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特許7502978駐車場管制装置、駐車場管制システム、駐車場管制プログラム及び駐車場管制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-11
(45)【発行日】2024-06-19
(54)【発明の名称】駐車場管制装置、駐車場管制システム、駐車場管制プログラム及び駐車場管制方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20240612BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240612BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20240612BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240612BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240612BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240612BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240612BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/34
B60W30/06
B60W60/00
G16Y10/40
G16Y40/10
G16Y40/60
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020201426
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089221
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】上山 浩行
(72)【発明者】
【氏名】仲野 綾華
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】山本 陽香
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 幸紀子
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-168370(JP,A)
【文献】特開2020-098524(JP,A)
【文献】特開2017-091557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-25/00
G16Y 10/40
G16Y 40/10
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外であって前記駐車場の入場口に接続する駐車場接続路上の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断し、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知し、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させる
よう構成された制御回路
を具備する駐車場管制装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場管制装置であって、
前記制御回路は、前記車内乗員画像から抽出された前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトに基づき判断された前記乗員の人数及び属性に基づき、前記例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断する
駐車場管制装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駐車場管制装置であって、
前記属性は、前記乗員の年齢及び携帯物の種別である
駐車場管制装置。
【請求項4】
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断し、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知し、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させ、
前記駐車場の入場口に他の車両が並んでいる場合、前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場の出場口から入場させ、前記自動運転車両を前記駐車スペースに駐車させる
よう構成された制御回路
を具備する駐車場管制装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の駐車場管制装置であって、
前記制御回路は、前記例外地点で前記乗員が降車することを却下すると、前記乗員に却下を通知し、
前記乗員が乗車中の前記自動運転車両を前記駐車場の出場口から入場させ、前記自動運転車両を前記降車場に駐車させる
駐車場管制装置。
【請求項6】
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラと、
前記カメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外であって前記駐車場の入場口に接続する駐車場接続路上の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断し、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知し、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させる
よう構成された制御回路を有する駐車場管制装置と、
を具備する駐車場管制システム。
【請求項7】
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外であって前記駐車場の入場口に接続する駐車場接続路上の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断する処理と、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知する処理と、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させるよう制御する処理と、
を駐車場管制システムのコンピュータに実行させる
駐車場管制プログラム。
【請求項8】
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外であって前記駐車場の入場口に接続する駐車場接続路上の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断する工程と、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知する工程と、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させるよう制御させる工程と
