(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240612BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2020149830
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】今西 宏徳
(72)【発明者】
【氏名】大塚 勝臣
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直史
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-024617(JP,A)
【文献】特開2013-171321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位とは異なる単位で当該特定の事業者から当該商品又は当該サービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定した前記複数のユーザ及び当該複数のユーザの各ユーザが希望する前記異なる単位を示す情報を前記特定の事業者に通知する通知手段と、
前記特定の事業者から前記商品又は前記サービスの提供を受ける権利を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記権利を前記複数のユーザに送信する送信手段と
を備えた
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受信手段は、前記特定手段により前記複数のユーザを特定するのに先立ち、前記特定の事業者から前記権利を受信することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信手段は、前記特定手段により前記複数のユーザを特定した後に、前記特定の事業者から前記権利を受信することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが、特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位とは異なる単位で当該特定の事業者から当該商品又は当該サービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定するステップと、
コンピュータが、特定した前記複数のユーザ及び当該複数のユーザの各ユーザが希望する前記異なる単位を示す情報を前記特定の事業者に通知するステップと
、
コンピュータが、前記特定の事業者から前記商品又は前記サービスの提供を受ける権利を受信するステップと、
コンピュータが、受信した前記権利を前記複数のユーザに送信するステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位とは異なる単位で当該特定の事業者から当該商品又は当該サービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定する機能と、
特定した前記複数のユーザ及び当該複数のユーザの各ユーザが希望する前記異なる単位を示す情報を前記特定の事業者に通知する機能と
、
前記特定の事業者から前記商品又は前記サービスの提供を受ける権利を受信する機能と、
受信した前記権利を前記複数のユーザに送信する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類のサブスクリプション商品を販売する際にその商品毎に異なる契約情報を対応付けて販売することができるサブスクリプション商品販売システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このサブスクリプション商品販売システムは、販売可能な複数種類のサブスクリプション商品に関する商品情報を管理する商品情報管理手段と、複数種類のサブスクリプション商品のうちのいずれかを指定するための商品指定手段と、商品指定手段を介して指定されたサブスクリプション商品に関する商品情報を商品情報管理手段から取得し、そのサブスクリプション商品に応じたサブスクリプション契約情報を商品情報と対応付けて管理する契約情報管理手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが特定の事業者から商品又はサービスの提供を、その特定の事業者が用意する通常の単位で受けたのでは、ユーザにとって必要以上の商品又はサービスの提供を受けることになり、十分な費用メリットが感じられない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザが特定の事業者からそのユーザにとって必要な分だけ商品又はサービスの提供を受けることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位とは異なる単位で特定の事業者から商品又はサービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定する特定手段と、特定手段により特定した複数のユーザ及び複数のユーザの各ユーザが希望する異なる単位を示す情報を特定の事業者に通知する通知手段とを備えた情報処理装置を提供する。
【0007】
特定の事業者は、複数の事業者のうちの1つの事業者であってよい。
【0008】
異なる単位は、通常の単位を分割した単位を含む、ものであってよい。その場合、特定手段は、複数のユーザの各ユーザが希望する異なる単位の合計が通常の単位となるように、複数のユーザを特定する、ものであってよい。また、特定手段は、予め定められた条件を満たすユーザを束ねた複数のユーザを特定する、ものであってよい。
【0009】
情報処理装置は、特定の事業者から商品又はサービスの提供を受ける権利を受信する受信手段と、受信手段により受信した権利を複数のユーザに送信する送信手段とを更に備えた、ものであってよい。その場合、受信手段は、特定手段により複数のユーザを特定するのに先立ち、特定の事業者から権利を受信する、ものであってもよいし、特定手段により複数のユーザを特定した後に、特定の事業者から権利を受信する、ものであってもよい。
【0010】
また、本発明は、コンピュータが、特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位とは異なる単位で特定の事業者から商品又はサービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定するステップと、コンピュータが、特定した複数のユーザ及び複数のユーザの各ユーザが希望する異なる単位を示す情報を特定の事業者に通知するステップとを含む情報処理方法も提供する。
【0011】
