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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】立体物取付装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/10 20060101AFI20240612BHJP
   F21V 21/02 20060101ALI20240612BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20240612BHJP
【FI】
F16B5/10 B
F21V21/02 300
E04B9/00 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020156445
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022050072
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000111166
【氏名又は名称】DNライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】服部 敦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 旭
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-287007(JP,A)
【文献】特開2018-119629(JP,A)
【文献】実開昭61-114083(JP,U)
【文献】実開昭62-090857(JP,U)
【文献】特開平08-203321(JP,A)
【文献】特開2014-160602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/10
F21V 21/02
E04B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部に取り付けられる取付部側取付部材と、立体物に取り付けられる立体物側取付部材とを備え、
前記取付部側取付部材は、所定方向に所定長離間して前記取付部に取り付けられる係止受部とネジ止受部とを備え、
前記係止受部は、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて延びる係止受立上り部と、該係止受立上り部の先端から前記ネジ止受部の側に向けて延びる係止受突起部とを備え、
前記ネジ止受部は、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて延びるネジ止受立上り部と、該ネジ止受立上り部に形成された雌ネジ穴とを備え、
前記立体物側取付部材は、所定方向に所定長離間して前記立体物に取り付けられる係止部とネジ止部とを備え、
前記係止部は、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて延びる係止立上り部と、該係止立上り部の先端から前記ネジ止部の側とは反対側に向けて延びる係止突起部とを備え、
前記ネジ止部は、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて延びるネジ止立上り部と、該ネジ止立上り部に形成されたネジ挿通孔とを備え、
前記取付部側取付部材は、前記取付部に取り付けられる載置受部を備え、該載置受部は、前記係止受部の側に向く、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて延びる載置受面を備え、
前記立体物側取付部材は、前記立体物に取り付けられる載置部を備え、該載置部は、前記ネジ止部の側に向く、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて延びる、前記載置受面に当接する載置面を備え、
ていることを特徴とする立体物取付装置。
【請求項2】
前記載置受面は、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて前記係止受部の側に傾斜した傾斜面であり、
前記載置面は、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて前記ネジ止部の側に傾斜した傾斜面である、
ことを特徴する請求項記載の立体物取付装置。
【請求項3】