を備える
駐車場管制方法。
【請求項9】
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラと、
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断し、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知し、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させ、
前記駐車場の入場口に他の車両が並んでいる場合、前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場の出場口から入場させ、前記自動運転車両を前記駐車スペースに駐車させる
よう構成された制御回路を有する駐車場管制装置と、
を具備する駐車場管制システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応駐車場における、車両の管制装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングモール等屋内型の大規模立体駐車場に併設される複合施設においては、駐車場利用者が施設内を回遊した後に帰宅する際、買い物が終わって大きな荷物を抱えてきた時にでも、自分のいる現在位置付近の駐車スペースに自動運転車両が駐車され、あまり待たずに乗車できる自動バレーパーキングサービスの実現が望まれている。
【0003】
特許文献1では、施設に付帯する駐車場において車両を運行するための自動バレーパーキング装置において、駐車場内部の各駐車スペースまでの経路情報を管理する駐車場内地図データベースと、駐車スペース毎の満空情報を管理する空きスペース情報データベースと、施設内における駐車場利用者の行動を示す施設回遊情報を蓄積する施設回遊情報データベースと、駐車スペース毎の満空情報を検出し、駐車スペースまでの経路探索を行い、探索された駐車位置までの経路情報をもとにして駐車スペースに車両を自動駐車する第1の手段と、駐車場利用者に対して駐車位置に関する情報を、携帯端末を通してお知らせする第2の手段を備える自動バレーパーキング装置及び方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献1では、駐車場内や周辺の私道において、渋滞などに巻き込まれた際には降車(乗り捨て)可能かどうかをセンターに問いあわせて、可能であれば乗り捨てるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-182263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の自動バレーパーキング装置及び方法では、乗り捨て可能かどうかの判定は、センターが、例えば公道か、駐車場に付帯する道路である私道かどうかで判定し、私道の場合に乗り捨てを許可するとあるが、駐車場の混雑状態やその周辺の状況によって、乗り捨て可能かの判定が単に予め道路の状態で決められているだけでは、意図せずに危険な状態で降車することも考えられ、利用者は相当に周囲に気を付けなければならない。
【0007】
さらに、公道等で一旦停車して降車した後に、同乗者を含めて利用者全員が車両から離れた状態を確認して車両が再発進する必要があり、この指示を携帯端末等で入力していたりすると、時間が掛かって渋滞が助長されることもあり、利便性が良いとは言えない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明は、自動運転モードの車両(自動運転車両)が自動走行により駐車することができる自動バレーパーキング対応駐車場において、特に自動運転車両の利用者にとって利便性が向上する、自動バレーパーキング管理装置および管制システムを実現するのが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一形態に係る駐車場管制装置は、
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断し、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知し、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させる
よう構成された制御回路
を具備する。
【0010】
前記制御回路は、前記車内乗員画像から抽出された前記乗員を示すオブジェクトである乗員オブジェクトに基づき判断された前記乗員の人数及び属性に基づき、前記例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断してもよい。
【0011】
前記属性は、前記乗員の年齢及び携帯物の種別でもよい。
【0012】
前記制御回路は、前記駐車場の入場口に他の車両が並んでいる場合、前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場の出場口から入場させ、前記自動運転車両を前記駐車スペースに駐車させてもよい。
【0013】
前記制御回路は、前記例外地点で前記乗員が降車することを却下すると、前記乗員に却下を通知し、
前記乗員が乗車中の前記自動運転車両を前記駐車場の出場口から入場させ、前記自動運転車両を前記降車場に駐車させてもよい。
【0014】
前記例外地点は、前記駐車場の入場口に接続する駐車場接続路でもよい。
【0015】
本開示の一形態に係る駐車場管制システムは、
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラと、
前記カメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断し、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知し、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させる
よう構成された制御回路を有する駐車場管制装置と、
を具備する。
【0016】
本開示の一形態に係る駐車場管制プログラムは、
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断する処理と、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知する処理と、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させるよう制御する処理を、
駐車場管制システムのコンピュータに実行させる。
【0017】
本開示の一形態に係る駐車場管制方法は、
自動運転車両内の乗員を撮影可能なカメラが撮影した画像である車内乗員画像に基づき、駐車場の降車場以外の地点である例外地点で前記乗員が降車することを許可するか却下するかを判断する工程と、
前記例外地点で前記乗員が降車することを許可すると、前記乗員に許可を通知する工程と、
前記例外地点で前記乗員が降車した後、前記自動運転車両を前記駐車場内の駐車スペースに駐車させるよう制御する工程とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、自動運転モードの車両(自動運転車両)が自動走行により駐車することができる自動バレー駐車サービス対応駐車場において、特に自動運転車両の利用者にとって利便性が向上する。
