより、後述するバイタルデータ測定処理において、ユーザは、自身のユーザ認証に基づいて、本人へのセンシングによって構築された学習モデル322あるいはユーザと同じカテゴリーに属する人物に対するセンシングにより構築された学習モデル322を適用してバイタルデータを測定することができる。
【0063】
次に、バイタルデータ測定装置100で実行されるバイタルデータ測定処理について説明する。
【0064】
図4は、バイタルデータ測定処理の一例を示したフロー図である。かかる処理は、例えば車両のエンジンが始動したタイミング(イグニッションキーがON状態になった時)、あるいはユーザから処理の開始指示を受け付けたタイミングで開始される。なお、エンジンの始動は、例えば通信部330を介してECUからエンジンが始動したことを示す情報をユーザ認証部302が取得することで検知されれば良い。また、ユーザによる開始指示は、例えばバイタルデータ測定装置100が備える処理開始の指示ボタンが押下されることで行われ、それをユーザ認証部302が検知すれば良い。
【0065】
処理が開始されると、ユーザ認証部302は、ユーザの個人認証を行う(S021)。具体的には、ユーザ認証部302は、所定の入力装置を介して入力されたユーザIDが対応付けられている学習モデル322を記憶部320から検索する。また、かかる学習モデル322が無い場合、ユーザ認証部302は、ユーザの属するカテゴリーが対応付けられた学習モデル322を記憶部320から検索する。
【0066】
なお、所定の入力装置は、例えばナビゲーション装置などのMain Unit200であっても良い。この場合、ユーザ認証部302は、通信部330を介してMain Unit200からユーザの入力情報を取得すれば良い。また、入力装置は、バイタルデータ測定装置100が備えていても良い。
【0067】
また、認証方式は、ユーザ情報の入力に限定されない。例えば、車両が車内映像を撮像する車内カメラを搭載している場合、ユーザ認証部302は、車内カメラが撮像した映像情報を取得し、これを用いて顔認証を実行することで、ユーザの身体的特徴を特定しても良い。この方式を採用する場合、バイタルデータ測定装置100は、通信装置140を介して車内カメラと情報通信可能に接続されていれば良い。
【0068】
また、認証方式は、指紋認証であっても良い。この方式を採用する場合、バイタルデータ測定装置100が指紋認証センサを備えていれば良い。あるいは車両の所定箇所(例えば、ハンドルなど)に指紋認証センサが設置されている場合、バイタルデータ測定装置100は、例えば通信装置140を介して接続されているECUから指紋情報を取得し、予め記憶部320に記憶されている指紋情報と照合することでユーザの身体的特徴を特定しても良い。
【0069】
次に、ユーザ認証部302は、対応する学習モデル322があるか否かを判定する(ステップS022)。具体的には、ユーザ認証部302は、ユーザIDまたはユーザが属するカテゴリーが対応付けられた学習モデル322が記憶部320に格納されているか否に基づき、かかる判定を行う。そして、対応する学習モデル322があると判定した場合(ステップS022でYes)、ユーザ認証部302は、処理をステップS023に移行する。一方で、対応する学習モデル322がないと判定した場合(ステップS022でNo)、ユーザ認証部302は、処理をステップS029に移行する。
【0070】
なお、ステップS029では、バイタルデータ入力部303は、対応する学習モデル322がないことをユーザに通知する。例えば、バイタルデータ入力部303は、対応する学習モデル322がないことを通知する所定のメッセージを生成し、通信部330を介して、かかるメッセージをMain Unit200である車載器の表示装置に表示させる。
【0071】
また、次に、バイタルデータ入力部303は、制御部310を介してセンサB130にバイタルデータの測定指示を出力する(ステップS030)。また、次に、データ形式変換部304は、センサB130で測定されたバイタルデータを取得し(ステップS031)、所定のデータ形式に変換する(ステップS032)。また、次に、データ形式変換部304は、データ形式を変換後のバイタルデータを、通信部330を介してMain Unit200へ出力する(ステップS033)。また、データ形式変換部304は、バイタルデータをMain Unit200に出力すると、本フローの処理を終了する。
【0072】
また、対応する学習モデル322があると判定された場合に移行するステップS023の処理では、ユーザ認証部302は、対応する学習モデル322を記憶部320から取得する。
【0073】
また、次に、バイタルデータ入力部303は、制御部310を介してセンサB130にバイタルデータの測定指示を出力する(ステップS024)。また、次に、バイタルデータ入力部303は、センサB130から出力されたバイタルデータを取得すると(ステップS025)、これを取得された学習モデル322に入力する(ステップS026)。
【0074】