前記係止立上り部が前記載置部を兼ねており、前記係止立上り部の前記ネジ止部の側に向く面が前記載置面である
ことを特徴とする請求項または記載の立体物取付装置。
【請求項4】
前記取付部側取付部材は前記取付部に取り付けられる基部を有し、
前記係止受部、前記載置受部および前記ネジ止受部は、それぞれ前記基部から延びて形成されている、
ことを特徴とする請求項からいずれか1項記載の立体物取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁や天井等の取付部に照明パネル等の立体物を取り付けるための立体物取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁や天井等の取付部に照明パネル等の各種の立体物を取り付けるための取付装置が種々知られている。例えば、特許文献1には、立体物の一例である面発光パネルを壁に取り付ける取付装置が記載されている。この取付装置は、鉛直方向に延びる壁に面発光パネルを水平に取り付ける装置であり、壁にネジで固定される取付部材と、面発光パネルをその両主面で挟持して保持する保持部材とを備え、保持部材をネジで取付部材に固定する構造を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-197659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている取付装置は、立体物の一例としての面発光パネルを鉛直方向に延びる壁に対して水平に、つまり片持ち梁状態で取り付けるものであり、面発光パネルを両主面で挟持して保持するものであって、取付装置が大型かつ構造複雑でコストが嵩み易いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、照明パネル等の立体物を壁等の取付部に取り付けるための取付装置であって、立体物を取付部に簡単に取り付けることができ、小型かつ構造簡単であってコスト的にも安価な立体物取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る立体物取付装置は、
取付部に取り付けられる取付部側取付部材と、立体物に取り付けられる立体物側取付部材とを備え、
前記取付部側取付部材は、所定方向に所定長離間して前記取付部に取り付けられる係止受部とネジ止受部とを備え、
前記係止受部は、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて延びる係止受立上り部と、該係止受立上り部の先端から前記ネジ止受部の側に向けて延びる係止受突起部とを備え、
前記ネジ止受部は、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて延びるネジ止受立上り部と、該ネジ止受立上り部に形成された雌ネジ穴とを備え、
前記立体物側取付部材は、所定方向に所定長離間して前記立体物に取り付けられる係止部とネジ止部とを備え、
前記係止部は、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて延びる係止立上り部と、該係止立上り部の先端から前記ネジ止部の側とは反対側に向けて延びる係止突起部とを備え、
前記ネジ止部は、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて延びるネジ止立上り部と、該ネジ止立上り部に形成されたネジ挿通孔と、を備えている。
【0007】
前記立体物取付装置は、
前記取付部側取付部材が、前記取付部に取り付けられる載置受部を備え、該載置受部が、前記係止受部の側に向く、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて延びる載置受面を備え、
前記立体物側取付部材が、前記立体物に取り付けられる載置部を備え、該載置部が、前記ネジ止部の側に向く、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて延びる、前記載置受面に当接する載置面を備え、
た構成とすることができる。
【0008】
前記立体物取付装置は、
前記載置受面が、前記取付部の側から前記立体物の側に向けて前記係止受部の側に傾斜した傾斜面であり、
前記載置面が、前記立体物の側から前記取付部の側に向けて前記ネジ止部の側に傾斜した傾斜面である、
構成とすることができる。
【0009】
前記立体物取付装置は、
前記係止立上り部が前記載置部を兼ね、前記係止立上り部の前記ネジ止部の側に向く面が前記載置面である、
構成とすることができる。
【0010】
前記立体物取付装置は、
