(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】太陽電池製造装置及び太陽電池製造装置管理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240612BHJP
H02S 50/15 20140101ALI20240612BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20240612BHJP
G01N 21/88 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H02S50/15
G01N21/64 Z
G01N21/88 K
(21)【出願番号】P 2020155070
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】入江 暢
(72)【発明者】
【氏名】吉河 訓太
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-516374(JP,A)
【文献】特開2014-153208(JP,A)
【文献】特開2015-059781(JP,A)
【文献】特開2015-038481(JP,A)
【文献】特開2005-235920(JP,A)
【文献】特開2001-176946(JP,A)
【文献】国際公開第2011/016441(WO,A1)
【文献】特開2019-128247(JP,A)
【文献】特開2011-059556(JP,A)
【文献】特開2017-075936(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0063303(US,A1)
【文献】中国実用新案第204119167(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H02S 50/15
G01N 21/64
G01N 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハを搬送する搬送装置と、
前記半導体ウエハに太陽電池の光電変換構造を形成する光電変換構造形成装置と、
前記半導体ウエハのフォトルミネッセンス画像を撮影する撮像装置と、
前記半導体ウエハの前記搬送装置が当接する位置に対応して前記フォトルミネッセンス画像中に設定される対象領域の輝度に基づいて、前記搬送装置のメンテナンスの要否を判定する判定装置と、
を備える、太陽電池製造装置。
【請求項2】
前記判定装置は、前記対象領域の平均輝度の前記フォトルミネッセンス画像の前記対象領域と重複しない対比領域の平均輝度に対する比が、所定の判定閾値以下である場合に、前記搬送装置のメンテナンスが必要であると判定する、請求項1に記載の太陽電池製造装置。
【請求項3】
複数の前記搬送装置を備え、
前記判定装置は、前記搬送装置ごとに対応する前記対象領域の輝度に基づいてメンテナンスの要否を判定する、請求項1又は2に記載の太陽電池製造装置。
【請求項4】
半導体ウエハを搬送する搬送装置と、前記半導体ウエハに太陽電池の構造を形成する太陽電池製造装置と、を備える太陽電池製造装置のメンテナンスを管理する太陽電池製造装置管理方法であって、
太陽電池の光電変換構造が形成された半導体ウエハのフォトルミネッセンス画像を撮影する工程と、
前記半導体ウエハの前記搬送装置が当接する位置に対応して前記フォトルミネッセンス画像中に設定される対象領域の輝度に基づいて、前記搬送装置のメンテナンスの要否を判定する工程と、
を備える、太陽電池製造装置管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池製造装置及び太陽電池製造装置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池の製造において、複数の太陽電池の光電変換構造を形成した半導体ウエハのフォトルミネッセンス画像を撮影して光電変換構造の欠陥を確認することがある(例えば、特許文献1参照)。このような工程を設けることによって、最終的に得られる個々の太陽電池素子の性能を比較的簡単に予測することができ、電極構造を形成する前に不良率が高い半導体ウエハを除外することで全体として製造コストを低減することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、フォトルミネッセンス画像を解析して太陽電池素子の性能を正確に予測するための提案はなされているが、フォトルミネッセンス画像の解析結果を太陽電池製造装置にフィードバックして光電変換構造の欠陥を低減する技術は見当たらない。そこで、本発明は、光電変換構造の欠陥を低減できる太陽電池製造装置及び太陽電池製造装置管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る太陽電池製造装置は、半導体ウエハを搬送する搬送装置と、前記半導体ウエハに太陽電池の光電変換構造を形成する光電変換構造形成装置と、前記半導体ウエハのフォトルミネッセンス画像を撮影する撮像装置と、前記半導体ウエハの前記搬送装置が当接する位置に対応して前記フォトルミネッセンス画像中に設定される対象領域の輝度に基づいて、前記搬送装置のメンテナンスの要否を判定する判定装置と、を備える。