更に、本発明は、コンピュータに、特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位とは異なる単位で特定の事業者から商品又はサービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定する機能と、特定した複数のユーザ及び複数のユーザの各ユーザが希望する異なる単位を示す情報を特定の事業者に通知する機能とを実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが特定の事業者からそのユーザにとって必要な分だけ商品又はサービスの提供を受けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態におけるサービス提供システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本発明の実施の形態における仲介者サーバのハードウェア構成例を示した図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるサービス提供システムの動作の概要について示した図である。
【
図4】本発明の実施の形態における仲介者サーバの機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態における仲介者サーバのサービス情報記憶部に記憶されるサービス情報の一例を示した図である。
【
図6-1】本発明の実施の形態における仲介者サーバの第1の動作例を示したフローチャートである。
【
図6-2】本発明の実施の形態における仲介者サーバの第1の動作例を示したフローチャートである。
【
図7-1】本発明の実施の形態における仲介者サーバの第2の動作例を示したフローチャートである。
【
図7-2】本発明の実施の形態における仲介者サーバの第2の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本実施の形態は商品又はサービスの提供に適用可能であるが、以下では、商品の提供も商品を販売するサービスの提供と捉え、本実施の形態をサービスの提供に適用するものとして説明する。
【0015】
[サービス提供システムの全体構成]
図1は、本実施の形態におけるサービス提供システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、このサービス提供システム1は、ユーザ端末10
1~10
3と、サービス提供者サーバ20
1~20
3と、仲介者サーバ30とが通信回線80に接続されることにより構成されている。尚、図では、ユーザ端末10
1~10
3を示したが、これらを区別しない場合はユーザ端末10と称することもある。ユーザ端末10は3つ示したが、4つ以上存在してもよい。また、図では、サービス提供者サーバ20
1~20
3を示したが、これらを区別しない場合はサービス提供者サーバ20と称することもある。サービス提供者サーバ20は3つ示したが、4つ以上存在してもよい。
【0016】
ユーザ端末10は、ユーザによって使用される端末装置である。ユーザ端末10には例えばウェブブラウザがインストールされている。ユーザがこのウェブブラウザを操作して、サービス提供者サーバ20が提供するサービスを表示し、その中から希望するサービスを選択すると、ユーザ端末10は、その選択されたサービスを仲介者サーバ30に伝える。尚、ユーザ端末10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であってよい。また、ウェブブラウザではない特定の通信ソフトウェアであってもよい。
【0017】
サービス提供者サーバ20は、サービス提供者によって使用されるサーバコンピュータである。ここで、サービス提供者とは、サービスを提供する事業者である。そして、サービスの形式は、例えば、一定料金が支払われることにより一定期間サービスを提供するサブスクリプションサービスであってよい。また、サービスの内容は、例えば、人をユーザの元へ派遣して行うものであってよい。このようなサービスとしては、例えば、家事代行サービスがある。更に、上述したように、サービスの提供には、商品の提供も含まれるので、サービスの内容は、例えば、物をユーザの元へ届けるものであってもよい。このようなサービスとしては、例えば、絵本、総菜等の宅配サービスがある。或いは、サービスの内容は、通信回線80を介して電子データをユーザ端末10へ送信するものであってもよい。このようなサービスとしては、例えば、動画コンテンツの配信サービスがある。サービス提供者サーバ20は、ユーザにより選択されたサービスが仲介者サーバ30から通知されると、ユーザにその選択されたサービスを提供する。尚、サービス提供者サーバ20は、例えば、パーソナルコンピュータであってよい。
【0018】
仲介者サーバ30は、ユーザとサービス提供者との間を仲介する仲介者によって使用されるサーバコンピュータである。仲介者サーバ30にはウェブサーバがインストールされている。仲介者サーバ30は、ユーザにより選択されたサービスをこのウェブサーバを用いてユーザ端末10から受け付け、その選択されたサービスをサービス提供者サーバ20に通知する。尚、仲介者サーバ30は、例えば、パーソナルコンピュータであってよい。
【0019】
通信回線80は、ユーザ端末10と仲介者サーバ30との間、仲介者サーバ30とサービス提供者サーバ20との間等の情報通信に用いられる通信手段である。通信回線80としては、例えば、インターネットを用いるとよい。
【0020】
[仲介者サーバ、ユーザ端末、サービス提供者サーバのハードウェア構成]
図2は、仲介者サーバ30のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、仲介者サーバ30は、装置全体の動作を制御する制御ユニット31と、データ等を記憶するハードディスクドライブ32と、LAN(Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現する通信インターフェース33と、情報が入力される入力デバイス34と、情報が表示される表示デバイス35とを備えている。
【0021】
制御ユニット31は、CPU311と、基本ソフトウェアやBIOS等が記憶されたROM312と、ワークエリアとして用いられるRAM313とを有している。CPU311はマルチコアでもよい。また、ROM312は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット31は、所謂コンピュータである。
【0022】
ハードディスクドライブ32は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリ等でもよい。通信インターフェース33は、他の装置との接続に使用されるインターフェースである。入力デバイス34は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルであり、表示デバイス35は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
【0023】
制御ユニット31と、ハードディスクドライブ32と、通信インターフェース33と、入力デバイス34と、表示デバイス35とは、バス39や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0024】
また、
図2に示したハードウェア構成例は、ユーザ端末10及びサービス提供者サーバ20のハードウェア構成例として捉えることもできる。但し、ユーザ端末10について述べるときは、
図2の制御ユニット31、CPU311、ROM312、RAM313、ハードディスクドライブ32、通信インターフェース33、入力デバイス34、表示デバイス35をそれぞれ、制御ユニット11、CPU111、ROM112、RAM113、ハードディスクドライブ12、通信インターフェース13、入力デバイス14、表示デバイス15と表記するものとする。そして、サービス提供者サーバ20について述べるときは、