前記取付部側取付部材が前記取付部に取り付けられる基部を有し、
前記係止受部、前記載置受部および前記ネジ止受部が、それぞれ前記基部から延びて形成されている、
構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る立体物取付装置は、上述のように、係止受立上り部と係止受突起部とを有するフック状の係止受部および雌ネジ穴を有するネジ止受部からなる簡単な構造の取付部側取付部材と、係止立上り部と係止突起部とを有するフック状の係止部およびネジ挿通孔を有するネジ止部からなる簡単な構造の立体物側取付部材とからなるので、装置全体が小型で構造簡単であり、コスト的にも安価に製造することができ、立体物の取付部への取付けも、立体物側取付部材の係止部を取付部側取付部材の係止受部に差し込み、立体物側取付部材のネジ止部のネジ挿通孔にネジを挿通し、該ネジを取付部側取付部材のネジ止受部の雌ネジ穴に螺合させるだけで簡単に行うことができる。
【0012】
本発明に係る立体物取付装置は、上述のように、取付部側取付部材の載置受部と立体物側取付部材の載置部とを備えることができ、それらを備えた場合、立体物側取付部材の係止部を取付部側取付部材の係止受部に差し込んだときに、載置受部に載置部を載置することで立体物を取付部に仮置きすることが可能となり、立体物を手で支えておく必要がなくなるので、ネジ挿通孔にネジを挿通して雌ネジ穴に螺合させる作業を容易に行うことができる。
【0013】
本発明に係る立体物取付装置は、上述のように、載置受部の載置受面と載置部の載置面とを傾斜させることができ、その場合、上述の仮置きの際の立体物の落下防止が図られ、仮置きの安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る取付部側取付部材の一実施形態の斜視図
図2図1に示す取付部側取付部材の側面図
図3】本発明に係る立体物側取付部材の一実施形態の斜視図
図4図3に示す立体物側取付部材を下から見た図
図5】立体物を取付部に取り付ける手順を示す図
図6】立体物を取付部に取り付ける手順を示す図
図7】立体物を取付部に取り付ける手順を示す図
図8】立体物を取付部に取り付ける手順を示す図
図9】立体物を取付部に取り付ける手順を示す図
図10】立体物を取付部に取り付ける手順を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は取付部側取付部材の一実施形態を示す斜視図、図2図1に示す取付部側取付部材を取付部に取り付ける状態を示す側面図であり、図3は立体物に取り付けた立体物側取付部材の一実施形態を示す斜視図、図4図3の立体物側取付部材を下から見た図である。
【0016】
本明細書においては、本発明の実施形態における各構成要素の方向または位置関係を、適宜、取付部に取り付けた取付部側取付部材と立体物に取り付けた立体物側取付部材とを介して立体物を取付部に取り付けた状態における方向または位置関係として表現する。
【0017】
図1および図2に示す本実施形態の取付部側取付部材10は、天井や壁等の取付部1に取り付けて使用されるものであり、所定方向(矢印X方向)に延びる基部11と、基部11の前記所定方向の一端に形成された係止受部12と、基部11の前記所定方向の他端に形成されたネジ止受部13と、基部11の前記所定方向に直交する横方向(矢印Y方向)の一端および他端に形成された載置受部14とを備えている。
【0018】
基部11は、平板からなり、ネジ挿通孔11aを備えている。基部11は、図2に示すように、前記所定方向が例えば鉛直方向となるような向きであって係止受部12が上方に位置する状態で取付部1の一例である屋内の壁に押し当て、皿ネジ11bをネジ挿通孔11aに挿通し取付部1に螺入させて取付部1に取り付けられる。
【0019】
係止受部12は、基部11の一端(本実施形態では上端)からほぼ直角に立ち上がる係止受立上り部12aと、係止受立上り部12aの先端からネジ止受部13の側に向けて突出する係止受突起部12bとを備えている。
【0020】
ネジ止受部13は、基部11の他端(本実施形態では下端)からほぼ直角に立ち上がるネジ止受立上り部13aと、ネジ止受立上り部13aに形成された雌ネジ穴13bとを備えている。
【0021】
載置受部14は、前記所定方向において係止受部12とネジ止受部13との間に位置し、基部11の前記横方向の両端からそれぞれほぼ直角に立ち上っている。載置受部14の係止受部12の側の端面は載置受面14aを形成し、載置受面14aは、基部側から先端側に向けて係止受部12の側に傾斜した傾斜面として形成されている。この傾斜は、図1において、前記所定方向および前記横方向に直角な前後方向(矢印Z方向)を基準として該前後方向からの傾斜を意味する。この前後方向は、前記所定方向に直角な方向であって、後述する立体物2に向かう方向である。