【0006】
前記太陽電池製造装置において、前記判定装置は、前記対象領域の平均輝度の前記フォトルミネッセンス画像の前記対象領域と重複しない対比領域の平均輝度に対する比が、所定の判定閾値以下である場合に、前記搬送装置のメンテナンスが必要であると判定してもよい。
【0007】
前記太陽電池製造装置において、複数の前記搬送装置を備え、前記判定装置は、前記搬送装置ごとに対応する前記対象領域の輝度に基づいてメンテナンスの要否を判定してもよい。
【0008】
本発明の一態様に係る太陽電池製造装置管理方法は、半導体ウエハを搬送する搬送装置と、前記半導体ウエハに太陽電池の構造を形成する太陽電池製造装置と、を備える太陽電池製造装置のメンテナンスを管理する太陽電池製造装置管理方法であって、太陽電池の光電変換構造が形成された半導体ウエハのフォトルミネッセンス画像を撮影する工程と、前記半導体ウエハの前記搬送装置が当接する位置に対応して前記フォトルミネッセンス画像中に設定される対象領域の輝度に基づいて、前記搬送装置のメンテナンスの要否を判定する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る太陽電池製造装置及び太陽電池製造装置管理方法によれば、光電変換構造の欠陥を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池製造装置の構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の太陽電池製造装置におけるフォトルミネッセンス画像を例示する図である。
【
図3】
図1の太陽電池製造装置においてフォトルミネッセンス画像に設定される対象領域を示す図である。
【
図4】
図1の太陽電池製造装置において第1搬送装置が損耗したときのフォトルミネッセンス画像を例示する図である。
【
図5】
図1の太陽電池製造装置において第2搬送装置が損耗したときのフォトルミネッセンス画像を例示する図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る太陽電池製造装置管理方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池製造装置1の構成を示す模式図である。太陽電池製造装置1は、半導体ウエハWに光電変換を行う複数の太陽電池構造(光電変換に係る光電変換構造及び光電変換構造から電力を出力するための電極構造)を形成する装置である。なお、本件の「輝度」とは、放射量の放射輝度をさす。
【0012】
太陽電池製造装置1は、第1搬送装置10、光電変換構造形成装置20、第2搬送装置30、撮像装置40、判定装置50及び電極構造形成装置60を備える。なお、これらの装置は、機能的に区別することができればよく、互いに独立した装置でなくてもよく、特に第1搬送装置10及び第2搬送装置30は、その一部又は全部が、光電変換構造形成装置20、撮像装置40又は電極構造形成装置60と一体に構成及び制御され得る。
【0013】
第1搬送装置10は、半導体ウエハWを搬送する。第1搬送装置10は、半導体ウエハWとの接触位置が限定されよう構成される。例として、第1搬送装置10は、2本の平行に配設され、同じ速度で回転する無端ループ状のロープ又は幅が小さいベルトによって半導体ウエハWを搬送するコンベア、半導体ウエハWの特定の領域を支持する支持突起を有するベルト、バケット等を有するコンベア、半導体ウエハWの特定の領域を把持、吸着当により保持するロボットなどから構成され得る。
【0014】
第1搬送装置10の半導体ウエハWに当接する部分の損耗及び汚れは、半導体ウエハWに傷又は汚れを与えることにより、半導体ウエハWの光電変換構造の欠陥を生じさせ得る。このため、第1搬送装置10は、半導体ウエハWに当接する部分だけを交換可能に構成されることが好ましい。これにより、第1搬送装置10は、半導体ウエハWの光電変換構造の欠陥を生じさせ得る部分だけを交換することができるので、メンテナンスが容易となる。
【0015】
光電変換構造形成装置20は、半導体ウエハWに、複数種類の半導体層をそれぞれパターニングして積層することにより、半導体ウエハに複数の光電変換構造を形成する。例として、光電変換構造形成装置20は、半導体層を積層するために、スパッタリング装置、真空蒸着装置、化学蒸着装置等の1又は複数を備えることができる。また、光電変換構造形成装置20は、レジストパターンの積層又は各層の選択除去を行うことにより半導体層をパターニングするために、印刷装置、フォトリソグラフ装置、エッチング装置等を備えることができる。
【0016】