また、次に、データ形式変換部304は、学習モデル322の演算結果として出力された出力値(演算処理後のバイタルデータ)を取得し、所定のデータ形式に変換する(ステップS027)。また、次に、データ形式変換部304は、データ形式を変換後のバイタルデータを、通信部330を介してMain Unit200へ出力する(ステップS028)。また、データ形式変換部304は、バイタルデータをMain Unit200に出力すると、本フローの処理を終了する。
【0075】
以上、本実施形態のバイタルデータ測定装置100について説明した。
【0076】
このようなバイタルデータ測定装置によれば、低精度センサを用いて、高精度センサと同等のセンシング精度のバイタルデータを取得することができる。特に、バイタルデータ測定装置は、高精度センサおよびこれよりも精度の低い低精度センサから出力されたバイタルデータを用いて機械学習を行い、低精度センサから出力されたバイタルデータに含まれる振動ノイズを、高精度センサから出力されたバイタルデータ並に低減させたバイタルデータを出力値とする学習モデルを構築する。これにより、比較的安価な低精度センサを用いてバイタルデータを測定した場合でも、高精度センサを用いた場合と同程度の精度のバイタルデータを取得することが可能となる。
【0077】
また、接触センサは、非接触センサに比べてセンシング精度が高いという利点がある一方で、装着が面倒という欠点がある。本実施形態に係るバイタルデータ測定装置によれば、非接触センサであっても接触センサと同等のセンシング精度を実現することができるため、高いセンシング精度を確保しつつユーザビリティを向上させることができる。
【0078】
<第二実施形態>
図5は、本実施形態に係るバイタルデータ測定装置100およびサーバ装置400の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。図示するように、バイタルデータ測定装置100は、例えばLAN(Local Area Network)など所定のネットワークNを介して、サーバ装置400と相互通信可能に接続されている。
【0079】
なお、サーバ装置400における演算部410およびモデル構築部411と、記憶部420およびベースモデル421と、通信部430とは各々、第一実施形態のバイタルデータ測定装置100における演算部300およびモデル構築部301と、記憶部320およびベースモデル321と、通信部330と同様の処理を行う機能部および情報のため、本実施形態では詳細な説明を省略する。
【0080】
前述の第一実施形態では、バイタルデータ測定装置100で学習モデル322を構築したが、本実施形態では、センサA120およびセンサB130から取得したバイタルデータをサーバ装置400に送信し、サーバ装置400の演算部410が有するモデル構築部411により学習モデル322が構築される。
【0081】
具体的には、バイタルデータ測定装置100の演算部300は、学習モデル構築処理において、センサA120およびセンサB130からバイタルデータを取得すると、通信部330を介して、サーバ装置400に送信する。サーバ装置400のモデル構築部411は、通信部430を介してバイタルデータを取得すると、ステップS002~ステップS010と同様の方法により学習モデル322を構築する。
【0082】
また、サーバ装置400のモデル構築部411により構築された学習モデル322は、サーバ装置400の通信部430を介してバイタルデータ測定装置100に送信され、記憶部320に格納される。また、バイタルデータ測定装置100は、記憶部320に格納されている学習モデル322を用いて、前述と同様のバイタルデータ測定処理を実行する。
【0083】
このような第二実施形態に係るバイタルデータ測定装置およびサーバ装置によれば、学習モデルの構築を処理性能が高いサーバ装置で実行することができるため、バイタルデータ測定装置のスペックを抑制することができ、その結果、製造コストを節約することができる。
【0084】
なお、本発明は、第一実施形態および第二実施形態のバイタルデータ測定装置100に限定されるものではなく、様々な変形例が可能である。例えば、第一実施形態における演算装置110(演算部300および制御部310)、通信装置140および記憶装置150は、Main Unit200であるナビゲーション装置などの車載器やECUに内蔵されていても良い。
【0085】
また、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0086】
100・・・バイタルデータ測定装置、110・・・演算装置、111・・・CPU、112・・・ROM、113・・・RAM、114・・・I/F(インターフェイス)、115・・・バス、120・・・センサA、130・・・センサB、140・・・通信装置、150・・・記憶装置、200・・・Main Unit、300・・・演算部、301・・・モデル構築部、302・・・ユーザ認証部、303・・・バイタルデータ入力部、304・・・データ形式変換部、310・・・制御部、320・・記憶部、321・・・ベースモデル、322・・・学習モデル、330・・・通信部、N・・・ネットワーク