【0022】
載置受部14は、図示のように、係止受部12とネジ止受部13との間の略全長(本実施形態では係止受部12とネジ止受部13との間の70%以上の長さ)に亘って前記基部11から立ち上がり前記所定方向に延びる側方立上り部として形成されている。
【0023】
立体物側取付部材20は、図3に示すように、立体物2に取り付けて使用されるものであり、立体物2に所定方向(矢印X方向)に所定長離間させて取り付けられる係止部21およびネジ止部22と、立体物2に取り付けられる載置部23とを備えている。
【0024】
係止部21は、立体物2に取り付けた状態において、立体物2の側から立ち上がる係止立上り部21aと、係止立上り部21aの先端からネジ止部22とは反対側に向けて突出した係止突起部21bとを備えている。係止部21は、係止立上り部21aの基端から立体物2の外表面に沿って延びる断面L字状の基部21cを備え、基部21cを立体物2の一端側の外表面に当接させ、係止立上り部21aが立体物2の側から立ち上がる状態で、基部21cに形成されたネジ挿通孔21dに皿ネジ21eを挿通し、皿ネジ21eを立体物2に螺入させて立体物2に取り付けられる。
【0025】
係止突起部21bは、後述する図5に示すように、前記所定方向の長さLが、取付部側取付部材10の係止受突起部12bの先端と載置受面14aとの間隙15の前記所定方向の長さMよりも若干短くなるように形成されている。
【0026】
ネジ止部22は、立体物2に取り付けた状態において、立体物2の側から立ち上がるネジ止立上り部22aとを備え、ネジ止立上り部22aはネジ挿通孔22bを備えている。ネジ止部22は、ネジ止立上り部22aの基端から延びて立体物2の端面に沿う基部22cを備え、基部22cはネジ挿通孔(図示せず)を備えている。ネジ止部22は、ネジ止立上り部22aが立体物2の側から立ち上がる状態で基部22cを立体物2の端面に当接させ、ネジ挿通孔に皿ネジ22d(図4参照)を挿通し、皿ネジ22dを立体物2に螺入させて立体物2に取り付けられる。
【0027】
載置部23は、係止立上り部21aと兼用であり、係止立上り部21aでもある載置部23の下面、すなわちネジ止部22の側に向く面が載置面23aを形成している。載置面23aは、立体物2を取付部1に取り付ける際、取付部側取付部材10の載置受面14aに当接する面であり、立体物2の側から取付部1の側に向けて延び、立体物2の側から取付部1の側に向けてネジ止部22の側に傾斜した傾斜面として形成されている。この傾斜も、載置面14aと同様の傾斜であり、図3において、前記所定方向(矢印X方向)および該所定方向に直交する横方向(矢印Y方向)に直角な前後方向(矢印Z方向)を基準として該前後方向からの傾斜を意味する。この前後方向は、前記所定方向に直角な方向であって、取付部1に向かう方向である。
【0028】
次に、取付部側取付部材10および立体物側取付部材20を用いて、立体物2を取付部1に取り付ける方法を、図5図10を参照して説明する。なお、図5図10においては、説明の便宜上、立体物側取付部材20には点々を付して図示しており、また、ネジ挿通孔および雌ネジ穴については図示を省略している。
【0029】
まず、前述のとおり、図2に示す態様で取付部側取付部材10を取付部1に皿ネジ11bを用いて取り付ける。次に、前述のとおり、図3,4に示す態様で立体物側取付部材20を立体物2に皿ネジ21e、22dを用いて取り付ける。
【0030】
次いで、図5に示すように、立体物2を例えば手で保持し、立体物2に取り付けられた立体物側取付部材20を取付部1に取り付けられた取付部側取付部材10に対向させて、取付部1に向い合せる。この時、立体物側取付部材20の係止突起部21bを取付部側取付部材10の係止受突起部12bと載置受面14aとの間の間隙15に正対させる。上述のように、間隙15の前記所定方向の長さMは係止突起部21bの前記所定方向の長さLよりも若干大きく形成されている。
【0031】
図5に示す態様で立体物2を取付部1に向い合わせた後、立体物2を取付部1側に移動させ、係止突起部21bを間隙15に差し込んで立体物側取付部材20を取付部側取付部材10に組み込み、図6に示す組込状態にする。
【0032】
次いで、図6に示す組込状態から、立体物2を降下させ、立体物側取付部材20の載置面23aを取付部側取付部材10の載置受面14a上に当接させて、図7に示す状態とする。この状態では、立体物2は載置面23aを介して載置受面14aに支持され、仮置き状態となっている。