図2の制御ユニット31、CPU311、ROM312、RAM313、ハードディスクドライブ32、通信インターフェース33、入力デバイス34、表示デバイス35をそれぞれ、制御ユニット21、CPU211、ROM212、RAM213、ハードディスクドライブ22、通信インターフェース23、入力デバイス24、表示デバイス25と表記するものとする。
【0025】
[本実施の形態の概要]
このようなサービス提供システム1において、本実施の形態では、仲介者サーバ30が、サービス提供者によるサービスの提供における通常の単位とは異なる単位でサービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定し、特定した複数のユーザ及び各ユーザが希望する単位を示す情報をサービス提供者に通知する。
【0026】
ここで、通常の単位とは異なる単位は、通常の単位を分割した単位を含んでよい。
【0027】
また、特定した複数のユーザ及び各ユーザが希望する単位を示す情報が特定の事業者に通知された後、各ユーザはサービス提供者からその希望する単位でサービスの提供を受けることになる。
【0028】
図3(a),(b)は、このようなサービス提供システム1の動作の概要について示した図である。本実施の形態において、サービス提供者Sは、自身が定めた頻度及び量でサービスを提供する定額料金プランを用意しているものとする。以下、このようなサービス提供者Sが用意する定額料金プランを「通常プラン」と呼ぶことにする。
【0029】
図3(a)に、サービス提供システム1の動作の概要の第1の例を示す。この第1の例は、サービス提供者Sが用意する通常プランをユーザU1,U2が希望する希望プランにアレンジしたい場合であって、サービス提供者Sが通常プランしか用意していない場合の例である。ここで、通常プランのアレンジとは、通常プランで定められた頻度及び量の削減等である。この場合、仲介者Mは、サービス提供者Sの通常プランをユーザU1,U2の希望プランに分割して、ユーザU1,U2がサービス提供者Sから希望プランでサービスを受けられるようにし、その対価としてユーザ及びサービス提供者Sの少なくとも一方から手数料を徴収する。尚、手数料に代わる利益分を徴収してもよいが、本実施の形態では、ユーザからの手数料を例にとって説明する。
【0030】
具体的には、ユーザU1は、通常プランのa%を利用することを希望し、通常プランの定額料金のa%のサービス料と手数料とを仲介者Mに支払ったとする。また、ユーザU2は、通常プランのb%を利用することを希望し、通常プランの定額料金のb%のサービス料と手数料とを仲介者Mに支払ったとする。すると、仲介者Mは、サービス提供者Sに通常プランの定額料金の100%のサービス料を支払い、サービス提供者Sは、ユーザU1にサービスのa%を、ユーザU2にサービスのb%を、それぞれ提供することになる。
【0031】
例えば、サービス提供者Sが、1か月に4回の家事代行サービスを20000円で提供する場合を考える。この場合に、この家事代行サービスを利用したいが1か月に1回で十分と考える2人のユーザと、この家事代行サービスを利用したいが1か月に2回で十分と考える1人のユーザとが現れたとする。すると、仲介者Mは、前者の2人のユーザのそれぞれから5000円及び手数料を受け取り、後者の1人のユーザから10000円及び手数料を受け取り、サービス提供者Sに20000円を支払って、全てのユーザが希望する頻度でサービスを受けられるようにする。
【0032】
図3(b)に、サービス提供システム1の動作の概要の第2の例を示す。この第2の例は、サービス提供者Sが提供する通常プランをユーザU1,U2が希望する希望プランにアレンジしたい場合であって、サービス提供者Sがその希望プランをスポットプランとして提供しないが、スポットプランの料金は定めている場合の例である。ここで、通常プランのアレンジとは、第1の例と同様、通常プランで定められた頻度及び量の削減等である。また、スポットプランとは、通常プランで定められた頻度及び量よりも小さな頻度及び量でサービスを受ける都度料金を支払う都度料金プランである。この場合、仲介者Mは、ユーザU1,U2からはスポットプランの料金を徴収し、サービス提供者Sへは通常プランの料金を支払い、その差益を得て、ユーザU1,U2がサービス提供者Sから希望プランでサービスを受けられるようにする。
【0033】
具体的には、ユーザU1は、スポットプランをn回利用することを希望し、スポットプランの都度料金のn回分のサービス料を仲介者Mに支払ったとする。また、ユーザU2は、スポットプランをm回利用することを希望し、スポットプランの都度料金のm回分のサービス料を仲介者Mに支払ったとする。すると、仲介者Mは、サービス提供者Sに通常プランの定額料金のサービス料を支払い、サービス提供者Sは、ユーザU1に都度のサービスのn回分を、ユーザU2に都度のサービスのm回分を、それぞれ提供することになる。
【0034】
例えば、上述した家事代行サービスでは、サービス提供者Sが、1か月に4回の家事代行サービスという通常プランに加えて、1か月に1回の家事代行サービスといったスポットプランを用意している場合もある。このような場合、一般に、通常プランの定額料金よりもスポットプランの都度料金の方が割高となる。従って、この第2の例では、仲介者Mが、第1の例のような手数料を徴収せずに、ユーザにはサービス提供者Sからスポットプランの都度料金でサービスが提供されるようにし、サービス提供者Sへは通常プランの料金を支払うことで、その差分を売上とする。
【0035】
このように、サービス提供システム1の動作の概要としては、2つの例があるが、以下では、1つ目の例について詳細に説明する。
【0036】
[仲介者サーバの機能構成]
図4は、本実施の形態における仲介者サーバ30の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、本実施の形態における仲介者サーバ30は、受信部41と、サービス利用権管理部42と、サービス利用権記憶部43と、サービス情報記憶部44と、サービス情報管理部45と、送信部46とを備えている。
【0037】
受信部41は、ユーザがサービス提供者のサービス内容の閲覧を要求していることを示すサービス内容閲覧要求を、ユーザ端末10から受信する。ここで、サービス内容閲覧要求には、サービス提供者ID及びサービスIDが含まれる。サービス提供者IDは、サービス提供者を識別する識別情報であり、サービスIDは、サービス提供者が提供する複数のサービス内でサービスを識別する識別情報である。
【0038】
また、受信部41は、ユーザがサービス提供者のサービスを通常プランとは異なる希望プランで利用することを要求していることを示すサービス利用要求を、ユーザ端末10から受信する。ここで、サービス利用要求には、ユーザID、サービス提供者ID、サービスID、及び分割プランスペックが含まれる。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報である。サービス提供者IDは、上述したように、サービス提供者を識別する識別情報であり、サービスIDは、上述したように、サービスを識別する識別情報である。分割プランスペックとは、通常プランで定められた頻度及び量を示す通常プランスペックを分割して得られた複数の分割プランスペックのうち、ユーザが希望プランとして選択した分割プランスペックのことである。尚、本実施の形態において「通常プラン」というときは、「通常プラン単位数」(