第2搬送装置30は、第1搬送装置10と同様に、半導体ウエハWを搬送するが、第1搬送装置10とは半導体ウエハWとの接触位置が異なることが好ましい。第2搬送装置30も、第1搬送装置10と同様に、半導体ウエハWに当接する部分だけを交換可能に構成されることが好ましい。
【0017】
撮像装置40は、光電変換構造形成装置20により光電変換構造が形成された半導体ウエハWのフォトルミネッセンス画像を撮影する。具体的には、撮像装置40は、半導体ウエハWに光を照射して半導体ウエハWの内部にキャリアを励起し、このキャリアが再結合して基底状態に戻る際に発する光を撮影する。このため、撮像装置40は、光源を有する光照射部と、撮像素子を有する撮像部と、を有することができる。
【0018】
この撮像装置40は、光電変換構造形成装置20により形成された光電変換構造の欠陥をフォトルミネッセンス法により検出する周知の検査装置の撮像に関する構成と共用することができる。
【0019】
判定装置50は、撮像装置40が撮影したフォトルミネッセンス画像を解析する画像処理装置である。この判定装置50は、CPU、メモリ等を有するコンピュータに適切な画像処理プログラムを実行させることによって実現できる。この判定装置50は、光電変換構造の欠陥を検出する検査装置の画像処理を行うコンピュータにプログラムを追加することによって実現されてもよい。
【0020】
判定装置50は、半導体ウエハWの搬送装置10,30が当接する位置に対応してフォトルミネッセンス画像中に設定される対象領域の輝度に基づいて、搬送装置10,30のメンテナンスの要否を判定する。つまり、判定装置50は、対象領域の輝度が低下した場合に、半導体ウエハWに搬送装置10,30が当接することに起因する局所的な光電変換構造の欠陥の増加が生じているため、搬送装置10,30のメンテナンスが必要であると判断する。
【0021】
対象領域は、半導体ウエハW対する搬送装置10,30の当接位置のバラツキ、フォトルミネッセンス画像中の半導体ウエハWの存在領域のバラツキなどを考慮して、ルミネッセンス画像中の固定された領域として予め設定され得る。また、対象領域は、ルミネッセンス画像中の半導体ウエハWの存在領域の配置に応じてフォトルミネッセンス画像ごとに設定されてもよい。つまり、判定装置50は、フォトルミネッセンス画像中の半導体ウエハWの存在領域をパターン認識により特定し、特定された半導体ウエハWの存在領域のパターンに対し予め設定される動的な領域として、対象領域を設定してもよい。
【0022】
具体的には、判定装置50は、対象領域の輝度の絶対値(例えば平均値、合計値等)が一定値以下となった場合に搬送装置10,30のメンテナンスが必要であると判定してもよいが、フォトルミネッセンス画像の対象領域と重複しない対比領域の平均輝度に対する対象領域の平均輝度の比(以下輝度比という)が、所定の判定閾値以下である場合に、搬送装置10,30のメンテナンスが必要であると判定してもよい。つまり、判定装置50は、フォトルミネッセンス画像を用いて、搬送装置10,30が当接した対象領域の光電変換構造のフォトルミネッセンスによる発光強度の低下の有無を、搬送装置10,30の影響を受けない対比領域の光電変換構造のフォトルミネッセンスによる発光強度を基準として判定することができる。これにより、撮像装置40の発光強度の変化、周囲の明るさの変化等を相殺して比較的正確に搬送装置10,30による光電変換構造の発光強度の低下を判定できる。
【0023】
図2に搬送装置10,30に損耗及び汚れがないときのフォトルミネッセンス画像の例を、
図3に、第1搬送装置10が当接する位置に対応する第1対象領域A1、及び第2搬送装置30が当接する位置に対応する第2対象領域A2を示す。
図2では、第1対象領域A1の平均輝度の第1対象領域A1以外の領域の平均輝度に対する輝度比は0.90であり、第2対象領域A2の平均輝度の第2対象領域A2以外の領域の平均輝度に対する輝度比は1.00である。
【0024】
図4に、第1搬送装置10が損耗したときのフォトルミネッセンス画像の例を示す。この例では、第1対象領域A1の平均輝度の第1対象領域A1以外の領域の平均輝度に対する輝度比は0.39であり、第2対象領域A2の平均輝度の第2対象領域A2以外の領域の平均輝度に対する輝度比は1.00である。このように、第1対象領域A1の平均輝度の第1対象領域A1以外の領域の平均輝度に対する輝度比が小さくなっていることから、第1搬送装置10のメンテナンスが必要であると判断できる。
【0025】
さらに、
図5に、第2搬送装置30が損耗したときのフォトルミネッセンス画像の例を示す。この例では、第1対象領域A1の平均輝度の第1対象領域A1以外の領域の平均輝度に対する輝度比は1.00であり、第2対象領域A2の平均輝度の第2対象領域A2以外の領域の平均輝度に対する輝度比は0.41である。このように、第2対象領域A2の平均輝度の第2対象領域A2以外の領域の平均輝度に対する輝度比が小さくなっていることから、第2搬送装置30のメンテナンスが必要であると判断できる。
【0026】