【0033】
図7に示す仮置き状態において、載置面23aと載置受面14aは共に立体物2の側から取付部1の側に向けて下方に、つまりネジ止部22の側およびネジ止受部13の側に傾斜しているので、立体物2が取付部1から離れる方向に移動して落下することが防止され、安定的な仮置きが図られる。
【0034】
次いで、図7に示す仮置き状態から、図8に示すように、ネジ止立上り部22aのネジ挿通孔22bになべネジ24を挿通し、ネジ止受立上り部13aの雌ネジ穴13bに螺合させ、ネジ頭24aがネジ止立上り部22aに当接するまでネジ螺合を進め、ネジ頭当接状態とする。
【0035】
続いて、図8に示すネジ頭当接状態からさらにネジ螺合を進める。さらにネジ螺合を進めると、ネジ頭24aがネジ止受立上り部13aの側に移動して上昇し、ネジ頭24aによりネジ止立上り部22aを介して立体物2が押し上げられ、図9に示すように、立体物側取付部材20の係止突起部21bが取付部側取付部材10の係止受突起部12bの内側(取付部1の側)に形成された係止受凹部12c(図8参照)に入り込み、係止突起部21bの先端が係止受凹部12cの底面(図9中では上面)に当接し、取付けが完了する。
【0036】
立体物2を壁に取り付ける際に、図10に示すように、立体物2(本実施形態では係止部21)の上面が天井1aに当接する状態で取り付けることもできる。このような場合は、立体物2が天井に当接した状態で、図10に示すように、係止突起部21bの先端が係止受凹部12cの底面に当接し、ネジ止立上り部22aがネジ止受立上り部13aに当接する態様で取り付けることもできるし、天井1aに当接した時点で、係止突起部21bの先端と係止受凹部12cの底面との間、あるいは、ネジ止立上り部22aとネジ止受立上り部13aとの間に若干の間隙が存在する態様で取り付けることも可能である。
【0037】
立体物2を取付部1に取り付けた状態においては、取付部側取付部材10および立体物側取付部材の各要素の向きあるいは位置関係は次のとおりである。すなわち、図9に示すように、取付部側取付部材10では、係止受部12とネジ止受部13とは所定方向(矢印X方向)に所定長離間して取付部1に取り付けられており、係止受立上り部12a、ネジ止受立上り部13a、載置受部14および載置受面14aは、いずれも取付部1の側から立体物2の側に向けて延びている。また、立体物側取付部材20では、係止部21とネジ止部22とは所定方向(矢印X方向)に所定長離間して立体物2に取り付けられており、係止立上り部21a、ネジ止立上り部22a、載置部23および載置面23aは、いずれも立体物2の側から取付部1の側に向けて延びている。また、載置受面14aは係止受部12側に向く面であり、載置面23aはネジ止部22側に向く面である。
【0038】
本実施形態においては、図9に示すように、係止突起部21bの先端が係止受凹部12cの底面に当接した時点で取付けが完了し、その際、ネジ止立上り部22aがネジ止受立上り部13aに当接するように構成しているが、係止突起部21bの先端が係止受凹部12cの底面に当接した時点で、ネジ止立上り部22aとネジ止受立上り部13aとの間に若干の間隙が存在するように構成することもできる。
【0039】
また、係止突起部21bの先端が係止受凹部12cの底面に突き当たる前に、係止受突起部12bの先端が立体物側取付部材20の係止突起部21bの内側(立体物2の側)に形成されている係止凹部21f(図8参照)の底面に当接して取付けが完了するように構成することもできる。この場合も、係止受突起部12bの先端が係止凹部21fの底面に当接した時点で、ネジ止立上り部22aとネジ止受立上り部13aとは、当接するようにあるいはそれらの間に若干の間隙が存在するように構成することができる。
【0040】
さらに、係止突起部21bの先端が係止受凹部12cの底面に当接する前であって、係止受突起部12bの先端が係止凹部21fの底面に当接する前の時点で、ネジ止立上り部22aがネジ止受立上り部13aに当接して取付けが完了するように構成することもできる。この場合、取付完了時点で、係止突起部21bと係止受突起部12bの少なくとも一部が前後方向(矢印Z方向)に重なり合っている必要がある。
【0041】