図5参照)が1より大きい場合における「通常プラン」の「通常プラン単位数」倍を含むものとする。
【0039】
一方、受信部41は、サービス提供者のサービスを利用するためのサービス利用権を、サービス提供者サーバ20から受信する。ここで、サービス利用権とは、サービス提供者のサービスを利用するために必要な電子データのことである。サービス利用権は、サービス提供者ID及びサービスIDに紐付けられていてよい。また、サービス利用権は、仲介者サーバ30の図示しない販売促進手段が、サービス提供者サーバ20にサービス利用権の販売を促すことにより販売されたものでよい。その際に、仲介者は、サービス利用権の購入代金を支払ってもよい。或いは、サービス利用権の購入代金は、後払いで支払われてもよい。何れにしても、サービス利用権は、仲介者からサービス提供者へ金銭が支払われた又は支払われることを示すものである。この場合、サービス利用権は、特定の事業者から商品又はサービスの提供を受ける権利の一例であり、受信部41は、商品又はサービスの提供を受ける権利を受信する受信手段の一例である。
【0040】
サービス利用権管理部42は、受信部41がサービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信した場合、このサービス利用権を予め定められた単位に分割する。ここで、予め定められた単位は、例えば、サービス情報記憶部44に記憶された情報に基づいて決定するとよい。即ち、サービス情報記憶部44に、通常プランスペックを分割して得られた複数の分割プランスペックを記憶しておき、サービス利用権管理部42は、サービス利用権を、複数の分割プランスペックから求められる最小の分割プランスペックに相当する単位に分割するとよい。そして、サービス利用権管理部42は、分割したサービス利用権(以下、「分割サービス利用権」という)を、サービス提供者ID及びサービスIDに紐付けてサービス利用権記憶部43に記憶する。
【0041】
一方、サービス利用権管理部42は、受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信した場合、サービス利用権記憶部43に記憶された分割サービス利用権を取り出す。具体的には、サービス利用権管理部42は、サービス利用権記憶部43に記憶された分割サービス利用権のうち、サービス利用要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDに紐付けられた分割サービス利用権に着目する。また、サービス利用権管理部42は、サービス情報管理部45からユーザID及び希望プランを受け渡されていれば、着目した分割サービス利用権を、ユーザIDごとに、希望プランに応じた大きさにまとめて取り出す。そして、サービス利用権管理部42は、ユーザIDごとにまとめられた分割サービス利用権を送信部46に受け渡す。
【0042】
サービス利用権記憶部43は、サービス利用権管理部42がサービス利用権を分割して得た分割サービス利用権を記憶する。
【0043】
サービス情報記憶部44は、サービス提供者が提供するサービスに関する情報(以下、「サービス情報」という)を記憶する。サービス情報は、サービス提供者IDと、サービスIDと、サービス内容と、通常プランの情報と、ユーザ条件と、分割プランの情報と、ユーザIDとを含む。尚、サービス情報の具体例については、後述する。
【0044】
サービス情報管理部45は、受信部41がサービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信した場合、サービス内容閲覧要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDに対応するサービス情報をサービス情報記憶部44から取り出す。そして、このサービス情報に含まれるサービス内容、通常プランの情報、分割プランの情報等を送信部46に受け渡す。
【0045】
また、サービス情報管理部45は、受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信した場合、サービス利用要求に含まれるユーザIDに紐付けられたユーザ情報が、サービス情報記憶部44に含まれるユーザ条件を満たすかどうかを判定する。そして、ユーザIDがユーザ条件を満たすと判定した場合、サービス情報管理部45は、サービス情報記憶部44に記憶された複数の分割プランスペックのうちサービス利用要求に含まれる分割プランスペックにこのユーザIDを登録する。これは、予め定められた条件を満たすユーザを束ねた複数のユーザを特定することの一例である。但し、サービス情報記憶部44に記憶された複数の分割プランスペックのうちユーザIDが登録されたものの合計が、サービス情報記憶部44に記憶された通常プランスペックを超える場合は、それ以上ユーザを束ねる必要がないので、ユーザIDを登録しなくてもよい。また、サービス情報管理部45は、サービス情報記憶部44に記憶された複数の分割プランスペックのうちユーザIDが登録されたものが、サービス情報記憶部44に記憶された通常プランスペックを構成可能かどうか判定する。ここで、複数の分割プランスペックのうちユーザIDが登録されたものの合計が通常プランスペックと等しければ、通常プランスペックを構成可能と判定してよい。これは、複数のユーザの各ユーザが希望する異なる単位の合計が通常の単位となるように、複数のユーザを特定することの一例である。或いは、複数の分割プランスペックのうちユーザIDが登録されたものの合計が通常プランスペックと等しくなくても、複数の分割プランスペックのうちユーザIDが登録されたものの合計が通常プランスペックの一定割合以上であれば、通常プランスペックを構成可能と判定してよい。複数の分割プランスペックのうちユーザIDが登録されたものが通常プランを構成可能と判定すれば、サービス情報管理部45は、ユーザID及びそのユーザIDが登録された分割プランスペックをサービス利用権管理部42及び送信部46に受け渡す。この場合、通常プランスペックは、特定の事業者が商品又はサービスの提供を行う通常の単位の一例であり、分割プランスペックは、通常の単位とは異なる単位の一例である。また、サービス情報管理部45は、通常の単位とは異なる単位で特定の事業者から商品又はサービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定する特定手段の一例である。
【0046】
一方、サービス情報管理部45は、受信部41がサービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信した場合、通常プランスペックを分割して得られた複数の分割プランスペックのうち最小の分割プランスペックをサービス情報記憶部44から読み出してサービス利用権管理部42に受け渡す。
【0047】
送信部46は、受信部41がサービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信した場合、サービス情報管理部45から受け渡されたサービス内容、通常プランの情報、分割プランの情報等をユーザ端末10へ送信する。
【0048】