対比領域は、フォトルミネッセンス画像全体から予め設定される対象領域を除外した領域としてもよいが、フォトルミネッセンス画像全体から、例えば、半導体ウエハWの外側の領域、半導体ウエハWの中で光電変換構造が形成されない領域、判定対象とする搬送装置10,30以外の要因で光電変換構造の欠陥が特に多くなり得る領域(半導体ウエハWに判定対象でない搬送装置又は他の装置が当接する領域)等を除外した領域として設定されることで、搬送装置10,30のメンテナンスの要否をより正確に判断できる。
【0027】
判定装置50は、1つのフォトルミネッセンス画像に対して、搬送装置10,30ごとに対応する対象領域を設定し、それぞれの対象領域の輝度に基づいて対応する搬送装置10,30のメンテナンスの要否を個別に判定してもよい。この場合、上述のように、搬送装置10,30が半導体ウエハWの異なる位置に当接するようにすることで、個々の搬送装置10,30のメンテナンスの要否判定の精度を向上できる。
【0028】
判定装置50は、異なる半導体ウエハWを撮影した複数のフォトルミネッセンス画像の対象領域の輝度に基づいて搬送装置10,30のメンテナンスの要否を判定してもよい。例として、判定装置50は、直近の所定数の半導体ウエハWのフォトルミネッセンス画像の輝度比の平均値、つまり輝度比の移動平均が判定閾値以下となったときに搬送装置10,30のメンテナンスが必要であると判定してもよい。これによって、例えば半導体ウエハWの不良等の一次的な原因によって対象領域内の欠陥が増大した場合に、本来不必要な搬送装置10,30のメンテナンスを行うことがないようにできる。
【0029】
電極構造形成装置60は、光電変換構造が形成された半導体ウエハWに、さらに電力を出力するための電極構造を形成する。電極構造形成装置60としては、銀ペースト等により導体パターンを印刷する装置、スパッタリング、めっき等により金属層を積層し、レジストパターン形成してからエッチングすることで金属層を選択的に除去する装置などを用いることができる。
【0030】
以上の構成を有する太陽電池製造装置1は、搬送装置10,30のメンテナンスの要否を判定する判定装置50を備えるため、搬送装置10,30のメンテナンスを適切に行うことによって、光電変換構造の欠陥を低減できる。このため、太陽電池製造装置1は、品質(出力)に優れる太陽電池を高い歩留まりで製造することができる。
【0031】
続いて、
図1の太陽電池製造装置1の管理方法について説明する。
図6は、太陽電池製造装置1に適用できる、本発明の一実施形態に係る太陽電池製造装置管理方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態の太陽電池製造装置管理方法は、太陽電池製造装置1のメンテナンス、特に搬送装置10,30のメンテナンスを管理する方法である。
【0032】
本実施形態の太陽電池製造装置管理方法は、半導体ウエハWのフォトルミネッセンス画像を撮影する工程(ステップS1:撮影工程)と、搬送装置10,30のメンテナンスの要否を判定する工程(ステップS2:判定工程)と、を備える。
【0033】
ステップS1の撮影工程では、撮像装置40によって、光電変換構造が形成された半導体ウエハWのフォトルミネッセンス画像を撮影する。
【0034】
ステップS2の判定工程では、判定装置50によって、フォトルミネッセンス画像中に設定される対象領域の輝度に基づいて、搬送装置10,30のメンテナンスの要否を判定する。
【0035】
以上のように、本実施形態の太陽電池製造装置管理方法では、フォトルミネッセンス画像に基づいて、搬送装置10,30のメンテナンスの要否を判定するので、搬送装置10,30に起因する光電変換構造の欠陥の発生を早期に認知することが可能となり、光電変換構造の欠陥の増大を抑制できる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。
【0037】
例として、複数の搬送装置同様の構成を有し、半導体ウエハに当接する部材の損耗が略等しく進行する場合等には、判定装置は、複数の搬送装置に対して単一の対象領域を設定することにより、複数の搬送装置のメンテナンスの要否を一括して判定してもよい。この場合、一括して判定される複数の搬送措置は、半導体ウエハに当接する部材が一斉に交換され得る。また、対象領域の形状は、帯状に限定されず、搬送装置の半導体ウエハに当接する部分の形状に合わせて設定すればよい。
【0038】
判定装置は、少なくとも1つの搬送装置のメンテナンスの要否を判定すればよい。例として、光電変換構造形成装置は、堅固な治具を用いて半導体ウエハを位置決めする搬送装置と協調動作する場合が多いが、このような搬送装置は半導体ウエハに当接する部材の損耗が極めて小さいため、判定装置による常時監視の対象としなくてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 太陽電池製造装置
10 第1搬送装置
20 光電変換構造形成装置
30 第2搬送装置
40 撮像装置
50 判定装置
60 電極構造形成装置