【0019】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車場管制システムの構成例を示す概略図である。
図2】自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
図3】自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
図4】駐車場管制装置の機能の概要を示すブロック図である。
図5】自動運転車両及び駐車場管制装置の動作フローを示す。
図6】車載カメラにより撮影された車内乗員画像の一例を示す。
図7】車載カメラにより撮影された車内乗員画像の別の一例を示す。
図8】例外降車が許可された場合の例外降車申請車両の挙動を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0022】
1.駐車場管理システムの構成
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車場管制システムの構成例を示す概略図である。
【0024】
駐車場管理システム500は、駐車場を利用する利用者から申請される予約の管理、駐車状況の監視、及び駐車場の利用に関する種々の料金の算出等、駐車場に関する種々の処理を実行可能である。
【0025】
駐車場管理システム500は、駐車場管制装置5と、利用者端末装置6と、駐車場管理装置7と、決済機関9が有する決済サーバ装置(図示せず)と、ETC(Electronic Toll Collection System)管理機関10が有するETC管理サーバ装置(図示せず)とを有する
これらの端末及び装置は、ネットワーク1を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク1は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。
その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク1を構築するためのプロトコルは限定されない。
【0026】
駐車場管制装置5は、各駐車場11に設置される。後に説明するように、本実施形態では、駐車場管制装置5を中心として、本発明に係る駐車場管制システムが構築される。
駐車場管制装置5は、駐車場11内に設置される各装置の動作を包括的に制御することが可能である。
また、駐車場管制装置5は、駐車場11内に設置される各装置から種々の情報を集約し、駐車場管理装置7等に送信することが可能である。駐車場管制装置5は、駐車場管理装置7等から種々の情報を受信し、種々の動作を実行することが可能である。
【0027】
駐車場管制装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。
また駐車場管制装置5は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
駐車場管制装置5として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
【0028】
図1に示す例では、各駐車場11にゲート装置28が設置されている。ゲート装置28は、車両の入場/出場を規制することが可能である。ゲート装置28に代えて、未精算での駐車スペースからの出庫を規制するフラップ装置(ロック装置)等が設置されてもよい。
なお、ゲート装置やフラップ装置が設置されない所謂ゲートレス・フラップレス式駐車場に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0029】
利用者端末装置6は、駐車場11を利用する利用者により使用される端末である。利用者端末装置6として、スマートフォン、タブレット端末、種々のPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末や、ノートPC(Personal Computer)等の、任意のコンピュータが用いられてよい。
【0030】
駐車場管理装置7は、本実施形態に係る駐車場管理サービスをWebサービスとして提供可能である。本実施形態では、複数のサーバ装置と、データベース(DB)とにより駐車場管理装置7が構成される。
【0031】
駐車場管理装置7の各サーバ装置は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また各サーバ装置は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。サーバ装置として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0032】
駐車場管理装置7のDBは記憶部として機能し、本駐車場管理サービスに関する種々の情報を記憶する。例えば駐車場管理装置7のDB内には、会員登録DB、予約情報DB、在車DB、及び、超過情報DBが構築される。その他、例えば駐車場DB、提携店舗DB、割引DB、出庫情報DB、オーナー情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB等の、種々のDBが構築されてもよい。各種のDBは、駐車場管理装置7内のDBサーバにより包括的に管理され、例えば駐車場管理サービスを利用する利用者の会員登録及び退会、各利用者から受付けた予約情報の登録、変更及び削除、各駐車場11のオーナー情報の登録及び保管、運営収支情報の記録及び保管等が実行される。
【0033】
また駐車場管理装置7内のWebサーバにより、例えばWWW(World Wide Web)システムを用いて、本実施形態に係る駐車場管理サービスが提供される。例えばWebサーバは、HTML文書でなる種々のWebページを作成する。Webページには、他のWebページへのハイパーリンクや、種々の処理を実行するためのリンク情報(例えば実行ファイル名、URL等)が埋め込まれる。
また駐車場管理装置7内のWeb/APIサーバにより、種々のリクエストに応じた種々の処理が実行される。例えばWeb/APIサーバにより、各駐車場11の満空車情報の収集及び出力等が実行される。
駐車場管理装置7内により生成されたWebページは、図1に示す各装置に備えられるWebブラウザにより画面上に表示される。例えば駐車場11を利用する利用者は、利用者端末装置6を操作することで、種々のWebページを閲覧したり、種々のWebアプリケーションを利用したりすることが可能である。
【0034】
決済機関9は、例えば銀行や信販会社等であり、銀行振り込みやクレジットカード決済等により駐車料金の決済(精算)を実行する。駐車場管理装置7は、決済機関9の決済サーバ装置に対して、駐車料金の精算の指示や、精算が済んでいるか否か等の精算情報の問い合わせ等を実行する。
【0035】
ETC管理機関10は、ETCシステムを実現するための機関であり、ETCシステムを利用する利用者の情報、ETCカード情報、決済情報、及び車両情報等を管理する。例えば、車両に搭載されたETC車載器にETCカードを挿入する。これにより、ETCアンテナが設置されたETC対応の駐車場11に対して、ETC決済による駐車場11の利用が可能となる。