送信部46は、受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信した場合、サービス情報管理部45からユーザID及び分割プランスペックを受け渡されていれば、これらの情報をサービス提供者サーバ20へ送信する。この場合、送信部46は、複数のユーザ及び複数のユーザの各ユーザが希望する異なる単位を示す情報を特定の事業者に通知する通知手段の一例である。また、送信部46は、受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信した場合、サービス利用権管理部42から分割サービス利用権が受け渡されていれば、分割サービス利用権をユーザ端末10へ送信する。具体的には、サービス利用権管理部42からユーザIDごとにまとめられた分割サービス利用権が受け渡されていれば、分割サービス利用権を、対応するユーザIDのユーザが使用するユーザ端末10へ送信する。この場合、送信部46は、権利を複数のユーザに送信する送信手段の一例である。
【0049】
尚、これらの機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、CPU311(
図2参照)が、受信部41、サービス利用権管理部42、サービス情報管理部45、送信部46を実現するプログラムを例えばハードディスクドライブ32(
図2参照)からRAM313(
図2参照)に読み込んで実行することにより、これらの機能部は実現される。また、サービス利用権記憶部43、サービス情報記憶部44は、例えばハードディスクドライブ32(
図2参照)により実現される。
【0050】
図5は、サービス情報記憶部44に記憶されるサービス情報の一例を示した図である。図示するように、サービス情報は、サービス提供者IDと、サービスIDと、サービス内容と、通常プランスペックと、通常プラン料金と、通常プラン単位数と、ユーザ条件と、分割プランスペックと、分割プラン料金と、分割プラン手数料と、ユーザIDとを対応付けたものとなっている。
【0051】
サービス提供者IDは、サービス提供者を識別する識別情報である。サービス提供者IDは、このサービス提供システム1でサービスを提供する複数のサービス提供者を区別できるように予め付与されているものとする。
【0052】
サービスIDは、対応するサービス提供者IDで識別されるサービス提供者が提供するサービスを識別する識別情報である。サービスIDは、1人のサービス提供者が提供する複数のサービスを少なくとも区別できるように予め付与されているものとする。
【0053】
サービス内容は、対応するサービスIDで識別されるサービスが如何なるサービスであるかを記述した情報である。
【0054】
通常プランスペックは、対応するサービスIDで識別されるサービスの通常プランで定められた頻度及び量である。
【0055】
通常プラン料金は、対応するサービスIDで識別されるサービスを通常プランで利用する際に必要な料金である。
【0056】
通常プラン単位数は、対応するサービスIDで識別されるサービスを、通常プランで定められた頻度及び量の何倍利用できるかを示す数である。つまり、通常プラン単位数は、通常プランの1単位を1人分と考えた場合に、通常プランで何人分のサービスが用意されているかを示す数である。
【0057】
ユーザ条件は、対応するサービス提供者IDで識別されるサービス提供者が、対応するサービスIDで識別されるサービスをユーザに提供する場合の、そのユーザが満たすべき条件である。
【0058】
分割プランスペックは、対応する通常プランを複数種類の分割プランに分割する場合の分割プランで定められた頻度及び量である。分割プランスペックとしては、ユーザが選択可能な複数の分割プランスペックが記憶される。
【0059】
分割プラン料金は、対応するサービスIDで識別されるサービスを、対応する分割プランで利用する際に必要な料金である。
【0060】
分割プラン手数料は、サービス提供者がユーザに、対応するサービスIDで識別されるサービスを、対応する分割プランで提供できるようにするために、仲介者がユーザから徴収する手数料である。
【0061】
ユーザIDは、対応するサービス提供者IDで識別されるサービス提供者の、対応するサービスIDで識別されるサービスを、対応する分割プランで利用することを希望するユーザを識別する識別情報である。
【0062】
ここで、
図5に示した個々のサービス情報の意味について説明する。
【0063】
サービス提供者ID「S1」、サービスID「S11」のサービス情報は、サービスの通常プランが、1か月に4回の家事代行サービスを20000円で提供するものであることを示している。また、通常プラン単位数は、例えば100人等、多人数分を示す大きな数とするのが一般的であるが、このサービス情報では、説明を簡略化するため、通常プラン単位数を「1」としている。更に、このサービス情報は、サービスの提供を受けることが可能なユーザの条件として、人材派遣の都合上、「〇〇区在住」という条件を設けていることを示している。また、このサービス情報は、通常プランが、4つの分割プランに分割されていることを示している。第1の分割プランは、1か月に4回の家事代行サービスを20000円及び手数料0円で提供するものであり、第2の分割プランは、1か月に3回の家事代行サービスを15000円及び手数料500円で提供するものであり、第3の分割プランは、1か月に2回の家事代行サービスを10000円及び手数料1000円で提供するものであり、第4の分割プランは、1か月に1回の家事代行サービスを5000円及び手数料1500円で提供するものである。更に、このサービス情報は、ユーザID「U1」のユーザ及びユーザID「U2」のユーザが第4の分割プランを希望し、ユーザID「U3」のユーザが第3の分割プランを希望していることを示している。
【0064】
サービス提供者ID「S2」、サービスID「S21」のサービス情報は、サービスの通常プランが、1か月に1回の絵本2冊の宅配サービスを1000円で提供するものであることを示している。また、通常プラン単位数は、上記と同様の理由により「1」としている。また、このサービス情報は、通常プランが、2つの分割プランに分割されていることを示している。第1の分割プランは、1か月に1回の絵本2冊の宅配サービスを1000円及び手数料0円で提供するものであり、第2の分割プランは、2か月に1回の絵本2冊の宅配サービスを500円及び手数料50円で提供するものである。更に、このサービス情報は、ユーザID「U4」のユーザ及びユーザID「U5」のユーザが第2の分割プランを希望していることを示している。
【0065】
サービス提供者ID「S3」、サービスID「S31」のサービス情報は、サービスの通常プランが、1か月に5個の総菜の宅配サービスを2000円で提供するものであることを示している。また、通常プラン単位数は、上記と同様の理由により「1」としている。更に、このサービス情報は、サービスの提供を受けることが可能なユーザの条件として、食物の鮮度保持の都合上、「××区在住」という条件を設けていることを示している。また、このサービス情報は、通常プランが、5つの分割プランに分割されていることを示している。第1の分割プランは、1か月に5個の総菜の宅配サービスを2000円及び手数料0円で提供するものであり、第2の分割プランは、1か月に4個の総菜の宅配サービスを1600円及び手数料5円で提供するものであり、第3の分割プランは、1か月に3個の総菜の宅配サービスを1200円及び手数料10円で提供するものであり、第4の分割プランは、1か月に2個の総菜の宅配サービスを800円及び手数料15円で提供するものであり、第5の分割プランは、1か月に1個の総菜の宅配サービスを400円及び手数料20円で提供するものである。更に、このサービス情報は、ユーザID「U6」のユーザが第4の分割プランを希望し、ユーザID「U7」のユーザが第3の分割プランを希望していることを示している。