本実施形態では、係止突起部21bと係止受凹部12cとは、取付時の立体物2のがたつきを少なくするため、図6図9に示されているように、係止突起部21bの厚さ(前後方向(矢印Z方向)の長さ)と係止受凹部12cの幅(前後方向(矢印Z方向)の長さ)、および/あるいは、係止受突起部12bの厚さ(前後方向(矢印Z方向)の長さ)と係止凹部21fの幅(前後方向(矢印Z方向)の長さ)とは、ほぼ同一としているが、許容されるがたつきの程度あるいは他のがたつき阻止構造の存在等により、それらの厚さおよび幅は適宜に設定することができる。
【0042】
本実施形態では、取付部側取付部材10を、係止受部12、ネジ止受部13および載置受部14をいずれも基部11から立ち上がらせることにより、1つの部品として構成しているが、係止受部12、ネジ止受部13および載置受部14は、それぞれ独立した部品として、それぞれ別個に取付部1に取り付けるように構成することもできる。
【0043】
本実施形態では、立体物側取付部材20において、係止部21兼載置部23とネジ止部22とをそれぞれ独立した別個の部品として構成し、それぞれを個別に立体物2に取り付けるように構成しているが、取付部側取付部材10のように、係止部21兼載置部23とネジ止部22とを共通の1つの基部により連結し、該基部を立体物2に取り付けるように構成することもできる。
【0044】
本実施形態では、係止立上り部21aが載置部23を兼ね、係止立上り部21aのネジ止部22側の面を載置面23aとしているが、載置部23は係止立上り部21aと兼用することなく、別個の部材とすることもできる。
【0045】
本実施形態では、立体物2を取付部1に取り付ける際の仮置きの安定化を図るため、載置受面14aおよび載置面23aを傾斜させて形成しているが、仮置きの安定化を図るにあたっては、載置受面14aおよび載置面23aの傾斜に限らず、例えば載置受面14aと載置面23aとに前記所定方向(矢印X方向)に嵌入して互いに嵌り合う凹凸を形成す等の、種々の手段を用いることができる。
【0046】
取付部側取付部材10の係止受部12、ネジ止受部13、載置受部14は、本実施形態の構造に限定されるものではなく、必要とされる機能を発揮できる態様であれば、種々の具体的構造を採用し得る。立体物側取付部材20の係止部21、ネジ止部22、載置部23についても同様に、本実施形態の構造に限定されるものではなく、必要とされる機能を発揮できる態様であれば、種々の具体的構造を採用し得る。
【0047】
例えば、本実施形態では、ネジ止受立上り部13aを板状の部材とし、ネジ止受立上り部13aに直接雌ネジ穴13bを形成し、ネジ止立上り部22aも板状の部材とし、ネジ止立上り部22aに直接ネジ挿通孔22bを形成する構造としているが、雌ネジ穴13bを備えたネジ止受立上り部13aおよびネジ挿通孔22bを備えたネジ止立上り部22aの具体的構造は、ネジが螺合され螺合を進めることでネジを介してネジ止立上り部22aをネジ止受立上り部13aに向けて移動させることができる構造であれば、本実施形態に示す構造に限定されるものではなく、種々の構造を採用し得る。
【0048】
また、本実施形態における取付部側取付部材10および立体物側取付部材20は、いずれも取付部1および立体物2とは別個の部材であって、それらを取付部1および立体物2に取り付けて使用するものとしたが、取付部側取付部材10および立体物側取付部材20は、それらの両方あるいは片方を、もしくは、それらを構成する各部の一部を、取付部1あるいは立体物2と一体的に製造された構成とすることもできる。
【0049】
なお、取付部1は、鉛直方向に延びる壁に限らず、水平方向に延びる天井でもよいし、屋内屋外に限らず、どのような角度のものであっても良く、どのような形状のものであってもよい。例えば段差を有する面、あるいは湾曲した面等であってもよく、本発明に係る立体物取付装置は、そのような形状の取付部1に対しても本発明の範囲内で適宜対応可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 取付部
2 立体物
10 取付部側取付部材
11 基部
11a ネジ挿通孔
11b ネジ
12 係止受部
12a 係止受立上り部
12b 係止受突起部
12c 係止受凹部
13 ネジ止受部
13a ネジ止受立上り部
13b 雌ネジ穴
14 載置受部
14a 載置受面
15 間隙
20 立体物側取付部材
21 係止部
21a 係止立上り部
21b 係止突起部
21c 基部
21d ネジ挿通孔
21e ネジ
21f 係止凹部
22 ネジ止部
22a ネジ止立上り部
22b ネジ挿通孔
22c 基部
22d ネジ
23 載置部
23a 載置面
24 ネジ
24a ネジ頭
図1
図2
図3
図4
図5
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図10