【0036】
2.自動バレー駐車システム
【0037】
本発明は、自動バレー駐車システムが構築された駐車場11に対して適用可能である。自動バレー駐車システムは、自動運転機能(自律運転機能)を有する車両による自動バレー運転(自動バレー駐車すなわち自動バレー入庫運転と、自動バレー出庫運転)が実行可能なシステムである。自動バレー駐車システムが構築された駐車場11は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11とも言える。
【0038】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車サービスを提供するアプリケーションにアクセスする。そして必要な情報を入力して会員登録等を行うことで、自動バレー駐車サービスを利用することが可能となる。
本実施形態では、図1に示す駐車場管理システム500に含まれるシステムとして、自動バレー駐車システムが構築される。すなわち駐車場管理装置7により提供される駐車場管理サービスに含まれるサービスとして、自動バレー駐車サービスが提供される。駐車場管理装置7のDBには、自動バレー駐車システムに関する種々のDBが構築される。
これに限定されず、駐車場管理システム500とは別のシステムとして、自動バレー駐車システムが構築されてもよい。例えば、図1には図示していない別の管理装置等により自動バレー駐車システムが構築され、駐車場11と個別に契約等が行われてもよい。
その他、自動バレー駐車システムを構築するための構成や方法等は限定されない。
【0039】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車の予約を行う。そして予約時間に合わせて、自動運転機能を有する車両を手動で運転(手動運転モード)して、駐車場11内に入場する。もちろん自動運転でも構わない。
利用者は、駐車場11内の所定の位置に設けられた自動バレー駐車サービス対応の駐車スペース(以下、自動バレー乗降スペースと記載する)に車両を駐車する。そして、車両から降りた利用者により、自動バレー駐車の実行が指示される。自動バレー駐車の実行の指示は、例えば利用者端末装置6を介して実行される。あるいは、駐車場11内に設定された専用の端末等が操作されてもよい。
当該指示に応じて、車両は無人による自動運転(自動運転モード)により、駐車場11内の所定の駐車スペースに移動し、車両を駐車させる(自動バレー入庫運転)。なお予約をすることなく、好きな時間に駐車場11内に入場して、自動バレー駐車を実行させることも可能である。
利用者が駐車場に戻ってくる際には、例えば何分後に駐車場内の自動バレー乗降スペースに、自動運転機能を有する車両を移動させる旨等の指示が入力される。当該指示に応じて、車両は無人による自動運転(自動運転モード)により、駐車スペースから自動バレー乗降スペースに車両を移動させ駐車させる(自動バレー出庫運転)。
以下、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11を例に挙げて、本実施形態を説明する。
【0040】
3.駐車場の構成例
【0041】
図2は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
【0042】
駐車場11は、入場口15、出場口16、構内通路17、複数の駐車スペース18、自動バレー乗降スペース19(降車場)、階段20、エレベータ21(エレベータホール)、事前精算機22、案内装置23及び駐車場内監視システム24を有する。
【0043】
入場口15から駐車場11の内部に向かって入場レーンが構成される。入場レーンには、入口ループコイル27a、入口ゲート装置28a、及び入口カメラ29aが設けられる。
入口ループコイル27aから出力される信号に基づいて、入場レーンへの車両3の進入が検出される。
入口ゲート装置28aにより、入場レーンから駐車場11内部への車両3の入場が適宜規制される。
入口カメラ29aにより、入場レーンに進入した車両3を撮影することが可能である。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0044】
駐車場11の入場口15と公道13とを接続する駐車場接続路12(私道)には、駐車待ちの複数の車両3が並ぶ。この列には、例外降車申請車両3cが含まれる。例外降車申請車両3cは自動運転車両である。例外降車申請車両3cの定義及び動作等は後で動作フローを参照して説明する。
【0045】
駐車場11内部から出場口16に向かって出場レーンが構成される。出場レーンには、出口ループコイル27b、出口ゲート装置28b、及び出口カメラ29bが設けられる。
出口ループコイル27bから出力される信号に基づいて、出場レーンへの車両3の進入が検出される。
出口ゲート装置28bにより、出場レーンから駐車場11外部への車両3の出場が適宜規制される。
出口カメラ29bにより、出場レーンに進入した車両3を撮影することが可能である。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0046】
また図2の図示は省略しているが、入場レーン及び出場レーンには、ETC車載器を搭載した車両3を検出する、入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30b(図1)がそれぞれ設置されている。入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30bは路側器34(図1)に接続される。
【0047】
構内通路17は、駐車場11に入場した車両3が走行する通路である。また構内通路17は、駐車車両から降りた運転手等が歩行する通路である。以下、構内通路17を歩行する人物や、走る人物、立ち止まる人物等を、総称して歩行者4と記載する。すなわち歩行者4は、駐車場11内において車両3に乗っていない人物を意味する。
また本開示において、自動運転モードで走行している自動運転機能を有する車両3を、自動運転車両3aとする。一方、運転手が手動で運転している車両3を、非自動運転車両3bとする。例えば、手動運転モードで走行している自動運転機能を有する車両3も、非自動運転車両3bとなる。なお非自動運転車両3bは、手動運転車両とも言える。
図2では、頭部と肩の部分を表現する図により、歩行者4が図示されている。二重の略長方形状により、自動運転車両3aが図示されている。一重の略長方形状により、非自動運転車両3bが図示されている。
図2に示すように、構内通路17に対して、車両3の走行方向を規定する標識(矢印等)が設けられてもよい。また、歩行者4が歩くための通路が規定されてもよい。
【0048】
複数の駐車スペース18は、駐車場11内に設けられる。図2に示す例では、スペースナンバーがA1~A6、B1~B6、C1~C6、D1~D6、E1~E6、F1~F6、G1~G6、J1~J9、K1~K18となる、複数の駐車スペース18が配置される。
駐車スペース18は、自動バレー駐車を実行する自動運転車両3a、及び非自動運転車両3bの両方が駐車可能なスペースである。すなわち本実施形態では、構内通路17を、自動運転車両3a、及び非自動運転車両3bの両方が、混在して走行することになる。
【0049】