【0066】
[仲介者サーバの動作]
図6-1及び
図6-2は、本実施の形態における仲介者サーバ30の第1の動作例を示したフローチャートである。このフローチャートの動作は、例えば一定の周期で実行されるものとする。
【0067】
尚、この第1の動作例は、サービス提供者サーバ20からサービス利用権を受信した後に、ユーザ端末10からサービス内容閲覧要求及びサービス利用要求を受信する場合の動作例である。即ち、ユーザからサービス利用要求を受ける前にサービス提供者からサービス利用権を購入することを前提としている。この第1の動作例は、複数のユーザを特定するのに先立ち、特定の事業者から権利を受信する場合の一例である。
【0068】
また、この動作に先立ち、仲介者サーバ30は、サービス情報のユーザID以外の部分をサービス提供者サーバ20から取得して、サービス情報記憶部44に記憶しているものとする。その場合、この第1の動作例では、上述したように、ユーザからサービス利用要求を受ける前にサービス提供者からサービス利用権を購入するので、サービス情報における通常プラン単位数は、サービス利用権の購入額に応じて決められる。
【0069】
図6-1に示すように、仲介者サーバ30では、まず、受信部41が、サービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信したかどうかを判定する(ステップ301)。
【0070】
受信部41がサービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信したと判定すれば、サービス利用権管理部42が、サービス利用権を分割する(ステップ302)。具体的には、サービス利用権管理部42は、サービス情報記憶部44に記憶された複数の分割プランスペックのうちの最小の分割プランスペックをサービス情報管理部45から取得する。そして、ステップ301で受信されたサービス利用権をこの最小の分割プランスペックに相当する大きさの複数の分割サービス利用権に分割する。尚、この複数の分割サービス利用権は、サービス提供者ID及びサービスIDに紐付けられて、サービス利用権記憶部43に記憶される。その後、サービス利用権管理部42は、処理をステップ303へ進める。
【0071】
一方、受信部41は、サービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信したと判定しなければ、ステップ302を行うことなく、処理をステップ303へ進める。
【0072】
次に、仲介者サーバ30では、受信部41が、サービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信したかどうかを判定する(ステップ303)。
【0073】
受信部41がサービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信したと判定すれば、サービス情報管理部45が、サービス情報記憶部44に記憶されたサービス情報に含まれるサービス内容等を取り出す(ステップ304)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ303で受信されたサービス内容閲覧要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDをキーとして、サービス情報記憶部44からサービス内容等を取り出す。そして、送信部46は、ステップ304で取り出されたサービス内容等をユーザ端末10へ送信する(ステップ305)。その後、送信部46は、処理を
図6-2のステップ311へ進める。
【0074】
一方、受信部41は、サービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信したと判定しなければ、ステップ304及びステップ305を行うことなく、処理を
図6-2のステップ311へ進める。
【0075】
次いで、
図6-2に示すように、仲介者サーバ30では、受信部41が、サービス利用要求をユーザ端末10から受信したかどうかを判定する(ステップ311)。
【0076】
受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信したと判定すれば、サービス情報管理部45が、サービス利用要求がユーザ条件を満たすかどうかを判定する(ステップ312)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれるユーザIDに紐付けられたユーザ情報が、サービス情報記憶部44に記憶されたユーザ条件を満たすかどうかを判定する。尚、サービス情報記憶部44にユーザ条件が記憶されていなければ、サービス情報管理部45は、サービス利用要求がユーザ条件を満たすと判定すればよい。
【0077】
サービス利用要求がユーザ条件を満たすと判定すれば、サービス情報管理部45が、サービス利用要求により、これまでに利用が要求された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えることになるかどうかを判定する(ステップ313)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれる分割プランスペックに、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれるユーザIDを登録することにより、ユーザIDが登録された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えるかどうかを判定する。
【0078】
これまでに利用が要求された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えることにならないと判定すれば、サービス情報管理部45は、分割プランスペックにユーザIDを登録する(ステップ314)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれる分割プランスペックに対して、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれるユーザIDを登録する。
【0079】
このように分割プランスペックにユーザIDが登録されると、サービス情報管理部45は、ユーザIDが登録された分割プランスペックにより通常プランスペックが構成可能かどうかを判定する(ステップ315)。具体的には、サービス情報管理部45は、ユーザIDが登録された分割プランスペックの合計が通常プランスペックと等しくなるかどうかを判定する。或いは、ユーザIDが登録された分割プランスペックの合計が通常プランスペックの一定割合以上となるかどうかを判定してもよい。
【0080】