自動バレー乗降スペース19は、自動バレー駐車サービス対応の駐車スペースである。すなわち自動バレー乗降スペース19は、運転手や同乗者が自動バレー駐車場を実行する車両3から降りたり、乗ったりするためのスペースである。
図2に示す例では、入場口15及び出場口16に近い位置に、スペースナンバーがV1及びV2となる2つの自動バレー乗降スペース19が設けられる。例えば、自動バレー駐車サービスを利用する利用者は、入場口15から駐車場11に入場した後、右折して自動バレー乗降スペース19に車両3を駐車させる。そして自動バレー乗降スペース19にて、車両3から降り、自動バレー駐車の実行を指示する。当該指示に応じて、自動運転車両3aが、自動バレー乗降スペース19から、いずれかの駐車スペース18に移動する。
自動運転車両3aが駐車される駐車スペース18は、予め決められていていてもよいし、その都度選択されてもよい。例えば、駐車場11内の最も隅にあり、あまり便がよくない駐車スペース18が優先的に自動バレー駐車のために割り当てられてもよい。
自動バレー駐車サービスを利用する利用者が駐車場11に戻ってきた場合には、そのタイミングに合わせて、駐車スペース18から自動バレー乗降スペース19に、自動運転車両3aが移動する。ユーザは、車両3に乗り込み、手動運転にて、出場口16から外部に車両3を出場させる。
【0050】
階段20、及びエレベータ21は、例えば駐車場11の利用者により利用される。階段20、及びエレベータ21の近辺のエリアは、歩行者4が通行する可能性が高いエリアとなる。階段20、及びエレベータ21の近辺には、駐車場11に出入りする歩行者の歩行者出入り口39がある。
【0051】
事前精算機22は、駐車場11の利用者が駐車場11から車両3を出場させる前に事前精算を実行することが可能な装置である。例えば、タッチパネル等を有する装置が、事前精算機22として設置される。
案内装置23は、駐車場11及び本駐車場管理システム500(自動バレー駐車システムを含む)に関する種々の情報を案内するための装置である。例えばディスプレイ装置等を有し案内情報を表示可能な装置等が、案内装置23として用いられる。
【0052】
駐車場内監視システム24は、駐車場11を監視可能なシステムである。
図2に示す例では、以下のデバイスが、駐車場内監視システム24として設置される。
入口カメラ29a
出口カメラ29b
主に構内通路17を撮影する場内カメラ32(図中の白丸)
主に駐車スペース18を撮影する駐車スペースカメラ33(図中の黒丸)
【0053】
入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32及び駐車スペースカメラ33はそれぞれ、駐車場管制システムにおける複数の管制カメラ(以下、個別に説明する場合を除き、これらを総称してカメラともいう)として機能する。本開示にて説明する上述の各種カメラとして、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサを備える単眼デジタルカメラが用いられる。その他、赤外線カメラ等が用いられてもよい。
【0054】
駐車場内監視システム24は、駐車場11の監視結果として、監視情報を出力することが可能である。本実施形態では、各種カメラにより撮影された撮影画像や、各種マイクにより取得された音声が監視情報として出力される。
なお本開示において、画像は、静止画像及び動画像(映像)の両方を含む。
場内カメラ32や駐車スペースカメラ33は、駐車場11の全体を極力カバーできるように配置される。すなわち可能な限り死角が存在しないように、複数の場内カメラ32及び複数の駐車スペースカメラ33が適宜配置される。
【0055】
駐車場11の内外には、1以上(本例では複数)の場外カメラCO1~CO6等が設置される。場外カメラCO1~CO6等の位置は、駐車場11の自動バレー乗降スペース19からの距離が段階的に異なる。場外カメラCO1~CO6等は、駐車場11の外部環境を撮影した画像である場外画像を生成する。場外カメラCO1~CO6等は、歩行者出入り口39に向かって歩く歩行者の顔を撮影可能な位置及び方向に配置される。つまり、場外カメラCO1~CO6等は、歩行者の少なくとも顔を撮影する。場外カメラCO5は、駐車場接続路12に設置され、入場口15に並ぶ駐車待ちの車両3内の乗員の顔や、車両3の周囲を撮影可能な位置及び方向に配置される。図2の例では円形の場外カメラ内の白色の半円が向く方向が、撮影方向である。
【0056】
4.駐車場管制システム
【0057】
図1を参照して、駐車場管制システム100の構成例を説明する。
駐車場管制システム100は、駐車場11に対して構築されるシステムである。
図1に例示する駐車場管制システム100は、駐車場管制装置5、駐車場内監視システム24、事前精算機22、自動バレー管理装置37、入口ゲート装置28a、出口ゲート装置28b、路側器34、入口ETCアンテナ30a、出口ETCアンテナ30b、及び駐車場外監視装置35を有する。
図1に示す各ブロックは、例えば駐車場11の構内に設置された図示しない構内LANを介して、互いに通信可能に接続されている。その他、無線/有線を介した任意の通信技術が用いられてもよい。
【0058】
駐車場内監視システム24は、図2で例示した、入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32、及び駐車スペースカメラ33を含む。
【0059】
自動バレー管理装置37は、自動バレー駐車システムを構築するための装置である。本実施形態では、自動バレー管理装置37が、駐車場管理装置7や駐車場管制装置5と協働することで、自動運転車両3aによる自動バレー運転が管理される。
例えば、自動バレー管理装置37により、自動運転車両3aによる自動運転動作が制御される。例えば、自動バレー乗降スペース19から所定の駐車スペース18への自動運転が指示される。あるいは、所定の駐車スペース18からの自動バレー乗降スペース19への自動運転が指示される。
その他、自動バレー駐車場の予約管理等、種々の処理が実行される。
自動バレー管理装置37は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また自動バレー管理装置37に、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部が備えられる。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
自動バレー管理装置37として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0060】
駐車場管制装置5のDBには、駐車場11に関する種々のデータが格納され、例えば在車DBや履歴DB等の任意のDBが構築される。もちろん駐車場管理装置7のDBに格納されたデータが共有される場合もあり得る。
また自動バレー駐車に関する種々の情報が駐車場管制装置5のDBに記憶される。なお、上述の車両情報等は、駐車場管制装置5のDBではなく、駐車場管理装置7のDBに格納されてもよい。
【0061】
駐車場外監視装置35は、場外カメラCO1~CO6等が駐車場11の外部環境を撮影した画像(場外画像)を駐車場管制装置5に転送する。
【0062】
5.自動運転車両
【0063】
図3は、自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
【0064】
ここでは、自動運転モードが選択された状態である自動運転車両3aとして説明を行う。
自動運転車両3aは、通信部41と、車載カメラ類42と、画像処理装置43と、ETCアンテナ44と、ETC車載器45と、制御部46と、車内及び車外センサ類59と、カーナビゲーション装置60と、GPS受信機/ビーコン受信機61とを有する。
通信部41は、他の装置と通信するためのデバイスである。本実施形態では、通信部41を介して、自動バレー管理装置37からの指示等を含む種々の情報が取得される。
通信部41としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。その他任意の通信デバイスが用いられてよい。
【0065】
車載カメラ類42は、自動運転車両3aの周囲、及び自動運転車両3aの車内の乗員を撮影可能である。
車載カメラ類42としては、CCDカメラ等のデジタルカメラが用いられる。その他、ToFカメラやステレオカメラ等の測距デバイスが用いられてもよい。また赤外線カメラ等が用いられてもよい。
画像処理装置43は、車載カメラ類42により撮影された画像に基づいて、自動運転車両3aの周囲の状況を認識する。状況認識のためのアルゴリズムは限定されない。
ETCアンテナ44、及びETC車載器45により、ETC決済による駐車場11の利用が可能である。
【0066】
制御部46は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。図3に示す例では、制御部46により、ソフトウェアブロックとして、走行ルート決定部47、走行制御部48、顔認識部57、電装制御部58、及び例外降車要求部62が実現される。
走行ルート決定部47は、自動バレー管理装置37からの指示、画像処理装置43による認識結果、駐車場11の地図情報等に基づいて、自動運転を行う走行ルートを決定する。
走行制御部48は、決定された走行ルートに沿った自動運転を実現するために、自動運転車両3aが備える駆動系(図示は省略)等を適宜制御する。
例えば図3に例示するように、走行制御部48により、エンジン・モータ制御装置49、ブレーキ制御装置50、ヘッドライト制御装置51、ハザードランプ(ウィンカー)制御装置52、及びクラクション制御装置53等に制御信号が出力される。これにより走行ルートに沿った自動運転や、危機回避運動等が実現される。
その他、自動運転を実現するための周知の技術が適宜されてよい。
【0067】
本駐車場管制システム100では、後述するように、駐車場11内を通行する個々の車両を識別、捕捉、追尾することで、各車両の走行位置や駐車位置などを監視することが可能に構成される。
【0068】
顔認識部57は、車載カメラ類42が撮影した、自動運転車両3aの車内の乗員の画像から、乗員の顔を認識する。
【0069】
電装制御部58は、ドアロック制御装置54、窓動作制御装置55、及び空調制御装置56に制御信号を出力する。
【0070】
6.駐車場管制装置の機能の概要
【0071】
図4は、駐車場管制装置の機能の概要を示すブロック図である。
【0072】
駐車場管制装置5は、顔認識部71、携帯物認識部72、行動認識部73、降車提案部74、迎車時間延長提案部75、迎車時間予測部76、駐車スペース管理部77、駐車場管制部78、駐車料金管理部79、駐車場管理装置通信部80、自動バレー駐車受付部81、及び混雑度予測部82を有する。
を有する。
これらのブロックは、駐車場管制装置5のCPUが所定のプログラムを実行し、装置内のハードウェア資源と協働することで構成され、本実施形態に係る駐車場管制方法が実現される。
駐車場管制装置5にプログラムをインストールする方法は限定されない。
【0073】
駐車場管制部78は、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。
例えば、車両3の検知、ゲート装置28の制御、監視システム24に含まれる各デバイスの制御、事前精算機22の制御、案内装置23の制御、事前精算の確認、図1に示すネットワーク1上の他の装置との通信、駐車場DB38への情報の書き込みや読出し、その他、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。
【0074】
なお、図3に例示する駐車場管制システム100において、監視システム24や自動バレー管理装置37を除いた構成で、本発明に係る駐車場管制システムが実現されてもよい。例えば、駐車場管制装置5のみにより、本発明に係る駐車場管制システムが実現されてもよい。
【0075】
7.自動運転車両及び駐車場管制装置の動作フロー
【0076】
図5は、自動運転車両及び駐車場管制装置の動作フローを示す。
【0077】
動作の前提として、駐車場11の入場口15と公道13とを接続する駐車場接続路12(私道)には、駐車待ちの複数の車両3が並ぶ。車両3の列には、自動運転車両3aも非自動運転車両3bも含まれる。この列に並ぶ自動運転車両3a(以下、例外降車申請車両3cと称する)が、例外降車を申請する。例外降車は、駐車場11の自動バレー乗降スペース19(降車場)以外の地点(例外地点)で乗員が降車すること(所謂、乗り捨て)を意味する。例外地点は、具体的には、駐車場接続路12上の例外降車申請車両3cの現在地を意味する。要するに、乗員は、例外降車申請車両3cが駐車場11に入場する前に降車し、その後、例外降車申請車両3cが自動運転で駐車場11に入場し駐車することを望む。
【0078】
例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、乗員から例外降車の要求を受け付ける(ステップS41)。例外降車要求部62は、例えば、カーナビゲーション装置60のマイクロフォンやタッチパネルを介して、あるいは、利用者端末装置6(典型的にはスマートフォン)のマイクロフォンやタッチパネルを介して、乗員から要求を受け付ける。
【0079】
例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、例外降車申請車両3c内の乗員を撮影可能な車載カメラ42を制御して、例外降車申請車両3c内の乗員を撮影した画像(車内乗員画像)を取得させる。例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、顔認識部57を制御して、車内乗員画像から乗員を示すオブジェクト(乗員オブジェクト)を抽出し、乗員オブジェクトに基づき乗員の人数及び属性を判断する(ステップS42)。属性は、例えば、年代(乳幼児、小児、大人、高齢者等の凡その区分、あるいは、20代等の数値的区分)、携帯物の種別(ベビーカー、車椅子、等)含む。
【0080】
図6は、車載カメラにより撮影された車内乗員画像の一例を示す。
【0081】
同図の例では、例外降車要求部62は、車内乗員画像110から乗員の顔を示すオブジェクト111、112、113、114を抽出する(顔認識)。駐車受付部101は、抽出したオブジェクト111、112、113、114から、乗員の人数と、全ての乗員の属性とを判断する。同図の例では、例外降車要求部62は、オブジェクト111に基づき属性「40代大人」、オブジェクト112に基づき属性「30代大人」、オブジェクト113に基づき属性「10歳未満小児」、オブジェクト114に基づき属性「70代老人」を判断する。例外降車要求部62は、乗員の人数を「大人2名、老人1名、小児1名」又は単に「4名」と判断する。
【0082】