ユーザIDが登録された分割プランスペックにより通常プランスペックが構成可能と判定すれば、サービス情報管理部45は、サービス情報記憶部44からユーザID及び希望プランを取り出す(ステップ316)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDに対応する複数の分割プランスペックをサービス情報記憶部44から取り出す。次に、サービス情報管理部45は、取り出した複数の分割プランスペックの何れかに登録されたユーザIDを取り出す。次いで、サービス情報管理部45は、取り出したユーザIDが登録された分割プランスペックを、このユーザIDのユーザが希望する希望プランとして取り出す。
【0081】
これにより、送信部46は、ステップ316で取り出されたユーザID及び希望プランをサービス提供者サーバ20へ送信する(ステップ317)。
【0082】
次に、サービス利用権管理部42は、サービス利用権記憶部43から分割サービス利用権を取り出す(ステップ318)。具体的には、サービス利用権管理部42は、ステップ311で受信されたサービス利用要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDに紐付けて記憶された複数の分割サービス利用権に着目する。次に、ステップ316で取り出されたユーザIDに関連付けて、ステップ316で取り出された希望プランに相当する量の分割サービス利用権を取り出す。
【0083】
これにより、送信部46は、ステップ318で取り出された分割サービス利用権を、その分割サービス利用権が関連付けられたユーザIDに対応するユーザ端末10へ送信する(ステップ319)。
【0084】
一方、ステップ311で受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信したと判定しなければ、受信部41は、ステップ312~ステップ319を行うことなく、処理を終了する。
【0085】
また、ステップ312でサービス利用要求がユーザ条件を満たすと判定しなかった場合は、サービス情報管理部45が、ステップ314~ステップ319を行うことなく、処理を終了する。尚、この場合、サービス情報管理部45の指示により、送信部46が、ユーザIDに紐付けられたユーザ情報がユーザ条件を満たす他のサービスの利用を、そのユーザIDのユーザに提案してもよい。
【0086】
更に、ステップ313でこれまでに利用が要求された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えることになると判定した場合も、サービス情報管理部45は、ステップ314~ステップ319を行うことなく、処理を終了する。尚、この場合、サービス情報管理部45は、ステップ314で登録されなかったユーザIDを、破棄してもよいし、その後に用意する分割プランスペックに登録するために保持しておいてもよい。
【0087】
更にまた、ステップ315でユーザIDが登録された分割プランスペックにより通常プランスペックが構成可能と判定しなかった場合も、サービス情報管理部45は、ステップ316~ステップ319を行うことなく、処理を終了する。尚、この場合、サービス情報管理部45は、ステップ315で通常プランスペックが構成可能と判定されなかったユーザIDを一旦保留としてもよいし、削除してもよい。
【0088】
図7-1及び
図7-2は、本実施の形態における仲介者サーバ30の第2の動作例を示したフローチャートである。このフローチャートの動作は、例えば一定の周期で実行されるものとする。
【0089】
尚、この第2の動作例は、ユーザ端末10からサービス内容閲覧要求及びサービス利用要求を受信した後に、サービス提供者サーバ20からサービス利用権を受信する場合の動作例である。即ち、ユーザからサービス利用要求を受けた後にサービス提供者からサービス利用権を購入することを前提としている。この第2の動作例は、複数のユーザを特定した後に、特定の事業者から権利を受信する場合の一例である。
【0090】
また、この動作に先立ち、仲介者サーバ30は、サービス情報のユーザID以外の部分をサービス提供者サーバ20から取得して、サービス情報記憶部44に記憶しているものとする。その場合、この第2の動作例では、上述したように、ユーザからサービス利用要求を受けた後にサービス提供者からサービス利用権を購入するので、サービス情報における通常プラン単位数は、例えば、仲介者が定めた一度に購入可能なサービス利用権の上限額に応じて決めるとよい。
【0091】
図7-1に示すように、仲介者サーバ30では、まず、受信部41が、サービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信したかどうかを判定する(ステップ351)。
【0092】
受信部41がサービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信したと判定すれば、サービス情報管理部45が、サービス情報記憶部44に記憶されたサービス情報に含まれるサービス内容等を取り出す(ステップ352)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ351で受信されたサービス内容閲覧要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDをキーとして、サービス情報記憶部44からサービス内容等を取り出す。そして、送信部46は、ステップ352で取り出されたサービス内容等をユーザ端末10へ送信する(ステップ353)。その後、送信部46は、処理を
図7-2のステップ361へ進める。
【0093】
一方、受信部41は、サービス内容閲覧要求をユーザ端末10から受信したと判定しなければ、ステップ352及びステップ353を行うことなく、処理を
図7-2のステップ361へ進める。
【0094】
次いで、
図7-2に示すように、仲介者サーバ30では、受信部41が、サービス利用要求をユーザ端末10から受信したかどうかを判定する(ステップ361)。
【0095】
受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信したと判定すれば、サービス情報管理部45が、サービス利用要求がユーザ条件を満たすかどうかを判定する(ステップ362)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれるユーザIDに紐付けられたユーザ情報が、サービス情報記憶部44に記憶されたユーザ条件を満たすかどうかを判定する。尚、サービス情報記憶部44にユーザ条件が記憶されていなければ、サービス情報管理部45は、サービス利用要求がユーザ条件を満たすと判定すればよい。
【0096】
サービス利用要求がユーザ条件を満たすと判定すれば、サービス情報管理部45が、サービス利用要求により、これまでに利用が要求された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えることになるかどうかを判定する(ステップ363)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれる分割プランスペックに、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれるユーザIDを登録することにより、ユーザIDが登録された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えるかどうかを判定する。
【0097】