図7は、車載カメラにより撮影された車内乗員画像の別の一例を示す。
【0083】
同図の例では、例外降車要求部62は、車内乗員画像110から乗員の顔を示すオブジェクト111を抽出する(顔認識)。駐車受付部101は、抽出したオブジェクト111から、乗員の人数と、全ての乗員の属性とを判断する。同図の例では、例外降車要求部62は、オブジェクト111に基づき属性「40代大人」を判断する。例外降車要求部62は、乗員の人数を「大人1名」又は単に「1名」と判断する。
【0084】
例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、例外降車申請車両3cの周囲を撮影可能な車載カメラ42を制御して、例外降車申請車両3c内の周囲を撮影した画像(周辺画像)を取得させる。例外降車要求部62は、周辺画像に基づき、例外降車申請車両3cの周辺状況を判断する。例えば、例外降車要求部62は、例外降車申請車両3cの周辺に歩行者がいるかいないかを判断する(ステップS43)。
【0085】
例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、例外降車申請車両3cの周辺に歩行者がいない(元々いない、又は歩き去った)と判断すると、例外降車要求を、ネットワークを介して駐車場管制装置5に送信する(ステップS44)。例外降車要求は、乗員の人数及び属性(年代、携帯物の種別)を示す情報を含む。
【0086】
駐車場管制装置5の降車提案部74は、例外降車要求を、ネットワークを介して例外降車申請車両3cから受信する(ステップS51)。すると、降車提案部74は、場外カメラCO5が取得した、例外降車申請車両3c内の周囲を撮影した画像(周辺画像)を受信する。他の複数のカメラの画像を受信して周辺画像を拡充してもよい。降車提案部74は、周辺画像に基づき、例外降車申請車両3cの周辺状況を判断する。例えば、降車提案部74は、例外降車申請車両3cの周辺に歩行者等がいるかいないかを判断する(ステップS52)。降車提案部74は、例外降車申請車両3cの周辺に歩行者等がいないと判断すると、次の処理に進む。
【0087】
駐車場管制装置5の降車提案部74は、入口カメラ29a及び出口カメラ29bが取得した、入場口15を含む入場レーン及び出場口16を含む出場レーンを撮影した画像(入場レーン画像、出場レーン画像)を受信する。降車提案部74は、入場レーン画像及び出場レーン画像に基づき、入場レーン及び出場レーンの状況を判断する。例えば、降車提案部74は、入場レーン及び出場レーンに車両3がいるかいないかを判断する(ステップS53)。降車提案部74は、入場レーン及び出場レーンの少なくともいずれか一方に車両3がいないと判断すると、次の処理に進む。
【0088】
駐車場管制装置5の降車提案部74は、例外降車要求に含まれる乗員の人数及び属性(年代、携帯物の種別)に基づき、駐車場11の自動バレー乗降スペース19(降車場)以外の地点(例外地点)で乗員が降車すること(以下、これを「例外降車」と称する)を許可するか却下するかを判断する。例えば、降車提案部74は、積み下ろしの場所及び時間が必要な携帯物(大きな荷物、ベビーカー、車椅子、等)が無く、乗員数が少なく(例えば、1~2名)、降車に時間がかかる年代(高齢者や小児)の乗員がいない場合に限り、例外降車を許可すればよい。降車提案部74は、例外降車の許可又は却下を、ネットワークを介して例外降車申請車両3cに送信する(ステップS54)。例えば、図6に示す乗員の場合、降車提案部74は、乗員数が4人であり、高齢者及び小児が居るため、例外降車を却下すればよい。一方、図7に示す乗員の場合、降車提案部74は、乗員数が1人であり、高齢者及び小児が居ないため、例外降車を許可すればよい。
【0089】
例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、例外降車の許可又は却下を、ネットワークを介して駐車場管制装置5から受信する(ステップS45)。例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、乗員に、例外降車の許可又は却下を通知する。例外降車要求部62は、例えば、カーナビゲーション装置60のスピーカやタッチパネルを介して、あるいは、利用者端末装置6(典型的にはスマートフォン)のスピーカやタッチパネルを介して、通知する。
【0090】
駐車場管制装置5の降車提案部74が例外降車の却下を例外降車申請車両3cに送信した場合、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、通常通り、駐車待ちの順序通りに、例外降車申請車両3cを、乗員を乗せたまま入場口15から駐車場11に入場するよう制御することになる(終了)。これは即ち、この時点で手動運転の継続を意味する。
【0091】
一方、駐車場管制装置5の降車提案部74が例外降車の許可を例外降車申請車両3cに送信した場合、例外降車申請車両3cの例外降車要求部62は、乗員に、降車を指示する(ステップS46)。例外降車要求部62は、例えば、カーナビゲーション装置60のスピーカやタッチパネルを介して、あるいは、利用者端末装置6(典型的にはスマートフォン)のスピーカやタッチパネルを介して、通知及び指示する。乗員は、駐車場11の自動バレー乗降スペース19(降車場)以外の地点(例外地点)で、例外降車申請車両3cから降車する。典型的には、乗員は、駐車場接続路12上に整列中の例外降車申請車両3cから降車する。
【0092】
駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、場外カメラCO5が取得した、例外降車申請車両3c内の周囲を撮影した画像(周辺画像)を受信する。駐車場管制部78は、周辺画像に基づき、例外地点で、全ての乗員が例外降車申請車両3cから降車したと判断する。車内乗員画像110に乗員が存在しないことを、降車したことの判断に含めてもよい。駐車場管制部78は、例外地点で全ての乗員が降車した後、例外降車申請車両3cを駐車場11に入場させる(ステップS55、ステップS47)。
【0093】
例えば、駐車場管制部78は、原則的に、乗員が降車した後の例外降車申請車両3cを駐車場11の入場口15から入場させればよい。一方、例外降車申請車両3cが直ぐに入場口15から入場できない場合、駐車場管制部78は、出口カメラ29bで出場口16の安全を確認した上で、駐車スペース18の空車数に余裕があれば、例外降車申請車両3cを駐車場11の出場口16から入場させればよい。「例外降車申請車両3cが直ぐに入場口15から入場できない場合」は、例えば、例外降車申請車両3cの前に駐車場11の入場口15に並んでいる車両3の数が所定数以上である(駐車待ち時間が長い)場合である。駐車場管制部78は、例外降車申請車両3cを駐車場11に入場させた後、例外降車申請車両3cを駐車場11の駐車スペース18に駐車させる(自動バレー乗降スペース19に寄らない)(ステップS56)。
【0094】
図8は、例外降車が許可された場合の例外降車申請車両の挙動を模式的に示す。
【0095】