これまでに利用が要求された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えることにならないと判定すれば、サービス情報管理部45は、分割プランスペックにユーザIDを登録する(ステップ364)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれる分割プランスペックに対して、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれるユーザIDを登録する。
【0098】
このように分割プランスペックにユーザIDが登録されると、サービス情報管理部45は、ユーザIDが登録された分割プランスペックにより通常プランスペックが構成可能かどうかを判定する(ステップ365)。具体的には、サービス情報管理部45は、ユーザIDが登録された分割プランスペックの合計が通常プランスペックと等しくなるかどうかを判定する。或いは、ユーザIDが登録された分割プランスペックの合計が通常プランスペックの一定割合以上となるかどうかを判定してもよい。
【0099】
ユーザIDが登録された分割プランスペックにより通常プランスペックが構成可能と判定すれば、サービス情報管理部45は、サービス情報記憶部44からユーザID及び希望プランを取り出す(ステップ366)。具体的には、サービス情報管理部45は、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDに対応する複数の分割プランスペックをサービス情報記憶部44から取り出す。次に、サービス情報管理部45は、取り出した複数の分割プランスペックの何れかに登録されたユーザIDを取り出す。次いで、サービス情報管理部45は、取り出したユーザIDが登録された分割プランスペックを、このユーザIDのユーザが希望する希望プランとして取り出す。
【0100】
これにより、送信部46は、ステップ366で取り出されたユーザID及び希望プランをサービス提供者サーバ20へ送信する(ステップ367)。
【0101】
次に、仲介者サーバ30では、受信部41が、サービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信したかどうかを判定する(ステップ368)。ここでは、ステップ367で送信した希望プランの料金の合計に応じたサービス利用権がサービス提供者サーバ20から送られてくることが期待されるので、受信部41はそれを待ち受ける。
【0102】
受信部41は、サービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信したと判定しなければ、ステップ368を繰り返す。
【0103】
一方、受信部41がサービス利用権をサービス提供者サーバ20から受信したと判定すれば、サービス利用権管理部42が、サービス利用権を分割する(ステップ369)。具体的には、サービス利用権管理部42は、サービス情報記憶部44に記憶された複数の分割プランスペックのうちの最小の分割プランスペックをサービス情報管理部45から取得する。そして、ステップ368で受信されたサービス利用権をこの最小の分割プランスペックに相当する大きさの複数の分割サービス利用権に分割する。尚、この複数の分割サービス利用権は、サービス提供者ID及びサービスIDに紐付けられて、サービス利用権記憶部43に記憶される。
【0104】
次に、サービス利用権管理部42は、サービス利用権記憶部43から分割サービス利用権を取り出す(ステップ370)。具体的には、サービス利用権管理部42は、ステップ361で受信されたサービス利用要求に含まれるサービス提供者ID及びサービスIDに紐付けて記憶された複数の分割サービス利用権に着目する。次に、ステップ366で取り出されたユーザIDに関連付けて、ステップ366で取り出された希望プランに相当する量の分割サービス利用権を取り出す。
【0105】
これにより、送信部46は、ステップ370で取り出された分割サービス利用権を、その分割サービス利用権が関連付けられたユーザIDに対応するユーザ端末10へ送信する(ステップ371)。
【0106】
一方、ステップ361で受信部41がサービス利用要求をユーザ端末10から受信したと判定しなければ、受信部41は、ステップ362~ステップ371を行うことなく、処理を終了する。
【0107】
また、ステップ362でサービス利用要求がユーザ条件を満たすと判定しなかった場合は、サービス情報管理部45が、ステップ364~ステップ371を行うことなく、処理を終了する。尚、この場合、サービス情報管理部45の指示により、送信部46が、ユーザIDに紐付けられたユーザ情報がユーザ条件を満たす他のサービスの利用を、そのユーザIDのユーザに提案してもよい。
【0108】
更に、ステップ363でこれまでに利用が要求された分割プランスペックの合計が通常プランスペックを超えることになると判定した場合も、サービス情報管理部45は、ステップ364~ステップ371を行うことなく、処理を終了する。尚、この場合、サービス情報管理部45は、ステップ364で登録されなかったユーザIDを、破棄してもよいし、その後に用意する分割プランスペックに登録するために保持しておいてもよい。
【0109】
更にまた、ステップ365でユーザIDが登録された分割プランスペックにより通常プランスペックが構成可能と判定しなかった場合も、サービス情報管理部45は、ステップ366~ステップ371を行うことなく、処理を終了する。尚、この場合、サービス情報管理部45は、ステップ315で通常プランスペックが構成可能と判定されなかったユーザIDを一旦保留としてもよいし、削除してもよい。
【0110】
[変形例]
上記実施の形態では、主に1つのサービス提供者からサービスの提供を受ける複数のユーザを束ねることとしたが、
図1に複数のサービス提供者サーバ20を示したように、複数のサービス提供者からサービスの提供を受ける複数のユーザを束ねることとしてもよい。その場合も、複数のサービス提供者の各サービス提供者からサービスの提供を受ける複数のユーザを束ねることに関し、上記実施の形態は適用可能である。この場合、複数のサービス提供者は、複数の事業者の一例であり、上記実施の形態の1つのサービス提供者は、複数の事業者のうちの1つの事業者の一例である。
【0111】
また、その場合、仲介者サーバ30は、ユーザの利用状況を集計する集計手段と、複数のサービス提供者が提供するサービスの中からユーザの利用状況に基づいてそのユーザに適切なサービスの利用を促す利用促進手段を設けてもよい。ここで、ユーザの利用状況としては、利用するサービスやその頻度を用いるとよい。
【0112】
[本実施の形態の効果]
以上述べたように、本実施の形態では、仲介者サーバ30が、サービス提供者によるサービスの提供における通常の単位とは異なる単位でサービスの提供を受けることを希望するユーザを束ねた複数のユーザを特定し、特定した複数のユーザ及び各ユーザが希望する単位を示す情報をサービス提供者に通知するようにした。これにより、ユーザがサービス提供者からそのユーザにとって必要な分だけ商品又はサービスの提供を受けることができるようになった。
【符号の説明】
【0113】
1…サービス提供システム、10…ユーザ端末、20…サービス提供者サーバ、30…仲介者サーバ、41…受信部、42…サービス利用権管理部、43…サービス利用権記憶部、44…サービス情報記憶部、45…サービス情報管理部、46…送信部