乗員4aは、降車指示を受けて(ステップS46)、駐車場接続路12(例外地点)上に整列中の例外降車申請車両3cから降車する。駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、駐車場接続路12(例外地点)で全ての乗員4aが降車した後、例外降車申請車両3cを駐車場11に入場させる(ステップS55、ステップS47)。駐車場管制部78は、例外降車申請車両3cの前に駐車場11の入場口15に並んでいる車両3の数が所定数(2台)以上である(駐車待ち時間が長い)と判断し、例外降車申請車両3cを駐車場11の出場口16から入場させる(矢印AR1)。駐車場管制部78は、例外降車申請車両3cを出場口16から駐車場11に入場させた後、例外降車申請車両3cを駐車場11の駐車スペース18(スペースナンバーA1)に駐車させる(矢印AR2)(ステップS56)。
【0096】
8.変形例
【0097】
上記実施形態では、例外降車申請車両3cが、車内乗員画像から車内乗員画像の人数及び属性を判断する(ステップS42)。これに代えて、駐車場管制装置5が、例外降車申請車両3cが撮影した車内乗員画像を受信し、車内乗員画像の人数及び属性を判断してもよい。あるいは、場外カメラCO5が車内乗員画像を撮影し、例外降車申請車両3c又は駐車場管制装置5が、場外カメラCO5が撮影した車内乗員画像から車内乗員画像の人数及び属性を判断してもよい。あるいは、利用者端末装置6(典型的にはスマートフォン)が車内乗員画像を撮影し、例外降車申請車両3c、駐車場管制装置5、又は利用者端末装置6が、利用者端末装置6が撮影した車内乗員画像から車内乗員画像の人数及び属性を判断してもよい。
【0098】
上記実施形態では、例外降車が却下された場合、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、通常通り、駐車待ちの順序通りに、例外降車申請車両3cを、乗員を乗せたまま入場口15から駐車場11に入場させる(ステップS45、終了)。これに代えて、例外降車が却下された場合、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、出口カメラ29bで出場口16の安全を確認した上で、例外的に、乗員が乗車中の例外降車申請車両3cを駐車場11の出場口16から入場させ、例外降車申請車両3cを自動バレー乗降スペース19(降車場)に停車させてもよい。例外降車が却下される場合とは、積み下ろしの場所及び時間が必要な携帯物があり、乗員数が多く、及び/又は降車に時間がかかる年代(高齢者や小児)の乗員がいる場合である。このような場合、例外降車申請車両3cが出場口16から入場して自動バレー乗降スペース19(降車場)に停車すれば、駐車待ちの時間を短縮しつつ、乗員は安全に降車することができる。
【0099】
上記実施形態では、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、駐車場接続路12(例外地点)で乗員が降車後(ステップS46)、原則的に、例外降車申請車両3cを入場口15から入場させ、一方、例外降車申請車両3cの前に並んでいる車両3の数が所定数以上である(駐車待ち時間が長い)場合、例外降車申請車両3cを出場口16から入場させる(ステップS55)。この逆でもよい。即ち、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、乗員を降車させずに、出口カメラ29bで出場口16の安全を確認した上で、自動バレー乗降スペース19が空車であれば、乗員の人数及び属性に拘わらず、原則的に、例外降車申請車両3cを出場口16から入場させてもよい。駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、出場口16や自動バレー乗降スペース19に別の車両3が居る場合、例外的に、駐車場接続路12で乗員を降車させ、その後、例外降車申請車両3cを入場口15から入場させればよい。この方法によれば、乗員は原則的に自動バレー乗降スペース19で降車するため駐車場接続路12を歩行する必要が無く、安全である。さらに、駐車待ちの列も短くなるため、駐車待ちの列に並んでいる車両3(特に、非自動運転車両3b)の待ち時間も短縮されてユーザフレンドリーである。
【0100】
上記実施形態では、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、例外降車申請車両3cが例外降車要求を送信(ステップS44)した地点である駐車場接続路12(例外地点)で、乗員を降車させる(ステップS46)。これに代えて、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、より安全な地点(自動バレー乗降スペース19以外の地点)に例外降車申請車両3cを自動運転させて一時停止させ、その地点で乗員を降車させてもよい。より安全な地点とは、例えば、車両3が走行する可能性が低い駐車場接続路12内の地点、又は、歩行者出入り口39の付近等でよい。
【0101】
上記実施形態では、駐車場管制装置5の降車提案部74が例外降車の却下を例外降車申請車両3cに送信した場合、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、通常通り、駐車待ちの順序通りに、例外降車申請車両3cを、乗員を乗せたまま入場口15から駐車場11に入場するよう指示して処理を終了するが、これに代えて、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、一旦はその時点での例外降車の許可を保留し、例外降車申請車両3cの周辺に歩行者等がいなくなったと判断した時点で、例外降車を許可した旨を通知してもよい。
【0102】
駐車場11に複数の入場口15や複数の出場口16がある場合、駐車場管制装置5の駐車場管制部78は、空いている入場口15又は出場口16を判断し、判断した入場口15又は出場口16から例外降車申請車両3cを入場させればよい。
【0103】
9.結語
【0104】
本実施形態によれば、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11の入場口15に至る駐車場接続路12が混雑している場合に、自動バレー乗降スペース19(降車場)以外で自動運転車両3aから乗員が降車する例外降車が可能かどうかを、駐車場管制装置5が車内乗員画像に基づき判断する。具体的には、駐車場管制装置5は、乗員の人数及び属性(年代、携帯物の種別等)に基づき、例外降車を許可又は却下する。駐車場管制装置5は、混雑状況等に応じて、駐車場11の入場口15又は出場口16から例外降車申請車両3cを自動運転により入場させればよい。
【0105】
本実施形態の駐車場管制装置5によれば、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11において、自動運転車両3aの利用者にとって利便性の向上が実現する。
【0106】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応駐車場における、車両の管制装置およびシステムに関するもので、自動運転車両と非自動運転車両の両方が混在して利用する駐車場において、特に自動運転車両の利用者にとって利便性が向上する様に配慮したものである。
【符号の説明】
【0108】
3…車両
3a…自動運転車両
3b…非自動運転車両
4…歩行者
5…駐車場管制装置
7…駐車場管理装置
11…駐車場
37…自動バレー管理装置
500…駐車場管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8